JP7166997B2 - 電子部品パッケージおよび電子装置 - Google Patents

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Description

本開示は、例えば、半導体素子あるいは圧電素子等の電子部品を搭載する電子部品パッケージおよび電子装置に関するものである。
半導体素子を気密封止するパッケージとして、セラミック製の板状の蓋体をはんだで配線基板に接合したものがある(例えば、特許文献1参照。)。はんだ濡れ性の悪いセラミック製の蓋体に対して、その下面から側面にかけてメタライズ層を設けることではんだが接合されるようになっている。また、半導体素子が光半導体素子である場合には、ガラス製の板状の蓋体を金錫合金で配線基板に接合したものがある(例えば、特許文献2を参照)。蓋体の金属層の全体が配線基板の金属層の幅内に位置するように蓋体の金属層の幅を配線基板の金属層の幅より小さくして、2つの金属層間において位置ずれがあっても接合されるようにしている。
実開平2-125345号公報 特開2018-37581号公報
近年、半導体装置の小型化にともない、パッケージに対する小型化の要求が高まっている。特許文献2の半導体装置における蓋体の金属層は下面だけに設けられているため、接合材が蓋体より外側に広がることがなく小型化に有利である。
しかしながら、この半導体装置においては、蓋体と配線基板との接合時の位置ずれを許容するものであるので、位置ずれによって蓋体が配線基板からはみ出す可能性があった。蓋体が配線基板からはみ出すと、半導体装置としての寸法精度が低下し、半導体装置を回路基板に実装する際に半導体装置の外辺を基準にする場合には実装ずれが発生して実装信頼性が低下する可能性があった。また、ガラス製の蓋体の場合には、はみ出した部分が周囲のものと接触してガラス製の蓋体が破損して気密性が低下してしまう可能性があった。また、位置ずれをしてもはみ出さないようにするには、配線基板を大きくしなければならないため小型化が困難なものであった。
このようなことから、蓋体と配線基板とが位置ずれなく接合されて気密封止された小型のパッケージが要求されている。
本開示の一つの態様による電子部品パッケージは、平面視が方形状の枠状の金属膜を有する蓋体と、電子部品の搭載領域および平面視が方形状であり前記搭載領域を取り囲む金属枠を有する配線基板と、前記金属膜と前記金属枠とを接合する接合材と、を備えており、平面透視において、前記金属膜の外縁は前記金属枠の外縁より内側に位置しており、前記金属膜の内縁は、4つの角部のみまたは4つの辺部それぞれの一部のみが前記金属枠の内縁と重なり、他の部分は前記金属枠の内縁より外側に位置している。
また、本開示の一つの態様による電子部品は、上記構成の電子部品パッケージと、該電子部品パッケージの前記配線基板に搭載された電子部品とを備える。
本開示の電子部品パッケージによれば、蓋体の金属膜の内縁は、その一部において配線基板の金属枠の内縁と一致しているため、これらの間で位置ずれなく接合されるとともに、接合材の外側面および内側面の一部は金属膜から金属枠にかけて広がる形状となるため、小型で気密性に優れた封止が可能となる。
本開示の電子部品によれば、小型で気密性封止性に優れたものとなる。
電子装置の一例を示し、(a)は蓋体側からの斜視図であり、(b)は配線基板側からの斜視図である。 図1(a)に示す電子装置を分解して示す分解斜視図である。 図1に示す電子装置の平面図である。 (a)は図3のA-A線における断面図であり、(b)は図3のB-B線における断面図である。 電子装置の他の一例を示す平面図である。 (a)は図5のA-A線における断面図であり、(b)は図5のB-B線における断面図である。 電子装置の他の一例を示す平面図である。 (a)は図7のA-A線における断面図であり、(b)は図7のB-B線における断面図である。 電子装置の他の一例を示し、(a)は蓋体側からの斜視図であり、(b)は配線基板側からの斜視図である。 図9(a)に示す電子装置を分解して示す分解斜視図である。 図9に示す電子装置の平面図である。 (a)は図11のA-A線における断面図であり、(b)は図11のB-B線における断面図である。 電子装置の他の例を示す平面図である。 (a)は図13のA-A線における断面図であり、(b)は図13のB-B線における断面図である。 (a)および(b)はいずれも電子装置の他の例を示す断面図である。
以下、本開示の電子部品パッケージおよび電子装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における上下の区別は便宜的なものであり、実際に光学装置用蓋体等が使用されるときの上下を限定するものではない。図1は電子装置の一例を示し、図1(a)は蓋体側からの斜視図であり、図1(b)は配線基板側からの斜視図である。図2は図1(a)に示す電子装置を分解して示す分解斜視図である。図3は図1に示す電子装置の平面図である。図4(a)は図3のA-A線における断面図であり、図4(b)は図3のB-B線における断面図である。図5は電子装置の他の一例を示す平面図である。図6(a)は図5のA-A線における断面図であり、図6(b)は図5のB-B線における断面図である。図7は電子装置の他の一例を示す平面図である。図8(a)は図7のA-A線における断面図であり、図8(b)は図7のB-B線における断面図である。図9電子装置の他の一例を示し、図9(a)は蓋体側からの斜視図であり、図9(b)は配線基板側からの斜視図である。図10は図9(a)に示す電子装置を分解して示す分解斜視図である。図11は図9に示す電子装置の平面図である。図12(a)は図11のA-A線における断面図であり、図12(b)は図11のB-B線における断面図である。図13は電子装置の他の例を示す平面図である。図14(a)は図13のA-A線における断面図であり、図14(b)は図13のB-B線における断面図である。図15は電子装置
の他の例を示す断面図である。以上の各図面は、蓋体の基体が透明な場合の例を示しているので、基体を透過して金属膜等が見えるものになっている。また、各平面図においては、金属膜が金属膜と金属枠との位置関係がわかりやすいように接合材を透過して示すとともに、区別しやすいように金属枠にドット状の網掛けを施している。
電子部品パッケージ100は、平面視が方形状の枠状の金属膜11を有する蓋体1と、電子部品200の搭載領域24および平面視が方形状であり前記領域24を取り囲む金属枠21を有する配線基板2と、前記金属膜11と前記金属枠21とを接合する接合材3と、を備えている。そして、平面透視において、前記金属膜11の外縁は前記金属枠21の外縁より内側に位置しており、前記金属膜11の内縁は、4つの角部のみまたは4つの辺部それぞれの一部のみが前記金属枠21の内縁と重なり、他の部分は前記金属枠21の内縁より外側に位置している。
図1~図8に示す例は、金属膜11の内縁の4つの角部と金属枠21の内縁の4つの角部とが重なっている電子部品パッケージ100を用いた電子装置300の一例を示している。金属膜11の内縁の4つの角部と金属枠21の内縁の4つの角部とが重なっているとは、言い換えれば金属膜11の内縁の対角長(対角線の長さ、図3,図5および図7に示すL1)と金属枠21の内縁の対角長(対角線の長さ、図3,図5および図7に示すL2)とが同じであるということである。図9~図14に示す例は、金属膜11の内縁の4つの辺部それぞれの一部と金属枠21の内縁の4つの辺部とが重なっている電子部品パッケージ100を用いた電子装置300の一例を示している。また、金属膜11の内縁の4つの辺部それぞれの一部と金属枠21の内縁の4つの辺部とが重なっているとは、金属膜11の内縁のうち、同じ方向に延びる内縁(対向する辺)の間の距離(言い換えれば最小内寸、図11および図13に示すD1)と金属枠21の内縁の対向する辺の間の距離(内寸、図11および図13に示すD2)とが、一部で同じであるということである。すなわち、2つの対角方向または2つの辺方向のように互いに交差する方向で金属膜11の内寸と金属枠21の内寸とが同じであるということである。
このような構成の電子部品パッケージ100によれば、蓋体1の金属膜11の内縁は、その一部において配線基板2の金属枠21の内縁と一致しているため、これらの間で位置ずれなく接合されるとともに、接合材3の外側面および内側面の一部は金属膜11から金属枠21にかけて広がる形状となり、接合材3および金属膜11に加わる応力が緩和されやすくなるため、小型で気密性に優れた封止が可能となる。
接合材3はろう材等の金属接合材であり、加熱により溶融して接合するものである。蓋体1(の金属膜11)を配線基板2(の金属枠21)に接合する際には、接合材3は溶融して液体となる。金属膜11の内寸と金属枠21の内寸とが交差する2方向で同じであると、溶融した接合材3の表面張力によって金属膜11の内縁と金属枠21の内縁とが同じ位置になる。これは、外寸が同じ場合でも同様である。このような場合は、金属膜11および金属枠21の内縁または外縁の位置が同じであるので、接合材3の内側面あるいは外側面は蓋体1の下面(金属膜11の接合面)および配線基板2の上面(金属枠21の接合面)に対して垂直になる。金属膜11と金属枠21とで内縁が全周にわたって重なる、すなわち内縁の形状および寸法が同じである場合には、接合材3の内側面は全周にわたって垂直になる。金属膜11と金属枠21とで外縁が全周にわたって重なる、すなわち外縁の形状および寸法が同じである場合には、接合材3の外側面は全周にわたって垂直になる。
これに対して、金属膜11の外縁が金属枠21の外縁より内側に位置していることで接合材3の外側面は、全周にわたって金属膜11から金属枠21にかけて広がる、傾斜した面になる。さらに言えば、表面張力によって各断面図に示すような傾斜した凹曲面とすることができる。また、金属膜11の内縁と金属枠21の内縁とが重ならない部分において
も、接合材3の内側面は同様の傾斜した面となり、傾斜した凹曲面とすることができる。接合材3の側面が傾斜した面であると、接合材3および金属膜11に加わる応力が緩和されやすくなる。
金属膜11の外縁が金属枠21の外縁より外側に位置し、金属膜11の内縁が金属枠21の内縁より内側に位置する場合も接合材3の側面は傾斜した面になる。しかしながら、幅の大きい金属膜11側に加わる応力が大きくなりやすい。搭載される電子部品200が発光素子や受光素子等の光学素子である場合には、蓋体1の基体12を透光性のあるガラスを用いることになる。このとき、セラミック焼結体を絶縁基体22とした配線基板2に比較して厚みが薄く強度の小さいガラス製の基体12に大きい応力が加わると破損する可能性が高まる。また、ガラス製の基体12上に薄膜等で設けた金属膜11はセラミック製の絶縁基体22上にメタライズ等で設けた金属枠21に比較して接合強度が小さい場合が多いため、応力が大きいと剥がれる可能性が高くなる。
このようなことから、接合材3の外側面が金属膜11から金属枠21にかけて広がる傾斜した面であることで気密封止の信頼性がより高い電子部品パッケージ100となる。傾斜した凹曲面であるとさらに応力緩和の効果が高まり、気密封止の信頼性がさらに高い電子部品パッケージ100となる。また、電子部品200が光学素子である場合には、基体12の光を透過させる領域の外に設ける金属膜11の幅が小さい方が、蓋体1および電子部品パッケージ100ならびに電子装置300の小型化にも有利である。
上述したように、図1~図8に示す例では、金属膜11の内縁の4つの角部と金属枠21の内縁の4つの角部とが重なっている。そのため、金属膜11は角部における幅が辺部における幅よりも大きくなっている。金属膜11に加わる熱応力等は、角部から蓋体1の平面視の中央部に向かう応力である。金属膜11の幅が、角部から中央部に向かう方向の長さが大きいものであるので、応力によって金属膜11が基体12から剥がれ難いものとなる。
図1~図4に示す例では、金属枠21の内縁は正方形であり、金属膜11の内縁は正方形の角部が円弧状になった正方形状である。図5および図6に示す例では、金属枠21の内縁は正方形の角部が円弧状になった正方形状であり、金属膜11の内縁は正方形の4つの角部を辺に対して傾斜した直線で切り取った、隅切りした正方形状(隅切り角)である。図7および図8に示す例では、金属枠21の内縁は正方形の角部が円弧状になった正方形状であり、金属膜11の内縁も正方形の角部が円弧状になった正方形状である。金属膜11の内縁と金属枠21の内縁とが重なる長さが大きい方が位置ずれし難くなる。そのため、金属膜11の内縁おび金属枠21の内縁の形状は、図1~図4に示す例の金属枠21の内縁のような正方形よりも、図1~図4に示す例の金属膜11、図5および図6に示す例の金属枠21ならびにあるいは図7および図8に示す例の金属膜11および金属枠21のような角部が丸められた(円弧状になった)正方形状、あるいは図5および図6に示す例の金属膜11のような隅切りした正方形状(隅切り角)の方が位置ずれし難いものとなる。金属膜11および金属枠21の両方の内縁の形状が隅切りした方形状(隅切り角)であると、これらの重なりが最も大きくなる。金属膜11および金属枠21の両方の内縁の形状が、角部が円弧状になった方形状である場合は、これらの重なりが比較的大きくなるとともに、金属膜11および金属枠21だけでなく接合材3の側面にも応力の集中しやすい角がないので気密封止の信頼性が高いものとなる。
図1~図4に示す例と、図5および図6に示す例とにおいては、平面透視における金属膜11の外縁の角部と金属枠21の外縁の角部との距離(図3および図5に示すDc)と、平面透視における金属膜11の外縁の角部と金属枠21の外縁の角部との距離(図3および図5に示すDc)は、同じである。これに対して、図7および図8に示す例のように
、平面透視における金属膜11の外縁の角部と金属枠21の外縁の角部との距離Dcが、金属膜11の外縁の辺部と金属枠21の外縁の辺部との距離Dsよりも大きい電子部品パッケージ100とすることができる。
例えば、蓋体1の基体12と配線基板2との間の熱膨張差による熱応力等の応力が発生した場合には、金属膜11、金属枠21および接合材3の外側の角部における応力が大きくなる。金属膜11の外縁の角部と金属枠21の外縁の角部との距離Dcが、金属膜11の外縁の辺部と金属枠21の外縁の辺部との距離Dsよりも大きいことで、角部の外側の接合材3の量が大きくなり、また接合材3の角部における外側面は曲率半径の大きな凹曲面となる。そのため、接合材3によって応力が緩和されやすくなるため、接合信頼性、気密封止性がより高くなる。
図1~図4に示す例における金属膜11の外縁の形状は正方形で角を有している。これに対して、図5および図6に示す例ならびに図7および図8に示す例における金属膜11の外縁の形状は、角部が丸められた正方形状である。金属膜11の角部が丸められた形状であると、角部への応力の集中が緩和されて金属膜11が剥がれ難くなる。これは金属枠21についても同様であり、金属枠21が絶縁基体22から剥がれ難くなるように、図1~図8に示す例のように、金属枠21の外縁も角部が丸められた形状とすることができる。金属膜11および金属枠21の外縁の形状が、角部が丸められた形状である場合には、図7に示す例のように、金属膜11の角部の曲率半径を金属枠21の角部の曲率半径より大きくすることで、上記距離Dcが距離Dsよりも大きいものとなる。
上述したように、図9~図14に示す例では、金属膜11の内縁の4つの辺部それぞれの一部と金属枠21の内縁の4つの辺部とが重なっている。金属膜11の内縁の辺部の一部が突出して、突出した部分の先端部が金属枠21の内縁と重なっている。そして、金属膜11は、角部において、内縁は金属枠21の内縁より外側に位置し、外縁は金属枠21の外縁よりも内側に位置している。そのため、接合材3は、内側の側面および外側の側面ともに金属膜11から金属枠21にかけて広がるように傾斜した面、傾斜した凹面となる。金属膜11に加わる熱応力等は、接合材3の内側と外側の両方の側面において緩和されやすくなるため、接合材3が接合している金属膜11および金属枠21が応力によって基体12および配線基板2の絶縁基体22から剥がれ難いものとなる。
図9~図14に示す例のように、金属膜11の内縁の4つの辺部それぞれの一部と金属枠21の内縁の4つの辺部とが重なっている電子部品パッケージ100においても、金属膜11の外縁の角部と金属枠21の外縁の角部との距離Dcが、金属膜11の外縁の辺部と金属枠21の外縁の辺部との距離Dsよりも大きいものとすることができる。図9~図12に示す例では距離Dcと距離Dsとは同じであるが、図13および図14に示す例では、距離Dcは距離Dsよりも大きい。この例の場合も、金属膜11の角部の曲率半径が金属枠21の角部の曲率半径より大きいことで、距離Dcが距離Dsよりも大きいものとなっている。そのため、応力が最も大きくなる角部の外側の接合材3の量が大きくなり、また接合材3の角部における外側面は曲率半径の大きな凹曲面となる。よって、接合材3によって応力が緩和されやすくなるため、接合信頼性、気密封止性がより高くなる。
上述したように、図9~図14に示す例においては、金属膜11の内縁の4つの辺部それぞれの一部と金属枠21の内縁の4つの辺部とが重なっている。図9~図12に示す例においては、金属膜11の内縁の4つの辺部のそれぞれにおける中央部の1か所のみが金属枠21の内縁と重なっている。図13および図14に示す例においては、金属膜11の内縁の4つの辺部のそれぞれにおける2か所が金属枠21の内縁と重なっている。金属膜11の内縁の1つの辺部における、金属枠21の内縁と重なる部分の数はこれらに限られるものではない。
また、上述したように、応力の集中しやすい角部に金属枠21の内縁と重なる部分を設けずに接合材3の側面を傾斜面(傾斜した凹面)とすることで応力を緩和する。そのため、角部から離れた位置で金属膜11の内縁の辺と金属枠21の内縁の辺とが重なるようにすることができる。具体的には、金属膜11の内縁の辺の中央部が金属枠21の内縁と重なるようにすることができる。図11に示す例では金属膜11の内縁の1つの辺の中央部の1か所が金属枠21の内縁に重なっている。図13に示す例では、金属膜11の内縁の1つの辺に、金属枠21の内縁と重なる部分が2か所あるが、2つとも金属枠21の内縁の辺における中央部に位置している。この場合の辺における中央部は、辺の中央部における、辺の長さの3/5の部分である。ここでいう辺の長さは、角部を丸めている場合であっても丸めていないと仮定した場合の辺の長さのことであり、すなわち対向する辺間の距離に等しいものである。
金属膜11の内縁と金属枠21の内縁とが重なる長さが大きい方が位置ずれを抑えやすくなるが、金属膜11の内縁と金属枠21の内縁とが重なる長さが、金属枠21の内縁の辺部の長さの1/5以上であれば位置ずれを抑え易くなる。ここでいう金属枠21の内縁の辺部の長さは、内縁における角部が円弧状である場合には、内縁のうちの直線の部分の長さである。また、1つの辺部において重なる部分が複数ある場合には、複数の重なる部分の長さの合計が金属枠21の内縁の辺部の長さの1/5以上とすることができる。一方、接合材3および金属膜11に加わる応力を緩和する部分、すなわち接合材3の内側面が傾斜した面(傾斜した凹曲面)を辺部の接合材3にも多く設けるとよい。すなわち応力緩和の面からは金属膜11の内縁と金属枠21の内縁とが重なる長さは短い方がよい。具体的には金属膜11の内縁と金属枠21の内縁とが重なる長さが、金属枠21の内縁の辺部の長さの3/5以下であれば応力を緩和するのに効果的である。このようなことから、金属膜11の内縁と金属枠21の内縁とが重なる長さが、金属枠21の内縁の辺部の長さの1/5以上3/5以下である電子部品パッケージ100とすることができる。
上記のような配線基板2における搭載領域24に電子部品200を搭載し、蓋体1の金属膜11と配線基板2の金属枠21とを接合材3で接合して電子部品200を封止することで電子装置300となる。すなわち、電子部品パッケージ100と、該電子部品パッケージ100の搭載領域24に搭載された電子部品200とを備える電子装置300とすることができる。このような電子装置300は、蓋体1と配線基板2とが位置ずれなく接合されて気密封止された小型のものとなる。
電子部品パッケージ100は、蓋体1が接合材3で配線基板2の搭載領域24を取り囲む金属枠21に接合され、蓋体1、接合材3、および配線基板2の搭載領域24を含む金属枠21の内側の部分で形成される空間が気密封止されたものである。
蓋体1は、基体12の配線基板2に対向して接合される面に枠状の金属膜11が設けられたものである。基体12は、はんだやろう材等の金属材料からなる接合材3で直接接合されない材料からなるものである。基体12の材料としては、例えば、ソーダガラスまたはホウケイ酸ガラス、サファイアガラス等のガラス材料、アルミナ焼結体等のセラミック材料、またはエポキシ樹脂等の樹脂材料が挙げられる。ガラス材料は、無機ガラスのことであり、また、サファイアガラスはアルミナの単結晶であるが、ここではガラス材料としている。基体12としてガラス材料、セラミック材料からなるものを用いると、耐熱性、耐湿性、強度に優れているので、気密封止性、気密封止の信頼性に優れた電子部品パッケージ100となる。電子部品パッケージ100に搭載される電子部品200が光学素子である場合には、光学素子が受光または発光する光を透過するような。透光性を有するガラス材料を用いることができる。
基体12は、板状のものであり、図1~図14に示す例における基体12は平板であり、図15に示す例の基体12は、凹部を有する板状である。基体12の大きさおよび形状は、蓋体1が用いられる電子装置300によるが、例えば厚みが0.2mm~1.5mmで、一辺の長さが3mm~25mmの方形状で、図15に示す例のように凹部を有する場合の凹部は一辺の長さが1.2mm~15mmの方形状で深さが0.1mm~1mmとすることができる。図1~図15に示す例の基体12は正方形であるが、長方形であってもよい。方形状とは、厳密な方形(正方形、長方形)だけでなく、上述した金属膜11等と同様に、角部が丸められた(円弧状になった)方形状、あるいは隅切りした方形状(隅切り角)を含むものである。
基体12は、例えば、ガラス材料からなる場合であれば、大型の板材(ガラス板)を切断して所定の大きさの矩形状の板材に加工することで作製される。例えば、大型の板材の主面に、レーザーやダイシング等で溝を形成し、溝に機械応力や熱応力を加えることで切断することができる。この切断により得た矩形板体の側面は、ほぼ平面で形成されたものとなる。このまま基体12として使用してもよいが、矩形板体の両主面と側面のなす直角の角部、側面同士のなす直角に対して45°の角度で角部を研磨によってC面を形成した(面取り加工した)場合には、角部に欠けが発生し難くなり、基体12に応力が加わった場合にも割れ難くなる。また、矩形状とは、正方形や長方形等の厳密な矩形ではなく、角を面取り加工したもの等も含むことを意味している。基体12が凹部を有する場合は、金型等を用いて成型することができる。基体12が樹脂材料からなる場合は、同様に大型の板材を切断して作製してもよいし、金型により成型してもよい。基体12がセラミック材料からなる場合は、同様に大型の板材を切断して作製してもよい。あるいは、セラミック粉末を金型プレスで成型して焼成してもよいし、セラミックグリーンシートを積層した積層体を焼成してもよい。いずれの方法でも凹部も形成することができる。
また、基体12が透光性を有するガラス材料からなる場合は、2つの主面の少なくとも一方に光学膜を備えているものとすることができる。蓋体1および電子装置300の光学特性をさらに向上させることができる。光学膜は、例えば、反射防止膜(ARコーディング:Anti-Reflection coating)、UV(Ultra Violet:紫外線)カットフィルタやIR
(infrared rays:赤外線)カットフィルタ等の光学フィルタ膜、あるいは遮光膜である
。反射防止膜や光学フィルタ膜は、用途に応じて、例えばフッ化マグネシウム(MgF)、二酸化珪素(SiO)、フッ化ランタン(LaO)、酸化ランタン(La)、五酸化タンタル(Ta)、五酸化チタン(Ti)、五酸化ニオブ(Nb)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、またはZrO+TiO等の混合物等の誘電体単層膜あるいは多層膜で形成することができる。遮光膜は、例えばクロム(Cr)、酸化クロム(CrOx)等の金属膜やカーボンを添加して黒色に着色したエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂等で形成することができる。
金属膜11は、蓋体1の基体12を接合材3で配線基板2に接合するためのものである。金属膜11は、上述したような方形状の枠状であり、外縁が方形状の基体12の外縁に沿った、基体12の外縁より一回り小さい形状である。そのため、金属膜11は、上述した正方形状に限られず、長方形状であってもよい。金属膜11は、例えば外縁が一辺の長さが2.8mm~22mmの方形状で、内縁が一辺の長さが2.2mm~16mmの方形状で、厚みが0.4μm~0.8μmで幅(内縁と外縁との距離)は0.3mm~3mmである。金属膜11の内縁の辺部が金属枠21の内縁と重なる場合には、その部分(内縁が内側に突出した部分)における金属膜11の幅は例えば0.4mm~4mmである。すなわち、方形状の内縁の辺部から0.1mm~1mm内側に突出する。
金属膜11は、例えば、蒸着法またはスパッタリング法等の物理気相成長法(PVD:Physical Vapor Deposition)あるいは化学気相成長法(CVD:Chemical Vapor Deposi
tion)等の薄膜形成方法を用いて形成される薄膜である。または、無電解めっきによるめっき皮膜あるいはこれらを組み合わせたものとすることができる。金属膜11が薄膜からなる場合であれば、例えば、基体12の表面から順にクロム(Cr)、白金(Pt)、金(Au)の膜が積層されたものとすることができる。
金属膜11は、基体12の主面に金属膜11と同じ所定形状の開口を有するマスクを形成して、基体12の主面の開口内に露出した部分に薄膜またはめっき皮膜を形成することで作製することができる。マスクは、例えば、ドライフィルム、液状レジストにより緩効性のレジスト膜を基体12の全面に被着させ、フォトリソ加工で開口を形成したものである。大型のガラス等からなる板材(大型の基体12)の上に多数の金属膜11を形成した後に、板材を切断して金属膜11を有する蓋体1を作製することもできる。
配線基板2は、絶縁基体22と絶縁基体22の上面の搭載領域24を取り囲むように設けられた金属枠21と、絶縁基体22の表面および内部に設けられた配線23とを含んでいて、電子部品200を支持し、電子部品200と外部回路とを電気的に接続するためのものである。
絶縁基体22は、例えば、図1~図15に示す例のように、複数の絶縁層が積層されて一体化されたものである。絶縁基体22は、図1~図14に示す例のような平板状の基体12を有する蓋体1の場合は、上面に開口するキャビティを有するものとすることができる。このキャビティの底面に電子部品200の搭載領域24が位置し、キャビティの開口を塞ぐように蓋体1を接合することで、キャビティ内に搭載した電子部品200の封止が容易にできる。図12および図14に示す例のキャビティは、開口と底面の大きさが同じである。これに対して、開口の大きさが底面の大きさより大きく、開口と底面との間に段部を有するキャビティとすることができる。この段部に電子部品200の電極と接続する配線23を設けることで、ボンディングワイヤ210による接続性が向上する。図15に示す例のような凹部を有する蓋体1の場合は、図15(a)に示す例のようなキャビティを有する配線基板2であっても、図15(b)に示す例のようなキャビティを有さない平板状の配線基板2であってもよい。なお、図12および図14に示す例では、電子部品200およびボンディングワイヤ210はその全体がキャビティ内に収まっている。これに対して、図15(a)に示す例における配線基板2のキャビティは、図14に示す例のキャビティよりも浅く、電子部品200およびボンディングワイヤ210が配線基板2の絶縁基体22の上面より上方へ突出している。しかしながら、蓋体1の基体12が凹部を有しているので、電子部品200およびボンディングワイヤ210が蓋体1に接触することなく、蓋体1、接合材3、および配線基板2の上面で形成された空間内に収まっている。凹部を有して厚みの厚い蓋体1であっても、電子装置300の厚みは同じである。図15(b)に示す例の配線基板2は平板状であるのでより薄型の電子装置300となっている。
絶縁基体22の寸法および形状は、搭載される電子部品200の寸法や数に応じて設定されるものである。例えば、一辺の長さが3mm~30mmの方形状で、厚みが0.8mm~3mmとすることができる。キャビティを有する場合のキャビティの寸法は、キャビティに収容されて底面に搭載される電子部品200の大きさや数によるが、例えば一辺の長さが1.8mm~12mmの方形状で、深さが0.5mm~2mmとすることができる。
絶縁基体22は、例えば酸化アルミニウム質焼結体、ガラスセラミック焼結体、ムライト質焼結体または窒化アルミニウム質焼結体等のセラミック焼結体からなる複数の絶縁層が積層されて形成されている。図1~図15に示す例では絶縁層は2層~4層であるが、絶縁層の層数はこれらに限られるものではない。
絶縁基体22は、例えば酸化アルミニウム質焼結体からなる場合であれば、次のようにして製作することができる。すなわち、まず、絶縁層となるセラミックグリーンシートを作製する。酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素等の原料粉末を適当な有機バインダーおよび有機溶剤とともにシート状に成形して四角シート状の複数のセラミックグリーンシートを作製する。次にこれらのセラミックグリーンシートを積層して積層体を作製する。キャビティ203は、セラミックグリーンシートに金型等を用いて貫通孔を設けておけばよい。その後、この積層体を1300~1600℃の温度で焼成することによって絶縁基体22を製作することができる。
絶縁基体22を含む配線基板2は、このような配線基板2となる複数の基板領域が母基板に配列された多数個取り基板として製作することもできる。複数の基板領域を含む母基板を、基板領域毎に分割して複数の配線基板2をより効率よく製作することもできる。この場合には、母基板のうち基板領域の境界に沿って分割用の溝が設けられていてもよい。また、多数個取り基板の各基板領域に電子部品200を搭載した後に、これを分割して複数の電子装置300を得るようにしてもよい。
なお、配線基板2の絶縁基体22は、絶縁層を樹脂で形成することもできる。この場合でも上記と同様の効果を奏する電子装置300を得ることができる。従来周知の樹脂製配線基板の製造方法を用いて作製することができる。セラミック焼結体からなる絶縁層で構成された絶縁基体22は、耐熱性、耐湿性、剛性が高く、電子部品パッケージ100および電子装置300もまたこれらの点で優れ、これらにより気密封止性に優れている。
絶縁基体22の表面および内部には配線23が設けられている。配線23は、接続パッド、外部電極、内部配線等を含む。例えば、図12~図14および図15(a)に示す例においては、絶縁基体22の上面またはキャビティの底面には電子部品200と接続するための接続パッドが設けられている。また、絶縁基体22の下面には、外部電気回路と接続するための外部電極が設けられている。これら接続パッドと外部電極とは、絶縁基体22の内部に設けられた貫通導体および内部配線層を含む内部配線によって電気的に接続されている。貫通導体は絶縁層を貫通し、内部配線層は絶縁層間に配置されている。外部電極は絶縁基体22の下面ではなく、下面から側面にかけて、あるいは側面に設けられていてもよい。
配線23は、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)またはコバルト(Co)等の金属、またはこれらの金属を含む合金の金属材料を導体材料として主に含むものである。このような金属材料は、メタライズ層またはめっき層等の金属層として絶縁基体22の表面に設けられている。この金属層は、1層でもよく、複数層でもよい。また、メタライズで絶縁基体22の内部に設けられている。メタライズは、金属粉末を焼結してなるものであり、焼結性、絶縁基体22との接合性、セラミックグリーンシートとの焼成タイミング等を調節するために、主材料の金属材料以外の成分として、ガラスあるいはセラミックスを含むものとすることができる。
配線23の接続パッド、内部配線層および外部電極は、例えば、タングステンのメタライズ層である場合には、タングステンの粉末を有機溶剤および有機バインダーと混合して作製した金属ペーストを絶縁基体22となるセラミックグリーンシートの所定位置にスクリーン印刷法等の方法で印刷して焼成する方法で形成することができる。また、このうち、接続パッドおよび外部電極となるメタライズ層の露出表面には、電解めっき法または無電解めっき法等のめっき法でニッケルおよび金等のめっき層がさらに被着されていてもよい。この場合、前述したように多数個取り基板の形態で配線基板2または電子装置300
を製作する際に、複数の基板領域の配線23を互いに電気的に接続させておけば、複数の配線基板2の配線23に一括してめっき層を被着させることもできる。また、内部配線の貫通導体は、上記の金属ペーストの印刷に先駆けてセラミックグリーンシートの所定の位置に貫通孔を設け、上記と同様の金属ペーストをこの貫通孔に充填しておくことで形成することができる。
また、絶縁基体22には搭載領域24を取り囲むように金属枠21が設けられている。金属枠21は、蓋体1を接合材3で絶縁基体22に接合するためのものである。金属枠21は、接合材3で接合可能な、金属を主成分とするものであり、金属以外のものを含むことができる。金属枠21は、枠状の金属板を絶縁基体22に接合したものであってもよいし、金属膜11と同様に薄膜で形成したものであってもよい。また、配線23と同様の材料および製造方法で絶縁基体22の上面に形成したものでもよい。
セラミック焼結体からなる絶縁基体22に金属製の枠材を接合する場合には、接合材3よりも融点が高いろう材やガラスで接合することができる。このときの枠材の材料は、鉄や銅などの金属材料を用いることができるが、セラミック焼結体との熱膨張係数の差が小さい金属、例えば、鉄-ニッケル(Fe-Ni)合金、鉄-ニッケル-コバルト(Fe-Ni-Co)合金を用いると、接合信頼性が高くこれにより気密封止の信頼性も高いものとなる。絶縁基体22を樹脂で形成する場合には、樹脂接着剤で銅などの金属からなる金属枠21を接合することができる。樹脂製の絶縁基体22に金属製の枠材を接合する場合に比較して、セラミック焼結体からなる絶縁基体22に金属製の枠材を接合する方が、接合強度、気密封止性およびこれらの信頼性が高いものとなる。配線基板2の配線23と同様の材料および方法により、メタライズ層で金属枠21を形成すると、金属枠21、絶縁基体22および配線23を同時焼成で形成することができるとともに、金属枠21と絶縁基体22との接合強度も高いものとなる。また、金属枠21と絶縁基体22とを接合部材で接合した後に金属枠21と蓋体1とを接合材3で接合する場合に比較して、接合材3の選択肢が多くなるので、接合強度、気密封止性、これらの信頼性がより優れたものとなる。この場合は、配線23と同様に、露出表面には、電解めっき法または無電解めっき法等のめっき法でニッケルおよび金等のめっき層がさらに被着されていてもよい。
金属枠21は、上述したような方形状の枠状であり、その大きさおよび形状は、金属枠21が取り囲む電子部品200の搭載領域24の寸法、すなわち電子部品200の寸法および数に応じて設定される。また、金属枠21の外寸は金属膜11の外寸よりも大きく絶縁基体22の外寸以下であり、金属枠21の内寸は金属膜11の内寸よりも小さい。ここでいう金属膜11の内寸は、金属枠21の内縁と重ならない部分の寸法であり、金属枠21の内寸と重なる部分の内寸である。そのため、金属枠21の幅は、金属膜11の幅よりも大きい。金属枠21は、例えば外縁が一辺の長さが3mm~24mmの方形状で、内縁が一辺の長さが2mm~14mmの方形状で、厚みが0.04mm~0.06mmで幅が0.5mm~5mmである。
接合材3は、蓋体1の金属膜11と配線基板2の金属枠21とを接合して、その内側の空間を気密封止できるものである。そして、接合材3は接合の際に溶融するものであり、その表面張力を利用して位置ずれを抑えることのできるものである。樹脂やガラスなどと比較して、溶融時の粘度が小さく、表面張力によって位置ずれを抑えやすい、はんだを含む金属ろう材が接合材3としてい用いられる。接合材3として、接合強度、気密封止性、これらの信頼性の点で、例えば錫(Sn)、金(Au)、銀(Ag)または銅(Cu)等の金属を含む金属ろうを用いることができ、具体的にはAu-Snろう等からなるものを用いることができる。
接合材3の寸法は、上面は金属膜11と同じで下面は金属枠21と同じであり、厚みは
0.02mm~0.04mmである。そのため、接合材3は金属膜11との接合面から金属枠21の接合面にかけて幅が大きくなっており、側面は金属膜11および金属枠21の接合面に対して傾斜した面(傾斜した凹曲面)となる。
電子部品200は、半導体素子、圧電素子、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子等が挙げられる。蓋体1の基体12が透光性である場合には、電子部品200として、光信号を電気信号に変換する光学素子が搭載される。光学素子としては、例えばフォトダイオード、ラインセンサ、イメージセンサ等の受光素子、および発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)、レーザーダイオード等の発光素子、ならびにデジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device:DMD)等のMEMS素子が挙げられる。図1~図15に示す例においては、電子部品200は1つしか搭載されていないが、複数の電子部品200を搭載することもできる。例えば、電子部品200が発光素子の場合であれば、発光色がR(赤)、G(緑)、B(青)のように異なるものとすることができる。また、電子装置300として、発光素子と受光素子を搭載した距離や流量を測定するセンサとすることもできる。搭載する電子部品200の数や種類は、電子装置300に応じたものとすればよい。
電子部品200は、配線基板2の搭載領域24に載置され、接合部材(不図示)によって接合されて固定される。この接合部材は、はんだを含むろう材、ガラスまたはエポキシ樹脂等の樹脂接着剤を用いることができる。接合材部がはんだを含むろう材である場合は、配線基板2の搭載領域24にめっき膜やメタライズ層等の金属膜で形成される接合金属層を設ける。
そして、電子部品200と配線基板2の配線23とが電気的に接続される。図1~図15に示す例においては、電子部品200の上面の外周部の電極(不図示)と、配線基板2に設けられた配線23(接続パッド)とは、Auまたはアルミニウム(Al)等からなるボンディングワイヤ210により電気的に接続されている。電子部品200で変換された電気信号は、ボンディングワイヤ210および配線23を介して配線基板2の下面等の外表面に電気的に導出される。配線基板2の配線23(外部電極)が外部電気回路と電気的に接続されると、搭載された電子部品200が外部電気回路と電気的に接続される。電子部品200と配線23との電気的な接続はワイヤボンディングに限られず、いわゆるフリップチップ接続であってもよい。この場合の電子部品200は、はんだや導電性接着剤等の導電性接続材および樹脂を主成分とするアンダーフィル材等で配線基板2に固定される。
電子部品200は、電子部品パッケージ100の蓋体1および配線基板2で気密封止されて保護されている。蓋体1は接合材3を介して配線基板2の搭載領域24に接合されている。
接合材3による蓋体1と配線基板2との接合は、例えば以下のようにして行なうことができる。接合材3となるろう材ペースト等の前駆体を電子部品200が搭載された配線基板2の金属枠21上に、クリーン印刷あるいはディスペンサにより塗布する。その上に蓋体1の金属膜11を重ねて載置し、加熱処理により前駆体を溶融した後に冷却することよって、接合材3を介して蓋体1と配線基板2とが接合され、電子装置300となる。ろう材ペーストを塗布する代わりに、板(箔)状のろう材プリフォームを載置することもできる。このときの加熱処理は、例えばリフロー炉等によって蓋体1、接合材3(の前駆体)、配線基板2および電子部品200の全体を加熱する。蓋体1の基体12がガラス等の透光性の材料からなる場合であれば、蓋体1の基体12を通して、例えば、接合材3および金属膜11にレーザーを照射して接合材3を局所的に加熱することもできる。
1・・・蓋体
11・・・金属膜
12・・・基体
2・・・配線基板
21・・・金属枠
22・・・絶縁基体
23・・・配線
24・・・搭載領域
3・・・接合材
100・・・電子部品パッケージ
200・・・電子部品
210・・・ボンディングワイヤ
300・・・電子装置

Claims (3)

  1. 平面視が方形状の枠状の金属膜を有する蓋体と、
    電子部品の搭載領域および平面視が方形状であり前記搭載領域を取り囲む金属枠を有する配線基板と、
    前記金属膜と前記金属枠とを接合する接合材と、
    を備えており、
    平面透視において、前記金属膜の外縁は前記金属枠の外縁より内側に位置しており、
    前記金属膜の内縁は、4つの角部のみまたは4つの辺部それぞれの一部のみが前記金属枠の内縁と重なり、他の部分は前記金属枠の内縁より外側に位置している電子部品パッケージ。
  2. 平面透視における前記金属膜の前記外縁の角部と前記金属枠の前記外縁の角部との距離は、平面透視における前記金属膜の前記外縁の辺部と前記金属枠の前記外縁の辺部との距離よりも大きい請求項1に記載の電子部品パッケージ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電子部品パッケージと、該電子部品パッケージの前記搭載領域に搭載された電子部品とを備える電子装置。
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