[パチスロ機の機能フロー]
まず、図1を参照して、本実施形態におけるパチスロ機1の主要な構成について説明する。図1は、本実施形態におけるパチスロ機1の機能フローを示す図である。パチスロ機1では、図1に示した各手段が必要な処理を実行し、各々が担う機能が発揮されることにより、遊技者による遊技の実行を可能としている。
<投入操作検出手段>
投入操作検出手段は、遊技者によるメダルやコインなどの遊技媒体の投入操作を検出する。所定数の遊技媒体(例えば、3枚のメダル)の投入操作が検出されると、後述する開始操作検出手段による開始操作の検出が許可される。また、後述する図柄表示手段において、予め定められた入賞ラインが有効化される(以下、有効化された入賞ラインを「有効ライン」という。)。本実施形態において、遊技者によるメダルの投入を検出するメダルセンサ35S及びメダルセンサ35Sからの信号を受信する主制御回路41は、投入操作検出手段を構成する。なお、検出可能な遊技媒体の種類は、メダルに限られるものはなく、コインやトークン、遊技球、若しくはこれらと同等の価値を有する電磁的遊技媒体などを含むものとする。
<開始操作検出手段>
開始操作検出手段は、遊技者による開始操作を検出する。開始操作が検出されると、後述する図柄表示手段による図柄の変動表示が開始される。また、後述する内部当籤役決定手段が内部当籤役を決定する際に用いられる乱数値が、予め定められた数値範囲内(例えば、0〜65535)から抽出される。また、後述する演出制御手段が演出を決定する際に用いられる演出用乱数値が、予め定められた数値範囲内(例えば、0〜32767)から抽出される。本実施形態において、遊技者によるスタートレバー16の操作を検出するスタートスイッチ16S及びスタートスイッチ16Sからの信号を受信する主制御回路41は、開始操作検出手段を構成する。なお、抽出される乱数値の種類、個数、数値範囲については、これに限られるものではなく、遊技において必要となる個数の乱数値を、所定の数値範囲内から抽出することができるものとする。
<内部当籤役決定手段>
内部当籤役決定手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、予め定められた複数の役の中から内部当籤役を決定する。すなわち、内部当籤役の決定により、有効ラインに表示されることが許可される図柄の組合せが決定される。本実施形態において、各種のテーブルを参照し、抽出された乱数値に基づいて内部抽籤処理を実行する主制御回路41は、内部当籤役決定手段を構成する。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払出、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動などといった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
また、パチスロ機は、遊技の進行が停止される制御を行いうる。このような制御は、「ロック」(又は、「フリーズ」)と称される。なお、便宜上、遊技開始時に実行される遊技の進行が停止される制御を「遊技開始時ロック」と呼び、遊技終了時に実行される遊技の進行が停止される制御を「遊技終了時ロック」と呼ぶ。すなわち、「遊技開始時ロック」とは、スタートレバーが操作された後、予め定められた期間においては、ストップボタンへの操作が有効とならないという意味で遊技の進行が停止される制御であり、「遊技終了時ロック」とは、ストップボタンが操作された後、予め定められた期間においては、ベットボタンへの操作、若しくはスタートレバーへの操作が有効とならないという意味で遊技の進行が停止される制御である。もちろん、「ロック」の契機は、上記に限られるものではなく、例えば、スタートレバーが操作され、ストップボタンのいずれかが操作された後、予め定められた期間においては、その後の操作が有効とならない制御を行うこととしてもよい。
ここで、内部当籤役決定手段は、抽出した乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役に替えて、あるいは内部当籤役とともに、「ロック」を行うか否かを決定することができる。この場合、複数の乱数値を抽出しておき、そのうちの1つの乱数値に基づいて内部当籤役を決定し、他の1つの乱数値に基づいて「ロック」を行うか否かを決定することとしてもよい。
<図柄表示手段>
図柄表示手段は、複数の図柄を複数列に変動表示する。すなわち、開始操作検出手段により開始操作が検出されると、図柄の変動表示を開始し、後述する停止制御手段により停止制御が実行されると、図柄の変動表示を終了する。本実施形態において、複数のリール3L、3C、3R、及び表示窓4は、図柄表示手段を構成する。なお、図柄表示手段は、これに限られるものではなく、例えば、複数の図柄画像を複数列に変動表示する図柄画像表示手段(例えば、画像表示装置)などであってもよい。
<停止操作検出手段>
停止操作検出手段は、遊技者による停止操作を検出する。停止操作が検出されると、後述する停止制御手段により図柄表示手段による図柄の変動表示が停止される。本実施形態において、遊技者によるストップボタン17L、17C、17Rの操作を検出するストップスイッチ17S及びストップスイッチ17Sからの信号を受信する主制御回路41は、停止操作検出手段を構成する。
なお、全てのリールが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
<停止制御手段>
停止制御手段は、図柄表示手段における図柄の変動表示の停止を制御する。すなわち、停止操作検出手段により停止操作が検出されると、内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役に応じて設定された停止制御情報に基づいて、図柄表示手段における図柄の変動表示を停止制御する。本実施形態において、遊技者によりストップボタン17L、17C、17Rが操作されると、各種の停止制御情報を参照し、対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止制御するリール停止制御処理を実行する主制御回路41は、停止制御手段を構成する。
ここで、パチスロ機では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec又は75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定め、規定期間が75msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄1個分に定める。なお、滑り駒数の最大数はこれらに限られるものではなく、適宜設定することができる。
停止制御手段は、内部当籤役の決定により、表示が許可されている図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが有効ラインに沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリールの回転を停止する。
その一方で、内部当籤役の決定により、表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、有効ラインに沿って表示されることがないように最大滑り駒数の範囲でリールの回転を停止する。
また、停止制御手段は、決定されている内部当籤役が、予め定められた停止操作順序(例えば、複数のストップボタンが操作された順番)に応じて表示される図柄の組合せを変動させるものであるときには、その予め定められた停止操作順序も参照して、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
<入賞判定手段>
入賞判定手段は、図柄表示手段に表示された図柄の組合せに応じて、入賞があるか否かの判定を行う。すなわち、停止制御手段により図柄の変動表示が停止された場合に、有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する。本実施形態において、図柄組合せテーブルなどを参照し、図柄表示手段に表示された図柄の組合せに基づいて入賞検索処理を実行する主制御回路41は、入賞判定手段を構成する。
<利益付与手段>
利益付与手段は、入賞判定手段により入賞があると判定されると、入賞した図柄の組合せに応じた利益を付与する。すなわち、図柄表示手段に表示された図柄の組合せに応じて、対応する利益を遊技者に付与する。本実施形態において、入賞検索処理の結果に基づいてメダル払出処理などを実行する主制御回路41は、利益付与手段を構成する。なお、付与される利益が、副制御回路42の制御によって付与されるものである場合には、副制御回路42が、利益付与手段を構成する。
ここで、利益付与手段により付与される利益としては、メダルの払出、今回の遊技と同じ数量の遊技媒体が自動で投入され、再度遊技を行えることとなる再遊技の作動、再遊技に係る内部当籤役の当籤確率が高くなる再遊技高確率状態(リプレイタイム)の作動、メダルの払出に係る内部当籤役の当籤確率が高くなる特別遊技状態(ボーナス)の作動、遊技者に適切な停止操作の情報を報知することにより、メダルの払出に係る内部当籤役の入賞確率が高くなる特定遊技状態(アシストタイム)の作動などを挙げることができる。なお、利益付与手段が付与する利益はこれに限られるものではない。
このように、パチスロ機においては、投入操作検出手段によって遊技者の投入操作が検出され、開始操作検出手段によって遊技者の開始操作が検出されると、内部当籤役決定手段によって内部当籤役などが決定されるとともに、図柄表示手段による図柄の変動表示が開始される。そして、停止操作検出手段によって遊技者の停止操作が検出されると、停止制御手段によって図柄表示手段による図柄の変動表示が停止制御され、図柄表示手段に表示された図柄の組合せが、入賞判定手段によって入賞に係る図柄の組合せであると判定されると、利益付与手段によってその図柄の組合せに応じた利益が付与される。以上のような一連の流れがパチスロ機における1回の遊技(単位遊技)として行われる。
<演出制御手段>
演出制御手段は、抽出された演出用乱数値と、その他の情報(例えば、内部当籤役に関する情報)とに基づいて抽籤を行い、複数種類の演出の中から今回実行するものを決定する。また、演出制御手段は、決定された演出が適切に実行されるように、後述する演出実行手段を制御する。本実施形態において、各種のテーブルを参照し、少なくとも抽出された演出用乱数値に基づいて演出内容を決定するとともに、決定された演出内容に従った演出を実行させる副制御回路42は、演出制御手段を構成する。なお、上述の「ロック」も演出の一態様であるとすることができる。この場合には、主制御回路41が、演出制御手段を構成する。
また、演出制御手段は、所定の報知条件が満たされると、遊技者に対して遊技に必要な情報(例えば、停止操作順序に関する情報や遊技履歴に関する情報)を報知するための演出を決定する。この場合、演出制御手段は、報知制御手段とも言いうる。
<演出実行手段>
演出実行手段は、演出制御手段により決定された演出を実行する。すなわち、視覚に訴える演出を実行する表示装置やランプ、聴覚に訴える演出を実行するスピーカ、触覚に訴える演出を実行する演出ボタンなどの演出に用いられる各種のデバイスを意味する。本実施形態において、液晶表示装置11、ランプ群21、スピーカ20L、20Rは、演出実行手段を構成する。なお、演出実行手段は、これらに限られるものではなく、例えば、パチスロ機の前面側から視認可能な位置に設けられる可動体(役物)であってもよいし、複数のリール(例えば、リール3L、3C、3R)を通常の図柄の変動表示態様とは異なる演出態様で変動表示させることによって演出を実行するものであってもよい。
また、演出実行手段は、演出制御手段によって、遊技者に対して遊技に必要な情報(例えば、停止操作順序に関する情報や遊技履歴に関する情報)を報知するための演出が決定された場合には、遊技者に対してその情報の報知を実行する。この場合、演出実行手段は、報知手段とも言いうる。
[パチスロ機の構造]
次に、図2〜図6を参照して、本実施形態におけるパチスロ機1の構造について説明する。
図2は、本実施形態のパチスロ機の外部構造を示す斜視図であり、図3は、本実施形態のパチスロ機において可動部品が初期位置にある状態のフロントパネルの状態の正面図であり、図4は、本実施形態のパチスロ機において可動部品が演出位置にある状態のフロントパネルの状態の正面図である。また、図5は、本実施形態のパチスロ機におけるフロントパネルの分解斜視図であり、図6は、本実施形態のパチスロ機の内部構造を示すものであり、フロントドアが開いた状態の正面図である。
このパチスロ機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、若しくは付与される遊技価値の情報を記憶したカードなどの遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
図2に示すように、パチスロ機1は、外装体2を備えている。外装体2は、リールや回路基板などを収容する本体であるキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有している。キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている(図2では一側面の把手7のみを示す)。この把手7は、パチスロ機1を運搬するときに手をかける凹部である。
フロントドア2bは、ドア本体9と、フロントパネル10と、表示装置の一具体例を示す液晶表示装置11(図3参照)と、腰部パネル12とを備えている。ドア本体9は、ヒンジ(不図示)を用いてキャビネット2aに開閉可能に取り付けられている。ヒンジは、パチスロ機1の前方からドア本体9を見た場合に、ドア本体9における左側の端部に設けられている。
また、図3に示すように、キャビネット2aの内部には、3つのリール3L、3C、3Rが横並びに設けられている。以下、各リール3L、3C、3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L、3C、3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
液晶表示装置11は、ドア本体9の上部に取り付けられており、映像の表示による演出を実行する。この液晶表示装置11は、3つのリール3L、3C、3Rに描かれた図柄を表示する表示窓4L、4C、4Rを含む表示部(表示画面)11aを備える。本実施形態では、表示窓4L、4C、4Rを含む表示部11aの全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
表示窓4L、4C、4Rは、例えばアクリル板などの透明な部材で形成されている。この表示窓4L、4C、4Rは、正面(遊技者側)から見て、3つのリールの配置領域と重畳する位置に設けられ、且つ、3つのリールより手前(遊技者側)に位置するように設けられる。したがって、遊技者は、表示窓4L、4C、4Rを介して、表示窓4L、4C、4Rの背後に設けられた3つのリールを視認することができる。
本実施形態では、表示窓4L、4C、4Rは、その背後に設けられた対応するリールの回転が停止したとき、各リールに描かれた複数種類の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄を表示できる大きさに設定されている。すなわち、表示窓4L、4C、4Rの枠内には、リール毎に上段、中段及び下段の各領域が設けられ、各領域に1個の図柄が表示される。そして、本実施形態では、左リール3Lの上段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの下段領域を結ぶライン(クロスダウンライン)、及び左リール3Lの下段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの上段領域を結ぶライン(クロスアップライン)を、入賞か否かの判定を行う入賞ラインとして定義する。
フロントパネル10は、ドア本体9の上部に取り付けられており、液晶表示装置11を覆う大きさに設定されている。このフロントパネル10は、液晶表示装置11の表示部11a側に重畳して配置され、液晶表示装置11の表示部11aを露出させるパネル開口101aを有する装飾枠101と、装飾枠101の前面を覆う保護カバー102(図2及び図5参照)とを有している。
図5に示すように、装飾枠101は、パネル開口101aを有する矩形の枠状に形成されている。この装飾枠101は、上枠部111、下枠部112、左枠部113、及び、右枠部114を有している。装飾枠101は、樹脂に混合物を混ぜて射出成型することで、表面に模様が生じるように形成されている。このような成型により表面に模様を生じさせるには、例えば、射出ゲートの位置などを調整するとよい。
上枠部111には、前方に開口する複数の上係合孔111aが設けられている。複数の上係合孔111aの開口は、それぞれ横長の長方形に形成されている。これら複数の上係合孔111aには、保護カバー102の後述する上係合片126が挿入される。
また、左枠部113には、前方に開口する複数の左係合孔113aが設けられており、右枠部114には、前方に開口する複数の右係合孔114aが設けられている。複数の左係合孔113a及び右係合孔114aの開口は、それぞれ縦長の長方形に形成されている。複数の左係合孔113a及び右係合孔114aには、保護カバー102の後述する左係合片127及び右係合片128が挿入される。
また、図5に示すように、保護カバー102は、透光性を有する合成樹脂により形成されており、前方を向く前面部121と、上方を向く上面部122と、下方を向く下面部123と、側方を向く左側面部124及び右側面部125とを有している。
前面部121の下部には、後述する演出用スイッチ22L、22Rを露出させるためのスイッチ用切り欠き121a、121bが形成されている。これらスイッチ用切り欠き121a、121bは、演出用スイッチ22L、22Rの外形に応じた円弧状に形成されている。
上面部122の端面には、複数の上係合片126が設けられている。複数の上係合片126は、上下方向に略直交する平面を有する平板状に形成されており、可撓性を有している。また、複数の上係合片126の上面(一方の平面)には、係合突条126aが設けられている。
上係合片126を装飾枠101の複数の上係合孔111aに挿入すると、係合突条126aが、装飾枠101の上枠部111に係合し、保護カバー102が装飾枠101から外れないようにすることができる。
保護カバー102の左側面部124及び右側面部125は、前後方向の中間部で前面部121と連続している。これにより、左側面部124及び右側面部125は、前面部121よりも前方に突出する突出片124A及び突出片125Aを有している。左側面部124及び右側面部125の前方を向く端面は、突出片124A及び突出片125A側の端面であり、中央部が最も前方に突出するような円弧状に形成されている。
また、右側面部125の後方を向く端面には、複数の右係合片128が設けられている。なお、左側面部124には、右側面部125における右係合片128と同様に、複数の左係合片127(不図示)が設けられている。複数の左係合片127及び複数の右係合片128は、左右方向に略直交する平面を有する平板状に形成されている。
右側面部125には、装飾部125aが設けられている。この装飾部125aは、右側面部125の外面の一部にシボ加工を施すことにより形成されている。この装飾部125aは、装飾枠101の右係合孔114aの奥に設けた不図示の光源から発射された光を受けて発光する。なお、右側面部125において、装飾部125aが設けられていない領域は、光を透過する透光部である。
また、左側面部124には、右側面部125の装飾部125aと同様の装飾部(不図示)が設けられている。左側面部124の装飾部(不図示)は、装飾枠101の左係合孔113aの奥に設けた不図示の光源から発射された光を受けて発光する。なお、左側面部124において、装飾部が設けられていない領域は、光を透過する透光部である。
また、図3〜図5に示すように、装飾枠101には、ランプ群21と、演出用スイッチ22L、22Rが設けられている。ランプ群21は、例えば、図3中のランプ21a、21bを含む。このランプ群21は、LED(Light Emitting Diode)などで構成され、演出内容に対応するパターンで、光を点灯及び消灯する。演出用スイッチ22L、22Rは、それぞれ装飾枠101の左右の側部に設けられている。
また、装飾枠101には、中央可動ユニット105と、左可動ユニット106と、右可動ユニット107とが取り付けられている。
中央可動ユニット105は、装飾枠101内の上方における中央部に配置されており、後述する可動部品309を有している。中央可動ユニット105は、例えば、特定の演出が行われる場合に、初期位置(図3参照)にある可動部品309を、左右方向に延びる軸を中心に回動させるとともに、装飾カバー364の下方から下降させる。これにより、可動部品309は、液晶表示装置11の表示部11aの一部を覆う演出位置(図4参照)まで移動する。
ここで、図4に示すように、可動部品309は、キャラクタ部323、アーチカバー324、発光表示部325により構成され、可動部品309が演出位置に配置されると、キャラクタ部323、アーチカバー324、発光表示部325がパチスロ機1の前方から視認可能となる。また、図示は省略するが、アーチカバー324及び発光表示部325には、それらの裏面に設けられたLED(図示せず)から照射された光を透過する透過領域が、各々個別に形成されている。特に、発光表示部325は、複数段階(例えば、3段階)の点灯表示を段階的に行いうるように、複数(例えば、3個)の透過領域が並列して形成されている。
左可動ユニット106は、装飾枠101内の左側方に配置されており、後述する左扉188を有している。また、右可動ユニット107は、装飾枠101内の右側方に配置されており、後述する右扉189を有している。左扉188及び右扉189は、適当な厚みを有する略長方形の板状に形成されており、初期位置において、一方の平面が前方を向いている。
左可動ユニット106は、例えば、所定の演出が行われる場合に、初期位置(図3参照)にある左扉188を、上下方向に延びる軸を中心に回動させる。また、右可動ユニット107は、例えば、所定の演出が行われる場合に、初期位置にある右扉189を、上下方向に延びる軸を中心に回動させる。なお、パチスロ機1では、所定の演出が行われる場合において、左扉188と右扉189のいずれか一方を回動させてもよく、左扉188と右扉189の両方を回動させてもよい。
また、図2に示すように、腰部パネル12には、台座部13が形成されている。この台座部13には、遊技者の操作対象となる各種装置(メダル投入口14、MAXベットボタン15A、1BETボタン15B、スタートレバー16、ストップボタン17L、17C、17R、精算ボタン18)が設けられている。
メダル投入口14は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口14から受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に使用され、所定枚数を超えた分は、パチスロ機1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能)。
MAXベットボタン15A及び1BETボタン15Bは、パチスロ機1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に使用する枚数を決定するために設けられる。また、精算ボタン18は、パチスロ機1の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。
スタートレバー16は、全てのリール(3L、3C、3R)の回転を開始するために設けられる。ストップボタン17L、17C、17Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応づけて設けられ、各ストップボタンは対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン17L、17C、17Rを、それぞれ左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rという。
また、図2には示さないが、台座部13には、7セグメントLEDからなる7セグ表示器6(図7参照)が設けられている。この7セグ表示器6は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ機1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)などの情報をデジタル表示する。
ドア本体9の下部には、メダル払出口24、メダル受皿25、スピーカ20L、20Rなどが設けられている。メダル払出口24は、後述のメダル払出装置33の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル受皿25は、メダル払出口24から排出されたメダルを貯める。また、スピーカ20L、20Rは、演出内容に対応する効果音や楽曲などの音を出力する。
また、図6に示すように、キャビネット2aは、正面側の一面が開口された略直方体状に形成されている。このキャビネット2a内の上部には、後述の主制御回路41(図7参照)を構成する主基板31が設けられている。主制御回路41は、内部当籤役の決定、各リールの回転及び停止、入賞の有無の判定などの、パチスロ機1における遊技の主な動作及び該動作間の流れを制御する回路である。なお、主制御回路41の具体的な構成は後述する。
キャビネット2a内の中央部には、3つのリール(左リール3L、中リール3C及び右リール3R)が設けられている。なお、図6には示さないが、各リールは、所定の減速比を有する歯車を介して対応する後述のステッピングモータ(図7中のステッピングモータ61L、61C、61Rのいずれか)に接続される。
キャビネット2a内の下部には、多量のメダルを収容可能であり、且つ、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置33(以下、ホッパー33という)が設けられている。また、キャビネット2a内における、ホッパー33の一方の側部(図6に示す例では左側)には、パチスロ機1が有する各装置に対して必要な電力を供給する電源装置4が設けられている。
フロントドア2bの裏面側(表示画面側とは反対側の部分)における上部には、後述の副制御回路42(図7及び図8参照)を構成する副基板32が設けられている。副制御回路42は、映像の表示などによる演出の実行を制御する回路である。なお、副制御回路42の具体的な構成は後述する。
さらに、フロントドア2bの裏面側における略中央部には、セレクタ35が設けられている。セレクタ35は、メダル投入口14(図2参照)を介して外部から投入されたメダルの材質や形状などが適正であるか否かを選別する装置であり、適正であると判定したメダルをホッパー33に案内する。また、図6には示さないが、セレクタ35内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ35S(図7参照)が設けられている。
[パチスロ機が備える回路の構成]
次に、図7、図8を参照して、本実施形態におけるパチスロ機1が備える回路の構成について説明する。図7は、本実施形態のパチスロ機が備える回路の全体構成を示すブロック図であり、図8は、本実施形態のパチスロ機における副制御回路の内部構成を示すブロック図である。本実施形態におけるパチスロ機1は、遊技の進行に関する制御を行う主制御回路41、演出(報知)に関する制御を行う副制御回路42及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
<主制御回路>
主制御回路41は、主に、回路基板(主基板31)上に設置されたマイクロコンピュータ50により構成される。それ以外の構成要素として、主制御回路41は、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56、サンプリング回路57、表示部駆動回路64、ホッパー駆動回路65、及び、払出完了信号回路66を含む。
マイクロコンピュータ50は、メインCPU51、メインROM(Read Only Memory)52及びメインRAM(Random Access Memory)53により構成される。
メインROM52には、メインCPU51により実行される各種処理の制御プログラム、内部抽籤テーブルなどのデータテーブル、副制御回路42に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータなどが記憶されている。メインRAM53には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役などの各種データを格納する格納領域が設けられている。
メインCPU51には、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56及びサンプリング回路57が接続されている。クロックパルス発生回路54及び分周器55は、クロックパルスを発生する。なお、メインCPU51は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。また、乱数発生器56は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。そして、サンプリング回路57は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ50の入力ポートには、各種スイッチ及びセンサなどが接続される。メインCPU51は、各種スイッチなどからの入力信号を受けて、ステッピングモータ61L、61C、61Rなどの周辺装置の動作を制御する。
ストップスイッチ17Sは、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。スタートスイッチ16Sは、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。精算スイッチ18Sは、精算ボタンが遊技者により押されたことを検出する。
メダルセンサ35Sは、メダル投入口14に投入されたメダルがセレクタ35内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ15Sは、ベットボタン(MAXベットボタン15A又は1BETボタン15B)が遊技者により押されたことを検出する。
また、マイクロコンピュータ50により動作が制御される周辺装置としては、3つのステッピングモータ61L、61C、61R、7セグ表示器6及びホッパー33がある。また、マイクロコンピュータ50の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための駆動回路が接続される。
モータ駆動回路62は、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応してそれぞれ設けられた3つのステッピングモータ61L、61C、61Rの駆動を制御する。リール位置検出回路63は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが一回転したことを示すリールインデックスをリール毎に検出する。
3つのステッピングモータ61L、61C、61Rのそれぞれは、その運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を有する。また、各ステッピングモータの駆動力は、所定の減速比を有する歯車を介して、対応するリールに伝達される。そして、各ステッピングモータに対して1回のパルスが出力される毎に、対応するリールは一定の角度で回転する。
メインCPU51は、各リールのリールインデックスを検出してから対応するステッピングモータに対してパルスが出力された回数をカウントすることによって、各リールの回転角度(具体的には、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
ここで、各リールの回転角度の管理を具体的に説明する。各ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM53に設けられたパルスカウンタ(不図示)によって計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数(例えば、17回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数される毎に、メインRAM53に設けられた図柄カウンタ(不図示)の値に、「1」が加算される。なお、図柄カウンタは、リール毎に設けられる。そして、図柄カウンタの値は、リール位置検出回路63によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
すなわち、本実施形態では、図柄カウンタの値を管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転動作が行われたのかを管理する。それゆえ、各リールの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
なお、表示部駆動回路64は、7セグ表示器6の動作を制御する。ホッパー駆動回路65は、ホッパー33の動作を制御する。また、払出完了信号回路66は、ホッパー33に設けられたメダル検出部33Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー33から外部に排出されたメダルが所定の払出枚数に達したか否かをチェックする。
また、図示は省略しているが、マイクロコンピュータ50の出力ポートには、外部集中端子板が接続されている。外部集中端子板は、主制御回路41からのメダルの投入/払出枚数、遊技回数、ボーナスの作動有無情報などの信号が入力されるとともに、それらの信号を遊技回数やボーナス作動回数などを表示する外部表示器や、遊技場のホストコンピュータに外部信号として出力する。外部表示器は、例えば、パチスロ機1の上方に設置され、遊技回数の進行やボーナス作動と連動して表示を更新したり、ランプなどによりボーナス作動を報知したりするものである。
<副制御回路>
図7及び図8に示すように、副制御回路42は、主制御回路41と電気的に接続され、主制御回路41から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行などの処理を行う。副制御回路42は、基本的には、図7に示すように、サブCPU81、サブROM82、サブRAM83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、及び、ドライバ86を含む。さらに、副制御回路42は、DSP(Digital Signal Processor)90、オーディオRAM91、A/D(Analog to Digital)変換器92、アンプ93、中央可動ユニット駆動回路96、左可動ユニット駆動回路97、右可動ユニット駆動回路98、及び、回転灯駆動回路99を含む。
サブCPU81は、主制御回路41から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力制御を行う。なお、サブROM82は、基本的には、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を有する。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する各種制御プログラムが記憶される。なお、プログラム記憶領域に格納される制御プログラムには、例えば、主制御回路41との通信を制御するための主基板通信タスク、演出用乱数値を抽出して演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置11による映像の表示を制御するための描画制御タスク、ランプ群21による光の出力を制御するためのランプ制御タスク、スピーカ20L、20Rによる音の出力を制御するための音声制御タスクなどのプログラムが含まれる。
データ記憶領域には、例えば、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各種演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域などの各種記憶領域が含まれる。
サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路41から送信される内部当籤役などの各種データを格納する格納領域などを有する。
また、副制御回路42には、図7に示すように、液晶表示装置11、スピーカ20L、20R、ランプ群21、中央可動ユニット105、左可動ユニット106、右可動ユニット107、及び、回転灯543などの周辺装置が接続されている。つまり、これらの周辺装置の動作は、副制御回路42により制御される。
本実施形態では、サブCPU81、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85(フレームバッファを含む)及びドライバ86は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、該作成した映像は液晶表示装置11により表示される。
また、サブCPU81、DSP90、オーディオRAM91、A/D変換器92及びアンプ93は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMなどの音をスピーカ20L、20Rにより出力する。さらに、サブCPU81は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ群21の点灯及び消灯を行う。
サブCPU81及び中央可動ユニット駆動回路96は、演出内容により指定された中央可動ユニット駆動データに従って中央可動ユニット105の駆動を行う。つまり、中央可動ユニット105は、特定の演出が行われる場合に駆動して、可動部品309を液晶表示装置11の表示部11aの一部を覆う位置まで移動させる。
また、サブCPU81及び左可動ユニット駆動回路97は、演出内容により指定された左可動ユニット駆動データに従って左可動ユニット106の駆動を行う。サブCPU81及び右可動ユニット駆動回路98は、演出内容により指定された右可動ユニット駆動データに従って右可動ユニット107の駆動を行う。また、サブCPU81及び回転灯駆動回路99は、演出内容により指定された回転灯駆動データに従って回転灯543の駆動を行う。
[メインROMに記憶されているデータテーブル]
次に、図9〜図13を参照して、メインROM52に記憶されている各種のデータテーブルについて説明する。
<図柄配置テーブル>
図9に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列を表している。図柄配置テーブルは、21個の図柄位置「0」〜「20」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置データ「0」〜「20」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「20」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
なお、本実施形態においては、図柄の種類として、「赤7」、「青7」、「黄7」、「リプレイ」、「ベル」及び「スイカ」が設定されているが、図柄の種類はこれに限られるものではない。また、図柄の配列や配置される図柄の個数についても、図9に示すものに限られない。
<図柄組合せテーブル>
図10に示す図柄組合せテーブルは、3バイトで表される格納領域識別データによって識別される図柄の組合せに対して、入賞作動フラグ及び払出枚数が対応付けられている。
入賞作動フラグは、入賞した役(以下、「入賞役」という)を表すための固有の図柄の組合せに対応して割り当てられたデータであり、1バイト(8ビット)データ及び格納領域種別を含んでいる。格納領域種別は、1バイトデータを区別するためのデータである。1バイトデータは、複数の図柄の組合せに対応するデータを含んでいる。各図柄の組合せは、格納領域種別と1バイトデータとによって区別される。
払出枚数は、各図柄の組合せに対応して、遊技者に払い出すメダルの枚数を示すデータである。有効ラインに沿って並んだ図柄の組合せが、図柄組合せテーブルの「図柄の組合せ」と一致したときには、対応する払出枚数に基づいて、ホッパー33の駆動によるメダルの排出、又は、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタの加算が行われる。
本実施形態においては、入賞役として、リプレイ、小役及びボーナスが規定されている。リプレイに係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された場合(すなわち、リプレイに入賞した場合)には、メダルの払出はないが、再遊技の作動という利益が付与される。また、小役に係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された場合(すなわち、小役に入賞した場合)には、上述の払出枚数に対応するメダルの払出という利益が付与される。また、ボーナスに係る図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された場合(すなわち、ボーナスに入賞した場合)には、メダルの払出はないが、ボーナスの作動という利益が付与される。
図10に示すように、本実施形態においては、リプレイに係る図柄の組合せとして、「通常リプ」に係る図柄の組合せ、「リプレイ1」〜「リプレイ6」に係る図柄の組合せが規定されている。
また、図10に示すように、本実施形態においては、小役に係る図柄の組合せとして、「小役1」〜「小役8」に係る図柄の組合せが規定されている。
また、図10に示すように、本実施形態においては、ボーナスに係る図柄の組合せとして、「BB1」〜「BB3」に係る図柄の組合せが規定されている。
また、図10に示すように、本実施形態においては、上述の他に、「RT0移行図柄1」及び「RT0移行図柄2」に係る図柄の組合せも規定されている。この「RT0移行図柄1」及び「RT0移行図柄2」に係る図柄の組合せは、入賞に係る図柄の組合せ(入賞役)ではないが、これらの図柄の組合せが有効ラインに沿って表示された場合には、RT遊技状態をRT0に移行させる契機となる図柄の組合せであるため、図柄組合せテーブルによって規定されるものである。
なお、本実施形態においては、上述の各図柄の組合せについて説明しているが、図柄組合せテーブルに規定される図柄の組合せはこれに限られるものではない。また、パチスロ機1が、各図柄の組合せを識別可能であればよく、図柄組合せテーブルを設けないこととしてもよい。
<内部抽籤テーブル>
図11に示す複数の内部抽籤テーブルは、当籤番号に対して、遊技状態ごとの抽籤値及びデータポインタが対応付けられている。なお、内部抽籤テーブルは、通常、パチスロ機1の設定値(例えば、設定値1〜6)毎にメインROM52に格納されている。しかしながら、本実施形態においては、説明の便宜上、それぞれ1つの内部抽籤テーブルを用いて説明する。
本実施形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。減算の結果が負となったか否かの判断処理の回数が、当籤番号の数を超えたときには、内部抽籤処理の結果は「ハズレ」となる。
なお、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。本実施形態では、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述する内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。
すなわち、データポインタは、図12に示す小役・リプレイ用当籤役決定テーブル及びボーナス用内部当籤役決定テーブルにおいて、格納領域種別及び1バイトデータを決定するために用いられるデータである。データポインタは、各当籤番号に対応して、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが個別に規定されている。
なお、内部抽籤処理の方式は、上述した方式に限られるものではなく、例えば、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値に、各当籤番号に応じた抽籤値で順次加算し、加算の結果が所定の値となったか(例えば、当籤番号毎に予め定められた値以上となったか)の判定を行うことによって内部的な抽籤を行うこととしてもよい。
(通常用内部抽籤テーブル)
図11の(a)に示すように、ボーナス遊技状態以外の遊技状態である一般遊技状態(以下、「通常遊技状態」ともいう。)で参照される通常用内部抽籤テーブルは、RT0遊技状態(RT0)における各当籤番号の抽籤値を規定している。なお、RT遊技状態が移行した場合には、後述の通常用抽籤値変更テーブルが参照され、リプレイの抽籤に係る当籤番号「1」〜「5」の抽籤値が変更される。
(通常用抽籤値変更テーブル)
図11の(b)に示すように、通常遊技状態で参照される通常用抽籤値変更テーブルは、RT1遊技状態(RT1)〜RT4遊技状態(RT4)における、リプレイの抽籤に係る当籤番号「1」〜「5」の抽籤値を規定している。
後述する内部抽籤処理においては、まず、遊技状態がボーナス遊技状態であるか通常遊技状態であるかが判断され、ボーナス遊技状態であれば、後述のボーナス用内部抽籤テーブルを参照することが決定され、このボーナス用内部抽籤テーブルに規定された抽籤値に基づいて抽籤が行われる。一方、通常遊技状態であれば、上述の通常用内部抽籤テーブルを参照することが決定されるとともに、現在のRT遊技状態に応じて、当籤番号「1」〜「5」の抽籤値が適宜変更され、その変更後の通常用内部抽籤テーブルに規定された抽籤値に基づいて抽籤が行われることとなる。
このように、本実施形態においては、RT遊技状態毎に内部抽籤テーブルそのものを規定することなく、抽籤値の変更が必要な部分のみを通常用抽籤値変更テーブルとして規定することとしているため、メインROM52の記憶領域に記憶される情報量を削減することができる。なお、図11の(a)及び(c)に示すように、RT0遊技状態(RT0)とRT3遊技状態(RT3)の当籤番号「1」〜「5」の抽籤値が同一である場合、RT3遊技状態(RT3)に係る抽籤値変更テーブルを規定しないように構成することもできる。この場合、メインROM52の記憶領域に記憶される情報量を削減しつつも、メインCPU51によって異なるRT遊技状態であると認識可能にすることができるため、例えば、RT0遊技状態(RT0)とRT3遊技状態(RT3)とで「ロック」の抽籤確率を異ならせたい場合であっても、メインROM52の記憶領域に記憶される情報量が不必要に増大してしまうことを防止することができる。
また、本実施形態においては、RT2遊技状態(RT2)とRT4遊技状態(RT4)の当籤番号「1」、「2」及び「4」の抽籤値を同一とし、当籤番号「3」及び「5」の抽籤値を異なるものとしているが、これに限られるものではなく、当籤番号「1」〜「5」の抽籤値を同一としてもよい。この場合には、RT2遊技状態(RT2)とRT4遊技状態(RT4)とで同一の抽籤値変更テーブルが選択されるように規定することができる。この場合にも、上記と同様の効果を奏することとなる。
(ボーナス用内部抽籤テーブル)
図11の(c)に示すように、ボーナス遊技状態で参照されるボーナス用内部抽籤テーブルは、ボーナス遊技状態における各当籤番号の抽籤値を規定している。なお、本実施形態においては、ボーナス遊技状態であるBB遊技状態(BB1〜3のいずれかの作動中)は常にRB遊技状態(RBの作動中)となっているため、ボーナス用内部抽籤テーブルは、RB遊技状態用内部抽籤テーブルと言い換えることもできる。
<小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブル>
図12の(a)に示す小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルでは、小役・リプレイ用データポインタに対して、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)を識別するためのデータが対応付けられている。
ここで、図12の(a)に示すように、1つのデータポインタに対して、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)が複数対応付けられていることによって、1回の内部抽籤処理で、複数の図柄の組合せ(入賞作動フラグ)の入賞が許可されることを可能としている。これらの内部抽籤方式は、「同時当籤」方式、「重複当籤」方式と称される。
なお、本実施形態においては、入賞が許可される一の図柄の組合せ(入賞作動フラグ)を「内部当籤役」と定義することもできるし、1つのデータポインタに対して、入賞が許可される複数の図柄の組合せ(入賞作動フラグ)を1つのまとまりとして内部当籤役と定義することもできるが、以下においては、後者を内部当籤役と定義して説明する。
小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、小役・リプレイ用データポインタ「0」は、「ハズレ」に対応付けられている。
また、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、小役・リプレイ用データポインタ「1」は、内部当籤役として、「通常リプ」を示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「通常リプ」が対応付けられている。
また、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、小役・リプレイ用データポインタ「2」は、内部当籤役として、「通常リプ+リプレイ1+リプレイ5」を示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「通常リプ」、「リプレイ1」及び「リプレイ5」が対応付けられている。
また、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、小役・リプレイ用データポインタ「3」は、内部当籤役として、「通常リプ+リプレイ2+リプレイ5」を示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「通常リプ」、「リプレイ2」及び「リプレイ5」が対応付けられている。
また、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、小役・リプレイ用データポインタ「4」は、内部当籤役として、「通常リプ+リプレイ3+リプレイ6」を示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「通常リプ」、「リプレイ3」及び「リプレイ6」が対応付けられている。
また、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、小役・リプレイ用データポインタ「5」は、内部当籤役として、「通常リプ+リプレイ4+リプレイ6」を示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「通常リプ」、「リプレイ4」及び「リプレイ6」が対応付けられている。
また、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、小役・リプレイ用データポインタ「6」〜「13」は、内部当籤役として、「小役1」〜「小役8」をそれぞれ示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「小役1」〜「小役8」がそれぞれ対応付けられている。
また、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、小役・リプレイ用データポインタ「14」は、内部当籤役として、「小役1〜8」を示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「小役1」〜「小役8」が対応付けられている。すなわち、小役・リプレイ用データポインタ「14」は、規定されている小役に係る図柄の組合せの全ての入賞が許可されるものとなっている。
<ボーナス用内部当籤役決定テーブル>
図12の(b)に示すボーナス用内部当籤役決定テーブルでは、ボーナス用データポインタに対して、内部当籤役を識別するためのデータが対応付けられている。
ボーナス用内部当籤役決定テーブルにおいて、ボーナス用データポインタ「0」は、「ハズレ」に対応付けられている。また、ボーナス用内部当籤役決定テーブルにおいて、ボーナス用データポインタ「1」は、内部当籤役として、「BB1」を示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「BB1」が対応付けられている。
また、ボーナス用内部当籤役決定テーブルにおいて、ボーナス用データポインタ「2」は、内部当籤役として、「BB2」を示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「BB2」が対応付けられている。また、ボーナス用内部当籤役決定テーブルにおいて、ボーナス用データポインタ「3」は、内部当籤役として、「BB3」を示すものであり、入賞が許可される図柄の組合せ(入賞作動フラグ)として、「BB3」が対応付けられている。
ここで、内部当籤役「BB1」〜「BB3」は、いわゆる「持越役」であり、「BB1」〜「BB3」のいずれかが内部当籤役として決定された場合には、対応する図柄の組合せが入賞するまで、その当籤が保持される。この持越役の当籤が保持されている(持ち越されている)状態は、「持越状態」や「フラグ間」と称される。一方、上述の小役やリプレイに係る内部当籤役は、その当籤した単位遊技において、対応する図柄の組合せが入賞しなかった場合には、クリアされ、次回遊技まで持ち越されることはない。
<リール停止初期設定テーブル>
図13に示すリール初期設定テーブルは、遊技状態毎に、当籤番号に応じたリール停止制御情報群が対応付けられている。
リール停止制御情報群は、回転中の左リール3L、中リール3C、右リール3Rについて、停止操作タイミング及び停止操作順序に基づいて、最終的に停止させる図柄位置を決定するために用いられる各種の停止制御情報のまとまりを示すものである。
例えば、内部抽籤の結果、「通常リプ+リプレイ1+リプレイ5」の内部当籤役(当籤番号2)が決定された場合には、リール停止制御情報群2が設定される。
ここで、リール停止制御情報群2には、後述の図14に示すように、第1停止操作が、左リール3Lに対してなされたときには、「通常リプ」や「リプレイ1」よりも「リプレイ5」が優先的に入賞することとなる停止制御情報、第1停止操作が、中リール3Cに対してなされたときには、「通常リプ」や「リプレイ5」よりも「リプレイ1」が優先的に入賞することとなる停止制御情報、及び、第1停止操作が、右リール3Rに対してなされたときには、「リプレイ1」や「リプレイ5」よりも「通常リプ」が優先的に入賞することとなる停止制御情報が含まれており、いずれのリールが第1停止されるか(第1停止操作されるか)に応じて、リール停止制御情報群の中から最も適切な停止制御情報を選択し、選択停止制御情報に応じて停止制御が行われることとなる。
なお、リール停止制御情報群に含まれる停止制御情報は、停止操作位置(すなわち、ストップボタンが操作された際に、所定位置にある図柄位置)に対する停止位置(すなわち、実際に停止する図柄位置)を直接的に定めるもの(すなわち、滑り駒数を何駒とするかを規定する情報)であってもよく、間接的に定めるもの(すなわち、最大滑り駒数の範囲内で最も適切な滑り駒数を検索するため条件を規定する情報)であってもよい。
また、図13においては、持越状態(フラグ間)である場合のリール停止制御情報群については記載を省略しているが、持越状態(フラグ間)である場合には、専用のリール停止制御情報群が設定されることとしてもよく、「ハズレ」(小役・リプレイ用データポインタが「0」)の場合にのみ、リール停止制御情報群0に替えて、持ち越されているボーナスの種類(BB1〜3のいずれか)に応じた持越状態(フラグ間)用のリール停止制御情報群が設定されることとしてよい。本実施形態においては、ボーナスとリプレイが重複当籤した場合、リプレイが優先的に入賞するように構成されているとともに、ボーナスと小役が重複当籤した場合、小役が優先的に入賞するように構成されているため、このように構成しても遊技者が特段の不利益を被ることはない。
[内部当籤役と停止操作順序などとの対応関係]
次に、図14を参照して、パチスロ機1における内部当籤役と停止操作順序などとの対応関係について説明する。なお、本実施形態においては、一例として、停止操作順序が3択(第1停止操作が、左リール3L、中リール3C、又は右リール3Rのいずれであるか)の場合について説明するが、これに限られるものではなく、最大6択(第1停止操作が、左リール3L、中リール3C、又は右リール3Rのいずれであるか、及び、第2停止操作が、第1停止操作で停止操作されたリールを除く、いずれのリールについてされたか)の範囲内で適宜設定することができる。
図13に示したように、内部抽籤の結果、「通常リプ」の内部当籤役(当籤番号1)が決定された場合には、リール停止制御情報群1が設定される。そして、図14に示すように、リール停止制御情報群1に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールがいずれのリールであっても、「通常リプ」が入賞することとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、「通常リプ+リプレイ1+リプレイ5」の内部当籤役(当籤番号2)が決定された場合には、リール停止制御情報群2が設定される。そして、図14に示すように、リール停止制御情報群2に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールが左リール3Lである場合には、「リプレイ5」が入賞し、第1停止リールが中リール3Cである場合には、「リプレイ1」が入賞し、第1停止リールが右リール3Rである場合には、「通常リプ」が入賞することとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、「通常リプ+リプレイ2+リプレイ5」の内部当籤役(当籤番号3)が決定された場合には、リール停止制御情報群3が設定される。そして、図14に示すように、リール停止制御情報群3に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールが左リール3Lである場合には、「リプレイ5」が入賞し、第1停止リールが中リール3Cである場合には、「通常リプ」が入賞し、第1停止リールが右リール3Rである場合には、「リプレイ2」が入賞することとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、「通常リプ+リプレイ3+リプレイ6」の内部当籤役(当籤番号4)が決定された場合には、リール停止制御情報群4が設定される。そして、図14に示すように、リール停止制御情報群4に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールが左リール3Lである場合には、「リプレイ6」が入賞し、第1停止リールが中リール3Cである場合には、「リプレイ3」が入賞し、第1停止リールが右リール3Rである場合には、「通常リプ」が入賞することとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、「通常リプ+リプレイ4+リプレイ6」の内部当籤役(当籤番号5)が決定された場合には、リール停止制御情報群5が設定される。そして、図14に示すように、リール停止制御情報群3に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールが左リール3Lである場合には、「リプレイ6」が入賞し、第1停止リールが中リール3Cである場合には、「通常リプ」が入賞し、第1停止リールが右リール3Rである場合には、「リプレイ4」が入賞することとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、「小役1」の内部当籤役(当籤番号6)が決定された場合には、リール停止制御情報群6が設定される。そして、図14に示すように、リール停止制御情報群6に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールがいずれのリールであっても、「小役1」が入賞することとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、「小役2」の内部当籤役(当籤番号7)が決定された場合には、リール停止制御情報群7が設定される。そして、図14に示すように、リール停止制御情報群7に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールがいずれのリールであっても、中リール3Cにおいて、図柄「赤7」の正解位置で停止操作が行われた場合には、「小役2」が入賞することとなる。一方、中リール3Cにおいて、図柄「赤7」の正解位置で停止操作が行われなかった場合(すなわち、小役2のとりこぼしが発生した場合)には、RT0移行図柄1が表示されることとなる。
なお、正解位置は、最大滑り駒数の範囲内で、有効ライン上に入賞に係る図柄の組合せを構成する図柄を表示させることができる停止操作位置を意味する。例えば、最大滑り駒数が4駒(4図柄分)であり、中リール3Cの中段領域が入賞ラインを構成する図柄表示領域である場合、中リール3Cの図柄位置データ「17」、「18」、「19」、「20」及び「0」が、中リール3Cの中段領域を基準とする図柄「赤7」を表示させることができる正解位置となる。中リール3Cにおける図柄「青7」、図柄「黄7」の正解位置、及び右リール3Rにおける図柄「赤7」、図柄「青7」、図柄「黄7」の正解位置についても同様である。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、「小役3」の内部当籤役(当籤番号8)が決定された場合には、リール停止制御情報群8が設定される。そして、図14に示すように、リール停止制御情報群8に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールがいずれのリールであっても、中リール3Cにおいて、図柄「青7」の正解位置で停止操作が行われた場合には、「小役3」が入賞することとなる。一方、中リール3Cにおいて、図柄「青7」の正解位置で停止操作が行われなかった場合(すなわち、小役3のとりこぼしが発生した場合)には、RT0移行図柄1が表示されることとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、「小役4」の内部当籤役(当籤番号9)が決定された場合には、リール停止制御情報群9が設定される。そして、図14に示すように、リール停止制御情報群9に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールがいずれのリールであっても、中リール3Cにおいて、図柄「黄7」の正解位置で停止操作が行われた場合には、「小役4」が入賞することとなる。一方、中リール3Cにおいて、図柄「黄7」の正解位置で停止操作が行われなかった場合(すなわち、小役4のとりこぼしが発生した場合)には、RT0移行図柄1が表示されることとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、「小役5」の内部当籤役(当籤番号10)が決定された場合には、リール停止制御情報群10が設定される。そして、図14に示すように、リール停止制御情報群10に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールがいずれのリールであっても、右リール3Rにおいて、図柄「赤7」の正解位置で停止操作が行われた場合には、「小役5」が入賞することとなる。一方、右リール3Rにおいて、図柄「赤7」の正解位置で停止操作が行われなかった場合(すなわち、小役5のとりこぼしが発生した場合)には、RT0移行図柄2が表示されることとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、「小役6」の内部当籤役(当籤番号11)が決定された場合には、リール停止制御情報群11が設定される。そして、図14に示すように、リール停止制御情報群11に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールがいずれのリールであっても、右リール3Rにおいて、図柄「青7」の正解位置で停止操作が行われた場合には、「小役6」が入賞することとなる。一方、右リール3Rにおいて、図柄「青7」の正解位置で停止操作が行われなかった場合(すなわち、小役6のとりこぼしが発生した場合)には、RT0移行図柄2が表示されることとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、「小役7」の内部当籤役(当籤番号12)が決定された場合には、リール停止制御情報群12が設定される。そして、図14に示すように、リール停止制御情報群12に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールがいずれのリールであっても、右リール3Rにおいて、図柄「黄7」の正解位置で停止操作が行われた場合には、「小役7」が入賞することとなる。一方、右リール3Rにおいて、図柄「黄7」の正解位置で停止操作が行われなかった場合(すなわち、小役7のとりこぼしが発生した場合)には、RT0移行図柄2が表示されることとなる。
また、図13に示したように、内部抽籤の結果、「小役8」の内部当籤役(当籤番号13)が決定された場合には、リール停止制御情報群13が設定される。そして、図14に示すように、リール停止制御情報群13に基づいて停止制御が行われる場合、第1停止リールがいずれのリールであっても、「小役8」が入賞することとなる。なお、「小役8」の内部当籤役は、当籤番号「14」〜「16」においても決定されるが、上述の通り、「BB1」〜「BB3」よりも「小役8」が優先的に入賞するように停止制御が行われるため、この場合にも、「小役8」に単独当籤したときと同様の停止制御が行われることとなる。
なお、本実施形態においては、リプレイに係る内部当籤役(当籤番号1〜5)について、停止操作順序によって入賞役が異なるように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、いずれかのリールにおいて、正解位置で停止操作が行われたか否かに基づいて、入賞役を異ならせることとしてもよい。
また、本実施形態においては、小役に係る内部当籤役の一部(当籤番号7〜12)について、予め定められたリールにおいて、正解位置で停止操作が行われたか否かに基づいて、入賞役が異なるように構成しているが、これに限られるものではない。例えば、停止操作順序によって入賞役を異ならせることとしてもよい。
すなわち、特定の役について、停止操作の態様(停止操作順序や停止操作タイミング)に応じて入賞(表示)させる図柄の組合せを異ならせ、その停止操作の態様の報知の有無によって遊技者に付与される利益を異ならせることができる全ての手法は本発明に適用することができるものとする。
[RT遊技状態の遷移]
次に、図15を参照して、パチスロ機1におけるRT遊技状態の遷移について説明する。図15の(a)は、本実施形態におけるパチスロ機1のRT遊技状態の遷移フローを示す図であり、図15の(b)は、本実施形態におけるパチスロ機1のRT遊技状態の移行条件を示す図である。なお、本実施形態においては、一例として、5個のRT遊技状態(RT0〜RT4)がある場合について説明するが、これに限られるものではない。
図15に示すように、RT0からRT1へは、リプレイ1の入賞(移行条件1の成立)によって移行し、RT1からRT2へは、リプレイ2の入賞(移行条件2の成立)によって移行する。ここで、図11に示したように、RT0は、相対的にリプレイに係る内部当籤役の当籤確率が低く、RT2は、相対的にリプレイに係る内部当籤役が高い。すなわち、RT0は、遊技者にとって不利なRT遊技状態であり、RT2は、遊技者にとって有利なRT遊技状態である。
また、RT1は、RT0よりもリプレイに係る内部当籤役の当籤確率は高いが、RT2よりもリプレイに係る内部当籤役の当籤確率は低い。その意味で、遊技者にとって依然不利なRT遊技状態であるとも言えるが、リプレイ2を含む内部当籤役(当籤番号3)が抽籤される状態である(図11参照)ことから、遊技者にとって有利なRT遊技状態であるRT2の準備状態であるとも言える。
また、図15に示すように、RT3からRT1へは、リプレイ3の入賞(移行条件3の成立)によって移行し、RT1からRT4へは、リプレイ4の入賞(移行条件4の成立)によって移行する。ここで、図11に示したように、RT3は、相対的にリプレイに係る内部当籤役の当籤確率が低く、RT4は、相対的にリプレイに係る内部当籤役が高い。すなわち、RT3は、遊技者にとって不利なRT遊技状態であり、RT4は、遊技者にとって有利なRT遊技状態である。
また、RT1は、RT3よりもリプレイに係る内部当籤役の当籤確率は高いが、RT4よりもリプレイに係る内部当籤役の当籤確率は低い。その意味で、遊技者にとって依然不利なRT遊技状態であるとも言えるが、リプレイ4を含む内部当籤役(当籤番号5)が抽籤される状態である(図11参照)ことから、遊技者にとって有利なRT遊技状態であるRT4の準備状態であるとも言える。
また、図15に示すように、RT1〜RT4において、RT0移行図柄(RT0移行図柄1又はRT0移行図柄2)が表示される(移行条件5が成立する)と、RT0へ移行する。すなわち、遊技者にとって有利なRT遊技状態(RT2又はRT4)にある場合であっても、「小役2」〜「小役7」をとりこぼした場合(図14参照)には、遊技者にとって不利なRT遊技状態(RT0)に移行(転落)することとなる。
また、図15に示すように、RT0〜RT2、及びRT4において、リプレイ5又はリプレイ6に入賞する(移行条件6が成立する)と、RT3へ移行する。すなわち、遊技者にとって有利なRT遊技状態(RT2又はRT4)にある場合であっても、リプレイ5又はリプレイ6に入賞した場合(図14参照)には、遊技者にとって不利なRT遊技状態(RT3)に移行(転落)することとなる。
また、図15に示すように、ボーナス遊技状態(BB1〜3のいずれかの作動)が終了する(移行条件7が成立する)と、RT0へ移行する。また、図示は省略するが、設定値が変更されると、RT0へ移行する。その意味で、RT0は、初期RT遊技状態であるとも言える。なお、移行条件7については、ボーナス(BB1〜3のいずれか)が内部当籤役として決定したことを移行条件としてもよく、ボーナス(BB1〜3のいずれか)が入賞したことを移行条件としてもよい。また、移行条件1〜6は、ボーナス(BB1〜3のいずれか)が持ち越されていない場合にのみ成立し、ボーナス(BB1〜3のいずれか)が持ち越されている場合には成立しない移行条件としてもよい。
[サブROMに記憶されているデータテーブル]
次に、図16を参照して、サブROM82に記憶されている各種のデータテーブルについて説明する。
<通常中ART1抽籤テーブル>
図16の(a)に示すように、通常中に参照される通常中ART1抽籤テーブルは、決定された内部当籤役に応じて、ART1に非当籤であるか、又は当籤であるかについての抽籤値を規定している。なお、図16において通常中とは、後述するART1中、ART2中、ART準備中及びART当籤中以外の状態であって、サブCPU81によって識別される状態すなわち、後述するART非当籤中を示す。
例えば、内部当籤役が「小役8」である場合に、抽出された演出用乱数値が「10000」であれば、「10000」から「24576」を減算して負の値となるため、ART1に非当籤したことが決定される。一方、抽出された演出用乱数値が「30000」であれば、「30000」から「24576」を減算しても負の値とはならず、減算後の演出用乱数値「5424」から「8192」を減算して負の値となるため、ART1に当籤したことが決定される。以下に示す抽籤テーブルについても同様の処理が行われる。
<ART1中ART2抽籤テーブル>
図16の(b)に示すように、ART1中に参照されるART1中ART2抽籤テーブルは、決定された内部当籤役に応じて、ART2に非当籤であるか、又は当籤であるかについての抽籤値を規定している。ここで、ART1中においては、後述する上乗せゲーム数の抽籤が行われないかわりに、ART2の抽籤が行われることとなっている。なお、内部当籤役の欄に「リプレイ」と記載されているのは、リプレイに係る内部当籤役(当籤番号1〜5)の総称であるが、これに限られるものではなく、リプレイの種類毎に個別に抽籤値を規定することとしてもよい。
<通常中ART2抽籤テーブル>
図16の(c)に示すように、通常中に参照される通常中ART2抽籤テーブルは、決定された内部当籤役に応じて、ART2に非当籤であるか、又は当籤であるかについての抽籤値を規定している。
<ART2初期ゲーム数抽籤テーブル>
図16の(d)に示すように、ART2の開始時に参照されるART2初期ゲーム数抽籤テーブルは、設定値に応じて、ART2の初期ゲーム数についての抽籤値を規定している。ここで、ART2の開始時においては、設定値が高いほど、ART2の初期ゲーム数が多くなる確率が高い。すなわち、パチスロ機1においては、設定値が高いほど、遊技者にとって有利さの度合いが高くなるように構成されている。
[パチスロ機の遊技の流れ]
次に、図17を参照して、パチスロ機1の遊技の流れについて説明する。図17は、本実施形態におけるパチスロ機の遊技の流れを示す概要図である。
まず、本実施形態に係るパチスロ機1においては、遊技者が遊技を行う状態として、遊技者にとって有利な第1有利遊技状態であるART1中と、遊技者にとって有利な第2有利遊技状態であるART2中と、ART1中及びART2中よりも相対的に不利な通常遊技状態である通常中と、通常中からART1中又はART2中に移行するための準備状態であるART準備中に大別される。
また、通常中は、ART1又はART2のいずれにも当籤していない状態(ART非当籤中)と、ART1又はART2のいずれかに当籤している状態(ART当籤中)に区別することができる。さらに、ART当籤中は、ART1に当籤している状態であるART1当籤中と、ART2に当籤している状態であるART2当籤中に区別することができる。
また、ART準備中は、ART1当籤中から移行したART1準備中と、ART2当籤中から移行したART2準備中に区別することができる。
遊技者は、パチスロ機1において遊技を行う場合、通常は、ART非当籤中から遊技を開始し、このART非当籤中において、ART1に当籤した場合には、ART1当籤中に移行することとなる。そして、ART1当籤中となると、ART1当籤中から、ART1準備中を介して、ART1中に移行させるための第1の移行手順(停止操作の態様)の報知が開始されることとなる。また、ART非当籤中において、ART2に当籤した場合には、ART2当籤中に移行し、このART2当籤中から、ART2準備中を介して、ART2中に移行させるための第2の移行手順(停止操作の態様)の報知が開始されることとなる。
具体的には、ART1当籤中であってRT0であるとき、「通常リプ+リプレイ1+リプレイ5」が内部当籤役として決定されると、「リプレイ1」が入賞することとなる停止操作順序(中リール3Cを第1停止操作すべき旨)が報知され、「リプレイ1」に入賞すると、ART1準備中に移行し、ART1準備中であってRT1であるとき、「通常リプ+リプレイ2+リプレイ5」が内部当籤役として決定されると、「リプレイ2」が入賞することとなる停止操作順序(右リール3Rを第1停止操作すべき旨)が報知され、「リプレイ2」に入賞すると、ART1中に移行する。
一方、ART1当籤中であってRT0であるとき、「通常リプ+リプレイ3+リプレイ6」が内部当籤役として決定されると、「通常リプ」が入賞することとなる停止操作順序(右リール3Rを第1停止操作すべき旨)が報知されることで、ART2準備中に移行させないこととしている。ここで、「リプレイ3」を入賞させない停止操作順序であれば、その他の停止操作順序(例えば、左リール3Lを第1停止操作すべき旨)を報知することとしてもよい。
また、ART1準備中であってRT1であるとき、「通常リプ+リプレイ4+リプレイ6」が内部当籤役として決定されると、「通常リプ」が入賞することとなる停止操作順序(中リール3Cを第1停止操作すべき旨)が報知されることで、ART2中に移行させないこととしている。ここで、「リプレイ4」を入賞させない停止操作順序であれば、その他の停止操作順序(例えば、左リール3Lを第1停止操作すべき旨)を報知することとしてもよい。
なお、本実施形態においては、ART1当籤中であってRT3であるときには、一度、RT3からRT0へ移行した(すなわち、RT3においてRT0移行図柄が表示された)後に、上述した第1の移行手順(停止操作の態様)の報知が開始されることとしているが、これに限られるものではなく、ART1当籤中であってRT3であるときにも、上述した第1の移行手順(停止操作の態様)の報知が開始されるように構成することとしてもよい。
また、ART2当籤中であってRT3であるとき、「通常リプ+リプレイ3+リプレイ6」が内部当籤役として決定されると、「リプレイ3」が入賞することとなる停止操作順序(中リール3Cを第1停止操作すべき旨)が報知され、「リプレイ3」に入賞すると、ART2準備中に移行し、ART2準備中であってRT1であるとき、「通常リプ+リプレイ4+リプレイ6」が内部当籤役として決定されると、「リプレイ4」が入賞することとなる停止操作順序(右リール3Rを第1停止操作すべき旨)が報知され、「リプレイ4」に入賞すると、ART2中に移行する。
一方、ART2当籤中であってRT3であるとき、「通常リプ+リプレイ1+リプレイ5」が内部当籤役として決定されると、「通常リプ」が入賞することとなる停止操作順序(右リール3Rを第1停止操作すべき旨)が報知されることで、ART1準備中に移行させないこととしている。ここで、「リプレイ1」を入賞させない停止操作順序であれば、その他の停止操作順序(例えば、左リール3Lを第1停止操作すべき旨)を報知することとしてもよい。
また、ART2準備中であってRT1であるとき、「通常リプ+リプレイ2+リプレイ5」が内部当籤役として決定されると、「通常リプ」が入賞することとなる停止操作順序(中リール3Cを第1停止操作すべき旨)が報知されることで、ART1中に移行させないこととしている。ここで、「リプレイ2」を入賞させない停止操作順序であれば、その他の停止操作順序(例えば、左リール3Lを第1停止操作すべき旨)を報知することとしてもよい。
なお、本実施形態においては、ART2当籤中であってRT0であるときには、一度、RT0からRT3へ移行した(すなわち、RT0においてリプレイ5又はリプレイ6が入賞した)後に、上述した第2の移行手順(停止操作の態様)の報知が開始されることとしているが、これに限られるものではなく、ART2当籤中であってRT0であるときにも、上述した第2の移行手順(停止操作の態様)の報知が開始されるように構成することとしてもよい。
ART1は、ART1準備中(RT1)において、「リプレイ2」に入賞すると開始し(すなわち、ART1中となり)、ART1ゲーム数である50ゲームを消化すると終了する。ART1中には、ART2の抽籤が行われ、ART2に当籤すると、ART1の終了後に、ART2当籤中に移行し、上記と同様にART2中に移行することとなる。
また、ART2は、ART2準備中(RT1)において、「リプレイ4」に入賞すると開始する(すなわち、ART2中となる)。ART2では、開始時にART2ゲーム数の初期ゲーム数の抽籤が行われることとなっており、さらに、ART2中では、ART2ゲーム数の上乗せが行われることとなっている。ART2は、これらの結果得られたART2ゲーム数を消化すると終了する。なお、ART2ゲーム数の上乗せについては、後述する。
ここで、ART1中及びART2中は、リプレイに係る内部当籤役が決定された場合に、RT3に移行(転落)しない(リプレイ5又はリプレイ6が入賞しない)ように停止操作の態様(停止操作順序)が報知されるとともに、小役に係る内部当籤役が決定された場合に、RT0に移行(転落)しない(RT0移行図柄が表示されない)ように停止操作の態様(目押しすべき図柄の種類)が報知される。その結果、リプレイタイム(RT2又はRT4)の作動が維持されるとともに、小役(特に、小役2〜7)の入賞確率が飛躍的に向上することとなるため、遊技者はより多くのメダルの払出をうけることができる。このように、ART1及びART2は、遊技者にとって有利な有利状態を構成する。
なお、ART当籤中及び/又はART準備中においても、上記の報知を全て行うこととしてもよいし、必要な範囲でのみ報知を行うこととしてもよい。例えば、ART1当籤中でRT0であるときには、RT3に移行(転落)させない(リプレイ5又はリプレイ6を入賞させない)停止操作の態様(停止操作順序)の報知は行うが、RT0に移行(転落)させない(RT0移行図柄を表示させない)停止操作の態様(目押しすべき図柄の種類)の報知は行わないこととし、ART2当籤中でRT3であるときには、RT0に移行(転落)させない(RT0移行図柄を表示させない)停止操作の態様(目押しすべき図柄の種類)の報知は行うが、RT3に移行(転落)させない(リプレイ5又はリプレイ6を入賞させない)停止操作の態様(停止操作順序)の報知は行わないこととしてもよい。
また、図示は省略しているが、通常中(ART非当籤中、ART1当籤中及びART2当籤中)、ART準備中(ART1準備中及びART2準備中)、ART1中、又はART2中において、ボーナス(BB1〜3のいずれか)が内部当籤役として決定され、その当籤しているボーナスに入賞すると、ボーナス遊技状態となり、そのボーナス遊技状態が終了すると、RT遊技状態は、RT0遊技状態に移行することとなる(図15参照)。
上記の場合、本実施形態においては、ボーナス(BB1〜3のいずれか)が内部当籤役として決定されたときの状態に復帰させるように、停止操作の態様が報知されることとしている。例えば、ART1中に、ボーナス(BB1〜3のいずれか)が内部当籤役として決定され、そのボーナスに係るボーナス遊技状態が終了した場合、RT0遊技状態において、「通常リプ+リプレイ1+リプレイ5」が内部当籤役として決定されると、「リプレイ1」が入賞することとなる停止操作順序(中リール3Cを第1停止操作すべき旨)を報知し、ART1準備中に移行させ、ART1準備中において、「通常リプ+リプレイ2+リプレイ5」が内部当籤役として決定されると、「リプレイ2」が入賞することとなる停止操作順序(右リール3Rを第1停止操作すべき旨)を報知し、ART1中に復帰させる。
また、例えば、ART2中に、ボーナス(BB1〜3のいずれか)が内部当籤役として決定され、そのボーナスに係るボーナス遊技状態が終了した場合、RT0遊技状態において、「通常リプ+リプレイ1+リプレイ5」、又は「通常リプ+リプレイ3+リプレイ6」が内部当籤役として決定されると、「リプレイ5」、又は「リプレイ6」が入賞することとなる停止操作順序(左リール3Lを第1停止操作すべき旨)を報知し、ART2当籤中(RT3遊技状態)に移行させ、ART2当籤中(RT3遊技状態)において、「通常リプ+リプレイ3+リプレイ6」が内部当籤役として決定されると、「リプレイ3」が入賞することとなる停止操作順序(中リール3Cを第1停止操作すべき旨)を報知し、ART2準備中に移行させ、ART2準備中において、「通常リプ+リプレイ4+リプレイ6」が内部当籤役として決定されると、「リプレイ4」が入賞することとなる停止操作順序(右リール3Rを第1停止操作すべき旨)を報知し、ART2中に復帰させる。ここで、ART2中に復帰させる場合には、RT0遊技状態において、「通常リプ+リプレイ3+リプレイ6」が内部当籤役として決定されると、「リプレイ3」が入賞することとなる停止操作順序(中リール3Cを第1停止操作すべき旨)を報知し、ART2準備中(RT1遊技状態)に移行させることとしてもよい。
なお、ボーナス遊技状態が終了した場合の、遊技を行う状態を復帰させる態様については、これに限られるものではない。例えば、ART1について、ART1当籤中(ART2当籤中)、ART1準備中、又はART1中のいずれかの状態において、ボーナス(BB1〜3のいずれか)が内部当籤役として決定され、そのボーナスに係るボーナス遊技状態が終了した場合、一律にART1当籤中をセットすることとしてもよい。ART2についても同様である。
また、ART1中において、ボーナス(BB1〜3のいずれか)が内部当籤役として決定され、再度、ART1中に復帰させる場合、ART1ゲーム数は、そのまま復帰させることとしてもよく、新たに50ゲームをセットすることとしてもよく、ボーナス(BB1〜3のいずれか)が内部当籤役として決定されたときのART1ゲーム数に、50ゲームを加算して復帰させることとしてもよい。
また、ART2中において、ボーナス(BB1〜3のいずれか)が内部当籤役として決定され、再度、ART2中に復帰させる場合、ART2ゲーム数は、そのまま復帰させることとしてもよく、新たに初期ゲーム数の抽籤結果により決定することとしてもよく、ボーナス(BB1〜3のいずれか)が内部当籤役として決定されたときのART2ゲーム数に、初期ゲーム数の抽籤結果を加算して復帰させることとしてもよい。
なお、ART1中にボーナス(BB1〜3のいずれか)が内部当籤役として決定され、再度、ART1中に復帰させる場合、ボーナス遊技状態の前後のART1を同一のART1として管理することとしてもよく、異なるART1として管理することとしてもよい。具体的には、ボーナス遊技状態の前のART1を1セット目のART1とする場合、ボーナス遊技状態の後のART1を、1セット目のART1として管理することとしてもよく、2セット目のART1として管理することとしてもよい。
また、ART2中にボーナス(BB1〜3のいずれか)が内部当籤役として決定され、再度、ART2中に復帰させる場合、ボーナス遊技状態の前後のART2を同一のART2として管理することとしてもよく、異なるART2として管理することとしてもよい。この点、本実施形態では、ボーナス遊技状態の前後のART2を同一のART2として管理することとしている。
<ART2ゲーム数の管理>
図16の(d)に示すように、ART2の開始時にはART2の初期ゲーム数の抽籤が行われる。また、ART2中は、後述する基本上乗せ及び特殊上乗せに基づき、ART2ゲーム数の上乗せ(ARTゲーム数カウンタの加算)が行われる。
(基本上乗せ)
基本上乗せでは、ART2中の内部当籤役に基づき、ART2ゲーム数の上乗せが行われる。図18(a)に一例として示すように、ART2中では、ART2中上乗せ抽籤テーブルを参照して、内部当籤役に基づいてART2ゲーム数の上乗せに関する抽籤を行う。図18(a)に示すように、ART2中上乗せ抽籤テーブルは、決定された内部当籤役に応じて、上乗せするART2ゲーム数についての抽籤値を規定している。
例えば、内部当籤役が「小役8」である場合に、抽出された乱数値が「10000」であれば、「10000」から「16384」を減算して負の値となるため、上乗せするART2ゲーム数として「0ゲーム(上乗せしない)」が決定される。一方、抽出された乱数値が「20000」であれば、「20000」から「16384」を減算しても負の値とはならず、減算後の乱数値「3616」から「8192」を減算して負の値となるため、上乗せするART2ゲーム数として「10ゲーム」が決定される。
なお、図18(a)に示す例では、内部当籤役が「小役8」である場合に限り、基本上乗せによるART2ゲーム数の上乗せを行うこととしているが、これに限られるものではなく、その他の役が内部当籤役として決定された場合に、ART2ゲーム数の上乗せを行うこととしてもよい。
また、本実施形態では、上乗せするART2ゲーム数「0ゲーム」に対して抽籤値を規定することで、ART2ゲーム数の上乗せが行われない場合があることを示している。この点、内部当籤役が「小役8」である場合に、ART2ゲーム数の上乗せを行うか否かを抽籤し、この抽籤に当籤した場合に上乗せするART2ゲーム数をさらに抽籤することとしてもよい。
(特殊上乗せ)
特殊上乗せでは、ART2中に小役8(所定役)が内部当籤役として決定されてから、同一のART2中に小役8(所定役)が再び内部当籤役として決定されるまでのゲーム間隔に基づき、ART2ゲーム数の上乗せが行われる。図18(b)(c)は、特殊上乗せの動作概要を示す図である。なお、図18(b)(c)では、特殊上乗せについて説明するため、小役8に基づく基本上乗せは行われていない(上乗せゲーム数0ゲーム)ものとする。小役8に基づく基本上乗せが行われている場合には、ART2の残りゲーム数は、さらに増加する。
図18(b)に示す例では、ART2の残りゲーム数が「80ゲーム」の時点で、小役8が内部当籤役として決定され、その後、同一のART2が「60ゲーム」継続した後の残りゲーム数が「20ゲーム」の時点で、小役8が再び内部当籤役として決定されている。この場合、特殊上乗せによるART2ゲーム数の上乗せが行われ、残りゲーム数「20ゲーム」に、小役8が再び内部当籤役として決定されるまでに要したゲーム間隔「60ゲーム」が加算され、ART2の残りゲーム数が「80ゲーム」に更新される。
ここで、本実施形態においては、特殊上乗せでは、小役8が内部当籤役として決定されるまでのゲーム間隔を、上乗せゲーム数としてそのまま用いることとしている。この点、特殊上乗せでは、小役8が内部当籤役として決定されるまでのゲーム間隔に基づき、ART2ゲーム数の上乗せを行えば足り、ゲーム間隔と上乗せゲーム数とが一致する必要はない。
例えば、ゲーム間隔の1/2(図18(b)の例では30ゲーム)、ゲーム間隔そのまま(図18(b)の例では60ゲーム)、ゲーム間隔の2倍(図18(b)の例では120ゲーム)の中から抽籤により上乗せゲーム数を決定することとしてもよい。
また、小役8が内部当籤役として決定されるまでのゲーム間隔が属する範囲に基づき、上乗せゲーム数を決定することとしてもよい。具体的には、ゲーム間隔が、第1範囲(例えば、1〜49ゲーム)に属する場合には上乗せゲーム数を第1ゲーム数(例えば、30ゲーム)、第2範囲(例えば、50〜99ゲーム)に属する場合には上乗せゲーム数を第2ゲーム数(例えば、70ゲーム)、第3範囲(例えば、100ゲーム以上)に属する場合には上乗せゲーム数を第3ゲーム数(例えば、150ゲーム)のようにしてもよい。この場合においても、上乗せゲーム数を複数種類の中から抽籤により決定することとしてもよい。
また、本実施形態においては、小役8が内部当籤役として決定されるまでのゲーム間隔に基づいて、特殊上乗せを行うこととしているが、対応する役は小役8に限られるものではない。パチスロ機では、スイカ、チェリー、チャンス目などの複数の役を、いわゆるレア役として設定していることがある(本実施形態では、小役8(図柄組合せ「スイカ−スイカ−スイカ(図10参照)」)のみをレア役として設定しているものとする)。このようにレア役として複数の役を設定しているパチスロ機の場合には、レア役が内部当籤役として決定されるまでのゲーム間隔に基づき、特殊上乗せを行うこととしてもよい。
この場合、複数のレア役のうちの同一のレア役が内部当籤役として決定されるまでのゲーム間隔に基づき、特殊上乗せを行うこととしてもよい。例えば、スイカが内部当籤役として決定されてから30ゲーム後にチェリーが内部当籤役として決定された時点では、同一のレア役ではないために特殊上乗せは行わず、その後、30ゲーム後にスイカが内部当籤役として決定された場合に、同一のレア役が再び内部当籤役として決定されたとして、ゲーム間隔「60ゲーム」に基づいて特殊上乗せを行う。
なお、同一のレア役が内部当籤役として決定されるまでのゲーム間隔に基づき特殊上乗せを行う場合、レア役の種別に応じて上乗せゲーム数を異ならせることとしてもよい。例えば、スイカ−スイカ間のゲーム間隔に基づき特殊上乗せを行う場合には、ゲーム間隔をそのまま上乗せゲーム数とし、チェリー−チェリー間のゲーム間隔に基づき特殊上乗せを行う場合には、ゲーム間隔を補正(例えば、所定の係数をかける、所定数だけ加算又は減算するなど)した値を上乗せゲーム数としてもよい。
また、何れかのレア役が内部当籤役として決定されるまでのゲーム間隔に基づき、特殊上乗せを行うこととしてもよい。例えば、スイカが内部当籤役として決定されてから30ゲーム後にチェリーが内部当籤役として決定された場合、何れかのレア役が再び内部当籤役として決定されたとして、ゲーム間隔「30ゲーム」に基づいて特殊上乗せを行う。
なお、何れかのレア役が内部当籤役として決定されるまでのゲーム間隔に基づき特殊上乗せを行う場合、レア役の種別に応じて上乗せゲーム数を異ならせることとしてもよい。例えば、同一のレア役である場合と異なるレア役である場合とでは、上乗せゲーム数を異ならせる(同一のレア役である場合には、ゲーム間隔をそのまま上乗せゲーム数とし、異なるレア役である場合には、ゲーム間隔を補正(増減)した値を上乗せゲーム数とする)こととしてもよい。また、例えば、1回目の内部当籤役として決定されたレア役の種別に関係なく、2回目に内部当籤役として決定されたレア役の種別に応じて、上乗せゲーム数を異ならせる(2回目の内部当籤役がスイカである場合には、ゲーム間隔をそのまま上乗せゲーム数とし、2回目の内部当籤役がチェリーである場合には、ゲーム間隔を補正(増減)した値を上乗せゲーム数とする)こととしてもよい。
また、レア役に限らず、ボーナスが内部当籤役として決定されるまでのゲーム間隔に基づいて、特殊上乗せを行うこととしてもよい。もちろん、ボーナス−ボーナス間のゲーム間隔に基づき特殊上乗せを行うこととしてもよく、レア役−ボーナス間のゲーム間隔、ボーナス−レア役間のゲーム間隔に基づき特殊上乗せを行うこととしてもよい。
このように特殊上乗せでは、ART2中に所定役が内部当籤役として決定されてから、同一のART2中に所定役が再び内部当籤役として決定されるまでのゲーム間隔に基づき、ART2ゲーム数の上乗せ行うものであり、この所定役については任意に設定することができる。なお、以下では、所定役が小役8のみであるとして本実施形態について説明する。
ところで、ART2は、ART2ゲーム数が消化されると終了してしまうため、小役8が内部当籤役として決定されてから長期間にわたり内部当籤役として決定されないと、ART2ゲーム数が消化され、ART2が終了してしまう。本実施形態では、小役8が内部当籤役として決定された後に再び内部当籤役として決定される前に、ART2ゲーム数が消化してしまった場合、小役8が内部当籤役として決定されてからART2ゲーム数が消化してしまうまでに経過したゲーム間隔に基づいて、特殊上乗せを行う。
具体的には、図18(c)に示す例では、ART2の残りゲーム数が「50ゲーム」である時点で、小役8が内部当籤役として決定され、その後、同一のART2が「50ゲーム」経過しても小役8が再び内部当籤役として決定されていない。そのため、ART2の残りゲーム数が「0ゲーム」になり、ART2ゲーム数が消化してしまっている。この場合、本実施形態では、ART2を終了させることなく、小役8が内部当籤役として決定されてから経過したゲーム間隔「50ゲーム」をART2ゲーム数に上乗せし、ART2の残りゲーム数を「50ゲーム」に更新する。
これにより、小役8が再び内部当籤役として決定される前にART2の残りゲーム数が「0ゲーム」になってしまったとしても、特殊上乗せが行われることになり、ユーザの不満感を軽減することができる。もちろん、小役8が再び内部当籤役として決定される前にART2の残りゲーム数が「0ゲーム」になってしまった場合に、特殊上乗せを行わずにART2を終了させてしまってもよく、また、小役8が内部当籤役として決定されてから経過したゲーム間隔をそのまま上乗せゲーム数とするのではなく、上述のように当該ゲーム間隔に応じた複数のゲーム数の中から上乗せゲーム数を決定することとしてもよく、また、当該ゲーム間隔が属する範囲に基づいて上乗せゲーム数を決定することとしてもよい。
(特殊上乗せの作動条件)
本実施形態においては、ART2中であれば特殊上乗せが作動するものの、ART2中であっても所定の条件を満たした場合に限り特殊上乗せを作動させることとしてもよい。所定の条件は任意であるが、その一例を以下に示す。
(作動条件1)
作動条件1は、ART2ゲーム数の上乗せが所定ゲームの間発生しないことである。このような条件によると、ART2ゲーム数の上乗せが所定ゲーム行われていない状況で小役8が内部当籤役として決定されると、その後の小役8の内部当籤に応じて特殊上乗せが行われることになる。
(作動条件2)
作動条件2は、小役8が一度内部当籤役として決定されてから再び内部当籤役として決定されるまでのゲーム数が所定ゲームを超えることである。このような条件によると、所定ゲーム以内の間隔で小役8が連続して内部当籤役として決定された場合には、特殊上乗せが行われず、所定ゲームを越えて小役8が内部当籤役として決定された場合に、特殊上乗せが行われる。例えば、所定ゲームを「50ゲーム」とした場合には、小役8が内部当籤役として決定されてから「51ゲーム」後に、小役8が再び内部当籤役として決定された場合に、特殊上乗せが行われる。この場合、所定ゲームを越えた分のゲーム数(上述の例の場合、1ゲーム(51−50))に基づいて特殊上乗せを行うこととしてもよく、小役8が内部当籤役として決定されるゲーム間隔(上述の例の場合51ゲーム)に基づいて特殊上乗せを行うこととしてもよい。
(作動条件3)
作動条件3は、ART2中(同一のART2であってもよく、異なるART2であってもよい)に小役8が内部当籤役として決定された回数が所定回数を超えることである。このような条件によると、小役8が内部当籤役として決定された回数が所定回数に達するまでは、特殊上乗せが行われず、小役8が内部当籤役として決定された回数が所定回数+1回になると、特殊上乗せが行われる。
なお、所定役として複数種類の役を採用する場合には、複数種類の役が内部当籤役として決定された累計回数が所定回数を超えることを条件に、特殊上乗せを作動させることとしてもよい。例えば、所定回数が「10回」であり、第1所定役が内部当籤役として決定された回数が「3回」、第2所定役が内部当籤役として決定された回数が「7回」である場合には、累計回数が所定回数に達したため、次に所定役が内部当籤役として決定されると、特殊上乗せが行われる。
また、所定役として複数種類の役を採用する場合に、内部当籤役として決定された回数が所定回数を超えた役についてのみ、特殊上乗せを作動させることとしてもよい。例えば、所定回数が「10回」であり、第1所定役が内部当籤役として決定された回数が「10回」、第2所定役が内部当籤役として決定された回数が「8回」である場合に、第2所定役が内部当籤役として決定されたとしても第2所定役が内部当籤役として決定された回数は所定回数未満であるため、特殊上乗せは行わない。他方、当該場合において、第1所定役が内部当籤役として決定されると、第1所定役が内部当籤役として決定された回数は所定回数を超えるため、特殊上乗せが行われる。この場合において、所定回数は、所定役の種別に関わらず同一の回数であってもよく、所定役の種別に応じて異なる回数であってもよい。
[主制御処理]
次に、図19及び図20を参照して、主制御回路41のメインCPU51により実行される各種処理について説明する。図19は、本実施形態におけるパチスロ機のメイン制御処理を示すフローチャートである。このメイン制御処理は、パチスロ機1に電源が投入されたときに開始される。また、図20は、主制御回路41のメインCPU51の制御による割込処理を示すフローチャートである。このメインCPU51の制御による割込処理は、1.1172ms毎に実行される。
<メイン制御処理>
最初に、パチスロ機1に電源が投入されると、メインCPU51は、電源投入時処理を実行する(S10)。この電源投入時処理では、バックアップが正常であるか、設定変更が適切に行われたかなどが判断され、判断結果に応じた初期化処理が実行される。
次に、メインCPU51は、一遊技(1回の単位遊技)終了時の初期化処理を実行する(S11)。この初期化処理では、例えば、一遊技終了時に初期化するように予め指定された格納領域が初期化される。この初期化処理によって、メインRAM53に格納された持越役以外の内部当籤役に係る情報などがクリアされる。
次に、メインCPU51は、メダル受付・スタートチェック処理を実行する(S12)。このメダル受付・スタートチェック処理では、遊技者により投入されたメダルを検出する処理、遊技を開始するために必要な枚数のメダルが投入されたか(再遊技を含む)を判断する処理、及び開始操作を検出する処理が実行される。
次に、メインCPU51は、乱数値を抽出し、メインRAM53に割り当てられた乱数値格納領域に格納する(S13)。ここで、乱数値は、内部抽籤処理のために使用される値とメイン側演出抽籤処理のために使用される値とがあり、本実施形態においては、0〜65535の中から抽出される。
次に、メインCPU51は、内部抽籤処理を実行する(S14)。この内部抽籤処理では、内部抽籤テーブルなど(図11参照)や内部当籤役決定テーブル(図12参照)を用いて、内部当籤役が決定される。
次に、メインCPU51は、メイン側演出抽籤処理を実行する(S15)。このメイン側演出抽籤処理では、例えば、上述した「ロック」を行うか否かの抽籤などが行われる。また、「ロック」を行うことが決定された場合に、例えば、ボーナスに内部当籤したこと、ART1又はART2に当籤したことを報知するための各リールのリールアクションの種別を抽籤により決定する。なお、リールアクションは、各リールを、通常の回転態様(定速で順回転させる態様)とは異なる演出態様により駆動させることで演出を実行するものである。
次に、メインCPU51は、リール停止初期設定処理を実行する(S16)。このリール停止初期設定処理では、リール停止初期設定テーブル(図13参照)を用いて、リール停止制御情報群が決定される。すなわち、内部抽籤処理の結果(内部当籤役)に基づいて、各リールの停止制御情報がメインRAM53に格納される。
次に、メインCPU51は、主制御回路41から副制御回路42へ送信するスタートコマンドを生成・格納する(S17)。スタートコマンドは、例えば、内部当籤役の種別、遊技状態の種別、ロックの有無、及びリールアクションの種別などを、サブCPU81に認識させるためのコマンドである。
次に、メインCPU51は、ウェイト処理を実行する(S18)。このウェイト処理では、前回の遊技開始(前回の単位遊技の開始)から所定時間を経過しているか否かが判断され、所定時間を経過していないと判断された場合には、所定時間を経過するまで待機する待ち時間が消化される。このウェイト処理における所定時間、すなわちウェイト時間は、例えば、前回の単位遊技の開始から4.1秒に設定される。
次に、メインCPU51は、メイン側演出実行処理を実行する(S19)。このメイン側演出実行処理では、S15におけるメイン側演出抽籤処理における抽籤結果などに基づいて、遊技開始時ロック及び当該ロック実行中のリールアクションなどが実行される。
次に、メインCPU51は、全てのリール3L、3C、3Rを回転させるリール回転開始処理を実行する(S20)。このリール回転開始処理では、各リールの回転開始要求が行われる。また、このリール回転開始処理では、メインCPU51は、主制御回路41から副制御回路42へ送信するリール回転開始コマンドを生成・格納する。リール回転開始コマンドは、例えば、リール3L、3C、3Rが回転を開始したタイミングなどを、サブCPU81に認識させるためのコマンドである。
次に、メインCPU51は、リール停止制御処理を実行する(S21)。このリール停止制御処理では、停止操作を検出する処理、及び停止制御情報に基づく各リールの停止制御を行う処理が実行されるとともに、各リールの回転停止要求が行われる。また、このリール停止制御処理では、メインCPU51は、主制御回路41から副制御回路42へ送信するリール停止コマンドを生成・格納する。リール停止コマンドは、例えば、停止操作が行われたリールの種別、停止操作が行われたタイミング、停止操作が行われた際のリール位置、停止操作に伴い表示される図柄の種別などを、サブCPU81に認識させるためのコマンドである。
次に、メインCPU51は、入賞検索処理を実行する(S22)。この入賞検索処理では、全てのリール3L、3C、3Rが停止した後に、有効ラインに表示された図柄の組合せと図柄組合せテーブル(図10参照)とが照合されて、有効ラインに表示された図柄の組合せが識別される。また、この入賞検索処理では、メインCPU51は、主制御回路41から副制御回路42へ送信する入賞作動コマンドを生成・格納する。入賞作動コマンドは、例えば、入賞検索処理の結果などを、サブCPU81に認識させるためのコマンドである。
次に、メインCPU51は、入賞検索処理の結果に基づいて、払い出すべきメダル(払出枚数)の払い出しを行うメダル払出処理を実行する(S23)。このメダル払出処理では、払出枚数に基づいて、ホッパー駆動回路65の制御やクレジット枚数の更新が行われる。
次に、メインCPU51は、遊技状態制御処理を実行する(S24)。この遊技状態制御処理では、ボーナス遊技状態の開始及び終了を制御する処理、RT遊技状態の移行を制御する処理、及び再遊技の作動を制御する処理が実行される。
具体的には、ボーナス(BB1〜3)に入賞したことに基づいて、BB遊技状態を開始させるとともに、BB遊技状態の終了条件である払出枚数の上限値(例えば、300枚)をセットする。また、BB遊技状態中は常にRB遊技状態となるように制御する。また、BB遊技状態において、払出枚数の上限値を超える枚数のメダルの払い出しが行われた場合には、BB遊技状態を終了させるとともに、RB遊技状態を終了させる。
また、図15に示したRT遊技状態の移行条件が成立した場合には、移行条件に応じたRT遊技状態に移行させる制御を実行する。また、リプレイに入賞した場合には、次回の遊技において再遊技を作動させる制御を実行する。
また、この遊技状態制御処理では、メインCPU51は、主制御回路41から副制御回路42へ送信するボーナス開始コマンドやボーナス終了コマンドを生成・格納する。ボーナス開始コマンドは、例えば、BB遊技状態が開始したことなどを、サブCPU81に認識させるためのコマンドであり、ボーナス終了コマンドは、例えば、BB遊技状態が終了したことなどを、サブCPU81に認識させるためのコマンドである。また、この遊技状態制御処理では、メインCPU51は、遊技終了コマンドを生成・格納することとしてもよい。遊技終了コマンドは、例えば、一回の単位遊技が終了したことなどを、サブCPU81に認識させるためのコマンドである。
<メインCPUの制御による割込処理>
まず、メインCPU51は、レジスタの退避を行う(S101)。次に、メインCPU51は、入力ポートチェック処理を実行する(S102)。この入力ポートチェック処理では、メインCPU51に接続される各種のスイッチやセンサの信号の有無を確認する。
具体的には、メインCPU51は、スタートスイッチ16S、ストップスイッチ17Sなどの各種スイッチのオンエッジ、オフエッジの情報やメダルセンサ35Sなどの各種センサのオン、オフの情報をメインRAM53に格納する。
次に、メインCPU51は、タイマ更新処理を実行する(S103)。次に、メインCPU51は、コマンド送信処理を実行する(S104)。このコマンド送信処理では、メインRAM53に格納されている各種のコマンドを副制御回路42に送信する。
なお、このコマンド送信処理において送信されるコマンドとしては、電源投入時処理(図19のS10)において、設定値の変更の有無、設定値を示す情報などが格納される初期化コマンド、メダル受付・スタートチェック処理(図19のS12)において、メダルの投入枚数やクレジット数を示す情報などが格納されるメダル投入コマンド、図19のS17において格納される上述のスタートコマンド、リール回転開始処理(図19のS20)において、各リールの回転が開始したことを示す情報が格納されるリール回転開始コマンド、リール停止制御処理(図19のS21)において、停止するリールの種別(リール3L、3C、3Rのいずれが停止するか)や停止位置(停止するリールについていずれの図柄位置で停止するか)を示す情報などが格納されるリール停止コマンド、入賞検索処理(図19のS22)において、入賞役を示す情報などが格納される入賞作動コマンド、遊技状態制御処理(図19のS24)において、BB遊技状態の開始を示す情報などが格納されるボーナス開始コマンド、BB遊技状態の終了を示す情報などが格納されるボーナス終了コマンド、一回の単位遊技が終了したことを示す情報などが格納される遊技終了コマンド、エラーが発生した場合(図示せず)に、エラーの有無、エラーの種別を示す情報などが格納されるエラーコマンド、このコマンド送信処理において、送信するコマンドがない場合に、入力ポートチェック処理(図20のS102)において格納された各種スイッチのオンエッジ、オフエッジの情報や各種センサのオン、オフを示す情報などが格納される無操作コマンドなどがある。
次に、メインCPU51は、リール制御処理を実行する(S105)。このリール制御処理では、メインCPU51は、リール回転開始処理(図19のS20)における各リールの回転開始要求に基づいて、各ステッピングモータを駆動制御することにより、各リールの回転を加速させる加速処理を実行し、各リールが所定の速度(例えば、80回転/1分間)となったことに基づいて、各ステッピングモータを駆動制御することにより、その所定の速度を維持する定速処理を実行し、リール停止制御処理(図19のS21)における各リールの回転停止要求に基づいて、各ステッピングモータを駆動制御することにより、各リールの回転を停止させる停止処理を実行する。また、リールアクションの実行時には、特別な駆動制御を実行する。なお、図示は省略するが、このリール制御処理において、定速処理が実行されたことに基づいて、メインCPU51は、停止操作の検出を許可する(すなわち、ストップボタン17L、17C、17Rの操作が有効となる)。
次に、メインCPU51は、ランプ・7SEG駆動処理を実行する(S106)。例えば、メインCPU51は、クレジットされているメダルの枚数、払出枚数などを各種表示部に表示する。次に、メインCPU51は、レジスタの復帰を行い(S107)、この割込処理を終了する。
[副制御処理]
次に、図21〜図31を参照して、副制御回路42のサブCPU81により実行される各種処理について説明する。図21は、本実施形態におけるパチスロ機のサブCPU81の制御による起動処理を示すフローチャートである。このサブCPU81の制御による起動処理は、パチスロ機1に電源が投入されたときに開始される。
<サブCPUの制御による起動処理>
まず、サブCPU81は、初期化処理を行う(S301)。この初期化処理では、サブCPU81は、サブRAM83の指定されたアドレスの格納領域をクリアする。次に、サブCPU81は、メインタスクを起動させる(S302)。このメインタスクでは、液晶表示装置11に画像を表示するための垂直同期信号やアプリケーションプログラミングインタフェース(API)の初期化などが行われる。
次に、サブCPU81は、ランプ制御タスクを起動させる(S303)。このランプ制御タスクでは、後述の図22のS316において登録されたランプデータに応じて、ランプ群21及び回転灯543の発光態様が制御される。次に、サブCPU81は、サウンド制御タスクを起動させる(S304)。このサウンド制御タスクでは、後述の図22のS316において登録されたサウンドデータに応じて、スピーカ20L、20Rの出音態様が制御される。
次に、サブCPU81は、図22において後述する主基板通信タスクを起動させる(S305)。この主基板通信タスクでは、主制御回路41から各種のコマンドが送信されたか否か、あるいは、送信されたコマンドが正常であるか否かが監視され、正常なコマンドを受信したことに基づいて、演出(報知)の決定、開始及び終了などが制御される。
次に、サブCPU81は、アニメタスクを起動させる(S306)。このアニメタスクでは、後述の図22のS315において登録されたアニメーションデータに応じて、液晶表示装置11での画像の表示及び可動ユニット105〜107の動作態様が制御される。
<主基板通信タスク>
図22は、本実施形態におけるパチスロ機の主基板通信タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、受信コマンドのチェックを行う(S311)。具体的には、サブCPU81は、新たに受信したコマンドがあるか否かを判断する。なお、新たに受信したコマンドがない場合には、このS321の処理を繰り返すこととしてもよく、主基板通信タスクを、例えば、4msごとの定期割込処理とし、4ms毎に新たに受信コマンドがあるか否かをチェックすることとしてもよい。また、コマンドを受信したことに基づいて、処理を行うこととしてもよい。
次に、サブCPU81は、コマンドの種別を抽出する(S312)。具体的には、受信したコマンドの種別が、いずれのコマンドであるかを、受信したコマンドのヘッダ情報などから抽出する。
次に、サブCPU81は、前回とは異なる種別のコマンドを受信したか否かを判断する(S313)。ここで、前回とは異なる種別のコマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、S311の処理に戻る。
一方、前回とは異なる種別のコマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、図23において後述するコマンド受信時処理を実行する(S314)。次に、サブCPU81は、コマンド受信時処理において決定された演出内容、及びセットされたナビデータに応じて、アニメーションデータを登録し(S315)、ランプ・サウンドデータを登録し(S316)、S311の処理に戻る。S315及びS316の処理において、アニメーションデータ及びランプ・サウンドデータが登録されることで、決定された演出内容などに応じた演出が行われる。
<コマンド受信時処理>
図23は、本実施形態におけるパチスロ機のコマンド受信時処理を示すフローチャートである。このコマンド受信時処理は、図22のS314において実行される処理である。
まず、サブCPU81は、スタートコマンドの受信時であるか否かを判断する(S321)。スタートコマンドの受信時であると判断した場合(YES)には、サブCPU81は、図24において後述するスタートコマンド受信時処理を実行し(S322)、コマンド受信時処理を終了する。
一方、サブCPU81は、スタートコマンドの受信時でないと判断した場合(NO)には、入賞作動コマンドの受信時であるか否かを判断する(S323)。入賞作動コマンドの受信時であると判断した場合(YES)には、サブCPU81は、図30において後述する入賞作動コマンド受信時処理を実行し(S324)、コマンド受信時処理を終了する。
サブCPU81は、S323の処理において、入賞作動コマンドの受信時でないと判断した場合(NO)には、その他コマンド受信時処理を実行し(S325)、コマンド受信時処理を終了する。このその他コマンド受信時処理では、例えば、メダル投入コマンドの受信時である場合に、メダル投入音を出力するための演出内容が決定される。
<スタートコマンド受信時処理>
図24は、本実施形態におけるパチスロ機のスタートコマンド受信時処理を示すフローチャートである。このスタートコマンド受信時処理は、図23のS322において実行される処理である。
まず、サブCPU81は、ART1中であるか否かを判断する(S401)。サブCPU81は、ART1中であると判断した場合(YES)には、図25において後述するART1中処理を実行し(S402)、スタートコマンド受信時処理を終了する。一方、サブCPU81は、ART1中でないと判断した場合(NO)には、続いて、ART2中であるか否かを判断する(S403)。サブCPU81は、ART2中であると判断した場合(YES)には、図26において後述するART2中処理を実行し(S404)、スタートコマンド受信時処理を終了する。
一方、サブCPU81は、ART2中でないと判断した場合(NO)には、続いて、ART準備中であるか否かを判断する(S405)。サブCPU81は、ART準備中であると判断した場合(YES)には、図27において後述するART準備中処理を実行し(S406)、スタートコマンド受信時処理を終了する。一方、サブCPU81は、ART準備中でないと判断した場合(NO)には、続いて、ART当籤中であるか否かを判断する(S407)。
サブCPU81は、ART当籤中であると判断した場合(YES)には、図28において後述するART当籤中処理を実行し(S408)、スタートコマンド受信時処理を終了する。一方、サブCPU81は、ART当籤中でないと判断した場合(NO)には、図29において後述するART移行抽籤処理を実行し(S409)、内部当籤役などに基づいて通常中の演出内容を決定し(S410)、スタートコマンド受信時処理を終了する。
<ART1中処理>
図25は、本実施形態におけるパチスロ機のART1中処理を示すフローチャートである。このART1中処理は、図24のS402において実行される処理である。
まず、サブCPU81は、ART1中ART2抽籤テーブル(図16の(b)参照)を参照し、内部当籤役に基づいてART2の抽籤を実行する(S421)。次に、サブCPU81は、ART2に当籤したか否かを判断する(S422)。ART2に当籤していない(非当籤である)と判断した場合(NO)には、S424の処理に移る。一方、ART2に当籤したと判断した場合(YES)には、ART2持越フラグをオンする(S423)。
次に、サブCPU81は、内部当籤役に基づいて、ART1中用ナビデータをセットする(S424)。このART1中用ナビデータは、「通常リプ+リプレイ2+リプレイ5」が内部当籤役として決定された場合に、リプレイ5を入賞させない(RT3に移行(転落)させない)停止操作の態様(停止操作順序)を報知するとともに、小役に係る内部当籤役が決定された場合に、RT0移行図柄を表示させない(RT0に移行(転落)させない)停止操作の態様(目押しすべき図柄の種類)を報知するためのデータである。次に、サブCPU81は、内部当籤役などに基づいてART1中の演出内容を決定する(S425)。
次に、サブCPU81は、ARTゲーム数カウンタを1減算し(S426)、続いて、ARTゲーム数カウンタが0であるか否かを判断する(S427)。ARTゲーム数カウンタが0でないと判断した場合(NO)には、ART1中処理を終了する。一方、ARTゲーム数カウンタが0であると判断した場合(YES)には、続いて、ART2持越フラグがオンであるか否かを判断する(S428)。すなわち、サブCPU81は、ART1中にART2に当籤したか否かを判断する。
サブCPU81は、ART2持越フラグがオンであると判断した場合(YES)には、ART2持越フラグをオフし、次回遊技からART2当籤中をセットし(S429)、ART1中処理を終了する。一方、ART2持越フラグがオンでない(オフである)と判断した場合(NO)には、次回遊技から通常中をセットし(S430)、ART1中処理を終了する。
<ART2中処理>
図26は、本実施形態におけるパチスロ機のART2中処理を示すフローチャートである。このART2中処理は、図24のS404において実行される処理である。
まず、サブCPU81は、小役間フラグがオンであるか否かを判断する(S431)。ここで、小役間フラグは、ART2中に小役8が内部当籤役として決定された場合に特殊上乗せを行うか否かを判断するために用いられ、例えば、小役間フラグがオンである状況で小役8が内部当籤役として決定されると特殊上乗せが行われる。小役間フラグがオンに更新される条件は、小役間フラグがオフのときに小役8が内部当籤役として決定されることであり、小役間フラグがオフに更新される条件は、小役間フラグがオンのときに小役8が内部当籤役として決定されること、又は小役間フラグがオンのときにART2のARTゲーム数カウンタが0になることである。
サブCPU81は、小役間フラグがオンであると判断した場合(YES)には、小役間カウンタを1加算し(S432)、S433の処理に移る。一方、サブCPU81は、小役間フラグがオフであると判断した場合(NO)には、S433の処理に移る。なお、小役間カウンタは、小役8が内部当籤役として決定されてから、同一のART2中に小役8が再び内部当籤役として決定されるまでのゲーム数を計数するカウンタであり、例えば、サブRAM83に設けられている。
次に、サブCPU81は、内部当籤役に小役8が含まれるか否かを判断する(S433)。サブCPU81は、内部当籤役に小役8が含まれる場合(YES)には、S434の処理に移り、内部当籤役に小役8が含まれない場合(NO)には、S440の処理に移る。
内部当籤役に小役8が含まれる場合、サブCPU81は、ART2中上乗せ抽籤テーブル(図18の(a))を参照し、上乗せゲーム数の抽籤を実行する(S434)。次に、サブCPU81は、抽籤結果に基づいてARTゲーム数カウンタを加算する(S435)。次に、サブCPU81は、小役間フラグがオンであるか否かを判断する(S436)。なお、小役間フラグは、ART2中に小役8が内部当籤役として決定されるとオンに更新され、また、S436の判断は、内部当籤役に小役8が含まれる場合(S433でYES)に行われるため、S436の判断は、ART2中に小役8が再び内部当籤役として決定されたか否かを判断するものである。
サブCPU81は、小役間フラグがオンであると判断した場合(YES)には、ARTゲーム数カウンタに小役間カウンタの値を加算する(S437)。このように小役間フラグがオンである状況で小役8が内部当籤役として決定されると、特殊上乗せが行われ、ARTゲーム数カウンタに小役8が再び内部当籤役として決定されるまでに要したゲーム数(小役間カウンタの値)が加算される。次に、サブCPU81は、小役間フラグをオフにするとともに、小役間カウンタを0にクリアし(S438)、S440の処理に移る。
一方、サブCPU81は、小役間フラグがオフであると判断した場合(NO)には、小役間フラグをオンにするとともに、小役間カウンタに0をセットし(S439)、S440の処理に移る。このように小役間フラグがオフである状況で小役8が内部当籤役として決定されると、再び小役8が内部当籤役として決定されるまでのゲーム数のカウントが開始される。
S438,S439に続き、又はS433において内部当籤役に小役8が含まれないと判断(NO)されると、サブCPU81は、内部当籤役に基づいて、ART2中用ナビデータをセットする(S440)。このART2中用ナビデータは、「通常リプ+リプレイ4+リプレイ6」が内部当籤役として決定された場合に、リプレイ6を入賞させない(RT3に移行(転落)させない)停止操作の態様(停止操作順序)を報知するとともに、小役に係る内部当籤役が決定された場合に、RT0移行図柄を表示させない(RT0に移行(転落)させない)停止操作の態様(目押しすべき図柄の種類)を報知するためのデータである。次に、サブCPU81は、内部当籤役などに基づいてART2中の演出内容を決定する(S441)。
次に、サブCPU81は、ARTゲーム数カウンタを1減算し(S442)、続いて、ARTゲーム数カウンタが0であるか否かを判断する(S443)。ARTゲーム数カウンタが0でないと判断した場合(NO)には、ART2中処理を終了する。一方、ARTゲーム数カウンタが0であると判断した場合(YES)には、サブCPU81は、小役間フラグがオンであるか否かを判断する(S444)。なお、小役間フラグは、ART2中に小役8が内部当籤役として決定されるとオンに更新されるため、S443,S444の判断は、ART2中に小役8が再び内部当籤役として決定される前にART2ゲーム数が消化したか否かを判断するものである。サブCPU81は、小役間フラグがオフであると判断した場合(NO)には、次回遊技から通常中をセットし(S447)、ART2中処理を終了する。
一方、サブCPU81は、小役間フラグがオンであると判断した場合(YES)には、ARTゲーム数カウンタに小役間カウンタの値を加算する(S445)。このように小役8が内部当籤役として決定された後、小役8が再び内部当籤役として決定される前にART2ゲーム数が消化してしまった場合には、特殊上乗せが行われ、ARTゲーム数カウンタに小役8が内部当籤役として決定されてから経過したゲーム数(小役間カウンタの値)が加算される。次に、サブCPU81は、小役間フラグをオフにするとともに、小役間カウンタを0にクリアし(S446)、ART2中処理を終了する。
<ART準備中処理>
図27は、本実施形態におけるパチスロ機のART準備中処理を示すフローチャートである。このART準備中処理は、図24のS406において実行される処理である。
まず、サブCPU81は、内部当籤役にリプレイ2が含まれるか否かを判断する(S451)。すなわち、サブCPU81は、「通常リプ+リプレイ2+リプレイ5」が内部当籤役として決定されたか否かを判断する。内部当籤役にリプレイ2が含まれると判断した場合(YES)には、続いて、ART1準備中であるか否かを判断する(S452)。
サブCPU81は、ART1準備中であると判断した場合(YES)には、リプレイ2を入賞させるART準備中用ナビデータをセットし(S453)、S460の処理に移る。すなわち、サブCPU81は、ART1中に移行する停止操作の態様(停止操作順序)を報知するためのナビデータをセットする。一方、ART1準備中でない(ART2準備中である)と判断した場合(NO)には、通常リプを入賞させるART準備中用ナビデータをセットし(S454)、S460の処理に移る。すなわち、サブCPU81は、ART2準備中を維持する停止操作の態様(停止操作順序)を報知するためのナビデータをセットする。
サブCPU81は、S451の処理において、内部当籤役にリプレイ2が含まれないと判断した場合(NO)には、続いて、内部当籤役にリプレイ4が含まれるか否かを判断する(S455)。すなわち、サブCPU81は、「通常リプ+リプレイ4+リプレイ6」が内部当籤役として決定されたか否かを判断する。内部当籤役にリプレイ4が含まれると判断した場合(YES)には、続いて、ART2準備中であるか否かを判断する(S456)。
サブCPU81は、ART2準備中であると判断した場合(YES)には、リプレイ4を入賞させるART準備中用ナビデータをセットし(S457)、S460の処理に移る。すなわち、サブCPU81は、ART2中に移行する停止操作の態様(停止操作順序)を報知するためのナビデータをセットする。一方、ART2準備中でない(ART1準備中である)と判断した場合(NO)には、通常リプを入賞させるART準備中用ナビデータをセットし(S458)、S460の処理に移る。すなわち、サブCPU81は、ART1準備中を維持する停止操作の態様(停止操作順序)を報知するためのナビデータをセットする。
サブCPU81は、S455の処理において、内部当籤役にリプレイ4が含まれないと判断した場合(NO)には、続いて、内部当籤役に基づいて、ART準備中用ナビデータをセットする(S459)。すなわち、サブCPU81は、小役に係る内部当籤役が決定された場合に、RT0移行図柄を表示させない(RT0に移行(転落)させない)停止操作の態様(目押しすべき図柄の種類)を報知するためのナビデータをセットする。
次に、サブCPU81は、内部当籤役などに基づいてART準備中の演出内容を決定し(S460)、ART準備中処理を終了する。
<ART当籤中処理>
図28は、本実施形態におけるパチスロ機のART当籤中処理を示すフローチャートである。このART当籤中処理は、図24のS408において実行される処理である。
まず、サブCPU81は、内部当籤役にリプレイ1が含まれるか否かを判断する(S471)。すなわち、サブCPU81は、「通常リプ+リプレイ1+リプレイ5」が内部当籤役として決定されたか否かを判断する。内部当籤役にリプレイ1が含まれると判断した場合(YES)には、続いて、ART1当籤中であるか否かを判断する(S472)。
サブCPU81は、ART1当籤中であると判断した場合(YES)には、リプレイ1を入賞させるART当籤中用ナビデータをセットし(S473)、S480の処理に移る。すなわち、サブCPU81は、ART1準備中に移行する停止操作の態様(停止操作順序)を報知するためのナビデータをセットする。一方、ART1当籤中でない(ART2当籤中である)と判断した場合(NO)には、通常リプを入賞させるART当籤中用ナビデータをセットし(S474)、S480の処理に移る。すなわち、サブCPU81は、ART2当籤中を維持する停止操作の態様(停止操作順序)を報知するためのナビデータをセットする。
サブCPU81は、S471の処理において、内部当籤役にリプレイ1が含まれないと判断した場合(NO)には、続いて、内部当籤役にリプレイ3が含まれるか否かを判断する(S475)。すなわち、サブCPU81は、「通常リプ+リプレイ3+リプレイ6」が内部当籤役として決定されたか否かを判断する。内部当籤役にリプレイ3が含まれると判断した場合(YES)には、続いて、ART2当籤中であるか否かを判断する(S476)。
サブCPU81は、ART2当籤中であると判断した場合(YES)には、リプレイ3を入賞させるART当籤中用ナビデータをセットし(S477)、S480の処理に移る。すなわち、サブCPU81は、ART2準備中に移行する停止操作の態様(停止操作順序)を報知するためのナビデータをセットする。一方、ART2当籤中でない(ART1当籤中である)と判断した場合(NO)には、通常リプを入賞させるART当籤中用ナビデータをセットし(S478)、S480の処理に移る。すなわち、サブCPU81は、ART1当籤中を維持する停止操作の態様(停止操作順序)を報知するためのナビデータをセットする。
サブCPU81は、S475の処理において、内部当籤役にリプレイ3が含まれないと判断した場合(NO)には、続いて、内部当籤役に基づいて、ART当籤中用ナビデータをセットする(S479)。すなわち、サブCPU81は、小役に係る内部当籤役が決定された場合に、RT0移行図柄を表示させない(RT0に移行(転落)させない)停止操作の態様(目押しすべき図柄の種類)を報知するためのナビデータをセットする。なお、上述のように、ART1当籤中であってRT0のときには、このナビデータをセットしないこととしてもよい。このように構成することで、ART1当籤中とART2当籤中とで払い出されるメダルの枚数に差が生じることとなるため、遊技性を多様なものとすることができる。
次に、サブCPU81は、内部当籤役などに基づいてART当籤中の演出内容を決定し(S480)、ART当籤中処理を終了する。
<ART移行抽籤処理>
図29は、本実施形態におけるパチスロ機のART移行抽籤処理を示すフローチャートである。このART移行抽籤処理は、図24のS409において実行される処理であり、ART非当籤中において実行される処理である。
まず、サブCPU81は、通常中ART2抽籤テーブル(図16の(c)参照)を参照し、内部当籤役に基づいてART2の抽籤を実行する(S491)。次に、サブCPU81は、ART2に当籤したか否かを判断する(S492)。ART2に当籤したと判断した場合(YES)には、次回遊技からART2当籤中をセットし(S493)、ART移行抽籤処理を終了する。
一方、ART2に当籤していない(非当籤である)と判断した場合(NO)には、続いて、通常中ART1抽籤テーブル(図16の(a)参照)を参照し、内部当籤役に基づいてART1の抽籤を実行する(S494)。次に、サブCPU81は、ART1に当籤したか否かを判断する(S495)。ART1に当籤したと判断した場合(YES)には、次回遊技からART1当籤中をセットし(S496)、ART移行抽籤処理を終了する。また、ART1に当籤していない(非当籤である)と判断した場合(NO)にも、ART移行抽籤処理を終了する。
<入賞作動コマンド受信時処理>
図30は、本実施形態におけるパチスロ機の入賞作動コマンド受信時処理を示すフローチャートである。この入賞作動コマンド受信時処理は、図23のS324において実行される処理である。
まず、サブCPU81は、リプレイ1〜4のいずれかに入賞したか否かを判断する(S501)。サブCPU81は、リプレイ1〜4のいずれかに入賞したと判断した場合(YES)には、続いて、図31において後述するART移行処理を実行し(S502)、入賞作動コマンド受信時処理を終了する。一方、サブCPU81は、S501の処理において、リプレイ1から4のいずれにも入賞していないと判断した場合(NO)には、入賞作動コマンド受信時処理を終了する。
<ART移行処理>
図31は、本実施形態におけるパチスロ機のART移行処理を示すフローチャートである。このART移行処理は、図30のS502において実行される処理である。
まず、サブCPU81は、リプレイ1に入賞したか否かを判断する(S511)。サブCPU81は、リプレイ1に入賞したと判断した場合(YES)には、続いて、ART1当籤中であるか否かを判断する(S512)。サブCPU81は、ART1当籤中であると判断した場合(YES)には、次回遊技からART1準備中をセットし(S513)、入賞作動コマンド受信時処理を終了する。また、ART1当籤中でないと判断した場合(NO)にも、入賞作動コマンド受信時処理を終了する。
サブCPU81は、S511の処理において、リプレイ1に入賞していないと判断した場合(NO)には、続いて、リプレイ3に入賞したか否かを判断する(S514)。サブCPU81は、リプレイ3に入賞したと判断した場合(YES)には、続いて、ART2当籤中であるか否かを判断する(S515)。サブCPU81は、ART2当籤中であると判断した場合(YES)には、次回遊技からART2準備中をセットし(S516)、入賞作動コマンド受信時処理を終了する。また、ART2当籤中でないと判断した場合(NO)にも、入賞作動コマンド受信時処理を終了する。
サブCPU81は、S514の処理において、リプレイ3に入賞していないと判断した場合(NO)には、続いて、リプレイ2に入賞したか否かを判断する(S517)。サブCPU81は、リプレイ2に入賞したと判断した場合(YES)には、続いて、ART1準備中であるか否かを判断する(S518)。サブCPU81は、ART1準備中であると判断した場合(YES)には、次回遊技からART1中をセットし(S519)、ARTゲーム数カウンタに50をセットし(S520)、入賞作動コマンド受信時処理を終了する。また、ART1準備中でないと判断した場合(NO)にも、入賞作動コマンド受信時処理を終了する。
サブCPU81は、S517の処理において、リプレイ2に入賞していないと判断した場合(NO)には、続いて、リプレイ4に入賞したか否かを判断する(S521)。サブCPU81は、リプレイ4に入賞したと判断した場合(YES)には、続いて、ART2準備中であるか否かを判断する(S522)。サブCPU81は、ART2準備中であると判断した場合(YES)には、次回遊技からART2中をセットし(S523)、ART2中初期ゲーム数抽籤テーブル(図16の(d)参照)を参照し、設定値に基づいて初期ゲーム数の抽籤を実行する(S524)。次に、サブCPU81は、初期ゲーム数の抽籤結果に基づいてARTゲーム数カウンタを加算し(S525)、入賞作動コマンド受信時処理を終了する。
また、サブCPU81は、S521の処理において、リプレイ4に入賞していないと判断した場合(NO)、S522の処理において、ART2準備中でないと判断した場合(NO)にも、入賞作動コマンド受信時処理を終了する。
[パチスロ機の効果]
このように、本実施形態のパチスロ機1は、小役2〜7に係る図柄の組合せが表示されるために必要な停止操作の態様などを報知する有利状態(例えば、ART2中)と、当該報知が行われない通常状態(例えば、通常中)とを有し、副制御回路42は、有利状態中に所定役(例えば、小役8)が内部当籤役として決定されてからの単位遊技の回数を小役間カウンタにより計数する。そして、副制御回路42は、有利状態中に所定役が再び内部当籤役として決定されると、小役間カウンタが計数している単位遊技の回数(ゲーム間隔)に基づいて、有利状態の上乗せを行う。
これにより、遊技者は、有利状態中に所定役が内部当籤役として決定されると、その後、所定役が再び内部当籤役として決定されるまでの期間にわたり遊技の結果に着目することになり、有利状態の上乗せに関する期待感を一定期間にわたり維持させることができる。また、有利状態中に所定役が再び内部当籤役として決定されるまでの期間が長期間にわたる場合には、その後、多くの上乗せが行われることが期待できるため、長期間にわたり上乗せに関する期待感を維持させることができる。
また、例えば、所定役が再び内部当籤役として決定されるまでの期間が属する範囲に基づいて有利状態の上乗せを行う場合には、当該期間がある閾値を満たすか否かに応じて上乗せの有利度合を異ならせることもできる。例えば、所定役が再び内部当籤役として決定されるまでの期間が1〜49ゲームである場合にはゲーム間隔をそのまま上乗せし、50〜99ゲームである場合にはゲーム間隔の1.5倍を上乗せするといった制御にすることで、遊技者は、所定役が再び内部当籤役として決定されるまでの期間が50ゲーム(閾値)を超えるか否かについて強い関心を抱くことになる。このような制御によれば、有利状態の上乗せに関する期待感を、単に一定期間にわたり維持させるだけでなく、当該一定期間中のある一の遊技(閾値)において強い関心を抱かせることができ、興趣の向上が期待できる。
また、本実施形態のパチスロ機1は、有利状態中に所定役(例えば、小役8)が内部当籤役として決定されると、所定役に基づいて有利状態の上乗せを行う。これにより、所定役が内部当籤役として決定された遊技においても、有利状態の上乗せが行われることになるため、遊技者は、ある一の遊技に対しても興味を抱くことになり、有利状態中の遊技の興趣を向上させることができる。また、所定役が再び内部当籤役として決定されるまでの期間だけでなく、内部当籤役として決定された所定役に基づいても有利状態の上乗せが行われるため、短い期間で所定役が再び内部当籤役として決定された場合に遊技者が感じる不満を軽減することができる。
また、本実施形態のパチスロ機1は、有利状態中に所定役(例えば、小役8)が再び内部当籤役として決定される前に、有利状態が終了してしまう状態になった場合であっても、それまでに計数した単位遊技の回数に基づいて有利状態を上乗せする。これにより、所定役がいつまでも内部当籤役として決定されない場合であっても、遊技者に不満を与えることがなく、有利状態中の遊技の興趣を向上させることができる。
[別実施形態]
次に、本発明のパチスロ機1の別実施形態について説明する。なお、以下では、別実施形態のパチスロ機1として、第2実施形態、第3実施形態及び第4実施形態のパチスロ機1を示す。これら別実施形態のパチスロ機1の説明では、第1実施形態のパチスロ機1と異なる部分についてのみ説明し、第1実施形態のパチスロ機1と同じ部分については説明を省略する。また、第1実施形態から第4実施形態のパチスロ機1における特徴は、それぞれ単独で採用することとしてもよく、また、それぞれの特徴を任意に組み合わせて採用することとしてもよい。
[第2実施形態]
図32から図34を参照して、第2実施形態のパチスロ機1について説明する。
<第2実施形態のパチスロ機1の概要>
第1実施形態のパチスロ機1では、特殊上乗せとして、同一の有利状態中に小役8が再び内部当籤役として決定されるまでのゲーム間隔に基づきART2ゲーム数の上乗せを行っている。これに対して、第2実施形態のパチスロ機1では、一の有利状態における履歴と、他の有利状態における履歴とを比較することで、ART2ゲーム数の上乗せを行う。なお、以下では、第2実施形態のパチスロ機1におけるART2ゲーム数の上乗せを「特殊上乗せ2」と呼ぶことがある。
(特殊上乗せ2)
第2実施形態のパチスロ機1では、有利状態が終了すると、当該有利状態中の履歴を一時的に保持する。具体的には、パチスロ機1は、有利状態が終了すると、当該有利状態中に増加したメダルの枚数(以下では「獲得メダル数」と呼ぶことがある)、及び当該有利状態が継続した単位遊技の数(以下では「継続ゲーム数」と呼ぶことがある)を、当該有利状態における履歴(前回結果)として、サブRAM83などに一時的に保存する。
そして、パチスロ機1では、次の有利状態が開始すると、当該有利状態における履歴と、保持している履歴とを比較して、ART2ゲーム数の上乗せを行う。具体的には、パチスロ機1は、次の有利状態(以下では、前回結果として保持している有利状態を「前回有利状態」、開始した次の有利状態を「今回有利状態」と呼ぶことがある)において単位遊技毎に更新される獲得メダル数と、前回結果として保持している前回有利状態における獲得メダル数とを比較し、今回有利状態における獲得メダル数が前回有利状態における獲得メダル数に達すると、前回結果として保持している前回有利状態における継続ゲーム数に基づいて有利状態の上乗せ(特殊上乗せ2)を行う。
ここで、図32を参照して、第2実施形態のパチスロ機1による特殊上乗せ2について具体的に説明する。図32(a)に示す例では、前回のART2は、獲得メダル数「120枚」、継続ゲーム数「40ゲーム」で終了している。前回のART2の終了に伴い、獲得メダル数「120枚」及び継続ゲーム数「40ゲーム」は、前回結果として保持される。
その後、次のART2が開始し、このART2においてメダルを「120枚」獲得すると、今回のART2における獲得メダル数が前回結果として保持している獲得メダル数に達したとして、前回結果として保持している継続ゲーム数「40ゲーム」が上乗せされる。
これにより、第2実施形態のパチスロ機1では、内部当籤役に関わらずART2ゲーム数の上乗せを行うことができる。遊技者にとってみれば、上乗せが行われるためにあとどのくらいメダルを獲得すればよいか把握でき、また、仮に上乗せが行われる場合に、どの程度の上乗せが行われるかを把握できるため、上乗せに関する期待感を持続させながら遊技を行うことができ、ART2中の興趣の向上が期待できる。
また、獲得メダル数が少ないままART2が終了した場合には、次のART2において特殊上乗せ2が行われる可能性が高く、反対に獲得メダル数が多い状態でART2が終了した場合には、次のART2において特殊上乗せ2が行われる可能性は低いものの、ART2ゲーム数が多く上乗せされることが期待できる。遊技者にとってみれば、ART2の終了時に当該ART2における履歴(前回結果)を確認することで、次のART2まで遊技を継続するか選択することができ、遊技の戦略性を高めることができる。
ところで、特殊上乗せ2が行われると、前回結果として保持している前回有利状態における継続ゲーム数が上乗せされるため、今回有利状態がさらに継続する。その結果、今回有利状態における獲得メダル数はさらに増加し、前回結果として保持している獲得メダル数に再び達する可能性もある。ここで、特殊上乗せ2が一度行われた後の制御については任意であり、特殊上乗せ2が一度行われた後は、同一の有利状態において特殊上乗せ2を行わないこととしてもよく、また、同一の有利状態であっても特殊上乗せ2を再び行うこととしてもよい。
図32(b)は、特殊上乗せ2が一度行われた後は特殊上乗せ2を行わない場合の動作例である。図32(b)に示す例では、図31(a)において特殊上乗せ2が一度行われた結果、今回のART2が継続し、特殊上乗せ2が行われてからさらに120枚のメダル(=前回結果)を獲得している。このような場合に、図32(b)に示す例では、二度目の特殊上乗せ2を行うことがない。
これに対して、図32(c)は、特殊上乗せ2が一度行われた後であっても、条件を満たした場合には再び特殊上乗せ2を行う場合の動作例である。図32(c)に示す例では、図31(a)において特殊上乗せ2が一度行われた結果、今回のART2が継続し、特殊上乗せ2が行われてからさらに120枚のメダル(=前回結果)を獲得している。このような場合に、図32(c)に示す例では、再び特殊上乗せ2を行う。
なお、パチスロ機1において、有利状態中の単位遊技あたりに増加するメダルの枚数の期待値(いわゆる平均純増枚数)は、それぞれの役が内部当籤役として決定される確率(図11参照)に応じて定まる。そのため、特殊上乗せ2により、特殊上乗せ2が一度行われ、前回有利状態における獲得メダル数を得るために有したゲーム数が今回有利状態において上乗せされた場合、その後、前回有利状態における獲得メダル数を、今回有利状態においてさらに得る可能性が高い。その結果、特殊上乗せ2を繰り返して行うと、有利状態が長く続きすぎてしまう可能性がある。
そこで、特殊上乗せ2を繰り返して行う場合には、特殊上乗せ2が一度行われた後は、特殊上乗せ2を行う条件(獲得メダル数)及び特殊上乗せ2により上乗せする上乗せ量(継続ゲーム数)のうちの何れか又は双方を異ならせることが好ましい。
まず、特殊上乗せ2を行う条件を異ならせる場合について説明する。一度目の特殊上乗せ2は、今回有利状態における獲得メダル数が前回結果として保持している前回有利状態における獲得メダル数に達するという条件で行われる。この点、二度目の特殊上乗せ2は、一度目の特殊上乗せ2が行われた後の獲得メダル数が一度目の特殊上乗せ2が行われる際の条件である前回有利状態における獲得メダル数×αに達するという条件で行い、n度目の特殊上乗せ2は、(n−1)度目の特殊上乗せ2が行われた後の獲得メダル数が(n−1)度目の特殊上乗せ2が行われる際の条件である獲得メダル数×αに達するという条件で行う。
なお、αは少なくとも1以上の数値であることが好ましい。また、αは、2度目、3度目・・・n度目の特殊上乗せ2を行う場合について、共通の数値であってもよく、また、それぞれ異なる数値であってもよく、一部で共通し一部で異なる数値(例えば、2度目及び3度目はα=1.5、4度目及び5度目はα=2、6度目以降はα=3など)であってもよい。
続いて、特殊上乗せ2により上乗せする上乗せ量を異ならせる場合について説明する。一度目の特殊上乗せ2は、前回結果として保持している前回有利状態における継続ゲーム数が上乗せされる。この点、二度目の特殊上乗せ2は、一度目の特殊上乗せ2において上乗せしたゲーム数×βを上乗せし、n度目の特殊上乗せ2は、(n−1)度目の特殊上乗せ2において上乗せしたゲーム数×βを上乗せする。
なお、βは0よりも大きい数値であり、αとの関係で適宜設定される。βは、基本的にはαよりも小さい数値であることが好ましいものの、αが1よりも大きい数値である場合には、αとβとを同一の値としてもよい。また、βは、2度目、3度目・・・n度目の特殊上乗せ2を行う場合について、共通の数値であってもよく、また、それぞれ異なる数値であってもよく、一部で共通し一部で異なる数値であってもよい。
(特殊上乗せ2と有利状態の種別との関係)
本実施形態のパチスロ機1では、有利状態の終了条件として有利状態中のゲーム数(ART2ゲーム数カウンタが0になること)を採用しているため、有利状態の上乗せは、有利状態が継続可能なゲーム数を増加させることで行われる。このようなパチスロ機は、一般に、ゲーム数管理のパチスロ機と呼ばれている。
この点、パチスロ機によっては、有利状態の終了条件としてゲーム数ではなく、有利状態中に増加したメダルの枚数を採用する、いわゆる差枚数管理のパチスロ機も知られている。このような差枚数管理のパチスロ機では、有利状態の上乗せは、有利状態が継続可能なメダルの枚数(以下では、「獲得可能メダル数」と呼ぶことがある)を増加させることで行われ、例えば、獲得可能メダル数を「200枚」から「300枚」に増加させることは、有利状態を「100枚」上乗せすることになる。
特殊上乗せ2は、このような差枚数管理のパチスロ機においても適用することができる。具体的には、パチスロ機は、前回有利状態が終了すると、当該前回有利状態中の獲得メダル数及び継続ゲーム数を一時的に保持する。そして、パチスロ機では、今回有利状態が開始すると、今回有利状態における履歴と、保持している前回有利状態における履歴とを比較して、獲得可能メダル数の上乗せを行う。より具体的には、パチスロ機は、今回有利状態において単位遊技毎に更新される継続ゲーム数と前回結果として保持している前回有利状態における継続ゲーム数とを比較し、今回有利状態における継続ゲーム数が前回有利状態における継続ゲーム数に達すると、前回結果として保持している前回有利状態における獲得メダル数に基づいて獲得可能メダル数の上乗せ(特殊上乗せ2)を行う。
ここで、図32(d)を参照して、差枚数管理のパチスロ機による特殊上乗せ2について具体的に説明する。図32(d)に示す例では、前回のART2は、獲得メダル数「120枚」、継続ゲーム数「40ゲーム」で終了している。前回のART2の終了に伴い、獲得メダル数「120枚」及び継続ゲーム数「40ゲーム」は、前回結果として保持される。
その後、次のART2が開始し、このART2が「40ゲーム」継続すると、今回のART2における継続ゲーム数が前回結果として保持している継続ゲーム数に達したとして、パチスロ機は、前回結果として保持している獲得メダル数「120枚」を獲得可能メダル数に上乗せする。
なお、獲得メダル数(有利状態中に増加したメダルの枚数)は、遊技に用いたメダルの枚数を考慮せずに遊技の結果として払い出されたメダルの枚数のみから算出することとしてもよく、また、同一の遊技において払い出されたメダルの枚数から遊技に用いたメダルの枚数を減算した純増枚数から算出することとしてもよい。
また、パチスロ機によっては、有利状態の終了条件としてゲーム数や獲得可能メダル数ではなく、有利状態中に報知(ナビ)が行われた回数を採用する、いわゆるナビ回数管理のパチスロ機も知られている。このようなナビ回数管理のパチスロ機では、有利状態の上乗せは、有利状態が継続可能なナビ回数(以下では、「ナビ可能回数」と呼ぶことがある)を増加させることで行われ、例えば、ナビ可能回数を「30回」から「40回」に増加させることは、有利状態を「10回」上乗せすることになる。
特殊上乗せ2は、このようなナビ回数管理のパチスロ機においても適用することができる。具体的には、パチスロ機は、前回有利状態が終了すると、当該前回有利状態中のナビ回数及び継続ゲーム数を一時的に保持する。そして、パチスロ機では、今回有利状態が開始すると、今回有利状態における履歴と、保持している前回有利状態における履歴とを比較して、ナビ可能回数の上乗せを行う。より具体的には、パチスロ機は、今回有利状態において単位遊技毎に更新される継続ゲーム数と前回結果として保持している前回有利状態における継続ゲーム数とを比較し、今回有利状態における継続ゲーム数が前回有利状態における継続ゲーム数に達すると、前回結果として保持している前回有利状態におけるナビ回数に基づいてナビ可能回数の上乗せ(特殊上乗せ2)を行う。
ここで、図32(e)を参照して、ナビ回数管理のパチスロ機による特殊上乗せ2について具体的に説明する。図32(e)に示す例では、前回のART2は、ナビ回数「30回」、継続ゲーム数「40ゲーム」で終了している。前回のART2の終了に伴い、ナビ回数「30回」及び継続ゲーム数「40ゲーム」は、前回結果として保持される。
その後、次のART2が開始し、このART2が「40ゲーム」継続すると、今回のART2における継続ゲーム数が前回結果として保持している継続ゲーム数に達したとして、パチスロ機は、前回結果として保持しているナビ回数「30回」をナビ可能回数に上乗せする。
なお、差枚数管理及びナビ回数管理のパチスロ機において、特殊上乗せ2が一度行われた後の制御については、ゲーム数管理のパチスロ機と同様である。すなわち、特殊上乗せ2が一度行われた後は、同一の有利状態において特殊上乗せ2を行わないこととしてもよく、また、同一の有利状態であっても特殊上乗せ2を再び行うこととしてもよい。また、同一の有利状態であっても特殊上乗せ2を再び行う場合に、特殊上乗せ2を行う条件及び特殊上乗せ2により上乗せする上乗せ量のうちの何れか又は双方を異ならせることとしてもよい。
また、図32(a)から(c)では、獲得メダル数と継続ゲーム数とを用いて、ゲーム数管理のパチスロ機1における特殊上乗せ2について説明している。この点、ナビ回数と継続ゲーム数とを用いて、ゲーム数管理のパチスロ機1における特殊上乗せ2を実現することとしてもよい。具体的には、パチスロ機1は、前回有利状態が終了すると、当該前回有利状態中のナビ回数及び継続ゲーム数を一時的に保持する。そして、パチスロ機1では、今回有利状態が開始すると、今回有利状態において単位遊技毎に更新されるナビ回数と前回結果として保持している前回有利状態におけるナビ回数とを比較し、今回有利状態におけるナビ回数が前回有利状態におけるナビ回数に達すると、前回結果として保持している前回有利状態における継続ゲーム数に基づいて特殊上乗せ2を行う。
また、上述の説明では、履歴を比較する有利状態を、前回有利状態と今回有利状態とに限定し説明しているが、比較対象は上述したものに限られるものではなく、任意に設定することができる。例えば、今回有利状態の履歴と、前々回の有利状態の履歴とを比較して特殊上乗せ2を行うこととしてもよい。また、今回の有利状態と比較する対象となる有利状態を、遊技者が選択可能にすることとしてもよい。具体的には、一の有利状態が終了すると、パチスロ機1は、当該一の有利状態の履歴を保持するか否かの選択を受け付ける。そして、遊技者が保持することを選択すると、パチスロ機1は、当該一の有利状態の履歴を比較対象の有利状態の履歴として保持し、その後の有利状態において、当該その後の有利状態の履歴と比較し、特殊上乗せ2を行う。これにより、遊技者は、上乗せし易いものの上乗せする量は少ない履歴や、上乗せし難いものの上乗せする量は多い履歴などを選んで遊技を行うことができ、遊技の戦略性をさらに高めることができる。
また、今回有利状態の履歴と、比較する有利状態の履歴は、一の有利状態の履歴に限られるものではなく、今回有利状態より前の複数の有利状態の履歴であってもよい。例えば、今回有利状態が、前回の有利状態の履歴と比較した結果、特殊上乗せ2が行われることなく終了したとする。このような場合、パチスロ機1では、今回有利状態の履歴及び前回有利状態の履歴の双方の履歴を、前回有利状態の履歴及び前々回有利状態の履歴として保持する。そして、次回の有利状態において、保持している2つの有利状態の履歴と当該次回の有利状態の履歴とを比較し特殊上乗せ2を行うこととしてもよい。もちろん、比較する有利状態の履歴は、2つの有利状態の履歴に限らず、3以上の任意の数の有利状態の履歴であってもよい。
[副制御処理]
次に、図33を参照して、第2実施形態のパチスロ機1において、副制御回路42のサブCPU81により実行される処理について説明する。なお、第2実施形態のパチスロ機1では、副制御回路42のサブCPU81により実行される入賞作動コマンド受信時処理が、第1実施形態のパチスロ機1の処理と異なる。
<入賞作動コマンド受信時処理>
図33は、本実施形態におけるパチスロ機の入賞作動コマンド受信時処理を示すフローチャートである。この入賞作動コマンド受信時処理は、図23のS324において実行される処理である。なお、図33に示す入賞作動コマンド受信時処理では、特殊上乗せ2が一度行われた後は同一のART2中に特殊上乗せ2を再び行わない場合の処理の流れを示している。
まず、サブCPU81は、リプレイ1〜4のいずれかに入賞したか否かを判断する(S551)。サブCPU81は、リプレイ1〜4のいずれかに入賞したと判断した場合(YES)には、続いて、図31のART移行処理を実行し(S552)、入賞作動コマンド受信時処理を終了する。
一方、サブCPU81は、S551の処理において、リプレイ1から4のいずれにも入賞していないと判断した場合(NO)には、ART2中であるか否かを判断する(S553)。サブCPU81は、ART2中ではないと判断した場合(NO)には、入賞作動コマンド受信時処理を終了する。
一方、サブCPU81は、S553の処理において、ART2中であると判断した場合(YES)には、続いて、入賞作動コマンドに含まれる情報(例えば、今回の単位遊技におけるメダルの払い出し枚数)に基づいて、ART2中の獲得メダル数及び継続ゲーム数を更新する(S554)。
次に、サブCPU81は、ARTゲーム数カウンタが0であるか否かを判断する(S555)。サブCPU81は、ARTゲーム数カウンタが0ではないと判断した場合(NO)には、S558の処理に移る。
一方、サブCPU81は、S555の処理において、ARTゲーム数カウンタが0であると判断した場合(YES)には、続いて、ART2中の獲得メダル数及び継続ゲーム数に基づいて、ART2の終了画面を決定する(S556)。S556の処理において、ART2の終了画面が決定されると、決定された終了画面に応じたアニメーションデータ及びランプ・サウンドデータが登録されることで(図22のS315及びS316)、ART2の終了画面が液晶表示装置11に表示される。
続いて、サブCPU81は、現在保持中の前回結果を破棄し、S554の処理において更新した獲得メダル数及び継続ゲーム数を前回結果としてセットする(S557)。すなわち、第2実施形態のパチスロ機1では、ART2中に、前回のART2における獲得メダル数及び継続ゲーム数を前回結果として保持する。そして、現在のART2が終了すると、保持していた前回結果を破棄し、終了した今回のART2における獲得メダル数及び継続ゲーム数を新たな前回結果として保持する。S557の処理において、今回のART2における獲得メダル数及び継続ゲーム数を新たな前回結果として保持すると、サブCPU81は、入賞作動コマンド受信時処理を終了する。
サブCPU81は、S555の処理において、ARTゲーム数カウンタが0ではないと判断した場合(NO)には、続いて、今回のART2中の獲得メダル数が前回結果として保持している獲得メダル数よりも多いか否かを判断する(S558)。サブCPU81は、今回のART2中の獲得メダル数が前回結果として保持している獲得メダル数よりも多くないと判断した場合(NO)には、入賞作動コマンド受信時処理を終了する。
一方、サブCPU81は、S558の処理において、今回のART2中の獲得メダル数が前回結果として保持している獲得メダル数よりも多いと判断した場合(YES)には、特殊上乗せ2を行い、前回結果として保持している継続ゲーム数をARTゲーム数カウンタに加算する。続いて、サブCPU81は、現在保持中の前回結果を破棄し(S560)、入賞作動コマンド受信時処理を終了する。
[パチスロ機の演出例]
次に、図34を参照して、パチスロ機1の演出例について説明する。図34(a)は、ART2の終了画面の一例を示す図であり、図34(b)は、ART2中の表示画面の一例を示す図である。
<ART2の終了画面>
図34(a)に示すように、ART2の終了画面では、終了したART2における継続ゲーム数及び当該ART2中の獲得メダル数が表示される。遊技者にとってみれば、ART2の終了画面から、次のART2がどの程度継続することで特殊上乗せ2が行われるか、また、特殊上乗せ2が行われる場合の上乗せの程度を確認することができるため、その後の通常中の遊技を行うか否かについての選択に戦略性が生まれ、遊技の興趣が向上する。
<ART2中の表示画面>
図34(b)に示すように、ART2中は、現在のART2における継続ゲーム数及び現在のART2中の獲得メダル数が表示される。遊技者にとってみれば、前回のART2の終了時に表示された終了画面における前回継続ゲーム数及び前回獲得メダル数と、現在のART2中に表示している現在継続ゲーム数及び現在獲得メダル数とを比較することで、特殊上乗せ2が行われるか否かを把握することができ好適である。
なお、ART2中には、図34(b)に示すように、前回のART2における継続ゲーム数及び当該前回のART2における獲得メダル数を表示することとしてもよい。前回のART2における継続ゲーム数及び当該前回のART2における獲得メダル数は、サブRAM83に保持している前回結果に基づいて表示することができる。
[第2実施形態のパチスロ機の効果]
このように、第2実施形態のパチスロ機1は、小役2〜7に係る図柄の組合せが表示されるために必要な停止操作の態様を報知する有利状態(例えば、ART2中)と、当該報知が行われない通常状態(例えば、通常中)とを有し、副制御回路42は、有利状態中に有利状態中の継続ゲーム数及び獲得メダル数を計数し、有利状態が終了すると終了時の継続ゲーム数及び獲得メダル数を前回結果として保持する。
そして、ゲーム数管理のパチスロ機である場合には、副制御回路42は、次の有利状態が開始すると、当該次の有利状態中における獲得メダル数が前回結果として保持している獲得メダル数に達すると、前回結果として保持している継続ゲーム数に基づいて有利状態の上乗せを行う。また、差枚数管理のパチスロ機である場合には、副制御回路42は、次の有利状態が開始すると、当該次の有利状態中における継続ゲーム数が前回結果として保持している継続ゲーム数に達すると、前回結果として保持している獲得メダル数に基づいて有利状態の上乗せを行う。
これにより、第2実施形態のパチスロ機1によれば、内部当籤役に関わらず有利状態の上乗せを行うことができる。例えば、有利状態が早期に終了した場合には、次の有利状態において前回結果に達する可能性が高くなり、有利状態の上乗せの期待度が高まる。また、有利状態が長期間にわたった場合には、次の有利状態における上乗せの可能性は低いものの、仮に上乗せが行われた場合には、多くの上乗せが期待でき、有利状態中の遊技の興趣を向上させることができる。
また、第2実施形態のパチスロ機1は、有利状態の終了時に、当該有利状態中の継続ゲーム数及び獲得メダル数を遊技者に対して報知する。遊技者にとってみれば、次の有利状態がどの程度継続することで有利状態の上乗せが行われるか、また、上乗せが行われる場合の上乗せの程度を確認することができ、遊技の戦略性を高めることができる。
[第3実施形態]
次に、図35から図39を参照して、第3実施形態のパチスロ機1について説明する。
<第3実施形態のパチスロ機1の概要>
第1実施形態のパチスロ機1では、ある遊技において小役8などの特定の役が内部当籤役として決定されると、当該遊技において、ART1の抽籤(図16の(a)参照)、ART2の抽籤(図16の(b)(c)参照)及びART2中のART2ゲーム数の上乗せの抽籤(図18(a)参照)といった有利状態に関する様々な抽籤を行うこととしている。この点、第3実施形態のパチスロ機1では、ある遊技において特定の役が内部当籤役として決定されると、この特定の役に応じた抽籤の権利を後の遊技に持ち越し可能にし、後の遊技において持ち越している抽籤の権利に基づいて有利状態に関する抽籤を行う。
ここで、図35は、第3実施形態のパチスロ機1の概要を説明するための図である。図35に例では、ある遊技において小役8が内部当籤役として決定されている。小役8が内部当籤役として決定されると、上述のようにARTに関する抽籤が行われる。このとき、遊技者は、当該遊技における抽籤を維持するか、それとも、当該遊技における抽籤を無効にし、次回以降の遊技に持ち越すか否かを選択する。遊技者が小役8に基づく抽籤を持ち越すと決定すると、小役8に基づく抽籤の権利を保持したまま遊技が継続される。その後、遊技者が好ましいと思うタイミングにおいて、持ち越している抽籤の権利の使用を選択すると、当該抽籤の権利に対応する小役8に基づいてARTに関する抽籤が行われる。
遊技者にとってみれば、内部当籤役に基づく抽籤の権利を持ち越すか否かを選択することができるため、第3実施形態のパチスロ機1によれば、新たな戦略性を持ったパチスロ機を提供することができる。
ここで、有利状態に関する様々な抽籤は、抽籤が行われる時点の遊技状態に応じて抽籤の結果が大きく異なることが一般的である。このようなパチスロ機としては、例えば、高確率状態である場合と低確率状態である場合とで、同一の役であっても抽籤確率が大きく異なるパチスロ機や、また、ある一の遊技において特定の役が内部当籤役として決定された場合と複数の遊技において連続して特定の役が内部当籤役として決定された場合とで、同一の役であっても抽籤確率が大きく異なるパチスロ機が知られている。
この点、第1実施形態のパチスロ機1では、遊技状態に関わらず有利状態に関する抽籤確率を同一としているが、第3実施形態のパチスロ機1では、抽籤の権利を持ち越すか否かに関する戦略性を高めるために、高確率状態と低確率状態とを設け、遊技状態に応じて抽籤の結果を異ならせることとしている。
なお、第3実施形態のパチスロ機1では、抽籤の権利を持ち越すことを可能にすることを特徴とするものであり、遊技状態に応じて抽籤の結果を異ならせる必要は必ずしもない。また、以下では、通常中のART2の抽籤に関してのみ遊技状態に応じて抽籤の結果を異ならせることとしているが、これに限られるものではなく、例えば、通常中のART1の抽籤、ART1中のART2の抽籤、ART2中のART2ゲーム数の上乗せ抽籤などのように有利状態に関する任意の抽籤について遊技状態に応じて抽籤の結果を異ならせることとしてもよい。
<通常中ART2抽籤テーブル>
図36は、第1実施形態のパチスロ機1において、通常中に参照される通常中ART2抽籤テーブルであり、図36(a)は、低確率状態時に参照される通常中ART2抽籤テーブル_低確率用であり、図36(b)は、高確率状態時に参照される通常中ART2抽籤テーブル_高確率用である。
図36(a)(b)に示すように、通常中に参照される通常中ART2抽籤テーブルは、決定された内部当籤役に応じて、ART2に非当籤であるか、又は当籤であるかについての抽籤値を規定している。図36(a)(b)を比較すると、図36(b)に示す高確率状態時に参照される通常中ART2抽籤テーブル_高確率用は、図36(a)に示す低確率状態時に参照される通常中ART2抽籤テーブル_低確率用に比べて、ART2に当籤する確率が高いことがわかる。例えば、内部当籤役が小役8である場合、低確率状態でART2に当籤する確率は約1.5%(=512/32768)であるのに対して、高確率状態でART2に当籤する確率は約98.5%(=32256/32768)であり、低確率状態と高確率状態とでは、ART2に当籤する確率が大きく異なる。
図11の内部抽籤テーブルを参照すると、抽籤の契機となる役(例えば、小役8)は、比較的低い確率で内部当籤役として決定されるため、一度抽籤が行われると、再び抽籤を受けるためには一定期間遊技を行わなければならない。そのため、小役8に基づく抽籤が低確率状態で行われた場合には、遊技者は、抽籤結果に対して期待を持つことができないだけでなく、失望感(いわゆる引き損)を味わうことになる。この点、第3実施形態のパチスロ機1では、小役8に基づく抽籤の権利を後の遊技に持ち越すことができるため、遊技状態が低確率状態から高確率状態に移行したタイミングで、小役8に基づく抽籤を受けることができ、好適である。
なお、高確率状態及び低確率状態の移行条件については任意であり、既に公知の手法を用いることができる。既に公知の手法の一例としては、例えば、内部当籤役に基づいて移行させる手法や、遊技回数に基づいて低確率状態から高確率状態に移行させる手法がある。
[副制御処理]
次に、図37から図39を参照して、第3実施形態のパチスロ機1において、副制御回路42のサブCPU81により実行される処理について説明する。ここで、第3実施形態のパチスロ機1では、スタートレバー16の操作に伴い内部当籤役が決定されると、この内部当籤役に応じて有利状態に関する抽籤を行い、その抽籤結果を示唆する演出を実行する。遊技者は、抽籤結果を示唆する演出から、抽籤の権利を持ち越すか否かを選択し、持ち越した場合には、ある遊技の開始前に持ち越している抽籤の権利を使用するか否かを選択する。
このような抽籤の権利を持ち越すことに関する選択のタイミングや、持ち越している権利を使用することに関する選択のタイミングは、任意であるが、以下では、例えば、スタートレバー16の操作に伴いリールが回転しているタイミングで、抽籤の権利を持ち越すことに関する選択を受け付け、一の単位遊技が終了し次の単位遊技が開始するまでのタイミングで、持ち越している抽籤の権利を使用することに関する選択を受け付ける。そのため、第3実施形態のパチスロ機1では、副制御回路42のサブCPU81により実行されるリール停止コマンド受信時処理、遊技終了コマンド受信時処理及びART移行抽籤処理が、第1実施形態のパチスロ機1の処理と異なる。
<リール停止コマンド受信時処理>
図37は、本実施形態におけるパチスロ機のリール停止コマンド受信時処理を示すフローチャートである。このリール停止コマンド受信時処理は、リール停止コマンドを受信した際に図23のS325において実行される処理であり、内部当籤役に基づく有利状態の抽籤の権利を持ち越すことについての選択を受け付けたか否かを判断する。
初めに、サブCPU81は、第3停止操作が行われたか否かを判断する(S601)。サブCPU81は、第3停止操作が行われたと判断した場合(YES)には、抽籤の権利を持ち越すことに関する操作(抽籤権持ち越し操作)の受け付けを終了する(S602)。この処理では、例えば、サブCPU81は、台座部13に設けられた任意の操作ボタンを無効にする。なお、抽籤権持ち越し操作は、スタートコマンド受信時(図24参照)において行われるART移行抽籤処理において有利状態に関する抽籤の契機となる役(例えば、小役8など)が内部当籤役に含まれる場合に、受け付けが許可される(図39のS622)。
S601の処理において第3停止操作でないと判断した場合(NO)、又はS602の処理に続いて、サブCPU81は、抽籤権持ち越し操作を受け付けたか否かを判断する(S603)。サブCPU81は、抽籤権持ち越し操作を受け付けていないと判断した場合(NO)には、リール停止コマンド受信時処理を終了する。
一方、抽籤権持ち越し操作を受け付けたと判断した場合(YES)には、サブCPU81は、続いて、有利状態に関する抽籤の結果を破棄する(S604)。なお、有利状態に関する抽籤は、スタートコマンド受信時(図24参照)において行われるART移行抽籤処理(図39参照)において行われる。また、このS604の処理では、スタートコマンド受信時に決定されている抽籤結果を示唆する演出を更新(例えば、抽籤が無効になったことを示す演出に更新)する。続いて、サブCPU81は、抽籤権持ち越しフラグをオンにし(S605)、リール停止コマンド受信時処理を終了する。
<遊技終了コマンド受信時処理>
図38は、本実施形態におけるパチスロ機の遊技終了コマンド受信時処理を示すフローチャートである。この遊技終了コマンド受信時処理は、遊技終了コマンドを受信した際に図23のS325において実行される処理であり、持ち越している抽籤の権利を使用することについての選択の受け付けを許可する。
初めに、サブCPU81は、抽籤持ち越しフラグがオンであるか否かを判断する(S611)。サブCPU81は、抽籤持ち越しフラグがオンでないと判断した場合(NO)には、遊技終了コマンド受信時処理を終了する。
一方、S611の処理において、抽籤持ち越しフラグがオンであると判断した場合(YES)には、サブCPU81は、続いて、持ち越している抽籤の権利を使用することに関する操作(抽籤権使用操作)の受け付けを許可し(S612)、遊技終了コマンド受信時処理を終了する。この処理では、例えば、サブCPU81は、台座部13に設けられた任意の操作ボタンを有効にし、当該操作ボタンを介して抽籤権使用操作を受け付け可能にする。
<ART移行抽籤処理>
図39は、本実施形態におけるパチスロ機のART移行抽籤処理を示すフローチャートである。このART移行抽籤処理は、図24のS409において実行される処理であり、ART非当籤中において実行される処理である。
初めに、サブCPU81は、有利状態の抽籤の契機となる役(例えば、小役8など)が内部当籤役に含まれるか否かを判断する(S621)。サブCPU81は、有利状態の抽籤の契機となる役が内部当籤役に含まれると判断した場合(YES)には、抽籤の権利を持ち越すことに関する操作(抽籤権持ち越し操作)の受け付けを許可する(S602)。例えば、サブCPU81は、台座部13に設けられた任意の操作ボタンを有効にし、当該操作ボタンを介して抽籤権持ち越し操作を受け付け可能にする。
S621の処理において有利状態の抽籤の契機となる役が内部当籤役に含まれないと判断した場合(NO)、又はS622の処理に続いて、サブCPU81は、抽籤権使用操作を受け付けたか否かを判断する(S623)。サブCPU81は、抽籤権使用操作を受け付けたと判断した場合(YES)には、続いて、抽籤権使用フラグをオンにするとともに、抽籤権持ち越しフラグをクリア(オフ)し(S624)、遊技終了コマンド受信時処理を終了する。
S623の処理において抽籤権使用操作を受け付けていないと判断した場合(NO)、又はS624の処理に続いて、サブCPU81は、抽籤権使用操作の受け付けを終了する(S625)。
続いて、サブCPU81は、抽籤権使用フラグがオンであるか否かを判断する(S626)。サブCPU81は、抽籤権使用フラグがオンであると判断した場合(YES)には、続いて、遊技状態に応じたART2抽籤テーブルを参照し、使用すると選択した抽籤権に応じた役に基づいてART2の抽籤を実行する(S627)。続いて、サブCPU81は、抽籤権使用フラグをクリア(オフ)し(S628)、S630の処理に移る。
一方、S626の処理において、抽籤権使用フラグがオンではないと判断した場合(NO)には、サブCPU81は、遊技状態に応じたART2抽籤テーブルを参照し、内部当籤役に基づいてART2の抽籤を実行する(S629)。
S628又はS629の処理においてART2の抽籤が行われると、続いて、サブCPU81は、ART2に当籤したか否かを判断する(S630)。ART2に当籤したと判断した場合(YES)には、サブCPU81は、次回遊技からART2当籤中をセットし(S631)、S635の処理に移る。
一方、ART2に当籤していない(非当籤である)と判断した場合(NO)には、続いて、通常中ART1抽籤テーブルを参照し、内部当籤役に基づいてART1の抽籤を実行する(S632)。次に、サブCPU81は、ART1に当籤したか否かを判断する(S633)。ART1に当籤したと判断した場合(YES)には、サブCPU81は、次回遊技からART1当籤中をセットし(S634)、S635の処理に移る。また、ART1に当籤していない(非当籤である)と判断した場合(NO)にも、S635の処理に移る。
S631、S634の処理に続き、またはS633の処理においてART1に当籤していないと判断した場合には、サブCPU81は、続いて、抽籤結果に基づいて、抽籤結果を示唆する演出内容を決定し(S635)、ART移行抽籤処理を終了する。
[第3実施形態のパチスロ機の効果]
このように、第3実施形態のパチスロ機1は、内部当籤役に基づいて有利状態(ART)に関する様々な抽籤を行うところ、副制御回路42は、内部当籤役に基づく有利状態に関する抽籤の権利を次回以降の遊技に持ち越す。抽籤の権利を持ち越した場合には、副制御回路42は、持ち越した遊技における抽籤を無効(破棄)にする一方で、次回以降の遊技において抽籤の権利を使用する場合に持ち越した遊技の内部当籤役に基づいて、有利状態に関する抽籤を行う。これにより、例えば、現在の状態が抽籤に好ましくないタイミングの場合には、抽籤の権利を持ち越し、より好ましいタイミングで抽籤を受けることができる。その結果、遊技者は、内部当籤役に基づく抽籤に対して関心を持つことができる。また、抽籤の契機となる役が内部当籤役として決定された遊技では、抽籤結果を示唆する演出を行うため、例えば、遊技者が演出の内容から抽籤の権利を持ち越すか否かを選択可能にすることで、新たな戦略性を持った遊技を提供することができ、遊技の興趣が向上する。
また、第3実施形態のパチスロ機1は、持ち越した抽籤の権利を使用して抽籤を行う遊技では、当該遊技における内部当籤役は加味せずに、抽籤の権利を持ち越した遊技における内部当籤役に基づいて有利状態に関する抽籤を行う。このような構成によれば、持ち越した抽籤の権利を使用する遊技において、さらに期待度の高い役が内部当籤役として決定された場合であっても、抽籤の権利に応じた役に基づいて有利状態に関する抽籤が行われるため、持ち越すか否かについての戦略性を高めることができる。
もちろん、持ち越した抽籤の権利を使用して抽籤を行う遊技において、抽籤の権利に応じた役に基づく抽籤だけでなく、当該遊技において決定された内部当籤役に基づく抽籤を行う構成としてもよい。このように、持ち越した抽籤の権利を使用する場合に、当該権利に対応する役に基づく抽籤と、当該権利を使用する遊技における内部当籤役に基づく抽籤とを行うことで、抽籤の権利を使用する遊技において決定された内部当籤役を無駄にすることがなく、遊技者に不満感を与えることがない。
また、第3実施形態のパチスロ機1では、抽籤の権利を持ち越すか否か、及び持ち越した抽籤の権利を使用するか否かを、遊技者が選択することとしている(図37のS603及び図38のS613参照)が、抽籤の権利を持ち越すか否か、及び持ち越した抽籤の権利を使用するか否か、の何れか一方又は双方を、パチスロ機1が選択することとしてもよい。例えば、抽籤の権利を持ち越すか否かについての抽籤や、持ち越した抽籤の権利を使用するか否かの抽籤を、パチスロ機1の副制御回路42が実行することで実現することができる。
[第4実施形態]
次に、図40及び図41を参照して、第4実施形態のパチスロ機1について説明する。
<第4実施形態のパチスロ機1の概要>
図40を参照して、第4実施形態のパチスロ機1の概要について説明する。一般的にパチスロ機では、有利状態を上乗せすることを決定すると、予め定められたゲーム数(以下では単純に1ゲームとする)で行われる演出(告知演出)により上乗せするゲーム数を告知する。図40(a)は、第1実施形態のパチスロ機1において、小役8が内部当籤役として決定された際の基本上乗せでART2ゲーム数を10ゲーム上乗せする場合の告知演出の一例を示す。
図40(a)に示すように、スタートレバー16の操作に応じて内部当籤役が決定されるとともに、全リールの回転が開始する。図40(a)に示す例では、内部当籤役として小役8が決定されている。例えば、上乗せを同一の遊技において告知する場合には、その後、遊技者の停止操作に伴い、全リールが停止し、小役8に対応する図柄の組合せ(スイカ−スイカ−スイカ)が表示されると、液晶表示装置11には、基本上乗せによりART2ゲーム数を10ゲーム上乗せすることを示す、「+10G」という表示が行われる。このように、図40(a)に例示する告知演出では、小役8が内部当籤役として決定された遊技において1ゲームの告知演出を行い、基本上乗せによる10ゲームの上乗せを告知している。
ここで、告知演出が行われる遊技においてART2の残りゲーム数が「50ゲーム」である場合、基本上乗せ「10ゲーム」が加算される結果、ART2の残りゲーム数が「60ゲーム」になるものの、告知演出が行われた遊技(1ゲーム)が消化しているため、当該遊技終了時には、ART2の残りゲーム数が「59ゲーム」になる。
図40(b)(c)は、現在の残りゲーム数と、告知演出のゲーム数と、告知に伴い消化するゲーム数(消化ゲーム数)と、上乗せするゲーム数と、上乗せ後のゲーム数との関係を示す図である。一般的なパチスロ機では、告知演出のゲーム数と、告知に伴い消化するゲーム数とが一致するため、図40(b)に示すように、上乗せ後のゲーム数は、現在の残りゲーム数に上乗せするゲーム数を加算し、告知演出のゲーム数(=告知に伴い消化するゲーム数)を減算した値「59ゲーム(=50+10−1)」になる。
この点、第4実施形態のパチスロ機1では、告知演出のゲーム数と、告知に伴い消化するゲーム数とを異ならせることとしている。具体的には、第4実施形態のパチスロ機1では、ユーザは、告知演出が行われる際に、ART2の残りゲーム数から告知演出のゲーム数の整数倍のゲーム数を、告知に伴い消化するゲーム数(消化ゲーム数)としてベットする。例えば、1ゲームで行われる告知演出に対して、2ゲーム消化するようにベットし、また、3ゲームで行われる告知演出に対して、6ゲーム消化するようにベットする。そして、パチスロ機1では、このベットに伴い再度上乗せに関する判定を行い、ベットした倍率や再度の判定に基づいて上乗せするゲーム数を変動させる。
例えば、図40(c)に示す例では、1ゲームで行われる告知演出に対して、2倍の2ゲームが消化するようにベットされている。この場合、パチスロ機1は、上乗せに関する判定を再度行い、上乗せすると決定した場合には、基本上乗せによる10ゲームの2倍(すなわち、告知演出のゲーム数に対してベットした消化ゲーム数に応じた倍率)の20ゲームの上乗せを行う。一方、再度の判定において上乗せをしないと決定した場合には、パチスロ機1は、基本上乗せによる10ゲームを破棄し、上乗せを行わない。
また、パチスロ機1では、告知演出のゲーム数の整数倍のゲーム数が告知に伴い消化するゲーム数としてベットされているため、告知演出後には、告知演出のゲーム数よりも多いゲーム数が消化されることになる。図40(c)に示す例では、上乗せ後のゲーム数は、現在の残りゲーム数に上乗せするゲーム数を加算し、告知に伴い消化するゲーム数(=告知演出のゲーム数の整数倍)を減算した値になり、再度の判定において上乗せすると決定した場合には「68ゲーム(=50+20−2)」、再度の判定において上乗せをしないと決定した場合には「48ゲーム(=50+0−2)」になる。このようにパチスロ機1では、告知演出自体は1ゲームしか行わないものの、告知演出に伴い消化するゲーム数は、2ゲーム消化する。
[副制御処理]
次に、図41を参照して、第4実施形態のパチスロ機1において、副制御回路42のサブCPU81により実行される処理について説明する。なお、以下では、小役8に基づく基本上乗せを行うと決定した場合に、消化ゲーム数のベットを可能にしている。また、基本上乗せを行うと決定した場合には、当該遊技において1ゲームの告知演出を行うこととしている。この点、消化ゲーム数のベットは、基本上乗せに限らず任意の上乗せ(告知演出)に対して可能にしてもよく、また、告知演出は、上乗せを行うと決定した遊技ではなく、その後の遊技において行うこととしてもよく、また、告知演出を1ゲームではなく複数ゲームにわたり行うこととしてもよい。また、告知演出を行う遊技では、基本上乗せなどの上乗せ抽籤を行うこととしてもよく、反対に上乗せ抽籤を行わないこととしてもよい。
<ART2中処理>
図41は、本実施形態におけるパチスロ機のART2中処理を示すフローチャートである。このART2中処理は、図24のS404において実行される処理である。
まず、サブCPU81は、内部当籤役に小役8が含まれるか否かを判断する(S651)。内部当籤役に小役8が含まれる場合(YES)には、サブCPU81は、ART2中上乗せ抽籤テーブル(図18の(a))を参照し、上乗せゲーム数の抽籤を実行する(S652)。
次に、サブCPU81は、S434の処理の結果、上乗せが決定されたか否かを判断する(S653)。上乗せが決定された場合(YES)には、サブCPU81は、倍率選択操作の受け付けを許可する(S654)。例えば、サブCPU81は、台座部13に設けられた任意の操作ボタンを有効にし、当該操作ボタンを介して倍率選択操作を受け付け可能にする。
一方、S651の処理において内部当籤役に小役8が含まれない場合(NO)、S653の処理において上乗せが決定されていない場合(NO)、又はS654の処理に続いて、サブCPU81は、続いて、内部当籤役に基づいて、ART2中用ナビデータをセットする(S655)。次に、サブCPU81は、内部当籤役などに基づいてART2中の演出内容を決定する(S656)。次に、サブCPU81は、ARTゲーム数カウンタを1減算する(S667)。
続いて、サブCPU81は、ARTゲーム数カウンタが0であるか否かを判断する(S658)。ARTゲーム数カウンタが0でないと判断した場合(NO)には、ART2中処理を終了する。一方、ARTゲーム数カウンタが0であると判断した場合(YES)には、サブCPU81は、次回遊技から通常中をセットし(S659)、ART2中処理を終了する。
<リール停止コマンド受信時処理>
図42は、本実施形態におけるパチスロ機のリール停止コマンド受信時処理を示すフローチャートである。このリール停止コマンド受信時処理は、リール停止コマンドを受信した際に図23のS325において実行される処理であり、倍率選択操作を受け付けたか否かを判断する。
初めに、サブCPU81は、第1停止操作が行われたか否かを判断する(S661)。サブCPU81は、第1停止操作が行われたと判断した場合(YES)には、倍率選択操作の受け付けを終了する(S662)。この処理では、例えば、サブCPU81は、台座部13に設けられた任意の操作ボタンを無効にする。
続いて、サブCPU81は、続いて、倍率をセットする(S663)。この処理では、サブCPU81は、倍率選択操作を受け付けた場合には、受け付けた倍率選択操作に応じた倍率をセットし、倍率選択操作を受け付けていない場合には、倍率「1倍」をセットする。
続いて、サブCPU81は、セットした倍率に基づいて上乗せを行うか否かの再度の判定を行う(S664)。なお、倍率が「1倍」である場合には、この処理を省略することができる。また、再度の判定の方法は任意であり、例えば、乱数値に基づく抽籤により再度の判定を行うこととしてもよく、また、正解となる停止操作の順序を当てること(押し順当て)や、適切な図柄を表示させること(目押し)といったように停止操作に関する課題を遊技者がクリアできたか否かに応じて再度の判定を行うこととしてもよい。また、この再度の判定は、セットした倍率に応じて異ならせることとしてもよい。例えば、倍率が低い場合には、上乗せを行うと決定される確率を高くし、倍率が高い場合には、上乗せを行うと決定される確率を低くすることができる。また、例えば、倍率が低い場合には、遊技者に要求する課題を易しくし(例えば、押し順当てである場合には2択、目押しである場合には1つリールのみや、滑りコマ数4コマまでなど)、倍率が高い場合には、遊技者に要求する課題を難しくする(例えば、押し順当てである場合には6択、目押しである場合には3つリール全てや、滑りコマ数0コマのみなど)ことができる。
なお、本実施形態における処理では、開始操作から第1停止操作までの間を、倍率選択操作を受け付け可能な期間としているため、倍率が確定したタイミングでは、既に第1停止操作が行われていることになる。ここで、再度の判定を第1停止操作も考慮して行う場合には、開始操作から所定時間までの間を、倍率選択操作を受け付け可能な期間にすればよい。
続いて、サブCPU81は、判定結果に基づいてART2ゲーム数を更新する(S661)。例えば、判定の結果、上乗せすると決定した場合には、現在のARTゲーム数カウンタに、図41のS652の抽籤により決定したゲーム数に対してS663でセットした倍率を乗算した値を加算する一方で、告知演出のゲーム数(1ゲーム)に対してS663でセットした倍率を乗算した値を減算することで、ART2ゲーム数を更新する。また、判定の結果、上乗せしないと決定した場合には、図41のS652の抽籤により決定したゲーム数を「0ゲーム」にクリアし、現在のARTゲーム数カウンタから、告知演出のゲーム数(1ゲーム)に対してS663でセットした倍率を乗算した値を減算することで、ART2ゲーム数を更新する。
続いて、サブCPU81は、判定結果に基づいて上乗せに関する演出内容を更新し(S6660)、リール停止コマンド受信時処理を終了する。
[第4実施形態のパチスロ機の効果]
このように、第4実施形態のパチスロ機1は、内部当籤役に基づき有利状態の上乗せを行うと決定すると告知演出を行うところ、副制御回路42は、告知演出を行う際に、ユーザから倍率の選択を受け付ける。そして、副制御回路42は、倍率の選択を受け付けると、受け付けた倍率に基づいて有利状態の上乗せを行うか否かの再度の判定を行い、この判定の結果、上乗せを行うと判定すると、ARTゲーム数カウンタに、内部当籤役に基づき決定した上乗せのゲーム数にユーザが選択した倍率を乗算したゲーム数を加算するとともに、告知演出に要するゲーム数にユーザが選択した倍率を乗算したゲーム数を減算することで、有利状態の上乗せを行う。一方、判定の結果、上乗せを行わないと判定すると、副制御回路42は、ARTゲーム数カウンタに、告知演出に要するゲーム数にユーザが選択した倍率を乗算したゲーム数を減算する。
これにより、第4実施形態のパチスロ機1では、告知演出に対して疑似的に複数回の遊技を賭けることができる。また、疑似的に複数回の遊技を賭けることで、その後の上乗せゲーム数が異なることになるため、第4実施形態のパチスロ機1によれば、有利状態の上乗せに関して新たな遊技性を与えることができる。
なお、第4実施形態のパチスロ機1では、内部当籤役に基づき決定した上乗せゲーム数及び告知演出に対して消化するゲーム数の双方に対して、ユーザが選択した倍率をそのまま乗算することとしている。この点、内部当籤役に基づき決定した上乗せゲーム数に対して乗算する倍率と、告知演出に対して消化するゲーム数に対して乗算する倍率とを異ならせることとしてもよい。例えば、ユーザが、「1ゲーム」の告知演出に対して消化するゲーム数を「3ゲーム」と選択した場合に、上乗せゲーム数を3倍ではなく2倍など異なる倍率で乗算することとしてもよい。すなわち、パチスロ機1において、選択された倍率情報に応じた倍率で乗算するとは、選択された倍率情報に対応する倍率でそのまま乗算することと、選択された倍率情報とは異なる倍率で乗算することを含む。
このような構成によれば、消化ゲーム数と上乗せゲーム数とのバランスを自由に調整することができ、好適である。例えば、内部当籤役に基づき「10ゲーム」の上乗せを行うことが決定され、この上乗せを「1ゲーム」の告知演出で告知する場合について考える。このとき、ユーザが消化ゲーム数として「2ゲーム」を選択した場合、上述の構成によれば、更新後の上乗せゲーム数を「15ゲーム」や「30ゲーム」などのように適宜調整することができる。
なお、内部当籤役に基づき決定した上乗せゲーム数を乗算する倍率については、告知演出に対して消化するゲーム数の倍率に応じて異ならせることとしてもよい。例えば、「1ゲーム」の告知演出に対して、消化するゲーム数を「2ゲーム」と選択した場合には上乗せゲーム数を乗算する倍率を「1.2倍」とし、消化するゲーム数を「3ゲーム」と選択した場合には上乗せゲーム数を乗算する倍率を「2倍」とし、消化するゲーム数を「4ゲーム」と選択した場合には上乗せゲーム数を乗算する倍率を「4倍」のようにしてもよい。
また、告知演出に対して消化するゲーム数の倍率だけでなく、内部当籤役に基づき決定した上乗せゲーム数も加味して、内部当籤役に基づき決定した上乗せゲーム数を乗算する倍率を異ならせることとしてもよい。例えば、上乗せゲーム数として「10ゲーム」が決定され、「1ゲーム」の告知演出に対して消化するゲーム数を「2ゲーム」と選択した場合には、上乗せゲーム数を乗算する倍率を「2倍」とし、上乗せゲーム数として「100ゲーム」が決定され、「1ゲーム」の告知演出に対して消化するゲーム数を「2ゲーム」と選択した場合には、上乗せゲーム数を乗算する倍率を「1.2倍」のようにしてもよい。
また、第4実施形態のパチスロ機1では、再度の判定において外れると上乗せゲーム数が「0」になり上乗せを行わないこととしているが、これに限られるものではない。再度の判定において外れた場合であっても、判定結果(外れ)に応じて更新したゲーム数、例えば、内部当籤役に基づいて決定された上乗せゲーム数の半分を上乗せすることとしてもよい。
また、第4実施形態のパチスロ機1では、実行する告知演出が決定されると、決定された告知演出に対して消化するゲーム数をベットすることとしている。すなわち、告知演出の決定後に、消化するゲーム数のベットを受け付けることとしているが、これに限られるものではない。例えば、上乗せゲーム数が決定されると、消化するゲーム数のベットを受け付け、受け付けた消化するゲーム数に基づいて告知演出を決定(すなわち、告知演出のゲーム数を決定)することとしてもよい。言い換えると、実行する告知演出(当該告知演出のゲーム数)は、予め受け付けた消化するゲーム数に応じて決定することとしてもよい。このとき、告知演出のゲーム数と予め受け付けた消化するゲーム数とは、同数であってもよく、また、異なる数であってもよい。
また、第4実施形態のパチスロ機1では、ARTゲーム数(詳細にはART2ゲーム数)を上乗せすることとしているが、上乗せする対象はARTゲーム数に限られるものではなく、例えば、差枚数やナビ回数などのように有利状態の終了条件として用いられる任意の値を上乗せすることとしてもよい。具体的には、パチスロ機によっては、有利状態としてARTと疑似ボーナスとを有することがあり、ARTの終了条件をゲーム数、疑似ボーナスの終了条件を差枚数やナビ回数などとしていることがある。このようなパチスロ機において、疑似ボーナスの告知演出に対して消化するゲーム数のベットを受け付け、再度の判定を行うことで、例えば、通常では疑似ボーナスが獲得可能メダル数「200枚」で終了する場合に、再度の判定の結果に基づいて、獲得可能メダル数を「200枚」から増減させることとしてもよい。
また、第4実施形態のパチスロ機1では、告知演出に対して消化するゲーム数をベットすることとしているが、ベットする対象はゲーム数に限られるものではない。例えば、遊技者が有利状態中に獲得した獲得メダル数をベットすることとしてもよい。この場合において、ベットした獲得メダル数をパチスロ機1で回収する方法は任意であり、例えば、ベットした獲得メダル数分のナビを行わないことで、パチスロ機1は、ベットした獲得メダル数を回収することができる。
[変形例]
上記実施形態のパチスロ機1では、副制御回路42が、有利状態(例えば、「ART1」や「ART2」)への移行制御の管理、有利状態の継続期間の管理、及び有利状態中に行われる報知(ナビ)の管理を行っているが、これらの制御のうちの一又は全部を、主制御回路41において行うこととしてもよい。
なお、有利状態への移行制御としては、例えば、有利状態に移行させる/移行させないことに関する制御(上記実施形態では、ART1への移行抽籤やART2への移行抽籤)が挙げられる。また、例えば、有利状態への移行抽籤において当籤確率が異なる状態が複数設けられるパチスロ機(例えば、高確率状態と低確率状態など)の場合には、当該状態間の遷移に関する制御も、有利状態への移行制御に含むことができる。
また、有利状態の継続期間の管理としては、例えば、有利状態の初期ゲーム数の決定(上記実施形態では、ART2初期ゲーム数の抽籤)、有利状態中の上乗せゲーム数の決定(上記実施形態では、ART2中に行う基本上乗せ、特殊上乗せ、特殊上乗せ2、及び消化ゲーム数に応じた上乗せゲーム数の更新)が挙げられる。また、例えば、有利状態が所定の確率で継続するパチスロ機の場合には、継続するか否かの抽籤も、有利状態の継続期間の管理に含むことができる。
なお、有利状態の継続期間としては、有利状態中の単位遊技の回数(上記実施形態では、ARTゲーム数カウンタにより管理される)が挙げられるほか、有利状態中に遊技者にとって有利な情報を報知する回数や、有利状態中に付与されたメダルの枚数や、所定ゲーム数(例えば50ゲーム)を1セットとする場合のセット数が挙げられる。
このとき、有利状態中に付与されたメダルの枚数については、同一の遊技において払い出されたメダルの枚数から遊技に用いたメダルの枚数を減算した純増枚数を用いることとしてもよい。また、有利状態中に付与されたメダルの枚数は、有利状態中に実際に増加したメダルに基づき算出することとしてもよく(実値による算出)、また、実際に増加したか否かに関わらず、ナビに従った場合に増加する予定のメダルの枚数に基づき算出することとしてもよい(理想値による算出)。また、内部当籤役の種別によって、有利状態中に付与されたメダルの枚数を増加しないこととしてもよい。例えば、内部当籤役として決定される確率が低い一部の役、あるいは、停止操作のタイミングに応じて図柄の組合せの表示/非表示が切り替わる役に関しては、当該役が内部当籤役として決定されたとしても、有利状態中に付与されたメダルの枚数の増減を行わないこととしてもよい。
また、有利状態中に行われる報知(ナビ)の管理とは、液晶表示装置11などにより遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する制御(上記実施形態における、ART1中用ナビデータやART2中用ナビデータ)が挙げられる。
また、遊技者に報知する停止操作の態様としては、遊技者にとって有利な図柄の組合せが表示される停止操作の順序(ART1中用ナビデータにおけるリプレイ5を入賞させない(RT3に移行(転落)させない)停止操作の態様(停止操作順序)の報知)であってもよく、また、当該図柄の組合せが表示されるために必要な停止操作のタイミング(ART1中用ナビデータにおけるRT0移行図柄を表示させない(RT0に移行(転落)させない)停止操作の態様(目押しすべき図柄の種類)の報知)であってもよい。
また、有利な状態としては、再遊技に係る内部当籤役の当籤確率は変化させることなく(又は遊技性に影響を与えない程度の範囲で変化させ)、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する、いわゆる「AT」を用いることとしてもよく、また、再遊技に係る内部当籤役の当籤確率が高くなる再遊技高確率状態(リプレイタイム)を作動するとともに、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する、いわゆる「ART」を用いることとしてもよい。
また、上記実施形態のパチスロ機では、内部当籤役に応じて所定確率で決定される演出、すなわち、一の内部当籤役に対して一又は複数の演出を行うこととしている。この点、主制御回路41が決定した内部当籤役に一意に対応する表示(告知)を、当該演出と合わせて行うこととしてもよい。具体的には、決定した内部当籤役に一対一対応する表示を、上述の7セグ表示器6や内部当籤役を表示するための図示しない表示部などにおいて行うこととしてもよい。なお、この内部当籤役の表示は、主制御回路41の制御のもとに行うことが好ましい。このように主制御回路41で決定した内部当籤役を、主制御回路41自身が告知することで、公平性を担保した遊技機を提供することができる。
また、上記実施形態のパチスロ機では、遊技者からの選択操作を台座部13に設けられた任意の操作ボタンを介して受け付けることとしている。この任意の操作ボタンは、選択操作用に設けられた専用の操作ボタンであってもよく、また、他の機能が割り振られた操作ボタンであってもよい。例えば、MAXベットボタン15Aのような投入操作が割り当てられた操作ボタンを用いる場合、投入操作が有効でない期間において、上述の選択操作を有効にすることで、一の操作ボタンに対して複数の機能を割り当てることができる。
以上、本実施形態のパチスロ機1について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において、上述の本実施形態のパチスロ機1の他、パチンコ遊技機、その他の遊技機にも適用することができる。例えば、パチンコ遊技機は、遊技者の遊技操作(例えば、遊技球の発射操作)がされ、遊技媒体である遊技球が遊技盤上の始動口に入球したことに基づいて、内部当籤役(例えば、大当りか否か)が決定されるとともに、図柄表示手段によって図柄の変動表示が開始され、予め定められた停止条件の成立(例えば、図柄の変動時間が終了すること)に基づいて、図柄の変動表示が停止され、所定の図柄の組合せが表示されると、所定の利益(例えば、大当り状態への移行)が付与されることとなっているため、本発明を適用しようとする場合には、停止操作に関する手段が不要となる。
また、本実施形態では、ART2の初期ゲーム数の抽籤確率を設定値によって異ならせること(図16の(d)参照)で、遊技者によって有利な度合いを異ならせることとしているが、これに限られるものではない。例えば、内部抽籤処理によって、所定の内部当籤役が決定される確率を設定値によって異ならせることとしてもよい。この場合、例えば、設定値が高くなるほど、ボーナスに係る内部当籤役が内部当籤役として決定される確率が高くなるように構成することとすればよい。
また、本実施形態では、RT2遊技状態(RT2)とRT4遊技状態(RT4)において、図11に示したように、複数のリプレイの当籤確率の総和を同一としつつも、当籤番号「3」及び「5」の抽籤値を異ならせることとしているが、これに限られるものではない。例えば、RT2遊技状態(RT2)においては、ART2に特定の確率(例えば、100%)で当籤することとなる第1の特定リプレイが特定の当籤確率(例えば、1/16384)で抽籤されることとし、RT4遊技状態(RT4)においては、所定のART2ゲーム数(例えば、100ゲーム)が特定の確率(例えば、100%)で上乗せされることとなる当籤することとなる第2の特定リプレイが特定の当籤確率(例えば、1/16384)で抽籤されることとしてもよい。
また、本実施形態では、RT0遊技状態(RT0)とRT3遊技状態(RT0)において、図11に示したように、複数のリプレイの当籤確率の総和及び当籤番号「1」〜「5」の抽籤値を同一としているが、これに限られるものではない。例えば、RT0遊技状態(RT0)においては、ART1に特定の確率(例えば、100%)で当籤することとなる第1の特定リプレイが特定の当籤確率(例えば、1/16384)で抽籤されることとし、RT3遊技状態(RT3)においては、ART2に特定の確率(例えば、100%)で当籤することとなる第2の特定リプレイが特定の当籤確率(例えば、1/16384)で抽籤されることとしてもよい。
また、これらの場合、第1の特定リプレイに当籤したことに基づいて、第1の「ロック」による演出を行うとともに、第1のリールアクションを実行することとし、第2の特定リプレイに当籤したことに基づいて、第2の「ロック」による演出を行うとともに、第2のリールアクションを実行することとしてもよい。また、第1の特定リプレイに当籤したことに基づいては、「ロック」による演出を行わず、第2の特定リプレイに当籤したことに基づいて、「ロック」による演出を行うとともに、リールアクションを実行することとしてもよい。また、第2の特定リプレイに当籤したことに基づいては、「ロック」による演出を行わず、第1の特定リプレイに当籤したことに基づいて、「ロック」による演出を行うとともに、リールアクションを実行することとしてもよい。
また、有利状態を終了させる閾値を更新するとは、有利状態の上乗せを行うものであり、本実施形態では、その一例として遊技数を加算することとしている。この点、閾値を加算するか減算するか(更新)は、有利状態中の数値情報の計数方法によって異なるものである。例えば、本実施形態のように、所定のカウンタ(ARTゲーム数カウンタ)が0になることを条件に有利状態を終了させる場合には、有利状態の上乗せは、当該カウンタを加算することで実現することができる。他方、初期値0のカウンタが所定値になることを条件に有利状態を終了させる場合には、有利状態の上乗せは、当該カウンタを減算することで実現することができる。
また、本実施形態において示した処理の順番は一例にすぎず、これに限定されるものではない。例えば、第3実施形態において、抽籤権持ち越し操作を受け付けた場合、まず、抽籤結果を破棄してから(図37のS606)、次に、抽籤権持ち越しフラグをオン(図37のS607)にセットすることとしているが、説明するまでもなく、抽籤権持ち越しフラグをオンにセットしてから、抽籤結果を破棄することとしてもよい。
[付記1]
付記1のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATを継続するATゲーム数(ナビゲーム数)が増加することを望むことになる。
ATゲーム数を増加させるための工夫はこれまで様々な観点からなされてきており、例えば、特許文献(特開2010−057732号公報)には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる(ATゲーム数を上乗せさせる)遊技機が開示されている。この特許文献1の遊技機によれば、内部当籤役に応じてATゲーム数が増加するため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上する。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、従来の遊技機において、ATゲーム数の上乗せが行われる契機は、いわゆるレア役が一回又は連続して内部当籤役として決定されることや、リプレイなどの通常の役が連続して内部当籤役として決定されることであり、ATゲーム数の上乗せは、比較的低い確率で行われる。このような従来の遊技機の仕様では、遊技者は、ある一ゲーム又は当該ゲームの直後の数ゲームの結果にのみ着目するだけであり、ATゲーム数が一度上乗せされると、期待感が持続せず遊技の興趣が損なわれてしまうおそれがあった。
本発明は、このような要望に鑑みてなされたものであり、有利状態の上乗せに関する期待感を一定期間にわたり維持可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、ART非当籤中)と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知することで前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART中)とを有する遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、複数の図柄を複数列に変動表示する図柄表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4L、4C、4R)と、遊技媒体の投入操作を検出する投入操作検出手段(例えば、メダルセンサ35S)と、前記投入操作検出手段により所定数の前記遊技媒体の投入が検出されたことに基づいて、開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ16S)と、前記開始操作検出手段により前記開始操作が検出されたことに基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、図19のS14)と、停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ17S)と、前記停止操作検出手段により前記停止操作が検出されたことに基づいて、前記図柄表示手段における図柄の変動表示の停止を制御する停止制御手段(例えば、図19のS21)と、前記停止制御手段により前記図柄表示手段における図柄の変動表示が停止された場合に、停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する入賞判定手段(例えば、図19のS22)と、前記入賞判定手段による判定結果に基づいて、利益を付与する利益付与手段(例えば、図19のS23)と、前記遊技を行う状態が前記通常状態である場合に第1の移行条件を満たすと、前記通常状態から前記有利状態に状態を移行させる有利状態開始手段(例えば、図31のS523)と、前記遊技を行う状態が前記有利状態である場合に所定の数値情報(例えば、ARTゲーム数カウンタ)を計数する第1計数手段(例えば、図25のS442)と、前記第1計数手段が計数する前記数値情報が所定の閾値(例えば、ARTゲーム数カウンタが0)を満たすと、前記有利状態から前記通常状態に状態を移行させる有利状態終了手段(例えば、図26のS447)と、前記遊技を行う状態が前記有利状態である場合に前記内部当籤役決定手段により所定役が内部当籤役として決定されてから、当該有利状態中に前記所定役が再び内部当籤役として決定されるまでの単位遊技数を計数する第2計数手段(例えば、小役間カウンタ、図26のS432)と、前記第2計数手段が計数する前記単位遊技数に基づいて、前記所定の閾値を更新する閾値制御手段(例えば、図26のS437)と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る遊技機では、遊技者にとって有利な有利状態は、有利状態中に計数される数値情報(例えば、ゲーム数、報知が行われた回数、有利状態中に払い出されたコインの枚数)が閾値を満たすと終了するものの、閾値制御手段がこの閾値を更新するため、有利状態のいわゆる上乗せを行うことができる。具体的には、閾値制御手段は、有利状態中に所定役が内部当籤役として決定されてから、当該有利状態中に所定役が再び内部当籤役として決定されるまでの単位遊技の回数に基づいて、有利状態を終了させる閾値を更新、すなわち有利状態の上乗せを行う。これにより、遊技者は、有利状態中に所定役が内部当籤役として決定されると、その後、所定役が再び内部当籤役として決定されるまでの期間にわたり遊技の結果に着目することになり、有利状態の上乗せに関する期待感を一定期間にわたり維持させることができる。
[付記2]
付記2のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATを継続するATゲーム数(ナビゲーム数)が増加することを望むことになる。
ATゲーム数を増加させるための工夫はこれまで様々な観点からなされてきており、例えば、特許文献(特開2010−057732号公報)には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる(ATゲーム数を上乗せさせる)遊技機が開示されている。この特許文献1の遊技機によれば、内部当籤役に応じてATゲーム数が増加するため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上する。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、従来の遊技機において、ATゲーム数の上乗せが行われる契機は、いわゆるレア役が一回又は連続して内部当籤役として決定されることや、リプレイなどの通常の役が連続して内部当籤役として決定されることであり、ATゲーム数の上乗せは、比較的低い確率で行われる。このような従来の遊技機の仕様では、内部抽籤の結果によっては、ATゲーム数の上乗せが何ら行われないことがあり、遊技の興趣を損ねてしまうおそれがあった。そのため、近年では、内部当籤役に関わらずATゲーム数の上乗せを行うことのできる遊技機が求められている。
本発明は、このような要望に鑑みてなされたものであり、内部当籤役に関わらず有利状態の上乗せが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、ART非当籤中)と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知することで前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART中)とを有する遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、複数の図柄を複数列に変動表示する図柄表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4L、4C、4R)と、遊技媒体の投入操作を検出する投入操作検出手段(例えば、メダルセンサ35S)と、前記投入操作検出手段により所定数の前記遊技媒体の投入が検出されたことに基づいて、開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ16S)と、前記開始操作検出手段により前記開始操作が検出されたことに基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、図19のS14)と、停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ17S)と、前記停止操作検出手段により前記停止操作が検出されたことに基づいて、前記図柄表示手段における図柄の変動表示の停止を制御する停止制御手段(例えば、図19のS21)と、前記停止制御手段により前記図柄表示手段における図柄の変動表示が停止された場合に、停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する入賞判定手段(例えば、図19のS22)と、前記入賞判定手段による判定結果に基づいて、遊技媒体を付与する付与手段(例えば、図19のS23)と、前記遊技を行う状態が前記有利状態である場合に、所定の条件に基づいて当該有利状態が継続可能な遊技数を示す継続可能遊技数を増加させる有利状態期間管理手段(例えば、図26のS434)と、前記遊技を行う状態が前記有利状態である場合に、当該有利状態中の遊技数が前記継続可能遊技数に達すると、当該有利状態を終了させ、前記遊技を行う状態を前記有利状態から前記通常状態に移行させる有利状態終了手段(例えば、図26のS447)と、前記遊技を行う状態が前記有利状態である場合に、当該有利状態中に前記付与手段により付与された遊技媒体の数を示す獲得遊技媒体数を計数する計数手段(例えば、図33のS554)と、前記有利状態終了手段が一の有利状態を終了させると、当該一の有利状態中に前記計数手段が計数した前記獲得遊技媒体数を前回獲得遊技媒体数として保持するととともに、当該一の有利状態における前記継続可能遊技数を前回継続可能遊技数として保持する保持手段(例えば、図33のS557)と、を備え、前記有利状態期間管理手段は、前記一の有利状態より後の有利状態において、前記計数手段が計数する前記獲得遊技媒体数が、前記保持手段が保持する前記前回獲得遊技媒体数に達すると、当該後の有利状態における前記継続可能遊技数に、前記保持手段が保持する前記前回継続可能遊技数を加算する(例えば、図33のS559)ことを特徴とする。
本発明に係る遊技機では、遊技者にとって有利な有利状態は、有利状態中の遊技数が継続可能遊技数に達すると終了するものの、有利状態期間管理手段が継続可能遊技数を加算するため、有利状態のいわゆる上乗せを行うことができる。具体的には、有利状態期間管理手段は、今回の有利状態において付与された遊技媒体の数を示す獲得遊技媒体数が、前回の有利状態において付与された遊技媒体の数を示す前回獲得遊技媒体数に達すると、今回の有利状態における継続可能遊技数に前回の有利状態における前回継続可能遊技数を加算する。これにより、内部当籤役に関わらず有利状態の上乗せを行うことができる。例えば、有利状態が早期に終了し前回獲得遊技媒体数が少ない場合には、次の有利状態において獲得遊技媒体数が前回獲得遊技媒体数に達する可能性が高くなり、有利状態の上乗せの期待度が高まる。また、有利状態が長期間にわたり多くの遊技媒体を獲得していた場合には、次の有利状態における上乗せの可能性は低いものの、仮に上乗せが行われた場合には、継続可能遊技数が多く加算されることが期待でき、有利状態中の遊技の興趣を向上させることができる。
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、ART非当籤中)と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知することで前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART中)とを有する遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、複数の図柄を複数列に変動表示する図柄表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4L、4C、4R)と、遊技媒体の投入操作を検出する投入操作検出手段(例えば、メダルセンサ35S)と、前記投入操作検出手段により所定数の前記遊技媒体の投入が検出されたことに基づいて、開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ16S)と、前記開始操作検出手段により前記開始操作が検出されたことに基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、図19のS14)と、停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ17S)と、前記停止操作検出手段により前記停止操作が検出されたことに基づいて、前記図柄表示手段における図柄の変動表示の停止を制御する停止制御手段(例えば、図19のS21)と、前記停止制御手段により前記図柄表示手段における図柄の変動表示が停止された場合に、停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する入賞判定手段(例えば、図19のS22)と、前記入賞判定手段による判定結果に基づいて、遊技媒体を付与する付与手段(例えば、図19のS23)と、前記遊技を行う状態が前記有利状態である場合に、所定の条件に基づいて当該有利状態が継続可能な期間を示す継続可能遊技媒体数を増加させる有利状態期間管理手段(例えば、副制御回路42)と、前記遊技を行う状態が前記有利状態である場合に、当該有利状態中に前記付与手段により付与された遊技媒体の数が前記継続可能遊技媒体数に達すると、当該有利状態を終了させ、前記遊技を行う状態を前記有利状態から前記通常状態に移行させる有利状態終了手段(例えば、副制御回路42)と、前記遊技を行う状態が前記有利状態である場合に、当該有利状態において行われた単位遊技の数を示す継続遊技数を計数する計数手段(例えば、図33のS554)と、前記有利状態終了手段が一の有利状態を終了させると、当該一の有利状態中に前記計数手段が計数した前記継続遊技数を前回継続遊技数として保持するととともに、当該一の有利状態における前記継続可能遊技媒体数を前回継続可能遊技媒体数として保持する保持手段(例えば、図33のS557)と、を備え、前記有利状態期間管理手段は、前記一の有利状態より後の有利状態において、前記計数手段が計数する前記継続遊技数が、前記保持手段が保持する前記前回継続遊技数に達すると、当該後の有利状態における前記継続可能遊技媒体数に、前記保持手段が保持する前記前回継続可能遊技媒体数を加算する(例えば、副制御回路42)ことを特徴とする遊技機。
本発明に係る遊技機では、遊技者にとって有利な有利状態は、有利状態中に付与された遊技媒体数が継続可能遊技媒体数に達すると終了するものの、有利状態期間管理手段が継続可能遊技媒体数を加算するため、有利状態のいわゆる上乗せを行うことができる。具体的には、有利状態期間管理手段は、今回の有利状態が継続した遊技数を示す継続遊技数が、前回の有利状態が継続した遊技数を示す前回継続遊技数に達すると、今回の有利状態における継続可能遊技媒体数に前回の有利状態における前回継続可能遊技媒体数を加算する。これにより、内部当籤役に関わらず有利状態の上乗せを行うことができ、有利状態が早期に終了した場合には、次の有利状態における有利状態の上乗せの期待度が高まり、反対に、有利状態が長期間にわたった場合には、次の有利状態において大きな上乗せの期待を与えることができる。
[付記3]
付記3のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機では、スイカやチェリーなどのいわゆるレア役に応じて、ATに関する様々な抽籤、例えば、ATを行うか否かのAT抽籤、AT抽籤の確率を高くする高確移行抽籤、ATを継続するATゲーム数を増加する上乗せ抽籤などを行う。
レア役に応じてATに関する抽籤を行う遊技機は、これまでいくつか知られており、例えば、特許文献1(特開2010−057732号公報)には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる(ATゲーム数を上乗せさせる)遊技機が開示されている。この特許文献1の遊技機によれば、内部当籤役に応じてATゲーム数が増加するため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上する。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、特定の役に基づくこれらの抽籤は、抽籤が行われる時点の遊技状態に応じて抽籤の結果が大きく異なることが一般的であり、例えば、高確率状態である場合と低確率状態である場合とでは、同一の役であっても抽籤確率が大きく異なる。また、抽籤の契機となる特定の役は、いわゆるレア役であり、比較的低い確率で内部当籤役として決定されるため、特定の役に基づく抽籤が一度行われると、再び抽籤を受けるためには、当該特定の役の当籤確率に応じた一定期間遊技を行わなければならない。そのため、従来の遊技機では、遊技状態が悪いタイミング(例えば、低確率状態)で特定の役が内部当籤役として決定されると、抽籤結果に対して期待を持つことができないだけでなく、遊技者は、特定の役が内部当籤役として決定されたことに対する失望感(いわゆる引き損)を味わうことになり、遊技の興趣を損ねてしまうおそれがあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、内部当籤役に基づく抽籤に対して、遊技者が関心を持つことのできる遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、複数の図柄を複数列に変動表示する図柄表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4L、4C、4R)と、遊技媒体の投入操作を検出する投入操作検出手段(例えば、メダルセンサ35S)と、前記投入操作検出手段により所定数の前記遊技媒体の投入が検出されたことに基づいて、開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ16S)と、前記開始操作検出手段により前記開始操作が検出されたことに基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、図19のS14)と、停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ17S)と、前記停止操作検出手段により前記停止操作が検出されたことに基づいて、前記図柄表示手段における図柄の変動表示の停止を制御する停止制御手段(例えば、図19のS21)と、前記停止制御手段により前記図柄表示手段における図柄の変動表示が停止された場合に、停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する入賞判定手段(例えば、図19のS22)と、前記入賞判定手段による判定結果に基づいて、利益を付与する利益付与手段(例えば、図19のS23)と、前記内部当籤役決定手段が所定役を内部当籤役として決定すると、内部当籤役として決定された前記所定役に基づいて所定の抽籤を行う抽籤手段(例えば、ART1の抽籤、ART2の抽籤、ART2の上乗せ抽籤)と、前記所定役が内部当籤役として決定された遊技を含む遊技において、前記抽籤手段の抽籤結果を示唆する演出を実行する演出実行手段(例えば、液晶表示装置11)と、前記所定役が内部当籤役として決定された遊技以降の遊技において、前記抽籤手段の抽籤結果に基づいて遊技の状態を制御する遊技状態制御手段(例えば、図39のS626)と、前記所定役が内部当籤役として決定された遊技において、前記抽籤手段による当該所定役に基づく抽籤を次回以降の遊技に持ち越すか否かを決定する第1決定手段(例えば、図37のS603)と、前記第1決定手段が前記抽籤を次回以降の遊技に持ち越すと決定すると、前記所定役に基づく前記抽籤手段による抽籤の権利である抽籤権を保持する抽籤権保持手段(例えば、図37のS607)と、前記抽籤権保持手段が前記抽籤権を保持する遊技において、当該抽籤権に応じた前記抽籤を行うか否かを決定する第2決定手段(例えば、図38のS613)と、を備え、前記抽籤手段は、前記第2決定手段が前記抽籤権に基づく前記抽籤を行うと決定すると、当該抽籤権に対応する前記所定役に基づき、前記抽籤を行い、前記抽籤権保持手段は、保持している前記抽籤権に応じた前記抽籤が行われると、保持している前記抽籤権を消去する(例えば、図39のS622,623)ことを特徴とする遊技機。
本発明に係る遊技機では、所定役が内部当籤役として決定されると、その後の遊技状態の制御に関する所定の抽籤を行うところ、この抽籤の権利は、第1決定手段の決定に基づいて次回以降の遊技に持ち越すことができる。そして、抽籤権を持ち越した場合には、第2決定手段が決定するタイミングに応じて抽籤権に応じた抽籤を行うことができる。これにより、例えば、現在の状態が所定の抽籤に好ましくないタイミングの場合には、抽籤権を持ち越し、より好ましいタイミングで所定の抽籤を受けることができる。その結果、遊技者は、内部当籤役に基づく抽籤に対して関心を持つことができる。また、所定役が内部当籤役として決定された遊技では、演出実行手段が抽籤結果を示唆する演出を行うため、例えば、遊技者が演出の内容から抽籤権を持ち越すか否かを選択可能にすることで、新たな戦略性を持った遊技を提供することができ、遊技の興趣が向上する。
[付記4]
付記4のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)という。こうしたAT機能を搭載した遊技機によれば、ナビを行うか否かを制御することで遊技者に払い出す遊技媒体の数が制御されるため、遊技者は、ATを継続するATゲーム数(ナビゲーム数)が増加することを望むことになる。
ATゲーム数を増加させるための工夫はこれまで様々な観点からなされてきており、例えば、特許文献(特開2010−057732号公報)には、内部当籤役としてスイカやチェリーなどの特定の役が決定されるとATゲーム数を増加させる(ATゲーム数を上乗せさせる)遊技機が開示されている。この特許文献1の遊技機によれば、内部当籤役に応じてATゲーム数が増加するため、遊技者は内部当籤役の結果に着目して遊技を行うことになり、遊技の興趣が向上する。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、従来の遊技機では、ATゲーム数の上乗せが決定されると、決定された上乗せゲーム数を演出により告知することとしているものの、上乗せの告知は、遊技機側で行うものであり、ATゲーム数の上乗せに関して遊技者が参加する要素がなかった。そのため、遊技者は、演出が行われる告知タイミングでのみ遊技性を感じるだけであり、遊技が単調になってしまうおそれがあった。
本発明は、このような要望に鑑みてなされたものであり、有利状態の上乗せに関して新たな遊技性を与えることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
具体的には、従来の遊技機では、上乗せするATゲーム数は、予め定められたゲーム数(以下では単純に1ゲームとする)で行われる演出(告知演出)により告知される。そこで、本発明者は、例えば1ゲームで行われる告知演出に対して、疑似的に複数回のゲームを賭けることで、上乗せに関して新たな遊技性を与えることとした。なお、疑似的に複数回のゲームを賭けるとは、告知演出自体は、1ゲームで行うものの、告知演出が行われた後の残りゲーム数が複数回減算されることである。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、ART非当籤中)と、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知することで前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、ART中)とを有する遊技機(例えば、パチスロ機1)であって、複数の図柄を複数列に変動表示する図柄表示手段(例えば、リール3L、3C、3R及び表示窓4L、4C、4R)と、遊技媒体の投入操作を検出する投入操作検出手段(例えば、メダルセンサ35S)と、前記投入操作検出手段により所定数の前記遊技媒体の投入が検出されたことに基づいて、開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ16S)と、前記開始操作検出手段により前記開始操作が検出されたことに基づいて、内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、図19のS14)と、停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ17S)と、前記停止操作検出手段により前記停止操作が検出されたことに基づいて、前記図柄表示手段における図柄の変動表示の停止を制御する停止制御手段(例えば、図19のS21)と、前記停止制御手段により前記図柄表示手段における図柄の変動表示が停止された場合に、停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する入賞判定手段(例えば、図19のS22)と、前記入賞判定手段による判定結果に基づいて、利益を付与する利益付与手段(例えば、図19のS23)と、前記遊技を行う状態が前記有利状態である場合に、当該有利状態が継続可能な単位遊技数を示す継続可能遊技数を管理する有利状態期間管理手段(例えば、ARTゲーム数カウンタを管理する副制御回路42)と、前記遊技を行う状態が前記有利状態である場合に、当該有利状態中の単位遊技数が前記継続可能遊技数に達すると、当該有利状態を終了させ、前記遊技を行う状態を前記有利状態から前記通常状態に移行させる有利状態終了手段(例えば、図41のS665)と、前記遊技を行う状態が前記有利状態である場合に、所定の条件に基づいて前記継続可能遊技数を増加させるか否かの抽籤を行う抽籤手段(例えば、図41のS652)と、前記抽籤手段が前記継続可能遊技数を第1数増加させると決定すると、前記第1数とは異なる第2数の単位遊技で行う演出を実行する演出実行手段(例えば、図41のS660で決定する演出を行う液晶表示装置11)と、前記演出実行手段が前記演出を実行する際に、倍率情報の選択を行う選択手段(例えば、図41のS657)と、前記選択手段が選択した倍率情報に基づいて、前記継続可能遊技数を増加させるか否かの判定を行う判定手段(例えば、図41のS658)と、を備え、前記有利状態期間管理手段は、前記判定手段が前記継続可能遊技数を増加させると判定すると、前記抽籤手段が増加させると決定した前記第1数に前記選択手段が選択した前記倍率情報に応じた倍率を乗算した倍後第1数から、前記演出実行手段が実行する演出に要する単位遊技数である前記第2数に前記倍率情報に応じた倍率を乗算した倍後第2数を減算した第3数、前記継続可能遊技数を増加させ、前記判定手段が前記継続可能遊技数を増加させないと判定すると、前記抽籤手段が増加させると決定した前記第1数を前記判定手段の判定結果に応じて更新した更新後第1数から、前記演出実行手段が実行する演出に要する単位遊技数である前記第2数に前記倍率情報に応じた倍率を乗算した倍後第2数を減算した第4数、前記継続可能遊技数を増加させることを特徴とする。
本発明に係る遊技機では、抽籤手段の抽籤結果に基づいて継続可能遊技数が増加するため、有利状態のいわゆる上乗せを行うことができ、有利状態の上乗せを行う場合には、演出実行手段による演出(告知演出)が行われる。この演出が行われる際に、判定手段は、選択手段が選択した倍率情報に基づいて、継続可能遊技数が増加させるか否かの判定を行う。この判定の結果、継続可能遊技数を増加させると判定されると、上乗せする単位遊技数(第1数)に倍率情報に応じた倍率を乗算した倍後第1数から、演出が行われる単位遊技数(第2数)に倍率情報に応じた倍率を乗算した倍後第2数を減算した第3数の上乗せが行われ、継続可能遊技数を増加させないと判定されると、上乗せする単位遊技数(第1数)を判定結果に応じて更新した更新後第1数から、倍後第2数を減算した第4数の上乗せが行われる。
これにより、本発明に係る遊技機では、演出実行手段による演出(告知演出)に対して疑似的に複数回の単位遊技を賭けることができる。また、疑似的に複数回の単位遊技を賭けることで、その後の継続可能遊技数が異なることになるため、本発明に係る遊技機によれば、有利状態の上乗せに関して新たな遊技性を与えることができる。