JPH0588169U - 小型モータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コイルの端末の固定および給電用のリード線
との接続が容易であり、接続強度上の信頼性の高い小型
モータを提供する。 【構成】 外周面に軸方向に延びる磁極を円周方向に複
数個配設してなる回転子と、コイルボビンに巻装された
コイルを有底中空筒状に形成されたハウジング内に軸方
向に２個配設すると共にハウジングの開口部にエンドプ
レートを嵌着してなる固定子とから構成される小型モー
タにおいて、給電用のコネクタを備えると共に、このコ
ネクタと電気的に接続されてなる接片を端部に設けたプ
リント配線基板を、コイルボビン間に挟着し、コイルの
端末をプリント基板の端部に直接接続する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プリンタやファクシミリ等に利用される例えばステッピングモータ 等の小型モータに関するものであり、特に固定子の構成要素であるコイルの端末 の固定および給電用のリード線との接続を容易にした小型モータに関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

従来から小型モータの１種であるステッピングモータは、情報処理装置その他 の各種装置の駆動源として広く使用されている。このようなステッピングモータ としては、例えば特開昭６１−４４５９号公報に記載されるように、固定子の構 成要素であるコイルを軸方向に２個同軸的に配置したものが知られている。

【０００３】 図５は従来のステッピングモータの例を示す要部縦断面図である。図５におい て、１はハウジングであり、例えば軟鉄のような金属材料により有底中空円筒状 に形成され、内周面に強磁性材料により環状に形成されたヨーク２、絶縁材料に よって環状に形成されたコイルボビン３およびこのコイルボビン３に巻装された コイル４を設ける。５はエンドプレートであり、ハウジング１の開口部に嵌着す る。

【０００４】 次に６は回転子であり、例えばフェライトのような永久磁石材料により円柱状 に形成されると共に、外周面に軸方向に延びる磁極を円周方向に複数個配設する 。７はシャフトであり、回転子６の軸心に固着されると共に、ハウジング１およ びエンドプレート５に設けた軸受８により回転可能に支持される。

【０００５】 上記の構成により、制御機器（図示せず）を介してコイル４に通電すると、コ イル４に流れる２相の電流の組合わせによりヨーク２が励磁され、複数個の磁極 を外周面に配設して形成された回転子６をステップ駆動させることができ、この ステップ駆動に対応して被駆動機器に動力を伝達することができるのである。

【０００６】 上記構成のステッピングモータにおけるコイル４を作製する場合には、まずコ イル４を形成すべき素線の一端を保持した状態で、コイルボビン３に素線を所定 回数周回させる。そして上記周回後にその周回部に接着剤を塗布し、周回させた 素線のほつれを防止し、周回端を切断する。ここまでの処理は例えば専用機若し くは汎用ロボット等によって行うことが可能である。

【０００７】 次に各素線の端部に所定長さのリード線を半田付けによって接続し、各接続部 に絶縁テープを巻装して電気的絶縁を確保する。更に上記接続部に無理な引張応 力が作用することを防止すると共に、全体の絶縁を行うために、前記リード線を 素線の周回部に沿わせた状態で、この周回部全面を絶縁テープによって更に被覆 するのである。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来のコイル作製手段においては、前段のコイルボビン３に素線を周回さ せる工程は格別として、後段のリード線接続工程以後においては専ら手作業に依 存するため、作業性が低いと共に非能率であるという問題点がある。

【０００９】 上記問題点を解決するために、コイルボビン３の外周部に端子ピンを設け、コ イル４を形成する素線の端末を巻付けて半田付けする手段が提案されている（例 えば実開平４−４７１６号公報参照）。図６はこのような手段の例を示す要部横 断面図であり、同一部分は前記図５と同一の参照符号で示す。

【００１０】 図６において、コイルボビン３は、中空円筒状に形成された巻心部３１の軸方 向両端部に、巻心部３１の外径寸法より大なる外径寸法を有するフランジ３２を 一体に設けて形成され、かつ一方のフランジ３２にターミナル部３３を設け、タ ーミナル１０および共通ターミナル１１を設ける。そしてコイル４を巻装するに は、まず一方のターミナル１０に巻始め線４１を接続し、巻終り線４２を共通タ ーミナル１１に接続する。更に他の相を形成するコイル４の巻始め線４１を共通 ターミナル１１に接続し、巻終り線４２を他のターミナル１０に接続すればよい 。なおターミナル部３３をハウジング１の外方に突出させるために、ハウジング １には切欠き部１２を設けてある。

【００１１】 上記の構成により、コイル４の巻装作業が若干容易にはなるものの、ターミナ ル１０および共通ターミナル１１にリード線を半田付けする煩雑な作業は依然と して残り、作業性が低いという問題点がある。また上記ターミナル１０および共 通ターミナル１１にコネクタを取り付ける場合においても、取り付けるべきコネ クタを適正位置に保持する必要があり、煩雑な作業を強いられると共に、取付部 若しくは接続部の強度上の信頼性が不足するという問題点がある。

【００１２】 本考案は、上記従来技術に存在する問題点を解決し、コイルの端末の固定およ び給電用のリード線との接続が容易であると共に、接続強度上の信頼性の高い小 型モータを提供することを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案においては、外周面に軸方向に延びる磁 極を円周方向に複数個配設してなる回転子と、コイルボビンに巻装されたコイル を有底中空筒状に形成されたハウジング内に軸方向に２個配設すると共にハウジ ングの開口部にエンドプレートを嵌着してなる固定子とから構成される小型モー タにおいて、 給電用のコネクタを備えると共に、このコネクタと電気的に接続されてなる接 片を端部に設けたプリント配線基板を、コイルボビン間に挟着し、コイルの端末 をプリント基板の端部に直接接続する、という技術的手段を採用した。

【００１４】

【作用】

上記の構成により、コイルボビンへのコイル形成用の素線の巻装が極めて容易 になると共に、コイルボビン組立時における素線および／またはリード線が非所 望な部位に接触短絡することを防止でき、更にコイルの素線の端末とリード線と の接続が容易になる。

【００１５】

【実施例】

図１は本考案の実施例を示す要部縦断面図であり、同一部分は前記図５および 図６と同一の参照符号で示す。図１において１３はプリント配線基板、１４はコ ネクタであり、両者は予め半田付等の手段によって固着されており、コイルボビ ン３の一方のフランジ３２に軸線と直角方向に突出するように設けられた突出部 １６により挟着固定されている。１５は突起であり、突出部１６に後述するよう な態様で設ける。２０はリード線２１を接続したコネクタであり、前記コネクタ １４と係脱自在となるように形成する。

【００１６】 図２は図１におけるコイル構成部材を示す説明図であり、（ａ）は横断面、（ ｂ）は縦断面を示す。また図３は図２における構成部材を分解して示す斜視図で ある。図２および図３において、１５は突起であり、コイルボビン３の一方のフ ランジ３２に、軸線と直角方向に突出するように設けた突出部１６に、巻心部３ １の軸方向外方に突出するように設ける。そして２個のコイルボビン３を、突起 １５が対向するように組合わせた場合に、一方のコイルボビン３の突起１５が他 方のコイルボビン３の巻心部３１に臨むように形成する。

【００１７】 図４は図２および図３におけるプリント配線基板１３を示す要部拡大斜視図で ある。図４において、プリント配線基板１３の側方の端部１８には、コネクタ１ ４（図示せず、図３参照）と電気的に接続されてなる接片１９を設ける。そして この端部１８に、例えば巻始め線４１を巻掛け接続し得るように構成する。なお ３個の端部１８のうち任意の１個を共通ターミナル（前記図６における共通ター ミナル１１に相当）として使用し、他の２個を各々異なる相を形成するコイルの 巻始め線および巻終り線のターミナルとして使用する。

【００１８】 上記構成のコイルボビン３を組立てる場合には、まず図３において、コイルボ ビン３の巻心部３１にコイル４（図示省略、図１および図２参照）を巻装したも のを２個準備しておく。この場合コイル４を形成すべき素線の端末、すなわち巻 始め線および巻終り線は、例えばコイルボビン３のフランジ３２の外周に一体に 突設した突起（図示せず）に巻掛けておく。

【００１９】 次にコイルボビン３にヨーク２を装着し、更にコネクタ１４を固着したプリン ト配線基板１３を挟むようにして２個のコイルボビン３を組立てる。上記のよう にしてコイルボビン３を組立てると、一方のコイルボビン３の突出部１６に設け られた突起１５は、プリント配線基板１３に設けられた貫通穴１７を貫通して、 他方のコイルボビン３の巻心部３１、すなわちコイル４に臨むように配設される ことになる。この状態でコイル４の巻始め線４１および巻終り線４２（図示省略 、図２参照）を、前記フランジ３２の外周の突起から外して、図２に示すように 突起１５の下側からプリント配線基板１３の端部１８に巻掛け、半田付けによっ て固定する。このようにして各コイル４の巻始め線４１および巻終り線４２をプ リント配線基板１３の端部１８に固定した後、図１に示すハウジング１内に装着 すればよい。

【００２０】

【考案の効果】

本考案は以上記述のような構成および作用であるから、固定子を構成するコイ ルの端末の固定が容易であると共に、このコイル端末とリード線との接続が極め て容易である。なおリード線の接続は組立後のコネクタの装着のみによって行い 得るため、小型モータの組立工程においてはリード線を欠如した状態で作業を行 うことができ、作業性および生産性を向上させ得るという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す要部縦断面図である。

【図２】図１におけるコイル構成部材を示す説明図であ
り、（ａ）は横断面、（ｂ）は縦断面を示す。

【図３】図２における構成部材を分解して示す斜視図で
ある。

【図４】図２および図３におけるプリント配線基板を示
す要部拡大斜視図である。

【図５】従来のステッピングモータの例を示す要部縦断
面図である。

【図６】従来のコイルボビンの他の例を示す要部横断面
図である。

【符号の説明】

３ コイルボビン ４ コイル １３ プリント配線基板 １４ コネクタ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 武 正雄 千葉県松戸市松飛台430番地 マブチモー ター株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外周面に軸方向に延びる磁極を円周方向
   に複数個配設してなる回転子と、コイルボビンに巻装さ
   れたコイルを有底中空筒状に形成されたハウジング内に
   軸方向に２個配設すると共にハウジングの開口部にエン
   ドプレートを嵌着してなる固定子とから構成される小型
   モータにおいて、 給電用のコネクタを備えると共に、このコネクタと電気
   的に接続されてなる接片を端部に設けたプリント配線基
   板を、コイルボビン間に挟着し、コイルの端末をプリン
   ト基板の端部に直接接続したことを特徴とする小型モー
   タ。