以下、添付図を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。以下の説明では、本発明の実施形態に係る画像形成装置10が平坦な支持面に設置された状態(図1に示す状態)を基準として上下方向6を定義する。また、図1の紙面に対して左側を画像形成装置10の正面側(前面側)として前後方向7を定義する。また、図1の画像形成装置10を正面から見て左右方向8(図1の紙面に垂直な方向)を定義する。したがって、図1の紙面に対して手前が画像形成装置10の右側であり奥が左側である。
[画像形成装置10]
画像形成装置10は、少なくとも印刷機能を備えた装置である。図1に示すように、画像形成装置10は、所謂タンデムタイプのカラープリンターである。この画像形成装置10は、トナーを含む現像剤を用いて、シート状の印刷用紙に画像を印刷する。なお、画像形成装置10は、印刷機能を備えたものであればよく、例えば、前記印刷機能を含む複数の機能を備えた複合機や、FAX装置、複写機などの画像形成装置であってもよい。もちろん、カラー画像を形成するものでなく、単一色の画像を形成するものであってもよい。
図1に示すように、画像形成装置10は、主として、4つの画像形成部21と、中間転写ユニット22と、給紙装置25と、定着装置26と、二次転写装置27と、露光装置24と、4つのトナーコンテナ50(50A〜50D)と、を備える。これらの構成要素は、画像形成装置10の外部フレーム(不図示)や内部フレーム(不図示)などを構成する筐体としての装置本体28に取り付けられている。なお、トナーコンテナ50は、画像形成装置10におけるトナー容器の一例である。
4つの画像形成部21は、装置本体28の内部において、中間転写ユニット22の下方に配置されている。各画像形成部21は、前後方向7に沿って並設されている。各画像形成部21は、所謂電子写真方式に基づいて印刷用紙に画像を形成する画像形成処理を実行する。具体的に、各画像形成部21は、不図示のネットワーク通信部を介して外部から入力された画像データに基づいて、印刷用紙に画像を印刷する。画像形成部21は、感光体ドラム11、帯電装置(不図示)、現像装置12、一次転写装置13等を備えている。画像形成部21は、感光体ドラム11にトナー像を形成し、中間転写ユニット22が備える転写ベルト23にトナー像を順次重ね合わせて転写する。転写ベルト23は、矢印19の方向へ移動しており、その移動中の転写ベルト23にトナー像が順次転写される。図1に示す例では、装置本体28の内部において転写ベルト23の移動方向(矢印19方向)の下流側から順に、ブラック色、シアン色、マゼンタ色、イエロー色に対応する画像形成部21が一列に配置されている。
中間転写ユニット22は、画像形成部21の上方に配置されている。中間転写ユニット22の前後方向7の両端に駆動プーリー31及び従動プーリー32が設けられている。転写ベルト23は、駆動プーリー31及び従動プーリー32それぞれに掛け渡すように支持されている。これにより、ベルト面が水平な状態で前後方向7に延在している。また、転写ベルト23が駆動プーリー31及び従動プーリー32に支持されることにより、転写ベルト23は、その表面が各感光体ドラム11の表面に接しながら矢印19の方向へ移動(走行)可能となる。転写ベルト23は、例えばゴムやウレタン等の素材からなる無端環状のベルトである。
二次転写装置27は、転写ベルト23に転写された複数色からなるトナー像を印刷用紙に転写する。トナー像が転写された印刷用紙は、定着装置26に搬送される。定着装置26は、印刷用紙に転写されたトナー像を熱によってその印刷用紙に定着させる。定着装置26は、高温に加熱される加熱ローラー26Aと、この加熱ローラー26Aに対向配置された加圧ローラー26Bとを有する。定着装置26に搬送された印刷用紙は、加熱ローラー26Aと加圧ローラー26Bとの間のニップ部で所定の付勢力によって挟持されつつ搬送されることにより、トナー像が印刷用紙に溶着される。その後、印刷用紙は、装置本体28の上部に設けられた排紙トレイ29に排出される。
画像形成装置10は、転写ベルト23を搬送ベルトとして用い、その搬送ベルト上に搬送される印刷用紙にトナー像が直接に重ね合わせて転写される構成であってもよい。また、画像形成装置10は、転写ベルト23に代えてローラー状の中間転写部材を用いる構成であってもよい。
4つのトナーコンテナ50(50A〜50D)は、中間転写ユニット22の上方に配置されている。4つのトナーコンテナ50は、装置本体28の内部において、転写ベルト23に沿って前後方向7に沿って一列に並んで設けられている。トナーコンテナ50は、対応する色の現像装置12にトナーを供給するように構成されている。
図2に示すように、装置本体28の内部には、複数のトナーコンテナ50を装着するための装着部34が設けられている。具体的には、装着部34は、中間転写ユニット22の上部に設けられている。装置本体28の上部のトップカバー33が装置本体28の支軸33A(図1参照)を中心に開閉可能に支持されている。トップカバー33が上方(開方向)へ回動されると、トナーコンテナ50が装着される装着部34が露出される。装着部34は、中間転写ユニット22の上部に一体に形成されており、各トナーコンテナ50は、装着部34に収納されるように装着される。なお、装着部34は中間転写ユニット22の上部に一体に形成されたものに限られず、中間転写ユニット22とは別部材として装置本体28に取り付けられたものであってもよい。
各トナーコンテナ50には、画像形成部21の各色に対応する色のトナーが収容されている。具体的には、各トナーコンテナ50(50A〜50D)それぞれには、ブラック色、シアン色、マゼンタ色、イエロー色のトナーが個別に収容されている。図1及び図2に示すように、4つのトナーコンテナ50のうち、最も後方に位置するトナーコンテナ50Aは他のトナーコンテナ50B〜50Dよりも大容量タイプのものであり、このトナーコンテナ50Aにブラック色のトナーが収容されている。また、トナーコンテナ50B〜50Dはいずれも同じ形状であり同じ容量のものである。トナーコンテナ50Bにシアン色のトナーが収容されており、トナーコンテナ50Cにマゼンタ色のトナーが収容されており、トナーコンテナ50Dにイエロー色のトナーが収容されている。
[トナーコンテナ50の構成]
以下、トナーコンテナ50の構成について説明する。ここで、大容量タイプのトナーコンテナ50Aと他のトナーコンテナ50B〜50Dとは、トナー収容部のサイズが異なる以外は同じ構成である。また、トナーコンテナ50B〜50Dは配置位置が異なる以外は同じ構成である。そのため、以下の説明では、トナーコンテナ50A〜50Dをトナーコンテナ50として説明する。
トナーコンテナ50は、現像装置12に供給されるトナーを収容する。図3乃至図6に示すように、トナーコンテナ50は、筐体51と、トナー排出口52(図4参照)と、開閉機構53(図4参照)と、操作部54と、カバー72と、を備えている。これらは、トナーコンテナ50の側面に設けられている。開閉機構53は本発明の開閉部材の一例である。筐体51は、画像形成装置10の装着部34に装着される。トナーは筐体51の内部に収容されている。図4に示すように、トナー排出口52は筐体51に形成されている。トナー排出口52は、筐体51の底面の右端部に形成されている。また、図5、図6に示すように、操作部54は、ユーザーによって操作可能なように筐体51に設けられている。
図2及び図3に示すように、装置本体28は、筐体51が装着される支持プレート42,43を有している。支持プレート42,43は、板状に形成されており、前後方向7へ延出している。支持プレート42,43は、装着部34において互いに対向する位置に配置されている。図2に示すように、支持プレート42は装着部34の左端部に立設されている。図3に示すように、支持プレート43は装着部34の右端部に立設されている。支持プレート42,43は、4つのトナーコンテナ50の両端を支持する。
支持プレート43の一方側(左側)の左側面43A(図3参照)には、斜め上方に延びる溝状のコンテナガイド45が複数形成されている。コンテナガイド45は、支持プレート43の左側面43Aが厚み方向に凹まされて溝状に形成されている。また、コンテナガイド45は、支持プレート43の上端側が末広がり状に形成されている。筐体51の右端部は、コンテナガイド45により支持プレート43の上端から斜め下方に案内されることによって支持プレート43に装着される。
筐体51は、樹脂材料からなり、図3に示すように、左右方向8に長い箱状に形成されている。つまり、筐体51の長手方向が、図1に示す画像形成装置10の左右方向8に一致する。
図3に示すように、筐体51は、コンテナ本体55と、蓋部56とを有する。コンテナ本体55は、上部が開放された有底の箱形状に形成されている。コンテナ本体55は、本発明の容器本体の一例である。蓋部56は、コンテナ本体55の上部の開放部分を閉塞している。コンテナ本体55の内部には、トナーを攪拌するパドル状の羽根を有する攪拌部材800(図9参照)と、トナー排出口52へトナーを搬送するスクリュー状の羽根を有する搬送部材58(図9参照)とが設けられている。
図5に示すように、コンテナ本体55の右側の側壁55Bを覆うようにカバー72が設けられている。側壁55Bには、筐体51の内部へトナーを充填するためのトナー充填口59が設けられている。トナー充填口59は栓部材60によって閉塞されている。
図4〜図6、及び図9に示すように、トナー排出口52は、トナーコンテナ50に形成されている。詳細には、トナー排出口52は、コンテナ本体55の底部の右端側に形成されている。トナー排出口52は、コンテナ本体55の底部の壁を下方へ貫通するように形成されている。具体的には、図9に示すように、コンテナ本体55の右端部には、右方に突出して延びる略円筒状の突出部55Aが形成されている。そして、トナー排出口52は、突出部55Aの周壁を下方に貫通するように形成されている。
開閉機構53は、トナー排出口52を開閉するものであり、図9に示すように、シリンダ61と、開口部62と、シール部材63と、第2連結部79と、を有している。シリンダ61は、円筒形状に形成されており、コンテナ本体55の右端部に設けられた突出部55Aの内部に挿通されている。シリンダ61の右端部は端面部611により閉塞されている。また、シリンダ61の右端部には、後述の第2連結部79が一体に設けられている。開口部62は、シリンダ61の側面(下側の面)に形成されている。また、シール部材63は、突出部55Aの内壁面におけるトナー排出口52の周りに設けられている。シール部材63は、トナーの飛散を防止するためのものである。
シリンダ61の右端部における内側には、軸受64が形成されている。この軸受64によって搬送部材58の一方端がシリンダ61内で回転自在に支持される。すなわち、シリンダ61の回転軸心P1は、搬送部材58の回転軸と同一軸上にある。回転軸心P1は、本発明の第1回動軸の一例である。
シリンダ61は、突出部55Aに対して回転自在に装着されている。第2連結部79に回転力が入力されると、シリンダ61は回転される。シリンダ61が回転してシリンダ61の開口部62がトナー排出口52に重なることによって、図9に示すようにトナー排出口52が開放される。以下、トナー排出口52が開放されるシリンダ61の位置(図9に示す位置)を開位置と称する。シリンダ61が前記開位置まで回転した場合に、筐体51内のトナーがトナー排出口52から外部へ円滑に排出可能となる。一方、開口部62が形成されていないシリンダ61の周壁部分がトナー排出口52に重なる位置までシリンダ61が回転されると、トナー排出口52はシリンダ61の周壁によって閉塞される。以下、トナー排出口52が閉塞されるシリンダ61の位置を閉位置と称する。シリンダ61が前記閉位置まで回転した場合に、トナー排出口52を完全に閉塞する。
シリンダ61は、第2連結部79が回転されることによって、前記開位置と前記閉位置との間で変位可能である。つまり、トナー排出口52は、シリンダ61が回転されることによって開閉される。第2連結部79は、トナーコンテナ50が装着部34に装着されることによって、装置本体28(詳細には装着部34)に設けられた駆動伝達機構76(図20、図21参照)に連結される。これにより、第2連結部79は、駆動伝達機構76から前記回転力を受けることができる。なお、駆動伝達機構76、及び、第2連結部79の詳細については後述する。
トナーコンテナ50が装着部34に装着されると、トナー排出口52は、中間転写ユニット22に形成された連通口(不図示)に対向する位置に配置されて、前記連通口に密着する。前記連通口から不図示の搬送経路を経てトナーが現像装置12に供給される。このような位置関係となるように、装着部34におけるトナーコンテナ50の装着位置が定められている。操作部54は、トナーコンテナ50が装着部34に装着された状態で、トナー排出口52を開閉するために用いられる。操作部54は、図5、図6に示すように、コンテナ本体55の右端部に設けられている。操作部54は、コンテナ本体55に回転可能に支持された軸部66と、軸部66に固定されて軸部66から延出されたレバー67(レバー部材の一例)とを有している。レバー67は、合成樹脂で製作されている。
軸部66は、筐体51の右端部から右方へ突出する回転軸心P3(図10参照)を有している。レバー67は、軸部66の回転軸心P3周りに軸部66と一体に回動可能となっている。本実施形態では、操作部54は、レバー67が前方へ傾倒した第1操作位置(図7(A)、図17(A)に示す姿勢)と、レバー67が後方へ傾倒した第2操作位置(図7(B)、図17(C)に示す姿勢)との間で回動可能である。本実施形態では、レバー67が、前記第1操作位置と前記第2操作位置との間で操作されることにより、開閉機構53のシリンダ61を前記第1操作位置に対応する前記閉位置又は前記第2操作位置に対応する前記開位置のいずれかに移動させる。ここで、前記第1操作位置は、シリンダ61の前記閉位置に対応する姿勢である。具体的には、シリンダ61を前記閉位置に維持させるか又は前記閉位置に変位させる場合に、レバー67が前記第1操作位置に配置される。一方、前記第2操作位置は、シリンダ61の前記開位置に対応する姿勢である。具体的には、シリンダ61を前記開位置に維持させるか又は前記開位置に変位させる場合に、レバー67が前記第2操作位置に配置される。
本実施形態では、レバー67の操作位置として前記第1操作位置及び前記第2操作位置の他に、第3操作位置(図17(D)、図18(D)参照)が設けられている。この第3操作位置は、前記第1操作位置に対して前記第2操作位置と反対側に所定角度回動した位置であり、画像形成装置1又はトナーコンテナ50の出荷時専用の位置として設けられている。すなわち、画像形成装置1又はトナーコンテナ50の出荷時においては、操作部54は、レバー67が前記第3操作位置に位置する。そして、ユーザー等によって一旦前記第3操作位置から前記第1操作位置又は前記第2操作位置に回動されると、前記第3操作位置には復帰できない。レバー67が前記第3操作位置に位置するときも、シリンダ61は前記閉位置に位置する。なお、レバー67が前記第3操作位置から回動されると、前記第1操作位置に復帰できない構成については後述する。
図4乃至図6に示すように、コンテナ本体55の右端部の側壁55Bには、カバー72が取り付けられている。カバー72は、レバー67の基端側の部分やロック部材100などを覆うように取り付けられている。カバー72の上壁72Aには円弧形状のスリット72Cが形成されており、このスリット72Cからレバー67の上端が上方へ露出している。カバー72の右側壁72Bには開口72Dが形成されており、この開口72Dから後述の第1連結部78が右方へ露出している。また、右側壁72Bには、上下に延びると共に下方に開放されたガイド溝72Eが形成されている。そして、図4に示すように、ロック部材100の被押圧部105は、ガイド溝72Eにおいてカバー72から露出している。なお、シリンダ61の第2連結部79はカバー72で覆われていない。ここで、ユーザーがトナーコンテナ50の側部を掴んでトナーコンテナ50を持ったときに、ガイド溝72Eから露出するユーザーの指がロック部材100の被押圧部105に当たるおそれがある。ユーザーの指が被押圧部105に当たって被押圧部105が上方へ押し上げられると、トナー排出口52を開放してトナーが漏出する可能性がある。
そこで、本実施形態では、支持プレート43の突条部46が細幅の板状に形成されており、ガイド溝72Eの幅d(図4参照)は、この突条部46が挿通可能な細幅とされている。具体的には、ガイド溝72Eの幅dは、ガイド溝72Eに一般的なユーザーの指が入らない、若しくは若干入ったとしても指がロック部材100の被押圧部105に当たらない程度の幅に設定されている。ガイド溝72Eは、本発明の挿通孔の一例である。
カバー72は、コンテナ本体55の右端部から右方に突出したブロック状の位置決め突部73を有している。位置決め突部73は、コンテナガイド45(図3参照)に嵌め入れ可能な幅サイズに形成されており、コンテナガイド45の溝幅よりも若干小さい幅サイズに形成されている。これにより、コンテナガイド45に位置決め突部73が装着可能となる。具体的には、図3に示すように、位置決め突部73がコンテナガイド45に嵌め込まれて、コンテナガイド45により斜め下方に案内されることによって、筐体51が支持プレート43に装着されるようになっている。
コンテナ本体55の右端部には、ロック部材100が設けられている。ロック部材100は、合成樹脂で作成されており、操作部54及び開閉機構53を誤作動させないようにロック状態とするためのものである。すなわち、ロック部材100は、操作部54の操作が規制されるように操作部54をロック状態にする。さらに、ロック部材100は、開閉機構53の開閉動作が規制されるように開閉機構53をロック状態にする。以下、具体的に説明する。
図5、図6に示されるように、ロック部材100は、カバー72に覆われている。カバー72の内面において開口72Dの上方には、攪拌部材800の回転軸心P3(図10参照)に平行な回転軸心P2上に円筒状の回動支持部700(図10参照)が設けられている。なお、図10においては、カバー72を省略して図示しているが、カバー72に設けられた回動支持部700のみが断面(ハッチング部分)で示されている。回転軸心P2は、本発明の第3回動軸の一例であり、回転軸心P3は、本発明の第2回動軸の一例である。図12に示されるように、ロック部材100は、嵌合部101と、アーム部102とを有する。嵌合部101は、回動支持部700の径と略同径の嵌合孔103を有する。嵌合部101は、所定の抜け止めがされた状態で回動支持部700に外嵌し、回動支持部700に回動可能に支持されている。図10に示されるように、ロック部材100は、トナーコンテナ50が装置本体28に装着される装着姿勢において開閉機構53の上方に位置する。また、回転軸心P2は回転軸心P3の上方に位置する。アーム部102は、嵌合部101から回動支持部700の回転軸心P2と直交する方向へ延び、先端には第1係合部104が形成されている。第1係合部104は、アーム部102の本体部分から開閉機構53側へ略直角に爪状に突出する。
開閉機構53のシリンダ61における端面部611には、第1被係合部61Aが設けられている。具体的に、第1被係合部61Aは、端面部611の外周部分の所定位置から端面部611がなす平面上で爪状に突出する。第1被係合部61Aは、レバー67が前記第1操作位置に位置するときに上部に位置する。このとき、第1被係合部61Aは、端面部611の本体部分から斜め上方に突出し、ロック部材100の第1係合部104よりロック部材100の回転軸心P2側の位置で第1係合部104と係合する。これにより、シリンダ61の回動が規制され、ひいては開閉機構53が閉位置でロックされる。
ロック部材100は、被押圧部105を有する。被押圧部105は、装置本体28へのトナーコンテナ50の装着過程で支持プレート43の突条部46により上方へ押圧される。ロック部材100は、被押圧部105において突条部46から受ける上方への力を回動力として、回動支持部700に軸支された状態で回転軸心P2を中心として回動する。このとき、第1係合部104は、第1被係合部61Aから離れて開閉機構53のロックが解除される(図17(A)、(B)参照)。
図11(A)に示されるように、第1被係合部61Aのうち第1係合部104に係合する被係合面H1、及び第1係合部104のうち第1被係合部61Aに係合する係合面H2は平面とされている。ここで、第1被係合部61Aと第1係合部104とが互いに係合するとき、被係合面H1は係合面H2に対して予め定められた角度αをなし、且つ、第1被係合部61Aの先端側の部位が第1係合部104の係合面H2に係合する。
これにより、第1被係合部61Aと第1係合部104とが互いに係合した状態で、突条部46から上方への力を受けた場合には、第1係合部104が第1被係合部61Aに引っ掛かることなく第1被係合部61Aから離れて(図11(B)参照)、ロック部材100が回動する。
一方、前記係合状態において後述するレバー67の操作によって反対方向にロック部材100が回動した場合には、第1被係合部61Aと第1係合部104とが若干の変形を伴いつつ、第1被係合部61Aが形成する凹部N1に第1係合部104が食い込む(図11(C)参照)。このとき、第1被係合部61Aと第1係合部104とがより強固に係合する。
図13(A)、(B)に示されるように、レバー67は、第2被係合部67Aを有する。第2被係合部67Aは、レバー67の基端側、すなわち、レバー67の回転軸心P3寄りの所定位置に設けられている。ロック部材100は、図12(A)に示されるように、第2係合部106を有する。第2係合部106は、被押圧部105とは反対側の部位において、アーム部102の長手方向における略中央位置に形成されている。第2被係合部67Aと第2係合部106とは互いに係合し得る(図18(A)参照)。第2被係合部67Aと第2係合部106とは、第1被係合部61Aと第1係合部104とが互いに係合して開閉機構53を前記閉位置でロックしているときに、互いに係合する。これにより、前記第1操作位置に位置するレバー67の前記第2操作位置への移動を規制する。このときのロック部材100の位置をロック位置という。
また、ロック部材100は、被押圧部105において突条部46から受ける上方への力により回動したときには、第2係合部106は第2被係合部67Aから離れる。これにより、レバー67の前記第2操作位置への移動規制(ロック)が解除される。レバー67の前記第2操作位置への移動規制が解除される位置をロック解除位置という。なお、ロック解除位置とは、ロック部材100が特定の角度だけ回動したときの特定の位置をいうものではなく、ロック部材100が前記ロック位置から離れてレバー67の前記第2操作位置への移動規制が解除される一定の範囲を有する。
このように、ロック部材100は、前記ロック位置に位置するとき、開閉機構53及びレバー67それぞれに係合し、開閉機構53を前記閉位置でロックし且つレバー67を前記第1操作位置でロックする。一方、ロック部材100は、前記ロック解除位置に位置するとき、開閉機構53及びレバー67それぞれから離間し、開閉機構53を前記開位置への回動及びレバー67を前記第2操作位置への回動が許容される。
前述したように、第1係合部104及び第2係合部106は、ともにロック部材100のアーム部102に形成されている。そして、第2係合部106と第2被係合部67Aとは、第1係合部104と第1被係合部61Aとの係合位置より回動支持部700に近い位置で係合する。これにより、トナーコンテナ50が装着部34に装着されていない状態でレバー67が回動操作された場合に、第2係合部106と第2被係合部67Aとの係合部分の破損を防止することができる。
すなわち、第2被係合部67Aと第2係合部106とが係合している状態でレバー67に操作力が加えられると、第2被係合部67Aから第2係合部106に力が加わる。ここで、ロック部材100の回転軸心P2からできるだけ近い方がその力のモーメントを小さくすることができる。これにより、第2係合部106にかかる負荷を低減することができ、第2被係合部67Aと第2係合部106とが係合している状態でレバー67に操作力が加えられた場合でも、ロック部材100の破損を防止することができる。
図13に示されるように、レバー67は、レバー側延設部671を有する。レバー側延設部671は、被摺接部672と、係合部673とを有する。図17、図18に示されるように、被摺接部672は、レバー67の前記第1操作位置から前記第2操作位置への回動方向に向かって延びる湾曲形状を有する。係合部673は、被摺接部672の上面に設けられており、上方に突出する。係合部673の上端は、レバー67が回動するときカバー72の上部内壁面721(図18参照)に摺接する。
図12に示されるように、ロック部材100は、ロック側延設部110を有する。ロック側延設部110は、弾性変形部111と、摺接部112とを有する。弾性変形部111は、回転軸心P2を通る平面による断面が略L字状を有するようにロック部材100の本体部分から延びる部位である。摺接部112は、弾性変形部111の自由端である先端に設けられている。弾性変形部111と摺接部112は平板状を有し、互いに直交する。摺接部112は、レバー側延設部671の回動方向に対して傾斜するテーパー部を前記軌跡に沿う方向の両側に有している形状である。本実施形態では、摺接部112は、下底が上底よりも長い台形形状を成し、上底に相当する頂部1121と、上底及び下底との間の辺(台形における4辺のうち互いに平行な2辺以外の2辺)に対応するテーパー部1122、1123を有する。なお、摺接部112の形状は、台形形状に限定されず、三角形状でもよい。
摺接部112は、ロック部材100が前記ロック位置に位置し、且つ、レバー67が前記第1操作位置又は前記第2操作位置に位置するときには他の部材と当接しない。ロック部材100が前記ロック位置から突条部46により上方に押し上げられると、摺接部112は、レバー67の回動時におけるレバー側延設部671の被摺接部672の移動軌跡上に進入する。したがって、ロック部材100によるロックが解除されたレバー67の回動操作が行われると、被摺接部672が摺接部112に当接する。
ここで、レバー67の回転軸心P3から被摺接面672Aまでの距離は、その回転軸心P3から摺接部112の頂部1121までの距離より短い。そのため、レバー67の回動操作が行われると、図16(A)に示されるように、被摺接部672が摺接部112のテーパー部1122、1123に当接する。また、更なるレバー67の回動操作が行われると、図16(B)、(C)に示されるように、摺接部112のテーパー部1122、1123によるガイド機能によって、摺接部112と被摺接部672とが引っかかることなく、摺接部112が回転軸心P2に漸次近づくようにロック側延設部110が弾性変形しつつ被摺接部672がスムーズにガイドされる。そして、図16(C)に示されるように、やがて摺接部112の頂部1121が被摺接部672の被摺接面672Aに当接する。
前記第1操作位置(図17(A)に示す位置)から前記第2操作位置(図17(C)に示す位置)へのレバー67の回動操作が行われると、摺接部112の頂部1121が被摺接部672の被摺接面672Aに摺接する。そして、レバー67が前記第2操作位置から前記第1操作位置に到達する、又は、前記第1操作位置から前記第2操作位置に到達すると、図18(C)に示されるように、摺接部112と被摺接部672とが離間する。すなわち、レバー側延設部671は、摺接部112における前記径方向の端部と接触する状態となるまでテーパー部1122、1123と摺接する。
摺接部112の頂部1121が被摺接部672の被摺接面672Aに摺接し始めてから摺接部112の頂部1121が被摺接面672Aから離れるまでは、弾性変形する摺接部112が被摺接面672Aを介してレバー67を前記第1操作位置に押し戻すように付勢する。これにより、ユーザーによるレバー67の回動操作に抵抗力を与える。一方、レバー67が前記第1操作位置から前記第2操作位置に達する、又は前記第2操作位置から前記第1操作位置に達すると、摺接部112の頂部1121が被摺接部672の被摺接面672Aから離れることにより、前記抵抗力がなくなる。このように、レバー67が前記第1操作位置又は前記第2操作位置に達したときと達するまでの間とでレバー67の操作力を大きく異ならせる。これにより、ユーザーは、レバー67が前記第1操作位置又は前記第2操作位置に達したことを感知することができるとともに、レバー67の良好な操作感をユーザーに与えることができる。
図18(C)に示されるように、レバー67が前記第1操作位置から前記第2操作位置に達すると、係合部673は、カバー72の予め定められた位置に設けられた凹部72Fに嵌まり込む。この凹部72Fは、レバー67が前記第2操作位置から前記第1操作位置に回動操作される場合に、やや強い回動力でレバー67を回動操作させるために必要な所定の深さを有する。したがって、前記回動力より小さい回動力がレバー67に作用する範囲内では、レバー67は前記第2操作位置に保持される。なお、本実施形態では、図18(C)に示すように、凹部72Fがレバーの回動方向に一定の長さを有しているため、レバー67は微小な角度の範囲で回動可能となっているが、レバー67がこの微小角度の範囲で回動したとしても、開閉機構53は前記開位置に保持される。
図14、図18に示されるように、カバー72は被係合部7211を有する。被係合部7211は、カバー72の上部内壁面721に設けられた凸部である。図14(A)、(B)に示されるように、被係合部7211は、レバー67が前記第3操作位置から前記第2操作位置側へ向けて回動される場合に、カバー72の上部内壁面721に摺接する係合部673の上端がこの被係合部7211を乗り上げることができる傾斜面7212を有する。一方、被係合部7211は、図14(C)、(D)に示されるように、レバー67が前記第2操作位置から前記第1操作位置へ回動される場合は、係合部673の上端が被係合部7211を乗り上げることができない縦壁面7213を有する。係合部673は、上部内壁面721と被係合部7211の縦壁面7213とで構成されるスペースK1(図14(C)参照)に嵌まり込み、これ以上のレバー67の回動が規制される。
このような構成により、ユーザー等によってレバー67が一旦前記第3操作位置から前記第1操作位置又は前記第2操作位置に回動されると、前記第3操作位置には復帰することができない。前記第1操作位置は、突起722とレバー側延設部671における係合部673とが係合する位置である。
ロック側延設部110における弾性変形部111の厚みX(図12参照)は、比較的薄く、前述したように、レバー67の回動に伴うレバー側延設部671の変位によって被摺接部672が描く円弧状の軌跡の径方向(図15の矢印W1)に弾性変形可能である。これに対し、弾性変形部111の幅Y(図12参照)は比較的広く、少なくとも厚みXの長さに比して長い。そのため、弾性変形部6711は、前記軌跡に沿う方向(矢印W2)における剛性の方が径方向(矢印W1)における剛性よりも高い。
本実施形態では、ロック側延設部110が前記軌跡の方向(矢印W2)に高い剛性を有することで、次のような効果が得られる。すなわち、図15(B)に示されるように、レバー67が前記第1操作位置から前記第2操作位置へ回動することによりレバー側延設部671の被摺接部672が矢印V1の方向に移動した場合に、被摺接部672から弾性変形部111に引きずり力F1が作用する。しかし、ロック側延設部110が前記軌跡の方向(矢印W2)に高い剛性を有することで、その引きずり力F1によってロック側延設部110がロック部材100の本体部分に対して屈曲しない。同様に、図15(C)に示されるように、レバー67が前記第2操作位置から前記第1操作位置へ回動することによりレバー側延設部671の被摺接部672が矢印V2の方向に移動した場合に、レバー側延設部671の被摺接部672から弾性変形部111に引きずり力F2が作用しても、その引きずり力F2によってロック側延設部110がロック部材100の本体部分に対して屈曲しない。
図19は支持プレート43の外観を示している。図20及び図21は駆動伝達機構76を拡大して示している。図22は、駆動伝達機構76の動作説明図である。なお、図19は、支持プレート43を左側面43Aから見た図である。図20は、図19における一つのコンテナガイド45の周辺の拡大図である。また、図21は、支持プレート43を右側面43Bから見た図である。図22(A)は、レバー67が前記第1操作位置にあるときの状態を示す。図22(B)は、レバー67が前記第1操作位置と前記第2操作位置の中間位置にあるときの状態を示す。図22(C)は、レバー67が前記第2操作位置にあるときの状態を示す。
図19に示すように、駆動伝達機構76は、支持プレート43の右側面43Bに設けられている。支持プレート43におけるコンテナガイド45の下部は、第1溝部45A及び第2溝部45Bの二股に分かれている。第1溝部45Aと第2溝部45Bとの間には、これら第1溝部45A及び第2溝部45Bに沿って延びる突条部46が形成されている。
カバー72がコンテナガイド45によって斜め下方の装着方向に案内される際に、突条部46はカバー72のガイド溝72Eに挿入される。その後、突部としての突条部46の上端がロック部材100の被押圧部105に当接してロック部材100を押し上げる。このようにして、ロック部材100は、トナーコンテナ50が支持プレート43に装着される際に、突条部46に当接してロック解除方向へ動作して、ロック部材100による操作部54及び開閉機構53のロック状態が解除されるようになっている。
図20及び図21に示すように、装置本体28には、駆動伝達機構76が設けられている。駆動伝達機構76は、装置本体28を構成する支持プレート43に設けられている。本実施形態では、4つのトナーコンテナ50に対応して4つの駆動伝達機構76が設けられている。各駆動伝達機構76は、前後方向7へ並んで支持プレート43の右側面43Bに設けられている。
駆動伝達機構76は、支持プレート43にトナーコンテナ50が装着された状態で、操作部54のレバー67の操作によって入力された操作駆動力(駆動力)を開閉機構53に伝達するように構成されている。
駆動伝達機構76は、第1回転部74(入力伝達部)と、中間回転部81(中間伝達部)と、第2回転部75(出力伝達部)と、を有する。第1回転部74は、操作部54のレバー67が操作されたときに操作部54により入力される操作駆動力を受ける部分である。操作駆動力を受けた第1回転部74は、その操作駆動力を中間回転部81に伝達する。中間回転部81は、操作部54のレバー67の操作により入力された前記操作駆動力を第1回転部74から受ける部分であり、受けた前記操作駆動力を第2回転部75に伝達する。第2回転部75は、中間回転部81から伝達された前記操作駆動力を受けて、その操作駆動力を外部(開閉機構53)へ出力(伝達)する部分である。言い換えると、第2回転部75は、中間回転部81を介して第1回転部74から伝達された前記操作駆動力を受けて、その操作駆動力を外部(開閉機構53)へ出力(伝達)する。第1回転部74は、前記操作駆動力を受けて回転可能である。中間回転部81は、第1回転部74に連動して回転可能である。第2回転部75は、第1回転部74及び中間回転部81に連動して回転可能である。
第1回転部74は、コンテナガイド45における第1溝部45Aの下端に配置されており、支持プレート43に回転可能に支持されている。一方、第2回転部75は、第2溝部45Bの下端に配置されており、支持プレート43に回転可能に支持されている。第1回転部74及び第2回転部75は、互いに離れており、直接に駆動伝達する構成とはなっていない。第1回転部74と第2回転部75との間に中間回転部81が設けられており、中間回転部81は支持プレート43に回転可能に支持されている。中間回転部81は、第1回転部74及び第2回転部75それぞれに駆動伝達可能に連結されている。
図21に示すように、第1回転部74は第1ギヤ部74Aを有する回転体である。また、第2回転部75は、第2ギヤ部75A(ギヤ部)を有する回転体である。中間回転部81は、第1ギヤ部74A及び第2ギヤ部75Aそれぞれに噛み合う中間ギヤ部81A(ギヤ部)を有する回転体である。第1ギヤ部74Aは第1回転部74に一体形成されている。中間ギヤ部81Aは中間回転部81に一体に形成されている。また、第2ギヤ部75Aは第2回転部75に一体形成されている。このため、第1ギヤ部74Aと中間ギヤ部81Aとが噛み合い、中間ギヤ部81Aと第2ギヤ部75Aとが噛み合った状態で第1回転部74が回転すると、中間回転部81は、第1回転部74の回転方向に対して逆回転し、第2回転部75は、第1回転部74の回転方向と同じ方向に回転する。
本実施形態では、第1ギヤ部74A及び第2ギヤ部75Aは、第1回転部74の回転角度と第2回転部75の回転角度とが同じになるように設定されている。具体的には、第1ギヤ部74A及び第2ギヤ部75Aそれぞれの歯数とピッチが同じに形成されている。このため、例えば、第1回転部74がレバー67と共に45°回転したときに、第2回転部75も45°回転するようになっている。
また、図21に示すように、駆動伝達機構76は、バネ77(付勢部材)を有する。バネ77は、トナーコンテナ50が装着部34に装着された状態で、レバー67が前記第1操作位置に位置しているときに、前記第2回転部75を介して開閉機構53を前記閉位置へ向けて付勢する。また、バネ77は、トナーコンテナ50が装着部34に装着された状態で、レバー67が前記第2操作位置に位置しているときに、前記第2回転部75を介して開閉機構53を前記開位置へ向けて付勢する。
バネ77は、中間回転部81と第2回転部75との間に介在している。バネ77は、例えばコイルバネである。本実施形態では、バネ77は、レバー67が操作されたことに応じて中間回転部81及び第1回転部74それぞれが回転動作することにより伸縮するように取り付けられている。詳細には、中間回転部81は、その外周面から径方向外側へ突出する第1支持片81Bを有している。第1支持片81Bは、バネ77の一方側の端部が固定される部分である。つまり、第1支持片81Bは、バネ77の一方端を支持している。中間回転部81の回転に伴い第1支持片81Bも回動するため、中間回転部81が回転すると第1支持片81Bによるバネ77の支持位置が変化する。第2回転部75は、その外周面から径方向外側へ突出する第2支持片75Cを有している。第2支持片75Cは、バネ77の他方側の端部が固定される部分である。つまり、第2支持片75Cは、バネ77の他方端を支持している。中間回転部81の回転に伴い第2支持片75Cも回動するため、中間回転部81が回転すると第2支持片75Cによるバネ77の支持位置が変化する。
図21に示すように、第1支持片81Bと第2支持片75Cとの間にバネ77が取り付けられている。バネ77は、収縮する方向に常にバネ力を発生させるものであり、所謂引っ張りバネである。本実施形態では、図22(B)に示されるように、中間回転部81の中心と第2回転部75の中心とを結ぶ線分上に第1支持片81B及び第2支持片75Cが配置されると、バネ77のバネ力が釣り合い、中間回転部81及び第2回転部75は静止した状態を維持する。この状態で、バネ77が最大に伸張することになる。このようにバネ77が釣り合い状態となるときのレバー67及びシリンダ61の位置は予め定められており、具体的には、レバー67が前記第1操作位置と前記第2操作位置との中間位置であり、シリンダ61が前記開位置と前記閉位置との中間位置である。ここで、レバー67の前記中間位置は、レバー67の操作範囲内において前記第1操作位置及び前記第2操作位置を除く所定の位置の一例である。
図22(B)に示される状態から、レバー67が前記中間位置から前記第1操作位置側へ操作されると、バネ77の前記釣り合いが解除される。具体的には、レバー67の操作により第1回転部74は中間回転部81を時計回転方向へ回転させ、更に中間回転部81は第2回転部75を反時計回転方向へ回転させる。この場合、図22(A)に示されるよう、バネ77は、その収縮方向の力によって中間回転部81を更に時計回転方向へ回転させ、第2回転部75を更に反時計回転方向へ回転させる。このとき、前記中間位置から操作されたレバー67には、その後、操作駆動力が入力されていなくてもバネ77だけの力によって中間回転部81及び第2回転部75が回転される。これにより、第2回転部75の回転がシリンダ61に伝達されて、バネ77による付勢力によってシリンダ61が前記開位置に確実に変位される。
一方、図22(B)に示される状態から、レバー67が前記中間位置から前記第2操作位置側へ操作されると、バネ77の前記釣り合いが解除される。具体的には、レバー67の操作により第1回転部74は中間回転部81を反時計回転方向へ回転させ、更に中間回転部81は第2回転部75を時計計回転方向へ回転させる。この場合、図22(B)に示されるよう、バネ77は、その収縮方向の力によって中間回転部81を更に反時計回転方向へ回転させ、第2回転部75を更に時計回転方向へ回転させる。このとき、前記中間位置から操作されたレバー67には、その後、操作駆動力が入力されていなくてもバネ77だけの力によって中間回転部81及び第2回転部75が回転される。これにより、第2回転部75の回転がシリンダ61に伝達されて、バネ77による付勢力によってシリンダ61が前記閉位置に確実に変位される。
図4乃至図6に示すように、操作部54は、第1連結部78を有している。第1連結部78は、レバー67が操作されることによって回転する。第1連結部78は、軸部66の右端に一体に形成されている。第1連結部78は、軸部66の右端から右方に突出した板状に形成されている。第1連結部78は、筐体51が支持プレート43に装着される際にカバー72がコンテナガイド45によって案内される装着方向(つまり、斜め下方)に延びている。第1連結部78は、トナーコンテナ50が支持プレート43のコンテナガイド45に装着された状態で、駆動伝達機構76の第1回転部74に連結される。つまり、第1連結部78は、トナーコンテナ50の装着状態において第1回転部74に連結する。これにより、操作部54の操作時に入力される前記操作駆動力が第1回転部74に伝達可能となる。
図20に示すように、駆動伝達機構76の第1回転部74には、トナーコンテナ50の第1連結部78が連結される第1連結溝74Bが形成されている。第1連結溝74Bは、少なくとも一部が直線状に延びている。一方、第1連結部78は、第1連結溝74Bに嵌合する形状を有している。すなわち、第1連結溝74Bの溝幅は、第1連結部78の厚さと略同じになっている。第1連結部78は、筐体51が装置本体28に装着された場合に第1連結溝74Bに挿入され、第1回転部74に対して一体に回転可能に連結される。
また、図4乃至図6に示すように、トナーコンテナ50の開閉機構53は、シリンダ61と一体に回転する第2連結部79を有している。第2連結部79は、シリンダ61の右端に一体に形成されている。第2連結部79はシリンダ61の右端から右方に突出している。第2連結部79は、シリンダ61の軸方向に直交する断面が鈎状に形成されている。第2連結部79は、駆動伝達機構76の第2回転部75から前記操作駆動力を受ける部分である。第2連結部79は、トナーコンテナ50が支持プレート43のコンテナガイド45に装着された状態で、駆動伝達機構76の第2回転部75に連結される。つまり、第2連結部79は、トナーコンテナ50の装着状態において第2回転部75に連結する。これにより、第1回転部74、中間回転部81、及び第2回転部75を介して第2連結部79に前記操作駆動力が伝達可能となる。
第2連結部79は、筐体51が支持プレート43に装着される際にカバー72がコンテナガイド45によって案内される装着方向(つまり、斜め下方)に延びている。第2連結部79の厚みは、第1連結部78の厚みよりも大きくなっている。
図20に示すように、駆動伝達機構76の第2回転部75には、トナーコンテナ50の第2連結部79が連結される第2連結溝75Bが形成されている。第2連結溝75Bは、少なくとも一部が直線状に延びている。一方、第2連結部79(図4乃至図6参照)は、第2連結溝75Bに嵌合する形状を有している。すなわち、第2連結溝75Bは、第2連結部79の厚みと略同じ溝幅を有している。したがって、第2連結溝75Bの溝幅は、第1連結溝74Bの溝幅と異なっている。第2連結部79は、筐体51が支持プレート43に装着された場合に第2連結溝75Bに挿入され、第2回転部75に対して一体に回転可能に連結される。そして、開閉機構53は、第2連結部79が第2回転部75と一体に回転することによって、シリンダ61を回転させて、トナー排出口52を開閉するように構成されている。
次に、トナーコンテナ50の装置本体28への着脱動作について説明する。
トナーコンテナ50が装置本体28に装着される前において、トナー排出口52はシリンダ61によって閉塞されており、操作部54及び開閉機構53は、ロック部材100によってロック状態になっている。このとき、第1連結部78と第2連結部79とは、図8(A)に示すように、カバー72がコンテナガイド45によって案内される装着方向(つまり、斜め下方)にそれぞれ延びている。また、レバー67は前記第1操作位置に位置しており、シリンダ61は前記閉位置に位置している。
また、トナーコンテナ50が装置本体28に装着される前において、駆動伝達機構76における第1回転部74の第1連結溝74B、及び第2回転部75の第2連結溝75Bは、図8(A)に示すように、コンテナガイド45が延びる方向(つまり、カバー72が案内される装着方向)に延びている。
そして、トナーコンテナ50を支持プレート43に装着させる場合、カバー72を支持プレート43のコンテナガイド45に挿入する。そのとき、カバー72はコンテナガイド45によって斜め下方に案内される。トナーコンテナ50の第1連結部78は第1溝部45Aによって案内されると共に、第2連結部79は第2溝部45Bによって案内される。そして、第1連結部78は、第1回転部74の第1連結溝74Bに連結されると共に、第2連結部79は、第2回転部75の第2連結溝75Bに連結される。
また、カバー72がコンテナガイド45によって案内されているときに、突条部46の上端は、ロック部材100の被押圧部105に当接してロック部材100を押し上げる。これにより、開閉機構53及びレバー67それぞれから離間し、開閉機構53を前記開位置への回動及びレバー67を前記第2操作位置への回動が許容され、第1連結部78が第1回転部74に連結されると共に第2連結部79が第2回転部75に連結された状態で、トナーコンテナ50の操作部54及び開閉機構53はロック状態が解除される。
次に、操作部54のレバー67を回動させることによってトナー排出口52を開放させる。具体的には、レバー67を前記第3操作位置(図17(D)、図18(D)参照)から前記第2操作位置(図17(C)、図18(C)参照)へ向けて回動させる。
トナーコンテナ50が支持プレート43に装着された状態で操作部54のレバー67を回動させると、操作部54の軸部66を介して第1連結部78に前記操作駆動力が入力される。これにより、軸部66及び第1連結部78がレバー67と一体に時計回り方向に回転する(図8(B)、図17(B)参照)。つまり、第1連結部78は、レバー67の回動角度と同じ角度だけ回転する。
このとき、摺接部112の頂部1121が被摺接部672の被摺接面672Aに摺接し始めてから摺接部112の頂部1121が被摺接面672Aから離れるまでは、摺接部112が被摺接面672Aを介してレバー67を前記第1操作位置に押し戻すように付勢する。これにより、ユーザーによるレバー67の回動操作に抵抗力を与える。その結果、ユーザーは、レバー67が前記第2操作位置に達したことを感知することができるとともに、レバー67の良好な操作感をユーザーに与えることができる。
図18(C)に示されるように、レバー67が前記第1操作位置から前記第2操作位置に達すると、係合部673は、カバー72の予め定められた位置に設けられた凹部72Fに係合する。これにより、レバー67は前記第2操作位置に保持される。
第1連結部78は、駆動伝達機構76の第1回転部74に連結されているので、この第1回転部74と一体に回転する。装置本体28側では、図19に示すように、第1回転部74の第1ギヤ部74Aが中間回転部の中間ギヤ部81Aに噛み合っており、中間ギヤ部81Aは第2回転部75の第2ギヤ部75Aに噛み合っているので、第2回転部75は、第1回転部74から中間回転部を介して前記操作駆動力が伝達されて、第1回転部74の回転方向と同じ回転方向に回転する。
第2回転部75はトナーコンテナ50の第2連結部79に連結されているので、第2連結部79は、この第2回転部75と一体に回転する。そうして、第2連結部79が回転することにより、その第2連結部79と一体にシリンダ61が開位置側へ回転する。
トナー排出口52を閉じる時は、操作部54のレバー67を前記第2操作位置(図8(B)、図17(C)参照)から前記第1操作位置(図8(A)、図17(A)参照)へ回動させる。この回動にともない、軸部66及び第1連結部78がレバー67と一体に反時計回り方向に回転する(図8(A)参照)。つまり、第1連結部78は、レバー67の回動角度と同じ角度だけ回転する。
装置本体28側では、図19に示すように、第2回転部75は、第1回転部74から中間回転部を介して前記操作駆動力が伝達されて、第1回転部74の回転方向と同じ回転方向に回転する。第2回転部75はトナーコンテナ50の第2連結部79に連結されているので、第2連結部79は、この第2回転部75と一体に回転する。そうして、第2連結部79が回転することにより、その第2連結部79と一体にシリンダ61が閉位置側へ回転する。
このとき、摺接部112の頂部1121が被摺接部672の被摺接面672Aに摺接し始めてから摺接部112の頂部1121が被摺接面672Aから離れるまでは、摺接部112が被摺接面672Aを介してレバー67を前記第2操作位置に押し戻すように付勢する。これにより、ユーザーによるレバー67の回動操作に抵抗力を与えられ、ユーザーは、レバー67が前記第1操作位置に達したことを感知することができるとともに、レバー67の良好な操作感をユーザーに与えることができる。
また、図20(A)に示されるように、カバー72の予め定められた位置に設けられた被係合部7211に係合部673が引っ掛かり、これ以上のレバー67の回動が規制される。これによりレバー67が前記第1操作位置で移動規制される。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は前述した内容のものに限られず、種々の変形例が適用可能である。
レバー67及び開閉機構53をロックする構成及び駆動伝達機構76は前記実施形態に限定されるものではなく、次のような変形形態も採用可能である。
本実施形態では、図23、図24に示されるように、ロック部材100の下部は、操作部54及び開閉機構53のロック状態で、軸部66に一体形成されている突起部66Aと、シリンダ61に一体形成されている第1被係合部61Aとによって挟持されている。これにより、ロック部材100は、軸部66を図24における時計回り方向に回転させず、また、シリンダ61を図14における反時計回り方向に回転させない。つまり、ロック部材100によって、軸部66が時計回り方向へ回転することが規制され、また、シリンダ61が反時計回り方向へ回転することが規制される。なお、ロック部材100は、図14において上方へスライド移動されることによって、操作部54及び開閉機構53のロック状態を解除するように構成されている。
上述の実施形態では、4つのトナーコンテナ50を備えた画像形成装置10を例示したが、本発明は、1つのトナーコンテナ50を備えた画像形成装置にも適用可能である。
上述の実施形態では、レバー67が前記第3操作位置に配置可能な構成について例示したが、レバー67の操作位置として前記第3操作位置は必須ではない。