以下に説明する実施形態は、自動車が、いわゆる自家用自動車であり、かつ、自動運転車の構成とされた場合の例である。そして、この実施形態では、この発明の自動車の実施形態である自動運転車1について、図1に示すような利用形態を可能にするものである。なお、図1においては、自動運転車1が備える主要な機能手段を機能ブロックとして記載してある。
先ず、この利用形態を説明すると共に、実施形態の自動運転車1の動作の概要を説明する。以下に示す実施形態の自動運転車1は、例えば家族や親族間、仲間内で共用するなど、複数の利用者により共用されることを想定している。共用する利用者は、当該自動運転車1に対して、予め利用予定登録者として登録する。自動運転車1は、その登録された利用予定登録者の情報を、登録者番号などからなる識別情報と対応付けて、利用予定登録者情報記憶手段12により記憶する。この場合に、利用予定登録者の情報としては、後述する認証参照用情報の例となる顔画像、音声、指紋、掌紋、静脈、虹彩などの生体情報、氏名、住所、生年月日、性別、国籍、ID、パスワードの他、後述する接続情報の例となる電話番号またはメールアドレスなどが記憶される。
この実施形態では、自動運転車1は、記憶した利用予定登録者の情報を、単独で、あるいは複数個を組み合わせて用いることで、後述する利用予定登録者の認証参照用情報としても用いるものである。すなわち、利用予定登録者の認証参照用情報としては、顔画像、音声、指紋、掌紋、静脈、虹彩などの生体情報、氏名、住所、生年月日、性別、国籍、ID、パスワード、電話番号またはメールアドレスなどを、単独で、あるいは複数個を組み合わせて用いることができる。
利用予定登録者の顔画像は、自動運転車1が備えるカメラで撮影したものを利用することができ、利用予定登録者のその他の生体情報は、予め自動運転車1のメモリに記憶したものを利用することができる。また、その他の情報は、利用予定登録者が入力したものを利用することができる。また、顔画像を含めた生体情報やその他の情報は、クラウド上に記憶したものを、通信ネットワーク3を介して利用することもできる。さらに、利用予定登録者の顔画像は、自身が所持するスマートフォンなどの携帯電話端末が備えるカメラで撮影したものを利用することもでき、利用予定登録者のその他の生体情報やその他の情報は、予め前記携帯電話端末のメモリに記憶したものを利用することもできる。
この実施形態の自動運転車1は、携帯電話網及びインターネットを含む通信ネットワーク3を通じた通信を行う機能を備えている無線通信手段11を備えている。この無線通信手段11は、特定の携帯電話番号(加入者電話番号)が与えられた携帯電話の機能を備える。また、この無線通信手段11は、所定のメールアドレスが与えられている電子メール通信機能も有する。
図1の例では、先ず、自動運転車1に利用予定登録者として記憶されている、例えば家族の一員である利用者2Aが、自身が所持する携帯電話端末から、自動運転車1に対して、通信ネットワーク3を通じて、予定の受付要求を送る。すると、自動運転車1は、無線通信手段11を通じて、この受付要求を受信し、利用者2Aが利用予定登録者であるか否かを予定要求者認証手段13により判別して利用予定登録者であることを確認したら、利用者2Aからの予定の受付要求を受け付け、その予定の情報を予定情報受付手段15で受け付ける。そして、スケジュール調整記憶制御手段16は、予定スケジュール記憶手段14に記憶されて既に登録されている利用予定のスケジュール情報を参照して、受信した受付要求された予定の情報と競合するスケジュール情報が存在しないかどうか判別し、競合するスケジュール情報は存在しないと判別したときには、利用者2Aにより設定された予定の情報を、予定スケジュール記憶手段14に、利用者2Aの識別情報(利用予定登録者情報記憶手段12に記憶されている利用予定登録者の識別情報)と対応付けて記憶する。
次に、自動運転車1に利用予定登録者として記憶されている、例えば家族の別の一員である利用者2Bが、自動運転車1に対して、予定の受付要求を送る。すると、自動運転車1は、無線通信手段11を通じて、この受付要求を受信し、利用者2Bが利用予定登録者であるか否かを予定要求者認証手段13により判別して利用予定登録者であることを確認して、利用者2Bからの予定の受付要求を受け付け、その予定の情報を予定情報受付手段15で受け付ける。そして、スケジュール調整記憶制御手段16は、予定スケジュール記憶手段14に記憶されて既に登録されている利用予定のスケジュール情報を参照して、受信した受付要求された予定の情報と競合するスケジュール情報が存在しないかどうか判別し、競合するスケジュール情報は存在しないと判別したときには、この利用者2Bにより設定された予定の情報を、予定スケジュール記憶手段14により、利用者2Bの識別情報(利用予定登録者の識別情報)と対応付けて記憶する。
そして、利用者2Aの予定が利用者2Bの予定より早期であるときには、自動運転車1は、利用者2Aの利用予定開始時刻には、自律移動制御手段17により利用者2Aが指定した利用開始予定位置に赴く。自律移動制御手段17は、この実施形態では、無人運転による自律走行により移動する機能を備えている。
そして、自動運転車1の乗車者認証手段18は、乗車しようとしている利用者2Aについて、利用予定登録者情報記憶手段12に記憶されている認証参照用情報と、利用者2Aから取得した認証用情報とを比較参照して、乗車者が利用者2Aであるか否かの認証を行い、利用者2Aであるとの認証結果が得られたときには、利用者2Aの乗車を許可するようにする。そして、自動運転車1は、自律移動制御手段17により、利用者2Aが予定要求により登録した予定の情報に従った移動を自律走行により実行するようにする。
ところで、もしも、自動運転車1が、予定スケジュール記憶手段14に記憶されて既に登録されている利用者2Aの利用予定のスケジュール情報と、新たな受付要求として受け付けた利用者2Bの予定の情報とが競合すると判別したときには、後述するようにして、利用者2Aと利用者2Bとの予定の情報の調整をし、その調整結果に応じて利用者2Bの予定の情報を受け付け、あるいは拒否するようにする。そして、調整結果によっては、利用者2A及び利用者2Bの予定の情報の変更が必要になるので、それに応じて、それら利用者2A及び利用者2Bの予定の情報の変更を受け付けるようにする。
なお、この実施形態においては、自動運転車1に対して予定情報の受付要求を行う携帯電話端末には、当該予定情報の受付要求用の専用のアプリケーションプログラム(以下、専用アプリという)を、携帯電話端末の使用者が予めインストールするようにする。そして、使用者が、携帯電話端末の予定情報の受付要求用の専用アプリを用いて、自動運転車1の受付要求のための操作をすると、自動的に自動運転車1の無線通信手段11に宛てた電話発信を行い、予定情報の受付要求を自動運転車1に送る。なお、予定情報の受付要求を行う装置は、携帯電話端末に限らず、PC(パーソナル・コンピュータ)、タブレット端末、腕時計端末、眼鏡型端末などであってもよい。
この場合に、予定要求者についての認証としては、この実施形態の自動運転車1は、前述したように、予定要求者が、当該自動運転車1に登録された利用予定登録者であるかどうかの予定要求者認証を、記憶されている利用予定登録者の情報を認証参照用情報として用いて行い、利用予定登録者でなければ、この実施形態では、予定情報の受付要求を拒否する。そのため、予定情報の受付要求には、予定要求者の認証用情報が含まれる。この予定要求者の認証用情報として、利用予定登録者情報に含まれるIDやパスワード、携帯電話番号やメールアドレスなどの情報とされる。
そして、予定要求者の携帯電話端末の前記専用アプリにおいては、予定の情報の受付要求が受け付けられたときには、予定の情報を送信するための画面が表示され、利用者の操作により、予定の情報が自動運転車1に送られる。そして、予定の情報が、既に登録されているスケジュール情報と競合していなければ、前述したように、自動運転車1の予定スケジュール記憶手段14により、当該予定の情報が、利用者の識別情報と対応して記憶される。
また、予定要求者の予定の情報が、既に登録されているスケジュール情報と競合しているときには、前述したように、自動運転車1のスケジュール調整記憶制御手段16が、その競合の調整のための処理を行い、その調整結果に応じて、予定スケジュール記憶手段14において、スケジュール情報の更新を行う。
この実施形態におけるスケジュール調整記憶制御手段16における調整内容の概要について説明する。
予定要求者の予定の情報と、既に登録されているスケジュール情報が競合する場合、当該競合するスケジュール情報を登録した予定競合者としては、当該競合するスケジュール情報に従って予定が実行中で自動運転車1に自身が乗車中の場合と、当該競合するスケジュール情報が未実行であって、自身が乗車中でない場合の2通りがある。
予定競合者が自動運転車1に乗車中である場合には、スケジュール調整記憶制御手段16は、予定要求者に対しては、無線通信手段11を通じて調整用のメッセージ情報などを送り、乗車中の予定競合者には、自動運転車1が備える表示画面やスピーカなどを用いて、調整用のメッセージ情報を報知することで、調整を実行する。また、必要に応じて、予定要求者と予定競合者との間で通話や電子メールなどの通信を行わせるようにする。
また、予定競合者が自動運転車1に乗車中でない場合には、スケジュール調整記憶制御手段16は、予定要求者に対して、無線通信手段11を通じて調整用のメッセージ情報を送ることで、調整を行うようにする。そして、この実施形態では、予定要求者の優先順位が上位である場合等、必要に応じて、乗車中ではない予定競合者に連絡を取って、調整を行うようにする。その場合に、無線通信手段11が、1個の携帯電話端末分の機能しか有しない場合には、予定要求者は、予定競合者との間での調整結果が得られるまで待機することになり、一旦、通信路を切断して、調整結果を待つようにする。
なお、無線通信手段11が、2個の携帯電話端末分の機能を有する場合には、予定競合者との間に、予定要求者との通信路とは別の通信路を形成することが可能であるので、予定要求者との通信路は切断せずに、予定要求者は、待機するだけでもよい。
そして、この実施形態では、予定スケジュールについての優先順位を、利用者の個人属性や、利用目的、目的地(行先、移動先)の属性に応じて定めており、その優先順位に応じた調整処理も行うようにする。
そして、特に、この実施形態では、優先順位として、例えば、急病人を病院に搬送するなどの場合を考慮して、そのような場合を、強制的に最上位の優先となるような強制優先事象(絶対優先事象)とするようにしている。すなわち、予定要求者からの予定の情報が、強制優先事象(絶対優先事象)の場合には、現在利用中の予定競合者があっても、予定要求者からの予定の情報を最優先するようにする処理する。
以上のようにして、実施形態の自動運転車1によれば、予め利用予定登録者として自動運転車1に登録した利用者は、当該自動運転車1に対して予定の情報の受付要求を送ることで、自動運転車1に自身の利用予定の受付要求をすることができる。そして、受付要求した予定の情報が、他の利用者の予定の情報と競合するときには、自動運転車1がスケジュール調整を行ってくれるので、その予定の情報により、自身の予定要求を優先させたり、場合によっては、自身の予定要求の変更(修正)やキャンセル(削除)を行ったりするようにすることができる。したがって、予定要求者と予定競合者との間の調整がスムーズにでき、セキュリティー上も安全性の向上を図ることができる。
[自動運転車1のハードウエア構成例]
以上の処理を実現する自動運転車1のハードウエア構成例について、以下に説明する。
図2は、第1の実施形態の自動運転車1の電子制御回路部10のハードウエア構成例を示すブロック図である。なお、この実施形態の自動運転車1は、電気自動車の場合の例である。ただし、バッテリーは、図2では図示を省略した。
また、この実施形態の自動運転車1は、自動運転モードと、手動運転モードとを備えている。手動運転モードは、自動運転車ではない通常の自動車と同様に、運転者のアクセルペダル操作やブレーキペダル操作、シフトレバー操作及びステアリング操作(ハンドル操作)に応じた走行ができるモードである。また、自動運転モードは、運転者がアクセルペダル操作やブレーキペダル操作、シフトレバー操作及びステアリング操作をしなくても、自動運転車1自身が自動的(自律的)に障害物を回避しながら進路変更をする走行モードである。
自動運転車1の運転者は、例えば後述するタッチパネル112を通じた所定の操作により、手動運転モードで走行中の自動運転車1を自動運転モードに切り替えることができると共に、自動運転モードで走行中に、運転者がアクセルペダル操作やブレーキペダル操作、シフトレバー操作またはステアリング操作など所定の操作をすると、自動的に手動運転モードに戻るように構成されている。
図2に示すように、電子制御回路部10は、コンピュータを搭載して構成されている制御部101に対して、システムバス100を通じて、無線通信部102、モータ駆動制御部103、ステアリング駆動制御部104、手動/自動運転モード切替制御部105、レーダー群106、カメラ群107、センサ群108、周囲移動体把握部109、現在位置検出部110、表示部111、タッチパネル112、カーナビゲーション(以下、カーナビと略称する)機能部113、利用予定登録者情報受付部114、利用予定登録者情報記憶部115、予定要求者認証部116、乗車者認証部117、乗車予定受付管理部118、予定スケジュール記憶部119、音声入出力部120、場所属性優先順位記憶部121、利用目的優先順位記憶部122、時計部123、自車情報記憶部124、のそれぞれが接続されている。
モータ駆動制御部103には、モータ駆動部131が接続されている。ステアリング駆動制御部104には、ステアリング駆動部132が接続されている。手動/自動運転モード切替制御部105には、手動運転操作検知部133が接続されている。また、カーナビ機能部113には、カーナビ用データベース134が接続されている。さらに、音声入出力部120には、マイクロフォン135及びスピーカ136が接続されている。
無線通信部102は、この実施形態では、携帯電話網を通じて電話通信や電子メール通信などの通信を行う機能を備える。なお、携帯電話網ではなく、インターネット網に対し、Wi−Fi(Wireless Fidelity;登録商標)などで接続し、電話通信や電子メール通信などの通信を行う機能を備えるようにしてもよい。もちろん、両者の通信機能を備えてもよく、その場合、制御部101ないし無線通信部102は、どちらの通信機能を利用するか、選択できるようにしてもよい。
制御部101は、この無線通信部102を通じて、予定要求者からの予定情報の受付要求を受けたときの処理を行う機能を、ソフトウエア処理機能として備えている。図1の無線通信手段11は、この例では制御部101と無線通信部102とで構成される。そして、この実施形態では、スケジュール情報の調整を考慮して、携帯電話の2回線(2台の携帯電話端末)分の機能を備えている。
モータ駆動制御部103は、制御部101の制御の下に、この実施形態の電気自動車で構成される自動運転車1のモータ駆動部131への駆動信号の供給を制御して、自動運転車1の走行開始、走行速度制御(ブレーキ制御及びアクセル制御を含む)、走行停止などを制御するようにする。
ステアリング駆動制御部104は、制御部101の制御の下に、この実施形態の自動運転車1のステアリング駆動部132への駆動制御信号の供給を制御して、自動運転車1の進路変更の制御をするようにする。
手動/自動運転モード切替制御部105は、タッチパネル112を通じた選択操作入力に応じて、自動運転車1の運転モードを、手動運転モードと、自動運転モードとのいずれかに切り替える制御を行う。手動運転操作検知部133は、運転者によるアクセルペダル操作やブレーキペダル操作、シフトレバー操作さらにはステアリング操作の操作情報を受けて、その手動運転操作情報を手動/自動運転モード切替制御部105に供給する。
手動/自動運転モード切替制御部105は、自動運転車1が手動運転モードのときには、この手動運転操作検知部133からの手動運転操作情報を、モータ駆動制御部103、ステアリング駆動制御部104に供給して、モータ駆動部131、ステアリング駆動部132を、運転者のペダル操作やシフトレバー操作、ステアリング操作(ハンドル操作)に応じて制御する。
また、手動/自動運転モード切替制御部105は、自動運転車1が自動運転モードのときには、後述するようにして、レーダー群106、カメラ群107、センサ群108、周囲移動体把握部109の出力に基づいて制御部101で生成される自動運転操作情報を、モータ駆動制御部103、ステアリング駆動制御部104に供給して、モータ駆動部131、ステアリング駆動部132を、自動運転操作情報により駆動制御する。なお、自動運転モードにおいては、カーナビ機能部113において、運転者などにより設定された行先(目的地)に対する現在位置からの経路が探索され、その探索された経路に沿って走行するように制御される。
レーダー群106は、自動運転車1の車両の周囲に存在する人や物との距離を測るためのもので、レーザー・レーダーやミリ波レーダーなどからなる。レーザー・レーダーは、例えば天井やバンパー付近に埋め込まれ、ミリ波レーダーは、例えば車両の前部及び後部に設けられている。レーザー・レーダーとミリ波レーダーの両方を備えてもよいし、一方のみであってもよい。また、マイクロ波レーダーなど、その他のレーダーを用いてもよい。さらに、レーダーと同様の目的でソナー(図示せず)を用いることができる。
カメラ群107は、自動運転車1の車内を撮影する1〜複数個のカメラと、自動運転車1の前方、側方、後方など、車外の周囲を撮影する1〜複数個のカメラとを含む。車内を撮影するカメラは、例えば運転席と助手席の間に設置されたバックミラー(後写鏡、ルームミラー)やフロントウインドウの上部などに取り付けられ、運転席に座った乗車者(運転者)の所作を撮影するカメラの他、助手席や、後部座席に座った乗車者(同乗者)の所作を撮影するためのカメラを含む。また、自動運転車1の周囲を撮影するカメラは、例えばバックミラーの左側方及び右側方に取り付けられ、自動運転車1の左前方及び右前方を主として撮影する2台のカメラ(ステレオカメラ)や、自動運転車1の例えばドアミラーまたはフェンダーミラーに取り付けられて左右の側方を撮影するカメラ、自動運転車1の後方を撮影するカメラなどを含む。
センサ群108は、ドアの開閉や窓の開閉を検知する開閉検知センサ、シートベルト着用を検出するためのセンサ、運転席や助手席などの座席に乗車者が着座したことを検知する着座センサなどの他、車外の近傍の人物を検知する人感センサ(赤外線センサ)や自動運転のための補助となる情報を取得するための各種センサからなる。自動運転のための補助となる情報を取得するための各種センサとしては、例えば車両やタイヤの振動を検出するための振動センサ、タイヤの回転数を検出する回転数センサ、方位を検出するための地磁気センサ、加速度を検出するための加速度センサ、角度や角速度を検出するためのジャイロセンサ(ジャイロスコープ)、などが含まれる。また、この実施形態では、センサ群108には、右ウインカーや左ウインカー(方向指示器)やハザードランプ(非常点滅灯)の点灯を検知するセンサも含まれている。
周囲移動体把握部109は、レーダー群106やセンサ群108、また、カメラ群107の撮像画像を用いて、自車の周囲の移動体(人物を含む)を把握するようにする。周囲移動体把握部109は、例えばベイズ理論に基づいた処理を行うことで、周囲の障害物や移動体を把握するようにする。
現在位置検出部110は、GPS衛星からの電波を受信して、自車の現在位置を検出する。現在位置検出部110は、GPS衛星からの電波により検出された位置の精度は悪いので、GPS衛星からの電波の受信で検出された現在位置の情報のみではなく、センサ群108に含まれる1〜複数個のセンサ及びレーダー群106、カメラ群107の撮像画像(ナビ機能を併用)などをも用いると共に、例えばベイズ理論に基づいた処理を行うことで、より精度の高い現在位置を検出確認するようにしている。
自動運転車1は、自動運転モードにおいては、現在位置検出部110や周囲移動体把握部109において、レーダー群106、カメラ群107、センサ群108、GPS衛星からの電波の受信で取得した位置情報などの各種情報、つまり、人間の目や耳から得る情報に対応する情報をベイズ理論により処理し、これに基づき、制御部101は、自車の進路変更や障害物の回避など知的な情報処理(人工知能)及び制御(人工知能)を行って、自動運転操作情報を生成する。そして、生成された自動運転操作情報に基づいて、モータ駆動制御部103によりモータ駆動部131が駆動され、ステアリング駆動制御部104によりステアリング駆動部132が駆動されることで、自律移動制御がなされる。したがって、この実施形態では、自律移動制御手段17は、制御部101と、レーダー群106、カメラ群107、センサ群108、周囲移動体把握部109、現在位置検出部110、及びモータ駆動制御部103、モータ駆動部131、ステアリング駆動制御部104、ステアリング駆動部132、更に後述するカーナビ機能部113とにより構成される。
表示部111は、例えばLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)からなる。タッチパネル112は、LCDからなる表示部111の表示画面の上に、指によるタッチ入力が可能なタッチセンサが重畳されて配設されたものである。表示部111の表示画面には、制御部101の制御に基づき、ソフトウエアボタン(キーボードの文字入力用ボタンを含む)を含む表示画像が表示される。そして、タッチパネル112は、表示画面に表示されているソフトウエアボタン上の指によるタッチを検出すると、そのタッチを制御部101に伝達する。これを受けた制御部101は、ソフトウエアボタンに対応する制御処理を実行するように構成されている。
カーナビ機能部113に接続されているカーナビ用データベース134には、国内の地図及び経路案内データが、予め格納されている。カーナビ機能部113は、カーナビ用データベース134に記憶されている地図や、経路案内データに基づいて、自動運転車1が指定された目的地まで移動するのを補助するように案内するための機能部である。この実施形態では、カーナビ機能部113は、手動運転モードと、自動運転モードとで、若干異なる処理をするように構成されている。
すなわち、手動運転モードにおいては、カーナビ機能部113は、表示部111の表示画面上において、目的地までの経路(ルート)を明示的に表示する地図上に、現在位置検出部110で検出確認されている自車位置を重畳表示した画像を表示すると共に、自車の移動に伴い、地図上の自車位置(現在位置)を移動させ、かつ、ルート上の交差点や分岐点など、経路案内が必要な箇所で音声案内をするようにする。これは、通常のカーナビ機能と同様である。
一方、自動運転モードにおいては、カーナビ機能部113は、自車の現在位置が目的地までのルート上から離れているときには、その離間方向及び距離の情報を制御部101に通知すると共に、自車の現在位置が目的地までのルート上に在るときには、自車の移動に伴い、ルート上の交差点や分岐点などの手前で、ルートに沿った進路方向の変更指示情報を制御部101に通知するようにする。制御部101は、このカーナビ機能部113からの通知された情報と、現在位置検出部110の現在位置確認結果及び周囲移動体把握部109の把握結果とに基づいて、自車がルート上を指示された通りの進路をとって移動するように、モータ駆動制御部103を通じてモータ駆動部131を制御すると共に、ステアリング駆動制御部104を通じてステアリング駆動部132を制御するための自動運転操作情報を生成する。したがって、自動運転モードにおけるカーナビ機能部113及び制御部101による目的地までの経路案内により、乗車者が無人の状態においても、自動運転車1は、目的地まで移動することができる。
利用予定登録者情報受付部114は、制御部101の制御の下に、この実施形態の自動運転車1の利用を予定している家族構成員などの登録情報を利用予定登録者の情報として受け付けて、その受け付けた利用予定登録者の情報を利用予定登録者情報記憶部115に記憶する。制御部101と、利用予定登録者情報受付部114と、利用予定登録者情報記憶部115とにより、利用予定登録者情報記憶手段12が構成される。
図3に、利用予定登録者情報記憶部115に記憶される情報の例を示す。この例では、利用予定登録者情報記憶部115には、各利用予定登録者の情報として、ID(識別情報)に対応付けられて、パスワード、氏名、電話番号(携帯電話端末の電話番号)、メールアドレス(携帯電話端末のメールアドレス)、顔画像、個人属性、優先順位、などが登録されて記憶されている。
利用予定登録者の顔画像は、例えばカメラ群107の内の所定のカメラで撮影されて記憶される。また、利用予定登録者が所持する携帯電話端末が備えるカメラで撮影したものを利用することができる。なお、顔画像は、利用予定登録者の認証参照用情報となる生体情報の一例である。利用予定登録者の音声を認証参照用情報とする場合には、予定要求者の音声は、携帯電話端末が備えるマイクロフォンで収音したものを利用することができ、さらに、予定要求者のその他の生体情報は、予め携帯電話端末のメモリに記憶したものを利用することができる。また、その他の情報は、呼出者が携帯電話端末に入力したものを利用することができる。また、顔画像を含めた生体情報やその他の情報は、クラウド上に記憶したものを、通信ネットワーク3を介して利用することもできる。
利用予定登録者の個人属性は、この例では、複数の利用予定登録者が家族の場合であり、家族構成員としての属性が記録されている。そして、優先順位としては、この実施形態では、個人属性に応じて、予め家族間で定めたものが登録されて記憶されている。例えば、個人属性「祖父」は、歩くのが少し不自由なので、優先順位を1位に定め、個人属性「父」は通勤に使用することが多いので優先順位を高くし、個人属性「母」は、買い物のために次位の優先順位とし、個人属性「息子」は高校生であるために、優先順位を最も低くした、というように、家族間で定めて、登録するようにしたものである。登録された優先順位は、家族間の合意など、所定の手続きを経て、変更(修正)することができるようにしてもよい。なお、個人属性自身も、家族間で定めて、登録するようにしてもよい。例えば、個人属性を「祖父」中心に設定すると、「祖父」は個人属性「本人(自分)」、「父」は個人属性「息子(または婿)」、「母」は個人属性「嫁(または娘)」、「息子」は個人属性「孫」となる。もちろん、この場合、登録された個人属性は、変更(修正)することができるようにしてもよい。
そして、利用予定登録者の顔画像が、予定の情報に応じて自動運転車1に乗車しようとするときの乗車者認証のための認証参照用情報とされる。
予定要求者認証部116は、制御部101の制御の下に、上述した予定要求者が利用予定登録者であるか否かの認証を行う。この実施形態では、利用予定登録者情報記憶部115に記憶された、登録された利用予定登録者の情報のうちの電話番号とパスワードが、予定要求者として認証を行う場合の認証参照用情報とされる。なお、予定要求者認証における認証参照用情報としては、携帯電話端末の電話番号の代わりに、メールアドレスなどであってもよい。予定要求者認証部116と制御部101とにより、予定要求者認証手段13が構成される。
乗車者認証部117は、制御部101の制御の下に、自動運転車1に乗車しようとする乗車者が、スケジュール情報を予定要求した利用予定登録者であるか否かの認証を行う。この実施形態では、乗車者認証部117における認証参照用情報としては、利用予定登録者情報記憶部115に記憶されている利用予定登録者の顔画像が用いられる。乗車者認証部117と制御部101とにより、乗車者認証手段18が構成される。
乗車予定受付管理部118は、この実施形態では、無線通信部102を通じて予定要求者からの受付要求を受信したときに、予定要求者認証部116の認証結果に基づいて、当該受付要求を受け付けるか否かを判断して、予定要求者が利用予定登録者であると判断した場合には、受信した受付要求を受け付けるようにする。そして、乗車予定受付管理部118は、予定スケジュール記憶部119に記憶されている他のスケジュール情報を参照して、受信した受付要求の予定の情報と競合するスケジュール情報が存在しないかどうかを判別し、競合するスケジュール情報が存在しないことを確認したら、受け付けた予定の情報を、予定スケジュール記憶部119に、予定要求者のID(識別情報)に対応付けて記憶するようにする。
また、乗車予定受付管理部118は、競合するスケジュール情報が存在すると判別したときには、利用予定登録者情報記憶部115の優先順位、場所属性優先順位記憶部121の優先順位、利用目的優先順位記憶部122の優先順位を参照しながら、後述するようなスケジュール調整を、制御部101の制御の下に、実行する。乗車予定受付管理部118は、制御部101と共に、予定情報受付手段15及びスケジュール調整記憶制御手段16を構成する。
予定スケジュール記憶部119は、上述のように、乗車予定受付管理部118の制御に応じて、予定要求者により受付要求された予定の情報をスケジュール情報として記憶し、また、乗車予定受付管理部118の制御に応じて、記憶されているスケジュール情報を読み出して、乗車予定受付管理部118に提供する。予定スケジュール記憶部119は、制御部101と共に、予定スケジュール記憶手段14を構成する。
図4に、この実施形態における予定スケジュール記憶部119に記憶されるスケジュール情報の一例を示す。この例では、図4に示すように、予定要求者のそれぞれ毎のスケジュール情報としては、予定要求者の識別情報(ID)に対応付けられて、利用開始予定時刻、利用終了予定時刻、乗車予定地(出発地)、降車予定地(目的地)、利用人数、利用目的、などが記憶される。利用開始予定時刻、乗車予定地(出発地)、降車予定地(目的地)、利用人数、利用目的などは、予定要求者により予約の情報に含められて指定される。利用終了予定時刻は、予定要求者が指定してもよいし、指定しなくてもよい。
利用開始予定時刻は、乗車予定地(出発地)から自動運転車1に乗車する予定時刻である。利用終了予定時刻は、予定要求者が指定する場合には、当該予定要求者が自動運転車1の利用を終了する予定時刻である。予定要求者が利用終了予定時刻を指定しない場合には、自動運転車1が降車予定地(目的地)に到着する予定時刻を計算して記憶する。すなわち、予定要求者が利用終了予定時刻を指定しない場合には、自動運転車1のカーナビ機能部113は、予定要求者により指定された乗車予定地(出発地)から降車予定地(目的地)までの経路を探索して、その探索結果の経路を移動するときに要する時間(移動時間)を計算して求める。そして、乗車予定受付管理部118は、制御部101の制御の下に、カーナビ機能部113で計測された移動時間を取得し、その取得した移動時間を、利用開始予定時刻に加算して利用終了予定時刻を推定し、その推定した利用終了予定時刻を予定スケジュール記憶部119に記憶するようにする。なお、利用終了予定時刻の代わりに、あるいは利用終了予定時刻に加えて、利用予定時間(所要時間、移動時間)を記憶するようにしてもよい。
なお、予定要求者が入力した利用開始予定時刻や利用終了予定時刻、利用予定時間が15時頃や約2時間など、正確でない場合、乗車予定受付管理部118は、利用開始予定時刻は所定時間(例えば15分)前にずらし、利用終了予定時刻は所定時間(例えば30分)後ろにずらし、利用予定時間は所定時間(例えば30分)長くするようにして、予定スケジュール記憶部119に記憶するようにしてもよい。また、乗車予定受付管理部118は、利用開始予定時刻や利用終了予定時刻、利用予定時間が未定あるいは未入力の場合は、表示メッセージや音声で再入力を促すようにしてもよい。再入力を促した後も、予定要求者から時刻や時間の入力がない場合は、乗車予定受付管理部118は、受付要求の受け入れを拒否する。
ただし、利用終了予定時刻ないし利用予定時間については、予定要求者からの入力がない場合でも、前述したように、受付要求を受け入れるが、利用終了予定時刻ないし利用予定時間は「未定(未指定)」を予定スケジュール記憶部119に記憶するようにしてもよい。この場合、乗車予定受付管理部118は、後述するスケジュール情報の調整処理において、利用開始予定時刻の関係から予定要求者の予定の情報と予定競合の可能性があると判断される場合に、利用終了予定時刻ないし利用予定時間が未定のために、予定要求者からの受付要求を拒否して、その旨を予定要求者に通知する場合と、利用終了予定時刻ないし利用予定時間が未定のため競合の可能性があるかどうかわからないとし、予定競合者の利用開始予定時刻を予定要求者に通知し、予定要求者に対し、あらためて利用終了予定時刻ないし利用予定時間の入力を促した上で、スケジュール調整を行うかどうかを決める場合のどちらかが選択される。
また、予定競合者の利用終了予定時刻ないし利用予定時間が未定のため、予定要求者の利用開始予定時刻の関係から予定要求者の予定の情報と予定競合の可能性があると判断する場合は、予定競合者と通信して、予定競合者に利用終了予定時刻ないし利用予定時間の入力を促すようにしてもよい。
乗車予定地(出発地)は、利用開始予定位置の情報であり、また、降車予定地(目的地)は、利用終了予定位置の情報である。これら乗車予定地(出発地)および降車予定地(目的地)は、予定要求者が、自身の携帯電話端末において専用アプリを起動することで表示画面に表示される地図上で指定して、それを自動運転車1に送ることができる。この場合に、専用アプリは、通信ネットワークを通じて所定のサーバ装置と接続されることで、利用開始予定位置や利用終了予定位置の指定の際の補助のための処理をするようにする。このように指定した利用開始予定位置や利用終了予定位置は、緯度経度の位置情報及び場所名を伴っており、それが自動運転車1に送られる。
なお、予定要求者の入力した利用開始予定位置や利用終了予定位置が〇〇駅周辺などと正確でない場合、乗車予定受付管理部118は〇〇駅の△△改札口など所定の位置を入力された利用開始予定位置や利用終了予定位置と置き換え、予定スケジュール記憶部119に記憶するようにしてもよい。また、乗車予定受付管理部118は、予定要求者に対して、表示部111に正確な利用開始予定位置や利用終了予定位置をそれぞれ複数提示(表示)し、タッチパネル112で当該利用開始予定位置や利用終了予定位置を選択入力させるようにしてもよい。また、利用開始予定位置や利用終了予定位置が未定や未入力の場合は、表示メッセージや音声で再入力を促す。再入力を促した後も、予定要求者から利用開始予定位置や利用終了予定位置の入力がない場合は、受付要求を拒否する。
ただし、利用終了予定位置については、予定要求者からの入力がない場合でも、受付要求を拒否せず、未定としても受け入れをして、予定スケジュール記憶部119に記憶してもよい。この場合、後述するスケジュール情報の調整処理においては、利用開始予定時刻や利用終了予定時刻との関係でスケジュール情報と予定要求者の予定の情報とが競合する可能性があると判定される場合に、利用終了予定位置が未定のためスケジュール調整ができないとして、予定要求者からの受付要求を拒否して、その旨を予定要求者に通知する場合と、利用終了予定位置が未定のため競合のスケジュール調整ができるかどうかわからないとし、予定要求者に対し、あらためて利用終了予定位置の入力を促した上で、スケジュール調整を行うかどうかを決める場合のどちらかが選択される。
なお、地図を介するのではなく、予定要求者が、直接的に出発地や目的地の名称(場所名)や住所、電話番号など、場所(位置)を特定できる情報を入力し、それを、指定した利用開始予定位置や利用終了予定位置の情報として、専用アプリが自動運転車1に送るようにする構成であってもよい。その場合には、自動運転車1が備えるアプリが、送られてきた場所名や住所、電話番号などに基づいて、インターネットから緯度経度の位置情報を取得するようにする。
利用人数は、予定要求者を含めて自動運転車1に乗車予定の人数である。もちろん、予定要求者が受付要求をするだけで、自動運転車1に乗車予定がない場合は、乗車予定の人数に含めない。その場合の後述する乗車者認証においては、予定要求者の顔画像などの生体情報ではなく、パスワードや携帯電話番号などの、乗車者が入力することができる認証参照用情報を用いて行うことになる。なお、自動運転車1へ予定要求者が同乗しない場合や、少なくとも、自動運転車1への乗車時に予定要求者の顔画像などの生体情報での乗車者認証ができない場合は、セキュリティーを確保するため、乗車を禁止するようにしてもよい。利用目的は、降車予定地(目的地)へ行く目的であり、例えば急病のために病院へ行く、いつもの通院に用いる、通勤に用いる、ショッピングに出かけるなどの利用目的項目が記憶される。
なお、図4における各スケジュール情報の実行状況は、当該スケジュール情報に基づく予定が実行中であるか、未だ実行前であるかの状態情報である。「実行中」は予定要求者及び同乗者が自動運転車1に乗車して予定が実行中であることを示している。また、「未」は、スケジュール情報が未だ実行されておらず、待機中であることを示している。なお、スケジュール情報の実行が完了すると、乗車予定受付管理部118は、予定スケジュール記憶部119から、当該完了したスケジュール情報を消去するようにする。また、同様にキャンセルとなったスケジュール情報を消去するようにする。なお、スケジュール情報の実行が完了しても、スケジュール情報を消去せず、「実行完了」ないし「実行済」として表示するようにしてもよい。また、同様に、キャンセルとなったスケジュール情報を消去せず、「キャンセル」として表示するようにしてもよい。
また、当該スケジュール情報が「実行中」に変更になった場合、例えば、利用予定終了時刻や利用予定終了位置が変更になった場合、その時点でスケジュール情報を変更(修正)するようにしてもよい。
音声入出力部120は、マイクロフォン135で収音した音声を取り込んで、例えば制御部101が備える音声認識処理機能のためにシステムバス100に送出するようにする。また、音声入出力部120は、図示は省略するが、外部に放音する音声メッセージデータを記憶するメモリを内蔵すると共に、そのメモリから読み出された音声メッセージデータを、アナログ音声信号に変換する音声合成器やD−A変換器を内蔵している。そして、音声入出力部120は、制御部101の制御により選択された音声メッセージを、スピーカ136に供給して、音声として車内の乗車者に放音するようにする。なお、別のスピーカを自動運転車1の車外に放音するように設けて、乗車しようとしている者や降車しようとしている者に対して、音声メッセージを放音するようにしてもよい。
記憶する音声メッセージとしては、後述するように、例えば「利用予定登録者の登録をしますか?」などの問い合わせメッセージや、「認証しました。」、「認証できませんでした。」、「予定要求者とスケジュールが競合しました。」、などの通知メッセージ、スケジュール情報の変更の承諾及び変更の入力を受け付ける際の対話型メッセージなどが用意されている。
場所属性優先順位記憶部121には、目的地とされる場所の属性に応じた優先順位の情報が記憶されている。図5に、この場所属性優先順位記憶部121に記憶される、目的とされる場所の属性のそれぞれに設定された優先順位の情報の例を示す。この場合、自動運転車1により移動する緊急性の度合が場所毎に異なると考えられるので、当該緊急性を考慮して、場所の属性のそれぞれに対して優先順位が設定されている。
例えば、図5に示す例では、病院が目的地とされるときには、緊急性が高いとして優先順位は1位に設定されている。その他、目的地とされる場所の属性に応じた緊急性を考慮した優先順位が設定されている。なお、目的地とされる場所の属性と、その優先順位は、デフォルトで定められていてもよいし、利用予定登録者により設定されてもよい。また、利用予定登録者がデフォルトで定められている場所の属性や優先順位を修正したり、新たな場所の属性及びその優先順位を追加設定したりするようにしても勿論よい。
次に、利用目的優先順位記憶部122には、出発地から目的地に向かう利用目的に応じた優先順位の情報が記憶されている。図6に、この利用目的優先順位記憶部122に記憶される、利用目的のそれぞれに設定された優先順位の情報の例を示す。この場合、自動運転車1により移動する緊急性の度合が利用目的毎に異なると考えられるので、当該緊急性を考慮して、利用目的のそれぞれに対して優先順位が設定されている。
例えば、図6に示す例では、「急病のため病院に行く」は、他の利用目的に優先して絶対的に優先される順位とされる。そして、例えば定期的な「通院」の場合には、緊急性が高いとして優先順位は1位と設定されている。その他、利用目的に応じた緊急性を考慮した優先順位が設定されている。
なお、利用目的とその優先順位は、デフォルトで定められていてもよいし、利用予定登録者により設定されてもよい。また、利用予定登録者がデフォルトで定められている利用目的や優先順位を修正したり、新たな利用目的及びその優先順位を追加設定したりするようにしても勿論よい。
時計部123は、年、月、日、時、分、秒の時間情報を発生する。自動運転車1の制御部101は、この時計部123の時間情報に基づいて、予定スケジュール記憶部119に記憶されているスケジュール情報に従った自車の自律移動を管理する。
自車情報記憶部124には、図7に示すように、自車の車種や、自車の乗車定員の人数などが記憶されている。乗車定員の人数は、予定要求者からの予定の情報を受け付ける際に、乗車可能な人数の場合のみを受け付けるために用いる。
そして、上述の実施形態の自動運転車1においては、予定要求者認証部116及び乗車者認証部117における上述した認証モードをオンにするか、オフにするか、また、乗車予定受付管理部118における予定要求者からの予定要求の受け付け処理をオンにするか、オフにするかの設定が、タッチパネル112を通じて行えるように構成されている。ただし、当該オン、オフ設定は、例えば予め自動運転車1の所有者等により設定されたIDとパスワードにより認証が取れたときにのみ、可能とされている。
以上のように、自動運転車1の電子制御回路部10は構成されるが、図1に示した各処理ブロックのうち、モータ駆動制御部103、ステアリング駆動制御部104、手動/自動運転モード切替制御部105、周囲移動体把握部109、現在位置検出部110、カーナビ機能部113、利用予定登録者情報受付部114、予定要求者認証部116、乗車者認証部117、乗車予定受付管理部118、音声入出力部120、の各処理機能は、制御部101がプログラムを実行することで行うソフトウエア処理として実現することができる。
[実施形態の自動運転車1での処理動作の例]
次に、以上のような構成を備えるこの実施形態の自動運転車1における処理動作の例について説明する。
<利用予定登録者の登録処理例>
この実施形態の自動運転車1では、利用者が、例えば表示部111の表示画面に表示されている処理メニューの中から「利用予定登録者登録」の項目を選択すると、利用予定登録者情報受付部114が起動して、当該利用予定登録者の情報の登録モードとなり、利用者は、自動運転車1に、自身を利用予定登録者として登録して、利用予定登録者としての情報を記憶させることができる。ただし、この実施形態では、利用予定登録者の登録モードは、例えば予め自動運転車1の所有者等により設定された当該登録モード用のIDとパスワードにより認証が取れたときにのみ、可能とされている。
図8は、「利用予定登録者登録」時の自動運転車1における処理動作の流れを説明するためのフローチャートである。以下の説明では、利用予定登録者情報受付部114の処理動作を、制御部101がプログラムを実行することで行うソフトウエア処理として実行する場合として説明する。
制御部101は、タッチパネル112を通じた利用者の操作入力を監視して、メニューから「利用予定登録者登録」の項目が選択されたか否か判別し(ステップS1)、選択されていないと判別したときには、その他の処理を行い(ステップS2)、当該その他の処理の終了後、処理をステップS1に戻す。
ステップS1で、メニューから「利用予定登録者登録」の項目が選択されたと判別したときには、制御部101は、利用予定登録者の登録モードへの移行を許可するか否か(すなわち、登録を許可するか否か)を判定する移行認証のためのパスワードとIDの入力を促すメッセージを、表示部111の表示画面に表示すると共に、スピーカ136から放音することで報知する(ステップS3)。
そして、制御部101は、利用予定登録者の登録モードへの移行認証用のパスワード及びIDと一致するパスワードとIDが利用者から入力されたか否かにより移行認証をできたか否かを判別する(ステップS4)。このステップS4で、移行認証ができなった時には、制御部101は、利用者に表示部111の表示画面及びスピーカ136を通じて「認証NG」を通知し(ステップS5)、その後、この処理ルーチンを終了する。
ステップS4で、利用予定登録者の登録モードへの移行認証ができたと判別したときには、制御部101は、利用者に利用予定登録者の情報の入力を促すメッセージを、表示部111の表示画面及びスピーカ136を通じて報知し(ステップS6)、タッチパネル112を通じた利用者からの利用予定登録者の情報の入力完了を待つ(ステップS7)。
そして、ステップS7で、利用者からの利用予定登録者の情報の入力完了を確認したら、制御部101は、入力された利用予定登録者の情報を、識別情報(ID)に対応付けて利用予定登録者情報記憶部115に格納する(ステップS8)。ここで、識別情報は、この実施形態では、制御部101が自動的に付与するようにするが、利用者が設定するようにしてもよい。
次に、制御部101は、カメラ群107の内のカメラにより登録した利用者の顔画像を撮影し、その撮影した顔画像の情報を、認証参照用情報として、利用予定登録者情報記憶部115に、利用者の識別情報に対応付けて記憶する(ステップS9)。なお、撮影した顔画像は1つでもよいし複数でもよい。また、顔画像は単一のカメラのみならず、複数のカメラで撮影してもよい。その後、制御部101は、登録終了を、表示部111の表示画面及びスピーカ136を通じて報知し(ステップS10)、この処理ルーチンを終了する。
<予定要求者からの予定要求の受け付け及びスケジュール情報の調整処理>
次に、予定要求者からの予定要求の受け付け及びスケジュール情報の調整処理を、図9〜図19に示すフローチャートを参照しながら説明する。この場合にも、以下の説明では、予定要求者認証部116及び乗車予定受付管理部118の処理動作を、制御部101がプログラムを実行することで行うソフトウエア処理として実行する場合として説明する。
制御部101は、無線通信部102を監視して、着信を検出したか否か判別し(ステップS101)、着信を検出してはいないと判別したときには、その他の処理を行い(ステップS102)、その処理の終了後、処理をステップS101に戻す。
ステップS101で、着信を検出したと判別したときには、制御部101は、自動応答して(ステップS103)、当該着信が乗車予定の受付要求であるか否か判別する(ステップS104)。この実施形態では、上述したように、利用者は、乗車予定の受付要求をする際には、自身の携帯電話端末から、乗車予定の受付要求のための専用アプリを用いて
自動運転車1に対して受付要求を送信する。このときの送信情報には、乗車予定の受付要求であることを示す情報、例えば識別情報が含まれている。そこで、自動運転車1の制御部101は、自動応答して得た情報中に、乗車予定の受付要求であることを示す情報が含まれているか否かにより、着信が乗車予定の受付要求であるか否か判別する。
このステップS104で、着信が乗車予定の受付要求ではないと判別したときには、制御部101は、受け付けた着信の情報内容に応じた対応処理ルーチンを実行する(ステップS105)。
そして、ステップS104で、着信が乗車予定の受付要求であると判別したときには、制御部101は、利用予定登録者情報記憶部115に記憶されている利用予定登録者の電話番号(携帯電話番号)と、着信してきた予定要求者の電話番号とを比較参照し(ステップS106)、電話番号は一致するか否か判別する。
ステップS107で、利用予定登録者情報記憶部115に記憶されている利用予定登録者の電話番号と、着信してきた予定要求者の電話番号とが不一致であると判別したときには、制御部101は、認証がNGであるので、乗車予定の受付を拒否するメッセージを着信側に送り(ステップS108)、着信側との通信路を切断して(ステップS109)、この処理ルーチンを終了する。
ステップS107で、利用予定登録者情報記憶部115に記憶されている利用予定登録者の電話番号と、着信してきた予定要求者の電話番号とが一致していると判別したときには、制御部101は、着信してきた予定要求者に、利用予定登録者情報記憶部115に登録されているID及びパスワードの要求をし(ステップS110)、ID及びパスワードを受信したか否か判別する(ステップS111)。この時、制御部101は、電話番号一致により、予定要求者が、利用予定登録者情報記憶部115に記憶されている利用予定登録者のいずれの者であるかを認識することができる。
ステップS111で、ID及びパスワードを受信してはいないと判別したときには、制御部101は、ID及びパスワードの要求してから所定時間以上経過したか否か判別し(ステップS112)、所定時間以上経過してはいないと判別したときには、処理をステップS111に戻し、ID及びパスワードの受信を待つ。そして、ステップS112で、所定時間以上経過したと判別したときには、制御部101は、処理をステップS108に進め、認証がNGであるので、乗車予定の受付を拒否するメッセージを着信側に送り(ステップS108)、着信側との通信路を切断して(ステップS109)、この処理ルーチンを終了する。
ステップS111で、ID及びパスワードを受信したと判別したときには、受信したID及びパスワードと、利用予定登録者情報記憶部115に記憶されている予定要求者のID及びパスワードとを比較参照して、両者が一致しているか否か判別して認証を行う(ステップS121)。この認証の結果、認証がOKではないと判別したときには、制御部101は、処理を図9のステップS108に進め、認証がNGであるので、乗車予定の受付を拒否するメッセージを着信側に送り(ステップS108)、着信側との通信路を切断して(ステップS109)、この処理ルーチンを終了する。
ステップS122で、認証がOKであると判別したときには、制御部101は、予定要求者に、予定の情報の送付を要求し(ステップS123)、これに対して送られてくる予定の情報を受信してバッファメモリに一時記憶する(ステップS124)。
なお、以上のシーケンスにおいて、この実施形態では、ステップS106及びステップS107において、着信者の電話番号が、利用予定登録者情報記憶部115に登録されている利用予定登録者の電話番号であるか否か判別して認証を行うようにしたが、この電話番号による認証は行わなくてもよい。その場合には、予定要求者が利用予定登録者情報記憶部115に登録されている利用予定登録者のいずれの者であるかは、ステップS121及びステップS122での認証において、ID及びパスワードとが予定要求者が入力したものと一致した利用予定登録者を特定することで認識することができる。
次に、制御部101は、バッファメモリに一時記憶した予定要求者の予定の情報と、予定スケジュール記憶部119に記憶されている既登録のスケジュール情報とを比較参照して、競合が生じていないかどうかチェックし(ステップS125)、予定要求者の予定の情報と競合する既登録のスケジュール情報があるか否か判別する(ステップS126)。
このステップS126で、予定要求者の予定の情報と競合する既登録のスケジュール情報は存在しないと判別したときには、制御部101は、受信した予定の情報中の乗車予定人数と、自車情報記憶部124に記憶されている乗車定員とを比較し(図11のステップS131)、乗車予定人数の全てが乗車可能であるか否か判別する(ステップS132)。
ステップS132で、乗車予定人数の全てが乗車可能であると判別したときには、制御部101は、受信した予定の情報を、予定要求者のIDに対応付けて、スケジュール情報として、予定スケジュール記憶部119に記憶して登録し、登録完了を予定要求者に通知する(ステップS133)。そして、制御部101は、予定要求者との間の通信路を切断して(ステップS134)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS132で、乗車予定人数が乗車定員を超えていて乗車可能ではないと判別したときには、制御部101は、予定要求者に乗車定員を報せると共に、乗車定員オーバーを通知する(ステップS135)。そして、制御部101は、予定要求者から、乗車定員以内とする乗車予定人数の変更を受信したか否か判別し(ステップS136)、乗車定員以内とする乗車予定人数の変更を受信したと判別したときには、処理をステップS133に進め、受信した予定の情報を、予定要求者のIDに対応付けて、スケジュール情報として、予定スケジュール記憶部119に記憶して登録し、登録完了を予定要求者に通知する(ステップS133)。そして、制御部101は、予定要求者との通信路を切断して(ステップS134)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS136で、乗車定員以内とする乗車予定人数の変更を受信してはいないと判別したときには、制御部101は、予定要求者から受付要求のキャンセルを受信したか否か判別する(ステップS137)。このステップS137で、キャンセルを受信してはいないと判別したときには、制御部101は、処理をステップS136に戻し、予定要求者からの乗車予定人数の変更を待つ。そして、このステップS137で、キャンセルを受信したと判別したときには、制御部101は、予定要求者との間の通信路を切断して(ステップS138)、この処理ルーチンを終了する。
次に、ステップS126で、予定要求者の予定の情報と競合する既登録のスケジュール情報が存在すると判別したときには、制御部101は、競合している既登録のスケジュール情報は実行中であるか否かを、予定スケジュール記憶部119に記憶されている実行状況の情報を参照して判別する(ステップS127)。
このステップS127で、競合している既登録のスケジュール情報は実行中であると判別したときには、制御部101は、予定要求者と、競合している既登録のスケジュール情報を登録した予定競合者とについて、優先順位を比較し、判定する(ステップS128)。このステップS128における優先順位の判定においては、制御部101は、利用予定登録者情報記憶部115に記憶されている個人属性に基づく優先順位、場所属性優先順位記憶部121に記憶されている場所属性に基づく優先順位及び利用目的優先順位記憶部122に記憶されている利用目的に基づく優先順位の全てについて参照して、優先順位を比較し、判定する。
そして、制御部101は、先ず、当該優先順位の判定の結果、予定要求者の優先順位は絶対優先であるか否か判別する(図12のステップS141)。このステップS141で、例えば、予定要求者により入力された予定の情報の内の利用目的が「急病のため病院に行く」であって、利用目的優先順位記憶部122を参照した結果、「絶対優先」であると判別したときには、制御部101は、カーナビ機能部113により、現在位置検出部110で検出された自車の現在位置から、予定要求者により指定された乗車開始予定位置までの移動時間を計算し、到着予想時刻を求める(ステップS142)。
そして、制御部101は、求めた到着予想時刻と予定要求者により指定された乗車開始予定時刻とを参照して、乗車開始予定時刻までに到着することができるか否か判別する(ステップS143)。
このステップS143で、乗車開始予定時刻までに到着することができると判別したときには、制御部101は、予定要求者からの予定の情報を受け入れて予定スケジュール記憶部119に記憶し、予定要求者に要求受け入れを通知し(ステップS144)、その後、予定要求者との間の通信路を切断する(ステップS145)。
次に、制御部101は、利用中(乗車中)の予定競合者に、絶対優先の優先順位の予定要求が発生したため、利用を中止(または中断)して、予定要求者が指定した乗車開始予定位置に向かう旨を表示部111の表示画面やスピーカ136を通じて報知する(ステップS146)。中断の場合は、中断時間も報知する。この報知の際には、この実施形態では、制御部101は、表示画面には、降車要求の受付ボタンを表示するようにしており、利用中(乗車中)の予定競合者から、タッチパネル112を通じた降車要求を受け取ったか否か判別する(ステップS147)。
ステップS147で、降車要求を受け取ったと判別したときには、制御部101は、停車可能な場所であって、降車要求者の指示位置において、一時停車をし、利用中の予定競合者を降車させる(ステップS148)。そして、制御部101は、絶対優先のスケジュールを実行するが、その実行中、あるいは、実行終了後の適宜のタイミングで、未実行の他のスケジュール情報の乗車開始予定時刻を参照して、遅延が発生すると判別した場合には、当該未実行の他のスケジュール情報を設定した予定設定者に対して通信路を形成し、その通信路を通じて、未実行の他のスケジュール情報を設定した予定設定者に乗車開始予定時刻の変更を通知する(ステップS149)。そして、制御部101は、この処理ルーチンを終了する。
ステップS147で、降車要求を受け取ってはいないと判別したときには、利用中(乗車中)の予定競合者を乗車させたまま、絶対優先のスケジュールを実行し、ステップS149を行った後、この処理ルーチンを終了する。この場合には、予定競合者は、乗車定員に許容があれば、絶対優先の利用と共に、病院に向かうこともできるし、絶対優先の利用者を優先するために、自分は、その乗車開始予定位置において降車するようにすることもできる。
次に、ステップS143において、乗車開始予定時刻までに到着することができないと判別したときには、制御部101は、ステップS142で求めた到着予想時刻を予定要求者に通知すると共に、遅延を承諾して予定要求を維持するか否かを問い合わせるメッセージを送る(図13のステップS151)。
そして、制御部101は、その問い合わせに対する予定要求者からの回答を待って、回答を受信したら当該回答が要求を維持するものであるか否か判別する(ステップS152)。ステップS152で、要求を維持するとの回答を得たと判別したときには、制御部101は、予定要求者から受信した予定の情報を、その乗車開始予定時刻は、到着予想時刻に変更して、予定スケジュール記憶部119に記憶し、予定要求者に要求受け入れを通知する(ステップS153)。その後、制御部101は、処理を図12のステップS145に移行し、このステップS145以降の処理を実行する。
また、ステップS152で、予定要求者から、要求を維持せずにキャンセルするとの回答を得たと判別したときには、制御部101は、予定要求者に、予定要求のキャンセルの確認を通信路を通じて通知し(ステップS154)、その後、予定要求者との間の通信路を切断して(ステップS155)、この処理ルーチンを終了する。
次に、図12のステップS141で、予定要求者の優先順位は、絶対優先ではないと判別したときには、制御部101は、予定要求者の予定の情報についての優先順位は競合しているスケジュール情報についての優先順位よりも上位であるか否か判別する(図14のステップS161)。この場合の優先順位には、個人属性に基づく優先順位も含むことは言うまでもない。
このステップS161で、予定要求者の予定の情報についての優先順位は競合しているスケジュール情報についての優先順位よりも上位であると判別したときには、制御部101は、カーナビ機能部113により、現在位置検出部110で検出された自車の現在位置から、予定要求者により指定された乗車開始予定位置までの移動時間を計算し、到着予想時刻を求める(ステップS162)。
そして、制御部101は、求めた到着予想時刻と予定要求者により指定された乗車開始予定時刻とを参照して、乗車開始予定時刻までに到着することができるか否か判別する(ステップS163)。
ステップS163において、乗車開始予定時刻までに到着することができないと判別したときには、制御部101は、通信路を通じて、ステップS162で求めた到着予想時刻を予定要求者に通知すると共に、遅延を承諾して予定要求を維持するか否かを問い合わせるメッセージを送る(ステップS164)。
そして、制御部101は、その問い合わせに対する予定要求者からの回答を待って、回答を受信したら当該回答が要求を維持するものであるか否か判別する(ステップS165)。そして、ステップS165で、予定要求者から、要求を維持せずにキャンセルするとの回答を得たと判別したときには、制御部101は、予定要求者に、予定要求のキャンセルの確認を通知し(ステップS166)、その後、予定要求者との間の通信路を切断して(ステップS167)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS163で、乗車開始予定時刻までに到着することができると判別されたとき、そして、ステップS165で、要求を維持するとの回答を得たと判別したときには、制御部101は、利用中の予定競合者に、優先順位が上位の予定要求と競合していることを通知し、利用中止(または変更)の承諾をするか否かの問い合わせのメッセージを、表示部111の表示画面及びスピーカ136を通じて報知する(図15のステップS171)。この時、表示画面には、予定競合者からの予定要求者との通話を要求することができる通話要求ボタン(アイコン)が表示されている。
制御部101は、通話要求ボタンが押されて通話要求がなされたか否かを、タッチパネル112を通じた操作入力を監視することで判別する(ステップS172)。このステップS172で、通話要求がなされたと判別したときには、制御部101は、マイクロフォン135を送話器とし、また、スピーカ136を受話器として、無線通信部102を通じた予定要求者との通話路を形成する(ステップS173)。これにより、予定要求者と予定競合者との間で通話が可能となり、両者の間でスケジュール調整のための通話による相談が可能となる。
このステップS173の次には、制御部101は、利用中の予定競合者からの利用中止(または変更)に対する承諾または拒否の入力を、タッチパネル112を通じた操作入力を監視することで判別する(ステップS174)。このステップS174で、利用中の予定競合者からの利用中止(または変更)に対する承諾の入力があったと判別したときには、制御部101は、予定要求者の予定の情報を受け入れて、予定スケジュール記憶部119に記憶し、予定要求者に要求受け入れを通知し(ステップS175)、その後、予定要求者との間の通信路を切断する(ステップS176)。そして、制御部101は、利用中の予定競合者に、表示部111の表示画面及びスピーカ136を通じて利用中止(または変更)を通知し(ステップS177)、この処理ルーチンを終了する。この場合にも、ステップS147及びステップS148に対応するステップを、ステップS176の後に実行するようにするが、ここでは、それらのステップを省略する。
なお、ステップS175における予定要求者の予定の情報は、乗車開始予定時刻がステップS162で求められた到着予想時刻になるにも関わらず、ステップS165で予定要求を維持するとした場合には、乗車開始予定時刻は、ステップS162で求められた到着予想時刻に変更されて記憶されるものである。
次に、ステップS161で、予定要求者の予定の情報についての優先順位は競合しているスケジュール情報についての優先順位よりも上位ではないと判別したときには、制御部101は、予定要求者に、通信路を通じて、他者(予定競合者)の利用と競合していることと、他者(予定競合者)の利用終了予定時刻を通知すると共に、予定の情報(利用開始予定時刻)の変更を促すメッセージを送る(図16のステップS181)。
また、ステップS174で、利用中の予定競合者からの利用中止(または変更)に対する承諾の入力があったと判別したときにも、制御部101は、処理をこのステップS181に移行する。
次に、制御部101は、予定要求者から、利用開始予定時刻が他者(予定競合者)の利用終了予定時刻に変更された予定の情報を通信路を通じて受け取ったか否か判別する(ステップS182)。このステップS182で、利用開始予定時刻が他者(予定競合者)の利用終了予定時刻に変更された予定の情報を受け取ったと判別したときには、制御部101は、受け取った予定要求者からの予定の情報を受け入れて、予定スケジュール記憶部119に記憶し、要求受け入れを予定要求者に通信路を通じて通知する(ステップS183)。そして、制御部101は、予定要求者との間の通信路を切断して(ステップS184)、この処理ルーチンを終了する。
また、ステップS182で、利用開始予定時刻が他者(予定競合者)の利用終了予定時刻に変更された予定の情報を受け取ってはいないと判別したときには、制御部101は、予定要求者から受付要求のキャンセルを受信したか否か判別する(ステップS185)。このステップS185で、キャンセルを受信してはいないと判別したときには、制御部101は、処理をステップS182に戻し、このステップS182以降の処理を繰り返す。また、ステップS185で、キャンセルを受信したと判別したときには、制御部101は、予定要求者にキャンセルの確認を通知し(ステップS186)、予定要求者との間の通信路を切断し(ステップS184)、この処理ルーチンを終了する。
そして、図10のステップS127で、競合するスケジュール情報は、実行中ではないと判別したときには、制御部101は、予定要求者の予定の情報と、予定競合者の予定の情報(スケジュール情報)とについて、優先順位を比較し、判定する(図17のステップS191)。このステップS191における優先順位の判定においても、ステップS128と同様に、制御部101は、利用予定登録者情報記憶部115に記憶されている個人属性に基づく優先順位、場所属性優先順位記憶部12に記憶されている場所属性に基づく優先順位及び利用目的優先順位記憶部122に記憶されている利用目的に基づく優先順位の全てについて参照して、優先順位を比較し、判定する。
そして、制御部101は、予定要求者の予定の情報の方が優先順位が上位であるか否か判別する(ステップS192)。ステップS192で、予定要求者の予定の情報の方が優先順位が上位であると判別したときには、利用予定登録者情報記憶部115に記憶されている予定競合者の携帯電話端末の電話番号を用いて、予定競合者に発信し、一方、予定要求者にはスケジュール調整のための待機を要請する(ステップS193)。
そして、制御部101は、予定競合者への発信に対して着信応答があったか否か判別する(ステップS194)。このステップS194で、着信応答があったと判別したときには、予定競合者との間に通信路を形成し、予定競合者に対して、優先順位上位の予定要求者の乗車予定の受付要求とが競合しているので予定の情報の変更を要求する(ステップS195)。
制御部101は、ステップS195の予定の情報の変更の要求に対して、通信路を通じて予定競合者からの予定の情報の変更を受け付けたか否か判別する(ステップS196)。このステップS196で、予定の情報の変更は受け付けていないと判別したときには、予定競合者から予定の情報の変更拒否を受信したか否か判別する(ステップS197)。このステップS197で、変更拒否を受信したと判別したときには、制御部101は、予定競合者との通信を切断し(ステップS198)、その後、図16のステップS181に処理を進め、このステップS181以降の処理を繰り返す。また、このステップS197で、変更拒否を受信してはいないと判別したときには、制御部101は、処理をステップS196に戻し、このステップS196以降の処理を繰り返す。
そして、ステップS196で、予定競合者からのスケジュール情報の変更(修正)を受け付けたと判別したときには、制御部101は、受け取った予定競合者からのスケジュール情報の変更(修正)を、利用予定登録者情報記憶部115の当該予定競合者のスケジュール情報に反映させて変更(修正)を実行する(ステップS199)。そして、制御部101は、予定競合者との間の通信路を切断する(ステップS200)。そして、制御部101は、処理を図16のステップS183に移行させ、このステップS183以降の処理を行う。
また、ステップS192で、予定要求者の予定の情報が予定競合者のスケジュール情報よりも優先順位が上位ではないと判別したとき、また、ステップS194で、予定競合者からの着信応答が無かったと判別したときには、制御部101は、処理を図16のステップS181に移行させ、このステップS181以降の処理を繰り返す。
[上述の実施形態の効果]
以上説明したように、上述の実施形態によれば、自動運転車1自身がスケジュール調整をするので、予定要求者は、自動運転車1に利用予定登録者の登録をすると共に、予定の情報の受付要求をするだけで済むという効果がある。
そして、上述の実施形態によれば、自動運転車1は、予定競合者と予定要求者との調整を、両者との意思の確認を行いながら実行するので、スケジュール調整をスムーズに行うことができる。この場合に、自動運転車1は、スケジュールを実行中である状態においても、乗車中の予定競合者と予定要求者との間のスケジュール調整ができ、予定要求者の緊急の予定の受付要求にも容易に対応することができる。
また、上述の実施形態では、利用者を自動運転車1に登録した利用予定登録者に限定し、利用予定登録者情報として認証用情報をも登録するようにしているので、利用者についてのセキュリティーを確保することが容易にできる。
また、上述の実施形態では、利用予定登録者について個人属性に応じた優先順位を予め設定しているので、予定が競合したときに、優先順位が上位の者の利用予定を優先することができ便利である。また、予定の情報やスケジュール情報についても利用目的や目的地に応じた優先順位を設定することができるので、予定が競合したときに、優先順位が上位の利用予定を優先することができ便利である。特に、急病人の搬送などの緊急事態のときには、強制優先(絶対優先)とするようにしたので、緊急事態に的確に対応することが可能である。
[上述の実施形態の変形例]
上述の実施形態では、複数の利用予定登録者が家族の場合であり、家族構成員としての個人属性が記録され、その個人属性に応じた優先順位を予め設定していていたが、家族に限られるものではないことはもちろんであり、親族の場合やサークルなどの仲間の場合であってもよい。
さらに、上述の実施形態は、企業で利用する社用車や、公的機関で利用する公用車にも適用できる。社用車や公用車の場合、利用予定登録者情報記憶部115には、各利用予定登録者の情報として、上述の利用予定登録者の情報以外に所属、業務、役職(社長、課長、一般社員など)などの情報が、登録されて記憶される。所属、業務、役職などの情報は、業務属性として扱うことができる。この場合、個人属性より業務属性が重視され、業務の重要度や緊急度、役職の上下によって優先順位が設定される。例えば、一般社員より課長、課長より社長が、優先順位が高く設定される。
なお、優先順位の設定は、上述のような個人属性、業務属性、利用目的、目的地のみに限定されるものではなく、代替の交通手段の有無や、利用時間などに応じた優先順位を設定することができるようにしてもよい。例えば代替の交通手段が無い方が、優先順位が上位となる。また、例えば利用時間が所定時間(例えば30分)以内の短い利用の場合に、優先順位が上位となる。利用時間が短ければ、競合しているスケジュールとの調整により割り込んで利用することができる機会が多くなることを考慮したものである。
また、複数人の利用予定登録者で構成されるグループの属性(家族、会社の社員(営業部、総務部などの所属を含む)など)に応じた特質を考慮して、あるいは、グループ内での取り決めにより、利用時間が所定時間よりも長い場合を、より優先順位が上位とするようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、予定要求者の予定の情報と、予定スケジュール記憶部119に記憶されている既登録のスケジュール情報とを比較参照して、競合が生じている場合は、優先順位の判定を行い、その判定結果で処理を変えていたが、競合が所定時間以内(例えば5分以内)の場合、優先順位の判定を行わず、予定要求者に予定開始時刻を所定時間遅らせる旨を報知ないし通知してもよい。
また、上述の実施形態では、絶対優先の場合を設けたが、自動運転車が遠隔地への宿泊を伴う旅行に利用されている場合、緊急対応が物理的に不可能であるため、そのような利用形態の場合、事前に予定要求者の利用不可という設定を行えるようにすることもできる。
なお、以上の実施形態では、無線通信部102を携帯電話端末の2台分の機能を備えるように構成して、予定要求者の予定の情報と、未実行のスケジュール情報とが競合したときには、図17に示したように、その競合した未実行のスケジュール情報を登録した予定競合者に対して、予定要求者との間の通信路とは別の通信路を構築して、予定要求者と予定競合者との間のスケジュールの調整を行うようにした。しかし、無線通信部102は、必ずしも、携帯電話端末の2台分の機能を備える必要はない。
例えば、無線通信部102が携帯電話端末の1台分しか備えない場合には、スケジュール調整を行うことを予定要求者に通知して予定要求者との間の通信路を一旦切断し、その後、予定競合者との間に通信路を接続して、スケジュール調整を行って、その通信路を切断する。そして、再度、予定要求者との間に通信路を接続してその調整結果を通知するようにしてもよい。その場合には、予定要求者及び予定競合者との間に通信路を接続している状態において、予定の情報やスケジュール情報の変更(修正)やキャンセル(削除)を受け付ける。
[スケジュール調整の変形例]
自動運転車1が、予定要求者からの予定の情報の受付要求を受信したときに、図10のステップS127で競合するスケジュール情報が実行中とされている場合においては、実行中のスケジュール情報の目的地までの経路を若干変更すると共に、必要に応じて、予定要求者の予定の情報を若干変更することで、予定要求者の予定を、予定競合者のスケジュールに取り込むことが可能である場合がある。すなわち、予定要求者により指定された乗車開始予定位置を、予定競合者のスケジュール情報の経由地として取り込むことで、予定要求者により要求された自動運転車1への乗車を、予定競合者との相乗りとして受け入れることができる場合である。なお、この場合に、好ましくは、予定競合者及び/または予定要求者の承諾を得ることが肝要である。
例えば、予定競合者のスケジュール情報の実行中の現在位置Sから目的地Eまでの経路PAが、図18(A)において実線で示すようなものである場合に、予定要求者からの予定の情報の乗車開始予定位置(乗車予定地)Srが当該経路PAに近く、かつ、乗車終了予定位置(降車予定地)Erも当該経路PAに近い場合には、図18(A)において、点線で示す経路PBに変更することにより、予定要求者による要求に応じた乗車を、相乗りとして受け入れることが可能である。
なお、図18(A)に示すように、乗車終了予定位置(降車予定地)Erが、経路PAの目的地よりも手前である場合のみではなく、図18(B)に示すように、乗車終了予定位置(降車予定地)Erが、目的地よりも遠方であっても同様である。
この例におけるスケジュール調整の要部の処理の流れの例を、図19及び図20のフローチャートを参照しながら説明する。
図19に示すように、この例の処理ルーチンは、前述した図10のステップS127と、ステップS128との間に設けられる。すなわち、この例においては、ステップS127において、競合するスケジュールは実行中であると判別したときには、制御部101は、カーナビ機能部113により予定要求者の乗車開始予定位置(乗車予定地)や乗車終了予定位置(降車予定地)を経由地としたときの利用中の予定競合者のスケジュール情報の目的地への到着遅延時間を計算する(図19のステップS211)。
そして、制御部101は、計算結果の到着遅延時間が、予め定めた許容遅延時間DLth以下であるか否か判別する(ステップS212)。このステップS212で、計算結果の到着遅延時間が、予め定めた許容遅延時間DLthを超えてしまうと判別したときには、制御部101は、処理を図10のステップS128へ以降させ、前述したこのステップS128以降の処理を実行する。
また、ステップS212で、計算結果の到着遅延時間が、予め定めた許容遅延時間DLth以下であると判別したときには、制御部101は、予定競合者のスケジュールにより乗車中の人数と、予定要求者からの予定の情報の利用人数と、自車情報記憶部124に記憶されている乗車定員の情報とから、合計乗車予定人数が乗車定員以内であるか否か判別する(ステップS213)。このステップS213で、合計乗車予定人数が乗車定員を超えてしまうと判別したときには、制御部101は、処理を図10のステップS128へ以降させ、前述したこのステップS128以降の処理を実行する。
このステップS213で、合計乗車予定人数が乗車定員以内であると判別したときには、予定要求者に、予定競合者との競合と、便乗が可能であることを通知し、便乗を希望するか否かの問い合わせを、通信路を通じて送信する(ステップS214)。そして、制御部101は、予定要求者からの便乗の希望の有無の回答を受信し、希望の有無を判別する(ステップS215)。このステップS215で、予定要求者は便乗を希望しないと判別したときには、制御部101は、処理を図10のステップS128へ以降させ、前述したこのステップS128以降の処理を実行する。
また、ステップS215で、予定要求者は便乗を希望していると判別したときには、制御部101は、利用中の予定競合者に、表示部111の表示画面及びスピーカ136を通じて、予定要求者による予定の情報の人数を含めて、予定要求者の乗車の便乗と、目的地への到着時間遅延を通知すると共に、便乗を承諾するか否かを問い合わせる(ステップS216)。
そして、制御部101は、便乗を承諾するか否かの問い合わせに対する回答を受信して、便乗を承諾するか拒否するかを判別する(ステップS217)。このステップS217で、回答は、便乗を拒否していると判別したときには、制御部101は、予定競合者が便乗を拒否したことを予定要求者に通信路を通じて通知する(ステップS218)。そして、制御部101は、処理を図10のステップS128へ以降させ、前述したこのステップS128以降の処理を実行する。
また、ステップS217で、回答は、便乗を承諾していると判別したときには、制御部101は、予定スケジュール記憶部119に記憶されている利用中の予定競合者のスケジュール情報に経由地を追加し、乗車終了予定時刻を、経由地を経由することで遅延するため計算し直した時刻に変更し、その旨を予定競合者に表示部111の表示画面及びスピーカ136を通じて報知する(図20のステップS221)。
次に、制御部101は、利用中の予定競合者のスケジュール情報に関連付けて、予定要求者の予定の情報を、予定スケジュール記憶部119に記憶し、その旨を予定要求者に通信路を通じて通知する(ステップS222)。そして、制御部101は、予定要求者との間の通信路を切断し(ステップS223)、この処理ルーチンを終了する。
なお、この例の場合には、予定スケジュール記憶部119に記憶されているスケジュール情報は、予定競合者のスケジュール情報と、予定要求者のスケジュール情報との両方が完了したときに、予定スケジュール記憶部119から削除される。
以上説明した例によれば、予定要求者と予定競合者との間での調整により、競合していても便乗(相乗り)により、両方の予定を同時並行的に実行することができるので、非常に便利であると共に、効率良く予定を実行することができるという効果がある。なお、便乗(相乗り)については、複数人、複数経由地も可能である。
上述の例では、予定競合者が乗車中であるときに、予定要求者の便乗についてのスケジュール調整を行うようにした。しかし、予定競合者のスケジュール情報が未実行の場合にも、同様にして、予定要求者の予定の情報に応じて、便乗についての調整を行うようにすることもできる。その場合には、無線通信部102が、携帯電話端末の2台分の機能を有する場合には、前述の実施形態における予定競合者と予定要求者とのスケジュール調整と同様に、予定要求者からの予定の情報の受付要求についての待機をさせつつ、予定競合者との間に通信路を形成して、スケジュール調整するようにする。
また、無線通信部102が、携帯電話端末の1台分の機能しか有しない場合には、予定要求者からの予定の情報の受付要求についての通信路を一旦切断し、その後、予定競合者との間に通信路を形成して便乗についてのスケジュール調整をして通信路を切断する。そして、便乗についてのスケジュール調整の結果を、予定要求者との間に再度通信路を接続して、通知するようにすることで調整が可能である。
[その他の実施形態又は変形例]
上述の実施形態では、自動運転車は電気自動車であったが、ガソリン車や燃料電池車など、その他の駆動方式であってもよい。また、自動運転車はカーナビによる誘導のみならず、信号機やサインポストなどからの外部電波による誘導によって走行することもできるものであってもよい。
また、上述の実施形態における自動運転車は、自動運転モードと手動運転モードを備え、切り替えられる構成としていたが、自動運転モードのみの構成でもよい。この場合、手動運転モードを有しないため、手動/自動運転モード切替制御部105と、手動運転操作検知部133は不要となる。その代わりに、自動運転のための制御処理を行う自動運転制御部(図示せず)が設けられる。また、自動運転モードの場合は、運転者がアクセルペダル操作、ブレーキペダル操作、シフトレバー操作、ステアリング操作(ハンドル操作)などの操作をする必要がないので、これらの操作に必要な機構も不要となる。自動運転モードのみの場合、利用者(乗車者)は、例えば、ボタン操作、タッチパネル操作、音声操作などで、自動運転に必要な全ての操作が可能となる。
さらに、この発明の自動運転車は、自動車に限らず、大型車両、自動二輪や1人乗り移動体、さらにヘリコプターや航空機、モーターボート、フェリーなどの船舶など、乗り物全般に適用できる。
さらに、上述の実施形態では、利用予定登録者情報記憶部115、予定スケジュール記憶部119、場所属性優先順位記憶部121、利用目的優先順位記憶部122、自車情報記憶部124、カーナビ用データベース134は、自車内に設置されていたが、それらの記憶部の一部または全部を、自車内ではなく、クラウド上に設置し、通信ネットワーク3を介して、利用することもできる。さらに、予定要求者認証部116、乗車者認証部117等の認証部の一部または全部を、自車内ではなく、通信ネットワーク3を介して、クラウド上で処理することもできる。
また、上述の実施形態では、乗車者認証は、利用者の顔画像を用いるようにしたが、利用者の音声を用いることもできる。利用者の音声により乗車者認証を行う場合には、自動運転車においては、利用者の音声をマイクロフォン135で収音して、利用予定登録者情報記憶部115に利用予定登録者の音声を記憶すると共に、乗車者認証部117を、話者音声認識機能を備えるものとして構成して、記憶されていた音声と、マイクロフォン135により収音された新たな利用者の音声との一致/不一致を判定することで、乗車者認証を行うように構成する。
また、利用者の指紋により乗車者認証を行う場合には、自動運転車には、指紋読み取り装置が設けられると共に、利用予定登録者情報記憶部115には、利用予定登録者の指紋が記憶され、乗車者認証部117は、指紋認識機能を備えるものとして構成されて、記憶されていた指紋と、指紋読み取り装置により取得された新たな利用者の指紋との一致/不一致を判定することで、乗車者認証が行われる。掌紋、静脈、虹彩、その他の生体情報を用いる場合も、同様の構成の変更により可能となる。
なお、乗車者認証に利用者の顔画像、音声、指紋などの生体情報ではなく、パスワードや携帯電話番号などを用いてもよい。この方法は、受付要求をした予定要求者自身が自動運転車1に乗車せず、生体情報の登録のない他の利用者が乗車する場合の乗車者認証に有用である。もちろん、予定要求者自身が自動運転車1に乗車しない利用形態は、セキュリティーを確保するため、禁止するようにしてもよいし、当該他の利用者が乗車時に、予定要求者に対しその旨を通知し、乗車させてよいか否かの確認を取り、その確認結果を追加の乗車者認証として用いてもよい。
また、上述の実施形態では、1回分の乗車の予定の情報を入力する場合としたが、乗車の予定の情報は、複数回分を入力することもでき、それぞれの回について、上述と同様のスケジュール調整が可能である。また、スケジュールは、当日中に限らず、2日などの複数日、さらには1週間、1か月に亘るスケジュールであってもよい。
なお、以上の実施形態では、予定要求は、予定要求者が所持する携帯電話端末を通じて行うようにしたが、自動運転車の乗車中の者が、タッチパネル112を通じた操作入力やマイクロフォン135と音声入出力部120を通じた音声入力により行うようにしてもよい。そして、予定要求者の予定の情報(スケジュール情報)は、自動運転車1側からスケジュールのテンプレートを呈示して、それに必要事項を入力してもらうようにしてもよいし、予定要求者が直接的に入力してもよい。さらに、自動運転車との間で対話形式にスケジュール情報を入力することができるようにしてもよい。
なお、予定要求者は利用予定登録者である必要があるが、同乗者は利用予定登録者である必要はないことは言うまでもない。