JP7251962B2 - エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物、及び、それよりなる成型体 - Google Patents

エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物、及び、それよりなる成型体 Download PDF

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Description

本発明は、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物、及び、それよりなる成型体に関する。
従来、エチレン系重合体パウダー、特に超高分子量エチレン系パウダーは、汎用のポリエチレンに比べ、分子量が高いため、延伸加工性に優れ、強度が高く、化学的安定性が高く、長期信頼性に優れている。これらの理由から、エチレン系重合体パウダー、特に超高分子量エチレン系パウダーは、鉛蓄電池やリチウムイオン電池に代表される二次電池のセパレータ用微多孔膜及び繊維などの成型体の原料として使用されている。
また、エチレン系重合体パウダー、特に超高分子量エチレン系パウダーは、汎用のポリエチレンに比べ、耐衝撃性、耐摩耗性、摺動性、低温特性、耐薬品性などの種々の特性に優れている。そのため、エチレン系重合体パウダー、特に超高分子量エチレン系パウダーは、ホッパー、シュートなどのライニング材、軸受け、歯車、ローラーガイドレール、あるいは、骨代用材、骨伝導性材及び骨誘導材などの成型体の原料としても使用されている。
これら超高分子量エチレン系パウダーは、分子量が高いゆえに、樹脂単体での押出成型加工が困難であるため、圧縮成型(プレス成型)やラム押出機などの特殊な押出機によって成型することも多い。これらに共通して、耐衝撃性と耐摩耗性とを両立させることが重要である。これらの特性を両立させる方法例が特許文献1から3に開示されている。
特開2007-23171号公報 特許第4173444号公報 特開2015-157905号公報
近年、上述したようなエチレン系重合体パウダーを原料とした各種成型体の生産性を向上させることに対する要求が高まっており、当該成型体の成型時間を短縮化することが求められている。
当該成型体の成型時間を短縮化する方法として、例えば、エチレン系重合体パウダーの乾燥時間を短くする方法が考えられるが、そのことにより、エチレン系重合体パウダーの結晶化が不十分になってしまうため、エチレン系重合体パウダーの供給が不安定になってしまい、かえって成型サイクルが長くなってしまう。
逆に、成型サイクルを短くするためには、エチレン系重合体パウダーの結晶化を促進させ、供給を安定にさせる方法があるが、エチレン系重合体パウダーの結晶化を促進させるためには、エチレン系重合体パウダーの乾燥時間を十分に取る必要があるために、成型時間は長くなってしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、エチレン系重合体パウダーを原料とした各種成型体の成型時間を短縮化するために、エチレン系重合体パウダーの乾燥時間短縮と成型サイクル短縮化とを同時に達成できるエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を提供すること、並びに、それらを用いた成型体を提供することを目的とする。
そこで、本発明者は、前記課題を達成するために鋭意研究を重ねた。その結果、驚くべきことに、特定のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を用いることで、前記課題を解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
〔1〕
下記(1)~(3)の条件を満たす、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
(1)レーザー回折式粒子径分布測定装置において、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の粒子径のピークトップが、20μm以上300μm未満の範囲(i)と0.1μm以上10μm未満の範囲(ii)との2か所に存在する。
(2)範囲(ii)のピーク強度に対する範囲(i)のピーク強度の比が50以上10,000未満である。
(3)樹脂組成物中、エチレン系重合体パウダーの割合が99.5質量%以上である。
〔2〕
粘度平均分子量が10万以上1,000万未満である、〔1〕に記載のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
〔3〕
嵩密度が0.30g/mL以上0.60g/mL未満である、〔1〕又は〔2〕に記載のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
〔4〕
炭素数12以上18以下の高級脂肪酸金属塩を0.01質量%以上0.5質量%未満含有する、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
〔5〕
範囲(ii)のピーク強度に対する範囲(i)のピーク強度の比が1,000以上10,000未満である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
〔6〕
〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の樹脂組成物からなる圧縮成型体。
〔7〕
〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の樹脂組成物からなる押出成型体。
〔8〕
〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の樹脂組成物からなる延伸成型体。
〔9〕
〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の樹脂組成物からなる微多孔膜。
〔10〕
〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の樹脂組成物からなる繊維。
本発明のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物によれば、エチレン系重合体パウダーの乾燥時間短縮と成型サイクル短縮化とを同時に達成できるため、エチレン系重合体パウダーを原料とした各種成型体の成型時間の短縮化が可能となり、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を用いて得られる成型体の提供を効率良く実現することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく。その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
〔エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物〕
本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物は、下記の条件(1)、(2)、及び(3)を満たすことにより、エチレン系重合体パウダーの乾燥時間短縮と成型サイクル短縮化とを同時に達成できるため、成型時間の短縮化が可能となる。
(1)レーザー回折式粒子径分布測定装置において、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の粒子径のピークトップが、20μm以上300μm未満の範囲(i)と、0.1μm以上10μm未満の範囲(ii)との2か所に存在する。
(2)範囲(ii)のピーク強度に対する範囲(i)のピーク強度の比が50以上10,000未満である。
(3)樹脂組成物中、エチレン系重合体パウダーの割合が99.5質量%以上である。
[条件(1)~(3)]
本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物は、レーザー回折粒子系分布測定装置における、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の粒子径のピークトップが、20μm以上300μm未満の範囲(i)と、0.1μm以上10μm未満の範囲(ii)との2か所に存在する。該ピークトップの範囲(i)は、好ましくは、30μm以上250μm未満であり、さらに好ましくは、40μm以上200μm未満である。また、該ピークトップの範囲(ii)は、好ましくは、0.15μm以上9.5μm未満であり、さらに好ましくは、0.2μm以上9μm未満である。また、樹脂組成物中のエチレン系重合体パウダーの割合は99.5質量%以上である必要があり、好ましくは99.65質量%以上、さらに好ましくは99.6質量%以上である。樹脂組成物中のエチレン系重合体パウダーの割合の上限は、特に限定されないが、例えば、100質量%以下である。この範囲内であることにより、エチレン系重合体パウダーの粉体流動性が向上し、成型サイクルを短縮化することが可能となる。
条件(1)~(3)を満たし、エチレン系重合体パウダーの乾燥時間短縮と成型サイクル短縮化とを同時に達成するためには、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を重合後にミキシングすることが好ましく、例えばヘンシェルミキサーのような攪拌機による混合を行うことが挙げられる。ヘンシェルミキサーを用いる場合の条件としては、常温、常圧下で、攪拌翼先端の線速を20m/秒以上50m/秒以下で1分間から10分間撹拌及び混合することが挙げられる。
また、範囲(ii)のピーク強度に対する範囲(ii)のピーク強度の比は、50以上10,000未満であり、好ましくは500以上10,000未満、より好ましくは1,000以上10,000未満である。範囲(ii)のピーク強度(存在頻度)に対する範囲(i)のピーク強度(存在頻度)の比が50以上10,000未満であることにより、エチレン系重合体パウダーの粉体流動性が向上し、成型サイクルを短縮化することが可能となる。
[エチレン系重合体パウダー]
本実施形態に用いるエチレン系重合体パウダーは、エチレン単位、及び/又は、エチレン単位と炭素数3以上8以下のα-オレフィン単位とを構成単位としていれば特に限定されない。エチレンと共重合可能な炭素数3以上8以下のα-オレフィンとしては、特に限定されないが、具体的には、例えば、直鎖、分岐、又は環状α-オレフィン、式CH2=CHR1(ここで、R1は炭素数1~6のアリール基である。)で表される化合物、及び炭素数4~7の、直鎖状、分岐状又は環状のジエンからなる群より選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンが挙げられる。この中でも、α-オレフィンとしては、成型体の耐摩耗性や耐熱性及び強度の観点から、プロピレン及び1-ブテンが好ましい。
本明細書中において、重合体を構成する各単量体単位の命名は、単量体単位が由来する単量体の命名に従う。例えば、「エチレン単位」とは、単量体であるエチレンを重合した結果生ずる重合体の構成単位を意味し、その構造は、エチレンの二つの炭素が重合体主鎖となっている分子構造である。また、「α-オレフィン単位」とは、単量体であるα-オレフィンを重合した結果生ずる重合体の構成単位を意味し、その構造は、α-オレフィンに由来するオレフィンの二つの炭素が重合体主鎖となっている分子構造である。
[高級脂肪酸金属塩]
また、本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物には、炭素数12以上18以下の高級脂肪酸金属塩を0.01質量%以上0.5質量%未満含有してもよく、好ましくは0.02質量%以上0.45質量%未満、さらに好ましくは0.03質量%以上0.4質量%未満である。この高級脂肪酸金属塩を含有していることにより、エチレン系重合体パウダーの粉体流動性が向上し、成型サイクルを短縮化することが向上する傾向にある。
高級脂肪酸金属塩としては、特に限定されることはないが、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸金属塩、パルミチン酸カルシウム、パルミチン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛等のパルミチン酸金属塩が好適に使用される。
〔粘度平均分子量〕
本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の粘度平均分子量は、10万以上1,000万未満であることが好ましく、より好ましくは15万以上950万未満、さらに好ましくは20万以上900万未満である。樹脂組成物の粘度平均分子量がこの範囲内であることにより、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を原料とした成型体の強度と成型加工性とを両立することができる。
エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の粘度平均分子量(Mv)は、デカヒドロナフタレン溶液中にエチレン系重合パウダーを異なる濃度で溶解させ、135℃で求めた還元粘度を濃度0に外挿して求めた極限粘度[η](dL/g)から、以下の数式Aにより算出することができる。より詳細には、実施例に記載の方法により求めることができる。
Mv=(5.34×104)×[η]1.49 ・・・数式A
〔嵩密度〕
本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の嵩密度は、好ましくは0.30g/mL以上0.60g/mL未満であり、より好ましくは0.32g/mL以上0.58g/mL未満であり、さらに好ましくは0.34g/mL以上0.56g/mL未満である。樹脂組成物の嵩密度がこの範囲であることにより、エチレン系重合体パウダーの粉体流動性が向上し、成型サイクルを短縮化することが可能となるだけでなく、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を原料とした成型体の生産性等に優れ、より良好な加工適用性を示す傾向にある。
一般的には、嵩密度は、使用する触媒によって異なるが、単位触媒あたりのエチレン系重合体パウダーの生産性により制御することが可能である。エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の嵩密度は、エチレン系重合体を重合する際の重合温度によって制御することが可能であり、重合温度を高くすることによりその嵩密度を低下させることが可能である。また、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の嵩密度は重合器内のスラリー濃度によって制御することも可能であり、スラリー濃度を高くすることによりその嵩密度を増加させることが可能である。なお、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の嵩密度は実施例に記載の方法によって測定することができる。
[有機過酸化物]
エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物は、そのまま各種成型機にて成型加工しても構わないし、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物に有機過酸化物と混合した後、各種成型加工機にて成型加工しても構わない。
エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を成型する際に用いる、有機過酸化物(有機過酸化物架橋剤)としては、上記エチレン系重合体の架橋に寄与し、分子内に原子団-O-O-を有する有機物であれば特に限定されないが、例えば、ジアルキルペルオキシド、ジアシルペルオキシド、ヒドロペルオキシド、ケトンペルオキシド等の有機ペルオキシド;アルキルペルエステル等の有機ペルエステル;ペルオキシジカーボネートなどが挙げられる。上記有機過酸化物としては、特に限定されないが、具体的には、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、n-ブチル-4,4-ビス(tert-ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p-クロロベンゾイルペルオキシド、2,4-ジクロロベンゾイルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシベンゾエート、tert-ブチルペルベンゾエート、tert-ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert-ブチルクミルペルオキシド、α、α’-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン等が挙げられる。これらの中では、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン(商品名「パーヘキサ25B」日本油脂(株)製)、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルオキシ)ヘキシン-3(商品名「パーヘキシン25B」日本油脂(株)製)、ジクミルパーオキサイド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサンが好ましい。
〔エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の成型方法〕
本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の成型方法としては、特に限定されないが、例えば、圧縮成型(プレス成型)、押出し成型が挙げられる。圧縮成型は、金型に原料パウダーを均一に散布し、加熱・加圧して成型した後、冷却して取り出す方法である。板状のものはそのまま製品として、ブロックを作り、切削加工などにより最終製品に仕上げることも可能である。一方、押出し成型では、スクリュー押出機や、ピストンを前後させて押出すラム押出機が用いられる。押出し機の出口の形状を変えることにより、シート、平板、異形品、パイプなど様々な形状の物が得られる。
〔エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の製造方法〕
本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、一般的なチーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒を用いて製造する方法が挙げられる。中でもチーグラー・ナッタ触媒を用いて製造する方法が好ましい。チーグラー・ナッタ触媒については、前述の特許文献3の[0032]から[0068]に開示されている。
固体触媒成分、及び、有機金属化合物成分(以下、「触媒」と省略する場合がある)をエチレン系重合条件下である重合系内に添加する際には、両者を別々に重合系内に添加してもよいし、予め両者を混合させた後に重合系内に添加してもよい。また、組み合わせる両者の比率は、特に限定されないが、固体触媒成分1gに対し有機金属化合物成分は0.01mmol以上1,000mmol以下が好ましく、0.1mmol以上500mmol以下がより好ましく、1mmol以上100mmol以下がさらに好ましい。両者を混合させる他の目的としては、保存タンクや配管等に静電付着を防止することも挙げられる。
エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の製造方法における重合法は、懸濁重合法により、エチレン又はエチレンと炭素数3以上8以下のα-オレフィンを含む単量体を(共)重合させる方法が挙げられる。懸濁重合法で重合すれば、重合熱を効率的に除熱することができる点で好ましい。懸濁重合法においては、媒体として不活性炭化水素媒体を用いることができ、さらにオレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
上記不活性炭化水素媒体としては、特に限定されないが、具体的には、例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;エチルクロライド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;又はこれらの混合物等を挙げることができる。
本実施形態に用いるエチレン系重合体パウダーを得るための製造方法における重合温度は、通常、20℃以上100℃以下が好ましく、30℃以上95℃以下がより好ましく、40℃以上90℃以下がさらに好ましい。重合温度が20℃以上であることにより、工業的に効率的な製造が可能である。一方、重合温度が100℃以下であることにより、連続的に安定運転が可能である。
本実施形態に用いるエチレン系重合体パウダーを得るための製造方法における重合圧力は、通常、常圧以上15MPa以下が好ましく、0.1MPa以上14MPa以下がより好ましく、0.2MPa以上13MPa以下がさらに好ましい。重合圧力が常圧以上であることにより、総金属量及び全塩素量の高いエチレン系重合体パウダーが得られる傾向にあり、重合圧力が13MPa以下であることにより、総金属量及び全塩素量の低いエチレン系重合体パウダーを安定的に生産できる傾向にある。
また、重合を反応条件の異なる2段以上に分けて行なうことも可能である。さらに、例えば、西独国特許出願公開第3127133号明細書に記載されているように、得られるエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の粘度平均分子量は、重合系に水素を存在させるか、又は重合温度を変化させることによって調節することもできる。重合系内に連鎖移動剤として水素を添加することにより、分子量を適切な範囲で制御することが可能である。重合系内に水素を添加する場合、水素のモル分率は、0.01mol%以上30mol%以下が好ましく、0.01mol%以上25mol%以下がより好ましく、0.01mol%以上20mol%以下がさらに好ましい。なお、本実施形態では、上記のような各成分以外にもエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の製造に有用な他の公知の成分を含むことができる。
一般的にエチレン系重合体パウダーを重合する際には、重合反応器へのポリマーの静電気付着を抑制するため、The Associated Octel Company社製(代理店丸和物産)のSTATSAFE3000等の静電気防止剤を使用することも可能である。STATSAFE3000は、不活性炭化水素媒体に希釈したものをポンプ等により重合反応器に添加することもできる。この際の添加量は、単位時間当たりのエチレン系重合体パウダーの生産量に対して、0.1ppm以上50ppm以下が好ましく、20ppm以上50ppm以下がより好ましい。
上記範囲のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を得るための、重合後の乾燥方法としては、できるだけ熱をかけない乾燥方法が好ましい。乾燥機の形式としては、ロータリーキルン方式やパドル方式や流動乾燥機などが好ましい。乾燥温度としては50℃以上、150℃以下が好ましく、70℃以上100℃以下がさらに好ましい。また乾燥機に窒素等の不活性ガスを導入し乾燥を促進することも効果的である。
〔その他の成分〕
本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物は、必要に応じて公知の各種添加剤と組み合わせて用いてもよい。熱安定剤としては、特に限定されないが、例えば、テトラキス[メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタン、ジステアリルチオジプロピオネート等の耐熱安定剤;又はビス(2,2’,6,6’-テトラメチル-4-ピペリジン)セバケート、2-(2-ヒドロキシ-t-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール等の耐候安定剤等が挙げられる。
〔成型体〕
本実施形態の成型体は、上記エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物からなる成型体である。本実施形態の成型体としては、特に限定されないが、例えば、圧縮成型体、押出成型体、延伸成型体が挙げられる。該成型体は、上記エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を含み、必要に応じて有機過酸化物をさらに含んでもよい。
〔用途〕
本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物は、高度な加工性と高い連続加工生産性とを有することができ、種々の加工方法により加工することができる。また、本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を用いた成型体は、種々の用途に応用されることができる。主な用途として、微多孔膜(例えば、リチウムイオン二次電池や鉛蓄電池などの二次電池用セパレータ)や、繊維、非粘着性、低摩擦係数でホッパー、シュートなどのライニング材、また自己潤滑性、低摩擦係数で耐摩耗性が要求される、軸受け、歯車、ローラーガイドレール、骨代用材、骨伝導性材又は骨誘導材などに好適に使用される。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに詳しく説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
〔測定方法及び条件〕
(1)粒子径のピークトップ
エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の粒子径のピークトップは、レーザー回折式粒子径分布測定装置SALD-2300((株)島津製作所製)を使用して測定した。分散媒としてはメタノールを用い、また、分散装置として超音波バスを使用した。また、20μm以上300μm未満の範囲(i)と、0.1μm以上10μm未満の範囲(ii)との2か所にピークトップが確認された場合、20μm以上300μm未満の範囲(i)のピークトップ強度と、0.1μm以上10μm未満の範囲(ii)のピーク強度とから、範囲(ii)のピーク強度に対する範囲(i)のピーク強度の比(範囲(i)/範囲(ii))を算出した。
(2)粘度平均分子量(Mv)
エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の粘度平均分子量については、ISO1628-3(2010)に準じて、以下に示す方法によって求めた。まず、溶融管にエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物20mgを秤量し、溶融管を窒素置換した後、20mLのデカヒドロナフタレン(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノールを1g/L加えたもの)を加え、150℃で2時間攪拌してエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を溶解させた。その溶液を135℃の恒温槽で、キャノン-フェンスケの粘度計(柴田科学器械工業社製:製品番号-100)を用いて、標線間の落下時間(ts)を測定した。同様に、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を10mg、5mg、2.5mgと変えたサンプルついても同様に標線間の落下時間(ts)を測定した。ブランクとしてエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を入れていない、デカヒドロナフタレンのみの落下時間(tb)を測定した。以下の式に従って求めたエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の還元粘度(ηsp/C)をそれぞれプロットして濃度(C)(単位:g/dL)とエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の還元粘度(ηsp/C)との直線式を導き、濃度0に外挿した極限粘度([η])を求めた。
ηsp/C=(ts/tb-1)/0.1 (単位:dL/g)
次に、下記数式Aを用いて、上記極限粘度[η]の値を用い、粘度平均分子量(Mv)を算出した。
Mv=(5.34×104)×[η]1.49 ・・・数式A
(3)嵩密度
エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の嵩密度は、JIS K-6721:1997に従い測定した。
(4)乾燥時間
後述する方法で製造したエチレン系重合体パウダーの重合体スラリー1kgをドラム式乾燥機にて、窒素気流下、ジャケット80℃で乾燥する際に、溶媒(ヘキサン)量がガスクロマトグラフィーによる分析で検出限界以下になるまでの乾燥時間を測定した。なお、判定基準は以下のとおりである。
○・・・乾燥時間10分未満
×・・・乾燥時間10分以上
(5)供給安定性
エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の供給安定性を評価する指標として、下部の内径が10cmの逆円錐型ホッパーを用いて、50℃の環境下、該エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を2時間流したときの逆円錐型ホッパーの下部におけるエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の状態を以下の判定基準で確認した。
○・・・初期流速と同じ速度で問題なく流れている
△・・・流れてはいるが、一部パウダーの塊が見られている
×・・・パウダーが固まっており、初期流速の半分以下に低下している
(6)成型体強度
エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を、JIS K7139に準拠して圧縮成形を実施し(設定加熱温度:200℃、加熱時間:20分、成型圧力:10MPa、金型大きさ:200mm四方、5mm厚)、圧力を保った状態で加熱を止める冷却過程を経ることにより成型体を得た。
得られた成型体を用いて、強度試験として、耐摩耗性試験(サンドスラリー試験)を行った。試験に用いるサンドは、4号珪砂2kg/水2L、回転数1、750rpm、試験時間24時間後の摩耗損失量から下記数式Bで摩耗損失量比を求めた。摩耗損失量比が5%を超えるものを不可(×)、5%以下のものを優良(○)と評価した。
摩耗損失量比=(W1-W2)/W1*100 ・・・数式B
W1=試験前の成型体の重量、W2=試験後の成型体の重量
〔触媒合成例1:固体触媒成分[A]の調製〕
(1)(A-1)担体の合成
充分に窒素置換された、8Lステンレス製オートクレーブに2mol/Lのヒドロキシトリクロロシランのヘキサン溶液1,000mLを仕込み、65℃で攪拌しながら組成式AlMg5(C4911(OC492で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液2,550mL(マグネシウム2.68mol相当)を4時間かけて滴下し、さらに65℃で1時間攪拌しながら反応を継続させた。反応終了後、上澄み液を除去し、1,800mLのヘキサンで4回洗浄して固体を得た。この固体((A-1)担体)を分析した結果、固体1g当たりに含まれるマグネシウムが8.31mmolであった。
(2)固体触媒成分[A]の調製
上記(A-1)担体110gを含有するヘキサンスラリー1,970mLに10℃で攪拌しながら1mol/Lの四塩化チタンヘキサン溶液110mLと1mol/Lの組成式AlMg5(C4911(OSiH)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液110mLとを同時に1時間かけて添加した。添加後、10℃で1時間反応を継続させた。反応終了後、上澄み液を1,100mL除去し、ヘキサン1,100mLで2回洗浄することにより、固体触媒成分[A]を調製した。この固体触媒成分[A]1g中に含まれるチタン量は0.75mmolであった。
〔エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の製造〕
表1に示す条件で、ヘキサン、エチレン、α-オレフィン、水素、触媒、STATSAFE3000(The Associated Octel Company社製)を、攪拌装置が付いたベッセル型300L重合反応器に連続的に供給して以下のとおりエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を製造した。
(実施例1:PE1)
重合温度はジャケット冷却により74℃に保った。ヘキサンは55L/時間で供給した。触媒としては、助触媒成分であるトリイソブチルアルミニウム及びジイソブチルアルミニウムハイドライドの混合物と、固体触媒成分[A]とを使用した。固体触媒成分[A]は0.7g/時間の速度で重合器に添加し、トリイソブチルアルミニウム及びジイソブチルアルミニウムハイドライドの混合物は9mmol/時間の速度で重合器に添加した。なお、固体触媒成分[A]、並びに、トリイソブチルアルミニウム及びジイソブチルアルミニウムハイドライドの混合物を5L/時間の速度になるように等量ずつ添加した。同じくSTATSAFE3000をエチレン系重合体パウダーに対する濃度が25ppmになるように添加した。水素は気相エチレン濃度に対して0.2mol%となるように連続的に添加した。重合圧力はエチレンを連続供給することにより0.45MPaに保った。これらの条件で重合反応器内が均一になるように十分撹拌を行った。エチレン系重合体パウダーの製造速度は10kg/時間であった。触媒活性は30,000g-PE/g-固体触媒成分[A]であった。エチレン系重合体パウダーの重合スラリーは、重合反応器のレベルが一定に保たれるように連続的に圧力0.05MPaのフラッシュドラムに抜き、未反応のエチレンを分離した。エチレン系重合体パウダーの重合スラリーは、上述の方法で乾燥させた。さらに、当該乾燥物に、ステアリン酸カルシウム(大日化学社製、C60)を、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物に対する濃度が315ppmになるように添加し、ヘンシェルミキサーを用いて、攪拌翼先端の線速20m/秒で5分間均一混合し(ヘンシェル攪拌方法Aとする)、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を得た。得られたエチレン系重合体パウダー主体とする樹脂組成物を目開き425μmの篩を用いて、篩を通過しなかったものを除去した。こうして得られたエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物をPE1とする。得られたPE1を用いて上記方法で評価を行なった結果を表1に示す。
(実施例2:PE2)
ステアリン酸カルシウムの添加量を3,900ppmにしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE2)を得た。得られたPE2を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
(実施例3:PE3)
α-オレフィンとして1-ブテンを気相エチレン濃度に対して0.4mol%となるように連続的に添加したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE3)を得た。得られたPE3を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
(実施例4:PE4)
α-オレフィンとして1-ブテンを気相エチレン濃度に対して0.4mol%となるように連続的に添加したこと以外は実施例2と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE4)を得た。得られたPE4を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
(実施例5:PE5)
重合温度を92℃とし、水素を気相エチレン濃度に対して11.0mol%となるように連続的に添加し、重合圧力はエチレンを連続供給することにより0.6MPaに保ち、ステアリン酸カルシウムの添加量を1,000ppmにしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE5)を得た。得られたPE5を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
(実施例6:PE6)
重合温度を44℃とし、水素の供給をせず、重合圧力はエチレンを連続供給することにより0.3MPaに保ったこと以外は、実施例5と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE6)を得た。得られたPE6を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
(実施例7:PE7)
ヘンシェルミキサーを用いて、攪拌翼先端の線速50m/秒で5分間均一混合し(ヘンシェル攪拌方法Bとする)以外は、実施例1と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE7)を得た。得られたPE7を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
(実施例8:PE8)
ステアリン酸カルシウムを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE8)を得た。得られたPE8を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
(実施例9:PE9)
ステアリン酸カルシウムを添加しなかったこと以外は、実施例2と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE9)を得た。得られたPE9を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
(実施例10:PE10)
ステアリン酸カルシウムの添加量を5,150ppmにしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE10)を得た。得られたPE10を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
(実施例11:PE11)
重合温度を94℃とし、水素を気相エチレン濃度に対して11.5mol%となるように連続的に添加したこと以外は、実施例5と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE11)を得た。得られたPE11を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
(実施例12:PE12)
重合温度を42℃としたこと以外は、実施例6と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE12)を得た。得られたPE12を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
(比較例1:PE13)
ヘンシェルミキサーを用いた混合を行わない以外は、実施例8と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE13)を得た。得られたPE13を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
(比較例2:PE14)
ヘンシェルミキサーを用いて、攪拌翼先端の線速18m/秒で5分間均一混合し(ヘンシェル攪拌方法Cとする)以外は、実施例8と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE14)を得た。得られたPE14を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
Figure 0007251962000001
表1に示す評価結果から、実施例のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物は、エチレン系重合体パウダーを原料とした成型体の成型時間を短縮化するために、エチレン系重合体パウダーの乾燥時間短縮と成型サイクル短縮化とを同時に達成できる点で優れている。
本発明のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物は、リチウムイオン二次電池や鉛蓄電池などの二次電池用セパレータや、繊維、非粘着性、低摩擦係数でホッパー、シュートなどのライニング材、また自己潤滑性、低摩擦係数で耐摩耗性が要求される、軸受け、歯車、ローラーガイドレール、骨代用材、骨伝導性材又は骨誘導材などに好適に使用される。

Claims (10)

  1. 下記(1)~(3)の条件を満たす、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
    (1)レーザー回折式粒子径分布測定装置において、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の粒子径のピークトップが、20μm以上300μm未満の範囲(i)と0.1μm以上10μm未満の範囲(ii)との2か所に存在する。
    (2)範囲(ii)のピーク強度に対する範囲(i)のピーク強度の比が50以上10,000未満である。
    (3)樹脂組成物中、エチレン系重合体パウダーの割合が99.5質量%以上である。
  2. 粘度平均分子量が10万以上1,000万未満である、請求項1に記載のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
  3. 嵩密度が0.30g/mL以上0.60g/mL未満である、請求項1又は2に記載のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
  4. 炭素数12以上18以下の高級脂肪酸金属塩を0.01質量%以上0.5質量%未満含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
  5. 範囲(ii)のピーク強度に対する範囲(i)のピーク強度の比が1,000以上10,000未満である、請求項1~4のいずれか一項に記載のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる圧縮成型体。
  7. 請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる押出成型体。
  8. 請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる延伸成型体。
  9. 請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる微多孔膜。
  10. 請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる繊維。
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