JP7120944B2 - キャップ及びそのリーク検査方法並びにキャップの製造方法 - Google Patents
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Description
容器本体側の口筒部を覆う頂壁に注出筒が立設されたキャップ本体と、天壁の下面にインナーリングが垂下設された蓋体と、を有し、閉蓋状態において、インナーリングと注出筒との間に形成される第1シール部と、蓋体をキャップ本体に係合させて蓋体内に形成される内部空間をシールする第2シール部とを有するキャップであって、蓋体の天壁のインナーリングよりも外側の位置に、少なくとも1つ以上からなるリーク検査用の通気孔が形成されていることを特徴とする、と云うものである。
本発明の第1の主たる手段では、キャップの蓋体に設けた通気孔を用いることにより、インナーリングと注出筒との間に設けた第1シール部及び蓋体とキャップ本体との係合部分に設けた第2シール部におけるリーク検査を行うことが可能となる。
上記手段では、インナーリングと注出筒とが接する部分に、上下に渡って本シール部と仮シール部による二段シール構成を配置することができるため、内容液の液漏れを確実に防止することができる。
上記手段ではインナーリングと注出筒との間に設けた第1シール部と相まって二重のシール構造とすることができる。
上記手段では、キャップを構成する蓋体、キャップ本体及びヒンジ部を一体に形成することができる。
キャップ本体の頂壁の下面側に予備室を形成すると共に予備室に連通する下部貫通路が形成された下部治具と、蓋体の天壁に形成された通気孔に連通する上部貫通路が形成された上部治具と、を用いてキャップを上下方向から挟み込んだ状態において、
下部貫通路を正圧状態又は負圧状態に設定すると共に、上部貫通路内の圧力を測定することによって第1シール部のシール状態を検査する第1リーク検査工程と、
上部貫通路を正圧状態又は負圧状態に設定すると共に、蓋体側係合部とキャップ本体側係合部の係合部分におけるエアーの漏れ又はエアーの引き込みを検出することによって第2シール部のシール状態を検査する第2リーク検査工程と、を有することを特徴とする、と云うものである。
本発明の第2の主たる手段では、第1リーク検査工程により第1シール部が設けられた注出筒とインナーリングとの間のシール部分に成形不良が生じていることをと特定することができ、第2リーク検査工程により第2シール部を構成するキャップ本体側係合部と蓋体側係合部との係合部分に成形不良が生じていることを特定することができる。
第1リーク検査工程及び第2リーク検査工程の双方に合格したキャップから上部治具を外すと共に、蓋体の天壁上にフィルムを貼着して通気孔を閉塞する貼着工程を有する、と云うものである。
上記手段では、第1検査工程及び第2検査工程に合格した良品のキャップを完成させることができる。
また本発明のキャップのリーク検査方法では、インナーリングと注出筒との間に設けた第1シール部と、蓋体とキャップ本体との係合部分に設けた第2シール部のいずれに成形不良が生じていたのかを特定することができる。
更に本発明のキャップの製造方法では、第1シール部と第2シール部のいずれにも成形不良が生じていない良品のキャップを得ることができる。
図1は本発明の実施例を示すキャップの閉蓋状態を示す断面図、図2はキャップの開蓋状態を示す断面図、図3は図1の第1シール部Aを拡大して示す断面図である。
図1、図2に示すように、本発明のキャップ1は、キャップ本体10、蓋体20を有し、合成樹脂材料を射出成形することにより一体に形成されている。
外側部22の外側の下端で、且つヒンジ部30と逆側となる位置には水平方向に突出する摘み部23が形成されている。摘み部23を摘まんだ状態で上下方向に移動させると、蓋体20がヒンジ部30を支点に回動するため、蓋体20を開閉させることが可能となっている。
インナーリング24の外周面24aの下端には、外周面24aよりも小さな径寸法から成る縮径状の下シール部24cが周設され、外周面24aと下シール部24cとの間にも縮径状に形成されて成るテーパー部24bが設けられている
尚、通気孔26は、天壁21上に周方向に沿って一定の間隔を有して複数形成される構成としてもよいが、天壁21に少なくとも1つ以上の通気孔26を設けた構成であればよい。
このように、キャップ1は、本シール部aと仮シール部bによる二段シール構成及びその間に液溜め部cを有して成る第1シール部Aによって注出筒14とインナーリング24と間が圧接することから、より確実に液漏れを防止することが可能となっている。
尚、隙間sは、案内筒25の下端が頂壁12に当接する構成の場合には、案内筒25の下端を部分的に切り欠くことにより形成したものであってもよい。
図4は本発明のキャップのリーク検査方法及びこの検査方法を有するキャップの製造方法の実施例を示す説明図であり、Aは第1リーク検査工程、Bは第2リーク検査工程、Cは貼着工程を示している。
キャップのリーク検査方法では、金属製や合成樹脂製などの下部治具51と上部治具52とから成る一対の検査用治具50と、正圧又は負圧を印加するエアーポンプ(図示せず)と、正圧又は負圧を検知する圧力センサー(図示せず)とを有して構成されている。
下部治具51の上面には、キャップ本体10の装着部に嵌合する円筒状の嵌合筒51aが設けられている。本実施例では嵌合筒51aがキャップ本体10下面の内筒部16の内側に嵌合することにより、頂壁12の下面に形成される予備室51Aを密封状態に設定することが可能となっている。嵌合筒51aの内部には、予備室51Aに連通する下部貫通路51bが形成されている。
上部治具52は、下面に蓋体20天壁21に形成された全ての通気孔26に対向可能に形成された断面凹状の開口部52aと、断面L字状に形成されて開口部52aと外部の大気との間を連結する上部貫通路52bとを有して形成されている。
図4のAに示すように、下部治具51の下部貫通路51bとエアーポンプとの間を図示しないエアーホースなどの配管で連結することにより、予備室51A内を正圧状態又は負圧状態に設定する。また、上部治具52の上部貫通路52b内に圧力センサーを配置する。
エアーポンプを駆動させて、予備室51A内を正圧状態又は負圧状態に設定した後、圧力センサーを用いて上部貫通路52b内の圧力を測定する。
この際、第1シール部Aを構成する本シール部a及び仮シール部bに成形不良が生じていない場合には、圧力センサーは基準値を示すため、キャップ1は第1シール部Aに成形不良のない第1リーク検査工程における検査合格品と判定できる。
図4のBに示すように、上部治具52の上部貫通路52bとエアーポンプとの間を図示しないエアーホースなどの配管で連結することにより、上部貫通路52b及び開口部52a内を正圧状態又は負圧状態に設定する。
この際、第2シール部B(蓋体側係合部27とキャップ本体側係合部15との係合部分)に成形不良が生じている場合には、上部治具52の上部貫通路52bとキャップ1の外部との間が、上部治具52の開口部52a、通気孔26、蓋体20の内部空間α及び第2シール部Bを介して連通することになる。よって、第2シール部Bを構成する蓋体側係合部27とキャップ本体側係合部15の係合部分から、正圧状態の場合には内部空間α内のエアーが外部に漏れ、負圧状態の場合には外部のエアーが内部空間αに引き込まれることになる。そこで、キャップ1の外側で且つ第2シール部B近傍の空気の流れを検出することにより、第2シール部Bに成形不良が生じていると特定することができ、成形不良と判定されたキャップ1についてはこれを排除することができる。
また第2シール部Bに成形不良が生じていない場合には、エアーの漏れや引き込みは生じないことから第2リーク検査工程における検査合格品とすることができる。
貼着工程は、第1リーク検査工程と第2リーク検査工程の双方に合格した検査合格品のみを対象とする。
図4のCに示すように、合格したキャップ1の蓋体20から上部治具52を取り除き、蓋体20の天壁21上にフィルムFの接着層を貼着することにより通気孔26を閉塞する。
これにより、第1リーク検査工程及び第2リーク検査工程に合格した良品のキャップ1を得ることができる。
このキャップ1では、例えば内容物を容器本体40内に高温充填した後、殺菌するために、高温のシャワー水により加熱して滅菌処理を施す場合(耐熱仕様のキャップ)にあっては、フィルムFが通気孔26を封止するため、シャワー水が通気孔26を通じてキャップ1内に入り込むことを防止することが可能となる。
例えば、上記実施例では、第1シール部Aに液溜め部cを有する構成を示して説明したが、本発明の実施の形態は上記実施例に限定されるものではなく、液溜め部cを有しない構成であって良い。
10 : キャップ本体
11 : 周壁部
11a: 嵌合凹部
12 : 頂壁
13 : 注出口
14 : 注出筒
14a: 下段部
14b: 傾斜部
15 : キャップ本体側係合部
16 : 内筒部
20 : 蓋体
21 : 天壁
22 : 外側部
23 : 摘み部
24 : インナーリング
24a: 外周面
24b: テーパー部
24c: 下シール部
25 : 案内筒
26 : 通気孔
27 : 蓋体側係合部
30 : ヒンジ部
40 : 容器本体
41 : 口筒部
42 : 嵌合突条
50 : 検査用治具
51 : 下部治具
51A: 予備室
51a: 嵌合筒
51b: 下部貫通路
52 : 上部治具
52a: 開口部
52b: 上部貫通路
A : 第1シール部
B : 第2シール部
a : 本シール部
b : 仮シール部
c : 液溜め部
s : 隙間
α : 内部空間
α1 : 内側の空間
α2 : 外側の空間
Claims (6)
- 容器本体(40)側の口筒部(41)を覆う頂壁(12)に注出筒(14)が立設されたキャップ本体(10)と、天壁(21)の下面にインナーリング(24)が垂下設された蓋体(20)と、を有し、閉蓋状態において、前記インナーリング(24)と前記注出筒(14)との間に形成される第1シール部(A)と、前記蓋体(20)を前記キャップ本体(10)に係合させて蓋体(20)内に形成される内部空間(α)をシールする第2シール部(B)とを有するキャップであって、前記蓋体(20)の天壁(21)の前記インナーリング(24)よりも外側の位置に、少なくとも1つ以上からなるリーク検査用の通気孔(26)が形成されていることを特徴とするキャップ。
- 第1シール部(A)が、インナーリング(24)の外周面と注出筒(14)の内周面とが圧接して形成される本シール部(a)と、インナーリング(24)の下端に形成された縮径状の下シール部(24c)と注出筒(14)の下部に設けられた注出口(13)の内周面とが近接又は当接することにより形成される仮シール部(b)とを有して形成される請求項1記載のキャップ。
- 第2シール部(B)が、キャップ本体(10)の頂壁(12)の外縁に形成されたキャップ本体側係合部(15)と、蓋体(20)の外側部(22)の下端部に形成された蓋体側係合部(27)とによって構成される請求項1又は2記載の請求項1記載のキャップ。
- 蓋体(20)がキャップ本体(10)に対してヒンジ部(30)を介して連結されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載のキャップ。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のキャップのリーク検査方法であって、
キャップ本体(10)の頂壁(12)の下面側に予備室(51A)を形成すると共に該予備室(51A)に連通する下部貫通路(51b)が形成された下部治具(51)と、蓋体(20)の天壁(21)に形成された通気孔(26)に連通する上部貫通路(52b)が形成された上部治具(52)と、を用いてキャップ(1)を上下方向から挟み込んだ状態において、
前記下部貫通路(51b)を正圧状態又は負圧状態に設定すると共に、前記上部貫通路(52b)内の圧力を測定することによって第1シール部(A)のシール状態を検査する第1リーク検査工程と、
前記上部貫通路(52b)を正圧状態又は負圧状態に設定すると共に、蓋体側係合部(27)とキャップ本体側係合部(15)の係合部分におけるエアーの漏れ又はエアーの引き込みを検出することによって第2シール部(B)のシール状態を検査する第2リーク検査工程と、を有することを特徴とするキャップのリーク検査方法。 - 請求項5記載のリーク検査方法を有するキャップの製造方法であって、
第1リーク検査工程及び第2リーク検査工程の双方に合格したキャップ(1)から上部治具(52)を外すと共に、蓋体(20)の天壁(21)上にフィルム(F)を貼着して通気孔(26)を閉塞する貼着工程を有するキャップの製造方法。
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US20160145015A1 (en) | 2013-06-28 | 2016-05-26 | Yoshino Kogyosho Co., Ltd. | Double-walled container |
WO2018020800A1 (ja) | 2016-07-28 | 2018-02-01 | 株式会社吉野工業所 | 吐出容器 |
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