JPH05208199A - 石油含有地層及びこれに関連して用いられる装置においてスケールを制御するための方法 - Google Patents

石油含有地層及びこれに関連して用いられる装置においてスケールを制御するための方法

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JPH05208199A
JPH05208199A JP4267314A JP26731492A JPH05208199A JP H05208199 A JPH05208199 A JP H05208199A JP 4267314 A JP4267314 A JP 4267314A JP 26731492 A JP26731492 A JP 26731492A JP H05208199 A JPH05208199 A JP H05208199A
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hydroxy
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Daniel H Emmons
エイチ.エモンズ ダニエル
Dodd W Fong
ダブリュ.フォング ドッド
Mary A Kinsella
エイ.キンセラ メアリー
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 地下の石油含有層やこれらの層へ高ブライン
スケール生成水を注入するのに用いられる装置からスケ
ールを除去し又はこれらの層や装置にスケールが析出す
るのを防止する方法を提供する。 【構成】 そのような水を、最高で約30モル%までの
アミド(C2 〜C6 アルキル)ホスフィン酸基、そのア
ルカリ金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩を含有する
ように変性されていて、分子量が1,000〜50,0
00の範囲内である、スケールを抑制する量のアクリル
酸ホモポリマー、アクリルアミドホモポリマー、又はア
クリル酸とアクリルアミドとのコポリマーで処理するこ
とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地下の石油含有層やこ
れらの層へ高ブラインスケール生成水(high br
ine scale forming waters)
を注入するのに用いられる装置からスケールを除去し又
はこれらの層や装置にスケールが析出するのを防止する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】地下の
石油含油層へ注入され及び/又はそこから取出された高
ブライン過飽和溶液から固体塩類が析出ことに起因する
無機スケールは、しばしば生産の終止又は油井の放棄を
招く。析出物は、油井孔近くの層、一連のチュービン
グ、竪抗の安全弁や他の弁類、及びケーシングの孔を閉
塞しかねない。地中のポンプが停止して動かなくなるこ
とがあり、また地上の配管や装置の運転が制限されるこ
とがある。
【0003】析出は、圧力、pH、温度、乱流、表面特
性、あるいは不相溶性流体の混合を含めた、種々の因子
により開始されかねない。不相溶性流体は水攻操作の際
にしばしば出くわすものである。スケールの原因となる
普通の因子は、生産中に流体が油井孔に入るときに遭遇
する圧力の低下である。CO2 の分圧が低下し、そして
これがCaCO3 の沈殿を招くことがある。
【0004】有機及び無機の両方の種々のスケールは生
産上の問題を引き起こす。普通の無機質スケールは炭酸
カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸スト
ロンチウム、及び硫化鉄である。カルシウム塩が最も普
通である。
【0005】スケールは除去するか又は防止することが
できる。詰まった領域を迂回するために、油井に再び穴
をあけることもできる。閉塞は、圧力の変化が最初に起
こる穴の所でしばしば見られる。前にスケールの析出し
た領域をよけるために、油井に割れ目をあけてもよい。
穴をあけるのも割れ目をあけるのも費用が高くつき、ス
ケールが急速に再び生じるので間に合わせの救済策に過
ぎない。
【0006】スケールを処理する一番効率的な方法はそ
の生成を抑制することである。化学薬剤は金属イオン封
鎖剤となることができ、あるいはしきい抑制剤(thr
eshold inhibitor)として働くことが
できる。金属イオン封鎖剤は、沈殿物に標準的に含まれ
る種、例えばカルシウムイオンのようなものと一緒にな
った対を形成する。金属イオン封鎖剤との相互作用はモ
ル数を基準とし、従って大量の化学薬剤を必要とする。
有効ではあるけれども、この処理は費用的に限界があろ
う。
【0007】もっと一層有効な化学処理は、しきい化学
薬剤(threshold chemical)、すな
わち等モル量よりも十分に低い濃度で抑制するものを用
いることである。しきい化学薬剤は、スケールを生じる
無機物の濃度の1/1000ほどの低濃度で有効である
ことができる。沈殿は、過飽和、核形成及び結晶成長を
伴う複雑なプロセスである。抑制剤は1又は2以上の機
構で機能を果すことができる。それは核形成の過程又は
速度を妨害することができる。それは結晶の成長部位を
塞ぐことにより成長過程を妨害することができる。結晶
の成長様式を変えることができる。それはまた、結晶が
お互いに又は金属壁に付着するのを防ぐこともできる。
効果的であるためには、スケール抑制剤は結晶成長の核
形成段階の際に存在していなくてはならない。
【0008】抑制剤化学薬品の最も普通のクラスは、無
機リン酸塩類、有機リン化合物類及び有機ポリマー類で
ある。普通のポリリン酸塩類はトリポリリン酸ナトリウ
ムとヘキサメタリン酸ナトリウムである。有機リン化合
物類はホスホン酸及びリン酸エステル塩類である。使用
される有機ポリマー類は、一般に低分子量のアクリル酸
塩又は変性されたポリアクリルアミド類とそれらのコポ
リマー類である。ホスホン酸エステル類及びポリマー類
はポリリン酸塩類又はリン酸エステル類よりも熱的に安
定である。ポリリン酸塩類及びリン酸エステル類は高温
で加水分解してオルトリン酸塩を生成し、そしてそれら
の金属塩類はそれらが抑制しようとするスケールよりも
不溶解性であることがある。
【0009】ポリリン酸塩類のブライン溶解度は低く、
そのためそれらはしばしば固形物として注入される。そ
れらは油井の孔へバイパスフィーダー、バスケット、フ
ィルターパック及び抗底パックによって注入することが
できる。それらはまた、割れ目をあける流体と一緒に割
れ目を通して地層へ入れることもできる。化学薬剤は次
いでゆっくりと溶解して、安定した低濃度の抑制剤とな
る。
【0010】ホスホン酸エステル類、リン酸エステル類
及びポリマー類はもっと水溶性であり、従って溶液とし
て用いられる。油井孔かあるいは地層のどちらかを処理
することができる。油井孔を処理する場合にはバッチ法
と連続法の両方を利用することができる。それらはま
た、割れ目をあける流体の成分として加えることもでき
る。これらの処理は、化学薬剤が最初にスケールが生成
する箇所、地層の面又はケーシングの孔、と接触しない
ので、最適ではない。とは言え、一連のチュービングと
地上の装置は処理される。
【0011】より効率的で且つより費用のかからない方
法は「スクイズ(squeeze)」処理であり、この
処理では化学薬剤を地層へ注入する。生産は、化学薬剤
を割れ目形成圧力より低い圧力で注入している間停止さ
れる。化学薬剤は、最適には油井孔から放射状に1〜6
フィート(0.3〜1.8m)の距離まで層へ入り込
む。抑制剤は次いで、生産を再開するときに油井孔中へ
放出される。理想的には、抑制剤の濃度は一定であって
且つ低い(全体の抑制のために必要とされる濃度よりも
わずかに高い濃度、一般には2〜4ppm )。スクイズの
寿命は流量、油/水比、及び他の多数の因子に依存する
が、6ヶ月間から最高2年間継続することができる。
【0012】ホスホン酸エステル及びリン酸エステルの
残留濃度は、滴定法により油田ブライン中で容易且つ正
確に測定することができる。しかしながら、ポリマー残
留量を現場で試験するための正確な方法は存在しない。
多くの使用者はポリマーのスクイズに興味を持っている
が、残留量を測定する問題のためにそれを実施するのを
渋っている。
【0013】沈殿スクイズは吸着スクイズより優れてい
ると信じられるので、優れたスクイズ化学薬剤はそのカ
ルシウム塩の溶解度が非常に低いものであるべきであ
る。しかしながら、溶解度はそれほど低くないので、製
造される抑制剤の濃度は効果的なスケール抑制剤に要求
される濃度よりも低い。
【0014】同様に、抑制剤は硫酸バリウムスケールも
それよりもっと一般のスケールも抑制することを必要と
される。硫酸バリウムスケールは、一旦形成されると除
去するのがほとんど不可能であり、殊にアラスカや、米
国以外の多くの地域ではよりしばしば起こる問題になっ
ている。北海のような地域では、硫酸バリウム及び硫酸
ストロンチウムの抑制は海水を伴う水攻操作が増加する
につれて主要な問題になっている。
【0015】
【課題を解決するための手段、作用効果及び実施例】本
発明は、地下の石油含有層やこれらの層へ高ブラインス
ケール生成水(high brine scale f
orming waters)を注入するのに用いられ
る装置からスケールを除去し且つこれらの層や装置にス
ケールが析出するのを防止する方法に関する。それは、
そのような水をスケールを抑制する量の変性されたアク
リルアミドホモポリマー又はアクリル酸ホモポリマーで
処理することを含む。同じように有効なものは、アクリ
ル酸とアクリルアミドとの変性コポリマーである。これ
らのポリマーは全て、1,000〜80,000の範囲
内の分子量を有する。それらは全て変性されていて、最
高で約30モル%までのアミド(C2 〜C6 アルキル)
ホスフィン酸基、そのアルカリ金属塩、アンモニウム塩
及びアミン塩を含有する。
【0016】スケールと腐食を減少させるのに必要とさ
れるポリマーの量は、処理される特定のブラインとそれ
が用いられる条件とに応じて変わる。投入量は、0.0
5〜1ppm ほどの少量から150ppm ほどの多量に至る
までの範囲に及ぶ。とは言え、典型的な投入量は0.1
〜10ppm の範囲内である。それらは50ppm ほどの高
濃度でもよい。最適な結果を達成するのに必要なポリマ
ーの正確な量は日常的な実験で決定することができる。
これらの投入量は、水溶液の形で又は油中水エマルショ
ンとして商業的にしばしば供給される活性ポリマーの投
入量に関係する。本発明により処理される高ブラインス
ケール生成水の全硬度は少なくとも1,000ppm であ
る。それらの全硬度はしばしば約3,000ppm 以上で
ある。ブラインは、通常はカルシウム硬度を有するとは
言え、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシ
ウムといったような塩類及び他のスケール生成塩類の混
合物を含有する。本発明の抑制剤は、処理するのが先に
示したように困難であるバリウム及びストロンチウムス
ケールを処理するのに特に有用である。
【0017】ホスフィネートポリマーを調製するのに用
いられるアミノアルキルホスフィネートを説明すると、
先に示したように、これらの化合物は、直鎖であるかあ
るいは枝分れした鎖でよいC2 〜C6 のアルキル基を含
有する。好ましい態様においては、これらの化合物はα
位置にヒドロキシル基を有する。
【0018】このような化合物の例を挙げると、α−ヒ
ドロキシ−β−アミノエチルホスフィン酸、α−ヒドロ
キシ−β−アミノイソプロピルホスフィン酸及びアミノ
プロピルホスフィン酸である。このような化合物の例に
同じように含まれるものは、それらのアルカリ金属(例
えばナトリウム)塩、アンモニウム塩及びアミン塩、例
えばトリメチルアミン塩のようなもの、である。それら
は、アクリル酸ポリマー又はアクリルアミドポリマーへ
ホスフィン酸基やホスフィン酸塩基を導入するために使
用することができる。
【0019】α−ヒドロキシ−β−アミノアルキルホス
フィン酸は、ハロアルキル−ヒドロキシホスフィン酸と
アンモニアとの反応により都合よく調製される。出発物
質のハロアルキル−ヒドロキシホスフィン酸は、それら
の調製方法と一緒に米国特許第4598092号明細書
に記載されており、この米国特許明細書の開示は参照に
よりここに組み入れられる。この米国特許明細書は、酸
触媒(例えば塩酸、硫酸)の存在下に、通常は10〜1
00℃の温度で1〜24時間、ハロアセトアルデヒド又
はそのジアルキルアセタールを水性ホスフィン酸と反応
させて、α−ヒドロキシ−β−ハロエチルホスフィン酸
を製造することができることを教示する。ホスフィン酸
の量はハロアセトアルデヒド又はそのジアルキルアセタ
ールに対して1.0〜10当量でよい。この反応から
は、次式の化合物が生成される。
【0020】
【化1】
【0021】上式中のMはH、アルカリ金属、アンモニ
ア又はアミンであり、XはCl又はBrであり、そして
RはH又は低級アルキル基、例えばCH3 、C2 5
の如きものである。
【0022】次いで、これらの化合物を水酸化アンモニ
ウムの濃厚水溶液(例えば約20%)と反応させる(こ
れらの水溶液はα−ヒドロキシ−β−ハロアルキルホス
フィン酸の冷却された極性溶剤溶液へ加えられ、そして
次に30〜70℃で約2〜10時間加熱される)。この
調製を説明するために、例として次に掲げるものを提示
する。
【0023】例 1 下式の化合物
【0024】
【化2】
【0025】(理論量98.55g)を水(165g)
に溶解した溶液を0℃に冷却し、30%アンモニア水
(442ml)を20分かけて一滴ずつ加えた。次に、こ
の混合物を55℃に5時間加熱した。
【0026】先に説明した調製技術を利用して、α−ヒ
ドロキシ−β−アミノエチルホスフィン酸とα−ヒドロ
キシ−β−アミノイソプロピルホスフィン酸を調製し
た。これらの化合物の構造はNMRで確かめられた。
【0027】アミノプロピルホスフィン酸の場合には、
この化合物はアリルアミンを遊離基触媒の存在下でアル
カリ金属次亜リン酸塩と反応させて調製される。アルキ
ルホスフィン酸塩を製造するためのオレフィン基とアル
カリ金属次亜リン酸塩との反応はよく知られていて、米
国特許第4590014号明細書に記載されており、こ
の米国特許明細書の開示は参照によってここに組み入れ
られる。この米国特許明細書は、アミノプロピル(アル
カリ金属)ホスフィネートを製造するためのアリルアミ
ンとアルカリ金属次亜リン酸塩との反応を開示していな
い。これらの塩の酸の形態が所望される場合には、希釈
鉱酸での処理により又は酸の形態のカチオン交換樹脂を
使ってそれらを調製することができる。この化合物の調
製を次の例2に示す。
【0028】例 2 アリルアミン(30g)、次亜リン酸ナトリウム(5
0.95g)及びアゾビスイソブチロニトリル(AIB
N、2.16g)を50%メタノール水溶液(200m
l)に加えたものを、勢いよくかき混ぜながら80℃に
加熱した。追加のAIBN(2.16g)を分割して5
分間かけて加え、反応を80℃で6時間継続させた。
【0029】次に、出発物質のアクリルアミドポリマ
ー、アクリル酸ポリマー、及びアクリル酸とアクリルア
ミドとのコポリマーを説明する。
【0030】アミノアルキルホスフィネートで変性され
る、アクリルアミドのホモポリマー、アクリル酸のホモ
ポリマー、及びアクリル酸とアクリルアミドとのコポリ
マーは、1,000〜100,000、好ましくは1,
000〜40,000、最も好ましくは1,000〜2
0,000の範囲内の重量平均分子量を有するべきであ
る。それらは、下記で説明される反応において、水溶液
の形で、典型的には5〜30重量%の濃度を有する水溶
液の形で使用される。出発物質のポリマーがアクリル酸
とアクリルアミドとのコポリマーである場合には、アク
リルアミドのモル百分率は5%から95%の間でいろい
ろである。とは言え、典型的には、これらのコポリマー
は5〜50モル%のアクリルアミドを含有する。ポリマ
ーは、最高15モル%までの希釈モノマー、例えばアク
リロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル及びスチレンと
いったようなものを含有してもよい。
【0031】次に、アミノ(C2 〜C6 アルキル)ホス
フィン酸化合物でのポリマーの変性を説明する。
【0032】アミノアルキルホスフィン酸又はそれらの
塩の反応は、アクリル酸ポリマーのカルボン酸基を単純
なアミド化反応でもって対応するアミド基に変える。ポ
リマーがアクリルアミド基を含有する場合には、アミノ
アルキルホスフィン酸又はそれらの塩は、アミンがそれ
により当該アクリルアミドポリマーのアミド窒素に取っ
て代わるトランスアミド化反応を受ける。
【0033】アミノ基の置換量は1モル%ほどの少量か
ら約30モル%ほどの多量に至るまででよいが、典型的
には置換量は3〜20モル%である。下記において説明
される条件を使用する反応の結果として、酸又はアミド
基のアミドアルキルホスフィネートへの転化率(チャー
ジされたアミノアルキルホスフィン酸を基準にする)は
約50%になる。
【0034】カルボキシル酸をアミド化するかあるいは
アミド基をトランスアミド化するのに用いられる反応条
件は、米国特許第4678840号明細書に記載され
る。この米国特許明細書は主として、アミノアルキルホ
スホネートのアクリル酸コポリマー中に含まれるアクリ
ルアミド部分によるトランスアミド化反応に関係してい
る。米国特許第4604431号明細書は、アクリル酸
基をアミノスルホン酸基と反応させてアミド基に変える
ための反応条件を開示する。この米国特許明細書に記載
された反応条件は、アクリル酸のホモポリマー又はコポ
リマーのアクリル酸基の部分をアミドアルキルホスフィ
ン酸基又はそれらの塩に変えるのに用いられる。これら
の米国特許明細書は参照によりここに組み入れられる。
【0035】上で説明した反応を実施する際には、系の
pHは3〜11の範囲内であるのが有利である。4〜7の
pHがより好ましい。典型的な反応温度と時間は表1に例
示される。
【0036】アクリル酸ポリマー又はアクリル酸とアク
リルアミドとのコポリマーにアミドプロピルホスフィン
酸基を導入するための好ましい方法は、これらのポリマ
ーをアリルアミンと反応させて対応するアリルアミドを
生成することである。アリルアミド基を含有するこれら
のポリマーを、次に米国特許第4590014号明細書
に従ってアルカリ金属次亜リン酸塩と反応させる。
【0037】ホスフィネートで変性されたポリマーの調
製を表1でもって例示する。表1において、PAA及び
AAはそれぞれポリアクリル酸及びアクリル酸であり、
AAmはアクリルアミドであり、MAAはメタクリル酸
であり、そしてVAcは酢酸ビニルである。
【0038】表1に示した変性のための一般的手順は次
のとおりであった。すなわち、アミンとポリマー溶液と
の混合物を加圧された化学反応に耐えることができる反
応容器内に閉じ込め、次いで表に示した規定された温度
に規定された反応時間の間加熱した。
【0039】
【表1】
【0040】次に、ホスフィン酸ポリマーのスケール抑
制剤としての評価を説明する。
【0041】試験方法は次のとおりである。すなわち、
評価を行うために静的抑制試験を使用した。これらの試
験は、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム及び硫酸バリウ
ムについての実験室試験を包含しているものであって、
次にそれを説明する。
【0042】まず、CaCO3 スケールの析出試験を説
明する。
【0043】装 置 1.恒温槽(100〜200°F(37.8〜93.3
℃)) 2.ガラス試験容器(ねじ蓋付きの4オンス(約120
ml)壜 3.合成ブライン A. CaCl2 ・2H2 O 12.16g/l MgCl2 ・6H2 O 3.68g/l NaCl 33.00g/l B. NaHCO3 7.36g/l Na2 SO4 29.40mg/l NaCl 33.00g/l
【0044】4.メスシリンダー 50ml×2本 5.試験すべき抑制剤の適当な溶液 6.ピペット 0.1ml×1本、1.0ml×1本、10
ml×1本 7.試験すべき各抑制剤ごとに125mlの三角フラスコ 8.EDTA標準溶液 9.6N水酸化ナトリウム 10.ムレキシド指示薬 11.10mlのマイクロビュレット
【0045】手 順 1.抑制剤の適当な溶液を使用して、ピペットで所望量
の抑制剤を各容器へ移す。 2.各試験で二つの対照(ブランク)を用意する。対照
は抑制剤を含有しない。 3.ブラインA及びBは、使用前にCO2 で30分間飽
和させるべきである。
【0046】4.50mlのブラインAとブラインBを各
試験容器に加える。 5.試験容器の蓋をしてブラインと化学薬剤とを完全に
混合する。 6.試験容器を160°F(71.1℃)の水槽に24
時間入れる。 7.160°F(71.1℃)の温度に24時間さらし
てから、試験容器を取出して室温まで冷却させる。
【0047】8.各試験容器からブラインを1mlピペッ
トで測りとり、三角フラスコに移す。 9.三角フラスコに50mlの蒸留水を加える。 10.1mlの6N水酸化ナトリウムを加える。 11.少量のムレキシド指示薬を加えてEDTA溶液で
滴定する。色がピンクからすみれ色に変化する。
【0048】12.溶液中に保持されているCaCO3
の量を、使用したEDTA標準溶液のミリリットル数に
1000を乗じて計算する。結果は炭酸カルシウムとし
て表される。 13.典型的なスケール評価を示すと下記のとおりであ
る。
【0049】 溶液中に保持された炭酸カルシウム(mg/l) 化学薬剤 1ppm 3ppm 5ppm 10ppm 20ppm A 3,000 3,400 3,800 4,000 4,300 B 3,500 4,000 4,100 4,100 4,100 C 3,600 4,300 4,300 4,300 4,300 ブランク(沈殿後) CaCO3 として2,600mg/l ブランク(沈殿前) CaCO3 として4,300mg/l
【0050】14.試験結果は、次に示すように抑制剤
の百分率で記載してもよい。
【0051】 抑制剤の百分率で表した試験結果 化学薬剤 1ppm 3ppm 5ppm 10ppm 20ppm A 24 46 71 82 100 B 53 82 88 88 88 C 69 100 100 100 100 ブランク(沈殿後) CaCO3 として2,600mg/l ブランク(沈殿前) CaCO3 として4,300mg/l
【0052】次に、CaSO4 スケールの析出試験を説
明する。この試験は、先に説明した炭酸カルシウムの試
験とほとんど同様である。基本的な違いは、ブラインの
組成と、二酸化炭素の飽和工程をなくすことである。こ
れらの合成ブラインの組成は次のとおりである。 A. NaCl 7.50g/l CaCl2 ・2H2 O 11.10g/l B. NaCl 7.50g/l Na2 SO4 10.66g/l
【0053】次に、標準的なBaSO4 スケールの析出
試験を説明する。
【0054】溶 液 1.試験される化学薬剤の1%又は0.1%蒸留水溶
液。 2.ブラインX:42gの海塩(ASTM D 114
1−52)を蒸留水に溶かして1リットルのブラインX
を作る。 3.ブラインY:25gの分析用塩化ナトリウムと0.
0456gの分析用BaCl2 ・2H2 Oを蒸留水に溶
かして1リットルのブラインYを作る。 4.ブラインZ:50gの分析用NaHCO3 を蒸留水
に溶かして1リットルのブラインZを作る。
【0055】手 順 1.ブラインZをCO2 で15分間飽和させる。 2.試験すべき化学薬剤を4オンス(約120ml)の試
料壜に入れる。 3.78mlのブラインYを4オンス壜に加える。 4.20mlのブラインXを4オンス壜に加える。 5.2mlのブラインZを4オンス壜に加える。 6.壜に蓋をして振盪し、次いで室温で24時間静置す
る。 7.0.45ミリポアのフィルターを通して試料をろ過
し、そして可溶性のバリウムを測定する。 8.結果を次に掲げる式を使って抑制率(%)として報
告する。
【0056】
【数1】
【0057】この式において、 BBP=沈殿前の試料中のバリウム量 BAP=沈殿後の未処理試料中のバリウム量 S =沈殿後の処理された試料中のバリウム量
【0058】バリウム濃度はいずれの適当な方法で測定
してもよい。
【0059】例 3 評価されたポリマーを次に示す。まず、主鎖ポリマーを
示すと次のとおりである。
【0060】 試料番号 ポリマー組成(モル%) 分子量 ポリマー率(%) 008 100% AA 5400 35 009 50/50 AA/AAm 2500 35
【0061】α−ヒドロキシ−β−アミノエチルホスフ
ィン酸で変性されたポリマー
【0062】
【化3】
【0063】 ホスフィネートチャージ率 ポリマー率 試料番号 主鎖ポリマー (モル%) (%) 027 008 10 33.7 031 008 25 33.0 028 009 10 34.1 032 009 25 33.1
【0064】α−ヒドロキシ−β−アミノイソプロピル
ホスフィン酸で変性されたポリマー
【0065】
【化4】
【0066】 ホスフィネートチャージ率 ポリマー率 試料番号 主鎖ポリマー (モル%) (%) 039 008 10 33.9 045 008 25 33.4 040 009 10 34.3 046 009 25 33.5
【0067】アリルアミン、次いでNaH2 PO2 、A
IBNで変性されたポリマー
【0068】
【化5】
【0069】 アミンチャージ率 ポリマー率 試料番号 主鎖ポリマー (モル%) (%) 014 008 10 21.9 025 008 25 21.7 015 009 10 21.9 026 009 25 21.6
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【表4】
【0073】本発明を実施するのに有効なホスフィネー
トポリマーの全ては、数ppm で存在すれば容易に分析す
ることができる。これは、主鎖ポリマーの場合には行う
ことができない。これは、本発明の重要な特徴を表して
いる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ドッド ダブリュ.フォング アメリカ合衆国,イリノイ 60564,ネイ パービル,レブレンツ ロード 1275 (72)発明者 メアリー エイ.キンセラ アメリカ合衆国,イリノイ 60442,マン ハッタン,レイルロード 1,ベイカー ロード(番地なし)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地下の石油含有層やそのような層へ高ブ
    ラインスケール生成水(high brine sca
    le−forming waters)を注入するのに
    用いられる装置からスケールを除去し且つこれらの層や
    装置にスケールが析出するのを防止する方法であって、
    そのような水を、最高で約30モル%までのアミド(C
    2 〜C6 アルキル)ホスフィン酸基、そのアルカリ金属
    塩、アンモニウム塩及びアミン塩を含有するように変性
    されていて、分子量が1,000〜50,000の範囲
    内である、スケールを抑制する量のアクリル酸ホモポリ
    マー、アクリルアミドホモポリマー、又はアクリル酸と
    アクリルアミドとのコポリマーで処理することを含む方
    法。
  2. 【請求項2】 前記アミド(C2 〜C6 アルキル)ホス
    フィン酸基がα−ヒドロキシ−β−アミドエチルホスフ
    ィン酸、α−ヒドロキシ−β−アミドイソプロピルホス
    フィン酸及びアミド−プロピルホスフィン酸からなる群
    より選ばれる、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記アミド(C2 〜C6 アルキル)ホス
    フィン酸基がα−ヒドロキシ−β−アミドエチルホスフ
    ィン酸である、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記アミド(C2 〜C6 アルキル)ホス
    フィン酸基がα−ヒドロキシ−β−アミドイソプロピル
    ホスフィン酸である、請求項2記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記アミド(C2 〜C6 アルキル)ホス
    フィン酸基がアミド−プロピルホスフィン酸である、請
    求項2記載の方法。
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