JP6207201B2 - 農業用フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、全光線透過率及び光拡散性能に優れていると共に、擦れ強度及び引裂強度に優れた農業用フィルムに関する。
軟弱野菜(例えば、ほうれん草、小松菜など)の栽培においては、太陽光からの光線量を十分に透過させ、かつ直射光線の透過を抑えながら、その一方で散乱光線を多く取り入れる必要がある。これは以下の理由による。まず、太陽光からの光線量が不足すると作物の発育不良などの問題が生じる。一方、直射光線が多いと、ハウス内部の温度が上昇して、前記軟弱野菜を栽培した場合には葉焼け現象(葉に急激に温度が加わり、葉が焼けてしまう現象)などの障害が生じたり、ハウス又はトンネル内に影が発生して生育に違いが生じるという問題があった。これらの問題を解決するために、多層フィルムに無機物を添加する技術が開示されている。(特許文献1)
一方、従来より、農業用フィルムが風でめくれないように、農業用フィルムを固定する目的でマイカー線が汎用されているが、強風により農業用フィルムとマイカー線と擦れ合い、農業用フィルムが損傷するという問題があった。
特開2012−70707号公報
しかし、特許文献1に記載の農業用フィルムのように、無機物を添加すると、透明性及び拡散性能が低下することに加えて、擦れ強度及び引裂強度も低下するという虞がある。
本発明は、透明性及び光拡散性能に優れていると共に、擦れ強度及び引張強度に優れた農業用フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、
直鎖状低密度ポリエチレンを含有する層(A)と、
前記層(A)の上又は上方に配置された、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する層(B)と、
前記層(B)の上又は上方に配置された、ポリエチレンを含有する層(C)と
を備える農業用フィルムであって、
前記層(A)、前記層(B)又はその両方が雲母を含有し、
前記雲母の平均粒子径が5〜40μmの範囲内であり、かつ
前記農業用フィルム全体に対する雲母の含有量が0.3〜100重量%の範囲内である
農業用フィルム、
により前記課題が解決できることを見出し、更なる研究の結果、本発明を完成するにいたった。
本発明は、次の態様を含む。
項1.直鎖状低密度ポリエチレンを含有する層(A)と、
前記層(A)の上又は上方に配置された、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する層(B)と、
前記層(B)の上又は上方に配置された、ポリエチレンを含有する層(C)と
を備える農業用フィルムであって、
前記層(A)、前記層(B)又はその両方が雲母を含有し、
前記雲母の平均粒子径が5〜40μmの範囲内であり、かつ
前記農業用フィルム全体に対する雲母の含有量が0.3〜100重量%の範囲内である
農業用フィルム。
項2.
前記層(A)が含有する合成樹脂全体に対する前記直鎖状低密度ポリエチレンの含有量が60〜100重量%の範囲内である請求項1に記載の農業用フィルム。
本発明の農業用フィルムは、透明性及び拡散性能に優れていると共に、擦れ強度及び引裂強度に優れるので、強風等に曝される屋外の過酷な環境においても農業用フィルムとして長期間使用できる。
本発明の農業用フィルムの一態様の概要を示す断面図である。
[層(A)]
層(A)は、直鎖状低密度ポリエチレンを含有する。
本発明の農業用フィルムは、層(A)は、直鎖状低密度ポリエチレンを含有することにより、優れた擦れ強度および引裂強度を有する。
直鎖状低密度ポリエチレンは、Ziegler触媒や、メタロセン触媒などのシングルサイト系触媒を用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合して得られ、α−オレフィンの種類や量を調整することによって密度範囲を制御することができる。
なお、α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。α−オレフィンは、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
層(A)は、直鎖状低密度ポリエチレン以外の合成樹脂を含有してもよく、かかる合成樹脂としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン以外のエチレン系樹脂が挙げられる。他のエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレンが好ましい。
層(A)における直鎖状低密度ポリエチレンの含有量が低すぎると、農業用フィルムの引裂強度及び擦れ強度が低下する虞がある。したがって、前記層(A)が含有する合成樹脂全体に対する前記直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、好ましくは60〜100重量%の範囲内であり、より好ましくは65重量%以上であり、更に好ましくは70重量%以上である。
層(A)は、好ましくは、層の構造を形成する合成樹脂として直鎖状低密度ポリエチレンのみを含有する。
層(A)に用いられる直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.890〜0.945g/cmが好ましく、0.895〜0.925g/cmがより好ましい。
当該密度が低過ぎると、層(A)ひいては農業用フィルムの擦れ強度が不十分となる虞や、畳んで保管する際などにブロッキング(融着)現象が発生する虞がある。一方、当該密度が高過ぎると、層(A)ひいては農業用フィルムが硬くなりすぎて、農業用フィルムの擦れ強度が低下する虞がある。
なお、本明細書中、合成樹脂(例、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン)の密度とは、JIS K7112 「プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」に準拠して測定された値を意味する。
層(A)に用いられる直鎖状低密度ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、0.3〜3.0g/10分が好ましく、0.8〜3g/10分がより好ましい。
当該MFRが小さ過ぎると、層(A)の成膜性が低下する虞がある。また、当該MFRが大き過ぎると、層(A)ひいては農業用フィルムの擦れ強度が低下する虞がある。
なお、本明細書中、合成樹脂(例、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン)のMFRとは、JIS K7210「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト及びメルトボリュームフローレイトの試験方法」に準拠して、温度190℃、荷重21.18Nの条件で測定されたメルトマスフローレイトの値を意味する。
直鎖状低密度ポリエチレンは、好ましくは、
密度が0.890〜0.945g/cmの範囲内であり、かつ
メルトフローレートが0.3〜3.0g/10分である。
層(A)は、好ましくは雲母を含有する。雲母については、後述する。
層(A)の厚さは、好ましくは4.5〜45.0μmの範囲内であり、より好ましくは7.5〜37.5μmの範囲内である。当該厚さが薄すぎると引裂強度が低下する虞があり、一方、厚すぎると透明性を低下させる虞がある。
[層(B)]
層(B)は、前記層(A)の上又は上方に配置され、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する。
層(B)は、好ましくは層の構造を形成する合成樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体のみを含有する。
層(B)に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレートは、好ましくは0.3〜3.0g/10分の範囲内である。
層(B)に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量は、好ましくは4〜30重量%の範囲内であり、より好ましくは5〜20重量%の範囲内である。
当該酢酸ビニル含有量が低過ぎると、農業用フィルムの引裂強度が低下する虞がある。一方、当該酢酸ビニル含有量が高過ぎると、農業用フィルムの擦れ強度が低下する虞がある。
層(B)に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体の密度は、好ましくは0.900〜0.950g/cmの範囲内であり、より好ましくは0.920〜0.945g/cmの範囲内である。
当該密度が低すぎると、引裂強度が低下する虞がある。一方、当該密度が高すぎると、農業用フィルムの擦れ強度が低下する虞がある。
層(B)に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレート(MFR)は、好ましくは0.3〜3.0g/10分の範囲内であり、より好ましくは0.8〜2g/10分の範囲内である。
当該MFRが小さ過ぎると、層(B)の製膜安定性が低下する虞がある。一方、当該MFRが大き過ぎると、層(B)ひいては農業用フィルムの引裂強度が低下する虞がある。
層(B)は、好ましくは雲母を含有する。雲母については、後述する。
層(B)の厚さは、好ましくは19.5〜195.0μmの範囲内であり、より好ましくは32.5〜162.5μmの範囲内である。当該厚さが薄すぎると引裂強度が低下する虞があり、一方、厚すぎると透明性を低下させる虞がある。
[層(C)]
層(C)は、前記層(B)の上又は上方に配置され、ポリエチレンを含有する。
層(C)は、好ましくは層の構造を形成する合成樹脂としてポリエチレンのみを含有する。
層(C)に用いられるポリエチレンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられる。ポリエチレンは、単独で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
これらのポリエチレンの中でも直鎖状低密度ポリエチレンが好ましい。直鎖状低密度ポリエチレンによれば、農業用フィルムに優れた擦れ強度および引裂強度を付与することができる。
直鎖状低密度ポリエチレンとしては、層(A)について述べたものと同様のものを用いることができる。
層(C)に用いられるポリエチレンは、直鎖状低密度ポリエチレンと、他のポリエチレンとを組み合わせであってもよい。他のポリエチレンとしては、例えば、低密度ポリエチレンが好ましい。
層(C)に用いられるポリエチレンにおける直鎖状低密度ポリエチレンの含有量が低すぎると、農業用フィルムの引裂強度及び擦れ強度が低下する虞がある。したがって、当該含有量は85重量%以上であることが好ましく、ポリエチレンが直鎖状低密度ポリエチレンのみからなることがより好ましい。
層(C)に用いられるポリエチレンの密度は、0.890〜0.945g/cmが好ましく、0.895〜0.925g/cmがより好ましい。
当該密度が低過ぎると、層(C)ひいては農業用フィルムの擦れ強度が不十分となったり、畳んで保管する際などにブロッキング(融着)現象が発生する虞がある。一方、当該密度が高過ぎると、層(C)ひいては農業用フィルムが硬くなりすぎて、農業用フィルムの引裂強度が低下する虞がある。
ポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、0.3〜3.0g/10分が好ましく、0.8〜3g/10分がより好ましい。
当該MFRが小さ過ぎると、層(C)の成膜性が低下する虞がある。一方、当該MFRが大き過ぎると、層(C)ひいては農業用フィルムの引裂強度及び擦れ強度が低下する虞がある。
層(C)の厚さは、好ましくは6.0〜50.0μmの範囲内であり、より好ましくは10.0〜50.0μmの範囲内である。当該厚さが薄すぎると引裂強度が低下する虞があり、一方、厚すぎると透明性を低下させる虞がある。
[雲母]
本発明の農業用フィルムは、前記層(A)、前記層(B)又はその両方に雲母を含有することにより、適度の光線透過性と、散乱特性を有するとともに、擦れ強度を発揮することができる。
雲母の種類は限定されず、白雲雲母、黒雲母、セリサイト等の天然雲母であっても合成雲母であってもよいが、透明性の観点より、白雲母およびセリサイトを用いることが好ましい。
雲母の平均粒子径は、散乱光線透過率及び全光線透過率を共に良好なものとし且つ農業用フィルムの引裂強度や破断点強度などの機械的強度の低下も防止することができる点で、5〜40μmが好ましく、8〜30μmがより好ましく、15〜20μmが特に好ましい。
農業用フィルム全体に対する雲母の含有量は、0.3〜10重量部に限定される。これにより、散乱光線透過率及び全光線透過率を共に良好なものとし、且つ農業用フィルムの引裂強度や破断点強度などの機械的強度の低下を防止できる。
本発明の農業用フィルムの各層は、必要に応じて、その物性が著しく損なわれない範囲において、ヒンダードアミン系光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、及び顔料等を含有してもよい。
前記ヒンダードアミン系光安定剤としては、従来公知の任意のものを使用できる。その具体例としては、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ポリ{[6−[(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル][(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ]}等が挙げられる。これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
前記熱安定剤としては、従来公知の任意のものを使用できる。その具体例としては、カルボン酸の金属塩、フェノール系抗酸化剤、及び有機亜燐酸エステル等のキレーターが挙げられる。これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
前記酸化防止剤としては、従来公知の任意のものが使用できる。酸化防止剤は、通常、前記熱安定剤としての効果を兼ね備えるものが多い。その具体例としては、カルボン酸の金属塩、フェノール系抗酸化剤、及び有機亜燐酸エステル等のキレーターが挙げられる。これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
前記紫外線吸収剤としては、従来公知の任意のものが使用できる。その具体例としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸エステル系紫外線吸収剤、及びシアノアクリレート系紫外線吸収剤等が挙げらる。これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等が挙げられる。また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)が挙げられる。
前記滑剤としては、従来公知の任意のものが使用できる。その具体例としては、ステアリン酸アマイド等の飽和脂肪酸アマイド、エルカ酸アマイド及びオレイン酸アマイド等の不飽和脂肪酸アマイド、並びにエチレンビスステアリン酸アマイド等のビスアマイド等が挙げられる。これらは単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の光拡散性農業用フィルムの厚さは、薄すぎると機械的強度が低下する虞があり、逆に厚すぎくなると裁断、接合、展張作業等が困難になり、取扱い性が低下する虞がある。従って、当該厚さは、好ましくは30〜300μmの範囲内であり、より好ましくは50〜250μmの範囲内である。
本発明の農業用フィルムは、本発明の農業用フィルムの性質が著しく損なわれない限りにおいて、層(A)、層(B)、及び層(C)以外の1以上の層(本明細書中、単に、他の層と称する場合がある)を備えてもよい。当該他の層は、本発明の農業用フィルムの任意の位置に配置され得る。
図1に本発明の農業用フィルムの一態様を示す。
図1中、本発明の農業用フィルム10は、
直鎖状低密度ポリエチレンを含有する層(A)13と、
前記層(A)の上に配置された、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する層(B)12と、
前記層(B)の上に配置された、ポリエチレンを含有する層(C)11と
を備えている。
[製造方法]
本発明の農業用フィルムは、多層インフレーション法、多層Tダイ法、多層ラミネート法、カレンダー法などの従来公知の積層フィルムの製造方法を用いて製造すればよい。
なかでも、積層体の製造方法としては、各層を構成する成分をそれぞれ別々の押出機内で溶融混練させることにより溶融状態の樹脂組成物を得た後、それぞれの押出機から溶融状態の樹脂組成物を円形の多層ダイスに供給し、円形の多層ダイスから溶融状態の樹脂組成物を共押出して円筒状のフィルムを製膜すると共に、この円形の多層ダイスの中心部から圧縮空気を供給し、共押出製膜された円筒状のフィルムを周方向に延伸することによっ
て農業用フィルムを製造する多層インフレーション法が好ましい。
層(C)の一面に流滴層を形成する場合、好ましくは、層(A)、層(B)、及び層(C)を備える積層体を形成した後、流滴剤を用いて流滴層を形成する。
流滴剤の調製方法としては、例えば、水系媒体、バインダー樹脂、コロイダルシリカ、及びコロイダルアルミナを混合し、更に必要に応じて他の添加剤を添加したことにより混合液を得、この混合液を攪拌することにより流滴剤を得る方法が挙げられる。このような方法によって、水系媒体及びバインダー樹脂中に、コロイダルシリカ及びコロイダルアルミナが分散している流滴剤が得られる。混合液の撹拌は、ホモジナイザーなどの公知の方法を用いて行うことができる。
そして、積層体の層(C)の一面に流滴層を形成する方法としては、特に限定されず、例えば、流滴剤を、グラビアコーターなどのロールコート法、バーコード法、ディップコート法、スプレー法、はけ塗り法などの塗工方法により、農業用フィルムの内層(C)の一面に塗布した後、乾燥させる方法が挙げられる。
層(C)の一面に塗布した流滴剤の乾燥方法としては、自然乾燥法又は強制乾燥法のいずれでもよい。強制乾燥法としては、例えば、熱風、赤外線、及び遠赤外線などを用いた加熱乾燥法が用いられる。
層(C)の一面には、流滴剤を塗布する前に防曇流滴剤の塗布性を向上させるために、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、火炎処理、化成処理、及びプライマー処理などの表面処理が行われていてもよい。
本発明の農業用フィルムは、従来の農業用フィルムと同様に使用することができ、透明性及び光拡散性能に優れていると共に、擦れ強度及び引裂強度に優れるので、強風等に曝される屋外の過酷な環境においても農業用フィルムとして長期間使用できる。
本発明の農業用フィルムは、層(A)側を外向き(太陽光線や風に、より強く曝される側)、及び層(C)側を内向き(例えば、植物の栽培に用いられる場合、植物側にして)にして好適に用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
1.層(A)形成用樹脂組成物の調製
直鎖状低密度ポリエチレン(1)(密度0.920g/cm、MFR0.8g/10分、ダウケミカル社製商品名「エリート5100」)100重量部、白雲母(山口雲母社、商品名「ヤマグチマイカA−21 平均粒径22μm」4重量部、光安定剤(HALS:BASFジャパン社、商品名「TINUVIN783」)0.7重量部を、第1押出機に供給して溶融混練することにより溶融状態の層(A)形成用樹脂組成物を得た。
2.層(B)形成用樹脂組成物の調製
エチレン−酢酸ビニル共重合体(3)(酢酸ビニル含有量20重量%、MFR1.5g/10分、密度0.941、東ソー社製商品名「ウルトラセン631」 密度0.941)100重量部、赤外線吸収剤(共和化学工業株式会社製商品名「DHT−4A」)7.5重量部、ヒンダードアミン系光安定剤(BASFジャパン社、商品名「TINUVIN783」)0.7重量部、第2押出機に供給して溶融混練することにより溶融状態の層(B)形成用樹脂組成物を得た。
3.層(C)形成用樹脂組成物の調製
直鎖状低密度ポリエチレン(1)(密度0.920g/cm、MFR0.8g/10分、ダウケミカル社、商品名「エリート5100」)100重量部、光安定剤(HALS:BASFジャパン社、商品名「TINUVIN783」)0.7重量部を、第3押出機に供給して溶融混練することにより溶融状態の層(C)形成用樹脂組成物を得た。
4.積層体の形成
次に、第1〜第3の押出機のそれぞれから溶融状態の樹脂組成物を円形の多層ダイスに供給し、円形の多層ダイスから溶融状態の樹脂組成物を、層(A)、層(B)、及び層(C)がこの順に積層一体化された状態となるように共押出製膜することにより円筒状のフィルムを得ると共に、円形の多層ダイスの中心部から圧縮空気を供給して、共押出製膜された円筒状のフィルムを周方向に延伸した後、冷却空気により円筒状のフィルムを冷却し、円筒状のフィルムを切り開いて巻き取ることにより、層(A)(厚さ22.5μm)、層(B)(厚さ97.5μm)、及び層(C)(厚さ30.0μm)がこの順で積層一体化された積層体、すなわち農業用フィルムを得た。
(実施例2〜11、比較例19及び11〜13)
表3に記載の配合割合(単位:重量部)で、実施例1と同様にして、各農業用フィルムを得た。
以下の項目について、以下の評価方法によって、前記実施例及び比較例の農業用フィルムを評価した。結果を表3(表3−1、表3−2)に示す。
[評価方法]
(1)全光線透過率
JIS K7105に準拠した方法にて全光線透過率を測定した。
(2)拡散透過率
JIS K7105に準拠した方法にて全光線透過率、ヘーズを測定し、下記計算式により算出した。
拡散透過率=(全光線透過率×ヘーズ)/100
使用機器:日本電色工業社、MDH2000
(3)弾性率
JIS K7127に準拠した方法にてにて測定した。
使用機器:引張試験器、島津製作所社、AGS−J
(4)引裂強度
JIS K7128−2に準拠した方法にてにて測定した。
使用機器:エルメンドルフ引裂強度測定器、東洋精機製作所社、エルメンドルフD型
(5)擦れ強度
試験台にマイカー線(石本マオラン社:製品名「マイカ線(黒)」)20cmを取り付け、荷重を掛ける摩擦子部分に1cmのフィルム片を取り付け、往復距離120mm、往復速度30cpm、荷重2Nの条件により、フィルム片とマイカー線を擦りつけ、フィルムに穴が空いた時点までの往復回数を計数した。
使用機器:学振型磨耗試験機、東洋精機社、学振型磨耗試験機 S型
[良否判定]
各評価項目の良否比判定は、次の通りである。
[材料]
使用した材料は、次の通りである。表中、VAは酢酸ビニル含量である。
農業用フィルム 10、
ポリエチレンを含有する層(C) 11
エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する層(B) 12
直鎖状低密度ポリエチレンを含有する層(A) 13

Claims (2)

  1. 直鎖状低密度ポリエチレンを含有する層(A)と、
    前記層(A)の上又は上方に配置された、エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する層(B)と、
    前記層(B)の上又は上方に配置された、ポリエチレンを含有する層(C)と
    を備える農業用フィルムであって、
    前記層(A)、又は、前記層(A)及び前記層(B)の両方が雲母を含有し、
    前記雲母の平均粒子径が5〜40μmの範囲内であり、かつ
    前記農業用フィルム全体に対する雲母の含有量が0.3〜10重量%の範囲内であり、
    前記層(A)中の前記雲母の含有量は、前記層(A)が含有する合成樹脂100重量部に対して、7重量部以下である
    農業用フィルム。
  2. 前記層(A)が含有する合成樹脂全体に対する前記直鎖状低密度ポリエチレンの含有量が60〜100重量%の範囲内である請求項1に記載の農業用フィルム。
JP2013072478A 2013-03-29 2013-03-29 農業用フィルム Active JP6207201B2 (ja)

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