JPH0587898B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、磁気記録再生装置においてリール
を駆動するアイドラ機構の改良に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

第５図は従来のカセツト式磁気記録再生装置の
テープ走行系およびリール駆動用アイドラ機構の
構成の一例を示す要部平面図であり、図において
１はテープ供給側リール台、２はその回転軸、３
はテープ巻き取り側リール台、４はその回転軸、
５はテープ供給側リール、６はテープ巻き取り側
リールで、このテープ巻き取り側リール６とテー
プ供給側リール５とはカセツト７内に平行に装填
されている。８はリール駆動部で、軸９に回転可
能に挿入されている。１０はアイドラで、軸１１
に回転可能に支持されると共に、リール駆動部８
に圧接されて軸９を中心とした円弧上に移動可能
なように構成されている。１２はテープ、１３は
テープ１２を案内するドラムで、回転軸１４の軸
線上にある回転上ドラムと固定下ドラムとからな
ると共に、両ドラムの隙間に回転磁気ヘツド１５
が介設されている。テープ１２の下端を固定下ド
ラムに設けられたリードに沿わせることにより、
ドラム１３の周面上にテープ１２をヘルカル状に
案内して信号を記録再生するようになつている。
１６はピンチローラで、図示しないレバーにより
キヤプスタン１７の周面に弾性的に転接されてい
る。テープ１２はピンチローラ１６とキヤプスタ
ン１７との間に挾持されて所定の速度で移送され
るようになつている。１８はコントロールヘツ
ド、１９は消去ヘツド、２０および２１はドラム
１３のリードに対するテープ１２の対接角を規制
するテープガイドピン、２２，２３，２４はテー
プガイドローラ、２５および２６はテープ１２の
縦振動を抑えるインピーダンスローラ、２７はテ
ンシヨンピンである。

また、第６図および第７図はそれぞれ従来のカ
セツト式磁気記録再生装置のリール駆動用アイド
ラ機構の一例を示すものである。アイドラ（ゴム
部）１０はレバー２８の先端部に立設した回転軸
１１により支持される。このレバー２８は駆動軸
９に回転可能に支持されかつレバー２８とアイド
ラゴム支持部２９との間にはフエルト３０が貼り
付けられており、ばね３１の圧縮力でアイドラゴ
ム支持部２９をフエルト３０に押し付けている。
なお図中３２はばね受板、３３は止め輪である。

次に動作について説明する。カセツト７は第５
図の１点鎖線に示すように装着され、次いでテー
プ１２はカセツト７からテープガイドローラ２３
および２４によつて引き出され、テープガイドピ
ン２０，２１によつてドラム１３のまわりの所定
の位置にセツトされる。そしてテンシヨンピン２
７によつて所要のテンシヨンが付与され、更にピ
ンチローラ１６とキヤプスタン１７とがテープ１
２を挾持することによつて第５図に示すようなテ
ープローデイング完了時の状態となる。そしてテ
ープ１２は固定下ドラムのリードに下端が沿わさ
れてドラム１３の周面上にヘリカル状に巻回さ
れ、これにより信号の記録再生が行なわれる。

なお、リール駆動用アイドラ機構においては、
第６図において、駆動プーリ８が矢印Ａの方向に
回転すると、アイドラ１０は矢印Ｂの方向に回転
するが、この時ばね３１によつてアイドラゴム支
持部２９はフエルト３０に押し付けられているた
めに、両者間の摩擦力が大きくなりアイドラ１０
の回転エネルギの一部がレバー２８の軸９まわり
の回転エネルギとなり、レバー２８の矢印Ｃの方
向に回動し、アイドラ１０がテープ巻き取り側リ
ール台３と接触し、テープ巻き取り側リール６を
回転させる。同様に駆動プーリ８が矢印Ｄの方向
に回転すると、アイドラ１０が矢印Ｅの方向に回
転してレバー２８は矢印Ｆの方向に回転し、アイ
ドラ１０がテープ供給側リール台１と接触し、テ
ープ供給側リール５を回転させる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

従来の磁気記録再生装置のリール駆動用アイド
ラ機構は以上のように構成されているので、アイ
ドラ１０とリール台１あるいは３とが接触した後
もフエルト３０の部分での回転エネルギの損失が
あり、そのために駆動力を大きくすることが必要
であるし、また常にフエルト３０を押し当ててい
るのでフエルト３０の磨耗が多く経時変化が激し
いという問題点があつた。

この発明は上記のような問題点を解消するため
になされたもので、回転エネルギの損失を大幅に
減少し、かつアイドラの確実な移動を可能にし、
経時変化も少ない磁気記録再生装置のリール駆動
用アイドラ機構を得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この発明に係る磁気記録再生装置のリール駆動
用アイドラ機構は、リンクレバーを介してカムに
よつて操作されるアイドラ保持レバー上に植立し
たピンのまわりに回転自在のアイドラを設け、こ
のアイドラの位置が一意的に決まるモードにおい
てはカムの動作によつて前記アイドラを所定の時
期に所定のリール台の方向に移動させ、一意的に
決まらないモードにおいては摺動部材を介してリ
ール台駆動源からの回転力により前記アイドラを
所定のリール台の方向に移動させるようにしたも
のである。

〔作用〕

この発明においては、アイドラの位置が一意的
に決まるモードにおいてはカムによつて得られた
動作をリンクレバーに伝達しこれを所定の方向に
移動させ、一意的に決まらないモードにおいては
摺動部材を介してリール台駆動源の回転力をアイ
ドラ保持レバーに伝えてこれを所定の方向に移動
させる。

〔発明の実施例〕

以下、この発明の一実施例を第１図乃至第３図
について説明する。第１図は斜視図、第２図は第
１図の要部断面図、第３図は溝カムの平面図であ
り、上記従来装置と同一または相当部分には同一
符号を付して説明を省略する。図において、１０
Ａはアイドラ（ギア）、３４はアイドラ１０Ａの
回転軸２を植立したアイドラ保持レバー、３５お
よび３６はリンクレバー、３７はリンクレバー３
６の一端を回転可能に支持する軸、３８はリンク
レバー３６の中間部に植立されたピンで、溝カム
３９に連係されている。４０はリンクレバー３５
の一端をリンクレバー３６の他端に回転可能に係
合する軸で、リンクレバー３５の他端は回転軸２
に連係されている。溝カム３９は軸４１に回転自
在に配置され、カム溝３９ａの形状は各モードに
対して第３図に示すように構成されている。８Ａ
は駆動部ギアで、フエルト４２は板４３に貼り付
けられて板４３と係合したばね４４と共に駆動源
軸９の保持部４５に添つて移動可能なようにアイ
ドラ保持レバー３４と係合されている。４６は駆
動プーリで、ゴムベルト４７により回転力を伝達
されるように駆動源軸９と結合されている。４８
はアイドラ保持レバー３４の位置決め軸で、回転
軸４９に回動自在のレバー５０を介して所定の位
置に移動されるように構成されている。５１は回
転軸４９の保持部材である。

次に動作を説明する。即ち第１図に示したアイ
ドラ１０Ａは中立状態にあり、またフエルト４２
は第２図に示すように駆動部ギア８Ａと接触して
いない。よつてアイドラ１０Ａは供給側リール台
１および巻き取り側リール台３のどちらにも移動
不可能である。ところで溝カム３９が図示されて
いない駆動部によつて回動させられピン３８が溝
カム３９のFF／REWモード位置にくるとアイド
ラ１０Ａは供給側リール台１および巻き取り側リ
ール台３のどちらへも移動可能となる。一方レバ
ー５０が図示しない駆動源により回動させられア
イドラ保持レバー３４を矢印Ｇの方向に持上げる
と、フエルト４２がばね４４のたわみ力相当分だ
けの力で駆動部ギア８Ａに押し付けられ、駆動部
ギア８Ａが矢印Ａの方向に回転するとアイドラ１
０Ａが矢印Ｂの方向に回転すると共にフエルト４
２と駆動部ギア８Ａとの間で発生する摩擦力によ
りアイドラ保持レバー３４が矢印Ｃの方向に回転
しアイドラ１０Ａは巻き取り側リール台３に設け
られたギア（図示せず）と噛合う。同様に駆動部
ギア８Ａが矢印Ｄの方向に回転するとアイドラ１
０Ａが矢印Ｅの方向に回転すると共にアイドラ保
持レバー３４が矢印Ｆの方向に回転し、アイドラ
１０Ａは供給側リール台１に設けられたギア（図
示せず）と噛合う。次に溝カム３９が回転させら
れてピン３８がSTOPモード位置にくると、アイ
ドラ１０Ａは中立位置に固定され供給側リール台
１および巻き取り側リール台３のどちらへも移動
不可能となる。さらに溝カム３９が回転させられ
てピン３８がPB／RECモード位置にくると、リ
ンクレバー３５が矢印Ｈの方向に移動させられて
アイドラ保持レバー３４が矢印Ｃの方向に回転さ
せられる。その際アイドラ保持レバー３４は矢印
Ｉの方向に移動させられておりフエルト４２は駆
動部ギア８Ａと接触していない。次に溝カム３９
が回転させられてピン３８がRSモード位置にく
ると、リンクレバー３５が矢印Ｊの方向に移動さ
せられてアイドラ保持レバー３４が矢印Ｆの方向
に回転させられ、アイドラ１０Ａは供給リール台
１に設けられたギア（図示せず）と噛合い駆動源
の回転力を供給側リール台１に伝える。なお、こ
の場合もアイドラ保持レバー３４はＩの方向に移
動させられている。

なお、上記実施例では回転駆動力をゴムベルト
４７を介して伝達されるものを示したが、第４図
中符号５２で示すようにモータそのものを駆動部
に配置しても良い。

〔発明の効果〕

以上のように、この発明によればアイドラ機構
の移動方向が一意的に決まる場合はアイドラ機構
の移動を外部より強制的に行なうように構成した
ので、駆動部の回転エネルギをほとんど損失する
ことなくリール台へ伝達でき、またアイドラ機構
の移動方向が一意的に決まらない場合はフエルト
の摩擦力によつて駆動源の回転方向にあつた方向
にアイドラ機構を移動できるように構成したの
で、フエルトの磨耗が少なく、よつて経時変化も
少なく、しかも消費電力の少ない信頼性の高い磁
気記録再生装置が得られる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す斜視図、第
２図は第１図の要部断面図、第３図は溝カムの平
面図、第４図はこの発明の他の実施例を示す斜視
図、第５図は従来のカセツト式磁気記録再生装置
のテープ走行系およびリール駆動用アイドラ機構
の平面図、第６図は従来のアイドラ機構の平面
図、第７図は第６図の断面図である。 図中、８Ａはアイドラ駆動部、１０Ａはアイド
ラ、３４はアイドラ保持レバー、３９はカム、４
２はフエルト、４８はアイドラ保持レバーの位置
決め軸である。なお、図中同一符号は同一または
相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 磁気テープを巻装し得る１対のリールを平行
   に装填する磁気記録再生装置において、前記リー
   ルとそれぞれ一体的に回転する１対のリール台お
   よびこの１対のリール台のそれぞれから等距離に
   あるリール台駆動源と、このリール台駆動源と前
   記１対のリール台のいずれか一方と選択的に連係
   するアイドラと、このアイドラを保持するアイド
   ラ保持レバーと、このアイドラ保持レバーをリン
   クレバーを介して操作するカムと、前記アイドラ
   保持レバーと前記リール台駆動源とを第２の状態
   で圧接連係する摺動部材およびばねとを具備し、
   第１の状態では前記カムの動作により前記アイド
   ラを前記いずれかのリール台へ移動して前記リー
   ル台駆動源の回転を伝達するように前記アイドラ
   保持レバーと前記カムとを連係し、第２の状態で
   は前記摺動部材を介して前記リール台駆動源の回
   転力により前記アイドラを前記いずれかのリール
   台へ移動して前記リール台駆動源の回転を伝達す
   るようにし、 装置の各モードに対して、前記第１あるいは第
   ２の状態を選択し、前記摺動部材を介して回転を
   伝達するモードでは、前記アイドラ保持レバーと
   前記リール台駆動源とを圧接連係する前記第２の
   状態を保持するようにしたことを特徴とする磁気
   記録再生装置のリール駆動用アイドラ機構。