JP7407976B2 - 縮合環誘導体及びその薬学的用途 - Google Patents

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Description

本出願は以下の優先権を主張する:
CN202010435705.1、出願日は2020年05月21日であり;
CN202010699302.8、出願日は2020年07月20日であり;
CN202010941000.7、出願日は2020年09月09日であり;
CN202011257770.6、出願日は2020年11月11日であり;
CN202110059299.8、出願日は2021年01月14日である。
本発明は、一類の縮合環誘導体に関し、具体的には、式(I)で表される化合物及びその薬学的に許容される塩に関する。
インフルエンザウイルス(IFV)は、ヒトや動物にインフルエンザを引き起こすことができるセグメント化一本鎖アンチセンスRNAウイルスである。インフルエンザウイルスは、非常に高い罹患率と死亡率を引き起こし、特にA型インフルエンザウイルスは、1918年~1920年の「スペインかぜ」(H1N1亜型)、1957年~1958年の「アジアかぜ」(H2N2亜型)、1968~1969年の「アジアかぜ」(H3N2亜型)、1977~1978年の「香港かぜ」(H1N1亜型)、2009年3月にメキシコで初めて発生した「A型H1N1亜型インフルエンザ」のような世界的大流行を引き起こす可能性もある。インフルエンザが大流行すると、大勢の人々が死亡し、大きな社会的パニックを引き起こし、社会的不安定要素を増大させる。 A型インフルエンザウイルスは、一本鎖マイナス鎖RNAウイルスであり、そのゲノムは、8つのRNAセグメントを含み、11種類のタンパク質(ヘマグルチニン(HA)、ノイラミニダーゼ(NA)、核タンパク質(NP)、M1、M2、NS1、NS2、PA、PB1、PB1-F2及びPB2)をコードする。A型インフルエンザウイルスは、ウイルス表面にあるヘマグルチニン(HA)とノイラミニダーゼ(NA)という2つのタンパク質によっていくつかの亜型に分けられる。18種類のHA亜型と11種類のNA亜型が知られている。インフルエンザウイルスのヘマグルチニン(HA)は、宿主細胞のシアル酸糖タンパク質を認識し、ウイルス外膜と細胞内小胞膜の融合を仲介して、ウイルスカプシドを細胞質内に放出する役割を担う。インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼ(NA)は、複製時にウイルス粒子の表面からシアル酸を除去し、ウイルス粒子が宿主細胞表面に蓄積し続けるのを防ぎ、それによってビリオンの放出とさらなる宿主細胞への感染を促進させる。
インフルエンザウイルスのタンパク質合成は、宿主細胞の翻訳機構を利用しているが、ウイルスは、宿主タンパク質の翻訳を中断し、自身のタンパク質合成を加速させることができる。ウイルスmRNAは、翻訳を開始するために宿主のmRNAの5’末端でキャップ化する必要があり、このプロセスは、「キャップスナッチング」として知られており、主にウイルスのRNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)によって達成され、そのPAサブユニットは、RNAエンドヌクレアーゼの活性を有し、宿主のmRNAを切断する役割を担う。ポリアデニル化とキャップスナッチングを終えたウイルスmRNAは、核を出て細胞質に入り、宿主細胞のmRNAと同様に翻訳され、ウイルスvRNAセグメントの核輸出は、ウイルスのM1タンパク質及びNS2タンパク質によって仲介され、M1タンパク質がvRNAやNPタンパク質と相互作用しながら核輸出タンパク質であるNS2とも相互作用できるため、核輸出タンパク質であるNS2は、M1-RNPを核タンパク質として核から宿主細胞の細胞質へ移行させる役割を担う。
現在、インフルエンザの治療には、ワクチン接種及び抗ウイルス剤による化学療法及び化学予防がある。インフルエンザに対するワクチン接種は、子どもや高齢者、喘息、糖尿病、心臓病などのハイリスクグループにしばしば推奨されている。しかしながら、ワクチン接種でインフルエンザを完全に防ぐことはできず、インフルエンザウイルスの抗原変異が起こる可能性がある。1つの細胞に複数のウイルスが感染すると、ゲノム中の8つの別々のvRNAセグメントが混合又は再選択され、その結果、ウイルスの遺伝子が急速に変化し、抗原シフトが生じ、ウイルスが新しい宿主生物種に感染させて防御免疫を急速に克服できるようになる。
インフルエンザの治療には抗ウイルス剤が使用され、A型インフルエンザにはオセルタミビル(タミフル)などのノイラミニダーゼ(NA)阻害剤が有効であるが、臨床観察により、これらのノイラミニダーゼ阻害剤の薬剤耐性株が出現していることが分かる。抗インフルエンザウイルス剤の分野では、単剤によるA型インフルエンザの治療を支持するか、又は既に発売された他の抗インフルエンザウイルス剤との併用によるA型インフルエンザの予防と治療にも対応できる、新規の作用機序を有する抗インフルエンザウイルス剤の開発が急務となっている。WO2016175224には、以下の化合物及びそのプロドラッグが記載されている。
本発明は、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
ただし、
は、H、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル及びオキセタンから選択され、
各Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、C1~3アルキル及びC1~3アルコキシから選択され、前記C1~3アルキル及びC1~3アルコキシは、1、2又は3つのハロゲンにより任意に置換され、
mは、0、1及び2から選択され、
は、
フェニル、5~6員のヘテロアリール、C1~3アルキル及びC3~6シクロアルキルから選択され、前記フェニル、5~6員のヘテロアリール、C1~3アルキル及びC3~6シクロアルキルは、1、2又は3のRにより任意に置換され、
は、フェニル及びベンジルから選択され、
は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1~3アルキル及びC1~3アルコキシから選択され、前記C1~3アルキル及びC1~3アルコキシは、1、2又は3つのハロゲンにより任意に置換され、
は、H、
及び-C(R-O-C(=O)-O-Rから選択され、
Rcは、それぞれ独立して、H及びC1~3アルキルから選択され、
は、H及びC1~3アルキルから選択され、前記C1~3アルキルは、1、2又は3つのRにより任意に置換され、
Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、C1~3アルキルアミノ、ヒドロキシ及びC1~3アルコキシから選択され、
は、-(CH-、-(CHO-及び-CH=CH-CHO-から選択され、
各nは、1、2及び3から選択され、
前記5~6員のヘテロアリールは、それぞれ独立してO、S、N及びNHから選択される1、2又は3つのヘテロ原子又はヘテロ原子団を含む。
本発明の一部の形態において、上記Rは、H、メチル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロブチル及び
から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、F、Cl、Br、メチル及びメトキシから選択され、前記メチル及びメトキシは、1、2又は3つのハロゲンにより任意に置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、F、Cl及びメチルから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、フェニルから選択され、前記フェニルは、1、2又は3つのRにより任意に置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、
から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、Hから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、H、メチル、エチル及びイソプロピルから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、H、
、-CH-O-C(=O)-OH、-CH-O-C(=O)-OCH、-CH-O-C(=O)-OCHCH及び-CH-O-C(=O)-OCH(CHから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Eは、-CH-、-(CH-、-CHO-、-(CHO-、-(CHO-及び-CH=CH-CHO-から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明は、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
ただし、
は、H及びC1-3アルキルから選択され、
各Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、C1~3アルキル及びC1~3アルコキシから選択され、前記C1~3アルキル及びC1~3アルコキシは、1、2又は3つのハロゲンにより任意に置換され、
mは、0、1及び2から選択され、
は、
、フェニル、5~6員のヘテロアリール、C1~3アルキル及びC3~6シクロアルキルから選択され、前記フェニル、5~6員のヘテロアリール、C1~3アルキル及びC3~6シクロアルキルは、1、2又は3のRにより任意に置換され、
は、フェニル及びベンジルから選択され、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C1~3アルキル及びC1~3アルコキシから選択され、前記C1~3アルキル及びC1~3アルコキシは、1、2又は3つのハロゲンにより任意に置換され、
は、H及び-C(R-O-C(=O)-O-Rから選択され、
Rcは、それぞれ独立して、H及びC1~3アルキルから選択され、
は、H及びC1~3アルキルから選択され、前記C1~3アルキルは、1、2又は3つのRにより任意に置換され、
Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、C1~3アルキルアミノ、ヒドロキシ及びC1~3アルコキシから選択され、
は、-(CH-及び-(CHO-から選択され、
各nは、1、2及び3から選択され、
前記5~6員のヘテロアリールは、それぞれ独立してO、S及びNから選択される1、2又は3つのヘテロ原子又はヘテロ原子団を含む。
本発明の一部の形態において、上記Rは、H及びメチルから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、F、Cl、Br、メチル及びメトキシから選択され、前記メチル及びメトキシは、1、2又は3つのハロゲンにより任意に置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、F、Cl及びメチルから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、フェニルから選択され、前記フェニルは、1、2又は3つのRにより任意に置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、フェニルから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、Hから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、H、メチル及びエチルから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Eは、-CH-、-(CH-、-CHO-及び-(CHO-から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明は、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
ただし、
は、H、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル及びオキセタンから選択され、
各Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、C1~3アルキル及びC1~3アルコキシから選択され、前記C1~3アルキル及びC1~3アルコキシは、1、2又は3つのハロゲンにより任意に置換され、
mは、0、1及び2から選択され、
は、
、フェニル、5~6員のヘテロアリール、C1~3アルキル及びC3~6シクロアルキルから選択され、前記フェニル、5~6員のヘテロアリール、C1~3アルキル及びC3~6シクロアルキルは、1、2又は3のRにより任意に置換され、
は、フェニル及びベンジルから選択され、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C1~3アルキル及びC1~3アルコキシから選択され、前記C1~3アルキル及びC1~3アルコキシは、1、2又は3つのハロゲンにより任意に置換され、
は、H及び-C(R-O-C(=O)-O-Rから選択され、
Rcは、それぞれ独立して、H及びC1~3アルキルから選択され、
は、H及びC1~3アルキルから選択され、前記C1~3アルキルは、1、2又は3つのRにより任意に置換され、
Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、C1~3アルキルアミノ、ヒドロキシ及びC1~3アルコキシから選択され、
は、-(CH)n-及び-(CHO-から選択され、
各nは、1、2及び3から選択され、
前記5~6員のヘテロアリールは、それぞれ独立してO、S及びNから選択される1、2又は3つのヘテロ原子又はヘテロ原子団を含む。
本発明の一部の形態において、上記Rは、H、メチル、シクロプロピル、シクロブチル及び
から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、H、-CH-O-C(=O)-OH、-CH-O-C(=O)-OCH及び-CH-O-C(=O)-OCHCHから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明は、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
は、H、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル及びオキセタンから選択され、
各Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、C1~3アルキル及びC1~3アルコキシから選択され、前記C1~3アルキル及びC1~3アルコキシは、1、2又は3つのハロゲンにより任意に置換され、
mは、0、1及び2から選択され、
は、
、フェニル、5~6員のヘテロアリール、C1~3アルキル及びC3~6シクロアルキルから選択され、前記フェニル、5~6員のヘテロアリール、C1~3アルキル及びC3~6シクロアルキルは、1、2又は3のRにより任意に置換され、
は、フェニル及びベンジルから選択され、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C1~3アルキル及びC1~3アルコキシから選択され、前記C1~3アルキル及びC1~3アルコキシは、1、2又は3つのハロゲンにより任意に置換され、
は、H及び-C(R-O-C(=O)-O-Rから選択され、
Rcは、それぞれ独立して、H及びC1~3アルキルから選択され、
は、H、C1~3アルキル及び-(CHCHO)CHから選択され、前記C1~3アルキルは、1、2又は3つのRにより任意に置換され、
Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、C1~3アルキルアミノ、ヒドロキシ及びC1~3アルコキシから選択され、
は、-(CH-、-(CHO-及び-CH=CH-CHO-から選択され、
各nは、1、2及び3から選択され、
前記5~6員のヘテロアリールは、それぞれ独立してO、S及びNから選択される1、2又は3つのヘテロ原子又はヘテロ原子団を含む。
本発明の一部の形態において、上記Rは、H、メチル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロブチル及び
から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、H、メチル、エチル、イソプロピル及び-(CHCHO)CHから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、H、-CH-O-C(=O)-OH、-CH-O-C(=O)-OCH、-CH-O-C(=O)-OCHCH、-CH-O-C(=O)-OCH(CH及び-CH-O-C(=O)-O(CHCHO)CHから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Eは、-CH-、-(CH-、-CHO-、-(CHO-、-(CHO-及び-CH=CH-CHO-から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、F、Cl及びメチルから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、フェニルから選択され、前記フェニルは、1、2又は3つのRbにより任意に置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、フェニル及びp-フルオロフェニルから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明は、式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
ただし、
は、H、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル及びオキセタンから選択され、
各Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、C1~3アルキル及びC1~3アルコキシから選択され、前記C1~3アルキル及びC1~3アルコキシは、1、2又は3つのハロゲンにより任意に置換され、
mは、0、1及び2から選択され、
は、
、フェニル、5~6員のヘテロアリール、C1~3アルキル及びC3~6シクロアルキルから選択され、前記フェニル、5~6員のヘテロアリール、C1~3アルキル及びC3~6シクロアルキルは、1、2又は3のRにより任意に置換され、
は、フェニル及びベンジルから選択され、
は、それぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1~3アルキル及びC1~3アルコキシから選択され、前記C1~3アルキル及びC1~3アルコキシは、1、2又は3つのハロゲンにより任意に置換され、
は、H及び-C(R-O-C(=O)-O-Rから選択され、
Rcは、それぞれ独立して、H及びC1~3アルキルから選択され、
は、H及びC1~3アルキルから選択され、前記C1~3アルキルは、1、2又は3つのRにより任意に置換され、
Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、C1~3アルキルアミノ、ヒドロキシ及びC1~3アルコキシから選択され、
は、-(CH-、-(CHO-及び-CH=CH-CHO-から選択され、
各nは、1、2及び3から選択され、
前記5~6員のヘテロアリールは、それぞれ独立してO、S、N及びNHから選択される1、2又は3つのヘテロ原子又はヘテロ原子団を含む。
本発明の一部の形態において、上記Rは、H、メチル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロブチル及び
から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、F、Cl、Br、メチル及びメトキシから選択され、前記メチル及びメトキシは、1、2又は3つのハロゲンにより任意に置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、F、Cl及びメチルから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、フェニルから選択され、前記フェニルは、1、2又は3つのRにより任意に置換され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、
から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、Hから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、H、メチル、エチル及びイソプロピルから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Rは、H、-CH-O-C(=O)-OH、-CH-O-C(=O)-OCH、-CH-O-C(=O)-OCHCH及び-CH-O-C(=O)-OCH(CHから選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態において、上記Eは、-CH-、-(CH-、-CHO-、-(CHO-、-(CHO-及び-CH=CH-CHO-から選択され、他の変量は本発明で定義された通りである。
本発明の一部の形態は、更に上記の変量を任意の組み合わせにより形成される。
本発明は、更に式(V-1)、(V-2)、(V-3)及び(VI-1)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩を提供し、
ただし、R、R、R、R、m及びnは、本発明で定義された通りである。
本発明は、更に下記式から選択される下記の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
本発明は、更に下記式から選択される上記の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
本発明は、更に下記式から選択される上記の化合物又はその薬学的に許容される塩を提供する。
本発明は、更にインフルエンザウイルスのRNAエンドヌクレアーゼ阻害剤に関連する疾患を治療するための医薬の製造における、上記の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用を提供する。
本発明は、更に上記の使用を提供し、前記使用は、前記RNAエンドヌクレアーゼ阻害剤に関連する医薬が抗インフルエンザウイルス剤であることを特徴とする。
本発明は、更に下記の合成経路を提供する。
[定義及び説明]
別途に説明しない限り、本明細書で用いられる以下の用語及び連語は以下の意味を含む。1つの特定の用語又は連語は、特別に定義されない場合、不確定又は不明瞭ではなく、普通の定義として理解されるべきである。本明細書で商品名が出た場合、相応の商品又はその活性成分を指す。
本明細書で用いられる「薬学的に許容される塩」は、それらの化合物、材料、組成物及び/又は剤形に対するもので、これらは信頼できる医学判断の範囲内にあり、ヒト及び動物の組織との接触に適し、毒性、刺激性、アレルギー反応又はほかの問題又は合併症があまりなく、合理的な利益/リスク比に合う。
用語「薬学的に許容される塩」とは、本発明の化合物の塩で、本発明で発見された特定の置換基を有する化合物と比較的に無毒の酸又は塩基とで製造される。本発明の化合物に比較的に酸性の官能基が含まれる場合、単独の溶液又は適切な不活性溶媒において十分な量の塩基でこれらの化合物と接触することで塩基付加塩を得ることができる。薬学的に許容される塩基付加塩は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウム、有機アミン又はマグネシウム塩あるいは類似の塩を含む。本発明で化合物に比較的塩基性の官能基が含まれる場合、単独の溶液又は適切な不活性溶媒において十分な量の酸でこれらの化合物と接触することで酸付加塩を得ることができる。薬学的に許容される酸付加塩の実例は、無機酸塩及び有機酸塩、さらにアミノ酸(例えばアルギニンなど)の塩、及びグルクロン酸のような有機酸の塩を含み、前記無機酸は、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、炭酸、炭酸水素イオン、リン酸、リン酸一水素イオン、リン酸二水素イオン、硫酸、硫酸水素イオン、ヨウ化水素酸、亜リン酸などを含み、前記有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、イソ酪酸、マレイン酸、マロン酸、安息香酸、コハク酸、スベリン酸、フマル酸、乳酸、マンデル酸、フタル酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、酒石酸やメタンスルホン酸などの類似の酸を含む。本発明の一部の特定的の化合物は、塩基性及び酸性の官能基を含有するため、任意の塩基付加塩又は酸付加塩に転換することができる。
本発明の薬学的に許容される塩は、酸基又は塩基性基を含む母体化合物から通常の方法で合成することができる。通常の場合、このような塩の製造方法は、水又は有機溶媒あるいは両者の混合物において、遊離酸又は塩基の形態のこれらの化合物を化学量論量の適切な塩基又は酸と反応させて製造する。
別途に定義しない限り、用語「C1~3アルキル」は、直鎖又は分枝鎖の1~3個の炭素原子で構成された飽和炭化水素基を表す。前記C1~3アルキルは、C1~2、C2~3アルキル基などを含み、1価(例えばメチル)、2価(例えばメチレン)及び多価(例えばメチン)であり得る。C1~3アルキルの実例は、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(n-プロピル及びイソプロピルを含む)を含むが、これらに限定されない。
別途に定義しない限り、用語「C1~3アルコキシ」は、酸素原子を介して分子の残り部分に連結した1~3個の炭素原子を含むアルキル基を表す。前記C1~3アルコキシ基は、C1~2、C2~3、C及びCアルコキシなどを含む。C1~3アルコキシの実例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(n―プロポキシ又はイソプロポキシを含む)などを含むが、これらに限定されない。
別途に定義しない限り、「C3~6シクロアルキル」は、3~6個の炭素原子で構成された飽和炭化水素基であり、単環式及び二環式環系を表し、前記C3~6シクロアルキルは、C3~5、C4~5又はC5~6シクロアルキルなどを含み、一価、二価又は多価であり得る。C3~6シクロアルキルの実例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを含むが、これらに限定されない。
別途に定義しない限り、「C3~4シクロアルキル」は、3~4個の炭素原子で構成された環状飽和炭化水素基であり、前記C3~4シクロアルキルは、単環式環系を表し、1価、2価又は多価であり得る。C3~4シクロアルキルの実例は、シクロプロピル基、シクロブチル基などを含むが、これらに限定されない。
別途に定義しない限り、本発明の用語「5~6員のヘテロ芳香環」と「5~6員のヘテロアリール」は交換的に使用することができ、用語「5~6員のヘテロアリール」は5~6個の環原子で構成された共役π電子系を持つ単環式基であり、その1、2、3及び4個の環原子は独立してO、S及びNのヘテロ原子から選択され、残りは炭素原子である。ここで、窒素原子は任意に四級化されており、窒素及び硫黄ヘテロ原子は任意に酸化される(すなわち、NO及びS(O)、pは1又は2である)。5~6員のヘテロアリールは、ヘテロ原子又は炭素原子を介して分子の他の部分に連結される。前記5~6員のヘテロアリールは、5員又は6員のヘテロアリールを含む。5~6員のヘテロアリールの実例は、ピロリル(N-ピロリル、2-ピロリル及び3-ピロリルなどを含む)、ピラゾリル(2-ピラゾリル及び3-ピラゾリルなどを含む)、イミダゾリル(N-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル及び5-イミダゾリルなどを含む)、オキザゾリル(2-オキサゾリル、4-オキサゾリル及び5-オキザゾリルなどを含む)、トリアゾリル(1H-1、2、3-トリアゾリル、2H-1、2、3-トリアゾリル、1H-1、2、4-トリアゾリル及び4H-1、2、4-トリアゾリルなど)、テトラゾリル、イソキサゾリル(3-イソキサゾリル、4-イソキサゾリル及び5-イソキサゾリルなど)、チアゾリル(2-チアゾリル、4-チアゾリル及び5-チアゾリルなどを含む)、フラニル(2-フラニル及び3―フラニルなどを含む)、チエニル(2-チエニル及び3-チエニルなどを含む)、ピリジル(2-ピリジル、3-ピリジル及び4-ピリジルなどを含む)、ピラジニル又はピリミジニル(2-ピリミジニル及び4-ピリミジニルなどを含む)を含むが、これらに限定されない。
別途に定義しない限り、用語「ハロゲン」又は「ハロ」は、それ自体又は別の置換基の一部として、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を意味する。
別途に定義しない限り、用語「異性体」は、幾何異性体、シス-トランス異性体、立体異性体、エナンチオマー、光学異性体、ジアステレオマー及び相互変換異性体を含むことを意図する。
本発明の化合物は、特定の幾何又は立体異性体の形態が存在してもよい。本発明は、全てのこのような化合物を想定し、シス及びトランス異性体、(-)-及び(+)-エナンチオマー、(R)-及び(S)-エナンチオマー、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、及びそのラセミ混合物並びに他の混合物、例えばエナンチオマー又は非エナンチオマーを多く含有する混合物を含み、全てのこれらの混合物は本発明の範囲内に含まれる。アルキル等の置換基に他の不斉炭素原子が存在してもよい。全てのこれらの異性体及びこれらの混合物はいずれも本発明の範囲内に含まれる。
別途に説明しない限り、用語「エナンチオマー」又は「光学異性体」とは互いに鏡像の関係にある立体異性体である。
別途に説明しない限り、用語「シス-トランス異性体」又は「幾何異性体」とは二重結合又は環構成炭素原子の単結合が自由に回転できないことによるものである。
別途に説明しない限り、用語「ジアステレオマー」とは分子が二つ又は複数のキラル中心を有し、かつ分子同士は非鏡像の関係にある立体異性体である。
別途に説明しない限り、「(+)」は右旋性を意味し、「(-)」は左旋性を意味し、「(±)」はラセミ体を意味する。
別途に説明しない限り、楔形実線結合(
Figure 0007407976000039
)及び楔形点線結合(
Figure 0007407976000040
)で1つの立体中心の絶対配置を、棒状実線結合(
Figure 0007407976000041
)及び棒状点線結合(
Figure 0007407976000042
)で立体中心の相対配置を、波線(
Figure 0007407976000043
)で楔形実線結合(
Figure 0007407976000044
)又は楔形点線結合(
Figure 0007407976000045
)を、或いは波線(
Figure 0007407976000046
)で棒状実線結合(
Figure 0007407976000047
)又は棒状点線結合(
Figure 0007407976000048
)を表す。
別途に説明しない限り、用語「1つの異性体に富む」、「異性体豊富な」、「1つのエナンチオマーに富む」又は「エナンチオマー豊富な」とは、1つの異性体又はエナンチオマーの含有量が100%未満で、且つこの異性体又はエナンチオマーの含有量が60%以上、又は70%以上、又は80%以上、又は90%以上、又は95%以上、又は96%以上、又は97%以上、又は98%以上、又は99%以上、又は99.5%以上、又は99.6%以上、又は99.7%以上、又は99.8%以上、又は99.9%以上であることを意味する。
別途に説明しない限り、用語「異性体過剰率」又は「エナンチオマー過剰率」とは、2つの異性体又は2つのエナンチオマーの相対百分率の間の差を意味する。例えば、1つの異性体又はエナンチオマーの含有量が90%であり、もう1つの異性体又はエナンチオマーの含有量が10%である場合、異性体又はエナンチオマー過剰率(ee値)は80%である。
光学活性な(R)-及び(S)-異性体ならびにD及びL異性体は、キラル合成又はキラル試薬又はほかの通常の技術によって調製することができる。本発明のある化合物の1つのエナンチオマーを得るには、不斉合成又はキラル補助剤を有する誘導作用によって調製することができるが、ここで、得られたジアステレオマー混合物を分離し、かつ補助基を分解させて単離された所要のエナンチオマーを提供する。あるいは、分子に塩基性官能基(例えばアミノ基)又は酸性官能基(例えばカルボキシル基)が含まれる場合、適切な光学活性な酸又は塩基とジアステレオマーの塩を形成させ、さらに本分野で公知の通常の方法によってジアステレオマーを分割した後、回収して単離されたエナンチオマーを得る。また、エナンチオマーとジアステレオマーの分離は、通常、クロマトグラフィー法によって達成され、前記クロマトグラフィーは、キラル固定相を使用し、かつ任意の化学誘導法(例えば、アミンからカルバミン酸塩を生成させる)を併用する。
本発明の化合物は、その化合物を構成する1つ以上の原子には、非天然の原子同位元素が含まれてもよい。例えば三重水素(H)、ヨウ素-125(125I)又はC-14(14C)のような放射性同位元素で化合物を標識することができる。また、例えば重水素で水素を置換して重水素化薬物を形成することができ、重水素と炭素で形成された結合は、通常の水素と炭素で形成された結合よりも強く、重水素化されていない薬物と比較して、重水素化された薬物には、毒性の副作用が軽減され、薬物の安定性が増し、治療効果が向上され、薬物の生物学的半減期が延長されるという利点がある。本発明の化合物の同位体組成の変換は、放射性の有無に関わらず、本発明の範囲に含まれる。
用語「任意」また「任意に」は、後記の事項又は状況によって可能であるが必ずしも現れるわけではなく、かつ当該記述はそれに記載される事項又は状況が生じる場合及びその事項又は状況が生じない場合を含むことを意味する。
用語「置換された」は、特定の原子における任意の1つ以上の水素原子が置換基で置換されたことで、特定の原子価状態が正常でかつ置換後の化合物が安定していれば、置換基は重水素及び水素の変形体を含んでもよい。置換基がケト基(すなわち=O)である場合、2つの水素原子が置換されたことを意味する。ケト基置換は、芳香族基で生じない。用語「任意に置換される」は、置換されてもよく、置換されなくてもよく、別途に定義しない限り、置換基の種類と数は化学的に達成可能な限り任意であり得る。
変量(例えばR)のいずれかが化合物の組成又は構造に1回以上現れた場合、その定義はいずれの場合においても独立である。そのため、例えば、1つの基が0~2個のRで置換された場合、前記基は任意に2個以下のRで置換され、かついずれの場合においてもRは独立して選択肢を有する。また、置換基及び/又はその変形体の組み合わせは、このような組み合わせであれば安定した化合物になる場合のみ許容される。
連結基の数が0の場合、例えば、-(CRR)-は、当該連結基が単結合であることを意味する。
置換基の数が0の場合、当該置換基が存在しないことを表し、例えば、-A-(R)は、当該構造が実際に-Aとなることを表す。
置換基がない場合、当該置換基が存在しないことを表し、例えば、A-XのXがない場合、当該構造が実際にAとなることを表す。
そのうち1つの変量が単結合の場合、それで連結する2つの基が直接連結し、例えばA-L-ZにおけるLが単結合を表す場合、この構造は実際にA-Zになる。
置換基の結合が一つの環上の2つ以上の原子に交差結合できる場合、これらの置換基は当該環上の任意の原子を通して結合することができ、例えば、構造単位
又は
は、置換基Rがシクロヘキシル又はシクロヘキサジエンの任意の位置で置換できることを示す。挙げられた置換基に対してどの原子を通して置換された基に結合されるかが明示しない場合、このような置換基はその任意の原子を通して結合することができ、例えば、置換基としてのピリジニル基は、ピリジン環の任意の炭素原子を通して置換基に結合してもよい。
挙げられた連結基がほかの連結方向を明示しない場合、その連結方向は任意であり、例えば、
における連結基Lは-M-W-であり、この時-M-W-は左から右への読み取る順序と同じ方向に環Aと環Bを結合して、
を構成することができ、また、左から右への読み取る順序と逆方向に環Aと環Bを結合して、
を構成することもできる。上記連結基、置換基及び/又はその変形体の組み合わせは、このような組み合わせであれば安定した化合物になる場合のみ許容される。
特に明記しない限り、ある基が1つ以上の結合可能な部位を有する場合、当該基の任意の1つ以上の部位は、化学結合によって他の基に結合することができる。当該化学結合の結合方式が非局在であり、且つ結合可能な部位にH原子が存在する場合、化学結合を結合すると、当該部位のH原子の個数は、結合された化学結合の個数に応じて相応の価数の基に減少する。前記部位が他の基と結合する化学結合は、直線実線結合(
Figure 0007407976000054
)、直線破線結合(
Figure 0007407976000055
)、又は波線(
)で表すことができる。例えば、-OCHの直線実線結合は、当該基の酸素原子を介して他の基に結合されていることを意味する。
中の直線の破線結合は、当該基内の窒素原子の両端が他の基に結合されていることを意味する。
中の波線は、当該フェニル基の1と2位置の炭素原子を介して他の基に結合されていることを意味する。
は、当該ピペリジニル基の任意の結合可能な部位が1つの化学結合によって他の基に結合できることを意味し、少なくとも
の四つの結合形態を含み、H原子が-N-に描かれていても、
には
この結合形態の基が含まれるが、1つの化学結合が接続されると、その部位のHは1つ減少して対応する一価ピペリジニル基になる。
用語「保護基」は「アミノ保護基」、「ヒドロキシ保護基」又は「メルカプト保護基」を含むが、これらに限定されない。用語「アミノ保護基」とはアミノ基の窒素の位置における副反応の防止に適する保護基を指す。代表的なアミノ酸保護基は、ホルミル基、アルカノイル基(例えばアセチル基、トリクロロアセチル基又はトリフルオロアセチル基)のようなアシル基、t-ブトキシカルボニル(Boc)基のようなアルコキシカルボニル基、ベントキシカルボニル(Cbz)基及び9-フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基のようなアリールメトキシカルボニル基、ベンジル(Bn)基、トリチル(Tr)基、1,1-ビス(4’-メトキシフェニル)メチルのようなアリールメチル基、トリメチルシリル(TMS)基及びt-ブチルジメチルシリル(TBS)基のようなシリル基などを含むが、これらに限定されない。用語「ヒドロキシ保護基」とはヒドロキシ基の副反応の防止に適する保護基を指す。代表的なヒドロキシ保護基は、メチル基、エチル基及びt-ブチル基のようなアルキル基、アルカノイル基(例えばアセチル基)のようなアシル基、ベンジル(Bn)基、p-メトキシベンジル(PMB)基、9-フルオレニルチル(Fm)基及びジフェニルメチル(DPM)基のようなアリールメチル基、トリメチルシリル(TMS)及びt-ブチルジメチルシリル(TBS)基のようなシリル基などを含むが、これらに限定されない。
本発明の化合物は当業者に周知の様々な合成方法によって製造することができ、以下に挙げられた具体的な実施形態、他の化学合成方法と合わせた実施形態及び当業者に周知の同等の代替方法を含み、好適な実施形態は本発明の実施例を含むが、これらに限定されない。
本発明の化合物の構造は、当業者に周知の従来の方法によって確認することができ、本発明が化合物の絶対配置に関する場合、絶対配置は、当業者の従来の技術的手段によって確認することができる。例えば、単結晶X線回折(SXRD)、培養された単結晶はBruker D8 venture回折計によって収集され、光源はCuKα放射線、走査方法:φ/ω走査、関連データを収集した後、更に直接法は(Shelxs97)結晶構造解析により、絶対配置を確認できる。
本発明は下記の略語を使用する:aqとHOは水を表し;eqは当量、等量を表し;Bocはt-ブトキシカルボニルを表し;PEは石油エーテルを表し;ACNはアセトニトリルを表し;EtOAcは酢酸エチルを表し;EtOHはエタノールを表し;MeOHはメタノールを表し;Allylはアリルを表し;DBUは1,8-ジアザビシクロ[5,4,3]ウンデク-7-エンを表し;PPTSはp-トルエンスルホン酸ピリジニウムを表し;DMAはジメチルアセトアミドを表し;DMPはデス-マーチン酸化剤を表し;TPは1-プロピルリン酸環状無水物を表し;HPLCは高速液体クロマトグラフィーを表し;LCMSは液体クロマトグラフィー質量分析を表し;r.t.は室温を表し;mpは融点を表し;℃は摂氏度を表し;hは時間を表し;mLはミリリットルを表し;mMはミリモル/リットルを表し;mmolはミリモルを表し;μmolはマイクロモルを表し;HNMRは水素核磁気共鳴分析法を表し;MSは質量分析を表し;minは分を表し;pHは水素イオンのモル濃度の負対数を表す。
本発明の化合物は、細胞レベルのインフルエンザウイルス複製阻害試験において正の効果を示し、動物治療モデル有効性試験において保護効果を示し、薬物動態特性が医薬品の要件に符合するものである。
化合物1とS-033447の重ね合わせシミュレーション; 化合物2とS-033447の重ね合わせシミュレーション; 化合物3とS-033447の重ね合わせシミュレーション; 化合物4とS-033447の重ね合わせシミュレーション; 化合物5とS-033447の重ね合わせシミュレーション; 化合物6とS-033447の重ね合わせシミュレーション; 化合物7とS-033447の重ね合わせシミュレーション。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の不利な制限を意味するものではない。本発明は本明細書で詳細に説明されており、その特定の実施形態も開示されており、当業者にとって、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の特定の実施形態において様々な変更及び修正を行うことができることは明らかである。
[計算例1]
化合物1~7とS-033447の重ね合わせシミュレーション:
Maestro(Schrodingerバージョン2017-2)のGlideSP[1]を使用して、デフォルトオプションで分子ドッキング処理を実行した。PDB IDコードが6FS6及び6FS7の結晶構造をドッキングテンプレートとして選択した。タンパク質を調製するために、Maestro[2]のProtein Preparation Wizardモジュールを使用して水素原子を追加し、OPLS3力場を使用した。リガンドの調製には、3次元構造を作成し、LigPrepを使用してエネルギーを最小化した[3]。6FS6及び6FS7の結晶構造中のリガンド質量中心を使用して、30Åのドッキンググリッドを生成した。リガンドを除去し、分子ドッキング中に例示化合物を配置する。タンパク質受容体とリガンドとの間の相互作用の種類を分析し、計算されたドッキングスコアとglobalStrainの値に基づいて、妥当なドッキングコンフォメーションを選択して保存した。化合物1~7とS-033447の重ね合わせシミュレーションは添付図面に示された通りである。
[1]Glide,Schrodinger,LLC,New York,NY,2017.
[2]Maestro,Schrodinger,LLC,New York,NY,2017.
[3]LigPrep,Schrodinger,LLC,New York,NY,2017.
結論:本発明の分子は、テンプレートタンパク質とのドッキングにより、金属イオンとの配位結合、π-π相互作用、疎水性相互作用などを含む重要な相互作用を形成することができる。標的空洞内の参照分子S-033447のコンフォメーションに類似しており、重ね合わせが良好である。
[実施例1]
合成経路:
工程1:化合物1aの合成
1,3-プロパンジオール(25.0g、328.54mmol、23.81mL、1eq)をジメチルスルホキシド(120mL)に溶解し、水酸化カリウム(18.43g、328.54mmol、1eq)及びp-メトキシベンジルクロリド(51.45g、328.54mmol、44.74mL、1eq)を加え、反応液を25℃で14時間撹拌した。反応液を水(125mL)に注ぎ、酢酸エチル(150mL×2)で抽出した。有機相を合併し、水(250mL)及び飽和食塩水(250mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100:0~50:50)で精製して、化合物1aを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.26(br d,J=8.6Hz,2H),6.89(br d,J=8.6Hz,2H),4.46(s,2H),3.81(s,3H),3.77(t,J=5.7Hz,2H),3.64(t,J=5.8Hz,2H),1.90-1.81(m,2H).
工程2:化合物1bの合成
1a(10.0g、50.96mmol、1eq)をジクロロメタン(130mL)に溶解し、DMP(22.69g、53.51mmol、16.56mL、1.05eq)を数回に分けてゆっくりと加え、反応液を窒素保護下で25℃で1時間撹拌した。反応液をシリカゲルで濾過し、フィルターケーキをジクロロメタン(25mL×4)で洗浄し、濾液を合併して濃縮した。濃縮した濾液に石油エーテル/酢酸エチル(5:1、50mL)を加え、20分間撹拌し、濾過し、フィルターケーキを石油エーテル/酢酸エチル(5:1、30mL×2)で洗浄し、濾液を合併して濃縮した。濃縮した濾液を上記の操作を3回繰り返して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100:0~80:20)で精製して、化合物1bを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=9.79(t,J=1.9Hz,1H),7.28-7.24(m,2H),6.92-6.86(m,2H),4.47(s,2H),3.81(s,3H),3.81-3.78(m,2H),2.69(dt,J=1.9,6.1Hz,2H).
工程3:化合物1cの合成
MeCN(30mL)を添加した三つ口フラスコに、4,5-ジフルオロサリチルアルデヒド(40g、253.00mmol、1eq)、p-メトキシベンジルクロリド(43.58g、278.30mmol、37.90mL、1.1eq)及び炭酸カリウム(52.45g、379.50mmol、1.5eq)を25℃で加え、撹拌を開始した後、反応液を55℃に昇温し、3時間反応を継続した。反応液を濾過して不溶性不純物を除去した後、フィルターケーキをジクロロメタン(2×50mL)で洗浄し、有機相を合併し、減圧濃縮して溶媒を除去し、粗生成物を得た。粗生成物に、石油エーテル(200mL)及び酢酸エチル(20mL)を加えて20℃でスラリー化し、濾過により固体を収集し、化合物1cを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=10.36(d,J=3.0Hz,1H),7.66(t,J=9.7Hz,1H),7.34(d,J=8.8Hz,2H),6.97-6.85(m,3H),5.07(s,2H),3.83(s,3H).
工程4:化合物1dの合成
窒素保護下、1c(35g、125.79mmol、1eq)のテトラヒドロフラン(70mL)溶液にフェニルグリニャール試薬エーテル溶液(3M、44.03mL、1.05eq)を0℃で滴下した後、反応液を20℃に昇温し、この温度で4時間撹拌した。2つの並行反応を合併した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(80mL)を加えてクエンチし、次に酢酸エチル(4×90mL)を加えて抽出し、得られた有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100:0~70:30)で分離精製して、化合物1dを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.32-7.20(m,6H),7.11(d,J=8.5Hz,2H),6.91-6.84(m,2H),6.74(dd,J=6.5,12.0Hz,1H),5.99(d,J=4.8Hz,1H),4.88(s,2H),3.82(s,3H);
19F NMR(377MHz,CDCl)δ=-136.47--137.23(m,1F),-147.20--147.96(m,1F).
工程5:化合物1fの合成
1e(100g、406.15mmol、1eq)をDMA(500mL)に加え、次に炭酸水素ナトリウム(40.94g、487.38mmol、18.96mL、1.2eq)及び硫酸ジメチル(56.74g、449.85mmol、42.66mL、1.11eq)を加え、反応液を20℃で12時間撹拌した。水(750mL)を加え、酢酸エチル(1000mL+500mL)で2回抽出した。有機相を合併し、順次に水(450mL)、飽和食塩水(300mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濾液を減圧濃縮した。化合物1fを得、精製することなく直接に次の工程に使用した。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.74(d,J=5.6Hz,1H),7.45(br d,J=6.5Hz,2H),7.39-7.28(m,3H),6.47(d,J=5.5Hz,1H),5.30(s,2H),3.86(s,3H).
工程6:化合物1gの合成
1f(126g、484.16mmol、1eq)をDMA(650mL)に加え、次にPPTS(316.35g、1.26mol、2.6eq)を加え、反応液を60℃で撹拌した後、Boc-ヒドラジン(83.18g、629.41mmol、1.3eq)のDMA(100mL)溶液を滴下し、反応液を60℃で4時間撹拌を継続した。反応液を室温まで冷却し、撹拌しながら水(1.55L)を加え、酢酸エチル(2×1L)で2回洗浄し、有機相を合併し、飽和食塩水(1L)で1回洗浄した。減圧濃縮後、油状液に酢酸エチル(500mL)を加え、撹拌しながら水(1L)を加えて、固体を析出させ、濾過し、フィルターケーキを酢酸エチルで洗浄した。乾燥後、化合物1gを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.35-7.30(m,2H),7.30-7.26(m,2H),7.25-7.21(m,2H),7.19(s,1H),6.35(d,J=7.9Hz,1H),5.18(s,2H),3.70(s,3H),1.38(s,9H).
工程7:化合物1hの合成
1g(20g、53.42mmol、1eq)をテトラヒドロフラン(200mL)に加え、DBU(2.44g、16.03mmol、2.42mL、0.3eq)及びメチルアミン溶液(50.28g、534.21mmol、濃度:33%、10eq)を順次に加えた。反応液を60℃で12時間反応させた。反応液にジクロロメタン(50mL)を加え、クエン酸水溶液(2×50mL)で2回洗浄した。有機相を減圧濃縮し、濃縮した溶液に酢酸エチル(20mL)を加え、20℃で2時間スラリー化して、化合物1hを得た。
工程8:化合物1iの塩酸塩の合成
1h(13g、34.82mmol、1eq)を酢酸エチル(130mL)に加え、塩酸の酢酸エチル溶液(4M、130mL、14.32eq)を順次に加えた。反応液を25℃で12時間反応させた。反応液を減圧濃縮して、溶媒を除去した。化合物1iの塩酸塩を得、精製することなく直接に次の工程に使用した。
H NMR(400MHz,CDOD)δ=8.37(br d,J=7.3Hz,1H),7.47-7.34(m,5H),7.30-7.24(m,1H),5.24(s,2H),2.91(s,3H).
工程9:化合物1jの合成
化合物1iの塩酸塩(800mg、2.58mmol、1eq)及び1b(551.80mg、2.84mmol、1.1eq)のアセトニトリル(8mL)懸濁液に炭酸カリウム(1.43g、10.33mmol、4eq)を加え、反応液を20℃で18時間撹拌した。反応液を酢酸エチル/水(1:1、20mL)で希釈し、濾過し、フィルターケーキを水(3×5mL)で3回、酢酸エチル(3×5mL)で3回洗浄した。濾液を相分離し、有機相を直接に濃縮乾燥させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で分離精製し、濃縮した粗生成物の画分を先に得られたフィルターケーキと合併して、化合物1jを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.46(dd,J=1.6,7.7Hz,2H),7.28-7.21(m,6H),6.91(d,J=8.5Hz,2H),6.32(d,J=7.5Hz,1H),6.21(d,J=2.8Hz,1H),5.42(d,J=10.5Hz,1H),5.21(d,J=10.5Hz,1H),4.53-4.46(m,1H),4.46-4.38(m,2H),3.84(s,3H),3.46-3.37(m,1H),3.30(td,J=5.2,10.0Hz,1H),2.89(s,3H),1.58-1.41(m,2H).
工程10:化合物1kの合成
1j(800mg、1.78mmol、1eq)及び1d(951.36mg、2.67mmol、1.5eq)を酢酸エチル(25mL)に溶解し、TPの酢酸エチル溶液(2.27g、3.56mmol、2.12mL、濃度:50%、2eq)を加え、反応液を65℃に昇温し、12時間撹拌した。反応液にTPの酢酸エチル溶液(1.13g、1.78mmol、1.06mL、濃度:50%、1eq)を補充して加え、30時間撹拌を継続し、1d(317.12mg、889.88μmol、0.5eq)を補充して加え、12時間撹拌を継続した。反応液を20℃まで冷却し、溶媒を濃縮乾燥させた。ジクロロメタン(15mL)を加え、有機相を水(2×20mL)で2回洗浄し、シリカゲルを加えて濃縮乾燥させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で分離精製して、化合物1kを得た。
工程11:化合物1lの合成
1k(1.33g、1.69mmol、1eq)を塩酸(12M、557.04μL、3.96eq)のメタノール(12.8mL)の予備混合液(~0.5M)に溶解し、反応液を60℃で14.5時間撹拌した。反応液を20℃まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)を加え、混合液をジクロロメタン/メタノール(10:1、10mL×4)で4回抽出した。有機相を合併した後、シリカゲルを加えて濃縮乾燥させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で分離精製して、化合物1lを得た。
工程12:化合物1mの合成
1l(250mg、456.58μmol、1eq)をアセトニトリルで蒸発乾燥させて水を除去し、次にジクロロメタン(4mL)に懸濁し、トリフェニルホスフィン(179.63mg、684.87μmol、1.5eq)を20℃で加えた。反応液をこの温度で15分間撹拌した後、四臭化炭素(227.12mg、684.87μmol、1.5eq)を加え、反応系を清澄化させ、14時間撹拌を継続した。反応液にメタノール(2mL)を加えてクエンチし、シリカゲルを直接に加えて、濃縮乾燥させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で分離精製して、化合物1mを得た。
工程13:化合物1nの合成
1m(193mg、316.16μmol、1eq)をアセトニトリル(1000mL)に溶解し、炭酸セシウム(2.06g、6.32mmol、20eq)を加え、反応液を60℃で18時間撹拌した。反応液を20℃まで冷却し、濾過し、濾過残渣をアセトニトリル(4×10mL)で洗浄し、濾液を濃縮乾燥させた。粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20:1)で分離精製して、化合物1nを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.54(br d,J=6.8Hz,2H),7.33-7.21(m,3H),7.16-6.90(m,5H),6.86(dd,J=7.1,10.3Hz,1H),6.79-6.65(m,1H),6.52(d,J=7.8Hz,1H),5.67(d,J=7.8Hz,1H),5.40-5.29(m,2H),5.05(dd,J=7.1,11.4Hz,1H),4.87(s,1H),4.48-4.39(m,1H),4.07(td,J=2.8,11.4Hz,1H),2.94(s,3H),2.09-1.98(m,1H),1.88-1.81(m,1H);
19F NMR(377MHz,CDCl)δ=-133.79(br d,J=22.6Hz,1F),-139.65(br d,J=22.6Hz,1F).
工程14:化合物1Aの合成
1n(20mg、37.77μmol、1eq)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、無水塩化マグネシウム(71.92mg、755.38μmol、20eq)を加え、反応液を20℃で15時間撹拌した。反応液をメタノール(2mL)で希釈し、濾過し、濾過残渣をメタノール(2mL)で洗浄した。粗生成物を分取逆相液体クロマトグラフィー(分離カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75×30mm×3μm;移動相:[HO(0.225%FA)-ACN];ACN%:25%~55%、7分)で精製して、化合物1Aを得た。MS(ESI,m/z):440.0[M+1];
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.23(br s,4H),7.16-7.07(m,2H),7.02(br d,J=7.4Hz,1H),5.71(br d,J=7.3Hz,1H),5.56(br t,J=8.9Hz,1H),5.41(s,1H),4.63(br d,J=4.9Hz,1H),4.25(br d,J=11.1Hz,1H),3.13(s,3H),2.22(br s,2H);
19F NMR(377MHz,CDOD)δ=-137.66(br d,J=19.8Hz,1F),-143.64(br d,J=22.6Hz,1F).
[実施例2]
合成経路:
工程1:化合物2aの合成
1g(56g、149.58mmol、1eq)をエタノール(560mL)に溶解し、次に水酸化ナトリウム水溶液(2M、224.75mL、3.01eq)を加え、反応液を60℃で12時間撹拌した。反応終了後、反応液を減圧濃縮してエタノールを除去し、水(500mL)を加え、酢酸エチル(3×300mL)で3回抽出した。撹拌しながら水相に塩酸(2M)を加えてpH値を=4に調節し、その時点で固体を析出させ、濾過して化合物2aを得た。
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.78(d,J=7.8Hz,1H),7.48(br d,J=6.5Hz,2H),7.39-7.30(m,3H),6.57(br d,J=7.5Hz,1H),5.17(s,2H),1.50(br s,9H).
工程2:化合物2bの合成
2a(30g、83.25mmol、1eq)をDMF(300mL)に加え、EDCI(23.94g、124.87mmol、1.5eq)、HOBt(11.25g、83.25mmol、1eq)及びシクロブチルアミン(8.88g、124.87mmol、10.70mL、1.5eq)を順次に加えた。反応液を60℃で12時間反応させた。反応液をジクロロメタン(5×150mL)で5回抽出し、有機相を合併して飽和食塩水(300mL)で洗浄した。有機相を減圧濃縮し、酢酸エチル:石油エーテルの混合溶液を加えて20℃でスラリー化した。化合物2bを得た。
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.75-7.68(m,1H),7.43(br d,J=6.5Hz,2H),7.38-7.30(m,3H),6.55-6.46(m,1H),5.16(s,2H),4.37(quin,J=8.3Hz,1H),2.32-2.21(m,2H),2.03-1.92(m,2H),1.82-1.67(m,2H),1.50(s,9H).
工程3:化合物2cの塩酸塩の合成
2b(18g、43.53mmol、1eq)を酢酸エチル(180mL)に加え、塩酸/酢酸エチル(4M、180mL、14.32eq)を順次に加えた。反応液を25℃で12時間反応させた。反応液を減圧濃縮して、溶媒を除去した。化合物2cの塩酸塩を得、精製することなく直接に次の工程に使用した。
H NMR(400MHz,CDOD)δ=8.39(d,J=7.3Hz,1H),7.49-7.42(m,2H),7.42-7.36(m,3H),7.31(d,J=7.1Hz,1H),5.25(s,2H),4.51-4.39(m,1H),2.40-2.28(m,2H),2.07-1.93(m,2H),1.86-1.70(m,2H).
工程4:化合物2dの合成
丸底フラスコにアセトニトリル(100mL)を25℃で加え、2cの塩酸塩(8.90g、25.44mmol、1eq)、炭酸カリウム(14.07g、101.77mmol、4eq)及び1b(5.44g、27.99mmol、1.1eq)をゆっくりと加え、反応液を窒素保護下で25℃で2時間撹拌した。反応液を水(100mL)にゆっくりと注ぎ、酢酸エチル(100mL×2)で2回抽出し、有機相を合併して順次に水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、得られた有機相を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で分離して、化合物2dを得た。
H NMR (400MHz,CDCl)δ=7.41(dd,J=2.1,7.1Hz,2H),7.26-7.15(m,6H),6.89(d,J=8.6Hz,2H),6.26(d,J=7.6Hz,1H),6.04(br s,1H),5.46(d,J=10.8Hz,1H),5.15(d,J=10.8Hz,1H),4.80-4.65(m,1H),4.49(quin,J=8.9Hz,1H),4.41(s,2H),3.93-3.71(m,3H),3.52-3.19(m,2H),2.26-2.01(m,4H),1.75-1.58(m,2H),1.47(dt,J=4.8,9.8Hz,1H),1.20(tdd,J=3.9,10.4,14.6Hz,1H).
工程5:化合物2eの合成
2d(3.00g、6.13mmol、1eq)及び1d(2.18g、6.13mmol、1eq)を酢酸エチル(75mL)に溶解し、TPの酢酸エチル溶液(7.80g、12.26mmol、7.29mL、濃度:50%、2eq)を加え、途中から1d(3×1.46g、3×4.09mmol、3eq)及びTPの酢酸エチル溶液(3×2.60g、3×4.09mmol、3×2.43mL、濃度:50%、3eq)を3回加え、反応系を窒素保護下で70℃で37時間撹拌した。反応液を酢酸エチル(100mL)で希釈し、順次に水(100mL×2)、飽和食塩水(100mL×3)で洗浄した。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)及び分取逆相液体クロマトグラフィー(分離カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75×30mm×3μm;移動相:[HO(0.225%FA)-ACN];ACN%:54%~84%、7分)で精製して、化合物2eを得た。
工程6:化合物2fの合成
2e(1.06g、1.28mmol、1eq)を塩酸のメタノール溶液(0.5M、10mL、3.91eq)(4mLの濃塩酸(37%)を計量して92mLのメタノールに加え、よく混合して10mLを反応に使用)に溶解し、反応液を60℃で20時間撹拌した。反応液に固体炭酸水素ナトリウムを加えてpHを=8に調整し、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で精製して、化合物2fを得た。
工程7:化合物2gの合成
2f(410mg、697.74μmol、1eq)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、トリフェニルホスフィン(274.52mg、1.05mmol、1.5eq)を加え、反応液を25℃で15分間撹拌し、四臭化炭素(347.09mg、1.05mmol、1.5eq)を加え、反応液を窒素保護下で25℃で30分間撹拌し、トリフェニルホスフィン(91.51mg、348.87μmol、0.5eq)を加え、反応液を窒素保護下で25℃で1時間撹拌した。反応液にメタノール(2mL)を加えてクエンチし、直接に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で精製して、化合物2gを得た。
工程8:化合物2hの合成
2g(50mg、76.86μmol、1eq)をアセトニトリル(250mL)に溶解し、炭酸セシウム(500.87mg、1.54mmol、20eq)を加え、反応液を60℃で4時間撹拌し、次に70℃で2.5時間撹拌した。反応液を濾過し、フィルターケーキをアセトニトリル(50mL×3)で洗浄し、濾液を合併し濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取TLC(ジクロロメタン/メタノール=20:1)で精製して、化合物2hを得た。
工程9:化合物2Aの合成
2h(16mg、28.09μmol、1eq)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、無水塩化マグネシウム(53.49mg、561.80μmol、23.06μL、20eq)を加え、反応液を25℃で3.5時間撹拌した。反応液を直接に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取逆相液体クロマトグラフィー(分離カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75mm×30mm×3μm;移動相:[HO(0.225%FA)-ACN];ACN%:40%~60%、7分)で精製して、化合物2Aを得た。前記化合物は、NMRにより約1:1の比率で2つの配座異性体を有することを確認した。MS(ESI,m/z):480.3[M+1];
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.45-7.37(m,3H),7.27-7.08(m,9H),6.95(dd,J=7.2,10.2Hz,1H),6.90-6.78(m,2H),6.61(d,J=7.5Hz,1H),6.33(br d,J=7.5Hz,1H),5.76(s,1H),5.66(d,J=7.8Hz,1H),5.38-5.31(m,1H),5.06-5.01(m,1H),5.00(s,1H),4.59(br t,J=10.9Hz,1H),4.36(br d,J=11.3Hz,1H),4.22(br d,J=11.0Hz,2H),4.09(br s,1H),3.92(br t,J=8.9Hz,1H),3.22(quin,J=10.1Hz,1H),3.16-3.04(m,1H),2.07(br d,J=7.8Hz,4H),1.94(br d,J=9.0Hz,3H),1.68-1.49(m,7H).
[実施例3]
合成経路:
工程1:化合物3aの合成
アセトニトリル(650mL)を添加した三つ口フラスコに、サリチルアルデヒド(40g、327.54mmol、34.78mL、1eq)、p-メトキシベンジルクロリド(56.43g、360.30mmol、49.07mL、1.1eq)、炭酸カリウム(67.90g、491.32mmol、1.5eq)を加え、60℃で3時間撹拌した。反応液を濾過して不溶物を除去し、フィルターケーキをジクロロメタン(50mL×3)で3回洗浄し、濾液を収集し、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物に、石油エーテル(100mL)及び酢酸エチル(15mL)を加えて20℃でスラリー化し、化合物3aを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=10.52(s,1H),7.85(dd,J=1.8,7.8Hz,1H),7.54(ddd,J=1.9,7.2,8.5Hz,1H),7.37(d,J=8.8Hz,2H),7.09-7.01(m,2H),6.96-6.90(m,2H),5.12(s,2H),3.83(s,3H).
工程2:化合物3bの合成
3a(30g、123.83mmol、1eq)のテトラヒドロフラン(80mL)溶液にフェニルグリニャール試薬エーテル溶液(3.0M、43.34mL、1.05eq)を0℃で滴下した後、反応液を20℃に昇温し、この温度で4時間撹拌した。2つの並行反応を合併し、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(100mL)を加えてクエンチし、反応液を酢酸エチル(90mL×3)で抽出し、有機相を合併し、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100:0~70:30)で分離精製して、化合物3bを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.38-7.26(m,7H),7.14(d,J=8.5Hz,2H),7.03-6.95(m,2H),6.91-6.86(m,2H),6.05(d,J=6.0Hz,1H),5.03-4.93(m,2H),3.84(s,3H),3.07(d,J=6.0Hz,1H),2.07(s,2H).
工程3:化合物3cの合成
丸底フラスコに酢酸エチル(40mL)を25℃で加え、2c(4.02g、8.22mmol、1eq)、TPの酢酸エチル溶液(20.90g、32.84mmol、19.54mL、濃度:50%、4eq)及び3b(5.26g、16.421mmol、2eq)をゆっくりと加え、反応液を窒素保護下で60℃で14時間連続的に撹拌した。反応液を水(100mL)にゆっくりと注ぎ、酢酸エチル(100mL×2)で2回抽出し、有機相を合併して順次に水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、得られた有機相を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で分離して、化合物3cを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.78(dd,J=1.3,7.5Hz,1H),7.61-7.48(m,2H),7.48-7.28(m,3H),7.25-7.02(m,8H),7.01-6.62(m,9H),6.62-6.36(m,1H),5.90-5.73(m,1H),5.55-5.31(m,2H),5.19-4.75(m,3H),4.68-4.26(m,3H),3.85-3.77(m,6H),3.68-3.49(m,1H),3.44-3.26(m,1H),2.06-1.88(m,2H),1.67-1.56(m,1H),1.67-1.56(m,1H),1.55-1.21(m,4H).
工程4:化合物3dの合成
3c(3.3g、4.17mmol、1eq)を塩酸(12M、1.38mL、3.96eq)のメタノール(31.6mL)予備混合液(~0.5M)に溶解し、反応液を60℃で18時間撹拌した。反応液を20℃まで冷却し、固体炭酸水素ナトリウムを加えてpHを>7に調整した。反応液をコットンで濾過し、シリカゲルを加えて濃縮乾燥させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で分離して、3dを得た。
工程5:化合物3eの合成
3d(930mg、1.69mmol、1eq)をアセトニトリルで蒸発乾燥させて水を除去し、次にジクロロメタン(16mL)に懸濁し、トリフェニルホスフィン(663.30mg、2.53mmol、1.5eq)を20℃で加えた。反応液をこの温度で15分間撹拌した後、四臭化炭素(838.65mg、2.53mmol、1.5eq)を加え、反応系を清澄化させた。反応液を14時間撹拌を継続した。反応液にメタノール(3mL)を加えてクエンチし、シリカゲルを直接に加えて濃縮乾燥させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で分離して、3eを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.95(br s,1H),7.54(d,J=7.3Hz,2H),7.49-7.40(m,4H),7.39-7.33(m,1H),7.28(br s,2H),7.26(br s,1H),7.07(br d,J=7.3Hz,1H),7.02-6.95(m,1H),6.84(br s,1H),6.71(t,J=7.5Hz,1H),6.65-6.59(m,1H),5.96(br d,J=7.5Hz,1H),5.84(br d,J=7.8Hz,1H),5.40(d,J=11.0Hz,1H),5.30-5.25(m,1H),4.78(dd,J=4.0,9.8Hz,1H),4.74-4.63(m,1H),3.50(br s,1H),3.40(dt,J=4.0,10.2Hz,1H),3.35-3.26(m,1H),2.19-2.01(m,2H),2.00-1.80(m,2H),1.70-1.50(m,4H).
工程6:化合物3fの合成
フラスコにアセトニトリル(500mL)を25℃で加え、3e(100mg、162.73μmol、1eq)及び炭酸セシウム(1.06g、3.25mmol、20eq)をゆっくりと加え、反応液を60℃で4時間連続的に撹拌した。反応液を水(100mL)にゆっくりと注ぎ、酢酸エチル(100mL×2)で2回抽出し、有機相を合併して順次に水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、得られた有機相を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20:1)で分離して、化合物3fを得た。
工程7:化合物3ga及び3gbの合成
化合物3fをSFC(分離カラム:Chiralpak AD-3 50×4.6mm I.D.、3μm;移動相:A[CO];B(0.05% DEA IPA)%:5%~40%、2分)で分離して、化合物3ga(保持時間:1.953分)及び3gb(保持時間:2.300分)を得た。
工程8:化合物3Aの合成
丸底フラスコにジクロロメタン(1mL)を25℃で加え、3ga(10mg、18.74μmol、1eq)及び無水塩化マグネシウム(35.68mg、374.80μmol、15.38μL、20eq)をゆっくりと加え、反応液を窒素保護下で25℃で3時間連続的に撹拌した。減圧濃縮して粗生成物を得、粗生成物を分取逆相液体クロマトグラフィー(分離カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75×30mm×3μm;移動相:[HO(0.225%FA)-ACN];ACN%:25%~55%、7分)で分離精製して、化合物3Aを得た。前記化合物は、NMRにより約1:1の比率で2つの配座異性体を有することを確認した。MS(ESI,m/z):444.2[M+1];ee値:100%.
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.45-7.32(m,5H),7.32-7.27(m,3H),7.24-7.10(m,8H),7.10-6.97(m,3H),6.62(d,J=7.5Hz,1H),6.28(d,J=7.5Hz,1H),5.89(s,1H),5.67(d,J=7.5Hz,1H),5.43-5.23(m,1H),5.08-4.98(m,2H),4.59(br t,J=11.5Hz,1H),4.33(br s,2H),4.23(br d,J=11.3Hz,1H),4.11(br s,1H),3.87(br t,J=8.4Hz,1H),3.28-3.15(m,1H),3.07(quin,J=10.0Hz,1H),2.11-1.98(m,8H),1.63-1.50(m,6H).
工程9:化合物3Bの合成
丸底フラスコにジクロロメタン(1mL)を25℃で加え、3gb(10.00mg、18.74μmol、1eq)及び無水塩化マグネシウム(35.68mg、374.80μmol、15.38μL、20eq)をゆっくりと加え、反応液を窒素保護下で25℃で3時間持続的に撹拌した。減圧濃縮して粗生成物を得、粗生成物を分取逆相液体クロマトグラフィー(分離カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75mm×30mm×3μm;移動相:[HO(0.225%FA)-ACN];ACN%:25%~55%、7分)で分離精製して、化合物3Bを得た。前記化合物は、NMRにより約1:1の比率で2つの配座異性体を有することを確認した。MS(ESI,m/z):444.2[M+1];ee値:98.15%.
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.46-7.32(m,5H),7.32-7.27(m,3H),7.24-7.10(m,8H),7.10-6.97(m,3H),6.62(d,J=7.5Hz,1H),6.27(d,J=7.8Hz,1H),5.88(s,1H),5.67(d,J=7.5Hz,1H),5.32(dd,J=7.8,11.0Hz,1H),5.09-4.96(m,2H),4.59(br t,J=11.8Hz,1H),4.39-4.19(m,3H),4.10(br s,1H),3.94-3.76(m,1H),3.30-2.96(m,2H),2.09-1.99(m,8H),1.62-1.51(m,6H).
[実施例4]
合成経路:
工程1:化合物4aの合成
3b(4.3g、13.42mmol、1eq)及び2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルピリジン(13.78g、67.11mmol、5eq)をジクロロメタン(140mL)に溶解し、窒素保護下で塩化チオニル(4.79g、40.26mmol、2.92mL、3eq)を加え、添加終了後、反応液を25℃で1時間撹拌した。反応液を直接に濃縮して4aを得た。粗生成物を直接に次の工程に使用した。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.54(dd,J=1.5,7.8Hz,1H),7.39-7.34(m,2H),7.31-7.25(m,4H),7.24(s,1H),7.20(d,J=8.5Hz,2H),6.97(t,J=7.5Hz,1H),6.89-6.84(m,2H),6.58(s,1H),5.03-4.92(m,2H),3.80(s,3H).
工程2:化合物4bの合成
2a(10g、27.75mmol、1eq)をDMF(100mL)に加え、EDCI(7.98g、41.62mmol、1.5eq)、HOBt(3.75g、27.75mmol、1eq)及びイソプロピルアミン(2.46g、41.62mmol、3.58mL、1.5eq)を順次に加えた。反応液を60℃で12時間反応させた。反応液をジクロロメタン(30mL)で5回抽出し、有機相を合併して飽和食塩水(30mL)で洗浄した。有機相を減圧濃縮し、酢酸エチル:石油エーテルの混合溶液を加えて20℃でスラリー化し、化合物4bを得た。
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.71(d,J=7.8Hz,1H),7.53-7.40(m,2H),7.42-7.23(m,1H),6.49(d,J=7.8Hz,1H),5.16(s,2H),4.18-3.93(m,1H),1.51(s,9H),1.13(d,J=6.6Hz,6H).
工程3:化合物4cの塩酸塩の合成
4b(6.7g、16.69mmol、1eq)を酢酸エチル(65mL)に加え、次に塩酸の酢酸エチル溶液(4M、65mL、14.32eq)を加え、25℃で12時間反応させた。反応液を減圧濃縮して溶媒を除去し、化合物4cの塩酸塩を得、精製することなく直接に次の工程に使用した。
H NMR(400MHz,CDOD)δ=8.40(dd,J=2.0,7.3Hz,1H),7.50-7.44(m,2H),7.43-7.36(m,3H),7.31(dd,J=2.3,7.1Hz,1H),5.25(s,2H),4.24-4.06(m,1H),1.20(d,J=6.6Hz,6H).
工程4:化合物4dの合成
4cの塩酸塩(3.5g、10.36mmol、1eq)をアセトニトリル(50mL)に懸濁し、炭酸カリウム(5.73g、10.36mmol、4eq)及び1b(2.41g、12.43mmol、1.2eq)を加え、反応液を25℃で14時間撹拌した。反応液を水(100mL)にゆっくりと注ぎ、酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。有機相を合併し、順次に水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で精製して、化合物4dを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.46-7.40(m,2H),7.28-7.21(m,6H),6.90(d,J=8.5Hz,2H),6.27(d,J=7.5Hz,1H),5.92(s,1H),5.48(d,J=10.8Hz,1H),5.16(d,J=10.8Hz,1H),4.65(br d,J=10.3Hz,1H),4.49(td,J=6.8,13.6Hz,1H),4.41(s,2H),3.82(s,3H),3.44-3.36(m,1H),3.35-3.27(m,1H),1.60-1.48(m,1H),1.26(d,J=6.8Hz,3H),1.19(br d,J=7.0Hz,4H).
工程5:化合物4eの合成
4d(3.20g、6.70mmol、1eq)及び4a(19g、13.46mmol、純度:24%、2.01eq)をアセトニトリル(270mL)に溶解し、炭酸セシウム(6.55g、20.10mmol、3eq)を加え、反応液を窒素保護下で40℃で12時間撹拌し、炭酸セシウム(2.18g、6.70mmol、1eq)を補充して加え、反応液を窒素保護下で40℃で10時間撹拌した。反応液を濾過し、フィルターケーキを酢酸エチル(50mL×2)で洗浄し、濾液を合併して濃縮した。濃縮した濾液を酢酸エチル(200mL)に溶解し、飽和食塩水(150mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で精製して、化合物4eを得た。
工程6:化合物4fの合成
4e(1.90g、2.44mmol、1eq)を塩酸のメタノール溶液(0.5M、19mL、3.90eq)(4mLの濃塩酸(37%)を計量して92mLのメタノールに加え、よく混合して19mLを反応に使用)に溶解し、反応液を60℃で22時間撹拌した。反応液に炭酸水素ナトリウムを加えてpHを=8に調整し、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で精製して、化合物4fを得た。
工程7:化合物4gの合成
4f(455mg、843.19μmol、1eq)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、トリフェニルホスフィン(331.73mg、1.26mmol、1.5eq)を加え、反応液を25℃で15分間撹拌し、四臭化炭素(419.43mg、1.26mmol、1.5eq)を加え、反応液を窒素保護下で25℃で30分間撹拌し、トリフェニルホスフィン(110.58mg、421.59μmol、0.5eq)を加え、反応液を窒素保護下で25℃で1時間撹拌した。反応液にメタノール(2mL)を加えてクエンチし、直接に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で精製して、化合物4gを得た。
工程8:化合物4hの合成
4g(60mg、99.58μmol、1eq)をアセトニトリル(300mL)に溶解し、炭酸セシウム(648.92mg、1.99mmol、20eq)を加え、反応液を60℃で18時間撹拌した。反応液を濾過し、フィルターケーキをアセトニトリル(30mL×3)で洗浄し、濾液を合併して濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=20:1)で精製して、化合物4hを得た。
工程9:化合物4Aの合成
4h(8mg、15.34μmol、1eq)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、塩化マグネシウム(29.21mg、306.75μmol、12.59μL、20eq)を加え、反応液を25℃で14時間撹拌した。反応液を直接に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取逆相液体クロマトグラフィー(分離カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75×30mm×3μm;移動相:[HO(0.225%FA)-ACN];ACN%:30%~60%、7分)で精製して、化合物4Aを得た。前記化合物は、NMRにより約3:1の比率で2つの配座異性体を有することを確認した。MS(ESI,m/z):432.2[M+1];
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.83(d,J=7.5Hz,1H(メジャーコンフォメーション,マイナーコンフォメーション)),7.52-7.11(m,8H(メジャーコンフォメーション,マイナーコンフォメーション)),7.11-7.06(m,1H(メジャーコンフォメーション)),6.97(d,J=7.5Hz,1H(メジャーコンフォメーション)),6.96-6.92(m,1H(マイナーコンフォメーション)),6.34(s,1H(マイナーコンフォメーション)),6.30(d,J=7.5Hz,1H(マイナーコンフォメーション)),5.71(d,J=7.5Hz,1H(メジャーコンフォメーション)),5.60(dd,J=7.5,11.0Hz,1H(メジャーコンフォメーション)),5.23(s,1H(メジャーコンフォメーション)),4.66~4.64(m,1H(マイナーコンフォメーション)),4.62~4.59(m,2H(メジャーコンフォメーション)),4.43~4.35(m,1H(マイナーコンフォメーション)),4.27-4.22(m,1H(メジャーコンフォメーション)),3.72(br s,2H(マイナーコンフォメーション)),2.40-1.96(m,2H(メジャーコンフォメーション,マイナーコンフォメーション)),1.55-1.42(m,6H(メジャーコンフォメーション)),1.05(d,J=6.8Hz,3H(マイナーコンフォメーション)),0.86(d,J=6.8Hz,3H(マイナーコンフォメーション)).
[実施例5]
合成経路:
工程1:化合物5Aの合成
1A(12mg、27.31μmol、1eq)をDMA(0.5mL)に溶解し、炭酸カリウム(7.55mg、54.62μmol、2eq)、ヨウ化カリウム(4.53mg、27.31μmol、1eq)及び炭酸クロロメチルメチル(9.81mg、78.80μmol、2eq)を加え、反応液を70℃に昇温し、3時間撹拌した。炭酸クロロメチルメチル(34.01mg、273.10μmol、26.16μL、10eq)を補充して加え、1.5時間撹拌を継続し、炭酸カリウム(37.74mg、273.10μmol、10eq)を補充して加え、15時間撹拌を継続し、炭酸クロロメチルメチル(68.01mg、546.20μmol、52.32μL、20eq)を補充して加え、1時間撹拌して反応を完了させた。反応液を室温まで冷却し、水(2mL)を加え、酢酸エチル(4mL×2)で抽出した。有機相を飽和食塩水(2mL×2)で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で精製して、化合物5Aを得た。MS(ESI,m/z):528.1[M+1];
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.25-7.09(m,5H),6.96(dd,J=7.2,10.4Hz,1H),6.86-6.78(m,1H),6.69(d,J=7.8Hz,1H),6.00(d,J=6.3Hz,1H),5.79(dd,J=4.1,7.2Hz,2H),5.34(br dd,J=6.9,11.2Hz,1H),5.06(s,1H),4.57(br t,J=11.9Hz,1H),4.20(br d,J=11.5Hz,1H),3.90(s,3H),3.07(s,3H),2.26-2.13(m,2H);
19F NMR(376MHz,CDCl)δ=-133.11--134.54(m,1F),-138.71--140.65(m,1F).
[実施例6]
合成経路:
工程1:化合物6Aの合成
4A(17mg、39.40μmol、1eq)をDMA(1mL)に溶解し、炭酸クロロメチルメチル(9.81mg、78.80μmol、2eq)、炭酸カリウム(10.89mg、78.80μmol、2eq)及びヨウ化カリウム(6.54mg、39.40μmol、1eq)を加え、反応液を70℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水(10mL)を加え、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。有機相を水(20mL)、飽和食塩水(20mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮乾燥して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で精製して、化合物6Aを得た。前記化合物は、NMRにより約3:2の比率で2つの配座異性体を有することを確認した。MS(ESI,m/z):520.3[M+1];
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.59-7.01(m,9H(メジャーコンフォメーション,マイナーコンフォメーション)),6.84(br s,1H(マイナーコンフォメーション)),6.69(d,J=7.8Hz,1H(メジャーコンフォメーション)),6.36(d,J=7.9Hz,1H(マイナーコンフォメーション)),6.04(br s,1H(マイナーコンフォメーション)),6.02(d,J=6.5Hz,1H(マイナーコンフォメーション)),5.97(d,J=6.5Hz,1H(メジャーコンフォメーション)),5.88(d,J=6.4Hz,1H(マイナーコンフォメーション)),5.80(dd,J=5.8,7.0Hz,2H(メジャーコンフォメーション)),5.35(dd,J=7.3,11.3Hz,1H(メジャーコンフォメーション)),5.14(s,1H(メジャーコンフォメーション)),4.70-4.30(m,2H(メジャーコンフォメーション,マイナーコンフォメーション)),4.27-4.20(m,1H(メジャーコンフォメーション)),4.15-4.00(m,1H(マイナーコンフォメーション)),3.85(s,3H(メジャーコンフォメーション,マイナーコンフォメーション)),3.70-3.55(m,1H(マイナーコンフォメーション)),2.54-1.92(m,2H(メジャーコンフォメーション,マイナーコンフォメーション)),1.45(dd,J=6.8,10.6Hz,6H(メジャーコンフォメーション)),0.91(d,J=7.0Hz,3H(マイナーコンフォメーション)),0.76(br d,J=6.3Hz,3H(マイナーコンフォメーション)).
[実施例7]
合成経路:
工程1:化合物7aa及び7abの合成
化合物1nをSFC(分離カラム:DAICEL CHIRALPAK AS(250mm×30mm、10μm);移動相:A[CO];B(0.1%NHO EtOH)%:5%~40%)で分離して、化合物7aa(保持時間:3.711分)及び7ab(保持時間:4.859分)を得た。
7aa:MS(ESI,m/z):530.3[M+1];ee値:100%.
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.68-7.60(m,2H),7.41-7.28(m,3H),7.23-6.86(m,6H),6.78(dd,J=8.7,10.4Hz,1H),6.59(d,J=7.8Hz,1H),5.70(d,J=8.0Hz,1H),5.45-5.33(m,2H),5.16(dd,J=7.0,11.3Hz,1H),4.92(s,1H),4.50(t,J=11.7Hz,1H),4.10(td,J=2.9,11.4Hz,1H),2.98(s,3H),2.12-1.97(m,1H),1.87-1.79(m,1H).
7ab:MS(ESI,m/z):530.3[M+1];ee値:100%.
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.64(d,J=6.8Hz,2H),7.41-7.28(m,3H),7.24-6.87(m,6H),6.77(dd,J=8.7,10.4Hz,1H),6.60(d,J=7.8Hz,1H),5.71(d,J=7.8Hz,1H),5.43-5.31(m,2H),5.16(dd,J=7.0,11.3Hz,1H),4.92(s,1H),4.50(t,J=11.7Hz,1H),4.09(td,J=2.7, 11.4Hz,1H),2.98(s,3H),2.11-1.97(m,1H),1.82(br d,J=7.0Hz,1H).
工程2:化合物7A及び7Bの合成
7aa(61mg,115.20μmol,1eq)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、無水塩化マグネシウム(150mg,1.58mmol,13.68eq)を加え、反応液を25℃で14時間撹拌した。反応液を直接に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取逆相液体クロマトグラフィー(分離カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75mm×30mm×3μm;移動相:[HO(0.225%FA)-ACN];ACN%:25%~55%、7分)で精製して、化合物7Aを得た。MS(ESI,m/z):440.2[M+1];ee値:100%.
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.21(br s,5H),7.13-7.06(m,2H),6.99(d, J=7.5Hz,1H),5.68(d,J=7.5Hz,1H),5.54(t,J=9.2Hz,1H),5.39(s,1H),4.61(td,J=7.2,11.5Hz,1H),4.22(td,J=2.8,11.4Hz,1H),3.11(s,3H),2.24-2.15(m,2H).
7ab(58mg、109.53μmol、1eq)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、無水塩化マグネシウム(208.57mg、2.19mmol、20eq)を加え、反応液を25℃で3時間撹拌した。反応液を直接に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取逆相液体クロマトグラフィー(分離カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75mm×30mm×3μm;移動相:[HO(0.225%FA)-ACN];ACN%:25%~55%、7分)で精製して、化合物7Bを得た。MS(ESI,m/z):440.2[M+1];ee値:100%.
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.48-6.83(m,8H),5.85-5.23(m,3H),4.65(br s,1H),4.27(br d,J=10.0Hz,1H),3.31-3.04(m,3H),2.40-1.98(m,2H).
[実施例8]
合成経路:
工程1:化合物8A及び8Bの合成
化合物5AをSFC(分離カラム:DAICEL CHIRALCEL OJ-H(250mm×30mm、5μm);移動相:A[CO];B(Neu-EtOH)%:15%~15%、分)で分離して、化合物2A(保持時間:2.218分)及び2B(保持時間:2.490分)を得た。
8A:MS(ESI,m/z):528.2[M+1];ee値:99.44%.
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.22(br d,J=2.5Hz,3H),7.15(br s,2H),6.96(dd,J=7.0,10.3Hz,1H),6.82(dd,J=8.5,10.5Hz,1H),6.69(d,J=7.8Hz,1H),5.99(d,J=6.5Hz,1H),5.79(d,J=3.0Hz,1H),5.77(d,J=1.8Hz,1H),5.36(dd,J=7.0,11.3Hz,1H),5.06(s,1H),4.58(t,J=11.4Hz,1H),4.20(td,J=2.9,11.5Hz,1H),3.89(s,3H),3.07(s,3H),2.25-2.12(m,1H),2.09-2.00(m,1H).
8B:MS(ESI,m/z):528.2[M+1];ee値:97.90%.
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.22(br s,3H),7.15(br s,2H),6.96(dd,J=7.0,10.3Hz,1H),6.82(dd,J=8.8,10.3Hz,1H),6.69(d,J=7.8Hz,1H),5.99(d,J=6.3Hz,1H),5.79(dd,J=3.3,7.0Hz,2H),5.35(dd,J=6.9,11.4Hz,1H),5.06(s,1H),4.58(t,J=11.4Hz,1H),4.24-4.16(m,1H),3.90(s,3H),3.07(s,3H),2.27-2.14(m,1H),2.09-2.01(m,1H).
[実施例9]
合成経路:
工程1:化合物9bの合成
マグネシウムフレーク(3.89g、160.00mmol、1eq)を250mlの三つ口フラスコに加え、反応系を3回窒素置換し、窒素保護下でヨウ素(406.10mg、1.60mmol、322.30μL、0.01eq)を加え、マグネシウムフレークにヨウ素が均一に広がるまで加熱し、加熱を停止し、テトラヒドロフラン(160mL)及び9a(3g、17.14mmol、1.89mL、1eq)を加え、75℃に加熱して反応を開始させ、反応温度を70℃に下げ、9a(25g、142.86mmol、15.72mL、1eq)をゆっくりと滴下し、滴下終了後、反応液を70℃で2時間撹拌し、室温まで冷却した。上記反応液の上澄液(0.89M、120.13mL、2.97eq)を選択し、1c(10.0g、35.94mmol、1eq)を0℃でゆっくりと滴下してテトラヒドロフラン(100mL)溶液に溶解し(1.5時間持続)、滴下終了後、反応液を25℃で2時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(150mL)を加えてクエンチし、酢酸エチル(3×200mL)を加えて有機相を抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:0~6:1)で分離精製して、化合物9bを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.37-7.28(m,3H),7.20(d,J=8.8Hz,2H),7.11-7.02(m,2H),6.99-6.92(m,2H),6.83(dd,J=6.5,11.8Hz,1H),6.03(d,J=4.8Hz,1H),4.96(s,2H),3.90(s,3H),2.67(d,J=4.8Hz,1H).
工程2:化合物9cの合成
1j(4.9g、10.90mmol、1eq)及び9b(4.08g、10.90mmol、1eq)を酢酸エチル(120mL)に溶解し、TPの酢酸エチル溶液(13.87g、21.80mmol、12.97mL、濃度:50%、2eq)を加え、反応液を75℃に昇温し、5時間撹拌した。9b(4.08g、10.90mmol、1eq)及びTPの酢酸エチル溶液(6.94g、10.90mmol、6.48mL、濃度:50%、1eq)を補充して加え、14時間撹拌を継続し、9b(4.08g、10.90mmol、1eq)を補充して加え、6時間撹拌を継続した。反応溶液を20℃まで冷却し、酢酸エチル(200mL)で希釈し、順次に水(2×300mL)、飽和食塩水(3×300mL)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=1:0~10:1)で分離精製して、化合物9cを得た。
工程3:化合物9dの合成
9c(9.3g、11.54mmol、1eq)を塩酸のメタノール溶液(1M、10mL、3.91eq)(10mLの濃塩酸(37%)を計量して110mLのメタノールに加え、よく混合して93mLを反応に使用)に溶解し、反応液を70℃で6時間撹拌した。反応液を20℃まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてpHを=8に調整し、混合液をジクロロメタン/メタノール(10:1、100mL×4)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=1:0~10:1)で分離精製して、化合物9dを得た。
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.61(dd,J=5.3,8.6Hz,2H),7.41-7.32(m,3H),7.30-7.24(m,3H),7.20(t,J=8.7Hz,2H),7.12(dd,J=9.1,11.4Hz,1H),6.50(dd,J=6.9,11.8Hz,1H),6.09(d,J=7.6Hz,1H),5.89(s,1H),5.33(d,J=10.8Hz,1H),5.14(d,J=10.8Hz,1H),4.61-4.55(m,1H),3.63-3.55(m,1H),3.43(td,J=5.5,11.0Hz,1H),2.95(s,3H),1.41-1.31(m,1H),1.29-1.18(m,1H).
工程4:化合物9eの合成
9d(1.00g、1.77mmol、1eq)をジクロロメタン(20mL)に溶解し、トリフェニルホスフィン(695.68mg、2.65mmol、1.5eq)を加え、反応液を25℃で15分間撹拌し、四臭化炭素(879.59mg、2.65mmol、1.5eq)を加え、反応液を窒素保護下で25℃で12時間撹拌した。反応液にメタノール(10mL)を加えてクエンチし、直接に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=1:0~20:1)で精製して、化合物9eを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=9.49(br s,1H),7.50(dd,J=5.2,8.4Hz,2H),7.36-7.31(m,2H),7.25-7.20(m,3H),7.16(t,J=8.5Hz,2H),6.97-6.77(m,3H),6.08(d,J=7.6Hz,1H),5.82(br s,1H),5.35(d,J=11.1Hz,1H),5.10(d,J=11.1Hz,1H),4.53(dd,J=5.6,8.0Hz,1H),3.35-3.17(m,2H),2.99(s,3H),1.64-1.52(m,2H).
工程5:化合物9fの合成
炭酸セシウム(554.75mg、1.70mmol、2.14eq)をアセトニトリル(50mL)に溶解し、反応系を80℃に昇温し、5分ごとに1/25の9e(500mg、795.63μmol、1eq)のアセトニトリル(50mL)溶液を加えた(2時間持続)。添加終了後、反応液を80℃で1.5時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水(50mL)を加え、ジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=1:0~20:1)で精製して、化合物9fを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.67-7.58(m,2H),7.42-7.28(m,3H),7.16-6.74(m,6H),6.58(d,J=7.8Hz,1H),5.79(d,J=7.8Hz,1H),5.52-5.38(m,2H),5.13(dd,J=7.3,11.3Hz,1H),4.91(s,1H),4.51(t,J=11.5Hz,1H),4.19-4.11(m,1H),3.01(s,3H),2.14-2.01(m,1H),1.97-1.87(m,1H).
工程6:化合物9Aの合成
9f(15mg、27.40μmol、1eq)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、無水塩化マグネシウム(52.17mg、547.92μmol、22.49μL、20eq)を加え、反応液を25℃で4時間撹拌した。反応液を直接に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取逆相液体クロマトグラフィー(分離カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75mm×30mm×3μm;移動相:[HO(0.225%FA)-ACN];ACN%:30%~60%、7分)で精製して、化合物9Aを得た。MS(ESI,m/z):458.1[M+1];
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.45(dd,J=9.2,11.4Hz,1H),7.30(br dd,J=7.5,11.3Hz,3H),7.05(br t,J=8.5Hz,2H),6.81(d,J=7.8Hz,1H),5.56-5.47(m,2H),5.45(s,1H),4.54(br t,J=11.8Hz,1H),4.15(br d,J=11.0Hz,1H),2.96(s,3H),2.16(br dd,J=7.0,16.3Hz,1H),2.00-1.86(m,1H);
19F NMR(377MHz,DMSO-d6)δ=-113.45(s,1F),-136.18(br d,J=20.8Hz,1F),-142.04--142.15(m,1F).
[実施例10]
合成経路:
工程1:化合物10aa及び10abの合成
化合物9fをSFC(分離カラム:DAICEL CHIRALPAK AS(250mm×30mm、10μm);移動相:A[CO];B(0.1%NHO EtOH)%:50%~50%)で分離して、化合物10aa(保持時間:3.409分)及び10ab(保持時間:4.496分)を得た。
10aa:MS(ESI,m/z):548.1[M+1];ee値:100%.
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.68-7.56(m,2H),7.40-7.27(m,3H),7.23-6.62(m,5H),7.23-6.62(m,1H),6.57(d,J=7.8Hz,1H),5.78(d,J=7.8Hz,1H),5.55-5.33(m,2H),5.12(dd,J=7.3,11.3Hz,1H),4.90(s,1H),4.51(t,J=11.4Hz,1H),4.14(td,J=2.8,11.5Hz,1H),2.99(s,3H),2.14-1.82(m,2H).
10ab:MS(ESI,m/z):548.1[M+1];ee値:100%.
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.63(d,J=6.8Hz,2H),7.41-7.30(m,3H),7.22-6.70(m,6H),6.58(d,J=7.8Hz,1H),5.79(d,J=7.8Hz,1H),5.55-5.40(m,2H),5.13(dd,J=7.2,11.4Hz,1H),4.92(s,1H),4.53(t,J=11.7Hz,1H),4.19-4.12(m,1H),3.01(s,3H),2.15-2.02(m,1H),1.92(br dd,J=7.2,15.4Hz,1H).
工程2:化合物10A及び10Bの合成
10aa(150mg、273.96μmol、1eq)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、無水塩化マグネシウム(521.68mg、5.48mmol、20eq)を加え、反応液を25℃で3時間撹拌した。反応液を直接に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取逆相液体クロマトグラフィー(分離カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75mm×30mm×3μm;移動相:[HO(0.225%FA)-ACN];ACN%:30%~60%、7分)で精製して、化合物10Aを得た。MS(ESI,m/z):458.1[M+1];ee値:100%.
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.25(br s,2H),7.16-7.07(m,2H),7.03(d, J=7.5Hz,1H),6.94(br t,J=8.2Hz,2H),5.77(d,J=7.5Hz,1H),5.54(t,J=9.3Hz,1H),5.41(s,1H),4.67-4.53(m,1H),4.22(td,J=2.9,11.5Hz,1H),3.10(s,3H),2.32-2.05(m,2H);
19F NMR(377MHz,CDOD)δ=-114.42(s,1F),-135.98--138.84(m,1F),-142.46--145.14(m,1F).
10ab(166mg、303.18μmol、1eq)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、無水塩化マグネシウム(577.32mg、6.06mmol、20eq)を加え、反応液を25℃で14時間撹拌した。反応液を直接に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取逆相液体クロマトグラフィー(分離カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75mm×30mm×3μm;移動相:[HO(0.225%FA)-ACN];ACN%:30%~60%、7分)で精製して、化合物10Bを得た。MS(ESI,m/z):458.1[M+1];ee値:100%.
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.39-7.08(m,4H),7.03(d,J=7.5Hz,1H),6.95(br t,J=8.2Hz,2H),5.77(d,J=7.5Hz,1H),5.54(t,J=9.3Hz,1H),5.42(s,1H),4.66-4.56(m,1H),4.22(td,J=2.9,11.4Hz,1H),3.10(s,3H),2.22-2.13(m,2H);
19F NMR(377MHz,CDOD)δ=-114.44(s,1F),-137.37--137.45(m,1F),-143.41--143.52(m,1F).
[実施例11]
合成経路:
工程1:化合物11Aの合成
化合物7B(7.5mg、17.07μmol、1eq)をアセトン(0.5mL)に溶解し、炭酸セシウム(27.81mg、85.34μmol、5eq)及び11a(8.33mg、34.14μmol、2eq)を加え、反応液を25℃で4時間撹拌した。反応液を濾過し、濾液を分取シリコーンゴムシート(ジクロロメタン/メタノール=15:1)で精製して、化合物11Aを得た。
MS(ESI,m/z):556.2[M+1];
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.39-7.17(m,5H),7.13(dd,J=7.3,11.0Hz,1H),7.08-7.01(m,2H),5.85(d,J=7.5Hz,1H),5.78(d,J=6.8Hz,1H),5.67(d,J=6.8Hz,1H),5.52(t,J=9.2Hz,1H),5.21(s,1H),4.95-4.91(m,1H),4.60-4.56(m,1H),4.28-4.19(m,1H),3.07(s,3H),2.21-2.17(m,2H),1.35-1.33(m,6H).
[実施例12]
合成経路:
工程1:化合物12Aの合成
化合物7B(25mg、56.89μmol、1eq)をN,N-ジメチルアセトアミド(1mL)に溶解し、炭酸カリウム(15.73mg、113.79μmol、2eq)、ヨウ化カリウム(9.44mg、56.89μmol、1eq)及び12a(16.90mg、113.79μmol、2eq)を補充して加え、反応液を70℃で3時間撹拌した。12a(16.90mg、113.79μmol、2eq)を補充して加え、反応液を70℃で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水(30mL)を加え、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。有機相を水(50mL)、及び飽和食塩水(50mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮乾燥して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=1:0~20:1)で精製して、化合物12Aを得た。
MS(ESI,m/z):552.3[M+1];
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.27-7.02(m,5H),6.95(dd,J=7.0,10.4Hz,1H),6.85(dd,J=8.6,10.4Hz,1H),6.71(d,J=7.9Hz,1H),5.80(d,J=7.8Hz,1H),5.29(br dd,J=7.0,11.3Hz,1H),5.25-5.12(m,2H),5.02(s,1H),4.58(br t,J=11.9Hz,1H),4.20(br d,J=11.4Hz,1H),3.08(s,3H),2.27-2.12(m,4H),2.04(br dd,J=6.6,15.3Hz,1H).
[実施例13]
合成経路:
工程1:化合物13Aの合成
化合物10B(89mg、194.58μmol、1eq)をN,N-ジメチルアセトアミド(2mL)に溶解し、炭酸カリウム(53.79mg、389.16μmol、2eq)、ヨウ化カリウム(32.30mg、194.58μmol、1eq)及び炭酸クロロメチルメチル(48.46mg、389.16μmol、2eq)を加え、反応液を70℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水(30mL)を加え、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。有機相を水(50mL)、及び飽和食塩水(50mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮乾燥して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=1:0~20:1)で精製して、化合物13Aを得た。MS(ESI,m/z):546.1[M+1];
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.15(br s,2H),7.01-6.87(m,3H),6.81(dd,J=8.7,10.2Hz,1H),6.70(d,J=7.8Hz,1H),5.95(d,J=6.5Hz,1H),5.86(br d,J=7.8Hz,1H),5.77(d,J=6.5Hz,1H),5.47-5.36(m,1H),5.03(s,1H),4.60(br t,J=11.4Hz,1H),4.20(br d,J=11.3Hz,1H),3.87(s,3H),3.05(s,3H),2.22-2.02(m,2H).
[実施例14]
合成経路:
工程1:化合物14aの合成
丸底フラスコにテトラヒドロフラン(60mL)を-15℃で加え、次に2-フルオロ-1-ヨードベンゼン(8.5g、38.29mmol、4.47mL、1eq)及び塩化イソプロピルマグネシウム塩化リチウム(1.3M、29.45mL、1.0eq)をゆっくりと加え、反応液を窒素保護下で-15℃で0.5時間連続的に撹拌した。4,5-ジフルオロサリチルアルデヒド(1.82g、11.49mmol、0.3eq)のテトラヒドロフラン(30mL)溶液を加え、反応液を-15℃で0.5時間撹拌を継続した。反応液を飽和塩化アンモニウム(100mL)にゆっくりと注ぎ、酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、有機相を合併して順次に水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、有機相を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:0~5:1)で分離精製して、化合物14aを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=8.08(br s,1H),7.44-7.29(m,2H),7.23-7.05(m,2H),6.81-6.57(m,2H),6.27(s,1H),3.22(br s,1H).
工程2:化合物14bの合成
1j(5g、11.12mmol、1eq)、14a(7.54g、22.25mmol、純度:75%、2eq)、S-ビナフチルリン酸(3.87g、11.12mmol、1eq)及びR-ビナフチルリン酸(3.87g、11.12mmol、1eq)を1,2-ジクロロエタン(50mL)に溶解し、反応液を60℃で14時間撹拌した。反応液をジクロロメタン(300mL)で希釈し、飽和炭酸ナトリウム溶液(250mL)で洗浄し、固体を析出させ、濾過した。濾液を飽和食塩水(250mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=1:0~20:1)で分離精製して、化合物14bを得た。MS(ESI,m/z):686.2[M+1].
工程3:化合物14cの合成
14b(3.5g、5.10mmol、1eq)を塩酸のメタノール溶液(1M、35.00mL、6.86eq)及び1,2-ジクロロエタン(35mL)に溶解し、反応液を70℃で3.5時間撹拌した。反応液を20℃まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてpHを=8に調整し、混合液をジクロロメタン/メタノール(10:1、200mL×4)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=1:0~10:1)で分離精製して、化合物14cを得た。
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.97(dt,J=1.8,7.4Hz,1H),7.47-7.35(m,4H),7.35-7.32(m,1H),7.31-7.22(m,3H),7.21-7.04(m,2H),6.50(dd,J=6.8,11.8Hz,1H),6.26(s,1H),6.08(d,J=7.8Hz,1H),5.33(d,J=10.8Hz,1H),5.15(d,J=10.8Hz,1H),4.59(dd,J=6.1,7.7Hz,1H),3.59(ddd,J=4.8,6.8,11.2Hz,1H),3.42(ddd,J=4.8,6.5,11.1Hz,1H),2.97(s,3H),1.41-1.22(m,2H).
工程4:化合物14dの合成
14c(1.29g、2.28mmol、1eq)をジクロロメタン(25mL)に溶解し、トリフェニルホスフィン(897.43mg、3.42mmol、1.5eq)を加え、反応液を25℃で15分間撹拌し、四臭化炭素(897.43mg、3.42mmol、1.5eq)を加え、反応液を窒素保護下で25℃で2時間撹拌した。反応液にメタノール(5mL)を加えてクエンチし、直接に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=1:0~20:1)で精製して、化合物14dを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=9.66(br s,1H),7.77(br s,1H),7.47-7.36(m,3H),7.32(br t,J=7.3Hz,3H),7.26-7.05(m,3H),7.02-6.91(m,1H),6.75-6.64(m,1H),6.22-6.08(m,2H),5.37(d,J=11.0Hz,1H),5.22(br d,J=11.0Hz,1H),4.54-4.46(m,1H),3.36-3.28(m,1H),3.27-3.20(m,1H),3.03(s,3H),1.70-1.59(m,2H).
工程5:化合物14eの合成
炭酸セシウム(758.54mg、2.33mmol、2.14eq)をアセトニトリル(68.5mL)に溶解し、反応系を80℃に昇温し、5分ごとに1/25の14d(685mg、1.09mmol、1eq)のアセトニトリル(68.5mL)溶液を加えた(2時間持続)。添加終了後、反応液を80℃で80分間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水(200mL)を加え、ジクロロメタン(3×250mL)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=1:0~20:1)で精製して、化合物14eを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.65(br d,J=7.0Hz,2H),7.55-7.42(m,1H),7.40-7.28(m,3H),7.25-7.17(m,1H),7.07(br s,1H),6.98-6.79(m,3H),6.69(br s,1H),5.87(d,J=7.5Hz,1H),5.65(br s,1H),5.39(d,J=10.0Hz,1H),5.27(br d,J=10.0Hz,1H),5.18(br dd,J=7.0,11.0Hz,1H),4.52(t,J=11.9Hz,1H),4.14(br d,J=11.8Hz,1H),3.03(s,3H),2.12(br d,J=12.8Hz,1H),1.92(br dd,J=6.8,15.1Hz,1H).
工程6:化合物14fa及び14fbの合成
化合物14eをSFC(分離カラム:DAICEL CHIRALPAK AS(250mm×30mm、10μm);移動相:A[CO];B(0.1%NHO EtOH)%:50%~50%)で分離精製して、化合物14fa(保持時間:3.646分)及び14fb(保持時間:4.929分)を得た。
14fa:MS(ESI,m/z):548.1[M+1];ee値:100%.
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.66(br d,J=7.3Hz,2H),7.47(br s,1H),7.40-7.28(m,3H),7.24-7.15(m,1H),7.07(br s,1H),6.98-6.78(m,3H),6.67(br s,1H),5.80(d,J=7.8Hz,1H),5.63(br s,1H),5.36(d, J=10.0Hz,1H),5.28-5.14(m,2H),4.48(t,J=11.7Hz,1H),4.14-4.03(m,1H),3.00(s,3H),2.05(br d,J=12.3Hz,1H),1.86-1.74(m,1H).
14fb:MS(ESI,m/z):548.2[M+1];ee値:99.68%.
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.65(br d,J=7.3Hz,2H),7.48(br s,1H),7.39-7.28(m,3H),7.25-7.17(m,1H),7.08(br s,1H),6.99-6.79(m,3H),6.67(br s,1H),5.82(d,J=7.8Hz,1H),5.66(br s,1H),5.40(d,J=10.0Hz,1H),5.27(br d,J=9.0Hz,1H),5.18(br dd,J=7.2,11.2Hz,1H),4.52(t,J=11.8Hz,1H),4.14(br d,J=11.3Hz,1H),3.03(s,3H),2.11(br d,J=13.3Hz,1H),1.89(br dd,J=6.4,14.9Hz,1H).
工程7:化合物14Aの合成
14fa(162mg、295.88μmol、1eq)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、無水塩化マグネシウム(563.41mg、5.92mmol、20eq)を加え、反応液を25℃で14時間撹拌した。反応液を直接に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取逆相液体クロマトグラフィー(分離カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75×30mm×3μm;移動相:[HO(0.225%FA)-ACN];ACN%:25%~55%、7分)で精製して、化合物14Aを得た。MS(ESI,m/z):458.2[M+1];ee値:100%.
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.51(br s,1H),7.26(br d,J=6.5Hz,1H),7.18-6.97(m,4H),6.92(br t,J=9.3Hz,1H),5.90(br s,1H),5.77(br d,J=7.5Hz,1H),5.58(br t,J=8.8Hz,1H),4.60(br s,1H),4.22(br d,J=10.5Hz,1H),3.13(s,3H),2.23(br s,2H);
19F NMR(377MHz,CDOD)δ=-121.39(br s,1F),-136.96(br s,1F),-143.18(br s,1F).
工程8:化合物14Bの合成
14fb(164mg、299.53μmol、1eq)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、無水塩化マグネシウム(570.37mg、5.99mmol、20eq)を加え、反応液を25℃で14時間撹拌した。反応液を直接に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取逆相液体クロマトグラフィー(分離カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75×30mm×3μm;移動相:[HO(0.225%FA)-ACN];ACN%:25%~55%、7分)で精製して、化合物14Bを得た。MS(ESI,m/z):458.1[M+1];ee値:100%.
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.64-7.42(m,1H),7.30-7.22(m,1H),7.18-6.97(m,4H),6.92(br t,J=9.3Hz,1H),5.90(br s,1H),5.77(d,J=7.5Hz,1H),5.57(br t,J=9.0Hz,1H),4.66-4.53(m,1H),4.22(br d,J=11.5Hz,1H),3.13(s,3H),2.23(br s,2H);
19F NMR(377MHz,CDOD)δ=-121.39(br s,1F),-136.95(br s,1F),-143.18(br s,1F).
[実施例15]
合成経路:
工程1:化合物15Aの合成
化合物14B(84mg、183.65μmol、1eq)をN,N-ジメチルアセトアミド(2mL)に溶解し、炭酸カリウム(50.76mg、367.29μmol、2eq)、ヨウ化カリウム(30.49mg、183.65μmol、1eq)及び炭酸クロロメチルメチル(45.74mg、367.29μmol、2eq)を加え、反応液を70℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水(30mL)を加え、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。有機相を水(50mL)、飽和食塩水(50mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮乾燥して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=1:0~20:1)で精製して、化合物15Aを得た。MS(ESI,m/z):546.1[M+1];
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.44(br s,1H),7.25-7.16(m,1H),7.13-7.03(m,1H),7.00-6.68(m,4H),5.95(br d,J=6.3Hz,1H),5.85(br d,J=7.5Hz,1H),5.78-5.58(m,2H),5.46(br t,J=8.5Hz,1H),4.61(br t,J=11.0Hz,1H),4.19(br d,J=11.0Hz,1H),3.87(s,3H),3.09(s,3H),2.13(br s,2H).
[実施例16]
合成経路:
工程1:化合物16aの合成
マグネシウムフレーク(5.54g、227.73mmol、1eq)を500mlの三つ口フラスコに加え、反応系を3回窒素置換し、窒素保護下でヨウ素(578.01mg、2.28mmol、0.01eq)を加え、マグネシウムフレークにヨウ素が均一に広がるまで加熱し、加熱を停止し、テトラヒドロフラン(231mL)及び3,4-ジフルオロ-1-ブロモベンゼン(5.49g、28.47mmol、0.125eq)を加え、75℃に加熱して反応を開始させ、反応温度を70℃に下げ、3,4-ジフルオロ-1-ブロモベンゼン(38.46g、199.26mmol、0.875eq)をゆっくりと滴下し、滴下終了後、反応液を70℃で2時間撹拌し、室温まで冷却した。上記反応液の上澄液(0.89M、189.96mL、2.97eq)を取り、4,5-ジフルオロサリチルアルデヒド(9g、56.93mmol、1eq)を0℃でゆっくりと滴下してテトラヒドロフラン(150mL)溶液に溶解し(2時間持続)、滴下終了後、反応液を25℃で2時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(500mL)を加えてクエンチし、酢酸エチル(3×500mL)を加えて有機相を抽出し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:0~5:1)で分離精製して、化合物16aを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.64(s,1H),7.26-7.13(m,2H),7.09(ddd,J=2.1,4.1,6.3Hz,1H),6.76-6.65(m,2H),5.91(d,J=1.8Hz,1H),3.09(d,J=3.3Hz,1H).
工程2:化合物1eの合成
16b(3.01g、6.70mmol、1eq)、16a(3.65g、13.39mmol、2eq)、S-ビナフチルリン酸(583.07mg、1.67mmol、0.25eq)及びR-ビナフチルリン酸(583.07mg、1.67mmol、0.25eq)を1,2-ジクロロエタン(30mL)に溶解し、反応液を90℃で40時間撹拌した。反応液を直接に濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=1:0~20:1)で分離精製して、化合物16bを得た。MS(ESI,m/z):704.3[M+1].
工程3:化合物16cの合成
16b(4.33g、6.15mmol、1eq)を塩酸のメタノール溶液(1M、43.30mL、7.04eq)及び1,2-ジクロロエタン(43.3mL)に溶解し、反応液を70℃で3.5時間撹拌した。反応液を20℃まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えてpHを=8に調整し、混合液をジクロロメタン/メタノール(10:1、100mL×4)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=1:0~10:1)で分離精製して、化合物16cを得た。
H NMR(400MHz,CD3OD)δ=7.68-7.59(m,1H),7.42-7.33(m,5H),7.32-7.24(m,3H),7.10(dd,J=9.2,11.2Hz,1H),6.51(dd,J=6.9,11.8Hz,1H),6.08(d,J=7.6Hz,1H),5.89(s,1H),5.32(d,J=10.8Hz,1H),5.14(d,J=10.8Hz,1H),4.57(dd,J=6.2,7.8Hz,1H),3.66-3.53(m,1H),3.44(td,J=5.4,11.0Hz,1H),2.99(s,3H),1.37(dt,J=5.7,13.4Hz,1H),1.31-1.18(m,1H).
工程4:化合物16dの合成
16c(974mg、1.67mmol、1eq)をジクロロメタン(18mL)に溶解し、トリフェニルホスフィン(656.70mg、2.50mmol、1.5eq)を加え、反応液を25℃で15分間撹拌し、四臭化炭素(830.31mg、2.50mmol、1.5eq)を加え、反応液を窒素保護下で25℃で1時間撹拌した。反応液にメタノール(3mL)を加えてクエンチし、直接に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=1:0~20:1)で精製して、化合物16dを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=9.81(br s,1H),7.41(br t,J=8.3Hz,1H),7.36-7.30(m,2H),7.24(br d,J=2.0Hz,5H),7.01(br d,J=7.0Hz,1H),6.91-6.77(m,2H),6.16(br d,J=7.0Hz,1H),5.79(br s,1H),5.29(s,1H),5.08(d,J=11.0Hz,1H),4.53(dd,J=5.4,8.2Hz,1H),3.37-3.19(m,2H),3.02(s,3H),1.72-1.49(m,2H).
工程5:化合物16eの合成
炭酸セシウム(484.45mg、1.49mmol、2.14eq)をアセトニトリル(45mL)に溶解し、反応系を80℃に昇温し、5分ごとに1/25の16d(450mg、696.14μmol、1eq)のアセトニトリル(45mL)溶液を加えた(2時間持続)。添加終了後、反応液を80℃で80分間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、水(50mL)を加え、ジクロロメタン(3×100mL)で抽出した。有機相を合併し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=1:0~20:1)で精製して、化合物16eを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.61(d,J=6.8Hz,2H),7.43-7.31(m,3H),7.11(br s,1H),7.00-6.85(m,2H),6.79(dd,J=8.5,10.0Hz,1H),6.72(d,J=7.8Hz,2H),6.06(br s,1H),5.51-5.37(m,2H),5.28-5.18(m,1H),4.85(s,1H),4.61-4.52(m,1H),4.17(br d,J=11.3Hz,1H),2.99(s,3H),2.04-1.89(m,2H).
工程6:化合物16fa及び16fbの合成
化合物16eをSFC(分離カラム:DAICEL CHIRALPAK AS(250mm×30mm、10μm);移動相:A[CO];B(0.1%NHO EtOH)%:40%~40%、分)で分離して、化合物16fa(保持時間:3.464分)及び16fb(保持時間:4.041分)を得た。
16fa:MS(ESI,m/z):566.2[M+1];ee値:100%.
H NMR(400MHz, CDCl)δ=7.61(d,J=6.8Hz,2H),7.40-7.29(m,3H),7.24-6.85(m,3H),6.79(dd,J=8.5,10.0Hz,1H),6.71(br d,J=7.5Hz,1H),6.59(br s,1H),5.99(br s,1H),5.51-5.38(m,2H),5.21(br s,1H),4.85(s,1H),4.62-4.52(m,1H),4.19-4.14(m,1H),2.97(s,3H),2.03-1.87(m,2H).
16fb:MS(ESI,m/z):566.2[M+1];ee値:100%.
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.62(d,J=6.8Hz,2H),7.45-7.29(m,3H),7.12(br s,1H),6.99-6.85(m,2H),6.79(dd,J=8.5,10.3Hz,1H),6.70(br d,J=6.8Hz,1H),6.59(br s,1H),5.93(br s,1H),5.49-5.33(m,2H),5.21(br s,1H),4.84(s,1H),4.55(br t,J=11.7Hz,1H),4.17-4.11(m,1H),2.94(s,3H),2.03-1.80(m,2H).
工程7:化合物16Aの合成
16fa(100mg、176.83μmol、1eq)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、無水塩化マグネシウム(336.72mg、3.54mmol、20eq)を加え、反応液を25℃で14時間撹拌した。反応液を直接に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取逆相液体クロマトグラフィー(分離カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75×30mm×3μm;移動相:[HO(0.225%FA)-ACN];ACN%:30%~60%、7分)で精製して、化合物16Aを得た。MS(ESI,m/z):476.2[M+1];ee値:100%.
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.43-6.89(m,6H),5.84(d,J=7.5Hz,1H),5.54(dd,J=7.5,11.0Hz,1H),5.40(s,1H),4.64(br t,J=10.9Hz,1H),4.24(br d,J=11.3Hz,1H),3.08(s,3H),2.25-2.06(m,2H);
19F NMR(377MHz,CDOD)δ=-136.77(br d,J=20.8Hz,1F),-139.45(br s,1F),-143.10(br d,J=20.8Hz,1F).
工程8:化合物16Bの合成
16fb(100mg、176.83μmol、1eq)をジクロロメタン(5mL)に溶解し、無水塩化マグネシウム(336.72mg、3.54mmol、20eq)を加え、反応液を25℃で14時間撹拌した。反応液を直接に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取逆相液体クロマトグラフィー(分離カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75×30mm×3μm;移動相:[HO(0.225%FA)-ACN];ACN%:30%~60%、7分)で精製して、化合物16Bを得た。MS(ESI,m/z):476.1[M+1];ee値:100%.
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.43-6.91(m,6H),5.84(d,J=7.5Hz,1H),5.54(dd,J=7.7,10.9Hz,1H),5.40(s,1H),4.68-4.59(m,1H),4.24(br d,J=11.5Hz,1H),3.08(s,3H),2.25-2.06(m,2H);
19F NMR(377MHz,MeOD-d4)δ=-136.77(br d,J=20.8Hz,1F),-139.45(br s,1F),-143.11(br d,J=20.8Hz,1F).
[実施例17]
合成経路:
工程1:化合物17bの合成
丸底フラスコにN,N-ジメチルアセトアミド(5mL)を25℃で加え、18e(30mg、49.31μmol、1eq)、シアン化亜鉛(20mg、170.31μmol、10.81μL、3.45eq)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(11.40mg、9.86μmol、0.2eq)をゆっくりと加え、反応液を窒素保護下で115℃で12時間連続的に撹拌した。反応液を水(10mL)にゆっくりと注ぎ、酢酸エチル(50mL×2)で2回抽出し、有機相を合併して順次に水(10mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、得られた有機相を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:1~100:10)で分離した。得られた粗生成物を分取薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=10:1)で分離して、化合物17bを得た。
工程2:化合物17Aの合成
丸底フラスコにジクロロメタン(2mL)を25℃で加え、17b(15mg、27.05μmol、1eq)及び無水塩化マグネシウム(25.75mg、270.49μmol、10eq)をゆっくりと加え、反応液を窒素保護下で25℃で1時間連続的に撹拌した。減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取逆相液体クロマトグラフィー(分離カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75×30mm×3μm;移動相:[HO(0.225%FA)-ACN];ACN%:20%~50%、7分)で分離精製して、17Aを得た。MS(ESI,m/z):465.1[M+1];
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.94(br d,J=8.3Hz,1H),7.66(br t,J=7.9Hz,1H),7.55(br d,J=7.9Hz,1H),7.50-7.38(m,1H),7.18(br dd,J=7.6,10.6Hz,1H),7.12-6.96(m,2H),5.85(s,1H),5.75(br d,J=7.4Hz,1H),5.59(br t,J=8.8Hz,1H),4.71-4.60(m,1H),4.27(br d,J=11.6Hz,1H),3.12(s,3H),2.24(br d,J=8.1Hz,2H);
19F NMR(377MHz,CDOD)δ=-135.94(br d,J=22.6Hz,1F),-142.49(br d,J=19.8Hz,1F).
[実施例18]
合成経路:
工程1:化合物18aの合成
丸底フラスコにテトラヒドロフラン(60mL)を0℃で加え、次に1-ブロモ-2-ヨードベンゼン(9.0g、31.81mmol、4.09mL、1eq)及び塩化イソプロピルマグネシウム塩化リチウム(1.3M、26.92mL、1.1eq)をゆっくりと加え、反応液を窒素保護下で0℃で0.5時間連続的に撹拌した。4,5-ジフルオロサリチルアルデヒド(1.26g、7.95mmol、0.25eq)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液を加え、反応液を0℃で0.5時間撹拌を継続した。反応液を水(100mL)にゆっくりと注ぎ、酢酸エチル(100mL×2)で抽出し、有機相を合併して順次に水(100mL)、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、有機相を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100:1~5:1)で分離精製して、化合物18aを得た。
工程2:化合物18bの合成
1j(1.0g、2.22mmol、1eq)、18a(701.03mg、2.22mmol、1eq)、S-ビナフチルリン酸(77.50mg、0.22mmol、0.1eq)及びR-ビナフチルリン酸(77.50mg、0.22mmol、0.1eq)を1,2-ジクロロエタン(50mL)に溶解し、反応液を窒素保護下で75℃で12時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)に注ぎ、酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。有機相を合併し、水(30mL×2)及び飽和食塩水(250mL×2)で洗浄し、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:1~10:1)で分離精製して、化合物18bを得た。MS(ESI,m/z):746.3[M+1].
工程3:化合物18cの合成
18b(900mg、1.21mmol、1eq)を塩酸のメタノール溶液(1M、11mL)に溶解し、反応液を70℃で2時間撹拌した。反応液を20℃まで冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50mL)に注ぎ、混合物をジクロロメタン(50mL×2)で抽出した。有機相を合併し、水(50mL)及び飽和食塩水(50mL)で1回ずつ洗浄し、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~94:6)で分離精製して、化合物18cを得た。MS(ESI,m/z):626.1[M+1].
工程4:化合物18dの合成
18c(300mg、0.48mmol、1eq)をジクロロメタン(3mL)に懸濁し、トリフェニルホスフィン(188mg、0.72mmol、1.5eq)を加え、反応液を25℃で15分間撹拌し、四臭化炭素(238mg、0.72mmol、1.5eq)を加え、13時間撹拌を継続した。トリフェニルホスフィン(100mg、0.38mmol、0.8eq)及び四臭化炭素(127mg、0.38mmol、0.8eq)を補充して加え、2時間撹拌した。反応液にメタノール(1mL)を加えてクエンチし、直接に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=99:1~98:2)で精製して、化合物18dを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=9.55(br s,1H),7.95(br s,1H),7.63(br d,J=7.8Hz,1H),7.55(br t,J=7.5Hz,1H),7.38(br s,2H),7.28(br s,4H),7.26-7.07(m,1H),6.95-6.76(m,2H),6.34(br s,2H),5.35(br d,J=10.8Hz,1H),5.15(br d,J=11.3Hz,1H),4.47(br t,J=6.0Hz,1H),3.33(br s,1H),3.24(br s,1H),3.06(s,3H),1.63(br s,2H).
工程5:化合物18eの合成
アセトニトリル(900mL)に18d(180mg、0.26mmol、1eq)及び炭酸セシウム(1.70g、5.22mmol、20eq)を25℃で加え、反応系を80℃に昇温し、2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却し、濾過し、濾液を濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=99:1~97:3)で精製して、化合物18eを得た。MS(ESI,m/z):608.1[M+1].
工程6:化合物18Aの合成
18e(15mg、25μmol、1eq)をジクロロメタン(2mL)に溶解し、無水塩化マグネシウム(47mg、0.49mmol、20eq)を加え、反応液を25℃で3時間撹拌した。反応液を直接に濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を分取逆相液体クロマトグラフィー(分離カラム:Phenomenex Gemini-NX C18 75×30mm×3μm;移動相:[HO(0.225%FA)-ACN];ACN%:25%~55%、7分)で精製して、化合物18Aを得た。MS(ESI,m/z):517.8[M+1];
H NMR(400MHz,CDOD)δ=7.80(dd,J=1.5,8.0Hz,1H),7.38(dd,J=1.0,8.0Hz,1H),7.31(t,J=7.7Hz,1H),7.15-7.05(m,2H),7.04-6.94(m,2H),6.11(s,1H),5.76(d,J=7.8Hz,1H),5.54(t,J=9.2Hz,1H),4.68-4.53(m,1H),4.23(br d,J=11.3Hz,1H),3.12(s,3H),2.28-2.12(m,2H);
19F NMR(377MHz,CDOD)δ=-135.56(br d,J=24.3Hz,1F),-141.81(br d,J=20.8Hz,1F).
[実施例19]
合成経路:
工程1:化合物19aの合成
三つ口フラスコに酢酸エチル(25mL)を25℃で加え、1j(2.5g、5.56mmol、1eq)、TPの酢酸エチル溶液(14.16g、22.24mmol、13.23mL、濃度:50%、4eq)及び3b(3.56g、11.12mmol、2eq)をゆっくりと加え、反応液を窒素保護下で75℃で12時間連続的に撹拌した。反応液を水(50mL)にゆっくりと注ぎ、酢酸エチル(50mL×2)で2回抽出し、有機相を合併して順次に水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、得られた有機相を減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で分離して、化合物19aを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.75(br d,J=7.5Hz,1H),7.59-7.52(m,2H),7.23-6.92(m,10H),6.91-6.81(m,5H),6.74(br d,J=8.0Hz,1H),5.52-5.35(m,1H),5.31(s,1H),5.15(d,J=10.4Hz,1H),4.99-4.93(m,1H),4.89-4.80(m,1H),4.71-4.59(m,1H),4.52-4.29(m,2H),3.84-3.82(m,3H),3.80(d,J=5.3Hz,3H),3.47(dt,J=3.3,7.0Hz,1H),3.40-3.20(m,2H),2.84(s,3H),1.61-1.44(m,2H).
工程2:化合物19bの合成
19a(3g、3.99mmol、1eq)を塩酸(12M、1.30mL、3.92eq)のメタノール(30.0mL)予備混合液(~0.5M)に溶解し、反応液を60℃で18時間撹拌した。反応液を20℃まで冷却し、固体炭酸水素ナトリウムを加えてpHを>7に調整した。反応液をコットンで濾過し、シリカゲルを加えて濃縮乾燥させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で分離して、19bを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.60-7.50(m,2H),6.93(br t,J=7.2Hz,1H),6.83-6.69(m,2H),6.10-5.99(m,1H),5.96-5.85(m,1H),5.49(br d,J=10.8Hz,1H),5.38-5.35(m,1H),4.70-4.62(m,1H),4.61-4.54(m,1H),3.79-3.52(m,2H),2.98-2.92(m,3H),1.51-1.29(m,2H).
工程3:化合物19cの合成
乾燥した三つ口フラスコに19b(171mg、334.27μmol、1eq)及びジクロロメタン(2mL)を20℃で加え、撹拌を開始し、次にトリフェニルホスフィン(131.51mg、501.40μmol、1.5eq)を加えた。反応液をこの温度で15分間撹拌した後、四臭化炭素(166.28mg、501.40mmol、1.5eq)を加え、反応系を清澄化させた。反応液を20℃で2時間撹拌を継続した。反応液に水(10mL)を加えてクエンチし、水相をジクロロメタン(10mL×3)で抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水(10mL×2)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で分離して、19cを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ=7.66-7.61(m,1H),7.59-7.48(m,2H),7.47-7.34(m,3H),7.22-7.16(m,2H),7.12-6.96(m,2H),6.84-6.73(m,1H),6.18(br d,J=2.4Hz,1H),6.00-5.88(m,1H),5.53-5.22(m,2H),4.74-4.55(m,1H),3.46-3.20(m,2H),3.02-2.86(m,3H),1.88-1.51(m,2H).
工程4:化合物19dの合成
乾燥した三つ口フラスコに19c(215mg、374.26μmol、1eq)及びアセトニトリル(1045mL)を20℃で加え、撹拌を開始し、次に炭酸セシウム(2.44g、7.49mmol、20eq)を加え、3回窒素置換し、反応液を80℃で3.3時間撹拌した。反応液を濾紙で濾過し、フィルターケーキをアセトニトリル(50mL)で洗浄し、濾液を減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で分離して、化合物19dを得た。
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=7.54(d,J=6.9Hz,2H),7.41-7.27(m,5H),7.25-7.16(m,5H),7.14-7.04(m,2H),6.83(d,J=7.8Hz,1H),5.63(d,J=7.8Hz,1H),5.44-5.34(m,1H),5.20-5.09(m,3H),4.61-4.50(m,1H),4.17-4.13(m,1H),2.88(s,3H),2.16-2.04(m,1H),1.91-1.75(m,1H).
工程5:化合物19ea及び19ebの合成
化合物19dをSFC(分離カラム:DAICEL CHIRALPAK AS(250mm×30mm、10μm);移動相:[Neu-メタノール]メタノール%:50%~50%、20分)で分離して、化合物19ea(保持時間:1.192分)及び19eb(保持時間:1.411分)を得た。
工程6:化合物19A及び19Bの合成
丸底フラスコにジクロロメタン(1mL)を20℃で加え、19ea(40mg、81.05μmol、1eq)及び無水塩化マグネシウム(154.33mg、1.62μmol、20eq)をゆっくりと加え、反応液を窒素保護下で20℃で18時間連続的に撹拌した。減圧濃縮して粗生成物を得、粗生成物を分取逆相液体クロマトグラフィー(分離カラム:Welch Xtimate C18 100×25mm×3μm;移動相:[HO(0.05%HCl)-ACN];ACN%:15%~45%、8分)で分離精製して、化合物19Aを得た。MS(ESI,m/z):404.1[M+1];ee値:100%.
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.35-7.29(m,2H),7.23-6.97(m,7H),6.84-6.73(m,1H),6.34-6.02(m,1H),5.70-5.56(m,1H),4.81-4.59(m,1H),4.34-4.20(m,1H),3.10(s,3H),2.29-1.93(m,3H).
丸底フラスコにジクロロメタン(1mL)を20℃で加え、19eb(20mg、40.52μmol、1eq)及び無水塩化マグネシウム(77.16mg、810.45μmol、20eq)をゆっくりと加え、反応液を窒素保護下で20℃で18時間連続的に撹拌した。減圧濃縮して粗生成物を得、粗生成物を分取逆相液体クロマトグラフィー(分離カラム:Welch Xtimate C18 100×25mm×3μm;移動相:[HO(0.05%HCl)-ACN];ACN%:15%~45%、8分)で分離精製して、化合物19Bを得た。MS(ESI,m/z):404.1[M+1];ee値:100%.
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.36-7.29(m,2H),7.24-6.93(m,9H),6.74-6.65(m,1H),6.15-5.88(m,1H),5.16-5.05(m,1H),4.89-4.73(m,1H),4.29-4.17(m,1H),3.11(s,3H),2.27-2.04(m,2H).
[実施例20]
合成経路:
工程1:化合物20aの合成
乾燥した三つ口フラスコに3,4-ジフルオロサリチルアルデヒド(8g、50.60mmol、1eq)及びアセトニトリル(80mL)を加え、炭酸カリウム(13.99g、101.20mmol、2eq)を加え、次に臭化アリル(9.18g、75.90mmol、29.97mL、1.5eq)を加え、3回窒素置換し、反応液を50℃で16時間撹拌した。反応液を水(100mL)にゆっくり注ぎ、酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮して化合物20aを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=10.24(d,J=0.8Hz,1H),7.54(ddd,J=2.1,6.1,8.7Hz,1H),6.93-6.84(m,1H),6.05-5.86(m,1H),5.42-5.23(m,3H),4.74(dd,J=0.9,6.0Hz,2H).
工程2:化合物20bの合成
事前に乾燥した三つ口フラスコに原料20a(8.74g、44.10mmol、1eq)を加え、溶媒のテトラヒドロフラン(100mL)を加え、3回窒素置換し、反応系の温度(内部)を0~5℃に制御し、フェニルグリニャール試薬(3M、22.05mL、1.5eq)をゆっくりと滴下し、滴下終了後、混合液を20℃で1時間撹拌した。温度を0~5℃に制御し、反応液を飽和塩化アンモニウム(100mL)にゆっくりと注ぎ、酢酸エチル(100mL×2)で2回抽出し、有機相を合併して飽和食塩水(200mL)で順次に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=100:0~75:15)で分離して、20bを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.29-7.23(m,5H),7.04(ddd,J=2.2,6.1,8.6Hz,1H),6.88-6.71(m,1H),5.94(d,J=5.1Hz,1H),5.84-5.65(m,1H),5.27-5.09(m,2H),4.39(dd,J=0.9,6.0Hz,2H),2.51(d,J=5.3Hz,1H).
工程3:化合物20cの合成
事前に乾燥した三つ口フラスコに20b(760mg、2.75mmol、1eq)を加え、溶媒のジクロロメタン(8mL)を加え、3回窒素置換し、氷浴中で反応器を置き、反応系の温度(内部)を0~5℃に制御し、塩化チオニル(981.81mg、8.25mmol、598.66μL、3eq)をゆっくりと滴下し、滴下終了後、反応液を0℃で45分間撹拌し、ゆっくりと20℃に昇温し、2時間撹拌を継続した。減圧濃縮して粗生成物20cを得、直接に次の工程に使用した。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.43-7.27(m,6H),6.93-6.84(m,1H),6.48(s,1H),6.02-5.85(m,1H),5.42-5.19(m,2H),4.70-4.46(m,2H).
工程4:化合物20dの合成
事前に乾燥した三つ口フラスコに1j(1.02g、2.26mmol、1eq)及び溶媒のN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)を加え、3回窒素置換した。反応系の温度(内部)を0~5℃に制御し、水素化ナトリウム(135.72mg、3.39mmol、60%含有量、1.5eq)をゆっくりと加え、反応液を0℃で30分間撹拌した。次に反応系の温度(内部)を0~5℃に制御し、20c(1g、3.39mmol、1.5eq)及びN,N-ジメチルホルムアミド(5mL)の混合溶液をゆっくりと系内に滴下した。滴下終了後、混合液を20℃で2時間撹拌を継続した。反応液に氷水(50mL)をゆっくりと加えてクエンチし、水相をジクロロメタン(100mL×3)で抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水(100mL×4)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で分離して、20dを得た。
工程5:化合物20eの合成
乾燥した三つ口フラスコに20d(814mg、1.15mmol、1eq)及びメタノール(27mL)を20℃で加え、撹拌を開始し、次にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(132.90mg、115.01μmol、0.1eq)を加え、3回窒素置換し、反応液をこの温度で10分間撹拌し、次に炭酸カリウム(476.86mg、3.45mmol、3eq)を加え、反応液を20℃で2時間撹拌を継続した。反応液を珪藻土で濾過し、フィルターケーキをジクロロメタン(25mL×2)で洗浄し、有機相を順次に水(50mL)、飽和食塩水(50mL)で洗浄し、分離した有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~97:3)で分離して、20eを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.59-7.34(m,5H),7.23-7.03(m,7H),6.98-6.84(m,3H),6.76-6.64(m,1H),5.81-5.74(m,1H),5.53-5.25(m,3H),4.69-4.55(m,1H),4.52-4.30(m,2H),3.88-3.78(m,3H),3.53-3.41(m,1H),3.40-3.28(m,1H),2.95-2.84(m,3H),1.66-1.48(m,1H),1.46-1.35(m,1H).
工程6:化合物20fの合成
20e(345mg、516.70μmol、1eq)を塩酸(12M、168.86μL、3.92eq)のメタノール(3.45mL)の予備混合液(~0.5M)に溶解し、反応液を60℃で18時間撹拌した。反応液を20℃まで冷却し、固体炭酸水素ナトリウムを加えてpHを>7に調整した。反応液をコットンで濾過し、シリカゲルを加えて濃縮乾燥させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で分離して、20fを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.62-7.37(m,11H),7.06-6.96(m,2H),6.70-6.57(m,1H),5.86-5.80(m,1H),5.48-5.26(m,3H),4.75-4.68(m,1H),3.73-3.61(m,1H),3.59-3.47(m,1H),3.00-2.97(m,3H),1.57-1.53(m,2H).
工程7:化合物20gの合成
乾燥した三つ口フラスコに20f(107.00mg、195.42μmol、1eq)及びジクロロメタン(2mL)を20℃で加え、撹拌を開始し、次にトリフェニルホスフィン(76.88mg、293.12μmol、1.5eq)を加えた。反応液をこの温度で15分間撹拌した後、四臭化炭素(97.21mg、293.12μmol、1.5eq)を加え、反応系を清澄化させた。反応液を20℃で2時間撹拌を継続した。反応液に水(10mL)を加えてクエンチし、水相をジクロロメタン(10mL×3)で抽出し、有機相を合併し、飽和食塩水(10mL×2)で洗浄し、有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。濾過して減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で分離して、20gを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.52(br d,J=7.9Hz,4H),7.47-7.36(m,3H),7.34-7.29(m,3H),7.00(br d,J=8.6Hz,1H),6.92-6.79(m,1H),6.66-6.57(m,1H),5.77(s,1H),5.45-5.37(m,2H),4.59(dd,J=5.8,7.8Hz,1H),3.43-3.33(m,1H),3.31-3.23(m,1H),2.94(s,3H),1.81-1.66(m,2H).
工程8:化合物20hの合成
乾燥した三つ口フラスコに20g(50mg、81.91μmol、1eq)及びアセトニトリル(250mL)を20℃で加え、撹拌を開始し、次に炭酸セシウム(533.74mg、1.64mmol、20eq)を加え、3回窒素置換し、反応液を80℃で12時間撹拌した。反応液を濾紙で濾過し、フィルターケーキをアセトニトリル(50mL)で洗浄し、濾液を減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール=100:0~95:5)で分離して、化合物20hを得た。
H NMR(400MHz,CDCl)δ=7.62(d,J=6.6Hz,2H),7.40-7.29(m,4H),7.21-7.11(m,3H),6.95-6.79(m,2H),6.74-6.66(m,1H),6.60(d,J=7.7Hz,1H),5.76(d,J=7.7Hz,1H),5.41(d,J=2.2Hz,2H),5.00(s,1H),4.55(br t,J=11.6Hz,1H),4.40-4.25(m,1H),2.98(s,3H),2.16-1.97(m,2H).
工程9:化合物20Aの合成
丸底フラスコにジクロロメタン(1mL)を25℃で加え、20h(17.00mg、29.89μmol、純度:90%、1eq)及び無水塩化マグネシウム(55.02mg、577.87μmol、20eq)をゆっくりと加え、反応液を窒素保護下で25℃で18時間連続的に撹拌した。反応液を減圧濃縮し、メタノールに溶解し、有機相ニードルフィルターで濾過し、粗生成物を得た。粗生成物を分取逆相液体クロマトグラフィー(分離条件:分離カラム:Phenomenex Luna C18 100×30mm×5μm;移動相:[HO(0.04%HCl)-ACN];ACN%:30%~60%、10分)で分離精製して、化合物20Aを得た。MS(ESI,m/z):444.1[M+1];
H NMR(400MHz,DMSO-d)δ=7.67-6.98(m,8H),6.86(d,J=7.6Hz,1H),5.55-5.48(m,2H),4.63(br t,J=11.6Hz,1H),4.33-4.20(m,1H),2.97(s,3H),2.25(br dd,J=6.9,16.1Hz,1H),2.11-1.94(m,1H).
生物学的試験
実験例1:インフルエンザウイルスの細胞変性効果(CPE)アッセイ
インフルエンザウイルス(IFV)に対する化合物の抗ウイルス活性は、化合物の半有効濃度(EC50)値を測定することによって評価した。細胞変性効果アッセイは、ウイルス感染細胞に対する化合物の保護効果を測定して、化合物の抗ウイルス活性を反映するために広く使用されている。
インフルエンザウイルスのCPEアッセイ:
MDCK細胞を黒色384ウェル細胞培養プレートにウェルあたり2000個の密度で播種し、5%COインキュベーターで37℃で一晩培養した。化合物をEcho555非接触型ナノスケール音波ピペッティングシステムで希釈し、細胞ウェルに添加した(4倍希釈、8試験濃度ポイント)。次に、対応するインフルエンザウイルス株を細胞培養ウェルに、ウェルあたり1~2の90%の組織培養感染用量(TCID90)で添加し、培地中のDMSOの最終濃度を0.5%に設定した。ウイルスコントロールウェル(DMSO及びウイルスを追加、化合物を追加しない)、細胞コントロールウェル(DMSOを追加、化合物及びウイルスを追加しない)及び培地コントロールウェル(培地のみ、細胞なし)を設定した。化合物の細胞毒性アッセイは抗ウイルス活性アッセイと並行して実施され、ウイルスを添加しないことを除いて、他の実験条件は抗ウイルス活性アッセイと一致した。細胞プレートを5%COインキュベーターで37℃で5日間培養した。培養5日後、細胞生存率検出キットCCK8を用いて細胞活性を検出した。生データは、化合物の抗ウイルス活性及び細胞毒性の計算に使用された。
化合物の抗ウイルス活性及び細胞毒性は、それぞれウイルスによって誘発される細胞ウイルス効果に対する化合物の阻害率(%)で表される。計算式は以下の通りである:
阻害率(%)=(サンプル値-ウイルスコントロル平均値)/(細胞コントロール平均値-ウイルスコントロール平均値)×100
GraphPad Prismソフトウェアを用いて、化合物の阻害率及び細胞毒性を非線形フィッティング分析し、化合物のEC50値を得た。
インフルエンザウイルスに対する本発明の化合物の阻害活性は表1、表2及び表3に示された通りである。
結論:本発明の化合物は、細胞レベルのインフルエンザウイルス複製阻害試験において正の効果を示す。
実験例2:薬物動態(PK)試験
実験目的:様々な種族の動物での薬物動態特性を試験することにより、化合物の医薬の可能性を評価した。
実験材料:Sprague-Dawley系ラット、ビーグル犬、カニクイザル。
実験手順:
化合物の静脈内注射及び経口投与後の薬物動態特性を標準プロトコルに従って試験し、実験では、候補化合物を透明な溶液(静脈内注射)又は均一な懸濁液(経口投与)に調製し、動物に単回投与した。静脈内注射及び経口投与用の溶媒は、一定の割合のジメチルスルホキシド及びポリエチレングリコール(15)-ヒドロキシステアレート水溶液である。24時間以内に全血試料を収集し、3200gで10分間遠心分離し、上清を分離して血漿試料を得、LC-MS/MS分析法によって血中薬物濃度の定量分析し、ピーク濃度、ピーク時間、クリアランス、半減期、薬物血中濃度-時間曲線下面積などの薬物動態パラメーターを計算した。
結論:本発明の化合物の薬物動態特性は、医薬品の要件に一致する。
実験例3:マウス有効性試験
実験目的:インフルエンザウイルス(IFV)に対する化合物のインビボ抗ウイルス活性を、マウスA型インフルエンザウイルス治療モデルにおける試験動物の体重変化率及び生存率を観察することによって評価した。マウス治療モデルは、ウイルス感染動物に対する化合物の保護効果を測定して、化合物の抗ウイルス活性を反映するために広く使用されている。
実験手順::
マウス(BALB/c系)にウイルス(A型インフルエンザウイルス株A/PR/8/34)を1000p.f.u./マウスの用量で0日目に点鼻接種した。溶媒(5%DMSO+10%ポリエチレングリコール-15ヒドロキシステアレート+85%水)又は30mpkの8Bを2日目から8日目まで連続7日間、1日2回に経口投与し、計14回投与し、初回投与はウイルス接種の48時間後に実施した。0日目から14日目まで継続的に動物を観察し、体重、健康状態、及び生存率を記録した。
実験結果は表5をに示された通りである:
結論:本発明の化合物は、動物治療モデル有効性試験において保護効果を示した。

Claims (16)

  1. 下記式から選択される式(I)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。

    ただし、
    は、H、C1~3アルキル、C3~4シクロアルキル及びオキセタンから選択され、
    各Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、C1~3アルキル及びC1~3アルコキシから選択され、前記C1~3アルキル及びC1~3アルコキシは、1、2又は3つのハロゲンにより任意に置換され、
    mは、0、1及び2から選択され、
    は、

    、フェニル、5~6員のヘテロアリール、C1~3アルキル及びC3~6シクロアルキルから選択され、前記フェニル、5~6員のヘテロアリール、C1~3アルキル及びC3~6シクロアルキルは、1、2又は3のRにより任意に置換され、
    は、フェニル及びベンジルから選択され、
    は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1~3アルキル及びC1~3アルコキシから選択され、前記C1~3アルキル及びC1~3アルコキシは、1、2又は3つのハロゲンにより任意に置換され、
    は、H、

    及び-C(R-O-C(=O)-O-Rから選択され、
    は、それぞれ独立して、H及びC1~3アルキルから選択され、
    は、H及びC1~3アルキルから選択され、前記C1~3アルキルは、1、2又は3つのRにより任意に置換され、
    Rは、それぞれ独立して、ハロゲン、C1~3アルキルアミノ、ヒドロキシ及びC1~3アルコキシから選択され、
    は、-(CH-、-(CHO-及び-CH=CH-CHO-から選択され、
    各nは、1、2及び3から選択され、
    前記5~6員のヘテロアリールは、それぞれ独立してO、S、N及びNHから選択される1、2又は3つのヘテロ原子又はヘテロ原子団を含む。
  2. は、H、メチル、イソプロピル、シクロプロピル、シクロブチル及び

    から選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  3. は、F、Cl、Br、メチル及びメトキシから選択され、前記メチル及びメトキシは、1、2又は3つのハロゲンにより任意に置換される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  4. は、F、Cl及びメチルから選択される、請求項3に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  5. は、フェニルから選択され、前記フェニルは、1、2又は3つのRbにより任意に置換される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  6. は、

    から選択される、請求項5に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  7. は、Hから選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  8. は、H、メチル、エチル及びイソプロピルから選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  9. は、H、

    、-CH-O-C(=O)-OH、-CH-O-C(=O)-OCH、-CH-O-C(=O)-OCHCH及び-CH-O-C(=O)-OCH(CHから選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  10. は、-CH-、-(CH-、-CHO-、-(CHO-、-(CHO-及び-CH=CH-CHO-から選択される、請求項1に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。
  11. 化合物は、式(V-1)、(V-2)、(V-3)及び(VI-1)から選択される、請求項1~9のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。

    ただし、R、R、R、R、m及びnは、請求項1~9に定義した通りである。
  12. 下記式で表される化合物又はその薬学的に許容される塩。



  13. 下記式から選択される、請求項12に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。



  14. 下記式から選択される、請求項12に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩。








  15. インフルエンザウイルスのRNAエンドヌクレアーゼ阻害剤に関連する疾患を治療するための医薬の製造における、請求項1~14のいずれか1項に記載の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用。
  16. 前記RNAエンドヌクレアーゼ阻害剤に関連する医薬は、抗インフルエンザウイルス剤のための医薬であることを特徴とする、請求項15に記載の使用。
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