JPH0592858A - 記録紙搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、記録紙搬送装置に関し、記録紙の外
径変化に追従して記録紙に発生するカールを補正するこ
とができる安価な記録紙搬送装置を提供することに加
え、記録紙の残量を検出、表示する作業と記録紙に発生
するカールを補正する作業を簡単な構成で同時に行なう
ことができる記録紙搬送装置を提供することを目的とし
ている。 【構成】本体11に収納されロール状の記録紙13を載置す
るトレイ12と、記録紙13を所定位置に搬送するプラテン
ローラ14と、本体11に揺動自在に設けられ、トレイ12か
ら搬送された記録紙13上に当接して記録紙13のカールを
補正するデカールローラを有するデカール部材21と、記
録紙13の搬送量を検出するカウンターと、該カウンター
の出力信号に基づいてデカール部材21を揺動させる制御
部材26と、から構成されたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、記録紙搬送装置に関
し、詳しくは、ロール状に巻取られた記録紙のカールを
補正するデカール部材あるいは該デカール部材と共に、
記録紙の残量を検出、表示する表示部を備えた記録紙搬
送装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ファクシミリやプリンター等に
用いられる記録系としては長尺の記録紙をロール状に巻
取ったものがあり、例えば図９のように示される。図９
において、１はファクシミリの本体であり、該本体１内
には上部に開口するトレイ２が収納されており、このト
レイ２上にはシート状の記録紙３が載置されている。こ
のトレイ２から引き出された記録紙３はプラテンローラ
４によって搬送されるようになっており、搬送時にロー
ラ４とトレイ２の間で本体１に回転自在に支持されたデ
カールローラ５によってカールが補正される。

【０００３】そして、プラテンローラ４によって搬送さ
れた記録紙３はその表面にサーマルヘッド６によって所
定の画像が形成された後、カッタ７によって切断され、
次いで排紙ローラ８によって外部に排出される。また、
トレイ２近傍には記録紙３の外周部に当接する検出部材
が設けられており、この検出部材は記録紙３の外径変化
を検出して図示しない残量表示スケールに表示するよう
になっている。なお、図中９は外部に送信される原稿の
画像を読み取る画像読取り部である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の記録紙搬送装置にあっては、記録紙３上にデ
カールローラ５を当接させることにより、記録紙３に発
生するカールを補正しているが、このデカールローラ５
が本体１に回転自在に支持されているのみであったた
め、記録紙３のカールを充分に補正することができない
という問題があった。すなわち、記録紙３の残量が少な
くなることによりそのロール径が小さくなると、記録紙
３に発生するカールが大きくなるため、上述したように
デカールローラ５が本体１に回転自在に支持されている
のみでは、記録紙３のロール径変化に追従することがで
きなかった。このため、記録紙３のロール径が小さくな
ったときに該記録紙３に発生するカールを充分に補正す
ることができなかった。

【０００５】このような問題を解決するものとしてデカ
ールローラの他に記録紙のロール径に応じて揺動するガ
イド部材を設け、記録紙のロール径に応じてガイド部材
を揺動させることにより記録紙に発生するカールを補正
するものがあるが（例えば特開平２−１４７５４９号公
報参照）、このものは、デカールローラの他に揺動可能
なデカール部材および該デカール部材を駆動するモー
タ、ギヤ等の駆動部材が必要になってしまい、装置のコ
ストが増大してしまうという問題があった。

【０００６】そこで本発明は、記録紙の外径変化に追従
して記録紙に発生するカールを補正することができる安
価な記録紙搬送装置を提供することに加え、記録紙の残
量を検出、表示する作業と記録紙に発生するカールを補
正する作業を簡単な構成で同時に行なうことができる記
録紙搬送装置を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
上記課題を達成するために、本体に収納され、ロール状
の記録紙を載置するトレイと、記録紙を所定位置に搬送
する搬送手段と、本体に揺動自在に設けられ、先端部が
トレイから搬送された記録紙上に当接して記録紙のカー
ルを補正するデカール部材と、記録紙の搬送量を検出す
る検出手段と、該検出手段の出力信号に基づいてデカー
ル部材を揺動させる制御部材と、から構成されたことを
特徴としている。

【０００８】請求項２記載の発明は、上記課題を達成す
るために、前記搬送手段がステップモータを有するとと
もに、前記検出手段がステップモータのパルス数をカウ
ントして累計するカウンターから成り、該カウンター
は、累計パルス数が一定値以上になったときに、制御部
材に信号を送信することによってデカール部材の揺動を
制御することを特徴としている。

【０００９】請求項３記載の発明は、上記課題を達成す
るために、前記制御部材が、検出手段の出力信号に基づ
いて作動する直流モータと、該直流モータに取付けられ
たウォームと、該ウォームに噛合するとともに、デカー
ル部材に直接あるいは間接的に連結され、デカール部材
を揺動させるカムホイールと、該カムホイールが当接離
隔するのに伴って開閉することによりカムホイールの位
置を検出するマイクロスイッチと、から構成され、前記
マイクロスイッチの開閉動作に伴って直流モータの作動
を制御することを特徴としている。

【００１０】請求項４記載の発明は、上記課題を達成す
るために、前記制御部材が、検出手段の出力信号に基づ
いて作動するステップモータと、該ステップモータに取
付けられたウォームと、該ウォームに噛合するととも
に、デカール部材に直接あるいは間接的に連結され、デ
カール部材を揺動させるカムホイールと、該ステップモ
ータのパルス数をカウントするカウンターと、から構成
され、前記カウンターがカウント数に応じてステップモ
ータの作動を制御することを特徴としている。

【００１１】請求項５記載の発明は、上記課題を達成す
るために、本体に収納され、ロール状の記録紙を載置す
るトレイと、記録紙を所定位置に搬送する搬送手段と、
本体の所定箇所に揺動自在に取付けられたアーム部材
と、該アーム部材から延設され、トレイから搬送された
記録紙上に当接して記録紙のカールを補正するデカール
部と、前記アーム部材からトレイ上の記録紙まで延設さ
れ、記録紙の外径を検出する検出部と、前記アーム部材
から本体に形成された残量表示スケールまで延設され、
アーム部材の揺動に伴って検出部が検出した記録紙の外
径変化を表示する表示部と、から構成されたことを特徴
としている。

【００１２】

【作用】請求項１、２記載の発明では、記録紙の搬送量
から該記録紙の外径変化が検出され、該外径変化に応じ
てデカール部材が揺動される。したがって、記録紙の外
径変化に追従してデカール部材が揺動され、記録紙の外
径に応じて発生するカールがその都度適切に補正され
る。これに加えて、デカール部材が直接揺動されてカー
ル補正が行なわれるため、デカール部材の他にカールを
補正するための特別な部材を設ける必要がなく装置のコ
ストが低減される。

【００１３】請求項３、４記載の発明では、マイクロス
イッチあるいはステップモータのパルス数に基づいてカ
ムホイールの作動位置が検出され、該検出情報に基づい
てモータが制御される。したがって、カムホイールが最
適な位置で確実に停止され、記録紙の外径変化に応じた
最適なカール補正が行なわれる。請求項５記載の発明で
は、単一のアーム部材にデカール部と表示部が設けられ
ている。したがって、簡単な構成で記録紙の残量の検出
および表示がなされるとともに、デカール部が記録紙の
外径変化に応じて可変されて記録紙の外径変化に応じて
発生するカールがその都度適切に補正される。この結
果、装置のコストが低減される。

【００１４】

【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
図１〜図５は本発明に係る記録紙搬送装置の第１実施例
を示す図である。まず、構成を説明する。図１におい
て、11はファクシミリの本体であり、該本体11内には上
部に開口するトレイ12が収納されており、このトレイ12
上にはシート状の記録紙13が載置されている。このトレ
イ12から引き出された記録紙13は搬送手段としてのプラ
テンローラ14によって搬送されるようになっており、こ
のプラテンローラ14は該プラテンローラ14と共に搬送手
段を構成する図示しないステップモータによって駆動さ
れ、記録紙13を所定位置であるサーマルヘッド15に搬送
するようになっている。

【００１５】このサーマルヘッド15は記録紙13と接触す
る面に記録紙13の幅方向に延在するように多数の発熱素
子を備えており、外部から画信号が入力されると個々の
発熱素子に該画信号に応じた通電がなされ、発熱素子の
発熱によって記録紙13に画像を形成するようになってい
る。また、プラテンローラ14の用紙搬送方向下流には図
示しないカッタが設けられており、サーマルヘッド15に
よって画像が形成された記録紙13は該カッタによって切
断された後外部に排出される。

【００１６】トレイ12とプラテンローラ15の間には図２
に示すようにデカールローラ16が設けられており、この
ローラ16は記録紙13に当接するとともに、両端部がアー
ム部材17ａ、17ｂの先端部に回転自在に支持されてい
る。このアーム部材17ａ、17ｂの基端部は支持軸18に固
定されている。支持軸18は本体11内に設けられた側板19
ａ、19ｂに回動自在に支持されており、この支持軸18の
一端部にはカムホイール20が取付けられている。そし
て、これらデカールローラ16、アーム部材17ａ、17ｂお
よび支持軸18はデカール部材21を構成している。

【００１７】カムホイール20には図３に示すようにウォ
ーム20ａが形成されており、このウォーム20ａには直流
モータ22に取付けられたウォーム23が噛合している。直
流モータ22は図示しない制御手段からの出力信号に基づ
いて駆動されるようになっており、制御手段から信号が
入力されると、ウォーム23、カムホイール20、支持軸18
を介してアーム部材17ａ、17ｂを揺動させることによ
り、デカールローラ16の位置を可変させるようになって
いる。

【００１８】一方、プラテンローラ14を駆動するステッ
プモータは検出手段としての図示しないカウンターに接
続されており、このカウンターはステップモータがプラ
テンローラ14を駆動するときに発生するステップパルス
をカウントして累計することにより記録紙13の搬送量を
検出し、パルス数が一定値以上になったときに制御手段
に信号を送信する。そして、制御手段はこの信号が入力
したときに記録紙13の残量を把握して上述したように直
流モータ22を駆動する。

【００１９】また、図３に示すようにカムホイール20の
近傍にはマイクロスイッチ24、25が設けられており、こ
のマイクロスイッチ24、25はカムホイール20のカム面20
ｂにレバー24ａ、25ｂが当接したときに閉じて制御手段
に信号を送信するようになっている。そして、このマイ
クロスイッチ24、25はそれぞれ図４に示すような開閉の
組合せ（但し、図４において１はマイクロスイッチ24、
25が閉状態のとき、０は開のときを示し、イは記録紙13
の使用量が少ないこと、ロは記録紙13の使用量が中間的
なこと、ハは記録紙13の使用量が多いことをそれぞれ示
す）に応じてカムホイール20の位置を検出して制御手段
に信号を送信する。

【００２０】制御手段は、この信号と上述したカウンタ
ーからの出力信号に基づいて直流モータ22に信号を出力
してプラテンローラ14を駆動する。そして、上述したカ
ムホイール20、直流モータ22、ウォーム23およびマイク
ロスイッチ24、25は制御部材26を構成している。次に、
記録紙13の搬送量に応じてデカール部材21を揺動させる
ための制御を図５のフローチャートに基づいて説明す
る。なお、このフローチャートは制御手段で行なわれる
ものである。

【００２１】まず、Ｓ１で記録紙13の送りステップ数の
カウントを累計する。すなわち、ステップモータによっ
てプラテンローラ14を駆動することによってトレイ12上
の記録紙13をサーマルヘッド15に向って搬送する際、ス
テップモータのパルスをカウンターによってカウントし
ながら累計する。次いで、Ｓ２で累計ステップ数がＡよ
りも大きい値であるか否かを判別する。

【００２２】すなわち、この値Ａは記録紙13の外径より
求めた紙送りステップパルス数であり、Ｓ２ではカウン
ターが累計したパルス数がこの値Ａよりも大きくなった
か否か、すなわち、一定値以上になったか否かを判別す
る。そして、このステップ数が値Ａよりも大きいときに
はＳ３に進んで直流モータ22を正転駆動する。なお、こ
の正転駆動とはデカールローラ16を矢印Ａ方向側に移動
させるような駆動とする。このため、直流モータ22がウ
ォーム23、カムホイール20、支持軸18を介してアーム部
材17ａ、17ｂを矢印Ａ方向側に揺動させて、デカールロ
ーラ16を矢印Ａ方向側に移動させる。このため、デカー
ルローラ16が記録紙13の外径（すなわち、残量）に応じ
た位置に揺動して記録紙13のデカールを補正する。

【００２３】次いで、Ｓ４に進んでマイクロスイッチ2
4、25が図４の(ロ)の状態であるか否かを判別し、(ロ)
の状態であれば、記録紙13が中間的に使用されたもので
あると判断してＳ５に進んで直流モータ22の作動を停止
する。次いで、Ｓ６に進んで累計ステップ数が値Ｂより
も大きい値であるか否かを判別する。すなわち、この値
Ｂは記録紙13の外径より求めた紙送りステップパルス数
であり、Ｓ６ではカウンターが累計したパルス数がこの
値Ｂよりも大きくなったか否か、すなわち、一定値以上
になったか否かを判別する。

【００２４】そして、このステップ数が値Ｂよりも大き
いときにはＳ７に進んで直流モータ22を正転駆動する。
Ｓ７では直流モータ22がデカールローラ16をさらに矢印
Ａ方向側に揺動させる。次いで、Ｓ８に進んでマイクロ
スイッチ24、25が図４の(ハ)の状態であるか否かを判別
し、(ハ)の状態であれば、記録紙13が大量に使用された
ものであると判断してＳ９に進んで直流モータ22の作動
を停止する。このため、デカールローラ16が記録紙13の
外径（すなわち、残量）に応じた位置に揺動して記録紙
13のデカールを補正する。

【００２５】次いで、Ｓ10に進み、図示しない記録紙エ
ンドセンサの出力信号に基づいて記録紙13の残量を監視
し、Ｓ11に進んで記録紙13がなくなった物と判断したと
きにはＳ12に進み、記録紙13を取り替えるためにカバー
オープンセンサによって本体11に取付けた図示しないカ
バーの開閉状態を監視する。次いで、Ｓ13に進んでカバ
ーが開放されたときにはＳ14に進んでマイクロスイッチ
24、25が図４の(イ)の状態であるか否かを判別し、
（イ)の状態でなければ、デカールローラ16が元の位置
に復帰していないものと判断して直流モータ22に該モー
タ22を逆転駆動する信号を出力する。このため、デカー
ルローラ16が矢印Ｂ方向に移動して新たにトレイ12上に
載置された外径の大きい使用量の少ないあるいは未使用
の記録紙13のカールを補正可能にする。

【００２６】このように本実施例では、本体11に収納さ
れ、ロール状の記録紙13を載置するトレイ12と、記録紙
13をサーマルヘッド15に搬送し、ステップモータによっ
て駆動されるプラテンローラ14と、本体11に揺動自在に
設けられ、デカールローラ16がトレイ12から搬送された
記録紙13上に当接して記録紙13のカールを補正するデカ
ール部材21と、ステップモータのパルス数をカウントし
て累計するカウンターと、該カウンターの累計パルス数
が一定値以上になったときに、該信号が入力される直流
モータ22と、該直流モータ22に取付けられたウォーム23
と、該ウォーム23に噛合するとともに、支持軸18を介し
てデカール部材21に連結され、デカール部材21を揺動さ
せるカムホイール20と、該カムホイール20が当接離隔す
るのに伴って開閉することによりカムホイール20の位置
を検出するマイクロスイッチ24、25と、から構成され、
前記マイクロスイッチ24、25の開閉状態と累計したパル
ス数が一定値以上になったときに直流モータ22の作動を
制御している。

【００２７】このため、記録紙13の外径変化に追従して
デカール部材21を揺動することができ、記録紙13の外径
に応じて発生するカールをその都度適切に補正すること
ができる。また、カール部材21を直接揺動させてカール
補正を行なっているため、カールを補正するための特別
な部材を設ける必要がなくファクシミリのコストを低減
することができる。さらに、マイクロスイッチ24、25に
基づいてカムホイール20の作動位置を検出し、該検出情
報に基づいて直流モータ22を制御しているため、カムホ
イール20を最適な位置で確実に停止させることができ、
記録紙13の外径変化に応じた最適なカール補正を行なう
ことができる。

【００２８】なお、本実施例では、マイクロスイッチ2
4、25を設けてカムホイール20の位置を検出している
が、直流モータ22の代りにステップモータを使用すると
ともに、該ステップモータのパルス数をカウントするカ
ウンターと、を設け、このカウンターがカウント数に応
じてステップモータの作動を制御することによってカム
ホイールの位置を検出するようにしても良い。

【００２９】図６〜図８は本発明に係る記録紙搬送装置
の第２実施例を示す図である。まず、構成を説明する。
図６において、31はファクシミリの本体であり、該本体
31内には上部に開口するトレイ32が収納されており、こ
のトレイ32上にはシート状の記録紙33が載置されてい
る。このトレイ32から引き出された記録紙33は搬送手段
としてのプラテンローラ34によって搬送されるようにな
っており、このプラテンローラ34はステップモータによ
って駆動され、記録紙33を所定位置であるサーマルヘッ
ド35に搬送するようになっている。

【００３０】サーマルヘッド35の記録紙33の搬送方向下
流にはカッタ36が設けられており、サーマルヘッド35に
よって画像が形成された記録紙33は該カッタ36によって
切断された後、排出ローラ37によって外部に排出され
る。トレイ32とプラテンローラ34の間にはデカール部と
してのデカールローラ38が設けられており、このローラ
38は記録紙33に当接するとともに、アーム部材39に回転
自在に支持されている。このアーム部材39は支持軸39ａ
を介して本体31に揺動自在に取付けられており、ばね部
材40によって記録紙33側に向って引張られている。

【００３１】また、アーム部材39には検出部としての押
工ローラ41が延設されており、このローラ41はトレイ32
上の記録紙33に当接している。そして、このローラ41は
記録紙33の残量が少なくなってその外径が小さくなるの
に伴ってアーム部材39がばね部材40に引張られることに
より下方に移動して記録紙33の残量を検出する。アーム
部材39には表示部としての表示針42が延設されており、
この表示針42は図７(ａ)に示すように本体31の上部に形
成された切欠き部31ａの外方に露出している。また、本
体31の切欠き部31ａには残量表示スケール43が形成され
ており、このスケールは下から50％、80％というような
目盛りに形成されている。そして、表示針42は記録紙33
の残量に応じてこのスケール43の指定する目盛りを指す
ことにより外部からユーザ等が用紙の残量を容易に目視
することができるようにしている。

【００３２】次に、作用を説明する。まず、記録紙33の
使用量が少ないときには、アーム部材39が傾かずにデカ
ールローラ38が比較的上方に位置しており、このデカー
ルローラ38によって記録紙33の外径に応じて記録紙33に
発生するカールが補正される。このとき、表示針42が残
量表示スケール43の目盛りの上方を指すため、ユーザは
記録紙33の残量が多いということを容易に目視すること
ができる。

【００３３】次いで、記録紙33を使用するにつれて記録
紙33の外径が小さくなると、図８に示すように記録紙33
の外径変化に伴ってアーム部材39がばね部材40に引張ら
れて揺動するため、押工ローラ41が下方に移動する。こ
のとき、デカールローラ38がさらに下方に移動してトレ
イ32からプラテンローラ34まで搬送される記録紙33を鋭
角的な部分で通過させるようにして記録紙33に発生する
カールを補正することができる。また、表示針42もアー
ム部材39の揺動に伴って下方に移動して残量表示スケー
ル43の目盛りの下方、例えば30％の箇所を指すため、ユ
ーザは記録紙33の残量が少ないことを容易に目視するこ
とができる。

【００３４】このように本実施例では、本体31に揺動自
在に設けられたアーム部材39に設けられ、記録紙33上に
当接して記録紙33のカールを補正するデカールローラ38
と、アーム部材39からトレイ32上の記録紙33まで延設さ
れ、記録紙33の外径を検出する押工ローラ41と、アーム
部材39から本体31に形成された残量表示スケール43まで
延設され、アーム部材39の揺動に伴って押工ローラ41が
検出した記録紙31の外径変化を表示する表示針42と、か
ら構成されているため、単一のアーム部材39に設けられ
たデカールローラ38、押工ローラ41および表示針42によ
って記録紙33の残量の検出および表示をすることができ
るとともに、記録紙33の外径変化に応じて発生するカー
ルをその都度適切に補正することができる。このため、
簡単な構成で記録紙33の残量の検出および表示とカール
補正を同時に行なうことができ、ファクシミリのコスト
を低減することができる。

【００３５】

【発明の効果】請求項１、２記載の発明によれば、記録
紙の搬送量から該記録紙の外径変化を検出し、該外径変
化に応じてデカール部材を揺動しているので、記録紙の
外径変化に追従してデカール部材を揺動することがで
き、記録紙の外径に応じて発生するカールをその都度適
切に補正することができる。これに加えて、デカール部
材を直接揺動してカール補正を行なっているので、デカ
ール部材の他にカールを補正するための特別な部材を設
ける必要がなく装置のコストを低減することができる。

【００３６】請求項３、４記載の発明によれば、マイク
ロスイッチあるいはステップモータのパルス数に基づい
てカムホイールの作動位置を検出し、該検出情報に基づ
いてモータを制御しているので、カムホイールを最適な
位置に確実に停止させることができ、記録紙の外径変化
に応じた最適なカール補正を行なうことができる。請求
項５記載の発明によれば、単一のアーム部材にデカール
部と表示部を設けているので、簡単な構成で記録紙の残
量の検出および表示をすることができるとともに、デカ
ール部を記録紙の外径変化に応じて可変させて記録紙の
外径変化に応じて発生するカールをその都度適切に補正
することができ、装置のコストを低減することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る記録紙搬送装置を備えたファクシ
ミリの第１実施例を示すその要部構成図である。

【図２】第１実施例における記録紙搬送装置の上面図で
ある。

【図３】第１実施例における制御部材の構成図である。

【図４】第１実施例のマイクロスイッチの開閉の組合せ
を示した図である。

【図５】第１実施例の記録紙の搬送量に応じてデカール
部材を揺動させるための制御を示すフローチャートであ
る。

【図６】本発明に係る記録紙搬送装置を備えたファクシ
ミリの第２実施例を示すその構成図である。

【図７】(ａ)は図６のファクシミリの要部上面図であ
り、(ｂ)は(ａ)のＡ−Ａ断面図である。

【図８】第２実施例における記録紙の残量が少なくなっ
たときのアーム部材の揺動状態を示す図である。

【図９】従来のファクシミリの構成図である。

【符号の説明】

12、32 トレイ 13、33 記録紙 14、34 プラテンローラ（搬送手段） 20 カムホイール 21 デカール部材 22 直流モータ 23 ウォーム 24、25 マイクロスイッチ 26 制御部材 38 デカールローラ（デカール部） 39 アーム部材 41 押工ローラ（検出部） 42 表示針（表示部） 43 残量表示スケール

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体に収納され、ロール状の記録紙を載置
   するトレイと、記録紙を所定位置に搬送する搬送手段
   と、本体に揺動自在に設けられ、先端部がトレイから搬
   送された記録紙上に当接して記録紙のカールを補正する
   デカール部材と、記録紙の搬送量を検出する検出手段
   と、該検出手段の出力信号に基づいてデカール部材を揺
   動させる制御部材と、から構成されたことを特徴とする
   記録紙搬送装置。
2. 【請求項２】前記搬送手段がステップモータを有すると
   ともに、前記検出手段がステップモータのパルス数をカ
   ウントして累計するカウンターから成り、該カウンター
   は、累計したパルス数が一定値以上になったときに、制
   御部材に信号を送信することによってデカール部材の揺
   動を制御することを特徴とする請求項１記載の記録紙搬
   送装置。
3. 【請求項３】前記制御部材が、検出手段の出力信号に基
   づいて作動する直流モータと、該直流モータに取付けら
   れたウォームと、該ウォームに噛合するとともに、デカ
   ール部材に直接あるいは間接的に連結され、デカール部
   材を揺動させるカムホイールと、該カムホイールが当接
   離隔するのに伴って開閉することによりカムホイールの
   位置を検出するマイクロスイッチと、から構成され、前
   記マイクロスイッチの開閉動作に伴って直流モータの作
   動を制御することを特徴とする請求項１、２記載の記録
   紙搬送装置。
4. 【請求項４】前記制御部材が、検出手段の出力信号に基
   づいて作動するステップモータと、該ステップモータに
   取付けられたウォームと、該ウォームに噛合するととも
   に、デカール部材に直接あるいは間接的に連結され、デ
   カール部材を揺動させるカムホイールと、該ステップモ
   ータのパルス数をカウントするカウンターと、から構成
   され、前記カウンターがカウント数に応じてステップモ
   ータの作動を制御することを特徴とする請求項１、２記
   載の記録紙搬送装置。
5. 【請求項５】本体に収納され、ロール状の記録紙を載置
   するトレイと、記録紙を所定位置に搬送する搬送手段
   と、本体の所定箇所に揺動自在に取付けられたアーム部
   材と、該アーム部材から延設され、トレイから搬送され
   た記録紙上に当接して記録紙のカールを補正するデカー
   ル部と、前記アーム部材からトレイ上の記録紙まで延設
   され、記録紙の外径を検出する検出部と、前記アーム部
   材から本体に形成された残量表示スケールまで延設さ
   れ、アーム部材の揺動に伴って検出部が検出した記録紙
   の外径変化を表示する表示部と、から構成されたことを
   特徴とする記録紙搬送装置。