JP6214529B2 - 皮脂吸収性貼付材、及びその製造方法 - Google Patents

皮脂吸収性貼付材、及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、貼付箇所が目立たず、皮脂の分泌が多い箇所にも、長時間にわたって貼付が維持される、皮脂吸収性貼付材に関する。
貼付材は、一般に、プラスチックフィルム、織布、不織布、編布、紙などからなる支持体層と、支持体層の少なくとも片面に設けられた粘着剤層を備える層構造を有している。さらに、粘着剤層の表面を保護するためにセパレーター層が配置されたり、また、例えば、支持体層が極めて薄い場合等には、支持体層にキャリア層を備えたりする層構造を有することが多い。
貼付材は、多くの場合、貼付状態で貼付材が目立たないことが求められる。特に、顔など、日常生活で皮膚を露出する箇所に貼付材を貼り付ける場合は、貼り付けた箇所が目立たないことが好ましいため、貼付材の厚みは薄い方がよいと考えられていた。また、皮膚表面の凹凸に沿って密着して、貼付時及び貼付中の違和感がないことから、厚みが薄い貼付材が、好ましく使用されることがあった。
一方、貼付材には、適度の粘着力を有することが求められる。粘着力が弱すぎると、貼付材が皮膚表面から簡単に剥離したり、皮溝などの微細な凹凸のある皮膚表面に沿って密着できなかったりする。粘着力が強すぎると、かぶれが生じたり、使用後の剥離が困難となったりする。支持体層、粘着剤層、及び貼付材の各厚みを薄くすると、適度の粘着力を得ることが困難となりやすい。
また、皮脂を多く分泌する箇所、特に、にきびができやすい箇所、例えば、顔、肩、胸、背中、首、尻など、特に、顔の額や鼻等のいわゆるTゾーン部分においては、皮脂によって貼付材の粘着力が低下することがある。例えば、Tゾーン等の皮脂を多く分泌する箇所に貼り付けた貼付材が、皮膚から分泌される皮脂を吸収すると、粘着剤の凝集力が低下して、貼付材が剥がれやすくなるおそれがある。そこで、皮脂を多量に吸収しても剥がれないようにするために、粘着剤層の厚みを十分厚くすることが必要であると考えられていた。
一方、にきびのある箇所は、できるだけ清潔に保つことが必要である。洗顔後、ファンデーション等を皮膚に直接塗ると、にきびのある箇所の皮膚の発赤が助長されたり、化膿したりするおそれがある。したがって、にきびのある箇所に貼り付けても、皮膚の発赤等のおそれがなく、かつ、貼付状態が目立ちにくい貼付材が求められてきた。
例えば、特許文献1には、長時間にわたり良好な付着性を示し、皮膚刺激がなく、かつ剥離時の痛みのない鼻用貼付剤として、支持体層の片面に、粘着剤、香料及び脂肪酸エステルを含有する粘着剤組成物から形成された粘着剤層を備える鼻用貼付剤が開示されている。特許文献2には、吸脂性基材上に、粘着剤層が存在しない領域の面積が15〜75%であるようにパターン状に粘着剤層を配置した粘着性物品が開示されている。特許文献3には、少なくとも二種の有効成分を含む抗ざ瘡(すなわち、にきび)製剤を含有するパッチ形用具が開示されている。また、特許文献4では、ヒトの顔などに貼り付ける薄い貼付材において、支持体層と粘着剤層の両層が皮膚の細かな凹凸のある表面に沿って密着し、貼付箇所と非貼付箇所との表面状態の差が小さく、貼付箇所が目立たない薄い貼付材が開示されている。
しかし、これらの貼付材は、皮膚表面の凹凸に沿って密着して貼付箇所が目立ちにくく、かつ、皮脂の分泌が多い箇所にも、長時間にわたって貼付が維持されるという効果の点ではまだ十分ではなかった。
特開2006−8593号 特開2007−215578号 特表2000−513347号(国際公開第97/48387号対応) 国際公開第2009/041122号(米国特許出願公開第2010/0217171号明細書対応)
本発明の課題は、皮膚表面の凹凸に沿って密着して、貼付時及び貼付中の違和感がなく、貼付箇所が目立ちにくく、かつ、皮脂の分泌が多い箇所にも、長時間にわたって貼付が維持される、特に、にきび用途に用いられる、皮脂吸収性貼付材を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決することについて鋭意研究した結果、キャリア層、支持体層、粘着剤層及びセパレーター層を、この順に積層して備える貼付材であって、支持体層及び粘着剤層を特定の材料とし、これらの厚みを制御することによって、上記課題を解決することができることを見いだした。
ヒトの皮脂の成分は、さまざまなものから構成されている。例えば、脂肪酸、トリアシルグリセロール(トリグリセリド;以下、「TG」という場合がある。)、ジアシルグリセロール(ジグリセリド)、モノアシルグリセロール(モノグリセリド)、ワックスエステル、スクアレン、コレステロール、コレステロールエステル等が挙げられる。この中でも、トリグリセリドは、多いときにはヒト皮脂の約半分を占め、また、他の成分と比較して、貼付材のヒト皮膚に対する貼付性に影響していることが分かってきた。本発明者は、更に研究を進めた結果、トリグリセリドを使用する人工皮脂吸収試験において、トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力を所定の範囲とすることによって、皮膚表面の凹凸に沿って密着して貼付箇所が目立たず、皮脂の分泌が多い箇所にも長時間にわたって貼付が維持される、皮脂吸収性貼付材を提供できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、キャリア層、支持体層、粘着剤層及びセパレーター層を、この順に積層して備える貼付材であって、以下の(a)〜(e):
(a)支持体層が、エラストマーフィルムから形成され;
(b)粘着剤層を形成する粘着剤が、
b−1)炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル 50〜99質量%、
b−2)炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル 0〜12質量%、及び
b−3)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なその他のビニル単量体 1〜50質量%からなるアクリル共重合体〔ただし、b−1)、b−2)及びb−3)の合計は100質量%とする。〕を含有する非水系のアクリル系粘着剤であり;
(c)支持体層の厚みが1〜10μmの範囲、粘着剤層の厚みが1〜15μmの範囲で、支持体層と粘着剤層との合計厚みが2〜20μmの範囲であり;
(d)キャリア層が支持体層より大きく;かつ、
(e)トリグリセリドを使用する人工皮脂吸収試験において、トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)が、0.1〜1mm/12×20mm・1時間の範囲である;
ことを特徴とする皮脂吸収性貼付材が提供される。
また、本発明によれば、実施の態様として、以下(1)〜(14)の皮脂吸収性貼付材が提供される。
(1)(b)粘着剤層を形成する粘着剤に含有されるアクリル共重合体が、アクリル酸イソノニル60〜70質量%、カルボキシル基含有ビニル単量体1〜5質量%、及びアルコキシ基含有ビニル単量体10〜40質量%からなるアクリル共重合体〔ただし、合計は100質量%とする。〕である前記の皮脂吸収性貼付材。
(2)さらに、(f)ヒト皮膚皮脂吸収試験において、貼付材剥離後のセブメーターの値が、12以下である前記の皮脂吸収性貼付材。
(3)さらに、(g)トリグリセリドを使用する人工皮脂吸収試験において、トリグリセリド吸収後の対ベークライト粘着力が、0.2N/15mm以上である前記の皮脂吸収性貼付材。
(4)粘着剤層を形成する粘着剤が、アクリル共重合体100質量部に対して0.05〜3質量部の架橋剤を含有する前記の皮脂吸収性貼付材。
(5)粘着剤層を形成する粘着剤が、室温で液体状である可塑剤を含まない前記の皮脂吸収性貼付材。
(6)粘着剤層を形成する粘着剤が、抗炎症剤、角質剥離剤、抗菌剤、皮脂分泌抑制剤、肌荒れ改善剤、及び抗酸化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の薬物を含有する前記の皮脂吸収性貼付材。
(7)粘着剤層を形成する粘着剤が、皮脂吸収剤を含有する前記の皮脂吸収性貼付材。
(8)支持体層を形成するエラストマーフィルムが、ポリエーテル型ポリウレタンエラストマーフィルムまたはポリエステル型ポリウレタンエラストマーフィルムである前記の皮脂吸収性貼付材。
(9)支持体層の粘着剤層側と反対側の面がエンボス加工されている前記の皮脂吸収性貼付材。
(10)貼付材の透湿度が、1,000g/m・24時間以上である前記の皮脂吸収性貼付材。
(11)貼付材の10%引張強度が、0.01〜1.2N/10mmの範囲である前記の皮脂吸収性貼付材。
(12)にきび用途に用いられる前記の皮脂吸収性貼付材。
(13)Tゾーン用またはUゾーン用である前記の皮脂吸収性貼付材。
(14)洗顔後貼付用である前記の皮脂吸収性貼付材。
さらに、本発明によれば、キャリア層の上面に溶液キャスティング法により支持体層を形成する工程、及び、セパレーター層の上面に粘着剤を塗工して粘着剤層を形成する工程を含むことを特徴とする前記の皮脂吸収性貼付材の製造方法が提供される。
本発明によれば、キャリア層、支持体層、粘着剤層及びセパレーター層を、この順に積層して備える貼付材であって、以下の(a)〜(e):
(a)支持体層が、エラストマーフィルムから形成され;
(b)粘着剤層を形成する粘着剤が、
b−1)炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル 50〜99質量%、
b−2)炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル 0〜12質量%、及び
b−3)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なその他のビニル単量体 1〜50質量%からなるアクリル共重合体〔ただし、b−1)、b−2)及びb−3)の合計は100質量%とする。〕を含有する非水系のアクリル系粘着剤であり;
(c)支持体層の厚みが1〜10μmの範囲、粘着剤層の厚みが1〜15μmの範囲で、支持体層と粘着剤層との合計厚みが2〜20μmの範囲であり;
(d)キャリア層が支持体層より大きく;かつ、
(e)トリグリセリドを使用する人工皮脂吸収試験において、トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)が、0.1〜1mm/12×20mm・1時間の範囲である;
ことを特徴とする皮脂吸収性貼付材であることによって、皮膚表面の凹凸に沿って密着して、貼付時及び貼付中の違和感がなく、貼付箇所が目立ちにくく、かつ、皮脂の分泌が多い箇所にも、長時間にわたって貼付が維持される皮脂吸収性貼付材を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、キャリア層の上面に溶液キャスティング法により支持体層を形成する工程、及び、セパレーター層の上面に粘着剤を塗工して粘着剤層を形成する工程を含むことを特徴とする皮脂吸収性貼付材の製造方法であることによって、前記の皮脂吸収性貼付材を効率的に製造することができる製造方法を提供することができるという効果を奏する。
本発明の皮脂吸収性貼付材は、キャリア層、支持体層、粘着剤層及びセパレーター層を、この順に積層して備える貼付材である。
1.支持体層
本発明の皮脂吸収性貼付材は、支持体層が、エラストマーフィルムから形成され、また、支持体層の厚みが1〜10μmの範囲のものである。
一般に、貼付材の支持体層としては、皮膚に密着することができ、かつ、皮膚の動きに追随することができる程度の柔軟な材質、そして長時間貼付後において皮膚のかぶれ等の発生を抑制できる材料が使用されている。これらの支持体層の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(以下、「PET」ということがある。)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ナイロン、綿、アセテートレーヨン、レーヨン、レーヨン/ポリエチレンテレフタレート複合体、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、アクリル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、セロハン等を成分とするフィルムの単層または積層体が挙げられる。また、皮膚かぶれの発生等を抑制するために、支持体層としては、支持体層の透湿度〔JIS Z0208に規定されるB条件(温度40℃、相対湿度90%)で測定〕が1,000g/m・24時間以上、特に2,000g/m・24時間以上のものが好ましく使用されている。さらに、貼付中に、貼付材が目立たないようにする、すなわち、貼付下の皮膚の色調を透けて出しやすいという点では、透明性に優れたプラスチックフィルムが、好ましく採用されることが多い。
〔エラストマーフィルム〕
本発明の皮脂吸収性貼付材は、これら透湿性や透明性等の条件を満たす支持体層として、エラストマーフィルムから形成される支持体層を備える。エラストマーフィルムを形成するエラストマーとしては、例えば、ポリウレタンエラストマー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー、及び、これらの2種以上の混合物などを挙げることができる。これらのエラストマーの中でも、薄いフィルムへの製膜性に優れ、フィルムの伸縮性に優れ、更には、貼付材の縦方向及び横方向の10%引張強度等を所望の範囲に制御しやすいことなどの観点から、ポリウレタンエラストマーが好ましい。
ポリウレタンエラストマーは、分子中にウレタン基を持つエラストマーであり、ポリオール成分とイソシアネート成分との重付加反応によって生成する。ポリオール成分としては、2またはそれを超える数のOH基を持つポリオール化合物が用いられるが、多くの場合、長鎖ジオールが用いられる。加えて、ポリオール成分としては、鎖延長剤として働く短鎖ジオールを併用してもよい。また、トリメチロールプロパン、グリセリン、ソルビトールのような単分子ポリオールなどを架橋剤として用いてもよい。他方、イソシアネート成分としては、2またはそれを超える数のNCO基を持つポリイソシアネート化合物が用いられるが、多くの場合、ジイソシアネートが用いられる。ポリウレタンエラストマーの製造技術それ自体は、当業界で周知である。
ポリウレタンエラストマーとしては、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱硬化性ポリウレタンエラストマー(アミン硬化型ポリウレタンエラストマー、及びOH硬化型ポリウレタンエラストマー)等があり、特に限定されない。熱可塑性エラストマーには、NCO基がほとんど存在しない完全熱可塑性ポリウレタンエラストマーと、かなりの量のNCO基が残存し、成形時に部分的な分子間架橋が生じる不完全熱可塑性ポリウレタンエラストマーとがあり、本発明では、いずれも使用することができる。熱硬化性ポリウレタンエラストマーには、1液硬化型と2液硬化型とがあり、いずれも使用することができるが、フィルム製造が容易である観点からは1液硬化型が好ましい。
ポリウレタンエラストマーは、ソフトセグメントを構成するポリオール成分の種類がその性質に大きく影響するため、ポリオール成分の種類によって区分することができる。すなわち、ポリウレタンエラストマーは、(1)カプロラクトンを開環重合して得られるポリラクトンエステルポリオールとジイソシアネートとの重付加反応により合成したポリエステル型ポリウレタンエラストマー(カプロラクトン型ポリウレタンエラストマー)、(2)アジピン酸とグリコールとのアジピン酸エステルポリオールとジイソシアネートとの重付加反応により合成したポリエステル型ポリウレタンエラストマー(アジピン酸エステル型ポリウレタンエラストマー)、及び(3)テトラヒドロフランの開環重合で得られたポリテトラメチレングリコールや、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコールなどからなるポリエーテルポリオールと、ジイソシアネートとの重付加反応により合成したポリエーテル型ポリウレタンエラストマーがある。これらのポリウレタンエラストマーにおいては、3個以上のOH基を持つポリオール、及び/または3個以上のNCO基を持つポリイソシアネートを使用してもよい。
本発明においては、ポリエーテル型ポリウレタンエラストマーまたはポリエステル型ポリウレタンエラストマーが、好ましく使用される。すなわち、支持体層を形成するエラストマーフィルムとしては、ポリエーテル型ポリウレタンエラストマーフィルムまたはポリエステル型ポリウレタンエラストマーフィルムが好ましい。
好ましく使用されるポリエーテル型ポリウレタンエラストマーとしては、前記のものが挙げられる。同じく好ましく使用されるポリエステル型ポリウレタンエラストマーには、前記のカプロラクトン型ポリウレタンエラストマーやアジピン酸エステル型ポリウレタンエラストマーが含まれる。本発明に適したポリウレタンエラストマーとしては、市販品として、セイコー化成株式会社製のラックスキン(登録商標)US2268(ポリエーテル型);ラックスキンU−1223、U−1285、及びU−2860(ポリエステル型);を挙げることができるが、これらに限定されない。これらのポリウレタンエラストマーは、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
エラストマーフィルムを形成するエラストマーは、そのガラス転移温度(Tg)が特に限定されるものではない。例えば、高弾性のポリウレタンエラストマーは、ガラス転移温度が50℃を超えるものもある。エラストマーのガラス転移温度は、エラストマーフィルムの伸縮性、柔軟性、10%引張強度などの観点から、−70℃から20℃の範囲にあることが好ましい。ガラス転移温度の上限値は、20℃であることが好ましく、10℃であることがより好ましく、0℃であることが特に好ましい。ガラス転移温度の下限値は、多くの場合、−60℃または−55℃である。エラストマーのガラス転移温度は、常法に従って、示差走査熱量計を用いて測定した値である。
〔支持体層の厚み〕
本発明の皮脂吸収性貼付材が備える支持体層は、厚みが1〜10μmの範囲であるエラストマーフィルムである。支持体層の厚みは、好ましくは2〜9μm、より好ましくは3〜7μmの範囲である。貼付中の貼付材の目立ちにくさや違和感の緩和の観点から、支持体層の厚みを2〜6μmの範囲にまで薄くすることができる。支持体層の厚みが1μm未満の場合には、支持体層の強度が不充分となり、貼付材を皮膚に貼り付けたり、貼付材を皮膚から剥がしたりする際に、支持体層が切れてしまうことがあるとともに、支持体層の製造が困難となることがある。支持体層の厚みが大きすぎると、貼付材の厚みが大きくなる結果、貼付材が皮溝などの微細な凹凸のある皮膚表面に沿って密着しにくく、貼付状態が目立ちやすくなり、違和感も大きくなりやすい。支持体層の厚みは、ダイヤルシックネスゲージを用いて測定したものである。なお、貼付材の他の層の厚みの測定方法も同様である。
〔支持体層の10%引張強度〕
支持体層は、貼付中の違和感(皮膚が伸縮したときに感じる貼付材の抵抗感)が少ない点で、物性の方向による差異(異方性)の小さなことが好ましい。製膜方法として、後述する溶液キャスティング法を採用すると、10%引張強度などの物性が縦方向〔貼付材を製造する際の機械の進行方向(MD)をいう。〕と横方向〔前記機械方向と直交する方向(TD)をいう。〕とにおいて実質的に同じとなる薄いエラストマーフィルムを得ることができるので、好ましい。その他の製膜法でも、エラストマーフィルムの10%引張強度は、縦方向と横方向とで大きく異なることはない。支持体層(エラストマーフィルム)の縦方向及び横方向の10%引張強度は、それぞれ0.01〜1.2N/10mmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.03〜1N/10mm、更に好ましくは0.05〜0.6N/10mmの範囲である。なお、支持体層の10%引張強度は、JIS Z0237に従って測定した10%引張強度(単位:N/10mm)である(n=3の平均値)。
後述するように、貼付材の10%引張強度は、好ましくは0.01〜1.2N/10mm、より好ましくは0.03〜1N/10mm、更に好ましくは0.05〜0.6N/10mmの範囲である。縦方向と横方向とにおいて、大きく異なることはない。一方、貼付材が備える粘着剤層の貼付材の引張強度への寄与は小さいので、支持体層の10%引張強度は、貼付材の10%引張強度と実質的に同じである(キャリア層及びセパレーター層は、貼付材の皮膚への貼付時に除去される。)。したがって、支持体層の10%引張強度は、後述する貼付材の縦方向の10%引張強度で表すことができる。
支持体層(エラストマーフィルム)の10%引張強度が小さすぎると、一般に、その厚みが小さくなりすぎるため、製膜性や取扱い性が低下する。支持体層の10%引張強度が大きすぎると、支持体層及び貼付材の剛性が強くなり、伸縮性や柔軟性が不足するため、貼付材が皮溝などの微細な皮膚表面の凹凸に沿って密着しにくくなり、貼付状態が目立ちやすくなる。しかも、10%引張強度が大きすぎるエラストマーフィルムを支持体層とする貼付材は、皮膚表面への剥離時の違和感が強くなる。
〔添加剤〕
支持体層を形成するエラストマーフィルムには、所望により、顔料や染料などの着色剤、安定剤、紫外線吸収剤、滑剤などの各種添加剤を含有させることができる。これら添加剤の含有量は、添加剤の種類によって最適な範囲を選定すればよいが、エラストマーフィルムを構成する樹脂材料100質量部に対して、通常0.001〜30質量部、好ましくは0.01〜25質量部、より好ましくは0.1〜20質量部の範囲とすることが多い。
〔エンボス加工〕
貼付材をヒトの皮膚表面に貼り付けたとき、貼付材の手触り、滑り性、外観などを改善するために、貼付材を構成する支持体層の背面(支持体層の、粘着剤層側とは反対側に位置する面を意味する。)に、微小な凹凸を形成することが好ましい場合がある。すなわち、支持体層の粘着剤層側と反対側の面がエンボス加工されている貼付材とすることができる。エンボス加工により、支持体層表面の動摩擦係数を1.0未満に低減できる。なお、キャリア層の表面にエンボス加工によって微小な凹凸を形成しておき、該微小な凹凸面上に支持体層を形成すれば、エラストマーフィルムから形成される支持体層の表面(背面)に該微小な凹凸を転写することができる。
また、支持体層は、粘着剤との投錨性の向上などを目的として、片面または両面にサンドブラスト処理、コロナ処理等の表面処理を行ってもよい。また、包材から貼付材を取り出しやすくするために、支持体層の片面または両面にサンドブラスト以外の方法で凹凸を設けることもできる。
2.粘着剤層
本発明の皮脂吸収性貼付材は、粘着剤層を形成する粘着剤が、
b−1)炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル 50〜99質量%、
b−2)炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル 0〜12質量%、及び
b−3)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なその他のビニル単量体 1〜50質量%からなるアクリル共重合体〔ただし、b−1)、b−2)及びb−3)の合計は100質量%とする。〕を含有する非水系のアクリル系粘着剤であり、また、粘着剤層の厚みが1〜15μmの範囲のものである。
(1)粘着剤
一般に、貼付材の粘着剤層は、常温で感圧接着性を示す粘着剤を用いて形成され、皮膚刺激性の弱い粘着剤が好ましく用いられる。粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニルエステル系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤、ウレタン系粘着剤などがあり、これらの中でも医療用粘着剤のグレードのものが、好ましく使用されている。
〔アクリル系粘着剤〕
本発明の皮脂吸収性貼付材は、皮膚刺激が少なく、また、皮膚表面の凹凸に沿って密着して貼付箇所が目立たず、皮脂の分泌が多い箇所にも長時間にわたって貼付が維持されるように粘着特性を制御することが容易であることから、粘着剤層を形成する粘着剤として、非水系のアクリル系粘着剤を使用する。
〔アクリル共重合体〕
すなわち、本発明の皮脂吸収性貼付材において、粘着剤層を形成する粘着剤は、b−1)炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル 50〜99質量%、b−2)炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル 0〜12質量%、及びb−3)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なその他のビニル単量体 1〜50質量%からなるアクリル共重合体〔ただし、b−1)、b−2)及びb−3)の合計は100質量%とする。〕を含有する非水系のアクリル系粘着剤である。
〔b−1)炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル〕
b−1)炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸n−デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルの中でも、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソノニル等の炭素数8〜9のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルが、特に好ましい。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
b−1)炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、共重合体中において50〜99質量%、好ましくは55〜98.5質量%、より好ましくは60〜98質量%である。特に好ましく使用される炭素数8〜9のアルキル基を有するアクリル酸アルキルエステルは、65〜98質量%の含有率で使用することができる。本発明の皮脂吸収性貼付材は、粘着剤層を形成する粘着剤が、b−1)炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを所定量含有するアクリル共重合体であることにより、皮膚から分泌された皮脂成分を粘着剤が吸収しやすく、貼付材が剥がれにくくすることができ、皮脂吸収性貼付材を得ることができる。
〔b−2)炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル〕
b−2)炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル等が挙げられ、これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましくは、アクリル酸n−ブチルである。
b−2)炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量は、アクリル共重合体中において0〜12質量%、好ましくは0〜11質量%、より好ましくは0〜10.5質量%である。b−2)炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、0質量%であってもよい。したがって、本発明の皮脂吸収性貼付材において、b−2)炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、粘着剤層を形成する粘着剤であるアクリル共重合体の必須の成分ではない。アクリル共重合体において、b−2)炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有量が、アクリル共重合体中において12質量%を超えると、皮膚から分泌された皮脂成分を粘着剤が吸収しにくくなり、貼付材が剥がれやすくなることがある。
〔b−3)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なその他のビニル単量体〕
b−3)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なその他のビニル単量体とは、前記されているb−1)炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、及び、同じく前記されているb−2)炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルのいずれにも属しない、ビニル基を有する単量体であって、少なくともb−1)炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能であるビニル単量体である。
b−3)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なその他のビニル単量体としては、b−1)炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能であるビニル単量体であって、前記b−1)またはb−2)の(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外のビニル単量体であれば、特に限定がないが、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有ビニル単量体及びその誘導体(酸無水物基含有ビニル単量体等);酢酸ビニルなどのビニルエステル;アクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−ブトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル(アルコキシ基含有ビニル単量体);アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド(アミド基含有ビニル単量体)及びその誘導体;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有ビニル単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアノ基含有ビニル単量体(不飽和ニトリル);スチレン等のビニル芳香族化合物;などが挙げられ、さらに、アクリル酸ペンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸トリデシル、メタクリル酸トリデシル、アクリル酸テトラデシル等の炭素数7または13以上のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルも使用することができる。好ましくは、アルコキシ基含有ビニル単量体;カルボキシル基、酸無水物基、アミド基またはエポキシ基等の官能基を有するビニル単量体;ビニルエステル;であり、より好ましくはアルコキシ基含有ビニル単量体;カルボキシル基含有ビニル単量体;またはビニルエステル;である。特に好ましくは、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸または酢酸ビニルであり、これらを組み合わせて使用してもよい。
b−3)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なその他のビニル単量体の含有量は、アクリル共重合体中において1〜50質量%、好ましくは1.5〜45質量%、より好ましくは2〜40質量%である。本発明の皮脂吸収性貼付材は、粘着剤層を形成する粘着剤が、b−3)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なその他のビニル単量体を所定量含有するアクリル共重合体〔ただし、b−1)、b−2)及びb−3)の合計は100質量%とする。〕を含有することにより、粘着剤層の諸特性を改善することができ、取扱い性に優れた皮脂吸収性貼付材を得ることができる。
例えば、b−3)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なその他のビニル単量体として、特に好ましく使用されるアルコキシ基含有ビニル単量体は、粘着剤層に親水性を付与し、粘着剤層が透湿性や吸湿性を有するものとすることができる。アルコキシ基含有ビニル単量体としては、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸2−ブトキシエチル等の炭素数が1〜4のアルコキシ基を有するアクリル酸アルコキシアルキルエステルが挙げられ、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。アクリル共重合体が、b−3)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なその他のビニル単量体として、アルコキシ基含有ビニル単量体を含有する場合のアルコキシ基含有ビニル単量体の含有量は、アクリル共重合体中において、好ましくは5〜45質量%、より好ましくは10〜40質量%である。
また、同じくb−3)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なその他のビニル単量体として好ましく使用されるカルボキシル基含有ビニル単量体は、粘着剤層を形成する粘着剤を架橋処理する際の反応点を確保させることができるとともに、得られるアクリル共重合体の凝集力を向上させることができる。カルボキシル基含有ビニル単量体としては、アクリル酸やメタクリル酸等が挙げられ、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。アクリル共重合体が、b−3)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なその他のビニル単量体として、カルボキシル基含有ビニル単量体を含有する場合のカルボキシル基含有ビニル単量体の含有量は、アクリル共重合体中において、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは1.5〜7質量%、更に好ましくは2〜5質量%である。
さらに、同じくb−3)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なその他のビニル単量体として好ましく使用されるビニルエステルは、粘着剤層に凝集性を与えることができる。ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げられ、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。アクリル共重合体が、b−3)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なその他のビニル単量体として、ビニルエステルを含有する場合のビニルエステルの含有量は、アクリル共重合体中において、好ましくは3〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%である。
本発明の皮脂吸収性貼付材において、(b)粘着剤層を形成する粘着剤に含有されるアクリル共重合体として、特に好ましいものは、アクリル酸イソノニル60〜70質量%、カルボキシル基含有ビニル単量体1〜5質量%、及びアルコキシ基含有ビニル単量体10〜40質量%からなるアクリル共重合体〔ただし、合計は100質量%とする。〕である。最も好ましいアクリル共重合体は、アクリル酸イソノニル60〜70質量%、アクリル酸1〜5質量%、及びアクリル酸2−メトキシエチル10〜40質量%からなるアクリル共重合体〔ただし、合計は100質量%とする。〕である。
〔アクリル共重合体の製造〕
本発明の皮脂吸収性貼付材が備える粘着剤層を形成する粘着剤が含有するアクリル共重合体は、ラジカル重合によって製造することができる。アクリル共重合体の重合法としては、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法などが知られているが、本発明の皮脂吸収性貼付材が備える粘着剤層が、良好な粘着特性を得やすい点で、溶液重合法が好ましい。アクリル共重合体を得るための重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤;などが挙げられる。具体的には、アクリル共重合体を形成する前記のb−1)、b−2)及びb−3)からなる全単量体100質量部に対して、0.1〜3質量部のラジカル重合開始剤を加え、窒素気流下、40〜90℃程度の温度で、30分間〜30時間撹拌して共重合させる。溶液重合法では、溶媒として、酢酸エチル、アセトン、トルエン、またはこれらの混合物などが汎用される。
アクリル共重合体の重量平均分子量は、通常100,000〜1,500,000、好ましくは300,000〜1,000,000、より好ましくは450,000〜650,000の範囲である。アクリル共重合体の重量平均分子量を上記範囲とすることによって、アクリル系粘着剤の凝集性、粘着力、他成分との混合作業性、他成分との親和性などをバランスさせることができる。アクリル共重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)法により、標準ポリスチレン換算値として求めた値である。
〔非水系のアクリル系粘着剤〕
本発明の皮脂吸収性貼付材が備える粘着剤層を形成する粘着剤は、前記のアクリル共重合体を含有する非水系のアクリル系粘着剤である。本発明において、「非水系」とは、製造工程を経て、キャリア層、支持体層、粘着剤層及びセパレーター層を、この順に積層して備える貼付材を得たときに、粘着剤層を形成する粘着剤が、実質的に水を含有していない状態にあることを意味する。したがって、本発明における「非水系のアクリル系粘着剤」とは、製造工程を経て、貼付材を得たときに、粘着剤層を形成するアクリル系粘着剤が、実質的に水を含有していない状態にある限り、その後、貼付材の粘着剤層が空気中に曝されて、自然に吸湿したものであってもよく、すなわち、粘着剤層を形成するアクリル系粘着剤が、一切水を含有していないことを意味するものではない。本発明の皮脂吸収性貼付材は、非水系の溶剤を溶媒または分散媒とする溶液または分散液である非水系のアクリル系粘着剤を、粘着剤層を形成する粘着剤として用いることにより、貼付材の皮脂吸収性を向上させることができる。非水系のアクリル系粘着剤に含有される非水系の溶剤としては、アクリル共重合体を溶液重合法で製造する際に使用する溶剤等を用いることができる。
〔添加剤〕
本発明の皮脂吸収性貼付材の粘着剤層を形成する粘着剤には、前記のb−1)、b−2)及びb−3)から形成されるアクリル共重合体のほかに、必要に応じて、各種添加剤を含有することができる。添加剤としては、架橋剤、薬物、充填剤、酸化防止剤(抗酸化剤、防腐剤)、着色剤、香料、粘着付与剤、可塑剤など、貼付材が備える粘着剤層を形成する粘着剤において慣用されている添加剤を含有することができる。例えば、粘着剤の粘着特性を調整するために、粘着付与剤を配合することができる。粘着付与剤としては、例えば、テルペン系、テルペンフェノール系、クマロンインデン系、スチレン系、ロジン系、キシレン系、フェノール系、石油系などの粘着付与樹脂を挙げることができる。
〔架橋剤〕
本発明の皮脂吸収性貼付材が備える粘着剤層を形成する粘着剤に含有されるアクリル共重合体については、架橋処理が必須ではない。したがって、本発明における粘着剤は、アクリル共重合体とともに、架橋剤を含有することが必ずしも必要ではない。しかし、粘着剤層を形成する粘着剤が、適度な凝集性を持つことが望まれる場合など、所望により架橋剤を含有させてもよい。架橋剤としては、多官能イソシアネート化合物〔トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等〕や多官能エポキシ化合物などが挙げられ、市販品として、例えば、日本ポリウレタン工業株式会社製のコロネート(登録商標)HL、コロネートL、コロネートEH、三菱ガス化学株式会社製のTETRAD(登録商標)Xなどとして入手することができる。アクリル系粘着剤が、架橋剤を使用して形成されるものである場合、架橋剤の含有量は、アクリル共重合体100質量部に対して、好ましくは0.05〜3質量部、より好ましくは0.1〜2質量部、特に好ましくは0.2〜1質量部であるが、粘着剤層を形成する粘着剤に望まれる適度な凝集性に応じて、粘着剤組成及び架橋剤の種類を考慮して、架橋剤の含有量を調整する。架橋剤は、単独で、または2種類以上を用いてもよく、同時に2種類以上の添加を行わなくてもよく、粘着剤層を形成するための粘着剤の塗工前または塗工中に添加する方法などが挙げられる。
〔可塑剤〕
本発明における粘着剤層を形成する粘着剤は、通常、貼付材における粘着剤に含有されている可塑剤を含有する必要がない。かかる可塑剤としては、例えば、多価アルコール類(グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,3−テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール等);フェノール類(チモール、サフロール、イソサフロール、オイゲノール、イソオイゲノール等);高級アルコール類(ベンジルアルコール、オレイルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、オクチルドデカノール等);エステル系界面活性剤(セスキオレイン酸ソルビタン、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ステアリン酸ポリオキシル等);脂肪酸エステル類(ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル等);有機酸類(乳酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、リンゴ酸等);など室温で液体状である可塑剤が知られている。貼付材における粘着剤に含有されるこれらの可塑剤は、皮膚に刺激を与えることがあるが、粘着剤層を形成する粘着剤に柔軟性を付与するために使用されるのが通常であった。しかしながら、本発明における粘着剤であるアクリル系粘着剤は、前記のアクリル共重合体を含有することにより、十分な柔軟性を有しているので、本発明の皮脂吸収性貼付材が備える粘着剤層を形成する粘着剤は、室温で液体状である可塑剤を含む必要がなく、むしろ、室温で液体状である可塑剤を含まないことが好ましい。なお、本発明において、「室温で液体状である可塑剤を含まない」とは、室温で液体状である可塑剤を含有させることにより粘着特性に影響しない含有量であることを意味し、通常、アクリル系粘着剤100質量部に対して、通常2質量部以下、好ましくは0.5質量部までの含有は許容されることがある。
〔薬物等〕
本発明における粘着剤層を形成する粘着剤は、通常貼付材における粘着剤に含有される各種の薬物を含有することができる。かかる薬物としては、ジカプリル酸ピリドキシン、グリチルリチン酸ジカリウム、ジパルミチン酸ピリドキシン、グリチルリチン酸、塩酸ジフェンヒドラミン、オウバクエキス、ステアリン酸グリチルレチニル、塩化リゾチーム、アミノカプロン酸、レイシエキス、ヨクイニン、メリロートエキス、ボタンエキス、トウキエキス、トウキ根エキス、センキュウエキス、ゲンノショコエキス、アラントイン、及びアルニカエキス等の抗炎症剤;シコニン、ヒノキチオール、セドロール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、感光素201号、及びアジピン酸等の抗菌剤;エストラジオール、ビタミンB2、ビタミンB6、ローヤルゼリーエキス、リボフラビン等の皮脂分泌抑制剤;多孔質ナイロンパウダー及び多孔質セルロースパウダー等の吸油性多孔質粉体;カオリン、タルク、粘土、酸化亜鉛等の皮脂吸収剤;サリチル酸、イオウ、ベントナイト、シクロデキストリン等の角質剥離剤;ジブチルヒドロキシトルエン、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸、安息香酸類、パラベン類、塩化ベンザルコニウム、及び塩化ベンゼトニウム等の抗酸化剤(防腐剤);アルニカモンタナエキス、甘草エキス、レチノール、グリチルリチン酸ジカリウム、シャクヤクエキス、セージ葉エキス、ビワ葉エキス、ローズマリーエキス等の肌荒れ改善剤;ビタミン及びブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤;さらに、各種の鎮痛消炎剤;抗ヒスタミン剤;コルチコステロイド剤;保湿剤;ビタミン類;香料;美容成分;などが挙げられる。
本発明の皮脂吸収性貼付材においては、必要に応じて、粘着剤層を形成する粘着剤が、抗炎症剤、角質剥離剤、抗菌剤、皮脂分泌抑制剤、肌荒れ改善剤及び抗酸化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の薬物を含有することが好ましい。特に、本発明の皮脂吸収性貼付材を、にきび用途に用いられるものである場合は、抗炎症剤を含有することが、特に好ましい。また、本発明の皮脂吸収性貼付材においては、粘着剤層を形成する粘着剤が、皮脂吸収剤を含有することが好ましい。特に好ましい薬物は、ジカプリル酸ピリドキシン、グリチルリチン酸ジカリウム、ジパルミチン酸ピリドキシン、グリチルリチン酸、塩酸ジフェンヒドラミン、オウバクエキス等の抗炎症剤、ベントナイト、シクロデキストリン等の角質剥離剤;ジブチルヒドロキシトルエン、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸等の抗酸化剤(防腐剤);または、カオリン、タルク、粘土、酸化亜鉛等の皮脂吸収剤;である。
さらに、本発明における粘着剤層を形成する粘着剤は、必要に応じて、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸塩、酸化亜鉛、酸化チタン、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム等の充填剤;を含有することができる。
前記した薬物や充填剤の含有量は、薬物や充填剤の種類によって有効含有量が異なるが、好適には、粘着剤層全質量中に0.001〜10質量%、特に0.01〜2質量%含有することが好ましい。
〔粘着剤層の厚み〕
本発明の皮脂吸収性貼付材が備える粘着剤層の厚みは、1〜15μmの範囲であり、好ましくは3〜13μm、より好ましくは5〜12μmの範囲の厚みである。本発明の皮脂吸収性貼付材が備える粘着剤層は、粘着剤層を形成する粘着剤が、前記のb−1)、b−2)及びb−3)の特定量の組み合わせからなるアクリル共重合体を含有する非水系のアクリル系粘着剤であることにより、粘着剤層の厚みが、通常の貼付材が備える粘着剤層の厚みより薄くても、適度の粘着性を示し、皮脂を多く分泌する箇所にも優れた付着性を得ることができる。
〔支持体層及び粘着剤層の厚み〕
本発明の皮脂吸収性貼付材は、支持体層と粘着剤層との合計厚みが2〜20μmの範囲であり、好ましくは5〜19μm、より好ましくは8〜17μmの範囲の厚みである。支持体層と粘着剤層との合計厚みが小さすぎると、貼付材の強度が不充分で、貼付材を皮膚に貼り付けたり、貼付材を皮膚から剥がしたりする際に、切れてしまうことがあり、また、皮膚に対する粘着性が不足して、皮脂を多く分泌する箇所への付着性が不十分となることがある。一方、支持体層と粘着剤層との合計厚みが大きすぎると、貼付材が皮溝などの微細な皮膚表面の凹凸に沿って密着しにくく、貼付状態が目立ちやすくなり、違和感も大きくなりやすいとともに、貼付材を皮膚から剥がす際に、皮膚を損傷したり、痛みが感じられたりすることがある。
3.キャリア層
本発明の皮脂吸収性貼付材は、キャリア層、支持体層、粘着剤層及びセパレーター層を、この順に積層して備える貼付材である。本発明の皮脂吸収性貼付材は、支持体層に隣接してキャリア層を備えることにより、貼付材の取扱い性、皮膚への貼付性を向上させることができ、また、本発明の皮脂吸収性貼付材の製造方法において、支持体層の形成を容易にすることができる。すなわち、貼付材を皮膚に貼り付ける際、支持体層にシワが入ったり、貼付材が折れ曲がって粘着剤層同士が接着してしまったりすることがあるが、貼付材が支持体層に隣接してキャリア層を備えることにより、貼付材の形状保持性が向上するので、こうした問題を防止することができる。また、本発明の皮脂吸収性貼付材が備える支持体層は、先に述べたとおり、厚みが1〜10μmの範囲であって極めて薄いものであるので、該支持体層を単独で形成することには技術的困難を伴うことがあるが、後述のように、キャリア層の表面(上面)に、溶液キャスティング法により支持体層を形成する工程や、キャリア層と支持体層とを押出積層する工程などを採用することにより、容易に支持体層を形成することができる。
キャリア層の厚みは、適宜設定することができ、特に限定されないが、通常20μm以上、好ましくは40μm以上であり、その上限値は500μm程度である。キャリア層は、各種の熱可塑性樹脂からなるフィルムを用いて形成することができ、例えば、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン酢酸ビニル共重合体、熱可塑性ポリエステル、ポリテトラフルオロエチレン等からなるフィルムを用いることができる。また、これらフィルムと紙との積層体を用いることができる。
キャリア層は、使用時、すなわち貼付材を皮膚に貼り付けるときに、支持体層から容易に剥離することができるものである。したがって、キャリア層と支持体層とは、熱圧着または粘着等により剥離可能なように形成されている。キャリア層と支持体層との剥離力を調整するために、キャリア層の支持体層に対向する側の面に、粘着剤、液状可塑剤、離型剤等を塗布してもよいし、その他の表面処理を施してもよい。
〔キャリア層の大きさ〕
本発明の皮脂吸収性貼付材は、キャリア層が支持体層より大きいものである。すなわち、本発明の皮脂吸収性貼付材が備えるキャリア層は、貼付材、具体的には支持体層と粘着剤層とを皮膚に貼り付けるときに、支持体層から容易に剥離できるように備えられるものであることから、本発明においては、キャリア層が支持体層より大きいものとしている。キャリア層が支持体層より大きいことによって、該キャリア層を貼付材の掴み部分として利用して、貼付材の粘着剤層を後述するセパレーター層から剥離することが容易になり、また、指が粘着剤に触れてしまうことなく、貼付材の粘着剤層を皮膚に貼付できる。ここで、「キャリア層が支持体層より大きい」とは、キャリア層の全面が支持体層を覆っているのではない状態を意味し、換言すると、キャリア層が支持体層を覆わない部分を有することを意味する。例えば、キャリア層の面積が支持体層の面積より大きい(この場合、キャリア層の一部分が支持体層を覆っている。)場合のほか、キャリア層が格子状等のパターン状に形成され、格子の端部が支持体層からはみ出している場合、キャリア層が支持体層の縁部を支持体層からはみ出るように覆う場合などの態様をとるように備えることができる。キャリア層は、支持体層を、複数のシートに分割して、または一部重なった状態で覆うように備えられていてもよい。なお、キャリア層上面(支持体層の反対側の面)に、更に取扱い性を向上するための口取りや切れ目を設けたシートを配置してもよい。
4.セパレーター層
本発明の皮脂吸収性貼付材は、キャリア層、支持体層、粘着剤層及びセパレーター層を、この順に積層して備える貼付材である。すなわち、本発明の皮脂吸収性貼付材は、貼付材を、具体的には粘着剤層を皮膚に貼り付けるときまで、粘着剤層を保護するために、粘着剤層に隣接してセパレーター層を備える。
本発明におけるセパレーター層としては、特に限定されず、貼付材(粘着テープ)の技術分野において、一般に、離型紙、離型フィルム、剥離紙、剥離フィルム、剥離ライナーなどと称して使用されるものを用いることができる。具体的には、例えば、表面をシリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、表面をシリコーン処理したポリエチレンと紙との積層体などが挙げられる。セパレーター層は、同一または異なる厚みの2枚以上のシートとして、粘着剤層を保護してもよい。また、セパレーター層は、取扱い性(すなわち、粘着剤層からの剥離性)を向上するために、切れ目を設けてもよいし、貼付材より大きな面積に形成し、周縁部に掴み部を設けてもよい。また、セパレーター層は、取扱い性の向上や印刷適性の向上等の目的で、セパレーター層の粘着剤層に対向する面または粘着剤層の反対側の面に、サンドブラスト処理等による凹凸を設けてもよい。さらに、セパレーター層を一枚の大きなシートとして設け、その上に、粘着剤層、支持体層及びキャリア層からなる組み合わせを複数配列させてもよく、この場合、セパレーター層は、複数の貼付材において共有されることとなる。
セパレーター層の厚みは、適宜設定することができ、特に限定されないが、通常20μm以上、好ましくは40μm以上であり、その上限値は500μm程度である。
〔セパレーター層の剥離力及びキャリア層の剥離力〕
貼付材の粘着剤層からセパレーター層を剥離するのに必要な力(セパレーター層の剥離力)は、貼付材の支持体層からキャリア層を剥離する力(キャリア層の剥離力)より小さく設定されている。このように設定することにより、貼付材の粘着剤層からセパレーター層を剥離した後には、キャリア層が支持体層上に一体的に残っているため、貼付材を皮膚に貼り付ける際まで、貼付材はある程度の剛性を有しているので取扱い性がよいものとなる。
5.皮脂吸収性貼付材
本発明の皮脂吸収性貼付材は、キャリア層、支持体層、粘着剤層及びセパレーター層を、この順に積層して備える貼付材であって、更に、トリグリセリドを使用する人工皮脂吸収試験において、トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)が、0.1〜1mm/12×20mm・1時間の範囲であることを特徴とする皮脂吸収性貼付材である。また好ましくは、ヒト皮膚皮脂吸収試験において、貼付材剥離後のセブメーターの値が、12以下である皮脂吸収性貼付材である。また好ましくは、トリグリセリドを使用する人工皮脂吸収試験において、トリグリセリド吸収後の対ベークライト粘着力が、0.2N/15mm以上である皮脂吸収性貼付材である。
〔貼付材の形状〕
本発明の皮脂吸収性貼付材は、キャリア層、支持体層、粘着剤層及びセパレーター層を、この順に積層して備える貼付材であって、更に、前記した諸特性を備えるものである限り、特に形状が限定されず、所定の形状の皮脂吸収性貼付材、ロール状の皮脂吸収性貼付材、更には、袋に封入された皮脂吸収性貼付材でもよい。所定の形状の皮脂吸収性貼付材としては、略矩形または円形の形状であることが好ましい。特に、にきび用途に用いられる皮脂吸収性貼付材としては、にきびがあるところを中心として貼付材を貼付することが望ましいことから、面積1〜5cm、好ましくは1〜3cm程度の円形や楕円形の形状の皮脂吸収性貼付材であることが好ましい。また、周囲に角部を有する所定の形状の皮脂吸収性貼付材においては、周囲の角部に適宜Rを設けてもよい。
〔トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)〕
本発明の皮脂吸収性貼付材は、トリグリセリドを使用する人工皮脂吸収試験において、トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)(以下、「トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)」ということがある。)が、0.1〜1mm/12×20mm・1時間の範囲である。本発明の皮脂吸収性貼付材は、トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)が、0.1〜1mm/12×20mm・1時間の範囲であることにより、皮脂を吸収し、凝集破壊しないで付着性を保つことができる。その結果、本発明の皮脂吸収性貼付材は、皮膚表面の凹凸に沿って密着するため、皮脂吸収性貼付材の貼付箇所が目立たず、皮脂の分泌が多い箇所にも長時間にわたって貼付が維持される、皮脂吸収性貼付材である。すなわち、先に述べたように、ヒトの皮脂の成分は、さまざまなものから構成されているが、トリグリセリドは、多いときにはヒト皮脂の約半分を占め、また、他の成分と比較して、貼付材のヒト皮膚に対する貼付性に影響している。したがって、トリグリセリドを使用する人工皮脂吸収試験を実施して、貼付材、特に粘着剤層にトリグリセリドを吸収させた後の対ガラス保持力(荷重200g)が、0.1〜1mm/12×20mm・1時間の範囲であれば、優れた皮脂吸収性貼付材であるということができる。本発明の皮脂吸収性貼付材は、トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力が、好ましくは0.15〜0.8mm/12×20mm・1時間、より好ましくは0.2〜0.7mm/12×20mm・1時間の範囲のものである。また、用途によっては、トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力が、0.2〜1mm/12×20mm・1時間の範囲のものも好ましく使用することができる。
トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)は、以下の方法によって測定するものである。すなわち、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下、トリグリセリド〔日光ケミカルズ株式会社製、NIKKOL(登録商標)トリエスターF810)を、ガラス板上にキャピラリーで滴下し、均一になるように伸ばす。貼付材から切り出した試験片を、貼付材とガラス板とが、試験片の幅(TD方向、以下同じ。)12mm×長さ(MD方向、以下同じ。)20mmの範囲で接触するようにして、粘着剤層とトリグリセリドとを接触させて該ガラス板に貼り付け、2kgのゴムロールで300mm/分の速度で1往復圧着する(試験片1枚当たりトリグリセリドが約4mg塗布されるように、トリグリセリドの滴下量と伸ばす範囲を調整する。)。12時間静置後に、貼付材(粘着剤層)の対ガラス保持力を測定する。対ガラス保持力は、JIS Z0237に準拠して、貼付材の試験片が垂直に垂れ下がるように吊し、200gの荷重を加えて、1時間経過後の試験片のズレ長さ(mm)を測定した試験片の対ガラス保持力を、皮脂吸収性貼付材のトリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)とする(n=3の平均値。単位表示は、「mm/12×20mm・1時間」とする。)。なお、対ガラス保持力の測定中に、貼付材の試験片が落下したときは、その旨を記録する。
〔トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重500g)〕
なお、本発明の皮脂吸収性貼付材は、貼付材の使用感を向上させる観点から、トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重500g)は、1mm/12×20mm・1時間以上であることが好ましい。トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重500g)とは、前記したトリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)の測定方法において、200gの荷重に代えて、500gの荷重を加えることによって測定した、貼付材の対ガラス保持力である(n=3の平均値)。トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重500g)が、1mm/12×20mm・1時間未満であると、粘着剤の凝集性が高すぎて、皮脂吸収性貼付材を貼付中に違和感を感じたり、皮脂吸収性貼付材を皮膚から剥離するときに、抵抗感や痛みを感じたり、使用感が良好でないことがある。本発明の皮脂吸収性貼付材は、トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重500g)が、より好ましくは1.1mm/12×20mm・1時間以上、更に好ましくは1.5mm/12×20mm・1時間以上であり、トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重500g)の試験中に、貼付材の試験片が落下してしまうものでも差し支えない。
〔貼付材剥離後のセブメーターの値〕
本発明の皮脂吸収性貼付材は、さらに、ヒト皮膚皮脂吸収試験において、貼付材剥離後のセブメーターの値(以下、「貼付材剥離後のセブメーターの値」ということがある。)が12以下であることが好ましい。貼付材剥離後のセブメーターの値が、12以下であれば、貼付材剥離後の皮膚に皮脂が残留していないといえるので、一層優れた皮脂吸収性貼付材が得られたということができる。
貼付材剥離後のセブメーターの値の測定方法は、以下の方法により行うヒト皮膚皮脂吸収試験によって、顔のTゾーン等の皮脂を多く分泌するヒト皮膚の部位として、額に対する貼付材の貼付性を測定して評価する。すなわち、貼付材から、幅15mm×長さ50mmの大きさに切り出した試験片を、成人男女7名の被験者の洗顔後の水分をふき取った額に貼り付ける。12時間経過後、試験片を貼付箇所から剥離し、貼付材を剥がした額の箇所の皮膚に、油分計であるセブメーター〔Sebumeter(登録商標)SM815、Courage & Khazaka社製〕を当てて皮脂量の測定を行い、7名の平均値を求めて、貼付材の貼付材剥離後のセブメーターの値とする。貼付材剥離後のセブメーターの値が、12以下であれば、皮脂が、貼付材(粘着剤)に十分吸収されているということができるので、貼付材の皮脂吸収性が優れていると評価することができる。貼付材の貼付材剥離後のセブメーターの値は、より好ましくは10以下、更に好ましくは7以下である。なお、12時間経過前に、貼付材が脱落した被験者がいる場合、または、粘着剤の凝集破壊によりセブメーターによる皮脂量が測定不能な被験者がいる場合は、その旨を記録する。
〔トリグリセリド吸収後の対ベークライト粘着力〕
本発明の皮脂吸収性貼付材は、さらに、トリグリセリドを使用する人工皮脂吸収試験において、トリグリセリド吸収後の対ベークライト粘着力(以下、「トリグリセリド吸収後の対ベークライト粘着力」ということがある。)が0.2N/15mm以上であることが好ましい。トリグリセリド吸収後の対ベークライト粘着力が、0.2N/15mm以上であると、皮膚に貼り付けた場合、皮膚の動きなどの外力によって剥がれやすくなることがないので、一層優れた皮脂吸収性貼付材となる。本発明の皮脂吸収性貼付材は、トリグリセリド吸収後の対ベークライト粘着力が、好ましくは0.22N/15mm以上、より好ましくは0.24N/15mm以上である。皮脂吸収性貼付材のトリグリセリド吸収後の対ベークライト粘着力が小さすぎると、貼付中に貼付材が脱落してしまう場合もある。本発明の皮脂吸収性貼付材のトリグリセリド吸収後の対ベークライト粘着力の上限は、特にないが、トリグリセリド吸収後の対ベークライト粘着力が大きすぎると、貼付材を貼付後に皮膚表面から剥離するときに抵抗感や痛みを感じるおそれがあることから、通常1N/15mm、多くの場合0.9N/15mmである。
トリグリセリド吸収後の対ベークライト粘着力は、以下の方法によって測定するものである。すなわち、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下、トリグリセリド〔日光ケミカルズ株式会社製、NIKKOLトリエスターF810)を、ベークライト板(フェノール樹脂板、住友ベークライト株式会社製、PL−1102)上に、キャピラリーで滴下し、均一になるように伸ばした後、貼付材から幅15mm×長さ70mmに切り出した試験片を、粘着剤層がトリグリセリドに接触するように、該ベークライト板に貼り付け、2kgのゴムロールで300mm/分の速度で1往復圧着する(試験片1枚当たりトリグリセリドが約10mg塗布されるように、トリグリセリドの滴下量と伸ばす範囲を調整する。)。12時間静置後に、貼付材(粘着剤層)の対ベークライト粘着力を測定する。対ベークライト粘着力は、JIS Z0237に準拠して、剥離角度90度及び剥離速度300mm/分の条件で剥離力を測定し、試験片の対ベークライト粘着力(単位:N/15mm)を算出する(n=3の平均値)。
〔貼付箇所の目立ちにくさの評価〕
上記のヒト皮膚皮脂吸収試験を行う7名の被験者に、貼付材の貼付箇所の目立ちにくさの評価を聞き、以下の基準に照らし、貼付材の貼付箇所の目立ちにくさの評価とする。AAまたはA評価であれば、貼付箇所が目立ちにくい皮脂吸収性貼付材であるといえる。
AA:6〜7名が、目立ちにくい。
A :4〜5名が、目立ちにくい。
B :2〜3名が、目立ちにくい。
C :1名またはゼロ名が、目立ちにくい。
〔糊残り〕
上記のヒト皮膚皮脂吸収試験を行う7名の被験者の、貼付材剥離後の貼付材の貼付箇所の糊残りの状態を、目視で観察し、0(糊残りがない)、1(糊残りが若干認められる)、2(糊残りが1よりも多く認められる)、3(糊残りが多い)の4段階で評価して、7名の平均値を四捨五入し、以下の基準に照らし、貼付材の糊残りの評価とする。糊残りの評価が、AAまたはAであれば、貼付材の使用感が優れているといえる。
AA:4段階の平均値が、0である。
A :4段階の平均値が、1である。
B :4段階の平均値が、2である。
C :4段階の平均値が、3である。
〔剥離抵抗〕
上記のヒト皮膚皮脂吸収試験を行う7名の被験者に、貼付材の12時間貼付後の貼付材の剥離抵抗の評価を聞き、0(剥離抵抗がない)、1(剥離抵抗が若干ある)、2(剥離抵抗が1よりもある)、3(剥離抵抗が大きい)の4段階で評価して、7名の平均値を四捨五入し、以下の基準に照らし、貼付材の剥離抵抗の評価とする。剥離抵抗の評価がAAまたはAであれば、貼付材の剥離時の違和感がないといえる。
AA:4段階の平均値が、0である。
A :4段階の平均値が、1である。
B :4段階の平均値が、2である。
C :4段階の平均値が、3である。
〔剥離時の痛み〕
上記のヒト皮膚皮脂吸収試験を行う7名の被験者に、貼付材の12時間貼付後に貼付材を剥離するときの痛みの有無を聞き、0(痛みを感じない)、1(少し痛みを感じる)、2(1よりも痛みを強く感じる)、3(痛みを強く感じる)の4段階で評価して、7名の平均値を四捨五入し、以下の基準に照らし、貼付材の剥離時の痛みの評価とする。剥離時の痛みの評価がAAまたはAであれば、貼付材の剥離時の違和感がないといえる。
AA:4段階の平均値が、0である。
A :4段階の平均値が、1である。
B :4段階の平均値が、2である。
C :4段階の平均値が、3である。
〔12時間付着性〕
上記のヒト皮膚皮脂吸収試験を行う7名の被験者に、貼付材の12時間貼付中の貼付状態の評価を聞き、以下の基準に照らし、貼付材の12時間付着性の評価とする。12時間付着性の評価がAAまたはAであれば、貼付材の貼付中の違和感がないといえる。
AA:6〜7名が、付着性が良好である。
A :4〜5名が、付着性が良好である。
B :2〜3名が、付着性が良好である。
C :1名またはゼロ名が、付着性が良好である。
〔貼付材の付着力(対BA−SUS板粘着力)〕
本発明の皮脂吸収性貼付材は、更にまた、JIS Z0237に準拠する対BA−SUS板(ブライトアニールステンレス)の90度剥離試験において、0.1〜1N/15mmの範囲の粘着力を示すことが好ましく、より好ましくは0.2〜0.95N/15mm、更に好ましくは0.4〜0.9N/15mmの範囲である。本発明の皮脂吸収性貼付材は、前記の範囲の対BA−SUS板粘着力を有することにより、皮膚に貼り付けた場合、皮膚の動きなどの外力によって剥がれやすくなることがなく、同時に、貼付材を貼付後に皮膚表面から剥離するときに抵抗感や痛みを感じることがない。対BA−SUS板粘着力が大きすぎると、貼付材を貼付後に皮膚表面から剥離するときに抵抗感や痛みを感じるおそれがある。対BA−SUS板の90度剥離試験は、幅15mmに切り出した貼付材の試験片をBA−SUS板に貼り付け、インストロン型引張試験機で90度方向に引き剥がすときの粘着力を測定するものである(n=3の平均値)。
〔貼付材の10%引張強度〕
本発明の皮脂吸収性貼付材は、貼付中の違和感(皮膚が伸縮したときに感じる貼付材の抵抗感)が少ない点で、貼付材の10%引張強度が、0.01〜1.2N/10mmの範囲であることが好ましい。ここで、貼付材の10%引張強度とは、キャリア層及びセパレーター層は皮膚への貼付時に除去されるものであることから、支持体層と粘着剤層の2層からなる積層体の10%引張強度を意味する。貼付材の10%引張強度が、縦方向及び横方向において、いずれも0.01〜1.2N/10mmの範囲であれば、該貼付材をヒトの皮膚に貼り付けた場合、貼付時に面方向に伸びて、皮溝などの微細な皮膚表面の凹凸に沿って密着しやすく、かつ、日常の皮膚の動きに追従することができる。本発明の皮脂吸収性貼付材は、縦方向及び横方向の各10%引張強度が実質的に同じであることが、貼付状態にある貼付材の目立ちにくさと、違和感の低減の観点から好ましいので、貼付材の10%引張強度の値が、縦方向及び横方向において、実質的に変わらない場合(異方性がみられない場合)は、縦方向についての10%引張強度の値を、貼付材の10%引張強度の値とすればよい。貼付材の10%引張強度の値は、より好ましくは0.03〜1N/10mm、更に好ましくは0.05〜0.6N/10mmの範囲である。貼付材の10%引張強度が小さすぎると、支持体層であるエラストマーフィルムの厚みが小さくなりすぎるので、製膜性や取扱い性が低下する。貼付材の10%引張強度が大きすぎると、剛性が強くなり、伸縮性や柔軟性が不足するので、貼付材が皮溝などの微細な皮膚表面の凹凸に沿って密着しにくくなり、貼付状態が目立ちやすくなる。しかも、10%引張強度が大きすぎる貼付材は、皮膚表面への剥離時の違和感が強くなる。貼付材の10%引張強度は、JIS Z0237に従って測定した値である。具体的には、インストロン型引張試験機により、貼付材を10%引き伸ばし、その際の荷重(N)を測定し、得られた値を10mm幅に換算し、単位:N/10mmで表す(n=3の平均値)。
〔貼付材の破断伸び〕
本発明の皮脂吸収性貼付材は、貼付材の破断伸びが、200%以上であると、貼付材が皮膚の凹凸に追随しやすくなるので好ましい。貼付材の破断伸びと、キャリア層及びセパレーター層は皮膚への貼付時に除去されるものであることから、支持体層と粘着剤層の2層からなる積層体の破断伸びを意味し、実質的には、支持体層の破断伸びに相当する。貼付材の破断伸びの測定方法は、以下のとおりである。すなわち、貼付材から、キャリア層及びセパレーター層を除去した後、縦方向(MD)に沿って、幅20mm長さ75mmに切断して試験片を作成する。この試験片を、チャック間隔を50mmに設定したインストロン型引張試験機(ロードセルは、10N及び100Nを使用する。)に取り付ける。移動速度300mm/分で試験片を引っ張り、試験片が破断したときの伸びを読み取り、破断伸び(%)を算出する(n=3の平均値)。貼付材の破断伸びは、より好ましくは250%以上、更に好ましくは300%以上である。貼付材の破断伸びの上限値は、通常600%。多くの場合500%である。
〔貼付材の透湿度〕
本発明の皮脂吸収性貼付材は、透湿度が、1,000g/m・24時間以上であることが好ましい。皮脂吸収性貼付材の透湿度が大きいことによって、貼付材を皮膚に貼り付ける際に、蒸れたり、汗が溜まったりするのを防ぐことができる。皮脂吸収性貼付材の透湿度は、より好ましくは1,300g/m・24時間以上、更に好ましくは1,500g/m・24時間以上、特に好ましくは1,600g/m・24時間以上とすることができる。貼付材の透湿度の上限値は、通常10,000g/m・24時間、多くの場合5,000g/m・24時間である。透湿度は、JIS Z0208に規定されるB条件(温度40℃、相対湿度90%)で測定する。
6.皮脂吸収性貼付材の製造方法
本発明の皮脂吸収性貼付材は、キャリア層、支持体層、粘着剤層及びセパレーター層を、この順に積層して備える貼付材であって、以下の(a)〜(e):
(a)支持体層が、エラストマーフィルムから形成され;
(b)粘着剤層を形成する粘着剤が、
b−1)炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル 50〜99質量%、
b−2)炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル 0〜12質量%、及び
b−3)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なその他のビニル単量体 1〜50質量%からなるアクリル共重合体〔ただし、b−1)、b−2)及びb−3)の合計は100質量%とする。〕を含有する非水系のアクリル系粘着剤であり;
(c)支持体層の厚みが1〜10μmの範囲、粘着剤層の厚みが1〜15μmの範囲で、支持体層と粘着剤層との合計厚みが2〜20μmの範囲であり;
(d)キャリア層が支持体層より大きく;かつ、
(e)トリグリセリドを使用する人工皮脂吸収試験において、トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)が、0.1〜1mm/12×20mm・1時間の範囲である;
ことを特徴とする皮脂吸収性貼付材を得ることができる限り、その製造方法は限定されない。例えば、支持体層を形成するエラストマーフィルムは、溶液キャスティング法、押出成形法、カレンダー法、インフレーション法などの任意の成形方法によってフィルムに成形することができる。また、本発明の皮脂吸収性貼付材は、シート状の積層体として製造することができるし、ロール状の積層体として製造することもできる。安定した品質の皮脂吸収性貼付材を容易に製造することができる観点から、(1)キャリア層の上面に溶液キャスティング法により支持体層を形成する工程、及び、セパレーター層の上面に粘着剤を塗工して粘着剤層を形成する工程を含む皮脂吸収性貼付材の製造方法によることが好ましい。
〔キャリア層の上面に溶液キャスティング法により支持体層を形成する工程、及び、セパレーター層の上面に粘着剤を塗工して粘着剤層を形成する工程〕
本発明の皮脂吸収性貼付材は、支持体層の厚みが極めて薄いので、キャリア層の上面に支持体層を形成する方法を採用することが好ましく、具体的には、キャリア層の上面に、支持体層を形成するエラストマーの溶液を流延する溶液キャスティング法により支持体層を形成する工程によることが好ましく、更に具体的には、あらかじめ形成したキャリア層を一方向に走行させながら、その上面にエラストマー溶液を塗工し、乾燥させることにより、連続的にエラストマーで形成された支持体層を作成することができる。溶液キャスティング法によれば、エラストマーフィルムの厚みを正確に制御することができる上、フィルムの方向による物性の異方性が小さなエラストマーフィルムを形成することができる。
また、本発明の皮脂吸収性貼付材は、粘着剤層の厚みが極めて薄いので、セパレーター層の上面に粘着剤層を形成する方法を採用することが好ましく、具体的には、あらかじめ形成したセパレーター層を一方向に走行させながら、その上面に、粘着剤層を形成する粘着剤、すなわち非水系のアクリル系粘着剤を塗工し、溶媒を乾燥除去して粘着剤層を形成する工程によることが好ましい。
キャリア層の上面に溶液キャスティング法により支持体層を形成する工程、及び、セパレーター層の上面に粘着剤を塗工して粘着剤層を形成する工程によって、キャリア層の片面に支持体層を形成した積層体と、セパレーター層の片面に粘着剤層を形成した積層体とを、支持体層と粘着剤層とが密着するように貼り合わせることにより、キャリア層/支持体層/粘着剤層/セパレーター層を、この順に積層して備える本発明の皮脂吸収性貼付材を得ることができる。
本発明の皮脂吸収性貼付材は、例えば、上記した方法などにより、キャリア層、支持体層、粘着剤層及びセパレーター層を、この順に積層して備えるものを製造した後に、ロール状に巻き取ってロール状の皮脂吸収性貼付材を得てもよいし、所望の形状、例えば、略矩形または円形の形状などに切り出して、略矩形または円形の皮脂吸収性貼付材を得てもよい。また、更に続いて袋に封入して、皮脂吸収性貼付材を得てもよい。
7.皮脂吸収性貼付材の用途
本発明の皮脂吸収性貼付材は、皮膚表面の凹凸に沿って密着して貼付箇所が目立たず、皮脂の分泌が多い箇所にも長時間にわたって貼付が維持される、皮脂吸収性貼付材であるので、毛穴(毛包)が皮脂とホルモンや細菌との相互作用によって炎症を起こしてできるにきびの箇所に適用する、にきび用途の皮脂吸収性貼付材とすることができる。また、本発明の皮脂吸収性貼付材は、i)皮脂の分泌が他の箇所より多いことで、皮脂が溜まりやすく、メイク崩れやテカりが目立ったり、にきびが発生しやすかったりする、額から鼻筋にかけたT字型の部分や、ii)皮脂の分泌は少ないものの、成人男女のにきびが発生しやすい顎などのU字型の部分、すなわち、いわゆるTゾーンやUゾーンに適用する、Tゾーン用またはUゾーン用の皮脂吸収性貼付材とすることができる。特に、本発明の皮脂吸収性貼付材が、にきび用途に用いられる場合は、にきびがある部分を覆うように貼付材を貼付することで、にきび部位及びその周りの皮膚からの皮脂分泌があっても、少なくとも12時間の間、剥がれることがない貼付材を提供することができる。
さらに、本発明の皮脂吸収性貼付材は、洗顔して皮脂を除去した後に、貼付することにより、貼付した箇所に皮脂が溜まったり、テカったりすることを防止することができ、また、洗顔後に貼付材を貼り付け、該貼付材の上から化粧を行うことで、貼付材の下部の部分を覆い目立たなくすることができるので、洗顔後貼付用の皮脂吸収性貼付材とすることができる。本発明の皮脂吸収性貼付材は、粘着剤層を形成する粘着剤が、前記したような皮脂吸収剤などの薬物を含有するものであると、一層効果的である。また、本発明の皮脂吸収性貼付材は、粘着剤層を形成する粘着剤が、美容用途で用いられる成分、例えば、アラントイン、レシチン、アミノ酸類、コウジ酸、タンパク質、糖類、ホルモン類、胎盤抽出物、または、アロエ、ヘチマ、カンゾウ等の抽出成分や各種ビタミン、塩酸ジフェンヒドラミン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、塩酸トリプロリジン、メキタジン、マレイン酸クロルフェニラミン、フマル酸クレマスチン、塩酸プロメタジン、トラニラスト、クロモグリク酸ナトリウム、ケトチフェン、アリルスルファターゼB、ブフェキサマック、フルフェナム酸ブチル、イブプロフェン、インドメタシン、アスピリン、フルルビプロフェン、ケトプロフェン、ピロキシカム及びイブプロフェンピコノールなどの美容成分を含有するものとすることで、美容用途に用いることができる。本発明の皮脂吸収性貼付材を美容用途に用いる場合は、顔(TゾーンまたはUゾーン)のほか、しみが多く発生する目の下から頬にかけての部位、首、手足及びそれらの指に貼付することも可能である。
以下に、実施例及び比較例を示して、本発明について具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。本発明の皮脂吸収性貼付材及び貼付材が備える各層の特性及び物性の測定方法は、以下のとおりである。
〔厚み〕
皮脂吸収性貼付材、及び、該貼付材が備えるキャリア層、支持体層、粘着剤層及びセパレーター層の厚みは、ダイヤルシックネスゲージを用いて測定した。
〔トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)及びトリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重500g)〕
皮脂吸収性貼付材のトリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)及びトリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重500g)は、以下の方法によって測定した。すなわち、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下、トリグリセリド〔日光ケミカルズ株式会社製、NIKKOLトリエスターF810)を、ガラス板上にキャピラリーで滴下し、均一になるように伸ばした。貼付材から幅12mm×長さ50mmに切り出した試験片を、貼付材とガラス板とが、試験片の幅12mm×長さ20mmの範囲で接触するようにして、粘着剤層とトリグリセリドとを接触させて該ガラス板に貼り付け、2kgのゴムロールで300mm/分の速度で1往復圧着した(試験片1枚当たりトリグリセリドが約4mg塗布されるように、トリグリセリドの滴下量と伸ばす範囲を調整した。)。12時間静置後に、JIS Z0237に準拠して、貼付材の試験片が垂直に垂れ下がるように吊し、200gまたは500gの荷重を加えて、1時間経過後の試験片のズレ長さ(mm)を測定して、それぞれ、試験片の対ガラス保持力を求めて、貼付材のトリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)〔以下、「TG吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)」ということがある。〕、及びトリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重500g)〔以下、「TG吸収後の対ガラス保持力(荷重500g)」ということがある。〕とした(n=3の平均値。単位:mm/12×20mm・1時間)。なお、対ガラス保持力の測定中に、貼付材の試験片が1つでも落下したときは、その旨を記録した。
〔貼付材剥離後のセブメーターの値〕
皮脂吸収性貼付材の貼付材剥離後のセブメーターの値(以下、「剥離後のセブメーターの値」ということがある。)の測定方法は、以下の方法により行うヒト皮膚皮脂吸収試験によって、顔のTゾーン等の皮脂を多く分泌するヒト皮膚の部位として、額に対する貼付材の貼付性を測定して評価した。すなわち、貼付材から、幅15mm×長さ50mmの大きさに切り出した試験片を、20〜40代の成人男子5名及び成人女性2名からなる7名の被験者の洗顔後の水分をふき取った額に貼り付けた。12時間経過後、試験片を貼付箇所から剥離し、貼付材を剥がした額の箇所の皮膚に、油分計であるセブメーター〔Sebumeter(登録商標)SM815、Courage & Khazaka社製〕を当てて皮脂量の測定を行い、7名の平均値を求めて、皮脂吸収性貼付材についての貼付材剥離後のセブメーターの値とした。なお、12時間経過前に、貼付材が脱落した被験者がいた場合、または、粘着剤の凝集破壊によりセブメーターによる皮脂量が測定不能な被験者がいた場合は、その旨を記録した。
〔トリグリセリド吸収後の対ベークライト粘着力〕
皮脂吸収性貼付材のトリグリセリド吸収後の対ベークライト粘着力(以下、「TG吸収後の対ベークライト粘着力」ということがある。)は、以下の方法によって測定した。すなわち、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下、トリグリセリド〔日光ケミカルズ株式会社製、NIKKOLトリエスターF810)を、ベークライト板(フェノール樹脂板、住友ベークライト株式会社製、PL−1102)上に、キャピラリーで滴下し、均一になるように伸ばした後、貼付材から幅15mm×長さ70mmに切り出した試験片を、粘着剤層がトリグリセリドに接触するように、該ベークライト板に貼り付け、2kgのゴムロールで300mm/分の速度で1往復圧着した(試験片1枚当たりトリグリセリドが約10mg塗布されるように、トリグリセリドの滴下量と伸ばす範囲を調整した。)。12時間静置後に、貼付材とベークライト板との剥離力を、JIS Z0237に準拠して、剥離角度90度及び剥離速度300mm/分の条件で測定し、試験片の対ベークライト粘着力(単位:N/15mm)を算出した(n=3の平均値)。
〔貼付箇所の目立ちにくさ〕
上記のヒト皮膚皮脂吸収試験を行った7名の被験者に、貼付材の貼付箇所の目立ちにくさの評価を聞き、以下の基準に照らし、貼付材の貼付箇所の目立ちにくさの評価とした。
AA:6〜7名が、目立ちにくい。
A :4〜5名が、目立ちにくい。
B :2〜3名が、目立ちにくい。
C :1名またはゼロ名が、目立ちにくい。
〔糊残り〕
上記のヒト皮膚皮脂吸収試験を行った7名の被験者の、貼付材剥離後の貼付材の貼付箇所の糊残りの状態を、目視で観察し、0(糊残りがない)、1(糊残りが若干認められる)、2(糊残りが1よりも多く認められる)、3(糊残りが多い)の4段階で評価して、7名の平均値を四捨五入し、以下の基準に照らし、貼付材の糊残りの評価とした。
AA:4段階の平均値が、0である。
A :4段階の平均値が、1である。
B :4段階の平均値が、2である。
C :4段階の平均値が、3である。
〔剥離抵抗〕
上記のヒト皮膚皮脂吸収試験を行った7名の被験者に、貼付材の12時間貼付後の貼付材の剥離抵抗の評価を聞き、0(剥離抵抗がない)、1(剥離抵抗が若干ある)、2(剥離抵抗が1よりもある)、3(剥離抵抗が大きい)の4段階で評価して、7名の平均値を四捨五入し、以下の基準に照らし、貼付材の剥離抵抗の評価とした。
AA:4段階の平均値が、0である。
A :4段階の平均値が、1である。
B :4段階の平均値が、2である。
C :4段階の平均値が、3である。
〔剥離時の痛み〕
上記のヒト皮膚皮脂吸収試験を行った7名の被験者に、貼付材の12時間貼付後に貼付材を剥離するときの痛みの有無を聞き、0(痛みを感じない)、1(少し痛みを感じる)、2(1よりも痛みを強く感じる)、3(痛みを強く感じる)の4段階で評価して、7名の平均値を四捨五入し、以下の基準に照らし、貼付材の剥離時の痛みの評価とした。
AA:4段階の平均値が、0である。
A :4段階の平均値が、1である。
B :4段階の平均値が、2である。
C :4段階の平均値が、3である。
〔12時間付着性〕
上記のヒト皮膚皮脂吸収試験を行った7名の被験者に、貼付材の12時間貼付中の貼付状態の評価を聞き、以下の基準に照らし、貼付材の12時間付着性の評価とした。
AA:6〜7名が、付着性が良好である。
A :4〜5名が、付着性が良好である。
B :2〜3名が、付着性が良好である。
C :1名またはゼロ名が、付着性が良好である。
〔付着力(対BA−SUS板粘着力)〕
皮脂吸収性貼付材の付着力(対BA−SUS板粘着力)は、JIS Z0237に準拠して90度剥離試験を行って測定した。すなわち、幅15mm×長さ70mmに切り出した貼付材の試験片をBA−SUS板に貼り付け、インストロン型引張試験機で90度方向に引き剥がすときの粘着力を測定した(単位:N/15mm)(n=3の平均値)。
〔10%引張強度〕
皮脂吸収性貼付材の10%引張強度は、JIS Z0237に従って、インストロン型引張試験機を使用して、幅12mm×長さ100mmに切り出した貼付材の試験片を縦方向(長さ方向)に10%引き伸ばし、その際の荷重(N)を測定し、得られた値を10mm幅に換算して得た縦方向の10%引張強度を測定して、貼付材の10%引張強度(単位:N/10mm)とした(n=3の平均値)。
〔破断伸び〕
皮脂吸収性貼付材の破断伸びの測定方法は、以下のとおりとした。すなわち、貼付材から、キャリア層及びセパレーター層を除去した後、幅20mm×長さ75mmに切断して試験片を作成した。この試験片を、チャック間隔を50mmに設定したインストロン型引張試験機(ロードセルは、10N及び100Nを使用する。)に取り付ける。移動速度300mm/分で試験片を縦方向(長さ方向)に引っ張り、試験片が破断したときの伸びを読み取り、破断伸び(%)を算出した(n=3の平均値)。
〔透湿度〕
皮脂吸収性貼付材の透湿度は、JIS Z0208に規定されるB条件(温度40℃、相対湿度90%)で測定した(単位:g/m・24時間)。
[実施例1]
セパレーター層を形成する剥離紙(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム。厚み75μm)の片面に、アクリル酸イソノニル/アクリル酸2−メトキシエチル/アクリル酸(質量比68/30/2)からなるアクリル共重合体100質量部に対して、架橋剤としてコロネート(登録商標)HL0.3質量部(日本ポリウレタン工業株式会社製)を添加した酢酸エチルの溶液(全体の固形分は約40質量%)を、乾燥後の厚みが10μmになるようにバーコーティング法で塗布し、次いで乾燥して、セパレーター層と粘着剤層とからなる積層体を調製した。
一方、キャリア層を形成する、ポリエチレンをラミネートした上質紙(厚み90μm)のポリエチレン側の面上に、支持体層を形成するための透湿性のポリエーテル型ポリウレタンエラストマー溶液〔セイコー化成株式会社製、ラックスキン(登録商標)US2268(Tg=−23.1℃)〕を、乾燥後の厚みが5μmとなるように、バーコーティング法にて塗布し、次いで乾燥して、キャリア層と支持体層とからなる積層体を調製した。なお、その際、キャリア層の幅が、支持体層の幅より約5%幅広となるように、ポリウレタンエラストマー溶液の塗布を行った。
上記で調製した各積層体を、支持体層と粘着剤層とを貼り合わせるようにして一体化し、キャリア層/支持体層/粘着剤層/セパレーター層を、この順に備える厚み180μmの皮脂吸収性貼付材を得た。この皮脂吸収性貼付材は、使用時にセパレーター層を剥がし、粘着剤層を皮膚に貼り付けた後に、支持体層からキャリア層を剥がす一連の操作を容易にすることができた。貼付状態にある貼付材は、皮溝などの微細な皮膚表面の凹凸に沿って密着し、かつ、違和感を感じさせることがなかった。貼付材のTG吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)、TG吸収後の対ガラス保持力(荷重500g)、剥離後のセブメーターの値、TG吸収後の対ベークライト粘着力、貼付箇所の目立ちにくさ、糊残り、剥離抵抗、剥離時の痛み、12時間付着性、対BA−SUS板粘着力、10%引張強度、破断伸び、及び透湿度(以下、総称して「諸特性」ということがある。)を測定、評価した結果を表1に示す。
[実施例2]
粘着剤層を形成するアクリル共重合体を、アクリル酸イソノニル/アクリル酸(質量比98/2)に変更したことを除き、実施例1と同様にして皮脂吸収性貼付材を得た。貼付材の諸特性を測定、評価した結果を表1に示す。
[実施例3]
粘着剤層を形成するアクリル共重合体を、アクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸(質量比96/4)からなるアクリル共重合体に変更したことを除き、実施例1と同様にして皮脂吸収性貼付材を得た。貼付材の諸特性を測定、評価した結果を表1に示す。
[実施例4]
粘着剤層を形成するアクリル共重合体を、アクリル酸2−エチルヘキシル/酢酸ビニル/アクリル酸(質量比85/11/4)からなるアクリル共重合体に変更したことを除き、実施例1と同様にして皮脂吸収性貼付材を得た。貼付材の諸特性を測定、評価した結果を表1に示す。
[実施例5]
粘着剤層を形成するアクリル共重合体を、アクリル酸イソノニル/アクリル酸2−メトキシエチル/アクリル酸(質量比84/14/2)からなるアクリル共重合体に変更したことを除き、実施例1と同様にして皮脂吸収性貼付材を得た。貼付材の諸特性を測定、評価した結果を表1に示す。
[実施例6]
粘着剤層を形成するアクリル共重合体を、アクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸n−ブチル/アクリル酸(質量比88/10/2)からなるアクリル共重合体に変更したことを除き、実施例1と同様にして皮脂吸収性貼付材を得た。貼付材の諸特性を測定、評価した結果を表1に示す。
[比較例1]
架橋剤の添加量を0.01質量部に変更したことを除き、実施例1と同様にして貼付材を得た。貼付材の諸特性を測定、評価した結果を表1に示す。
[比較例2]
架橋剤の添加量を0.01質量部に変更したことを除き、実施例4と同様にして貼付材を得た。貼付材の諸特性を測定、評価した結果を表1に示す。
[比較例3]
架橋剤の添加量を4.0質量部に変更したことを除き、実施例1と同様にして貼付材を得た。貼付材の諸特性を測定、評価した結果を表1に示す。
[比較例4]
粘着剤層を形成するアクリル共重合体を、アクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸n−ブチル/アクリル酸(質量比83/15/2)からなるアクリル共重合体に変更したことを除き、実施例6と同様にして皮脂吸収性貼付材を得た。貼付材の諸特性を測定、評価した結果を表1に示す。
Figure 0006214529
表1から、キャリア層、支持体層、粘着剤層及びセパレーター層を、この順に積層して備える貼付材であって、以下の(a)〜(e):
(a)支持体層が、エラストマーフィルムから形成され;(b)粘着剤層を形成する粘着剤が、b−1)炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル 50〜99質量%、b−2)炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル 0〜12質量%、及びb−3)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なその他のビニル単量体 1〜50質量%からなるアクリル共重合体〔ただし、b−1)、b−2)及びb−3)の合計は100質量%とする。〕を含有する非水系のアクリル系粘着剤であり;(c)支持体層の厚みが1〜10μmの範囲、粘着剤層の厚みが1〜15μmの範囲で、支持体層と粘着剤層との合計厚みが2〜20μmの範囲であり;(d)キャリア層が支持体層より大きく;かつ、(e)TG吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)が、0.1〜1mm/12×20mm・1時間の範囲である;実施例1〜6の皮脂吸収性貼付材は、剥離後のセブメーターの値が3〜9であって優れた皮脂吸収性があることが確認でき、更に、TG吸収後の対ガラス保持力(荷重500g)が、落下〜2.0mm/12×20mm・1時間であることから、使用感が良好であることが確認されるとともに、貼付材が目立ちにくく、糊残りがなく、剥離抵抗や剥離時の痛みがないことから剥離時の違和感がなく、かつ、TG吸収後の対ベークライト粘着力が0.2N/15mm以上であって、12時間付着性が優れ、しかも、対BA−SUS板粘着力、10%引張強度、破断伸びのバランスがよい皮脂吸収性貼付材であることが分かった。
また、実施例1〜4の皮脂吸収性貼付材は、透湿性が優れていることが具体的に確認され、貼付時のムレが防止されるものであることが分かった。更にまた、粘着剤層を形成する粘着剤に含有されるアクリル共重合体が、単量体として、b−2)炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを10質量%使用したものである実施例6の皮脂吸収性貼付材も、諸特性に優れたものであることが確認された。
これに対し、(e)TG吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)が、0.1mm/12×20mm・1時間未満または落下である比較例1〜3の貼付材は、剥離後のセブメーターの値が、貼付材の凝集破壊または脱落によって得られなかったことから、皮脂吸収性貼付材とはいえないものであることが分かった。特に、対BA−SUS板粘着力が大きく、またTG吸収後の対ベークライト粘着力が1N/15mmを超える比較例1及び2の貼付材は、糊残りがあったり剥離抵抗が感じられたりするものであることが分かった。また、TG吸収後の対ベークライト粘着力が小さい比較例3の貼付材は、12時間付着性が悪く貼付時に脱落してしまうことから、トリグリセリドに代表される皮脂を吸収すると、粘着力を失ってしまうものであることが推察された。
さらに、粘着剤に含有されるアクリル共重合体が、単量体として、b−2)炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを15質量%と多量に使用したものであり、かつ、TG吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)が8.1mm/12×20mm・1時間と大きい値を示す比較例4の貼付材は、剥離後のセブメーターの値が15であることから、Tゾーンに貼付しても、皮脂を吸収しにくいものであることが分かった。
本発明は、キャリア層、支持体層、粘着剤層及びセパレーター層を、この順に積層して備える貼付材であって、以下の(a)〜(e):
(a)支持体層が、エラストマーフィルムから形成され;
(b)粘着剤層を形成する粘着剤が、
b−1)炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル 50〜99質量%、
b−2)炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル 0〜12質量%、及び
b−3)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なその他のビニル単量体 1〜50質量%からなるアクリル共重合体〔ただし、b−1)、b−2)及びb−3)の合計は100質量%とする。〕を含有する非水系のアクリル系粘着剤であり;
(c)支持体層の厚みが1〜10μmの範囲、粘着剤層の厚みが1〜15μmの範囲で、支持体層と粘着剤層との合計厚みが2〜20μmの範囲であり;
(d)キャリア層が支持体層より大きく;かつ、
(e)トリグリセリドを使用する人工皮脂吸収試験において、トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)が、0.1〜1mm/12×20mm・1時間の範囲である;
ことを特徴とする皮脂吸収性貼付材であることによって、皮膚表面の凹凸に沿って密着して、貼付時及び貼付中の違和感がなく、貼付箇所が目立ちにくく、かつ、皮脂の分泌が多い箇所にも、長時間にわたって貼付が維持される皮脂吸収性貼付材を提供することができるので、産業上の利用可能性が高い。
また、本発明は、キャリア層の上面に溶液キャスティング法により支持体層を形成する工程、及び、セパレーター層の上面に粘着剤を塗工して粘着剤層を形成する工程を含むことを特徴とする皮脂吸収性貼付材の製造方法であることによって、前記の皮脂吸収性貼付材を効率的に製造することができる製造方法を提供することができるので、産業上の利用可能性が高い。

Claims (15)

  1. キャリア層、支持体層、粘着剤層及びセパレーター層を、この順に積層して備える貼付材であって、以下の(a)〜(e):
    (a)支持体層が、エラストマーフィルムから形成され;
    (b)粘着剤層を形成する粘着剤が、
    b−1)炭素数8〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル 50〜99質量%、
    b−2)炭素数1〜6のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル 0〜12質量%、及び
    b−3)前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なその他のビニル単量体
    1〜50質量%からなるアクリル共重合体〔ただし、b−1)、b−2)及びb−3)の合計は100質量%とする。〕を含有する非水系のアクリル系粘着剤であり;

    (c)支持体層の厚みが1〜10μmの範囲、粘着剤層の厚みが1〜15μmの範囲で、支持体層と粘着剤層との合計厚みが2〜20μmの範囲であり;
    (d)キャリア層が支持体層より大きく;かつ、
    (e)トリグリセリドを使用する人工皮脂吸収試験において、トリグリセリド吸収後の対ガラス保持力(荷重200g)が、0.1〜1mm/12×20mm・1時間の範囲である;
    であり、
    前記粘着剤層を形成する粘着剤が、アクリル共重合体100質量部に対して0.05〜3質量部の架橋剤を含有することを特徴とする、
    皮脂吸収性貼付材。
  2. (b)粘着剤層を形成する粘着剤に含有されるアクリル共重合体が、アクリル酸イソノニル60〜70質量%、カルボキシル基含有ビニル単量体1〜5質量%、及びアルコキシ基含有ビニル単量体10〜40質量%からなるアクリル共重合体〔ただし、合計は100質量%とする。〕である請求項1記載の皮脂吸収性貼付材。
  3. さらに、(f)ヒト皮膚皮脂吸収試験において、貼付材剥離後のセブメーターの値が、12以下である請求項1または2記載の皮脂吸収性貼付材。
  4. さらに、(g)トリグリセリドを使用する人工皮脂吸収試験において、トリグリセリド吸収後の対ベークライト粘着力が、0.2N/15mm以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の皮脂吸収性貼付材。
  5. 粘着剤層を形成する粘着剤が、室温で液体状である可塑剤を含まない請求項1乃至のいずれか1項に記載の皮脂吸収性貼付材。
  6. 粘着剤層を形成する粘着剤が、抗炎症剤、角質剥離剤、抗菌剤、皮脂分泌抑制剤、肌荒れ改善剤、及び抗酸化剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の薬物を含有する請求項1乃至のいずれか1項に記載の皮脂吸収性貼付材。
  7. 粘着剤層を形成する粘着剤が、皮脂吸収剤を含有する請求項1乃至のいずれか1項に記載の皮脂吸収性貼付材。
  8. 支持体層を形成するエラストマーフィルムが、ポリエーテル型ポリウレタンエラストマーフィルムまたはポリエステル型ポリウレタンエラストマーフィルムである請求項1乃至のいずれか1項に記載の皮脂吸収性貼付材。
  9. 支持体層の粘着剤層側と反対側の面がエンボス加工されている請求項1乃至のいずれか1項に記載の皮脂吸収性貼付材。
  10. 貼付材の透湿度が、1,000g/m・24時間以上である請求項1乃至のいずれか1項に記載の皮脂吸収性貼付材。
  11. 貼付材の10%引張強度が、0.01〜1.2N/10mmの範囲である請求項1乃至10のいずれか1項に記載の皮脂吸収性貼付材。
  12. にきび用途に用いられる請求項1乃至11のいずれか1項に記載の皮脂吸収性貼付材。
  13. Tゾーン用またはUゾーン用である請求項1乃至12のいずれか1項に記載の皮脂吸収性貼付材。
  14. 洗顔後貼付用である請求項1乃至13のいずれか1項に記載の皮脂吸収性貼付材。
  15. キャリア層の上面に溶液キャスティング法により支持体層を形成する工程、及び、セパレーター層の上面に粘着剤を塗工して粘着剤層を形成する工程を含む請求項1乃至14のいずれか1項に記載の皮脂吸収性貼付材の製造方法。
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