JPH06157861A - 安定な常温架橋型水性組成物およびその製法 - Google Patents

安定な常温架橋型水性組成物およびその製法

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JPH06157861A
JPH06157861A JP22119293A JP22119293A JPH06157861A JP H06157861 A JPH06157861 A JP H06157861A JP 22119293 A JP22119293 A JP 22119293A JP 22119293 A JP22119293 A JP 22119293A JP H06157861 A JPH06157861 A JP H06157861A
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JP
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group
vinyl
monomer
general formula
acid
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Application number
JP22119293A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Masuda
増田  敏幸
Takanori Hatano
貴典 畑野
Naotami Andou
直民 安藤
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 特定のシリル基を有するビニル系単量体
(A)、加水分解可能なシリル基を有するビニル系単量
体(B)およびこれらと共重合可能な他のビニル系単量
体(C)の重合体および要すれば硬化剤および(また
は)造膜助剤を含有する安定な常温架橋型水性組成物な
らびに前記ビニル系単量体(A)、前記ビニル系単量体
(B)および前記ビニル系単量体(C)を要すれば使用
される乳化剤と水の存在下で、レドックス触媒を用い
て、70℃以下の温度で、かつpH5〜10で乳化重合する
ことを特徴とする安定な常温架橋型水性組成物の製法。 【効果】 貯蔵安定性にすぐれ、また硬化性、耐水性、
耐酸性、耐アルカリ性にもすぐれた常温架橋性組成物が
えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば建築物の内装
外装、自動車、家電用品、プラスチックなどの各種塗装
に用いられる安定な常温架橋型水性組成物およびその製
法に関する。さらには、とくに耐候性、耐久性の要求さ
れる用途において、良好な塗膜性能を有する塗膜を与え
る安定な常温架橋型水性組成物およびその製法に関す
る。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】近年、塗
料や接着剤の分野において、公害対策あるいは省資源の
観点より、有機溶剤を使用する塗料や接着剤から、水溶
性あるいは水分散性樹脂のものへの転換が試みられてい
る。
【0003】しかしながら、従来の水分散性の塗料や接
着剤は、イオン性または非イオン性の界面活性剤を使用
した乳化重合法を利用して製造されており、また、分散
粒子中に架橋性の官能基を持たないため、形成される塗
膜の耐候性、耐水性、耐汚染性などが重合に使用する界
面活性剤の影響を強く受け、著しくわるくなり、溶剤系
塗料に較べ塗膜物性がおとるという欠点を有している。
【0004】この欠点を改良するため種々の方法が提案
されている。
【0005】その1つとして、イオン性または非イオン
性の界面活性剤を用いた乳化重合法によりえられるもの
の耐水性、耐候性などを向上させるために、加水分解可
能なシリル基を有するビニル系単量体を共重合可能な他
のビニル系単量体と乳化共重合させてえられる共重合体
を用いる方法(特開昭63−254116号公報)が提
案されている。
【0006】しかしながら、この方法による共重合体
は、加水分解性シリル基としてトリメトキシシリル基あ
るいはトリアセトキシシリル基を用いており、とくにこ
れらの基の安定化を図ったものでもないため、重合体の
合成中あるいは保存中にゲル化しやすく、安定に製造
し、保存することが困難であるという欠点を有してい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの
課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、塩の形で
存在する特定の反応性シリル基を有するビニル系単量体
(A)、前記以外の通常の反応性シリル基を有するビニ
ル系単量体(B)およびこれらと共重合可能な他のビニ
ル系単量体(C)を乳化重合させることにより、前記ビ
ニル系単量体(A)および前記ビニル系単量体(B)に
含まれるそれぞれの反応性シリル基を安定に存在させな
がら重合体エマルジョンを製造することができ、えられ
るエマルジョンの貯蔵安定性もよく、しかも、えられる
重合体が常温架橋性をも有することを見出し、本発明を
完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明は、一般式(I):
【0009】
【化5】
【0010】(式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基、アラルキル基より選ばれた1価の炭化
水素基、Mはアルカリ金属原子、アルカリ土類金属原
子、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、セリウムの
金属原子、アンモニウム基、4級アミノ基、4級ホスホ
ニウム基より選ばれた原子または基、aは0、1または
2を示し、Siに結合するOMおよびR1 がそれぞれ2
個以上のばあい、それらは同一の基であってもよく、異
なる基であってもよい)で表わされるシリル基を有する
ビニル系単量体(A)、一般式(II):
【0011】
【化6】
【0012】(式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基、アラルキル基より選ばれた1価の炭化
水素基、Xはハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ
基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオ
アルコキシ基、アミノ基より選ばれた基、bは0、1ま
たは2を示し、Siに結合するXおよびR2 がそれぞれ
2個以上のばあい、それらは同一の基であってもよく、
異なる基であってもよい)で表わされるシリル基を有す
るビニル系単量体(B)およびこれらと共重合可能な他
のビニル系単量体(C)の重合体を含有する安定な常温
架橋型水性組成物、前記重合体と硬化触媒および(また
は)造膜助剤とを含有する安定な常温架橋型水性組成
物、ならびに前記ビニル系単量体(A)、ビニル系単量
体(B)およびこれらと共重合可能な他のビニル系単量
体(C)を要すれば使用される乳化剤と水の存在下で、
レドックス触媒を用いて、70℃以下の温度で、かつpH
5〜10で乳化重合することを特徴とする安定な常温架橋
型水性組成物の製法に関する。
【0013】
【実施例】本発明で用いられるシリル基を有する重合体
は、一般式(I)で表わされるシリル基を有するビニル
系単量体(A)と一般式(II)で表わされるシリル基
を有するビニル系単量体(B)とこれらと共重合可能な
他のビニル系単量体(C)とを、要すればイオン性ある
いは非イオン性の界面活性剤を用いて乳化重合すること
によりえられる重合体である。
【0014】前記シリル基を有する重合体の製造に用い
られるシリル基含有ビニル系単量体(A)は、1分子中
に重合性炭素−炭素2重結合と一般式(I):
【0015】
【化7】
【0016】で示される基を含む化合物であればとくに
限定なく使用しうる。
【0017】前記R1 は炭素数1〜10のアルキル基、ア
リール基、アラルキル基より選ばれた1価の炭化水素基
であり、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、フェニル基、ベンジル基などが具体例としてあ
げられ、入手の容易さなどの点からメチル基が好まし
い。
【0018】前記Mはアルカリ金属原子、アルカリ土類
金属原子、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、セリ
ウムの金属原子、アンモニウム基、4級アミノ基、4級
ホスホニウム基より選ばれた原子または基であり、アル
カリ金属原子の具体例としては、たとえばリチウム原
子、ナトリウム原子、カリウム原子など、アルカリ土類
金属原子の具体例としては、たとえばカルシウム原子な
ど、4級アミノ基の具体例としては、たとえばテトラメ
チルアンモニウム基などがあげられる。これらのうちで
は、ナトリウム原子、カリウム原子、テトラメチルアン
モニウム基が、えられる重合体エマルジョンの安定性、
架橋性の点から好ましい。
【0019】前記aは0、1または2を示し、えられる
重合体の架橋基としての反応性の点から0または1が好
ましい。
【0020】また、一般式(I)中のSiに結合するO
MおよびR1 がそれぞれ2個以上のばあい、それらは同
一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
【0021】このような単量体の具体例としては、たと
えば
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】などがあげられる。
【0026】これらの一般式(I)で表わされるシリル
基含有ビニル系単量体(A)は、単独で用いてもよく2
種以上併用してもよい。
【0027】前記シリル基を有する重合体の製造に用い
られる一般式(II)で表わされるシリル基含有ビニル
系単量体(B)は、1分子中に重合性炭素−炭素2重結
合と一般式(II):
【0028】
【化11】
【0029】で示される基を含む化合物であればとくに
限定なく使用しうる。
【0030】このシリル基含有ビニル系単量体(B)
は、一般式(II)で表わされるシリル基が一般式
(I)で表わされるシリル基よりも疎水性であるため、
重合中、重合後をとおして水と接触しにくい位置に存在
する傾向にあり、重合後は重合体粒子内部に存在し、主
として重合体粒子の内部で架橋を行なうのに利用され
る。そのため、重合中および保存中をとおして、シリル
基含有ビニル系単量体(B)のみを共重合させたものと
比較してはるかに安定に存在する。
【0031】前記R2 は炭素数1〜10のアルキル基、ア
リール基、アラルキル基より選ばれた1価の炭化水素基
であり、たとえばメチル基、エチル基、フェニル基、ベ
ンジル基などが具体例としてあげられ、コスト、入手の
容易さなどの点からメチル基、エチル基が好ましい。
【0032】前記Xはハロゲン原子、アルコキシ基、ヒ
ドロキシ基、アシロキシ基、アミノキシ基、フェノキシ
基、チオアルコキシ基、アミノ基などから選ばれた原子
または基であり、ハロゲン原子の具体例としては、たと
えば塩素原子、アルコキシ基の具体例としては、たとえ
ばメトキシ基、エトキシ基、アシロキシ基の具体例とし
ては、たとえばアセトキシ基、チオアルコキシ基の具体
例としては、たとえばチオメトキシ基などが具体例とし
てあげられる。これらのうちでは、メトキシ基、エトキ
シ基が、重合安定性、エマルジョンの安定性、入手の容
易さなどの点から好ましい。
【0033】前記bは0、1または2を示し、えられる
重合体粒子の内部での架橋基としての反応性と安定性の
バランスの点から0または1が好ましい。
【0034】また、一般式(II)中のSiに結合する
XおよびR2 がそれぞれ2個以上のばあい、それらは同
一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
【0035】このような単量体の具体例としては、たと
えば
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】などがあげられる。これらの中では、とく
にアルコキシシリル基含有モノマーが重合安定性、エマ
ルジョンの安定性の点から好ましい。
【0040】これらのシリル基含有ビニル系単量体
(B)は、単独で用いてもよく2種以上併用してもよ
い。
【0041】前記シリル基含有ビニル系単量体(A)お
よび(B)と共重合可能な他のビニル系単量体(C)
は、これらと共重合性を有するかぎりとくに限定はな
い。
【0042】このようなビニル系単量体(C)の具体例
としては、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
トなどのビニル系単量体;トリフルオロエチル(メタ)
アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリ
レート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレ
ート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタク
リレート、β−(パーフルオロオクチル)エチル(メ
タ)アクリレートなどのフッ素含有ビニル系単量体;ス
チレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、4−ヒ
ドロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水
素系ビニル単量体;アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、
クロトン酸、フマル酸、シトラコン酸などのα,β−エ
チレン性不飽和カルボン酸、スチレンスルホン酸、ビニ
ルスルホン酸などの重合可能な炭素−炭素2重結合を有
する酸;前記酸の塩(アルカリ金属塩、アンモニウム
塩、アミン塩など);無水マレイン酸などの酸無水物ま
たはそれらと炭素数1〜20の直鎖または分岐のアルコー
ルとのハーフエステル;ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリ
レート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートな
どのアミノ基を有する(メタ)アクリレート;(メタ)
アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、
N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、
アクリロイルモルホリンあるいはその塩酸塩、酢酸塩;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレード
などのビニルエステルやアリル化合物;(メタ)アクリ
ロニトリルなどのニトリル基含有ビニル系単量体;グリ
シジル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有ビニ
ル系単量体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシエチルビニルエーテル、N−メチルロール
(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシスチレン、アロニ
クス5700(東亜合成化学(株)製)、Placce
lFA−1、PlaccelFA−4、Placcel
FM−1、PlaccelFM−4(以上、ダイセル化
学(株)製)、HE−10、HE−20、HP−10、
HP−20、(以上、日本触媒化学(株)製)、ブレン
マーPEシリーズ、ブレンマーPEPシリーズ、ブレン
マーAP−400、ブレンマーAE−350、ブレンマ
ーNKH−5050、ブレンマーGLM(以上、日本油
脂(株)製)、水酸基含有ビニル系変性ヒドロキシアル
キルビニル系モノマーなどの水酸基含有ビニル系単量
体;(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル
類などのα、β−エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロ
キシアルキルエステル類とリン酸エステル基含有ビニル
化合物あるいはウレタン結合やシロキサン結合を含む
(メタ)アクリレートなどのビニル化合物;東亜合成化
学(株)製のマクロモノマーであるAS−6、AN−
6、AA−6、AB−6、AK−5などの化合物;ビニ
ルメチルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロ
ロプレン、プロピレン、ブタジエン、N−ビニルイミダ
ゾール、ビニルスルホン酸などのその他のビニル系単量
体などがあげられる。
【0043】前記ビニル系単量体(C)としてフッ素含
有ビニル系単量体、シロキサン含有ビニル系単量体を使
用することにより撥水性が向上し、耐水性、耐久性が向
上する。また、水酸基含有ビニル系単量体あるいはポリ
プロピレングリコールメタクリレート、ポリエチレング
リコールモノメタクリレートのように親水性単量体を使
用するとエマルジョンの安定性が向上する。
【0044】また、前記ビニル系単量体(C)またはそ
の一部として、たとえばポリエチレングリコールジメタ
クリレート、エチレングリコールジアクリレート、トリ
アリルシアヌレートなどの重合性の不飽和結合を2つ以
上有する単量体を使用することにより、生成するポリマ
ーを、架橋構造を有するものにすることも可能である。
【0045】前記シリル基含有ビニル系単量体(A)、
(B)およびこれらと共重合性を有するビニル系単量体
(C)の使用割合は、これらの合計量に対してシリル基
含有ビニル系単量体(A)を0.5 〜30%(重量%、以下
同様)使用するのが好ましく、さらに1〜20%、とくに
3〜12%使用するのが好ましい。シリル基含有ビニル系
単量体(A)の量が、0.5 %より少なくなると、耐水
性、耐候性がおとる傾向が生じ、30%をこえると耐水性
が低下し、乳化剤を用いるばあいには、エマルジョンの
安定性も低下しやすくなる。一方、ビニル系単量体
(B)の使用量は、0.5 〜30%であることが好ましく、
さらに1〜30%、さらに1〜20%、とくに2〜20%、こ
とに2〜5%であることが好ましい。シリル基含有ビニ
ル系単量体(B)の量が、0.5 %より少なくなると、耐
水性、耐候性がおとる傾向が生じ、30%をこえるとエマ
ルジョンの安定性が低下し、貯蔵安定性も低下する傾向
がある。
【0046】前記ビニル系単量体(A)および前記ビニ
ル系単量体(B)の合計の使用量は、1.5 〜60%である
ことが好ましく、さらに3〜40%、とくには5〜15%で
あることが好ましい。この合計使用量が、1.5 %より少
なくなると、耐水性、耐候性が低くなり、60%をこえる
とエマルジョンの安定性がわるくなる。
【0047】つぎに、本発明におけるシリル基含有ビニ
ル系単量体(A)、(B)とこれらと共重合可能な他の
ビニル系単量体(C)とを乳化重合させてえられる重合
体の製法について説明する。
【0048】乳化重合法としては、バッチ重合法、モノ
マー滴下重合法、乳化モノマー滴下重合法などの各種乳
化重合法を適宜選択して採用することができるが、とく
に、製造時の重合安定性を確保する上でモノマー滴下重
合法、乳化モノマー滴下重合法が適している。なお、前
記シリル基含有ビニル系単量体(A)は、水溶性〜水分
散性を示すので、重合体エマルジョンにしたときに、エ
マルジョンの粒子表面に存在し、硬化時には粒子間の架
橋を行ないやすい。一方、前記シリル基含有ビニル系単
量体(B)は水中で加水分解しやすく、縮合反応をおこ
しやすいが、後述する本発明の製法によれば、縮合反応
を抑制しながら重合させることができ、安定な重合体エ
マルジョンをうることができる。
【0049】前記シリル基含有ビニル系単量体(A)の
−Si−OM基は、親水性が強く、乳化剤を使用しても
しなくても乳化重合しうるばあいが多いが、乳化剤を使
用するばあい、通常の乳化重合に使用される乳化剤であ
ればとくに限定なく使用しうる。
【0050】このような乳化剤としては、イオン性界面
活性剤であるラウリルスルホン酸ナトリウム、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、イソオクチルベンゼン
スルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸塩;Newco
l−723SF、Newcol−707SN、Newc
ol−707SF、Newcol−740SF、New
col−560SN(以上、日本乳化剤(株)製)など
の(ポリ)オキシエチレン基を含むアニオン性乳化剤;
イミダリンラウレート、アンモニウムハイドロオキサイ
ドなどのアンモニウム塩などや、非イオン性界面活性剤
であるポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンラウリルエーテルなどのポリオキシエ
チレン類;L−77、L−720、L−5410、L−
7602、L−7607(以上、ユニオンカーバイド社
製)などのシリコンを含むノニオン系乳化剤などが代表
例としてあげられる。
【0051】また、乳化剤として、1分子中に重合性2
重結合を有する反応性乳化剤も使用できる。とくに分子
内にポリオキシエチレン基を有する反応性乳化剤を用い
ると耐水性が向上する。具体例として、アデカリアソー
プNE−10、NE−20、NE−30、NE−40、
SE−10N(以上、旭電化工業(株)製)、Anto
x−MS−60(日本乳化剤(株)製)、アクアロンR
N−20、RN−30、RN−50、HS−10、HS
−20、HS−1025(以上、第一工業製薬(株)
製)などがあげられる。
【0052】前記シリル基含有ビニル系単量体(A)
は、水中で安定に存在するが、より安定に重合を行なう
ためには、レドックス系触媒を用いて70℃以下の温度、
好ましくは40〜60℃の温度で、pH5〜10に調製して行
なうことにより一般式(I)で表わされるシリル基を安
定な状態に保ったまま、重合を行なうことができ、好ま
しい結果がえられる。
【0053】なお、前記シリル基含有ビニル系単量体
(B)は、親水性にとんだシリル基含有ビニル系単量体
(A)およびビニル系単量体(C)とともに共重合せし
められるが、このばあい、シリル基含有ビニル系単量体
(B)の一般式(II)で表わされるシリル基は一般式
(I)で表わされるシリル基よりも疎水性であるため、
粒子の内側に存在し、水系媒体と接触しにくく、加水分
解がおこりにくく、前記のごとき重合条件下では、ほぼ
安定な状態で重合を行なうことができる。
【0054】前記レドックス系触媒としては、過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウムと酸性亜硫酸ナトリウム、
ロンガリットの組み合わせ、過硫化水素とアスコルビン
酸の組み合わせ、t−ブチルハイドロパーオキサイド、
ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサ
イド、p−メンタンハイドロパーオキサイドなどの有機
過酸化物と酸性亜硫酸ナトリウム、ロンガリットなどと
の組み合わせなどが用いられる。とくに、過硫酸塩と還
元剤の組み合わせが重合の安定性の点から好ましい。ま
た、触媒活性を安定的にうるために硫酸鉄などの2価の
鉄イオンを含む化合物とエチレンジアミン4酢酸2ナト
リウムのようなキレート剤を適宜併用してもよい。
【0055】このような開始剤の使用量は、モノマーの
重量を基準として、0.01〜10%が好ましく、さらに0.05
〜5%が好ましい。
【0056】このようにしてえらえる水性組成物である
重合体エマルジョン中の固形分濃度は、20〜70%、さら
に30〜60%であり、重合体の重量平均分子量は通常10,0
00〜500,000 、さらには100,000 〜350,000 、とくに20
0,000 〜350,000 程度である。
【0057】固形分濃度が70%をこえると、系の粘度が
著しく上昇するため重合反応に伴う発熱を除去すること
が困難になったり、重合機からの取り出しに長時間を要
するなどの不都合が生じる。また、固形分濃度が20%未
満のばあい、重合操作の面では何ら問題は生じないもの
の、1回の重合操作によってえられる重合体の量が少な
く、経済面から考えたばあい、著しく不利となり、また
20%以下の濃度では、塗膜の膜厚が薄くなってしまい、
性能劣化をおこしたり、塗装作業性の点で不利となるな
どの問題が生じる。
【0058】かくしてえられる水性組成物は平均粒子径
が0.02〜1.0 μm、さらには0.04〜0.5 μm程度の超微
粒子より構成されており、その結果としてすぐれた被膜
形成能を有している。
【0059】かくしてえられる本発明の水性組成物は、
被塗物に塗布し、乾燥することにより常温架橋性を示す
安定な組成物である。
【0060】本発明の水性組成物には、被膜形成性を改
善することを目的とし、必要に応じて、造膜助剤を添加
することができる。このような造膜助剤の添加量として
は、水性組成物に対して0.1 〜15%、好ましくは0.5 〜
10%である。
【0061】このような造膜助剤の具体例としては、た
とえば炭素数1〜10の直鎖または分岐を有するアルコー
ル系溶剤、一般式:H−(OCH2 CH2 n −OR3
で示される(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエ
ーテル(R3 は炭素数1〜10の直鎖または分岐を有する
アルキル基、nは1〜5の整数を示す)、一般式:R5
CO−(O−CH2 CH2 n −OR4 で示される(ポ
リ)エチレングリコールアルキルエーテルエステル(R
4 、R5 は炭素数1〜10の直鎖および(または)分岐を
有するアルキル基であり、同一であってよく、異なって
いてもよい、nは1〜5の整数を示す)、一般式:
【0062】
【化15】
【0063】で示される(ポリ)プロピレングリコール
モノアルキルエーテル(R6 は炭素数1〜10の直鎖また
は分岐を有するアルキル基、nは1〜5の整数)、一般
式:
【0064】
【化16】
【0065】で示される(ポリ)プロピレングリコール
アルキルエステル(R7 、R8 は炭素数1〜10の直鎖お
よび(または)分岐を有するアルキル基であり、同一で
あってもよく、異なっていてもよい、nは1〜5の整数
を示す)などが使用できる。
【0066】前記具体例に該当する具体的な化合物名と
しては、たとえばメチルアルコール、エチルアルコー
ル、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n
−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ヘキシル
アルコール、オクチルアルコールなどのアルコール類;
セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジ
エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレング
リコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノイソブチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプ
ロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレン
グリコールイソブチルエーテル、トリプロピレングリコ
ールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモ
ノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノイソ
ブチルエーテルなどのエーテル類;ブチルセロソルブア
セテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルア
セテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル
アセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエー
テルアセテート、トリプロピレングリコールモノイソブ
チルエーテルアセテートなどのグリコールエーテルエス
テル類などがあげられる。
【0067】これらの造膜助剤は、単独で用いてもよ
く、2種以上併用してもよい。また、これらを用いる時
期としては、重合体の重合時に用いてもよく、重合後に
用いてもよい。
【0068】また、本発明の水性組成物には、硬化性の
促進と要求される硬化物物性をうるために、必要に応じ
て、硬化触媒を使用してもよい。
【0069】本発明の水性組成物における反応性基は、
一般式(I)で示されるシリル基と一般式(II)で示
されるシリル基であり、一般式(I)で示されるシリル
基は、水ガラスなどのアルカリシリケートの一般的な硬
化剤の存在下で常温で反応し、また、一般式(II)で
示されるシリル基は、有機スズ化合物、酸性リン酸エス
テル類、有機酸性物質などの存在下で常温で反応してシ
ロキサン結合を生成して架橋する。したがって、本発明
の組成物に用いる硬化触媒としては、一般式(I)で示
されるシリル基の硬化触媒と一般式(II)で示される
シリル基の硬化触媒とをそれぞれ単独で用いてもよい
し、併用してもよいが、要求物性を引き出すためには併
用する方が好ましい。
【0070】本発明において使用する一般式(I)で示
されるシリル基の硬化触媒の具体例としては、たとえば
二酸化炭素;炭酸アンモニウム;炭酸ジメチル、炭酸ジ
エチルなどの炭酸エステル類;炭酸水素アンモニウム、
炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素マグ
ネシウム、炭酸水素リチウムなどの炭酸水素塩;マレイ
ン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イタコ
ン酸、クエン酸、コハク酸、トリメリット酸、ピロメリ
ット酸、これらの酸無水物などの酸性化合物;硫酸、パ
ラトルエンスルホン酸などのスルホン酸類;硫酸ジメチ
ル、硫酸ジエチルなどの硫酸エステル類;硫酸水素アン
モニウム、硫酸水素カリウム、硫酸水素セシウム、硫酸
水素ナトリウム、硫酸水素リチウムなどの硫酸水素塩;
塩酸、リン酸、リン酸ジルコニウム、リン酸アルミニウ
ム、(ポリ)リン酸ナトリウムなどのリン酸類;ケイフ
ッ化ナトリウム、酸化亜鉛;トリアセチン、ジアセチ
ン、グリオキサールなどがあげられる。
【0071】これらの硬化触媒のうちでは、二酸化炭
素、炭酸エステル、炭酸水素金属塩、有機酸性化合物、
硫酸、スルホン酸類、硫酸エステル、硫酸水素金属塩、
リン酸、リン酸塩、ケイフッ化ナトリウム、酸化亜鉛、
トリアセチン、ジアセチン、グリオキサールが活性も高
く好ましい。さらに二酸化炭素、炭酸水素塩、有機酸性
化合物、硫酸、硫酸水素塩が好ましい。
【0072】また、一般式(II)で示されるシリル基
の硬化触媒の具体例としては、たとえばジブチルスズジ
ラウレート、ジブチルスズマレート、ジオクチルスズジ
ラウレート、ジオクチルスズマレート、オクチル酸スズ
などの有機スズ化合物;リン酸、モノメチルホスフェー
ト、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェー
ト、モノオクチルホスフェート、モノデシルホスフェー
ト、ジメチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジ
ブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジデシ
ルホスフェートなどのリン酸またはリン酸エステル類;
プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、シクロヘ
キセンオキサイド、グリシジルメタクリレート、グリシ
ドール、アクリルグリシジルエーテル、γ−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、油化シェルエ
ポキシ(株)製のカーデュラ(E)、エピコート82
8、エピコート1001などのエポキシ化合物とリン酸
および(または)酸性モノリン酸エステルとの付加反応
物;有機チタネート化合物;有機アルミニウム化合物;
有機ジルコニウム化合物;マレイン酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、イタコン酸、クエン酸、コハ
ク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの酸無
水物、パラトルエンスルホン酸などの酸性化合物;ヘキ
シルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、N,N−
ジメチルドデシルアミン、ドデシルアミンなどのアミン
類;これらのアミンと酸性リン酸エステルとの混合物ま
たは反応物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの
アルカリ性化合物などがあげられる。
【0073】一般式(I)で示されるシリル基の硬化触
媒の使用量にはとくに限定はないが、水性組成物の固形
分に対して、通常0.1 〜20%、さらには0.1 〜10%使用
するのが好ましい。使用量が20%をこえると塗膜の外観
性が低下する傾向にある。
【0074】また一般式(II)で示されるシリル基の
硬化触媒の使用量にもとくに限定はないが、水性組成物
の固形分に対して通常0.1 〜20%、さらには0.1 〜10%
使用するのが好ましい。使用量が20%をこえると、塗膜
の外観性が低下する傾向にある。
【0075】本発明の水性組成物には、必要に応じて通
常塗料に用いられる成分、たとえば顔料(二酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、カオリンなどの白
色顔料、カーボン、ベンガラ、シアニンブルーなどの有
色系顔料)、コロイダルシリカ、可塑剤、溶剤、分散
剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、紫外線吸収剤などの成分
を添加してもよい。
【0076】また、市販されている水系の塗料ともブレ
ンドすることが可能であり、たとえばアクリル系塗料、
アクリルメラミン系塗料、フッ素樹脂塗料のような熱硬
化アクリル塗料、アルキッド塗料、エポキシ系塗料など
を使用することができ、これら塗料の耐候性、耐酸性、
耐溶剤性を向上させることができる。
【0077】また、架橋剤として、メラミン樹脂、イソ
シアネート化合物を添加し、速硬化性にすることも可能
である。
【0078】えられた水性組成物は、たとえば建築物の
内装外装用、自動車補修用、メタリックコート上のクリ
ヤーなどの自動車用、アルミニウム、ステンレスなどの
金属直塗用、スレート、コンクリート、瓦などの窯業系
基材直塗用の塗料あるいは表面処理剤として用いられ
る。また接着剤、粘着剤にも応用可能である。
【0079】つぎに、本発明を実施例にもとづき説明す
る。
【0080】実施例1〜2および比較例1〜2(重合体
エマルジョンの合成) 攪拌機、温度計、還流冷却管、チッ素ガス導入管および
滴下ロートを備えた反応容器に脱イオン水100 部(重量
部、以下同様)とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム3部とポリエチレングリコールノニルフェニルエーテ
ル1部を仕込み、過硫酸アンモニウム0.5 部、亜硫酸水
素ナトリウム0.2 部を添加し、チッ素ガスを導入しつつ
60℃に昇温したのち、表1に示す組成の混合物を滴下ロ
ートにより3時間かけて等速滴下した。このとき、重合
反応液のpHを5%アンモニア水溶液を添加して約7に
たもった。
【0081】比較例1では、重合中にゲル化した。他の
ものについては、混合物の滴下終了後、60℃で2時間熟
成したのち冷却し、水性分散液に脱イオン水を加えて固
形分濃度が40%になるように調整し、重合体エマルジョ
ン1〜3(実施例1〜2および比較例2でえられたも
の)をえた。
【0082】
【表1】
【0083】実施例3〜6および比較例3〜4 表2および表3に示す組成物を調製し、シート(台紙に
ポリエチレンシートをはりつけたもの)および下塗を施
した基材(スレート板にエポキシ系下塗り塗料を塗布し
たもの)上にそれぞれ膜厚が50μmとなるように塗装
し、常温で5%二酸化炭素雰囲気下15日間乾燥硬化さ
せ、いずれも良好な塗膜をえた。なお、表2、表3中の
テキサノールは米国イーストマンケミカルプロダクツ社
の2,2,4−トリメチルペンタンジオール1,3−イ
ソブチレートを主体とする組成物である。
【0084】
【表2】
【0085】
【表3】
【0086】えられた塗膜について、下記の方法により
シート上に塗装した塗膜について硬化性、下塗を施した
基材上に塗装した塗膜について耐水性、耐酸性、耐アル
カリ性の評価を行なった。結果を表4、表5に示す。
【0087】また、前記組成物を用いて、最低造膜温度
を下記の方法によって測定した。結果を表4、表5に示
す。
【0088】さらに貯蔵安定性試験は、実施例3〜6、
比較例3〜4で硬化触媒を添加する前の組成物を用いて
下記の方法により行なった。結果を表6に示す。
【0089】硬化性(ゲル分率):乾燥塗膜をアセトン
に1日浸漬し、その後の重量を測定し、初めての重量に
対する割合(%)を求めた。 耐水性:乾燥塗膜を50℃の温水に1カ月浸漬し、塗膜の
光沢保持率(%)を調べた。 耐酸性:5%硫酸水溶液をスポットし、1週間後の塗膜
表面の状態を目視評価した。 ○:変化無し △:若干変化がある ×:かなり変化がある 耐アルカリ性:5%水酸化ナトリウム水溶液をスポット
し、1週間後の塗膜表面の状態を目視評価した。 ○:変化無し △:若干変化がある ×:かなり変化がある 最低造膜温度:成膜する最低温度を最低造膜温度測定機
で調べた。 貯蔵安定性:50℃で1カ月保存した組成物の粘度を23℃
でB型粘度計を用いて測定した。
【0090】
【表4】
【0091】
【表5】
【0092】
【表6】
【0093】表4、5および6から、本発明の組成物
は、えられた塗膜の硬化性、耐水性、耐酸性、耐アルカ
リ性にすぐれ、かつ高温下、長期間保存しても粘度の上
昇がわずかで貯蔵安定性もよいことがわかる。
【0094】
【発明の効果】本発明の製法によると、重合安定性がよ
く、エマルジョンの安定性もよい常温架橋型水性組成物
をうることができる。しかも、この常温架橋型水性組成
物は、架橋反応性を有しており、貯蔵安定性にもすぐれ
た組成物であり、硬化に際しては良好な硬化性を有す
る。また、該組成物の硬化物は、耐水性、耐酸性、耐ア
ルカリ性にもすぐれており、従来の水性塗料に較べ、性
能面で大幅に改善されたものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基、アリール
    基、アラルキル基より選ばれた1価の炭化水素基、Mは
    アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルミニウ
    ム、チタン、ジルコニウム、セリウムの金属原子、アン
    モニウム基、4級アミノ基、4級ホスホニウム基より選
    ばれた原子または基、aは0、1または2を示し、Si
    に結合するOMおよびR1 がそれぞれ2個以上のばあ
    い、それらは同一の基であってもよく、異なる基であっ
    てもよい)で表わされるシリル基を有するビニル系単量
    体(A)、一般式(II): 【化2】 (式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基、アリール
    基、アラルキル基より選ばれた1価の炭化水素基、Xは
    ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アシロキ
    シ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ
    基、アミノ基より選ばれた基、bは0、1または2を示
    し、Siに結合するXおよびR2 がそれぞれ2個以上の
    ばあい、それらは同一の基であってもよく、異なる基で
    あってもよい)で表わされるシリル基を有するビニル系
    単量体(B)およびこれらと共重合可能な他のビニル系
    単量体(C)の重合体を含有する安定な常温架橋型水性
    組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の重合体と硬化触媒および
    (または)造膜助剤とを含有する安定な常温架橋型水性
    組成物。
  3. 【請求項3】 一般式(I): 【化3】 (式中、R1 は炭素数1〜10のアルキル基、アリール
    基、アラルキル基より選ばれた1価の炭化水素基、Mは
    アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アルミニウ
    ム、チタン、ジルコニウム、セリウムの金属原子、アン
    モニウム基、4級アミノ基、4級ホスホニウム基より選
    ばれた原子または基、aは0、1または2を示し、Si
    に結合するOMおよびR1 がそれぞれ2個以上のばあ
    い、それらは同一の基であってもよく、異なる基であっ
    てもよい)で表わされるシリル基を有するビニル系単量
    体(A)、一般式(II): 【化4】 (式中、R2 は炭素数1〜10のアルキル基、アリール
    基、アラルキル基より選ばれた1価の炭化水素基、Xは
    ハロゲン原子、アルコキシ基、ヒドロキシ基、アシロキ
    シ基、アミノキシ基、フェノキシ基、チオアルコキシ
    基、アミノ基より選ばれた基、bは0、1または2を示
    し、Siに結合するXおよびR2 がそれぞれ2個以上の
    ばあい、それらは同一の基であってもよく、異なる基で
    あってもよい)で表わされるシリル基を有するビニル系
    単量体(B)およびこれらと共重合可能な他のビニル系
    単量体(C)を水の存在下で、レドックス触媒を用い
    て、70℃以下の温度で、かつpH5〜10で乳化重合する
    ことを特徴とする安定な常温架橋型水性組成物の製法。
  4. 【請求項4】 請求項3の乳化重合を、乳化剤の存在下
    で行なう請求項3記載の製法。
JP22119293A 1992-09-08 1993-09-06 安定な常温架橋型水性組成物およびその製法 Pending JPH06157861A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7810919B2 (en) 2004-09-17 2010-10-12 Ricoh Company, Ltd. Recording ink, ink cartridge, ink record, inkjet recording apparatus, and inkjet recording method
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