JP6398813B2 - 活性光線硬化型インクジェットインク、画像形成方法およびインクセット - Google Patents
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Description
[1]光重合性化合物、直鎖アルキル基を有する非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物、ゲル化剤および光開始剤を含有する活性光線硬化型インクジェットインクであって、
前記光重合性化合物は、分子内に(−CH2−CH2−O−)m(mは3以上14以下の整数)で表される構造を有する、分子量が300以上1500以下の(メタ)アクリレートを含み、
前記非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物のHLB値は6以上であり、
前記インクは、インクの全質量に対して30質量%以上70質量%以下の前記(メタ)アクリレートを含有し、
前記インクは、インクの全質量に対して0.01質量%以上10.0質量%以下の前記非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物を含有することを特徴とする、インク。
[2]前記ゲル化剤は、一般式(G1)〜一般式(G5)からなる群から選択される少なくとも1種であり、前記インクは、インクの全質量に対して2質量%以上10質量%以下の、前記一般式(G1)〜一般式(G5)で表されるゲル化剤を含有することを特徴とする、[1]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
一般式(G1): R1a−CO−R1b
一般式(G2): R1a−COO−R1b
一般式(G3): R1a−COOH
一般式(G4): R1a−OH
一般式(G5): R2a−(CH2CH2O)n−R2b
(R1aおよびR1bは独立して、炭素数12以上24以下の直鎖部分を有するアルキル基を表し、R2aおよびR2bは独立して、炭素数12以上24以下の直鎖部分を有するアルキルケトン基またはアルキルエステル基を表し、nは1または2を表す。)
[3]前記ゲル化剤のR1a、R1b、R2aまたはR2bが有する直鎖部分の炭素原子の数と、前記非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物が有する前記直鎖アルキル基の炭素原子の数と、の差は3以内であることを特徴とする、[2]に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[4]前記非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物は、一般式(A1)で表され、かつ、HLB値が10以上18以下の化合物であることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
一般式(A1): R3−X−((CH2CH2O)p−H)qHr
(R3は炭素数12以上24以下の直鎖部分を有するアルキル基を表し、XはC、Nおよび糖構造からなる群から選択される1つの構造を表し、pおよびqは独立して2以上の整数を表し、rは(Xの価数−q−1)を表す。)
[5]前記インクは、インクの全質量に対して2.0質量%以上6.0質量%以下の前記非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物を含有することを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインクの液滴をインクジェット法により記録媒体上に着弾させる工程、前記記録媒体上に着弾した液滴に活性光線を照射して画像を構成する下層を形成する工程、およびオーバーコート液を前記下層の上に付与する工程、を含む画像形成方法。
[7]前記オーバーコート液は、HLB値が6以上である非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物を含有することを特徴とする、[6]に記載の画像形成方法。
[8]前記オーバーコート液は、一般式(G1)〜一般式(G5)からなる群から選択される少なくとも1種のゲル化剤を含有し、前記オーバーコート液は、オーバーコート液の全質量に対して2質量%以上10質量%以下の前記ゲル化剤を含有することを特徴とする、[7]に記載の方法。
一般式(G1): R1a−CO−R1b
一般式(G2): R1a−COO−R1b
一般式(G3): R1a−COOH
一般式(G4): R1a−OH
一般式(G5): R2a−(CH2CH2O)n−R2b
(R1aおよびR1bは独立して、炭素数12以上24以下の直鎖部分を有するアルキル基を表し、R2aおよびR2bは独立して、炭素数12以上24以下の直鎖部分を有するアルキルケトン基またはアルキルエステル基を表し、nは1または2を表す。)
[9]前記非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物が有する直鎖アルキル基の炭素原子数と、前記ゲル化剤が有するR1a、R1b、R2a及びR2bの直鎖部分の炭素数との差は、3以内であることを特徴とする、[8]に記載の方法。
[10]前記非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物は、一般式(A1)で表され、かつ、HLB値が10以上18以下の化合物であることを特徴とする、[7]〜[9]のいずれかに記載の方法。
一般式(A1): R3−X−((CH2CH2O)p−H)qHr
(R3は炭素数12以上24以下の直鎖部分を有するアルキル基を表し、XはC、Nおよび糖構造からなる群から選択される1つの構造を表し、pおよびqは独立して2以上の整数を表し、rは(Xの価数−q−1)を表す。)
[11]前記オーバーコート液は、オーバーコート液の全質量に対して0.01質量%以上10.0質量%以下の前記非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物を含有することを特徴とする、[6]〜[10]のいずれか1項に記載の方法。
[12]前記オーバーコート液は、活性光線硬化型インクであることを特徴とする、[6]〜[11]のいずれかに記載の方法。
[13][1]〜[5]のいずれかに記載の活性光線硬化型インクジェットインクと、インクジェット吐出用オーバーコート液とを含むことを特徴とする、インクセット。
[14]前記インクジェット吐出用オーバーコート液は、HLB値が6以上である非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物を含有することを特徴とする、[13]に記載のインクセット。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインク(以下、単に「本発明のインク」ともいう。)は、光重合性化合物、直鎖アルキル基を有する非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物、ゲル化剤および光開始剤を含有する。上記光重合性化合物は、分子量が300以上1500以下であり、分子内に(−CH2−CH2−O−)m(mは3以上14以下の整数)で表される構造を有する、分子量が300以上1500以下の(メタ)アクリレート(以下、単に「EO(メタ)アクリレート」ともいう。)を含む。前記非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物は、HLB値が6以上の化合物(以下、単に「EOアルキル化合物」ともいう)である。本発明のインクは、インクの全質量に対して30質量%以上70質量%以下の前記EO(メタ)アクリレートを含有し、インクの全質量に対して0.01質量%以上10質量%以下の前記非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物を含有する。なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」および「メタクリレート」の一方または双方を意味する。
1−1−1.EO(メタ)アクリレート
EO(メタ)アクリレートは、3個以上14個以下のEO基を有する、分子量が300以上1500以下の(メタ)アクリレートである。3個以上14個以下のEO基は、連結した1つのセグメントとして存在してもよいし、2以上のセグメントに分かれて存在してもよい。ただし、インクを硬化するときにEOアルキル化合物を炭化水素鎖中により取り込まれにくくする観点からは、EO基が2以上のセグメントに分かれて存在するときは、3個以上のEO基を有するセグメントが分子内に2個以上あることが好ましい。本発明のインクは、EO(メタ)アクリレートを1種のみ含有しても、2種以上含有してもよい。
光重合性化合物は、本発明の効果が得られる範囲において、EO(メタ)アクリレート以外の光重合性化合物を含んでいてもよい。EO(メタ)アクリレート以外の光重合性化合物の例には、EO基の数が2個以下の(メタ)アクリレートを含むラジカル重合性の化合物、ならびにエポキシ化合物およびビニルエーテル化合物を含むカチオン重合性の化合物が含まれる。上記以外の光重合性化合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーまたはこれらの混合物でもよい。本発明のインクは、EO(メタ)アクリレート以外の以外の光重合性化合物を1種のみ含有しても、2種以上含有してもよい。
EOアルキル化合物は、分子内にEO基を有し、HLB値が6以上であり、直鎖アルキル基を有する、非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物である。本発明のインクは、EOアルキル化合物を1種のみ含有しても、2種以上含有してもよい。
ゲル化剤は、インクの使用温度範囲内でも温度変化により可逆的にゾルゲル相転移する化合物である。ゲル化剤は、記録媒体に着弾した本発明のインクの液滴をゲル状態にして仮固定(ピニング)することができる。インクがゲル状態でピニングされると、インクの濡れ広がりが抑えられて隣り合うドットが同一しにくくなるため、より高精細な画像を形成することができる。また、インクがゲル状態になると、インク液滴中への環境中の酸素の入り込みが抑えられて酸素による硬化阻害が生じにくくなるため、高精細な画像をより高速で形成することができる。ゲル化剤は、本発明のインク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
ジリグノセリルケトン、ジベヘニルケトン、ジステアリルケトン、ジエイコシルケトン、ジパルミチルケトン、ジラウリルケトン、ジミリスチルケトン、ミリスチルパルミチルケトンおよびパルミチルステアリルケトンを含むケトンワックス;
ベヘニン酸ベヘニル、イコサン酸イコシル、ステアリン酸ステアリル、ステアリン酸パルミチル、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、セロチン酸ミリシル、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸オレイル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、エチレングリコール脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレン脂肪酸エステルを含むエステルワックス;
パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスおよびペトロラクタムを含む石油系ワックス;
キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ、ホホバ油、ホホバ固体ロウおよびホホバエステルを含む植物系ワックス;
ミツロウ、ラノリンおよび鯨ロウを含む動物系ワックス;
モンタンワックスおよび水素化ワックスを含む鉱物系ワックス;
硬化ヒマシ油;
硬化ヒマシ油誘導体、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体、12−ヒドロキシステアリン酸誘導体およびポリエチレンワックス誘導体を含む変性ワックス;
ステアリルアルコールおよびベヘニルアルコールを含む高級アルコール;
12−ヒドロキシステアリン酸を含むヒドロキシステアリン酸;
ラウリン酸アミド、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミドおよび12−ヒドロキシステアリン酸アミドを含む脂肪酸アミド;
N−ステアリルステアリン酸アミドおよびN−オレイルパルミチン酸アミドを含むN−置換脂肪酸アミド;
N,N’−エチレンビスステアリルアミド、N,N’−エチレンビス−12−ヒドロキシステアリルアミドおよびN,N’−キシリレンビスステアリルアミドを含む特殊脂肪酸アミド;
ドデシルアミン、テトラデシルアミンおよびオクタデシルアミンを含む高級アミン;
ショ糖ステアリン酸およびショ糖パルミチン酸を含むショ糖脂肪酸のエステル;
ポリエチレンワックスおよびα−オレフィン無水マレイン酸共重合体ワックスを含む合成ワックス;
ダイマー酸;ならびに
ダイマージオールが含まれる。
一般式(G2): R1a−COO−R1b
一般式(G3): R1a−COOH
一般式(G4): R1a−OH
一般式(G5): R2a−(CH2CH2O)n−R2b
[光開始剤]
光開始剤(光重合開始剤)は、活性光線の照射により光重合性化合物の重合を開始し得るものである。光開始剤としては、ラジカル重合開始剤であることが好ましいが、さらにカチオン重合開始剤が含有されていてもよい。本発明のインクは、光開始剤を1種のみ含有しても、2種以上含有してもよい。
本発明のインクは、本発明の効果が得られる範囲において、上記以外の成分を含有してもよい。本発明のインクが含有しうる上記以外の化合物の例には、上記EOアルキル化合物以外の非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物、増感剤、色材および界面活性剤が含まれる。これらの成分は、本発明のインク中に、一種のみが含まれていてもよく、二種類以上が含まれていてもよい。
MS Cyan HM−1238、MS Cyan HSo−16、CyanHSo−144およびMS CyanVPG、三井東圧社製、AIZEN SOTBlue−4、保土谷化学社製、RESOLIN BR.Blue BGLN 200%、MACROLEXBlue RR、CERES Blue GN、SIRIUS SUPRATURQ.BlueZ−BGLおよびSIRIUS SUPRATURQ.Blue FB−LL 330%、ランクセス社製、KAYASET Blue FR、KAYASET Blue N、KAYASETBlue 814、Turq.BlueGL−5 200およびLightBlue BGL−5 200、日本化薬社製、DAIWA Blue 7000およびOleosol Fast Blue GL、ダイワ化成社製、DIARESIN Blue P、三菱化成社製ならびにSUDAN Blue 670、NEOPEN Blue 808およびZAPON Blue 806、BASFジャパン社製を含むシアン染料、
MS Yellow HSm−41、Yellow KX−7およびYellowEX−27、三井東圧社製、AIZEN SOT Yellow−1、AIZEN SOT YelloW−3およびAIZEN SOT Yellow−6、保土谷化学社製MACROLEX Yellow 6GおよびMACROLEX FLUOR.Yellow 10GN、バイエルジャパン社製、KAYASETYellow SF−G、KAYASETYellow2G、KAYASET YellowA−GおよびKAYASET YellowE−G、日本化薬社製、DAIWA Yellow330HB、ダイワ化成社製、HSY−68、三菱化成社製ならびにSUDAN Yellow 146およびNEOPEN Yellow 075、BASFジャパン社製を含むイエロー染料、ならびに
MS Black VPC、三井東圧社製、AIZEN SOT Black−1およびAIZEN SOT Black−5、保土谷化学社製、RESORIN Black GSN 200%およびRESOLIN BlackBS、ランクセス社製、KAYASET Black A−N、日本化薬社製、DAIWA Black MSC、ダイワ化成社製、HSB−202、三菱化成社製、NEPTUNE BlackX60およびNEOPEN BlackX58、BASFジャパン社製を含む油溶性染料が含まれる。
本発明のインクの表面張力は、15mN/m以上35mN/m未満であることが好ましい。インクの表面張力が15mN/m以上であれば、インクジェットヘッドのノズル周りが濡れることによる吐出能力の低下が生じにくい。また、インクの表面張力が35mN/m未満であれば、表面エネルギーが通常の紙よりも低いコート紙や樹脂製の記録媒体によく濡れるため、白ぬけが発生しにくい。インクの表面張力は、市販の表面張力計(例えば、協和界面科学(株)製、表面張力計FACE SURFACE TENSIOMETER CBVB−A3など)を用いて、Wilhelmy法(プレート法)で液温25℃、60%RHにて測定した値を用いることができる。インクの表面張力は、光硬化性化合物の選択、各成分の配合比率の変更、または界面活性剤の添加によって調整することができる。
本発明のインクは、各種材料を混合し、サンドミル等の通常の分散機を用いてよく分散させることにより製造することができる。色材として顔料を用いる場合は、高濃度の顔料を含有する濃縮液を予め調製しておき、濃縮液を光重合性化合物で希釈してもよい。サンドミル等の通常の分散機でも、材料の十分な分散が可能であり、かつ、過剰な分散エネルギーがかからず、長い分散時間も必要としないので、インク成分が分散時に変質しにくく、安定性に優れたインクが調製できる。調製されたインクは、孔径3μm以下、好ましくは1μm以下のフィルターで濾過することが好ましい。
本発明の画像形成方法は、前述した本発明のインクを用いる以外は、インクジェットインクを用いて画像を形成し、その上にオーバーコート液を付与する公知の画像形成方法と同様に行い得る。
この工程では、インクジェットインクの液滴をインクジェットヘッドから吐出して、記録媒体上に着弾させる。インクジェットインクの液滴は、記録媒体上の形成すべき画像に応じた位置に着弾させることが好ましい。
この工程では、前の工程で着弾させたインクジェットインクに活性光線を照射して、画像を構成する下層を形成する。インクジェットインクに活性光線を照射することで、インクジェットインクが硬化し、下層が形成される。
この工程では、オーバーコート液を前記下層の上に付与する。オーバーコート液には、前記インクジェット吐出用オーバーコート液およびインクジェット吐出以外の方法で付与するオーバーコート液(以下、単に「非インクジェット吐出用オーバーコート液」ともいう。)が含まれる。下層の上に付与するとは、前記形成した下層の、記録媒体とは反対側の面に接するようにオーバーコート液を付与することを意味する。
本工程では、印刷された画像に、光沢を持たせたり、外部からの衝撃への耐性を持たせたりするなどの目的に応じて、適宜公知のオーバーコート液を用いることができる。オーバーコート液は、色材を含有する色インク(たとえば、白色顔料を含有するホワイトインク)でもよいし、色材を実質的に含有しないクリアインクでもよい。
オーバーコート液が活性光線硬化型インクである場合は、前記オーバーコート液を下層の上に付与する工程の後に、オーバーコート液に活性光線を照射してオーバーコート液を硬化させてもよい。装置の設定を容易にして、効率的に画像を形成する観点から、オーバーコート液に活性光線を照射する条件は、前記インクジェットインクに活性光線を照射する条件と同一の条件とすることが好ましい。
下層の形成とオーバーコート液の付与とを異なる機械で行う場合、またはこれらの工程を同一の機械の異なる場所で行う場合は、上記下層を形成する工程とオーバーコート液を付与する工程との間に、下層が形成された記録媒体を搬送する工程を含んでいてもよい。
本発明の画像形成方法に用いる記録媒体は、本発明のインクによって画像を形成することができればよく、例えば、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブタジエンテレフタレートを含むプラスチックで構成される非吸収性の記録媒体、金属類およびガラス等の非吸収性の無機記録媒体、ならびに紙類等(例えば印刷用コート紙および印刷用コート紙B等)とすることができる。
本発明のインクは、上記インクジェット吐出用オーバーコート液と組みあわせて、インクセットとすることができる。インクセットとは、インクジェット記録装置に設置して画像を形成することができるように構成された、本発明のインクとインクジェット吐出用オーバーコート液との組み合わせを意味する。インクセットの例には、本発明のインクおよびインクジェット吐出用オーバーコート液を複数のインクカートリッジにそれぞれ独立に収容したもの、または複数のインク収容部を一体的に構成して、それぞれのインク収容部に本発明のインクまたはインクジェット吐出用オーバーコート液を収容したインクカートリッジが含まれる。本発明のインクセットは、形成しようとする画像の種類に応じて、異なる色を塗布または印字することができる複数のインクを組み合わせて含んでいてもよい。
1.インクの調製
表1に記載の光重合性化合物、表2に記載のゲル化剤、表3に記載の非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物、および以下の成分を用いて、インク1〜20を調製した。
TPO: DAROCUR TPO、BASF社製(DAROCURはBASF社の登録商標)
ITX: ITX、BASF社製
UV−10: Irgastab UV−10、BASF社製 (「Irgastab」は同社の登録商標)
以下に示す二種の化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌溶解した。
アジスパーPB824 9部
ジエチレングリコールジアクリレート 71部
室温まで冷却した後、上記溶解液に下記の顔料20部を加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて5時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去して、顔料分散液1を得た。
Pigment Blue 15:4(クロモファインブルー6332JC、大日精化工業株式会社製)
表4〜6に記載のゲル化剤、EOアルキル化合物、光重合性化合物、重合禁止剤および光開始剤を、表4〜6に記載の量で、65℃のホットプレート上で加熱攪拌しながら溶解させた後に、上記の顔料分散液1を添加して撹拌した。得られたインクをADVATEC社製テフロン(テフロンはイー アイ デュポン社の登録商標)3μmメンブランフィルターで濾過を行い、インク1〜24とした。
ピエゾ型インクジェットノズルを備えたインクジェット記録ヘッド(各色42pL、360dpi)を有するライン方式のインクジェット記録装置に装填した。インク供給系は、インクタンク、インク流路、インクジェット記録ヘッド直前のサブインクタンク、フィルター付き配管およびピエゾヘッドからなり、インクが100℃となるように加温した。また、基材の搬送台は、40℃になるように加温した。
[表面エネルギー]
上記形成した画像を構成するインク硬化物上に、γL D、γL PおよびγL Hが既知の3種類の液体を滴下し、そのときの接触角を接触角計測定装置「接触角計CA−V、協和界面科学株式会社製」によって常温常湿(20℃、50%RH)で5回測定し、その平均値を接触角θとした。上記3種類の液体のγL D、γL P、γL Hおよびθを式(1)に代入して連立方程式を解いてγS D、γS PおよびγS Hを求め、得られたγS D、γS PおよびγS Hを式(2)に代入して硬化物の表面エネルギーγSを算出した。、γL Dは上記液体の表面エネルギー(分散力成分)、γL Pは上記液体の表面エネルギー(双極子成分)、γL Hは上記液体の表面エネルギー(水素結合成分)、γS Dはインク硬化物の表面エネルギー(分散力成分)、γS Pはインク硬化物の表面エネルギー(双極子成分)、γS Hはインク硬化物の表面エネルギー(水素結合成分)をそれぞれ表す。
式(1) γL(1+cosθ)=2(γS DγL D)1/2 + 2(γS PγL P)1/2 + 2(γS HγL H)1/2
式(2) γS =γS D+γS P+γS H
上記形成した画像上に上層液を塗布した際に、ハジキが発生するまでの時間と、白ヌケ(弾きによる未印字部分)の度合いを目視で確認した。評価は下記の基準で行った。
2: 塗布後5秒以降にハジキが発生し、白ヌケが数か所ある。
3: 塗布後10秒以降にハジキが発生し、白ヌケが数か所ある。
4: 塗布後15秒以降にハジキが発生し、白ヌケが数か所ある。
5: 塗布後20秒までハジキ発生せず、白ヌケはほとんどない。
6: 塗布後にハジキ発生せず、白ヌケは全くない。
上記形成した画像の表面を25マスにクロスカットし、セロテープ、3M社製(「セロテープ」は同社の登録商標)を貼り付け、垂直方向に引きはがし、剥がれたマスの数をカウントし、基材への画像の密着性を評価した。
2: 1〜15マス残る。
3: 16〜20マス残る。
4: 21〜24マス残る。
5: 全部残る。
上記形成した画像を、25℃・60%RHの環境下に24時間放置した。その後、JIS−K−5400に準じて画像表面の鉛筆硬度を測定した。評価は下記の基準で行った。
2: 鉛筆硬度がB、FまたはHだった。
3: 鉛筆硬度が2H以上だった。
1.オーバーコート液の調製
1−1.ホワイト顔料分散液1の調製
以下に示す二種の化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱攪拌溶解した。
アジスパーPB824 9部
3PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート 71部
室温まで冷却した後、上記溶解液に下記の顔料60部を加えて、直径0.5mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて5時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去して、ホワイト顔料分散液1を得た。
酸化チタン(TCR−52、堺化学工業社製)
アジスパーPB824を,3級アミンを有するブロック子ポリマーであるBYKJET−9151、BYK社製(「BYKJET」は同社の登録商標)に変更した以外はホワイト顔料分散液1と同様にして、ホワイト顔料分散液2を調製した。
顔料分散液1をホワイト顔料分散液1、ホワイト顔料分散液2またはジエチレングリコールジアクリレート(DEGDA)に変更した以外はそれぞれインクNo.1、2、4、5、9、10および13〜15とそれぞれ同様にして、オーバーコート液1、2、4、5、9、10および13〜15を得た。オーバーコート液3、7、8、11および12は、EOアルキル化合物を含有するニスであるUV VECTAコートニス PC−3KW2、株式会社T&K TOKA製をオーバーコート液とした。
実施例1においてインク1〜15により形成した画像の上に、オーバーコート液1〜15を付与した。
形成されたオーバーコート層の表面エネルギー、濡れ性、密着性および膜硬度を、実施例1と同様の手段で評価した。
Claims (12)
- 光重合性化合物、直鎖アルキル基を有する非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物、ゲル化剤および光開始剤を含有する活性光線硬化型インクジェットインクであって、
前記光重合性化合物は、分子内に(−CH2−CH2−O−)m(mは3以上14以下の整数)で表される構造を有する、分子量が300以上1500以下の(メタ)アクリレートを含み、
前記非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物は、一般式(A1)で表され、かつ、HLB値が10以上18以下の化合物であり、
一般式(A1): R3−X−((CH 2 CH 2 O) p −H) q H r
(R3は炭素数12以上24以下の直鎖部分を有するアルキル基を表し、XはC、Nおよび糖構造からなる群から選択される1つの構造を表し、pおよびqは独立して2以上の整数を表し、rは(Xの価数−q−1)を表す。)
前記インクは、インクの全質量に対して30質量%以上70質量%以下の前記(メタ)アクリレートを含有し、
前記インクは、インクの全質量に対して0.01質量%以上10.0質量%以下の前記非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物を含有することを特徴とする、インク。 - 前記ゲル化剤は、一般式(G1)〜一般式(G5)からなる群から選択される少なくとも1種を含み、前記インクは、インクの全質量に対して2質量%以上10質量%以下の、前記一般式(G1)〜一般式(G5)で表されるゲル化剤を含有することを特徴とする、請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
一般式(G1): R1a−CO−R1b
一般式(G2): R1a−COO−R1b
一般式(G3): R1a−COOH
一般式(G4): R1a−OH
一般式(G5): R2a−(CH2CH2O)n−R2b
(R1aおよびR1bは独立して、炭素数12以上24以下の直鎖部分を有するアルキル基を表し、R2aおよびR2bは独立して、炭素数12以上24以下の直鎖部分を有するアルキルケトン基またはアルキルエステル基を表し、nは1または2を表す。) - 前記ゲル化剤のR1a、R1b、R2aまたはR2bが有する直鎖部分の炭素原子の数と、前記非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物が有する前記直鎖アルキル基の炭素原子の数と、の差は3以内であることを特徴とする、請求項2に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
- 前記インクは、インクの全質量に対して2.0質量%以上6.0質量%以下の前記非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物を含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインク。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクの液滴をインクジェット法により記録媒体上に着弾させる工程、前記記録媒体上に着弾した液滴に活性光線を照射して画像を構成する下層を形成する工程、およびオーバーコート液を前記下層の上に付与する工程、を含む画像形成方法。
- 前記オーバーコート液は、HLB値が6以上である非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物を含有することを特徴とする、請求項5に記載の画像形成方法。
- 前記オーバーコート液は、一般式(G1)〜一般式(G5)からなる群から選択される少なくとも1種のゲル化剤を含有し、前記オーバーコート液は、オーバーコート液の全質量に対して2質量%以上10質量%以下の前記ゲル化剤を含有することを特徴とする、請求項6に記載の画像形成方法。
一般式(G1): R1a−CO−R1b
一般式(G2): R1a−COO−R1b
一般式(G3): R1a−COOH
一般式(G4): R1a−OH
一般式(G5): R2a−(CH2CH2O)n−R2b
(R1aおよびR1bは独立して、炭素数12以上24以下の直鎖部分を有するアルキル基を表し、R2aおよびR2bは独立して、炭素数12以上24以下の直鎖部分を有するアルキルケトン基またはアルキルエステル基を表し、nは1または2を表す。) - 前記非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物が有する直鎖アルキル基の炭素原子数と、前記ゲル化剤が有するR1a、R1b、R2a及びR2bの直鎖部分の炭素数との差は、3以内であることを特徴とする、請求項7に記載の画像形成方法。
- 前記オーバーコート液は、オーバーコート液の全質量に対して0.01質量%以上10.0質量%以下の前記非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物を含有することを特徴とする、請求項5〜8のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記オーバーコート液は、活性光線硬化型インクであることを特徴とする、請求項5〜9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェットインクと、インクジェット吐出用オーバーコート液とを含むことを特徴とする、インクセット。
- 前記インクジェット吐出用オーバーコート液は、HLB値が6以上である非重合性ポリオキシエチレンアルキル化合物を含有することを特徴とする、請求項11に記載のインクセット。
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