JPH0146709B2

JPH0146709B2 -

Info

Publication number: JPH0146709B2
Application number: JP13994280A
Authority: JP
Inventors: Shigefumi Yasuhara
Original assignee: Nissan Motor Co Ltd
Current assignee: Nissan Motor Co Ltd
Priority date: 1980-10-08
Filing date: 1980-10-08
Publication date: 1989-10-11
Also published as: JPS5765857A

Description

【発明の詳細な説明】本発明はデイーゼル機関用分配型燃料噴射ポン
プに係り、殊に機関の低負荷時などにおける燃焼
騒音及び排気有害成分を低減する装置に関する。

従来のデイーゼル機関では噴射率は制御せず噴
射量だけを制御していたので、アイドリング時な
どの低負荷時には噴射量の減少に伴ない短時間で
の爆発的な燃焼が行なわれるので、燃焼騒音の増
大を招く他、HC及びNOxの排出量が増大すると
いう問題点があつた。

本発明はこのような従来の問題点を解決するこ
とを目的としてなされたもので、ポンプ兼分配用
プランジヤの径を２段にして２つの圧力室を形成
し、いずれか一方又は両方から燃料をノズルに圧
送するようにして噴射率を可変とするようにした
分配型燃料噴射ポンプの噴射率制御装置を提供す
るものである。

以下、本発明を図面に基づいて説明する。

第１図は本発明の一実施例に係る分配型燃料噴
射ポンプの要部を示し、ポンプハウジング１内の
ポンプ室２には図示しないフイードポンプからの
燃料がレギユレーテイングバルブを介して調圧さ
れながら供給されている。

ポンプハウジング１に形成された摺動孔３には
プランジヤ４が摺動自在に挿入され、このプラン
ジヤ４は図示しない手段により往復並びに回転運
動せしめられる。ここで、プランジヤ４は先端の
小径部４ａとこれに連なる大径部４ｂとの２段に
構成され、小径部４ａは摺動孔３の小径部（摺動
孔３の奥部に挿入固定したバレル５）に摺動自在
に挿入され、大径部４ｂは摺動孔３の大径部に摺
動自在に挿入されている。こうして、プランジヤ
４の小径部４ａの端面と摺動孔３の端面との間に
第１の圧力室６を形成する一方、大径部４ｂの端
面と摺動孔３の段部（バレル５の端面）との間に
第２の圧力室７を形成している。尚、前記バレル
５は摺動孔３を形成する部材に一体に形成しても
よいが、このように別体とすることにより２段プ
ランジヤ４で生ずる芯ズレを吸収することができ
る。

プランジヤ４が図で左行する吸入行程にある場
合は、ポンプ室２の燃料が吸入通路８の一方の吸
入ポート８ａから一方向弁９を介して第１の圧力
室６に吸収されると共に、吸入通路８の他方の吸
入ポート８ｂから大径部４ｂの吸入溝１０（円周
方向に気筒数に対応する数だけ等配形成されてい
る。）を経て第２の圧力室７に吸入される。

プランジヤ４が図で右行する圧送行程に移る
と、吸入ポート８ａの一方向弁９が閉じて第１の
圧力室６の燃料が圧縮されると共に、吸入ポート
８ｂと吸入溝１０とが切離されて第２の圧力室７
の燃料が圧縮される。

そして、第１の圧力室６内の燃料はプランジヤ
４の軸方向に穿設した通孔１１から分配溝１２を
経て吐出通路１３（円周方向に気筒数に対応する
数だけ等配形成されている。）へ供給され、図示
しないデリバリバルブを経て燃料噴射ノズルに送
出されて気筒内に噴射される。こうして、プラン
ジヤ４の往復・回転運動に伴なつて所定の順序で
各気筒内に燃料が噴射される。尚、通孔１１、分
配溝１２及び吐出通路１３がノズルへの燃料圧送
経路を構成する。

他方、第２の圧力室７には連通路１４の一端１
４ａが開口しており、この連通路１４の他端１４
ｂはプランジヤ４の外周面に通孔１１に連ねて形
成した環状溝１５に臨んで開口している。そし
て、連通路１４の途中には一方向弁１６が介装さ
れ、この連通孔１４の一方向弁１６上流とポンプ
入口に相当するポンプ室２（又はフイードポンプ
の吸込側）とは逃がし通路１７により連通してい
る。そして、逃がし通路１７の途中には制御弁と
しての電磁制御弁１８が介装されている。尚、電
磁制御弁１８の弁体１８ａには瞬時ではあるが
250Kg／cm²程度の圧力が加わるので、例えば図の
ようにアクチユエータ部分に負荷がかからないよ
うな向きに設けるのがよい。

この電磁制御弁１８の制御回路としては、機関
回転速度、燃料噴射量、燃料の温度、機関の冷却
水温度、潤滑油温度及び噴射時期等が入力される
コンピユータ１９及びエンジンキースイツチ２０
を介して、電磁制御弁１８のコイル１８ｂと電源
２１とを接続することにより、あらゆる機関運転
条件を加味して弁を開閉制御することが望まし
い。

かかる構成において、アイドリング時などの低
負荷時には電磁制御弁１８が全開状態となり、こ
のときには圧送行程において第２の圧力室７内の
燃料は連通路１４の途中から逃がし通路１７によ
り洩流し、一方向弁１６側へは供給されない。し
たがつて、前述したように第１の圧力室６内の燃
料のみがノズルに圧送され、噴射率が低下する
（第２図ａ）。

また、高負荷時などには電磁制御弁１８が全閉
状態となり、このときには圧送行程において第２
の圧力室７内の燃料は一方向弁１６を押開きつつ
連通路１４を通つてプランジヤ４の環状溝１５か
ら通孔１１へ流れ、第１の圧力室６からの圧送燃
料と合流して、分配溝１２より吐出通路１３に送
出される。したがつて、ノズルには第１の圧力室
６と第２の圧力室７とから燃料が同時に送られる
ので噴射率が増大する（第２図ａ＋ｂ）。

ここで、噴射率はプランジヤ４の径により決定
されるわけで、大径部４ｂの径を従来のプランジ
ヤ径と同様に例えば10mmφとして、アイドリング
時などの噴射率を従来の30％とする場合、小径部
４ａの径ｄは、面積比からd²／10²＝0.3となるので、ｄ≒5.5mmφとすればよい。

尚、プランジヤ４のポンプ室２側に存する基部
にはコントロールスリーブ２２が摺動自在に嵌挿
してあり、該基部に前記通孔１１と連通させて開
設したカツトオフポート２３がコントロールスリ
ーブ２２の内周面から外れてポンプ室２に開口す
ると、燃料がポンプ室２に洩流するので、吐出通
路１３側への送出は停止され、噴射終りとなる。
したがつて、コントロールスリーブ２２の位置調
整によつて噴射終りが変わり、即ち噴射量を制御
できるわけで、このコントロールスリーブ２２に
はガバナ機構（図示せず）の作用端部であるレバ
ー２４が係合し、このレバー２４によりコントロ
ールスリーブ２２が図で右方に移動すれば噴射量
が増大し、左方に移動すれば噴射量が減少する。
２５は吸入通路８に設けられた燃料カツト用バル
ブを示している。

この実施例では、第１の圧力室６への燃料の吸
入を一方向弁９を介して行なうようにしている
が、これはプランジヤ４（小径部４ａ）の径が細
い場合、吸入溝式では加工精度が厳しくなるから
である。しかし、径によつては第３図に示す如く
吸入溝３０式にしてもよい。

また、第４図はアイドリング時などの噴射を大
径部４ｂ側の第２の圧力室７で行なうようにした
ものである。この場合、第２の圧力室７側からプ
ランジヤ４に通孔１１を形成する一方、第１の圧
力室６を、プランジヤ４に形成した通孔３１、環
状溝３２及び連通路１４を介して第２の圧力室７
に連通させればよい。

さらに、第５図Ａ，Ｂはプランジヤ４に分配溝
１２と軸方向位置をほぼ同じにし且つ周方向位置
をずらして補助分配溝３３を設けたものであり、
これによれば第６図に示すような噴射率特性が得
られる。

さらに、第７図は、制御弁として、電磁制御弁
１８の代わりに、テーパ部４０ａを有する弁体４
０を用い、この弁体４０を案内溝４０ｂと固定ピ
ン４１とにより回り止めすると共に、この弁体４
０とねじ棒４２とを螺合し、ねじ棒４２をモータ
４３により回転させて、弁体４０の軸方向位置を
調整するようにしたものである。したがつて、こ
のモータ４３を前述のコンピユータ１９により制
御して、弁開度即ち洩らし量を制御すれば、第２
図のａ〜ａ＋ｂの範囲で噴射率を任意の値に制御
できる。尚、前記電磁制御弁１８の場合も、比例
電磁弁として弁開度を可変とすれば、噴射率を任
意の値に制御できることは言うまでもない。

以上説明してきたように本発明によれば、２段
径のプランジヤを用いて２つの圧力室を形成し、
いずれか一方又は両方の圧力室から燃料を圧送し
得るようにして噴射率を可変としたから、特に低
負荷時などにおいて最適な噴射率が実現でき、機
関騒音及び排気対策上極めて効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る分配型燃料噴
射ポンプの要部縦断面図、第２図は同上の噴射率
特性図、第３図、第４図及び第５図Ａはそれぞれ
他の実施例を示す断面図、第５図Ｂは同図ＡのＢ
−Ｂ断面図、第６図は第５図の実施例の噴射率特
性図、第７図も他の実施例を示す断面図である。２……ポンプ室、４……プランジヤ、４ａ……
小径部、４ｂ……大径部、６……第１の圧力室、
７……第２の圧力室、１１……通孔、１２……分
配溝、１３……吐出通路、１４……連通路、１６
……一方向弁、１７……逃がし通路、１８……電
磁制御弁、１９……コンピユータ、４０……弁
体、４３……モータ。

Claims

【特許請求の範囲】

１往復並びに回転運動して燃料の吸入圧送と分
配とを行なうプランジヤ４を備えた分配型燃料噴
射ポンプにおいて、前記プランジヤ４の径を２段
にして先端の小径部４ａとこれに連なる大径部４
ｂとを形成し、摺動孔３の小径部及び大径部にそ
れぞれ摺動自在に嵌合させて、プランジヤの小径
部４ａの端面と摺動孔３の端面との間及びプラン
ジヤの大径部４ｂの端面と摺動孔３の段部との間
にそれぞれ圧力室６，７を形成し、一方の圧力室
６に対してノズルへの燃料圧送経路１１，１２，
１３を設け、他方の圧力室７を前記燃料圧送経路
に連通させる連通路１４を設け、この連通路１４
に前記他方の圧力室から前記燃料圧送経路へ向か
う流れのみを許容する一方向弁１６を介装し、前
記連通路１４の一方向弁１６上流とポンプ入口と
を連絡する逃がし通路１７を設け、この逃がし通
路１７に機関運転条件に関連する電気的信号によ
り作動する制御弁１８を介装したことを特徴とす
る分配型燃料噴射ポンプの噴射率制御装置。