JPH0331924B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明は、周囲に凹凸が形成された棒状体に
押し込ませて固定させる合成樹脂からなる取り付
け固定用部材に関するもので、詳しくは、この部
材は保持部分と取り付け固定部分とからなり、こ
の取り付け固定部分は棒状体の周囲にわたつて均
一に分割され、且つこれと密着して置かれている
多数の平滑な締め付け壁体を有し、この締め付け
壁体はこの締め付け壁体に対し同心的に形成され
保持部分から延設される取り付け固定部分の壁体
の所定部位で弾力的に変形するようにつくられて
いる取り付け固定用部材に関する。

（従来の技術） この種の締め付け結合原理を有する取り付け固
定用部材では打ち込み式ナツトの形（特許DE−
PS3000208参照）が周知となつている。そして、
この締め付け結合原理は例えばカバーキヤツプ、
パイプ支え装置、ケーブル保持装置又はケーブル
バンドのような他の保持部材を取り付け固定する
ためにも又使用することができる。この場合取り
付け固定部分は保持部分のところに取り付ける
か、又は保持部分の中に統合することができる。

今までによく知られている打ち込み式ナツトの
場合、締め付け壁体はその元部側の縁のところで
ナツトヘツドの内側の縁と結合され、この締め付
け壁体はねじ付きボルトにさし込む際にその先端
側の自由端のところで弾力的に変形して曲がる。
これによつて、この周知のナツトはねじ付きボル
トの上に容易に打ち込まれる。そして必要な場合
は更に若干回転させる。この場合ねじ山は平滑な
締め付け壁体の中に少しだけ埋め込まれる。この
取り付け固定方法の利点は次の点にある。即ちこ
の打ち込み式ナツトは支持プレートの上に溶接さ
れたねじ付きボルトの上に迅速且つ容易に押し込
まれ、且つ必要な場合は又再び回転して取り外す
ことができる点にある。

（発明が解決しようとする問題点） 既述の打ち込み式ナツトでは、ナツトヘツドの
内側の縁のところで締め付け壁体が一つの端を有
する構造の結果、ヘツドは単にこの端のところに
おいてのみ締め付け壁体に対して、即ちねじ付き
ボルトに対して半径方向に固定され、そのため、
ヘツドの今一つの自由端はボルトのまわりをある
程度“よろめく”ことになる。このことは上に述
べた打ち込み式ナツトの場合何ら大した問題では
ない。というのはこの打ち込み式ナツトは取り付
け固定されるべき部材の表面の上に底部フランジ
によつてしつかりと固定して置かれているからで
ある。

しかし、この締め付け結合によつて他の保持部
材のねじ付きボルトの上に取り付け固定しなけれ
ばならない場合には、このよろめき運動は通常都
合がわるく邪魔なものとなる。というのは保持さ
れるべき構造部材はこれによつて十分しつかりと
保持されないからである。

この発明の目的は、既述の問題点を解決するも
ので、この種の取り付け固定用部材において、一
方では締め付け壁体の弾力的な変形がねじ付きボ
ルト等の周囲に凹凸が形成された棒状体の上に押
し込む際に残留して保持され、他方では保持部分
と締め付け壁体との間の結合をできるだけ安定し
たものとし、これによつて保持部分がねじ付きボ
ルト等の棒状体の上でしつかりと保持されるよう
な取り付け固定部材を提供することである。

（問題点を解決するための手段） この発明に係る取り付け固定用部材は、周囲に
凹凸が形成された棒状体に押し込ませて固定させ
る合成樹脂からなる取り付け固定用部材であつ
て、保持部分と取り付け固定用部分とからなり、
取り付け固定部分には棒状体の周囲にわたつて均
一に分割されて棒状体に密着して置かれる多数の
平滑な締め付け壁体を形成し、この締め付け壁体
はこの締め付け壁体に対して同心的に形成され保
持部分から延設される取り付け固定部分における
壁体の所定部位に弾力的に変形するように取り付
けられ、この締め付け壁体はその軸に平行な縁に
そつて外側に向つて突出している各々二つのリブ
によつて保持部分から延設される壁体の所定部位
と連結されるように構成することによつて、既述
の問題点を解決するものである。

（発明の作用・効果） この発明に係る取り付け固定用部材は、取り付
け固定部分における多数の平滑な締め付け壁体
が、その軸に平行な縁にそつて外側に向つて突出
している各々二つのリブによつて、締め付け壁体
に対して同心的に形成され保持部分から延設され
る取り付け固定部分の壁体における所定部位と連
結されているため、周囲に凹凸が形成された棒状
体を取り付け固定部分における締め付け壁体間で
形成される収容孔へ挿入させると、棒状体が隣り
合つているリブに対して軽くくさび作用を及ぼし
てリブを多少分離して曲げることとなり、また、
その際同時に、締め付け壁体を若干外側に向つて
弾力的に変形させることとなり、棒状体に対して
取り付け固定用部材を容易に押し込むことを可能
にする。

そして、押し込んだ後には、各々の締め付け壁
体が、その全長にわたつて保持部分から延設され
る壁体の所定部位に対してリブにより均一に支持
されており、棒状体に対する締め付け壁体の“よ
ろめくことのない”弾力的な支持が可能となつ
て、保持部分を棒状体に対してしつかりと保持さ
せることができる。

（実施例） 実施例の固くて弾力性のある合成樹脂から製造
された取り付け固定用部材は、円形のヘツトプレ
ートとして形成された保持部分１と、そして保持
部分のところに形成され、周囲にわたつて均一に
分布された円弧の形をした、平滑な締め付け壁体
３を有する取り付け固定用外側ケース２とからな
り、この締め付け壁体３はねじ付きボルト４の上
に押し込まれる際にそのねじ山の縁１１に密着し
て置かれる。ねじ付きボルト４は支持プレート５
に上に溶接されるか、又はその他の方法で取り付
け固定することができる（第１図参照）。

締め付け壁体３は、第２図から明らかな如く、
その軸に平行な縁６にそつて各々二つの外側に向
つて突出しているリブ７によつて取り付け固定用
外側ケース２の内壁８と結合されている。この場
合リブ７は二つの隣り合つた締め付け壁体の縁６
から互いに平行に走つている。

ねじ付きボルト４は鋸歯状のねじ山の形をもつ
ている。この場合傾斜のゆるやかなねじ山の側面
９は押し込み方向“Ｒ”に合うようにねじ付きボ
ルト４に取り付けられ、そして傾斜の急なねじ山
の側面１０は押し込み方向“Ｒ”に反対するよう
にねじ付きボルト４に取り付けられている。ねじ
山の側面９のゆるやかな傾斜によつて、締め付け
壁体３は、矢印の方向“Ｒ”に押し込む際ねじ付
きボルト４のねじ山の外側の縁１１の上を軽く滑
る。ねじ付きボルトのねじ山の外側の縁１１の直
径“Ｄ”は締め付け壁体３の内径“ｄ”よりも若
干大きく作られている。

取り付け固定部分２，３，７を押し込んだ後、
ねじ山の縁１１は締め付け壁体３の中に少しだけ
埋め込まれ、そして取り付け固定用部材は矢印
“Ｒ”と反対方向の動きに対して希望する保持を
与える。後になつて取り付け固定用部材を再び分
離しようとする場合、ヘツドプレート１の中に補
助工具をさし込むための二つの向い合つた孔１２
を備えていて、これによつて回転することにより
容易に分離することができる。

この実施例による取り付け固定部分は一方にお
いては締め付け壁体３が弾力的に回避変形するこ
とを許し、これによつて容易に組み付けることが
でき、そして他方においてはねじ付きボルト４の
上に“よろめくことのない”確実な取り付け固定
を保証する。回転によつて分離した後取り付け固
定部分は勿論再び使用することができる。

第３図においては、締め付け壁体３を弾力的に
形成するための別の実施例を示している。この場
合各々二つのリブ７の間の締め付け壁体３は平ら
な面に形成されている。この締め付け壁体３は、
ねじ付きボルト４へ押し込む際に容易に外側に向
つて曲げられ、そして点線で示されたねじ付きボ
ルト４の外径１３に円弧状に適合することができ
る。平行なリブ７はその際同時に若干離れて曲げ
られる。この際二つのリブ７は、その間に存在す
る締め付け壁体３と共に弾力的に変形することの
できる部位を形成する。

第４図は円形のヘツドプレート１とその下に取
り付けられたさし込み連結式外側ケース１９を有
する別の取り付け固定用部材を示す。このさし込
み連結式外側ケース１９は上に向つて開放された
取り付け固定用孔１８を有し、その中にこれに対
応するさし込みボルトによつて別のヘツドプレー
トを押し込むことができる。これは例えば自動車
の床にあるナツトの上に機鍛を取り付けるための
ものである。さし込み連結式外側ケース１９の下
側にはねじ付きボルト４を収容するための締め付
け壁体３を有する取り付け固定部分がある。第５
図において収容孔の断面図から示されている如
く、この実施例においては軸に平行な締め付け壁
体３の縁６にそつて外側に向つて突出しているリ
ブ７があるが、この場合貫通している外側ケース
２が欠除している。この外側ケースのかわりにこ
の締め付け壁体３は自由なリブの縁１６のところ
で締め付け壁体３に対して同心的に走る連結用壁
体１７によつて互いに連結され、これによつてリ
ブ７は連結用壁体１７と共にＵ字形の断面を形成
する。この実施例は前に述べた形式よりも更に弾
力性のある構造であり、又製造するのにもより有
利である。というのは貫通している外側ケース２
が欠除していることによつて、環状の間隙を形成
する中子が不要になるからである。

リブ７は外側に向つて第５図に示す如く互いに
平行に走ることができる。しかしながら、リブ７
は外側に向つて円錐状又は鋭角的に集めることも
できる。このことは第２図及び第３図による実施
例に対しても同様であてはまることである。この
場合には前に述べたリブ７の上のねじ付きボルト
４のくさび作用は更に強化される。

更に第１図及び第２図の実施例と第４図及び第
５図の実施例とを互いに組み合すことも考えられ
る。即ち取り付け固定用外側ケースの下側部分は
第５図による構造とし、そして上側部分は第２図
による構造とすることである。このことは取り付
け固定用外側ケースが押し込みの第二段階におい
て若干大きな力を受けねばならないことを意味す
る。これによつて締め付け壁体３はこの部分にお
いてねじ付きボルト４のところにより強く押し付
けられることになる。

一般に取り付け固定用外側ケースのこの発明に
よる構造は、保持部分が取り付け固定用外側ケー
スの如く外側ケースの軸方向に正確に形成され、
従つて二つの型を必要とする場合に、製造技術の
点から特に有利であることを指摘すべきである。

その他この発明はねじ付きボルトと結合するの
に用いるのみでなく、又半径方向の突出部又は隆
起を備えるか、又は特別に表面を荒くした等の周
囲に凹凸が形成された棒状体と連結するのに使用
することができる。このような棒状体の構造は、
取り付け固定用部材が必要な場合再び回転して分
離することができるという可能性を断念した場合
にのみ使用することができる。このような場合に
は、取り付け固定用部材は分離が必要となつてき
た場合、新しい部材と取り換えねばならない。と
いうのは締め付け壁体はこのような強制的に使用
する場合再使用することは不可能だからである。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例の取付け固定用部材で第２図
における線−における保持部分と取り付け固
定部分との断面図を示す。第２図は第１図におけ
る線−における取り付け固定部分の断面図を
示す。第３図は別の締め付け壁体構造における取
り付け固定部分の同様な断面図を示す。第４図は
取り付け固定用部材の更に別の実施例で、第５図
における線−における縦断面図を示す。第５
図は第４図における線Ｖ−Ｖにおける取り付け固
定部分の断面図を示す。 １……保持部分、２……（取り付け固定部分・
壁体）取り付け固定用外側ケース、３……（取り
付け固定部分）締め付け壁体、４……（棒状体）
ねじ付きボルト、６……縁、７……リブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 周囲に凹凸が形成された棒状体に押し込ませ
   て固定させる合成樹脂からなる取り付け固定用部
   材であつて、保持部分と取り付け固定部分とから
   なり、該取り付け固定部分は前記棒状体の周囲に
   わたつて均一に分割されて前記棒状体に密着して
   置かれる多数の平滑な締め付け壁体を有し、該締
   め付け壁体は該締め付け壁体に対して同心的に形
   成され前記保持部分から延設される前記取り付け
   固定部分における壁体の所定部位に弾力的に変形
   するように取り付けられるもので、該締め付け壁
   体３はその軸に平行な縁６にそつて外側に向つて
   突出している各々二つのリブ７によつて前記保持
   部分１から延設される前記壁体の所定部位２，１
   ７と連結されていることを特徴とする取り付け固
   定用部材。 ２ 前記リブ７が各々二つの隣接する前記締め付
   け壁体の縁６から互いに平行に走つていることを
   特徴とする特許請求の範囲第１項に記載された取
   り付け固定用部材。 ３ 前記締め付け壁体３が平らな面で形成されて
   いて、前記締め付け壁体の内側の接触円の直径
   “ｄ”が前記棒状体４の外径“Ｄ”よりも若干小
   さくなつていることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項又は第２項に記載された取り付け固定用部
   材。 ４ 前記二つの隣接するリブ７の外側にあるリブ
   の縁１６が、前記締め付け壁体３の間の隙間を連
   結する外側壁体１７によつて互いに連結され、前
   記取り付け固定部分３，７，１７がその一端２０
   のところで前記保持部分１と連結されていること
   を特徴とする特許請求の範囲第１項又は第２項に
   記載された取り付け固定用部材。