本発明の一実施形態の遊技機の一例であるスロットマシン1は、図1に示すように、直方体形状の筺体10を備えている。この筺体10は、前面(すなわち、図1の紙面貫通方向の手前側の面)に図示しない開口部と、この開口部を開閉可能な板状の前扉20とを有している。
前扉20は、その略中央部分に設けられた透光性の表示窓21を有し、筺体10に対してロック可能に取り付けられている。表示窓21は、前扉20により筺体10の開口部を閉鎖した状態で、後述する各回転リール41,42,43の表面に配置された複数の図柄を視認可能に配置されている。
また、筺体10は、表示装置の一例の液晶表示装置22、電飾装置23およびスピーカ24を有している。液晶表示装置22、電飾装置23およびスピーカ24の各々は、前扉20の表示窓21の上部に配置されている。遊技中の各種の演出は、液晶表示装置22、電飾装置23、および、スピーカ24を用いて行われる。例えば、液晶表示装置22は、遊技中に各種の演出画像(演出動画)を表示したり、所定の情報等を表示したりする。また、電飾装置23は、所定の条件を満たした場合に、所定のパターンで点灯または消灯し、スピーカ24は、所定の条件を満たした場合に、所定の音を出力する。
また、筺体10は、メダルが払い出される払い出し口25、払い出し口25から払い出されたメダルを貯留する下皿26および操作部30を有している。払い出し口25、下皿26および操作部30の各々は、前扉20の表示窓21の下部に配置されている。
操作部30は、遊技媒体の一例としてのメダルを投入するためのメダル投入口31と、メダルをベットするためのベットスイッチ32と、前扉20に操作可能に設けられ操作により各回転リール41,42,43を回転させるスタートスイッチ33と、前扉20に操作可能に設けられ操作により回転中の各回転リール41,42,43を停止させるストップスイッチ34,35,36とを有している。操作部30の各スイッチは、遊技者の操作に基づいて操作信号を出力する。また、メダル投入口31には図示しないメダルセンサが設けられており、遊技者によるメダル投入口31へのメダルの投入を検出し、検出信号を出力する。
なお、操作部30には、他に、精算スイッチ(図示せず)および表示部の一例の貯留メダル表示部(図示せず)等が設けられている。この貯留メダル表示部は、貯留されたメダルの数に加えて、後述する遊技区間が有利区間であることが表示可能に構成されている。
また、スロットマシン1は、図2に示すように、スロットマシン1全体を制御する制御装置100、回転リールユニット40、回転リール位置検出センサ44、および、メダルを払い出すホッパーユニット50を備えている。制御装置100、回転リールユニット40、回転リール位置検出センサ44、および、ホッパーユニット50は、スロットマシン1の主電源をオン/オフする電源装置(図示せず)、スロットマシン1の設定値を変更するときに管理者が操作する設定部45等と共に、筺体10の内部に配置されている。
回転リールユニット40は、筺体10の内部の略中央に配置され、複数の回転リール(この実施形態では、3つの回転リール41,42,43)と、この回転リール41,42,43を駆動するステッピングモータ61,62,63とで構成されている。各回転リール41,42,43は、略円筒状で、その表面には、図3に示すように、各回転リール41,42,43の周方向に沿って間隔を空けて配列された複数の図柄と、基準点(図示せず)とが設けられている。基準点は、例えば、回転リール41,42,43のゼロ番の図柄(ベルA)の中心に配置されている。
ここで、図1~図9を参照して、スロットマシン1で行われる遊技の概要について説明する。
図1に示すように、スロットマシン1で遊技を行う場合、まず、メダルをメダル投入口31から投入する、または、ベットスイッチ32を操作することにより貯留しているメダル(すなわち、クレジット)を使用して、メダルをベットする。予め設定されている規定の枚数(例えば、1~3枚)のメダルがベットされると、有効ラインが有効化され、スタートスイッチ33の操作が可能な状態、すなわち、遊技が開始可能な状態になる。このとき、遊技状態等に応じて設定されている規定の枚数を超えて投入されたメダルは、クレジットとして貯留される。
有効ラインは、図4に示すように、役の入賞を決定するための仮想ラインであり、この有効ラインによって、表示窓21に表示される各回転リール41,42,43の図柄が、それぞれ1つずつ連結されている。このスロットマシン1では、有効ラインは、例えば、右下がりライン、中段ラインおよび右上がりラインの3つの有効ライン70で構成され、所定枚数(例えば、3枚)のメダルがベットされることにより有効化される。なお、一例として、このスロットマシン1の表示窓21に表示される図柄は、各回転リールにつき3図柄である。
遊技が開始可能な状態でスタートスイッチ33が操作されると、スロットマシン1内で行われる電子計算機によるくじ(以下、内部抽せんという。)が行われ、各回転リール41,42,43の回転が開始される。この状態で、いずれかのストップスイッチ34,35,36が操作されると、操作されたストップスイッチ34,35,36に対応する回転リール41,42,43が停止し、表示窓21に、当せんした役に応じた結果が表示される。全ての回転リール41,42,43が停止すると、入賞した役に応じて、所定の枚数のメダルが払い出され、1ゲームが終了する。この実施形態では、全ての回転リール41,42,43が停止した状態で、内部抽せんにより当せんした役毎に設定された図柄の組み合わせが、有効ライン70上に配置された場合に、有効ライン70上に配置された図柄の組み合わせに対応する役が入賞したと判定される。なお、有効ライン70上に役に対応する図柄の組み合わせが停止しなかった場合(いわゆるハズレ時)も、入賞に含まれる。
このように、ベットスイッチ32、スタートスイッチ33およびストップスイッチ34,35,36を操作して、遊技の結果を得る一連の動作を遊技という。遊技の単位はゲームであり、1ゲームを単位遊技という。
また、遊技中は、複数の遊技区間の中から1つの遊技区間が設定され、複数の遊技状態の中から1つ遊技状態が設定される。そして、設定された遊技区間および遊技状態に基づいて、内部抽せんが行われる。遊技状態には、図5~図7に示すように、第1遊技状態、第2遊技状態および第3遊技状態が含まれる。
第1遊技状態は、内部抽せんにより当せんする役(以下、単に当せん役という。)のうち、リプレイ役の種類(図9参照)およびその当せん確率を決定するための遊技状態であり、一例として、図5に示すように、RT0と、RT1とで構成されている。
RT0は、第2遊技状態が特別役実施状態から特別役非持ち越し状態に移行した場合、または、遊技状態の初期化時(例えば、RAMクリア時)に設定される(すなわち、第1遊技状態がRT1からRT0に移行する)。また、スロットマシン1が店舗等に設置された直後の第1遊技状態もRT0に設定されている。言い換えると、第1遊技状態は、一種BBが実施されている場合を除いて、全てRT0に設定されている。
RT1は、第2遊技状態が特別役非持ち越し状態から特別役実施状態に移行した場合に設定される(すなわち、第1遊技状態がRT0からRT1に移行する)。RT1では、図9に示すように、リプレイ役および一種BBに当せんする可能性はない。また、RT1では、後述する区間移行抽せんおよび後述するAT抽せんが行われない。
第2遊技状態は、図6に示すように、内部抽せんにより当せんした一種BBの入賞が持ち越されていない特別役非持ち越し状態と、内部抽せんにより当せんした一種BBの入賞が持ち越されている特別役持ち越し状態と、入賞した一種BBを実施するための特別役実施状態とを含む。
特別役非持ち越し状態は、特別役実施状態に移行したときから払い出されたメダルが所定数(例えば、180枚または2枚)を超えた場合、または、遊技状態の初期化(例えば、RAMクリア時)などの所定条件を満たした場合に設定される。
特別役持ち越し状態は、内部抽せんにより一種BBに当せんしかつ後述する所定の条件を満たした場合に設定される。一種BBは、一種特別役物に係る役物連続作動装置(いわゆるビッグボーナス)であり、特別役の一例である。一種BBが持ち越されている場合、一種BBの抽せんは行われない。また、持ち越されている一種BBのフラグは、設定値を変更しても消滅しないように構成されているが、消滅するように構成しても構わない。
特別役実施状態は、内部抽せんにより特別役に当せんしかつ入賞した場合に設定され、一種BB実施状態(図6中、BB一般で示す。)と、RB持ち越し状態(図6中、JAC内部で示す)およびRB実施状態(図6中、JAC中で示す)を含んでいる。BB一般は、特別役が入賞した場合に設定される。BB一般は、役物非内部状態の一例で、内部抽せんにより特別役物の一例のRB(図9のJAC1~4)に当せんしていない場合に設定される。JAC内部は、役物内部状態の一例で、第2遊技状態が一種BB実施状態BB一般であるときに、内部抽せんによりRB(すなわち、図9のJAC1~4)に当せんしかつRBが入賞していない場合に設定される。JAC中は、役物実施状態の一例で、当せんしたRBが入賞した場合に設定される。JAC中は、JAC中に移行したときから12ゲーム消化するか、または、JAC中に何らかの役が8回入賞することで、BB一般に移行する。
第3遊技状態は、遊技中に行われる演出を決定するための状態であり、一例として、図7に示すように、一般遊技状態と、一般遊技状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態とで構成されている。
一般遊技状態は、指示機能が発生しない状態であり、例えば、設定値の変更後、RAMクリア後およびAT終了後、AT抽せんに当せんするまで設定される。AT抽せんは、一例として、第1遊技状態がRT0であり、かつ、遊技区間が有利区間である場合に、内部抽せんにより当せんした役に応じて行われる。
特別遊技状態は、一例として、CZ(チャンスゾーン)と、ATとで構成されている。CZは、AT抽せんに当せんする確率が一般遊技状態よりも高くなるように構成されている。一般遊技状態からCZへの移行は、例えば、第1遊技状態がRT0でかつ遊技区間が有利区間である場合に内部抽せんが行われ、その結果、AT抽せんに当せんしなかった場合に行われる高確率状態移行抽せんに当せんすることで行われる。
CZは、第1期間と、第1期間よりも後で行われる第2期間とを有している。スロットマシン1では、高確率状態移行抽せんに当せんすることで、第1期間で遊技が行われ、第1期間終了後、第2期間で遊技が行われる。一例として、第1期間では、後述する操作態様役に設定されている操作態様が報知されるが、第2期間では、操作態様役に設定されている操作態様が報知されないように構成されている。第1期間および第2期間は、終了条件が異なっている。例えば、第1期間は、予め設定された操作態様役に当せんすることで終了し、第2期間は、予め設定されたゲーム数を消化しかつ後述する終了抽せんに当せんすることで終了する。
ATは、指示機能が発生する状態であり、第3遊技状態がATに移行したときから経過した遊技数が、ATで遊技可能な遊技数(すなわち、ATゲーム数)に到達するまで設定される。ATでは、メダルの払い出しのある押し順役の押し順(言い換えると、押し順役が入賞可能なストップスイッチ34、35、36の操作順)の報知が行われ、一般遊技状態よりもメダルの獲得期待値が高くなるように構成されている。
AT抽せんおよび高確率状態移行抽せんは、特別遊技状態抽せんの一例である。ATまたは高確率状態の延長抽せんも特別遊技状態抽せんに含んでも構わない。
遊技区間は、指示機能に係る処理が行われるか否かを決定するための状態であり、一例として、図8に示すように、有利区間と通常区間とで構成されている。
有利区間は、指示機能に係る処理および抽せんを実行可能な区間であり、遊技区間が通常区間で行われた内部抽せんの結果に基づいて行われる区間移行抽せんに当せんした後、有利区間が終了する条件を満たすまで設定される。なお、有利区間には、第3遊技状態が一般遊技状態で進行する有利区間と、第3遊技状態が特別遊技状態(すなわち、AT)で進行する有利区間とが含まれる。
通常区間は、指示機能に係る処理および抽せんを実行不可能な区間であり、遊技区間として有利区間が設定されていない場合に設定される。通常区間は、第3遊技状態が一般遊技状態で進行する。
なお、指示機能とは、出玉に影響する操作手順(例えば、押し順役の押し順)または操作方法を何らかの方法によって遊技者に教える機能であり、例えば、ストップスイッチ34,35,36を所定の操作手順で操作することで入賞可能な押し順役の押し順を指示する機能、または、ストップスイッチ34,35,36の操作が行われたときの回転リール41,42,43の位置が予め定められた操作位置であった場合に入賞可能な役の操作位置を指示する機能をいう。すなわち、遊技区間が有利区間である場合にのみ、第3遊技状態としてATが設定される。
次に、制御装置100について説明する。制御装置100は、図2に示すように、メイン制御部110とサブ制御部120とで構成されている。
メイン制御部110およびサブ制御部120の各々は、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラムまたはデータ等を記憶しておく記憶装置(例えば、ROMおよびRAM)等を備えている。メイン制御部110は、内部抽せん部111と、回転リール制御部112と、遊技結果判定部113と、区間制御部114と、遊技状態制御部115と、計測部116と、設定値制御部117と、抽せん状態決定部131と、恩恵付与部132と、パラメータ設定部133とを有し、遊技を進行させるための制御を行う。サブ制御部120は、演出制御部121を有し、各種演出等を行うための制御を行う。
以下に説明するメイン制御部110およびサブ制御部120の各部は、例えば、CPUが所定のプログラムを実行することにより実現される機能である。
内部抽せん部111は、複数の内部抽せんテーブルを有し、スタートスイッチ33の操作の受付に伴って、内部抽せんを行う。詳しくは、内部抽せん部111は、スタートスイッチ33の操作が受け付けられたときの第1遊技状態(言い換えると、RT状態)を判定し、判定されたRT状態に基づいて内部抽せんテーブルを選択する。そして、内部抽せん部111は、選択された内部抽せんテーブルと、スタートスイッチ33の操作が受け付けられたときに取得される乱数とに基づいて、内部抽せんを行う。
例えば、当せん役については、図9に示す内部抽せんテーブルに基づいて決定される。この内部抽せんテーブルは、RT状態毎に設けられており、内部抽せんにより当せんの可能性がある当せん領域に関する情報を有している。この当せん領域には、図柄の組み合わせが対応付けられている役が、少なくとも1つ設定されている。
図9では、RT状態および第2遊技状態毎に、当せんする可能性のある当せん領域が“○”で示され、当せんする可能性のない当せん領域が“×”で示されている。すなわち、各内部抽せんテーブルには、スタートスイッチ33の操作が行われた場合に取得される乱数に対応する役が記憶されている複数の領域(置数の領域)が設けられており、この領域の各々が、図9の“○”で示されている当せん領域にそれぞれ対応付けられている。
スロットマシン1は、内部抽せんに当せんする役として、操作態様役(言い換えると、操作態様フラグ)を有している。操作態様役は、一例として、同時に当せんする第1役および第2役を含み、ストップスイッチ34、35、36の操作態様に応じて第1役および第2役のいずれか一方が入賞可能に構成されている。操作態様役に当せんした場合、第1操作態様でストップスイッチ34、35、36を操作した場合と、第1操作態様とは異なる第2操作態様でストップスイッチ34、35、36を操作した場合とで、入賞可能な役が異なる。
スロットマシン1では、第1役の一例として、「左ベル」、「中・左・右ベル」、「中・右・左ベル」、「右・左・中ベル」および「右・中・左ベル」の各押し順役を有している。各押し順役は、「ベル」の直前に、設定されている押し順通りにストップスイッチ34、35、36を操作することで入賞し、8枚のメダルが払い出される。
第2役は、入賞時におけるメダルの払い出し数が第1役よりも少なくなるように構成されている。スロットマシン1では、第2役の一例として、「左1枚役」、「中・左・右1枚役」、「中・右・左1枚役」、「右・左・中1枚役」および「右・中・左1枚役」の各押し順役を有している。各押し順役は、「1枚役」の直前に、設定されている押し順通りにストップスイッチ34、35、36が操作されることで入賞し、1枚のメダルが払い出される。
回転リール制御部112は、スタートスイッチ33または各ストップスイッチ34、35、36の操作の受付に伴って回転リールユニット40のステッピングモータ61,62,63を制御して、各回転リール41,42,43の回転を開始または停止させる(すなわち、回転リール41,42,43の回転を制御する)。
例えば、全ての回転リール41,42,43が停止している状態でスタートスイッチ33が操作された場合、回転リール制御部112は、全ての回転リール41,42,43を回転させる。いずれかの回転リール41,42,43が回転している状態で、回転中の回転リール41,42,43に対応するストップスイッチ34,35,36が操作された場合、回転リール制御部112は、操作されたストップスイッチ34,35,36に対応する回転リール41,42,43を停止させる。
各回転リール41、42、43を停止させる場合、回転リール制御部112は、内部抽せんにより当せんした役と、各ストップスイッチ34,35,36が操作されたタイミング(すなわち、各ストップスイッチ34、35、36の操作が受け付けられたときの対応する回転リール41、42、43の位置)に応じて、引き込み制御または蹴飛ばし制御を行う。引き込み制御は、当せんした役に対応する図柄を有効ライン70上に引き込むように各回転リール41,42,43の回転を停止させる制御である。蹴飛ばし制御は、当せんしていない役に対応する図柄が有効ライン70上に揃わないように回転リール41,42,43の回転を停止させる制御である。
遊技結果判定部113は、内部抽せんの結果および回転リール41,42,43の停止制御の結果に基づいて、遊技の結果を判定する。遊技の結果には、例えば、有効ライン上に揃った図柄に基づいて、当せんした役が入賞したか否かの判定が含まれる。
また、遊技結果判定部113は、判定した遊技の結果、または、精算スイッチの操作の受付に基づいて、ホッパーユニット50を制御し、メダルの払い出しを行う。遊技の結果に基づいて払い出されたメダル(すなわち、役の当せんまたは入賞により得られたメダル)は、まず、クレジットとして貯留される。そして、メダルを貯留した結果、クレジットの上限(例えば、50枚)を超えた場合には、その上限を超えた分のメダルがホッパーユニット50から払い出される。また、1枚以上の貯留メダルがある場合(すなわち、クレジットが1以上の場合)に精算スイッチが操作された場合には、貯留されているメダルがホッパーユニット50から払い出される。
さらに、遊技結果判定部113は、例えば、第3遊技状態がATに移行した場合、第3遊技状態がATに移行したことを表す信号をホールコンピュータに出力して、管理者に報知する。
区間制御部114は、複数の遊技区間(この実施形態では、通常区間および有利区間)の中から遊技区間を設定する。
例えば、区間制御部114は、遊技区間が通常区間でありかつ区間移行条件が満たされた場合(例えば、区間移行抽せんに当せんしたとき)に遊技区間を有利区間に設定する。区間移行抽せんの当否は、例えば、当せんにより区間移行抽せんが行われる役(すなわち、抽せん対象役)に内部抽せんにより当せんした場合に行われる抽せんに当せんしたか否かで決定される。区間移行抽せんは、スロットマシン1の設定値によって当せん確率に差を設けてもよいし、設けなくてもよい。区間移行抽せんの当せん確率に差を設ける場合、例えば、抽せん対象役の内部抽せんにおける当せん確率に設定差を設けることで実現してもよいし、内部抽せんにより抽せん対象役に当せんしたときに行われる抽せんの当せん確率に設定差を設けることで実現してもよい。
また、区間制御部114は、遊技区間が有利区間である場合、遊技区間を有利区間のままとするか、または、通常区間に設定するかを決定する。この実施形態では、区間制御部114は、第3遊技状態がCZまたはATから一般遊技状態に移行したか否かを判定し、一般遊技状態に移行したと判定された場合に、遊技区間を有利区間から通常区間に設定する。
区間制御部114は、有利区間の終了条件が満たされた場合、遊技区間を有利区間から通常区間に移行させる。有利区間の終了条件は、例えば、次に示す場合に満たされる。
・計測部116で計測された遊技区間が有利区間に設定された以降に経過した遊技数(言い換えると、有利区間消化ゲーム数)が所定値(例えば、1500ゲーム)に到達した場合。
・遊技区間が有利区間に設定された以降のメダルの差枚数が所定値(例えば、2400枚)に到達した場合。
遊技区間が有利区間に移行した場合、区間制御部114は、有利区間中に指示機能が作動し、かつ、役物(すなわち、RBまたはCT)および役物連続作動装置(すなわち、一種BB)を除いて小役を払い出し枚数最大で入賞させるように遊技を進めた場合の出玉率の平均が100%を超える場合にのみ、操作部30に設けた表示部を介して、有利区間であることを表示する。
遊技状態制御部115は、特別遊技状態抽せん部1151を有し、第1遊技状態、第2遊技状態および第3遊技状態の移行を制御する。
例えば、遊技状態制御部115は、複数のRT状態(この実施形態では、R0およびRT1)の中から内部抽せんが行われる1つのRT状態を設定する。具体的には、遊技状態制御部115は、前述のとおり、第2遊技状態が特別役非持ち越し状態に移行した場合、第1遊技状態をRT0に設定し、第2遊技状態が特別役実施状態に移行した場合、第1遊技状態をRT1に設定する。また、遊技状態制御部115は、所定の条件が満たされた場合に、第2遊技状態をBB一般、JAC内部およびJAC中の各遊技状態に移行させる。
特別遊技状態抽せん部1151は、予め設定された抽せん条件(以下、抽せん条件という。)が満たされた場合に、遊技状態を通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させるか否かの特別遊技状態抽せんを行う。
抽せん条件は、移行する特別遊技状態に応じて予め設定されている。例えば、AT抽せんは、内部抽せんにより所定の役(例えば、チェリー、スイカ等のいわゆるレア役)に当せんした場合に行われる。また、例えば、高確率状態移行抽せんは、第1遊技状態がRT0でかつ遊技区間が有利区間であるときに内部抽せんによりレア役に当せんしたが、AT抽せんに当せんしなかった場合に行われる。
計測部116は、例えば、遊技結果判定部113により判定された遊技の結果に基づいて、遊技区間が有利区間に設定された以降に経過した遊技数(すなわち、有利区間消化ゲーム数)、および、遊技区間が有利区間に設定された以降のメダルの差枚数を計測する。また、例えば、計測部116は、全ての回転リール41,42,43が定常回転となった以降に設定された起算点から経過した時間を計測する。
設定値制御部117は、管理者が設定部45を操作することにより、遊技に対する有利度合い(例えば、機械割)が異なる複数の設定値(この実施形態では6つ)の中から1つの設定値を設定する。有利度合いの差は、例えば、所定の役に対する内部抽せんの当せん確率に差を設けることで実現している。また、設定値制御部117は、有利区間への移行率、AT抽せん、AT上乗せ抽せん等の出玉関連の有利度合を設定する。
設定値を設定する方法の一例を以下に示す。この方法は、(1)から(7)の順に行われる。
(1)前扉20を開ける。
(2)スロットマシン1の主電源をオフする。スロットマシン1の主電源をオフすることで、回転中の回転リール41、42、43は全て停止するが、この回転リール41、42、43の停止による入賞判定は行われない。
(3)設定部45の所定箇所に設定変更キーを挿入し、設定変更モードをオフからオンに変更する。
(4)スロットマシン1の主電源をオンする。
(5)現在の設定値が、例えば、操作部30の貯メダル表示部に表示される。所定のボタンを操作して、貯メダル表示部に表示された設定値を所望の設定値に合わせる。
(6)スタートスイッチ33を操作する。スタートスイッチ33を操作することで、スロットマシン1の設定値が貯メダル表示部に表示された設定値に変更される。
(7)設定変更モードをオンからオフに変更して、設定変更キーを抜出する。
抽せん状態決定部131は、第1期間の遊技内容に基づいて、第1抽せん状態および第2抽せん状態を決定する。第1抽せん状態は、第2期間で行われる第1抽せんで用いられ、第2抽せん状態は、第2期間で行われる第2抽せんで用いられる。第1抽せんの結果および第2抽せんの結果に応じて、後述する恩恵が付与される。第1抽せん状態は、第1要素の一例であり、第2抽せん状態は、第2要素の一例である。抽せん状態決定部131は、第1期間の遊技により、第1要素および第2要素を決定する要素決定部の一例である。以下、第1要素および第2要素のいずれも「抽せん状態」である場合について説明するが、第1要素および第2要素のいずれかが「抽せん状態」であってもよいし、第1要素および第2要素のいずれも「抽せん状態」でなくてもよい。
スロットマシン1では、抽せん状態決定部131は、第1期間に操作されたストップスイッチ34、35、36の操作態様に応じて、第1抽せん状態および第2抽せん状態を決定する。具体的には、抽せん状態決定部131は、第1期間に行われた内部抽せんにより操作態様役に当せんした場合に、当せんした操作態様役に設定されている操作態様によって、第1抽せん状態および第2抽せん状態を決定する。第1期間は、一例として、操作態様役(例えば、ベル)の当せん回数または入賞回数により期間の終了が管理されている。
第1抽せん状態および第2抽せん状態の決定は、例えば、次のように行われる。ここでは、一例として、第1抽せん状態が、第1抽せんの結果に与える影響が異なる複数のモード(例えば、5つのモード)を有し、第2抽せん状態が、第2抽せんの結果に与える影響が異なる複数のモード(例えば、5つのモード)を有している場合について説明する。各モードは、抽せん結果に与える影響の度合いが異なる複数のランク(例えば、3つのランク)を有している。例えば、ランクが高くなるほど、抽せん結果に与える影響の度合いが強くなる。
第1抽せん状態および第2抽せん状態を決定する前の任意のタイミングで、5つの第1抽せん状態のモードの中から3つのモードが選択され、5つの第2抽せん状態のモードの中から3つのモードが選択される。CZに移行した以降、所定回目(例えば、2回目)に当せんした操作態様役に設定されている最初に操作するストップスイッチ34、35、36により、3つの第1抽せん状態のモードの中から1つのモードが選択され、併せて、選択されたモードに対してランクが設定される。また、第1抽せん状態の選択とは異なる回目(例えば、4回目)に当せんした操作態様役に設定されている最初に操作するストップスイッチ34、35、36により、3つの第2抽せん状態のモードの中から1つのモードが選択され、併せて、選択されたモードに対してランクが設定される。
一例として、第1抽せん状態の各モードに対して相互に異なる1つの「武器」が対応付けられ、第2抽せん状態の各モードに対して相互に異なる1つの「防具」が対応付けられているとする。この場合、CZへの移行時に、5つの武器(例えば、剣、刀、槍、斧、弓)の中から3つの武器(例えば、刀、槍、斧)が選択され、5つの防具(例えば、鎧、兜、小手、具足、盾)から3つの防具(例えば、鎧、兜、盾)が選択される。選択された武器および防具は液晶表示装置22に表示される。選択される武器および防具は、CZ移行前の遊技により決定されてもよいし、CZ移行時に抽せんにより決定されてもよい。
CZに移行した以降、2回目の操作態様役の当せん時に、選択された3つの武器がそれぞれ「左回転リール41」、「中回転リール42」および「右回転リール43」に対応付けられた状態で、ストップスイッチ34、35、36が操作される前に液晶表示装置22に表示される。例えば、「刀」が「左回転リール41」に対応付けられ、「槍」が「中回転リール42」に対応付けられ、「斧」が「右回転リール43」に対応付けられ、当せんした操作態様役に設定されている最初に操作するストップスイッチ34、35、36が「左ストップスイッチ34」であるとする。この場合、「刀」に対応付けられているモードが第1抽せん状態のモードとして設定されると共に、「刀」に対応付けられているモードのランクが設定され、第1抽せん状態が決定される。
CZに移行した以降、4回目の操作態様役の当せん時に、選択された3つの防具がそれぞれ「左回転リール41」、「中回転リール42」および「右回転リール43」に対応付けられた状態で、ストップスイッチ34、35、36が操作される前に液晶表示装置22に表示される。例えば、「鎧」が「左回転リール41」に対応付けられ、「兜」が「中回転リール42」に対応付けられ、「盾」が「右回転リール43」に対応付けられ、当せんした操作態様役に設定されている最初に操作するストップスイッチ34、35、36が「中ストップスイッチ35」であるとする。この場合、「兜」に対応付けられているモードが第2抽せん状態のモードとして設定されると共に、「兜」に対応付けられているモードのランクが設定され、第2抽せん状態が決定される。
恩恵付与部132は、決定された第1抽せん状態に基づいて第2期間で行われる第1抽せんの結果と、決定された第2抽せん状態に基づいて第2期間で行われる第2抽せんの結果とに応じて、恩恵を付与可能に構成されている。恩恵は、例えば、ATへの移行、AT移行時のAT初期ゲーム数の増加、および、CZ中に行われるAT抽せんの当せん確率の上昇が含まれる。
スロットマシン1では、恩恵付与部132は、パラメータ設定部133により設定されたパラメータが閾値以下に減少した場合に恩恵の付与を決定する。パラメータの減少量は、例えば、第1抽せん状態および第2抽せん状態の少なくともいずれかに基づいて決定される。
また、恩恵付与部132は、第1抽せん状態および前記第2抽せん状態の少なくともいずれかに基づいて、第2期間を終了させるか否かを決定する。第2期間を終了させるか否かの決定は、例えば、第1抽せん状態および第2抽せん状態の少なくともいずれかに基づいて当せん確率が決定される終了抽せんに当せんするか否かにより行われる。
パラメータ設定部133は、第2期間の遊技内容により減少するパラメータを設定する。スロットマシン1では、パラメータ設定部133は、大きさの異なる複数のパラメータの中から選択された1つのパラメータを「第2期間の遊技内容により減少するパラメータ」に設定する。一例として、各パラメータに対して相互に異なる1つの「モンスター」が対応付けられている。パラメータの設定は、例えば、CZに移行する前、または、CZに移行した以降、第2期間が開始するまでに行われる。パラメータの設定は、例えば、CZに移行した以降、所定回目(例えば、5回目)に当せんした操作態様役に設定されている最初に操作するストップスイッチ34、35、36により、選択された3つのパラメータの中から1つのパラメータを選択することで行うことができる。第2期間の遊技中、設定されたパラメータに対応する「モンスター」が液晶表示装置22に表示される。
恩恵付与の決定は、例えば、次のように行われる。ここでは、一例として、第1抽せんによりパラメータの減少量が決定され、第2抽せんにより第2期間を終了させるか否かが決定される場合について説明する。
第2期間が開始される前後に、設定されたパラメータに対応する「モンスター」が液晶表示装置22に表示され、遊技者に告知される。第2期間の遊技中は、第1期間で獲得した武器および防具を用いて液晶表示装置22に表示された「モンスター」と戦う演出が出力される。第2期間が開始された以降、第2期間の遊技内容に基づいて、パラメータを減少させるか否かの攻撃成功判定が行われる。攻撃成功判定に成功した場合(つまり、パラメータを減少させると判定された場合)、第1抽せん状態に基づいて、パラメータの減少量が決定される。第2期間の開始前または開始時に設定された保障ゲーム内にパラメータをゼロにすることができなかった場合、所定の条件が満たされると終了抽せんが行われる。所定の条件は、例えば、内部抽せんにより特定の役(例えば、リプレイ)に当せんしたときに、アイテムを所持しておらず、かつ、攻撃成功判定に失敗した場合に満たされる。終了抽せんに当せんする前にパラメータが閾値(例えば、ゼロ)以下まで減少した場合、恩恵の付与が決定される。
第1抽せん状態の各モードは、第2期間の遊技内容に対するパラメータの減少態様が異なっている。第1抽せん状態の各モードには、例えば、次に示す複数のランクを有するモードが含まれている。
・他のモードと共通する減少態様以外のパラメータの減少態様を有していないモード。ランクが高くなるほど、パラメータの減少期待値が高くなる。
・操作態様役を入賞させた場合に追加でパラメータを減少させるモード。ランクが高くなるほど、パラメータの減少量が大きくなる。
・獲得することで攻撃成功判定の結果にかかわらずパラメータを減少させることができるアイテムの獲得抽せんの当せん確率が高いモード。ランクが高くなるほど、アイテムの獲得抽せんの当せん確率が高くなる。
・数ゲーム間パラメータに変化がない場合(言い換えると、攻撃成功判定に複数回連続して失敗している場合)に加算されるカウンタ値に基づいてパラメータの減少量が大きくなるモード。ランクが高くなるほど、パラメータの減少量が大きくなる。
第2抽せん状態の各モードは、終了抽せんで第2期間の終了が選択される確率の低下量が異なっている。各モードには、終了抽せんによる第2期間の終了を1回無効にできる等の特殊能力が含まれる場合がある。
演出制御部121は、内部抽せんが行われた遊技状態と、内部抽せんの結果とに基づいて、1ゲーム毎に演出を決定し、液晶表示装置22、電飾装置23、および、スピーカ24を介して、決定された演出を出力する。
図10を参照して、スロットマシン1の恩恵付与処理について説明する。ここでは、第2期間において設定されたパラメータがゼロになった場合に、恩恵として「ATへの移行」が付与される場合について説明する。以下に説明する処理は、一例として、CPUが所定のプログラムを実行することで実施される。
図10に示すように、第3遊技状態がCZに移行すると、第1期間での遊技が開始される(ステップS1)。第1期間での遊技が開始されると、抽せん状態決定部131が、第1期間の遊技内容に基づいて、第1抽せん状態および第2抽せん状態を決定する(ステップS2)。第1抽せん状態および第2抽せん状態が決定されると第1期間が終了し(ステップS3)、第2期間が開始する(ステップS4)。第2期間が開始されると、パラメータ設定部133が、パラメータを設定する(ステップS5)。
第1期間は、例えば、操作態様役の操作態様(例えば、押し順ベルの押し順)が5回報知されると終了する。この場合、第1期間の長さは一定ではなく、内部抽せんの結果に左右される。第1期間が開始された以降、最初の操作態様に当せんしたときに、選択された武器(=第1抽せん状態のモードおよびランク)が液晶表示装置22に表示される。第1期間が開始された以降、2回目に当せんした操作態様役の操作態様により、武器が決定される。第1期間が開始された以降、3回目の操作態様に当せんしたときに、選択された防具(=第2抽せん状態のモードおよびランク)が液晶表示装置22に表示される。第1期間が開始された以降、4回目に当せんした操作態様役の操作態様により、防具が決定される。第1期間が開始された以降、5回目の操作態様に当せんしたときに、第2期間で戦うモンスター(=設定されたパラメータ)が液晶表示装置22に表示される。操作態様に5回当せんするまで、第1期間は終了しない。
パラメータが設定されると、恩恵付与部132は、攻撃成功判定および第1抽せんの結果に基づいて、設定されたパラメータがゼロになったか否かを判定する(ステップS6)。パラメータがゼロになったと判定された場合、恩恵付与部132が、恩恵を付与する(ステップS9)。
パラメータがゼロになっていないと判定された場合、恩恵付与部132は、第2期間の保証ゲームがゼロになったか否かを判定する(ステップS7)。保証ゲームがゼロになっていないと判定された場合、ステップS6に戻り、パラメータがゼロになったか否かが判定される。
保証ゲームがゼロになったと判定された場合、恩恵付与部132は、終了抽せん(ここでは、第2抽せん)に当せんしたか否かを判定する(ステップS8)。終了抽せんに当せんしていないと判定された場合、ステップS6に戻り、パラメータがゼロになったか否かが判定される。
ステップS8で終了抽せんに当せんしたと判定された場合、または、ステップS9で恩恵が付与された場合、遊技状態制御部115は、第2期間を終了させ(ステップS10)、恩恵付与処理が終了する。終了抽せんに当せんした場合、遊技状態制御部115は、第3遊技状態をCZから一般遊技状態に移行させる。恩恵が付与された場合、遊技状態制御部115は、第3遊技状態をCZからATに移行させる。
スロットマシン1によれば、次のような効果を発揮できる。
スロットマシン1が、抽せん状態決定部131と、恩恵付与部132とを備える。抽せん状態決定部131は、第1期間の遊技内容に基づいて、第1抽せん状態および第2抽せん状態を決定する。恩恵付与部132は、決定された第1抽せん状態に基づいて第2期間で行われる第1抽せんの結果と、決定された第2抽せん状態に基づいて第2期間で行われる第2抽せんの結果とに応じて、恩恵を付与可能に構成されている。スロットマシン1では、効果の異なる2種類の抽せん状態があり、遊技者自身の運、目押しの技量、選択等によって第2期間の遊技性が異なる楽しさがある。また、第1期間が、第2期間の準備期間として、盛り上がりがある。つまり、このような構成により、新たな遊技性を提供可能な遊技機を実現できる。
スロットマシン1は、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成を任意に採用できる。つまり、次に示す複数の構成のいずれか1つまたは複数の構成は、前記実施形態に含まれていた場合は任意に削除でき、前記実施形態に含まれていない場合は任意に付加することができる。このような構成を採用することにより、新たな遊技性を提供可能な遊技機をより確実に実現できる。
抽せん状態決定部131は、第1期間に操作されたストップスイッチ34、35、36の操作態様に応じて、第1抽せん状態および第2抽せん状態を決定する。このような構成により、第1抽せん状態および第2抽せん状態の決定に遊技者が関与することができる。また、単位遊技終了のトリガーであるストップスイッチ34、35、36を使うことで、遊技進行のついでに各抽せん状態を決定できるので、遊技プログラムのデータ量を削減できる。
抽せん状態決定部131は、第1期間に行われた内部抽せんで当せんした操作態様役に設定されている操作態様によって、第1抽せん状態および第2抽せん状態を決定する。このような構成により、内部抽せんで当せんした役との関連による遊技性を向上させることができる。また、遊技進行のついでに各抽せん状態を決定できるので、遊技プログラムのデータ量を削減できる。
第1期間の終了条件と、第2期間の終了条件とが異なっている。このような構成により、例えば、第1期間では終了するのに、第2期間では終了しないといった楽しさを提供することができる。
第2期間の遊技内容により減少するパラメータを設定するパラメータ設定部133を備える。恩恵付与部132は、パラメータが閾値以下に減少した場合に恩恵の付与を決定する。このような構成により、明確な目標を遊技者に提供することできるので、遊技の興趣を高めることができる。
恩恵付与部132は、第1抽せん状態および第2抽せん状態の少なくともいずれかに基づいて、パラメータの減少量を決定する。このような構成により、第1期間から、パラメータの減少量について推察できるので、第1期間の楽しさ、および、第2期間の期待感を高めることができる。
恩恵付与部132は、第1抽せん状態および第2抽せん状態の少なくともいずれかに基づいて、第2期間を終了させるか否かを決定する。このような構成により、第1期間で、第2期間の継続可能性を高めることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
第2期間を終了させるか否かの決定は、第1抽せん状態および第2抽せん状態の少なくともいずれかに基づいて当せん確率が決定される終了抽せんに当せんするか否かにより行われる。このような構成により、第1期間で、第2期間の継続可能性を高めることができるので、遊技の興趣を高めることができる。
第1抽せん状態および第2抽せん状態のいずれかが、第1期間の遊技内容により決定される複数のモードを有する。複数のモードの各々は、第2期間の遊技内容に対するパラメータの減少態様が異なっている。このような構成により、さらに複雑な遊技性のスロットマシン1を実現できる。
複数のモードには、パラメータに変化がない場合に加算されるカウンタ値に基づいて前記パラメータの減少量が大きくなるモードが含まれる。このような構成により、遊技者が遊技の飽きを感じるのを抑制することができる。
複数のモードには、操作態様役の入賞によりパラメータを減少させるモードが含まれる。このような構成により、遊技者が遊技の飽きを感じるのを抑制することができる。
スロットマシン1は、次のように構成することもできる。
抽せん状態決定部131は、第1期間の遊技内容に基づいて、第1抽せん状態および第2抽せん状態を決定するように構成されていればよい。
例えば、第1抽せん状態および第2抽せん状態は、操作態様役に設定されている操作態様役によって決定される場合に限らず、第1期間内に当せんした役の種類または数に応じて決定されてもよいし、第1期間内に複数の抽せんを行い、その抽せんに対する当せん回数に応じて決定されてもよい。
操作態様役に設定されている操作態様によって、第1抽せん状態および第2抽せん状態が決定される場合、ストップスイッチ34、35、36の操作順に限らず、例えば、左回転リール41の有効ライン70上に停止した図柄により、または、ストップスイッチ34、35、36の操作順および左回転リール41の有効ライン70上に停止した図柄により、第1抽せん状態および第2抽せん状態が決定されてもよい。これにより、遊技者の技術により各抽せん状態を決定することができる。
第1抽せん状態および第2抽せん状態の各々は、5つのモードに限らず、例えば、一回に選択可能な数のモード(例えば、3つのモード)を有するように構成することもできる。この場合、各抽せん状態のモードを決定するときに、全てのモードが液晶表示装置22に表示され、全てのモードの中から1つのモードが設定される。
第1抽せん状態および第2抽せん状態の各々の複数のモードの中に、他のモードよりも選択率の低い特殊モードが含まれてもいてもよい。例えば、各抽せん状態のいずれかのモードとして、特殊モードが設定された場合、その他の条件なしに恩恵が付与されるようにしてもよい。
各抽せん状態のモードを決定する場合、例えば、3つの選択肢の全てが異なる選択肢であっていてもよいし、3つの選択肢のうちの2つが同じ選択肢、または、3つの選択肢の全てが同じ選択肢であってもよい。
スロットマシン1の恩恵付与処理は、CZ中に限らず、AT中に行うこともできる。この場合、恩恵として、例えば、「ATの延長」または「ATゲーム数の上乗せ特化ゾーンへの突入」が付与される。AT中に恩恵付与処理を行う場合、ATの残り期間が減らないようにしてもよい。これにより、第1期間または第2期間の遊技中にATが終了しないので、遊技者に安心感を付与することができる。
恩恵付与部132は、第1抽せんの結果と、第2抽せんの結果とに応じて、恩恵を付与可能に構成されていればよい。
例えば、第1抽せんによりパラメータ減少量が決定される場合に限らず、第1抽せんの結果により、攻撃成功判定が行われてもよいし、攻撃成功判定が行われると共にパラメータ減少量が決定されてもよい。
第2抽せんにより2期間を終了させるか否かが決定される場合(言い換えると、第2抽せんが終了抽せんである場合)に限らず、第2抽せんにより終了抽せんで第2期間の終了が選択される確率の低下量が決定されてもよい。この場合、第2期間の終了確率は基本的に「防具」で決定され、「防具」が決定された後に第2抽せんで第2期間の終了確率を変えることができる。
第1抽せんによりパラメータの減少量が決定され、第2抽せんにより第2期間を終了させるか否かが決定される場合に限らず、第2抽せんによりパラメータの減少量が決定され、第1抽せんにより第2期間を終了させるか否かが決定されてもよい。
パラメータ設定部133は、省略することができる。
パラメータは、ダメージのような、所定役に基づく抽せんで減少量が決定されるもの以外に、所定役の成立回数で規定されたものでもよい。この場合、例えば、スロットマシン1は、第2期間が終了するまでの間の第1抽せんの当せん回数により、恩恵を付与するか否かが決定され、第2抽せんにより第2期間を終了させるか否かが決定されるように構成することができる。
第1期間において、次の抽せんを行ってもよい。各抽せんは、例えば、第1期間の遊技内容に応じて行われる。
・第2期間の保証ゲーム数抽せん。抽せんにより、保証ゲーム数自体を決定してもよいし、保証ゲーム数を上乗せするか否かを決定してもよい。
・第1抽せん状態(または第2抽せん状態)の格上げ抽せん。抽せんにより、決定された第1抽せん状態(または第2抽せん状態)のランクを上昇させてもよいし、選択された3つの第1抽せん状態(または第2抽せん状態)の一部または全部のランクを上昇させてもよい。
・パラメータの格上げ抽せん。抽せんにより、設定されるパラメータを減少させてもよいし、設定されたパラメータを閾値以下にしたときに付与される恩恵を高めてもよい。
第1期間は、操作態様役の入賞回数により期間の終了が管理されている場合に限らず、例えば、ゲーム数により期間の終了が管理されていてもよい。この場合、第1期間のゲーム数がゼロになる前に武器および防具が選択されなければ、第2期間が開始しないようにしてもよいし、第2期間を開始することなくCZを終了させてもよいし、自動的に(例えば、最も弱い)武器および防具が選択されて第2期間が開始するようにしてもよい。
第2期間は、保障ゲームがなくなったら直ちに終了してもよい。この場合、例えば、第2抽せんで、第2期間の上乗せを行ってもよい。
第2期間の保障ゲーム数は、モンスター(言い換えると、設定されたパラメータ)によって異なっていてもよいし、抽せんまたはモンスターに紐づいた抽せんで決定されてもよい。また、第2期間の保証ゲーム数の決定に、第2抽せん状態を用いてもよい。この場合、第2期間の保障ゲーム数、および/または、第2期間の保障ゲーム数の上乗せ確率を防具の種類により決めることができる。例えば、保障ゲームがなくなったら直ちに終了するように第2期間を構成することで、第2抽せん状態を用いて保証ゲームを延長させる遊技性のスロットマシン1を実現できる。
第1抽せん状態および第2抽せん状態の各々は、「モード」および「ランク」を有する場合に限らない。例えば、第1抽せん状態および第2抽せん状態の各々は、「モード」のみを有していてもよいし、「ランク」のみを有していてもよい。いずれの場合も、第2期間における遊技性のみが変化する。具体的には、第1抽せん状態および第2抽せん状態の各々が、「モード」のみを有する場合、パラメータの減少態様のみが異なり、第1抽せん状態および第2抽せん状態の各々が、「ランク」のみを有する場合、ランクに応じてパラメータの減少量のみが異なる。また、第1抽せん状態および第2抽せん状態の各々は、1つの「モード」および複数の「ランク」を有していてもよい。
「モード」および「ランク」は、同時に決定される場合に限らず、別々に決定されてもよい。例えば、「モード」および「ランク」の一方は、第1期間の開始前の任意の場所ですでに設定され、「モード」および「ランク」の他方が、第1期間で設定されてもよい。
第1要素が第1抽せん状態であり、第2要素が第2抽せん状態である場合に限らない。例えば、第1要素および第2要素の各々は、所定役の当せん回数であってもよい。この場合、スロットマシン1は、例えば、第1期間において、第1要素および第2要素の各々の「所定役」および「当せん回数」を決定し、第2期間において、第1要素の「所定役(例えば、リプレイ)」に「所定回数(例えば、5回)」当せんする前に、第2要素の「所定役(例えば、ベルまたはレア役)」に「所定回数(例えば、3回)」当せんした場合に、恩恵が付与されるように構成することができる。第1要素および第2要素の一方のみが所定役の当せん回数であってもよい。
区間制御部114は、省略することができる。
区間制御部114による有利区間の通常区間への強制的設定の条件は、有利区間消化ゲーム数が1500ゲームに到達する、および、有利区間の差枚数が2400枚に到達することに限らない。これらの条件とは異なる条件で、有利区間を通常区間に強制的に設定してもよいし、また、有利区間を通常区間に強制的に設定する条件を設けなくてもよい。例えば、有利区間消化ゲーム数が1500ゲームに到達することで有利区間が通常区間に強制的に設定されるが、有利区間の差枚数が2400枚に到達することでは、有利区間が通常区間に強制的に設定されないように構成してもよい。また、例えば、有利区間が通常区間に強制的に設定された場合を除いて、一旦、遊技区間が有利区間に設定されると、いわゆるボーナス(例えば、一種BB)が1回入賞するか、または、メダルの払い出しが最大となる押し順役(例えば、押し順ベル)の押し順を1回報知するまでは、有利区間を通常区間に設定できないように構成してもよい。
スロットマシン1の設定値が変更された場合、遊技区間は、スロットマシン1の設定値が変更される直前の状態を引き継ぐように設定してもよいし、予め設定されている初期状態に設定される(すなわち、初期化される)ようにしてもよい。
前記実施形態では、有利区間中に指示機能が作動し、かつ、役物および役物連続作動装置を除いて小役を払い出し枚数最大で入賞させるように遊技を進めた場合の出玉率の平均が100%を超える場合にのみ、有利区間であることが表示部に表示されるように構成しているが、これに限らない。例えば、遊技区間が有利区間へ移行したときに、表示部に有利区間中であることを必ず表示されるように構成してもよい。
前記実施形態では、遊技区間が有利区間に移行した場合、区間制御部114が、操作部30に設けた表示部を介して、遊技区間が有利区間であることを表示するように構成しているが、これに限らない。例えば、液晶表示装置22が表示部を兼ねるように構成してもよいし、表示部を省略して遊技区間が有利区間であることを表示しないように構成してもよい。表示部に有利区間であることが表示された後は、有利区間が終了するまで、有利区間であることを表示し続けてもよいし、有利区間であることを表示し続けなくてもよい。
制御装置100は、ソフトウェアと協働して所定の機能を実行するCPUに代えて、ハードウェアのみで所定の機能を実現するように専用に設計されているFPGA(field-programmable gate array)、または、ASIC(application specific integrated circuit)を含んでいてもよい。
メイン制御部110およびサブ制御部120は、それぞれ異なる基板に設けてもよいし、同一基板上に設けてもよい。すなわち、メイン制御部110およびサブ制御部120は、それぞれがCPU、ROMおよびRAM等を備えていてもよいし、CPU、ROMおよびRAM等を共有していてもよい。
押し順役は、所定の押し順でストップスイッチ34,35,36を操作することにより入賞する場合に限らない。押し順役は、例えば、所定の位置でストップスイッチ34,35,36を操作することにより入賞するようにしてもよいし、所定の位置に加え、所定の押し順でストップスイッチ34,35,36を操作することにより入賞するようにしてもよい。
内部抽せんテーブルは、図9に示されている情報に限らず、スロットマシンの設計に応じて、他の任意の情報を含むことができる。
有効ライン70は、少なくとも1本設定されていればよい。
可能であれば、メイン制御部110の構成をサブ制御部120に設けてもよいし、サブ制御部120の構成をメイン制御部110に設けてもよい。
本開示は、メダルレス機にも適用することができる。メダルレス機は、物理的なメダルを使用して遊技するのではなく、メダルの枚数を保持した情報(クレジットデータのようなもの)を基に、ベットした場合はその分情報は減算された状態となり、払い出しを受けた場合はその分情報が加算された状態となる。つまり、本願にいう「遊技媒体の払い出し数」は、メダルレス機であれば物理的に払い出された枚数ではなく、遊技者に付与され加算されるデータが含まれる。メダルレス機では、ホッパーが不要になる。
前記様々な実施形態または変形例のうちの任意の実施形態または変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせまたは実施例同士の組み合わせまたは実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態または実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。