JPH03294254A - 光学活性シアノヒドリン類の高効率製造法 - Google Patents

光学活性シアノヒドリン類の高効率製造法

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JPH03294254A
JPH03294254A JP2097484A JP9748490A JPH03294254A JP H03294254 A JPH03294254 A JP H03294254A JP 2097484 A JP2097484 A JP 2097484A JP 9748490 A JP9748490 A JP 9748490A JP H03294254 A JPH03294254 A JP H03294254A
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Nobuki Kokuni
小国 信樹
Masahiko Hayashi
昌彦 林
Toru Matsuda
徹 松田
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野コ 本発明は、アルデヒド類の不斉シリルシアノ化反応を利
用した光学活性シアノヒドリン類の製造法に関するもの
である。
この光学活性シアノヒドリン類はα −オキシ酸やβ−
アミノアルコールの前駆体として、また合成ビレスレノ
イド中間体として、医薬、農薬など光学活性な生理活性
物質の合成においてとくに重要であり、また液晶物質の
1組成としても重要な物質である。
[従来の技術・発明が解決しようとする課8]光学活性
なシアノヒドリンについては古くから、生化学的方法あ
るいは不斉合成的方法により合成研究がされており、報
告が多々あるが、光学収率が低かったり、高価な不斉源
を消費したり、DL体の一方のみしかえられなかったり
、それぞれ欠点があり、実際に工業的に利用されるまで
にはなっていない。最近これらの問題点を解決する方法
として、光学活性酒石酸誘導体とチタン酸エステルとを
組み合わせた触媒の存在下、アルデヒドにトリメチルシ
リルシアニドを作用させることによって光学活性シアノ
ヒドリンをうる方法が提案された(特開昭63−150
256号公報)。
しかし、この方法における触媒の調製法は、テトライソ
プロピルチタネートと酒石酸エステルを混合したのち生
成してくるイソプロピルアルコールを留去するというも
ので、高い光学収率を与えうる触媒をうるにはイソプロ
ピルアルコールの残存率を適正に制御する必要があるが
、この制御の困難さ故に再現性に問題があること、なら
びに触媒の量を基質と当量以上使用しないと生成率およ
び光学収率が大きく減少することなど種々改善すべき点
を有している。
本発明者らは、前記問題点を解決するために鋭意研究を
行なった結果、少量の触媒を使用して、再現性良く、し
かも高い化学収率および光学収率で汎用性に優れた光学
活性シアノヒドリン類をうる反応を開発することに成功
した。
[課題を解決するための手段] 本発明は、光学活性酒石酸エステル類とチタン酸エステ
ル類との配位子交換反応によってえられた光学活性配位
子を有するチタン酸誘導体とアルコールとの共存下、ア
ルデヒド類にトリアルキルシリルシアニドを作用させる
ことを特徴とする光学活性シアノヒドリン類の製造法を
提供する。
[作用および実施例] 本発明においては、安価な光学活性酒石酸エステル類と
チタン酸エステル類との配位子交換反応によって光学活
性配位子を有するチタン酸誘導体をえ、これを不斉触媒
として用いてアルデヒド類とトリアルキルシリルシアニ
ドとを反応させることにより光学活性シアノヒドリン類
をつる。
たとえばL(+)酒石酸エステルを用いてえられた光学
活性チタン酸誘導体を触媒として用いるばあいは、アル
デヒドとしてベンズアルデヒドを例にとりで示せば、つ
ぎの反応式にしたがって光学活性なシアノヒドリン類(
トリアルキルシリルエーテル)かえられる。必要に応じ
て脱シリル化してシアノヒドリンとする。
(式中、phはフェニル基、R4はアルキル基を表わす
)。
前記不斉触媒の調製法について説明すると、一般式(I
a): (式中、R1およびR2は同じがまたは異なり炭素数1
〜20のアルキル基またはアラルキル基を表わす)で示
される光学活性酒石酸エステル類と一般式(II a)
 : TI (OR3)4          (II a)
(式中、RJは炭素数1〜2oのアルキル基またはアラ
ルキル基を表わす)で示されるチタン酸エステル類との
配位子交換反応によって一般式(110+(式中、R1
、R2およびR3は前記と同じ)で示される光学活性チ
タン酸誘導体をうる。
前記光学活性酒石酸エステル類(1a)とチタン酸エス
テル類(n a)との反応においては一般式:(式中、
R3は前記と同じ)で示されるアルコールか生成するか
、本発明ではこのアルコールをほぼ完全に系外に除去す
る。
このようにしてえられたチタン酸誘導体そのものは極度
に触媒活性が低く、しかも不斉反応の立体規制力は大変
弱いものである。しかるに、このチタン酸誘導体にアル
コール類をチタン酸誘導体1モルに対して0.5〜3.
0モル2程度添加すると触媒活性が増大し、それにより
反応物(アルデヒド)の175モル量の触媒の使用で、
しかも室温で短時間(3時間程度で充分)に、高化学収
キしかも高い不斉収率で光学活性シアノヒドリン類をう
ろことができることが判明した。
このように本発明によって、前記特開昭63−1、50
256号公報に記載の方法では困難であった高活性触媒
の調製が簡便な操作で再現性よく行なえるようになった
とともに、当量以下の触媒量でも良好な化学収率および
光学収率で光学活性シアノヒドリン類をうることか可能
となった。
この原因は2つの観点から説明できる。一つは、酒石酸
エステルとチタン酸エステルの配位子交換反応は平衡反
応であり、生成するアルコールを完全に除かないと未反
応の触媒かラセミ生成物を同時に与えるため不斉収率か
下がる点、他の一つはアルコールを完全に除くと触媒活
性が極度に低下するため、触媒として使えない点である
したかって本発明においては、あとで添加するアルコー
ルの作用は大変重要である。
さらに、本発明の方法によって調製した触媒を用いると
きは、用いた酒石酸エステルの光学純度より高い純度の
光学活性シアノヒドリンをうろことが可能であるという
、際だった特徴を有しており、たとえば光学純度50%
の酒石酸ジイソプロピルを用いたばあい、光学純度70
?oの光学活性シアノヒドリンかえられる。このような
現象は不斉増殖現象といわれている(N、Ogunl、
Y、MatsudaおよびT、Kanko 、ジャーナ
ル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイエテイーU、
 Am、 Chew、 Sac、)、 110巻、78
77頁(19811を年)参照)。
前記一般式圓で示される光学活性チタン酸誘導体は、一
般式(Ib) : (式中、R1およびR2は前記と同じであり、Mはアル
カリ金属原子を表わす)で示される光学活性酒石酸エス
テル類と一般式(II b) :T1(J 2(0R3
)2         (II b)(式中、R3は前
記と同じ)で示されるチタン酸エステル類との配位子交
換反応によってもうろことができる。
一般式(Ia)および(1b)におけるR1およびR2
としては、たとえばイソプロピル、メチル、エチル、n
−プロピルなどがあげられ、とくにイソプロピル、エチ
ルが好ましい。また、一般式(II b)におけるMと
しては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子
などがあげられ、とくにナトリウム原子、カリウム原子
が好ましい。
一般式(II a)および(II b)におけるR3と
しては、たとえばイソプロピル、メチル、エチル、n−
プロピルなどがあげられ、とくにイソプロピル、エチル
か好ましい。
チタン酸エステル類(II a)または(Ilb)と酒
石酸エステル類(1a)または(1b)との反応は、有
機溶媒中で一30〜30℃で1〜lO時間程度行なうの
が適当である。えられた反応混合物から減圧下に溶媒お
よび生成したアルコールを除去し、さらに真空乾燥、ベ
ンゼン共沸などの手段により生成したアルコールをほぼ
完全に除去する。
チタン酸エステル類と酒石酸エステル類との使用割合は
前者1モルに対して後者0.5〜1,5モルの割合が好
ましい。反応溶媒としては、塩化メチレン、クロロホル
ムなどが使用できる。
このようにしてえられた光学活性チタン酸誘導体を不斉
触媒としてアルデヒド類とトリアルキルシリルシアニド
とを反応させて光学活性なシアノヒドリン類をうる。こ
の反応は有機溶媒中で前記チタン酸誘導体とアルコール
類との共存下で行なう。
本発明の方法が適用できるアルデヒド類はとくに制限さ
れないが、たとえばベンズアルデヒド、アニスアルデヒ
ド、シンナムアルデヒド、イソバレルアルデヒドなどか
あげられる。とくにベンズアルデヒド、アニスアルデヒ
ドか好ましい。
トリアルキルシリルシアニドとしては、たとえばトリメ
チルシリルシアニド、トリエチルシリルシアニド、t−
ブチルビス(メチルフェニル)シリルシアニドなどがあ
げられ、とくにトリメチルシリルシアニドが好ましい。
添加するアルコール類は、1価アルコールでも多価アル
コールでもよく、たとえばイソプロパツール、メタノー
ル、エタノールなどの脂肪族アルコール、シクロヘキシ
ルアルコール、シクロペンチルアルコールなどの脂環式
アルコール、ベンジルアルコール、β −フェネチルア
ルコールなどの芳香族アルコール、エチレングリコール
、トリエチレングリコールなどの多価アルコールがあげ
られる。
触媒の量はアルデヒド1モルに対して通常0.1〜2モ
ルの範囲で使用される。触媒をアルデヒド1モルに対し
てO11〜0.5モルという少量使用しても所期の目的
が達成される。触媒に対するアルコールの添加量は触媒
1モルに対してアルコール0.5〜3.0モル、より好
ましくは0.5〜1,5モル程度である。トリアルキル
シリルシアニドの量はとくに制限されないが、通常アル
デヒド1モルに対して1〜2モルの範囲で使用される。
反応温度は一30〜60℃、好ましくは一10〜30℃
程度であり、反応時間は0,1〜100時間、好ましく
は1〜30時間程度である。
反応溶媒としては、ハロゲン化アルキル溶媒(たとえば
、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、塩化エタ
ン類など)、芳香族溶媒(たとえば、ベンゼン、トルエ
ン、塩化ベンゼンなど)、脂肪族炭化水素溶媒(たとえ
ば、ヘキサン、石油エーテル、石油ベンジンなど)など
が使用でき、これらの混合液も使用可能である。
脱シリル化は、たとえば塩酸、酢酸などの酸を作用させ
ることにより、またはテトラアルキルアンモニウムフル
オライドを作用させることにより行なわれる。
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこ
れに限定されるものではない。
実施例I L(+)−酒石酸ジイソプロピル2.8g (1,1s
sol)をジクロロメタン 100m1に溶解した溶液
にTi(OiPr)+ 3 ml (10111101
)を加えて、室温で1時間攪拌した。減圧下に溶媒およ
び生成したイソプロパツールを除去し、残渣にベンゼン
40m1を加えて均一溶液としたのち、減圧下に溶媒を
除去して、30℃で20分間真空下乾燥を行なった(こ
れを触媒Iとする)。
前記触媒Iにジクロロメタン100 mlとイソプロパ
ツール77m1 (9,8gmol)を加え、均一な溶
液になるまで室温で攪拌した。この溶液を0℃に冷却し
て、トリメチルシリルシアニド3 ml(22,5ss
ol) 、続いてベンズアルデヒド 1.0m1(9,
8gmol)を加えて、0℃で19時間静置した。
IN塩酸水溶液20 mlを加えて30分間攪拌後、酢
酸エチル50m1で生成物を抽出した。溶媒を留去後、
反応生成物のα−シアノベンジルアルコールを収率86
%でえた。生成物の光学純度は、このものを光学活性α
−メトキシ−α −トリフルオロメチルフェニル酢酸(
MTPA)とのエステルに変換したのち高速液体クロマ
トグラフィによって測定したところ、D(+)体91%
であった。液体クロマトグラフィーの測定条件を以下に
示す。
カラム: YMC社製のYMCバツクドカラム^−00
3S−5(商品名) 溶 媒:ヘキサン/酢酸エチル−10015(容量比) 流  速 :  1.Oml/sin 検 出:  270nIl$i外光 前記生成物の比旋光度は、[a]22−+4Lf!” 
(C=  1.10 、CHCl3)であった。
なお、触mW Iのみを使用した反応では生成物の光学
純度は再現性に乏しく、しかも70%が最高であった。
実施例2 実施例1では触媒はアルデヒドと等モル;使用したが、
本実施例では、触媒およびイソプロパツールの使用量を
アルデヒドの1ノ5モル量として、0℃で17時間反応
させたところ、収率9゜%で光学純度87%の生成物を
えた。
[α]習−+ 41.6°(C−1,10、CHCl5
 ) 。
なお触媒1のみを使用したばあいは同じ反応条件で、収
率は0%であった。
実施例3 実施例1において用いたしく+)−酒石酸ジイソプロピ
ルの代わりに、光学純度50%でL体過剰の酒石酸ジイ
ソプロピルを用いて触媒を調製し1実施例1と同じ反応
条件でシアノ化反応を行なったところ、光学純度70%
でα −シアノベンジルアルコールをえた。また、光学
純度25%でL体過刺の酒石酸ジイソプロピルを用いた
ばあいは、光学純度50%でα −シアノベンジルアル
コールをえた。
[発明の効果] 光学活性酒石酸エステルとチタン酸エステルから調製さ
れる光学活性チタン酸誘導体の存在下にアルデヒド類に
トリアルキルンリルシアニドを作用させて光学活性シア
ノヒドリン類をうる方法において、少口の触媒を使用し
て、再現性良く、しかも高い化学収率および光学収率で
光学活性シアノヒドリン類をうろことか可能であり、さ
らに、用いた酒石酸エステルの光学純度より高い純度の
光学活性シアノヒドリン類をうろことが可能である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 光学活性酒石酸エステル類とチタン酸エステル類と
    の配位子交換反応によってえられた光学活性配位子を有
    するチタン酸誘導体とアルコールとの共存下、アルデヒ
    ド類にトリアルキルシリルシアニドを作用させることを
    特徴とする光学活性シアノヒドリン類の製造法。 2 トリアルキルシリルシアニドとしてトリメチルシリ
    ルシアニドを用いる請求項1記載の製造法。 3 一般式( I a): ▲数式、化学式、表等があります▼( I a) (式中、R^1およびR^2は同じかまたは異なり炭素
    数1〜20のアルキル基またはアラルキル基を表わす)
    で示される光学活性酒石酸エステル類と一般式(IIa)
    : Ti(OR^3)_4(IIa) (式中、R^3は炭素数1〜20のアルキル基またはア
    ラルキル基を表わす)で示されるチタン酸エステル類と
    の配位子交換反応によってえられる一般式(III): ▲数式、化学式、表等があります▼(III) (式中、R^1、R^2およびR^3は前記と同じ)で
    示される化合物を光学活性チタン酸誘導体として用いる
    請求項1記載の製造法。 4 一般式( I a)におけるR^1およびR^2がイ
    ソプロピル基であり、一般式(IIa)におけるR^3が
    イソプロピル基である請求項3記載の製造法。 5 一般式( I b): ▲数式、化学式、表等があります▼( I b) (式中、R^1およびR^2は前記と同じであり、Mは
    アルカリ金属原子を表わす)で示される光学活性酒石酸
    エステル類と一般式(IIb):TiCl_2(OR^3
    )_2(IIb) (式中、R^3は前記と同じ)で示されるチタン酸エス
    テル類との配位子交換反応によってえられた一般式(I
    II): ▲数式、化学式、表等があります▼(III) (式中、R^1、R^2およびR^3は前記と同じ)で
    示される化合物を光学活性チタン酸誘導体として用いる
    請求項1記載の製造法。 6 一般式( I b)におけるR^1およびR^2がイ
    ソプロピル基であり、一般式(IIb)におけるR^3が
    イソプロピル基である請求項5記載の製造法。 7 添加するアルコールとして、1価または2価以上の
    脂肪族アルコール、芳香族アルコールまたは脂環式アル
    コールを用いる請求項1記載の製造法。 8 光学活性酒石酸エステル類として光学純度100%
    未満のものを用い、用いた酒石酸エステル類より高い光
    学純度をもった光学活性シアノヒドリン類を製造する請
    求項1記載の製造法。
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