JPH0441713B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

［発明の利用分野］ ギア油において固形潤滑剤を耐摩耗および極限
圧力剤として使用することは潤滑業界において周
知である。これらの固形潤滑剤添加物はギア油に
安定な分散物として添加されてきており、上記の
利点を実現するにはこれらの添加物が安定なまま
であることが望ましい。 ［従来の技術］ 通常の状態で分散された固形潤滑剤を含むギア
油を水の混入にさらされているギア装置に使用す
る場合には、ギア油はこの水を完全に乳化して油
中に保持しがちである。この条件は、ギアの腐蝕
およびその他の不適性な潤滑といつた問題を起こ
しがちなので極めて好ましくない。従来のギア油
では、特殊な解乳化剤を油に加えることによつて
乳化した水を油から除去する。解乳化は、ギア油
から水滴を分離してギアボツクスから除去するこ
とができる分離し且つ明確な層または相を形成さ
せることである。分散した固形潤滑剤添加物を含
む潤滑剤の場合には、かかる解乳化剤を配合する
ことにより固形物粒子が凝集することがある。固
形潤滑剤粒子が凝集すると、沈澱によつてそれら
が油から分離して添加剤が油から除かれ、固形物
粒子を油に配合することによつて得られた利益は
なくなつてしまう。 それ故、固形潤滑剤添加物業界では、固形潤滑
剤添加物を水が混入した環境で使用されるギア油
に配合する場合には、潤滑剤固形物を油に分散し
たままにしておくことができ、潤滑性固形物の既
知の効果を付与し且つ乳化した水を除去すること
ができることが必要である。 ［発明が解決しようとする問題点］ 本発明の目的は、ギヤ油用の固形潤滑剤添加物
を提供することである。この添加物の新規な特徴
は、それが顕著な分散性を示すだけでなく、屋外
での使用に必要な解乳化特性を有し且つ水混入物
の存在においても顕著な分散性を保持することで
ある。 固形潤滑剤添加物の使用は、当業界で知られて
いる。 1968年５月21日発行の米国特許第3384581号明
細書には、流動性有機材料中に分散され且つ安定
剤を含む粒状物質から成る組成物が開示されてい
る。開示された安定剤はエチレン−プロピレンコ
ポリマーまたはターポリマーである。上記特許明
細書に開示された固形潤滑剤添加物は、高温での
粒状物質の安定性を向上させるためのものであつ
た。 1968年５月21日発行の米国特許第3384580号明
細書には、流動性有機担体材料中に分散された黒
鉛から成り且つ混合物中に黒鉛を分散させる安定
剤を含む安定化した分散物が開示されている。用
いられる安定剤はエチレン−プロピレンコポリマ
ーまたはターポリマーであり、分散された黒鉛の
高温での安定性を向上させるのに使用された。 1962年11月６日発行の米国特許第3062741号明
細書には、粒状の改質された二硫化モリブデン潤
滑剤を含む分散物に用いられる上記改質された潤
滑剤とその製造法が開示されている。この発明
は、質量平均直径が0.45μ〜約2μの二硫化モリブ
デン粒子であつて、該粒子の少なくとも99.9重量
％の直径が32μ未満であるものから成つている。 1964年11月10日発行の米国特許第3156420号明
細書には、粒状の改質された二硫化モリブデン潤
滑剤、該潤滑剤の製造法および該改質潤滑剤を含
む分散物が開示されている。この発明はまた、サ
リチル酸および無水フタル酸から成る群から選択
される混和性磨砕助剤の存在で二硫化モリブデン
を摩砕する工程から成る微細に分割された二硫化
モリブデンの製造法から成つている。 1974年10月15日発行の米国特許第3842009号明
細書には、分散剤を配合する基材油に微細に粉砕
された二硫化モリブデンを均一で安定に懸濁させ
たものから成る液状潤滑材組成物が開示されてい
る。分散剤はメタクリレートエステルとＮ−ビニ
ルピロリドンとの特定のコポリマーから成つてい
る。これらの素材は、存在する二硫化モリブデン
の量に対して調整された比率で存在する。 1983年11月29日発行の米国特許第4417991号明
細書には、極限圧力添加物を含む黒鉛の自動車用
ギア油が開示されている。ギア油に極限圧力剤が
存在すると、油組成物は使用時に増粘する傾向が
ある。エチレン−プロピレンコポリマーから成る
分散剤を使用すると、Ｎ−ビニルピロリドンおよ
びＮ−ビニルピリジンから成る群から選択される
含窒素ビニル官能基とグラフトする。 1979年１月23日発行の米国特許第4136040号明
細書には、減摩粘度の油と、組成物の潤滑特性を
改良する少重量の固形粒子と少重量のカルボキシ
含有共重合体の含窒素混合エステルとから成る改
良された潤滑油が開示されている。一般的には、
カルボキシ含有共重合体の含窒素混合エステル
は、特異粘度が約0.05〜約２の範囲と低いポリマ
ーであり、そのポリマー構造内に３種類の懸垂極
性基、すなわち(A)エステル基に少なくとも８個の
脂肪族炭素原子を有する高分子量カルボキシエス
テル基、(B)エステル基に７個以下の脂肪族炭素原
子を有する低分子量カルボキシエステル基および
(C)選択されたカルボニル−ポリアミノ基のそれぞ
れ少なくとも１個が存在することを特徴とする。
この組成物は、エンジン油に使用するときにスラ
ツジおよびワニスの形成を良好に抑制する。 1983年10月25日発行の米国特許第4411804号明
細書には、減摩性粘度の油、少重量の固形潤滑剤
粒子、および少量のある種の分散剤−VI改良剤
から成る改良された潤滑油組成物が開示されてい
る。一般的には、固形粒子は黒鉛、二硫化モリブ
デン、酸化亜鉛およびそれらの混合物から成る群
から選択された、この組成物は、自動車エンジン
に使用するときにスラツジおよびワニスを良好に
抑制することを意図していた。 1984年２月28日発行の米国特許第4434064号明
細書には、黒鉛粒子の破損によつて誘発される酸
化によつて油分散物中で黒鉛を安定化する方法が
開示されている。酸化された黒鉛粒子は潤滑油組
成物の成分として公的な組成物を精製する。黒鉛
粒子の酸素含量は、酸素に包含された摩砕された
黒鉛粒子の総重量の少なくとも１重量％である。 当業者は通常の潤滑剤に配合された固形潤滑剤
添加物は、潤滑剤によつて誘発される耐摩耗特
性、荷重担持能を有し、エネルギーの消費を減少
させることができることを認識するようになつて
いる。しかしながら、驚くべきことには、エチレ
ン−プロピレンコポリマーおよび有機流動性担体
の存在で固形潤滑剤から成る固形潤滑剤添加物を
ギア油に添加することによつて、固形物粒子が良
好に分散し且つ顕著な水解乳化特性を示すことを
見出だした。この添加物は一般的には水が混入し
た環境または水が混入する可能性がある環境で使
用することを意図している。 ［問題点を解決するための手段］ 本発明はギヤ油用の固形潤滑剤添加物に関す
る。本発明の効果と利点は固形潤滑剤添加物をギ
ア油に添加するときに、顕著な分散および解乳化
特性を示す固形潤滑剤添加物を提供することによ
つて達成される。 本発明の実施において、添加組成物の固形潤滑
剤成分には、二硫化モリブデン、黒鉛、フツ化セ
リウム、酸化亜鉛、二硫化タングステン、雲母、
硝酸ホウ素、窒化ホウ素、ホウ砂、硫酸銀、ヨウ
化カドミウム、ヨウ化鉛、フツ化バリウム、硫化
スズ、フツ化炭素、PTFE、内位添加黒鉛、リン
化亜鉛、リン酸亜鉛およびそれらの混合物、エチ
レンおよびプロピレンモノマーの重合によつて精
製する弾性化合物であるエチレン−プロピレンコ
ポリマーおよび流動性担体から選択される。好ま
しい態様では、エチレン−プロピレンコポリマー
は、エチレンとプロピレンモノマーの比率が実質
的に等しく且つ平均分子量が約22、000〜約200、
000である。他の有用なポリ材料はエチレンおよ
びプロピレンモノマーと少量の比率の非共役ジエ
ンの付加共重合によつて生成した弾性化合物また
はターポリマーである。これらの弾性材料は一般
にはエチレン−プロピレン−ジエンタ−ポリマー
として知られている。 添加物は、市販のギア油、コンベア鎖潤滑剤、
ウエイ油（way oils）または浸透油のような潤
滑剤系に添加されて、分散された潤滑固形物の存
在で油から水を良好且つ効果的に解乳化する潤滑
剤を提供する。上記系はエアゾールにしてもよ
い。好ましい態様では、潤滑固形物は二硫化モリ
ブデンおよび黒鉛から成る群から選択される。も
う一つの好ましい態様では、二硫化モリブデンま
たは黒鉛をエチレン−プロピレンコポリマーと、
固形潤滑剤：安定剤の比率が約25：１から好まし
くは約４：１で混合する。 固形潤滑剤添加物濃縮物を、次に通常のギア油
に添加する。好ましい態様では、固形物潤滑剤は
最終ギア油組成物において、この最終ギア油組成
物の約0.1〜約10.0重量％、好ましくは約0.1〜5.0
重量％の量で存在する。 本発明のその他の効果および利点は、具体的な
実施例および特許請求の範囲に関連して発明の詳
細な説明の記載から明らかになるであろう。 発明の詳細な説明 本発明の固形潤滑剤添加物は、潤滑固形物の小
粒子、安定剤および流動性担体を用いる。また、
本発明は有効量の固形潤滑剤添加物と結合したギ
ア油からなる。本発明の添加物を通常のギア油に
添加すると、ギア油中の水が所望な程度解乳化さ
れたギア油を提供し且つ分散した固形潤滑剤を有
するギア油をも提供する。 本明細書で用いる「解乳化」という用語は、水
を含だギア油から一定時間内に水を分離する上記
油の能力を意味し、ユナイテド・ステーツ・スチ
ール・スペシフイケーシヨン（United States
Steel Specification）224に規定されているギア
油の好ましい解乳化要件を参照してもよく、詳し
くは上記を参照されたい。また、アメリカン・ソ
サイエテイ・オブ・テステイング・アンド・マテ
リアルス・スタンダード・メソツド第Ｄ−2711号
（ASTM Ｄ 2711試験法）によつて評価され、
試験される。この試験は、一定時間およびこの試
験法の試験条件内でギア油から分離する水の量を
計測しギア油組成物が水の混入した環境中で使用
するのに特に公的であるかどうかを決定する試験
であり、その試験方法の概要は、オイルサンプル
の405mlと蒸留水の45mlとを特定の勾配分別ろ斗
中で180〓（82゜C）で５分間一緒にかきまぜ、か
きまぜた後の５時間の沈降時間後、オイル中の水
のパーセンテージ。オイルから分離する水の容量
および乳濁液の容量を測定し且つ記録することか
らなる。 本明細書に用いる「分散体」という用語は、固
形潤滑粒子、安定剤および担体流体を含み、潤滑
粒子が長時間に亙つて、すなわち数か月間分離し
た明確な粒子のままである混合物を意味する。 本発明の新規固形潤滑添加物としては、黒鉛、
二硫化モリブデン、フツ化セリウム、酸化亜鉛、
二硫化タングステン、雲母、硝酸ホウ素、窒化ホ
ウ素、ホウ砂、硫酸銀、ヨウ化カドミウム、ヨウ
化鉛、フツ化バリウム、硫化スズ、フツ化炭素、
PTFE、内位添加黒鉛、リン化亜鉛、リン酸亜鉛
およびそれらの混合物などから成る群か選択され
る固形潤滑剤粒子がある。本明細書において用い
られる「フツ化炭素」という用語は、フツ素化さ
れて審美的特性が改良された黒鉛のような炭素を
基材とする材料を意味する。かかる材料として
は、例えば、DF_x（但し、ｘは約0.05〜約1.2であ
る）のような材料がある。かかる材料は、Allied
Chemical社によつてAccufluorという商品名で生
産されている。好ましい態様では、二硫化炭素お
よび黒鉛が用いられる。 二硫化モリブデンが本発明の組成物および方法
において用いられる場合には、平均粒度は約
0.001〜約100μ、好ましくは約0.001〜約25μであ
り、更に好ましくは約0.001〜約7.0μである。二
硫化モリブデンの粒度範囲は、特定の応用の潤滑
条件によつて選択される。 本発明の組成物および方法に黒鉛を用いる場合
には、黒鉛は天然に産する資源から得ることもで
き、または電機炉黒鉛であることもできる。一般
的には、用いられる黒鉛の粒度は約0.001〜約
100μであり、好ましくは0.001〜約25.0μであり、
更に好ましくは約0.001〜約10.0μである。 固形潤滑剤は、本発明の添加物組成物において
約0.01〜約65.0％の水準で用いられる。この有用
な範囲からの一水準の最終的な選択は、所要な用
途によつて変わることは勿論であり、かかる水準
の選択は十分に当業者の技術範囲内にある。上記
濃度の固形潤滑剤粒子を含む添加物組成物を好都
合にギア油組成物に添加して、最終ギア油組成物
の約0.001〜約15.0重量％、好ましくは約0.2〜約
5.0重量％、更に好ましくは約0.5〜約1.0重量％の
範囲の有効量の固形潤滑剤を提供することができ
る。ギア油に存在する固形潤滑剤の特定の濃度お
よび粒度分布は、操作時におけるギア系の摩擦お
よび荷重条件に関係する特定の条件によつて必要
とされるように変えることができ、かかる選択も
十分に当業者の技術範囲内にある。大抵の場合に
は、二硫化モリブデンを約0.1〜約5.0％の濃度で
通常のギア油に配合する場合には、かかる添加物
を加えないギア油に比較して対摩耗性および耐力
性が明らかに改良される。同様に、大抵の場合、
最終ギア油組成物の黒鉛濃度を約0.1％〜約5.0％
とすると、従来の未処理の油に比較して性能が改
良されることが判つた。 本発明の組成物および方法に用いられる安定剤
は実質的に等比率のエチレンおよびプロピレンモ
ノマーを有するエチレン−プロピレンコポリマー
から成る群から選択される。エチレン−プロピレ
ンコポリマーの平均分子量は、約22、000〜200、
000、好ましくは22、000〜約40、000の範囲にあ
る。一般的には、固形潤滑剤を十分に分散し且つ
所望な解乳化特性を供するのに要する安定剤の量
は、固形潤滑剤の粒度およびタイプおよび散媒質
の性質によつて変わる。固形潤滑添加物組成物を
配合した場合の固形潤滑剤の満足な分散およびギ
ア油からの水の解乳化は、添加物組成物の約0.1
〜約25.0重量％、好ましくは約2.0重量％〜約7.0
重量％、更に、好ましくは約3.0〜約5.0重量％の
量で存在する安定剤で行うことができる。上記範
囲の濃度の安定剤を含む添加物組成物をギア油の
ような流体または流体様潤滑剤に好都合に添加し
て、有効量の安定剤を含む最終組成物を提供させ
ることができる。好ましい量は、最終的ギア油組
成物の約0.001〜約10.0重量％、好ましくは約0.01
〜約5.0重量％、更に好ましくは約0.01〜約3.0重
量％の水準である。添加物組成物は、上記のよう
な添加物組成物としてギア油に加える。固形潤滑
剤粒子および安定剤の無作為または一方だけをそ
れぞれギア油としての流体または流体様潤滑剤に
添加しても、解乳化、所望な分散安定性または相
溶性は付与されない。上記より高い（重量）百分
率のものを用いると、かかる高水準の安定剤は添
加物の粘度を極めて高くして、加工および取扱い
が実際的でなくなる。更に、上記範囲を越えて安
定剤の百分率を増加させても、添加物組成物の分
散性を有意には改良せず、固形潤滑剤添加物を配
合してあるギア油組成物の解乳化特性を改良もし
ない。 したがつて、固形潤滑剤の安定剤に対する好ま
しい比率は約25：１〜約４：１、好ましくは約
10：１〜約４：１、更に好ましくは約10：１〜約
５：１の範囲のものを用いることができる。一般
的には、エチレン−プロピレンコポリマーを好ま
しい安定剤として用いる場合には、上記コポリマ
ーの濃度は添加物組成物の約0.01〜約25.0重量
％、好ましくは約0.1〜約15.0重量％、更に好ま
しくは約1.0〜約5.0重量％の範囲にあることがで
きる。これらの好ましい範囲は、固形潤滑剤添加
物を配合しているギア油の水解乳化能を有意に改
良させる。 固形潤滑剤添加物または濃縮物を形成する場合
には、担体流体は通常は濃縮した添加物の好都合
で完全な混合および輸送に用いられる。一般的に
は、担体は石油のような有機流体または溶媒であ
るが、菜種油のような植物油、脂肪族および芳香
族ナフサおよびそれらの混合物のような液体炭化
水素ポリアルフアオレフイン、ポリグリコール、
ジエステル流体、これらの液体の混合物のような
合成潤滑流体等のその他の担体流体出も十分であ
ることが判つた。選択された担体流体は、固形潤
滑剤および安定剤を含む最終添加物組成物の残り
のものであつてもよい。添加物用に選択された担
体流体は、好ましくは固形潤滑剤添加物を配合す
るギア油と完全に混合して分散される固形物の安
定性を最適にして、特定のギア装置への応用の如
何なる特定名潤滑条件をも備えるように選択する
ことができる。 固形潤滑剤添加物は、一般的には担体の存在
で、固形潤滑剤を安定剤と混合することによつて
形成される。固形潤滑剤の粒度および濃度並びに
担体流体は意図された応用の要件に最適になるよ
うに選択される。流体媒質中での固形潤滑剤の分
散はこの固形潤滑剤を選択された安定剤および担
体流体と激しく混合することによつて行う。かか
る分散法は固形顔料などの分散を行う業者には周
知である 形成した固形潤滑剤添加物の粘度は、意図した
応用によつて約500、000cps以下の範囲で変わる。
次に、添加物濃縮物を従来のギア油に添加して、
混合して均一にする。本発明の添加物を含む本発
明のギア油は、水混入物が存在するギア装置で用
いる場合に顕著な解乳化特性を示し、水の存在に
おいても固形潤滑剤を良好に分散する。 本発明の効果および利点を更に説明するため
に、以下の具体的実施例を供する。これらの実施
例は説明のために提供するものであり、本明細書
に開示し且つ特許請求の範囲に記載の発明の範囲
を制限することを意図するものではないことを理
解されるであろう。 実施例 １ 平均粒度が約0.001〜約25.0μの範囲の二硫化モ
リブデン粒子100部を本明細書記載の明細にした
がつて選択したエチレン−プロピレンコポリマー
20部と共に適当なミキサーに入れた。難流動性ペ
ーストの稠度を有する組合せを最低６時間混合し
た。溶媒精製した中性（neutral）石油100部を、
少しずつ添加の間に混合を行いながら添加し、添
加が終了した後更に15分間混合して分散体を均一
にする。分散体は、ミキサーから取り出したとき
粘稠な流体状であつた。次に、分散体を通常のギ
ア油配合物に配合した固形潤滑物添加物として、
分散安定性および解乳化特性について評価した。
第１表を参照されたい。 実施例 ２ 平均粒度が約0.001〜約25.0μの範囲の電機炉黒
鉛（99＋％の黒鉛炭素含量）100部を、本明細書
記載のエチレン−プロピレンコポリマー25部と共
にミキサーに入れた。この組合せを最低６時間混
合したところ、稠度は難流動性のペーストであつ
た。混合期間が終了したら、溶媒精製した中和石
油100部を、少しずつ添加の間に混合を行いなが
ら添加し、添加が終了した後更に15分間混合して
分散体を均一にする。分散体は、ミキサーから取
り出したとき粘稠な流体状であり、通常のギア油
組成物に配合した固形潤滑物添加物として、分散
安定性および解乳化特性について評価した。第１
表を参照されたい。 実施例 ３ 平均粒度が約0.001〜約25.0μの範囲の二硫化モ
リブデン粒子100部を、本明細書記載のエチレン
−プロピレンコポリマー10部と共にミキサーに入
れた。この組合せを最低６時間混合したところ、
稠度は難流動性のペーストであつた。混合期間が
終了したら、溶媒精製した中性石油100部を、少
しずつ添加の間に混合を行いながら添加し、添加
が終了した後更に15分間混合した。分散体をミキ
サーから取り出したところ、稠度は粘稠な流体状
であつた。分散体を固形の潤滑剤添加物として配
合した通常のギア油組成物について試験して、生
成する組成物の分散安定性および解乳化特性につ
いて評価した。結果は満足すべきものであり、第
１表にまとめてある。 実施例 ４ 実施例１と同様にして調製した固形潤滑剤添加
物を従来のギア油組成物に配合して二硫化モリブ
デンの濃度をギア油組成物の1.0重量％とした。
生成するギア油組成物を、次に分散安定性および
解乳化性試験に付した。これらの試験の結果は満
足すべきものであり、第１表にまとめてある。 実施例 ５ 実施例２と同様にして調製した固形潤滑剤添加
物を、組成物の重量の1.0％黒鉛として従来のギ
ア油に配合した。生成するギア油組成物を、黒鉛
分散体の安定性およびギア油組成物の解乳化特性
について試験した。これらの試験の満足すべき結
果を、第１表にまとめてある。 実施例 ６ 実施例１と同様に調製した固形潤滑剤添加物
を、減摩粘度の石油と市販の硫黄−リン極限圧添
加物の組成分の３、５重量％とから成る通常のギ
ア油中に総ギア油組成物の重量の1.0％の二硫化
モリブデンで配合した。分散安定性および解乳化
性試験の満足すべき結果を、第１表に示す。 実施例 ７ 安定な分散した二硫化モリブデン、極限圧力添
加物および担体油から成る市販の二硫化モリブデ
ン分散体を、ギア油組成物の重量の1.0％の二硫
化モリブデンを供するのに要する量で通常ギア潤
滑剤中に配合した。分散安定性および解乳化性試
験は、この組成物が水の混入したギア装置で使用
するのには不満足であることを示した。これらの
結果も第１表に示す。

【表】 ら水が良好に、
完全分離。

【表】 合体
本発明の好ましい態様は上記目的を満足するよ
うに十分に計算されているが、本発明は特許請求
の範囲の適正な範囲または公正な意味から離反せ
ずに改質、変更および変化が可能であることを理
解されるであろう。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ASTM試験第Ｄ−2711号に記載の方法によ
   つて試験されたときギア油から混入水を解乳化す
   ることができるギア油添加物組成物であつて、二
   硫化モリブデン、黒鉛、フツ化セリウム、酸化亜
   鉛、二硫化タングステン、雲母、硝酸ホウ素、窒
   化ホウ素、ホウ砂、硫酸銀、ヨウ化カドミウム、
   ヨウ化鉛、フツ化バリウム、硫化スズ、フツ化炭
   素、PTFE、内位添加黒鉛、リン化亜鉛、リン酸
   亜鉛およびそれらの混合物から選択される固形潤
   滑剤粒子を添加物組成物の約0.01重量％〜約65重
   量％と、 エチレン−プロピレンコポリマーから本質的に
   成る安定剤を添加物組成物の約0.1重量％〜約25
   重量％、および 好適な流動性担体とから成るギア油添加物組成
   物。 ２ 上記固形潤滑剤が二硫化モリブデン、黒鉛、
   フツ化セリウム、フツ化炭素、PTFE、リン化亜
   鉛、リン酸亜鉛およびそれらの混合物から成る群
   から選択される、特許請求の範囲第１項記載の添
   加物。 ３ 上記固形潤滑剤が二硫化モリブデンである、
   特許請求の範囲第２項記載の添加物。 ４ 上記二硫化モリブデンが約0.001〜約100μの
   範囲の平均粒度を有する、特許請求の範囲第３項
   記載の添加物。 ５ 上記固形潤滑剤が黒鉛である、特許請求の範
   囲第２項記載の添加物。 ６ 上記黒鉛が約0.001〜約100μの範囲の平均粒
   度を有する、特許請求の範囲第５項記載の添加
   物。 ７ 上記安定剤が上記添加物組成物の約２〜約７
   重量％を含む、特許請求の範囲第１項記載の添加
   物。 ８ 上記安定剤が実質的に等比率のエチレンおよ
   びプロピレンモノマーから成る、特許請求の範囲
   第１項記載の添加物。 ９ 上記安定剤が上記添加物組成物の約0.1〜約
   15重量％である、特許請求の範囲第８項記載の添
   加物。 １０ 上記コポリマーが約22、000〜約40、000の
   平均分子量を有する特許請求の範囲第８項記載の
   添加物。 １１ 上記担体が精製石油、植物油、脂肪族ナフ
   サ、芳香族ナフサ、合成潤滑剤、ポリ−α−オレ
   フイン、ポリグリコール、ジエステル流体および
   それらの混合物から成る群から選択される、特許
   請求の範囲第１項記載の添加物。 １２ 上記潤滑剤粒子と安定剤の比率が約25：１
   〜４：１である、特許請求の範囲第２項記載の添
   加物。 １３ 安定剤がほぼ等比率のエチレンおよびプロ
   ピレンモノマーから成り、平均分子量が約22、
   000〜約200、000であるエチレン−プロピレンコ
   ポリマーから成り、そして 好適な流動性担体が精製石油、植物油、脂肪族
   および芳香族ナフサ、ポリアルフアオレフインの
   ような合成潤滑剤、ポリグリコール、ジエステル
   流体およびそれらの混合物から選択される、 特許請求の範囲第１項に記載の添加物。 １４ 上記固形潤滑剤が二硫化モリブデン、黒
   鉛、フツ化セリウム、フツ化炭素、PTFE、リン
   化亜鉛、リン酸亜鉛およびそれらの混合物から成
   る群から選択される、特許請求の範囲第１３項記
   載の添加物。 １５ 上記固形潤滑剤が二硫化モリブデンであ
   る、特許請求の範囲第１４項記載の添加物。 １６ 上記二硫化モリブデンが約0.001〜約100μ
   の範囲の平均粒度を有する、特許請求の範囲第１
   ５項記載の添加物。 １７ 上記固形潤滑剤が黒鉛である、特許請求の
   範囲第１４項記載の添加物。 １８ 上記黒鉛が約0.001〜約100μの範囲の平均
   粒度を有する、特許請求の範囲第１７項記載の添
   加物。 １９ 上記安定剤が上記添加物組成物の約0.1〜
   約15重量％を含む、特許請求の範囲第１３項記載
   の添加物。 ２０ 上記潤滑剤粒子と安定剤との比率が約25：
   １〜約４：１である、特許請求の範囲第１３項記
   載の添加物。 ２１ 上記コポリマーが約22、000〜約40、000の
   平均分子量を有する、特許請求の範囲第２０項記
   載の添加物。 ２２ ASTM試験第Ｄ−2711号記載の方法で試
   験されたとき、水混入物の存在で改良された解乳
   化性および分散安定性を有するギア油潤滑剤であ
   つて、 流動性潤滑剤と、二硫化モリブデン、黒鉛、フ
   ツ化セリウム、酸化亜鉛、二硫化タングステン、
   雲母、硝酸ホウ素、窒化ホウ素、ホウ砂、硫酸
   銀、ヨウ化カドミウム、、ヨウ化鉛、フツ化バリ
   ウム、硫化スズ、フツ化炭素、PTFE、内位添加
   黒鉛、リン化亜鉛、リン酸亜鉛およびそれらの混
   合物から選択される固形潤滑剤粒子を最終潤滑剤
   の約0.001重量％〜約15.0重量％、および エチレン−プロピレンコポリマーから成る安定
   剤を最終潤滑剤の約0.001重量％〜約10.0とを有
   するギア油潤滑剤組成物。 ２３ 上記固形潤滑剤が二硫化モリブデン、黒
   鉛、フツ化セリウム、フツ化炭素、PTFE、リン
   化亜鉛、リン酸亜鉛およびそれらの混合物から成
   る群から選択される、特許請求の範囲第２２項記
   載の潤滑剤。 ２４ 上記固形潤滑剤が二硫化モリブデンであ
   る、特許請求の範囲第２３項記載の潤滑剤。 ２５ 上記二硫化モリブデンが約0.001〜約100μ
   の範囲の平均粒度を有する、特許請求の範囲第２
   ４項記載の潤滑剤。 ２６ 上記固形潤滑剤が黒鉛である、特許請求の
   範囲第２３項記載の潤滑剤。 ２７ 上記黒鉛が約0.001〜約100μの範囲の平均
   粒度を有する、特許請求の範囲第２６項記載の潤
   滑剤。 ２８ 上記安定剤が実質的に等比率のエチレンお
   よびプロピレンモノマーから成る、特許請求の範
   囲第２２項記載の潤滑剤。 ２９ 上記コポリマーの平均分子量が約22、000
   〜約40、000である、特許請求の範囲第２８項記
   載の潤滑剤。