JP6996173B2 - 液体吐出装置 - Google Patents
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Description
しかしこのような構成では、キャリッジが降下した際に遮光部と干渉(衝突)してしまうおそれがあり、特に複数の記録ヘッドを搭載した大型のキャリッジではそれが顕著である。このような状態でキャリッジと遮光部が衝突すると、払拭が行われなくなるおそれがある。
遮光カバー部材30は、ワイパー部材21が液体吐出ヘッド(記録ヘッド)12のノズル面の払拭を実行しない領域に配設され、ワイパー部材21が払拭位置においてノズル面の払拭を実行するとき、降下したキャリッジ12と当接し、該キャリッジ12に押下されることにより下方向へ移動する。
制御手段は、ワイパー部材21が退避位置から払拭位置へ移動するように搬送機構を駆動した後、キャリッジ12を降下させ、降下したキャリッジ12に遮光カバー部材30が押下された状態において、ワイパー部材21が液体吐出ヘッド11のノズル面を払拭するように搬送機構を駆動する。
搭載されたモーター23の駆動により、外枠のタイミングベルト(ゴムベルト)22が回転し、ワイパー部材21が退避位置と払拭位置との間で、矢印D1が示す方向に移動する。ワイパー部材21は、図中左側端部(退避位置)付近に移動したときは遮光カバー部材30のカバー部31の下部に格納される。
遮光カバー部材30には遮光カバー部材30を上方向へ付勢する弾性部材32が取り付けられているため、キャリッジ12の降下に伴いキャリッジ12本体に押下されることで下方向へ移動するが、キャリッジ12が再び上昇するなどして遮光カバー部材30への押圧が解除されれば、遮光カバー部材30は上方向へ移動する。
非ワイプ時のワイパー部材21は、矢印D1またはD4に示す方向へ搬送されることにより遮光カバー部材30のカバー部31の下部に到達して格納されるため、照射光から保護される。
ワイピング終了後は、キャリッジ12の上昇とともに遮光カバー部材30への押圧が解除され、それに伴い遮光カバー部材30も上方向へ移動するため、図3に示すようにワイパー部材21を格納可能な状態となる。
また、弾性部材32としてコイルスプリングを設けた例を示したが、遮光カバー部材30を上方向へ付勢可能な部材であればこれに限定されない。
また、「液体吐出装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。
記録媒体へのインク滴の着弾に関し、特に重要な要因として記録ヘッドと記録媒体との距離(ギャップ)が挙げられる。このギャップが乱れることによって記録画像に不具合が生じるという問題の対策について、図8に基づき説明する。
記録ヘッド11から記録媒体14までのギャップは、常に一定にすることが好ましい。記録ヘッド11から記録媒体14までのギャップは、適用するインクや記録ヘッド11の特性値により最適な値が決まっているため、装置に応じた最適なギャップをユーザが変更することは難しい。
例えば、図8(a)に示す厚みtが1mmの記録媒体14を印刷する場合のキャリッジ12の高さを基準とすると、図8(b)に示す厚みtが30mmの記録媒体14を印刷する場合は、キャリッジ12の高さを図8(a)よりも29mm上昇(矢印D2の方向へ移動)させることでギャップを一定に維持し、同品質の画像を得ることができる。
図9は、図8と同様に液体吐出装置の側面図であり、ステージ13上に記録媒体14が載置され、記録媒体14に対して液体吐出ヘッド(記録ヘッド)11からインク滴15が吐出されている状態を模式的に示したものである。
空気中でインクミスト16となったインク滴15は、装置内の不特定部位に付着して照射光により硬化し定着する。記録媒体14に付着した場合に画像の品質低下を招き、装置の部材に付着した場合は故障の原因となる可能性がある。
図9(b)の例では、最適なギャップとなるようにキャリッジの位置を調整することにより、所望の品質の画像を形成することができる。
図10は、図3~図5同様、本実施形態の液体吐出装置のワイパーユニット並びに液体吐出ヘッド及びキャリッジの長手方向の側面模式図である。
調整が必要となる第1の要因としては、経時によるワイパー部材21(ワイパーブレード)の歪みによるものが挙げられる。ワイパー部材21の払拭部分がゴムや特殊ポリマーからなる場合、一定圧力をかけながら液体吐出ヘッド11のノズル面を払拭することにより上下方向に歪みが生じる。液体吐出ヘッド11を複数搭載した装置において、各ヘッドに対応する複数のワイパー部材21に生じる歪みは同じではないため、ワイピング効率もそれぞれ異なることとなる。均一なワイピング動作を可能にするために、ワイパー部材21の高さを調整するための機構が必要となる。液体吐出ヘッド11が1つのみであっても、経時変化に対する調整機構は必要である。
図11は、本実施形態の液体吐出装置の要部の短手方向の側面模式図である。
図12は本実施形態の液体吐出装置の要部の上面模式図である。図中Lmは主走査方向、Lsは副走査方向を示す。
図11及び図12に示すように、維持回復機構は、記録媒体14の記録に寄与しない液体を受ける空吐出受け26を備えることが好ましい。また、空吐出受け26は、上方向に付勢する弾性部材27を備え、降下したキャリッジ12と当接し、キャリッジ12に押下されることにより遮光カバー部材30とともに下方向へ移動することが好ましい。また、図12に示すように、空吐出受け26は26aで示される領域でキャリッジ12と当接する。
キャリッジ12が降下した場合、またはメンテナンスユニットが上昇した場合に弾性部材27が縮むことにより、空吐出受け26はワイピング動作の邪魔にはならない。
また、空吐出ユニット25はキャリッジ12が昇降した距離と同じ距離をワイプユニット20とともに昇降することが好ましい。キャリッジ12が昇降した同じ距離を昇降できることにより、正確な距離でインクの空吐出を受けることができるため、インクミストの発生を低減することができる。
図12に示すように、複数のヘッド11(図12の例では、11a、11b、11cの3つ)を副走査方向Lsに一定間隔を置いて配置することにより、一度の走査で印字できる主走査方向Lmの幅を広げることができる。大型の記録媒体を扱う装置においては、このように複数のヘッド11が配置された構成であることが多い。
遮光カバー部材30が上下方向に移動できない従来の構成では、キャリッジ12と遮光カバー部材30との接触を回避するために、ワイパー部材21の退避位置と遮光カバー部材30の配設位置とを副走査方向Lsにシフトさせる(キャリッジ12と重ならない位置に配置する)必要があるため維持回復機構の大型化を招くこととなる。これに対し、本実施形態では、遮光カバー部材30が上下に移動可能であるため、ワイパー部材21の退避位置と遮光カバー部材30の配設位置とを変更する必要がなく、維持回復機構の副走査方向Lsの寸法をキャリッジ12の副走査方向Lsの寸法と同程度とすることができるため、装置の小型化が可能である。
なお、降下した遮光カバー部材30とワイパー部材21との接触が許容される場合は、ワイパー部材21を払拭位置へ移動させた後に遮光カバー部材30を降下させるという動作順序が厳守されなくてもよい。
11 液体吐出ヘッド(記録ヘッド)
12 キャリッジ
13 ステージ
14 記録媒体
15 インク滴
16 インクミスト
17 検出手段
18a,18b 側板
19 ガイドロッド
20 ワイプユニット
21 ワイパー部材
22 タイミングベルト
23 モーター
24 高さ調整部材
25 空吐出ユニット
26 空吐出受け
26a キャリッジ当接部
27 弾性部材
28 モーター
29 ガイドレール
30 遮光カバー部材
31 カバー部
32 弾性部材
33 照射部
100 制御手段
101 CPU
102 RAM
103 ROM
104 HDD
105 第1モーター制御部
106 第2モーター制御部
Claims (8)
- 液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドを搭載して水平方向に移動するとともに上下方向に昇降可能なキャリッジと、
前記液体吐出ヘッドの維持回復を行う維持回復機構と、を備え、
前記維持回復機構は、
前記液体吐出ヘッドのノズル面を払拭するワイパー部材と、
前記ワイパー部材を退避位置と払拭位置との間で往復移動させる搬送機構と、
前記退避位置にある前記ワイパー部材を覆い、上下方向に昇降可能なカバー部材と、
前記キャリッジ及び前記搬送機構の駆動を制御する制御手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記ワイパー部材が前記液体吐出ヘッドのノズル面を払拭した後、前記キャリッジと前記カバー部材の当接が維持される範囲まで前記キャリッジを上昇させ、前記ワイパー部材を移動させて前記カバー部材の下部に収納し、前記キャリッジを降下前の位置まで上昇させることを特徴とする液体吐出装置。 - 前記カバー部材は、前記ワイパー部材が前記退避位置から前記払拭位置に移動したあと、降下した前記キャリッジと当接し、該キャリッジに押下されることにより下方向へ移動することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
- 前記制御手段は、
前記ワイパー部材が前記退避位置から前記払拭位置へ移動するように前記搬送機構を駆動した後、前記キャリッジを降下させ、
降下した前記キャリッジによって前記カバー部材が押下された状態において、前記ワイパー部材が前記ノズル面を払拭するように前記搬送機構を駆動することを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出装置。 - 前記カバー部材は弾性部材を備え、
前記弾性部材は前記カバー部材を上方向への移動のために付勢することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液体吐出装置。 - 前記液体が、光照射により硬化する光硬化型インクであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の液体吐出装置。
- 前記液体が吐出される記録媒体の厚みを検出する検出手段を備え、
前記検出手段の検出結果に応じて前記キャリッジの昇降距離が調節されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の液体吐出装置。 - 前記ワイパー部材の上下方向の取付位置を調整可能な高さ調整部材を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液体吐出装置。
- 液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドを搭載して水平方向に移動するとともに上下方向に昇降可能なキャリッジと、
前記液体吐出ヘッドの維持回復を行う維持回復機構と、を備え、
前記維持回復機構は、
前記液体吐出ヘッドのノズル面を払拭するワイパー部材と、
前記ワイパー部材を退避位置と払拭位置との間で往復移動させる搬送機構と、
前記退避位置にある前記ワイパー部材を覆い、上下方向に昇降可能なカバー部材と、を有し、
前記維持回復機構が、記録に寄与しない前記液体を受ける空吐出受けを備え、前記空吐出受けは、降下した前記キャリッジと当接し、該キャリッジに押下されることにより前記カバー部材とともに下方向へ移動することを特徴とする液体吐出装置。
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