JP6592998B2 - タングステン用研磨剤、研磨剤用貯蔵液及び研磨方法 - Google Patents

タングステン用研磨剤、研磨剤用貯蔵液及び研磨方法 Download PDF

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Description

本発明は、タングステン用研磨剤、当該研磨剤を得るための研磨剤用貯蔵液、及び、前記研磨剤を用いた研磨方法に関する。
近年、半導体集積回路(以下、「LSI」という。)の高集積化又は高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(以下、「CMP」という。)もその一つであり、CMPは、LSI製造工程(特に、多層配線形成工程における層間絶縁膜の平坦化、金属プラグ形成、埋め込み配線形成等)において頻繁に利用される技術である。
CMP法を用いた埋め込み配線の形成について説明する。まず、あらかじめ形成された凹凸を表面に有する基板と、基板上に積層された層間絶縁膜(酸化膜等)とを有する積層体を準備する。次に、バリア金属膜(窒化チタン膜等)を層間絶縁膜上の全体に堆積する。さらに、凹部(溝部)を埋め込むようにバリア金属膜上の全体にタングステン材料膜(タングステン膜、タングステン合金膜等)の配線用金属膜を堆積する。次に、凹部以外の不要な配線用金属膜、及び、その下層のバリア金属膜をCMPにより除去して埋め込み配線を形成する。このような配線形成方法をダマシン法と呼ぶ(例えば、下記特許文献1参照)。
金属膜のCMPの一般的な方法は、円形の研磨定盤(プラテン)上に研磨布(研磨パッド)を貼り付け、研磨布の表面を金属膜用研磨剤で浸しながら、基板の金属膜を形成した面を研磨布に押し付けて、研磨布の裏面から所定の圧力(研磨圧力、研磨荷重)を金属膜に加えた状態で研磨定盤を回し、研磨剤と金属膜の凸部との機械的摩擦によって凸部の金属膜を除去するものである。
CMPに用いられる金属膜用研磨剤は、一般的には、酸化剤、固体砥粒及び水を含有し、必要に応じて金属酸化物溶解剤、金属防食剤等を更に含有している。このような研磨剤を用いて研磨を行う場合、まず、酸化剤によって金属膜表面が酸化されて酸化層が形成され、その酸化層を固体砥粒によって削り取るのが基本的なメカニズムと考えられている。凹部に埋め込まれた金属膜の表面の酸化層は、研磨布にあまり触れず、固体砥粒による削り取りの効果が及ばないため、CMPの進行に伴い凸部の金属層の酸化層が除去されて基板表面は平坦化される(例えば、下記非特許文献1参照)。
タングステン材料膜(タングステン膜、タングステン合金膜等)を用いたダマシン配線形成における研磨工程としては、タングステン材料膜の大部分を研磨する荒研磨工程と、タングステン材料膜、絶縁膜及びバリア金属膜を研磨する仕上げ研磨工程とを備える2ステッププロセスが主流である。
図1は、一般的なダマシン法による配線形成を説明するための断面模式図を示す。図1の(a)は荒研磨前の研磨対象の状態を示す。荒研磨前の研磨対象は、表面に凹凸が形成された絶縁膜1と、絶縁膜1の表面の凹凸に追従するように形成されたバリア膜2と、凹凸を埋めるように堆積された配線金属(タングステン、タングステン合金等のタングステン材料)3とを有する。
まず、図1の(b)に示すように、荒研磨用の研磨剤で、絶縁膜1の凸部が露出するまで研磨する。次に、図1の(c)に示すように、仕上げ研磨用の研磨剤で、絶縁膜1と配線金属3とが平坦になるように研磨する。
タングステン用研磨剤(タングステン材料用研磨剤)を荒研磨用の研磨剤として用いた場合、タングステン材料の研磨速度が絶縁材料の研磨速度よりも非常に速いために、タングステン材料を含む配線部を有する領域では、絶縁材料が過剰研磨される「エロージョン」という現象が発生し、平坦性が低下する。その結果、配線抵抗の増加等の問題が生じてしまうため、仕上げ研磨工程においてはエロージョンを可能な限り低減することが要求される。
タングステン用研磨剤のエッチング速度が速い場合、タングステンの腐食がより進行しやすいため、エロージョンが更に進行する恐れがある。そのため、仕上げ研磨工程に用いられるタングステン用研磨剤には、タングステン材料のエッチング速度を可能な限り低減することが要求される。
上記問題を解決するためのタングステン用CMP研磨剤としては、例えば、下記特許文献2〜4に記載されている研磨剤が挙げられる。
特許文献2には、砥粒と、ヘテロポリ酸とを含有する研磨剤が記載されている。このような研磨剤によれば、ヘテロポリ酸の働きによってタングステン、アルミニウム及び銅の研磨速度が向上し、室温におけるエッチング速度が小さく、面内均一性に優れるとされている。
特許文献3には、砥粒と、過ヨウ素酸と、硝酸アンモニウムと、アンモニアとを含む研磨剤が記載されている。この研磨剤は、pHをアンモニアで調節して、タングステン膜及び絶縁膜の研磨速度を適切な範囲に調節することでエロージョンを低減させるものである。
特許文献4には、砥粒と、鉄イオンと、イミダゾール環を有するポリマーとを含む研磨剤が記載されている。この研磨剤は、イミダゾール環を有するポリマーを用いることでタングステン膜のエッチング速度を低減させ、エロージョンを低減させるものである。
米国特許第4944836号明細書 特開2002−80827号公報 特許第4083528号公報 特許第5628990号公報
ジャ−ナル・オブ・エレクトロケミカルソサエティ誌(Journal of Electrochemical Society)、第138巻、第11号(1991年発行)、3460〜3464頁
ところで、研磨剤に対しては、タングステン材料のエッチング速度を更に低減することが要求される。しかしながら、特許文献2に記載の研磨剤では、タングステン膜に対するヘテロポリ酸の腐食作用が強いため、高温でのエッチング速度を充分に抑制できない等の問題がある。特許文献3に記載の研磨剤については、タングステン膜に対する過ヨウ素酸の腐食作用が強いことからエロージョンの低減が難しく、研磨速度の調整のみでは、エロージョンが充分に低減されない等の問題がある。さらに、特許文献4に記載の研磨剤では、イミダゾール環を有するポリマーを用いることによるエッチング速度の低減効果が充分ではなく、エロージョンを充分に抑制できない、又は、タングステン膜の研磨速度を低下させる等の問題がある。
本発明は、前記課題に鑑みなされたものであり、タングステン材料に対する良好な研磨速度を維持しながらエロージョンを低減できるタングステン用研磨剤を提供することを目的とする。また、本発明は、前記研磨剤を得るための研磨剤用貯蔵液、及び、前記研磨剤を用いた研磨方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、砥粒と、ケイモリブデン酸化合物と、(メタ)アクリル酸系重合体とを併用することにより、タングステン材料に対する良好な研磨速度を維持しながらエロージョンを低減できると共に、タングステン材料のエッチング速度を抑制できることを見出した。
本発明の第一態様は、砥粒と、ケイモリブデン酸化合物と、(メタ)アクリル酸系重合体と、を含有する、タングステン用研磨剤に関する。
第一態様に係る研磨剤によれば、タングステン材料に対する良好な研磨速度を維持しながらエロージョンを低減できる。また、第一態様に係る研磨剤によれば、タングステン材料に対する良好な研磨速度を維持しながら、タングステン材料のエッチング速度を抑制できると共に、エロージョンを低減できる。
ところで、研磨中の研磨剤は、被研磨対象(ウエハ等)と研磨パッドとの間の摩擦力が生じることで高温になる。そのため、研磨剤には、高温でのエッチング速度を抑制することが求められる。第一態様に係る研磨剤によれば、高温(例えば60℃)でのエッチング速度を抑制することもできる。
前記砥粒は、コロイダルシリカを含むことが好ましい。これにより、高い研磨速度を保ちつつ研磨傷(研磨後の被研磨面に現れる傷をいう。以下同じ)を低減させることができる。
前記(メタ)アクリル酸系重合体は、アクリル酸の単独重合体、メタクリル酸の単独重合体、及び、アクリル酸とメタクリル酸とを単量体成分として含む組成物を重合させて得られる共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。これにより、タングステン材料に対する良好な研磨速度を維持しながらエロージョンを容易に低減できると共に、タングステン材料のエッチング速度を更に抑制できる。
第一態様に係る研磨剤のpHは、1.0〜6.0であることが好ましい。これにより、タングステン材料を更に高い研磨速度で研磨できると共に、砥粒が溶解し研磨剤の液状安定性が低下することを抑制することができる。
本発明の第二態様は、第一態様に係る研磨剤を得るための研磨剤用貯蔵液であって、液状媒体で希釈することにより前記研磨剤が得られる、研磨剤用貯蔵液に関する。このような研磨剤用貯蔵液によれば、研磨剤の輸送、運搬、保管等に必要なコスト、スペース等が低減できる。
本発明の第三態様は、第一態様に係る研磨剤を用いて被研磨面を研磨する、研磨方法に関する。このような研磨方法によれば、タングステン材料に対する良好な研磨速度を維持しながらエロージョンを低減できると共に、タングステン材料のエッチング速度を抑制できる。
前記被研磨面は、タングステン材料を含むことが好ましい。これにより、第三態様に係る研磨方法の前記効果を充分に得ることができる。
本発明によれば、タングステン材料に対する良好な研磨速度を維持しながら、タングステン材料のエッチング速度を抑制できると共に、エロージョンを低減できる。
図1は、ダマシン法による配線形成を説明するための断面模式図である。 図2は、タングステン配線付きパターン基板のストライプ状パターン部(配線金属部と絶縁膜部とが交互に並んだ部分)におけるエロージョンを説明するための断面模式図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。
<定義>
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方を意味する。「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。「研磨速度(Polishing Rate)」とは、単位時間当たりに材料が除去される速度(除去速度=Removal Rate)を意味する。「層」及び「膜」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。
本明細書において、「タングステン用研磨剤」とは、タングステン材料を研磨するための研磨剤を意味する。「タングステン材料」とは、タングステンを50モル%以上含む材料を意味し、タングステン、タングステン合金、タングステン化合物(例えば、酸化タングステン、タングステンシリサイド及び窒化タングステン)等が挙げられる。
本明細書において、X倍に希釈するとは、研磨剤用貯蔵液に液状媒体(水等)を加えることによって、研磨剤の質量が、もとの研磨剤用貯蔵液の質量のX倍になることとして定義される。例えば、研磨剤用貯蔵液の質量に対して同質量の液状媒体(水等)を加えて研磨剤を得ることは、2倍に希釈することと定義される。
<研磨剤>
本実施形態に係る研磨剤は、研磨時に被研磨面に触れる組成物であり、例えばCMP用の研磨剤である。本実施形態に係る研磨剤は、砥粒と、ケイモリブデン酸化合物と、(メタ)アクリル酸系重合体と、を含有するタングステン用研磨剤である。
本実施形態に係る研磨剤では、砥粒と、ケイモリブデン酸化合物と、(メタ)アクリル酸系重合体とを併用することにより、タングステン材料に対する良好な研磨速度を維持しながら、タングステン材料のエッチング速度を抑制できると共に、エロージョンを低減できる。このような効果が得られる作用機構は明らかになっていないが、本発明者は次のように考える。
ケイモリブデン酸化合物はタングステン材料の表面を酸化させる。そして、酸化されたタングステン材料(例えばHWO)と(メタ)アクリル酸系重合体とが反応して新たな反応層が形成される。この反応層は、ケイモリブデン酸化合物の化学的作用に対しては充分な抵抗力を有するが、砥粒の機械的作用によっては容易に除去できる。そのため、このような反応層の形成は、エッチング速度を抑制しつつ、タングステン材料に対する高い研磨速度を達成することに有効であると考えられる。これに対し、(メタ)アクリル酸系重合体を用いずにケイモリブデン酸化合物を用いた場合、タングステン材料の研磨速度は高いが、エッチング速度も高くなる。
また、エロージョンが生じたパターン部では、この反応層がパターン部を保護する膜として作用する。そのため、研磨圧力が高い外縁部(パターン部の周囲に位置する部分)の絶縁膜が優先的に研磨され、エロージョン量が低減されると考えられる。
また、ケイモリブデン酸化合物を含有する研磨剤は、ケイモリブデン酸化合物を含有することなく酸化剤(過酸化水素、過ヨウ素酸等)を含有する研磨剤よりもエロージョンの低減効果が大きい。この理由は明らかになっていないが、下記の理由が考えられる。タングステン材料に対するケイモリブデン酸化合物の酸化速度が酸化剤(過酸化水素、過ヨウ素酸等)よりも速いため、ケイモリブデン酸化合物を用いた場合のタングステン材料の表面は、酸化剤を用いた場合よりも一様に酸化される。そのため、研磨後におけるタングステン材料の表面は、ケイモリブデン酸化合物の方が酸化剤よりも滑らかになると考えられる。
以下、本実施形態に係る研磨剤に含まれる成分等についてより詳細に説明する。
(砥粒)
本実施形態に係る研磨剤は、砥粒を含有する。砥粒の構成材料としては、シリカ、アルミナ、セリア、ジルコニア、セリウムの水酸化物、樹脂等が挙げられる。砥粒は、シリカを含むことが好ましい。シリカを含む砥粒は、他の種類の砥粒と比較してタングステン材料との親和性が高く、タングステン材料との接触頻度が増加すると考えられる。そのため、シリカを含む砥粒を用いることにより、タングステン材料が均一に研磨されるため、平坦性が向上しやすいと考えられる。また、シリカを含む砥粒を用いることにより、タングステン材料に対する高い研磨速度を保ちながら研磨傷を低減させる効果を得ることができる。
シリカとしては、例えば、コロイダルシリカ及びヒュームドシリカが挙げられる。中でも、シリカとしては、タングステン材料の研磨速度が更に高くなる傾向がある観点、研磨傷が少ない観点、及び、粒子径の選択が容易である観点から、コロイダルシリカが好ましい。砥粒は、シリカからなる粒子(シリカ粒子)であってもよい。
砥粒は、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。例えば、シリカを含む砥粒と、シリカ以外を含む砥粒とを併用することができる。
研磨剤中における砥粒の平均粒子径の下限は、機械的研磨力が充分となりタングステン材料及び絶縁材料の研磨速度が更に速くなる傾向がある観点から、10nm以上が好ましく、30nm以上がより好ましく、40nm以上が更に好ましい。砥粒の平均粒子径の上限は、砥粒の分散安定性が良好である観点から、200nm以下が好ましく、120nm以下がより好ましく、90nm以下が更に好ましい。なお、砥粒として、シリカ以外を含む砥粒を用いる場合も、上記平均粒子径を満たす砥粒を用いることが好ましい。
砥粒の平均粒子径は、光子相関法で測定できる。具体的には例えば、マルバーンインスツルメンツ社製の装置名:ゼータサイザー3000HS、ベックマンコールター社製の装置名:N5等で平均粒子径を測定できる。N5を用いた測定方法は、下記のとおりである。具体的には例えば、砥粒の含有量を0.2質量%に調整した水分散液を調製し、この水分散液を1cm角のセルに約4mL(Lは「リットル」を示す。以下同じ)入れ、装置内にセルを設置する。そして、分散媒の屈折率を1.33、粘度を0.887mPa・sに設定し、25℃において測定を行うことで得られる値を砥粒の平均粒子径として採用できる。
シリカを含む砥粒の含有量の下限は、研磨傷の低減効果と、タングステン材料の研磨速度の向上効果とを更に高度に両立させる観点から、砥粒の全質量を基準として、50質量%を超えることが好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましく、80質量%以上が特に好ましく、90質量%以上が極めて好ましく、95質量%以上が非常に好ましい。シリカを含む砥粒の含有量の上限は、砥粒の全質量を基準として例えば100質量%である。
シリカを含む砥粒の含有量の下限は、機械的研磨力が充分となりタングステン材料及び絶縁材料の研磨速度が更に速くなる傾向がある観点から、研磨剤の全質量を基準として、0.4質量%以上が好ましく、0.6質量%以上がより好ましく、0.8質量%以上が更に好ましい。シリカを含む砥粒の含有量の上限は、研磨剤の粘度上昇を避けやすい観点、砥粒の凝集を避けやすい観点、研磨傷が低減しやすい観点、研磨剤の取り扱いが容易である観点等から、研磨剤の全質量を基準として、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、7質量%以下が更に好ましく、4質量%以下が特に好ましい。
砥粒の含有量の下限は、機械的研磨力が充分となりタングステン材料及び絶縁材料の研磨速度が更に速くなる傾向がある観点から、研磨剤の全質量を基準として、0.4質量%以上が好ましく、0.6質量%以上がより好ましく、0.8質量%以上が更に好ましい。砥粒の含有量の上限は、研磨剤の粘度上昇を避けやすい観点、砥粒の凝集を避けやすい観点、研磨傷が低減しやすい観点、研磨剤の取り扱いが容易である観点等から、研磨剤の全質量を基準として、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、7質量%以下が更に好ましく、4質量%以下が特に好ましい。
(ケイモリブデン酸化合物)
本実施形態に係る研磨剤は、ケイモリブデン酸化合物を含有する。「ケイモリブデン酸化合物」とは、ケイモリブデン酸構造を有する化合物であり、具体的には、ケイモリブデン酸、ケイモリブデン酸塩等が挙げられる。ケイモリブデン酸塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。ケイモリブデン酸化合物は、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
研磨剤がケイモリブデン酸化合物を含有することにより、タングステン材料の研磨速度が高くなる。ケイモリブデン酸化合物を用いることなく、ケイモリブデン酸化合物以外の他のヘテロポリ酸化合物を用いても、タングステン材料の研磨速度を高くする効果は小さい。
この理由は明らかになっていないが、下記の理由が考えられる。ケイモリブデン酸化合物には、ヘテロ原子として珪素が含まれるため、砥粒とケイモリブデン酸化合物との間に相互作用が働き、他のヘテロポリ酸化合物に比べて砥粒に吸着しやすい。この場合、砥粒がタングステン材料と接触すると同時に、砥粒に吸着したケイモリブデン酸化合物がタングステン材料に接触することにより、タングステン材料が酸化されて研磨速度が高くなる。なお、ヘテロタングステン酸は、タングステン材料と同じタングステンを含むため、タングステン材料に対する酸化力がヘテロモリブデン酸よりも乏しい。
また、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸系重合体を用いると共に、表面にヒドロキシ基(水酸基)を有し得る砥粒(シリカを含む砥粒等)を用いる場合には、更に高い研磨速度を得ることができる。この理由は明らかになっていないが、下記の理由が考えられる。すなわち、(メタ)アクリル酸系重合体のカルボキシル基と、砥粒とが水素結合により吸着しやすい。また、(メタ)アクリル酸系重合体及びケイモリブデン酸化合物は親水性であるため、タングステン材料に近接して存在しやすい。これにより、砥粒に吸着したケイモリブデン酸化合物がタングステン材料に接触する際に(メタ)アクリル酸系重合体もタングステン材料に接触しやすいと考えられる。この場合、タングステン材料がケイモリブデン酸化合物によって酸化され、酸化されたタングステン材料と(メタ)アクリル酸系重合体とが反応して新たなタングステン反応層が形成されやすい。これにより、更に高い研磨速度を得ることができると考えられる。
ケイモリブデン酸化合物の含有量の下限は、タングステン材料の研磨速度の充分な向上効果が得られやすい観点から、研磨剤の全質量を基準として、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.08質量%以上が更に好ましく、0.10質量%以上が特に好ましい。ケイモリブデン酸化合物の含有量の上限は、タングステン材料のエッチング速度を抑制しやすい観点から、研磨剤の全質量を基準として、1.50質量%以下が好ましく、1.25質量%以下がより好ましく、1.00質量%以下が更に好ましく、0.75質量%以下が特に好ましく、0.50質量%以下が極めて好ましい。
((メタ)アクリル酸系重合体)
本実施形態に係る研磨剤は、(メタ)アクリル酸系重合体((メタ)アクリル酸重合体)を含有する。(メタ)アクリル酸系重合体は、(メタ)アクリル酸由来の構造単位を有する重合体である。(メタ)アクリル酸系重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸の単独重合体(ポリアクリル酸及びポリメタクリル酸)、アクリル酸とメタクリル酸とを単量体成分として含む組成物を重合させて得られる共重合体(以下、「アクリル酸/メタクリル酸共重合体」という。)、並びに、(メタ)アクリル酸と他の単量体成分とを含む組成物を重合させて得られる共重合体((メタ)アクリル酸由来の構造単位を有する共重合体。(メタ)アクリル酸と他の単量体成分との共重合体)が挙げられる。(メタ)アクリル酸と共重合可能な単量体成分としては、(メタ)アクリル酸メチル(アクリル酸メチル及び/又はメタクリル酸メチル)等の(メタ)アクリル酸アルキルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸系重合体としては、タングステン材料に対する良好な研磨速度を維持しながらエロージョンを容易に低減できると共に、タングステン材料のエッチング速度を更に抑制できる観点から、アクリル酸の単独重合体、メタクリル酸の単独重合体、及び、アクリル酸/メタクリル酸共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。アクリル酸/メタクリル酸共重合体を得るための組成物は、アクリル酸及びメタクリル酸以外の単量体成分((メタ)アクリル酸メチル等)を含んでいてもよい。
(メタ)アクリル酸由来の構造単位を有する共重合体は、アミド基、ヒドロキシ基、ウレア基、カルボキシル基、メチル基、スルホ基等の官能基を有する単量体成分を用いることにより、アミド基、ヒドロキシ基、ウレア基、カルボキシル基、メチル基、スルホ基等の側鎖を有していてもよい。例えば、前記アクリル酸/メタクリル酸共重合体は、アクリル酸及びメタクリル酸以外の前記単量体成分を用いることにより、アミド基、ヒドロキシ基、ウレア基、カルボキシル基、メチル基、スルホ基等の側鎖を有していてもよい。また、(メタ)アクリル酸系重合体の重合形態には、特に制限はないが、ブロック共重合体、ランダム共重合体等が挙げられる。
アクリル酸/メタクリル酸共重合体を用いる場合、メタクリル酸に対するアクリル酸の共重合比(モル比:アクリル酸/メタクリル酸)は、特に制限はないが、1/99〜95/5が好ましい。共重合比(アクリル酸/メタクリル酸)は、タングステン材料の高い研磨速度と、タングステン材料の低いエッチング速度とを更に高度に両立する観点、及び、溶解性に優れる観点から、1/99〜40/60がより好ましい。
(メタ)アクリル酸系重合体は、水溶性高分子であってもよい。「水溶性高分子」とは、25℃において水100gに対して0.1g以上溶解する高分子として定義する。(メタ)アクリル酸系重合体は、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量の下限は、タングステン材料のエッチング速度が抑制されやすくなる観点から、1000以上が好ましい。(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量の下限は、タングステン材料に対する高い研磨速度を発現しやすくなる観点から、2000以上がより好ましく、4000以上が更に好ましい。(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量の上限は、特に制限はないが、研磨剤への溶解性及び研磨剤の保存安定性に優れる観点から、500万以下が好ましく、100万以下がより好ましく、50万以下が更に好ましい。これらの観点から、(メタ)アクリル酸系重合体の重量平均分子量は、1000以上500万以下が好ましい。
重量平均分子量(Mw)は、例えば、以下の条件で、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。
{条件}
試料:10μL
標準ポリスチレン:東ソー株式会社製、標準ポリスチレン(分子量:190000、17900、9100、2980、578、474、370、266)
検出器:株式会社日立製作所製、RI−モニター、商品名「L−3000」
インテグレーター:株式会社日立製作所製、GPCインテグレーター、商品名「D−2200」
ポンプ:株式会社日立製作所製、商品名「L−6000」
デガス装置:昭和電工株式会社製、商品名「Shodex DEGAS」
カラム:日立化成株式会社製、商品名「GL−R440」、「GL−R430」、「GL−R420」をこの順番で連結して使用
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
測定温度:23℃
流速:1.75mL/分
測定時間:45分
(メタ)アクリル酸系重合体の含有量の下限は、タングステン材料の耐エッチング性に更に優れる観点から、研磨剤の全質量を基準として、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、0.05質量%以上が更に好ましい。(メタ)アクリル酸系重合体の含有量の上限は、タングステン材料及び絶縁材料の研磨速度に更に優れる観点から、研磨剤の全質量を基準として、1質量%以下が好ましく、0.5質量%以下がより好ましい。これらの観点から、(メタ)アクリル酸系重合体の含有量は、研磨剤の全質量を基準として、0.005〜1質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましく、0.05〜0.5質量%が更に好ましい。
(その他の添加剤)
本実施形態に係る研磨剤は、研磨剤中の砥粒の分散性の向上、研磨剤の化学的安定性の向上、研磨速度の向上等の目的で、上記成分以外の添加剤を更に含有することができる。このような添加剤としては、酸成分、酸化剤、腐食防止剤、消泡剤等が挙げられる。その他の添加剤の研磨剤中の含有量は、研磨剤の特性を損なわない範囲で任意に決定できる。
本実施形態に係る研磨剤は、酸成分を含有してもよい。酸成分によりpHを制御することにより、水系分散体の分散性、安定性及び研磨速度を更に向上させることができる。酸成分は、例えば、有機酸及び無機酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である。有機酸としては、特に制限はないが、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、2−メチル酪酸、n−ヘキサン酸、3,3−ジメチル酪酸、2−エチル酪酸、4−メチルペンタン酸、n−ヘプタン酸、2−メチルヘキサン酸、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、安息香酸、グリコ−ル酸、サリチル酸、グリセリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。無機酸としては、特に制限はないが、塩酸、硫酸、硝酸、クロム酸等が挙げられる。酸成分は、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
本実施形態に係る研磨剤は、酸化剤を含有してもよい。酸化剤としては、過酸化水素;過ヨウ素酸;過酢酸;過安息香酸;過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸化合物;過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。過酸化水素は、価格が安く、液体での供給が可能である観点から、他の種類の酸化剤よりも好ましい。酸化剤は、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
酸化剤の含有量の下限は、タングステン材料の研磨速度の向上効果が得られやすい観点から、研磨剤の全質量を基準として、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、0.8質量%以上が更に好ましい。酸化剤の含有量の上限は、タングステン材料のエッチングの進行を抑制しやすく、タングステン材料の研磨速度を制御しやすい観点から、研磨剤の全質量を基準として、10質量%以下が好ましく、7質量%以下がより好ましく、4質量%以下が更に好ましい。これらの観点から、酸化剤の含有量は、研磨剤の全質量を基準として、0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜7質量%がより好ましく、0.8〜4質量%が更に好ましい。
本実施形態に係る研磨剤は、腐食防止剤を含有してもよい。腐食防止剤を用いることにより、タングステン材料の耐エッチング性を更に向上させることができる。腐食防止剤としては、特に制限はないが、トリアゾール骨格を有する化合物、イミダゾール骨格を有する化合物、ピリミジン骨格を有する化合物、グアニジン骨格を有する化合物、チアゾール骨格を有する化合物、ピラゾール骨格を有する化合物等が挙げられる。腐食防止剤は、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
トリアゾール骨格を有する化合物としては、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、2,3−ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾール、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾールメチルエステル、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾールブチルエステル、4−カルボキシル(−1H−)ベンゾトリアゾールオクチルエステル、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ナフトトリアゾール、ビス[(1−ベンゾトリアゾリル)メチル]ホスホン酸、3−アミノトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾール等が挙げられる。これらの中でも、タングステン材料の高い研磨速度と、タングステン材料の低いエッチング速度とを更に高度に両立する観点から、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、3−アミノ−1H−1,2,4−トリアゾール、4−アミノ−4H−1,2,4−トリアゾール、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−メチルベンゾトリアゾールが好ましい。
イミダゾール骨格を有する化合物としては、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−プロピルイミダゾール、2−ブチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−エチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−アミノイミダゾール等が挙げられる。
ピリミジン骨格を有する化合物としては、ピリミジン、[1,2,4]−トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、1,3,4,6,7,8−ヘキサハイドロ−2H−ピリミド[1,2−a]ピリミジン、1,3−ジフェニル−ピリミジン−2,4,6−トリオン、1,4,5,6−テトラハイドロピリミジン、2,4,5,6−テトラアミノピリミジンサルフェイト、2,4,5−トリハイドロキシピリミジン、2,4,6−トリアミノピリミジン、2,4,6−トリクロロピリミジン、2,4,6−トリメトキシピリミジン、2,4,6−トリフェニルピリミジン、2,4−ジアミノ−6−ヒドロキシルピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、2−アセトアミドピリミジン、2−アミノピリミジン、2−メチル−5,7−ジフェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、2−メチルサルファニル−5,7−ジフェニル−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、2−メチルサルファニル−5,7−ジフェニル−4,7−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾロ[1,5−a]ピリミジン、4−アミノピラゾロ[3,4−d]ピリミジン等が挙げられる。
グアニジン骨格を有する化合物としては、グアニジン、1,3−ジフェニルグアニジン、1−メチル−3−ニトログアニジン等が挙げられる。
チアゾール骨格を有する化合物としては、チアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾ−ル、2−アミノチアゾール、4,5−ジメチルチアゾール、2−アミノ−2−チアゾリン、2,4−ジメチルチアゾール、2−アミノ−4−メチルチアゾール等が挙げられる。
ピラゾール骨格を有する化合物としては、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−ピラゾロン、3−アミノ−5−メチルピラゾール、3−アミノ−5−ヒドロキシピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール等が挙げられる。
腐食防止剤は、タングステン材料の高い研磨速度を維持しながらタングステン材料のエッチングを抑制しやすい観点から、トリアゾール骨格を有する化合物、及び、イミダゾール骨格を有する化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
腐食防止剤の含有量の下限は、タングステン材料の耐エッチング性に更に優れる観点から、研磨剤の全質量を基準として、0.005質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましい。腐食防止剤の含有量の上限は、タングステン材料の研磨速度の向上効果が得られやすい観点から、研磨剤の全質量を基準として、5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましい。これらの観点から、腐食防止剤の含有量は、研磨剤の全質量を基準として、0.005〜5質量%が好ましく、0.01〜3質量%がより好ましい。
(液状媒体)
本実施形態に係る研磨剤は、液状媒体を含有することができる。液状媒体は、他の成分の分散媒又は溶媒として作用するために含有される。液状媒体としては、他の成分の作用を阻害することを防止するために、不純物をできるだけ含有しないものが好ましい。具体的には、イオン交換樹脂にて不純物イオンを除去した後にフィルタを通して異物を除去した純水;超純水;蒸留水等の水が好ましい。
(研磨剤のpH)
本実施形態に係る研磨剤のpHの下限は、機械的研磨力が得られやすいことからタングステン材料を更に高い研磨速度で研磨できると共に、砥粒が溶解し研磨剤の液状安定性が低下することを抑制することができる観点から、1.0以上が好ましく、2.0以上がより好ましく、2.1以上が更に好ましく、2.2以上が特に好ましく、2.4以上が極めて好ましい。研磨剤のpHの上限は、砥粒の分散安定性が良好な観点から、6.0以下が好ましく、5.8以下がより好ましく、5.6以下が更に好ましい。研磨剤のpHは、例えば、前記酸成分;アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)等の塩基成分により調整してもよい。pHは、液温25℃におけるpHと定義する。
研磨剤のpHは、一般的なガラス電極を用いたpHメータによって測定できる。具体的には、例えば、株式会社堀場製作所製の商品名:Model(F−51)を使用することができる。フタル酸塩pH標準液(pH4.01)と、中性リン酸塩pH標準液(pH6.86)と、ホウ酸塩pH標準液(pH9.18)とをpH標準液として用いてpHメータを3点校正した後、pHメータの電極を研磨剤に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定することでpHを得ることができる。このとき、pH標準液(標準緩衝液)及び研磨剤の液温は、例えば、共に25℃とすることができる。
本実施形態に係る研磨剤の配合方法及び希釈方法としては、特に制限はなく、例えば、翼式攪拌機による攪拌、超音波分散等で各成分を分散又は溶解させることにより研磨剤を調製することができる。また、液状媒体に対する他の成分の混合順序は限定されない。
<研磨剤用貯蔵液>
本実施形態に係る研磨剤は、貯蔵、運搬、保管等に必要なコスト、スペース等を低減する観点から、使用時に液状媒体(水等)で希釈されて使用される貯蔵液として保管できる。本実施形態に係る研磨剤は、例えば、使用時に予定されるより液状媒体(水等)の量を減じて保管され、使用以前に液状媒体(水等)で希釈(例えば、質量基準で1.5倍以上に希釈)されて研磨剤として用いられる。本実施形態に係る貯蔵液は、研磨剤を得るための研磨剤用貯蔵液であり、液状媒体(水等)で希釈する(例えば、質量基準で1.5倍以上に希釈する)ことにより研磨剤が得られる。本実施形態では、研磨の直前に液状媒体(水等)で貯蔵液を希釈して研磨剤を調製してもよい。また、研磨定盤上に貯蔵液と液状媒体(水等)とを供給し、研磨定盤上で研磨剤を調製してもよい。
<研磨方法>
次に、本実施形態に係る研磨方法(基板の研磨方法)について説明する。
本実施形態に係る研磨方法は、本実施形態に係る研磨剤を用いて被研磨面を研磨する研磨工程を備える。前記研磨剤は、研磨剤用貯蔵液を液状媒体(水等)で希釈することにより得られる研磨剤であってもよい。被研磨面は、タングステン材料を含んでいてもよく、少なくともタングステン材料を含有する層を有していてもよい。研磨工程は、例えば、基板の被研磨面を研磨定盤の研磨布に押しあて、基板における被研磨面とは反対側の面(基板の裏面)から基板に所定の圧力を加えた状態で、本実施形態に係る研磨剤を基板の被研磨面と研磨布との間に供給して、基板を研磨定盤に対して相対的に動かすことで被研磨面を研磨する工程である。研磨工程では、タングステン材料を含む被研磨材料を研磨することができる。被研磨材料は、膜状(被研磨膜)であってもよく、タングステン材料膜であってもよい。
研磨工程は、本実施形態に係る研磨剤を用いて、タングステン材料と、バリア材料(例えばバリア金属)及び絶縁材料からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含む被研磨面を研磨する工程であってもよい。研磨工程は、例えば、少なくとも、タングステン材料を含有する層と、バリア膜及び絶縁膜からなる群より選ばれる少なくとも1種と、を有する基板を研磨する工程であってもよい。バリア材料としては、タンタル、タンタル合金、タンタル化合物(酸化タンタル、窒化タンタル等)、チタン、チタン合金、チタン化合物(酸化チタン、窒化チタン等)などが挙げられる。絶縁材料としては、酸化珪素、窒化珪素等が挙げられる。
研磨装置としては、例えば、回転数を変更可能なモータ等が取り付けてあり、研磨布を貼り付け可能な研磨定盤と、基板を保持するホルダーとを有する一般的な研磨装置が使用できる。研磨布としては、特に制限はないが、一般的な不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等が使用できる。研磨条件には、特に制限はないが、基板が飛び出さないように研磨定盤の回転速度を200min−1(rpm)以下の低回転に調整することが好ましい。研磨している間、研磨布には研磨剤をポンプ等で連続的に供給することができる。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が常に研磨剤で覆われ、かつ、研磨の進行による形成物が連続的に排出されていくことが好ましい。
研磨布の表面状態を常に同一にして研磨(CMP等)を行うために、研磨の前に研磨布のコンディショニング工程を実施することが好ましい。例えば、ダイヤモンド粒子のついたドレッサを用いて、少なくとも水を含む液で研磨布のコンディショニングを行う。続いて、本実施形態に係る研磨方法を実施した後に、基板洗浄工程を更に実施することが好ましい。研磨終了後の基板は、流水中でよく洗浄後、スピンドライ等を用いて、基板上に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。また、公知の洗浄方法(例えば、市販の洗浄液を基板表面に流しつつ、ポリウレタンでできたブラシを回転させながら当該ブラシを基板に一定の圧力で押し付けて基板上の付着物を除去する方法)を実施した後に乾燥させることがより好ましい。
タングステン材料の研磨速度は、絶縁材料が充分に研磨されてエロージョン量を低減しやすく、スクラッチが少ない観点から、5〜30nm/minが好ましく、5〜25nm/minがより好ましく、5〜20nm/minが更に好ましい。
絶縁材料の研磨速度は、絶縁材料が過剰に研磨されることが抑制されやすく、エロージョン量が容易に低減して平坦性が向上しやすく、スクラッチが少ない観点から、10〜60nm/minが好ましく、10〜50nm/minがより好ましく、10〜40nm/minが更に好ましい。
仕上げ研磨後のエロージョン量の上限は、配線抵抗の増加等の問題が生じることを抑制しやすい観点から、20nm以下が好ましく、18nm以下がより好ましく、16nm以下が更に好ましい。
荒研磨後のエロージョン量から仕上げ研磨後のエロージョン量を差し引いた値(エロージョン改善量)の下限は、配線抵抗の増加等の問題が生じることを抑制しやすい観点から、0nm以上が好ましく、2.5nm以上がより好ましく、5nm以上が更に好ましい。
タングステン材料のエッチング速度の上限は、8nm/min以下が好ましく、6nm/min以下が好ましく、4nm/min以下が好ましい。エッチング速度が8nm/min以下であることにより、タングステン材料の表面にキーホール等の腐食痕が発生することが抑制され、良好な仕上げ面を得ることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例においてpHの調整には、必要に応じてアンモニア又はリンゴ酸を用いた。
<研磨剤の調製>
(実施例1)
容器に、ケイモリブデン酸0.20質量部と、(メタ)アクリル酸系重合体としてアクリル酸/メタクリル酸ブロック共重合体(AA/MA共重合体、共重合比:1/99、Mw:7000。以下、「アクリル酸/メタクリル酸共重合体1」という。)0.05質量部とを入れた。続いて、容器に超純水97.75質量部を注ぎ、攪拌して各成分を溶解させた。次に、2.00質量部に相当する量の平均粒子径70nmのシリカ粒子を添加して、研磨剤100質量部を得た。
(実施例2)
ケイモリブデン酸の含有量を0.20質量部から0.05質量部に変えると共に超純水の量を調整したこと以外は実施例1と同様にして研磨剤100質量部を得た。なお、以下の実施例及び比較例においても同様に超純水の量を調整した。
(実施例3)
ケイモリブデン酸の含有量を0.20質量部から1.00質量部に変えたこと以外は実施例1と同様にして研磨剤100質量部を得た。
(実施例4)
アクリル酸/メタクリル酸共重合体1の含有量を0.05質量部から0.01質量部に変えたこと以外は実施例1と同様にして研磨剤100質量部を得た。
(実施例5)
アクリル酸/メタクリル酸共重合体1の含有量を0.05質量部から1.00質量部に変えたこと以外は実施例1と同様にして研磨剤100質量部を得た。
(実施例6)
アクリル酸/メタクリル酸共重合体1に代えてアクリル酸/メタクリル酸共重合体2(ブロック共重合体、共重合比:60/40、Mw:8000)を用いたこと以外は実施例1と同様にして研磨剤100質量部を得た。
(比較例1)
ケイモリブデン酸を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして研磨剤100質量部を得た。
(比較例2)
シリカ粒子を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして研磨剤100質量部を得た。
(比較例3)
アクリル酸/メタクリル酸共重合体1を用いなかったこと以外は実施例1と同様にして研磨剤100質量部を得た。
(比較例4)
ケイモリブデン酸に代えてケイタングステン酸を用いたこと以外は実施例1と同様にして研磨剤100質量部を得た。
(比較例5)
ケイモリブデン酸に代えてリンモリブデン酸を用いたこと以外は実施例1と同様にして研磨剤100質量部を得た。
(比較例6)
ケイモリブデン酸に代えてリンタングステン酸を用いたこと以外は実施例1と同様にして研磨剤100質量部を得た。
(比較例7)
ケイモリブデン酸に代えて過酸化水素を用いたこと以外は実施例1と同様にして研磨剤100質量部を得た。
(比較例8)
ケイモリブデン酸に代えて過ヨウ素酸を用いたこと以外は実施例1と同様にして研磨剤100質量部を得た。
<pH測定>
研磨剤のpHを下記測定条件により測定した。
[pH測定条件]
測定器:株式会社堀場製作所製、商品名:Model(F−51)
校正液:フタル酸塩pH標準液(pH4.01)、中性リン酸塩pH標準液(pH6.86)及びホウ酸塩pH標準液(pH9.18)
測定温度:25℃
測定手順:校正液を用いて3点校正した後、電極を測定対象に入れてから25℃で2分以上放置し、安定したときのpHを測定値とした。
<評価>
実施例1〜6及び比較例1〜8の評価用基板としては、タングステン膜を有するブランケット基板と、酸化珪素膜を有するブランケット基板と、タングステン配線付きパターン基板(SEMATECH製754CMPパターン)とを用いた。上記で調製した研磨剤を用いてこれらの基板の研磨を行った。パターン基板の研磨では、パターン基板を荒研磨した後に、上記で調製した研磨剤を用いて仕上げ研磨を行った。
荒研磨前のタングステン配線付きパターン基板は、図2の(a)に示すように、ストライプ状パターン部(配線金属部と絶縁膜部とが交互に並んだ部分)を有していた。パターン基板は、表面に凹凸が形成された酸化珪素膜11と、酸化珪素膜11の表面の凹凸に追従するように形成されたバリア膜12と、凹凸を埋めるように堆積されたタングステン膜13とを有していた。上記パターン基板のバリア膜12は、厚さ30nmの窒化チタン膜(チタンナイトライド膜)であった。上記で調製した研磨剤を用いた仕上げ研磨に先立って、タングステン膜の研磨速度が酸化珪素膜よりも非常に速い公知の研磨剤を用いてCMP法で荒研磨した後に洗浄し、図2の(b)に示すように、凸部の酸化珪素膜を被研磨面に露出させた。
研磨及び洗浄のための装置としては、CMP用研磨機Reflexion LK(APPLIED MATERIALS社製)を用いた。研磨布としては、発泡ポリウレタン樹脂(商品名:IC1010、Rohm and Haas製)からなる研磨布を用いた。定盤回転数を93回/min、ヘッド回転数を87回/min、研磨圧力を14kPa、研磨剤の供給量を300mL/minに調整した。ブランケット基板及びパターン基板の研磨時間は60秒間であった。
(ブランケット基板の評価)
タングステン膜を有するブランケット基板を用いてタングステン膜の研磨速度を求めた。研磨前後でのタングステン膜の膜厚を金属膜厚測定装置(日立国際電気株式会社製、型番VR−120/08S)を用いて測定し、その膜厚差と研磨時間とから研磨速度を求めた。
酸化珪素膜を有するブランケット基板を用いて酸化珪素膜の研磨速度を求めた。研磨前後での酸化珪素膜の膜厚を膜厚測定装置RE−3000(大日本スクリーン製造株式会社製)を用いて測定し、その膜厚差と研磨時間とから研磨速度を求めた。
(タングステン材料におけるエッチング速度の評価)
タングステン膜を有するブランケット基板を20mm角に切断して試験片を得た。研磨剤を60℃に維持し、前記試験片を研磨剤に5min浸漬した。浸漬前後のタングステン膜厚を金属膜厚測定装置(NAPSON株式会社製、型番RT−80/RG−80)を用いて測定し、その膜厚差と浸漬時間とからエッチング速度を算出した。
(タングステン配線付きパターン基板の評価)
荒研磨後のエロージョン量は、上記荒研磨及び洗浄により得たパターン基板において、図2の(b)に示すように、基板の外縁部の酸化珪素膜の膜厚A1と、ストライプ状パターン部の酸化珪素膜の膜厚B1との差(A1−B1)として得た。
仕上げ研磨後のエロージョン量は、図2の(c)に示すように、基板の外縁部の酸化珪素膜の膜厚A2と、ストライプ状パターン部の酸化珪素膜の膜厚B2との差(A2−B2)として得た。
基板の外縁部における酸化珪素膜の研磨量は、荒研磨後の膜厚A1から仕上げ研磨後の膜厚A2を差し引いた(A1−A2)として得た。ストライプ状パターン部における酸化珪素膜の研磨量は、荒研磨後の膜厚B1から仕上げ研磨後の膜厚B2を差し引いた(B1−B2)として得た。
酸化珪素膜の膜厚は、光干渉膜厚計(ナノメトリクス社製、型番Nano Spec/AFT5100)を用いて測定した。
エロージョン改善量は、荒研磨後のエロージョン量(A1−B1)と、仕上げ研磨後のエロージョン量(A2−B2)との差((A1−B1)−(A2−B2))として得た。
実施例の結果を表1に示し、比較例の結果を表2に示す。なお、表1及び表2における各成分の含有量は、研磨剤の全質量を基準とした含有量(単位:質量%)である。
Figure 0006592998
Figure 0006592998
表1に示されるとおり、実施例1〜6においては、タングステン膜の研磨速度は高く、タングステン膜のエッチング速度は低い。また、タングステン配線付きパターン基板を用いた場合において、仕上げ研磨後のエロージョン量は、荒研磨後のエロージョンよりも少なく、平坦性が改善されている。
実施例1における仕上げ研磨後のエロージョン改善量は、比較例よりも多く、実施例1における外縁部の酸化珪素膜の研磨量はパターン部よりも多い。これは、アクリル酸/メタクリル酸共重合体1がパターン部を保護することで外縁部の酸化珪素膜が優先的に研磨されたためと考えられる。また、タングステン材料がケイモリブデン酸で一様に酸化されることもエロージョン量の低減に繋がっていると考えられる。
ケイモリブデン酸を減量した場合(実施例2)、実施例1と比較して仕上げ研磨後のエロージョン改善量が少ない。これは、タングステン膜の研磨速度が低くなったことで、酸化珪素膜が実施例1よりも研磨されたためと考えられる。
ケイモリブデン酸を増量した場合(実施例3)、実施例1と比較して仕上げ研磨後のエロージョン改善量が少ない。これは、タングステン膜の研磨速度が高くなったことで、タングステン膜が実施例1よりも過研磨されたためと考えられる。
アクリル酸/メタクリル酸共重合体1を減量した場合(実施例4)、実施例1と比較して仕上げ研磨後のエロージョン改善量が少ない。これは、アクリル酸/メタクリル酸共重合体1で保護されるパターン部が減少したためと考えられる。
アクリル酸/メタクリル酸共重合体1を増量した場合(実施例5)、実施例1と比較して仕上げ研磨後のエロージョン改善量が多い。これは、アクリル酸/メタクリル酸共重合体1で保護されるパターン部が増加したためと考えられる。
アクリル酸/メタクリル酸共重合体2を用いた場合(実施例6)、仕上げ研磨後のエロージョン改善量は実施例1と同等である。これは、アクリル酸/メタクリル酸共重合体1とアクリル酸/メタクリル酸共重合体2が保護できるパターン部の範囲が同等であるためと考えられる。
表2に示されるとおり、ケイモリブデン酸を用いていない場合(比較例1)、仕上げ研磨後のエロージョン量は荒研磨後よりも多い。これは、ケイモリブデン酸を用いていない場合のタングステン膜に対する化学的作用が弱いため、タングステン膜の研磨速度が低くなり、酸化珪素膜が過研磨されることで、エロージョンが進行したと考えられる。
シリカ粒子を用いていない場合(比較例2)、タングステン膜及び酸化珪素膜の研磨速度が非常に小さく、仕上げ研磨後のエロージョン量は荒研磨後のエロージョン量とほぼ同等である。
アクリル酸/メタクリル酸共重合体1を用いていない場合(比較例3)、仕上げ研磨後のエロージョン量は荒研磨後よりも多く、タングステン膜のエッチング速度が高い。これは、アクリル酸/メタクリル酸共重合体1を用いていない場合、ケイモリブデン酸の腐食作用を充分に抑制できないため、エロージョンが進行したと考えられる。
ケイモリブデン酸に代えてケイタングステン酸を用いた場合(比較例4)、仕上げ研磨後のエロージョン量は荒研磨後よりも多い。これは、タングステン膜に対するケイタングステン酸の化学的作用がケイモリブデン酸よりも弱いため、タングステン膜の研磨速度が低くなり、酸化珪素膜が過研磨されることで、エロージョンが進行したと考える。
ケイモリブデン酸に代えてリンモリブデン酸又はリンタングステン酸を用いた場合(比較例5及び比較例6)も、仕上げ研磨後のエロージョン量は荒研磨後よりも多い。これも、比較例4と同様に、タングステン膜に対するリンモリブデン酸及びリンタングステン酸の化学的作用がケイモリブデン酸よりも弱いため、タングステン膜の研磨速度が低くなり、酸化珪素膜が過研磨されることで、エロージョンが進行したと考える。
ケイモリブデン酸化合物を用いることなく過酸化水素を用いた場合(比較例7)、仕上げ研磨後のエロージョン量は荒研磨後よりも多い。これは、過酸化水素を用いる場合、酸化されるタングステン膜がケイモリブデン酸に比べて一様でないため、エロージョン量が増加したと考えられる。
ケイモリブデン酸化合物を用いることなく過ヨウ素酸を用いた場合(比較例8)、仕上げ研磨後のエロージョン量は荒研磨後よりも多く、タングステン膜のエッチング速度が高い。これは、タングステン膜に対する過ヨウ素酸の化学的作用がケイモリブデン酸よりも強いため、エロージョン量が増加したと考えられる。
1…絶縁膜、2…バリア膜、3…配線金属、11…酸化珪素膜、12…バリア膜、13…タングステン膜。

Claims (7)

  1. 砥粒と、ケイモリブデン酸化合物と、共重合比(モル比:アクリル酸/メタクリル酸)が1/99〜95/5のアクリル酸/メタクリル酸共重合体と、を含有する、タングステン用研磨剤。
  2. 前記アクリル酸/メタクリル酸共重合体の重量平均分子量が1000以上500万以下である、請求項1に記載の研磨剤。
  3. 前記砥粒がコロイダルシリカを含む、請求項1又は2に記載の研磨剤。
  4. pHが1.0〜6.0である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の研磨剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨剤を得るための研磨剤用貯蔵液であって、
    液状媒体で希釈することにより前記研磨剤が得られる、研磨剤用貯蔵液。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の研磨剤を用いて被研磨面を研磨する、研磨方法。
  7. 前記被研磨面がタングステン材料を含む、請求項6に記載の研磨方法。
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