JP7369737B2 - 測位システム、サーバ、基準局、情報配信方法、プログラム、測位対象の装置及び移動体 - Google Patents

測位システム、サーバ、基準局、情報配信方法、プログラム、測位対象の装置及び移動体 Download PDF

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Description

本発明は、測位対象の位置測定を行う測位システム、サーバ、基準局、情報配信方法、プログラム、測位対象の装置及び移動体に関するものである。
従来、既知の位置(基準点)に配置された基準局(固定局)を用いて、GNSS(全地球航法衛星システム)の人工衛星から電波を受信し、測位対象の位置測定をリアルタイムに行うリアルタイムキネマティック(RTK)測位法が知られている(例えば特許文献1参照)。このRTK測位法では、人工衛星から電波を受信した基準局が観測データを測位対象に送信する。測位対象では、基準局から受信した観測データと、測位対象の観測データを用いて、測位対象の位置座標を計算する。RTK測位法によれば、数cm程度の高い精度で測位対象の測位ができるとされている。
上記RTK測位法の方式として、実在する電子基準点や移動通信の基地局などにRTK用の受信機を配置した基準局を用いるRRS(Real Reference Station)方式が知られている。
国際公開第2016/147569号
上記従来のRRS方式の測位システムでは、基準局と測位対象との間の地殻変動量の差や基準局の高度と測位対象の高度との差(高度差)などの地理的要因により、RTK測位法で測定される測位対象の座標に誤差が生じる、という課題がある。
本発明の一態様に係るサーバは、測位対象の位置測定に用いるサーバである。このサーバは、既知の位置座標に配置された基準局から、前記基準局が人工衛星の電波を受信して生成した観測データを受信する基準局通信部と、前記基準局から受信した前記観測データに対して、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行い、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を作成する補正情報作成部と、前記誤差補正を行った観測データを含む前記測位補正情報を、前記測位対象に送信する補正情報送信部と、を備える。
本発明の更に他の態様に係る基準局は、既知の位置座標に配置され、測位対象の位置測定に用いられる基準局である。この基準局は、人工衛星の電波を受信して観測データを生成する観測データ生成部と、前記観測データに対して、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行い、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を作成する補正情報作成部と、前記誤差補正を行った観測データを含む前記測位補正情報を、前記測位対象に送信する補正情報送信部と、を備える。
本発明の他の態様に係る測位対象の装置は、前記いずれかのサーバに、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を要求する補正情報要求を送信する要求送信部と、前記サーバから、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を受信する情報受信部と、前記サーバから受信した前記測位補正情報と当該測位対象が前記人工衛星の電波を受信して生成した観測データとに基づいて、当該測位対象の位置情報を計算する位置情報計算部と、を備える。
本発明の他の態様に係る測位対象の装置は、前記基準局に、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を要求する補正情報要求を送信する要求送信部と、前記基準局から、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を受信する情報受信部と、前記基準局から受信した前記測位補正情報と当該測位対象が前記人工衛星の電波を受信して生成した観測データとに基づいて、当該測位対象の位置情報を計算する位置情報計算部と、を備える。
本発明の更に他の態様に係る移動体は、前記いずれかの測位対象の装置を備える移動体である。
本発明の更に他の態様に係る情報配信方法は、測位対象の位置測定に用いる情報を配信する情報配信方法である。この情報配信方法は、既知の位置座標に配置された基準局から、前記基準局が人工衛星の電波を受信して生成した観測データを受信することと、前記基準局から受信した前記観測データに対して、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行い、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を作成することと、前記誤差補正を行った観測データを含む前記測位補正情報を、前記測位対象に送信することと、を含む。
本発明の更に他の態様に係る情報配信方法は、測位対象の位置測定に用いる情報を配信する情報配信方法である。この情報配信方法は、人工衛星の電波を受信して観測データを生成することと、前記観測データに対して、基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行い、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を作成することと、前記誤差補正を行った観測データを含む前記測位補正情報を、前記測位対象に送信することと、を含む。
本発明の更に他の態様に係るプログラムは、測位対象の位置測定に用いるサーバに備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムである。このプログラムは、既知の位置座標に配置された基準局から、前記基準局が人工衛星の電波を受信して生成した観測データを受信するためのプログラムコードと、前記基準局から受信した前記観測データに対して、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行い、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を作成するためのプログラムコードと、前記誤差補正を行った観測データを含む前記測位補正情報を、前記測位対象に送信するためのプログラムコードと、を含む。
本発明の更に他の態様に係るプログラムは、測位対象の位置測定に用いる基準局に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムである。このプログラムは、人工衛星の電波を受信して観測データを生成するためのプログラムコードと、前記観測データに対して、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行い、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を作成するためのプログラムコードと、前記誤差補正を行った観測データを含む前記測位補正情報を、前記測位対象に送信するためのプログラムコードと、を含む。
前記サーバ、前記測位対象の装置、前記基準局、前記情報配信方法及び前記プログラムのそれぞれにおいて、前記地理的要因は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差であり、前記観測データに対する前記誤差補正は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差に起因した測位誤差を低減するための補正を含んでもよい。
前記サーバ、前記測位対象の装置、前記基準局、前記情報配信方法及び前記プログラムのそれぞれにおいて、前記測位対象Rの元期座標をxとし、前記基準局Bの元期座標をxとし、前記測位対象Rの今期座標を
Figure 0007369737000001
とし、前記基準局Bの今期座標を
Figure 0007369737000002
とし、前記測位対象Rから前記人工衛星kまでの単位ベクトルの転置を
Figure 0007369737000003
とし、前記基準局Bから前記人工衛星kまでの単位ベクトルの転置を
Figure 0007369737000004
とし、前記誤差補正前の観測データを
Figure 0007369737000005
としたとき、前記基準局Bと前記測位対象Rとの間の地殻変動量の差に起因した測位誤差を低減するための補正を行った前記誤差補正後の観測データ
Figure 0007369737000006
は次式(1)で算出されてもよい。
Figure 0007369737000007
前記サーバ、前記測位対象の装置、前記基準局、前記情報配信方法及び前記プログラムのそれぞれにおいて、前記地理的要因は、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差であり、前記観測データに対する前記誤差補正は、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差に起因した測位誤差を低減するための補正を含んでもよい。
前記サーバ、前記測位対象の装置、前記基準局、前記情報配信方法及び前記プログラムのそれぞれにおいて、前記人工衛星kから前記測位対象Rへの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量を
Figure 0007369737000008
とし、前記人工衛星kから前記基準局Bへの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量を
Figure 0007369737000009
とし、前記誤差補正前の観測データを
Figure 0007369737000010

としたとき、前記基準局Bと前記測位対象Rとの間の高度差による前記人工衛星kからの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差に起因した測位誤差を低減するための補正を行った前記誤差補正後の観測データ
Figure 0007369737000011

は次式(2)で算出されてもよい。
Figure 0007369737000012
前記サーバ、前記測位対象の装置、前記基準局、前記情報配信方法及び前記プログラムのそれぞれにおいて、前記人工衛星から前記測位対象への電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差は、前記測位対象のGNSS位置情報に基づいて算出されてもよい。
前記基準局は、移動通信の基地局、無線LANのアクセスポイント装置又は国土地理院の基準点に配置された基準局であってもよい。
本発明の更に他の態様に係る測位システムは、前記いずれかのサーバと、前記基準局と、を含む。
本発明の更に他の態様に係る測位システムは、前記いずれかのサーバと、前記測位対象の装置と、を含む。
本発明の更に他の態様に係る測位システムは、前記いずれかのサーバと、前記基準局と、前記測位対象の装置と、を含む。
本発明の更に他の態様に係る測位システムは、前記基準局と、前記測位対象の装置と、を含む。
本発明によれば、RRS方式の測位システムにおいて、測位対象が誤差補正機能を有していなくても、基準局及び測位対象の地理的要因による測位誤差を低減することができる。
実施形態に係る測位システムの主要な構成の一例を示す機能ブロック図。 実施形態に係る測位システムにおける測位処理の一例を示すフローチャート。 実施形態に係る測位システムにおける測位処理の他の例を示すフローチャート。 実施形態に係る測位システムの主要な構成の他の例を示す機能ブロック図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る測位システムの主要な構成の一例を示す機能ブロック図である。図1において、測位システム10は、測位対象の装置(以下「対象装置」という。)20の位置測定に用いるサーバ30と、互いに異なる複数の既知の位置座標(基準点)それぞれに配置された複数の基準局(以下「ベース」ともいう。)40とを備える。既知の位置座標は、例えば、既知の緯度、経度及び高度である。既知の位置座標は、例えば基準点を定義されたECEF(Earth-Centered Earth-Fixed)座標系における座標位置(X,Y,Z)であってもよい。測位システム10は、対象装置20を更に備えてもよい。また、対象装置20は、移動中の装置若しくは一時停止中の装置であってもよいし、又は、固定配置された装置であってもよい。
なお、本実施形態では、対象装置20の測位方法として、誤差数cmの測位サービス(センチメートル級測位サービス)を提供可能なRRS(Real Reference Station)方式のRTK(リアルタイムキネマティック)測位法を用いた場合について説明するが、本発明は、対象装置の現在位置の位置情報を人工衛星の電波を受信する1局の基準局40の観測データを用いて計算する、RTK測位法以外の測位法を用いる場合にも適用できる。
本実施形態における対象装置20は、例えばGNSS受信機210と観測データ生成部220と位置情報計算部230とサーバ通信部240とを有する装置(以下「GNSSユーザ装置」ともいう。)である。GNSS受信機210は、GPS(全地球測位システム)等のGNSS(全地球航法衛星システム)の一又は複数の人工衛星(例えば4つの人工衛星)50から電波を受信する。観測データ生成部220は、GNSS受信機210で受信された電波の受信信号(「GNSS信号」ともいう。)から観測データを生成する。
観測データ生成部220で生成する観測データは、例えば、GNSS受信機210で受信された電波の搬送波(キャリア)の位相観測値の(以下「搬送波位相観測データ」ともいう。)、及び、当該電波の搬送波を変調したコードの受信結果(コード位相)に基づいて算出した擬似距離観測値のデータ(以下「擬似距離観測データ」ともいう。)である。以下、搬送波位相観測データ及び擬似距離観測データを区別しない場合は、「観測データ」ともいう。
GNSS受信機210が人工衛星50から電波を受信して観測データ生成部220が観測データを生成する観測タイミングは、複数の基準局40が人工衛星50から電波を受信して観測データを生成する観測タイミングと必ずしも同期している必要は無く、数秒から10数秒程度離れていてもかまわない。この観測タイミングは、例えば、2秒間隔、1秒間隔、又は1秒未満の時間間隔の時間タイミングである。観測タイミングは、例えば、10分、30分、1時間などであってもよいし、変化させてもよい。
位置情報計算部230は、後述のように、サーバ30から受信した一又は複数の基準局40の測位補正情報(例えば、基準局の座標、観測データ)と、対象装置20が人工衛星50の電波を受信して生成した観測データと、エフェメリスデータとに基づいて、対象装置20の数センチメートル級の高精度位置情報(例えば、緯度、経度、高度)を計算する。サーバ30から受信する測位補正情報は、当該対象装置20に対応するフォーマットを有している。測位補正情報のフォーマットは、例えば、当該対象装置20の識別情報に基づいて選択されたフォーマットであってもよい。
計算対象の対象装置20の位置情報は、例えば基準点を定義されたECEF(Earth-Centered Earth-Fixed)座標系における座標位置(X,Y,Z)であってもよい。また、対象装置20で計算した高精度位置情報は、対象装置20の観測データ(受信RAWデータ)とともに、サーバ30に送信してもよい。
対象装置20の位置情報は、例えばRTK測位法により計算することができる。まず、選択した基準局40の観測データと対象装置20の観測データ、エフェメリスから基準局40から対象装置20に向かう基線ベクトルを決定する。この基線ベクトルと基準局40の既知の位置情報とに基づいて、対象装置20の位置情報を算出する。
位置情報計算部230は、前記選択した一又は複数の基準局40の測位補正情報と対象装置20の観測データとエフェメリスデータとに基づいて、対象装置20の複数の位置情報を計算し、その複数の位置情報の計算結果から、いずれか一つの位置情報の計算結果を選択してもよい。位置情報の計算結果を選択する際、例えばカルマンフィルタ又は最適化処理を選択処理に組み合わせてもよい。
サーバ通信部240は、識別情報(ID)を含む補正情報要求をサーバ30に送信する。識別情報(ID)は、例えば補正情報要求の送信時に補正情報要求に自動的に含めるように処理される。対象装置20の識別情報(ID)は、移動通信サービスにおける利用者識別情報(UID)又は端末識別情報(IMEI)であってもよい。
また、サーバ通信部240は、対象装置20に対応するフォーマットの測位補正情報(例えば、基準局の観測データ及び位置情報)をサーバ30から受信する。
サーバ通信部240は、対象装置20の観測データ(受信RAWデータ)や対象装置20で計算した自装置の位置情報の計算結果をサーバ30に送信してもよい。
対象装置20は、例えば、移動通信網を介して通信可能な移動局(「移動機」、「ユーザ装置」等ともいう。)、又は、移動型の基地局(「eNodeB」、「g-NodeB」等ともいう。)であってもよい。この場合、サーバ30の測位補正情報(例えば、基準局の座標、観測データ)は、サーバ30から移動通信網を経由して対象装置20に送信することができる。また、補正情報要求、対象装置20で計算した自装置の位置情報の計算結果、対象装置20の観測データ(受信RAWデータ)などは、対象装置20から移動通信網を経由してサーバ30に送信することができる。
また、対象装置20は、移動する移動体そのものであってもよいし、移動体に組み込まれた装置(例えば、測位モジュールのデバイス)であってもよい。
移動体は、例えば、地上を移動する車両(例えば、乗用車、トラック、バス、農機、建機、重機など)、上空を移動するドローンや航空機、海などの水上を移動する船舶などであってもよい。移動体は、一時的固定設置される移動可能な装置(可搬装置)であってもよい。例えば、移動体は、測量における固定点や観測点に設置して用いられる装置や、農業分野の圃場の境界点や任意の観測点に設置される装置、土木、建築の現場における土地や建物(構造体)の境界点や任意の観測点に設置される装置などであってもよい。なお、対象装置又はその対象装置が組み込まれた移動体は「ローバー」ともいう。
対象装置20は、無線LAN(例えば、Wi-Fi(登録商標))の端末装置であってもよい。この場合、サーバ30の測位補正情報(例えば、基準局の座標、観測データ)は、サーバ30から無線LANのアクセスポイント装置(例えば、WiFiルータ)を経由して無線LANの端末装置に送信することができる。また、補正情報要求、対象装置20で計算した自装置の位置情報の計算結果、対象装置20の観測データ(受信RAWデータ)などは、対象装置20から無線LANのアクセスポイント装置(例えば、WiFiルータ)を経由してサーバ30に送信することができる。
人工衛星50は、GPS用の人工衛星のほか、GLONASS、Galileo、BeiDou等のグローバル軌道衛星群の人工衛星でもよいし、QZSSやIRNSSなどの特定地域衛星群の人工衛星でもよい。また、人工衛星50は、WAAS、EGNOS、MSAS、GAGANなどの補強衛星群の人工衛星であってもよい。
人工衛星50から受信する電波は、例えば、1.1GHz帯、1.2GHz帯、1.5GHz帯又は2.4GHz帯における所定周波数の電波である。例えば、GPSの人工衛星の場合、L1電波(周波数:1575.42MHz、波長:約0.19m)及びL2電波(周波数:1227.60MHz、波長:約0.24m)を受信することができる。人工衛星50から送信される電波は、例えば、所定の時間タイミングで測位符号(C/Aコード、Pコード)や航法メッセージ等を含む所定データにより所定周波数の搬送波をコード変調したものである。例えば、GPSの人工衛星の場合、L1電波が測位符号(C/Aコード及びPコード)及び航法メッセージでコード変調され、L2電波が測位符号のPコードのみでコード変調されている。
人工衛星50から同時に受信する電波は、1周波数の電波でもよいし、2周波数(例えば、1.5GHz、1.2GHz)又は3周波数以上の電波でもよい。例えば、2周波数の電波を受信する場合は、基準局40と対象装置20との距離が10km以上の場合(例えば、基準局40を中心として20km~40km程度の広域エリアを対象装置が移動している場合)でも、RTK(リアルタイムキネマティック)測位法で測位される対象装置20の位置精度が数cm程度(例えば、2cm+1ppm×基線長)の高精度になる。
対象装置20のGNSS受信機210は、複数種類の人工衛星50の複数の周波数の電波(信号)に対応するものであってもよい。例えば、GNSS受信機210は、QZSS衛星(L1/L2/L5)、GPS(L1/L2/L5)、GLONASS(G1/G2)、Galileo(E1/E5)及びBeiDou(B1/B2)のように、5種類の人工衛星の3周波数に対応するものであってもよい。
複数の基準局40(以下「GNSS基準局装置」ともいう。)は、対象装置20が移動する可能性があるエリアに分散されて配置される。複数の基準局40は、移動中の対象装置20との距離が所定距離以下(例えば、20km以下、又は、40km以下)である基準局40の数が2以上になるように配置される。前記所定距離は、例えば、RTK測位法で測位される対象装置20の位置精度が数cm程度(例えば、2cm+1ppm×基線長)になる距離である。複数の基準局40はそれぞれ、移動通信の基地局の位置又は無線LANのアクセスポイント装置(例えば、WiFiルータ)の位置に設けてもよい。この場合、基準局40は、移動通信の基地局の基地局装置に組み込んでもよいし、無線LANのアクセスポイント装置に組み込んでもよい。また、基準局40は、電柱、コンビニエンスストア、自宅、学校、病院、農協、各種の公共施設などの、人工衛星50に対して見通しとなる任意の場所に設けてもよい。また、基準局40は、個人、法人、公共団体などの任意のエンティティによって設置された善意の基準局であってもよい。
複数の基準局40は、例えば日本国内の場合、国土地理院によって全国約1,300ヶ所に設置されたGNSS連続観測点からなる電子基準点の基準局と、移動通信事業者によって全国のセル(例えば、LTEエリア、次世代の5Gエリアなど)の一部又は全部に対応させて独自に設置された独自基準点の基準局とを含んでもよい。独自基準点の基準局の設置箇所の数は、特に限定されるものではなく、例えば、独自基準点の基準局は、約1,000ヶ所、約1,500ヶ所、又は、約3,000ヶ所以上に設けてもよい。この電子基準点及び独自基準点に配置した基準局により、全国にわたって高密度でほぼ等間隔の均一配置の多数の基準局(例えば約2,000ヶ所以上又は約4,000ヶ所以上の基準局)40からなる基準局網を実現することでき、センチメートル級の高精度測位と基準局40の冗長性を担保することができ、また、測位サービスを利用するユーザによる基準局(基準点)の準備が不要になる。
複数の基準局40はそれぞれ、所定の観測タイミングに、GPS等のGNSSの一又は複数の人工衛星(例えば4つの人工衛星)50から電波を受信して観測データを生成する。複数の基準局40それぞれの観測タイミングは、対象装置20がGPS等のGNSSの一又は複数の人工衛星(例えば4つの人工衛星)50から電波を受信して観測データを生成する観測タイミングと必ずしも同期している必要は無く、数秒から10数秒程度離れていてもかまわない。この観測タイミングは、例えば、2秒間隔、1秒間隔、又は1秒未満の時間間隔の時間タイミングである。観測タイミングは、数秒から10秒間隔であってもかまわない。
基準局40が生成する観測データは、例えば、RTK測位法で用いられる情報であり、基準局40が人工衛星50から電波を受信して生成した受信RAWデータに対して後述の誤差補正を行った観測データ(例えば、搬送波位相観測データ、及び、擬似距離観測データ)を含む。複数の基準局40それぞれの観測データは、基準局40の位置座標データとともに各基準局40からサーバ30に送信してもよいし、サーバ30内のデータベース等にあらかじめ記録されていてもよい。基準局40が生成する観測データは、基準局40が人工衛星50から受信したコードの受信結果(コード位相)に基づいて算出した人工衛星50と基準局40との間の擬似距離観測データを含む。
サーバ30は、基準局情報処理部31と測位対象情報処理部32とを備える。基準局情報処理部31は、基準局通信部310と補正情報作成部311と基準局情報作成部312と情報記憶部313とを有する。測位対象情報処理部32は、測位対象通信部321と基準局選択部322と補正情報選択部323とを有する。
基準局通信部310は、高速の通信回線(例えば、専用の光通信回線)を介して、複数の基準局40それぞれから搬送波位相観測データを含む情報を受信する。
複数の基準局40それぞれから受信する情報は、例えば、人工衛星50から受信した電波の受信RAWデータである位相観測データ(例えば、搬送波位相観測データ、及び、擬似距離観測データ)と基準局40の位置座標データとを含む。
補正情報作成部311は、複数の基準局40それぞれについて、基準局40から受信した位相観測データに対して後述の誤差補正を行い、誤差補正後の観測データに基づいて、対象装置20の位置測定に用いる所定フォーマットの測位補正情報、状態情報(例えば、測位補正情報が使用可能か否かを識別する情報)等を作成する。測位補正情報は、例えば、RTK測位法で用いられる情報である。
測位補正情報のフォーマットは、例えば、RTK測位法で用いられる位相観測データ(例えば、搬送波位相観測データ、及び、擬似距離観測データ)と基準局40の位置座標データとを含むRTCM(Radio Technical Commission for Maritime Services)フォーマットであってもよい。測位補正情報のフォーマットは複数種類のフォーマットであってもよい。
基準局情報作成部312は、複数の基準局40それぞれについて、基準局40から受信して誤差補正した位相観測データに基づいて、基準局40が設置されている基準点の名称、位置情報(例えば、経度、緯度、高度)、状態情報(例えば、基準局40が使用可能か否かを識別する情報)等の基準局情報を作成する。
情報記憶部(DB)313は、複数の基準局40それぞれについて、表1の基準局データテーブルに例示するように、基準局40の識別情報としての基準局ID(管理番号)に対応づけて、基準局又は基準点の名称、既知の位置情報(例えば、緯度、経度、標高[m]、楕円体高[m]、ジオイド高[m])及び状態情報を互いに関連付けて記憶する。楕円体高は基準楕円体面からの高さであり、GNSS測量により測定することができる。ジオイド高は仮想平均海面の高さであり、任意のジオイドモデルを用いて緯度及び経度から決まる値である。例えば、標高と楕円体高が与えられた場合、ジオイド高は楕円体高-標高で決まる。また、楕円体高とジオイド高が与えられた場合、標高は、楕円体高-ジオイド高で決まる。
Figure 0007369737000013
また、情報記憶部(DB)313は、複数の基準局40それぞれについて、表2の補正データテーブルに例示するように、基準局IDに対応づけて、対象装置20の種類に応じて複数種類のフォーマット(例えば、3種類のRTCMフォーマット)による測位補正情報及び状態情報を互いに関連付けて記憶する。複数種類のフォーマットそれぞれが対応する対象装置20の種類は、対象装置20から受信する対象装置20の識別情報(ID)に基づいて判断することができる。
Figure 0007369737000014
また、情報記憶部(DB)313は、複数の基準局40それぞれについて、表3の補正データテーブルに例示するように、基準局IDに対応づけて、複数の接続先としてのマウントポイント(MP)及び対象装置20の種類に応じて複数種類のフォーマット(例えば、3種類のRTCMフォーマット)による測位補正情報及び状態情報を互いに関連付けて記憶してもよい。複数種類のフォーマットそれぞれが対応するマウントポイント(MP)及び対象装置20の種類は、例えば、対象装置20から受信するマウントポイントを指定するMP指定情報に基づいて、又は、MP指定情報及び対象装置20の識別情報(ID)に基づいて判断することができる。
Figure 0007369737000015
表3において、複数の基準局40それぞれについて、マウントポイント(MP)は、測位補正情報に含まれる基準局40の観測データに対する後述の誤差補正(セミダイナミック補正、対流圏遅延量補正)の有無に対応するように設定してもよい。例えば、後述の誤差補正(セミダイナミック補正、対流圏遅延量補正)のいずれも行われていない観測データを含む測位補正情報についてMP=X0を設定する。また、セミダイナミック補正のみ行われている観測データを含む測位補正情報についてMP=X1を設定し、対流圏遅延量補正のみ行われている観測データを含む測位補正情報についてMP=X2を設定する。また、セミダイナミック補正及び対流圏遅延量補正の両方が行われている観測データを含む測位補正情報についてMP=X3を設定する。
表1、表2及び表3の状態情報の「1」はそれぞれ、対応する基準局40及び測位補正情報が利用可能なアクティブ状態であることを示し、「2」は対応する基準局40及び測位補正情報が利用不可の状態であることを示している。また、表1の各基準局40の名称及び既知の位置情報と表2及び表3の測位補正情報とは、基準局IDを介して互いに関連付けられている。
表2及び表3に示すように複数種類のフォーマットで測位補正情報を記憶しておくことにより、対象装置20の種類等によって対象装置20の現在位置の計算に用いる測位補正情報のフォーマットが異なる場合でも、対応するフォーマットの測位補正情報を選択して対象装置20の現在位置を確実に計算することができる。
また、情報記憶部313は、後述の観測データに対する対流圏遅延量補正及びセミダイナミック補正などの地理的要因による測位誤差を低減する誤差補正に用いる各種情報を記憶している。例えば、情報記憶部313には、基準局40及び対象装置20の高度(例えば楕円体高又は標高)を含む位置情報や、国土地理院から定期的(例えば、年1回又は数ヶ月に1回)に公表される基準局40及び対象装置20のそれぞれの位置における地殻変動量のデータを記録したパラメータファイルが保存されている。
測位対象通信部321は、対象装置(GNSSユーザ装置)20の識別情報(ID)を含む補正情報要求を、通信網(例えば、インターネット、移動通信網)60を介して対象装置20から受信する。対象装置20の識別情報(ID)は、移動通信サービスにおける利用者識別情報(UID)又は端末識別情報(IMEI)であってもよい。
また、測位対象通信部321は、対象装置(GNSSユーザ装置)20から受信した補正情報要求に応答するように、対象装置20に対応するフォーマットの測位補正情報(例えば、基準局の観測データ及び位置情報)を、通信網(例えば、インターネット、移動通信網)60を介して対象装置20に送信する。
また、測位対象通信部321は、対象装置20で計算した対象装置20の数センチメートル級の高精度位置情報(例えば、緯度、経度、高度)の計算結果である所定のフォーマット(例えば、NMEA(National Marine Electronics Association)フォーマット)からなる測位演算結果を、通信網(例えば、インターネット、移動通信網)60を介して対象装置20から受信してもよい。補正情報作成部311は、高精度位置情報を計算した対象装置20から受信した観測データ(受信RAWデータ)に基づいて測位補正情報を作成し、情報記憶部313は、対象装置20から受信した観測データ(受信RAWデータ)及び対象装置20について生成した測位補正情報を記憶してもよい。この場合、対象装置20を基準局として追加することができる。
測位対象通信部321は、対象装置(GNSSユーザ装置)20が人工衛星50からの電波を受信して生成した観測データを、通信網(例えば、インターネット、移動通信網)60を介して対象装置20から受信してもよい。対象装置20から受信する観測データは、例えば、対象装置20が人工衛星50から電波を受信して生成した受信RAWデータである観測データ(例えば、搬送波位相観測データ、又は、擬似距離観測データ)と、対象装置(GNSSユーザ装置)20の識別情報(ID)とを含む。
例えば、測位対象通信部321は、対象装置(GNSSユーザ装置)20の概略位置情報を取得するために、対象装置20が人工衛星50からの電波を受信して生成した所定フォーマット(例えば、RTCMフォーマット)の観測データを、通信網(例えば、インターネット、移動通信網)60を介して、対象装置20から定期的に受信してもよい。対象装置20から受信する観測データは、対象装置20の識別情報(ID)を含む。対象装置20の識別情報(ID)は、例えば、移動通信サービスにおける利用者識別情報(UID)又は端末識別情報(IMEI)であってもよい。
対象装置20の概略位置情報を取得するための観測データの受信間隔は一定間隔(例えば、10分、30分、1時間など)であってもよいし、対象装置20の移動速度、周辺の基準局40の設置間隔などに応じて変化させてもよい。測位対象通信部321が対象装置20から定期的に受信した対象装置20の観測データは、基準局選択部322及び補正情報作成部311に渡される。
また、対象装置20からサーバ30に送信する観測データは、通信網60を介した通信の負荷や測位処理の負荷を抑制するために、測位要求精度に応じてデータの種類が制限された観測データであってもよい。例えば、測位要求精度が高い場合は、対象装置20で観測された複数の人工衛星のすべての観測データ(受信RAWデータ)をサーバ30に送信し、測位要求精度が低い場合は、対象装置20で観測された複数の人工衛星の一部の観測データ(受信RAWデータ)をサーバ30に送信してもよい。
また、基準局選択部322は、対象装置20から受信した補正情報要求に含まれる識別情報(例えば、UID又はIMEI)に基づいて一又は複数の基準局40を選択する。
例えば、基準局選択部322は、定期的に、測位対象通信部321から受けた対象装置20の観測データと、エフェメリスデータとに基づいて、対象装置20の概略位置情報を計算して取得し、対象装置20に近い位置に配置されている最寄りの一又は複数の基準局40を選択してもよい。この基準局40の選択は、対象装置20の概略位置情報を取得するための観測データを受信するたびに定期的に実行される。
選択する基準局は、RTK測位法の場合、基本的には測位精度は基線長に依存する(例えば2cm+1ppm×基線長)ため、最寄りの基準局を選択することが望ましいものの、常に厳密な最寄りの基準局を選択する必要は無い。このため、基準局の間隔が例えば数十km以内ごとなど、比較的狭い範囲に設置されている場合においては、最寄りの基準局決定の計算コストを下げるために、実距離では無く、高さ方向については考慮せずに、距離でもなく、緯度の差の2乗と経度の差の2乗の和が最小となる基準局を最寄りと定義することもできる。
なお、基準局の選択は、前記測位対象からの距離だけではなく、測位に用いている人工衛星50の個数や信号の状態、観測データの品質等に基づいて、適切な基準局を選択するように行ってもよい。
エフェメリスデータは、人工衛星50の位置を求めるために必要な人工衛星50の軌道情報であり、人工衛星50から放送されている。このエフェメリスデータは、所定時間(例えば、GPSでは2時間、Galileoでは10分)ごとに定期的に更新される。
なお、基準局40の選択は、対象装置20の移動予測エリアに位置する基準局40を含めるように行ってもよい。例えば、対象装置20の概略位置情報の変化から対象装置20の移動予測エリアを決定し、その移動予測エリアに位置する基準局40を含めるように基準局40を選択してもよい。また、基準局40の選択は、正常動作している基準局の中から最寄り基準局40を選択するように行ってもよい。
基準局選択部322は、例えば表4の基準局選択テーブルに示すように、前記選択した一又は複数の基準局40の識別情報(管理番号)と、測位補正情報のRTCMフォーマットの識別番号と、対象装置20の識別情報(例えば、IMEI又はUID)とを互いに対応付けて記憶する。
Figure 0007369737000016
また、基準局選択部322は、例えば表5の基準局選択テーブルに示すように、前記選択した一又は複数の基準局40の識別情報(管理番号)と、マウントポイント(MP)の識別情報と、測位補正情報のRTCMフォーマットの識別番号と、対象装置20の識別情報(例えば、IMEI又はUID)とを互いに対応付けて記憶してもよい。
Figure 0007369737000017
補正情報選択部323は、例えば表4又は表5の基準局選択テーブルに基づいて、選択した一又は複数の基準局40に対応する複数種類のRTCMフォーマット(データフォーマット)の測位補正情報から、対象装置20の識別情報(IMEI)に基づいて対象装置20に対応するRTCMフォーマット(データフォーマット)からなる測位補正情報を選択する。
また、サーバ30は、複数の対象装置20から受信した高精度の位置情報を用いてデータ処理を行ってもよい。例えば、構造物に設置した複数の対象装置20の位置情報を用いて構造物の変形や変位を測定したり、3次元地図を作成して測位計算に用いる衛星信号からのマルチパス波の除去を行ったりするように、データ処理を行ってもよい。
上記構成の測位システム10において、測位に用いられるベース(基準局)40とローバー(対象装置)20との間の地殻変動量の差やベース40とローバー20との間の高度(例えば楕円体高又は標高)の差(高度差)などの地理的要因により、RTK測位法で測定されるローバー20の座標に誤差が生じるおそれがある。
例えば、ローバー20の位置の座標値を求めようとした場合に、ベース40の基準点の位置とローバー20の位置のそれぞれにおける元期からの地殻変動量に差があると、その地殻変動量の差が上記座標値にオフセットとして乗ってしまうことになり、ローバー20の位置の誤差の要因となり、ローバー20の位置の正確な座標を求めることができない。
また、ベース40の基準点の位置とローバー20の位置との間に高度差があると、対流圏における衛星信号の伝搬遅延量[m]の差が発生し、その伝搬遅延量の差が上記座標値に誤差として乗ってしまうことになり、ローバー20の位置の正確な座標を求めることができない。
上記基準点の位置とローバー20の位置との間の地殻変動量の差による測位誤差を低減するための誤差補正(以下「セミダイナミック補正」ともいう。)については、国土地理院から定期的に公表される地殻変動量のデータを記録したパラメータファイルをローバー20内に保存しておき当該補正をローバー20内で行うことが考えられるが、定期的に(例えば、年1回又は数ヶ月に1回)、地殻変動量のパラメータファイルを更新する必要があり、現実的ではない。
また、上記基準点の位置とローバー20の位置との間の高度差による測位誤差を低減するための誤差補正については、当該誤差補正に対応した測位エンジンが搭載されていないローバー20も存在する。
そこで、本実施形態では、ローバー20が上記地理的要因による測位誤差を低減する誤差補正機能を有していなくても、ベース40及びローバー20の地理的要因による測位誤差を低減できるように、サーバ30がベース40から受信した観測データに対してセミダイナミック補正、対流圏遅延量補正又はその両方の誤差補正を行い、その誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を作成してローバー20に配信している。
なお、測位対象に送信する測位補正情報中のARP(Antenna Reference Point)の座標変化させる手法も考えられるが、測位対象が移動する場合、測位補正情報中の基準局の識別のために使用されるReference Station IDは変化しない状態で上記ARPの値が変化した場合に、測位対象の受信機内のARPの値が更新されずに、正しい測位結果を得ることができない場合も想定される。また、ARPとReference Station IDを同時に変化させる手法も考えうるが、この場合は測位対象の受信機内における測位演算が初期化され、RTK-Fixが維持されない可能性がある。
<対流圏遅延量補正>
上記対流圏遅延量補正は例えば次のように行うことができる。
上付きのkは人工衛星50を示し、下付きのRはローバー20を示し、下付のBはベース40を示し、コード又は搬送波の位相観測値をP(単位:m)とすれば、次式(3)が成り立つ。
Figure 0007369737000018
ここで、xは信号を発した時の人工衛星50の位置、xはアンテナの位置、ρは幾何学的距離関数(例えば、
Figure 0007369737000019

は、ローバー20のアンテナと人工衛星kとの距離(単位:m))、Tdは人工衛星50からの電波が対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量(単位:m)、νはその他の誤差(単位:m)である。
アンテナ間一重差について考えると、
Figure 0007369737000020

Figure 0007369737000021

となる。上記式(4)において、対流圏遅延量Tdの項を左辺に移項すると、
Figure 0007369737000022

となり、
Figure 0007369737000023

とおくと、次式(8)を得る。
Figure 0007369737000024

を得る。
ここで、上記式(8)の右辺は対流圏遅延量を加味しない測位エンジンが立てる式となっている。つまり、ベース40のGNSS受信機が出力したコード又は搬送波(キャリア)の位相観測値に対流圏遅延量の差
Figure 0007369737000025

を加えた値をローバー20へ配信することで、対流圏遅延量の補正を加味した測位結果を得ることが可能となる。
すなわち、観測データとして、
Figure 0007369737000026

を配信する代わりに、誤差補正後の次式(2)の観測データをローバー20に配信することで、ローバー20に対流圏遅延量補正機能を設けることなく、ローバー20において対流圏遅延量補正が行われた高精度測位が可能になる。
Figure 0007369737000027
なお、対流圏遅延量Tdは、さまざまなモデルを使用して求めることができる。例えば、対流圏遅延量Tdは、対流圏の大気が乾燥大気であるとしたモデルにおいて、人工衛星50からの電波が乾燥大気からなる対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量(「乾燥対流圏遅延量」ともいう。)である。この乾燥対流圏遅延量は、例えば、ローバー20の位置、ローバー20から人工衛星50を見たときの仰角に基づいて算出することができる。また、乾燥対流圏遅延量の算出には、季節を考慮してもよい。
また、対流圏遅延量Tdは、対流圏の大気が湿潤大気であるとしたモデルにおいて、人工衛星50からの電波が湿潤大気からなる対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量(「湿潤対流圏遅延量」ともいう。)であってもよい。この湿潤対流圏遅延量は、精密歴、観測データをもとに、PPP測位などを行った結果得た、垂直方向の遅延量をもとに求める。
<セミダイナミック補正>
上記セミダイナミック補正は例えば次のように行うことができる。
ローバー20の元期座標をx、ベース40の元期座標をxとする。また、ローバー20の今期座標を、
Figure 0007369737000028

とし、ベース40の今期座標を、
Figure 0007369737000029

とし、また、ρを幾何学的距離関数、eをアンテナから人工衛星50に向かう単位ベクトルとすると、
Figure 0007369737000030
が成り立ち、コードに基づく擬似距離観測値又は搬送波(キャリア)の位相観測値をPとすれば、
Figure 0007369737000031

が成り立つ。ここで、上記式(10)における
Figure 0007369737000032

は、ローバー20のアンテナから人工衛星kに向かう単位ベクトルの転置を意味する。また、
Figure 0007369737000033

は内積で、距離(単位:m)が求まる。
上記式(10)及び上記式(11)を用いることにより、次式(12)の方程式を立てることができる。
Figure 0007369737000034
更に、上記式(12)を整理すると、次式(13)となり、その解はx=xと求まる。
Figure 0007369737000035
よって、誤差補正前の位相観測値
Figure 0007369737000036

に対して、
Figure 0007369737000037

を加えれば、元期の座標が解として求まることになる。ローバー20の位置及びベース40の位置のそれぞれにおける地殻変動量をdx、dxとすると、上記誤差補正前の位相観測値に加える値は、
Figure 0007369737000038

と表すことができる。
すなわち、コード又は搬送波(キャリア)の位相観測値のデータとして、
Figure 0007369737000039

を配信する代わりに、誤差補正後の次式(14)の位相観測値のデータをローバー20に配信することで、ローバー20にセミダイナミック補正機能を設けることなく、ローバー20においてセミダイナミック補正が行われた高精度測位が可能になる。
Figure 0007369737000040
また、誤差補正後の次式(15)の位相観測値のデータをローバー20に配信することにより、ローバー20に対流圏遅延量補正機能及びセミダイナミック補正機能を設けることなく、ローバー20において対流圏遅延量補正及びセミダイナミック補正が同時に行われた高精度測位が可能になる。
Figure 0007369737000041
図2は、実施形態に係るサーバ30に介した測位処理の一例を示すフローチャートである。図2の例は、サーバ30とローバー(対象装置)20との通信が移動通信網60を介した通信である場合の例である。図2の例では、ローバー20からサーバ30への接続時の認証に、ローバー20に組み込まれた移動局の端末識別情報(IMSI)を用いることができる。
図2において、本実施形態の測位処理は、所定の測位アプリケーションが起動されたローバー(対象装置)20とサーバ30との間の通信の接続処理(S100)の後に実行する、基準局40のハンドオーバ処理(S200)と、対象装置20の現在位置の高精度リアルタイム測位処理で用いる測位補正情報の配信処理(S300)とを含む。
図2の基準局40のハンドオーバ処理(S200)において、所定のハンドオーバ確認タイミングが到来したら、サーバ30は、ローバー20の概略位置情報を取得するためにローバー20から搬送波位相観測データ(受信RAWデータ)を受信する(S201)。
次に、サーバ30は、ローバー20から受信した搬送波位相観測データ(受信RAWデータ)を、測位処理に使用可能な所定形式の観測データに変換し、変換後のローバー20の観測データとエフェメリスデータとに基づいて、ローバー20の概略位置を単独測位によって計算して取得し、そのローバー20の概略位置情報に基づいてローバー20に近い最寄りの一又は複数の基準局40を判定して選択する(S202)。この選択した基準局が、ひとつ前のエポック(ひとつ前の高精度測位タイミング)と異なる基準局の場合、基準局のハンドオーバが起こることとなる。
次に、サーバ30は、接続してきたローバー20及び選択した最寄りの基準局40について、前述の基準局40の観測データに対する誤差補正(セミダイナミック補正、対流圏遅延量補正、又は、その両方の補正)を行い、誤差補正後の観測データを保存する(S203)。
例えば、サーバ30は、国土地理院から定期的に公表された地殻変動量のデータを記録したパラメータファイルに基づき、上記接続してきたローバー20の位置での地殻変動量と上記選択した最寄りの基準局40の位置での地殻変動量とを計算し、当該ローバー20専用の誤差補正(セミダイナミック補正)済みの観測データを作成する。サーバ30は、上記接続してきたローバー20の位置での対流圏遅延量と上記選択した最寄りの基準局40の位置での対流圏遅延量とを計算し、当該ローバー20専用の誤差補正(対流圏遅延量補正)済みの観測データを作成する。ここで、ローバー20の位置の情報としては、上記ステップ202で計算して取得したローバー20の概略位置情報(座標情報)を用いることができる。また、基準局40の位置情報としては、サーバ30内に予め保存した基準局40の座標情報を用いることができる。
上記S201~S203のローバー20の概略位置情報の取得、最寄りの基準局の選択及び基準局の観測データの誤差補正を伴うハンドオーバ処理(S200)は、一定の時間間隔又は不定の時間間隔で定期的に行う。なお、ローバー20とサーバ30との間の通信頻度、最寄り基準局の検索及びハンドオーバ頻度を減少させるために、ローバー20の概略位置情報の受信、最寄り基準局40の選択及び基準局の観測データの誤差補正を伴うハンドオーバ処理は、ローバー20の測位対象の測位モードがFixモード以外(例えば、Floatモード、コードディファレンシャル測位モード、単独測位モード)のときに実行し、Fixモードのときに実行しないようにしてもよい。また、定期的なローバー20の概略位置情報の受信及び基準局40の選択などの処理を、測位対象の測位モードがFixモード以外のときとFixモードのときとで変えてよい。例えば、Fixモード以外のときの定期的な概略位置情報の受信及び基準局の選択などの処理を実行する頻度よりも、Fixモードのときの概略位置情報の受信及び基準局の選択などの処理を実行する頻度を低くしてもよい。
次に、サーバ30は、ローバー20から識別情報(例えばIMEI)を含む補正情報要求があったとき(S301でYES)、識別情報に基づいて認証処理を行うとともに、ローバー20の概略位置情報の取得及び最寄りの基準局の選択を行うことなく、その識別情報に基づいてローバー20に対応する所定のRTCMフォーマットの測位補正情報を検索する(S302)。サーバ30は、検索して得られた所定のRTCMフォーマットの前述の誤差補正後の観測データを含む測位補正情報をローバー20に送信する(S303)。
ローバー20は、サーバ30から受信した前述の誤差補正後の観測データを含む測位補正情報とローバー20の観測データとエフェメリスデータとを用いて、前述の基準局40及びローバー20の地理的要因(地殻変動量の差及び高度差)による測位誤差を低減したローバー20の高精度測位を行うことができる。
サーバ30は、ローバー20で計算された高精度測位結果をローバー20から受信して保存してもよい(S304)。この場合、サーバ30は、複数のローバー20から受信した高精度の位置情報を用いてデータ処理を行うことができる。例えば、サーバ30は、構造物に設置した複数のローバー20の位置情報を用いて構造物の変形や変位を測定したり、3次元地図を作成して測位計算に用いる衛星信号からのマルチパス波の除去を行ったりするように、データ処理を行うことができる。
なお、図2の測位補正情報の配信処理(S300)において、サーバ30は、ローバー20から受信した補正情報要求に含まれるマウントポイント(MP)の識別情報に基づいて、測位補正情報に含まれる観測データに対する前述の誤差補正の種類を判定し、MPの識別情報で指定された誤差補正が行われた観測データを含む測位補正情報をローバー20に配信してもよい。
また、図2の測位補正情報の配信処理(S300)において、サーバ30は、ローバー20からの補正情報要求を受信することなく、前述の誤差補正後の観測データを含む測位補正情報をローバー20に配信してもよい。
図3は、実施形態に係るサーバ30を介した測位処理の他の例を示すフローチャートである。図3の例は、サーバ30とローバー(対象装置)20との通信がインターネット60を介した測位用の汎用プロトコル(例えば、Ntrip:The Networked Transport of RTCM via Internet Protocol)による通信である場合の例である。なお、図3において、前述の図2と共通する処理部分については説明を省略する。
図3の接続処理(S110)において、利用者がローバー(対象装置)20を操作して所定の測位アプリケーションが起動してサーバ30のアドレス及びポートを入力すると、ローバー20はサーバ30にアクセスし、利用者が入力した利用者識別情報(UID)及びパスワードをサーバ30に送信する。サーバ30は、ローバー20から受信した利用者識別情報(UID)及びパスワードに基づいて認証処理を行う。
図3の基準局40のハンドオーバ処理(S210)において、所定のハンドオーバ確認タイミングが到来したら、サーバ30は、接続先であるマウントポイント(MP)を指定する情報(MP指定情報)と、ローバー20の位置情報(例えば、緯度、経度、標高及びジオイド高)とを受信する(S211)。ここで、MP指定情報の代わりに、ローバー20での測位に用いられる基準局40を指定する情報を受信してもよい。また、ローバー20の位置情報は、例えば、NMEA(National Marine Electronics Association)形式のGGAセンテンスで受信される。
次に、サーバ30は、ローバー20の位置情報に基づいてローバー20に近い最寄りの一又は複数の基準局40を判定して選択する(S212)。この選択した基準局が、ひとつ前のエポック(ひとつ前の高精度測位タイミング)と異なる基準局の場合、基準局のハンドオーバが起こることとなる。
次に、サーバ30は、接続してきたローバー20及び選択した最寄りの基準局40について、ローバー20から受信したMPに基づき、前述の基準局40の観測データに対する誤差補正(セミダイナミック補正、対流圏遅延量補正、又は、その両方の補正)を行い、誤差補正後の観測データを保存する(S213)。
例えば、サーバ30は、国土地理院から定期的に公表された地殻変動量のデータを記録したパラメータファイルに基づき、上記接続してきたローバー20の位置での地殻変動量と上記選択した最寄りの基準局40の位置での地殻変動量とを計算し、当該ローバー20専用の誤差補正(セミダイナミック補正)済みの観測データを作成する。サーバ30は、上記接続してきたローバー20の位置での対流圏遅延量と上記選択した最寄りの基準局40の位置での対流圏遅延量とを計算し、当該ローバー20専用の誤差補正(対流圏遅延量補正)済みの観測データを作成する。ここで、ローバー20の位置の情報としては、上記ステップ211で取得したローバー20の概略位置情報(座標情報)を用いることができる。また、基準局40の位置情報としては、サーバ30内に予め保存した基準局40の座標情報を用いることができる。
次に、サーバ30は、ローバー20から認証情報(例えばUID及びパスワード)を含む補正情報要求があったとき(S311でYES)、識別情報に基づいて認証処理を行うとともに、その識別情報に基づいてローバー20に対応する所定のMPに対応するRTCMフォーマットの測位補正情報を検索する(S312)。サーバ30は、検索して得られた所定のMPに対応するRTCMフォーマットの前述の誤差補正後の観測データを含む測位補正情報をローバー20に送信する(S313)。
ローバー20は、サーバ30から受信した前述の誤差補正後の観測データを含む測位補正情報とローバー20の観測データとエフェメリスデータとを用いて、前述の基準局40及びローバー20の地理的要因(地殻変動量の差及び高度差)による測位誤差を低減したローバー20の高精度測位を行うことができる。
サーバ30は、ローバー20で計算された高精度測位結果をローバー20から受信して保存してもよい(S314)。
なお、上記構成の測位システムでは、サーバ30が基準局40から観測データを受信して前述の誤差補正後の観測データを含む測位補正情報を作成してローバー20に配信しているが、基準局40が自局の観測データに対して前述の誤差補正を行い、その誤差補正後の観測データを含む測位補正情報を作成して周辺のローバー20に配信してもよい。
図4は、本発明の他の実施形態に係る測位システムの主要な構成の一例を示す機能ブロック図である。図4の測位システムは、サーバを介さずに、基準局40が自局の観測データに対して前述の誤差補正(セミダイナミック補正、対流圏遅延量補正)を行い、その誤差補正後の観測データを含む測位補正情報を作成して周辺のローバー20に配信する構成例である。なお、図4において、前述の図1と共通する部分については説明を省略する。
図4において、測位システム10は、移動する対象装置(ローバー)20と、既知の位置座標(基準点)に配置された基準局(ベース)40とを備える。基準局40は、GNSS受信機410と観測データ生成部420と測位対象通信部430と補正情報作成部440と情報記憶部450と補正情報選択部460とを有する。
GNSS受信機410は、GPS等のGNSSの一又は複数の人工衛星(例えば4つの人工衛星)50から電波を受信する。観測データ生成部220は、GNSS受信機410で受信された電波の受信信号(GNSS信号)から観測データ(受信RAWデータ)を生成する。
測位対象通信部430は、通信網60を介して対象装置20から補正情報要求を受信し、その補正情報要求に応答するように、前述の誤記補正後の観測データを含む測位補正情報を、通信網60を介して対象装置20に送信する。
補正情報作成部440は、自局の観測データに対して前述の誤差補正を行い、誤差補正後の観測データを含む測位補正情報を作成する。情報記憶部450は、前述のサーバ30の情報記憶部313と同様に各種情報を記憶する。補正情報選択部460、情報記憶部450に保存されている自局に対応する誤差補正後の観測データを含む複数種類の測位補正情報から、対象装置20に対応する測位補正情報を選択する。
なお、図4の基準局40における観測データ生成部420、測位対象通信部430、補正情報作成部440、情報記憶部450及び補正情報選択部460については、基準局40が設けられた基地局の内部又は外部に備えるMEC(「Multi-access Edge Computing」又は「Mobile Edge Computing」)装置で構成してもよい。
以上、本実施形態によれば、対象装置(測位対象)であるローバー20が誤差補正機能を有していなくても、基準局40及びローバー20の地理的要因(例えば、基準局40とローバー20との間の地殻変動量の差、高度差)による測位誤差を低減することができる。
なお、本実施形態の測位システムは様々なユースケースに適用可能である。例えば、本実施形態の測位システムは、農業分野における農機の運転・操作の自動化や圃場マップの高度化、建築分野における建機の運転・操作の自動化や建物の工事進捗を高精度に管理するドローンの自動制御、交通分野における無人自動運転バスを実現するバス高速輸送システム(BRT)や(MaaS(Mobility as a Service))での高精度な車両位置情報の取得などに適用できる。
なお、本明細書で説明された処理工程並びにサーバ、対象装置(ユーザ装置、移動局、通信端末、端末装置など)、基準局、基地局などの構成要素は、様々な手段によって実装することができる。例えば、これらの工程及び構成要素は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又は、それらの組み合わせで実装されてもよい。
ハードウェア実装については、実体(例えば、中継通信局、フィーダ局、ゲートウェイ局、基地局、基地局装置、中継通信局装置、端末装置(ユーザ装置、移動局、通信端末)、管理装置、監視装置、遠隔制御装置、サーバ、ハードディスクドライブ装置、又は、光ディスクドライブ装置)において前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、1つ又は複数の、特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明された機能を実行するようにデザインされた他の電子ユニット、コンピュータ、又は、それらの組み合わせの中に実装されてもよい。
また、ファームウェア及び/又はソフトウェア実装については、前記構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段は、本明細書で説明された機能を実行するプログラム(例えば、プロシージャ、関数、モジュール、インストラクション、などのコード)で実装されてもよい。一般に、ファームウェア及び/又はソフトウェアのコードを明確に具体化する任意のコンピュータ/プロセッサ読み取り可能な媒体が、本明細書で説明された前記工程及び構成要素を実現するために用いられる処理ユニット等の手段の実装に利用されてもよい。例えば、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば制御装置において、メモリに記憶され、コンピュータやプロセッサにより実行されてもよい。そのメモリは、コンピュータやプロセッサの内部に実装されてもよいし、又は、プロセッサの外部に実装されてもよい。また、ファームウェア及び/又はソフトウェアコードは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、磁気又は光データ記憶装置、などのような、コンピュータやプロセッサで読み取り可能な媒体に記憶されてもよい。そのコードは、1又は複数のコンピュータやプロセッサにより実行されてもよく、また、コンピュータやプロセッサに、本明細書で説明された機能性のある態様を実行させてもよい。
また、前記媒体は非一時的な記録媒体であってもよい。また、前記プログラムのコードは、コンピュータ、プロセッサ、又は他のデバイス若しくは装置機械で読み込んで実行可能であればよく、その形式は特定の形式に限定されない。例えば、前記プログラムのコードは、ソースコード、オブジェクトコード及びバイナリコードのいずれでもよく、また、それらのコードの2以上が混在したものであってもよい。
また、本明細書で開示された実施形態の説明は、当業者が本開示を製造又は使用するのを可能にするために提供される。本開示に対するさまざまな修正は当業者には容易に明白になり、本明細書で定義される一般的原理は、本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、他のバリエーションに適用可能である。それゆえ、本開示は、本明細書で説明される例及びデザインに限定されるものではなく、本明細書で開示された原理及び新規な特徴に合致する最も広い範囲に認められるべきである。
10 測位システム
20 測位対象(対象装置、ローバー)
30 サーバ
31 基準局情報処理部
32 測位対象情報処理部
40 基準局(ベース)
50 人工衛星
210 GNSS受信機
220 観測データ生成部
230 位置情報計算部
240 サーバ通信部
310 基準局通信部
311 補正情報作成部
312 基準局情報作成部
313 情報記憶部(DB)
321 測位対象通信部
322 基準局選択部
323 補正情報選択部
410 GNSS受信機
420 観測データ生成部
430 測位対象通信部
440 補正情報作成部
450 情報記憶部
460 補正情報選択部

Claims (32)

  1. 測位対象の位置測定に用いるサーバであって、
    既知の位置座標に配置された基準局から、前記基準局が人工衛星の電波を受信して生成した観測データを受信する基準局通信部と、
    前記基準局から受信した前記観測データに対して、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行い、前記誤差補正を行った誤差補正後の観測データを含む測位補正情報を作成する補正情報作成部と、
    前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行った誤差補正後の観測データを含む前記測位補正情報を、前記測位対象に送信する補正情報送信部と、
    を備えることを特徴とするサーバ。
  2. 請求項1のサーバにおいて、
    前記地理的要因は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差であり、
    前記観測データに対する前記誤差補正は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差に起因した測位誤差を低減するための補正を含む、ことを特徴とするサーバ。
  3. 測位対象の位置測定に用いるサーバであって、
    既知の位置座標に配置された基準局から、前記基準局が人工衛星の電波を受信して生成した観測データを受信する基準局通信部と、
    前記基準局から受信した前記観測データに対して、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行い、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を作成する補正情報作成部と、
    前記誤差補正を行った観測データを含む前記測位補正情報を、前記測位対象に送信する補正情報送信部と、を備え、
    前記地理的要因は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差であり、
    前記観測データに対する前記誤差補正は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差に起因した測位誤差を低減するための補正を含む、ことを特徴とするサーバ。
  4. 請求項2又は3のサーバにおいて、
    前記測位対象Rの元期座標をxとし、前記基準局Bの元期座標をxとし、前記測位対象Rの今期座標を
    Figure 0007369737000042
    とし、前記基準局Bの今期座標を
    Figure 0007369737000043
    とし、前記測位対象Rから前記人工衛星kまでの単位ベクトルの転置を
    Figure 0007369737000044
    とし、前記基準局Bから前記人工衛星kまでの単位ベクトルの転置を
    Figure 0007369737000045
    とし、前記誤差補正前の観測データを
    Figure 0007369737000046
    としたとき、前記基準局Bと前記測位対象Rとの間の地殻変動量の差に起因した測位誤差を低減するための補正を行った前記誤差補正後の観測データ
    Figure 0007369737000047
    は次式(1)で算出される、ことを特徴とするサーバ。
    Figure 0007369737000048
  5. 請求項1のいずれかのサーバにおいて、
    前記地理的要因は、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差であり、
    前記観測データに対する前記誤差補正は、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差に起因した測位誤差を低減するための補正を含む、ことを特徴とするサーバ。
  6. 請求項2乃至4のいずれかのサーバにおいて、
    前記地理的要因は、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差を含み、
    前記観測データに対する前記誤差補正は、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差に起因した測位誤差を低減するための補正を含む、ことを特徴とするサーバ。
  7. 測位対象の位置測定に用いるサーバであって、
    既知の位置座標に配置された基準局から、前記基準局が人工衛星の電波を受信して生成した観測データを受信する基準局通信部と、
    前記基準局から受信した前記観測データに対して、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行い、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を作成する補正情報作成部と、
    前記誤差補正を行った観測データを含む前記測位補正情報を、前記測位対象に送信する補正情報送信部と、を備え、
    前記地理的要因は、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差であり、
    前記観測データに対する前記誤差補正は、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差に起因した測位誤差を低減するための補正を含む、ことを特徴とするサーバ。
  8. 請求項5乃至7のいずれかのサーバにおいて、
    前記人工衛星kから前記測位対象Rへの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量を
    Figure 0007369737000049
    とし、前記人工衛星kから前記基準局Bへの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量を
    Figure 0007369737000050
    とし、前記誤差補正前の観測データを
    Figure 0007369737000051

    としたとき、前記基準局Bと前記測位対象Rとの間の高度差による前記人工衛星kからの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差に起因した測位誤差を低減するための補正を行った前記誤差補正後の観測データ
    Figure 0007369737000052

    は次式(2)で算出される、ことを特徴とするサーバ。
    Figure 0007369737000053
  9. 請求項5乃至8のいずれかのサーバにおいて、
    前記人工衛星から前記測位対象への電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量は、前記測位対象のGNSS位置情報に基づいて算出される、ことを特徴とするサーバ。
  10. 請求項1乃至のいずれかのサーバにおいて、
    前記基準局は、移動通信の基地局、無線LANのアクセスポイント装置又は国土地理院の基準点に配置された基準局である、ことを特徴とするサーバ。
  11. 既知の位置座標に配置され、測位対象の位置測定に用いられる基準局であって、
    人工衛星の電波を受信して観測データを生成する観測データ生成部と、
    前記観測データに対して、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行い、前記誤差補正を行った誤差補正後の観測データを含む測位補正情報を作成する補正情報作成部と、
    前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行った誤差補正後の観測データを含む前記測位補正情報を、前記測位対象に送信する補正情報送信部と、
    を備えることを特徴とする基準局。
  12. 請求項11の基準局において、
    前記地理的要因は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差、又は,その両方の差であり、
    前記観測データに対する前記誤差補正は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、又は、その両方の補正を含む、ことを特徴とする基準局。
  13. 既知の位置座標に配置され、測位対象の位置測定に用いられる基準局であって、
    人工衛星の電波を受信して観測データを生成する観測データ生成部と、
    前記観測データに対して、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行い、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を作成する補正情報作成部と、
    前記誤差補正を行った観測データを含む前記測位補正情報を、前記測位対象に送信する補正情報送信部と、を備え、
    前記地理的要因は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差、又は,その両方の差であり、
    前記観測データに対する前記誤差補正は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、又は、その両方の補正を含む、
    ことを特徴とする基準局。
  14. 請求項11乃至13のいずれかの基準局において、
    当該基準局は、移動通信の基地局、無線LANのアクセスポイント装置又は国土地理院の基準点に配置された基準局である、ことを特徴とする基準局。
  15. 測位システムであって、
    請求項1乃至10のいずれかのサーバと、既知の位置座標に配置された基準局及び測位対象の装置の少なくとも一方と、を備えることを特徴とする測位システム。
  16. 測位システムであって、
    請求項11乃至14のいずれかの基準局と、測位対象の装置と、を備えることを特徴とする測位システム。
  17. 測位対象の装置であって、
    請求項1又は2のサーバに、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行った誤差補正後の観測データを含む測位補正情報を要求する補正情報要求を送信する要求送信部と、
    前記サーバから、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行った誤差補正後の観測データを含む測位補正情報を受信する情報受信部と、
    前記サーバから受信した前記測位補正情報と当該測位対象が前記人工衛星の電波を受信して生成した観測データとに基づいて、当該測位対象の位置情報を計算する位置情報計算部と、
    を備えることを特徴とする測位対象の装置。
  18. 測位対象の装置であって、
    請求項2乃至9のいずれかのサーバに、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を要求する補正情報要求を送信する要求送信部と、
    前記サーバから、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を受信する情報受信部と、
    前記サーバから受信した前記測位補正情報と当該測位対象が前記人工衛星の電波を受信して生成した観測データとに基づいて、当該測位対象の位置情報を計算する位置情報計算部と、を備え、
    前記地理的要因は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差、又は,その両方の差であり、
    前記観測データに対する前記誤差補正は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、又は、その両方の補正を含む、
    ことを特徴とする測位対象の装置。
  19. 測位対象の装置であって、
    請求項11の基準局に、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行った誤差補正後の観測データを含む測位補正情報を要求する補正情報要求を送信する要求送信部と、
    前記基準局から、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行った誤差補正後の観測データを含む測位補正情報を受信する情報受信部と、
    前記基準局から受信した前記測位補正情報と当該測位対象が前記人工衛星の電波を受信して生成した観測データとに基づいて、当該測位対象の位置情報を計算する位置情報計算部と、
    を備えることを特徴とする測位対象の装置。
  20. 測位対象の装置であって、
    請求項12又は13の基準局に、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を要求する補正情報要求を送信する要求送信部と、
    前記基準局から、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を受信する情報受信部と、
    前記基準局から受信した前記測位補正情報と当該測位対象が前記人工衛星の電波を受信して生成した観測データとに基づいて、当該測位対象の位置情報を計算する位置情報計算部と、を備え、
    前記地理的要因は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差、又は,その両方の差であり、
    前記観測データに対する前記誤差補正は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、又は、その両方の補正を含む、
    ることを特徴とする測位対象の装置。
  21. 請求項17又は19の測位対象の装置において、
    前記地理的要因は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差、又は,その両方の差であり、
    前記観測データに対する前記誤差補正は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、又は、その両方の補正を含む、ことを特徴とする測位対象の装置。
  22. 請求項17乃至21のいずれかの測位対象の装置を備える移動体。
  23. 測位対象の位置測定に用いる情報を配信する情報配信方法であって、
    サーバが、既知の位置座標に配置された基準局から、前記基準局が人工衛星の電波を受信して生成した観測データを受信することと、
    前記サーバが、前記基準局から受信した前記観測データに対して、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行い、前記誤差補正を行った誤差補正後の観測データを含む測位補正情報を作成することと、
    前記サーバが、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行った誤差補正後の観測データを含む前記測位補正情報を、前記測位対象に送信することと、
    を含むことを特徴とする情報配信方法。
  24. 測位対象の位置測定に用いる情報を配信する情報配信方法であって、
    サーバが、既知の位置座標に配置された基準局から、前記基準局が人工衛星の電波を受信して生成した観測データを受信することと、
    前記サーバが、前記基準局から受信した前記観測データに対して、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行い、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を作成することと、
    前記サーバが、前記誤差補正を行った観測データを含む前記測位補正情報を、前記測位対象に送信することと、
    を含み、
    前記地理的要因は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差、又は,その両方の差であり、
    前記観測データに対する前記誤差補正は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、又は、その両方の補正を含む、
    ことを特徴とする情報配信方法。
  25. 測位対象の位置測定に用いる情報を配信する情報配信方法であって、
    既知の位置座標に配置され測位対象の位置測定に用いられる基準局が、人工衛星の電波を受信して観測データを生成することと、
    前記基準局が、前記観測データに対して、基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行い、前記誤差補正を行った誤差補正後の観測データを含む測位補正情報を作成することと、
    前記基準局が、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行った誤差補正後の観測データを含む前記測位補正情報を、前記測位対象に送信することと、
    を含むことを特徴とする情報配信方法。
  26. 測位対象の位置測定に用いる情報を配信する情報配信方法であって、
    既知の位置座標に配置され測位対象の位置測定に用いられる基準局が、人工衛星の電波を受信して観測データを生成することと、
    前記基準局が、前記観測データに対して、基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行い、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を作成することと、
    前記基準局が、前記誤差補正を行った観測データを含む前記測位補正情報を、前記測位対象に送信することと、を含み、
    前記地理的要因は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差、又は,その両方の差であり、
    前記観測データに対する前記誤差補正は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、又は、その両方の補正を含む、
    ことを特徴とする情報配信方法。
  27. 請求項23又は25の情報配信方法において、
    前記地理的要因は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差、又は,その両方の差であり、
    前記観測データに対する前記誤差補正は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、又は、その両方の補正を含む、ことを特徴とする情報配信方法。
  28. 測位対象の位置測定に用いるサーバに備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムであって、
    既知の位置座標に配置された基準局から、前記基準局が人工衛星の電波を受信して生成した観測データを受信するためのプログラムコードと、
    前記基準局から受信した前記観測データに対して、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行い、前記誤差補正を行った誤差補正後の観測データを含む測位補正情報を作成するためのプログラムコードと、
    前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行った誤差補正後の観測データを含む前記測位補正情報を、前記測位対象に送信するためのプログラムコードと、
    を含むことを特徴とするプログラム。
  29. 測位対象の位置測定に用いるサーバに備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムであって、
    既知の位置座標に配置された基準局から、前記基準局が人工衛星の電波を受信して生成した観測データを受信するためのプログラムコードと、
    前記基準局から受信した前記観測データに対して、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行い、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を作成するためのプログラムコードと、
    前記誤差補正を行った観測データを含む前記測位補正情報を、前記測位対象に送信するためのプログラムコードと、を含み、
    前記地理的要因は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差、又は,その両方の差であり、
    前記観測データに対する前記誤差補正は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、又は、その両方の補正を含む、
    ことを特徴とするプログラム。
  30. 測位対象の位置測定に用いる基準局に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムであって、
    人工衛星の電波を受信して観測データを生成するためのプログラムコードと、
    前記観測データに対して、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行い、前記誤差補正を行った誤差補正後の観測データを含む測位補正情報を作成するためのプログラムコードと、
    前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行った誤差補正後の観測データを含む前記測位補正情報を、前記測位対象に送信するためのプログラムコードと、
    を含むことを特徴とするプログラム。
  31. 測位対象の位置測定に用いる基準局に備えるコンピュータ又はプロセッサにおいて実行されるプログラムであって、
    人工衛星の電波を受信して観測データを生成するためのプログラムコードと、
    前記観測データに対して、前記基準局及び前記測位対象の地理的要因による測位誤差を低減するための誤差補正を行い、前記誤差補正を行った観測データを含む測位補正情報を作成するためのプログラムコードと、
    前記誤差補正を行った観測データを含む前記測位補正情報を、前記測位対象に送信するためのプログラムコードと、を含み、
    前記地理的要因は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差、又は,その両方の差であり、
    前記観測データに対する前記誤差補正は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、又は、その両方の補正を含む、
    ことを特徴とするプログラム。
  32. 請求項28又は30のプログラムにおいて、
    前記地理的要因は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差、又は,その両方の差であり、
    前記観測データに対する前記誤差補正は、前記基準局と前記測位対象との間の地殻変動量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、前記基準局と前記測位対象との間の高度差による前記人工衛星からの電波が前記対流圏を伝搬する際の伝搬遅延量の差に起因した測位誤差を低減するための補正、又は、その両方の補正を含む、ことを特徴とするプログラム。
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