JP6485292B2 - 電動車両の電力制御方法および電力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動車両の電力制御方法および電力制御装置に関し、特に、電源の過放電の抑制技術に関する。
従来、電動車両の電力制御装置として、電源に許容される下限電圧を設定するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来技術は、電源に許容される下限電圧として第1の電圧を設定し、電源の電圧が第1の電圧を下回らないように電源の放電許容電力を導出する放電許容電力演算部を備える。
そして、従来技術では、バッテリから過大な電力が持ち出されることが予想される走行条件が成立した場合には、予めバッテリの下限電圧を第2の電圧に嵩上げしてバッテリの出力制限を行なうことにより、バッテリに過放電が発生するのを抑制することができる。
特開2009−166513号公報
しかしながら、上述の従来技術では、電源であるバッテリの過放電防止にのみ着目して下限電圧を設定しており、モータの最大出力値がこの下限電圧により規定される。
このため、バッテリ状態によっては、モータの最大出力が、実際に出力可能な最大出力よりも低い値に制限される場合があり、この場合、ドライバ要求トルクを得ることができず、ドライバに違和感を与えるおそれがある。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、バッテリの過放電を抑制しつつ、より大きなモータ出力を得ることが可能な電動車両の電力制御方法および電力制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の電動車両の電力制御方法は、
車両の駆動源となるモータと、モータに電力供給を行うバッテリと、バッテリ状態を含む車両状態を検出する検出装置と、を備え、検出装置の検出に基づいて、システム下限電圧の上昇要求判定時に、システム下限電圧を通常時の値よりも上昇させる電動車両の電力制御方法である。
そして、本発明の電動車両の電力制御方法は、システム下限電圧の上昇時には、検出装置が検出するバッテリ状態に応じて変化するバッテリ出力電力特性を求めるとともに、モータの回転数に応じたモータ出力特性を求め、バッテリ出力電力特性とモータ出力特性とに応じてシステム下限電圧を設定することを特徴とする。
本発明では、システム下限電圧の上昇時に、システム下限電圧を、バッテリ出力電力特性に加え、モータ出力特性に応じて設定することで、バッテリ出力電力特性のみに基づく設定と比較して、モータ出力特性に応じモータ最大出力を上昇させることが可能となる。
これにより、システム下限電圧の設定により、バッテリの過放電を抑制しつつ、より大きなモータ出力を得ることが可能となり、ドライバ要求トルクが得られないことでドライバに違和感を与えることを抑制可能となる。
本発明のハイブリッド車両の電力制御方法を実施する実施の形態1のハイブリッド車両の電力制御装置のパワートレーン系を示すパワートレーン系構成図である。 実施の形態1のハイブリッド車両の電力制御装置の統合コントローラにて実行される演算処理を示す制御ブロック図である。 前記統合コントローラでのモード選択処理を行なう際に用いられるEV−HEV選択マップを示す図である。 前記統合コントローラにて用いられるマップ図であって、(a)は目標定常駆動トルクマップを示し、(b)はMGアシストトルクマップを示す。 実施の形態1のハイブリッド車両の電力制御装置で用いられるエンジン始動停止線マップを示すマップ図である。 実施の形態1のハイブリッド車両の電力制御装置で用いられるバッテリSOCに対する走行中要求発電出力を示す特性図である。 実施の形態1のハイブリッド車両の電力制御装置で用いられるエンジンの最良燃費線を示す特性図である。 実施の形態1のハイブリッド車両の電力制御装置に用いられた自動変速機における変速線の一例を示す変速マップ図である。 実施の形態1の電動車両の電力制御装置においてシステム下限電圧上昇制御の処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態1の電動車両の電力制御装置におけるシステム下限電圧に対するバッテリ出力可能電力線とMG/INV最大使用電力線と交点との関係を示す電力特性図である。 実施の形態1の電動車両の電力制御装置におけるシステム下限電圧により決定するモータ最大トルクカーブを示すトルクカーブ特性図である。 実施の形態1の電動車両の電力制御装置と比較例との作用を説明するための説明図である。
以下、本発明の電動車両の電力制御方法および電力制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず、本発明の電動車両の電力制御方法を実施する実施の形態1のハイブリッド車両の電力制御装置の構成を説明する。
この構成の説明にあたり、実施の形態1のハイブリッド車両の電力制御装置の構成を、「パワートレーン系構成」、「制御システム構成」、「統合コントローラの構成」、「システム下限電圧設定処理構成」に分けて説明する。
[パワートレーン系構成]
まず、実施の形態1のハイブリッド車両のパワートレーン系構成を説明する。
図1は、実施の形態1のハイブリッド車両の駆動トルク制御装置が適用された後輪駆動によるハイブリッド車両を示す全体システム図である。
実施の形態1におけるハイブリッド車両の駆動系は、図1に示すように、エンジンEngと、第1クラッチCL1と、モータジェネレータMGと、第2クラッチCL2と、自動変速機ATと、駆動輪RL、RRとを備えている。
エンジンEngは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、エンジンコントローラ1からのエンジン制御指令に基づいて、エンジン始動制御やエンジン停止制御やスロットルバルブのバルブ開度制御が行われる。なお、エンジン出力軸には、フライホイールFWが設けられている。
第1クラッチCL1は、エンジンEngとモータジェネレータMGの間に介装されたクラッチである。この第1クラッチCL1は、第1クラッチコントローラ5からの第1クラッチ制御指令に基づいて、第1クラッチ油圧ユニット6により作り出された第1クラッチ制御油圧により、半クラッチ状態を含み締結・開放が制御される。また、この第1クラッチCL1としては、例えば、ピストン14aを有する油圧アクチュエータ14により締結・開放が制御される乾式単板クラッチが用いられる。
モータジェネレータMGは、ロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルが巻き付けられた同期型モータジェネレータである。このモータジェネレータMGは、モータコントローラ2からの制御指令に基づいて、インバータ3により作り出された三相交流などの複数相交流を印加することにより制御される。また、モータジェネレータMGは、バッテリ4からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作する。さらに、モータジェネレータMGは、ロータがエンジンEngや駆動輪から回転エネルギを受ける場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能し、バッテリ4を充電することもできる。なお、このモータジェネレータMGのロータは、ダンパーを介して自動変速機ATの変速機入力軸に連結されている。
第2クラッチCL2は、モータジェネレータMGと駆動輪RL,RRとの間に介装されたクラッチである。この第2クラッチCL2は、ATコントローラ7からの第2クラッチ制御指令に基づき、第2クラッチ油圧ユニット8により作り出された制御油圧により、スリップ締結とスリップ開放を含み締結・開放が制御される。この第2クラッチCL2としては、例えば、比例ソレノイドで油流量および油圧を連続的に制御できる湿式多板クラッチや湿式多板ブレーキが用いられる。
自動変速機ATは、前進5速/後退1速等の有段階の変速段を車速やアクセル開度等に応じて自動的に切り換える有段変速機である。そこで、第2クラッチCL2は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機ATの各変速段にて締結される複数の摩擦締結要素のうち、トルク伝達経路に配置される最適なクラッチやブレーキを選択している。なお、第2クラッチCL2は、自動変速機ATの摩擦締結要素を用いずに、図において二点鎖線により示すように、専用のクラッチを、モータジェネレータMGと自動変速機ATとの間、あるいは、自動変速機ATと駆動輪RL,RRとの間に介在させてもよい。
また、自動変速機ATの出力軸は、プロペラシャフトPS、ディファレンシャルDF、左ドライブシャフトDSL、右ドライブシャフトDSRを介して駆動輪RL,RRに連結されている。
[制御システム構成]
次に、ハイブリッド車両の制御系を説明する。
実施の形態1におけるハイブリッド車両の制御系は、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、インバータ3と、バッテリ4と、第1クラッチコントローラ5と、第1クラッチ油圧ユニット6と、ATコントローラ7と、第2クラッチ油圧ユニット8と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10と、を有する。なお、エンジンコントローラ1と、モータコントローラ2と、第1クラッチコントローラ5と、ATコントローラ7と、ブレーキコントローラ9と、統合コントローラ10とは、情報交換が互いに可能なCAN通信線11を介して接続されている。
エンジンコントローラ1は、エンジン回転数センサ12からのエンジン回転数情報と、統合コントローラ10からの目標エンジントルク指令と、他の必要情報を入力する。そして、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、エンジンEngのスロットルバルブアクチュエータ等へ出力する。
モータコントローラ2は、モータジェネレータMGのロータ回転位置を検出するレゾルバ13からの情報と、統合コントローラ10からの目標MGトルク指令および目標MG回転数指令と、他の必要情報を入力する。そして、モータジェネレータMGのモータ動作点(Nm,Tm)を制御する指令をインバータ3へ出力する。なお、このモータコントローラ2では、バッテリ4の充電容量をあらわすバッテリSOCを監視していて、このバッテリSOC情報は、モータジェネレータMGの制御情報に用いられると共に、CAN通信線11を介して統合コントローラ10へ供給される。
第1クラッチコントローラ5は、油圧アクチュエータ14のピストン14aのストローク位置を検出する第1クラッチストロークセンサ15からのセンサ情報と、統合コントローラ10からの目標CL1トルク指令と、他の必要情報を入力する。そして、第1クラッチCL1の締結・開放を制御する指令を第1クラッチ油圧ユニット6に出力する。
ATコントローラ7は、アクセル開度センサ16と、車速センサ17と、他のセンサ類18(変速機入力回転数センサ、インヒビタースイッチ等)からの情報を入力する。そして、Dレンジを選択しての走行時、アクセル開度APOと車速VSPにより決まる運転点がシフトマップ上で存在する位置により最適な変速段を検索し、検索された変速段を得る制御指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVUに出力する。また、ATコントローラ7は、上記自動変速制御に加えて、統合コントローラ10から目標CL2トルク指令を入力した場合、第2クラッチCL2の締結・開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブユニットCVU内の第2クラッチ油圧ユニット8に出力する第2クラッチ制御を行う。
なお、シフトマップとは、アクセル開度APOと車速VSPに応じてアップシフト線とダウンシフト線を書き込んだマップであって、図8に一例を示している。
ブレーキコントローラ9は、4輪の各車輪速を検出する車輪速センサ19と、ブレーキストロークセンサ20からのセンサ情報と、統合コントローラ10からの回生協調制御指令と、他の必要情報を入力する。そして、例えば、ブレーキ踏み込み制動時、ブレーキストロークから求められる要求制動力に対し回生制動力だけでは不足する場合、その不足分を機械制動力(液圧制動力やモータ制動力)で補うように、回生協調ブレーキ制御を行う。
統合コントローラ10は、車両全体の消費エネルギを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うもので、モータ回転数Nmを検出するモータ回転数センサ21や他のセンサ・スイッチ類22からの必要情報およびCAN通信線11を介して情報を入力する。そして、エンジンコントローラ1へ目標エンジントルク指令、モータコントローラ2へ目標MGトルク指令および目標MG回転数指令、第1クラッチコントローラ5へ目標CL1トルク指令、ATコントローラ7へ目標CL2トルク指令、ブレーキコントローラ9へ回生協調制御指令を出力する。
図2は、実施の形態1のハイブリッド車両の制御装置が適用されたハイブリッド車両の統合コントローラ10にて実行される演算処理を示す制御ブロック図である。図3は、ハイブリッド車両の統合コントローラ10でのモード選択処理を行う際に用いられるEV-HEV選択マップを示す図である。以下、図2及び図3に基づき、実施の形態1の統合コントローラ10にて実行される演算処理を説明する。
[統合コントローラの構成]
統合コントローラ10は、図2に示すように、目標駆動トルク演算部100と、モード選択部200と、目標充放電演算部300と、動作点指令部400とを有する。
目標駆動トルク演算部100では、図4(a)に示す目標定常駆動トルクマップと図4(b)に示すMGアシストトルクマップとを用いて、アクセル開度APOと車速VSPに応じた変速機入力回転数とから、目標定常駆動トルクとMGアシストトルクを算出する。
モード選択部200では、図5に示す車速毎に設定されたアクセル開度APOにより設定されているエンジン始動停止線マップを用いて、「EV走行モード」または「HEV走行モード」を目標走行モードとして選択する。なお、エンジン始動線およびエンジン停止線は、バッテリSOCが低くなるに連れて、アクセル開度が小さくなる方向に低下する。
目標充放電演算部300では、図6に示す走行中発電要求出力マップを用いて、バッテリSOCに基づいて、目標発電出力を演算する。また、目標充放電演算部300では、現在の動作点から図7において太線にて示す最良燃費線までエンジントルクを上げるために必要な出力を演算し、目標発電出力と比較して少ない出力を要求出力として、エンジン出力に加算する。
動作点指令部400では、アクセル開度APOと目標駆動トルクtFoO、MGアシストトルクと目標モードと車速VSPと目標充放電電力(要求発電出力)tPとを入力する。そして、これらの入力情報から、これらを動作点到達目標として、過渡的な目標エンジントルクと目標MGトルクと目標MG回転数と目標CL1トルクと目標CL2トルクと目標変速比と、を演算する。これらの演算結果は、CAN通信線11を介して各コントローラ1,2,5,7に出力する。
さらに、動作点指令部400では、エンジン始動処理を実行する。
すなわち、モード選択部200では、EV走行中にアクセル開度APOおよび車速VSPの組み合わせで決まる運転点がEV→HEV切り換え線を越えてHEV領域に入るとき、EV走行モードからエンジン始動を伴うHEV走行モードへのモード切り換えを行う。また、モード選択部200では、HEV走行中に運転点がHEV→EV切り換え線を越えてEV領域に入るとき、HEV走行モードからエンジン停止およびエンジン切り離しを伴うEV走行モードへの走行モード切り換えを行う。
この走行モード切換に応じ、動作点指令部400では、EV走行モードにて図5に示すエンジン始動線をアクセル開度APOが越えた時点で、始動処理を行なう。この始動処理は、第2クラッチCL2に対し、半クラッチ状態にスリップさせるようトルク容量を制御し、第2クラッチCL2のスリップ開始と判断した後に、第1クラッチCL1の締結を開始してエンジン回転を上昇させる。そして、エンジン回転が初爆可能な回転数に達成したらエンジンEngを作動させてモータ回転数とエンジン回転数とが近くなったところで第1クラッチCL1を完全に締結し、その後、第2クラッチCL2をロックアップさせてHEV走行モードに遷移させる。
変速制御部500では、目標CL2トルク容量と目標変速比とから、これらを達成するように自動変速機AT内のソレノイドバルブを駆動制御する。
図8は、変速線を示している。すなわち、変速制御部500では、車速VSPとアクセル開度APOとに基づいて、現在の変速段から次変速段を判定し、変速要求があれば変速クラッチを制御して変速させる。
以上の構成を備えた統合コントローラ10は、走行モードとしては、EVモードおよびHEVモードの他に、これら走行モード間での切り替え過渡期におけるWSCモードを設定する。
EVモードは、モータジェネレータMGの動力のみで走行するモードである。このEVモードでは、エンジンEngを停止させた状態に保ち、第1クラッチCL1を解放し、第2クラッチCL2の締結またはスリップ締結により自動変速機ATを介してモータジェネレータMGからの出力回転のみを左右の駆動輪RL,RRに伝達する。
HEVモードは、エンジンEngとモータジェネレータMGの動力で走行するモードであり、第2クラッチCL2ならびに第1クラッチCL1を締結させ、エンジンEngからの出力回転およびモータジェネレータMGからの出力回転を、自動変速機ATを介して駆動輪RL,RRに伝達する。
WSCモードは、「HEVモード」からのP,N→Dセレクト発進時、あるいは、「EVモード」や「HEVモード」からのDレンジ発進時に、クラッチトルク容量をコントロールしながら発進するモードである。この場合、モータジェネレータMGの回転数制御により第2クラッチCL2のスリップ締結状態を維持し、第2クラッチCL2を経過するクラッチ伝達トルクが、車両状態やドライバ操作に応じて決まる要求駆動トルクとなるようにコントロールしながら発進する。この時、第2クラッチCL2がスリップ締結状態であることにより、モード切換ショックを吸収して、ショック対策を行うことができる。なお、「WSC」とは「Wet Start Clutch」の略である。
なお、本実施の形態1は、以上説明した制御システム構成において、インバータ3とバッテリ4との間に、特許文献1の公報に記載されたような昇圧コンバータを有していないことを特徴とする。
[システム下限電圧設定処理構成]
統合コントローラ10は、システム下限電圧を設定する。
このシステム下限電圧の設定は、バッテリ4からの電力の持ち出しが所定範囲の通常時と、バッテリ4から過大な電力の持ち出しが予想される所定の高出力走行時と、で異なる。
通常時は、バッテリSOCが、適正範囲外の過放電となるおそれがないようにバッテリ4の充放電特性などに基づいて予め設定された通常時の値に、システム下限電圧を設定する。
一方、システム下限電圧の上昇要求判定がなされたときには、システム下限電圧を、バッテリ出力可能電力線(バッテリ出力電力特性)とMG/INV最大使用電力線(モータ出力特性)とに基づいて、通常時の値から上昇させるとともに可変設定する。
なお、システム下限電圧の上昇要求判定は、例えば、高出力走行時に成される。この高出力走行時としては、例えば、運転者が、EV走行モードでの走行中において、急加速操作を行った場合などが含まれる。この場合、車両状態としてのアクセル開度および車速が、エンジン始動線を横切り、エンジン始動制御が開始され、さらに、エンジン始動制御を開始した時点の後、所定期間の間、急加速操作が維持された場合、モータジェネレータは、高出力が要求される。
また、急加速操作や高出力走行は、アクセル開度APOが、所定値よりも大きくなったことや、各種センサの出力に基づいて、ドライバ要求駆動力が、所定値を越えたことにより、検出することができ、これを上昇要求判定に用いることができる。
以下に、上昇要求判定がなされてシステム下限電圧を上昇させる場合の処理の流れを図9のフローチャートに基づいて、説明する。
まず、ステップS1では、バッテリ状態を読み込んでシステム下限電圧に対するバッテリ出力電力特性としてのバッテリ出力可能電力線(図10においてVPの線)を求める。このバッテリ出力可能電力線は、図10に示すように、システム下限電圧が小さいほど高い値となり、システム下限電圧が大きいほど低い値となる傾きを有する。
このバッテリ状態としては、バッテリ温度、バッテリSOC、バッテリ4の内部抵抗値(劣化度)、出力継続時間を読み込む。そして、これらが示すバッテリ状態に基づいてバッテリ出力可能電力線VPを決める。
なお、システム下限電圧に対するバッテリ出力可能電力線VPと、バッテリSOC、バッテリ温度、内部抵抗値、出力継続時間と、の関係は、下記のとおりである。
バッテリ出力可能電力線は、バッテリSOCが高い程、システム下限電圧を上げる方向にシフトさせる。すなわち、図においてVP(1)〜VP(3)の3本のバッテリ出力可能電力線のうち、VP(1)が最もバッテリSOCが高い場合を示し、VP(3)が最もバッテリSOCが低い場合を示す。このように、システム下限電圧を上昇させる場合、バッテリ出力可能電力線は、図において、右上方向に移動させる。
バッテリ出力可能電力線VPは、バッテリ温度が高い程、システム下限電圧を上げる方向(図において右上方向)にシフトさせる。
バッテリ出力可能電力線VPは、内部抵抗値(バッテリ劣化度合い)が小さい程、システム下限電圧を上げる方向(図において右上方向)にシフトさせる。
バッテリ出力可能電力線VPは、出力継続時間が長い程、システム下限電圧を上げる方向(図において右上方向)にシフトさせる。
図9に戻り、ステップS1に続くステップS2では、システム下限電圧に対するモータ出力特性としてのMG/INV最大使用電力線(以下、簡略化してMG最大使用電力線と称する)MPを求める。
このMG最大使用電力線MPは、その後の電力使用機能で取り得る最大モータ回転数における、各システム下限電圧に対する最大使用電力を、連続的に表したものである。
このMG最大使用電力線MPは、図10に示すように、システム下限電圧が低い程、低い値となり、逆に、システム下限電圧が高い程、高い値となる右肩下がりの傾きを有する。
また、このMG最大使用電力線MPは、モータ回転数ごとに決定し、基本的には、低回転数程、バッテリ下限電圧を上げる方向にシフトする。すなわち、図10に示す5本のMG最大使用電力線MP(1)〜MP(5)のうち、MP(1)が、モータ回転数を最も低回転とした場合の特性であり、MP(5)が最も高回転とした場合の特性である。
また、この場合、補機類の駆動などバッテリ電力の各種損失分を考慮して、MG最大使用電力線MPを決定する。
図9に戻り、ステップS2に続くステップS3では、バッテリ出力可能電力線VPとMG最大使用電力線MPとから、「システム下限電圧」と「バッテリ最大出力可能値」とを求める。
すなわち、バッテリ出力可能電力線VPとMG最大使用電力線MPとの交点(図10においてXP)が、バッテリ4とモータジェネレータMGとの、それぞれの最大出力ポイントである。このため、この交点XPにより、「システム下限電圧」と「バッテリ最大出力可能値」とを決定する。
図9に戻り、ステップS3に続くステップS4では、その時点で出力可能な最大モータジェネレータトルク(以下、最大MGトルクという)MTmaxを決定する。
この最大MGトルクMTmaxは、ステップS3において決定した「システム下限電圧」と、現在の「モータ回転数」と、別途準備されたシステム下限電圧毎の最大MGトルク特性(図11参照)とから、その時点で出力可能な最大MGトルクを決定する。なお、図11において最大MGトルクMTmax2は、最大MGトルクMTmax1よりも、相対的にシステム下限電圧を低くした場合のトルクカーブを示す。
図9に戻り、ステップS4に続くステップS5a〜S5cでは、所定の復帰条件の成立に基づいて「システム下限電圧」を、徐々に通常時の値に戻す処理である。
この復帰条件は、「バッテリ電圧」と「システム下限電圧」の差分が、予め設定された閾値Vlim以下となった場合、もしくは、所定値以上のバッテリ出力が閾値tlim以上継続した場合である。
そこで、ステップS5aでは、「バッテリ電圧」と「システム下限電圧」の差分が、閾値Vlim以下であるか否か判定し、閾値Vlim以下の場合はステップS5cに進み、閾値Vlim未満の場合はステップS5bに進む。
ステップS5aにおいて前記差分が閾値Vlim未満の場合に進むステップS5bでは、バッテリ出力が、予め設定された所定値以上の状態が閾値tlim以上継続したか否か判定する。そして、この出力状態が、閾値tlim以上継続した場合は、ステップS5cに進み、閾値tlimに満たない場合は、ステップS5aに戻る。
なお、所定値以上の出力とは、上昇要求判定がなされる高出力走行に伴う出力に応じて設定され、閾値tlimの継続でバッテリ電圧がシステム下限電圧に近付くことが想定される出力とする。
また、閾値tlimは、システム下限電圧を上昇させるのを想定した時間であって、想定される高出力走行時間に基づいて設定し、数秒程度の時間とする。
そして、ステップS5a、ステップS5bのいずれかでYes判定の場合に進むステップS5cでは、「システム下限電圧」を、徐々に通常時の値に戻す。
ここで、システム下限電圧を、徐々に通常時の値に戻すのにあたり、一定勾配で戻したり、バッテリ電圧とシステム下弦電圧との乖離幅に応じて一定時間で戻したりすることができる。
(実施の形態1の作用)
以下に、実施の形態1の作用を説明するが、その説明に先立ち、システム下限値が固定値である比較例について簡単に説明する。
<比較例>
システム下限電圧の上昇要求判定がなされたときには、システム下限電圧を、通常時の値から上昇させる。
この比較例は、本実施の形態1と同様に、バッテリとインバータとの間に昇圧コンバータを持たない構成において、この上昇時のシステム下限値を、バッテリ状態のみに基づいて所定値に設定する例である。
例えば、図12に示すように、バッテリ状態のみによりシステム下限電圧VAを設定した場合、一般には、システム下限電圧における最大MGトルクを、システム最大出力値とする。
ここで、最大MGトルクを、バッテリSOCが最も低い値に応じて設定した場合(これをMTaとする)、バッテリSOC、実MG出力に余力を残すおそれがあり、その場合、効率的な出力を実現できない。
一方、最大MGトルクを、バッテリSOCが高い値に応じて設定した場合(これをMTbとする)、バッテリ最大出力によりモータジェネレータMGに出力指令すると、図において点線MPWに示すように、電圧低下と共に実最大MGトルクが低下する。この場合、ドライバの操作(要求駆動力)と実トルクとが乖離し、ドライバに違和感を与えるおそれがある。
そこで、この違和感が生じないようにするには、上記のように、最大MGトルクを、バッテリSOCが低い場合に応じて設定する必要があり、この場合、上記のように効率的な出力を実現できないおそれがある。
<実施の形態1>
実施の形態1では、システム下限電圧を通常時の値から上昇させる際は、まず、バッテリ状態に応じたシステム下限電圧に対する現在のバッテリ出力可能電力線VP(バッテリ出力電力特性)を求める(ステップS1)。
このバッテリ出力可能電力線VPは、バッテリ温度、バッテリSOC、内部抵抗値(劣化度)、出力継続時間に基づいて設定するもので、図10に示すように、システム下限電圧に対して、右肩下がりの特性である。また、バッテリ出力可能電力線VP(バッテリ出力電力特性)は、バッテリSOCに応じて、縦軸(バッテリ要求電力)の方向に幅を有し、バッテリSOCが低くなるほど、バッテリ要求電力の値が小さくなる。
次に、システム下限電圧に対するMG最大使用電力線MP(MG出力特性)を求める(ステップS2)。
このMG最大使用電力線MPは、図10に示すように、システム下限電圧に対して右肩上がりとなる。
また、このMG最大使用電力線MPは、モータ回転数に応じて、縦軸(バッテリ要求電力)の方向に幅を有している。
次に、図10に示すように、求めたバッテリ出力可能電力線VP(バッテリ出力電力特性)とMG最大使用電力線MP(MG出力特性)との交点XPから、「システム下限電圧」と「バッテリ最大出力可能値」とを決定する。
すなわち、図10に示す交点XPは、システムとしてのポテンシャル最大点であり、出力開始後、その出力値を保証できる。
したがって、比較例の最大MGトルクを、バッテリSOCが最も低い値に応じて設定した場合(MTa)を用いた場合のように、バッテリ出力とMG最大出力に余力を有した設定となることが無い。
また、比較例の最大MGトルクを、バッテリSOCが最も高い値に応じて設定した場合(MTb)を用いた場合のように、電圧低下と共に最大MGトルクが低下して、ドライバに違和感を与えるおそれもない。
さらに、上記のシステム下限電圧を通常時の値よりも上昇させる制御は、所定の終了条件が成立した時点で、通常時の値に戻す。
システム下限電圧を上昇させた状態のままでは、バッテリ最大出力性能が制限されている状態である。そこで、所定終了条件でシステム下限電圧を通常時の値に戻すことでバッテリ最大出力性能を確保することができる。
この終了条件の1つは、システム下限電圧の上昇後、バッテリ4の電圧とシステム下限電圧との差分が閾値Vlim以下となった場合である。
すなわち、バッテリ電圧が左記システム下限電圧に近づいてきた場合は、バッテリ実力値がシステム下限電圧を前提とした場合の出力限界値に近づいた状態である。このため、システム下限電圧を通常時の値に下げることで、バッテリ出力可能電力を向上させることができる。
もう1つの終了条件は、システム下限電圧の上昇後、バッテリ4の所定値以上の出力時間が閾値tlim以上継続した場合である。
すなわち、システム下限電圧を上昇させる処理は、バッテリ出力のある継続時間を想定して設定される。このため、バッテリ4の所定値以上の出力が、閾値tlimを越えて継続した場合は、バッテリ電圧がシステム下限電圧付近まで低下するおそれがある。
よって、バッテリ4の所定値以上の出力が、閾値tlimを越えて継続した場合は、システム下限電圧を通常時の値に低下させることで、最大MGトルクを下げ、バッテリ出力可能電力を向上させることができる。
また、このシステム下限電圧を通常時の値に向けて低下する際は、徐々にゆっくり低下させる。このように、システム下限電圧を徐々にゆっくり低下させることにより、システム下限電圧で決まる最大MGトルク出力時の変化を抑えることができる。
(実施の形態1の効果)
以下に、実施の形態1の効果を列挙する。
1)実施の形態1の電動車両の電力制御方法は、
車両の駆動源となるモータジェネレータMGと、
モータジェネレータMGに電力供給を行うバッテリ4と、
バッテリ状態を含む車両状態を検出する検出装置(各センサおよびスイッチ)と、
を備え、
検出装置の検出に基づいて、システム下限電圧の上昇要求判定時に、システム下限電圧を通常時の値よりも上昇させる電動車両の電力制御方法であって、
システム下限電圧の上昇時には、検出装置が検出するバッテリ状態に応じて変化するバッテリ出力電力特性(バッテリ出力可能電力線VP)を求める(ステップS1)とともに、モータ回転数に応じたモータ出力特性(MG最大使用電力線MP)を求め(ステップS2)、
バッテリ出力電力特性とモータ出力特性とに応じてシステム下限電圧を設定する(ステップS3)ことを特徴とする。
したがって、上昇要求判定時には、システム下限電圧を上昇させることでモータジェネレータMGの最大出力を上げることができる。
さらに、システム下限電圧を、バッテリ出力電力特性に加えモータ出力特性に応じて設定するため、昇圧コンバータなどの高価な構成を用いること無く、バッテリ出力可電力特性のみに基づき設定する場合よりも、最大MGトルクを上昇させることが可能となる。
これにより、システム下限電圧の設定により、バッテリの過放電を抑制しつつ、高価な昇圧コンバータを用いることなしに大きなモータ出力を得ることが可能となり、ドライバ要求トルクが得られないことによりドライバに違和感を与えることを抑制可能となる。
2)実施の形態1の電動車両の電力制御方法は、
システム下限電圧を、システム下限電圧に対するバッテリ出力電力特性としてのバッテリ出力可能電力線VPと、システム下限電圧に対するモータ出力特性としてのMG最大使用電力線MPとの交点XPに基づいて設定することを特徴とする。
したがって、システム下限電圧を、バッテリ出力可能電力線VPに加えMG最大使用電力線MPに応じて設定することにより、いっそう確実に最大MGトルクを上昇させることが可能となる。
また、システム下限電圧を、最もバッテリSOCが高い場合に応じて設定した場合(図12のMTb)よりも最大バッテリ出力が低下するが、最大MGトルクの出力時に、電圧低下に伴い最大MGトルクが低下する不具合は生じない。
しかも、実施の形態1では、MG最大使用電力線MPは、各種電力損失分を考慮しているため、この損失を原因とする最大MGトルクの低下が生じるおそれが無い。
3)実施の形態1の電動車両の電力制御方法は、
バッテリ出力可能電力線VPを、バッテリ4の温度が高い程、システム下限電圧を上昇させる側に設定することを特徴とする。
バッテリ温度が高い程、バッテリ内部抵抗値が小さくなりシステム下限電圧を上昇させても確保できる電力値が大きくなる。よって、システム下限電圧を上げることで向上する最大MG出力トルクを、より確保することが可能となる。
4)実施の形態1の電動車両の電力制御方法は、
バッテリ出力可能電力線VPを、バッテリ4の充電電力量(バッテリSOC)が高い程、システム下限電圧を上昇させる側に設定することを特徴とする。
バッテリSOCが高い程、バッテリ内部抵抗値が小さくなりシステム下限電圧を上昇させても確保できる電力値が大きくなる。よって、システム下限電圧を上げることで向上する最大MGトルクをより確保することが可能となる。
5)実施の形態1の電動車両の電力制御方法は、
バッテリ出力可能電力線VPを、バッテリ4の劣化度合いが小さい程、システム下限電圧を上昇させる側に設定することを特徴とする。
バッテリ劣化度合いが小さい程、バッテリ内部抵抗値が小さくなりシステム下限電圧を上昇させても確保できる電力値が大きくなる。よって、システム下限電圧を上げることで向上する最大MGトルクをより確保することが可能となる。
6)実施の形態1の電動車両の電力制御方法は、
所定の終了条件が成立した場合は、バッテリ状態に関わらず上昇させたシステム下限電圧を通常時の値に戻すことを特徴とする。
システム下限電圧を上昇させた状態のままでは、バッテリ最大出力性能が制限されている状態であるため、所定終了条件でシステム下限電圧を通常時の値に戻すことでバッテリ最大出力性能を確保することができる。
7)実施の形態1の電動車両の電力制御方法は、
前記所定の終了条件に、システム下限電圧の上昇後、バッテリ4の電圧とシステム下限電圧との差分が閾値Vlim以下となった場合を含むことを特徴とする。
バッテリ電圧が左記システム下限電圧に近づいてきた場合は、バッテリ実力値がシステム下限電圧を前提とした場合の出力限界値に近づいた状態である。このため、システム下限電圧を通常時の値に下げることで、バッテリ出力可能電力を向上させることができる。
8)実施の形態1の電動車両の電力制御方法は、
所定の終了条件に、システム下限電圧の上昇後、バッテリ4の所定値以上の出力時間が閾値tlim以上継続した場合を含むことを特徴とする。
システム下限電圧を上昇させる処理は、バッテリ出力のある継続時間を想定して設定される。このため、バッテリ4の所定値以上の出力が、想定継続時間に応じた閾値tlimを越えて継続した場合は、バッテリ電圧がシステム下限電圧を下回るおそれがある。
よって、バッテリ4の所定値以上の出力が、閾値tlimを越えて継続した場合は、システム下限電圧を通常時の値に低下させることで、最大MGトルクを下げ、バッテリ出力可能電力を向上させることができる。
9)実施の形態1の電動車両の電力制御方法は、
所定の終了条件の成立によりシステム下限電圧を通常時の値に戻す際は、前記システム下限電圧を徐々に低下させることを特徴とする。
したがって、最大MGトルクを出力している状態で、システム下限電圧が低下した場合の変化を抑え、ドライバに違和感を与えるのを抑制できる。
10)実施の形態1の電動車両の電力制御装置は、
車両の駆動源となるモータジェネレータMGと、
モータジェネレータMGに電力供給を行うバッテリ4と、
バッテリ状態を含む車両状態を検出する検出装置(各センサおよびスイッチ)と、
検出装置の検出に基づいて、システム下限電圧の上昇要求判定時に、システム下限電圧を通常時の値よりも上昇させる電力コントローラとしての統合コントローラ10と、
を備えた電動車両の電力制御装置であって、
統合コントローラ10は、システム下限電圧の上昇時には、検出装置が検出するバッテリ状態を求め、さらに、バッテリ状態に応じて変化するバッテリ出力電力特性を求めるとともに、モータ回転数に応じたモータ出力特性を求め、バッテリ出力電力特性とモータ出力特性とに応じて前記システム下限電圧を設定する
ことを特徴とする。
したがって、上記1)と同様の効果を奏する。
すなわち、システム下限電圧を、バッテリ出力電力特性に加え、モータ出力特性に応じて設定することにより、バッテリ出力可電力特性のみに基づき設定する場合よりも、最大MGトルクを上昇させることが可能となる。
これにより、システム下限電圧の設定により、バッテリの過放電を抑制しつつ、より大きなモータ出力を得ることが可能となり、ドライバ要求トルクが得られないことによりドライバに違和感を与えることを抑制可能となる。
特に、本実施の形態1のように昇圧コンバータを持たない安価なシステムにおいて、最大MGトルクを上昇させることは、より有効となる。
以上、本発明の電動車両の電力制御法補および電力制御装置を実施の形態に基づき説明してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施の形態では、電動車両として、駆動源としてエンジンとモータとを備えたハイブリッド車両を示したが、駆動源としてモータのみを備えた電動車両にも適用することができる。
また、実施の形態1では、システム下限電圧を、バッテリ出力電力特性とモータ出力特性に応じて、両特性の交点を、システム下限電圧とするとともに、この下限電圧による最大出力値としたがこれに限定されない。例えば、交点から、ある程度のマージンを確保して、交点よりも下にシステム下限電圧を設定してもよい。あるいは、逆に、最大出力が、システム下限電圧による出力よりも低下しても違和感が生じない程度に、交点よりも上側にシステム下限電圧を設定してもよい。
また、実施の形態1では、バッテリ出力電力特性を設定するのにあたり、バッテリ温度、バッテリSOC、バッテリ劣化度、出力継続時間を参照して設定する例を示したが、これに限定されず、少なくとも、これらの条件のいずれか1つを含んで設定してもよいし、これらの条件以外の条件を加えてもよい。
また、実施の形態1では、所定の終了条件の成立により、上昇させたシステム下限電圧を通常時の値に低下させるのにあたり、徐々に低下させる例を示したが、これに限定されず、瞬時に通常時の値に戻してもよい。
1 エンジンコントローラ
2 モータコントローラ
3 インバータ
4 バッテリ
10 統合コントローラ(電力コントローラ)
AT 自動変速機
CL1 第1クラッチ
CL2 第2クラッチ
MG モータジェネレータ
MP MG最大使用電力線(モータ出力特性)
MTmax 最大MGトルク
Nm モータ回転数
tlim 閾値
Vlim 閾値
VP バッテリ出力可能電力線(バッテリ出力電力特性)
XP 交点

Claims (10)

  1. 車両の駆動源となるモータと、
    前記モータに電力供給を行うバッテリと、
    前記バッテリ状態を含む車両状態を検出する検出装置と、
    前記モータを駆動させるシステムとして、前記バッテリと前記モータとに接続され、前記バッテリから供給される電力により前記モータに複数相交流を印加するインバータを備え、
    前記検出装置の検出に基づいて、前記バッテリからの電力の持ち出しが大きくなる運転者による前記モータの高出力要求時を、前記バッテリの使用可能な下限電圧であるシステム下限電圧の上昇要求判定時として、前記システム下限電圧を通常時の値よりも上昇させる電動車両の電力制御方法であって、
    前記システム下限電圧の上昇時には、前記検出装置が検出するバッテリ状態に応じて変化するバッテリ出力電力特性を求めるとともに、前記モータの回転数に応じたモータ出力特性を求め、
    前記バッテリ出力電力特性と前記モータ出力特性とのそれぞれで最大出力が得られる電圧に基づいて前記システム下限電圧を設定する
    ことを特徴とする電動車両の電力制御方法。
  2. 請求項1に記載の電動車両の電力制御方法において、
    前記システム下限電圧を、前記システム下限電圧に対する前記バッテリ出力電力特性と、前記システム下限電圧に対する前記モータ出力特性との交点に基づいて設定する
    ことを特徴とする電動車両の電力制御方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電動車両の電力制御方法において、
    前記バッテリ出力電力特性を、前記バッテリの温度が高い程、前記システム下限電圧を上昇させる側に設定する
    ことを特徴とする電動車両の電力制御方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電動車両の電力制御方法において、
    前記バッテリ出力電力特性を、前記バッテリの充電電力量が高い程、前記システム下限電圧を上昇させる側に設定する
    ことを特徴とする電動車両の電力制御方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電動車両の電力制御方法において、
    前記バッテリ出力電力特性を、前記バッテリの劣化度合いが小さい程、前記システム下限電圧を上昇させる側に設定する
    ことを特徴とする電動車両の電力制御方法。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電動車両の電力制御方法において、
    所定の終了条件が成立した場合は、前記バッテリ状態に関わらず上昇させた前記システム下限電圧を通常時の値に戻す
    ことを特徴とする電動車両の電力制御方法。
  7. 請求項6に記載の電動車両の電力制御方法において、
    前記所定の終了条件に、前記システム下限電圧の上昇後、前記バッテリの電圧と前記システム下限電圧との差分が閾値以下となった場合を含む
    ことを特徴とする電動車両の電力制御方法。
  8. 請求項6または請求項7に記載の電動車両の電力制御方法において、
    前記所定の終了条件に、前記システム下限電圧の上昇後、前記バッテリの所定値以上の出力時間が閾値以上継続した場合を含む
    ことを特徴とする電動車両の電力制御方法。
  9. 請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載の電動車両の電力制御方法において、
    前記所定の終了条件の成立により前記システム下限電圧を通常時の値に戻す際は、前記システム下限電圧を徐々に低下させる
    ことを特徴とする電動車両の電力制御方法。
  10. 車両の駆動源となるモータと、
    前記モータに電力供給を行うバッテリと、
    前記バッテリ状態を含む車両状態を検出する検出装置と、
    前記モータを駆動させるシステムとして、前記バッテリと前記モータとに接続され、前記バッテリから供給される電力により前記モータに複数相交流を印加するインバータを備え、
    前記検出装置の検出に基づいて、前記バッテリからの電力の持ち出しが大きくなる運転者による前記モータの高出力要求時を、前記バッテリの使用可能な下限電圧であるシステム下限電圧の上昇要求判定時として、前記システム下限電圧を通常時の値よりも上昇させる電力コントローラと、
    を備えた電動車両の電力制御装置であって、
    前記電力コントローラは、前記システム下限電圧の上昇時には、前記検出装置が検出するバッテリ状態を求め、さらに、前記バッテリ状態に応じて変化するバッテリ出力電力特性を求めるとともに、前記モータの回転数に応じたモータ出力特性を求め、前記バッテリ出力電力特性と前記モータ出力特性とのそれぞれで最大出力が得られる電圧に基づいて前記システム下限電圧を設定する
    ことを特徴とする電動車両の電力制御装置。


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