JP7251962B2 - エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物、及び、それよりなる成型体 - Google Patents
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Description
〔1〕
下記(1)~(3)の条件を満たす、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
(1)レーザー回折式粒子径分布測定装置において、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の粒子径のピークトップが、20μm以上300μm未満の範囲(i)と0.1μm以上10μm未満の範囲(ii)との2か所に存在する。
(2)範囲(ii)のピーク強度に対する範囲(i)のピーク強度の比が50以上10,000未満である。
(3)樹脂組成物中、エチレン系重合体パウダーの割合が99.5質量%以上である。
〔2〕
粘度平均分子量が10万以上1,000万未満である、〔1〕に記載のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
〔3〕
嵩密度が0.30g/mL以上0.60g/mL未満である、〔1〕又は〔2〕に記載のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
〔4〕
炭素数12以上18以下の高級脂肪酸金属塩を0.01質量%以上0.5質量%未満含有する、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
〔5〕
範囲(ii)のピーク強度に対する範囲(i)のピーク強度の比が1,000以上10,000未満である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
〔6〕
〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の樹脂組成物からなる圧縮成型体。
〔7〕
〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の樹脂組成物からなる押出成型体。
〔8〕
〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の樹脂組成物からなる延伸成型体。
〔9〕
〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の樹脂組成物からなる微多孔膜。
〔10〕
〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の樹脂組成物からなる繊維。
本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物は、下記の条件(1)、(2)、及び(3)を満たすことにより、エチレン系重合体パウダーの乾燥時間短縮と成型サイクル短縮化とを同時に達成できるため、成型時間の短縮化が可能となる。
(1)レーザー回折式粒子径分布測定装置において、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の粒子径のピークトップが、20μm以上300μm未満の範囲(i)と、0.1μm以上10μm未満の範囲(ii)との2か所に存在する。
(2)範囲(ii)のピーク強度に対する範囲(i)のピーク強度の比が50以上10,000未満である。
(3)樹脂組成物中、エチレン系重合体パウダーの割合が99.5質量%以上である。
本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物は、レーザー回折粒子系分布測定装置における、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の粒子径のピークトップが、20μm以上300μm未満の範囲(i)と、0.1μm以上10μm未満の範囲(ii)との2か所に存在する。該ピークトップの範囲(i)は、好ましくは、30μm以上250μm未満であり、さらに好ましくは、40μm以上200μm未満である。また、該ピークトップの範囲(ii)は、好ましくは、0.15μm以上9.5μm未満であり、さらに好ましくは、0.2μm以上9μm未満である。また、樹脂組成物中のエチレン系重合体パウダーの割合は99.5質量%以上である必要があり、好ましくは99.65質量%以上、さらに好ましくは99.6質量%以上である。樹脂組成物中のエチレン系重合体パウダーの割合の上限は、特に限定されないが、例えば、100質量%以下である。この範囲内であることにより、エチレン系重合体パウダーの粉体流動性が向上し、成型サイクルを短縮化することが可能となる。
本実施形態に用いるエチレン系重合体パウダーは、エチレン単位、及び/又は、エチレン単位と炭素数3以上8以下のα-オレフィン単位とを構成単位としていれば特に限定されない。エチレンと共重合可能な炭素数3以上8以下のα-オレフィンとしては、特に限定されないが、具体的には、例えば、直鎖、分岐、又は環状α-オレフィン、式CH2=CHR1(ここで、R1は炭素数1~6のアリール基である。)で表される化合物、及び炭素数4~7の、直鎖状、分岐状又は環状のジエンからなる群より選ばれる少なくとも1種のα-オレフィンが挙げられる。この中でも、α-オレフィンとしては、成型体の耐摩耗性や耐熱性及び強度の観点から、プロピレン及び1-ブテンが好ましい。
また、本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物には、炭素数12以上18以下の高級脂肪酸金属塩を0.01質量%以上0.5質量%未満含有してもよく、好ましくは0.02質量%以上0.45質量%未満、さらに好ましくは0.03質量%以上0.4質量%未満である。この高級脂肪酸金属塩を含有していることにより、エチレン系重合体パウダーの粉体流動性が向上し、成型サイクルを短縮化することが向上する傾向にある。
本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の粘度平均分子量は、10万以上1,000万未満であることが好ましく、より好ましくは15万以上950万未満、さらに好ましくは20万以上900万未満である。樹脂組成物の粘度平均分子量がこの範囲内であることにより、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を原料とした成型体の強度と成型加工性とを両立することができる。
本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の嵩密度は、好ましくは0.30g/mL以上0.60g/mL未満であり、より好ましくは0.32g/mL以上0.58g/mL未満であり、さらに好ましくは0.34g/mL以上0.56g/mL未満である。樹脂組成物の嵩密度がこの範囲であることにより、エチレン系重合体パウダーの粉体流動性が向上し、成型サイクルを短縮化することが可能となるだけでなく、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を原料とした成型体の生産性等に優れ、より良好な加工適用性を示す傾向にある。
エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物は、そのまま各種成型機にて成型加工しても構わないし、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物に有機過酸化物と混合した後、各種成型加工機にて成型加工しても構わない。
本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の成型方法としては、特に限定されないが、例えば、圧縮成型(プレス成型)、押出し成型が挙げられる。圧縮成型は、金型に原料パウダーを均一に散布し、加熱・加圧して成型した後、冷却して取り出す方法である。板状のものはそのまま製品として、ブロックを作り、切削加工などにより最終製品に仕上げることも可能である。一方、押出し成型では、スクリュー押出機や、ピストンを前後させて押出すラム押出機が用いられる。押出し機の出口の形状を変えることにより、シート、平板、異形品、パイプなど様々な形状の物が得られる。
本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の製造方法は、特に限定されず、例えば、一般的なチーグラー・ナッタ触媒やメタロセン触媒を用いて製造する方法が挙げられる。中でもチーグラー・ナッタ触媒を用いて製造する方法が好ましい。チーグラー・ナッタ触媒については、前述の特許文献3の[0032]から[0068]に開示されている。
本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物は、必要に応じて公知の各種添加剤と組み合わせて用いてもよい。熱安定剤としては、特に限定されないが、例えば、テトラキス[メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ)ヒドロシンナメート]メタン、ジステアリルチオジプロピオネート等の耐熱安定剤;又はビス(2,2’,6,6’-テトラメチル-4-ピペリジン)セバケート、2-(2-ヒドロキシ-t-ブチル-5-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール等の耐候安定剤等が挙げられる。
本実施形態の成型体は、上記エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物からなる成型体である。本実施形態の成型体としては、特に限定されないが、例えば、圧縮成型体、押出成型体、延伸成型体が挙げられる。該成型体は、上記エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を含み、必要に応じて有機過酸化物をさらに含んでもよい。
本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物は、高度な加工性と高い連続加工生産性とを有することができ、種々の加工方法により加工することができる。また、本実施形態のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を用いた成型体は、種々の用途に応用されることができる。主な用途として、微多孔膜(例えば、リチウムイオン二次電池や鉛蓄電池などの二次電池用セパレータ)や、繊維、非粘着性、低摩擦係数でホッパー、シュートなどのライニング材、また自己潤滑性、低摩擦係数で耐摩耗性が要求される、軸受け、歯車、ローラーガイドレール、骨代用材、骨伝導性材又は骨誘導材などに好適に使用される。
(1)粒子径のピークトップ
エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の粒子径のピークトップは、レーザー回折式粒子径分布測定装置SALD-2300((株)島津製作所製)を使用して測定した。分散媒としてはメタノールを用い、また、分散装置として超音波バスを使用した。また、20μm以上300μm未満の範囲(i)と、0.1μm以上10μm未満の範囲(ii)との2か所にピークトップが確認された場合、20μm以上300μm未満の範囲(i)のピークトップ強度と、0.1μm以上10μm未満の範囲(ii)のピーク強度とから、範囲(ii)のピーク強度に対する範囲(i)のピーク強度の比(範囲(i)/範囲(ii))を算出した。
エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の粘度平均分子量については、ISO1628-3(2010)に準じて、以下に示す方法によって求めた。まず、溶融管にエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物20mgを秤量し、溶融管を窒素置換した後、20mLのデカヒドロナフタレン(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノールを1g/L加えたもの)を加え、150℃で2時間攪拌してエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を溶解させた。その溶液を135℃の恒温槽で、キャノン-フェンスケの粘度計(柴田科学器械工業社製:製品番号-100)を用いて、標線間の落下時間(ts)を測定した。同様に、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を10mg、5mg、2.5mgと変えたサンプルついても同様に標線間の落下時間(ts)を測定した。ブランクとしてエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を入れていない、デカヒドロナフタレンのみの落下時間(tb)を測定した。以下の式に従って求めたエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の還元粘度(ηsp/C)をそれぞれプロットして濃度(C)(単位:g/dL)とエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の還元粘度(ηsp/C)との直線式を導き、濃度0に外挿した極限粘度([η])を求めた。
エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の嵩密度は、JIS K-6721:1997に従い測定した。
後述する方法で製造したエチレン系重合体パウダーの重合体スラリー1kgをドラム式乾燥機にて、窒素気流下、ジャケット80℃で乾燥する際に、溶媒(ヘキサン)量がガスクロマトグラフィーによる分析で検出限界以下になるまでの乾燥時間を測定した。なお、判定基準は以下のとおりである。
×・・・乾燥時間10分以上
エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の供給安定性を評価する指標として、下部の内径が10cmの逆円錐型ホッパーを用いて、50℃の環境下、該エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を2時間流したときの逆円錐型ホッパーの下部におけるエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の状態を以下の判定基準で確認した。
△・・・流れてはいるが、一部パウダーの塊が見られている
×・・・パウダーが固まっており、初期流速の半分以下に低下している
エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を、JIS K7139に準拠して圧縮成形を実施し(設定加熱温度:200℃、加熱時間:20分、成型圧力:10MPa、金型大きさ:200mm四方、5mm厚)、圧力を保った状態で加熱を止める冷却過程を経ることにより成型体を得た。
W1=試験前の成型体の重量、W2=試験後の成型体の重量
(1)(A-1)担体の合成
充分に窒素置換された、8Lステンレス製オートクレーブに2mol/Lのヒドロキシトリクロロシランのヘキサン溶液1,000mLを仕込み、65℃で攪拌しながら組成式AlMg5(C4H9)11(OC4H9)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液2,550mL(マグネシウム2.68mol相当)を4時間かけて滴下し、さらに65℃で1時間攪拌しながら反応を継続させた。反応終了後、上澄み液を除去し、1,800mLのヘキサンで4回洗浄して固体を得た。この固体((A-1)担体)を分析した結果、固体1g当たりに含まれるマグネシウムが8.31mmolであった。
上記(A-1)担体110gを含有するヘキサンスラリー1,970mLに10℃で攪拌しながら1mol/Lの四塩化チタンヘキサン溶液110mLと1mol/Lの組成式AlMg5(C4H9)11(OSiH)2で表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液110mLとを同時に1時間かけて添加した。添加後、10℃で1時間反応を継続させた。反応終了後、上澄み液を1,100mL除去し、ヘキサン1,100mLで2回洗浄することにより、固体触媒成分[A]を調製した。この固体触媒成分[A]1g中に含まれるチタン量は0.75mmolであった。
表1に示す条件で、ヘキサン、エチレン、α-オレフィン、水素、触媒、STATSAFE3000(The Associated Octel Company社製)を、攪拌装置が付いたベッセル型300L重合反応器に連続的に供給して以下のとおりエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を製造した。
重合温度はジャケット冷却により74℃に保った。ヘキサンは55L/時間で供給した。触媒としては、助触媒成分であるトリイソブチルアルミニウム及びジイソブチルアルミニウムハイドライドの混合物と、固体触媒成分[A]とを使用した。固体触媒成分[A]は0.7g/時間の速度で重合器に添加し、トリイソブチルアルミニウム及びジイソブチルアルミニウムハイドライドの混合物は9mmol/時間の速度で重合器に添加した。なお、固体触媒成分[A]、並びに、トリイソブチルアルミニウム及びジイソブチルアルミニウムハイドライドの混合物を5L/時間の速度になるように等量ずつ添加した。同じくSTATSAFE3000をエチレン系重合体パウダーに対する濃度が25ppmになるように添加した。水素は気相エチレン濃度に対して0.2mol%となるように連続的に添加した。重合圧力はエチレンを連続供給することにより0.45MPaに保った。これらの条件で重合反応器内が均一になるように十分撹拌を行った。エチレン系重合体パウダーの製造速度は10kg/時間であった。触媒活性は30,000g-PE/g-固体触媒成分[A]であった。エチレン系重合体パウダーの重合スラリーは、重合反応器のレベルが一定に保たれるように連続的に圧力0.05MPaのフラッシュドラムに抜き、未反応のエチレンを分離した。エチレン系重合体パウダーの重合スラリーは、上述の方法で乾燥させた。さらに、当該乾燥物に、ステアリン酸カルシウム(大日化学社製、C60)を、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物に対する濃度が315ppmになるように添加し、ヘンシェルミキサーを用いて、攪拌翼先端の線速20m/秒で5分間均一混合し(ヘンシェル攪拌方法Aとする)、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物を得た。得られたエチレン系重合体パウダー主体とする樹脂組成物を目開き425μmの篩を用いて、篩を通過しなかったものを除去した。こうして得られたエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物をPE1とする。得られたPE1を用いて上記方法で評価を行なった結果を表1に示す。
ステアリン酸カルシウムの添加量を3,900ppmにしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE2)を得た。得られたPE2を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
α-オレフィンとして1-ブテンを気相エチレン濃度に対して0.4mol%となるように連続的に添加したこと以外は実施例1と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE3)を得た。得られたPE3を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
α-オレフィンとして1-ブテンを気相エチレン濃度に対して0.4mol%となるように連続的に添加したこと以外は実施例2と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE4)を得た。得られたPE4を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
重合温度を92℃とし、水素を気相エチレン濃度に対して11.0mol%となるように連続的に添加し、重合圧力はエチレンを連続供給することにより0.6MPaに保ち、ステアリン酸カルシウムの添加量を1,000ppmにしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE5)を得た。得られたPE5を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
重合温度を44℃とし、水素の供給をせず、重合圧力はエチレンを連続供給することにより0.3MPaに保ったこと以外は、実施例5と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE6)を得た。得られたPE6を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
ヘンシェルミキサーを用いて、攪拌翼先端の線速50m/秒で5分間均一混合し(ヘンシェル攪拌方法Bとする)以外は、実施例1と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE7)を得た。得られたPE7を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
ステアリン酸カルシウムを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE8)を得た。得られたPE8を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
ステアリン酸カルシウムを添加しなかったこと以外は、実施例2と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE9)を得た。得られたPE9を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
ステアリン酸カルシウムの添加量を5,150ppmにしたこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE10)を得た。得られたPE10を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
重合温度を94℃とし、水素を気相エチレン濃度に対して11.5mol%となるように連続的に添加したこと以外は、実施例5と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE11)を得た。得られたPE11を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
重合温度を42℃としたこと以外は、実施例6と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE12)を得た。得られたPE12を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
ヘンシェルミキサーを用いた混合を行わない以外は、実施例8と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE13)を得た。得られたPE13を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
ヘンシェルミキサーを用いて、攪拌翼先端の線速18m/秒で5分間均一混合し(ヘンシェル攪拌方法Cとする)以外は、実施例8と同様の操作を行い、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物(PE14)を得た。得られたPE14を用いて実施例1と同様の評価を行なった結果を表1に示す。
Claims (10)
- 下記(1)~(3)の条件を満たす、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
(1)レーザー回折式粒子径分布測定装置において、エチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物の粒子径のピークトップが、20μm以上300μm未満の範囲(i)と0.1μm以上10μm未満の範囲(ii)との2か所に存在する。
(2)範囲(ii)のピーク強度に対する範囲(i)のピーク強度の比が50以上10,000未満である。
(3)樹脂組成物中、エチレン系重合体パウダーの割合が99.5質量%以上である。 - 粘度平均分子量が10万以上1,000万未満である、請求項1に記載のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
- 嵩密度が0.30g/mL以上0.60g/mL未満である、請求項1又は2に記載のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
- 炭素数12以上18以下の高級脂肪酸金属塩を0.01質量%以上0.5質量%未満含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
- 範囲(ii)のピーク強度に対する範囲(i)のピーク強度の比が1,000以上10,000未満である、請求項1~4のいずれか一項に記載のエチレン系重合体パウダーを主体とする樹脂組成物。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる圧縮成型体。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる押出成型体。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる延伸成型体。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる微多孔膜。
- 請求項1~5のいずれか一項に記載の樹脂組成物からなる繊維。
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