以下に、本願の開示する無線アクセスシステム及び無線アクセスシステムの制御方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例により本願の開示する無線アクセスシステム及び無線アクセスシステムの制御方法が限定されるものではない。
図1は、無線アクセスシステムの全体構成の一例を表す概略図である。無線アクセス装置は、例えば、LTE(Long Term Evolution)網及び3G(3rd Generation)網を有する。
LTE網には、例えば、PGW(PDN(Packet Data Network) Gateway)11、SGW(Serving Gateway)12及びeNB(Evolved Node B)13が配置される。PGW11及びSGW12は、コアネットワークであるEPC(Evolved Packet Core)14を形成する。また、eNB13は、無線ネットワークであるE−UTRAN(Evolved Universal Radio Access Network)15を形成する。UE(User Equipment)40は、無線通信端末である。以下では、UE40を用いて無線アクセスシステムを利用するユーザを「利用者」という。
PGW11は、パケット網PDN(Packet Data Network)30に接続する。PGW11は、外部のインターネットや企業イントラネットなどに接続するためのゲートウェイである。SGW12は、ユーザデータのパケットデータであるU−planeを扱うゲートウェイである。
eNB13は、基地局装置である。eNB13は、UE40との間で無線通信によりデータの送受信を行う。eNB13は、UE40から受信したデータをSGW12へ送信する。eNB13が受信したUE40からのデータは、SGW12及びPGW11を介してパケット網PDN30へ送信される。また、パケット網PDN30から送信されたデータは、PGW11及びSGW12を介してeNB13へ送信される。そして、eNB13は、受信したデータをUE40へ送信する。
3G網には、例えば、GGSN(Gateway GPRS(General Packet Radio Service) Support Node)21及びSGSN(Serving GPRS Support Node)22が配置される。さらに、3G網には、RNC(Radio Network Controller)23及びNodeB24が配置される。GGSN21及びSGSN22は、パケット交換に基づくサービスを提供するPS(Packet Switched)ドメイン25を形成する。また、RNC23及びNodeB24は、無線ネットワークであるUTRAN26を形成する。
GGSN21は、パケット網PDN30に接続する。GGSN21は、外部のインターネットや企業イントラネットなどに接続するためのゲートウェイである。SGSN22は、3G無線アクセスにおける端末の移動管理やセキュリティ制御などを行うゲートウェイである。
NodeB24は、3G通信における無線基地局の下位局である。また、RNC23は、NodeB24の上位局であり、無線ネットワーク制御を行う。NodeB24は、UE40との間で無線通信によりデータを受信し、RNC23へ転送する。RNC23は、UE40からのデータをSGSN22及びGGSN21を介してパケット網PDN30へ送信する。また、パケット網PDN30から送信されたデータは、GGSN21及びSGSN22を介してRNC23へ送信される。そして、RNC23は、受信したデータをNodeB24を介してUE40へ送信する。
例えば、以下に説明する本実施例に係る基地局管理装置1の各機能は、3G網であればGGSN21又はSGSN22に搭載されてもよいし、またLTE網であればPGW11やSGW12に搭載されてもよい。また、例えば、以下に説明する本実施例に係る基地局装置2の各機能は、3G網であればRNC23に搭載されてもよいし、またLTE網であればeNB13に搭載されてもよい。さらに、UE40は、以下に説明する本実施例に係る無線端末装置3の各機能を搭載することができる。
次に、図2を参照して、本実施例に係る基地局管理装置1、基地局装置2及び無線端末装置3について説明する。図2は、実施例1に係る無線アクセスシステムのブロック図である。以下では、基地局装置2の情報を対象として接続先の切り替えを説明するが、実際には、例えば、基地局装置2と特定する情報としてその基地局装置2のセルの情報を用いてもよい。
基地局装置2は、データ送受信部201、エリア判定部202、リスト作成部203、MC(Measurement Control)管理部204及びハンドオーバ処理部205を有する。以下では、基地局装置2が、無線端末装置3の接続先となっているもしくは接続先として選択される場合で説明する。ここで、無線端末装置3と接続している基地局装置2は、「サービングセル」という。
データ送受信部201は、基地局管理装置1のデータ送受信部101と有線又は無線で接続する。また、データ送受信部201は、無線端末装置3のデータ送受信部301と無線で接続する。そして、データ送受信部201は、データ送受信部101及びデータ送受信部301とデータの送受信を行う。
データ送受信部201は、無線端末装置3の電源がオンになった場合及び無線端末装置3が利用者からの基地局変更要求の入力を受けた場合に、データ送受信部201から通信要求を受ける。ここで、電源オンの場合、無線端末装置3によって仮のサービング基地局として選択された基地局装置2が通信要求を受ける。そして、データ送受信部301は、各周辺基地局装置との間の電波強度の測定結果を、選択した基地局装置2のデータ送受信部201へ送信する。
データ送受信部201は、無線端末装置3との間で無線リソースを確立する。その後、データ送受信部201は、無線端末装置3の周辺基地局の電波強度の測定結果をデータ送受信部301から受信する。ここで、周辺基地局装置とは、無線端末装置3の周辺に存在する基地局装置2であり、具体的には、無線端末装置3が信号を受信可能な全ての基地局装置2である。データ送受信部201は、周辺基地局の電波強度の測定結果をエリア判定部202へ送信する。
また、データ送受信部201は、無線端末装置3がハンドオーバ条件に一致した場合、無線端末装置3の周辺基地局の電波強度の測定結果を含むMeasurementReportをデータ送受信部301から受信する。そして、データ送受信部201は、周辺基地局の電波強度の測定結果をエリア判定部202へ送信する。
図3は、周辺基地局の電波強度の測定結果の一例を表す図である。データ送受信部201は、周辺基地局の電波強度の測定結果の通知として、図3に示す測定結果テーブル401をエリア判定部202へ送信してもよい。データ送受信部201は、例えば、測定結果テーブル401において、各基地局装置2の識別情報としてその基地局装置2のセルの識別子であるCell PCI(Physical Cell Identifier)を登録する。さらに、データ送受信部201は、測定結果テーブル401に各Cell PCIに対応して電波強度を登録する。以下では、周辺基地局装置のセルを、「近隣セル」という。そして、データ送受信部201は、各情報を登録した測定結果テーブル401をエリア判定部202へ送信する。
その後、無線端末装置3のハンドオーバの実施が決定された場合、データ送受信部201は、ハンドオーバの実施の通知をハンドオーバ処理部205から受ける。そして、データ送受信部202は、ハンドオーバの実施の命令をデータ送受信部301へ送信する。
これに対して、ハンドオーバを実施せずに接続先の基地局装置2の選択を利用者に行わせる場合、データ送受信部201は、無線端末装置3の近隣にある基地局装置2のリストである周辺基地局リストをリスト作成部203から受信する。周辺基地局リストについては後で詳細に説明する。そして、データ送受信部201は、周辺基地局リストをデータ送受信部101へリスト更新要求とともに送信する。
その後、データ送受信部201は、リスト更新要求に対する応答として更新された周辺基地局リストをデータ送受信部101から受信する。そして、データ送受信部201は、MC管理部204に更新された周辺基地局リストとともにMegermentControlの作成要求を送信する。
その後、データ送受信部201は、接続先の基地局装置2を利用者に選択させるためのMeasurementControl、すなわち、更新された周辺基地局リストに記載の内容が格納されたMeasurementControlをMC管理部204から受信する。以下では、接続先の基地局装置2を利用者に選択させるためのMeasurementControlを、「選択用MeasurementControl」という。そして、データ送受信部201は、選択用MeasurementControlをデータ送受信部301へ送信する。
さらに、その後、データ送受信部201は、接続先として利用者により選択された基地局装置2(以下では、「選択基地局装置」という。)の情報をデータ送受信部301から受信する。そして、データ送受信部201は、選択基地局装置の情報をハンドオーバ処理部205へ送信する。
また、ハンドオーバは実施しないが基地局装置2の選択も利用者に行わせない場合、データ送受信部201は、通常のMeasurementControlをMC管理部204から受信する。通常のMeasurementControlには、ハンドオーバの閾値及び周辺基地局の候補のリストが格納されている。そして、データ送信部201は、MeasurementControlをデータ送受信部301へ送信する。ここで、通常のMeasurementControlとは、選択用MeasurementControlと異なり、無線端末装置3に対して、単にハンドオーバ条件を満たした場合にMeasurementReportを送信させるための信号である。ハンドオーバ条件とは、例えば、送信したハンドオーバの閾値を信号以上に受信強度がなった場合にMeasurementReportを送信させるなどといった条件である。
エリア判定部202は、予め決められたエリア判定閾値を有する。本実施例では、エリア判定部202は、エリア判定閾値として15dbmを記憶する。実際には、エリア判定閾値は、無線アクセスシステムの運用状態に合わせて設定されることが好ましい。
エリア判定部202は、周辺基地局の電波強度の測定結果の入力をデータ送受信部201から受ける。そして、エリア判定部202は、周辺基地局装置の中から1つ基地局装置2を選択する。そして、エリア判定部202は、サービングセルの電波強度と選択した基地局装置2の近隣セルの電波強度とを用いて、図4に表す条件402を用いて無線端末装置3の所在エリアが選択可能エリアか否かを判定する。図4は、選択可能エリアの判定基準を表す図である。ここで、選択可能エリアとは、無線端末装置3がそのエリアに在圏する場合に、接続先の候補として複数の基地局装置2を有することになるエリアを指す。
例えば、図5に示すように基地局装置2が2つ配置されており、2つのセルが重なるエリア501と1つのセルにのみ覆われるエリア502がある場合で説明する。図5は、無線端末装置の在圏エリアを説明するための図である。無線端末装置3がエリア501に在圏する場合、無線端末装置3は、2つの基地局装置2から1つを接続先として選択することができる。すなわち、エリア501は、選択可能エリアである。これに対して、無線端末装置3がエリア502に在圏する場合、無線端末装置3は、在圏するエリアの基地局装置2のみを接続先として選ぶことができ、他の基地局装置2を選択することは困難である。すなわち、エリア502は、選択不可エリアである。
エリア判定部202は、サービングセルと選択した基地局装置2の近隣セルとの電波強度の差の絶対値を求める。そして、エリア判定部202は、求めた値が15dbm未満か否かを判定する。求めた値が15dbm未満の場合、エリア判定部202は、条件402に示すように無線通信装置3が選択可能エリアに在圏すると判定する。また、求めた値が15dbmより小さい場合、エリア判定部202は、条件402に示すように無線端末装置3が選択不可エリアに在圏すると判定する。
さらに、エリア判定部202は、ハンドオーバ閾値を予め記憶している。そして、エリア判定部202は、サービングセルの電波強度がハンドオーバ閾値未満か否かを判定する。ハンドオーバ閾値以上であれば、エリア判定部202は、以下の処理を実施する。すなわち、エリア判定部202は、基地局装置2が選択可能エリアに在圏する場合、周辺基地局リストの作成要求とともに周辺基地局情報をリスト作成部203へ送信する。これに対して、基地局装置2が選択不可エリアに在圏する場合、エリア判定部202は、選択用MeasurementControlの作成要求をMC管理部204へ送信する。
これに対して、サービングセルの電波強度がハンドオーバ閾値未満の場合、エリア判定部202は、図6に示す条件403にしたがって、ハンドオーバを実施するか否かを判定する。図6は、ハンドオーバ実施の判定条件を表す図である。すなわち、エリア判定部202は、サービングセルの電波強度がハンドオーバ閾値未満であっても、無線端末装置3が在圏するエリアが選択可能エリアの場合、ハンドオーバを実施しないと判定する。そして、エリア判定部202は、周辺基地局リストの作成要求とともに周辺基地局情報をリスト作成部203へ送信する。これに対して、サービングセルの電波強度がハンドオーバ閾値未満であって且つ基地局装置2が選択不可エリアに在圏する場合、エリア判定部202は、ハンドオーバを実施すると判定する。次に、エリア判定部202は、周辺基地局の電波強度の測定結果からハンドオーバ先の基地局装置2を特定する。そして、エリア判定部202は、ハンドオーバ先の基地局装置2の情報をハンドオーバ処理部205へ通知する。
リスト作成部203は、周辺基地局リストの作成要求とともに周辺基地局情報をエリア判定部202から受信する。そして、リスト作成部203は、周辺基地局装置毎に、接続している無線端末装置3の数を表すユーザ数及び下りデータの空き容量を表す空き下りデータ量の登録欄を有する図7に示す周辺基地局リスト404を作成する。図7は、実施例1に係る周辺基地局リストの一例の図である。ここでは、ユーザ数及び空き下りデータ量ともに不明であるので、リスト作成部203は、いずれも空欄にする。そして、リスト作成部203は、データ送受信部201に周辺基地局リストを送信する。
MC管理部204は、基地局管理装置1により更新された図7に示す周辺基地局リスト405をデータ送受信部201から受信する。そして、MC管理部204は、周辺基地局リスト405の情報を格納した選択用MeasurementControlを作成する。すなわち、選択用MeasurementControlは、周辺基地局装置のCell PCに対応させてユーザ数及び空き下りデータ量を格納する。さらに、選択用MeasurementControlは、通常のMegermentControlと同様にハンドオーバの閾値を格納する。そして、MC管理部204は、選択用MeasurementControlをデータ送受信部201へ送信する。
また、MC管理部204は、MeasurementControlの作成要求をエリア判定部202から受信する。次に、MC管理部204は、通常のMeasurementControlを作成する。そして、MC管理部204は、通常のMeasurementControlをデータ送受信部201へ送信する。
ハンドオーバ処理部205は、サービングセルの信号強度がハンドオーバの閾値未満となり且つ無線端末装置3が選択可能エリアに在圏しない場合、ハンドオーバ先のセルの情報をエリア判定部202から受信する。そして、ハンドオーバ処理部205は、データ送受信部201及び基地局管理装置1を介してハンドオーバ先のセルを有する基地局装置2へハンドオーバの情報を通知する。さらに、ハンドオーバ処理部205は、データ送受信部201を介して無線端末装置3へハンドオーバ先のセルへのハンドオーバの実施を指示する。
また、ハンドオーバ処理部205は、無線端末装置3が選択可能エリアに在圏する場合、利用者により接続先の基地局装置2として選択された選択基地局装置の情報をデータ送受信部201から受信する。そして、ハンドオーバ処理部205は、データ送受信部201及び基地局管理装置1を介して選択基地局装置へハンドオーバの情報を通知する。さらに、ハンドオーバ処理部205は、データ送受信部201を介して無線端末装置3へ選択基地局へのハンドオーバの実施を指示する。
基地局管理装置1は、データ送受信部101、リスト管理部102、基地局情報管理部103及び接続管理部104を有する。
データ送受信部101は、基地局装置2のデータ送受信部201と接続する。そして、データ送受信部101は、データ送受信部201との間でデータの送受信を行う。
例えば、データ送受信部101は、基地局装置2に接続した無線端末装置3の情報及び接続が切断された無線端末装置3の情報をデータ送受信部201から取得する。そして、基地局装置2と接続した又は切断が行われた無線端末装置3の情報を基地局情報管理部103へ送信する。
また、データ送受信部101は、他の基地局装置2から受信したデータや上位のネットワーク(不図示)から受信した無線端末装置3宛てのデータをデータ送受信部201へ送信する。以下では、基地局装置2から無線端末装置3へ向かうデータを、「下りデータ」という。そして、データ送受信部101は、下りデータのデータ量を基地局情報管理部103へ送信する。
また、データ送受信部101は、図7に示される周辺基地局リスト404をリストの更新要求とともにデータ送受信部201から受信する。そして、データ送受信部101は、周辺基地局リスト404をリスト管理部102へリストの更新要求とともに送信する。
その後、データ送受信部101は、リストの更新要求の応答として、図7に示す更新された周辺基地局リスト405を受信する。そして、データ送受信部101は、更新された周辺基地局リスト405をデータ送受信部201へ送信する。
接続管理部104は、基地局装置2からの無線端末装置3の認証要求を受信する。そして、接続管理部104は、認証を行い、接続の可否を無線端末装置3に通知する。認証が成功した場合、接続管理部104は、基地局装置2と無線端末装置3との接続の情報を基地局情報管理部103へ格納する。
また、接続管理部104は、基地局装置2から無線端末装置3の切断要求を受ける。そして、接続管理部104は、基地局装置2と無線端末装置3との接続の切断の情報を基地局装置2から受信する。接続管理部104は、接続の切断の可否を無線端末装置3に通知する。切断が成功した場合、接続管理部104は、切断による基地局装置2と無線端末装置3との接続の解消を基地局情報管理部103へ通知する。
基地局情報管理部103は、ハードディスクなどの記憶媒体を有する。そして、基地局情報管理部103は、各基地局装置2の下りデータのデータ量をデータ送受信部101から受信する。また、基地局情報管理部103は、基地局装置2に接続した無線端末装置3の情報及び基地局装置2との接続を切断した無線端末装置3の情報を接続管理部104から受信する。そして、基地局情報管理部103は、基地局装置2毎に、接続する無線端末装置3の数であるユーザ数及び下りデータのデータ量を格納する。
リスト管理部102は、リストの更新要求及び周辺基地局リスト404をデータ送受信部101から受信する。リストの更新要求を受信すると、リスト管理部102は、基地局情報管理管理部103から周辺基地局リスト404に登録されているCell PCIに対応するユーザ数及び下りデータ量(C)を基地局管理DBから取得する。ここで、リスト管理部102は、各基地局装置2の下りの最大データ容量(Cmax)を記憶している。そして、リスト管理部102は、最大データ容量(Cmax)から下りデータ量(C)を減算して、空き下りデータ量を算出する。
次に、リスト管理部102は、受信した周辺基地局リスト404に、各Cell PCIに対応するユーザ数及び空き下りデータ量を登録し、図7における更新後の周辺基地局リスト405を生成する。そして、リスト管理部102は、生成した周辺基地局リスト405をデータ送受信部101へ送信する。
無線端末装置3は、データ送受信部301、電波強度測定部302、リスト管理部303、表示制御部304、MR(Measurement Report)作成部305及び表示部306を有する。
データ送受信部301は、データ送受信部201と無線で接続する。そして、データ送受信部301は、データ送受信部201との間でデータの送受信を行う。
電源オン時、データ送受信部301は、各周辺基地局装置との間の電波強度の測定結果を電波強度測定部302から取得する。そして、データ送受信部301は、取得した各周辺基地局装置との間の電波強度から最も電波強度が強い基地局装置2を仮のサービング基地局として選択する。そして、データ送受信部301は、各周辺基地局装置との間の電波強度の測定結果を、選択した基地局装置2のデータ送受信部201へ送信する。
また、データ送受信部301は、通常のMeasurementControlをデータ送受信部201から受信する。そして、データ送受信部301は、受信した通常のMeasurementControlをMR作成部305へ送信する。その後、ハンドオーバ条件が満たされた場合、データ送受信部301は、各周辺基地局装置との間の電波強度の測定結果を含むMeasurementReportをMR作成部305から取得する。そして、データ送受信部301は、MeasurementReportをデータ送受信部201へ送信する。
また、利用者からリスト更新要求が入力された場合、データ送受信部301は、各周辺基地局装置との間の電波強度の測定結果を電波強度測定部302から取得する。そして、データ送受信部301は、取得した各周辺基地局装置との間の電波強度の測定結果をデータ送受信部201へ送信する。
また、データ送受信部301は、選択用MeasurementControlをデータ送受信部201から受信する。そして、データ送受信部301は、選択用MeasurementControlをリストの更新要求とともにリスト管理部303へ送信する。
ここで、データ送受信部301は、ペンディングタイマを有している。このペンディングタイマは、選択用MeasurementControlに格納されている周辺基地局リストの情報に基づく接続先の基地局装置2の選択を利用者から受け付ける待機時間を計測するタイマである。データ送受信部301は、リストの更新要求をリスト管理部303へ送信した後ペンディングタイマによるカウントを開始する。そして、データ送受信部301は、ペンディングタイマが満了するまでの時間、電波強度測定部302から周辺基地局の電波強度の測定結果を受信する。そして、データ送受信部301は、受信した周辺基地局の電波強度の測定結果をデータ送受信部201へ送信する。これにより、ペンディングタイマが満了するまでの期間、基地局装置2による接続先の切り替えのハンドオーバ処理が実行されるのを抑制し、利用者が接続先の基地局装置2を選択する期間を確保することができる。
その後、利用者による接続先の基地局装置2の選択を受けて、データ送受信部301は、選択基地局装置を接続先として指定するMeasurementReportをMR作成部305から受ける。そして、データ送受信部301は、選択基地局装置を接続先として指定するMeasurementReportをデータ送受信部201へ送信する。
電波強度測定部302は、周辺基地局装置から送信された電波を取得し電波強度を定期的に測定する。そして、電波強度測定部302は、測定結果をMR作成部305へ送信する。
また、電波強度測定部302は、選択用MeasurementControlが送られてきた場合、電波強度の測定要求をリスト管理部303から受ける。そして、電波強度測定部302は、周辺基地局装置の電波強度を測定する。その後、電波強度測定部302は、周辺基地局装置の電波強度の測定結果をリスト管理部303へ送信する。
また、電波強度測定部302は、リスト更新要求が利用者から指示された場合、電波強度の測定要求を表示制御部304から受ける。そして、電波強度測定部302は、周辺基地局装置の電波強度を測定する。その後、電波強度測定部302は、周辺基地局装置の電波強度の測定結果をデータ送受信部301へ送信する。
リスト管理部303は、選択用MeasurementControlをリストの更新要求とともにデータ送受信部301から受信する。そして、リスト管理部303は、選択用MeasurementControlに記載されているCell PCI、並びに、各Cell PCIに対応する電波強度、ユーザ数及び空き下りデータ量を抽出する。
次に、リスト管理部303は、抽出したCell PCIに対応する基地局装置2の電波強度の測定要求を電波強度測定部302に送信する。その後、リスト管理部303は、電波強度の測定結果を電波強度測定部302から受信する。
次に、リスト管理部303は、選択用MeasurementControlに記載されている各基地局装置2の電波強度を、電波強度測定部302から受信した測定結果に更新する。そして、リスト管理部303は、電波強度を更新した各基地局装置2のCell PCI、並びに、それに対応する電波強度、ユーザ数及び空き下りデータ量を表示制御部304へ送信する。
表示制御部304は、各基地局装置2のCell PCI、並びに、それに対応する電波強度、ユーザ数及び空き下りデータ量をリスト管理部303から受信する。次に、表示制御部304は、予め決められたフォーマットに受信した情報を記載して、図8に示すような接続先の基地局装置2を選択させる基地局選択画面406を生成する。図8は、実施例1に係る基地局選択画面の一例の図である。そして、表示制御部304は、生成した基地局表示画面406をモニタなどの表示部306に表示させる。
基地局表示画面406は、接続先とする基地局装置2のCell PCIを選択し、セル選択ボタンを押下することで、選んだCell PCIを有する基地局装置2が接続先として入力される画面である。利用者は、基地局選択画面406の電波状況、ユーザ数及び空き下りデータ量を確認して、接続先とする基地局装置2を決定する。
ここで、電波強度が強いほど通信状態が良い基地局装置2である。また、ユーザ数が多いほど、負荷が高いので、通信速度が低下する恐れがある。また、空き下りデータ量が多いほど、使用できる帯域が広いので、通信速度が向上する可能性がある。そこで、利用者は、電波強度が強く、ユーザ数が少なく、空き下りデータ量が多い基地局装置2を選択することで、より快適な通信環境を得ることができる。特に、利用者は、ユーザ数が少なく、空き下りデータ量が多い基地局装置2を選択することで、通信負荷の低い基地局装置2に無線端末装置3を接続させることができ、ユーザ体感品質を向上させることができる。
表示制御部304は、利用者から入力された接続先として選択された基地局装置2である選択基地局装置のCell PCIなどの情報を取得する。そして、表示制御部304は、選択基地局装置の情報をMR作成部305へ送信する。
また、表示制御部304は、新しい周辺基地局リストに基づく基地局選択画面を表示させるためのリスト更新要求を利用者から受信した場合、周辺基地局装置の電波強度の測定要求を電波強度測定部302へ送信する。
MR作成部305は、選択基地局装置の情報を表示制御部304から受信する。次に、MR作成部305は、通知された選択基地局装置を接続先として指定するMeasurementReportを生成する。
具体的には、MR作成部305は、選択基地局装置がサービングセルとなるように、選択基地局装置の電波強度を、その時点で最も電波強度が良い基地局装置2よりも良い値に修正する。より詳しくは、MR作成部305は、その時点で最も電波強度が良い基地局装置2の電波状況よりもエリア判定を行う場合のエリア判定閾値より大きくなるように選択基地局装置の電波強度を修正する。例えば、エリア判定閾値が「15dBm」である場合、MR作成部305は、選択基地局装置の電波強度をその時点で最も電波強度が良い基地局装置2の電波状況に「16dbm」加えた値とする。そして、MR作成部305は、修正した周辺基地局装置の電波強度を含むMeasurementReportを生成することで、通知された選択基地局装置を接続先として指定するMeasurementReportを生成する。これにより、送信したMeasurementReportに基づくハンドオーバが行われる場合に、基地局装置2により無線端末装置3が選択不可エリアに在圏すると判定され、確実にハンドオーバが行われる。
そして、MR作成部305は、生成したMeasurementReportをデータ送信部301へ送信する。
また、MR作成部305は、通常のMeasurementControlをデータ送受信部201から受信する。そして、MR作成部305は、MeasurementControlで指定されているハンドオーバ条件、例えば、電波強度の閾値などを取得する。また、MR作成部305は、電波強度の測定結果を電波強度測定部302から定期的に受信する。そして、MR作成部305は、受信した電波強度の測定結果がハンオーバ条件を満たした場合、MeasurementReportを作成する。その後、MR作成部305は、作成したMeasurementReportをデータ送受信部301へ送信する。
次に、図9を参照して、本実施例に係る無線アクセスシステムにおける接続先の基地局選択画面の提供処理の全体的な流れについて説明する。図9は、実施例1に係る無線アクセスシステムにおける接続先の基地局選択画面の提供処理のシーケンス図である。ここでは、無線端末装置3の電源をオンにした場合の接続先の基地局装置2の選択処理について説明する。すなわち、ここで接続先切り替えのための通信を行う基地局装置2は、仮のサービング基地局として選択された基地局装置2である。
電波強度測定部302は、無線端末装置3の電源がオンになると、周辺基地局装置の電波強度を測定する(ステップS1)。そして、電波強度測定部302は、電波強度の測定結果をデータ送受信部301へ送信する(ステップS2)。
データ送受信部301は、電波強度の測定結果を基地局装置2のデータ送受信部201へ送信する(ステップS3)。
データ送受信部201は、判定要求とともに電波強度の測定結果をエリア判定部202へ送信する(ステップS4)。
エリア判定部202は、無線端末装置3が選択可能エリアに在圏しているか否かを判定する(ステップS5)。ここでは、無線端末装置3が選択可能エリアに在圏している場合で説明する。エリア判定部202は、周辺基地局装置の情報とともにリスト作成要求をリスト作成部203へ送信する(ステップS6)。
リスト作成部203は、リスト作成要求を受信すると、周辺基地局装置の情報を用いて周辺基地局リストを作成する(ステップS7)。そして、リスト作成部203は、作成した周辺基地局リストをデータ送受信部201へ送信する(ステップS8)。データ送受信部201は、リスト作成部203から受信した周辺基地局リストを、基地局管理装置1のデータ送信部101へ送信する(ステップS9)。
データ送受信部101は、周辺基地局リストを受信すると、リスト更新要求とともに周辺基地局リストをリスト管理部102へ送信する(ステップS10)。
リスト管理部102は、リスト更新要求を受信すると、周辺基地局リストに記載された各基地局装置2の負荷情報を基地局情報管理部103へ要求する(ステップS11)。基地局情報管理部103は、指定された基地局装置2の負荷情報、すなわち、ユーザ数及び下りデータ量をリスト管理部102へ送信する(ステップS12)。
リスト管理部102は、基地局情報管理部103から取得した下りデータ量から空き下りデータ量を算出する。そして、リスト管理部102は、ユーザ数及び空き下りデータ量を周辺基地局リストに登録してリストの更新を行う(ステップS13)。
そして、リスト管理部102は、更新した周辺基地局リストをデータ送受信部101へ送信する(ステップS14)。データ送受信部101は、受信した周辺基地局リストを、基地局装置2のデータ送受信部201へ送信する(ステップS15)。
データ送受信部201は、受信した周辺基地局リストをMeasurementControlの作成要求とともにMC管理部204へ送信する(ステップS16)。MC管理部204は、周辺基地局リストの情報を含む選択用MeasurementControlを作成する(ステップS17)。
MC管理部204は、作成したMeasurementControl(図では、「M.C.」と表示。)をデータ送受信部201へ送信する(ステップS18)。データ送受信部201は、受信したMeasurementControlを、無線端末装置3のデータ送受信部301へ送信する(ステップS19)。
データ送受信部301は、受信したMeasurementControlをリスト更新要求とともにリスト管理部303へ送信する(ステップS20)。リスト管理部303は、リスト更新要求を受信するとMeasurementControlに登録された基地局装置2の電波強度の測定要求を電波強度測定部302へ送信する(ステップS21)。
電波強度測定部302は、電波強度の測定要求を受信すると、指定された基地局装置2の電波強度を測定する(ステップS22)。そして、電波強度測定部302は、電波強度の測定結果をリスト管理部303へ送信する(ステップS23)。
リスト管理部303は、電波強度の測定結果を受信すると、MeasurementControlに登録された各基地局装置2の電波強度の情報を新しい測定結果に更新する(ステップS24)。次に、リスト管理部303は、MeasurementControlに登録された各基地局装置2のCell PCI、並びに、電波強度、ユーザ数及び空き下りデータ量を表示制御部304へ送信する(ステップS25)。図9の「選択画面用情報」が、各基地局装置2のCell PCI、並びに、電波強度、ユーザ数及び空き下りデータ量にあたる。
表示制御部304は、各基地局装置2のCell PCI、並びに、電波強度、ユーザ数及び空き下りデータ量を用いて基地局選択画面を作成する。そして、表示制御部304は、作成した基地局選択画面を表示部306に表示させ、利用者に提供する(ステップS26)。その後、表示制御部304は、利用者による基地局装置2の選択の入力を受ける(ステップS27)。
次に、図10を参照して、利用者による基地局選択後の接続先変更処理の流れについて説明する。図10は、基地局選択後の接続先変更処理のシーケンス図である。
無線端末装置3の表示制御部304は、選択基地局装置の情報をMR作成部305へ送信する(ステップS31)。
MR作成部305は、選択基地局装置の情報を含むMeasurementReport(図では、「M.R.」と表示。)を作成する(ステップS32)。そして、MR作成部305は、作成したMeasurementReportをデータ送受信部301へ送信する(ステップS33)。
データ送受信部301は、受信したMeasurementReportを基地局装置2のデータ送受信部201へ送信する(ステップS34)。
データ送受信部201は、受信したMeasurementReportをハンドオーバ処理部205へ送信する(ステップS35)。ハンドオーバ処理部205は、MeasurementReportで指定された選択基地局装置に、無線端末装置3の接続先を変更するハンドオーバ処理を実施する(ステップS36)。
次に、図11を参照して、利用者による接続先の基地局装置2の選択中に無線端末装置3からMeasurementReportが送信された場合の処理の流れについて説明する。図11は、接続先選択中にMeasurementReportが送信された場合の処理のシーケンス図である。ここでは、無線端末装置3が、MeasurementControlに基づいてMeasurementReportを作成し送信した場合について説明する。ここでは、既に、表示部306に基地局選択画面が表示されているものとする。
無線端末装置3は、セル間を移動し、ハンドオーバ条件を満たす状態となる(ステップS41)。このとき、MR作成部305は、MeasurementReportを作成する(ステップS42)。そして、MR作成部305は、作成したMeasurementReportをデータ送受信部301へ送信する(ステップS43)。データ送受信部301は、受信したMeasurementReportを基地局装置2のデータ送受信部201へ送信する(ステップS44)。
データ送受信部201は、MeasurementReportを受信すると、無線端末装置3が在圏するエリアの判定要求をエリア判定部202へ送信する(ステップS45)。そして、エリア判定部202は、無線端末装置3の在圏エリアが選択可能エリアか否かのエリア判定を行う(ステップS46)。無線端末装置3の在圏エリアが選択可能エリアの場合、処理は、無線端末装置3が選択可能エリアに在圏する場合の処理手順であるステップS50に進む。また、無線端末装置3の在圏エリアが選択不可エリアの場合、処理は、無線端末装置3が選択不可エリアに在圏する場合の処理手順であるステップS60に進む。以下に、ステップS50及びステップS60の詳細について説明する。
まず、ステップS50について説明する。基地局装置2は、周辺基地局リストの作成処理を実行する(ステップS51)。
表示制御部304は、利用者の基地局選択を受け、選択基地局装置の情報取得する(ステップS52)。そして、表示制御部304は、選択基地局装置の情報をMR作成部305へ送信する(ステップS53)。MR作成部305は、選択基地局装置の情報を含むMeasurementReportを作成する(ステップS54)。そして、MR作成部305は、作成したMeasurementReportをデータ送受信部301へ送信する(ステップS55)。データ送受信部301は、受信したMeasurementReportを基地局装置2のデータ送受信部201へ送信する(ステップS56)。
データ送受信部201は、選択基地局装置の情報を含むMeasurementReportを受信する。そして、データ送受信部201は、新たな周辺基地局リストの作成が完了している場合、受信したMeasurementReportを破棄し、新たに作成した周辺基地局リストの情報を含むMeasurementControlを再送信する。これに対して、新たな周辺基地局リストの作成が完了していない場合、データ送受信201は、ハンドオーバ処理部205にMeasurementReportを送信し、接続先の基地局装置2を切り替えるハンドオーバ処理を実行させる(ステップS57)。
次に、ステップS60について説明する。この場合、無線端末装置3が選択不可エリアに在圏するため、基地局装置2は、周辺基地局リストの作成は行わない。
表示制御部304は、利用者の基地局選択を受け、選択基地局装置の情報取得する(ステップS61)。そして、表示制御部304は、選択基地局装置の情報をMR作成部305へ送信する(ステップS62)。MR作成部305は、選択基地局装置の情報を含むMeasurementReportを作成する(ステップS63)。そして、MR作成部305は、作成したMeasurementReportをデータ送受信部301へ送信する(ステップS64)。データ送受信部301は、受信したMeasurementReportを基地局装置2のデータ送受信部201へ送信する(ステップS65)。
この場合、無線端末装置3が選択不可エリアに在圏するため、基地局装置2の選択が行えなくなっているので、データ送受信部201は、受信したMeasurementReportを破棄する(ステップS66)。
さらに、図12を参照して、無線端末装置3が選択不可エリアに在圏している場合の無線アクセスシステムの処理の流れについて説明する。図12は、無線端末装置が選択不可エリアに在圏している場合の無線アクセスシステムの処理のシーケンス図である。この場合も、無線端末装置3の電源がオンになった場合を例に説明する。
電波強度測定部302は、無線端末装置3の電源がオンになると、周辺基地局装置の電波強度を測定する(ステップS71)。そして、電波強度測定部302は、電波強度の測定結果をデータ送受信部301へ送信する(ステップS72)。データ送受信部301は、電波強度の測定結果を基地局装置2のデータ送受信部201へ送信する(ステップS73)。データ送受信部201は、判定要求とともに電波強度の測定結果をエリア判定部202へ送信する(ステップS74)。
エリア判定部202は、無線端末装置3が選択可能エリアに在圏しているか否かを判定する(ステップS75)。ここでは、無線端末装置3が選択不可エリアに在圏している。そこで、エリア判定部202は、MeasurementControlの作成要求をMC管理部204へ送信する(ステップS76)。
MC管理部204は、MeasurementControlの作成要求を受けて、通常のMeasurementControlを作成する(ステップS77)。そして、MC管理部204は、作成したMeasurementControlをデータ送受信部201へ送信する(ステップS78)。データ送受信部201は、受信したMeasurementControlを無線端末装置3のデータ送受信部301へ送信する(ステップS79)。
データ送受信部301は、受信したMeasurementControlをMR作成部305へ送信する(ステップS80)。その後、MR作成部305は、電波強度測定部302から受信した電波強度の測定結果を基に、MeasurementControlで指定されたハンドオーバ条件を電波強度が満たすか否かを判定する。そして、ハンドオーバ条件を満たした場合、MR作成部305は、MeasurementReportをデータ送受信部301へ送信する。
次に、無線端末装置3の電源をオンにした場合以外の場合の、選択用MeasurementControlの作成及び送信を実施するまでの処理の流れについて説明する。まず、図13を参照して、MeasurementControlで指定されたハンドオーバ条件を満たした場合のMeasurementReportの送信処理の流れについて説明する。図13は、ハンドオーバ条件を満たした場合のMeasurementReportの送信処理のシーケンス図である。
電波強度測定部302は、周辺基地局装置の電波強度の測定を行う。そして、電波強度測定部302は、周辺基地局装置の電波強度の測定結果をMR作成部305に送信する(ステップS81)。
MR作成部305は、電波強度測定部302から受信した電波強度の測定結果を基に、MeasurementControlで指定されたハンドオーバ条件を電波強度が満たしたかを判定し、ハンドオーバ状態を検出する(ステップS82)。ハンドオーバ状態を検出すると、MR作成部305は、MeasurementReportを作成する(ステップS83)。
そして、MR作成部305は、MeasurementReportをデータ送受信部301へ送信する(ステップS84)。データ送受信部301は、受信したMeasurementReportを基地局装置2のデータ送受信部201へ送信する(ステップS85)。
その後、基地局装置2は、例えば図9のステップS4以降の処理で示される、選択用MeasurementControlの作成及び送信処理を行う(ステップS86)。
次に、図14を参照して、利用者からリストの更新要求を受けた場合の測定結果通知処理の流れについて説明する。図14は、利用者からリストの更新要求を受けた場合の測定結果通知処理のシーケンス図である。
表示制御部304は、利用者からリスト更新要求を受信する(ステップS91)。リスト更新要求を受信すると、表示制御部304は、周辺基地局装置の電波強度の測定要求を電波強度測定部302へ送信する(ステップS92)。
電波強度測定部302は、電波強度の測定要求を受けて、周辺基地局装置の電波強度を測定する(ステップS93)。そして、電波強度測定部302は、周辺基地局装置の電波強度の測定結果をデータ送受信部301へ送信する(ステップS94)。データ送受信部301は、受信した測定結果を基地局装置2のデータ送受信部201へ送信する(ステップS95)。
その後、基地局装置2は、例えば図9のステップS4以降の処理で示される、選択用MeasurementControlの作成及び送信処理を行う(ステップS96)。
さらに、図15を参照して、本実施例に係る無線アクセスシステムにおける選択により接続先切替について説明する。図15は、実施例1に係る無線アクセスシステムにおける選択により接続先切替のフローチャートである。ここでは、無線端末装置3の電源がオンにされた場合を例に説明する。
利用者により無線端末装置3の電源がオンにされる(ステップS101)。
電波強度測定部302は、周辺基地局装置の電波強度を測定する。データ送受信部301は、周辺基地局装置の電波強度の測定結果を基地局装置2へ送信する(ステップS102)。
データ送受信部201は、周辺基地局装置の電波強度の測定結果をデータ送受信部301から受信し、エリア判定部202へ送信する。エリア判定部202は、周辺基地局装置の電波強度を用いて無線端末装置3が選択可能エリアに在圏するか否かを判定する(ステップS103)。
無線端末装置3が選択可能エリアに在圏する場合(ステップS103:肯定)、リスト作成部203は、周辺基地局リストを作成する。そして、データ送受信部201は、リスト作成部203が作成した周辺基地局リストを基地局管理装置1へ送信する(ステップS104)。
データ送受信部101は、受信した周辺基地局リストをリスト管理部102へ送信する。リスト管理部102は、周辺基地局リストに記載されている各基地局装置2のユーザ数及び下りデータ量を取得する(ステップS105)。
リスト管理部102は、取得した下りデータ量から、各基地局装置2の空き下りデータ量を算出する。そして、リスト管理部102は、取得したユーザ数及び算出した空き下りデータ量を対応する基地局装置2の欄に登録して周辺基地局リストを更新する。その後、データ送受信部101は、リスト管理部102により更新された周辺基地局リストを基地局装置2へ送信する(ステップS106)。
データ送受信部201は、更新された周辺基地局リストをMeasurementControlの作成要求とともにMC管理部204に送信する。MC管理部204は、選択用MeasurmentControlを作成する。データ送受信部201は、MC管理部204が作成した選択用MeasurementControlを無線端末装置3に送信する(ステップS107)。
データ送受信部301は、選択用MeasurementControlを受信する。そして、データ送受信部301は、選択用MeasurementControlを更新要求とともにリスト管理部303へ送信する。リスト管理部303は、電波強度の測定を電波強度測定部302に要求する。電波強度測定部302は、選択用MeasurementControlに記載された周辺基地局装置の電波強度を測定する(ステップS108)。
リスト管理部303は、周辺基地局装置の電波強度の測定結果を電波強度測定部302から受信する。そして、リスト管理部303は、受信した測定結果から取得した周辺基地局装置の電波強度、ユーザ数及び空き下りデータ量を表示制御部304へ送信する。表示制御部304は、周辺基地局装置のCell PCIに、各周辺基地局装置の電波強度、ユーザ数及び空き下りデータ量を対応させて表示する基地局選択画面を作成する。そして、表示制御部304は、作成した基地局選択画面を表示部306に表示させる(ステップS109)。
利用者は、表示部306に表示された基地局選択画面を用いて、接続先とする基地局装置2を選択し、選択基地局装置を表示制御部304に入力する(ステップS110)。
MR作成部305は、選択基地局装置の情報を含むMeasurementReportを作成する。そして、データ送受信部301は、MR作成部305により作成されたMeasurementReportを基地局装置2へ送信する。データ送受信部201は、受信したMeasurementReportをハンドオーバ処理部205へ送信する。ハンドオーバ処理部205は、MeasurementReportで指定された選択基地局装置へ接続先を切り替えるハンドオーバを実行する(ステップS111)。
以上に説明したように、本実施例に係る無線アクセスシステムは、電源オン時やハンドオーバ時といった接続先の基地局装置の選択時に、接続先の候補である基地局装置の電波強度ととともに負荷情報を無線端末装置の利用者に提示し、接続先を選択させる。そして、本実施例に係る無線アクセスシステムは、利用者に選択された基地局装置へ接続先を切り替える。これにより、単に電波強度が最も強く通信状態が最良である基地局装置を常に選択するのではなく、負荷状態を考慮した接続先の選択を行うことができる。これにより、無線サービスのユーザ体感品質を向上させることができる。
また、MeasurementControlを用いて周辺基地局装置の選択に用いる情報を無線端末装置へ送信するため、新たな信号を定義しなくてもよく、従来の無線アクセスシステムに対して少ない変更で接続先選択の判断に用いる情報を利用者に提供できる。したがって、容易にユーザ体感品質を向上が実現できる。
図16は、実施例2に係る無線アクセスシステムのブロック図である。本実施例に係る無線アクセスシステムは、優先順位を決定し、接続先の基地局装置2を選択させる場合に利用者にその情報も合わせて提供することが実施例1と異なる。図16に示すように、本実施例に係る基地局管理装置1は、実施例1の各部に加えて優先順位判定部105を有する。以下の説明では、実施例1と同様の各部の動作については説明を省略する。
基地局装置2のリスト作成部203は、図17に示す周辺基地局リスト411を作成する。図17は、実施例2に係る周辺基地局リストの一例を示す図である。すなわち、本実施例では、リスト作成部203は、各周辺基地局装置のCell PCIに対応させて優先順位の欄を設けた周辺基地局リスト411を作成する。そして、リスト作成部203は、データ送受信部201を介して基地局管理装置1に周辺基地局リスト411を送信する。
リスト管理部102は、リスト更新要求とともに周辺基地局リスト411をデータ送受信部101から受信する。そして、リスト管理部102は、基地局情報管理部103から各周辺基地局装置のユーザ数及び下りデータ量を取得する。さらに、リスト管理部102は、下りデータ量から空き下りデータ量を算出する。
次に、リスト管理部102は、各周辺基地局装置のユーザ数及び空き下りデータ量を優先順位判定部105へ送信する。その後、リスト管理部102は、各周辺基地局装置の優先順位を優先順位判定部105から取得する。
そして、リスト管理部102は、周辺基地局リスト411のCell PCIに対応させて、各周辺基地局装置のユーザ数、空き下りデータ量及び優先順位を登録して更新し、周辺基地局リスト412を作成する。その後、リスト管理部102は、作成した周辺基地局リスト412をデータ送受信部101へ送信する。
優先順位判定部105は、各周辺基地局装置のユーザ数及び空き下りデータ量をリスト管理部102から受信する。優先順位判定部105は、空き下りデータ量をユーザ数で除算する。そして、優先順位判定部105は、除算結果が高い順番に周辺基地局装置に優先順位を割り当てる。ここで、優先順位判定部105は、空き下りデータ量をユーザ数で除算することで、無線端末装置3が使用できるおおよその下りデータ量を求めることができる。すなわち、優先順位判定部105は、無線端末装置3がその基地局装置2に接続した場合のおおよそのスループットを用いて優先順位を決定する。
例えば、各周辺基地局装置のユーザ数及び空き下りデータ量が図17の周辺基地局リスト412に示すような値であった場合で、優先順位の決定方法について説明する。Cell PCIがAAAの基地局装置2では、空き下りデータ量をユーザ数で除算した結果は、50000000である。また、Cell PCIがBBBの基地局装置2では、空き下りデータ量をユーザ数で除算した結果は、20000である。また、Cell PCIがCCCの基地局装置2では、空き下りデータ量をユーザ数で除算した結果は、500000000である。すなわち、優先順位判定部105は、除算結果の値が最大であるCell PCIがCCCの基地局装置2の優先順位を1番とする。次に、優先順位判定部105は、除算結果の値が次に大きいCell PCIがAAAの基地局装置2の優先順位を1番とする。最後に、優先順位判定部105は、除算結果の値が最小であるCell PCIがCCCの基地局装置2の優先順位を3番とする。
その後、優先順位判定部105は、各周辺基地局装置に割り当てた優先順位をリスト管理部102へ通知する。
無線端末装置3のリスト管理部303は、周辺基地局リスト412の情報が格納された選択用MeasurementControlをデータ送受信部301から受信する。次に、リスト管理部303は、選択用MeasurementControlで指定された周辺基地局装置の最新の電波強度を電波強度測定部302から取得する。そして、リスト管理部303は、周辺基地局装置のCell PCI、電波強度、ユーザ数、空き下りデータ量及び優先順位を表示制御部304へ送信する。
表示制御部304は、周辺基地局装置のCell PCI、電波強度、ユーザ数、空き下りデータ量及び優先順位をリスト管理部303から受信する。そして、表示制御部304は、予め決められたフォーマットに受信した情報を登録し、図18に示す基地局選択画面413を作成する。図18は、実施例2に係る基地局選択画面の一例の図である。
表示制御部304は、作成した基地局選択画面413を表示部306に表示させ利用者に提供する。利用者は、表示部306に表示された基地局選択画面413を参照し、接続先の候補である基地局装置2の電波強度、ユーザ数、空き下りデータ量及び優先順位を基に、接続先とする基地局装置2を選択する。
以上に説明したように、本実施例に係る無線アクセスシステムは、スループットの高い順に優先順位を付けて接続先となる得る基地局装置の情報を利用者に提供する。これにより、利用者は、ユーザ数及び空き下りデータ量から自分で各基地局装置の状態を判定しなくても、スループットからみてどの基地局装置がより好ましいかを容易に把握することができ、ユーザ体感品質と通信状態とのバランスを取ったより好ましい基地局装置を接続先として選択することが容易となる。
ここで、実施例2では、求めた優先順位を利用者に提供し、利用者に接続先を選択させたが、通信強度が所定値以上の周辺基地局装置の中から最も優先順位が高い基地局装置を無線端末装置3の接続先として自動的に切り替えを行ってもよい。
さらに、以上の実施例では、下りデータ量を用いて基地局装置の選択を行ったが、同様の方法で上りデータ量に関しても監視を行い、接続先選択のための情報として利用者に提供してもよい。
また、以上では、基地局装置とはべつの装置に基地局管理装置の機能を搭載した場合で説明したが、基地局管理装置1の配置方法はこれに限らない。例えば、基地局装置に基地局管理装置の機能を搭載させてもよく、また、基地局管理装置を独立させてネットワーク上に配置してもよい。
(ハードウェア構成)
次に、図19〜図21を参照して、基地局管理装置1、基地局装置2及び無線端末装置3のハードウェア構成について説明する。図19は、基地局管理装置のハードウェア構成図である。図20は、基地局装置のハードウェア構成図である。図21は、無線端末装置のハードウェア構成図である。
図19に示す基地局管理装置1は、基地局管理装置1を独立させてネットワーク上に配置した場合の図である。例えば、図1のSGW12など他の装置に基地局管理装置1の機能を持たせる場合、図19の各部に対応する資源を用いて基地局管理装置1の機能が実現される。
図19に示すように、基地局管理装置1は、プロセッサ911、メモリ912、ハードディスク913及び伝送路インタフェース914を有する。
メモリ912、ハードディスク913及び伝送路インタフェース914は、プロセッサ911とバスで接続されている。
伝送路インタフェース914は、例えば、基地局装置2との間で通信を行うためのインタフェースである。
ハードディスク913は、図2及び図16で例示したデータ送受信部101、リスト管理部102、基地局情報管理部103、接続管理部104及び優先順位判定部105の機能を実現するプログラムを含む各種プログラムを格納する。また、ハードディスク913は、基地局情報管理部103が有する各種情報を格納する。
プロセッサ911は、ハードディスク913に格納された各種プログラムを読み出し、メモリ912上に展開する。そして、プロセッサ911は、ハードディスク913及び伝送路インタフェース914を用いて、メモリ912上に展開したプログラムを実行する。これにより、プロセッサ911は、データ送受信部101、リスト管理部102、基地局情報管理部103、接続管理部104及び優先順位判定部105の機能を実現する。
図20に示すように、基地局装置2は、アンテナ921、アンプ922、ベースバンド処理部923、プロセッサ924、メモリ925及び伝送路インタフェース926を有する。
アンテナ921は、無線端末装置3と無線通信を行うためのアンテナである。また、伝送路インタフェース926は、基地局管理装置1と通信を行うためのインタフェースである。
ベースバンド処理部923は、例えば、無線端末装置3同士の通信において送受信されるデータに対するベースバンド処理を行う。また、ベースバンド処理部923は、プロセッサ924から送出された信号に対してもベースバンド処理を施す。
アンプ922は、ベースバンド処理部923から出力された信号を増幅する。増幅された信号は、アンテナ921を介して無線端末装置3へ送信される。
メモリ925は、図2及び図16で例示したデータ送受信部201、エリア判定部202、リスト作成部203、MC管理部204及びハンオーバ処理部205の機能を実現するプログラムを含む各種プログラムを有する。
プロセッサ924は、メモリ925に格納された各種プログラムを読み出し実行することで、データ送受信部201、エリア判定部202、リスト作成部203、MC管理部204及びハンオーバ処理部205の機能を実現する。
図21に示すように、無線端末装置3は、アンテナ931、アンプ932、ベースバンド処理部933、プロセッサ934、メモリ935及びLCD(liquid crystal display)936を有する。
アンテナ931は、基地局装置2と無線通信を行うためのアンテナである。LCD936は、例えば、図2及び図16に例示した表示部306の機能を実現する。
ベースバンド処理部933は、例えば、基地局装置2との間の通信において送受信されるデータに対するベースバンド処理を行う。また、ベースバンド処理部933は、プロセッサ934から送出された信号に対してもベースバンド処理を施す。
アンプ932は、ベースバンド処理部933から出力された信号を増幅する。増幅された信号は、アンテナ931を介して基地局装置2へ送信される。
メモリ935は、図2及び図16で例示したデータ送受信部301、電波強度測定部302、リスト管理部303、表示制御部304及びMR作成部305の機能を実現するプログラムを含む各種プログラムを有する。
プロセッサ924は、メモリ925に格納された各種プログラムを読み出し実行することで、データ送受信部301、電波強度測定部302、リスト管理部303、表示制御部304及びMR作成部305の機能を実現する。