[第1実施形態]
[パチスロ機の機能フロー]
まず、図1を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1の主要な構成について説明する。図1は、本実施の形態におけるパチスロ機1の機能フローを示す図である。パチスロ機1では、図1に示した各手段が必要な処理を実行し、各々が担う機能が発揮されることにより、遊技者による遊技の実行を可能としている。
<投入操作検出手段>
投入操作検出手段は、遊技者によるメダルやコイン等の遊技媒体の投入操作を検出する。所定数の遊技媒体(例えば、3枚のメダル)の投入操作が検出されると、後述する開始操作検出手段による開始操作の検出が許可される。また、後述する図柄表示手段において、予め定められた入賞ラインが有効化される(以下、有効化された入賞ラインを「有効ライン」という。)。本実施の形態において、遊技者によるメダルの投入を検出するメダルセンサ35Sは、投入操作検出手段を構成する。なお、検出可能な遊技媒体の種類は、メダルに限られるものはなく、コインやトークン、遊技球、若しくはこれらと同等の価値を有する電磁的遊技媒体等を含むものとする。
<開始操作検出手段>
開始操作検出手段は、遊技者による開始操作を検出する。開始操作が検出されると、後述する図柄表示手段による図柄の変動表示が開始される。また、後述する内部当籤役決定手段が内部当籤役を決定する際に用いられる乱数値が、予め定められた数値範囲内(例えば、0〜65535)から抽出される。また、後述する演出制御手段が演出を決定する際に用いられる演出用乱数値が、予め定められた数値範囲内(例えば、0〜32767)から抽出される。本実施の形態において、遊技者によるスタートレバー16の操作を検出するスタートスイッチ16Sは、開始操作検出手段を構成する。なお、抽出される乱数値の種類、個数、数値範囲については、これに限られるものではなく、遊技において必要となる個数の乱数値を、所定の数値範囲内から抽出することができるものとする。
<内部当籤役決定手段>
内部当籤役決定手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、予め定められた複数の役の中から内部当籤役を決定する。すなわち、内部当籤役の決定により、有効ラインに表示されることが許可される図柄の組合せが決定される。本実施の形態において、各種のテーブルを参照し、抽出された乱数値に基づいて内部抽籤処理を実行する主制御回路41は、内部当籤役決定手段を構成する。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払出、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
<図柄表示手段>
図柄表示手段は、複数の図柄を複数列に変動表示する。すなわち、開始操作検出手段により開始操作が検出されると、図柄の変動表示を開始し、後述する停止制御手段により停止制御が実行されると、図柄の変動表示を終了する。本実施の形態において、複数のリール3L、3C、3R、及び表示窓4L、4C、4Rは、図柄表示手段を構成する。なお、図柄表示手段は、これに限られるものではなく、例えば、複数の図柄画像を複数列に変動表示する図柄画像表示手段(例えば、画像表示装置)等であってもよい。
<停止操作検出手段>
停止操作検出手段は、遊技者による停止操作を検出する。停止操作が検出されると、後述する停止制御手段により図柄表示手段による図柄の変動表示が停止される。本実施の形態において、遊技者によるストップボタン17L、17C、17Rの操作を検出するストップスイッチ17Sは、停止操作検出手段を構成する。
なお、全てのリールが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
<停止制御手段>
停止制御手段は、図柄表示手段における図柄の変動表示の停止を制御する。すなわち、停止操作検出手段により停止操作が検出されると、内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役に応じて設定された停止制御情報に基づいて、図柄表示手段における図柄の変動表示を停止制御する。本実施の形態において、遊技者によりストップボタン17L、17C、17Rが操作されると、各種の停止制御情報を参照し、対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止制御するリール停止制御処理を実行する主制御回路41は、停止制御手段を構成する。
ここで、パチスロ機では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec又は75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定め、規定期間が75msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄1個分に定める。なお、滑り駒数の最大数はこれらに限られるものではなく、適宜設定することができる。
停止制御手段は、内部当籤役の決定により、表示が許可されている図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが有効ラインに沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリールの回転を停止する。
その一方で、内部当籤役の決定により、表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、有効ラインに沿って表示されることがないように最大滑り駒数の範囲でリールの回転を停止する。
また、停止制御手段は、決定されている内部当籤役が、予め定められた停止操作順序(例えば、複数のストップボタンが操作された順番)に応じて表示される図柄の組合せを変動させるものであるときには、その予め定められた停止操作順序も参照して、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
<入賞判定手段>
入賞判定手段は、図柄表示手段に表示された図柄の組合せに応じて、入賞があるか否かの判定を行う。すなわち、停止制御手段により図柄の変動表示が停止された場合に、有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する。本実施の形態において、図柄組合せテーブル等を参照し、図柄表示手段に表示された図柄の組合せに基づいて入賞検索処理を実行する主制御回路41は、入賞判定手段を構成する。
<利益付与手段>
利益付与手段は、入賞判定手段により入賞があると判定されると、入賞した図柄の組合せに応じた利益を付与する。すなわち、図柄表示手段に表示された図柄の組合せに応じて、対応する利益を遊技者に付与する。本実施の形態において、入賞検索処理の結果に基づいてメダル払出処理等を実行する主制御回路41は、利益付与手段を構成する。なお、付与される利益が、副制御回路42の制御によって付与されるものである場合には、副制御回路42が、利益付与手段を構成する。
ここで、利益付与手段により付与される利益としては、メダルの払出、今回の遊技と同じ数量の遊技媒体が自動で投入され、再度遊技を行えることとなる再遊技の作動、再遊技に係る内部当籤役の当籤確率が高くなる再遊技高確率状態(リプレイタイム)の作動、メダルの払出に係る内部当籤役の当籤確率が高くなる特別遊技状態(ボーナス)の作動、遊技者に適切な停止操作の情報を報知することにより、メダルの払出に係る内部当籤役の入賞確率が高くなる特定遊技状態(アシストタイム)の作動等を挙げることができる。なお、利益付与手段が付与する利益はこれに限られるものではない。
このように、パチスロ機においては、投入操作検出手段によって遊技者の投入操作が検出され、開始操作検出手段によって遊技者の開始操作が検出されると、内部当籤役決定手段によって内部当籤役等が決定されると共に、図柄表示手段による図柄の変動表示が開始される。そして、停止操作検出手段によって遊技者の停止操作が検出されると、停止制御手段によって図柄表示手段による図柄の変動表示が停止制御され、図柄表示手段に表示された図柄の組合せが、入賞判定手段によって入賞に係る図柄の組合せであると判定されると、利益付与手段によってその図柄の組合せに応じた利益が付与される。以上のような一連の流れがパチスロ機における1回の遊技(単位遊技)として行われる。
<演出制御手段>
演出制御手段は、抽出された演出用乱数値と、その他の情報(例えば、内部当籤役に関する情報)とに基づいて抽籤を行い、複数種類の演出の中から今回実行するものを決定する。また、演出制御手段は、決定された演出が適切に実行されるように、後述する演出実行手段を制御する。本実施の形態において、各種のテーブルを参照し、少なくとも抽出された演出用乱数値に基づいて演出内容を決定すると共に、決定された演出内容にしたがった演出を実行させる副制御回路42は、演出制御手段を構成する。
また、演出制御手段は、所定の報知条件が満たされると、遊技者に対して遊技に必要な情報(例えば、停止操作順序に関する情報や遊技履歴に関する情報)を報知するための演出を決定する。この場合、演出制御手段は、報知制御手段とも言いうる。
<メイン側演出制御手段>
また、後述する演出実行手段が、主制御回路41により制御されるものである場合には、主制御回路41が、メイン側演出制御手段を構成する。メイン側演出制御手段の一例であるロック制御手段及びリール演出制御手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、複数種類のロック又はリール演出の中から今回実行するものを決定する。
(ロック制御手段)
ロック制御手段(図示は省略)は、遊技の進行が停止される制御を行いうる。このような制御は、「ロック」(又は、「フリーズ」)と称される。なお、便宜上、遊技開始時に実行される遊技の進行が停止される制御を「遊技開始時ロック」と呼び、遊技終了時に実行される遊技の進行が停止される制御を「遊技終了時ロック」と呼ぶ。すなわち、「遊技開始時ロック」とは、スタートレバーが操作された後、予め定められた期間においては、ストップボタンへの操作が有効とならないという意味で遊技の進行が停止される制御であり、「遊技終了時ロック」とは、ストップボタンが操作された後、予め定められた期間においては、ベットボタンへの操作、若しくはスタートレバーへの操作が有効とならないという意味で遊技の進行が停止される制御である。もちろん、「ロック」の契機は、上記に限られるものではなく、例えば、スタートレバーが操作され、ストップボタンの何れかが操作された後、予め定められた期間においては、その後の操作が有効とならない制御を行うこととしてもよい。
また、ロック制御手段は、決定されたロックが適切に実行されるように、ロック実行手段(図示は省略)を制御する。本実施の形態において、各種のテーブルを参照し、少なくとも抽出された乱数値に基づいてロック内容を決定すると共に、決定されたロック内容にしたがったロックを実行させる主制御回路41は、ロック制御手段を構成する。
(リール演出制御手段)
リール演出制御手段(図示は省略)は、複数のリール(例えば、リール3L、3C、3R)を通常の図柄の変動表示態様とは異なる演出態様で変動表示させる制御を行いうる。
また、リール演出制御手段は、決定されたリール演出が適切に実行されるように、リール演出実行手段(図示は省略)を制御する。本実施の形態において、各種のテーブルを参照し、少なくとも抽出された乱数値に基づいてリール演出の内容を決定すると共に、決定されたリール演出内容にしたがったリール演出を実行させる主制御回路41は、リール演出制御手段を構成する。
<演出実行手段>
演出実行手段は、演出制御手段により決定された演出を実行する。すなわち、視覚に訴える演出を実行する表示装置やランプ、聴覚に訴える演出を実行するスピーカ、触覚に訴える演出を実行する演出ボタン等の演出に用いられる各種のデバイスを意味する。本実施の形態において、液晶表示装置11、ランプ群21、スピーカ20L、20Rは、演出実行手段を構成する。なお、演出実行手段は、これらに限られるものではなく、例えば、パチスロ機の前面側から視認可能な位置に設けられる可動体(役物)であってもよい。
また、演出実行手段は、演出制御手段によって、遊技者に対して遊技に必要な情報(例えば、停止操作順序に関する情報や遊技履歴に関する情報)を報知するための演出が決定された場合には、遊技者に対してその情報の報知を実行する。この場合、演出実行手段は、報知手段とも言いうる。
<メイン側演出実行手段>
また、演出実行手段が、主制御回路41により制御されるものである場合には、主制御回路に接続されている各種のデバイスが、メイン側演出実行手段を構成する。メイン側演出実行手段の一例であるロック実行手段及びリール演出実行手段は、メイン側演出制御手段により決定された演出を実行する。
(ロック実行手段)
ロック実行手段(図示は省略)は、ロック制御手段により決定されたロックの内容を実行する。すなわち、ロック実行手段は、ロック制御手段により決定されたロックの内容(例えば、5秒間)に従って、遊技の進行停止を停止する演出を実行する。
(リール演出実行手段)
リール演出実行手段(図示は省略)は、リール演出制御手段により決定されたリール演出の内容を実行する。すなわち、リール演出実行手段は、リール演出制御手段により決定されたリール演出の内容(例えば、リールの順回転方向とは逆回転方向に1回転させるという内容)に従って、リールを変動表示させる演出を実行する。
[パチスロ機の構造]
次に、図2〜図6を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1の構造について説明する。
図2は、本実施の形態のパチスロ機の外部構造を示す斜視図であり、図3は、本実施の形態のパチスロ機において可動部品が初期位置にある状態のフロントパネルの状態の正面図であり、図4は、本実施の形態のパチスロ機において可動部品が演出位置にある状態のフロントパネルの状態の正面図である。また、図5は、本実施の形態のパチスロ機におけるフロントパネルの分解斜視図であり、図6は、本実施の形態のパチスロ機の内部構造を示すものであり、フロントドアが開いた状態の正面図である。
このパチスロ機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークン等の他、遊技者に付与された、若しくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
図2に示すように、パチスロ機1は、外装体2を備えている。外装体2は、リールや回路基板等を収容する本体であるキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有している。キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている(図2では一側面の把手7のみを示す)。この把手7は、パチスロ機1を運搬するときに手をかける凹部である。
フロントドア2bは、ドア本体9と、フロントパネル10と、表示装置の一具体例を示す液晶表示装置11(図3参照)と、腰部パネル12とを備えている。ドア本体9は、ヒンジ(不図示)を用いてキャビネット2aに開閉可能に取り付けられている。ヒンジは、パチスロ機1の前方からドア本体9を見た場合に、ドア本体9における左側の端部に設けられている。
また、図3に示すように、キャビネット2aの内部には、3つのリール3L、3C、3Rが横並びに設けられている。以下、各リール3L、3C、3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L、3C、3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
液晶表示装置11は、ドア本体9の上部に取り付けられており、映像の表示による演出を実行する。この液晶表示装置11は、3つのリール3L、3C、3Rに描かれた図柄を表示する表示窓4L、4C、4R(これらは1つの表示窓4とすることもできる)を含む表示部(表示画面)11aを備える。本実施の形態では、表示窓4L、4C、4Rを含む表示部11aの全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
表示窓4L、4C、4Rは、例えばアクリル板等の透明な部材で形成されている。この表示窓4L、4C、4Rは、正面(遊技者側)から見て、3つのリールの配置領域と重畳する位置に設けられ、かつ、3つのリールより手前(遊技者側)に位置するように設けられる。したがって、遊技者は、表示窓4L、4C、4Rを介して、表示窓4L、4C、4Rの背後に設けられた3つのリールを視認することができる。
本実施の形態では、表示窓4L、4C、4Rは、その背後に設けられた対応するリールの回転が停止したとき、各リールに描かれた複数種類の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄を表示できる大きさに設定されている。すなわち、表示窓4L、4C、4Rの枠内には、リールごとに上段、中段及び下段の各領域が設けられ、各領域に1個の図柄が表示される。そして、本実施の形態では、左リール3Lの上段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの下段領域を結ぶライン(クロスダウンライン)、及び左リール3Lの下段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの上段領域を結ぶライン(クロスアップライン)を、入賞か否かの判定を行う入賞ラインとして定義する。
フロントパネル10は、ドア本体9の上部に取り付けられており、液晶表示装置11を覆う大きさに設定されている。このフロントパネル10は、液晶表示装置11の表示部11a側に重畳して配置され、液晶表示装置11の表示部11aを露出させるパネル開口101aを有する装飾枠101と、装飾枠101の前面を覆う保護カバー102(図2及び図5参照)とを有している。
図5に示すように、装飾枠101は、パネル開口101aを有する矩形の枠状に形成されている。この装飾枠101は、上枠部111、下枠部112、左枠部113、及び、右枠部114を有している。装飾枠101は、樹脂に混合物を混ぜて射出成型することで、表面に模様が生じるように形成されている。このような成型により表面に模様を生じさせるには、例えば、射出ゲートの位置等を調整するとよい。
上枠部111には、前方に開口する複数の上係合孔111aが設けられている。複数の上係合孔111aの開口は、それぞれ横長の長方形に形成されている。これら複数の上係合孔111aには、保護カバー102の後述する上係合片126が挿入される。
また、左枠部113には、前方に開口する複数の左係合孔113aが設けられており、右枠部114には、前方に開口する複数の右係合孔114aが設けられている。複数の左係合孔113a及び右係合孔114aの開口は、それぞれ縦長の長方形に形成されている。複数の左係合孔113a及び右係合孔114aには、保護カバー102の後述する左係合片127及び右係合片128が挿入される。
また、図5に示すように、保護カバー102は、透光性を有する合成樹脂により形成されており、前方を向く前面部121と、上方を向く上面部122と、下方を向く下面部123と、側方を向く左側面部124及び右側面部125とを有している。
前面部121の下部には、後述する演出用スイッチ22L、22Rを露出させるためのスイッチ用切り欠き121a、121bが形成されている。これらスイッチ用切り欠き121a、121bは、演出用スイッチ22L、22Rの外形に応じた円弧状に形成されている。
上面部122の端面には、複数の上係合片126が設けられている。複数の上係合片126は、上下方向に略直交する平面を有する平板状に形成されており、可撓性を有している。また、複数の上係合片126の上面(一方の平面)には、係合突条126aが設けられている。
上係合片126を装飾枠101の複数の上係合孔111aに挿入すると、係合突条126aが、装飾枠101の上枠部111に係合し、保護カバー102が装飾枠101から外れないようにすることができる。
保護カバー102の左側面部124及び右側面部125は、前面部121よりも前方に突出する突出片124A及び突出片125Aを有している。左側面部124及び右側面部125の前方を向く端面は、突出片124A及び突出片125A側の端面であり、中央部が最も前方に突出するような円弧状に形成されている。
また、右側面部125の後方を向く端面には、複数の右係合片128が設けられている。なお、左側面部124には、右側面部125における右係合片128と同様に、複数の左係合片127(不図示)が設けられている。複数の左係合片127及び複数の右係合片128は、左右方向に略直交する平面を有する平板状に形成されている。
右側面部125には、装飾部125aが設けられている。この装飾部125aは、右側面部125の外面の一部にシボ加工を施すことにより形成されている。この装飾部125aは、装飾枠101の右係合孔114aの奥に設けた不図示の光源から発射された光を受けて発光する。なお、右側面部125において、装飾部125aが設けられていない領域は、光を透過する透光部である。
また、左側面部124には、右側面部125の装飾部125aと同様の装飾部(不図示)が設けられている。左側面部124の装飾部(不図示)は、装飾枠101の左係合孔113aの奥に設けた不図示の光源から発射された光を受けて発光する。なお、左側面部124において、装飾部が設けられていない領域は、光を透過する透光部である。
また、図3〜図5に示すように、装飾枠101には、ランプ群21と、演出用スイッチ22L、22Rが設けられている。ランプ群21は、例えば、図3中のランプ21a、21bを含む。このランプ群21は、LED(Light Emitting Diode)等で構成され、演出内容に対応するパターンで、光を点灯及び消灯する。演出用スイッチ22L、22Rは、それぞれ装飾枠101の左右の側部に設けられている。
また、装飾枠101には、中央可動ユニット105と、左可動ユニット106と、右可動ユニット107とが取り付けられている。
中央可動ユニット105は、装飾枠101内の上方における中央部に配置されており、後述する可動部品309を有している。中央可動ユニット105は、例えば、特定の演出が行われる場合に、初期位置(図3参照)にある可動部品309を、左右方向に延びる軸を中心に回動させると共に、装飾カバー364の下方から下降させる。これにより、可動部品309は、液晶表示装置11の表示部11aの一部を覆う演出位置(図4参照)まで移動する。
ここで、図4に示すように、可動部品309は、キャラクタ部323、アーチカバー324、発光表示部325により構成され、可動部品309が演出位置に配置されると、キャラクタ部323、アーチカバー324、発光表示部325がパチスロ機1の前方から視認可能となる。また、図示は省略するが、アーチカバー324及び発光表示部325には、それらの裏面に設けられたLED(図示せず)から照射された光を透過する透過領域が、各々個別に形成されている。特に、発光表示部325は、複数段階(例えば、3段階)の点灯表示を段階的に行いうるように、複数(例えば、3個)の透過領域が並列して形成されている。
左可動ユニット106は、装飾枠101内の左側方に配置されており、後述する左扉188を有している。また、右可動ユニット107は、装飾枠101内の右側方に配置されており、後述する右扉189を有している。左扉188及び右扉189は、適当な厚みを有する略長方形の板状に形成されており、初期位置において、一方の平面が前方を向いている。
左可動ユニット106は、例えば、所定の演出が行われる場合に、初期位置(図3参照)にある左扉188を、上下方向に延びる軸を中心に回動させる。また、右可動ユニット107は、例えば、所定の演出が行われる場合に、初期位置にある右扉189を、上下方向に延びる軸を中心に回動させる。なお、パチスロ機1では、所定の演出が行われる場合において、左扉188と右扉189の何れか一方を回動させてもよく、左扉188と右扉189の両方を回動させてもよい。
また、図2に示すように、腰部パネル12には、台座部13が形成されている。この台座部13には、遊技者の操作対象となる各種装置(メダル投入口14、MAXベットボタン15A、1BETボタン15B、スタートレバー16、ストップボタン17L、17C、17R、精算ボタン18)が設けられている。
メダル投入口14は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口14から受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に使用され、所定枚数を超えた分は、パチスロ機1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能)。
MAXベットボタン15A及び1BETボタン15Bは、パチスロ機1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に使用する枚数を決定するために設けられる。また、精算ボタン18は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。
スタートレバー16は、全てのリール(3L、3C、3R)の回転を開始するために設けられる。ストップボタン17L、17C、17Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応付けて設けられ、各ストップボタンは対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン17L、17C、17Rを、それぞれ左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rという。
また、図2には示さないが、台座部13には、7セグメントLEDからなる7セグ表示器6(図7参照)が設けられている。この7セグ表示器6は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ機1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
ドア本体9の下部には、メダル払出口24、メダル受皿25、スピーカ20L、20R等が設けられている。メダル払出口24は、後述のメダル払出装置33の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル受皿25は、メダル払出口24から排出されたメダルを貯める。また、スピーカ20L、20Rは、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音を出力する。
また、図6に示すように、キャビネット2aは、正面側の一面が開口された略直方体状に形成されている。このキャビネット2a内の上部には、後述の主制御回路41(図7参照)を構成する主基板31が設けられている。主制御回路41は、内部当籤役の決定、各リールの回転及び停止、入賞の有無の判定等の、パチスロ機1における遊技の主な動作及び該動作間の流れを制御する回路である。なお、主制御回路41の具体的な構成は後述する。
キャビネット2a内の中央部には、3つのリール(左リール3L、中リール3C及び右リール3R)が設けられている。なお、図6には示さないが、各リールは、所定の減速比を有する歯車を介して対応する後述のステッピングモータ(図7中のステッピングモータ61L、61C、61Rの何れか)に接続される。
キャビネット2a内の下部には、多量のメダルを収容可能であり、かつ、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置33(以下、ホッパー33という)が設けられている。また、キャビネット2a内における、ホッパー33の一方の側部(図6に示す例では左側)には、パチスロ機1が有する各装置に対して必要な電力を供給する電源装置34が設けられている。
フロントドア2bの裏面側(表示画面側とは反対側の部分)における上部には、後述の副制御回路42(図7及び図8参照)を構成する副基板32が設けられている。副制御回路42は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。なお、副制御回路42の具体的な構成は後述する。
さらに、フロントドア2bの裏面側における略中央部には、セレクタ35が設けられている。セレクタ35は、メダル投入口14(図2参照)を介して外部から投入されたメダルの材質や形状等が適正であるか否かを選別する装置であり、適正であると判定したメダルをホッパー33に案内する。また、図6には示さないが、セレクタ35内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ35S(図7参照)が設けられている。
[パチスロ機が備える回路の構成]
次に、図7、図8を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1が備える回路の構成について説明する。図7は、本実施の形態のパチスロ機が備える回路の全体構成を示すブロック図であり、図8は、本実施の形態のパチスロ機における副制御回路の内部構成を示すブロック図である。本実施の形態におけるパチスロ機1は、遊技の進行に関する制御を行う主制御回路41、演出(報知)に関する制御を行う副制御回路42及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
<主制御回路>
主制御回路41は、主に、回路基板(主基板31)上に設置されたマイクロコンピュータ50により構成される。それ以外の構成要素として、主制御回路41は、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生手段の一例である乱数発生器56、乱数抽出手段の一例であるサンプリング回路57、表示部駆動回路64、ホッパー駆動回路65、及び、払出完了信号回路66を含む。
マイクロコンピュータ50は、メインCPU51、メインROM(Read Only Memory)52及びメインRAM(Random Access Memory)53により構成される。
メインROM52には、メインCPU51により実行される各種処理の制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路42に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM53には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。また、メインRAM53には、ARTゲーム数カウンタが設けられている。
メインCPU51には、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56及びサンプリング回路57が接続されている。クロックパルス発生回路54及び分周器55は、クロックパルスを発生する。なお、メインCPU51は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。また、乱数発生器56は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。そして、サンプリング回路57は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ50の入力ポートには、各種スイッチ及びセンサ等が接続される。メインCPU51は、各種スイッチ等からの入力信号を受けて、ステッピングモータ61L、61C、61R等の周辺装置の動作を制御する。
ストップスイッチ17Sは、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。スタートスイッチ16Sは、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。精算スイッチ18Sは、精算ボタンが遊技者により押されたことを検出する。
メダルセンサ35Sは、メダル投入口14に投入されたメダルがセレクタ35内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ15Sは、ベットボタン(MAXベットボタン15A又は1BETボタン15B)が遊技者により押されたことを検出する。
また、マイクロコンピュータ50により動作が制御される周辺装置としては、3つのステッピングモータ61L、61C、61R、7セグ表示器6及びホッパー33がある。また、マイクロコンピュータ50の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための駆動回路が接続される。
モータ駆動回路62は、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応してそれぞれ設けられた3つのステッピングモータ61L、61C、61Rの駆動を制御する。リール位置検出回路63は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが一回転したことを示すリールインデックスをリールごとに検出する。
3つのステッピングモータ61L、61C、61Rのそれぞれは、その運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を有する。また、各ステッピングモータの駆動力は、所定の減速比を有する歯車を介して、対応するリールに伝達される。そして、各ステッピングモータに対して1回のパルスが出力されるごとに、対応するリールは一定の角度で回転する。
メインCPU51は、各リールのリールインデックスを検出してから対応するステッピングモータに対してパルスが出力された回数をカウントすることによって、各リールの回転角度(具体的には、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
ここで、各リールの回転角度の管理を具体的に説明する。各ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM53に設けられたパルスカウンタ(不図示)によって計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数(例えば、17回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数されるごとに、メインRAM53に設けられた図柄カウンタ(不図示)の値に、「1」が加算される。なお、図柄カウンタは、リールごとに設けられる。そして、図柄カウンタの値は、リール位置検出回路63によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
すなわち、本実施の形態では、図柄カウンタの値を管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転動作が行われたのかを管理する。それゆえ、各リールの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
なお、表示部駆動回路64は、7セグ表示器6の動作を制御する。ホッパー駆動回路65は、ホッパー33の動作を制御する。また、払出完了信号回路66は、ホッパー33に設けられたメダル検出部33Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー33から外部に排出されたメダルが所定の払出枚数に達したか否かをチェックする。
また、図示は省略しているが、マイクロコンピュータ50の出力ポートには、外部集中端子板が接続されている。外部集中端子板は、主制御回路41からのメダルの投入/払出枚数、遊技回数、ボーナスの作動有無情報等の信号が入力されると共に、それらの信号を遊技回数やボーナス作動回数等を表示する外部表示器や、遊技場のホストコンピュータに外部信号として出力する。外部表示器は、例えば、パチスロ機1の上方に設置され、遊技回数の進行やボーナス作動と連動して表示を更新したり、ランプ等によりボーナス作動を報知したりするものである。
<副制御回路>
図7及び図8に示すように、副制御回路42は、主制御回路41と電気的に接続され、主制御回路41から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路42は、基本的には、図7に示すように、サブCPU81、サブROM82、サブRAM83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、及び、ドライバ86を含む。さらに、副制御回路42は、DSP(Digital Signal Processor)90、オーディオRAM91、A/D(Analog to Digital)変換器92、アンプ93、中央可動ユニット駆動回路96、左可動ユニット駆動回路97、右可動ユニット駆動回路98、及び、回転灯駆動回路99を含む。
サブCPU81は、主制御回路41から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力制御を行う。なお、サブROM82は、基本的には、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を有する。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する各種制御プログラムが記憶される。なお、プログラム記憶領域に格納される制御プログラムには、例えば、主制御回路41との通信を制御するための主基板通信タスク、演出用乱数値を抽出して演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置11による映像の表示を制御するための描画制御タスク、ランプ群21による光の出力を制御するためのランプ制御タスク、スピーカ20L、20Rによる音の出力を制御するための音声制御タスク等のプログラムが含まれる。
データ記憶領域には、例えば、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各種演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等の各種記憶領域が含まれる。
サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路41から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域などを有する。
また、副制御回路42には、図7に示すように、液晶表示装置11、スピーカ20L、20R、ランプ群21、中央可動ユニット105、左可動ユニット106、右可動ユニット107、及び、回転灯543等の周辺装置が接続されている。つまり、これらの周辺装置の動作は、副制御回路42により制御される。
本実施の形態では、サブCPU81、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85(フレームバッファを含む)及びドライバ86は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、該作成した映像は液晶表示装置11により表示される。
また、サブCPU81、DSP90、オーディオRAM91、A/D変換器92及びアンプ93は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ20L、20Rにより出力する。さらに、サブCPU81は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ群21の点灯及び消灯を行う。
サブCPU81及び中央可動ユニット駆動回路96は、演出内容により指定された中央可動ユニット駆動データに従って、中央可動ユニット105の駆動を行う。つまり、中央可動ユニット105は、特定の演出が行われる場合に駆動して、可動部品309を液晶表示装置11の表示部11aの一部を覆う位置まで移動させる。
また、サブCPU81及び左可動ユニット駆動回路97は、演出内容により指定された左可動ユニット駆動データに従って、左可動ユニット106の駆動を行う。サブCPU81及び右可動ユニット駆動回路98は、演出内容により指定された右可動ユニット駆動データに従って、右可動ユニット107の駆動を行う。また、サブCPU81及び回転灯駆動回路99は、演出内容により指定された回転灯駆動データに従って、回転灯543の駆動を行う。
[メインROMに記憶されているデータテーブル]
次に、図9〜図14を参照して、メインROM52に記憶されている各種のデータテーブルについて説明する。
<図柄配置テーブル>
図9に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列を表している。図柄配置テーブルは、21個の図柄位置「0」〜「20」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置データ「0」〜「20」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「20」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
なお、本実施の形態においては、図柄の種類として、「赤7」、「青7」、「黄7」、「リプレイ」、「ベル」及び「スイカ」が設定されているが、図柄の種類はこれに限られるものではない。また、図柄の配列や配置される図柄の個数についても、図9に示すものに限られない。
<図柄組合せテーブル>
図10に示す図柄組合せテーブルは、3バイトで表される格納領域識別データによって識別される図柄の組合せに対して、入賞作動フラグ及び払出枚数が対応付けられている。
入賞作動フラグは、入賞した役(以下、「入賞役」という)を表すための固有の図柄の組合せに対応して割り当てられたデータであり、1バイト(8ビット)データ及び格納領域種別を含んでいる。格納領域種別は、1バイトデータを区別するためのデータである。1バイトデータは、複数の図柄の組合せに対応するデータを含んでいる。各図柄の組合せは、格納領域種別と1バイトデータとによって区別される。
払出枚数は、各図柄の組合せに対応して、遊技者に払い出すメダルの枚数を示すデータである。有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが、図柄組合せテーブルの「図柄の組合せ」と一致したときには、対応する払出枚数に基づいて、ホッパー装置33の駆動によるメダルの排出、又は、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタの加算が行われる。
本実施の形態においては、入賞役として、リプレイ、小役及びボーナスが規定されている。リプレイに係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された場合(すなわち、リプレイに入賞した場合)には、メダルの払出はないが、再遊技の作動という利益が付与される。また、小役に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された場合(すなわち、小役に入賞した場合)には、上述の払出枚数に対応するメダルの払出という利益が付与される。また、ボーナスに係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された場合(すなわち、ボーナスに入賞した場合)には、メダルの払出はないが、ボーナスの作動という利益が付与される。
図10に示すように、本実施の形態においては、リプレイに係る図柄の組合せとして、「通常リプ」に係る図柄の組合せ、「リプレイ1」〜「リプレイ6」に係る図柄の組合せが規定されている。
また、図10に示すように、本実施の形態においては、小役に係る図柄の組合せとして、「小役1」〜「小役8」に係る図柄の組合せが規定されている。
また、図10に示すように、本実施の形態においては、ボーナスに係る図柄の組合せとして、「BB1」〜「BB3」に係る図柄の組合せが規定されている。
また、図10に示すように、本実施の形態においては、上述の他に、「RT0移行図柄1」及び「RT0移行図柄2」に係る図柄の組合せも規定されている。この「RT0移行図柄1」及び「RT0移行図柄2」に係る図柄の組合せは、入賞に係る図柄の組合せ(入賞役)ではないが、これらの図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された場合には、RT遊技状態をRT0に移行させる契機となる図柄の組合せであるため、図柄組合せテーブルによって規定されるものである。
なお、本実施の形態においては、上述の各図柄の組合せについて説明しているが、図柄組合せテーブルに規定される図柄の組合せはこれに限られるものではない。また、パチスロ機1が、各図柄の組合せを識別可能であればよく、図柄組合せテーブルを設けないこととしてもよい。
<内部抽籤テーブル>
図11に示す複数の内部抽籤テーブルは、当籤番号に対して、遊技状態ごとの抽籤値及びデータポインタが対応付けられている。なお、内部抽籤テーブルは、通常、パチスロ機1の設定値(例えば、設定値1〜6)ごとにメインROM52に格納されている。しかしながら、本実施の形態においては、説明の便宜上、それぞれ1つの内部抽籤テーブルを用いて説明する。
遊技状態は、大別するとボーナス遊技状態とボーナス遊技状態以外の遊技状態である一般遊技状態(以下、「非ボーナス遊技状態」とも言う。)がある。また、本実施の形態においては、非ボーナス遊技状態は、RT0遊技状態(RT0)と、RT1遊技状態(RT1)と、RT2遊技状態(RT2)と、RT3遊技状態(RT3)とに大別される。これらの遊技状態は、主制御回路41によって制御されている。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。減算の結果が負となったか否かの判断処理の回数が、当籤番号の数を超えたときには、内部抽籤処理の結果は「ハズレ」となる。
なお、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。本実施の形態では、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述する内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。
すなわち、データポインタは、図12に示す小役・リプレイ用当籤役決定テーブル及びボーナス用内部当籤役決定テーブルにおいて、格納領域種別及び1バイトデータを決定するために用いられるデータである。データポインタは、各当籤番号に対応して、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが個別に規定されている。
なお、内部抽籤処理の方式は、上述した方式に限られるものではなく、例えば、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値に、各当籤番号に応じた抽籤値で順次加算し、加算の結果が所定の値となったか(例えば、当籤番号ごとに予め定められた値以上となったか)の判定を行うことによって内部的な抽籤を行うこととしてもよい。
(通常用内部抽籤テーブル)
図11の(a)に示すように、ボーナス遊技状態以外の遊技状態である一般遊技状態(非ボーナス遊技状態)で参照される通常用内部抽籤テーブルは、RT0遊技状態(RT0)における各当籤番号の抽籤値を規定している。なお、RT遊技状態が移行した場合には、後述の通常用抽籤値変更テーブルが参照され、リプレイの抽籤に係る当籤番号「1」〜「5」の抽籤値が変更される。
(通常用抽籤値変更テーブル)
図11の(b)に示すように、非ボーナス遊技状態で参照される通常用抽籤値変更テーブルは、RT1遊技状態(RT1)〜RT3遊技状態(RT3)における、リプレイの抽籤に係る当籤番号「1」〜「5」の抽籤値を規定している。
後述する内部抽籤処理においては、まず、遊技状態がボーナス遊技状態であるか非ボーナス遊技状態であるかが判断され、ボーナス遊技状態であれば、後述のボーナス用内部抽籤テーブルを参照することが決定され、このボーナス用内部抽籤テーブルに規定された抽籤値に基づいて抽籤が行われる。一方、非ボーナス遊技状態であれば、上述の通常用内部抽籤テーブルを参照することが決定されると共に、現在のRT遊技状態に応じて、当籤番号「1」〜「5」の抽籤値が適宜変更され、その変更後の通常用内部抽籤テーブルに規定された抽籤値に基づいて抽籤が行われることとなる。
このように、本実施の形態においては、RT遊技状態ごとに内部抽籤テーブルそのものを規定することなく、抽籤値の変更が必要な部分のみを通常用抽籤値変更テーブルとして規定することとしているため、メインROM52の記憶領域に記憶される情報量を削減することができる。なお、RT0遊技状態(RT0)〜RT3遊技状態(RT3)の当籤番号「1」〜「5」の抽籤値は、図11に示した値に限定されない。例えば、RT0遊技状態(RT0)と、RT1遊技状態(RT1)〜RT3遊技状態(RT3)の少なくとも1つの遊技状態と、の当籤番号「1」〜「5」の抽籤値を同一とし、RT0遊技状態(RT0)の当籤番号「1」〜「5」の抽籤値と同一である遊技状態に係る抽籤値変更テーブルを規定しないように構成することもできる。この場合、メインROM52の記憶領域に記憶される情報量を削減しつつも、メインCPU51によって異なるRT遊技状態であると認識可能にすることができるため、例えば、RT0遊技状態(RT0)とRT0遊技状態(RT0)の当籤番号「1」〜「5」の抽籤値と同一である遊技状態とで「ロック」の抽籤確率を異ならせたい場合であっても、メインROM52の記憶領域に記憶される情報量が不必要に増大してしまうことを防止することができる。
また、RT1遊技状態(RT1)〜RT3遊技状態(RT3)の少なくとも何れか2つの遊技状態の当籤番号「1」〜「5」の抽籤値を同一としてもよい。この場合には、当籤番号「1」〜「5」の抽籤値が同一の遊技状態で同一の抽籤値変更テーブルが選択されるように規定することができる。この場合にも、上記と同様の効果を奏することとなる。
(ボーナス用内部抽籤テーブル)
図11の(c)に示すように、ボーナス遊技状態で参照されるボーナス用内部抽籤テーブルは、ボーナス遊技状態における各当籤番号の抽籤値を規定している。なお、本実施の形態においては、ボーナス遊技状態(「BB1」〜「BB3」の何れかの作動中)は、常にRB遊技状態(RBの作動中)となっているため、ボーナス用内部抽籤テーブルは、RB遊技状態用内部抽籤テーブルと言い換えることもできる。
<小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブル>
図12の(a)に示す小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルでは、小役・リプレイ用データポインタに対して、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)を識別するためのデータが対応付けられている。
ここで、図12の(a)に示すように、1つのデータポインタに対して、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)が複数対応付けられていることによって、1回の内部抽籤処理で、複数の図柄の組合せ(入賞作動フラグ)の入賞が許可されることを可能としている。これらの内部抽籤方式は、「同時当籤」方式、「重複当籤」方式と称される。
なお、本実施の形態においては、入賞が許可される一の図柄の組合せ(入賞作動フラグ)を「内部当籤役」と定義することもできるし、1つのデータポインタに対して、入賞が許可される複数の図柄の組合せ(入賞作動フラグ)を1つのまとまりとして内部当籤役と定義することもできるが、以下においては、後者を内部当籤役と定義して説明する。
小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、小役・リプレイ用データポインタ「0」は、「ハズレ」に対応付けられている。
また、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、小役・リプレイ用データポインタ「1」は、内部当籤役として、「通常リプ」を示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「通常リプ」が対応付けられている。
また、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、小役・リプレイ用データポインタ「2」は、内部当籤役として、「通常リプ+リプレイ1+リプレイ5」を示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「通常リプ」、「リプレイ1」及び「リプレイ5」が対応付けられている。
また、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、小役・リプレイ用データポインタ「3」は、内部当籤役として、「通常リプ+リプレイ2+リプレイ5」を示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「通常リプ」、「リプレイ2」及び「リプレイ5」が対応付けられている。
また、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、小役・リプレイ用データポインタ「4」は、内部当籤役として、「通常リプ+リプレイ3+リプレイ6」を示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「通常リプ」、「リプレイ3」及び「リプレイ6」が対応付けられている。
また、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、小役・リプレイ用データポインタ「5」は、内部当籤役として、「通常リプ+リプレイ4+リプレイ6」を示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「通常リプ」、「リプレイ4」及び「リプレイ6」が対応付けられている。
また、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、小役・リプレイ用データポインタ「6」〜「13」は、内部当籤役として、「小役1」〜「小役8」をそれぞれ示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「小役1」〜「小役8」がそれぞれ対応付けられている。
また、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、小役・リプレイ用データポインタ「14」は、内部当籤役として、「小役1〜8」を示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「小役1」〜「小役8」が対応付けられている。すなわち、小役・リプレイ用データポインタ「14」は、規定されている小役に係る図柄の組合せの全ての入賞が許可されるものとなっている。
<ボーナス用内部当籤役決定テーブル>
図12の(b)に示すボーナス用内部当籤役決定テーブルでは、ボーナス用データポインタに対して、内部当籤役を識別するためのデータが対応付けられている。
ボーナス用内部当籤役決定テーブルにおいて、ボーナス用データポインタ「0」は、「ハズレ」に対応付けられている。また、ボーナス用内部当籤役決定テーブルにおいて、ボーナス用データポインタ「1」は、内部当籤役として、「BB1」を示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「BB1」が対応付けられている。
また、ボーナス用内部当籤役決定テーブルにおいて、ボーナス用データポインタ「2」は、内部当籤役として、「BB2」を示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「BB2」が対応付けられている。また、ボーナス用内部当籤役決定テーブルにおいて、ボーナス用データポインタ「3」は、内部当籤役として、「BB3」を示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「BB3」が対応付けられている。
ここで、内部当籤役「BB1」〜「BB3」は、いわゆる「持越役」であり、「BB1」〜「BB3」の何れかが内部当籤役として決定された場合には、対応する図柄の組合せが入賞するまで、その当籤が保持される。この持越役の当籤が保持されている(持ち越されている)状態は、「持越状態」や「フラグ間」と称される。一方、上述の小役やリプレイに係る内部当籤役は、その当籤した単位遊技において、対応する図柄の組合せが入賞しなかった場合には、クリアされ、次回遊技まで持ち越されることはない。
<リール停止初期設定テーブル>
図13は、本実施の形態におけるパチスロ機のリール停止初期設定テーブルを示す図である。図13に示すリール初期設定テーブルは、遊技状態ごとに、当籤番号に応じたリール停止制御情報群が対応付けられている。
リール停止制御情報群は、回転中の左リール3L、中リール3C、右リール3Rについて、停止操作タイミング及び停止操作順序に基づいて、最終的に停止させる図柄位置を決定するために用いられる各種の停止制御情報のまとまりを示すものである。
例えば、内部抽籤の結果、当籤番号「2」に当籤し、対応する小役・リプレイ用データポインタ「2」に示される内部当籤役として「通常リプ+リプレイ1+リプレイ5」が決定された場合には、「リール停止制御情報群2」が設定される。
ここで、「リール停止制御情報群2」には、後述の図15に示すように、第1停止操作が、左リール3Lに対してなされたときには、「通常リプ」や「リプレイ1」よりも「リプレイ5」が優先的に入賞することとなる停止制御情報、第1停止操作が、中リール3Cに対してなされたときには、「通常リプ」や「リプレイ5」よりも「リプレイ1」が優先的に入賞することとなる停止制御情報、及び、第1停止操作が、右リール3Rに対してなされたときには、「リプレイ1」や「リプレイ5」よりも「通常リプ」が優先的に入賞することとなる停止制御情報が含まれており、何れのリールが第1停止されるか(第1停止操作されるか)に応じて、リール停止制御情報群の中から最も適切な停止制御情報を選択し、選択された停止制御情報に応じて停止制御が行われることとなる。
なお、リール停止制御情報群に含まれる停止制御情報は、停止操作位置(すなわち、ストップボタンが操作された際に、所定位置にある図柄位置)に対する停止位置(すなわち、実際に停止する図柄位置)を直接的に定めるもの(すなわち、滑り駒数を何駒とするかを規定する情報)であってもよく、間接的に定めるもの(すなわち、最大滑り駒数の範囲内で最も適切な滑り駒数を検索するため条件を規定する情報)であってもよい。
また、図13においては、持越状態(フラグ間)である場合のリール停止制御情報群については記載を省略しているが、持越状態(フラグ間)である場合には、専用のリール停止制御情報群が設定されることとしてもよく、「ハズレ」(小役・リプレイ用データポインタが「0」)の場合にのみ、リール停止制御情報群0に替えて、持ち越されているボーナスの種類(BB1〜3のいずれか)に応じた持越状態(フラグ間)用のリール停止制御情報群が設定されることとしてよい。本実施の形態においては、ボーナスとリプレイが重複当籤した場合、リプレイが優先的に入賞するように構成されていると共に、ボーナスと小役が重複当籤した場合、小役が優先的に入賞するように構成されているため、このように構成しても遊技者が特段の不利益を被ることはない。
<ART抽籤使用テーブル抽籤テーブル>
図14の(a)に示すように、ART抽籤使用テーブル抽籤テーブルは、設定値(設定値1〜6)に応じて、後述の高確率用のART抽籤テーブルを使用するか、又は後述の低確率用のART抽籤テーブルを使用するかについての抽籤値を規定している。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各設定値に応じた抽籤値で減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行い、判定の結果が負の場合には、高確率用のART抽籤テーブルを使用することが決定され、判定の結果が正の場合には、高確率用のART抽籤テーブルを使用しない(低確率用のART抽籤テーブルを使用する)ことが決定される。
例えば、設定値が「設定値2」である場合に、抽出されたART抽籤使用テーブル抽籤テーブル用乱数値(乱数値2の一例)が「10000」であれば、「10000」から「13000」が減算され、負の値となり、高確率用のART抽籤テーブルを使用することが決定される。一方、抽出されたART抽籤使用テーブル抽籤テーブル用乱数値(乱数値2の一例)が「30000」であれば、「30000」から「13000」が減算され、正の値となり、低確率用のART抽籤テーブルを使用することが決定される。ここで、設定値が高いほど、高確率用のART抽籤テーブルを使用することが決定される確率が高くなるように構成されている。
なお、ART抽籤使用テーブル抽籤テーブルにおいて規定される要素(パラメータ)としては、設定値に限られず、他の要素を規定することもできる。例えば、内部当籤役のうちでART抽籤が行われることとなる特定の内部当籤役を複数(例えば、6種類)設け、この複数の特定の内部当籤役ごとに、同様に、抽籤値が規定されるようにしてもよい。もっとも、この場合、この複数の特定の内部当籤役については、設定値(設定値1〜6)間で当籤確率に差が生じないように構成してもよい。すなわち、ART抽籤(この場合は、高確率用のART抽籤テーブルを使用するか否かの抽籤)に用いられる特定の内部当籤役については、設定差が生じないようにして、遊技の健全性をより向上させることも可能である。
<ART抽籤テーブル>
図14の(b)に示すように、ART抽籤テーブルは、高確率用のART抽籤テーブルと低確率用のART抽籤テーブルに分けられ、それぞれ、内部抽籤により決定された当籤番号(当籤番号「1」〜「16」)に応じて、ART抽籤の抽籤値を規定している。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって、ART抽籤が行われる。
例えば、低確率用のART抽籤テーブルを使用することが決定され、当籤番号が「6」である場合に、抽出されたART抽籤テーブル用乱数値(乱数値3の一例)が「1000」であれば、「1000」から「700」が減算され、正の値となり、ART非当籤が決定される。一方、高確率用のART抽籤テーブルを使用することが決定され、当籤番号が「6」である場合に、抽出されたART抽籤テーブル用乱数値(乱数値3の一例)が「1000」であれば、「1000」から「2100」が減算され、負の値となり、ART当籤が決定される。ここで、高確率用のART抽籤テーブルでは、低確率用のART抽籤テーブルに対して、ART当籤確率が高くなるように構成されている。
なお、本実施の形態のART抽籤テーブルは、高確率用のART抽籤テーブルと低確率用のART抽籤テーブルとの2つのテーブルで構成されているが、この態様に限定されず、3つ以上のテーブルで構成されてもよい。
また、上述したように、ART抽籤(この場合は、ARTを実行するか否かの抽籤)が行われることとなる特定の内部当籤役を複数(例えば、5種類)設け、この複数の特定の内部当籤役ごとに、同様に、抽籤値が規定されるようにしてもよい。
<ART上乗せ抽籤使用テーブル抽籤テーブル>
図14の(c)に示すように、ART上乗せ抽籤使用テーブル抽籤テーブルは、設定値(設定値1〜6)に応じて、後述の高確率用のART上乗せ抽籤テーブルを使用するか、又は後述の低確率用のART上乗せ抽籤使用テーブルを使用するかについて抽籤値を規定している。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各設定値に応じた抽籤値で減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行い、判定の結果が負の場合には、高確率用のART上乗せ抽籤テーブルを使用することが決定され、判定の結果が正の場合には、高確率用のART上乗せ抽籤テーブルを使用しない(低確率用のART上乗せ抽籤テーブルを使用する)ことが決定される。
例えば、設定値が「設定値2」である場合に、抽出されたART上乗せ抽籤使用テーブル抽籤テーブル用乱数値(乱数値2の一例)が「10000」であれば、「10000」から「13000」が減算され、負の値となり、高確率用のART上乗せ抽籤テーブルを使用することが決定される。一方、抽出されたART上乗せ抽籤使用テーブル抽籤テーブル用乱数値(乱数値2の一例)が「30000」であれば、「30000」から「13000」が減算され、正の値となり、低確率用のART上乗せ抽籤テーブルを使用することが決定される。ここで、設定値が高いほど、高確率用のART上乗せ抽籤テーブルを使用することが決定される確率が高くなるように構成されている。
また、上述したように、ART抽籤(この場合は、高確率用のART上乗せ抽籤テーブルを使用するか否かの抽籤)が行われることとなる特定の内部当籤役を複数(例えば、6種類)設け、この複数の特定の内部当籤役ごとに、同様に、抽籤値が規定されるようにしてもよい。
<ART上乗せ抽籤テーブル>
図14の(d)に示すように、ART上乗せ抽籤テーブルは、低確率用のART上乗せ抽籤テーブルと高確率用のART上乗せ抽籤テーブルに分けられ、それぞれ、内部抽籤により決定された当籤番号(当籤番号「1」〜「16」)に応じて、ART上乗せ抽籤の抽籤値を規定している。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって、ART上乗せ抽籤が行われる。
例えば、低確率用のART上乗せ抽籤テーブルを使用することが決定され、当籤番号が「6」である場合に、抽出されたART上乗せ抽籤テーブル用乱数値(乱数値3の一例)が「1000」であれば、「1000」から「700」が減算され、正の値となり、ART上乗せ非当籤が決定される。一方、高確率用のART上乗せ抽籤テーブルを使用することが決定され、当籤番号が「6」である場合に、抽出されたART上乗せ抽籤テーブル用乱数値(乱数値3の一例)が「1000」であれば、「1000」から「2100」が減算され、負の値となり、ART上乗せ当籤が決定される。ここで、高確率用のART上乗せ抽籤テーブルは、低確率用のART上乗せ抽籤テーブルに比べて、ART上乗せ当籤確率が高くなるように構成されている。
なお、本実施の形態のART上乗せ抽籤テーブルは、高確率用のART上乗せ抽籤テーブルと低確率用のART上乗せ抽籤テーブルとの2つのテーブルで構成されているが、この態様に限定されず、3つ以上のテーブルで構成されてもよい。
また、上述したように、ART抽籤(この場合は、ART上乗せを実行するか否かの抽籤)が行われることとなる特定の内部当籤役を複数(例えば、5種類)設け、この複数の特定の内部当籤役ごとに、同様に、抽籤値が規定されるようにしてもよい。
<ART上乗せ当籤時ロック抽籤テーブル>
図14の(e)に示すように、ART上乗せ当籤時ロック抽籤テーブルは、ART上乗せ当籤時における各ロック(「ロック1」〜「ロック3」)の抽籤値を規定している。
例えば、「ロック1」は、ロック制御手段がロック実行手段を駆動する時間を5秒(遊技の進行が停止される時間が5秒)とし、「ロック2」は、ロック制御手段がロック実行手段を駆動する時間を10秒(遊技の進行が停止される時間が10秒)とし、「ロック3」は、ロック制御手段がロック実行手段を駆動する時間を15秒(遊技の進行が停止される時間が15秒)とする。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜255」から抽出される乱数値を、抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって、何れのロックを行うかの抽籤が行われる。
例えば、抽出されたART上乗せ当籤時ロック抽籤テーブル用乱数値(乱数値4の一例)が「15」であれば、「15」から「32」が減算され、負の値となり、「ロック3」のロックを行うことが決定される。一方、ART上乗せ当籤時ロック抽籤テーブル用乱数値(乱数値4の一例)が「50」であれば、「50」から「32」が減算され、さらに減算後のART上乗せ当籤時ロック抽籤テーブル用乱数値「18」から「96」が減算され、負の値となり、「ロック2」のロックを行うことが決定される。また、ART上乗せ当籤時ロック抽籤テーブル用乱数値(乱数値4の一例)が「200」であれば、「200」から「32」が減算され、減算後のART上乗せ当籤時ロック抽籤テーブル用乱数値「168」から「96」が減算され、さらに減算後のART上乗せ当籤時ロック抽籤テーブル用乱数値「72」から「128」が減算され、負の値となり、「ロック1」のロックを行うことが決定される。
<ART上乗せ当籤時リール演出抽籤テーブル>
図14の(f)に示すように、ART上乗せ当籤時リール演出抽籤テーブルは、ART上乗せ当籤時における各リール演出(「なし」、「リール演出1」及び「リール演出2」)の抽籤値を規定している。
例えば、「なし」は、リール演出を実行しないこととし、「リール演出1」は、全リール3L、3C、3Rがリールの回転方向と逆に1回転することとし、「リール演出2」は、全リール3L、3C、3Rがリールの回転方向と逆に2回転することとする。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜255」から抽出される乱数値を、抽籤値で減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって、何れのリール演出を行うかの抽籤が行われる。
例えば、抽出されたART上乗せ当籤時リール演出抽籤テーブル用乱数値(乱数値5の一例)が「15」であれば、「15」から「32」が減算され、負の値となり、「リール演出2」のリール演出を行うことが決定される。一方、ART上乗せ当籤時リール演出抽籤テーブル用乱数値(乱数値5の一例)が「50」であれば、「50」から「32」が減算され、さらに減算後のART上乗せ当籤時リール演出抽籤テーブル用乱数値「18」から「96」が減算され、負の値となり、「リール演出1」のリール演出を行うことが決定される。また、ART上乗せ当籤時リール演出抽籤テーブル用乱数値(乱数値5の一例)が「200」であれば、「200」から「32」が減算され、減算後のART上乗せ当籤時リール演出抽籤テーブル用乱数値「168」から「96」が減算され、さらに減算後のART上乗せ当籤時リール演出抽籤テーブル用乱数値「72」から「128」が減算され、負の値となり、リール演出を行わないことが決定される。
<ART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル>
図14の(g)に示すように、ART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブルは、ロックの種類とリール演出の種類との組合せに基づいて、上乗せARTゲーム数(「10」、「20」、「50」及び「100」)の抽籤値を規定している。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜255」から抽出される乱数値を、抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって、ARTの上乗せゲーム数の抽籤が行われる。
例えば、「ロック1」のロックを行うことが決定され、「リール演出1」のリール演出を行うことが決定された場合に、抽出されたART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値(乱数値6の一例)が「2」であれば、「2」から「4」が減算され、負の値となり、上乗せARTゲーム数が「100」に決定される。一方、「ロック1」のロックを行うことが決定され、「リール演出1」のリール演出を行うことが決定された場合に、抽出されたART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値(乱数値6の一例)が「5」であれば、「5」から「4」が減算され、さらに減算後のART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値「1」から「4」が減算され、負の値となり、上乗せARTゲーム数が「50」に決定される。また、「ロック1」のロックを行うことが決定され、「リール演出1」のリール演出を行うことが決定された場合に、抽出されたART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値(乱数値6の一例)が「10」であれば、「10」から「4」が減算され、減算後のART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値「6」から「4」が減算され、さらに減算後のART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値「2」から「4」が減算され、負の値となり、上乗せARTゲーム数が「20」に決定される。また、「ロック1」のロックを行うことが決定され、「リール演出1」のリール演出を行うことが決定された場合に、抽出されたART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値(乱数値6の一例)が「100」であれば、「100」から「4」が減算され、減算後のART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値「96」から「4」が減算され、減算後のART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値「92」から「4」が減算され、さらに減算後のART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値「88」から「244」が減算され、負の値となり、上乗せARTゲーム数が「10」に決定される。ここで、低確率のロックであるほど、ゲーム数が多い上乗せARTゲーム数に当籤する確率が高く、低確率のリール演出であるほど、ゲーム数が多い上乗せARTゲーム数に当籤する確率が高くなるように構成されている。
[内部当籤役と停止操作順序等との対応関係]
次に、図15を参照して、パチスロ機1における内部当籤役と停止操作順序等との対応関係について説明する。なお、本実施の形態においては、一例として、停止操作順序が3択(第1停止操作が、左リール3L、中リール3C、又は右リール3Rの何れであるか)の場合について説明するが、これに限られるものではなく、最大6択(第1停止操作が、左リール3L、中リール3C、又は右リール3Rの何れであるか、及び、第2停止操作が、第1停止操作で停止操作されたリールを除く、何れのリールについてされたか)の範囲内で適宜設定することができる。
図13に示したように、内部抽籤の結果、当籤番号「1」に当籤し、対応する小役・リプレイ用データポインタ「1」に示される内部当籤役として「通常リプ」が決定された場合には、「リール停止制御情報群1」が設定される。そして、図15に示すように、「リール停止制御情報群1」に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールが何れのリールであっても、「通常リプ」が入賞することとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、当籤番号「2」に当籤し、対応する小役・リプレイ用データポインタ「2」に示される内部当籤役として「通常リプ+リプレイ1+リプレイ5」が決定された場合には、「リール停止制御情報群2」が設定される。そして、図15に示すように、「リール停止制御情報群2」に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールが左リール3Lである場合には、「リプレイ5」が入賞し、第1停止リールが中リール3Cである場合には、「リプレイ1」が入賞し、第1停止リールが右リール3Rである場合には、「通常リプ」が入賞することとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、当籤番号「3」に当籤し、対応する小役・リプレイ用データポインタ「3」に示される内部当籤役として「通常リプ+リプレイ2+リプレイ5」が決定された場合には、「リール停止制御情報群3」が設定される。そして、図15に示すように、「リール停止制御情報群3」に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールが左リール3Lである場合には、「リプレイ5」が入賞し、第1停止リールが中リール3Cである場合には、「通常リプ」が入賞し、第1停止リールが右リール3Rである場合には、「リプレイ2」が入賞することとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、当籤番号「4」に当籤し、対応する小役・リプレイ用データポインタ「4」に示される内部当籤役として「通常リプ+リプレイ3+リプレイ6」が決定された場合には、「リール停止制御情報群4」が設定される。そして、図15に示すように、「リール停止制御情報群4」に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールが左リール3Lである場合には、「リプレイ6」が入賞し、第1停止リールが中リール3Cである場合には、「リプレイ3」が入賞し、第1停止リールが右リール3Rである場合には、「通常リプ」が入賞することとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、当籤番号「5」に当籤し、対応する小役・リプレイ用データポインタ「5」に示される内部当籤役として「通常リプ+リプレイ4+リプレイ6」が決定された場合には、「リール停止制御情報群5」が設定される。そして、図15に示すように、「リール停止制御情報群5」に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールが左リール3Lである場合には、「リプレイ6」が入賞し、第1停止リールが中リール3Cである場合には、「通常リプ」が入賞し、第1停止リールが右リール3Rである場合には、「リプレイ4」が入賞することとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、当籤番号「6」に当籤し、対応する小役・リプレイ用データポインタ「6」に示される内部当籤役として「小役1」が決定された場合には、「リール停止制御情報群6」が設定される。そして、図15に示すように、「リール停止制御情報群6」に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールが何れのリールであっても、「小役1」が入賞することとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、当籤番号「7」に当籤し、対応する小役・リプレイ用データポインタ「7」に示される内部当籤役として「小役2」が決定された場合には、「リール停止制御情報群7」が設定される。そして、図15に示すように、「リール停止制御情報群7」に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールが何れのリールであっても、中リール3Cにおいて、図柄「赤7」の正解位置で停止操作が行われた場合には、「小役2」が入賞することとなる。一方、中リール3Cにおいて、図柄「赤7」の正解位置で停止操作が行われなかった場合(すなわち、「小役2」のとりこぼしが発生した場合)には、「RT0移行図柄1」が表示されることとなる。
なお、正解位置は、最大滑り駒数の範囲内で、有効ライン上に入賞に係る図柄の組合せを構成する図柄を表示させることができる停止操作位置を意味する。例えば、最大滑り駒数が4駒(4図柄分)であり、中リール3Cの中段領域が入賞ラインを構成する図柄表示領域である場合、中リール3Cの図柄位置データ「17」、「18」、「19」、「20」及び「0」が、中リール3Cの中段領域を基準とする図柄「赤7」を表示させることができる正解位置となる。中リール3Cにおける図柄「青7」、図柄「黄7」の正解位置、及び右リール3Rにおける図柄「赤7」、図柄「青7」、図柄「黄7」の正解位置についても同様である。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、当籤番号「8」に当籤し、対応する小役・リプレイ用データポインタ「8」に示される内部当籤役として「小役3」が決定された場合には、「リール停止制御情報群8」が設定される。そして、図15に示すように、「リール停止制御情報群8」に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールが何れのリールであっても、中リール3Cにおいて、図柄「青7」の正解位置で停止操作が行われた場合には、「小役3」が入賞することとなる。一方、中リール3Cにおいて、図柄「青7」の正解位置で停止操作が行われなかった場合(すなわち、「小役3」のとりこぼしが発生した場合)には、「RT0移行図柄1」が表示されることとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、当籤番号「9」に当籤し、対応する小役・リプレイ用データポインタ「9」に示される内部当籤役として「小役4」が決定された場合には、「リール停止制御情報群9」が設定される。そして、図15に示すように、「リール停止制御情報群9」に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールが何れのリールであっても、中リール3Cにおいて、図柄「黄7」の正解位置で停止操作が行われた場合には、「小役4」が入賞することとなる。一方、中リール3Cにおいて、図柄「黄7」の正解位置で停止操作が行われなかった場合(すなわち、「小役4」のとりこぼしが発生した場合)には、「RT0移行図柄1」が表示されることとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、当籤番号「10」に当籤し、対応する小役・リプレイ用データポインタ「10」に示される内部当籤役として「小役5」が決定された場合には、「リール停止制御情報群10」が設定される。そして、図15に示すように、「リール停止制御情報群10」に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールが何れのリールであっても、右リール3Rにおいて、図柄「赤7」の正解位置で停止操作が行われた場合には、「小役5」が入賞することとなる。一方、右リール3Rにおいて、図柄「赤7」の正解位置で停止操作が行われなかった場合(すなわち、「小役5」のとりこぼしが発生した場合)には、「RT0移行図柄2」が表示されることとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、当籤番号「11」に当籤し、対応する小役・リプレイ用データポインタ「11」に示される内部当籤役として「小役6」が決定された場合には、「リール停止制御情報群11」が設定される。そして、図15に示すように、「リール停止制御情報群11」に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールが何れのリールであっても、右リール3Rにおいて、図柄「青7」の正解位置で停止操作が行われた場合には、「小役6」が入賞することとなる。一方、右リール3Rにおいて、図柄「青7」の正解位置で停止操作が行われなかった場合(すなわち、「小役6」のとりこぼしが発生した場合)には、「RT0移行図柄2」が表示されることとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、当籤番号「12」に当籤し、対応する小役・リプレイ用データポインタ「12」に示される内部当籤役として「小役7」が決定された場合には、「リール停止制御情報群12」が設定される。そして、図15に示すように、「リール停止制御情報群12」に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールが何れのリールであっても、右リール3Rにおいて、図柄「黄7」の正解位置で停止操作が行われた場合には、「小役7」が入賞することとなる。一方、右リール3Rにおいて、図柄「黄7」の正解位置で停止操作が行われなかった場合(すなわち、「小役7」のとりこぼしが発生した場合)には、「RT0移行図柄2」が表示されることとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、当籤番号「13」に当籤し、対応する小役・リプレイ用データポインタ「13」に示される内部当籤役として「小役8」が決定された場合には、「リール停止制御情報群13」が設定される。そして、図15に示すように、「リール停止制御情報群13」に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールが何れのリールであっても、「小役8」が入賞することとなる。なお、内部抽籤の結果、当籤番号「14」〜「16」に当籤した場合にも、対応する小役・リプレイ用データポインタ「13」に示される内部当籤役として「小役8」が決定されるが、上述のとおり、「BB1」〜「BB3」よりも「小役8」が優先的に入賞するように停止制御が行われるため、この場合にも、「小役8」に単独当籤したときと同様の停止制御が行われることとなる。
なお、本実施の形態においては、当籤番号「2」〜「5」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「2」〜「5」に示される「通常リプ」及び「リプレイ1」〜「リプレイ6」に係る内部当籤役について、停止操作順序によって入賞役が異なるように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、何れかのリールにおいて、正解位置で停止操作が行われたか否かに基づいて、入賞役を異ならせることとしてもよい。
また、本実施の形態においては、当籤番号「7」〜「12」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「7」〜「12」に示される「小役2」〜「小役7」に係る内部当籤役について、予め定められたリールにおいて、正解位置で停止操作が行われたか否かに基づいて、入賞役が異なるように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、停止操作順序によって入賞役を異ならせることとしてもよい。
すなわち、特定の役について、停止操作の手順(停止操作順序や停止操作タイミング)に応じて入賞(表示)させる図柄の組合せを異ならせ、その停止操作の手順の報知の有無によって遊技者に付与される利益を異ならせることができる全ての手法は、本発明に適用することができるものとする。
[RT遊技状態の遷移]
次に、図16を参照して、パチスロ機1におけるRT遊技状態の遷移について説明する。図16の(a)は、本実施の形態におけるパチスロ機1のRT遊技状態の遷移フローを示す図であり、図16の(b)は、本実施の形態におけるパチスロ機1のRT遊技状態の移行条件を示す図である。なお、本実施の形態においては、一例として、4個のRT遊技状態(RT0遊技状態(RT0)〜RT3遊技状態(RT3))がある場合について説明するが、これに限られるものではない。
図16に示すように、RT0遊技状態(RT0)からRT1遊技状態(RT1)へは、「リプレイ1」又は「リプレイ2」の入賞(移行条件1の成立)によって移行し、RT1遊技状態(RT1)からRT2遊技状態(RT2)へは、「リプレイ3」又は「リプレイ4」の入賞(移行条件2の成立)によって移行する。ここで、図11に示したように、RT0遊技状態(RT0)は、相対的にリプレイに係る内部当籤役の当籤確率が低く、RT2遊技状態(RT2)は、相対的にリプレイに係る内部当籤役が高い。すなわち、RT0遊技状態(RT0)は、遊技者にとって不利なRT遊技状態であり、RT2遊技状態(RT2)は、遊技者にとって有利なRT遊技状態である。
また、RT1遊技状態(RT1)は、RT0遊技状態(RT0)よりもリプレイに係る内部当籤役の当籤確率は高いが、RT2遊技状態(RT2)よりもリプレイに係る内部当籤役の当籤確率は低い。その意味で、RT1遊技状態(RT1)は、遊技者にとって依然不利なRT遊技状態であるとも言えるが、当籤番号「4」又は「5」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「4」又は「5」に示される「リプレイ3」又は「リプレイ4」を含む内部当籤役が抽籤される状態である(図11参照)ことから、RT2遊技状態(RT2)の準備状態であるとも言え、遊技者にとって有利なRT遊技状態である。
また、図16に示すように、「リプレイ5」若しくは「リプレイ6」が入賞、又は「RT0移行図柄1」若しくは「RT0移行図柄2」が表示される(移行条件3が成立する)と、RT1遊技状態(RT1)又はRT2遊技状態(RT2)からRT0遊技状態(RT0)に移行する。すなわち、遊技者にとって有利なRT1遊技状態(RT1)又はRT2遊技状態(RT2)にある場合であっても、「リプレイ5」若しくは「リプレイ6」に入賞した場合、又は「小役2」〜「小役7」をとりこぼした場合(図15参照)には、遊技者にとって不利なRT遊技状態(RT0)に移行(転落)することとなる。
また、図16に示すように、ボーナス(「BB1」〜「BB3」のいずれか)が内部当籤役として決定する(移行条件4が成立する)と、RT0遊技状態(RT0)、RT1遊技状態(RT1)、又はRT2遊技状態(RT2)から、RT3遊技状態(RT3)に移行する。
また、図16に示すように、ボーナス(「BB1」〜「BB3」のいずれか)が入賞する(移行条件5が成立する)と、RT3遊技状態(RT3)からボーナス遊技状態(「BB1」〜「BB3」のいずれかの作動)に移行する。
また、図16に示すように、ボーナス遊技状態(「BB1」〜「BB3」のいずれかの作動)が終了する(移行条件6が成立する)と、RT0へ移行する。また、図示は省略するが、設定値が変更されると、RT0へ移行する。その意味で、RT0は、初期RT遊技状態であるとも言える。
[パチスロ機の遊技の流れ]
次に、図17を参照して、パチスロ機1の遊技の流れについて説明する。図17は、本実施の形態におけるパチスロ機の遊技の流れを示す概要図である。
まず、本実施の形態に係るパチスロ機1においては、遊技者が遊技を行う状態として、ボーナス遊技状態(ボーナス中)とボーナス遊技状態以外の遊技状態である非ボーナス遊技状態がある。非ボーナス遊技状態は、上述したように、RT0遊技状態(RT0)と、RT1遊技状態(RT1)と、RT2遊技状態(RT2)と、RT3遊技状態(RT3)とに大別される。さらに、本実施の形態では、非ボーナス遊技状態は、遊技者にとって有利なRT2遊技状態(RT2)を維持する内部当籤役を入賞させるための停止操作の順序を報知するART中(有利遊技状態)と、ART中よりも相対的に不利な非ボーナス遊技状態である通常中(通常遊技状態)と、通常中からART中に移行するための準備状態であるART準備中に大別される。これらの遊技状態は、主制御回路41によって制御されている。
また、通常中は、ARTに当籤していない状態(ART非当籤中)と、ARTに当籤している状態(ART当籤中)に区別することができる。
遊技者は、パチスロ機1において遊技を行う場合、通常は、通常中のART非当籤中から遊技を開始し、このART非当籤中において、ARTに当籤した場合には、停止操作の手順が報知され、ART準備中に移行し、ART準備中に移行すると、停止操作の手順が報知され、ART中に移行することとなる。
具体的には、通常中のRT0遊技状態(RT0)で、ARTに当籤し、ART当籤中であるときに、当籤番号「2」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「2」に示される「通常リプ+リプレイ1+リプレイ5」に係る内部当籤役が決定されると、「リプレイ1」が入賞することとなる停止操作順序(中リール3Cを第1停止操作すべき旨)が報知され、当籤番号「3」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「3」に示される「通常リプ+リプレイ2+リプレイ5」に係る内部当籤役が決定されると、「リプレイ2」が入賞することとなる停止操作順序(右リール3Rを第1停止操作すべき旨)が報知される。「リプレイ1」又は「リプレイ2」に入賞すると、通常中からART準備中に移行すると共に、RT0遊技状態(RT0)からRT1遊技状態(RT1)に移行し、当籤番号「4」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「4」に示される「通常リプ+リプレイ3+リプレイ6」に係る内部当籤役が決定されると、「リプレイ3」が入賞することとなる停止操作順序(中リール3Cを第1停止操作すべき旨)が報知され、当籤番号「5」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「5」に示される「通常リプ+リプレイ4+リプレイ6」に係る内部当籤役が決定されると、「リプレイ4」が入賞することとなる停止操作順序(右リール3Rを第1停止操作すべき旨)が報知される。「リプレイ3」又は「リプレイ4」に入賞すると、ART準備中からART中に移行すると共に、RT1遊技状態(RT1)からRT2遊技状態(RT2)に移行する。
ARTは、ART準備中において、「リプレイ3」又は「リプレイ4」に入賞すると開始し(すなわち、ART中となり)、所定のARTゲーム数(例えば、50ゲーム)を消化すると終了する。ARTの終了後には、停止操作順序が報知されず、「リプレイ5」若しくは「リプレイ6」の入賞、又は「RT0移行図柄1」若しくは「RT0移行図柄2」の表示により、ART中から通常中に移行すると共に、RT2遊技状態(RT2)からRT0遊技状態(RT0)に移行する。
ここで、ART中は、リプレイに係る内部当籤役が決定された場合に、RT0遊技状態(RT0)に移行(転落)しない(「リプレイ5」又は「リプレイ6」が入賞しない)ように停止操作の手順(停止操作順序)が報知されると共に、小役に係る内部当籤役が決定された場合に、RT0遊技状態(RT0)に移行(転落)しない(「RT0移行図柄1」又は「RT0移行図柄2」が表示されない)ように停止操作の手順(目押しすべき図柄の種類)が報知される。その結果、ART中は、リプレイタイム(RT2遊技状態(RT2))の作動が維持されると共に、小役(特に、小役2〜7)の入賞確率が飛躍的に向上することとなるため、遊技者はより多くのメダルの払出をうけることができる。このように、ARTは、遊技者にとって有利な有利遊技状態を構成する。
また、通常中において、ボーナス(「BB1」〜「BB3」のいずれか)が内部当籤役として決定され、その当籤しているボーナスに入賞すると、ボーナス遊技状態(「BB1」〜「BB3」のいずれかの作動)に移行し、ボーナス遊技状態(「BB1」〜「BB3」のいずれかの作動)が終了すると、通常中に移行する。
一方、ART準備中又はART中において、ボーナス(「BB1」〜「BB3」のいずれか)が内部当籤役として決定され、その当籤しているボーナスに入賞すると、ボーナス遊技状態(「BB1」〜「BB3」のいずれかの作動)に移行し、ボーナス遊技状態(「BB1」〜「BB3」のいずれかの作動)が終了すると、ART準備中に移行し、ボーナス(「BB1」〜「BB3」のいずれか)が内部当籤役として決定されたときの状態に復帰させるように、停止操作の手順が報知されることとしている。
具体的には、ART中に、ボーナス(「BB1」〜「BB3」のいずれか)が内部当籤役として決定され、そのボーナスに係るボーナス遊技状態が終了した場合、ボーナス遊技状態からART準備中に移行すると共に、RT0遊技状態(RT0)に移行する。そして、当籤番号「2」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「2」に示される「通常リプ+リプレイ1+リプレイ5」に係る内部当籤役が決定されると、「リプレイ1」が入賞することとなる停止操作順序(中リール3Cを第1停止操作すべき旨)を報知し、当籤番号「3」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「3」に示される「通常リプ+リプレイ2+リプレイ5」に係る内部当籤役が決定されると、「リプレイ2」が入賞することとなる停止操作順序(右リール3Rを第1停止操作すべき旨)を報知する。「リプレイ1」又は「リプレイ2」に入賞すると、RT0遊技状態(RT0)からRT1遊技状態(RT1)に移行し、当籤番号「4」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「4」に示される「通常リプ+リプレイ3+リプレイ6」に係る内部当籤役が決定されると、「リプレイ3」が入賞することとなる停止操作順序(中リール3Cを第1停止操作すべき旨)が報知され、当籤番号「5」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「5」に示される「通常リプ+リプレイ4+リプレイ6」に係る内部当籤役が決定されると、「リプレイ4」が入賞することとなる停止操作順序(右リール3Rを第1停止操作すべき旨)が報知される。「リプレイ3」又は「リプレイ4」に入賞すると、ART準備中からART中に移行すると共に、RT1遊技状態(RT1)からRT2遊技状態(RT2)に移行し、ART中に復帰させる。
また、ART準備中に、ボーナス(「BB1」〜「BB3」のいずれか)が内部当籤役として決定され、そのボーナスに係るボーナス遊技状態が終了した場合、ボーナス遊技状態からART準備中に移行すると共に、RT0遊技状態(RT0)に移行する。そして、当籤番号「2」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「2」に示される「通常リプ+リプレイ1+リプレイ5」に係る内部当籤役が決定されると、「リプレイ1」が入賞することとなる停止操作順序(中リール3Cを第1停止操作すべき旨)を報知し、当籤番号「3」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「3」に示される「通常リプ+リプレイ2+リプレイ5」に係る内部当籤役が決定されると、「リプレイ2」が入賞することとなる停止操作順序(右リール3Rを第1停止操作すべき旨)を報知する。「リプレイ1」又は「リプレイ2」に入賞すると、RT0遊技状態(RT0)からRT1遊技状態(RT1)に移行し、ART準備中に復帰させる。
なお、ボーナス遊技状態が終了した場合の、遊技を行う状態を復帰させる態様については、これに限られるものではない。例えば、ARTについて、ART当籤中、ART準備中、又はART中の何れかの状態において、ボーナス(「BB1」〜「BB3」のいずれか)が内部当籤役として決定され、そのボーナスに係るボーナス遊技状態が終了した場合、一律にART当籤中をセットすることとしてもよい。
また、ART中において、ボーナス(「BB1」〜「BB3」のいずれか)が内部当籤役として決定され、再度、ART中に復帰させる場合、ARTゲーム数は、そのまま復帰させることとしてもよく、新たに50ゲームをセットすることとしてもよく、ボーナス(「BB1」〜「BB3」のいずれか)が内部当籤役として決定されたときのARTゲーム数に、50ゲームを加算して復帰させることとしてもよい。
[主制御処理]
次に、図18〜図21を参照して、主制御回路41のメインCPU51により実行される各種処理について説明する。図18は、本実施の形態におけるパチスロ機のメイン制御処理を示すフローチャートである。このメイン制御処理は、パチスロ機1に電源が投入されたときに開始される。
<メイン制御処理>
最初に、パチスロ機1に電源が投入されると、メインCPU51は、電源投入時処理を実行する(S10)。この電源投入時処理では、バックアップが正常であるか、設定変更(すなわち、設定値を変更・確定させる設定処理)が適切に行われたか等が判断され、判断結果に応じた初期化処理が実行される。
次に、メインCPU51は、一遊技(1回の単位遊技)終了時の初期化処理を実行する(S11)。この初期化処理では、例えば、一遊技終了時に初期化するように予め指定された格納領域が初期化される。この初期化処理によって、メインRAM53に格納された持越役以外の内部当籤役に係る情報等がクリアされる。
次に、メインCPU51は、メダル受付・スタートチェック処理を実行する(S12)。このメダル受付・スタートチェック処理では、遊技者により投入されたメダルを検出する処理、遊技を開始するために必要な枚数のメダルが投入されたか(再遊技を含む)を判断する処理、及び開始操作を検出する処理が実行される。
次に、メインCPU51は、必要な乱数値を抽出し、メインRAM53に割り当てられた乱数値格納領域に格納する(S13)。ここで、乱数値は、内部抽籤処理のために使用される値(乱数値1)と、ART関連処理のために使用される値(乱数値2〜6)等がある。
次に、メインCPU51は、内部抽籤処理を実行する(S14)。この内部抽籤処理では、内部抽籤テーブル等(図11参照)や内部当籤役決定テーブル(図12参照)を用いて、内部当籤役が決定される。
次に、メインCPU51は、ART関連処理を実行する(S15)。このART関連処理では、ART抽籤使用テーブル抽籤テーブル及びART抽籤テーブルを用いて、ARTに当籤したか否かを決定(ART抽籤処理を実行)し、ART上乗せ抽籤使用テーブル抽籤テーブル及びART上乗せ抽籤テーブルを用いて、ART上乗せに当籤したか否かを決定(ART上乗せ抽籤処理を実行)し、ART上乗せ当籤時ロック抽籤テーブル、ART上乗せ当籤時リール演出抽籤テーブル及びART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブルを用いて、ART上乗せ当籤時のART上乗せゲーム数を決定(ART上乗せゲーム数抽籤処理を実行)する。ART関連処理については後述する。
次に、メインCPU51は、リール停止初期設定処理を実行する(S16)。このリール停止初期設定処理では、リール停止初期設定テーブル(図13参照)を用いて、リール停止制御情報群が決定される。すなわち、内部抽籤処理の結果(内部当籤役)に基づいて、各リールの停止制御情報がメインRAM53に格納される。
次に、メインCPU51は、主制御回路41から副制御回路42へ送信するスタートコマンドを生成・格納する(S17)。この処理では、メインCPU51は、スタートコマンドをメインRAM53の通信データ格納領域に格納する。スタートコマンドは、遊技状態、内部当籤役等の情報や、ART関連処理により決定された情報を含み、後述する割込処理のコマンド送信処理において副制御回路42に送信される。これにより、副制御回路42は、開始操作に応じて演出を行うことができる。
次に、メインCPU51は、ウェイト処理を実行する(S18)。このウェイト処理では、前回の遊技開始(前回の単位遊技の開始)から所定時間を経過しているか否かが判断され、所定時間を経過していないと判断された場合には、所定時間を経過するまで待機する待ち時間が消化される。このウェイト処理における所定時間、すなわちウェイト時間は、例えば、前回の単位遊技の開始から4.1秒に設定される。
次に、メインCPU51は、メイン側演出実行処理を実行する(S19)。このメイン側演出実行処理によって、S15のART関連処理で決定されたロックの種類とリール演出の種類に応じて、ロック及びリール演出等が実行される。
次に、メインCPU51は、全てのリール3L、3C、3Rを回転させるリール回転開始処理を実行する(S20)。このリール回転開始処理では、各リールの回転開始要求が行われる。
次に、メインCPU51は、リール停止制御処理を実行する(S21)。このリール停止制御処理では、停止操作を検出する処理、及び停止制御情報に基づく各リールの停止制御を行う処理が実行されると共に、各リールの回転停止要求が行われる。
次に、メインCPU51は、入賞検索処理を実行する(S22)。この入賞検索処理では、全てのリール3L、3C、3Rが停止した後に、有効ラインに表示された図柄の組合せと図柄組合せテーブル(図10参照)とが照合されて、有効ラインに表示された図柄の組合せが識別される。
次に、メインCPU51は、入賞検索処理の結果に基づいて、払い出すべきメダル(払出枚数)の払い出しを行うメダル払出処理を実行する(S23)。このメダル払出処理では、払出枚数に基づいて、ホッパー駆動回路65の制御やクレジット枚数の更新が行われる。
次に、メインCPU51は、遊技状態制御処理を実行する(S24)。この遊技状態制御処理では、ボーナス遊技状態の開始及び終了を制御する処理、RT遊技状態の移行を制御する処理、及び再遊技の作動を制御する処理が実行される。
具体的には、ボーナス(「BB1」〜「BB3」)に入賞したことに基づいて、ボーナス遊技状態を開始させると共に、ボーナス遊技状態の終了条件である払出枚数の上限値(例えば、300枚)をセットする。また、ボーナス遊技状態中は常にRB遊技状態となるように制御する。また、ボーナス遊技状態において、払出枚数の上限値を超える枚数のメダルの払い出しが行われた場合には、ボーナス遊技状態を終了させると共に、RB遊技状態を終了させる。
また、図16に示したRT遊技状態の移行条件が成立した場合には、移行条件に応じたRT遊技状態に移行させる制御を実行する。また、リプレイに入賞した場合には、次回の遊技において再遊技を作動させる制御を実行する。遊技状態制御処理については後述する。
<ART関連処理>
図19は、本実施の形態におけるパチスロ機のART関連処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU51は、ボーナス遊技状態(ボーナス中)であるか否かを判定する(S30)。S30において、メインCPU51が、ボーナス遊技状態(ボーナス中)であると判定した場合、ART関連処理を終了し、図18のS16に戻る。一方、S30において、メインCPU51が、ボーナス遊技状態(ボーナス中)ではないと判定した場合、メインCPU51は、ART中であるか否かを判定する(S31)。
S31において、メインCPU51が、ART中であると判定した場合、メインCPU51は、内部当籤役に応じてART中指示情報をメインRAM53に格納する(S32)。
ここで、ART中指示情報は、当籤番号「2」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「2」に示される「通常リプ+リプレイ1+リプレイ5」に係る内部当籤役が決定された場合に、「リプレイ5」が表示されない停止操作の順序の情報であり、当籤番号「3」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「3」に示される「通常リプ+リプレイ2+リプレイ5」に係る内部当籤役が決定された場合に、「リプレイ5」が表示されない停止操作の順序の情報であり、当籤番号「4」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「4」に示される「通常リプ+リプレイ3+リプレイ6」に係る内部当籤役が決定された場合に、「リプレイ6」が表示されない停止操作の順序の情報であり、当籤番号「5」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「5」に示される「通常リプ+リプレイ4+リプレイ6」に係る内部当籤役が決定された場合に、「リプレイ6」が表示されない停止操作の順序の情報であり、当籤番号「7」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「7」に係る内部当籤役が決定された場合に、中リール3Cに「赤7」を狙えという情報であり、当籤番号「8」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「8」に係る内部当籤役が決定された場合に、中リール3Cに「青7」を狙えという情報であり、当籤番号「9」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「9」に係る内部当籤役が決定された場合に、中リール3Cに「黄7」を狙えという情報であり、当籤番号「10」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「10」に係る内部当籤役が決定された場合に、右リール3Rに「赤7」を狙えという情報であり、当籤番号「11」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「11」に係る内部当籤役が決定された場合に、右リール3Rに「青7」を狙えという情報であり、当籤番号「12」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「12」に係る内部当籤役が決定された場合に、右リール3Rに「黄7」を狙えという情報である。
次に、メインCPU51は、ART上乗せ抽籤使用テーブル抽籤テーブルを参照し、ART上乗せ抽籤使用テーブル抽籤テーブル用乱数値(乱数値2の一例)と設定値とに基づいて、低確率用のART上乗せ抽籤テーブル又は高確率用のART上乗せ抽籤テーブルの何れを使用するかを決定する(S33)。次に、メインCPU51は、ART上乗せ抽籤テーブルを参照し、ART上乗せ抽籤テーブル用乱数値(乱数値3の一例)と、使用するART上乗せ抽籤テーブルと、内部当籤役(当籤番号)とに基づいて、ARTの上乗せを抽籤し(S34)、メインCPU51は、ARTの上乗せに当籤したか否かを判定する(S35)。
S35において、メインCPU51が、ARTの上乗せに当籤すると判定した場合、メインCPU51は、ART上乗せ当籤時ロック抽籤テーブルを参照し、ART上乗せ当籤時ロック抽籤テーブル用乱数値(乱数値4の一例)に基づいて、ロックの内容を決定する(S36)。次に、メインCPU51は、ART上乗せ当籤時リール演出抽籤テーブルを参照し、ART上乗せ当籤時リール演出抽籤テーブル用乱数値(乱数値5の一例)に基づいて、リール演出の内容を決定する(S37)。次に、メインCPU51は、ART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブルを参照し、ART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値(乱数値6の一例)と、S36で決定されたロックの内容と、S37で決定されたリール演出の内容と、に基づいて、上乗せされるARTゲーム数を決定し、決定された上乗せされるARTゲーム数をARTゲーム数カウンタに加算し(S38)、S39に進む。
一方、S35において、メインCPU51が、ARTの上乗せに当籤しないと判定した場合には、S39に進む。
S39において、メインCPU51は、ARTゲーム数カウンタを1減算する。次に、メインCPU51は、ARTゲーム数カウンタが「0」であるか否かを判定する(S40)。S40において、メインCPU51は、ARTゲーム数カウンタが「0」であると判定した場合、次回遊技から通常中をセットして(S41)、ART関連処理を終了し、図18のS16に戻る。一方、S40において、メインCPU51は、ARTゲーム数カウンタが「0」でないと判定した場合、ART関連処理を終了し、図18のS16に戻る。
S31において、メインCPU51が、ART中でないと判定した場合、メインCPU51は、ART準備中であるか否かを判定する(S42)。S42において、メインCPU51が、ART準備中であると判定した場合、メインCPU51は、内部当籤役に応じてART準備中指示情報をメインRAM53に格納する(S43)。次に、ART関連処理を終了し、図18のS16に戻る。一方、S42において、メインCPU51が、ART準備中でないと判定した場合、S44に進む。
ここで、ART準備中指示情報は、当籤番号「2」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「2」に示される「通常リプ+リプレイ1+リプレイ5」に係る内部当籤役が決定された場合に、「リプレイ1」が表示される停止操作の順序の情報であり、当籤番号「3」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「3」に示される「通常リプ+リプレイ2+リプレイ5」に係る内部当籤役が決定された場合に、「リプレイ2」が表示される停止操作の順序の情報であり、当籤番号「4」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「4」に示される「通常リプ+リプレイ3+リプレイ6」に係る内部当籤役が決定された場合に、「リプレイ3」が表示される停止操作の順序の情報であり、当籤番号「5」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「5」に示される「通常リプ+リプレイ4+リプレイ6」に係る内部当籤役が決定された場合に、「リプレイ4」が表示される停止操作の順序の情報である。
なお、ART準備中指示情報として、当籤番号「7」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「7」に係る内部当籤役が決定された場合に、中リール3Cに「赤7」を狙えという情報であり、当籤番号「8」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「8」に係る内部当籤役が決定された場合に、中リール3Cに「青7」を狙えという情報であり、当籤番号「9」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「9」に係る内部当籤役が決定された場合に、中リール3Cに「黄7」を狙えという情報であり、当籤番号「10」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「10」に係る内部当籤役が決定された場合に、右リール3Rに「赤7」を狙えという情報であり、当籤番号「11」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「11」に係る内部当籤役が決定された場合に、右リール3Rに「青7」を狙えという情報であり、当籤番号「12」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「12」に係る内部当籤役が決定された場合に、右リール3Rに「黄7」を狙えという情報が含まれるようにしてもよい。
S44において、メインCPU51は、ART抽籤使用テーブル抽籤テーブルを参照し、ART抽籤使用テーブル抽籤テーブル用乱数値(乱数値2の一例)と設定値とに基づいて、低確率用のART抽籤テーブル又は高確率用のART抽籤テーブルの何れを使用するかを決定する(S44)。次に、メインCPU51は、ART抽籤テーブルを参照し、ART抽籤テーブル用乱数値(乱数値3の一例)と、使用するART抽籤テーブルと、内部当籤役(当籤番号)とに基づいて、ARTを抽籤し(S45)、メインCPU51は、ARTに当籤したか否かを判定する(S46)。
S46において、メインCPU51が、ARTに当籤すると判定した場合、メインCPU51は、次回遊技から通常中のART当籤状態をセットし、ARTゲーム数カウンタに初期値(例えば、50)をセットし(S47)、ART関連処理を終了し、図18のS16に戻る。
一方、S46において、メインCPU51が、ARTに当籤しないと判定した場合には、ART関連処理を終了し、図18のS16に戻る。
なお、このART関連処理においては、例えば、ART抽籤(S45参照)やART上乗せ抽籤(S34参照)が行われない場合でも、使用テーブルの抽籤(すなわち、S33やS44の処理)に関しては、遊技ごとに行われるようにしてもよい。すなわち、本実施の形態では、実際のART抽籤(あるいは、ART上乗せ抽籤)とは別に、任意のタイミング(例えば、毎遊技の遊技開始時や、上述の特定の内部当籤役の当籤時)において、その抽籤に用いられる状態(例えば、高確率であるか、あるいは低確率であるか)が決定されるように構成することもできる。
<遊技状態制御処理>
図20は、本実施の形態におけるパチスロ機の遊技状態制御処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU51は、遊技状態がRT3遊技状態(RT3)であるか否かを判定する(S50)。
S50において、メインCPU51は、遊技状態がRT3遊技状態(RT3)であると判定した場合、メインCPU51は、ボーナス(「BB1」〜「BB3」)に入賞したか否かを判定する(S51)。S51において、メインCPU51が、ボーナス(「BB1」〜「BB3」)に入賞したと判定した場合、メインCPU51は、ボーナス遊技状態の開始時処理(BB開始時処理)を実行し(S52)、次回遊技からボーナス遊技状態(ボーナス中)をセットし(S53)、S63に進む。一方、S51において、メインCPU51は、メインCPU51が、ボーナス(「BB1」〜「BB3」)に入賞していないと判定した場合、S63に進む。
S50において、メインCPU51は、遊技状態がRT3遊技状態(RT3)でないと判定した場合、メインCPU51は、ボーナス遊技状態(ボーナス中)であるか否かを判定する(S51)。
S51において、メインCPU51が、ボーナス遊技状態(ボーナス中)であると判定した場合、メインCPU51は、ボーナス遊技状態の終了条件が成立したか否かを判定する(S52)。S52において、メインCPU51は、ボーナス遊技状態の終了条件が成立していないと判定した場合、S63に進む。一方、S52において、メインCPU51は、ボーナス遊技状態の終了条件が成立したと判定した場合、メインCPU51は、ボーナス遊技状態の終了時処理(BB終了時処理)を実行する(S53)。
次に、メインCPU51は、終了時処理が実行されたボーナス遊技状態に係るボーナスが、通常中に当籤したボーナスであるか否かを判定する(S54)。S54において、メインCPU51は、終了時処理が実行されたボーナス遊技状態に係るボーナスが、通常中に当籤したボーナスであると判定した場合、メインCPU51は、次回遊技から通常中をセットし(S55)、S63に進む。一方、S54において、メインCPU51は、終了時処理が実行されたボーナス遊技状態に係るボーナスが、通常中に当籤したボーナスでないと判定した場合、メインCPU51は、次回遊技からART準備中をセットし(S56)、S63に進む。
S51において、メインCPU51が、ボーナス遊技状態(ボーナス中)でないと判定した場合、メインCPU51は、「リプレイ1」又は「リプレイ2」に入賞したか否かを判定する(S57)。
S57において、メインCPU51は、「リプレイ1」又は「リプレイ2」に入賞したと判定した場合、メインCPU51は、通常中のART当籤状態であるか否かを判定する(S58)。S58において、メインCPU51が、通常中のART当籤状態であると判定した場合、次回遊技からART準備中をセットし(S59)、S63に進む。一方、S58において、メインCPU51が、通常中のART当籤状態でないと判定した場合、S63に進む。
S57において、メインCPU51は、「リプレイ1」又は「リプレイ2」に入賞していないと判定した場合、メインCPU51は、「リプレイ3」又は「リプレイ4」に入賞したか否かを判定する(S60)。
S60において、メインCPU51が、「リプレイ3」又は「リプレイ4」に入賞したと判定した場合、メインCPU51は、ART準備中であるか否かを判定する(S61)。S61において、メインCPU51が、ART準備中であると判定した場合、メインCPU51は、次回遊技からART中をセットし(S62)、S63に進む。一方、S61において、メインCPU51が、ART準備中でないと判定した場合、メインCPU51は、S63に進む。
S60において、メインCPU51が、「リプレイ3」又は「リプレイ4」に入賞していないと判定した場合、S63に進む。
S63に進むと、メインCPU51は、RT移行制御処理を実行し(S63)、遊技状態制御処理を終了し図18のS24に戻る。このRT移行制御処理では、上述したRT遊技状態の移行条件に従って、RT遊技状態を移行させる(図16参照)。
<メインCPUの制御による割込処理>
図21は、主制御回路41のメインCPU51の制御による割込処理を示すフローチャートである。このメインCPU51の制御による割込処理は、1.1172msごとに実行される。
まず、メインCPU51は、レジスタの退避を行う(S101)。次に、メインCPU51は、入力ポートチェック処理を実行する(S102)。この入力ポートチェック処理では、メインCPU51に接続される各種のスイッチやセンサの信号の有無を確認する。
具体的には、メインCPU51は、スタートスイッチ16S、ストップスイッチ17S等の各種スイッチのオンエッジ、オフエッジの情報やメダルセンサ35S等の各種センサのオン、オフの情報をメインRAM53に格納する。
次に、メインCPU51は、タイマ更新処理を実行する(S103)。次に、メインCPU51は、コマンド送信処理を実行する(S104)。このコマンド送信処理では、メインRAM53に格納されている各種のコマンドを副制御回路42に送信する。
なお、このコマンド送信処理において送信されるコマンドとしては、電源投入時処理(図18のS10)において、設定値の変更の有無、設定値を示す情報等が格納される初期化コマンド、メダル受付・スタートチェック処理(図18のS12)において、メダルの投入枚数やクレジット数を示す情報等が格納されるメダル投入コマンド、図18のS17において格納される上述のスタートコマンド、リール回転開始処理(図18のS20)において、各リールの回転が開始したことを示す情報が格納されるリール回転開始コマンド、リール停止制御処理(図18のS21)において、停止するリールの種別(リール3L、3C、3Rの何れが停止するか)や停止位置(停止するリールについて何れの図柄位置で停止するか)を示す情報等が格納されるリール停止コマンド、入賞検索処理(図18のS22)において、入賞役を示す情報等が格納される入賞作動コマンド、エラーが発生した場合(図示せず)に、エラーの有無、エラーの種別を示す情報等が格納されるエラーコマンド、このコマンド送信処理において、送信するコマンドがない場合に、入力ポートチェック処理(図19のS102)において格納された各種スイッチのオンエッジ、オフエッジの情報や各種センサのオン、オフを示す情報等が格納される無操作コマンド、ART関連処理(図18のS15)で決定された各種の抽籤結果を示す情報等が格納されるART関連コマンド等がある。
次に、メインCPU51は、リール制御処理を実行する(S105)。このリール制御処理では、メインCPU51は、リール回転開始処理(図18のS20)における各リールの回転開始要求に基づいて、各ステッピングモータを駆動制御することにより、各リールの回転を加速させる加速処理を実行し、各リールが所定の速度(例えば、80回転/1分間)となったことに基づいて、各ステッピングモータを駆動制御することにより、その所定の速度を維持する定速処理を実行し、リール停止制御処理(図18のS21)における各リールの回転停止要求に基づいて、各ステッピングモータを駆動制御することにより、各リールの回転を停止させる停止処理を実行する。また、リールアクションの実行時には、特別な駆動制御を実行する。なお、図示は省略するが、このリール制御処理において、定速処理が実行されたことに基づいて、メインCPU51は、停止操作の検出を許可する(すなわち、ストップボタン17L、17C、17Rの操作が有効となる)。
次に、メインCPU51は、ランプ・7SEG駆動処理を実行する(S106)。例えば、メインCPU51は、クレジットされているメダルの枚数、払出枚数等を各種表示部に表示する。次に、メインCPU51は、レジスタの復帰を行い(S107)、この割込処理を終了する。
[副制御処理]
次に、図22〜図24を参照して、副制御回路42のサブCPU81により実行される各種処理について説明する。
<サブCPUの制御による起動処理>
図22は、本実施の形態におけるパチスロ機のサブCPU81の制御による起動処理を示すフローチャートである。このサブCPU81の制御による起動処理は、パチスロ機1に電源が投入されたときに開始される。
まず、サブCPU81は、初期化処理を行う(S301)。この初期化処理では、サブCPU81は、サブRAM83の指定されたアドレスの格納領域をクリアする。次に、サブCPU81は、メインタスクを起動させる(S302)。このメインタスクでは、液晶表示装置11に画像を表示するための垂直同期信号やアプリケーションプログラミングインタフェース(API)の初期化等が行われる。
次に、サブCPU81は、ランプ制御タスクを起動させる(S303)。このランプ制御タスクでは、後述の図23のS316において登録されたランプデータに応じて、ランプ群21及び回転灯543の発光態様が制御される。次に、サブCPU81は、サウンド制御タスクを起動させる(S304)。このサウンド制御タスクでは、後述の図23のS316において登録されたサウンドデータに応じて、スピーカ20L、20Rの出音態様が制御される。
次に、サブCPU81は、図23において後述する主基板通信タスクを起動させる(S305)。この主基板通信タスクでは、主制御回路41から各種のコマンドが送信されたか否か、あるいは、送信されたコマンドが正常であるか否かが監視され、正常なコマンドを受信したことに基づいて、演出(報知)の決定、開始及び終了等が制御される。
次に、サブCPU81は、アニメタスクを起動させる(S306)。このアニメタスクでは、後述の図23のS315において登録されたアニメーションデータに応じて、液晶表示装置11での画像の表示及び可動ユニット105〜107の動作態様が制御される。
<主基板通信タスク>
図23は、本実施の形態におけるパチスロ機の主基板通信タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、受信コマンドのチェックを行う(S311)。具体的には、サブCPU81は、新たに受信したコマンドがあるか否かを判断する。なお、新たに受信したコマンドがない場合には、このS321の処理を繰り返すこととしてもよく、主基板通信タスクを、例えば、4msごとの定期割込処理とし、4msごとに新たに受信コマンドがあるか否かをチェックすることとしてもよい。また、コマンドを受信したことに基づいて、処理を行うこととしてもよい。
次に、サブCPU81は、コマンドの種別を抽出する(S312)。具体的には、受信したコマンドの種別が、何れのコマンドであるかを、受信したコマンドのヘッダ情報等から抽出する。
次に、サブCPU81は、前回とは異なる種別のコマンドを受信したか否かを判断する(S313)。ここで、前回とは異なる種別のコマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、S311の処理に戻る。
一方、前回とは異なる種別のコマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、図24において後述するコマンド受信時処理を実行する(S314)。次に、サブCPU81は、コマンド受信時処理において決定された演出内容、及びセットされたナビデータに応じて、アニメーションデータを登録し(S315)、ランプ・サウンドデータを登録し(S316)、S311の処理に戻る。
<コマンド受信時処理>
図24は、本実施の形態におけるパチスロ機のコマンド受信時処理を示すフローチャートである。このコマンド受信時処理は、図23のS314において実行される処理である。
まず、サブCPU81は、スタートコマンドの受信時であるか否かを判断する(S321)。
S321において、サブCPU81が、スタートコマンドの受信時であると判断した場合(YES)には、サブCPU51は、スタートコマンドに指示情報が含まれるか否かを判定する(S322)。S322において、サブCPU81が、スタートコマンドに指示情報が含まれると判定した場合(YES)には、サブCPU81は、指示情報に応じた停止操作の手順を報知するための演出データをセットし(S323)、コマンド受信時処理を終了する。一方、S322において、サブCPU81が、スタートコマンドに指示情報が含まれないと判定した場合(NO)には、サブCPU81は、演出用乱数値(サブ乱数値)を取得し、遊技状態及び内部当籤役に基づいて演出データを抽籤し、抽籤結果をセットし(S324)、コマンド受信時処理を終了する。
S321において、サブCPU81が、スタートコマンドの受信時でないと判断した場合(NO)には、サブCPU51は、その他のコマンド受信時処理を実行し(S325)、コマンド受信処理を終了する。このその他コマンド受信時処理では、例えば、メダル投入コマンドの受信時である場合に、メダル投入音を出力するための演出内容が決定される。
以上、説明したように、本実施の形態の遊技機によれば次のような作用効果を得ることができる。
遊技状態移行制御手段(例えば、主制御回路41)が、第1のテーブル(例えば、ART抽籤使用テーブル抽籤テーブル)を参照して、乱数抽出手段(例えば、サンプリング回路57)から得られる第1の乱数(例えば、乱数値2)に基づき、第2のテーブル(例えば、ART抽籤テーブル)で使用するテーブルを決定し、該決定したテーブルを参照して、前記乱数抽出手段から得られる第2の乱数(例えば、乱数値3)に基づき、通常遊技状態(例えば、通常中)から有利遊技状態(例えば、ART中)に移行するか否かを決定することで、通常遊技状態(例えば、通常中)から有利遊技状態(例えば、ART中)に移行する際の移行条件が成立するか否かを、従来の遊技機と同様にしつつも、移行条件を定めた第1のテーブル及び第2のテーブルに使用する記憶領域のデータ量を大幅に削減することができる。有利遊技状態(例えば、ART中)を継続させるか否かを決定する場合も同様である。
具体的には、例えば、設定値(「設定値1」〜「設定値6」)及び所定の当籤番号(「当籤番号1〜5」、「当籤番号6」、「当籤番号7〜12」、「当籤番号13」、及び「当籤番号14〜16」)ごとに、抽籤値を規定した場合、本実施の形態の遊技機のART抽籤に使用するデータテーブルの容量は、設定値に必要な6バイトと高確率用又は低確率用の何れのART抽籤テーブルを使用するかを決定するのに必要な2バイトとの積で表されるART抽籤使用テーブル抽籤テーブルに使用する12バイトと、抽籤値を示す基本データ長に必要な2バイトと高確率用及び低確率用のART抽籤テーブルに必要な2バイトと所定の当籤番号に必要な5バイトとの積で表されるART抽籤テーブルに使用する20バイトと、の和である32バイトとなる。
一方、従来の遊技機のART抽籤に使用するデータテーブルの容量は、抽籤値を示す基本データ長に必要な2バイトと、設定値に必要な6バイトと、所定の当籤番号に必要な5バイトとの積である60バイトと膨大なデータ量となる。
そのため、本実施の形態に係る遊技機では、ART抽籤に使用するデータテーブルに使用する主制御回路の記憶領域のデータ量を、従来の遊技機より、大幅に圧縮することができる。その結果、主制御回路の記憶領域を圧迫してしまうことを防止しつつ、その空いた記憶領域を有効に活用することができる。
[第2実施形態]
本発明の遊技機の第2実施形態について説明する。第2実施形態と第1実施形態とは、基本的な構成は同一であり、同一の構成要素に関しては、同一符号を付して説明は省略する。
第2実施形態では、ARTの抽籤をする際に、ART抽籤使用テーブル抽籤テーブルに使用する乱数値と、ART抽籤テーブルに使用する乱数値と、を共通化させる点と、ARTの上乗せの抽籤をする際に、ART上乗せ抽籤使用テーブル抽籤テーブルに使用する乱数値と、ART上乗せ抽籤テーブルに使用する乱数値と、を共通化させる点と、で第1実施形態と異なる。
ART抽籤使用テーブル抽籤テーブルで高確率用のART抽籤テーブル又は低確率用のART抽籤テーブルを使用することに当籤する当籤確率、及びART抽籤テーブルでARTに当籤する当籤確率は、予め所定の確率に定められていることから、ARTの当籤確率を予め算出することができる。また、ART上乗せ抽籤使用テーブル抽籤テーブルで高確率用のART上乗せ抽籤テーブル又は低確率用のART上乗せ抽籤テーブルを使用することに当籤する当籤確率、及びART上乗せ抽籤テーブルでARTの上乗せに当籤する当籤確率は、予め所定の確率に定められていることから、ARTの上乗せの当籤確率を予め算出することができる。
ARTの当籤確率は、次の計算式により、算出する。
(R×B<L×(B−M)+H×M)/B … 計算式1
R:サンプリング回路57から抽出された乱数値(0〜65535)
L:低確率用のART抽籤テーブルでARTに当籤する当籤確率(0〜65535)
H:高確率用のART抽籤テーブルでARTに当籤する当籤確率(0〜65535)
M:高確率用のART抽籤テーブルを使用することに当籤する当籤確率(0〜65535)
A:ART当籤確率の乱数分母(65536)
B:高確率用のART抽籤テーブルを使用することに当籤する当籤確率の乱数分母(65536)
また、ARTの上乗せに当籤する当籤確率は、次の計算式により、算出する。
(R×B<L×(B−M)+H×M)/B … 計算式2
R:サンプリング回路57から抽出された乱数値(0〜65535)
L:低確率用のART上乗せ抽籤テーブルでARTの上乗せに当籤する当籤確率(0〜65535)
H:高確率用のART上乗せ抽籤テーブルでARTの上乗せに当籤する当籤確率(0〜65535)
M:高確率用のART上乗せ抽籤テーブルを使用することに当籤する当籤確率(0〜65535)
A:ART上乗せ当籤確率の乱数分母(65536)
B:高確率用のART上乗せ抽籤テーブルを使用することに当籤する当籤確率の乱数分母(65536)
そして、サンプリング回路57から抽出された乱数値(0〜65535)Rが、上記の計算式未満の場合、ARTに当籤、又はARTの上乗せに当籤することとなる。すなわち、
R<(R×B<L×(B−M)+H×M)/B
の場合、ARTに当籤、又はARTの上乗せに当籤することとなる。
<ART関連処理>
図25は、本実施の形態(第2実施形態)におけるパチスロ機のART関連処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU51は、ボーナス遊技状態(ボーナス中)であるか否かを判定する(S130)。S130において、メインCPU51が、ボーナス遊技状態(ボーナス中)であると判定した場合、ART関連処理を終了し、図18のS16に戻る。一方、S130において、メインCPU51が、ボーナス遊技状態(ボーナス中)ではないと判定した場合、メインCPU51は、ART中であるか否かを判定する(S131)。
S131において、メインCPU51が、ART中であると判定した場合、メインCPU51は、内部当籤役に応じてART中指示情報をメインRAM53に格納する(S132)。
次に、メインCPU51は、計算式2により算出された確率値と、サンプリング回路57から抽出された乱数値R(乱数値2)と、に基づいて、ARTの上乗せを抽籤し(S133)、メインCPU51は、ARTの上乗せに当籤したか否かを判定する(S134)。
S134において、メインCPU51が、ARTの上乗せに当籤すると判定した場合、メインCPU51は、ART上乗せ当籤時ロック抽籤テーブルを参照し、ART上乗せ当籤時ロック抽籤テーブル用乱数値(乱数値4の一例)に基づいて、ロックの内容を決定する(S135)。次に、メインCPU51は、ART上乗せ当籤時リール演出抽籤テーブルを参照し、ART上乗せ当籤時リール演出抽籤テーブル用乱数値(乱数値5の一例)に基づいて、リール演出の内容を決定する(S136)。次に、メインCPU51は、ART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブルを参照し、ART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値(乱数値6の一例)と、S135で決定されたロックの内容と、S136で決定されたリール演出の内容と、に基づいて、上乗せされるARTゲーム数を決定し、決定された上乗せされるARTゲーム数をARTゲーム数カウンタに加算し(S137)、S138に進む。
一方、S134において、メインCPU51が、ARTの上乗せに当籤しないと判定した場合には、S138に進む。
S138において、メインCPU51は、ARTゲーム数カウンタを1減算する。次に、メインCPU51は、ARTゲーム数カウンタが「0」であるか否かを判定する(S139)。S139において、メインCPU51は、ARTゲーム数カウンタが「0」であると判定した場合、次回遊技から通常中をセットして(S140)、ART関連処理を終了し、図18のS16に戻る。一方、S139において、メインCPU51は、ARTゲーム数カウンタが「0」でないと判定した場合、ART関連処理を終了し、図18のS16に戻る。
S131において、メインCPU51が、ART中でないと判定した場合、メインCPU51は、ART準備中であるか否かを判定する(S141)。S141において、メインCPU51が、ART準備中であると判定した場合、メインCPU51は、内部当籤役に応じてART準備中指示情報をメインRAM53に格納する(S142)。
次に、ART関連処理を終了し、図18のS16に戻る。一方、S141において、メインCPU51が、ART準備中でないと判定した場合、S143に進む。
S143において、メインCPU51は、計算式1により算出された確率値と、サンプリング回路57から抽出された乱数値R(乱数値2)と、に基づいて、ARTの抽籤し(S143)、メインCPU51は、ARTの上乗せに当籤したか否かを判定する(S144)。
S144において、メインCPU51が、ARTに当籤すると判定した場合、メインCPU51は、次回遊技から通常中のART当籤状態をセットし、ARTゲーム数カウンタに初期値(例えば、50)をセットし(S145)、ART関連処理を終了し、図18のS16に戻る。
一方、S144において、メインCPU51が、ARTに当籤しないと判定した場合には、ART関連処理を終了し、図18のS16に戻る。
これにより、遊技状態移行制御手段(例えば、主制御回路41)が、第1のテーブル(例えば、ART抽籤使用テーブル抽籤テーブル)及び第2のテーブル(例えば、ART抽籤テーブル)に基づき、通常遊技状態(例えば、通常中)から有利遊技状態(例えば、ART中)に移行する確率を算出し、前記算出値と、前記乱数抽出手段から得られる1つの乱数(例えば、乱数値2)と、に基づき、前記通常遊技状態から前記有利遊技状態に移行するか否かを決定することとしたことから、第1実施形態のように、ARTの抽籤をする際は、ART抽籤使用テーブル抽籤テーブルに使用するART抽籤使用テーブル抽籤テーブル用乱数値(乱数値2の一例)と、ART抽籤テーブルに使用するART抽籤テーブル用乱数値(乱数値3の一例)と、の2つの乱数値を使用する必要がなくなる。
そのため、通常遊技状態(例えば、通常中)から有利遊技状態(例えば、ART中)に移行する際の移行条件が成立するか否かを、従来の遊技機と同様にしつつも、移行条件を定めた第1のテーブル及び第2のテーブルに使用する記憶領域のデータ量を大幅に削減することができ、さらに、使用する乱数値を1つにすることができる。有利遊技状態(例えば、ART中)を継続させるか否かを決定する場合も同様である。
その結果、主制御回路41の記憶領域を圧迫してしまうことを防止しつつ、その空いた記憶領域を有効に活用することができるとともに、主制御回路41の制御の信頼性を高めることができる。
なお、計算式1と計算式2は、上述の態様に限定されない。例えば、計算式1及び計算式2に、高確率用のART抽籤テーブル又はART上乗せ抽籤テーブルを使用することに当籤する当籤確率の乱数分母B(65536)を乗じてもよい。
この場合、ARTの当籤確率は、次の計算式により、算出する。
(R×B<L×(B−M)+H×M)×B/B … 計算式1’
また、ART上乗せの当籤確率は、次の計算式により、算出する。
(R×B<L×(B−M)+H×M)×B/B … 計算式2’
そして、サンプリング回路57から抽出された乱数値R(0〜65535)に、高確率用のART上乗せ抽籤テーブルを使用することに当籤する当籤確率の乱数分母B(65536)を乗じた値が、上記の計算式未満の場合、ARTに当籤、又はARTの上乗せに当籤することとなる。すなわち、
R×B<(R×B<L×(B−M)+H×M)×B/B
の場合、ARTに当籤、又はARTの上乗せに当籤することとなる。
これにより、主制御回路41は、通常遊技状態(例えば、通常中)から有利遊技状態(例えば、ART中)に移行する際の移行条件が成立するか否かを示すデータ値を整数として記憶することができる。そのため、データ値を整数にするための演算(例えば、四捨五入や小数点の切り捨て)により、データ値に丸め誤差が発生してしまうことを防止し、通常遊技状態(例えば、通常中)から有利遊技状態(例えば、ART中)に移行する際の移行条件が成立するか否かについて、適正な確率とすることができる。また、主制御回路41は、データ値を小数として記憶するより、データ容量を削減することができる。有利遊技状態(例えば、ART中)を継続させるか否かを決定する場合も同様である。
[第3実施形態]
本発明の遊技機の第3実施形態について説明する。第3実施形態と第1実施形態とは、基本的な構成は同一であり、同一の構成要素に関しては、同一符号を付して説明は省略する。
第3実施形態では、ART上乗せ当籤時ロック抽籤テーブルとART上乗せ当籤時リール演出抽籤テーブルとを、1つのテーブルとした点で、第1実施形態と異なる。
<ART上乗せ当籤時ロック・リール演出抽籤テーブル>
図26の(a)に示すように、ART上乗せ当籤時ロック・リール演出抽籤テーブルは、ART上乗せ当籤時における各ロック(「ロック1」〜「ロック3」)及び各リール演出(「なし」、「リール演出1」及び「リール演出2」)の抽籤値と、識別番号と、を規定している。
第3実施形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって、何れのロック及びリール演出を行うかの抽籤が行われる。
例えば、抽出されたART上乗せ当籤時ロック・リール演出抽籤テーブル用乱数値(乱数値4の一例)が「1000」であれば、「1000」から「1024」が減算され、負の値となり、ロックの内容が「ロック3」に、リール演出の内容が「リール演出2」に決定され、識別番号が「9」に決定される。一方、ART上乗せ当籤時ロック・リール演出抽籤テーブル用乱数値(乱数値4の一例)が「10000」であれば、「10000」から「1024」が減算され、減算後のART上乗せ当籤時ロック・リール演出抽籤テーブル用乱数値「8976」から「3072」が減算され、さらに減算後のART上乗せ当籤時ロック・リール演出抽籤テーブル用乱数値「5904」から「7096」が減算され、負の値となり、ロックの内容が「ロック3」に、リール演出の内容が「なし」に決定され、識別番号が「7」に決定される。
なお、ART上乗せ当籤時ロック・リール演出抽籤テーブルは、上述の態様に限定されない。図26の(c)に示すように、予め定められた数値の範囲「0〜16777215」から抽出される乱数値(すなわち、3バイトの領域で生成される乱数値)を、抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって、何れのロック及びリール演出を行うかの抽籤が行われることとしてもよい。
例えば、抽出されたART上乗せ当籤時ロック・リール演出抽籤テーブル用乱数値(乱数値4の一例)が「10000」であれば、「10000」から「32768」が減算され、負の値となり、ロックの内容が「ロック3」に、リール演出の内容が「リール演出2」に決定され、識別番号が「9」に決定される。一方、ART上乗せ当籤時ロック・リール演出抽籤テーブル用乱数値(乱数値4の一例)が「200000」であれば、「200000」から「32768」が減算され、減算後のART上乗せ当籤時ロック・リール演出抽籤テーブル用乱数値「167232」から「98304」が減算され、さらに減算後のART上乗せ当籤時ロック・リール演出抽籤テーブル用乱数値「68928」から「131072」が減算され、負の値となり、ロックの内容が「ロック3」に、リール演出の内容が「なし」に決定され、識別番号が「7」に決定される。
なお、図26の(a)及び(c)に示すART上乗せ当籤時ロック・リール演出抽籤テーブル、及び図27及び図28に示すART上乗せ当籤時ロック・リール演出・上乗せARTゲーム数抽籤テーブルにおいて、ロックに関して規定される要素(パラメータ)としては、ロックの内容及びリール演出の内容に限られず、他の要素を規定することもできる。例えば、ロックの内容としてロックが実行される時間を直接規定するようにしてもよいし、さらに、ロックの実行時期を規定するようにしてもよい。あるいは、ロックの実行の有無のみを規定するようにしてもよい。また、リール演出の内容にロックが実行される時間が含まれるようにしてもよい。あるいは、ロックの内容及びリール演出の内容が同一であっても、異なる識別番号を規定するようにしてもよい。この場合、ロックの内容及びリール演出の内容が同一であっても、異なる上乗せゲーム数が決定されうる余地が生じるため、遊技の興趣を向上させることができる。あるいは、リール演出の内容を単に「演出番号」として規定し、その演出番号に応じて、リール演出の内容を含む上乗せ演出の内容がさらに決定されるものとしてもよい。
<ART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル>
図26の(b)に示すように、ART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブルは、ART上乗せ当籤時ロック・リール演出抽籤テーブルによって決定された識別番号に基づいて、上乗せARTゲーム数(「10」、「20」、「50」及び「100」)の抽籤値を規定している。
第3実施形態では、第1実施形態と同様に、予め定められた数値の範囲「0〜255」から抽出される乱数値を、抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって、ARTの上乗せゲーム数の抽籤が行われる。
例えば、「識別番号9」に決定した場合に、抽出されたART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値(乱数値6の一例)が「10」であれば、「10」から「32」が減算され、負の値となり、上乗せARTゲーム数が「100」に決定される。一方、「識別番号9」に決定した場合に、抽出されたART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値(乱数値6の一例)が「50」であれば、「50」から「32」が減算され、さらに減算後のART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値「18」から「32」が減算され、負の値となり、上乗せARTゲーム数が「50」に決定される。また、「識別番号9」に決定した場合に、抽出されたART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値(乱数値6の一例)が「90」であれば、「90」から「32」が減算され、減算後のART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値「58」から「32」が減算され、さらに減算後のART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値「26」から「32」が減算され、負の値となり、上乗せARTゲーム数が「20」に決定される。また、「識別番号9」に決定した場合に、抽出されたART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値(乱数値6の一例)が「100」であれば、「100」から「32」が減算され、減算後のART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値「68」から「32」が減算され、減算後のART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値「36」から「32」が減算され、さらに減算後のART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値「4」から「160」が減算され、負の値となり、上乗せARTゲーム数が「10」に決定される。他の識別番号についても同様の処理が行われる。ここで、低確率のロックであるほど、ゲーム数が多い上乗せARTゲーム数に当籤する確率が高く、低確率のリール演出であるほど、ゲーム数が多い上乗せARTゲーム数に当籤する確率が高くなるように構成されている。
なお、ART上乗せ当籤時ロック抽籤テーブルと、ART上乗せ当籤時リール演出抽籤テーブルと、ART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブルと、を1つのテーブルとしてもよい。
具体的には、図27に示すように、ART上乗せ当籤時ロック・リール演出・上乗せARTゲーム数抽籤テーブルは、ART上乗せ当籤時における各ロック(「ロック1」〜「ロック3」)、各リール演出(「なし」、「リール演出1」及び「リール演出2」)、及び上乗せARTゲーム数(「10」、「20」、「50」及び「100」)に基づいて抽籤値を規定している。
第3実施形態では、予め定められた数値の範囲「0〜16777215」から抽出される乱数値(すなわち、3バイトの領域で生成される乱数値)を、抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって、何れのロック及びリール演出を行うかと、ARTの上乗せゲーム数の抽籤が行われる。
例えば、抽出されたART上乗せ当籤時ロック・リール演出・上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値(乱数値6の一例)が「30000」であれば、「30000」から「32768」が減算され、負の値となり、ロックの内容が「ロック3」で、リール演出の内容が「リール演出2」で、上乗せARTゲーム数が「100」に決定される。一方、抽出されたART上乗せ当籤時ロック・リール演出・上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値(乱数値6の一例)が「100000」であれば、「100000」から「32768」が減算され、減算後のART上乗せ当籤時ロック・リール演出・上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値「67232」から「32768」が減算され、さらに減算後のART上乗せ当籤時ロック・リール演出・上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値「34464」から「32768」が減算され、負の値となり、ロックの内容が「ロック3」で、リール演出の内容が「リール演出2」で、上乗せARTゲーム数が「20」に決定される。
また、図28に示すように、乱数値を予め定められた数値の範囲を「0〜4294967295」から抽出される(すなわち、4バイトの領域で生成される)こととし、抽出された乱数値を抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって、何れのロック及びリール演出を行うかと、ARTの上乗せゲーム数の抽籤が行われることとしてもよい。
例えば、抽出されたART上乗せ当籤時ロック・リール演出・上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値(乱数値6の一例)が「1000000」であれば、「1000000」から「1048576」が減算され、負の値となり、ロックの内容が「ロック3」で、リール演出の内容が「リール演出2」で、上乗せARTゲーム数が「100」に決定される。一方、抽出されたART上乗せ当籤時ロック・リール演出・上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値(乱数値6の一例)が「3000000」であれば、「3000000」から「1048576」が減算され、減算後のART上乗せ当籤時ロック・リール演出・上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値「1951424」から「1048576」が減算され、さらに減算後のART上乗せ当籤時ロック・リール演出・上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値「902848」から「1048576」が減算され、負の値となり、ロックの内容が「ロック3」で、リール演出の内容が「リール演出2」で、上乗せARTゲーム数が「20」に決定される。
<ART関連処理>
図29は、本実施の形態(第3実施形態)におけるパチスロ機のART関連処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU51は、ボーナス遊技状態(ボーナス中)であるか否かを判定する(S230)。S230において、メインCPU51が、ボーナス遊技状態(ボーナス中)であると判定した場合、ART関連処理を終了し、図18のS16に戻る。一方、S230において、メインCPU51が、ボーナス遊技状態(ボーナス中)ではないと判定した場合、メインCPU51は、ART中であるか否かを判定する(S231)。
S231において、メインCPU51が、ART中であると判定した場合、メインCPU51は、内部当籤役に応じてART中指示情報をメインRAM53に格納する(S232)。
次に、メインCPU51は、ART上乗せ抽籤使用テーブル抽籤テーブルを参照し、ART上乗せ抽籤使用テーブル抽籤テーブル用乱数値(乱数値2の一例)と設定値とに基づいて、低確率用のART上乗せ抽籤テーブル又は高確率用のART上乗せ抽籤テーブルの何れを使用するかを決定する(S233)。次に、メインCPU51は、ART上乗せ抽籤テーブルを参照し、ART上乗せ抽籤テーブル用乱数値(乱数値3の一例)と、使用するART上乗せ抽籤テーブルと、内部当籤役(当籤番号)とに基づいて、ARTの上乗せを抽籤し(S234)、メインCPU51は、ARTの上乗せに当籤したか否かを判定する(S235)。
S235において、メインCPU51が、ARTの上乗せに当籤すると判定した場合、メインCPU51は、ART上乗せ当籤時ロック・リール演出抽籤テーブルを参照し、ART上乗せ当籤時ロック・リール演出用抽籤テーブル用乱数値(乱数値4の一例)に基づいて、ロックの内容及びリール演出内容を規定する識別番号を決定する(S236)。次に、メインCPU51は、ART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブルを参照し、ART上乗せ当籤時上乗せARTゲーム数抽籤テーブル用乱数値(乱数値6の一例)と、S236で決定された識別番号と、に基づいて、上乗せされるARTゲーム数を決定し、決定された上乗せされるARTゲーム数をARTゲーム数カウンタに加算し(S237)、S238に進む。
一方、S235において、メインCPU51が、ARTの上乗せに当籤しないと判定した場合には、S239に進む。
S239において、メインCPU51は、ARTゲーム数カウンタを1減算する。次に、メインCPU51は、ARTゲーム数カウンタが「0」であるか否かを判定する(S239)。S239において、メインCPU51は、ARTゲーム数カウンタが「0」であると判定した場合、次回遊技から通常中をセットして(S240)、ART関連処理を終了し、図18のS16に戻る。一方、S239において、メインCPU51は、ARTゲーム数カウンタが「0」でないと判定した場合、ART関連処理を終了し、図18のS16に戻る。
S231において、メインCPU51が、ART中でないと判定した場合、メインCPU51は、ART準備中であるか否かを判定する(S241)。S241において、メインCPU51が、ART準備中であると判定した場合、メインCPU51は、内部当籤役に応じてART準備中指示情報をメインRAM53に格納する(S242)。次に、ART関連処理を終了し、図18のS16に戻る。一方、S241において、メインCPU51が、ART準備中でないと判定した場合、S243に進む。
S243において、メインCPU51は、ART抽籤使用テーブル抽籤テーブルを参照し、ART抽籤使用テーブル抽籤テーブル用乱数値(乱数値2の一例)と設定値とに基づいて、低確率用のART抽籤テーブル又は高確率用のART抽籤テーブルの何れを使用するかを決定する(S243)。次に、メインCPU51は、ART抽籤テーブルを参照し、ART抽籤テーブル用乱数値(乱数値3の一例)と、使用するART抽籤テーブルと、内部当籤役(当籤番号)とに基づいて、ARTを抽籤し(S244)、メインCPU51は、ARTに当籤したか否かを判定する(S245)。
S245において、メインCPU51が、ARTに当籤すると判定した場合、メインCPU51は、次回遊技から通常中のART当籤状態をセットし、ARTゲーム数カウンタに初期値(例えば、50)をセットし(S246)、ART関連処理を終了し、図18のS16に戻る。
一方、S245において、メインCPU51が、ARTに当籤しないと判定した場合には、ART関連処理を終了し、図18のS16に戻る。
なお、図27又は図28に示すART上乗せ当籤時ロック・リール演出・上乗せARTゲーム数抽籤テーブルを使用する場合には、図29のS236とS237に替え、ART上乗せ当籤時ロック・リール演出・上乗せARTゲーム数抽籤テーブルを参照し、ART当籤時上乗せARTゲーム数を決定し、決定結果をARTゲーム数カウンタに加算することとすればよい。
また、本実施の形態では、ART上乗せ当籤時のロック内容及びリール演出内容について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ボーナス当籤時のロック内容及びリール演出内容にも適用できる。また、リール演出に限定されるものではなく、液晶表示装置11、ランプ群21、スピーカ20L、20R等の演出に適用できる。
これにより、演出内容決定手段(例えば、図28のS236)及びロック内容決定手段(例えば、図28のS236)は、共通のテーブル(例えば、ART上乗せ当籤時ロック・リール演出抽籤テーブル)を参照して、乱数抽出手段(例えば、サンプリング回路57)から抽出される1つの乱数に基づき、演出の内容及びロック内容を決定することとしたことから、第1実施形態のように、ロック内容及び演出内容を決定する際は、ロック抽籤テーブル(例えば、ART上乗せ当籤時ロック抽籤テーブル)に使用するロック抽籤テーブル用乱数値と、演出内容抽籤テーブル(例えば、ART上乗せ当籤時リール演出抽籤テーブル)に使用する演出内容抽籤テーブル用乱数値と、の2つの乱数値を使用することもない。
そのため、ロック内容及び演出内容を決定する際に、ロック内容及び演出内容を決定する条件を、従来の遊技機の条件と同様にしつつも、使用する乱数値を1つにすることができる。その結果、主制御回路の制御の信頼性を高めることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内であれば、実施形態は種々の変形が可能である。
例えば、停止操作の手順について、副制御回路42の制御による報知とともに、主制御回路41の制御による報知が実行されることとしてもよい。具体的には、主制御回路41により制御される主制御報知手段である7セグ表示器6と、副制御回路42により制御される副制御報知手段である液晶表示装置11(その他の副制御回路42により制御されるスピーカ20L、20R、ランプ群21等を含む)とが協働することによって、停止操作の手順の報知を行うこととしてもよい。
この場合、主制御回路41は、現在の遊技を行う状態に応じた情報が副制御回路42に送信されるように、スタートコマンドの生成・格納(図18のS17)を行う。具体的には、主制御回路41は、ART非当籤中である場合に、所定のリプレイに係る内部当籤役(当籤番号「2」又は「3」)、又は所定の小役に係る内部当籤役(当籤番号「7」〜「12」)が決定された場合には、所定のリプレイに係る内部当籤役、又は所定の小役に係る内部当籤役が決定されたことを示す情報(グループ化情報)のみを格納し、所定のリプレイに係る内部当籤役、又は所定の小役に係る内部当籤役のうちいずれの内部当籤役が決定されたか、及び停止操作の手順を示す情報(個別情報)については格納しないように、スタートコマンドを生成する。
一方、主制御回路41は、ART当籤中である場合に、所定のリプレイに係る内部当籤役(当籤番号「2」又は「3」)が決定された場合には、個別情報が格納されるように、スタートコマンドを生成する。例えば、ART当籤中である場合に、当籤番号「2」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「2」に示される「通常リプ+リプレイ1+リプレイ5」が内部当籤役として決定された場合には、その旨、及び「リプレイ1」が入賞することとなる停止操作の手順が個別情報として格納され、当籤番号「3」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「3」に示される「通常リプ+リプレイ2+リプレイ5」が内部当籤役として決定された場合には、その旨、及び「リプレイ2」が入賞することとなる停止操作の手順が個別情報として格納される。
また、主制御回路41は、ART準備中である場合に、所定のリプレイに係る内部当籤役(当籤番号「3」又は「4」)が決定された場合には、個別情報が格納されるように、スタートコマンドを生成する。例えば、ART準備中である場合に、当籤番号「4」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「4」に示される「通常リプ+リプレイ3+リプレイ6」が内部当籤役として決定された場合には、その旨、及び「リプレイ3」が入賞することとなる停止操作の手順が個別情報として格納され、当籤番号「5」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「5」に示される「通常リプ+リプレイ4+リプレイ6」が内部当籤役として決定された場合には、その旨、及び「リプレイ4」が入賞することとなる停止操作の手順が個別情報として格納される。
また、主制御回路41は、ART中である場合に、所定のリプレイに係る内部当籤役(当籤番号「2」〜「5」)、又は所定の小役に係る内部当籤役(当籤番号「7」〜「12」)が決定された場合には、個別情報が格納されるように、スタートコマンドを生成する。
例えば、ART中である場合に、当籤番号「2」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「2」に示される「通常リプ+リプレイ1+リプレイ5」が内部当籤役として決定された場合には、その旨、及び「リプレイ5」が表示されない停止操作の手順が個別情報として格納され、当籤番号「3」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「3」に示される「通常リプ+リプレイ2+リプレイ5」が内部当籤役として決定された場合には、その旨、及び「リプレイ5」が表示されない停止操作の手順が個別情報として格納され、当籤番号「4」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「4」に示される「通常リプ+リプレイ3+リプレイ6」が内部当籤役として決定された場合には、その旨、及び「リプレイ6」が表示されない停止操作の手順が個別情報として格納され、当籤番号「5」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「5」に示される「通常リプ+リプレイ4+リプレイ6」が内部当籤役として決定された場合には、その旨、及び「リプレイ6」が表示されない停止操作の手順が個別情報として格納され、当籤番号「7」〜「12」に対応する小役・リプレイ用データポインタ「7」〜「12」に係る内部当籤役が決定された場合には、その旨、及び中リール3C又は右リール3Rにおいて狙うべき図柄(例えば、「赤7」、「青7」若しくは「黄7」)の図柄位置を示す情報が個別情報として格納される。
そして、副制御回路42は、主制御回路41から送信されたスタートコマンドに個別情報が含まれる場合には、液晶表示装置11を制御して、個別情報に応じた停止操作の手順又は図柄位置を報知し、主制御回路41から送信されたスタートコマンドに個別情報が含まれない場合には、個別情報に応じた停止操作の手順又は図柄位置を報知しないように制御を行う。
なお、グループ化情報及び個別情報のデータ構成については、適宜設定することができるが、一例として、データID(識別番号)を副制御回路42に送信する方式を挙げることができる。ここで、以下に示すデータIDは、16進数を示す。例えば、所定のリプレイに係る内部当籤役のグループ化情報を、データID「40H」と規定し、所定の小役に係る内部当籤役のグループ化情報を、データID「80H」と規定する。
また、例えば、所定のリプレイに係る内部当籤役の個別情報を、当籤番号「2」であって、左リール3Lを第1停止操作すべき場合には、データID「03H」を規定し、中リール3Cを第1停止操作すべき場合には、データID「05H」を規定し、右リール3Rを第1停止操作すべき場合には、データID「09H」を規定する。また、当籤番号「3」であって、左リール3Lを第1停止操作すべき場合には、データID「06H」を規定し、中リール3Cを第1停止操作すべき場合には、データID「0AH」を規定し、右リール3Rを第1停止操作すべき場合には、データID「12H」を規定する。また、当籤番号「4」であって、左リール3Lを第1停止操作すべき場合には、データID「0CH」を規定し、中リール3Cを第1停止操作すべき場合には、データID「14H」を規定し、右リール3Rを第1停止操作すべき場合には、データID「24H」を規定する。また、当籤番号「5」であって、左リール3Lを第1停止操作すべき場合には、データID「18H」を規定し、中リール3Cを第1停止操作すべき場合には、データID「28H」を規定し、右リール3Rを第1停止操作すべき場合には、データID「48H」を規定する。なお、ART中であって、当籤番号「3」の場合には、上述のように、中リール3C又は右リール3Rを第1停止操作すればよいため、上記とは異なるデータID「1AH」を規定し、また、ART中であって、当籤番号「5」の場合には、上述のように、中リール3C又は右リール3Rを第1停止操作すればよいため、上記とは異なるデータID「1CH」を規定する。
ここで、例えば、停止操作順序を含む個別情報については、グループ化情報と停止操作順序の情報とを組み合わせて構成することもできる。具体的には、当籤番号「2」〜「5」のいずれの場合であっても、左リール3Lを第1停止操作すべき場合には、データID「41H」を規定し、中リール3Cを第1停止操作すべき場合には、データID「42H」を規定し、右リール3Rを第1停止操作すべき場合には、データID「44H」を規定し、左リール3L又は中リール3Cを第1停止操作すべき場合には、データID「43H」を規定し、左リール3L又は右リール3Rを第1停止操作すべき場合には、データID「45H」を規定し、中リール3C又は右リール3Rを第1停止操作すべき場合には、データID「46H」を規定し、いずれの停止操作順序でもよい場合には、データID「47H」を規定することとしてもよい。このように構成した場合であっても、副制御回路42は、主制御回路41と協働して停止操作の手順を報知することが可能となる。
また、例えば、所定の小役に係る内部当籤役の個別情報を、当籤番号「7」である場合には、データID「81H」を規定し、当籤番号「8」である場合には、データID「82H」を規定し、当籤番号「9」である場合には、データID「84H」を規定し、当籤番号「10」である場合には、データID「88H」を規定し、当籤番号「11」である場合には、データID「90H」を規定し、当籤番号「12」である場合には、データID「A0H」を規定する。
ここで、例えば、停止操作タイミング(目押しすべき図柄の種類)を含む個別情報については、グループ化情報と停止操作タイミング(目押しすべき図柄の種類)の情報とを組み合わせて構成することもできる。具体的には、当籤番号「7」である場合には、データIDを、「10100000B」(90H)と規定する。ここで、ビット0〜4は、正解位置を示し、ビット5は、中リール3Cについて目押しが必要である(適切な停止操作タイミングで停止操作を行う必要がある)ことを示し、ビット6は、右リール3Rについて目押しが必要であることを示し、ビット7は、所定の小役に係る内部当籤役のグループ化情報を示す。例えば、当籤番号「12」である場合には、データIDを、「11001101B」(CDH)と規定することにより、右リール3Rについて、正解位置の図柄位置データが「14」である旨の個別情報が副制御回路42に送信されることとなる。
このように、主制御回路41は、遊技を行う状態が、有利状態の当籤状態(例えば、ART当籤中)、有利状態の準備状態(例えば、ART準備中)、又は有利状態の作動状態(例えば、ART中)のいずれの状態でもない有利状態の非当籤状態(例えば、ART非当籤中)である場合に、停止操作の手順によって遊技者の有利の度合いが変化する所定の内部当籤役(例えば、当籤番号「2」〜「5」、又は当籤番号「7」〜「12」)が内部当籤した場合には、副制御回路42に対し、副制御報知手段(例えば、液晶表示装置11)による停止操作の手順の報知を不能とする報知不能情報(例えば、上述のグループ化情報)を送信し、遊技を行う状態が、有利状態の当籤状態、有利状態の準備状態、又は有利状態の作動状態の何れかの状態にある場合に、上記の所定の内部当籤役が内部当籤役した場合には、副制御回路42に対し、副制御報知手段(例えば、液晶表示装置11)による停止操作の手順の報知を可能とする報知可能情報(例えば、上述の個別情報)を、遊技を行う状態に応じて送信し、副制御回路42は、上記の報知可能情報を受信したことに基づいて、停止操作の手順を報知する。このように構成することで、副制御回路42側は、有利状態の非当籤状態においては、遊技者にとって有利な(あるいは、不利な)停止操作の手順を認識することができないため、仮に、副制御回路42に何らかの不正行為がなされていたとしても、それによって不正に利益が付与されてしまうことを防止することができる。
なお、上述では、報知不能情報として、グループ化情報(すなわち、複数の内部当籤役の中で同一又は類似の役割を担う内部当籤役(例えば、当籤番号「7」〜「12」の小役は、有利状態の作動状態であるか否かで付与される利益を異ならせる役割を担う所定の内部当籤役)のグループを特定可能な情報)を例に挙げて説明したが、これに限られるものではなく、例えば、報知不能情報として、決定された内部当籤役を特定不能な情報である共通化情報を採用することとしてもよく、決定された内部当籤役の種別(例えば、内部当籤役が、リプレイ、小役、又はボーナスの何れの種別であるか)を特定可能な情報である種別情報を採用することとしてもよい。また、報知可能情報として、停止操作の手順を特定可能な停止操作手順情報(例えば、上述した停止操作順序の情報、及び停止操作タイミング(目押しすべき図柄の種類)の情報)のみを採用することとしてもよく、内部当籤役を特定可能な当籤情報(例えば、当籤番号の情報)を採用することとしてもよい。
すなわち、主制御回路41は、副制御回路42に対し、報知不能情報として、内部当籤役のグループ(所定の内部当籤役群)を特定可能な情報(例えば、グループ化情報)、内部当籤役を特定不能な情報(例えば、共通化情報)、又は内部当籤役の種別を特定可能な情報(例えば、種別情報)の何れかの情報が送信可能に構成され、また、報知可能情報として、停止操作の手順が特定可能な情報(例えば、停止操作手順情報)、内部当籤役を特定可能な情報(例えば、当籤情報)、又は内部当籤役及び停止操作の手順が特定可能な情報(例えば、個別情報)が送信可能に構成されている。
これにより、副制御回路42において、内部当籤役のグループ(所定の内部当籤役群)を特定できる場合と、内部当籤役を全く特定できない場合と、内部当籤役の種別を特定できる場合と、所定の停止操作の手順を特定できる場合と、内部当籤役を特定できる場合と、所定の停止操作の手順及び内部当籤役を特定できる場合とが生じることとなるため、パチスロ機の仕様(例えば、RT遊技状態の設計、内部当籤役ごとに遊技者にとってどの停止操作の手順を有利とするかの設計等)に応じた適切な情報を主制御回路41から副制御回路42に送信することができる。
さらに、上述では、主制御回路41は、副制御回路42に対して報知不能情報を送信する場合には、全ての停止操作が終了するとき(あるいは、それ以降の特定のタイミング)に、副制御回路42に対して報知可能情報(例えば、上述の当籤情報)を報知することとしてもよい。このように構成することで、主制御回路41が報知不能情報を送信する場合であっても、副制御回路42において、その単位遊技における内部当籤役に基づく所定の処理(例えば、内部当籤役と入賞役との比較結果に基づいて、不正(あるいは、異常)な入賞が発生したか否かを判定する処理)を実行することができる。
さらに、上述では、内部当籤役を特定不能な情報を送信する態様として、共通化情報を送信する態様を例に挙げて説明しているが、これに限られるものではなく、例えば、報知不能情報そのものを含ませない態様でスタートコマンドを送信する態様を採用することとしてもよい。この場合には、スタートコマンドの情報量を削減することができる。また、スタートコマンドを送信しない態様を採用することとしてもよい。この場合には、主制御処理の制御負担を軽減させることができる。
さらに、上述では、有利状態の非当籤状態(例えば、ART非当籤中)である場合に、上述した何れかの情報が報知不能情報として送信されることとしているが、有利状態の非当籤状態を複数の非当籤状態(例えば、第1の非当籤状態と第2の非当籤状態)に分け、何れの非当籤状態であるかに応じて、送信される情報の種類を異ならせることとしてもよい。
例えば、有利状態の移行抽籤(ART中への移行抽籤)が行われる第1の非当籤状態においては、期待感を高める演出を実行するため(すなわち、演出内容を決定するため)に、内部当籤役のグループ(所定の内部当籤役群)を特定可能な情報を送信し、特定の条件の成立(例えば、第1の非当籤状態において、所定のリプレイに係る内部当籤役が決定された場合に、左リール3L以外のリールについて第1停止操作したこと、すなわち、ペナルティ操作が行われたこと)に基づいて移行する、有利状態の移行抽籤(ART中への移行抽籤)が行われない第2の非当籤状態においては、内部当籤役を特定不能な情報を送信することとしてもよい。
また、上述した何れの非当籤状態であるかに応じて、送信される情報の種類を抽籤により決定することとしてもよい。例えば、内部当籤役を示唆する演出の頻度が相対的に高い状態である第1の非当籤状態においては、内部当籤役のグループ(所定の内部当籤役群)を特定可能な情報が決定される確率を高く、内部当籤役を特定不能な情報が決定される確率を低く設定し、内部当籤役を示唆する演出の頻度が相対的に低い状態である第2の非当籤状態においては、内部当籤役のグループ(所定の内部当籤役群)を特定可能な情報が決定される確率を低く、内部当籤役を特定不能な情報が決定される確率を高く設定することとしてもよい。
このように構成することで、本来、副制御回路42の制御により管理される副制御報知手段による報知の内容や頻度を、主制御回路41の制御により間接的に管理することができる。
さらに、上述では、主制御回路41は、副制御回路42に対して、停止操作の手順によって遊技者の有利の度合いが変化する所定の内部当籤役(例えば、所定のリプレイに係る内部当籤役、又は所定の小役に係る内部当籤役)について、報知不能情報、又は報知可能情報を選択して送信する場合について説明しているが、所定の内部当籤役以外の、停止操作の手順によって遊技者の有利の度合いが変化しない通常の内部当籤役(例えば、当籤番号「1」、「6」、「13」〜「16」)についても、所定の内部当籤役と同様に、報知不能情報、又は報知可能情報を選択して送信することとしてもよい。また、通常の内部当籤役については、遊技を行う状態が何れの状態であるかを問わず、報知可能情報を送信することとしてもよい。すなわち、通常の内部当籤役についての情報を送信する態様は、所定の内部当籤役についての情報を送信する態様とは別箇に、かつ任意に設定することが可能である。
なお、上述のように、主制御回路41により制御される主制御報知手段(例えば、7セグ表示器6)と、副制御回路42による制御される副制御報知手段(例えば、液晶表示装置11)とが協働することによって、停止操作の手順の報知を行うことについて説明したが、各々の報知開始タイミングは、以下の全ての態様を含むものとする。
第1の態様は、主制御報知手段による報知と、副制御報知手段による報知とが略同時に開始される態様である。例えば、主制御回路41は、開始操作が検出されたことに基づいて、内部当籤役を決定し、決定した内部当籤役に基づいて、主制御報知手段の報知内容を決定し、決定した報知内容に基づいて、主制御報知手段による報知を開始する。一方、副制御回路42は、主制御回路41により、個別情報を含むスタートコマンドが送信され、そのスタートコマンドを受信したことに基づいて、個別情報に応じた副制御報知手段の報知内容を決定すると共に、副制御報知手段による報知を開始する。なお、この第1の態様において、各々の報知開始タイミングは、停止操作の検出が許可される前であるものとする。
なお、この第1の態様においては、主制御報知手段による報知と、副制御報知手段による報知との各々の報知開始タイミングを同期させるため、例えば、主制御回路41が、スタートコマンドの送信後、副制御回路42により副制御報知手段による報知が開始されるまで待機してから、主制御報知手段による報知を開始することとしてもよく、また、主制御報知手段による報知を開始するタイミングを予め定めておき、そのタイミングと副制御報知手段による報知が開始されるタイミングとが同期するタイミングとなるように、スタートコマンドを送信することとしてもよい。また、例えば、各々の報知開始タイミングを、各リールの回転開始時(主制御回路41側は、リール回転開始コマンド送信時、副制御回路42側は、リール回転開始コマンド受信時)として同期させることとしてもよい。
この第1の態様によれば、主制御報知手段及び副制御報知手段により停止操作の手順が報知される場合であっても、遊技者に違和感を与えないようにすることができる。
第2の態様は、主制御報知手段による報知よりも、副制御報知手段による報知が先に開始される態様である。例えば、主制御回路41は、開始操作が検出されたことに基づいて、内部当籤役を決定し、決定した内部当籤役に基づいて、主制御報知手段の報知内容を決定する。一方、副制御回路42は、主制御回路41により、個別情報を含むスタートコマンドが送信され、そのスタートコマンドを受信したことに基づいて、個別情報に応じた副制御報知手段の報知内容を決定し、上述したリール回転開始コマンドを受信したことに基づいて、副制御報知手段による報知を開始する。その後、主制御回路41は、停止操作の検出が許可されたことに基づいて、主制御報知手段による報知を開始する。
この第2の態様によれば、遊技者にとって感得しにくい主制御報知手段による報知よりも、遊技者によって感得しやすい副制御報知手段による報知が先に開始されることから、遊技者の利便性を向上させることができる。
第3の態様は、主制御報知手段による報知のほうが、副制御報知手段による報知よりも先に開始される態様である。例えば、主制御回路41は、開始操作が検出されたことに基づいて、内部当籤役を決定し、決定した内部当籤役に基づいて、主制御報知手段の報知内容を決定し、決定した報知内容に基づいて、主制御報知手段による報知を開始する。また、主制御回路41は、主制御報知手段による報知が開始されてから所定時間の経過後に、個別情報を含むスタートコマンドを副制御回路42に送信する。副制御回路42は、そのスタートコマンドを受信したことに基づいて、個別情報に応じた副制御報知手段の報知内容を決定し、副制御報知手段による報知を開始する。
なお、この第3の態様において、主制御回路41は、決定した内部当籤役に基づいて、スタートコマンドを生成・格納し、このスタートコマンドを送信した後、このスタートコマンドとは異なる特定のコマンドであって、個別情報を含む特定のコマンドを、主制御報知手段による報知が開始されてから所定時間の経過後に、送信することとしてもよい。また、この特定のコマンドの送信タイミングは、開始操作の検出から所定時間の経過後であってもよく、リール回転開始処理(図18のS20)から所定時間の経過後であってもよい。
また、この第3の態様において、副制御回路41は、個別情報を含むスタートコマンド(あるいは、上記の特定のコマンド)を受信してから特定時間の経過後に、副制御報知手段による報知を開始することとしてもよい。なお、この第3の態様においても、各々の報知開始タイミングは、停止操作の検出が許可される前であるものとする。
この第3の態様によれば、有利状態に係る制御が主制御回路(例えば、主制御回路41)によって行われていることを明確にすることで、副制御回路(例えば、副制御回路42)に対する不正行為を抑止することができる。
また、上述では、主制御回路41により制御される主制御報知手段として、7セグ表示器6を一例に挙げて説明しているが、これに限られるものではない。例えば、7セグ表示器6に替えて、あるいはこれとともに、主制御報知手段として、リール3L、3C、3Rを採用することとしてもよい。この場合、ロックの種別やリールアクションの種別によって、停止操作の手順を報知することとしてもよい。
例えば、上述のように、主制御回路41側で停止操作順序を報知する場合、左リール3Lを第1停止操作すべき場合には、左リール3Lから回転を開始するリールアクションを実行し、中リール3Cを第1停止操作すべき場合には、中リール3Cから回転を開始するリールアクションを実行し、右リール3Rを第1停止操作すべき場合には、右リール3Cから回転を開始するリールアクションを実行する。また、上述のように、主制御回路41側で停止操作タイミング(目押しすべき図柄の種類)を報知する場合には、目押しが必要であるリールについて、正解位置で一旦仮停止させるようなリールアクションを実行する。
そして、副制御回路42に対して、個別情報としてリールアクションの種別を送信することとすれば、上記と同様に、主制御回路41により制御される主制御報知手段(例えば、リール3L、3C、3R)と、副制御回路42による制御される副制御報知手段(例えば、液晶表示装置11)とが協働することによって、停止操作の手順の報知を行うことが可能となる。
また、上述では、副制御報知手段のみが停止操作の手順の報知を行う場合、主制御報知手段及び副制御報知手段が停止操作の手順の報知を行う場合について説明したが、主制御報知手段のみが停止操作の手順の報知を行うように構成することとしてもよい。
また、上述では、ARTの初期ゲーム数を、50ゲームとしているが、これに限られるものではない。例えば、ARTの初期ゲーム数の抽籤確率を設定値によって異ならせてもよい。これにより、遊技者によって有利な度合いを異ならせることができる。また、例えば、内部抽籤処理によって、所定の内部当籤役が決定される確率を設定値によって異ならせることとしてもよい。この場合、例えば、設定値が高くなるほど、ボーナスに係る内部当籤役が内部当籤役として決定される確率が高くなるように構成することとすればよい。
また、上述では、ARTの上乗せ抽籤は、ART中にのみ行われることとしているが、これに限られるものではない。例えば、ARTの上乗せ抽籤は、ART準備中にも行われることとしてもよい。
本実施の形態の遊技機によれば、少なくとも以下に示す第1乃至第3の発明に係る遊技機を提供することができる。
[第1の発明に係る遊技機]
従来、遊技者により、メダルやコイン等の遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機では、遊技者による開始操作をスタートスイッチにより検出すると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、内部抽籤処理)を行い、この結果(以下、内部当籤役)によって、複数のリールにより表示することを許可する図柄の組合せを決定する。内部抽籤処理では、複数種類の内部当籤役と各内部当籤役が決定されるときの抽籤値(言いかえると当籤確率)とを規定したデータテーブルを参照し、開始操作の検出に基づいて抽出した乱数値に基づいて、内部当籤役を決定する。全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
なお、遊技者に付与される特典の例としては、遊技媒体の払い出し、遊技媒体を消費することなく再度、遊技を行うことができる再遊技(以下、「リプレイ」ともいう)の作動、遊技媒体の払い出し機会が増加するボーナスゲームの作動等を挙げることができる。
また、このような遊技機において、所定期間中に、遊技媒体の付与に係る図柄の組合せをランプ等でナビゲートする機能であるアシストタイム(以下、「AT」という)と、リプレイの当籤確率が通常時より高くなる機能であるリプレイタイム(以下、「RT」という)とが同時に作動するアシストリプレイタイム(以下、「ART」という)の機能を備えた遊技機が知られている(例えば、先行技術文献1:特開2014−83245号公報)。
先行技術文献1に示す遊技機では、主制御回路が、設定値及び内部当籤役ごとに抽籤値が規定されているデータテーブルを参照し、有利遊技状態(例えば、ART)に当籤したか否かを判定する。
そして、有利遊技状態に当籤すると、特定の遊技回数の間、遊技者にとって有利な停止操作の手順が報知され、ボーナスゲーム中と同様に、遊技媒体の払い出しの機会が増加し、遊技の興趣を向上させることができる。
ところで、主制御回路のプログラム領域(例えば、メインROM)の容量は、不正行為防止等の観点より、所定の容量に制限されているところ、上述の遊技機では、有利遊技状態の抽籤に使用する膨大なデータ量により、主制御回路のプログラム領域の容量を圧迫する問題がある。具体的には、例えば、有利遊技状態の抽籤に使用するデータテーブルが、抽籤値を示す基本データ長が2バイトであり、設定値(例えば、「設定値1」〜「設定値6」)を示すデータが6通りであり、内部当籤役(例えば、「内部当籤役1」〜「内部当籤役5」)を示すデータが5通りである場合、そのデータ容量は、2×6×5の計算式で表され、60バイトと膨大なデータ量となる。
第1の発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、主制御回路の容量を圧迫することなく、有利遊技状態の抽籤を行うことができる遊技機を提供することにある。
第1の発明に係る遊技機は、
複数の図柄を複数列に変動表示する図柄表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4L、4C、4R)と、遊技の進行に関する制御を行う主制御回路(例えば、主制御回路41)と、該主制御部から送信されるコマンドに基づいて演出を制御する副制御回路(例えば、副制御回路42)と、を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記主制御回路は、
遊技媒体の投入操作を検出する投入操作検出手段(例えば、メダルセンサ35S)と、
前記投入操作検出手段により所定数の前記遊技媒体の投入が検出されたことに基づいて、開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ16S)と、
前記開始操作検出手段により前記開始操作が検出されたことに基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、図18のS14)と、
停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ17S)と、
前記停止操作検出手段により前記停止操作が検出されたことに基づいて、前記図柄表示手段における図柄の変動表示の停止を制御する停止制御手段(例えば、図18のS21)と、
前記停止制御手段により前記図柄表示手段における図柄の変動表示が停止された場合に、停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する入賞判定手段(例えば、図18のS22)と、
前記入賞判定手段による判定結果に基づいて、利益を付与する利益付与手段(例えば、図18のS23)と、
乱数を発生させる乱数発生手段(例えば、乱数発生器56)と、
前記乱数発生手段によって発生される乱数の中から任意の乱数を抽出する乱数抽出手段(例えば、サンプリング回路57)と、
通常遊技状態(例えば、通常中)と、該通常遊技状態より遊技者にとって有利な停止操作の手順が報知される有利遊技状態(例えば、ART中)と、を所定の移行条件によって移行可能な遊技状態移行制御手段(例えば、主制御回路41)と、
前記所定の移行条件を定めた第1のテーブル(例えば、ART抽籤使用テーブル抽籤テーブル)、第2のテーブル(例えば、低確率用のART抽籤テーブル)及び第3のテーブル(例えば、高確率用のART抽籤テーブル)と、を有し、
前記第1のテーブルは、前記第2のテーブル又は前記第3のテーブルの何れのテーブルを使用するかを決定するためのテーブルであり、
前記第2のテーブルは、前記通常遊技状態から前記有利遊技状態に移行することが決定される確率が相対的に低く定められたテーブルであり、
前記第3のテーブルは、前記通常遊技状態から前記有利遊技状態に移行することが決定される確率が相対的に高く定められたテーブルであり、
前記遊技状態移行制御手段は、前記第1のテーブルを参照して、前記乱数抽出手段から抽出された第1の乱数(例えば、乱数値2)に基づき、使用するテーブルとして前記第2のテーブル又は前記第3のテーブルを決定し、該決定したテーブルを参照して、前記乱数抽出手段から抽出された第2の乱数(例えば、乱数値3)に基づき、前記通常遊技状態から前記有利遊技状態に移行するか否かを決定することを特徴とする。
第1の発明に係る遊技機によれば、遊技状態移行制御手段(例えば、主制御回路41)が、第1のテーブル(例えば、ART抽籤使用テーブル抽籤テーブル)を参照して、乱数抽出手段(例えば、サンプリング回路57)から抽出された第1の乱数(例えば、乱数値2)に基づき、第2のテーブル(例えば、低確率用のART抽籤テーブル)又は第3のテーブル(例えば、高確率用のART抽籤テーブル)を決定し、該決定したテーブルを参照して、前記乱数抽出手段から抽出された第2の乱数(例えば、乱数値3)に基づき、通常遊技状態(例えば、通常中)から有利遊技状態(例えば、ART中)に移行するか否かを決定することとしたことから、通常遊技状態から有利遊技状態に移行する際の移行条件が成立するか否かを、従来の遊技機と同様にしつつも、移行条件を定めた各テーブルに使用する記憶領域のデータ量を大幅に削減することができる。そのため、主制御回路の記憶領域を圧迫してしまうことを防止しつつ、その空いた記憶領域を有効に活用することができる。
第1の発明によれば、主制御回路の容量を圧迫することなく、有利遊技状態の抽籤を行うことができる。
[第2の発明に係る遊技機]
従来、遊技者により、メダルやコイン等の遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機では、遊技者による開始操作をスタートスイッチにより検出すると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、内部抽籤処理)を行い、この結果(以下、内部当籤役)によって、複数のリールにより表示することを許可する図柄の組合せを決定する。内部抽籤処理では、複数種類の内部当籤役と各内部当籤役が決定されるときの抽籤値(言いかえると当籤確率)とを規定したデータテーブルを参照し、開始操作の検出に基づいて抽出した乱数値に基づいて、内部当籤役を決定する。全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
なお、遊技者に付与される特典の例としては、遊技媒体の払い出し、遊技媒体を消費することなく再度、遊技を行うことができる再遊技(以下、「リプレイ」ともいう)の作動、遊技媒体の払い出し機会が増加するボーナスゲームの作動等を挙げることができる。
また、このような遊技機において、所定期間中に、遊技媒体の付与に係る図柄の組合せをランプ等でナビゲートする機能であるアシストタイム(以下、「AT」という)と、リプレイの当籤確率が通常時より高くなる機能であるリプレイタイム(以下、「RT」という)とが同時に作動するアシストリプレイタイム(以下、「ART」という)の機能を備えた遊技機が知られている(例えば、先行技術文献1:特開2014−83245号公報)。
先行技術文献1に示す遊技機では、主制御回路が、設定値及び内部当籤役ごとに抽籤値が規定されているデータテーブルを参照し、有利遊技状態(例えば、ART)に当籤したか否かを判定する。
そして、有利遊技状態に当籤すると、特定の遊技回数の間、遊技者にとって有利な停止操作の手順が報知され、ボーナスゲーム中と同様に、遊技媒体の払い出しの機会が増加し、遊技の興趣を向上させることができる。
ところで、主制御回路のプログラム領域(例えば、メインROM)の容量は、不正行為防止等の観点より、所定の容量に制限されているところ、上述の遊技機では、有利遊技状態の抽籤に使用する膨大なデータ量により、主制御回路のプログラム領域の容量を圧迫する問題がある。具体的には、例えば、有利遊技状態の抽籤に使用するデータテーブルが、抽籤値を示す基本データ長が2バイトであり、設定値(例えば、「設定値1」〜「設定値6」)を示すデータが6通りであり、内部当籤役(例えば、「内部当籤役1」〜「内部当籤役5」)を示すデータが5通りである場合、そのデータ容量は、2×6×5の計算式で表され、60バイトと膨大なデータ量となる。
これに対し、複数のテーブルを有利遊技状態の抽籤に使用することで、有利遊技状態の抽籤に使用するデータ容量を削減することが考えられる。
しかしながら、有利遊技状態の抽籤に使用する各テーブルは、独立した抽籤に使用されるため、テーブルの数に応じた別々の乱数値を抽出することとなる。そのため、複数の乱数値が同期するような不具合が発生した場合、予期せぬ抽籤結果となり、主制御回路の制御の信頼性の低下を招く問題がある。
第2の発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、主制御回路の容量を圧迫することなく、有利遊技状態の抽籤を行うことができると共に、主制御回路の制御の信頼性を高めた遊技機を提供することにある。
第2の発明に係る遊技機は、
複数の図柄を複数列に変動表示する図柄表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4L、4C、4R)と、遊技の進行に関する制御を行う主制御回路(例えば、主制御回路41)と、該主制御部から送信されるコマンドに基づいて演出を制御する副制御回路(例えば、副制御回路42)と、を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記主制御回路は、
遊技媒体の投入操作を検出する投入操作検出手段(例えば、メダルセンサ35S)と、
前記投入操作検出手段により所定数の前記遊技媒体の投入が検出されたことに基づいて、開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ16S)と、
前記開始操作検出手段により前記開始操作が検出されたことに基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、図18のS14)と、
停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ17S)と、
前記停止操作検出手段により前記停止操作が検出されたことに基づいて、前記図柄表示手段における図柄の変動表示の停止を制御する停止制御手段(例えば、図18のS21)と、
前記停止制御手段により前記図柄表示手段における図柄の変動表示が停止された場合に、停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する入賞判定手段(例えば、図18のS22)と、
前記入賞判定手段による判定結果に基づいて、利益を付与する利益付与手段(例えば、図18のS23)と、
通常遊技状態(例えば、通常中)と、該通常遊技状態より遊技者にとって有利な停止操作の手順が報知される有利遊技状態(例えば、ART中)と、を所定の移行条件によって移行可能な遊技状態移行制御手段(例えば、主制御回路41)と、
乱数を発生させる乱数発生手段(例えば、乱数発生器56)と、
前記乱数発生手段によって発生される乱数の中から任意の乱数を抽出する乱数抽出手段(例えば、サンプリング回路57)と、
前記所定の移行条件を定めた第1のテーブル(例えば、ART抽籤使用テーブル抽籤テーブル)及び第2のテーブル(例えば、ART抽籤テーブル)と、を有し、
前記第2のテーブルは、複数のテーブル(例えば、高確率用のART抽籤テーブル又は低確率用のART抽籤テーブル)で構成され、
前記第1のテーブルは、前記第2のテーブルの何れのテーブルを使用するかを定めたテーブルであり、
前記第1のテーブル及び前記第2のテーブルに基づき、前記通常遊技状態から前記有利遊技状態に移行する確率値が算出され、
前記遊技状態移行制御手段は、前記確率値と、前記乱数抽出手段から抽出される1つの乱数(例えば、乱数値2)と、に基づき、前記通常遊技状態から前記有利遊技状態に移行するか否かを決定することを特徴とする。
第2の発明に係る遊技機によれば、第1のテーブル(例えば、ART抽籤使用テーブル抽籤テーブル)及び第2のテーブル(例えば、ART抽籤テーブル)に基づき、通常遊技状態(例えば、通常中)から有利遊技状態(例えば、ART中)に移行する確率値が算出され、遊技状態移行制御手段(例えば、主制御回路41)が、前記確率値と、前記乱数抽出手段(例えば、サンプリング回路57)から得られる1つの乱数(例えば、乱数値2)と、に基づき、通常遊技状態から有利遊技状態に移行するか否かを決定することとしたことから、通常遊技状態から有利遊技状態に移行する際の移行条件が成立するか否かを、従来の遊技機と同様にしつつも、移行条件を定めた第1のテーブル及び第2のテーブルに使用する記憶領域のデータ量を大幅に削減することができ、さらに、使用する乱数値を1つにすることができる。そのため、主制御回路の記憶領域を圧迫してしまうことを防止しつつ、その空いた記憶領域を有効に活用することができると共に、主制御回路の制御の信頼性を高めることができる。
なお、確率値は、所定の数値が乗じられた整数であってもよい。これにより、主制御回路41は、通常遊技状態(例えば、通常中)から有利遊技状態(例えば、ART中)に移行する際の移行条件が成立するか否かを示すデータ値を整数として記憶することができる。そのため、データ値を整数にするための演算(例えば、四捨五入や小数点の切り捨て)により、データ値に丸め誤差が発生してしまうことを防止し、通常遊技状態(例えば、通常中)から有利遊技状態(例えば、ART中)に移行する際の移行条件が成立するか否かについて、適正な確率とすることができる。また、主制御回路41は、データ値を小数として記憶するより、データ容量を削減することができる。
第2の発明によれば、主制御回路の容量を圧迫することなく、有利遊技状態の抽籤を行うことができると共に、主制御回路の制御の信頼性を高めた遊技機を提供することができる。
[第3の発明に係る遊技機]
従来、遊技者により、メダルやコイン等の遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機では、遊技者による開始操作をスタートスイッチにより検出すると、プログラム上で乱数を用いた抽籤処理(以下、内部抽籤処理)を行い、この結果(以下、内部当籤役)によって、複数のリールにより表示することを許可する図柄の組合せを決定する。内部抽籤処理では、複数種類の内部当籤役と各内部当籤役が決定されるときの抽籤値(言いかえると当籤確率)とを規定したデータテーブルを参照し、開始操作の検出に基づいて抽出した乱数値に基づいて、内部当籤役を決定する。全てのリールの回転が停止され、入賞の成立に係る図柄の組合せが表示されると、その図柄の組合せに対応する特典が遊技者に付与される。
このように構成された遊技機では、主制御回路が、遊技に関する動作に合わせて各種演出を行うとともに、遊技を不能にする各種状態(ロック)を発生させる遊技機が知られている(例えば、先行技術文献1:特開2014−83245号公報)。このような遊技機によれば、ボーナス当籤(例えば、BB当籤やART当籤)への期待感を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
しかしながら、先行技術文献1に記載の遊技機は、各種演出の中から1つの演出内容を決定するための抽籤テーブルと、各種ロックの中から1つのロック内容を決定するための抽籤テーブルを使用するものであった。そのため、テーブルの数に応じた別々の乱数値を抽出することとなり、複数の乱数値が同期するような不具合が発生した場合、予期せぬ抽籤結果となり、主制御回路の制御の信頼性の低下を招く問題がある。
第3の発明は、そのような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、主制御回路の制御の信頼性を高めることができる遊技機を提供することにある。
第3の発明に係る遊技機は、
複数の図柄を複数列に変動表示する図柄表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4L、4C、4R)と、遊技の進行に関する制御を行う主制御回路(例えば、主制御回路41)と、該主制御部から送信されるコマンドに基づいて演出を制御する副制御回路(例えば、副制御回路42)と、を備えた遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、
前記主制御回路は、
遊技媒体の投入操作を検出する投入操作検出手段(例えば、メダルセンサ35S)と、
前記投入操作検出手段により所定数の前記遊技媒体の投入が検出されたことに基づいて、開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ16S)と、
前記開始操作検出手段により前記開始操作が検出されたことに基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、図18のS14)と、
停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ17S)と、
前記停止操作検出手段により前記停止操作が検出されたことに基づいて、前記図柄表示手段における図柄の変動表示の停止を制御する停止制御手段(例えば、図18のS21)と、
前記停止制御手段により前記図柄表示手段における図柄の変動表示が停止された場合に、停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する入賞判定手段(例えば、図18のS22)と、
前記入賞判定手段による判定結果に基づいて、利益を付与する利益付与手段(例えば、図18のS23)と、
乱数を発生させる乱数発生手段(例えば、乱数発生器56)と、
前記乱数発生手段によって発生される乱数の中から任意の乱数を抽出する乱数抽出手段(例えば、サンプリング回路57)と、
遊技者による遊技操作を、特定期間、無効化又は遅延させるロックを実行するロック実行手段(例えば、ロック実行手段)を制御するロック制御手段(例えば、ロック制御手段)と、
演出を実行する演出実行手段(例えば、リール演出実行手段)を制御する演出制御手段(例えば、リール演出制御手段)と、
前記演出実行手段に実行させる演出の内容を決定する演出内容決定手段(例えば、図29のS236)と、
前記ロック実行手段に実行させるロックの内容を決定するロック内容決定手段(例えば、図29のS236)と、
前記演出の内容を決定する所定の条件及び前記ロックの内容を決定する所定の条件を定めた1つのテーブル(例えば、ART上乗せ当籤時ロック・リール演出抽籤テーブル)と、を有し、
前記演出内容決定手段及び前記ロック内容決定手段は、前記テーブルを参照して、前記乱数抽出手段から得られる1つの乱数に基づき、前記演出の内容及び前記ロックの内容を決定することを特徴とする。
第3の発明に係る遊技機によれば、演出内容決定手段(例えば、図29のS236)及びロック内容決定手段(例えば、図29のS236)は、共通のテーブル(例えば、ART上乗せ当籤時ロック・リール演出抽籤テーブル)を参照して、乱数抽出手段(例えば、サンプリング回路57)から抽出される1つの乱数に基づき、演出の内容及びロック内容を決定することとしたことから、ロック内容及び演出内容を決定する際に、ロック内容及び演出内容を決定する条件を、従来の遊技機の条件と同様にしつつも、使用する乱数値を1つにすることができる。その結果、主制御回路の制御の信頼性を高めることができる。
第3の発明によれば、主制御回路の制御の信頼性を高めることができる遊技機を提供することができる。