JP6289714B2 - 電力制御装置、電力制御システム、電力制御方法、および蓄電池 - Google Patents

電力制御装置、電力制御システム、電力制御方法、および蓄電池 Download PDF

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Description

本発明は、電力制御装置、電力制御システム電力制御方法、および蓄電池に関するものである。
従来、例えば複数の太陽電池など複数の分散電源を統合して系統連系するパワーコンディショナが知られている。このようなパワーコンディショナでは、複数の分散電源のそれぞれに接続されたDC/DCコンバータが、各分散電源から出力される電力の電圧を調整する。このように電圧調整された電力は統合(DC中間リンク)されてインバータに入力され、このインバータが入力された電力を直流から交流に変換する。このようなパワーコンディショナは、種々のものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2007−20260号公報
図10は、複数の分散電源をDC中間リンクする従来のパワーコンディショナの典型的な例を示す図である。図10に示す例では、2つの太陽電池122,124が発電する電力を、それぞれDC/DCコンバータ22,24で昇圧し、DC中間リンクしてから、インバータ30により直流から交流に変換して、負荷200に供給可能な構成となっている。このような構成において、分散電源として蓄電池140を接続するには、昇圧および降圧に対応した双方向DC/DCコンバータ70を介する必要がある。図10に示す例では、太陽電池122,124が発電した電力の電圧を、DC/DCコンバータ22,24で一旦昇圧した後、双方向DC/DCコンバータ70で降圧することにより、蓄電池140に充電する。
このように、従来、太陽光発電をした電力を蓄電池に充電する電力制御装置においては、太陽電池が発電した電力を一旦昇圧した後、蓄電池に充電するために降圧するため、効率が悪かった。
したがって、本発明の目的は、複数の太陽電池の発電電力を効率良く蓄電池に充電することができる電力制御装置などを提供することにある。
上記目的を達成する第1の観点に係る発明は、
複数の分散電源が発電する電力を複数の電池モジュールで構成される蓄電池に充電するように制御し、当該蓄電池の電力を放電するように制御する電力制御装置であって、
前記蓄電池の充電時は、前記複数の分散電源が発電した電力をそれぞれ電流制御した電力により、当該複数の分散電源にそれぞれ対応する前記複数の電池モジュールが個別に充電されるように制御し、
前記蓄電池の放電時は、前記複数の電池モジュールが直列接続されるように制御する制御部を備えるものである。
上記目的を達成する第2の観点に係る発明は、
複数の分散電源と、
複数の電池モジュールで構成される蓄電池と、
前記複数の分散電源が発電する電力を前記複数の電池モジュールで構成される蓄電池に充電するように制御し、当該蓄電池の電力を放電するように制御する電力制御装置と、
を含む電力制御システムであって、
前記電力制御装置は、
前記蓄電池の充電時、前記複数の分散電源が発電した電力をそれぞれ電流制御した電力により、当該複数の分散電源にそれぞれ対応する前記複数の電池モジュールが個別に充電されるように制御し、
前記蓄電池の放電時、前記複数の電池モジュールが直列接続されるように制御するものである。
上記目的を達成する第3の観点に係る発明は、
複数の分散電源が発電する電力を複数の電池モジュールで構成される蓄電池に充電するように制御し、当該蓄電池の電力を放電するように制御する電力制御装置の電力制御方法であって、
前記蓄電池の充電時は、前記複数の分散電源が発電した電力をそれぞれ電流制御した電力により、当該複数の分散電源にそれぞれ対応する前記複数の電池モジュールが個別に充電されるように制御するステップと、
前記蓄電池の放電時は、前記複数の電池モジュールが直列接続されるように制御するステップと、を含むものである。
上記目的を達成する第4の観点に係る発明は、
複数の電池モジュールで構成される蓄電池であって、
前記蓄電池の充電時は、前記複数の電池モジュールが個別に充電されるように制御され、前記蓄電池の放電時は、前記複数の蓄電池モジュールが直接接続されるように制御されるものである。
本発明によれば、複数の太陽電池の発電電力を効率良く蓄電池に充電することができる電力制御装置などを提供することができる。
本発明の実施形態に係る電力制御装置を含む電力制御システムを概略的に示す機能ブロック図である。 本実施形態に係る電力制御装置の充電時の制御を説明する図である。 本実施形態に係る電力制御装置の放電時の制御を説明する図である。 本実施形態に係る電流制御部およびDC/DCコンバータの構成を説明する図である。 MPPT制御について説明する図である。 本実施形態に係る電力制御装置の充電時の制御を説明するフローチャートである。 本実施形態に係る電力制御装置の放電時の制御を説明するフローチャートである。 本実施形態に係る電力制御装置のMPPTによる充電時の制御を説明するフローチャートである。 本実施形態に係る電力制御装置の負荷追従による充電時の制御を説明するフローチャートである。 従来の電力制御装置の典型例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電力制御装置を含む電力制御システムを概略的に示す機能ブロック図である。
図1に示すように、本発明の実施形態に係る電力制御システム1は、電力制御装置100と、複数の太陽電池122,124,126と、蓄電池140と、を含んで構成される。電力制御システム1において、電力制御装置100は、複数の太陽電池122,124,126が発電する電力を、蓄電池140に充電することができる。また、電力制御装置100は、蓄電池140に充電された電力を放電して、負荷200などに供給することができる。また、電力制御装置100は、複数の太陽電池122,124,126が発電する電力のうち余剰する電力を、系統300に売電することができる。
本実施形態において、複数の太陽電池122,124,126は、それぞれ一般的な太陽電池モジュールなどとすることができる。すなわち、太陽電池122,124,126は、太陽光エネルギーを電力に変換して出力する。この太陽電池122,124,126は、それぞれ従来の太陽電池と同じ構成のものを採用することができるため、詳細な説明は省略する。
本実施形態において、蓄電池140は、複数の電池モジュール142,144,146で構成される。これら複数の電池モジュール142,144,146は、それぞれ対応する太陽電池122,124,126が発電する電力を充電することができる。また、電池モジュール142,144,146は、それぞれに充電された電力を放電することができるが、本実施形態においては、蓄電池140を放電する際は、後述のように電池モジュール142,144,146を直列接続する。この電池モジュール142,144,146は、それぞれ従来の蓄電池に用いられる電池モジュールと同じ構成のものを採用することができるため、詳細な説明は省略する。
負荷200は、図1においては簡略化して示してある。この負荷200は、各家庭における家電製品など、種々のものとすることができる。また、負荷200を構成する機器の数も任意の個数とすることができる。
次に、本実施形態に係る電力制御装置100について説明する。
電力制御装置100は、制御部10、DC/DCコンバータ22,24,26,28、インバータ30、および電流制御部42,44,46を備えている。
制御部10は、電力制御装置100を構成する各機能部をはじめとして、電力制御装置100の全体を制御および管理する。制御部10による本実施形態に係る制御については、さらに後述する。
DC/DCコンバータ22,24,26は、太陽電池122,124,126にそれぞれ接続される。これらDC/DCコンバータ22,24,26は、太陽電池122,124,126が発電した電力の電圧をそれぞれ変換する。本実施形態において、DC/DCコンバータ22,24,26は、太陽電池122,124,126が発電した電力の電圧を昇圧することができる。インバータ30は、DC/DCコンバータ22,24,26により昇圧されてから統合(DC中間リンク)された直流電力を、交流に変換する。このようにして交流に変換されて電力制御装置100から出力される電力は、負荷200または系統300に供給することができる。
電流制御部42,44,46は、太陽電池122,124,126にそれぞれ接続される。より詳細には、電流制御部42,44,46の一端は、太陽電池122,124,126とDC/DCコンバータ22,24,26との間の接続線に接続される。すなわち、電流制御部42,44,46の一端には、太陽電池122,124,126からDC/DCコンバータ22,24,26にそれぞれ供給される電力から分流した電力が供給される。これら電流制御部42,44,46の動作については、さらに後述する。また、電流制御部42,44,46の他端は、それぞれ蓄電池140を構成する複数の電池モジュール142,144,146に接続される。
電池モジュール142と144との間には、スイッチ52が接続される。また、電池モジュール144と146との間には、スイッチ54はが接続される。したがって、これらスイッチ52,54がオン(接続)になっている時は、電池モジュール142,144,146は直列接続される。一方、これらスイッチ52,54がオフすなわちオープン(解放)になっている時は、電池モジュール142,144,146はそれぞれ互いに接続されない状態になる。このように、蓄電池140は、複数の電池モジュール142,144,146をそれぞれ直列接続可能にするスイッチ52,54を備えている。
図1においては、スイッチ52,54がそれぞれ蓄電池140の内部に含まれる構成を示したが、本発明に係る電力制御システム1はこのような構成に限定されない。例えば、スイッチ52,54を蓄電池140の外部に設置してもよい。この場合、例えば、スイッチ52,54を、蓄電池140の付近または電力制御装置100の付近に設置したり、あるいはスイッチ52,54が電力制御装置100に内蔵されるようにしてもよい。
スイッチ60は、蓄電池140の放電時にオン(接続)にすることにより、蓄電池140の放電する電力を、DC/DCコンバータ28側に供給することができる。DC/DCコンバータ28は、蓄電池140が放電した電力の電圧を、他のDC/DCコンバータ22,24,26の出力電圧(中間リンク電圧)に合わせて調整する。
上述した各スイッチ52,54,60は、オフすなわちオープン(解放)状態を形成するに際し、電力が物理的に遮断される構成に限定されるものではない。このようなスイッチは、例えば、流れる電流および電圧が遮断されるような構成であれば、任意のものを採用することができる。
本実施形態において、制御部10は、DC/DCコンバータ22,24,26,28、インバータ30、電流制御部42,44,46、スイッチ52,54,60を制御する。図1において、制御部10が各機能部を制御するための制御ラインを破線により示してある。また、本実施形態に係る電力制御システム1は、蓄電池140を構成する複数の電池モジュール142,144,146等の電圧等を測定するための各種センサを含んで構成されるが、これらの各種センサは図の簡略化のため省略する。
次に、蓄電池140に充電する際の電力制御装置100による動作について説明する。
図2は、本実施形態に係る電力制御装置100における蓄電池140の充電時の制御を説明する図である。図2においては、電力の流れを太い実線により示してある。
図2に示すように、電力制御装置100において、DC/DCコンバータ22,24,26は、それぞれ接続された太陽電池122,124,126が発電する電力の電圧を昇圧する。そして、このように昇圧された電力を統合したものを、インバータ30が直流から交流に変換して、負荷200および/または系統300に供給する。
また、図2に示すように、電力制御装置100において、太陽電池122,124,126が発電する電力は、それぞれ電流制御部42,44,46に分流される。このように分流された電力は、それぞれ電流制御部42,44,46によって電流制御されることにより、それぞれ対応する電池モジュール142,144,146に充電される。
この場合、制御部10は、図2に示すように、スイッチ52,54,60がオフすなわちオープン(解放)になるように制御する。スイッチ60が解放されることにより、蓄電池140に充電される電力が電力制御装置100側に放電されることはない。また、スイッチ52,54が解放されることにより、複数の太陽電池122,124,126が発電した電力は、それぞれ対応する複数の電池モジュール142,144,146に個別に充電される。このため、本実施形態において、蓄電池140が満充電になるまでの時間は、蓄電池140を全体として充電する場合に比べて短くなる。
このように、本実施形態に係る電力制御装置100は、蓄電池140の充電時は、複数の太陽電池122,124,126が発電した電力をそれぞれ電流制御する。そして、電力制御装置100は、このように電流制御した電力により、複数の太陽電池122,124,126にそれぞれ対応する複数の電池モジュール142,144,146が個別に充電されるように制御する。また、電力制御装置100は、蓄電池140の充電時において、複数の電流制御部42,44,46は、複数の太陽電池122,124,126が発電する電力のうち複数のDC/DCコンバータ22,24,26に供給されない電力をそれぞれ電流制御する。このような制御により、電力制御装置100は、複数の太陽電池122,124,126にそれぞれ対応する複数の電池モジュール142,144,146が個別に充電されるように制御する。また、電力制御装置100において、蓄電池140の充電時はスイッチ52,54を解放して複数の電池モジュール142,144,146が個別に充電されるようにする。
次に、蓄電池140から電力を放電する際の電力制御装置100による動作について説明する。
図3は、本実施形態に係る電力制御装置100における蓄電池140の放電時の制御を説明する図である。図3においても、電力の流れを太い実線により示してある。
図3に示すように、電力制御装置100において、DC/DCコンバータ22,24,26は、それぞれ接続された太陽電池122,124,126が発電する電力の電圧を昇圧する。そして、このように昇圧された電力を統合したものを、インバータ30が直流から交流に変換して、負荷200および/または系統300に供給する。
また、蓄電池140の放電時は、図3に示すように、電流制御部42,44,46が、電流を流さないように、すなわち電流制御部42,44,46がオープン(解放)と同様の働きを行うように制御する。したがって、この場合、太陽電池122,124,126が発電する電力の分流は、それぞれ対応する電池モジュール142,144,146に充電されない。
この場合、制御部10は、図3に示すように、スイッチ52,54,60がオンすなわち接続状態になるように制御する。スイッチ60が接続されることにより、蓄電池140に充電された電力を電力制御装置100側に放電することができる。また、スイッチ52,54が接続されることにより、蓄電池140を構成する電池モジュール142,144,146は直列接続される。このため、本実施形態において、蓄電池140は、電池モジュール142,144,146を個別に放電する場合に比べて、大きな電圧を出力することができる。このようにして蓄電池140から放電された電力は、DC/DCコンバータ28によって中間リンク電圧に合わせて調整されて、太陽電池122,124,126が発電する電力とともに、負荷200に供給することができる。
このように、本実施形態に係る電力制御装置100は、蓄電池140の放電時は、複数の電池モジュール142,144,146が直列接続されるように制御する。また、蓄電池140の放電時において、複数の電流制御部42,44,46は、複数の太陽電池122,124,126が発電する電力のうち複数のDC/DCコンバータ22,24,26に供給されない電力が、複数の太陽電池122,124,126にそれぞれ対応する複数の電池モジュール142,144,146に供給されないように制御する。また、電力制御装置100において、蓄電池140の放電時はスイッチ52,54を接続して複数の電池モジュール142,144,146が直列接続されるようにする。
次に、本実施形態による電流制御部42,44,46について説明する。
図4は、図1〜3に示したDC/DCコンバータ22および電流制御部42の構成を説明する図である。DC/DCコンバータ24,26および電流制御部44,46の構成についても、図4と同様とすることができる。
図4に示すように、DC/DCコンバータ22は、コンデンサ81、インダクタ82、スイッチング素子83、およびコンデンサ84を備えている。このような構成により、DC/DCコンバータ22は、太陽電池122が発電した電力の電圧を、中間リンク電圧に昇圧して出力する。また、図4に示すように、電流制御部42は、電流制限部91およびコンデンサ92を備えている。
図4に示すような構成により、複数のDC/DCコンバータ22,24,26は、蓄電池140の充電時、複数の太陽電池122,124,126が発電する電力の電圧を最大電力点追従(MPPT)制御によりそれぞれ昇圧する。
MPPT制御は、図5(A)に示すようなI(電流)−V(電圧)特性を有する場合に、図5(B)に示すように電力Pが最大になる点(PMAX)に追従させて電流および電圧を制御する技法として知られている。本実施形態に係るDC/DCコンバータ22等において、太陽電池122等の発電した電力の電圧を上昇させる際は、以下のようにすることができる。
DC/DCコンバータ22が昇圧動作を行う前は、図4に示すような回路に少量の電流が流れている。すなわち、太陽電池122から低い電流値の電流が流れることになり、太陽電池122の電圧は高い状態になる。ここで、DC/DCコンバータ22の昇圧動作を開始させると、徐々に電流が増加することにより、太陽電池122からの出力電圧は下がって行く。この時の電流に電圧を乗じることにより、PMAXの点を算出することができる。このため、図5に示すグラフにおいて、点Pは、左から右に向かって移動することになる。このように、本実施形態においては、電圧を制御するのではなく、電圧を監視することにより、電流を制御する。
本実施形態において、電流制御部42は電流を制御するが、本来、MPPTの電流制御で電圧を調整する。ところが、太陽電池122の発電する電力を蓄電池140に充電する際は、蓄電池140にも電流を流すことになる。このため、蓄電池140側の電流制限部91を用いることにより蓄電池140に流れる電流を絞り、DC/DCコンバータ22においてMPPT制御を行う電流を徐々に増加させる。すなわち、本実施形態において、太陽電池122から出力される電流は、MPPT制御による電流設定値と蓄電池140の電池モジュール142の電流制限値とを合算した電流値および電圧により、最大電力点を探すことになる。ここで、電池電流の定電流制御を行うことにより、電池に流れる電流は常に一定となるので、MPPT制御を行う側の電流制御により最大電力点を追従することが可能になる。実際には、蓄電池140には電池電圧よりも高い電圧を掛けなければ、電流を流すことはできない。したがって、本実施形態においては、MPPT制御によって電流を制御することで、最大電力点を追従させると同時に、蓄電池140に流れる電流の制御が必要になる。
本実施形態において、太陽電池122,124,126が発電する電力を蓄電池140に充電する際は、各電池モジュール142,144,146の最大電圧が、それぞれ太陽電池122,124,126の負荷カーブの電圧以上になる様にセル構成を行う。また、太陽電池122,124,126が発電する電力を蓄電池140に充電する際は、定電流充電(CC充電)と、定電圧充電(CV充電)とを併用して充電を行う。
次に、本実施形態に係る電力制御装置100が行う処理をさらに説明する。
図6は、本実施形態に係る電力制御装置100の充電時の制御を説明するフローチャートである。
図6に示す電力制御装置100の充電時の制御が開始すると、制御部10は、スイッチ52,54,60を解放する(ステップS11)。これにより、蓄電池140を電池モジュール142,144,146それぞれの単位に切り分けることができる。次に、制御部10は、各電池モジュール142,144,146にそれぞれ接続されている電流制御部42,44,45の電流制御を有効にする(ステップS12)。
そして、制御部10は、各電池モジュール142,144,146の電圧をそれぞれ測定し(ステップS13)、電池モジュール間にばらつきがあるか否かを判定する(ステップS14)。
各電池モジュール142,144,146の電圧にばらつきがある場合、制御部10は、電池モジュール間で最も高い電圧を検出し(ステップS15)、各電池モジュールの充電開始タイミングを設定する(ステップS16)。ステップS16において各電池モジュールの充電開始タイミングが設定されたら、制御部10は、各電池モジュールの充電開始タイミングに基づいて、各電池モジュールを充電する(ステップS17)。
本実施形態において、各電池モジュールの電圧にばらつきがある場合、制御部10は、モジュール間で電圧のバランスを取るようにする。このため、制御部10は、各電池モジュールのうち電圧が最大ものに合わせて、電圧が不足している電池モジュールの充電を開始すべきタイミングを設定する。電圧が不足している電池モジュールから充電を開始することにより、蓄電池140を構成する複数の電池モジュール142,144,146がそれぞれ満充電になるタイミングを揃えることができる。なお、充電時間に余裕がある場合、各電池モジュール間のバランスを取らずに、各モジュールが満充電になるように充電を行ってもよい。
一方、ステップS14において電池モジュール間の電圧にばらつきがないと判定された場合、制御部10は、各電池モジュールが満充電になるように、各電池モジュールを充電する(ステップS17)。
次に、制御部10は、各電池モジュール142,144,146が満充電になったか否かを判定する(ステップS18)。ステップS18において電池モジュールが満充電になっていなければ、制御部10は、ステップS17に戻って充電を継続する。一方、ステップS18において電池モジュールが満充電になっていれば、制御部10は、本実施形態に係る充電の処理を終了する。
このように、電力制御装置100は、蓄電池140の充電時において、複数の太陽電池122,124,126にそれぞれ対応する複数の電池モジュール142,144,146がそれぞれ満充電になるタイミングに基づいて、複数の太陽電池122,124,126が発電した電力をそれぞれ電流制御する。
図7は、本実施形態に係る電力制御装置100の放電時の制御を説明するフローチャートである。
図7に示す電力制御装置100の放電時の制御が開始すると、制御部10は、電流制御部42,44,46の電流制御をオフにして、電池モジュール142,144,146の充電を停止する(ステップS21)。次に、制御部10は、スイッチ52,54,60を接続する(ステップS21)。これにより、蓄電池140を構成する電池モジュール142,144,146はそれぞれ直列にスタックされ、蓄電池140の放電する電力はスイッチ60を経てDC/DCコンバータ28に供給される。
次に、制御部10は、スタックした電池モジュール142,144,146により構成される蓄電池140の電圧を測定する(ステップS23)。それから、制御部10は、蓄電池140の放電を開始する(ステップS24)。
本実施形態において、蓄電池140を放電する際、電池モジュール142,144,146が直列に接続された、すなわちスタックされた状態で、蓄電池140の電圧および充電容量を取得してから、蓄電池140を放電するのが好適である。このようにして、電力制御装置100は、蓄電池140の状態を正確に把握してから放電を行うことができ、蓄電池140を良好に放電させることができる。
図8は、電力制御装置100において、蓄電池140の充電時にMPPT制御を行う際の処理を説明するフローチャートである。
図8に示す電力制御装置100の充電時のMPPT制御が開始すると、制御部10は、電流制御部42,44,46をオン状態にするが、電流制御部42,44,46を流れる電流が0Aとなるように制御する(ステップS31)。すなわち、ステップS31では、電流制御部42,44,46はオン状態であるが、電流制御部42,44,46は電流を流さないように制御する。
次に、制御部10は、DC/DCコンバータ22,24,26が、MPPT制御により太陽電池122,124,126の発電電力の電圧の昇圧を開始する(ステップS32)。そして、制御部10は、MPPT動作時の電圧および電流を取得する(ステップS33)。ステップS33においては、DC/DCコンバータ22,24,26がMPPTの動作の追従を開始して電力最大点を算出しているので、制御部10は、この時の電圧および電流を取得する。
そして、制御部10は、電流制御部42,44,46を流れる電流が徐々に増すように制御して(ステップS34)、太陽電池122,124,126が発電する電力を、それぞれ電池モジュール142,144,146に充電する。この時、DC/DCコンバータ22,24,26はMPPT制御をそのまま継続しているため、充電電流分の電流は増加しているが、制御部10は、DC/DCコンバータ22,24,26が電圧を維持するように制御する(ステップS35)。
次に、制御部10は、充電電流を監視し(ステップS36)、MPPT制御において充電電流が最大になったか否かを判定する(ステップS37)。MPPT制御において充電電流が最大になったと判定されたら、制御部10は、電圧を維持したままで充電電流による電流増加が可能であれば、動作を継続する(ステップS38)。この場合、系統300に流さない電流は、余剰電力として、蓄電池140に充電される。
一方、ステップS37でMPPT制御において充電電流が最大になっていないと判定されたら、制御部10は、電圧降下が発生した場合に(ステップS39)、充電電流値を下げるか否かを判定する(ステップS40)。蓄電池140に充電する電流を増大させることで、太陽電池122,124,126の電圧が降下した場合、これら太陽電池122,124,126の出力には余裕がない。この場合、電圧を維持するために、電流制御部42,44,46は電流を制限する必要がある。
ステップS40において充電電流の電流値を下げる場合、制御部10は、系統300に供給する電力優先すなわち売電優先で動作するように、充電電流の値を再設定する(ステップS41)。一方、ステップS40において充電電流の電流値を下げない場合、制御部10は、蓄電池140の充電優先で動作するように、充電電流の値を再設定する(ステップS42)。
図9は、電力制御装置100において、蓄電池140の充電時に負荷追従制御を行う際の処理を説明するフローチャートである。
図9に示す電力制御装置100の充電時の負荷追従制御が開始すると、制御部10は、電流制御部42,44,46をオン状態にするが、電流制御部42,44,46を流れる電流が0Aとなるように制御する(ステップS51)。すなわち、ステップS41では、電流制御部42,44,46はオン状態であるが、電流制御部42,44,46は電流を流さないように制御する。
次に、制御部10は、DC/DCコンバータ22,24,26が、負荷追従制御により太陽電池122,124,126の発電電力の電圧の昇圧を開始する(ステップS52)。そして、制御部10は、電流が安定した時の電圧および電流を取得する(ステップS53)。
そして、制御部10は、電流制御部42,44,46を流れる電流が徐々に増すように制御して(ステップS54)、太陽電池122,124,126が発電する電力を、それぞれ電池モジュール142,144,146に充電する。この時、DC/DCコンバータ22,24,26は負荷追従制御をそのまま継続しているため、充電電流分の電流は増加しているが、制御部10は、DC/DCコンバータ22,24,26が電圧を維持するように制御する(ステップS55)。
次に、制御部10は、充電電流を監視し(ステップS56)、負荷追従制御による動作が継続している間は、余剰電力を蓄電池140に充電しながら動作を継続する(ステップS57)。
このように、本実施形態に係る電力制御装置100は、複数の太陽電池122,124,126と蓄電池140とを直流でリンクさせて、中間電圧を生成する多入力の電力制御装置として実現することができる。本実施形態に係る電力制御装置100は、蓄電池140の充電時は、蓄電池140を電池モジュール142,144,146に分割して、それぞれ太陽電池122,124,1246から、対応する電池モジュール142,144,146に充電を行う。従来の電力制御装置を用いて蓄電池を充電する場合、通常、充電回路が必要となるが、本実施形態に係る電力制御装置100は、各太陽電池122,124,126の最大電力追従制御を用いて、蓄電池140に充電を行う。また、本実施形態に係る電力制御装置100は、蓄電池140の放電時は、蓄電池140を構成する電池モジュール142,144,146を接続して放電させる。
したがって、本実施形態に係る電力制御装置100によれば、従来の電力制御装置を用いて蓄電池を充電する場合のように、一旦昇圧した電圧を降圧する必要はない。このため、本実施形態に係る電力制御装置100によれば、電圧変換による損失が少なくなり、複数の太陽電池122,124,126の発電電力を効率良く蓄電池140に充電することができる。また、本実施形態に係る電力制御装置100によれば、蓄電池140の充電時に、電池モジュール142,144,146をそれぞれ並列に充電する。このため、本実施形態に係る電力制御装置100によれば、分割した電池モジュールの数に応じて、満充電までの期間を短くすることができる。
本発明を諸図面および実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形および修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形および修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部、各手段、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の機能部およびステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上述した本発明の各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせて実施することもできる。
上述した実施形態においては、電力制御装置100に接続する太陽電池は、122,124,146の3つとし、対応する電池モジュールも142,144,146の3つとした場合について説明した。しかしながら、本発明において、複数の太陽電池および複数の電池モジュールは、任意の複数とすることができる。このような構成の変更に応じて、DC/DCコンバータ22,24,26、電流制御部42,44,46、スイッチ52,54の個数等も適宜変更し得る。
また、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、上述した実施形態に係る電力制御装置100のような電力制御装置による電力制御方法として実現することもできる。この場合、本発明は、複数の太陽電池122,124,126が発電する電力を複数の電池モジュール142,144,146で構成される蓄電池140に充電するように制御し、蓄電池140の電力を放電するように制御する電力制御装置1の電力制御方法として実施することができる。
また、この場合、当該方法は、蓄電池140の充電時に、複数の太陽電池122,124,126が発電した電力をそれぞれ電流制御した電力により、複数の太陽電池122,124,126にそれぞれ対応する複数の電池モジュール142,144,146が個別に充電されるように制御するステップを含む。また、当該方法は、蓄電池140の放電時に、複数の電池モジュール142,144,146が直列接続されるように制御するステップを含む。
1 電力制御システム
10 制御部
22,24,26,28 DC/DCコンバータ
30 インバータ
42,44,46 電流制御部
52,54 スイッチ
60 スイッチ
81,84 コンデンサ
82 インダクタ
83 スイッチング素子
91 電流制限部
92 コンデンサ
100 電力制御装置
122,124,126 太陽電池
140 蓄電池
142,144,146 電池モジュール
200 負荷
300 系統

Claims (10)

  1. 複数の分散電源が発電する電力を複数の電池モジュールで構成される蓄電池に充電するように制御し、当該蓄電池の電力を放電するように制御する電力制御装置であって、
    前記蓄電池の充電時は、前記複数の分散電源が発電した電力をそれぞれ電流制御した電力により、当該複数の分散電源にそれぞれ対応する前記複数の電池モジュールが個別に充電されるように制御し、
    前記蓄電池の放電時は、前記複数の電池モジュールが直列接続されるように制御する制御部を備える、電力制御装置。
  2. 前記複数の分散電源のそれぞれに接続される複数の電流制御部を備える、請求項1に記載の電力制御装置。
  3. 前記複数の分散電源のそれぞれに接続される複数のDC/DCコンバータを備え、
    前記制御部の制御により、前記蓄電池の充電時において、
    前記複数のDC/DCコンバータは、前記複数の分散電源が発電する電力の電圧を最大電力点追従制御によりそれぞれ昇圧し、
    前記複数の電流制御部は、前記複数の分散電源が発電する電力のうち前記複数のDC/DCコンバータに供給されない電力をそれぞれ電流制御することにより、当該複数の分散電源にそれぞれ対応する前記複数の電池モジュールが個別に充電されるように制御する、請求項に記載の電力制御装置。
  4. 記制御部の制御により、前記蓄電池の放電時において、
    前記複数の電流制御部は、前記複数の分散電源が発電する電力が、当該複数の分散電源にそれぞれ対応する前記複数の電池モジュールに供給されないように制御する、請求項に記載の電力制御装置。
  5. 前記複数の電池モジュールをそれぞれ直列接続可能にするスイッチが接続され、
    前記制御部の制御により、
    前記蓄電池の充電時は前記スイッチを解放して前記複数の電池モジュールが個別に充電されるようにし、
    前記蓄電池の放電時は前記スイッチを接続して前記複数の電池モジュールが直列接続されるように構成する、請求項1〜のいずれか1項に記載の電力制御装置。
  6. 前記制御部の制御により、前記蓄電池の充電時において、
    前記複数の分散電源にそれぞれ対応する前記複数の電池モジュールがそれぞれ満充電になるタイミングに基づいて、当該複数の分散電源が発電した電力をそれぞれ電流制御する、請求項1に記載の電力制御装置。
  7. 複数の分散電源と、
    複数の電池モジュールで構成される蓄電池と、
    前記複数の分散電源が発電する電力を前記複数の電池モジュールで構成される蓄電池に充電するように制御し、当該蓄電池の電力を放電するように制御する電力制御装置と、
    を含む電力制御システムであって、
    前記電力制御装置は、
    前記蓄電池の充電時、前記複数の分散電源が発電した電力をそれぞれ電流制御した電力により、当該複数の分散電源にそれぞれ対応する前記複数の電池モジュールが個別に充電されるように制御し、
    前記蓄電池の放電時、前記複数の電池モジュールが直列接続されるように制御する、電力制御システム。
  8. 複数の分散電源が発電する電力を複数の電池モジュールで構成される蓄電池に充電するように制御し、当該蓄電池の電力を放電するように制御する電力制御装置の電力制御方法であって、
    前記蓄電池の充電時は、前記複数の分散電源が発電した電力をそれぞれ電流制御した電力により、当該複数の分散電源にそれぞれ対応する前記複数の電池モジュールが個別に充電されるように制御するステップと、
    前記蓄電池の放電時は、前記複数の電池モジュールが直列接続されるように制御するステップと、を含む電力制御方法。
  9. 複数の電池モジュールで構成される蓄電池であって、
    前記蓄電池の充電時は、前記複数の電池モジュールが個別に充電されるように制御され、前記蓄電池の放電時は、前記複数の蓄電池モジュールが直接接続されるように制御される、蓄電池。
  10. 前記複数の電池モジュールをそれぞれ直列接続可能にするスイッチが接続され、
    前記蓄電池の充電時は、前記スイッチを解放してそれぞれが個別に充電されるようにし、
    前記蓄電池の放電時は、前記スイッチを接続して前記複数の電池モジュールが直列接続される、請求項9に記載の蓄電池。
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