JP6596848B2 - アクセス権推定装置及びアクセス権推定プログラム - Google Patents
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Description
一方、文書の内容に応じたアクセス権を設定するために、文書に含まれるキーワードに応じて予めどのようなアクセス権の範囲が定められるべきかを設定しておく先行技術も存在するが、そのような方法であっても、予めキーワードと設定されるべきアクセス権の範囲の対応付けを定めておく必要があり、事前設定の必要なしに文書の内容に応じたアクセス権を設定することは可能とならない。
本発明は、予め文書に含まれるキーワード毎にアクセス可能なユーザーを定めることなく、文書の内容に応じたアクセス権の範囲を設定可能とするようにしたアクセス権推定装置及びアクセス権推定プログラムを提供することを目的としている。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じて定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という意味を有する記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
本実施の形態は、既に登録されアクセス権が設定された文書から、その内容とアクセス権が許可されたユーザーの関係を抽出する。その関係を用いて、新規に登録されようとしている文書の内容から、アクセス権の範囲を求めてユーザーに提示するものである。
文書アクセス権記憶モジュール120は、構成要素アクセス権設定モジュール140と接続されている。文書アクセス権記憶モジュール120は、既存の文書に対するアクセス権を記憶する。文書に対するアクセス権を示すデータ構造として、例えば、アクセス制御マトリックス、アクセス制御リスト、ケイパビリティ等がある。なお、アクセス制御マトリックスは、ユーザーと文書とを対応させ、ユーザーと文書で定まるエントリに、そのユーザーが文書に対して許されている操作を列挙した表である。アクセス制御リストは、文書毎に定めた、その文書にアクセスするユーザーとそのユーザーに対して許す操作のリストである。ケイパビリティは、ユーザーに対して定めた、そのユーザーがアクセスする文書とそれに対して許される操作の対である。ここで、ユーザーには、複数人のユーザーからなるグループを含めてもよい。
また、構成要素分解Aモジュール130は、形態素解析によりオブジェクトから構成要素を抽出するようにしてもよい。
具体例には、構成要素分解Aモジュール130は、文書のオブジェクトを構成要素へ分解する。オブジェクトとして、例えば、文書中の文章、文書の各ページ、文書に含まれる図(表、写真等を含めてもよい)等がある。また、構成要素は、そのオブジェクトを分解して得られるものである。例えば、形態素解析等によって得られるものであって、例えば、文書内のテキストの単語集合、文書内のテキストの各文における複数(例えば、2つ等)の単語の共起等がある。なお、構成要素は、オブジェクトそのものである場合もある。
具体例には、構成要素アクセス権設定モジュール140は、各構成要素に対してアクセスが許可されたユーザーのリストをその構成要素が属している文書に対して既に付加されたアクセス権を元に設定する。
新規文書受付モジュール150は、構成要素分解Bモジュール160と接続されている。新規文書受付モジュール150は、新規の文書を受け付ける。ここで新規の文書は、未だアクセス権が設定されていない状態であって、アクセス権を付与すべき文書である。
構成要素分解Bモジュール160は、新規文書受付モジュール150、新規文書構成要素アクセス権照合モジュール170と接続されている。構成要素分解Bモジュール160は、構成要素への分解を行う。構成要素分解Bモジュール160は、処理対象が異なるだけで、前述した構成要素分解Aモジュール130と同等の処理を行う。
具体例には、新規文書構成要素アクセス権照合モジュール170は、新規文書の各構成要素に対して、構成要素アクセス権設定モジュール140による処理結果である設定を照合し、それらのアクセス権を求める。そして、新規文書構成要素アクセス権照合モジュール170は、新規文書の各構成要素に対するアクセス権から、文書全体のアクセス権の範囲を求める。
また、新規文書構成要素アクセス権照合モジュール170は、各構成要素の組み合わせの重要度を推定することを行ってもよい。そして、その推定した各構成要素の組み合わせの重要度の和を用いて、第2文書に設定すべきアクセス権を推定するようにしてもよい。
また、新規文書構成要素アクセス権照合モジュール170は、重要度の和と、着目しているユーザーがアクセス権を持つ単語の組み合わせの重要度の和の割合を求めることにより、その着目しているユーザーが第2文書にアクセス権を設定すべきか否かを推定するようにしてもよい。
また、新規文書構成要素アクセス権照合モジュール170は、第1文書の構成要素と各構成要素に設定されるアクセス権とを機械学習するようにしてもよい。
また、新規文書構成要素アクセス権照合モジュール170は、さらに第1文書に対して設定されるべきアクセス権を推定するようにしてもよい。
また、新規文書構成要素アクセス権照合モジュール170は、第1構成要素に含まれない構成要素が第2構成要素に含まれていた場合、(1)第1構成要素と第2構成要素の照合の対象から除外する、又は、(2)ユーザーに新規アクセス権の設定を促す旨を、アクセス権範囲提示モジュール180に提示させるようにしてもよい。
また、アクセス権範囲提示モジュール180は、指定のユーザーが第2文書に対してアクセスすべきでないと推定された場合、どの構成要素に対してその指定のユーザーがアクセスすべきでないかを提示する。
また、新規文書構成要素アクセス権照合モジュール170が第1文書に対して設定されるべきアクセス権を推定した場合であって、第1文書にアクセス権が設定されるべきユーザーにアクセス権が設定されていないとき、アクセス権範囲提示モジュール180は、そのユーザーに第1文書に対するアクセス権の存在を提示するようにしてもよい。
また、新規文書構成要素アクセス権照合モジュール170が第1文書に対して設定されるべきアクセス権を推定した場合であって、第1文書にアクセス権が設定されるべきでないユーザーにアクセス権が設定されているとき、アクセス権範囲提示モジュール180は、警告を提示するようにしてもよい。
アクセス権推定装置100、ユーザー端末210A、ユーザー端末210B、文書管理装置250は、通信回線290を介してそれぞれ接続されている。通信回線290は、無線、有線、これらの組み合わせであってもよく、例えば、通信インフラとしてのインターネット、イントラネット等であってもよい。文書管理装置250は、文書を管理し、文書記憶モジュール110、文書アクセス権記憶モジュール120を有していてもよい。アクセス権推定装置100は、文書管理装置250内の文書記憶モジュール110、文書アクセス権記憶モジュール120を用いて処理を行うようにしてもよい。また、文書管理装置250内に、アクセス権推定装置100を含めるようにしてもよい。また、アクセス権推定装置100、文書管理装置250による機能は、クラウドサービスとして実現してもよい。
ユーザー端末210は、ユーザーの操作によって、文書の作成、アクセス権の設定等を行うものであって、パーソナルコンピュータ等が該当する。そして、文書に対してアクセス権の設定を行う場合に、アクセス権推定装置100による支援を受けて、アクセス権の設定処理を行う。
ステップS302では、構成要素分解Aモジュール130は、文書記憶モジュール110から既存の文書群を抽出する。抽出する文書は、文書記憶モジュール110内の全ての文書としてもよいし、新規文書受付モジュール150で受け付けた文書にアクセス権を付与しようしているユーザーに関連する文書を抽出してもよい。例えば、そのユーザーが属しているグループ、組織等のメンバーが作成、又はそのメンバーにアクセス権が付与されている文書としてもよい。また、そのユーザーが電子メール等でメッセージのやり取りを行った者が作成、又はその者にアクセス権が付与されている文書としてもよい。
ステップS304では、構成要素分解Aモジュール130は、各文書に対して構成要素に分解し、各構成要素についてそれを含む文書のリストを生成する。
文書のテキストの各文を単語に分割する。ここで単語の分割は形態素解析等の技術を用いて行う。
次に、各文における任意の2単語の組み合わせを生成する。
そして、その2単語の組み合わせが含まれている文書のリストを生成する。
ステップS308では、構成要素アクセス権設定モジュール140は、構成要素に対するアクセス権を記憶する。2単語の組み合わせとアクセス権の対応付けのテーブルを、図4の例にフローチャートの処理のために記憶しておくものである。
図3の例に示すフローチャートの処理は、図4の例に示すフローチャートの処理に先だって予め行っていてもよい(バッチ処理)。
ステップS402では、新規文書受付モジュール150は、新規の文書を受け付ける。この文書は、アクセス権付与の対象の文書である。
ステップS404では、構成要素分解Bモジュール160は、構成要素に分解する。ステップS304と同様の処理を行う。つまり、形態素解析等の技術を用いて、各文を単語に分割し、各文における任意の2単語の組み合わせを生成する。
ステップS406では、新規文書構成要素アクセス権照合モジュール170は、ステップS308で記憶された構成要素に対応するアクセス権を用いて、各構成要素のアクセス権を照合する。つまり、対象としている文書(ステップS402で受け付けた文書)内の構成要素と同じ構成要素を含んでいる文書のアクセス権を用いて、対象としている文書のアクセス権の候補を抽出する。
ステップS408では、アクセス権範囲提示モジュール180は、各構成要素のアクセス権から文書全体のアクセス権を提示する。
ここで、文書の内容を把握するために、文書の構成要素(その部分集合を含めてもよい)であるオブジェクトを対象とする。ここで、文書の構成要素とは、前述したように、例えば、文書の各ページ、文書に含まれる図、文書内のテキストの単語、文書内のテキストの各文における2つの単語の共起等がある。
以下では、文書の構成要素としてテキストの各文における2つの単語の共起を例に説明する。
文書1の文書内容510は、次の通りである。
−−−−−
A社との協業について
1.A社との技術提携を進める
2.A社と新製品を開発する
−−−−−
文書2の文書内容520は、次の通りである。
−−−−−
A社との技術提携について
A社へB技術に関する情報を開示する。
−−−−−
文書3の文書内容530は、次の通りである。
−−−−−
A社との新製品開発について
A社とマーケット分析を共有する。
−−−−−
文書4の文書内容740は、次の通りである。
−−−−−
A社との新製品開発に関して
A社へのB技術の開示に先だって準備を進める。
−−−−−
ここで、重要でない語は選別から外している。ちなみに単語の重要度は、tf・idf等の単語の出現頻度に基づくスコアリングなどによって評価可能である。
図8(a)は、文書内容510に対しての処理結果を示す共起テーブル810のデータ構造例を示す説明図である。
共起テーブル810は、選別単語欄812、単語組み合わせ欄814を有している。選別単語欄812は、文書内容510から選別した単語を記憶している。単語組み合わせ欄814は、その単語の組み合わせを記憶している。行は、文に対応している。
具体例には、共起テーブル810は、構成要素分解Aモジュール130によって、選別単語欄812内の第1文の2つの単語「A社」、「協業」から、1つの組み合わせ「A社−協業」を生成し、第2文の2つの単語「A社」、「技術提携」から、1つの組み合わせ「A社−技術提携」を生成し、第3文の3つの単語「A社」、「新製品」、「開発」から、3つの組み合わせ「A社−新製品」、「A社−開発」、「新製品−開発」を生成したことを示している。
図8(b)は、文書内容520に対しての処理結果を示す共起テーブル820のデータ構造例を示す説明図である。
共起テーブル820は、選別単語欄822、単語組み合わせ欄824を有している。これは共起テーブル810と同等のデータ構造である。
具体例には、共起テーブル820は、構成要素分解Aモジュール130によって、選別単語欄822内の第1文の2つの単語「A社」、「技術提携」から、1つの組み合わせ「A社−技術提携」を生成し、第2文の3つの単語「A社」、「B技術」、「開示」から、3つの組み合わせ「A社−B技術」、「A社−開示」、「B技術−開示」を生成したことを示している。
図8(c)は、文書内容530に対しての処理結果を示す共起テーブル830のデータ構造例を示す説明図である。
共起テーブル830は、選別単語欄832、単語組み合わせ欄834を有している。これは共起テーブル810と同等のデータ構造である。
具体例には、共起テーブル830は、構成要素分解Aモジュール130によって、選別単語欄832内の第1文の3つの単語「A社」、「新製品」、「開発」から、3つの組み合わせ「A社−新製品」、「A社−開発」、「新製品−開発」を生成し、第2文の3つの単語「A社」、「マーケット分析」、「共有」から、3つの組み合わせ「A社−マーケット分析」、「A社−共有」、「マーケット分析−共有」を生成したことを示している。
図8(d)は、文書内容740に対しての処理結果を示す共起テーブル840のデータ構造例を示す説明図である。
共起テーブル840は、選別単語欄842、単語組み合わせ欄844を有している。これは共起テーブル810と同等のデータ構造である。
具体例には、共起テーブル840は、構成要素分解Bモジュール160によって、選別単語欄842内の第1文の3つの単語「A社」、「新製品」、「開発」から、3つの組み合わせ「A社−新製品」、「A社−開発」、「新製品−開発」を生成し、第2文の3つの単語「A社」、「B技術」、「開示」から、3つの組み合わせ「A社−B技術」、「A社−開示」、「B技術−開示」を生成したことを示している。
単語組み合わせ欄910は、単語組み合わせを記憶している。単語組み合わせ欄814、単語組み合わせ欄824、単語組み合わせ欄834、単語組み合わせ欄844から生成したものであり、各欄の単語の組み合わせ(重複したものは1つだけ)を抽出したものである。文書1欄920は、文書1にその単語組み合わせが含まれているか否かを示す情報を記憶している。文書2欄930は、文書2にその単語組み合わせが含まれているか否かを示す情報を記憶している。文書3欄940は、文書3にその単語組み合わせが含まれているか否かを示す情報を記憶している。文書4欄950は、文書4にその単語組み合わせが含まれているか否かを示す情報を記憶している。
各ユーザーに対して、知ってもよい単語組み合わせを表にすると図10に示す例のようになる。図10は、単語組み合わせ・アクセス権ユーザーテーブル1000のデータ構造例を示す説明図である。単語組み合わせ・アクセス権ユーザーテーブル1000は、単語組み合わせ欄1010、ユーザーA欄1020、ユーザーB欄1030、文書4欄1040を有している。
単語組み合わせ欄1010は、単語組み合わせを記憶している。単語組み合わせ出現テーブル900の単語組み合わせ欄910と同等のものである。ユーザーA欄1020は、その単語組み合わせが含まれている文書に対してユーザーAがアクセス権を有しているか否かを示す情報(ユーザーAが知ってもよい単語組み合わせであるか否かを示す情報)を記憶している。ユーザーB欄1030は、その単語組み合わせが含まれている文書に対してユーザーBがアクセス権を有しているか否かを示す情報(ユーザーBが知ってもよい単語組み合わせであるか否かを示す情報)を記憶している。文書4欄1040は、その単語組み合わせが文書4に含まれているか否かを示す情報を記憶している。
そこで、例えば一つでもそのような単語の組み合わせを持つユーザーを除き、残ったユーザー(この例の場合はユーザーAのみ)をアクセスを許可してよいと推定するユーザーとする。
又は、重要でない単語の組み合わせが原因でアクセス権が許可されないことを防ぐために、アクセス権をつけてよいか否かの程度を推定するようにしてもよい。
その程度は、例えば、単語のtf・idf値に基づき単語の組み合わせの重要度を推定し、対象文書に出現する各単語の組み合わせの重要度の和に対する着目しているユーザーのアクセス権を持つ単語の組み合わせの重要度の和の割合を求めることにより、アクセスを許可してよい程度の推定値とする。
単語の組み合わせの重要度が以下の場合、
A社−新製品:0.3
A社−開発:0.2
新製品−開発:0.1
A社−B技術:0.1
A社−開示:0.1
B技術−開示:0.4
ユーザーAの文書4に対するアクセスを許可してよい程度の推定値は
(0.3+0.2+0.1+0.1+0.1+0.4)/(0.3+0.2+0.1+0.1+0.1+0.4)=1.0
ユーザーBの文書4に対するアクセスを許可してよい程度の推定値は
(0.3+0.2+0.1)/(0.3+0.2+0.1+0.1+0.1+0.4)=0.5
となる。
アクセス権範囲提示モジュール180は、前述の処理で得られた、アクセスを許可してよいと推定するユーザー、又はアクセス権を許可してよい程度の推定値を、ユーザーに提示することで、内容に即したアクセス権設定の支援を行う。
例えば、文書であるプレゼンテーション資料等では、ページ単位で編集(ページのコピー等)がなされること(ページのコピー等)が多いので、各ページを構成要素としてもよい。つまり、前述の単語の組み合わせの代わりに文書のページとしてもよい。
この場合、各文書に対してあるページが含まれるか否かを分析し、図9の例に示す単語組み合わせ出現テーブル900と同等のテーブルを作成する。ここで、あるページを文書内に含まれるか否かの判定において、各ページを印刷した場合の画像として、画像間の類似度によって判定するようにしてもよい。画像間の類似判定は、既存技術を用いるようにしてもよい。例えば、2つの画像間で排他的論理和(EOR)演算を行い、残った画素数が少なければ類似度が高いと判断してもよい。また、その際に、ページ番号やヘッダ、フッタなどを除外して画像を生成して、判定するようにしてもよい。
アルバム内の写真データや、オフィス文書のグラフなど、イメージデータ(図)がそのファイルのアクセス権を決定する際に重要になる場合がある。そして、そのイメージデータ単位で編集(イメージデータのコピー等)がなされることが多いので、イメージデータを構成要素としてもよい。つまり、前述の単語の組み合わせの代わりに文書内の図としてもよい。
この場合、各文書に対してあるイメージデータが含まれるか否かを分析し、図9の例に示す単語組み合わせ出現テーブル900と同等のテーブルを作成する。イメージデータ間の類似判定は、既存技術を用いるようにしてもよい。
ここで、イメージデータが拡大、縮小、圧縮等の操作がなされている場合があるので、あるイメージデータを文書内に含むか否かの判定において、それらの操作を考慮して判定してもよい。例えば、操作履歴を利用して、そのイメージデータに対する操作の逆処理を行って元のイメージデータを生成してから判定を行うようにしてもよい。
単語の共起を用いずに単語を用いる場合も、各単語を各文書が含むか否かを判定し、図9の例に示す単語組み合わせ出現テーブル900と同等のテーブルを作成する。
単語のような文字情報と、グラフなどのイメージデータの両方を文書の構成要素として処理を行うようにしてもよい。
この場合、文書に対するアクセス権を許可してよい程度の推定値は、各構成要素毎のアクセス権を許可してよい程度の推定値を予め設定された割合で加重平均を取る等の方法を用いてもよい。
又は、各構成要素を機械学習の素性としてトレーニングしてもよい。
これは、文書記憶モジュール110内の文書を選択し、本実施の形態によってアクセス権の範囲の提示を行う。この提示されたアクセス権の範囲が、その文書に予め付与されているアクセス権の範囲と比較して十分広い場合に、その旨をユーザーに提示するようにしてもよい。
図10の例に示す単語組み合わせ・アクセス権ユーザーテーブル1000を作成する際に、単語組み合わせ・アクセス権ユーザーテーブル1000のエントリの値に文書数を入れることで実現可能である。これは、あるユーザーがある構成要素に対してアクセス権を持っている文書数を表す。ここで、その文書数(又はその文書数が全文書数(予め定められた文書群内の文書数)に占める割合)が予め定められた閾値よりも少ない構成要素は、アクセス権が間違えてつけられていた可能性が高いとする。そのような構成要素を含む文書を提示することで、アクセス権設定の間違いの可能性があることを指摘する。
なお、図11に示すハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、図11に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えば特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよく、さらに図11に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、携帯情報通信機器(携帯電話、スマートフォン、モバイル機器、ウェアラブルコンピュータ等を含む)、情報家電、ロボット、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
また、前述の実施の形態の説明において、予め定められた値との比較において、「以上」、「以下」、「より大きい」、「より小さい(未満)」としたものは、その組み合わせに矛盾が生じない限り、それぞれ「より大きい」、「より小さい(未満)」、「以上」、「以下」としてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通等のために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、又は無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、又は別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化等、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。
110…文書記憶モジュール
120…文書アクセス権記憶モジュール
130…構成要素分解Aモジュール
140…構成要素アクセス権設定モジュール
150…新規文書受付モジュール
160…構成要素分解Bモジュール
170…新規文書構成要素アクセス権照合モジュール
180…アクセス権範囲提示モジュール
210…ユーザー端末
210A…ユーザー端末
210B…ユーザー端末
250…文書管理装置
290…通信回線
Claims (10)
- 第1文書を構成するオブジェクトから少なくとも1つの第1構成要素を抽出する抽出手段であって、前記第1文書はアクセス権が設定されているものである前記抽出手段と、
前記第1文書に設定されたアクセス権に基づき、前記抽出された第1構成要素と、該第1構成要素に対してアクセス可能なユーザーを示すアクセス権情報とを対応付ける、対応付け手段と、
第2文書を構成するオブジェクトから抽出された第2構成要素であって、前記第2文書はアクセス権が設定されていないものである前記第2構成要素と、前記第1構成要素に対応付けられた前記アクセス権情報とから、該第2文書に設定されるべきアクセス権を推定する、アクセス権推定手段と、
指定のユーザーが前記第2文書に対してアクセスすべきでないと推定された場合、どの構成要素に対して該指定のユーザーがアクセスすべきでないかを提示する提示手段
を有し、
前記提示手段は、前記第2文書を前記指定のユーザーがアクセスできるように文書を修正するときの、修正すべき内容を提示する、
アクセス権推定装置。 - 前記オブジェクトは、文書の各ページ、図を含むことを特徴とする、
請求項1に記載のアクセス権推定装置。 - 各構成要素の組み合わせの重要度を推定する重要度推定手段をさらに有し、
前記アクセス権推定手段は、前記重要度推定手段が推定した各構成要素の組み合わせの重要度の和を用いて、前記第2文書に設定すべきアクセス権を推定する、
請求項1又は2に記載のアクセス権推定装置。 - 前記アクセス権推定手段は、前記重要度の和と、着目しているユーザーがアクセス権を持つ単語の組み合わせの重要度の和の割合を求めることにより、該着目しているユーザーが前記第2文書にアクセス権を設定すべきか否かを推定するものである、
請求項3に記載のアクセス権推定装置。 - 前記抽出手段は、形態素解析によりオブジェクトから構成要素を抽出するものである、
請求項1から4のいずれか一項に記載のアクセス権推定装置。 - さらに、前記アクセス権推定手段は、第1文書の構成要素と各構成要素に設定されるアクセス権とを機械学習するものである、
請求項1から5のいずれか一項に記載のアクセス権推定装置。 - 前記アクセス権推定手段は、さらに前記第1文書に対して設定されるべきアクセス権を推定するものであり、
前記第1文書にアクセス権が設定されるべきユーザーにアクセス権が設定されていない場合、該ユーザーに前記第1文書に対するアクセス権の存在を提示する提示手段
をさらに有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のアクセス権推定装置。 - 前記アクセス権推定手段は、さらに前記第1文書に対して設定されるべきアクセス権を推定するものであり、
前記第1文書にアクセス権が設定されるべきでないユーザーにアクセス権が設定されている場合、警告を提示する提示手段
をさらに有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のアクセス権推定装置。 - 前記アクセス権推定手段は、前記第1構成要素に含まれない構成要素が前記第2構成要素に含まれていた場合、(1)第1構成要素と第2構成要素の照合の対象から除外する、又は、(2)ユーザーに新規アクセス権の設定を促す旨を提示させる、
請求項1から8のいずれか一項に記載のアクセス権推定装置。 - コンピュータを、
第1文書を構成するオブジェクトから少なくとも1つの第1構成要素を抽出する抽出手段であって、前記第1文書はアクセス権が設定されているものである前記抽出手段と、
前記第1文書に設定されたアクセス権に基づき、前記抽出された第1構成要素と、該第1構成要素に対してアクセス可能なユーザーを示すアクセス権情報とを対応付ける、対応付け手段と、
第2文書を構成するオブジェクトから抽出された第2構成要素であって、前記第2文書はアクセス権が設定されていないものである前記第2構成要素と、前記第1構成要素に対応付けられた前記アクセス権情報とから、該第2文書に設定されるべきアクセス権を推定する、アクセス権推定手段と、
指定のユーザーが前記第2文書に対してアクセスすべきでないと推定された場合、どの構成要素に対して該指定のユーザーがアクセスすべきでないかを提示する提示手段
として機能させ、
前記提示手段は、前記第2文書を前記指定のユーザーがアクセスできるように文書を修正するときの、修正すべき内容を提示する、
アクセス権推定プログラム。
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