JPH06118460A - 光位相変調回路 - Google Patents
光位相変調回路Info
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- JPH06118460A JPH06118460A JP28358592A JP28358592A JPH06118460A JP H06118460 A JPH06118460 A JP H06118460A JP 28358592 A JP28358592 A JP 28358592A JP 28358592 A JP28358592 A JP 28358592A JP H06118460 A JPH06118460 A JP H06118460A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】非線形光学媒質中の相互位相変調効果を利用す
ることにより、光位相変調器の動作速度に支配されない
極めて高速の光位相変調信号を発生させることが可能な
光位相変調回路を提供する。 【構成】光強度変調信号を発生する光回路と、コヒーレ
ントな光を発する光源と、該光源から出力された光信号
と前記光増幅器から出力される光強度変調信号の偏波状
態をそれぞれ制御する2個の偏波制御回路と、該偏波制
御回路の出力光信号を合成する光結合回路と、該光結合
回路の出力光信号を入力すべき非線形光学媒質を材料と
する伝送路と、前記媒質を透過した光信号入力すべき偏
光子とを具備している。
ることにより、光位相変調器の動作速度に支配されない
極めて高速の光位相変調信号を発生させることが可能な
光位相変調回路を提供する。 【構成】光強度変調信号を発生する光回路と、コヒーレ
ントな光を発する光源と、該光源から出力された光信号
と前記光増幅器から出力される光強度変調信号の偏波状
態をそれぞれ制御する2個の偏波制御回路と、該偏波制
御回路の出力光信号を合成する光結合回路と、該光結合
回路の出力光信号を入力すべき非線形光学媒質を材料と
する伝送路と、前記媒質を透過した光信号入力すべき偏
光子とを具備している。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコヒーレント光通信等に
用いられる光位相変調回路に関する。
用いられる光位相変調回路に関する。
【0002】
【従来の技術】光位相変復調方式はコヒーレント光通信
に用いられる変復調方式であり、最も高い受信感度を与
える変復調方式として近年盛んに研究が行われている。
1Gb/s以上の変調速度の高速光位相変調回路に用い
られる光位相変調器としては従来、ニオブ酸リチウム等
の強誘電体結晶を材料とし、電界を印加した際に1次の
電気光学効果によって生じる屈折率の変化を利用した位
相変調器が用いられている。光位相変調信号の変調速度
の上限は位相変調回路の変調帯域と変調器を駆動する駆
動回路の動作速度によって与えられる。一般に駆動電気
回路の出力信号振幅は変調器の動作速度が速くなるに従
い小さくなるという傾向があるため、光位相変調器とし
ては低駆動電圧で動作することが望ましい。上記のタイ
プの位相変調器においては通常、低駆動電圧化を図る目
的で光信号の導波方向と電気信号の伝播方向を一致させ
た進行波型の電極構造が設けられている。この場合、変
調器の変調帯域は電気信号と光信号の位相整合の度合い
によって制限され、素子長が長くなるに従い変調帯域は
狭くなるという傾向がある。一方、駆動電圧は素子長に
反比例するため、低駆動電圧動作をさせることと変調帯
域を拡大することとは互いに相反する関係にあるといえ
る。波長1.55μm帯で動作するニオブ酸リチウム位
相変調器として、現在までに変調帯域20GHz,π駆
動電圧5V程度のものが実現されている。
に用いられる変復調方式であり、最も高い受信感度を与
える変復調方式として近年盛んに研究が行われている。
1Gb/s以上の変調速度の高速光位相変調回路に用い
られる光位相変調器としては従来、ニオブ酸リチウム等
の強誘電体結晶を材料とし、電界を印加した際に1次の
電気光学効果によって生じる屈折率の変化を利用した位
相変調器が用いられている。光位相変調信号の変調速度
の上限は位相変調回路の変調帯域と変調器を駆動する駆
動回路の動作速度によって与えられる。一般に駆動電気
回路の出力信号振幅は変調器の動作速度が速くなるに従
い小さくなるという傾向があるため、光位相変調器とし
ては低駆動電圧で動作することが望ましい。上記のタイ
プの位相変調器においては通常、低駆動電圧化を図る目
的で光信号の導波方向と電気信号の伝播方向を一致させ
た進行波型の電極構造が設けられている。この場合、変
調器の変調帯域は電気信号と光信号の位相整合の度合い
によって制限され、素子長が長くなるに従い変調帯域は
狭くなるという傾向がある。一方、駆動電圧は素子長に
反比例するため、低駆動電圧動作をさせることと変調帯
域を拡大することとは互いに相反する関係にあるといえ
る。波長1.55μm帯で動作するニオブ酸リチウム位
相変調器として、現在までに変調帯域20GHz,π駆
動電圧5V程度のものが実現されている。
【0003】ニオブ酸リチウム位相変調器に代わる高速
の外部変調器として近年、半導体電界吸収型変調器を位
相変調器として用いる研究が活発に行われている。半導
体電界吸収型変調器とはPN接合された半導体で構成さ
れ、逆バイアス電圧を印加した際の吸収係数の変化を利
用して変調を行う光変調器である。この電界印加に伴う
吸収係数の変化は、バルクの結晶を用いた場合にフラン
ツケルデッシュ効果と呼ばれる。このタイプの変調器に
おいて活性層に多重量子井戸構造を用いた場合、吸収端
波長よりもやや短波長に励起子吸収に相当するピークが
室温においても観測され、このピークは電界を印加した
際にも存在することから、バルク結晶を用いる場合と比
較して大きな吸収変化が得られる。この効果は特に量子
閉じ込めシュタルク効果と呼ばれる。吸収変化に伴い、
クラマースクローニッヒの関係によって屈折率も変化す
ることから、このタイプの変調器を位相変調器として使
用することも可能となる。このタイプの変調器の応答速
度は極めて高速であり、実際の変調帯域は素子の構造と
実装によってきまる時定数によって与えられる。波長
1.55μm帯で動作する半導体電界吸収型変調器とし
て変調帯域20GHz,π駆動電圧3V程度のものが実
現されている。
の外部変調器として近年、半導体電界吸収型変調器を位
相変調器として用いる研究が活発に行われている。半導
体電界吸収型変調器とはPN接合された半導体で構成さ
れ、逆バイアス電圧を印加した際の吸収係数の変化を利
用して変調を行う光変調器である。この電界印加に伴う
吸収係数の変化は、バルクの結晶を用いた場合にフラン
ツケルデッシュ効果と呼ばれる。このタイプの変調器に
おいて活性層に多重量子井戸構造を用いた場合、吸収端
波長よりもやや短波長に励起子吸収に相当するピークが
室温においても観測され、このピークは電界を印加した
際にも存在することから、バルク結晶を用いる場合と比
較して大きな吸収変化が得られる。この効果は特に量子
閉じ込めシュタルク効果と呼ばれる。吸収変化に伴い、
クラマースクローニッヒの関係によって屈折率も変化す
ることから、このタイプの変調器を位相変調器として使
用することも可能となる。このタイプの変調器の応答速
度は極めて高速であり、実際の変調帯域は素子の構造と
実装によってきまる時定数によって与えられる。波長
1.55μm帯で動作する半導体電界吸収型変調器とし
て変調帯域20GHz,π駆動電圧3V程度のものが実
現されている。
【0004】以上、外部変調器を用いる位相変調方式を
外部位相変調方式と呼ぶが、この他に光源である半導体
レーザに直接信号電流を印加する直接位相変調方式があ
る。この方法では半導体レーザに注入するバイアス電流
に信号電流を重畳し、活性層のキャリア密度の変化に伴
う周波数変化が所要の位相変化をもたらすように信号振
幅および信号のデューティ比を調節する。この場合の変
調帯域はキャリア寿命で制限され,活性層に信号電流を
注入した場合の変調帯域は20GHz程度であり、一方
活性層以外の導波領域に信号電流を注入した場合の変調
帯域は1GHz以下に制限される。半導体レーザ光増幅
器を用いて位相変調を行う場合も同様の制限を受ける。
外部位相変調方式と呼ぶが、この他に光源である半導体
レーザに直接信号電流を印加する直接位相変調方式があ
る。この方法では半導体レーザに注入するバイアス電流
に信号電流を重畳し、活性層のキャリア密度の変化に伴
う周波数変化が所要の位相変化をもたらすように信号振
幅および信号のデューティ比を調節する。この場合の変
調帯域はキャリア寿命で制限され,活性層に信号電流を
注入した場合の変調帯域は20GHz程度であり、一方
活性層以外の導波領域に信号電流を注入した場合の変調
帯域は1GHz以下に制限される。半導体レーザ光増幅
器を用いて位相変調を行う場合も同様の制限を受ける。
【0005】一方、強度変調信号に関しては、パルス幅
の短い光パルスを発生させるのは比較的容易であること
から、このパルス信号列を変調して時間軸上で多重化す
ることによって変調器の動作速度に支配されない極めて
高速の強度変調信号を得ることが可能となる。図9を用
いてこの方法の原理を説明する。光源29から発生した
繰り返し周期Tのパルス(図9a)は光分岐回路31に
よってn個の光路に分岐される。図9ではn=2の場合
について示している。分岐されたパルスはそれぞれ強度
変調器32,33によって強度変調され(図9b,
c)、T/nの遅延を与えられて合波される。こうして
変調器の動作速度のn倍の強度変調信号(図9d)が得
られる。このような方法を用いて既に100Gb/sの
強度変調信号が得られている。(A.Takada a
nd M.Saruwatari,Electroni
cs Letters vol.24,p.1406
(1988))
の短い光パルスを発生させるのは比較的容易であること
から、このパルス信号列を変調して時間軸上で多重化す
ることによって変調器の動作速度に支配されない極めて
高速の強度変調信号を得ることが可能となる。図9を用
いてこの方法の原理を説明する。光源29から発生した
繰り返し周期Tのパルス(図9a)は光分岐回路31に
よってn個の光路に分岐される。図9ではn=2の場合
について示している。分岐されたパルスはそれぞれ強度
変調器32,33によって強度変調され(図9b,
c)、T/nの遅延を与えられて合波される。こうして
変調器の動作速度のn倍の強度変調信号(図9d)が得
られる。このような方法を用いて既に100Gb/sの
強度変調信号が得られている。(A.Takada a
nd M.Saruwatari,Electroni
cs Letters vol.24,p.1406
(1988))
【0006】
【発明が解決しようとする課題】現在、実現されている
光位相変調回路には、大きく分けて外部位相変調器を用
いる外部位相変調方式と、光源である半導体レーザに直
接信号電流を注入する直接位相変調方式がある。いずれ
の場合も、変調速度は位相変調器もしくは半導体レーザ
等の位相変調素子の動作速度、およびこれらを駆動する
駆動回路の動作速度によって制限され、光通信システム
に用いられる波長1.55μmで動作する光位相変調回
路の動作速度は20Gb/s程度に制限されている。
光位相変調回路には、大きく分けて外部位相変調器を用
いる外部位相変調方式と、光源である半導体レーザに直
接信号電流を注入する直接位相変調方式がある。いずれ
の場合も、変調速度は位相変調器もしくは半導体レーザ
等の位相変調素子の動作速度、およびこれらを駆動する
駆動回路の動作速度によって制限され、光通信システム
に用いられる波長1.55μmで動作する光位相変調回
路の動作速度は20Gb/s程度に制限されている。
【0007】本発明は、上記従来技術に鑑みなされたも
のであり、非線形光学媒質中の相互位相変調効果を利用
することにより、光位相変調器の動作速度に支配されな
い極めて高速の光位相変調信号を発生させることが可能
な光位相変調回路を提供することを目的とする。
のであり、非線形光学媒質中の相互位相変調効果を利用
することにより、光位相変調器の動作速度に支配されな
い極めて高速の光位相変調信号を発生させることが可能
な光位相変調回路を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、請求項1に記載の光位相変調回路は、光
強度変調信号を発生する光回路と、コヒーレントな光を
発する光源と、該光源から出力された光信号と前記光増
幅器から出力される光強度変調信号の偏波状態をそれぞ
れ制御する2個の偏波制御回路と、該偏波制御回路の出
力光信号を合成する光結合回路と、該光結合回路の出力
光信号を入力すべき非線形光学媒質を材料とする伝送路
と、前記媒質を透過した光信号入力すべき偏光子とを具
備してなることを特徴とする。請求項2に記載の光位相
変調回路は、光強度変調信号を発生する光回路と、前記
光強度変調信号とは波長の異なるコヒーレントな光を発
する光源と、該光源から出力された光信号と前記光増幅
器から出力される光強度変調信号とを合成する光結合回
路と、該光結合回路の出力光信号を入力すべき非線形光
学媒質を材料とする伝送路と、前記媒質を透過した光信
号を入力すべき光フィルタとを具備してなることを特徴
とする。請求項3に記載の光位相変調回路は、請求項1
に記載の光位相変調回路において、非線形光学媒質を材
料とする伝送路として光ファイバを用いたことを特徴と
する。請求項4に記載の光位相変調回路は、請求項2に
記載の光位相変調回路において非線形光学媒質を材料と
する伝送路として光ファイバを用いたことを特徴とす
る。
決するために、請求項1に記載の光位相変調回路は、光
強度変調信号を発生する光回路と、コヒーレントな光を
発する光源と、該光源から出力された光信号と前記光増
幅器から出力される光強度変調信号の偏波状態をそれぞ
れ制御する2個の偏波制御回路と、該偏波制御回路の出
力光信号を合成する光結合回路と、該光結合回路の出力
光信号を入力すべき非線形光学媒質を材料とする伝送路
と、前記媒質を透過した光信号入力すべき偏光子とを具
備してなることを特徴とする。請求項2に記載の光位相
変調回路は、光強度変調信号を発生する光回路と、前記
光強度変調信号とは波長の異なるコヒーレントな光を発
する光源と、該光源から出力された光信号と前記光増幅
器から出力される光強度変調信号とを合成する光結合回
路と、該光結合回路の出力光信号を入力すべき非線形光
学媒質を材料とする伝送路と、前記媒質を透過した光信
号を入力すべき光フィルタとを具備してなることを特徴
とする。請求項3に記載の光位相変調回路は、請求項1
に記載の光位相変調回路において、非線形光学媒質を材
料とする伝送路として光ファイバを用いたことを特徴と
する。請求項4に記載の光位相変調回路は、請求項2に
記載の光位相変調回路において非線形光学媒質を材料と
する伝送路として光ファイバを用いたことを特徴とす
る。
【0009】
【作用】このような本発明の光位相変調回路によれば、
高速強度変調光信号を必要ならば光増幅器によって増幅
し、十分に高い光強度とした後、コヒーレントな無変調
光と合波し、非線形光学媒質を材料とする伝送路に入力
する。非線形光学媒質はその屈折率が光強度の変化に応
じて変化するため、図5のように、相互位相変調効果か
ら、強度変調信号による屈折率の変化によってコヒーレ
ントな無変調光が位相変調を受けることになる。この相
互位相変調効果は、10-15 秒のオーダーで反応するの
で、本発明による光位相変調回路は、1THz以上の動
作帯域を有している。強度変調信号に関しては時間領域
で多重化することにより容易に強度変調器の動作速度に
制限されない高速の強度変調信号を発生することができ
る。従って、本発明の位相変調回路によれば、このよう
な高速強度変調信号から光段で位相変調信号を発生させ
ることにより、変調器の動作速度に支配されない高速位
相変調信号を得ることができる。得られた位相変調信号
と強度変調信号は分離する必要があるが、請求項1,3
に記載の光位相変調回路においては、非線形光学媒質に
入力する前に強度変調信号と位相変調信号の偏光状態を
互いに直交する直線偏波となるように入力し、伝送路の
後段に配置された偏光子によって両者を分離する。一
方、請求項2,4に記載の光位相変調回路においては、
強度変調信号とコヒーレントなCW信号の波長を異なる
ように設定し、伝送路の後段に配置した光フィルタによ
って両者を分離する。波長の配置は図6に示す通りであ
る。以上述べたように、本発明の光位相変調回路におい
ては、光位相変調器を用いる従来の光位相変調回路と比
較して極めて高速の位相変調信号を発生させることが可
能となる。本発明の位相変調回路は、非線形光学媒質中
の相互位相変調効果を利用して光強度変調信号から位相
変調信号を光段で発生させることに特徴がある。
高速強度変調光信号を必要ならば光増幅器によって増幅
し、十分に高い光強度とした後、コヒーレントな無変調
光と合波し、非線形光学媒質を材料とする伝送路に入力
する。非線形光学媒質はその屈折率が光強度の変化に応
じて変化するため、図5のように、相互位相変調効果か
ら、強度変調信号による屈折率の変化によってコヒーレ
ントな無変調光が位相変調を受けることになる。この相
互位相変調効果は、10-15 秒のオーダーで反応するの
で、本発明による光位相変調回路は、1THz以上の動
作帯域を有している。強度変調信号に関しては時間領域
で多重化することにより容易に強度変調器の動作速度に
制限されない高速の強度変調信号を発生することができ
る。従って、本発明の位相変調回路によれば、このよう
な高速強度変調信号から光段で位相変調信号を発生させ
ることにより、変調器の動作速度に支配されない高速位
相変調信号を得ることができる。得られた位相変調信号
と強度変調信号は分離する必要があるが、請求項1,3
に記載の光位相変調回路においては、非線形光学媒質に
入力する前に強度変調信号と位相変調信号の偏光状態を
互いに直交する直線偏波となるように入力し、伝送路の
後段に配置された偏光子によって両者を分離する。一
方、請求項2,4に記載の光位相変調回路においては、
強度変調信号とコヒーレントなCW信号の波長を異なる
ように設定し、伝送路の後段に配置した光フィルタによ
って両者を分離する。波長の配置は図6に示す通りであ
る。以上述べたように、本発明の光位相変調回路におい
ては、光位相変調器を用いる従来の光位相変調回路と比
較して極めて高速の位相変調信号を発生させることが可
能となる。本発明の位相変調回路は、非線形光学媒質中
の相互位相変調効果を利用して光強度変調信号から位相
変調信号を光段で発生させることに特徴がある。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。図1は、本発明の第1の実施例を示す構成図
である。即ち、1は光強度変調回路であり、光強度変調
信号を発生する。2はコヒーレントな光を発生する光源
であり、分布帰還型(DFB)半導体レーザ,分布反射
型(DBR)半導体レーザ,色素レーザ,固体レーザ等
が好適に用いられる。3は光増幅器であり、光ファイバ
型光増幅器および半導体光増幅器等が好適に用いられ
る。4,5は偏波制御回路であり、光ファイバ型,バル
ク型の偏波制御器が好適に用いられる。6は光結合回路
であり、光分岐回路,方向性結合器等が好適に用いられ
る。7は非線形光学媒質であり、その屈折率が光強度に
応じて変化するものをいう。8は偏光子である。光強度
変調回路1から出力された高速強度変調信号は必要なら
ば光増幅器3によって増幅された後、光結合回路6によ
って光源2より発せられたコヒーレントな無変調光と合
波される。合波された光信号は非線形型光学媒質7に入
力されることになる。この際強度変調信号と無変調光の
偏波状態を互いに直交した直線偏波となるように偏波制
御回路4,5によって各々調節される。非線形光学媒質
中では光強度変化に応じた屈折率変化を生じることか
ら、CW光が強度変調信号によって位相変調され、位相
変調信号が得られる。不要な強度変調信号は、非線形光
学媒質の後段に配置された偏光子8によって除去され
る。非線形光学媒質中での屈折率変化は1/10ps以
下の時間で生じるので、1THz以上の光強度変調信号
から同じ速度の位相変調信号を得ることができる。光パ
ルス幅の短い即ちデューティ比の小さいパルスを光段で
発生させるのは電気段で発生させるのに比較して容易で
あることから、高速の強度変調信号を生成するのに光段
で多重化する方法は極めて有効である。このような方法
を用いて既に100Gb/sの強度変調信号列の生成が
実現されている。ところが位相変調信号に対してはデュ
ーティ比の小さな信号を発生させることができないた
め、高速位相変調信号の信号速度は位相変調器の応答速
度に制限されていた。本発明の位相変調回路によれば、
光段で発生した高速強度変調信号を用いて相互位相変調
効果により位相変調を行うため、位相変調器の応答速度
に制限されない高速位相変調が実現される。
説明する。図1は、本発明の第1の実施例を示す構成図
である。即ち、1は光強度変調回路であり、光強度変調
信号を発生する。2はコヒーレントな光を発生する光源
であり、分布帰還型(DFB)半導体レーザ,分布反射
型(DBR)半導体レーザ,色素レーザ,固体レーザ等
が好適に用いられる。3は光増幅器であり、光ファイバ
型光増幅器および半導体光増幅器等が好適に用いられ
る。4,5は偏波制御回路であり、光ファイバ型,バル
ク型の偏波制御器が好適に用いられる。6は光結合回路
であり、光分岐回路,方向性結合器等が好適に用いられ
る。7は非線形光学媒質であり、その屈折率が光強度に
応じて変化するものをいう。8は偏光子である。光強度
変調回路1から出力された高速強度変調信号は必要なら
ば光増幅器3によって増幅された後、光結合回路6によ
って光源2より発せられたコヒーレントな無変調光と合
波される。合波された光信号は非線形型光学媒質7に入
力されることになる。この際強度変調信号と無変調光の
偏波状態を互いに直交した直線偏波となるように偏波制
御回路4,5によって各々調節される。非線形光学媒質
中では光強度変化に応じた屈折率変化を生じることか
ら、CW光が強度変調信号によって位相変調され、位相
変調信号が得られる。不要な強度変調信号は、非線形光
学媒質の後段に配置された偏光子8によって除去され
る。非線形光学媒質中での屈折率変化は1/10ps以
下の時間で生じるので、1THz以上の光強度変調信号
から同じ速度の位相変調信号を得ることができる。光パ
ルス幅の短い即ちデューティ比の小さいパルスを光段で
発生させるのは電気段で発生させるのに比較して容易で
あることから、高速の強度変調信号を生成するのに光段
で多重化する方法は極めて有効である。このような方法
を用いて既に100Gb/sの強度変調信号列の生成が
実現されている。ところが位相変調信号に対してはデュ
ーティ比の小さな信号を発生させることができないた
め、高速位相変調信号の信号速度は位相変調器の応答速
度に制限されていた。本発明の位相変調回路によれば、
光段で発生した高速強度変調信号を用いて相互位相変調
効果により位相変調を行うため、位相変調器の応答速度
に制限されない高速位相変調が実現される。
【0011】本発明の第2の実施例では、図2のよう
に、偏光子によって強度変調信号光と位相変調信号光を
分離する代わりに、強度変調信号光と位相変調信号光の
波長とを互いに異なるように設定し、非線形媒質の後段
に配置された光フィルタ9で分離するものである。非線
形光学媒質が波長分散、即ち信号の波長によって素子中
の伝搬速度が異なるという特性を有する場合、強度変調
信号とCW信号の波長が異なると伝搬するに従い両者に
位相差を生じ、その結果位相変調信号が劣化することが
考えられる。そこで強度変調信号と位相変調信号の波長
差はできるだけ小さく設定することが好ましい。波長分
散による信号の伝搬速度差を克服し、なおかつ光フィル
タによる分離を十分に行うには図6に示すように強度変
調信号光の波長λ1 、位相変調信号光の波長λ2 を非線
形媒質(光ファイバ)の零分散波長λ0 を挟んで強度変
調信号光と位相変調信号光の相対遅延が等しくなるよう
に設定することが有効となる。
に、偏光子によって強度変調信号光と位相変調信号光を
分離する代わりに、強度変調信号光と位相変調信号光の
波長とを互いに異なるように設定し、非線形媒質の後段
に配置された光フィルタ9で分離するものである。非線
形光学媒質が波長分散、即ち信号の波長によって素子中
の伝搬速度が異なるという特性を有する場合、強度変調
信号とCW信号の波長が異なると伝搬するに従い両者に
位相差を生じ、その結果位相変調信号が劣化することが
考えられる。そこで強度変調信号と位相変調信号の波長
差はできるだけ小さく設定することが好ましい。波長分
散による信号の伝搬速度差を克服し、なおかつ光フィル
タによる分離を十分に行うには図6に示すように強度変
調信号光の波長λ1 、位相変調信号光の波長λ2 を非線
形媒質(光ファイバ)の零分散波長λ0 を挟んで強度変
調信号光と位相変調信号光の相対遅延が等しくなるよう
に設定することが有効となる。
【0012】また、本発明の第3,第4の実施例では、
図3,図4に示すように、非線形媒質として光ファイバ
10を用いることにより伝送路そのものを位相変調素子
として利用することができる。
図3,図4に示すように、非線形媒質として光ファイバ
10を用いることにより伝送路そのものを位相変調素子
として利用することができる。
【0013】次に、本発明の位相変調回路の有効性を示
すため原理確認のための実験を、図7に示すような実験
系により行った。半導体レーザ11,12はそれぞれ波
長1.551μm,1.553μmのDFB(分布帰還
型)レーザである。強度変調器としてLiNbO3 マッ
ハツェンダー強度変調器16を用いた。変調は信号源1
5から発せられた10GHzの正弦波長信号によって行
なった。強度変調信号とCW信号はそれぞれ偏波制御回
路17,18によって偏波状態を制御された後、1:1
方向性結合器19によって合波される。合波された光信
号はエルビウムドープファイバ光増幅器20によって+
12dBmの強度に増幅され、80kmの分散シフトフ
ァイバ21に入力される。分散シフトファイバ21の出
力光信号は続いて偏光子22に入力される。強度変調信
号のファイバ出力端で偏光子22の主軸と直交した直線
偏波状態になるように偏波制御回路17によって制御さ
れた。一方、位相変調信号は偏光子22の主軸と方向が
一致した直線偏波状態になるように偏波制御回路18に
よって制御された。得られた位相変調信号はFSR10
GHzの掃引型ファブリーペローエタロン24によって
その光スペクトルが観測された。
すため原理確認のための実験を、図7に示すような実験
系により行った。半導体レーザ11,12はそれぞれ波
長1.551μm,1.553μmのDFB(分布帰還
型)レーザである。強度変調器としてLiNbO3 マッ
ハツェンダー強度変調器16を用いた。変調は信号源1
5から発せられた10GHzの正弦波長信号によって行
なった。強度変調信号とCW信号はそれぞれ偏波制御回
路17,18によって偏波状態を制御された後、1:1
方向性結合器19によって合波される。合波された光信
号はエルビウムドープファイバ光増幅器20によって+
12dBmの強度に増幅され、80kmの分散シフトフ
ァイバ21に入力される。分散シフトファイバ21の出
力光信号は続いて偏光子22に入力される。強度変調信
号のファイバ出力端で偏光子22の主軸と直交した直線
偏波状態になるように偏波制御回路17によって制御さ
れた。一方、位相変調信号は偏光子22の主軸と方向が
一致した直線偏波状態になるように偏波制御回路18に
よって制御された。得られた位相変調信号はFSR10
GHzの掃引型ファブリーペローエタロン24によって
その光スペクトルが観測された。
【0014】図8(a)は偏光子入力前のスペクトル、
(b)は入力後のスペクトルである。偏光子によって強
度変調信号光のみが20dB以上低減されているのがわ
かる。
(b)は入力後のスペクトルである。偏光子によって強
度変調信号光のみが20dB以上低減されているのがわ
かる。
【0015】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、光段で多重化した強度変調信号パルスを用いて信
号光を非線形光学媒質中で相互位相変調をすることによ
り、変調器の動作速度に制限されない高速位相変調信号
を得ることが可能となる。
れば、光段で多重化した強度変調信号パルスを用いて信
号光を非線形光学媒質中で相互位相変調をすることによ
り、変調器の動作速度に制限されない高速位相変調信号
を得ることが可能となる。
【図1】本発明の第1の実施例を示す構成図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す構成図である。
【図3】本発明の第3の実施例を示す構成図である。
【図4】本発明の第4の実施例を示す構成図である。
【図5】本発明の位相変調回路の動作原理を説明する模
式図である。
式図である。
【図6】本発明の第2,第4の実施例における2つの光
源の波長の関係を説明する模式図である。
源の波長の関係を説明する模式図である。
【図7】本発明の位相変調回路を含む実験系を示す模式
図である。
図である。
【図8】偏光子入力前の信号スペクトル(a)と、偏光
子透過後のスペクトル(b)である。
子透過後のスペクトル(b)である。
【図9】従来の強度変調回路を示す模式図である。
1 光強度変調器 2 光源 3 光増幅器 4 偏波制御回路 5 偏波制御回路 6 光結合回路 7 非線形型光学媒質 8 偏光子 9 光フィルタ 10 光ファイバ 11 半導体レーザ 12 半導体レーザ 13 光アイソレータ 14 光アイソレータ 15 信号源 16 LiNbO3 マッハツェンダー強度変調器 17 偏波制御回路 18 偏波制御回路 19 1:1方向性結合器 20 エルビウムドープファイバ光増幅器 21 分散シフトファイバ 22 偏光子 23 1:1方向性結合器 24 掃引型ファブリーペローエタロン 25 PINフォトダイオード 26 増幅器 27 オシロスコープ 28 光スペクトラムアナライザー 29 光源 30 信号源 31 光分岐回路 32 光強度変調器 33 光強度変調器 34 光結合回路
Claims (4)
- 【請求項1】 光強度変調信号を発生する光回路と、 コヒーレントな光を発生する光源と、 前記光源から出力された光信号と前記光強度変調信号の
偏波状態をそれぞれ制御する2個の偏波制御回路と、 前記偏波制御回路の出力光信号を合成する光結合回路
と、 前記光結合回路の出力光信号を入力すべき非線形光学媒
質を材料とする伝送路と、 前記媒質を透過した光信号を入力すべき偏光子とを備え
た光位相変調回路。 - 【請求項2】 光強度変調信号を発生する光回路と、 前記光強度変調信号とは波長の異なるコヒーレントな光
を発生する光源と、 前記光源から出力された光信号と前記光強度変調信号と
を合成する光結合回路と、 前記光結合回路の出力光信号を入力すべき非線形光学媒
質を材料とする伝送路と、 前記媒質を透過した光信号を入力すべき光フィルタとを
備えた光位相変調回路。 - 【請求項3】 前記非線形光学媒質を材料とする伝送路
として光ファイバを用いたことを特徴とする請求項1に
記載の光位相変調回路。 - 【請求項4】 前記非線形光学媒質を材料とする伝送路
として光ファイバを用いたことを特徴とする請求項2に
記載の光位相変調回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28358592A JPH06118460A (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 光位相変調回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28358592A JPH06118460A (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 光位相変調回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06118460A true JPH06118460A (ja) | 1994-04-28 |
Family
ID=17667420
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28358592A Pending JPH06118460A (ja) | 1992-09-30 | 1992-09-30 | 光位相変調回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06118460A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013050676A (ja) * | 2011-08-31 | 2013-03-14 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 光デバイスの位置決め方法 |
US9803080B2 (en) | 2009-03-11 | 2017-10-31 | Onbone Oy | Orthopaedic splinting system |
-
1992
- 1992-09-30 JP JP28358592A patent/JPH06118460A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9803080B2 (en) | 2009-03-11 | 2017-10-31 | Onbone Oy | Orthopaedic splinting system |
US10336900B2 (en) | 2009-03-11 | 2019-07-02 | Onbone Oy | Composite materials comprising a thermoplastic matrix polymer and wood particles |
JP2013050676A (ja) * | 2011-08-31 | 2013-03-14 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 光デバイスの位置決め方法 |
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