JP6351375B2 - 現像装置 - Google Patents
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Description
本発明の第1の実施形態について、図1ないし図7を用いて説明する。まず、本実施形態の現像装置を有する画像形成装置の概略構成について、図1を用いて説明する。
画像形成装置100は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色に対応して設けられ4つの画像形成部Y、M、C、Kを有する電子写真方式のフルカラープリンタである。画像形成装置100は、画像形成装置本体に接続された原稿読み取り装置(図示せず)又は画像形成装置本体に対し通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器からの画像信号に応じてトナー像(画像)を記録材Pに形成する。記録材としては、用紙、プラスチックフィルム、布などのシート材が挙げられる。このような画像形成プロセスの概略を説明すると、まず、各画像形成部Y、M、C、Kでは、それぞれ、像担持体としての感光ドラム(電子写真感光体)10Y、10M、10C、10K上に各色のトナー像を形成する。このように形成された各色のトナー像は、記録材P上に転写される。トナー像が転写された記録材は、定着装置25に搬送されて、トナー像が記録材に定着される。以下、詳しく説明する。
次に、現像装置1の詳しい構成について、図2ないし図5を用いて説明する。現像装置1は、トナーとキャリアを含む現像剤を収容する現像容器2と、現像容器内の現像剤を担持して回転搬送する現像剤担持体としての現像スリーブ8とを有する。現像容器2内には、現像容器内の現像剤を攪拌・搬送しつつ現像容器内を循環させる現像剤搬送部材としての搬送スクリュー5、6が配置されている。また、現像スリーブ8内には、周方向に複数の磁極を有するマグネット8aが、回転不能に配置されている。
このような現像スリーブ8は、不図示のモータにより回転させられて、現像剤を感光ドラム10に搬送する。本実施形態では、現像スリーブ8はアルミニウムで円筒状に形成され、ドラム対向部での断面において直径が20mmとした。現像スリーブ8の表面性と現像剤の搬送性について説明する。まず、現像スリーブ8の表面が鏡面のような平滑な場合は、現像剤と現像スリーブ表面との摩擦が極端に少ない為に、現像スリーブ8が回転しても現像剤は殆ど搬送されない。現像スリーブ表面に適度な凹凸を設け、現像スリーブ表面と現像剤との間に摩擦力を作ることで、現像剤が現像スリーブの回転に追従するようになる。本実施形態では、現像スリーブ8表面にブラスト処理を行い表面粗さ15μ程度の凹凸を設けた。
現像スリーブ8内には、ローラ状の磁界発生手段であるマグネット8aが現像容器2に固定配置されている。このマグネット8aは、図2に示すように、周方向に複数の磁極N1、N2、N3、S1、S2極の合計5極を有している。なお、図2では、各極の現像スリーブ8の外周面に対する法線方向の磁束密度の最大値位置を示している。現像領域Aに対向する位置には、現像磁極N2を配置し、現像領域Aで形成するN2極の磁界により現像剤が磁気ブラシを形成する。そして、この磁気ブラシが、現像領域Aで矢印a方向に回転する感光ドラム10に接触しつつ、帯電したトナーを静電気的な力によって静電潜像をトナー像として現像する。
ここで、規制ブレード9は、現像スリーブ8の外周面に所定の隙間を介して対向配置され、現像スリーブ8に担持された現像剤の層厚を規制する。このために規制ブレード9は、現像スリーブ8の回転方向の現像領域Aの上流に配置される。本実施形態では規制ブレード9は、現像スリーブ8の回転軸線方向(長手方向)に沿って延在した板状の部材である。また、規制ブレード9の材質としては、アルミニウムを用いた。また、規制ブレード9は、感光ドラム10よりも現像スリーブ8の回転方向上流においてブレード先端がスリーブ中心を向くように現像容器側に配設している。現像スリーブ8が回転することで、現像スリーブ8上の現像剤は、規制ブレード9の先端部と現像スリーブ8の間を通過して現像領域Aへと送られる。従って、規制ブレード9と現像スリーブ8の表面との間隙を調整することによって、現像スリーブ8上に担持され現像領域へ搬送される現像剤量が調整できる。
次に、図3を用いて現像容器2への現像剤の補給について説明する。本実施形態において、ホッパー20(図1参照)から補給剤として、消費した量とほぼ同量のトナーを補給する。図3は現像容器内の現像剤循環経路を見るための長手方向を水平に見た断面図である。但し、ホッパー20は補給剤Sの経路が分かるよう現像容器2に接続されている。現像装置1の上部には、補給剤Sを収容するホッパー20が配置されている。補給手段を構成するホッパー20は現像装置の補給口30と接続している。
次に、マグネット8aが作り出す磁束密度及び磁力について説明する。尚、本実施形態の説明に際して、Br、Bθ、Fr、Fθを以下のように定義する。
Br:ある点における現像スリーブ8の外周面(表面)に対する法線方向(垂直方向)の磁束密度
Bθ:ある点における現像スリーブ8の外周面に対する接線方向の磁束密度
Fr:ある点における現像スリーブ8の外周面に対する法線方向に働く磁気力(但し、吸引方向(現像スリーブ8に向かう方向)を負とする)
Fθ:ある点における現像スリーブ8の外周面に対する接線方向に働く磁気力(但し、現像スリーブ8の回転方向を正とする)
ここで、本実施形態における磁気力の測定方法について説明する。本実施形態で述べた磁気力は以下説明する計算方法によって算出できる。キャリアに作用する磁気力は、下記の(1)式で求められる。ここで、μ0が真空の透磁率、μがキャリアの透磁率、bがキャリアの半径、Bが磁束密度である。
次に、現像スリーブ8により規制ブレード9に搬送される現像剤の搬送量の安定性について説明する。規制ブレード9近傍において、現像剤は現像スリーブ8による搬送方向と逆方向に力を受ける。このため、現像スリーブ8の規制ブレード9と対向するブレード対向部において形成される磁気穂が、現像スリーブ8の外周面に対する法線方向から上流方向に傾いている場合は、ブレード対向部近傍で受ける力によって磁気穂が途切れ易くなる。そして、規制ブレード9を通過する現像剤量が不安定になり、搬送量のばらつきが大きくなる。
そこで、本実施形態では、マグネット8aの複数の磁極のうちの規制ブレード9に対向配置される現像剤規制極(第1の磁極、N1極)を以下のように形成している。まず、現像スリーブ8の外周面に対する法線方向成分の磁束密度が最大値となる現像スリーブ8の外周面上の位置を最大値位置(ピーク位置)とする。また、現像剤規制極の磁束密度の分布の半値となる範囲(現像剤規制極の現像スリーブ8の法線方向成分の磁束密度が現像剤規制極の現像スリーブ8の法線方向成分の磁束密度の最大値の50%以上の値である範囲)の中央位置に対応する現像スリーブ8の外周面上の位置を半値中央位置(中央位置)とする。この場合に、現像剤規制極を、最大値位置が半値中央位置に対して、現像スリーブ8の周方向に3度以上ずれるように形成する。且つ、規制ブレード9が対向する現像スリーブ8の外周面上の位置(ブレード対向位置)が、最大値位置よりも半値中央位置が存在する側となるように、現像剤規制極を形成する。
上述のように、本実施形態では、マグネット8aを現像剤規制極の磁束密度の最大値位置の上流において緩やかに、下流で急峻に変化する非対称としている。そして、規制ブレード9を最大値位置(Brピーク位置)の上流に配置している。これにより、規制ブレード9の上流で緩やかに磁束密度の分布を変化させて、ブレード対向位置での磁束密度の分布の変化を小さくして、マグネットの工程能力や取り付け精度による搬送性の変化を抑制しつつ、極幅の増加を抑えている。このような効果を確認するために、以下のような条件で実験を行った。
本発明の第2の実施形態について、図8ないし図12を用いて説明する。本実施形態は、上述の第1の実施形態の現像装置1と異なり、現像容器内の現像剤を現像スリーブ8に向けて案内するガイド部材11を備えた現像装置1Aに本発明を適用した例である。その他の構成は、上述の第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態と重複する説明及び図示を省略又は簡略にし、第1の実施形態と同様の構成には同じ符号を付し、以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
このような本実施形態の効果を確認するために、以下のような実験を行った。実施例2で使用したマグネットにおける現像剤規制極(ブレード対向極)の工程能力と取り付け精度の公差は合計3度とした。このため、設計上の基準位置に対してブレード対向極の最大値は最大で上下流3度ずれることになる。したがって、実施例2では、現像スリーブ8の外周面近傍においてブレード対向極の磁束密度の最大値位置を半値中央位置に対して20度下流に設定した。また、規制ブレード9が現像スリーブ8に対向するブレード対向位置を磁束密度の最大値位置の3度上流に配置した。
上述の各実施形態では、図1に示すように、画像形成装置として、感光ドラム10Y、10M、10C、10Kから記録材搬送ベルト24により搬送された記録材Pに直接転写する構成を適用した。但し、本発明は、これ以外の構成にも適用可能である。例えば、記録材搬送ベルト24の代わりに中間転写ベルトなどの中間転写体を設けた構成にも適用可能である。即ち、感光ドラム10Y、10M、10C、10Kから中間転写体に各色のトナー像を一次転写した後、記録材Pに各色の複合トナー像を一括して二次転写する構成の画像形成装置においても本発明は適用できる。また、帯電方式、転写方式、クリーニング方式、定着方式に関しても、上記方式に限られるものではない。
Claims (8)
- 回転可能に設けられ、像担持体に形成された静電潜像を現像する位置に向けてトナーとキャリアを含む現像剤を担持搬送する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に対して非接触に対向配置され前記現像剤担持体に担持される現像剤の量を規制する規制部と、
前記現像剤担持体の内部に固定して配置され、前記規制部に対して最も近接して配置される第1の磁極と、前記現像剤担持体の回転方向に関して前記第1の磁極よりも回転方向上流側に前記第1の磁極と隣り合うように配置された第2の磁極とを含む複数の磁極を有し、前記現像剤を前記現像剤担持体に担持させるための磁界を発生するマグネットと、
を備えた現像装置において、
前記現像剤担持体の回転方向に関して、
前記第1の磁極の前記現像剤担持体の法線方向成分の磁束密度が前記第1の磁極の前記現像剤担持体の法線方向成分の磁束密度の最大値の50%以上の値である範囲の中央位置は、前記第1の磁極の前記現像剤担持体の法線方向成分の磁束密度が前記第1の磁極の前記現像剤担持体の法線方向成分の磁束密度の前記最大値であるピーク位置よりも3°以上20°以下回転方向上流側に在り、
且つ、
前記現像剤担持体の前記規制部に最も近接する位置が前記中央位置よりも回転方向下流側且つ前記ピーク位置よりも回転方向上流側となるように前記規制部が配置されている
ことを特徴とする現像装置。 - 前記現像剤担持体の回転方向に関して、
前記中央位置は、前記ピーク位置よりも4°以上20°以下回転方向上流側に在る
ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。 - 前記現像剤担持体の回転方向に関して、
前記中央位置は、前記ピーク位置よりも5°以上20°以下回転方向上流側に在る
ことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。 - 前記現像剤担持体の回転方向に関して、
前記範囲の最上流位置は、前記範囲の最下流位置よりも70°以下回転方向上流側に在る
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置。 - 前記現像剤担持体の回転方向に関して、
前記範囲の最上流位置は、前記範囲の最下流位置よりも60°以下回転方向上流側に在る
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置。 - 前記現像剤担持体の回転方向に関して、
前記範囲の最上流位置は、前記範囲の最下流位置よりも50°以下回転方向上流側に在る
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の現像装置。 - 前記現像剤担持体の回転方向に関して、
前記現像剤担持体の前記規制部に最も近接する位置が前記第1の磁極の前記現像剤担持体の接線方向成分の磁束密度の値がゼロである位置よりも回転方向下流側となるように前記規制部が配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の現像装置。 - 前記第2の磁極は、前記第1の磁極と同極である
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の現像装置。
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