JP7486264B2 - ピックアップ方法、及び、ピックアップ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、テープに貼着されたチップのピックアップ方法に関するものである。
従来、例えば特許文献1に開示されるように、テープに超着された矩形のチップを下側から突き上げ部材にて突き上げて剥離させるとともに、チップの上側面をチップ保持部材にて吸引保持して、チップをピックアップする方法が知られている。
チップを下から突き上げる際に、チップに局所的に応力が作用すると、チップが破損してしまう恐れがある。特に、チップが100μm以下のような薄い場合は破損するリスクが非常に高いものとなる。
以上の観点から、突き上げ部材の押圧面の面積をチップのサイズに対応させる構成とし、チップの中心位置に突き上げ部材を位置付けて突き上げることにより、できるだけチップに局所的に応力がかからないようにピックアップすることが理想である。
特許文献1においては、突き上げ部材が第一~第三の復数の押圧部にて構成され、全ての突き上げ部材を所定の位置まで上昇させた後、段階的にチップの中心に近い側の押圧部を上昇させるようにしており、復数の押圧部によりピラミット状に突き上げられる構成となっている。
特開2013-033850号公報
従来の方法によると、チップのサイズに応じて突き上げ部材の押圧面の面積を設定する必要があり、異なるサイズのチップのピックアップを実施する場合には、その都度チップのサイズに対応する突き上げ部材を準備する必要がある。
このため、従来は、サイズの異なる復数種類の突き上げ部材を制作し、その都度チップのサイズに応じて突き上げ部材を付け替える必要があった。
以上のような突き上げ部材の付け替えは、付替え作業のための作業手間や作業時間を要するものであり、さらには、復数種類の突き上げ部材の制作コスト負担や管理負担を伴うものであって、改善が求められていた。
以上に鑑み、本願発明は、チップのサイズに応じて突き上げ部材を付け替える必要がなく、複数種類のチップのサイズに対応可能なピックアップ方法を提案するものである。
本発明の一態様によれば、
テープの表面側に貼着された矩形のチップを該テープからピックアップするピックアップ方法であって、
該テープの裏面側から該テープを突き上げるための押圧面であって、ピックアップすべき該チップの裏面の面積よりも小さい押圧面を上部に有した昇降自在な突き上げ部材と、
該突き上げ部材の周囲において該テープの裏面を吸引保持する吸引面を有する外層部と、を備える突き上げ機構を用い、
該突き上げ部材が該テープを介して該チップの第一角部に位置付けられるように該突き上げ機構を位置付ける第一位置付けステップと、
該第一位置付けステップを実施した後、該吸引面で該テープを吸引保持するとともに該突き上げ部材で該テープを介して該第一角部を突き上げて該テープから該第一角部を剥離させる第一突き上げステップと、
該第一突き上げステップを実施した後、該突き上げ部材が該テープを介して該チップの第二角部に位置付けられるように該突き上げ機構を位置付ける第二位置付けステップと、
該第二位置付けステップを実施した後、該吸引面で該テープを吸引保持するとともに該突き上げ部材で該テープを介して該第二角部を突き上げて該テープから該第二角部を剥離させる第二突き上げステップと、
該第二突き上げステップを実施した後、該突き上げ部材が該テープを介して該チップの第三角部に位置付けられるように該突き上げ機構を位置付ける第三位置付けステップと、
該第三位置付けステップを実施した後、該吸引面で該テープを吸引保持するとともに該突き上げ部材で該テープを介して該第三角部を突き上げて該テープから該第三角部を剥離させる第三突き上げステップと、
該第三突き上げステップを実施した後、該突き上げ部材が該テープを介して該チップの第四角部に位置付けられるように該突き上げ機構を位置付ける第四位置付けステップと、
該第四位置付けステップを実施した後、該吸引面で該テープを吸引保持するとともに該突き上げ部材で該テープを介して該第四角部を突き上げて該テープから該第四角部を剥離させる第四突き上げステップと、
該第四突き上げステップを実施した後、該チップを挟んで該突き上げ機構に対面したチップ保持部材で該チップを保持して該テープから該チップをピックアップするピックアップステップと、を実行する、ピックアップ方法とする。
また、本発明の一態様によれば、
テープに貼着された矩形のチップを該テープからピックアップするピックアップ装置であって、
該テープの外周側が固定される環状フレームを保持するフレーム保持機構と、
該テープの裏面側から該テープを突き上げるための押圧面であって、ピックアップすべき該チップの裏面の面積よりも小さい押圧面を上部に有した昇降自在な突き上げ部材と、該突き上げ部材の周囲において該テープの裏面を吸引保持する吸引面を有する外層部と、を備えた突き上げ機構と、
該テープに貼着された該チップを挟んで該突き上げ機構に対向して配設され、該チップを吸引保持するピックアップ機構と、
該フレーム保持機構を該突き上げ機構に対して相対移動させる位置付け機構と、
少なくとも該突き上げ機構と該位置付け機構とを制御するコントローラと、を備え、
該コントローラは、ピックアップすべき該チップの角部に該突き上げ部材が位置付くように該フレーム保持機構を位置付けた後、該吸引面で該テープを吸引保持するとともに該突き上げ部材で該テープを介して該角部を突き上げて該テープから該角部を剥離させる操作を全ての角部に対して実施するように制御する、
ピックアップ装置とする。
本発明の構成によれば、ピックアップされるチップよりも小さい押圧面を有するた突き上げ部材により、チップの角部を順に突き上げることで、テープからチップを剥離させるものであり、これにより、複数の異なるチップのサイズに対応することが可能となる。こうして、突き上げ部材の付替え作業のための作業手間や作業時間を省略できるとともに、さらには、復数種類の突き上げ部材の制作コスト負担や管理負担もなくすことが可能となる。
ピックアップ装置の構成について一部構成を省略した斜視図である。 ピックアップ装置の構成について一部構成を省略した斜視図である。 切削加工された後のウェーハを保持するウェーハユニットの構成について説明する図である。 ウェーハ撮像カメラによるウェーハの撮像について説明する図である。 (A)は突き上げ機構の上方に配置されたウェーハユニットを示す断面図である。(B)は突き上げ機構の一部を拡大して示す断面図である。(C)は別実施形態の突き上げ機構の一部を拡大して示す断面図である。 (A)は図5(B)の構成において突き上げ部の押圧面の面積とチップの面積の関係について説明する図である。(B)は図5(C)の構成において突き上げ部の押圧面の面積とチップの面積の関係について説明する図である。 ピックアップ機構を示す斜視図である。 (A)は第一位置付けステップについて説明する図である。(B)は第一突き上げステップについて説明する図である。 第一領域~第四領域について説明する図である。 第一~第四位置付けステップ、及び、第一~第四突き上げステップを順に実施する例について説明する図である。 (A)はピックアップステップについて説明する図である。(B)はチップの中心領域を突き上げる例について説明する図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1、及び、図2は、ピックアップ装置2の構成について示す図である。
ピックアップ装置2は、ピックアップ装置2を構成する各構要素を支持する基台4を備える。基台4の一側角部にはカセット載置台5が設けられており、カセット載置台5にはカセット5aが載置される。このカセット5aには、図3に示すように、切削加工などによってチップ23に個片化された状態のウェーハ13をテープ19を介して環状フレーム21で保持したウェーハユニット11が、複数枚収容される。
図1に示すカセット載置台5に隣接する位置には、ウェーハユニットを二段で仮置き可能な仮置き機構10が設けられている。仮置き機構10は、互いに平行に配置された一対のガイドレール12を備える。一対のガイドレール12はそれぞれ、二段の棚を形成すべく構成され、X軸方向(第一水平方向、左右方向)及びY軸方向(第二水平方向、前後方向)と概ね平行な第一支持面12a及び第二支持面12bを備える。
図1に示すように、第一支持面12aはそれぞれ、第二支持面12bの上方で第二支持面12bと重なるように配置されている。そして、一対の第一支持面12aと一対の第二支持面12bとはそれぞれ、ウェーハユニットの端部(環状フレーム21(図3))の下面側を支持する。例えば、一対の第一支持面12aはカセット載置台5から搬送されたウェーハユニットを支持し、一対の第二支持面12bは後述のフレーム保持機構14から搬送されたウェーハユニットを支持する。
図1に示すように、仮置き機構10に隣接する位置には、フレーム保持機構14が設けられる。フレーム保持機構14は、環状フレーム(図3)の下面側を支持するフレーム支持部16と、フレーム支持部16の上方に配置され環状フレーム(図3)の上面側と接触するフレーム押さえ部18とを備える。フレーム支持部16とフレーム押さえ部18とはそれぞれ、環状フレーム(図3)の形状に対応して環状に形成され、互いに重なるように配置される。
図1に示すフレーム支持部16は、Z軸方向(鉛直方向、上下方向)に沿って移動可能に構成されている。環状フレーム21(図3)がフレーム支持部16によって支持されるようにウェーハユニットを配置した状態で、フレーム支持部16を上方に移動させると、環状フレーム21(図3)がフレーム支持部16とフレーム押さえ部18とによって挟まれて固定される。
なお、環状フレーム21(図3)がフレーム保持機構14によって適切に固定されているか否かは、例えば、フレーム支持部16とフレーム押さえ部18とが環状フレーム(図3)を介して導通しているか否かを検出することによって確認される。
また、図1に示すように、仮置き機構10及びフレーム支持部16の上方には、カセット5aとフレーム保持機構14との間でウェーハユニット11(図3)を搬送する搬送機構(搬送手段)20が設けられている。搬送機構20は、Y軸方向及びZ軸方向に沿って移動可能に構成されており、ウェーハユニット11の環状フレーム21(図3)を上下から把持する第一把持部22a及び第二把持部22bを備える。なお、第一把持部22aは搬送機構20のカセット載置台5側に設けられており、第二把持部22bは搬送機構20のフレーム保持機構14側に設けられている。
図1に示すように、カセット5aからウェーハユニット11(図3)を搬出する際は、カセット5aに収容されたウェーハユニット11(図3)の端部を第一把持部22aで把持した状態で、搬送機構20をY軸方向に沿って仮置き機構10側に移動させる。これにより、ウェーハユニット11(図3)がカセット5aから引き出され、仮置き機構10が備える一対の第一支持面12a上(上段)に配置される。その後、第一把持部22aによる把持を解除する。
次に、ウェーハユニット11(図3)のカセット5a側の端部を搬送機構20の第二把持部22bで把持した状態で、搬送機構20をY軸方向に沿ってフレーム保持機構14側に移動させる。これにより、ウェーハユニット11(図3)がフレーム支持部16とフレーム押さえ部18との間に搬送され、環状フレーム21(図3)がフレーム支持部16によって支持される。
なお、図1及び図2に示すように、フレーム押さえ部18の仮置き機構10側には、フレーム押さえ部18が切り欠かれて形成された切り欠き部18aが設けられている。この切り欠き部18aは、搬送機構20が通過可能な大きさで構成されている。これにより、ウェーハユニット11(図3)がフレーム保持機構14に搬送される際に、搬送機構20がフレーム押さえ部18と接触することを防止できる。
その後、図1に示すように、第二把持部22bによる把持を解除し、フレーム支持部16を上方に移動させる。これにより、環状フレーム21(図3)がフレーム支持部16とフレーム押さえ部18とによって挟まれて固定される。
図1及び図2に示すように、フレーム保持機構14は、フレーム保持機構14の位置を制御する位置付け機構30に支持されている。位置付け機構30は、フレーム保持機構14をX軸方向に沿って移動させるX軸移動機構32と、フレーム保持機構14をY軸方向に沿って移動させるY軸移動機構42とを備える。X軸移動機構32及びY軸移動機構42により、フレーム保持機構14の水平方向における位置が制御される。
X軸移動機構32は、基台4上にX軸方向に沿って配置された一対のガイドレール34を備える。一対のガイドレール34の間には、一対のガイドレール34と概ね平行に配置されたボールねじ36が設けられている。また、ボールねじ36の一端部には、ボールねじ36を回転させるパルスモータ38が連結されている。
一対のガイドレール34上には、移動ブロック40がスライド可能に配置されている。移動ブロック40の下面側(裏面側)にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部はボールねじ36に螺合されている。パルスモータ38によってボールねじ36を回転させると、移動ブロック40が一対のガイドレール34に沿ってX軸方向に移動する。
Y軸移動機構42は、移動ブロック40上にY軸方向に沿って配置された一対のガイドレール44を備える。一対のガイドレール44の間には、一対のガイドレール44と概ね平行に配置されたボールネジ46が設けられている。また、ボールネジ46の一端部には、ボールネジ46を回転させるパルスモータ48が連結されている。
図1に示すように、一対のガイドレール44上には、フレーム保持機構14がスライド可能に配置されている。フレーム保持機構14の支持部14fにはナット部(不図示)が設けられており、このナット部はボールネジ46に螺合されている。パルスモータ48によってボールネジ46を回転させると、フレーム保持機構14が一対のガイドレール44に沿ってY軸方向に移動する。
図1及び図2に示すように、移動ブロック40は、板状にて構成されており、フレーム保持機構14の下方の位置において、上下方向に貫通する開口部41が形成される。この開口部41を通じて後述する突き上げ機構50による下方からの突き上げが可能となる。
基台4において一対のガイドレール36によって挟まれた領域には、矩形状の開口4bが設けられている。この開口4bの内部には、ウェーハユニット11のウェーハ13に含まれるチップ23(図3)を下面側から上方に向かって突き上げる円筒状の突き上げ機構(突き上げ手段)50が設けられている。突き上げ機構50は、モーター等で構成される昇降機構(不図示)と接続されており、Z軸方向に沿って昇降する。
ウェーハユニット11(図3)の環状フレーム21をフレーム保持機構14によって固定した状態で、位置付け機構30によってフレーム保持機構14をX軸方向に沿って移動させると、ウェーハユニット11が開口の上方に位置付けられる。
図1、図2、及び図4に示すように、フレーム保持機構14を突き上げ機構50の上方までに移動させる経路には、フレーム保持機構14によって固定された環状フレーム21に貼着されたウェーハ13(図4)の上面を撮像する撮像手段としてのウェーハ撮像カメラ60が設けられる。
ウェーハ撮像カメラ60による撮像は、フレーム保持機構14に固定された状態で行われることとする他、フレーム保持機構14に固定される前の搬送機構20によって搬送されるタイミング、仮置き機構10に載置されたタイミングなど、であってもよい。また、ウェーハ撮像カメラ60の配置も、各タイミングに対応する適切な位置に応じて設計されることができる。
図1及び図2に示すように、開口4bの上方に位置付けられたフレーム保持機構14は、図5(A)に示すように、ピックアップするチップ23の位置を突き上げ機構50の真上に位置合わせするために、位置付け機構30(図1,図2)によって位置調整がされる。
図5(A)は、突き上げ機構50の上方に配置されたウェーハユニット11を示す断面図であり、突き上げ機構50は、図5(B)に示すように、中空の円柱状に形成された外層部52と、外層部52の内側に配置された四角柱状の突き上げ部54とを備える。
図5(B)に示すように、外層部52の上端には、外層部52の周方向に沿って同心円状に形成された複数の吸引溝52bが形成されることで、外層部52の上端面が吸引面52aとして構成されている。吸引溝52bはそれぞれ、突き上げ機構50の内部に形成された吸引路(不図示)及びバルブ56を介して、エジェクタ等でなる吸引源58に接続されている。外層部52は、モーター等で構成される昇降機構52cと接続されており、Z軸方向に沿って昇降する。
突き上げ部54は、四角柱状に形成された第一突き上げピン54aと、中空の四角柱状に形成され第一突き上げピン54aを囲繞する第二突き上げピン54bと、を備える。第一突き上げピン54a、第二突き上げピン54bはそれぞれ、モーター等で構成される昇降機構55a,55bと接続されており、Z軸方向に沿って昇降する。
第一突き上げピン54a、第二突き上げピン54bの上面57a,57bは、平坦な面にて構成され、全体として一つの押圧面57を形成し、詳しくは後述するように、テープの下面に当接して下側からチップを突き上げるものである。
なお、図5(C)に示す突き上げ部54Aのように、一つの突き上げピン54cを備える構成とし、突き上げピン54cの上面57cにて押圧面57Aが構成されることとしてもよい。
図6(A)に示すように、突き上げ部54の押圧面57の面積57M、すなわち、2つの上面57a,57bを合わせた面積は、ピックアップされるチップ23の面積23M(裏面の面積)よりも小さく設定される。図6(A)の例では、チップ23の面積23Mに対し、押圧面57の面積57Mが約四分の1となるように設定されている。
図6(A)に示すように、突き上げ部54の上面で構成される押圧面57は矩形とされており、最外周部の各角部(第二突き上げピン54bの角部)において第一角部~第四角部59a~59dを構成する。第一角部~第四角部59a~59dは、後述するように、矩形に構成されるチップ23の各角部である第一角部~第四角部23a~23dに合わせられるように順次位置付けられるものである。
図6(B)は、図5(C)の突き上げ部54Aの構成の場合であり、上面57cにて構成する押圧面57Aの面積57AMは、ピックアップされるチップ23の面積23M(裏面の面積)よりも小さく設定される。図6(B)の例では、チップ23の面積23Mに対し、押圧面57Aの面積57AMが約四分の1となるように設定されている。
押圧面57Aは、その表面が矩形となるように構成されており、最外周部の各角部において第一角部~第四角部59a~5dを構成する。第一角部~第四角部59a~59dは、矩形に構成されるチップ23の各角部である第一角部~第四角部23a~23dに合わせられるように順次位置付けられるものである。
次に、図2に示されるピックアップ機構70について説明する。
突き上げ機構50によって突き上げられたチップは、ピックアップ機構70によってピックアップされる。ピックアップ機構70は、突き上げ機構50によって突き上げられたチップをピックアップするコレット76を備えるとともに、コレット76の位置を制御するコレット移動機構(コレット移動手段)80に接続されている。
図7は、ピックアップ機構70を示す斜視図である。ピックアップ機構70は、コレット移動機構80に接続される移動基台72と、移動基台72からコレット移動機構80とは反対側に向かってX軸方向に沿うように配置され、コレット76とコレット移動機構80とを接続する柱状のアーム74とを備える。アーム74は、移動基台72を介してコレット移動機構80と接続された柱状の第一支持部74aと、第一支持部74aの先端部から下方に向かって突出する第二支持部74bとを備える。
なお、第一支持部74aと第二支持部74bとは、互いに結合及び分離可能に構成されている。例えば、第一支持部74a及び第二支持部74bは、ツールチェンジャー等によって互いに着脱自在に構成される。また、第一支持部74aはX軸方向移動機構74dによりX軸方向に移動するように構成されており、これにより、第二支持部74bがX軸方向に移動可能に構成される。これにより、図1に示すチップ収容具501内への収容に際し、X軸方向の収容位置が選択可能となる。
図7に示すように、第二支持部74bの下端側には、チップを保持するコレット76が固定されている。コレット76の下面は、チップを吸引保持する吸引面76aを構成する。吸引面76aは、コレット76の内部に形成された吸引路(不図示)を介して吸引源(不図示)と接続されている。コレット76の吸引面76aにチップを接触させた状態で、吸引面76aに吸引源の負圧を作用させることにより、チップがコレット76によって吸引保持される。
図2に示すように、ピックアップ機構70は、コレット移動機構80に接続されている。コレット移動機構80は、ピックアップ機構70をY軸方向に沿って移動させるY軸移動機構82と、ピックアップ機構70をZ軸方向に沿って移動させるZ軸移動機構92とを備える。Y軸移動機構82及びZ軸移動機構92により、コレット76のY軸方向及びZ軸方向における位置が制御される。
Y軸移動機構82は、Y軸方向に沿って配置された一対のガイドレール84を備える。一対のガイドレール84の間には、一対のガイドレール84と概ね平行に配置されたボールねじ86が設けられている。また、ボールねじ86の一端部には、ボールねじ86を回転させるパルスモータ88が連結されている。
一対のガイドレール84には、移動ブロック90がスライド可能に装着されている。また、移動ブロック90にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部はボールねじ86に螺合されている。パルスモータ88によってボールねじ86を回転させると、移動ブロック90が一対のガイドレール84に沿ってY軸方向に移動する。
図2及び図7に示すように、Z軸移動機構92は、移動ブロック90の側面にZ軸方向に沿って配置された一対のガイドレール94を備える。一対のガイドレール94の間には、一対のガイドレール94と概ね平行に配置されたボールねじ96が設けられている。また、ボールねじ96の一端部には、ボールねじ96を回転させるパルスモータ98が連結されている。
図7に示すように、一対のガイドレール94には、ピックアップ機構70の移動基台72がスライド可能に装着されている。また、移動基台72にはナット部(不図示)が設けられており、このナット部はボールねじ96に螺合されている。パルスモータ98によってボールねじ96を回転させると、移動基台72が一対のガイドレール94に沿ってZ軸方向に移動する。
以上のように構成されたピックアップ機構70により、突き上げ機構50によって突き上げたチップ23をピックアップする。ピックアップされたチップは、図1に示すように、チップ観察機構100や、強度測定機構200に適宜搬送され、また、適宜チップ収容具501に収容される。
次に、以上の構成を用いたピックアップ方法について説明する。以下では、図5(B)、及び、図6(A)に示される突き上げ部54の構成の場合について説明するが、図5(C)、及び、図6(B)においても同様である。また、以下方法を実施するために必要な各動作の制御や、撮像した画像に基づく位置座標の算出などの各種処理は、図1に示すように、ピックアップ装置2を制御するコントローラ1に格納するプログラムにより実行することができる。
<ウェーハ撮像ステップ>
図4に示すように、ウェーハ撮像カメラ60により、ウェーハ13を上から撮像し、各チップ23の配置を特定するための画像を撮像する。撮像した画像により、各チップ23の第一角部~第四角部23a~23d(図6(A))の位置座標が算出される。
<第一位置付けステップ>
図5(A)に示すように、ピックアップされるチップ23を突き上げ機構50の上方に移動させるとともに、図8(A)に示すように、チップ23の第一角部23aが突き上げ部54(押圧面57)の第一角部59aに一致するように、チップ23を位置付ける。
このチップ23の位置付けは、図1に示すように、位置付け機構30によりフレーム保持機構14を移動させることにより行うものであり、この移動は、ピックアップされるチップ23の第一角部23aの位置座標を参照して行われる。
<第一突き上げステップ>
図8(B)に示すように、外層部52の吸引面52aをテープ19に当着させるまで上昇させるとともに、吸引を開始して吸引面52aにてテープ19を吸引保持する。次いで、第一突き上げピン54a及び第二突き上げピン54bを突き上げることで、チップ23の第一角部23aをテープ19から剥離させる。図8(B)の例では、第一突き上げピン54aは、第二突き上げピン54bよりも高く突き上げられる。なお、チップ23の上面にはデバイス24が形成されている。
<第二~第四位置付けステップ、及び、第二~第四突き上げステップ>
図9及び図10に示すように、上述した第一位置付けステップと第一突き上げステップと同様の操作を、チップ23の第二角部~第四角部23b~23dについて順に実施する。
即ち、図9及び図10に示すように、チップ23の第二角部23bを突き上げ部54の第二角部59bに位置付けて突き上げる。次いで、チップ23の第三角部23cを突き上げ部54の第三角部59cに位置付けて突き上げる。次いで、チップ23の第四角部23dを突き上げ部54の第四角部59dに位置付けて突き上げる。
以上のようにして、合計四回の突き上げステップが実施され、各第一領域~第四領域23A~23Dについて突き上げがなされる。なお、第一角部~第四角部23a~23dについて、どの角部から順番に位置付けや突き上げをするかについては、特に限定されるものはない。
<ピックアップステップ>
図11(A)に示すように、コレット移動機構80(図2)によりピックアップ機構70のコレット76をチップ23の上方に位置付けるとともに、コレット76の吸引面76aによりチップ23を吸引保持することで、チップ23をテープ19から離反させてピックアップする。
なお、ピックアップステップは、図11(A)に示すように、チップ23を突き上げた状態、つまり、上述の四回目に実施される突き上げステップと同時に行うこととする他、突き上げ機構50(突き上げ部54)を下降させた状態で行うこととしてもよい。
また、ピックアップ機構70が移動しない構成においては、フレーム保持機構14(図1)をピックアップ機構70の下方の位置まで移動させてピックアップがされることとしてもよい。
さらに、図11(B)に示すように、ピックアップステップの際に、チップ23の中心領域23Eを突き上げることとしてもよい。この図11(B)では、第一~第四突き上げステップにおいて押圧される第一領域~第四領域23A~23Dに加え、中心領域23Eが押圧される例が示される。
以上のようにして本発明を実現することができる。
即ち、図5乃至図9に示すように、
テープ19の表面側に貼着された矩形のチップ23をテープ19からピックアップするピックアップ方法であって、
テープ19の裏面側からテープ19を突き上げるための押圧面57であって、ピックアップすべきチップ23の裏面の面積よりも小さい押圧面57を上部に有した昇降自在な突き上げ部材54と、
突き上げ部材54の周囲においてテープ19の裏面を吸引保持する吸引面52aを有する外層部52と、を備える突き上げ機構50を用い、
突き上げ部材54がテープ19を介してチップ23の第一角部に位置付けられるように突き上げ機構50を位置付ける第一位置付けステップと、
第一位置付けステップを実施した後、吸引面52aでテープ19を吸引保持するとともに突き上げ部材54でテープ19を介して第一角部を突き上げてテープ19から第一角部を剥離させる第一突き上げステップと、
第一突き上げステップを実施した後、突き上げ部材54がテープ19を介してチップ23の第二角部に位置付けられるように突き上げ機構50を位置付ける第二位置付けステップと、
第二位置付けステップを実施した後、吸引面52aでテープ19を吸引保持するとともに突き上げ部材54でテープ19を介して第二角部を突き上げてテープ19から第二角部を剥離させる第二突き上げステップと、
第二突き上げステップを実施した後、突き上げ部材54がテープ19を介してチップ23の第三角部に位置付けられるように突き上げ機構50を位置付ける第三位置付けステップと、
第三位置付けステップを実施した後、吸引面52aでテープ19を吸引保持するとともに突き上げ部材54でテープ19を介して第三角部を突き上げてテープ19から第三角部を剥離させる第三突き上げステップと、
第三突き上げステップを実施した後、突き上げ部材54がテープ19を介してチップ23の第四角部に位置付けられるように突き上げ機構50を位置付ける第四位置付けステップと、
第四位置付けステップを実施した後、吸引面52aでテープ19を吸引保持するとともに突き上げ部材54でテープ19を介して第四角部を突き上げてテープ19から第四角部を剥離させる第四突き上げステップと、
第四突き上げステップを実施した後、チップ23を挟んで突き上げ機構50に対面したピックアップ機構70のコレット76(チップ保持部材)でチップ23を保持してテープ19からチップ23をピックアップするピックアップステップと、を実行する、ピックアップ方法とするものである。
また、図1、図2、及び、図5(A)(B)に示すように、
テープ19に貼着された矩形のチップ23をテープ19からピックアップするピックアップ装置2であって、
テープ19の外周側が固定されるフレームを保持するフレーム保持機構14と、
テープ19の裏面側からテープ19を突き上げるための押圧面57であって、ピックアップすべきチップ23の裏面の面積よりも小さい押圧面57を上部に有した昇降自在な突き上げ部材54と、突き上げ部材54の周囲においてテープ19の裏面を吸引保持する吸引面52aを有する外層部52と、を備えた突き上げ機構50と、
テープ19に貼着されたチップ23を挟んで突き上げ機構50に対向して配設され、チップ23を吸引保持するピックアップ機構70と、
フレーム保持機構14を突き上げ機構50に対して相対移動させる位置付け機構30と、
少なくとも突き上げ機構50と位置付け機構30とを制御するコントローラ1と、を備え、
コントローラ1は、ピックアップすべきチップ23の角部に突き上げ部材54が位置付くようにフレーム保持機構14を位置付けた後、吸引面52aでテープ19を吸引保持するとともに突き上げ部材54でテープ19を介して角部を突き上げてテープ19から角部を剥離させる操作を全ての角部に対して実施するように制御する、
ピックアップ装置2とするものである。
以上に説明した実施形態によれば、図6(A)の例に示されるように、ピックアップされるチップ23よりも小さい押圧面57を有するき上げ部材54により、チップの角部を順に突き上げることで、テープからチップを剥離させるものであり、これにより、複数の異なるチップのサイズに対応することが可能となる。
こうして、突き上げ部材の付替え作業のための作業手間や作業時間を省略できるとともに、さらには、復数種類の突き上げ部材の制作コスト負担や管理負担もなくすことが可能となる。
1 コントローラ
2 ピックアップ装置
13 ウェーハ
14 フレーム保持機構
16 フレーム支持部
18 フレーム押さえ部
19 テープ
21 環状フレーム
23 チップ
23a 第一角部
23E 中心領域
23M 面積
30 位置付け機構
50 突き上げ機構
52 外層部
52a 吸引面
52b 吸引溝
52c 昇降機構
54 突き上げ部
54a 第一突き上げピン
54b 第二突き上げピン
57 押圧面
57a 第一角部
57M 面積
60 ウェーハ撮像カメラ
70 ピックアップ機構
76 コレット(チップ保持部材)
76a 吸引面
80 コレット移動機構

Claims (4)

  1. テープの表面側に貼着された矩形のチップを該テープからピックアップするピックアップ方法であって、
    該テープの裏面側から該テープを突き上げるための矩形の押圧面であって、ピックアップすべき該チップの裏面の面積よりも小さい押圧面を上部に有した昇降自在な突き上げ部材と、
    該突き上げ部材の周囲において該テープの裏面を吸引保持する吸引面を有する外層部と、を備える突き上げ機構を用いてピックアップするものであり
    該押圧面は第一角部、第二角部、第三角部、第四角部を有する矩形に構成され、
    該突き上げ部材の該押圧面の第一角部が該テープを介して該チップの第一角部に位置付けられるように該突き上げ機構を位置付ける第一位置付けステップと、
    該第一位置付けステップを実施した後、該吸引面で該テープを吸引保持するとともに該突き上げ部材で該テープを介して該チップの第一角部を突き上げて該テープから該チップの第一角部を剥離させる第一突き上げステップと、
    該第一突き上げステップを実施した後、該突き上げ部材の該押圧面の第二角部が該テープを介して該チップの第二角部に位置付けられるように該突き上げ機構を位置付ける第二位置付けステップと、
    該第二位置付けステップを実施した後、該吸引面で該テープを吸引保持するとともに該突き上げ部材で該テープを介して該チップの第二角部を突き上げて該テープから該チップの第二角部を剥離させる第二突き上げステップと、
    該第二突き上げステップを実施した後、該突き上げ部材の該押圧面の第三角部が該テープを介して該チップの第三角部に位置付けられるように該突き上げ機構を位置付ける第三位置付けステップと、
    該第三位置付けステップを実施した後、該吸引面で該テープを吸引保持するとともに該突き上げ部材で該テープを介して該チップの第三角部を突き上げて該テープから該チップの第三角部を剥離させる第三突き上げステップと、
    該第三突き上げステップを実施した後、該突き上げ部材の該押圧面の第角部が該テープを介して該チップの第四角部に位置付けられるように該突き上げ機構を位置付ける第四位置付けステップと、
    該第四位置付けステップを実施した後、該吸引面で該テープを吸引保持するとともに該突き上げ部材で該テープを介して該チップの第四角部を突き上げて該テープから該チップの第四角部を剥離させる第四突き上げステップと、
    該第四突き上げステップを実施した後、該チップを挟んで該突き上げ機構に対面したチップ保持部材で該チップを保持して該テープから該チップをピックアップするピックアップステップと、を実行する、ピックアップ方法。
  2. 該突き上げ部は、四角柱状に形成された第一突き上げピンと、中空の四角柱状に形成され該第一突き上げピンを囲繞する第二突き上げピンと、を備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載のピックアップ方法。
  3. 該第一突き上げピンは、該第二突き上げピンよりも高く突き上げられる、
    ことを特徴とする請求項2に記載のピックアップ方法。
  4. テープに貼着され、第一角部、第二角部、第三角部、第四角部を有する矩形のチップを該テープからピックアップするピックアップ装置であって、
    該テープの外周側が固定される環状フレームを保持するフレーム保持機構と、
    該テープの裏面側から該テープを突き上げるための矩形の押圧面であって、ピックアップすべき該チップの裏面の面積よりも小さい押圧面を上部に有した昇降自在な突き上げ部材と、該突き上げ部材の周囲において該テープの裏面を吸引保持する吸引面を有する外層部と、を備えた突き上げ機構と、
    該テープに貼着された該チップを挟んで該突き上げ機構に対向して配設され、該チップを吸引保持するピックアップ機構と、
    該フレーム保持機構を該突き上げ機構に対して相対移動させる位置付け機構と、
    少なくとも該突き上げ機構と該位置付け機構とを制御するコントローラと、を備え、
    該押圧面は第一角部、第二角部、第三角部、第四角部を有する矩形に構成され、
    該コントローラは、順次、ピックアップすべき該チップの角部に該突き上げ部材の該押圧面の各角部が位置付くように該フレーム保持機構を位置付けた後、該吸引面で該テープを吸引保持するとともに該突き上げ部材の該押圧面の各角部で該テープを介して該チップの各角部を突き上げて該テープから該チップの各角部を剥離させる操作を実施するように制御する、
    ピックアップ装置。
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