JPH0570382A - トランス−モノフルオロエチレン誘導体化合物及びそれを含有する液晶組成物 - Google Patents

トランス−モノフルオロエチレン誘導体化合物及びそれを含有する液晶組成物

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JPH0570382A
JPH0570382A JP3259616A JP25961691A JPH0570382A JP H0570382 A JPH0570382 A JP H0570382A JP 3259616 A JP3259616 A JP 3259616A JP 25961691 A JP25961691 A JP 25961691A JP H0570382 A JPH0570382 A JP H0570382A
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trans
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JP3259616A
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English (en)
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Seiji Shintani
清治 新谷
Yutaka Furukawa
豊 古川
Osamu Yokokoji
修 横小路
Takashi Miyajima
隆 宮島
Hidemasa Ko
英昌 高
Katsutoshi Machida
勝利 町田
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Seimi Chemical Co Ltd
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Seimi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】一般式(1) R1-(A1)m-Y1-A2-CH=CF-A3-Y2-(A4)n-R2 (1) (A1〜A4はトランス-1,4- ジ置換シクロヘキシレン基、
1,4-ジ置換フェニレン基等、m 、n は 0または 1を示
し、R1、R2は炭素数 1〜10のアルキル基、ハロゲン、シ
アノ基等を示す)で表されるトランス-モノフルオロエ
チレン誘導体化合物。 具体例には式(2)の化合物がある。 【効果】この化合物は、低粘性であり、光に対しても安
定であるので、液晶組成物に使用することにより、高速
応答が期待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トランス- モノフルオ
ロエチレン誘導体化合物及びそれを含有する液晶組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計,電卓をはじめ、
近年では測定器、自動車用計器、複写器、カメラ、OA
機器用表示装置、家電製品用表示装置等種々の用途に使
用され始めており、広い動作温度範囲、低動作電圧、高
速応答性、高コントラスト比、広視角、化学的安定性等
の種々の性能要求がなされている。
【0003】しかし、現在のところ、これらの特性を単
独の材料で全て満たす材料はなく、複数の液晶、及び非
液晶の材料を混合して液晶組成物として要求性能を満た
している状態である。このため、各種特性のすべてでは
なく、一又は二以上の特性に優れた液晶又は非液晶の材
料開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】液晶を用いた表示素子
分野においては、その性能向上が望まれており、低電圧
駆動、高精細表示、高コントラスト比、広視角特性、低
温応答特性、広動作温度範囲等が望まれており、これら
はいずれかを向上させると他のいずれかが犠牲になると
いう傾向がある。
【0005】特に、最近、電池駆動においては低電圧駆
動と高速応答、OA機器等においては高精細表示と高速
応答、自動車用表示等においては低温応答もしくは広動
作温度範囲で高速応答というように、その応答速度を向
上させることが望まれている。
【0006】このためには、いくつかの改善方法が考え
られるが、その一つとして低粘性の液晶組成物の採用が
ある。即ち、液晶組成物の粘性が低下すれば、応答速度
は向上し、低温でも実用的な速度での表示が可能にな
る。また、従来と同じ応答速度でよければ、より低電圧
で駆動できたり、より高いデューティ比での駆動が可
能、即ち、高精細駆動が可能になる。
【0007】このような目的のため、第16回液晶討論会
で講演されたようなp,p'- 二置換ジフルオロスチルベン
化合物が提案されている。この化合物は以下の一般式
(3) で示されるような化学構造を有している。
【0008】
【化1】
【0009】ただし、一般式(3) のRA、RBはn-アルキル
基、n-アルコキシ基、n-アルコキシカルボニル基を意味
する。
【0010】この一般式(3) の化合物は、低粘性でフッ
素置換されていないスチルベン化合物よりも光に対する
安定性が向上しているものであった。しかし、通常使用
されている一般の液晶化合物に比しては、光に対する安
定性がまだ劣っており、使用環境が限定されたり、紫外
線カットフィルターを併用せざるを得ないことが多かっ
た。
【0011】従って、低粘性で光に対する安定性が高い
液晶材料が望まれていた。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべく、新規な材料を提供するものであり、一般式
(1) R1-(A1)m-Y1-A2-CH=CF-A3-Y2-(A4)n-R2 (式中、A1〜A4は相互に独立してトランス-1,4- ジ置換
シクロヘキシレン基または1,4-ジ置換フェニレン基であ
り、これらの基は夫々非置換であるかあるいは置換基と
して1個もしくは2個以上のハロゲン原子、シアノ基を
有していてもよく、これらの基中に存在する1個もしく
は2個以上のCH基は窒素原子に置換されていてもよく、
Y1、Y2は相互に独立して-COO-,-OCO-,-C≡C-,-CH2CH2-,
-OCH2-,-CH2O- または単結合を示し、m 、n は 0または
1を示し、R1、R2は相互に独立して炭素数 1〜10のアル
キル基、ハロゲン原子、シアノ基を示し、アルキル基の
場合には、炭素−炭素結合間あるいはこの基と環との間
の炭素−炭素結合間に酸素原子が挿入されてもよく、ま
た、その炭素−炭素結合の一部が二重結合にされていて
もよく、また、その1個の-CH2- 基がカルボニル基に置
換されていてもよく、また、その基中の水素原子の一部
もしくは全てがフッ素原子で置換されていてもよい)で
表されることを特徴とするトランス- モノフルオロエチ
レン誘導体化合物を提供するものである。
【0013】一般式(2) R1-A2-CH=CF-A3-R2 (式中、A2、A3、R1、R2については、前記と同じものを
示す)で表されることを特徴とする請求項1のトランス
- モノフルオロエチレン誘導体化合物、及び、一般式
(1) または一般式(2) で示される化合物を含有すること
を特徴とする液晶組成物を提供するものである。
【0014】本発明の一般式(1) の化合物は、比較的大
きい屈折率異方性( △n)を有しており、低粘性であり、
かつ、他の液晶又は非液晶との相溶性に優れ、化学的に
も安定であり、光に対して安定な材料である。
【0015】本発明の化合物の具体的構造としては、以
下のような化合物がある。その代表的化合物として、環
の数が2個の化合物として以下のような化合物がある。 R1-A2-CH=CF-A3-R2 (4)
【0016】一般式(4) の化合物としては、より具体的
には、以下のような化合物がある。なお、以下の説明に
おいては、一般式(4) の化合物に限らず、「-Ph-」は1,
4-ジ置換フェニレン基を表し、「-Cy-」はトランス-1,4
- ジ置換シクロヘキシレン基を表す。 R1-Ph-CH=CF-Ph-R2 (4A)
【0017】
【化2】
【0018】その1,4-ジ置換フェニレン基の1つまたは
2つをトランス-1,4- ジ置換シクロヘキシレン基に置換
した化合物として以下のような化合物がある。 R1-Cy-CH=CF-Ph-R2 (4B) R1-Ph-CH=CF-Cy-R2 (4C) R1-Cy-CH=CF-Cy-R2 (4D)
【0019】また、その1,4-ジ置換フェニレン基を一部
の水素原子がフッ素原子に置換されたフェニレン基とし
た化合物として以下のような化合物がある。 R1-Ph-CH=CF-PhF-R2 (4E)
【0020】
【化3】
【0021】また、環の数が3個の化合物として、以下
のような化合物がある。 R1-A1-A2-CH=CF-A3-R2 (5)
【0022】一般式(5) の化合物としては、より具体的
には以下のような化合物がある。 R1-Ph-Ph-CH=CF-Ph-R2 (5A)
【0023】
【化4】
【0024】その1,4-ジ置換フェニレン基の1つ乃至3
つをトランス-1,4- ジ置換シクロヘキシレン基に置換し
た化合物として以下のような化合物がある。 R1-Cy-Ph-CH=CF-Ph-R2 (5B) R1-Ph-Cy-CH=CF-Ph-R2 (5C) R1-Ph-Ph-CH=CF-Cy-R2 (5D) R1-Cy-Cy-CH=CF-Ph-R2 (5E) R1-Cy-Ph-CH=CF-Cy-R2 (5F) R1-Ph-Cy-CH=CF-Cy-R2 (5G) R1-Cy-Cy-CH=CF-Cy-R2 (5H)
【0025】また、その1,4-ジ置換フェニレン基を一部
の水素原子がフッ素原子に置換されたフェニレン基とし
た化合物として以下のような化合物がある。 R1-Ph-Ph-CH=CF-PhF-R2 (5I)
【0026】また、一般式(5) の化合物で環がA1、A2
A3の3環の代わりに、A2、A3とA4の3環とした化合物と
して以下のような化合物がある。 R1-Ph-CH=CF-Ph-Ph-R2 (5J) R1-Cy-CH=CF-Ph-Ph-R2 (5K) R1-Ph-CH=CF-Cy-Ph-R2 (5L)
【0027】また、環の数が4個の化合物として、以下
のような化合物がある。 R1-A1-A2-CH=CF-A3-A4-R2 (6)
【0028】一般式(6) の化合物としては、より具体的
には以下のような化合物がある。 R1-Ph-Ph-CH=CF-Ph-Ph-R2 (6A)
【0029】
【化5】
【0030】R1-Cy-Ph-CH=CF-Ph-Ph-R2 (6B) R1-Cy-Ph-CH=CF-Ph-Cy-R2 (6C) R1-Ph-Cy-CH=CF-Ph-Ph-R2 (6D) R1-Ph-Ph-CH=CF-Cy-Ph-R2 (6E) R1-Ph-Ph-CH=CF-Ph-PhF-R2 (6F) R1-Ph-Ph-CH=CF-PhF-Ph-R2 (6G)
【0031】このほか、3環以上の化合物の場合、環と
環との間のY1、Y2を単結合以外に変更した以下のような
化合物もある。
【0032】 R1-Ph-COO-Ph-CH=CF-Ph-R2 (5M) R1-Ph-OCO-Ph-CH=CF-Ph-R2 (5N) R1-Ph-C ≡C-Ph-CH=CF-Ph-R2 (5O) R1-Ph-CH2CH2-Ph-CH=CF-Ph-R2 (5P) R1-Ph-OCH2-Ph-CH=CF-Ph-R2 (5Q) R1-Ph-CH2O-Ph-CH=CF-Ph-R2 (5R) R1-Ph-COO-Ph-CH=CF-Ph-Ph-R2 (6H) R1-Ph-OCO-Ph-CH=CF-Ph-Ph-R2 (6I) R1-Ph-C ≡C-Ph-CH=CF-Ph-Ph-R2 (6J) R1-Ph-CH2CH2-Ph-CH=CF-Ph-Ph-R2 (6K) R1-Ph-OCH2-Ph-CH=CF-Ph-Ph-R2 (6L) R1-Ph-CH2O-Ph-CH=CF-Ph-Ph-R2 (6M) R1-Ph-COO-Ph-CH=CF-Ph-OCO-Ph-R2 (6N)
【0033】また、A1〜A4の基を、1,4-ジ置換フェニレ
ン基、トランス-1,4- ジ置換シクロヘキシレン基以外の
環構造を有する基とした以下のような化合物もある。
【0034】
【化6】
【0035】本発明の上記のような化合物は、他の液晶
材料または非液晶材料と混合して液晶組成物にすること
により、その液晶組成物を低粘性とすることができ、液
晶表示素子とした場合に高速応答が可能になる。
【0036】本発明の式(1) の化合物は、他の液晶、非
液晶に、少なくとも1種を混合することにより液晶組成
物として使用される。
【0037】本発明の化合物と混合させる物質として
は、例えば以下のようなものがある。なお、以下の式で
のRC、RDはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、
シアノ基等の基を表わす。
【0038】RC-Cy-Cy-RD RC-Cy-Ph-RD RC-Ph-Ph-RD RC-Cy-COO-Ph-RD RC-Ph-COO-Ph-RD RC-Cy-CH=CH-Ph-RD RC-Ph-CH=CH-Ph-RD RC-Cy-CH2CH2-Ph-RD RC-Ph-CH2CH2-Ph-RD RC-Ph-N=N-Ph-RD RC-Ph-NON-Ph-RD RC-Cy-COS-Ph-RD
【0039】RC-Cy-Ph-Ph-RD RC-Cy-Ph-Ph-Cy-RD RC-Ph-Ph-Ph-RD RC-Cy-COO-Ph-Ph-RD RC-Cy-Ph-COO-Ph-RD RC-Cy-COO-Ph-COO-Ph-RD RC-Ph-COO-Ph-COO-Ph-RD RC-Ph-COO-Ph-OCO-Ph-RD
【0040】
【化7】
【0041】なお、これらの化合物は単なる例示にすぎ
なく、環構造もしくは末端基の水素原子のハロゲン原
子、シアノ基、メチル基等への置換、シクロヘキサン
環、ベンゼン環の他の六員環、五員環等への置換、環の
間の結合基の変更等が可能であり、所望の性能に合わせ
て種々の材料が選択使用されればよい。
【0042】本発明の組成物は、液晶組成物として、電
極付の基板間に配され、ツイストネマチック方式、ゲス
ト・ホスト方式、動的散乱方式、フェーズチェンジ方
式、DAP方式、二周波駆動方式、強誘電性液晶表示方
式等種々のモードで使用することができる。
【0043】具体的には、次のようなものが代表的であ
る。プラスチック、ガラス等の基板上に、必要に応じて
SiO2、Al2O3 等のアンダーコート層やカラーフィルター
層を形成し、In2O3-SnO2(ITO) 、SnO2等の電極を設
け、パターニングした後、必要に応じてポリイミド、ポ
リアミド、SiO2、Al2O3 等のオーバーコート層を形成
し、配向処理し、これにシール材を印刷し、電極面が相
対向するように配して周辺をシールし、シール材を硬化
して空セルを形成する。
【0044】この空セルに、本発明の化合物を含む組成
物を注入し、注入口を封止剤で封止して液晶セルを構成
する。この液晶セルに必要に応じて偏光板、カラー偏光
板、光源、カラーフィルター、半透過反射板、反射板、
導光板、紫外線カットフィルター等を積層する、文字,
図形等を印刷する、ノングレア加工する等して液晶表示
素子とする。
【0045】なお、上述の説明は、液晶表示素子の基本
的な構成及び製法を示したにすぎなく、例えば2層電極
を用いた基板、2層の液晶層を形成した2層液晶セル、
TFT、MIM等の能動素子を形成したアクティブマト
リクス基板を用いたアクティブマトリクス素子等、種々
の構成のものが使用できる。
【0046】本発明の化合物を液晶組成物に用いること
により、高デューティ比の駆動を行っても、高速応答が
期待できる。このため、近年注目されている高ツイスト
角のスーパーツイスト(STN) 型液晶表示素子にも好
適である。
【0047】本発明の一般式(1) の化合物は、例えば、
次の方法に従って製造される。
【0048】なお、上記の式(7) 、(9) においては、A1
〜A4は相互に独立してトランス-1,4- ジ置換シクロヘキ
シレン基または1,4-ジ置換フェニレン基であり、これら
の基は夫々非置換であるかあるいは置換基として1個も
しくは2個以上のハロゲン原子を有していてもよく、こ
れらの基中に存在する1個もしくは2個以上のCH基は窒
素原子に置換されていてもよく、Y1、Y2は相互に独立し
て-C≡C-,-CH2CH2-,-OCH2-,-CH2O- または単結合を示
し、m 、n は 0または 1を示し、R1、R2は相互に独立し
て炭素数 1〜10のアルキル基、アシル基、ハロゲン原子
を示し、アルキル基の場合には、炭素−炭素結合間ある
いはこの基と環との間の炭素−炭素結合間に酸素原子が
挿入されてもよく、また、R1、R2の基中の水素原子の一
部もしくは全てがフッ素原子で置換されていてもよい。
【0049】即ち、式(7) の1,1-ジフルオロエタン誘導
体化合物を、水酸化カリウム(8) 等の塩基によって脱HF
させることにより、トランス- モノフルオロエチレン誘
導体化合物(9) を得ることができる。
【0050】また、本法にて化合物(9) のR1、R2にシア
ノ基を導入する方法は、R1、R2がBrまたはI である化合
物(9) をCu2(CN)2と反応させればよい。また、本法にて
化合物(9) のY1、Y2に-COO- を導入する方法は、R1、R2
が-COOH である化合物(9) をヒドロキシ化合物であるR1
-(A1)m-OH 、R2-(A4)n-OH と反応させればよい。また、
化合物(9) のY1、Y2に-OCO- を導入する方法は、R1、R2
が-OH である化合物(9) を酸ハライド化合物であるR1-
(A1)m-COOX1、R2-(A4)n-COOX2と反応させればよい。(X
1、X2はハロゲン原子を表す。)
【0051】なお、出発原料となる式(7) の化合物は、
例えば、下記のように式(10)のケトン誘導体化合物を、
フッ素化剤であるジエチルアミノサルファートリフルオ
リド(DAST)(11)と反応させることによって得ることがで
きる。(本出願人が平成 3年8月23日に出願した「1,1-
ジフルオロアルカン誘導体化合物及びそれを用いた液晶
組成物」の合成法を参照。)
【0052】
【0053】これらの製造方法は単なる例示にすぎな
く、種々の製造方法が使用できる。
【0054】
【実施例】以下、実施例により、本発明を具体的に説明
する。
【0055】実施例1 100ml の三ツ口フラスコに4,4'- ビス(n- プロピル) ベ
ンジルフェニルケトンを14.0g(0.05mol)及び乾燥塩化メ
チレン50mlを仕込み、 0℃に冷却後、ジエチルアミノサ
ルファートリフルオリド(DAST) 16.1g(0.10mol) を滴下
した。さらに、室温下で24時間撹拌後、 0℃に冷却し、
飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、塩化メチレンで
抽出した。有機層を水洗後、溶媒を留去して、1,1-ジフ
ルオロ-1,2- ビス(4-n- プロピルフェニル) エタンを7.
55g (収率50%)得た。
【0056】還流管付きの100ml の三ツ口フラスコに、
1,1-ジフルオロ-1,2- ビス(4-n- プロピルフェニル) エ
タンを3.02g(0.01mol)およびテトラヒドロフラン10mlを
仕込み、 0℃に冷却後、KOH の20%エタノール溶液8.42
g(0.03mol)を滴下した。さらに、65℃で10時間撹拌後、
0℃に冷却し、1N塩酸水溶液を加え、エーテルで抽出し
た。有機層を水洗し、乾燥後、溶媒を留去して得られた
粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィにて精製し
て、トランス-1- フルオロ-1,2- ビス(4-n- プロピルフ
ェニル) エチレンを2.48g (収率88%)得た。 n-C3H7-Ph-CH=CF-Ph-C3H7(n)
【0057】
【化8】
【0058】この化合物の分析結果を以下に示す。19 F NMR(CDCl3) − 115.1ppm(d) JF-H=43.1Hz MS m/e 282(M+) IR 1650cm-1(C=C)
【0059】実施例2 実施例1で用いた1,1-ジフルオロ-1,2- ビス(4-n- プロ
ピルフェニル) エタンのかわりに、1,1-ジフルオロ-1,2
- ビス(4- クロロフェニル) エタンを2.87g(0.01mol)用
いる以外は、実施例1と同様に反応を行い、トランス-
1,2- ビス(4- クロロフェニル) -1- フルオロエチレン
を2.38g (収率89%)得た。 Cl-Ph-CH=CF-Ph-Cl
【0060】
【化9】
【0061】この化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 267(M+) IR 1650cm-1(C=C)
【0062】実施例1、2と同様にして、以下のような
化合物が合成される。 CH3-Ph-CH=CF-Ph-CH3 C2H5-Ph-CH=CF-Ph-C2H5 n-C4H9-Ph-CH=CF-Ph-C4H9(n) n-C5H11-Ph-CH=CF-Ph-C5H11(n) n-C6H13-Ph-CH=CF-Ph-C6H13(n) n-C7H15-Ph-CH=CF-Ph-C7H15(n) n-C8H17-Ph-CH=CF-Ph-C8H17(n) n-C9H19-Ph-CH=CF-Ph-C9H19(n) n-C10H21-Ph-CH=CF-Ph-C10H21(n)
【0063】CH3-Ph-CH=CF-Ph-C5H11(n) CH3-Ph-CH=CF-Ph-CF3 C2H5-Ph-CH=CF-Ph-C2F5 n-C3H7-Ph-CH=CF-Ph-C5H11(n) F-Ph-CH=CF-Ph-F CH3-Ph-CH=CF-Ph-Cl
【0064】CH3-Ph-CH=CF-Ph-CH=CH2 CH3-CH=CH-Ph-CH=CF-Ph-CH=CH-CH3
【0065】実施例3 実施例1で用いた1,1-ジフルオロ-1,2- ビス(4-n- プロ
ピルフェニル) エタンのかわりに、1,1-ジフルオロ-1,2
- ビス(4- メトキシフェニル) エタンを2.78g(0.01mol)
用いる以外は、実施例1と同様に反応を行い、トランス
-1- フルオロ-1,2- ビス(4- メトキシフェニル)エチレ
ンを2.27g (収率88%)得た。 CH3O-Ph-CH=CF-Ph-OCH3
【0066】
【化10】
【0067】この化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 258(M+) IR 1650cm-1(C=C)
【0068】同様にして、以下のような化合物が合成さ
れる。 C2H5O-Ph-CH=CF-Ph-OC2H5 n-C3H7O-Ph-CH=CF-Ph-OC3H7(n) n-C4H9O-Ph-CH=CF-Ph-OC4H9(n) n-C5H11O-Ph-CH=CF-Ph-OC5H11(n) n-C6H13O-Ph-CH=CF-Ph-OC6H13(n) n-C7H15O-Ph-CH=CF-Ph-OC7H15(n) n-C8H17O-Ph-CH=CF-Ph-OC8H17(n) n-C9H19O-Ph-CH=CF-Ph-OC9H19(n) n-C10H21O-Ph-CH=CF-Ph-OC10H21(n)
【0069】CH3O-Ph-CH=CF-Ph-CH3 n-C3H7O-Ph-CH=CF-Ph-C3H7(n) n-C5H11O-Ph-CH=CF-Ph-C5H11(n) n-C7H15O-Ph-CH=CF-Ph-C7H15(n) n-C10H21O-Ph-CH=CF-Ph-C10H21(n) CH3-Ph-CH=CF-Ph-OCH3 n-C3H7-Ph-CH=CF-Ph-OC3H7(n) n-C5H11-Ph-CH=CF-Ph-OC5H11(n) n-C7H15-Ph-CH=CF-Ph-OC7H15(n) n-C10H21-Ph-CH=CF-Ph-OC10H21(n)
【0070】実施例4 実施例1で用いた1,1-ジフルオロ-1,2- ビス(4-n- プロ
ピルフェニル) エタンのかわりに、1,1-ジフルオロ-1-
(4-ブロモフェニル)-2-(4-n- プロピルフェニル) エタ
ンを3.38g(0.01mol)用いる以外は実施例1と同様に反応
を行い、トランス-1- フルオロ-1-(4-ブロモフェニル)-
2-(4-n- プロピルフェニル) エチレンを2.80g (収率88
%)得た。 n-C3H7-Ph-CH=CF-Ph-Br
【0071】次いで、Cu2(CN)2 0.79g(0.0088mol) を無
水ジメチルスルフォキシド(DMSO)10ml中に90℃に加熱
し溶解させる。次いで、撹拌下、得られたトランス-1-
フルオロ-1-(4-ブロモフェニル)-2-(4-n- プロピルフェ
ニル) エチレン2.80g(0.0088mol)のDMSO溶液を滴下す
る。その後さらに 150℃にて 1時間撹拌後、室温まで冷
却する。水50mlを注ぎ、塩化メチレンで抽出し、有機層
を飽和食塩水で洗浄し、CaCl2 で乾燥する。濾過後、溶
媒を留去し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマト
グラフィにて精製して、トランス-1- フルオロ-1-(4-シ
アノフェニル)-2-(4-n- プロピルフェニル) エチレンを
2.10g (収率90%)得た。 n-C3H7-Ph-CH=CF-Ph-CN
【0072】
【化11】
【0073】この化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 265(M+) IR 1650cm-1(C=C),2230cm-1(C≡N)
【0074】同様にして、以下のような化合物が合成さ
れる。 CH3-Ph-CH=CF-Ph-CN C2H5-Ph-CH=CF-Ph-CN n-C5H11-Ph-CH=CF-Ph-CN n-C7H15-Ph-CH=CF-Ph-CN n-C10H21-Ph-CH=CF-Ph-CN CH3O-Ph-CH=CF-Ph-CN n-C3H7O-Ph-CH=CF-Ph-CN n-C5H11O-Ph-CH=CF-Ph-CN n-C7H15O-Ph-CH=CF-Ph-CN n-C10H21O-Ph-CH=CF-Ph-CN
【0075】NC-Ph-CH=CF-Ph-CH3 NC-Ph-CH=CF-Ph-C2H5 NC-Ph-CH=CF-Ph-C5H11(n) NC-Ph-CH=CF-Ph-C7H15(n) NC-Ph-CH=CF-Ph-C10H21(n) NC-Ph-CH=CF-Ph-OCH3 NC-Ph-CH=CF-Ph-OC3H7(n) NC-Ph-CH=CF-Ph-OC5H11(n) NC-Ph-CH=CF-Ph-OC7H15(n) NC-Ph-CH=CF-Ph-OC10H21(n)
【0076】実施例4の1,1-ジフルオロ-1-(4-ブロモフ
ェニル)-2-(4-n- プロピルフェニル) エタンのかわり
に、2つ以上の臭素原子が導入された1,1-ジフルオロ-1
-(ポリブロモフェニル)-2-(4-n- プロピルフェニル) エ
タンを用いることにより、以下のような化合物を合成で
きる。 トランス-1- フルオロ-1-(2,4-ジシアノフェニル)-2-(4
-n- プロピルフェニル)エチレン トランス-1- フルオロ-1-(3,4-ジシアノフェニル)-2-(4
-n- プロピルフェニル)エチレン
【0077】実施例5 実施例1で用いた1,1-ジフルオロ-1,2- ビス(4-n- プロ
ピルフェニル) エタンのかわりに、1,1-ジフルオロ-1-
(4-メチルフェニル)-2-( トランス-4- メチルシクロヘ
キシル) エタンを2.52g(0.01mol)用いる以外は、実施例
1と同様に反応を行い、トランス-1- フルオロ-1-(4-メ
チルフェニル)-2-( トランス-4- メチルシクロヘキシ
ル)エチレンを2.00g (収率86%)得た。 CH3-Cy-CH=CF-Ph-CH3
【0078】
【化12】
【0079】この化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 232(M+) IR 1650cm-1(C=C)
【0080】同様にして、以下のような化合物が合成さ
れる。 n-C3H7-Cy-CH=CF-Ph-C3H7(n) n-C5H11-Cy-CH=CF-Ph-C5H11(n) CH3O-Cy-CH=CF-Ph-CH3 n-C5H11O-Cy-CH=CF-Ph-C5H11(n) CH3O-Cy-CH=CF-Ph-OCH3 n-C5H11O-Cy-CH=CF-Ph-OC5H11(n)
【0081】CH3-Cy-CH=CF-Cy-CH3
【0082】
【化13】
【0083】n-C3H7-Cy-CH=CF-Cy-C3H7(n) n-C5H11-Cy-CH=CF-Cy-C5H11(n) CH3O-Cy-CH=CF-Cy-CH3 n-C5H11O-Cy-CH=CF-Cy-C5H11(n) CH3O-Cy-CH=CF-Cy-OCH3 n-C5H11O-Cy-CH=CF-Cy-OC5H11(n)
【0084】実施例6 実施例1で用いた1,1-ジフルオロ-1,2- ビス(4-n- プロ
ピルフェニル) エタンのかわりに、1,1-ジフルオロ-1,2
- ビス(3- フルオロ-4- メチルフェニル) エタンを2.82
g(0.01mol)用いる以外は実施例1と同様に反応を行い、
トランス-1- フルオロ-1,2- ビス(3- フルオロ-4- メチ
ルフェニル) エチレンを2.33g (収率89%)得た。 CH3-PhF-CH=CF-PhF-CH3
【0085】
【化14】
【0086】この化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 262(M+) IR 1650cm-1(C=C)
【0087】同様にして、以下のような化合物が合成さ
れる。 n-C3H7-PhF-CH=CF-PhF-C3H7(n) n-C5H11-PhF-CH=CF-PhF-C5H11(n) CH3O-PhF-CH=CF-PhF-OCH3 CH3O-PhF-CH=CF-PhF-CH3 CH3-Ph-CH=CF-PhF-CH3 n-C3H7-Ph-CH=CF-PhF-C3H7(n) n-C5H11-Ph-CH=CF-PhF-C5H11(n) CH3-Cy-CH=CF-PhF-CH3 CH3O-Ph-CH=CF-PhF-CH3
【0088】実施例7 実施例1で用いた1,1-ジフルオロ-1,2- ビス(4-n- プロ
ピルフェニル) エタンのかわりに、1,1-ジフルオロ-1,2
- ビス(4- ヨードフェニル) エタンを4.70g(0.01mol)用
いる以外は実施例1と同様に反応を行い、トランス-1-
フルオロ-1,2-ビス(4- ヨードフェニル) エチレンを3.7
4g (収率83%)得た。 I-Ph-CH=CF-Ph-I
【0089】次いで、オートクレーブ中に得られたトラ
ンス-1- フルオロ-1,2- ビス(4- ヨードフェニル) エチ
レンを3.74g 、ジメチルホルムアミド(DMF) 20mlおよび
銅1.58g を仕込み密閉した。CF3Iを3.25g 吹き込んだ
後、 150℃にて12時間反応させた。冷却後、反応液を濾
過し、水100ml 加え、塩化メチレンで抽出した。有機層
を飽和食塩水で洗浄し、MgSO4 で乾燥する。濾過後、溶
媒を留去し、得られた固体をシリカゲルカラムクロマト
グラフィにて精製して、トランス-1- フルオロ-1,2- ビ
ス(4- トリフルオロメチルフェニル) エチレンを1.66g
(収率60%)得た。 CF3-Ph-CH=CF-Ph-CF3
【0090】
【化15】
【0091】この化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 334(M+) IR 1650cm-1(C=C)
【0092】同様にして、以下のような化合物が合成さ
れる。 n-C3F7-Ph-CH=CF-Ph-C3F7(n) n-C5F11-Ph-CH=CF-Ph-C5F11(n)
【0093】実施例8 実施例1で用いた1,1-ジフルオロ-1,2- ビス(4-n- プロ
ピルフェニル) エタンのかわりに、1,1-ジフルオロ-1-
[4-( トランス-4- メチルシクロヘキシル) フェニル]-2
-(4- メチルフェニル) エタンを3.28g(0.01mol)用いる
以外は、実施例1と同様に反応を行い、トランス-1- フ
ルオロ-1-[4-( トランス-4- メチルシクロヘキシル) フ
ェニル]-2-(4- メチルフェニル) エチレンを2.71g (収
率88%)得た。 CH3-Ph-CH=CF-Ph-Cy-CH3
【0094】
【化16】
【0095】この化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 308(M+) IR 1650cm-1(C=C)
【0096】同様にして、以下のような化合物が合成さ
れる。 n-C3H7-Ph-CH=CF-Ph-Cy-C3H7(n) n-C5H11-Ph-CH=CF-Ph-Cy-C5H11(n) CH3O-Ph-CH=CF-Ph-Cy-CH3 CH3O-Ph-CH=CF-Ph-Cy-OCH3
【0097】CH3-Cy-Ph-CH=CF-Ph-CH3 n-C3H7-Cy-Ph-CH=CF-Ph-C3H7(n) n-C5H11-Cy-Ph-CH=CF-Ph-C5H11(n) CH3O-Cy-Ph-CH=CF-Ph-CH3 CH3O-Cy-Ph-CH=CF-Ph-OCH3
【0098】CH3-Ph-Ph-CH=CF-Ph-CH3
【0099】
【化17】
【0100】n-C3H7-Ph-Ph-CH=CF-Ph-C3H7(n) n-C5H11-Ph-Ph-CH=CF-Ph-C5H11(n) CH3O-Ph-Ph-CH=CF-Ph-CH3 CH3O-Ph-Ph-CH=CF-Ph-OCH3 CH3-Ph-Ph-CH=CF-PhF-CH3
【0101】CH3-Ph-CH=CF-Ph-Ph-CH3 n-C3H7-Ph-CH=CF-Ph-Ph-C3H7(n) n-C5H11-Ph-CH=CF-Ph-Ph-C5H11(n) CH3O-Ph-CH=CF-Ph-Ph-CH3 CH3O-Ph-CH=CF-Ph-Ph-OCH3 CH3-Ph-CH=CF-PhF-Ph-CH3
【0102】CH3-Cy-Cy-CH=CF-Ph-CH3 CH3-Cy-Ph-CH=CF-Cy-CH3 CH3-Ph-Cy-CH=CF-Cy-CH3 CH3-Cy-Cy-CH=CF-Cy-CH3 CH3-Cy-CH=CF-Cy-Ph-CH3 CH3-Cy-CH=CF-Ph-Cy-CH3 CH3-Ph-CH=CF-Cy-Cy-CH3 CH3-Cy-CH=CF-Cy-Cy-CH3
【0103】実施例9 実施例1で用いた1,1-ジフルオロ-1,2- ビス(4-n- プロ
ピルフェニル) エタンのかわりに、1,1-ジフルオロ-1,2
- ビス[4-(トランス-4- メチルシクロヘキシル) フェニ
ル] エタンを4.10g(0.01mol)用いる以外は実施例1と同
様に反応を行い、トランス-1- フルオロ-1,2- ビス[4-
(トランス-4- メチルシクロヘキシル) フェニル] エチ
レンを3.39g (収率87%)得た。 CH3-Cy-Ph-CH=CF-Ph-Cy-CH3
【0104】
【化18】
【0105】この化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 390(M+) IR 1650cm-1(C=C)
【0106】同様にして、以下のような化合物が合成さ
れる。 n-C3H7-Cy-Ph-CH=CF-Ph-Cy-C3H7(n) n-C5H11-Cy-Ph-CH=CF-Ph-Cy-C5H11(n) CH3O-Cy-Ph-CH=CF-Ph-Cy-OCH3 n-C5H11O-Cy-Ph-CH=CF-Ph-Cy-OC5H11(n) Cl-Cy-Ph-CH=CF-Ph-Cy-Cl
【0107】CH3-Ph-Ph-CH=CF-Ph-Ph-CH3 n-C3H7-Ph-Ph-CH=CF-Ph-Ph-C3H7(n) n-C5H11-Ph-Ph-CH=CF-Ph-Ph-C5H11(n) CH3O-Ph-Ph-CH=CF-Ph-Ph-OCH3 n-C5H11O-Ph-Ph-CH=CF-Ph-Ph-OC5H11(n) CH3-PhF-Ph-CH=CF-Ph-PhF-CH3 Cl-Ph-Ph-CH=CF-Ph-Ph-Cl F-Ph-Ph-CH=CF-Ph-Ph-F
【0108】CH3-Cy-Ph-CH=CF-Ph-Ph-CH3 CH3O-Cy-Ph-CH=CF-Ph-Ph-CH3 CH3-Cy-Cy-CH=CF-Ph-Ph-CH3 CH3O-Cy-Cy-CH=CF-Ph-Ph-CH3
【0109】実施例10 実施例1で用いた1,1-ジフルオロ-1,2- ビス(4-n- プロ
ピルフェニル) エタンのかわりに、1,1-ジフルオロ-1-
(4-メチルフェネチル)-2-(4-n- プロピルフェニル) エ
タンを3.78g(0.01mol)用いる以外は実施例1と同様に反
応を行い、トランス-1- フルオロ-1-[-4-(4-メチルフェ
ネチル) フェニル]-2-(4-n- プロピルフェニル) エチレ
ンを3.01g (収率84%)得た。 n-C3H7-Ph-CH=CF-Ph-CH2CH2-Ph-CH3
【0110】
【化19】
【0111】この化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 358(M+) IR 1650cm-1(C=C)
【0112】同様にして、以下のような化合物が合成さ
れる。 CH3-Ph-CH=CF-Ph-CH2CH2-Ph-CH3 CH3O-Ph-CH=CF-Ph-CH2CH2-Ph-OCH3 n-C3H7-Ph-CH=CF-Ph-CH2CH2-Cy-CH3
【0113】実施例11 実施例1で用いた1,1-ジフルオロ-1,2- ビス(4-n- プロ
ピルフェニル) エタンのかわりに、1,1-ジフルオロ-1-
[4-(2-P- トルイルエチニル) フェニル]-2-(4-n- プロ
ピルフェニル) エタンを3.74g(0.01mol)用いる以外は実
施例1と同様に反応を行い、トランス-1- フルオロ-1-
[4-(2-P- トルイルエチニル) フェニル]-2-(4-n- プロ
ピルフェニル) エチレンを2.97g (収率84%)得た。 n-C3H7-Ph-CH=CF-Ph-C≡C-Ph-CH3
【0114】
【化20】
【0115】この化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 354(M+) IR 1650cm-1(C=C)
【0116】同様にして、以下のような化合物が合成さ
れる。 CH3-Ph-CH=CF-Ph-C ≡C-Ph-CH3 CH3O-Ph-CH=CF-Ph-C≡C-Ph-OCH3 n-C3H7-Ph-CH=CF-Ph-C≡C-Cy-CH3
【0117】実施例12 実施例1で用いた1,1-ジフルオロ-1,2- ビス(4-n- プロ
ピルフェニル) エタンのかわりに、1,1-ジフルオロ-1,2
- ビス(4- ヒドロキシフェニル) エタンを2.50g(0.01mo
l)用いる以外は実施例1と同様に反応を行い、トランス
-1- フルオロ-1,2- ビス(4- ヒドロキシフェニル) エチ
レンを2.05g (収率89%)得た。
【0118】次いで、100ml のガラス製の反応器中得ら
れたトランス-1- フルオロ-1,2- ビス(4- ヒドロキシフ
ェニル) エチレン2.05g を10mlのCH2Cl2に溶解し、 室温
下ピリジンを0.77g 加え、 0℃に冷却後、さらにp-トル
イル酸クロリドを1.38g 滴下した。室温下にて 1時間撹
拌し、冷却後、希塩酸を加え、濾過後、溶媒を留去して
得られた粗結晶をシリカゲルカラムクロマトグラフィに
て精製して、トランス-1- フルオロ-1,2- ビス[4-(4-メ
チルベンゾイルオキシ) フェニル] エチレンを3.56g
(収率94%)得た。 CH3-Ph-C(O)O-Ph-CH=CF-Ph-OC(O)-Ph-CH3
【0119】
【化21】
【0120】この化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 426(M+) IR 1650cm-1(C=C),1720cm-1(C=O)
【0121】同様にして、以下のような化合物が合成さ
れる。 n-C3H7-Ph-C(O)O-Ph-CH=CF-Ph-OC(O)-Ph-C3H7(n) CH3O-Ph-C(O)O-Ph-CH=CF-Ph-OC(O)-Ph-OCH3 CH3-Cy-C(O)O-Ph-CH=CF-Ph-OC(O)-Cy-CH3 CH3-Ph-C(O)O-Cy-CH=CF-Cy-OC(O)-Ph-CH3
【0122】実施例13 実施例1で用いた1,1-ジフルオロ-1,2- ビス(4-n- プロ
ピルフェニル) エタンのかわりに、1,1-ジフルオロ-1,2
- ビス[4-(4-メチルベンジルオキシ) フェニル] エタン
を4.58g(0.01mol)用いる以外は実施例1と同様に反応を
行い、トランス-1- フルオロ-1,2- ビス[4-(4-メチルベ
ンジルオキシ) フェニル] エチレンを3.72g (収率85
%)得た。 CH3-Ph-CH2O-Ph-CH=CF-Ph-OCH2-Ph-CH3
【0123】
【化22】
【0124】この化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 438(M+) IR 1650cm-1(C=C)
【0125】同様にして、以下のような化合物が合成さ
れる。 n-C3H7-Ph-CH2O-Ph-CH=CF-Ph-OCH2-Ph-C3H7(n) CH3O-Ph-CH2O-Ph-CH=CF-Ph-OCH2-Ph-OCH3 CH3-Cy-CH2O-Ph-CH=CF-Ph-OCH2-Cy-CH3 CH3-Ph-CH2O-Cy-CH=CF-Cy-OCH2-Ph-CH3
【0126】実施例14 実施例1で用いた1,1-ジフルオロ-1,2- ビス(4-n- プロ
ピルフェニル) エタンのかわりに、1,1-ジフルオロ-1-
(5-メチルピリミジニル)-2-(4- メチルフェニル) エタ
ンを2.50g(0.01mol)用いる以外は実施例1と同様に反応
を行い、トランス-1- フルオロ-1-(5-メチルピリミジニ
ル)-2-(4- メチルフェニル) エチレンを2.02g (収率88
%)得た。
【0127】
【化23】
【0128】この化合物の分析結果を以下に示す。 MS m/e 230(M+) IR 1650cm-1(C=C)
【0129】同様にして、以下のような化合物が合成さ
れる。
【0130】
【化24】
【0131】実施例15 メルク社製液晶組成物「ZLI-1565」97.5wt%に、本発明
の実施例1の化合物を2.5wt%加えて液晶組成物とし
た。この粘度を調べたところ、従来例(メルク社製液晶
組成物「ZLI-1565」のみ)に比較して、粘度が低下し
た。この粘度の低下は、類似構造を有するジフルオロス
チルベンタイプの液晶を添加した場合とほぼ同じ程度で
あり、紫外線に対する劣化は、ジフルオロスチルベンタ
イプの液晶よりも少ないものであった。
【0132】
【発明の効果】本発明の一般式(1) R1-(A1)m-Y1-A2-CH=CF-A3-Y2-(A4)n-R2 (A1〜A4、R1、R2、Y1、Y2、m 、n については前記の意
味を持つ)で示される化合物は、粘性が低く、液晶組成
物として用いることにより、少量の添加でも応答速度が
向上するものであり、低電圧駆動、高デューティ駆動、
広温度域動作等が可能になる。
【0133】また、紫外線等に対する耐久性もジフルオ
ロスチルベンタイプの液晶よりも高く、その低粘性の特
徴を充分活かすことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 43/225 Z 8619−4H 69/75 Z 9279−4H 69/76 Z 9279−4H 255/46 6917−4H 255/49 6917−4H C07D 239/26 7038−4C 239/30 7038−4C 239/34 7038−4C C09K 19/16 6742−4H 19/20 6742−4H 19/30 6742−4H 19/34 6742−4H (72)発明者 横小路 修 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 宮島 隆 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 高 英昌 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1160番地 株式会社旭硝子電子商品開発センター内 (72)発明者 町田 勝利 神奈川県高座郡寒川町岡田4−16−31

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) R1-(A1)m-Y1-A2-CH=CF-A3-Y2-(A4)n-R2 (式中、A1〜A4は相互に独立してトランス-1,4- ジ置換
    シクロヘキシレン基または1,4-ジ置換フェニレン基であ
    り、これらの基は夫々非置換であるかあるいは置換基と
    して1個もしくは2個以上のハロゲン原子、シアノ基を
    有していてもよく、これらの基中に存在する1個もしく
    は2個以上のCH基は窒素原子に置換されていてもよく、
    Y1、Y2は相互に独立して-COO-,-OCO-,-C≡C-,-CH2CH2-,
    -OCH2-,-CH2O- または単結合を示し、m 、n は 0または
    1を示し、R1、R2は相互に独立して炭素数 1〜10のアル
    キル基、ハロゲン原子、シアノ基を示し、アルキル基の
    場合には、炭素−炭素結合間あるいはこの基と環との間
    の炭素−炭素結合間に酸素原子が挿入されてもよく、ま
    た、その炭素−炭素結合の一部が二重結合にされていて
    もよく、また、その1個の-CH2- 基がカルボニル基に置
    換されていてもよく、また、その基中の水素原子の一部
    もしくは全てがフッ素原子で置換されていてもよい)で
    表されることを特徴とするトランス- モノフルオロエチ
    レン誘導体化合物。
  2. 【請求項2】一般式(2) R1-A2-CH=CF-A3-R2 (式中、A2、A3、R1、R2については、前記と同じものを
    示す)で表されることを特徴とする請求項1のトランス
    - モノフルオロエチレン誘導体化合物。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2のトランス- モノ
    フルオロエチレン誘導体化合物を含有することを特徴と
    する液晶組成物。
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