JP7045920B2 - 粒子線照射装置および粒子線治療システム - Google Patents

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Description

本発明は、粒子線照射装置および粒子線治療システムに関する。特に、荷電粒子ビームを標的に照射する粒子線照射装置および粒子線治療システムに関する。
大型化を抑制することができるとともに、十分な照射野を確保することのできる荷電粒子ビーム照射装置の一例として、特許文献1には、荷電粒子ビームが入射する第1方向に実質的に直交する第2方向に荷電粒子ビームを偏向する第1走査電磁石部と、第1方向および第2方向に実質的に直交する第3方向に荷電粒子ビームを偏向する第2走査電磁石部と、を備え、第1および第2走査電磁石部は、第1方向に対して並列に配置されることが記載されている。
特開2016-83344号公報
がん治療法の一つである粒子線治療は、陽子や炭素イオンなどの荷電粒子ビームを患部に照射する。
このような粒子線治療に用いる粒子線治療システムでは、荷電粒子ビームのエネルギーや空間的な広がりを調整し、患部形状に合わせた線量分布を形成する。
粒子線治療システムには加速器とビーム輸送系、照射装置が含まれる。
加速器は、治療に用いるエネルギーまで荷電粒子ビームを加速する装置であり、粒子線治療に用いられるものとして、シンクロトロンやサイクロトロン、シンクロサイクロトロンなどが挙げられる。
ビーム輸送系は、系中に設置した四重極磁石等を用いて粒子ビームのサイズを調整しながら治療室中のアイソセンタと呼ばれる標的位置まで輸送する。
照射装置は、輸送されたビームが標的の患部形状に合わせた線量分布となるように形成する装置である。
線量分布の形成方法には、ビームを散乱体に当ててビーム形状を患部形状に合わせる散乱体照射法と、細く絞ったビームを走査電磁石と呼ばれる電磁石を用いて患部形状に合わせて走査するスキャニング照射法がある。
後者のスキャニング照射法では、標的上の走査可能範囲である照射野が大きいほど、広範囲にわたる標的が照射可能となる。
スキャニング照射法で照射野を拡大するためには、走査電磁石の設置位置をアイソセンタから遠ざける、走査電磁石の磁極長を伸ばす、走査電磁石の発生磁場強度を増大する、等の方法がある。
しかし、設置位置を遠ざけることや磁極長を伸展することは、粒子線治療システム全体およびそれを含む建屋の大型化につながり、採用は困難である。
ここで、走査電磁石は、一般的に、ある一方向の走査とそれに直交する一方向の走査を行う二極電磁石を一つずつ備えている。特許文献1では、この二極電磁石の組を並列に設置することで大型化を抑制しつつ、十分な照射野を確保している。
また、スキャニング照射法では、標的上におけるビームの走査速度も重要となる。走査速度は、走査電磁石の発生磁場強度の時間変化速度に依存し、磁場強度の時間変化速度は励磁電流の時間変化速度で決まる。
このうち、励磁電流の時間変化速度はコイルのインダクタンスの影響を受ける。このため、インダクタンスを軽減することにより、走査速度の向上が達成される。
このように走査速度の向上には走査電磁石のインダクタンス低減が有効であるが、その低減には、コイル巻き数の低減、もしくは電磁石の磁場印加体積の低減が必要である。しかしコイル巻き数の低減は起磁力の低下による照射野の縮小につながる。
従って、磁場印加体積の低減には、磁極長、磁極幅・磁極間ギャップの低減が必要であるが、それぞれ、照射野の縮小、走査電磁石中のビーム通過可能領域の縮小につながるため、新たな構成によって対処する必要がある。
本発明は、広照射野で、高走査速度であるとともに、小型な粒子線照射装置および粒子線治療システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、粒子線照射装置であって、互いに直交する第1の方向または第2の方向にビームを走査する3台以上の走査電磁石を備え、前記3台以上の走査電磁石は、第1走査電磁石、第2走査電磁石、第3走査電磁石、および第4走査電磁石を含み、これらの走査電磁石は、前記ビームの前進方向軸に沿ってアイソセンタに向けて直列に、前記第2走査電磁石が前記第1走査電磁石の後段に配置され、前記第3走査電磁石が前記第2走査電磁石の後段に配置され、前記第4走査電磁石が前記第3走査電磁石の後段に配置され、前記第1走査電磁石および前記第2走査電磁石は第一方向に走査し、前記第3走査電磁石および前記第4走査電磁石は第二方向に走査し、前記第1走査電磁石、前記第2走査電磁石、前記第3走査電磁石、および前記第4走査電磁石のそれぞれの磁場印加領域の体積は、前記第1走査電磁石から前記第4走査電磁石までの順で増加することを特徴とする。
また、他の一例をあげるならば、粒子線照射装置であって、互いに直交する第1の方向または第2の方向にビームを走査する3台以上の走査電磁石を備え、前記3台以上の走査電磁石は、第1走査電磁石、第2走査電磁石、第3走査電磁石、および第4走査電磁石を含み、これらの走査電磁石は、前記ビームの前進方向軸に沿ってアイソセンタに向けて直列に、前記第2走査電磁石が前記第1走査電磁石の後段に配置され、前記第3走査電磁石が前記第2走査電磁石の後段に配置され、前記第4走査電磁石が前記第3走査電磁石の後段に配置され、前記第1走査電磁石および前記第2走査電磁石は第一方向に走査し、前記第3走査電磁石および前記第4走査電磁石は第二方向に走査し、前記第1走査電磁石、前記第2走査電磁石、前記第3走査電磁石、および前記第4走査電磁石のそれぞれの前記進行方向軸に垂直な面での磁場印加領域の断面積は、前記第1走査電磁石から前記第4走査電磁石までの順で増加することを特徴とする。
本発明によれば、広照射野かつ高走査速度、かつ小型な粒子線照射装置および粒子線治療システムを提供することができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1実施形態の粒子線照射装置の全体構成図である。 本発明の第1実施形態の粒子線照射装置における走査電磁石のビーム進行方向軸に直交する平面の断面図である。 本発明の第1実施形態の粒子線照射装置における走査電磁石磁極およびヨークの中心平面の断面の斜視図である。 本発明の第1実施形態の粒子線照射装置における走査電磁石の中心平面の断面図である。 本発明の第1実施形態の粒子線照射装置における走査電磁石のビーム進行方向軸を含み中心平面に直交する平面の断面図である。 本発明の第1実施形態の粒子線照射装置における垂直軸方向走査電磁石部の磁場印加領域と垂直軸方向ビーム走査時のビーム軌道の概略図である。 本発明の第1実施形態の粒子線照射装置における水平軸方向走査電磁石部の磁場印加領域と垂直軸方向ビーム走査時のビーム軌道の概略図である。 本発明の第1実施形態の粒子線照射装置における走査電磁石部の垂直軸とビーム進行方向軸を含む平面による断面図である。 本発明の第1実施形態の粒子線照射装置における走査電磁石部の水平軸とビーム進行方向軸を含む平面による断面図である。 本発明の第1実施形態の粒子線照射装置における走査電磁石の磁場印加領域の断面積を比較する図である。 本発明の第2実施形態の粒子線照射装置における走査電磁石部の垂直軸とビーム進行方向軸を含む平面による断面図である。 本発明の第2実施形態の粒子線照射装置における走査電磁石部の水平軸とビーム進行方向軸を含む平面による断面図である。 本発明の第3実施形態の粒子線治療システムの全体構成図である。
以下に本発明の粒子線照射装置および粒子線治療システムの実施形態を、図面を用いて説明する。
例えば、以下に説明する各実施形態では、粒子線の照射方法について特に言及していないが、本発明は、加速器を用いて粒子線治療で使用する高エネルギー原子核ビームを生成して、粒子線照射装置に対して輸送し、粒子線照射装置において所定に位置にビームを走査するスキャニング照射方式に適用される。
スキャニング照射方式は、標的内の各照射位置にスポットと呼ばれる細い線量分布を並べることで、標的形状に合致した線量分布を形成する方式である。大きく分けて、ディスクリートスポットスキャニング法とラスタースキャニング法とがある。
ディスクリートスポットスキャニング法は、粒子線の照射位置をあるスポットから次のスポットに移動させている間にビーム出射を停止させ、移動完了後にビーム出射を再開させる方法である。ラスタースキャニング法は、同一スライスを走査する間はビーム出射が途切れることなく連続して照射する方法である。
<第1実施形態>
本発明の粒子線照射装置の第1実施形態について図1乃至図10を用いて説明する。
最初に、粒子線照射装置1204の構成について図1を用いて説明する。図1に、本実施形態の粒子線照射装置の概要を示す。
図1において、本実施形態の粒子線照射装置1204は、例えば、ビームの進行方向軸103に沿って設置された走査電磁石部100、ビーム位置モニタ110、電源111、ビーム位置モニタ信号処理装置112、照射装置制御部113から成る。
粒子線照射装置1204では、走査電磁石部100に入射した粒子ビームは、無走査時にはビームの進行方向軸103に沿って直進し、アイソセンタ104に到達する。本実施例では、アイソセンタ104を原点にもち、互いに直交する2軸を、水平軸105および垂直軸106と定義する。
走査電磁石部100は、垂直軸106方向に粒子ビームを走査する垂直軸方向走査電磁石部101と、水平軸105方向に粒子ビームを走査する水平軸方向走査電磁石部102から成る。
垂直軸方向走査電磁石部101は、第1垂直走査電磁石101aと第2垂直走査電磁石101bとの2組の電磁石から構成される。
水平軸方向走査電磁石部102も、同様に、第1水平走査電磁石102aと第2水平走査電磁石102bとの2組の電磁石から構成される。
第1垂直走査電磁石101a,第2垂直走査電磁石101b,第1水平走査電磁石102a,第2水平走査電磁石102bの励磁量を独立して制御するために、各々の走査電磁石101a,101b,102a,102bに対して1対1で電源111a,111b,111c,111dがそれぞれ接続されている。
垂直軸方向走査電磁石部101と水平軸方向走査電磁石部102に対して、走査電磁石電源111a,111b,111c,111dから独立して電流を供給することで、粒子ビームの軌道を走査軌道108に沿うように偏向し、アイソセンタ104を含む照射野107上の任意のビーム照射位置109に粒子ビームを照射する。
ビーム位置モニタ信号処理装置112は、ビーム位置モニタ110で検出された電気信号を積算して粒子ビームの通過位置を演算し、演算結果を照射装置制御部113へ出力する。
照射装置制御部113は、ビーム位置モニタ信号処理装置112でのビーム位置の演算結果に基づき、走査電磁石電源111の供給電流を制御することで、ビーム照射位置109を制御する。照射装置制御部113は1個または複数個のプロセッサ、CPU等で構成され、各機器の動作の制御は各種プログラムで実行される。このプログラムは記憶部113aに格納されており、CPUによって読み出され、実行される。
次に、本実施形態の粒子線照射装置における第1垂直走査電磁石101aと第2垂直走査電磁石101b、第1水平走査電磁石102aと第2水平走査電磁石102bの構造について、第1垂直走査電磁石101aを代表して説明する。図2は、本実施形態の粒子線照射装置における第1垂直走査電磁石101aの進行方向軸103に直交する平面による断面図である。
なお、第2垂直走査電磁石101bや第1水平走査電磁石102a、第2水平走査電磁石102bの構造は、各々の磁極の長さ(磁極幅302)や磁極201a、201b間の長さ(磁極間ギャップ203)が異なるのみであり、主な構造は第1垂直走査電磁石101aを同じであるため、詳細な説明は省略する。
第1垂直走査電磁石101aは、磁極201a,201b、コイル202a,202b、ヨーク207で構成される。
磁極201a,磁極201bは、中心平面206を挟んで互いに対向し、ある磁極間ギャップ203を確保するように離れた位置に配置される。
第1垂直走査電磁石101aでは、コイル202aとコイル202bとによって、磁極間ギャップ203中に中心平面206に対して略直交するような向きを持つ磁場204を発生させる。
このような磁場204の発生範囲である磁場印加領域205を通過した粒子ビームは、中心平面206と略平行な方向へ偏向される。
図3は、図2のうち、磁極201a、磁極201bおよびヨーク207を中心平面206により切断した斜視図である。
磁場印加領域205は、コイル202a,202bに対して通電している間、中心平面206に略平行な磁極201aおよび磁極201bの面である2つの磁極面301に挟まれるように存在する。
図2に示すように、磁場印加領域205の体積は、磁極間ギャップ203の大きさ、磁極幅302、磁極長303の積によって概ねの大きさが決まる。
図4は、図2の第1垂直走査電磁石101aの中心平面による断面図であり、図5は、図2の第1垂直走査電磁石101aのビーム進行方向軸を含み、中心平面に直交する平面による断面図である。
図2に示すように、第1垂直走査電磁石101aではコイル202a,202bに電流を流すことで紙面垂直方向に磁場204が発生する。
以下、第1垂直走査電磁石101aのコイル202aに直流電流を流すことによって、図4および図5に示すように走査軌道401によって照射野107上のあるビーム位置に粒子ビームを照射する場合について説明する。
この場合において、図4に示すようなビーム位置とアイソセンタ104の距離(走査距離402)がDであり、直流電流の大きさがIであるとすると、DとIは概ね比例の関係となる。
次に、走査距離402が0からDまで変化する場合の走査距離の変化速度、即ち走査速度について説明する。このとき、直流電流は0からIに変化する。この電流の変化速度をdI/dtとすれば、走査速度vscanは下記数式(1)のように求まる。
Figure 0007045920000001
一般には、コイル202a,202bのインダクタンスが存在するため、電流の変化速度は所望の走査速度に対して遅くなる。従って、コイル202a,202bにフォーシング電圧とよばれる電圧を印加することで、必要な走査速度を得ている。
ここで、コイル202a,202bを含む回路のインダクタンスをL、電源から回路に印加されるフォーシング電圧をVforceとすると、電流の変化速度dI/dtは下記数式(2)のように求まる。
Figure 0007045920000002
結果、数式(2)を数式(1)に代入することにより、走査速度vscanは下記数式(3)のように求まる。
Figure 0007045920000003
この数式(3)に示すように、インダクタンスLを小さくすることで走査速度を向上することができる。
インダクタンスLは、走査電磁石中の磁気エネルギーWとコイル電流Iと数式(4)の関係にあることが知られている。
Figure 0007045920000004
また、磁気エネルギーWは数式(5)より求められることが知られている。
Figure 0007045920000005
ここで、数式(5)中、Hは磁場、Bは磁束密度であり、積分範囲は磁場印加領域の体積Vである。
数式(5)に示すように磁気エネルギーWは一般に磁場印加領域の体積Vが小さいほど小さくなり、数式(4)に示すように磁気エネルギーWが小さくなる、すなわち、磁場印加領域の体積Vが小さいほどインダクタンスLもそれに応じ小さくなることが分かる。
ここで、上述のように、第1垂直走査電磁石101aや第2垂直走査電磁石101b、第1水平走査電磁石102a、第2水平走査電磁石102bの磁場印加領域205の体積は、磁極間ギャップ203、磁極幅302、磁極長303の積によって決まる。
また、磁極間ギャップ203および磁極幅302は、最大の走査距離、即ち照射野107端部までビームを走査する際のビーム通過領域によって決まる。更に、最大走査距離は、磁場204をビームの進行方向軸103上で磁極長303によって決まる範囲で積分した値(BL積)で決まる。
即ち、走査電磁石の構成が異なる場合でも、ビームが通過する電磁石のBL積の総和が一定であれば最大走査距離の大きさは変わらないことになる。
従って、磁極長のみをある走査電磁石の半分にした走査電磁石を2台直列に設置した場合は、1台あたりのインダクタンスを概ね半減することができつつ、最大走査距離は元の走査電磁石と概ね変わらないようにすることができることになる。
図6は、本実施形態の粒子線照射装置における垂直軸方向走査電磁石部101によるビーム走査の概略図である。
本実施例では、垂直軸方向走査電磁石部101および水平軸方向走査電磁石部102の磁場印加領域は、進行方向軸103上に直列に合計で4ヶ所存在する。
本実施例のように、垂直軸方向走査電磁石部101内において、磁場印加領域が第1垂直走査電磁石101aによるものと第2垂直走査電磁石101bによるものとの2つ存在する場合、図6に示すように、アイソセンタ104からみて進行方向軸103上流側からそれぞれ第1磁場印加領域601、第2磁場印加領域605となる。
垂直軸方向走査電磁石部101では、2台の走査電磁石101a,101bへ各々独立して電流を供給し励磁することで、第1磁場印加領域601と第2磁場印加領域605に磁場が印加される。
この垂直軸方向走査電磁石部101でのBL積は、第1磁場印加領域601と第2磁場印加領域605のBL積の和で表される。各走査電磁石への供給電流値は、電源111a,111bが独立していることで任意に設定できるように構成されている。例えば、最大走査距離へビームを偏向する際に、走査電磁石電源111a,111bから供給可能な範囲内でBL積の和が最も高くなるように各々調整する。
第1磁場印加領域601および第2磁場印加領域605を通過した粒子ビームは、図6に示すように、それぞれ第1偏向角度602および第2偏向角度606だけ偏向される。
照射野107の端部へビームを照射する際、第1磁場印加領域601および第2磁場印加領域605の出口では、それぞれ進行方向軸から第1ビーム最大通過幅603、第2ビーム最大通過幅607だけ離れた位置を通過する。
ここで、図6に示すように、ビーム最大通過幅は進行方向軸103の上流ほど狭いため、第1磁場印加幅604は第2磁場印加幅608よりも小さくすることができるため、第1磁場印加領域601を形成する第1垂直走査電磁石101aの磁極間ギャップ203を、第2磁場印加領域605を形成する第2垂直走査電磁石101bの磁極間ギャップ203よりも狭めることができる。
なお、本実施例においては、図6乃至図9に示すように、個々の走査電磁石101a,101b,102a,102b内では磁極間ギャップ203および磁極幅302の大きさを変化させずに一定のままとする。
図7は、本実施形態の粒子線照射装置における水平軸方向走査電磁石部102の磁場印加領域と、垂直軸方向のみにビームを走査する際のビーム軌道の概略図である。
以下、進行方向軸103上流に直列に設置された垂直軸方向走査電磁石部101によって垂直軸方向に偏向された粒子ビームを水平軸方向走査電磁石部102によって偏向する場合について説明する。
図7に示すように、照射野107の端部へビームが照射される際、上述のように、ビームは、垂直軸方向走査電磁石部101によって第1偏向角度602と第2偏向角度606の和700だけ偏向され、水平軸方向走査電磁石部102に入射してくる。
そのため、第1磁場印加領域701および第2磁場印加領域704の出口では、それぞれ進行方向軸から第1ビーム最大通過幅702、第2ビーム最大通過幅705だけ離れた位置を通過する。
従って、水平軸方向走査電磁石部102についても、上流側に位置する第1水平走査電磁石102aによって形成される第1磁場印加領域701の水平軸方向の第1磁場印加幅703を、第2水平走査電磁石102bによって形成される第2磁場印加領域704の水平軸方向の第2磁場印加幅706よりも小さくすることができる。
また、水平軸方向走査電磁石部102の垂直軸方向についても、第1磁場印加領域701を形成する第1水平走査電磁石102aの磁極間ギャップ203を、第2磁場印加領域704を形成する第2水平走査電磁石102bの磁極間ギャップ203よりも狭めることができる。
図8は、本実施形態の粒子線照射装置1204における走査電磁石部100の垂直軸106と進行方向軸103を含む平面による断面図である。
図8に示すように、走査電磁石部100内の第1垂直走査電磁石101a、第2垂直走査電磁石101b、第1水平走査電磁石102a、第2水平走査電磁石102bによって形成される各磁場印加領域が、進行方向軸103下流に向かうにつれて広がる垂直軸方向ビーム通過最大領域801を含むように、各磁極間ギャップ203および各磁極幅302の大きさが設計される。
このとき、垂直軸方向走査電磁石部101が水平軸方向走査電磁石部102よりも、進行方向軸103の上流側に設置されるため、第1垂直走査電磁石101aおよび第2垂直走査電磁石101bの磁極幅302のみならず、第1水平走査電磁石102aおよび第2水平走査電磁石102bの磁極間ギャップ203についても下流側よりも上流側のほうが狭まる。
磁極間ギャップ203の短縮により、同じ起磁力のもとでも磁場強度を向上できるため、磁極長の和が同じ単一の走査電磁石とBL積の和は同等かそれ以上にできる。
図9は、本実施形態の粒子線照射装置1204における走査電磁石部100の水平軸105と進行方向軸103を含む平面による断面図である。
水平軸方向の磁場印加領域に関しても、図9に示すように、水平軸方向ビーム通過最大領域901を含むように、第1垂直走査電磁石101a、第2垂直走査電磁石101b、第1水平走査電磁石102a、第2水平走査電磁石102bの各磁極間ギャップおよび各磁極幅の大きさを設計する。
従って、磁極幅302は、下流側の第2水平走査電磁石102bよりも上流側の第1水平走査電磁石102aのほうが狭くなる。
また、水平軸方向ビーム通過最大領域901の幅は、水平軸方向走査電磁石部102を通過するまでは一定のため、図9に示すように、第1垂直走査電磁石101aおよび第2垂直走査電磁石101bの水平軸方向の磁極間ギャップ203は両者とも同じ幅とする。
ここで、各々の走査電磁石101a,101b,102a,102bの垂直軸方向および水平軸方向の磁場印加領域の幅から各々の磁場印加領域の体積を考えると、進行方向軸103上でアイソセンタ104から遠ざかる位置、すなわち上流側の磁場印加領域の体積が下流側の磁場印加領域体積よりも小さくなる。
即ち、垂直軸方向走査電磁石部101および水平軸方向走査電磁石部102に各々2つの走査電磁石を用い、各磁場印加領域の体積が下流よりも上流のほうが小さくなるように設計することで、ビーム通過領域を全て含むように設計することができる。
このような場合、図10に示すように、進行方向軸103上でアイソセンタ104から遠ざかるほど進行方向軸103に垂直な面での磁場印加領域205の断面積が小さくなる。
次に、本実施形態の効果について説明する。
上述した本発明の第1実施形態の粒子線照射装置1204は、互いに直交する垂直方向または水平方向にビームを走査する3台以上の走査電磁石101a,101b,102a,102bを備え、3台以上の走査電磁石101a,101b,102a,102bは、垂直方向または水平方向のうち同じ方向に走査する少なくとも2台以上の走査電磁石101a,101bおよび走査電磁石102a,102bがビームの進行方向軸103上に直列に配置され、かつ進行方向軸103上でアイソセンタ104から遠ざかる位置に設置された走査電磁石101a,101b,102a,102bほど磁場印加領域205の体積が小さい。また、進行方向軸103上でアイソセンタ104から遠ざかるほど進行方向軸103に垂直な面での磁場印加領域205の断面積が小さいものである。
これによって、例えば上述した特許文献1のように設置する場合に比べ、ビーム通過領域に合わせて段階的に電磁石の磁極幅302や磁極間ギャップ203が広がるため、ヨーク207内側で他方向走査用のコイルや磁極に占有されていた空間がなくなる。特に、上流側の走査電磁石で磁極幅302や磁極間ギャップ203を狭めることができる。従って、BL積の増大と走査電磁石1台あたりのインダクタンス低減を達成することができ、磁場強度の増大に伴う照射野の拡大と走査速度の増大を達成することができる。また、BL積の増大によってビーム進行方向の長さを短くすることができ、粒子線照射装置1204の小型化を図ることができる。
また、3台以上の走査電磁石101a,101b,102a,102bは、個々の走査電磁石101a,101b,102a,102b内では磁極間ギャップ203および磁極幅302の大きさが一定であるため、走査電磁石の製作が容易であり、粒子線照射装置1204の低コスト化を図ることができる。
更に、3台以上の走査電磁石101a,101b,102a,102bの励磁量を独立して制御する、走査電磁石101a,101b,102a,102bに1対1で接続された電源111a,111b,111c,111dを更に備えたことで、各々の走査電磁石の仕様と求められる走査量に応じた電流を各走査電磁石に供給することができ、制御の自由度を向上させることができる。また、より容易に走査速度の増大をより容易に達成できるとともに、照射精度を担保することができる。
なお、垂直軸方向走査電磁石部101の下流側に水平軸方向走査電磁石部102を設置する場合について説明したが、水平軸方向走査電磁石部を垂直軸方向走査電磁石部の上流側に設置することができる。
すなわち、必要な照射野の大きさや走査速度に応じて、第1水平走査電磁石102a、第2水平走査電磁石102b、第1垂直走査電磁石101a、第2垂直走査電磁石101bの進行方向上流から下流に至る設置順序は任意である。しかしながら、同じ方向に走査する走査電磁石は必ず連続して設置し、異なる方向に走査する走査電磁石が間に挟まれないようにする。
また、水平軸方向へ走査する走査電磁石や垂直軸方向へ走査する走査電磁石の各々の設置台数も1台以上であればよく、合計で3台以上であればよい。
例えば、水平軸方向走査電磁石、もしくは垂直軸方向走査電磁石のどちらかを1台のみ、他方を2台以上備えてもよい。この場合は、磁極間ギャップをより狭められる効果が得られることから、水平軸方向と垂直軸方向のうち、下流側に設置される側の走査電磁石を1台とし、上流側に設置される側の走査電磁石を2台以上とすることが望ましい。
また、本実施形態では、各走査電磁石には偏向用の磁場を発生するコイルがコイル202a,202bとの一組のみの場合について記載したが、コイルは各電磁石中に複数組あってもよい。
また、走査電磁石電源111a,111b,111c,111dからの供給電流は、同一方向走査電磁石に対しては同一の電源から直列もしくは並列に与えてもよい。例えば、第1垂直走査電磁石101a用の電源と第2垂直走査電磁石101b用の電源は共通化することができ、第1水平走査電磁石102a用の電源と第2水平走査電磁石102b用の電源は共通化することができる。なお、異なる方向の走査電磁石の電源は共通化しないことが望ましい。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態の粒子線照射装置について図11および図12を用いて説明する。第1実施形態と同じ構成には同一の符号を示し、説明は省略する。以下の実施形態においても同様とする。
図11は本実施形態における走査電磁石部の垂直軸とビーム進行方向軸を含む平面による断面図である。図12は本実施形態における走査電磁石部の水平軸とビーム進行方向軸を含む平面による断面図である。
本実施形態の粒子線照射装置は、基本的には、図1に示す第1実施形態の粒子線照射装置1204と同等の要素で構成される。異なる点としては、走査電磁石部100の替わりに、走査電磁石部100Aを備えている点である。
図11および図12に示すように、本実施形態の走査電磁石部100Aは、第1実施形態の走査電磁石部100と同様に、垂直軸方向走査電磁石部101Aと水平軸方向走査電磁石部102Aから成る。
垂直軸方向走査電磁石部101Aは第1垂直走査電磁石101Aaおよび第2垂直走査電磁石101Abによって構成される。また、水平軸方向走査電磁石部102Aは第1水平走査電磁石102Aaおよび第2水平走査電磁石102Abによって構成される。
更に、図11に示すように、第1垂直走査電磁石101Aa、第2垂直走査電磁石101Ab、第1水平走査電磁石102Aa、第2水平走査電磁石102Abは、各々の走査電磁石中のヨーク207、磁極幅302および磁極間ギャップ203が、垂直軸方向ビーム通過最大領域801Aおよび水平軸方向ビーム通過最大領域901Aに合わせて、進行方向軸103の下流側に向かって直線状に広がる形状となっている。
言い換えると、進行方向軸103上でアイソセンタ104から遠ざかるにつれて磁極間ギャップ203および磁極幅302の大きさが狭まように設計されている。
なお、水平軸方向ビーム通過最大領域901Aの幅は、水平軸方向走査電磁石部102Aを通過するまでは一定のため、図12に示すように、第1垂直走査電磁石101Aaと第2垂直走査電磁石101Abとの水平軸方向の磁極間ギャップ203は同じ幅とする。
その他の構成・動作は前述した第1実施形態の粒子線照射装置と略同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の第2実施形態の粒子線照射装置においても、前述した第1実施形態の粒子線照射装置とほぼ同様な効果が得られる。
また、各走査電磁石のうち、少なくとも2台以上は、個々の走査電磁石内において、進行方向軸103上でアイソセンタ104から遠ざかるにつれて磁極間ギャップ203および磁極幅302の大きさが狭まっていることにより、磁場印加領域の形状をビーム通過領域の形状により近い形状にすることができる。よって、より効果的にBL積の増大と走査電磁石1台あたりのインダクタンス低減を達成することができ、照射野の拡大と走査速度の増大をより効果的に達成することができる。
更に、個々の走査電磁石内では磁極間ギャップ203および磁極幅302の大きさが一定であるものがあることで、上流側の走査電磁石では下流側の走査電磁石で走査する方向のビーム通過領域の形状が変化しないことから、上流側の走査電磁石の磁場印加領域の形状をビーム通過領域の形状により合わせることができる。
なお、本実施形態では、ヨーク、磁極幅、磁極間ギャップの広がり方は直線状であるとしたが、垂直軸方向ビーム通過最大領域801および水平軸方向ビーム通過最大領域901を含むようであれば、形状は曲線状または階段状とすることができる。
また、ヨークの外周側の形状は進行方向軸103の下流側に向かって広がる場合に限られず、進行方向軸103に平行な形状とすることができる。
さらに、本実施形態の走査電磁石の一部は、上述した第1実施形態の粒子線照射装置内に配置された走査電磁石を用いることができる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態の粒子線治療システムについて図13を用いて説明する。
図13は本発明の第3実施形態の粒子線治療システムの全体構成図である。
図13に示すように、本実施形態の粒子線治療システム1000は、ライナック1201、シンクロトロン1202、ビーム輸送系1203、第1実施形態で説明した粒子線照射装置1204、加速器ビーム輸送系制御部1205、粒子線治療システム制御部1206、データベース1207から成る。
なお、第1実施形態で説明した粒子線照射装置1204の替わりに第2実施形態で説明した粒子線照射装置を用いることができる。
シンクロトロン1202にはライナック1201および入射器1202aが接続されており、ライナック1201で生成された加速前のイオンが入射器1202aから入射される。
入射されたイオンは四台の偏向電磁石1202bが形作る略四角形の経路を四極電磁石1202d等の生成する磁場によって微調整されて周回しながら、加速空胴1202cを通過するたびに加速される。所定のエネルギーまで加速されたビームは取り出し口1202eからビーム輸送系1203に導入される。
ビーム輸送系1203は、複数の四極電磁石1203a、偏向電磁石(図示省略)を備えており、シンクロトロン1202と粒子線照射装置1204に接続されている。シンクロトロン1202から出射された粒子線は、ビーム輸送系1203内を通過しながら四極電磁石1203aによって収束され、偏向電磁石によって方向を変えて粒子線照射装置1204に入射する。
ビーム輸送系1203の一部と粒子線照射装置1204は、治療室内の略筒状のガントリーに設置され、ガントリーと共に回転する構成とすることができるが、固定されているものとすることができる。
粒子線治療システム制御部1206は、データベース1207に記憶されている、患部の深さや形状などの情報を基に作成された照射データ(治療計画)を基に、加速器ビーム輸送系制御部1205と照射装置制御部113に指令を送る。
加速器ビーム輸送系制御部1205は、治療に好適なエネルギーまで粒子ビームを加速するようライナック1201およびシンクロトロン1202を構成する機器を制御する。また、所定エネルギーまで加速された粒子ビームを粒子線照射装置1204まで輸送するようビーム輸送系1203を構成する機器を制御する。
粒子線治療システム制御部1206は照射装置制御部113を通じて走査電磁石電源111を制御することで、照射野107において治療に好適なビーム照射制御を行う。
これら粒子線治療システム制御部1206、加速器ビーム輸送系制御部1205、および照射装置制御部113は、1または複数のプロセッサ、CPU等で構成される。
各機器の動作の制御は各種プログラムで実行される。このプログラムはデータベース1207や記憶部113a等の内部記録媒体に格納されており、CPUによって読み出され、実行される。
なお、実行される動作の制御処理は、1つのプログラムにまとめられていても、それぞれが複数のプログラムに別れていてもよく、それらの組み合わせでもよい。また、プログラムの一部または全ては専用ハードウェアで実現してもよく、モジュール化されていても良い。更には、各種プログラムは、プログラム配布サーバや外部記憶メディアによって各計算機にインストールされてもよい。
これら各制御部は、各々が独立した装置で有線或いは無線のネットワークで接続されたものであっても、2つ以上が一体化していてもよい。
粒子線照射装置の構成・動作は前述した第1実施形態、または第2実施形態の粒子線照射装置と同じ構成・動作であり、詳細は省略する。
本発明の第3実施形態の粒子線治療システムによれば、前述した第1実施形態の粒子線照射装置あるいは第2実施形態の粒子線照射装置を備えていることによって、走査速度の増大等と小型化の両立が実現される。
なお、本実施形態では、加速器としてライナック1201とシンクロトロン1202を採用している場合について説明したが、加速器の種類は、サイクロトロンやシンクロサイクロトロンなどのほかの種類でも採用可能である。
また、1台の加速器と1台の照射装置からなる治療システムについて説明したが、1台の加速器に対して照射装置が複数ある粒子線治療システムとすることができ、個々の照射装置に第1実施形態の粒子線照射装置1204あるいは第2実施形態の粒子線照射装置を適宜備えることができる。
また、ビーム輸送系1203を用いる場合について説明したが、加速器から粒子線照射装置に直接粒子線を輸送することができる。
また、治療に用いる粒子線には、炭素線、ヘリウム線等の重粒子線や陽子線とすることができる。
<その他>
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。上記の実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
100,100A…走査電磁石部
101,101A…垂直軸方向走査電磁石部
101a,101Aa…第1垂直走査電磁石
101b,101Ab…第2垂直走査電磁石
102,102A…水平軸方向走査電磁石部
102a,102Aa…第1水平走査電磁石
102b,102Ab…第2水平走査電磁石
103…進行方向軸
104…アイソセンタ
105…水平軸
106…垂直軸
107…照射野
108…走査軌道
109…ビーム照射位置
110…ビーム位置モニタ
111a,111b,111c,111d…走査電磁石電源
112…ビーム位置モニタ信号処理装置
113…照射装置制御部
113a…記憶部
201a,201b…磁極
202a,202b…コイル
203…磁極間ギャップ
204…磁場
205…磁場印加領域
206…中心平面
207…ヨーク
301…磁極面
302…磁極幅
303…磁極長
304…ヨーク断面
401…走査軌道
402…走査距離
601…第1磁場印加領域
602…第1偏向角度
603…第1ビーム最大通過幅
604…第1磁場印加幅
605…第2磁場印加領域
606…第2偏向角度
607…第2ビーム最大通過幅
608…第2磁場印加幅
701…第1磁場印加領域
702…第1ビーム最大通過幅
703…第1磁場印加幅
704…第2磁場印加領域
705…第2ビーム最大通過幅
706…第2磁場印加幅
801,801A…垂直軸方向ビーム通過最大領域
901,901A…水平軸方向ビーム通過最大領域
1000…粒子線治療システム
1204…粒子線照射装置

Claims (7)

  1. 粒子線照射装置であって、
    互いに直交する第1の方向または第2の方向にビームを走査する3台以上の走査電磁石を備え、
    前記3台以上の走査電磁石は、第1走査電磁石、第2走査電磁石、第3走査電磁石、および第4走査電磁石を含み、これらの走査電磁石は、前記ビームの前進方向軸に沿ってアイソセンタに向けて直列に、前記第2走査電磁石が前記第1走査電磁石の後段に配置され、前記第3走査電磁石が前記第2走査電磁石の後段に配置され、前記第4走査電磁石が前記第3走査電磁石の後段に配置され、
    前記第1走査電磁石および前記第2走査電磁石は第一方向に走査し、
    前記第3走査電磁石および前記第4走査電磁石は第二方向に走査し、
    前記第1走査電磁石、前記第2走査電磁石、前記第3走査電磁石、および前記第4走査電磁石のそれぞれの磁場印加領域の体積は、前記第1走査電磁石から前記第4走査電磁石までの順で増加する
    ことを特徴とする粒子線照射装置。
  2. 請求項1に記載の粒子線照射装置において、
    前記3台以上の走査電磁石は、個々の走査電磁石内では磁極間ギャップおよび磁極幅のそれぞれの大きさが一定である
    ことを特徴とする粒子線照射装置。
  3. 請求項1に記載の粒子線照射装置において、
    前記3台以上の走査電磁石のうちの2台の走査電磁石のうち、前記アイソセンタに最も近い1台の走査電磁石の磁極間ギャップおよび磁極幅の大きさは、これらの2台の走査電磁石のうちの他方の走査電磁石の磁極間ギャップおよび磁極幅の大きさよりも大きい
    ことを特徴とする粒子線照射装置。
  4. 請求項3に記載の粒子線照射装置において、
    前記3台以上の走査電磁石は、個々の走査電磁石内では磁極間ギャップおよび磁極幅の大きさが一定であるものがある
    ことを特徴とする粒子線照射装置。
  5. 請求項1に記載の粒子線照射装置において、
    前記3台以上の走査電磁石の励磁量を独立して制御する、前記走査電磁石に1対1で接続された電源を更に備えた
    ことを特徴とする粒子線照射装置。
  6. 粒子線照射装置であって、
    互いに直交する第1の方向または第2の方向にビームを走査する3台以上の走査電磁石を備え、
    前記3台以上の走査電磁石は、第1走査電磁石、第2走査電磁石、第3走査電磁石、および第4走査電磁石を含み、これらの走査電磁石は、前記ビームの前進方向軸に沿ってアイソセンタに向けて直列に、前記第2走査電磁石が前記第1走査電磁石の後段に配置され、前記第3走査電磁石が前記第2走査電磁石の後段に配置され、前記第4走査電磁石が前記第3走査電磁石の後段に配置され、
    前記第1走査電磁石および前記第2走査電磁石は第一方向に走査し、
    前記第3走査電磁石および前記第4走査電磁石は第二方向に走査し、
    前記第1走査電磁石、前記第2走査電磁石、前記第3走査電磁石、および前記第4走査電磁石のそれぞれの前記進行方向軸に垂直な面での磁場印加領域の断面積は、前記第1走査電磁石から前記第4走査電磁石までの順で増加する
    ことを特徴とする粒子線照射装置。
  7. 請求項1または請求項6に記載の粒子線照射装置を備える
    ことを特徴とする粒子線治療システム。
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