JPH0539691Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、経血を吸収保持するいわゆる生理用
ナプキンに関する。

〔従来の技術とその課題〕

従来、生理用ナプキンにおいて、経血吸収面に
おける透水性トツプシートとこれによつて覆われ
る吸液性コアの上面との間に該トツプシートより
も密度の低い繊維層または疎水性ネツト層を介在
させたものが知られている。これは繊維層の介在
によつてトツプシートとコアの上面とを隔離す
る、換言すると、トツプシートをコアの上面から
浮かせ、経血をいわばスポツト的にトツプシート
を介して迅速にコアに吸収させる一方、コアに吸
収された経血が逆流してコアに滲出することを少
なくすることにより、トツプシートの湿潤状態を
少なくし、一旦湿潤した領域を迅速に乾燥させて
着用者に不快感を与えないようにすることを意図
したものである。

一方、従来、生理用ナプキンにおいて、その長
さ方向に着用時の屈曲案内機能を果す圧搾条溝を
ナプキンの構成部材の積層体またはコアに設ける
か、またはコアに同様の機能を果す切り込みを設
けたものが知られている。これは圧搾条溝または
切り込みによつてナプキンの女性局部への適合密
着性を高めるようにしたものである。

しかし、前記公知技術が意図する作用効果は、
前記構成のゆえに未だ充分に達成されていない。

本考案の目的は、以下に述べる手段により、前
記作用効果をさらに改善することができる生理用
ナプキンを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するための本考案の生理用ナプ
キンは、透液性トツプシートの下面と吸液性コア
の上面との間に親水性不織布ネツトを介在させて
ある（第１の手段という）。

本考案の生理用ナプキンは、さらに、ナプキン
の上面両側にその長さ方向へ延びるとともにその
ほぼ中央部において間隔が狭くなつた第１の圧搾
条溝と、ナプキンの下面の幅方向中央部からその
長さ方向後端近傍へ延びる第２の圧搾条溝とをそ
れぞれ設けてある（第２の手段という）。

〔作用〕

第１の手段によれば、トツプシートの或る域の
上面に排泄された経血がその域における不織布ネ
ツトの孔群を通るとともに該孔群を画成する繊維
束の毛細管作用による浸透で迅速にコアに吸収さ
れる、つまり迅速にスポツト吸収される。一方、
コアに吸収された経血は、不織布ネツトがトツプ
シートとコアとの間の空隙を形成していること
で、逆流してトツプシートへ滲出することが少な
い。

第２の手段によれば、着用状態においては、第
２の圧搾条溝を介してナプキンの中央部が着用者
の肌側へいわば山形に隆起するとともに第１の圧
搾条溝を介してナプキンの両側部が着用者の肌側
へ屈曲して全体としてほぼＷ字形の立体構造に変
形する。この変形はナプキンの女性局部への適合
密着性を高め、経血の漏れを最少にする。

〔実施例〕

図面を参照して、本考案のナプキンを説明する
と、以下のとおりである。

第１図ないし第３図において、ナプキンは、縦
長のマツト状吸液性コア１と、コア１の上面に位
置させた親水性不織布ネツト２と、コア１の下面
から不織布ネツト２の両横側上面部を覆つた不透
液性バツクシート３と、これらの積層体をその上
面から下面へ覆つてこの下面で重ね合せた透液性
トツプシート４とからなり、トツプシート４の縦
方向両端５を熱圧着でシールしてある。

こうした構成を有するナプキンは、その上面両
側にその長さ方向へ延びるとともにその中央部に
おいて間隔が狭くなつた圧搾条溝６と、前記間隔
が狭くなつた圧搾条溝６′が位置するナプキンの
下面の幅方向中央からその長さ方向後端（上端）
近傍へ延びる圧搾条溝７とをそれぞれ設けてあ
る。さらに、ナプキンの下面における圧搾条溝７
の両側にあつてナプキンの長さ方向中央部からそ
の前端（下端）近傍へ延びる、着用シヨーツへの
止着用粘着部８を設けてある。

圧搾条溝６，６′，７は加熱して設けることで、
その部分におけるバツクシート３とトツプシート
４とを溶着させてあつて、バツクシート３がナプ
キンの取り扱い中や着用中にずれることがない。

コア１はフラツフパルプに高吸液性ポリマー粉
末を混合したものから、バツクシート３はプラス
チツクフイルムから、かつトツプシート４は不織
布からそれぞれ作られている。この不織布は第５
図に示すように、疎水性繊維ウエブの上下層９，
１０からなり、下層１０が上層９よりも密度を低
くしてある。不織布ネツト２は、レーヨンなどの
親水性繊維からなり、第６図および第７図に示す
ように、繊維束１１で画成された孔（目）１２を
有する。こうした不織布ネツト２は、たとえば、
多数の突起を表面に有する支持体またはネツト状
の支持体に繊維ウエブを載せ、その上方向から高
速流体で繊維を再配列かつ交絡させることにより
うることができる。目付は10〜60g／m²であり、
厚さは0.2〜1.5mmであり、開孔率は30〜70％であ
り、かつ、一つの孔１２の面積は0.2〜３mm²であ
ることが好ましい。粘着部８はホツトメルト型粘
着剤を塗布することで設けてある。

前述の構成を有する本考案ナプキンは、幅狭い
間隔の圧搾条溝６′間の中央部が女性局部に位置
するように当接して伸縮性シヨーツで着用したと
き、着用者の大腿からの応力を受けることで、第
４図に示すように、股間でほぼＷ字形の立体構造
に変形して女性局部に適合密着する。すなわち、
圧搾条溝６′間の中央部が圧搾条溝７を介して山
形に着用者の肌側へ隆起するとともに両側部が圧
搾条溝６を介して着用者の肌側へ屈曲してそれぞ
れ密着することになる。

〔考案の効果〕

以上の構成および作用を有する本考案ナプキン
によれば、トツプシートとコアとの間に親水性不
織布ネツトが介在しているから、トツプシートか
らコアへのスポツト吸収および毛細管作用による
吸収能が改善され、トツプシートにおける経血吸
収口が拡散せず、着用者に湿潤感を与えるのを最
少にすることができる。

また、ナプキンの上面の両側部と下面の中央部
とに圧搾条溝を設けてあるから、着用者の股間に
あつてナプキンが女性局部に適合密着する立体構
造をとり、経血のナプキンからのいわゆる横漏れ
を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案ナプキンの実施例を示すもので、
第１図は上部平面図、第２図は下部平面図、第３
図は横断面図、第４図は変形した状態の横断面
図、第５図はトツプシートの一部の模写的断面
図、第６図は不織布ネツトの一部の模写的平面
図、第７図は第６図の一部の拡大平面図である。 １……コア、２……不織布ネツト、３……バツ
クシート、４……トツプシート、５……縦方向
端、６，６′，７……圧搾条溝、８……粘着部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) マツト状の吸液性コアと、該コアの下面に位
   置させて該コアの両横側部の上面へ折り返した
   不透液性バツクシートと、少なくとも該コアの
   上面および該バツクシートの前記折り返し部の
   上面に位置させた透液性トツプシートとを有
   し、該トツプシートの縦方向両端をシールした
   生理用ナプキンにおいて、前記トツプシートの
   下面と前記コアの上面との間に親水性不織布ネ
   ツトを介在させてあることを特徴とする前記ナ
   プキン。 (2) 請求項１記載のナプキンであつて、ナプキン
   の上面両側にその長さ方向へ延びるとともにそ
   のほぼ中央部において間隔が狭くなつた第１の
   圧搾条溝と、ナプキンの下面の幅方向中央部か
   らその長さ方向後端近傍へ延びる第２の圧搾条
   溝とをそれぞれ設けてある前記ナプキン。