JP6147135B2 - 着色感光性樹脂組成物、硬化膜、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子、および画像表示装置 - Google Patents

着色感光性樹脂組成物、硬化膜、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子、および画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、液晶表示素子(LCD)や固体撮像素子(CCD、CMOSなど)等に用いられるカラーフィルタを作製するのに好適な着色感光性樹脂組成物、前記組成物により作製された着色領域を有するカラーフィルタ、および、前記カラーフィルタを有する固体撮像素子、有機LED用液晶表示装置などの画像表示装置に関する。
近年、パーソナルコンピュータ、特に大画面液晶テレビの発達に伴い、液晶ディスプレイ(LCD)、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。更なる高画質化の要求から有機ELディスプレイの普及も待ち望まれている。一方、デジタルカメラ、カメラ付き携帯電話の普及から、CCDイメージセンサーなどの固体撮像素子も需要が大きく伸びている。
これらのディスプレイや光学素子のキーデバイスとしてカラーフィルタが使用されており、更なる高画質化の要求とともにコストダウンへの要求が高まっている。このようなカラーフィルタは、通常、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3原色の着色パターンを備えており、表示デバイスや撮像素子において、通過する光を3原色へ分画する役割を果たしている。
カラーフィルタに使用されている着色剤としては、顔料を用いることが一般的であり、例えば、特許文献1〜3に記載の着色組成物が開示されている。
特開2007−156395号公報 特開2008−310000号公報 特開2009−251481号公報(特許第5117913号)
ところで、カラーフィルタを薄膜化することでクロストーク(光の混色)が軽減されるが、分光の形は維持したまま薄膜化が求められるため、固形分中の顔料濃度を大幅に上げることが求められる。このため、特許文献1〜3に記載の組成物では、相対的にリソグラフィーに必要な成分の含有量が少なくなり、パターン形成が困難となる傾向にある。
このように、リソグラフィーに必要な成分の含有量を確保するために、少量の分散剤で良好な顔料分散物を得ることが重要な課題となっている。
本発明は、かかる課題を解決するものであって、少量の分散剤で良好な分散物を得ることが可能であり、良好なリソグラフィー(解像性)、パターン直線性、パターンの同色画素間の安定性および輝度ムラに優れる着色感光性樹脂組成物、前記着色感光性樹脂組成物を利用した、硬化膜、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子および画像表示装置に関する。
本発明者らは詳細に検討した結果、所定の顔料および所定の色素誘導体を用いることにより、上記課題を解決しうることを見出した。
具体的には、下記手段<1>により、好ましくは、<2>〜<15>により、上記課題は解決された。
<1>(A)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料、(B−1)下記一般式(I)で表される色素誘導体および/または(B−2)下記一般式(II)で表される色素誘導体、(C)分散剤、(D)光重合開始剤、ならびに(E)重合性化合物を含有し、(C)分散剤の含有量が、顔料100質量部に対し、20〜40質量部である着色感光性樹脂組成物。
(一般式(I)中、Dyeはn価の有機色素残基を表し、Xは単結合、−CONH−Y2−、−SO2NH−Y2−または−CH2NHCOCH2NH−Y2−(Y2は置換基を有していても良いアルキレン基またはアリーレン基を表す。)を表し、Y1は−NH−または−O−を表し、Zは、nが1を表す場合は水酸基、アルコキシ基、下記一般式(III)で表される基、または−NH−X−Dye(Xは一般式(I)中のXと同義である)を表し、nが2〜4の整数を表す場合はそれぞれ水酸基、アルコキシ基、または下記一般式(III)で表される基を表し、R1およびR2はそれぞれ、置換基を有していても良いアルキル基を表し、R1とR2が互いに結合して窒素原子を含むヘテロ環を形成してもよい。mは1〜6の整数を表し、nは1〜4の整数を表す。nが2以上の場合、複数のX、Y1、R1、およびR2は、それぞれ、同一であってもよく、異なっていてもよい。)
(一般式(III)中、Y3は−NH−または−O−を表す。R1およびR2はそれぞれ、置換基を有していても良いアルキル基を表し、R1とR2が互いに結合して窒素原子を含むヘテロ環を形成してもよい。mは1〜6の整数を表す)
(一般式(II)中、Dyeは置換基を有していてもよいキノフタロン残基を表し、X1は、−NR’SO2−、−SO2NR’−、−CONR’−、−CH2NR’COCH2NR’−、または−NR’CO−を表し、X2は、置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリーレン基、または置換基を有していてもよい炭素数が4〜20の複素芳香環基を表し、これらの基は、−NR’−、−O−、−SO2−または−CO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。X3は、−NR’−または−O−を表す。R’は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表す。AおよびBは、それぞれ、下記一般式(1)で表される基、下記一般式(2)で表される基、−O−(CH2n−R8、−OR9、−NR1011、−Cl、−Fおよび−X3−X2−X1−Dyeから選ばれる基を表し、R8は置換されていてもよい含窒素複素環残基を表し、R9、R10、R11は、それぞれ、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20アルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表し、nは0〜20の整数を表す。AおよびBのいずれか一方は、下記一般式(1)で表される基、下記一般式(2)で表される基、−O−(CH2)n−R8、−OR9または−NR1011であり、tは1〜3の整数を表す。tが2以上の場合、複数のX1、X2、X3、A、およびBは同一であってもよく、異なっていてもよい。)
(一般式(1)中、Y1は−NR’−または−O−を表し、Y2は置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニレン基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリーレン基を表し、これらの基は、−NR’−、−O−、−SO2−、−CO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。R’は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表す。R1およびR2はそれぞれ、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基を表す。R1とR2が一体となって、更なる窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含み置換されていてもよい複素環構造を形成してもよい。
一般式(2)中、Z1はトリアジン環と窒素原子を結ぶ単結合、−NR’−、−NR’−G−CO−、NR’−G−CONR’’−、−NR’−G−SO2−、−NR’−G−SO2NR’’−、−O−G−CO−、−O−G−CONR’−、−O−G−SO2−または−O−G−SO2NR’−を表し、Gは置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニレン基または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリーレン基を表し、R’およびR’’は、それぞれ水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表す。R3、R4、R5、およびR6はそれぞれ、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表し、R7は置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基を表す。)
<2>さらに、黄色顔料を含む、<1>に記載の着色感光性樹脂組成物。
<3>黄色顔料が、C.I.ピグメントイエロー150および/またはC.I.ピグメントイエロー185である、<2>に記載の着色感光性樹脂組成物。
<4>(C)分散剤が、片末端に水酸基を有するビニル系重合体の水酸基とトリカルボン酸無水物またはテトラカルボン酸二無水物とを反応してなる、<1>〜<3>のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物。
<5>一般式(I)中、Dyeがベンズイミダゾロン骨格を有するモノアゾ色素構造を有する、<1>〜<4>のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物。
<6>一般式(II)中、キノフタロン残基が、下記一般式(II−1)で表される、<1>〜<5>のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物。
一般式(II−1)
(一般式(II−1)中、DおよびEはそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、DおよびEが結合したベンゼン環とともに形成し、置換基を有してもよい芳香環基または複素環基、ヒドロキシル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、カルボキシル基あるいはその塩あるいは炭素数1〜20のエステルあるいは炭素数1〜20のアミド、スルホン基あるいはその塩、スルファモイル基、−NR’R’’−、ニトロ基から選ばれるいずれかの基を表す。式中、R’およびR’’は、それぞれ、水素原子、置換基を有していてもよく炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基または置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基を表す。pは0〜4の整数を表し、qは4−pで算出される整数を表す。*は、一般式(II)におけるX1との結合部位を表す。)
<7>一般式(II)中、AおよびBは、一般式(1)で表される基または一般式(2)で表される基を表し、かつ、同一の基である、<1>〜<6>のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物。
<8>(A)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料が、C.I.ピグメントグリーン58である、<1>〜<7>のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物。
<9>組成物中の全固形分に対する、着色剤の合計量が、40質量%以上である、<1>〜<8>のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物。
<10>カラーフィルタの着色領域形成に用いられる<1>〜<9>のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物。
<11><1>〜<10>のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜。
<12><1>〜<10>のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物を支持体上に適用して着色感光性樹脂組成物層を形成する工程と、着色感光性樹脂組成物層をパターン状に露光する工程と、未露光部を現像除去して着色パターンを形成する工程とを含むカラーフィルタの製造方法。
<13><1>〜<10>のいずれかに記載の着色感光性樹脂組成物を支持体上に適用して着色感光性樹脂組成物層を形成し、硬化して着色層を形成する工程、
着色層上にフォトレジスト層を形成する工程、
露光および現像することによりフォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程、および
レジストパターンをエッチングマスクとして着色層をドライエッチングする工程を含む、カラーフィルタの製造方法。
<14><11>に記載の硬化膜を有するカラーフィルタ、または<12>または<13>に記載のカラーフィルタの製造方法によって製造したカラーフィルタ。
<15><14>に記載のカラーフィルタを有する固体撮像素子または画像表示装置。
本発明によれば、分散剤の含有量が少なくても良好な分散物が得られるので、良好なリソグラフィー(解像性)、パターン直線性、パターンの同色画素間の安定性および輝度ムラに優れる着色感光性樹脂組成物、前記着色感光性樹脂組成物を利用した、硬化膜、カラーフィルタ、カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子および画像表示装置の提供が可能となった。
パターン直線性の評価における判定基準を模式的に表した図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。また、本発明における有機EL素子とは、有機エレクトロルミネッセンス素子のことをいう。
本明細書において、全固形分とは、着色感光性樹脂組成物の全組成から溶剤を除いた成分の総質量をいう。
本明細書における基(原子団)の表記に於いて、置換および無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また、本明細書中における「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線または放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
また、本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレートおよびメタクリレートの双方、または、いずれかを表し、“(メタ)アクリル”はアクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表し、“(メタ)アクリロイル”はアクリロイルおよびメタクリロイルの双方、または、いずれかを表す。
また、本明細書において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本明細書における単量体は、オリゴマーおよびポリマーと区別され、重量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。本明細書において、重合性化合物とは、重合性官能基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。重合性官能基とは、重合反応に関与する基を言う。
本明細書において、重量平均分子量および数平均分子量は、GPC測定によるポリスチレン換算値として定義される。本明細書において、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、例えば、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super AWM―H(東ソー(株)製、6.0mmID×15.0cmを、溶離液として10mmol/L リチウムブロミドNMP(N−メチルピロリジノン)溶液を用いることによって求めることができる。
本明細書において、化学式中のMeはメチル基を、Etはエチル基を、Prはプロピル基を、Buはブチル基を、Phはフェニル基をそれぞれ示す。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、色特性に優れたな着色組成物を提供することを目的とする。
<着色感光性樹脂組成物>
本発明の着色感光性樹脂組成物(以下、単に、「本発明の組成物」ということがある)は、(A)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料、(B−1)一般式(I)で表される色素誘導体および/または(B−2)一般式(II)で表される色素誘導体(以下、まとめて、「(B)色素誘導体」ということがある)、(C)分散剤、(D)光重合開始剤、ならびに(E)重合性化合物を含有し、(C)分散剤の含有量が、顔料の合計量100質量部に対し、20〜40質量部であることを特徴とする。
本発明の組成物を用いることにより、分散剤の含有量を顔料100質量部に対し、20〜40質量部と少なくしても良好な分散物が得られるので、良好なリソグラフィー(解像性)、パターン直線性、パターンの同色画素間の安定性および輝度ムラに優れるようになる。このような本発明の効果が得られる理由は定かではないが、顔料として用いられるハロゲン化亜鉛フタロシアニンが有する分子構造の平面性が、非ハロゲン化フタロシアニンや銅フタロシアニンなどよりも高いことに依存していると考えられる。すなわち、顔料は、分散剤が相互作用により分散される際、分子の平面性が高いほうが吸着されやすいため、少量の分散剤でも分散が可能になったと考えられる。
また、本発明で用いる(B)色素誘導体は、トリアジン構造を有しており、トリアジン構造は平面性が高い化合物と強く吸着することから、平面性が高いハロゲン化亜鉛フタロシアニンが色素誘導体にもより強く吸着される。これらの結果、分散剤の含有量が少なくとても良好な分散物が得られると推定される。
以下、本発明の組成物について詳細に説明する。
<<(A)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料>>
本発明は、(A)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を含む。本発明におけるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、フタロシアニン骨格に置換している置換基がハロゲン原子のみであり、フタロシアニン分子(構造)1個当たり、ハロゲン原子が合計で、少なくとも2個最大で16個結合した構造の顔料である。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子の少なくとも1種を含むことが好ましく、塩素原子および/または臭素原子がより好ましく、塩素原子と臭素原子の両方を含むことがさらに好ましい。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料としては、例えば、下記一般式(F)で表される化合物が挙げられる。
(一般式(F)中、X1〜X16は、それぞれ、塩素原子、臭素原子または水素原子を表し、X1〜X16の少なくとも2つは塩素原子、又は臭素原子である。)
分子中に結合したハロゲン原子の数が増すと、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の色相は青色から緑色となる。ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料が緑色となるためには、分子に結合したハロゲン原子として、臭素原子を8個以上有することが好ましく、中でも臭素原子を12個以上有することが、一層黄味を帯びた明度の高い緑色を発色する点でより好ましい。塩素原子に比べて臭素原子がより多く含有されていることが、より黄味の緑色を得る上では好ましい。
中でも、X1〜X16のうち、の8個以上が臭素原子で置換されたものが、明度の高い緑色を呈することから、カラーフィルタの緑色画素(着色パターン)への使用に好適であり、臭素原子の置換数としては、10〜14個であることがより好ましい。また、X1〜X16のうち、水素原子を取るものは2つ以下が好ましい。
本発明において用いられるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、一次粒子の平均粒子径が0.01〜0.30μmのハロゲン化亜鉛フタロシアニンであることが好ましい。本発明における顔料の一次粒子の平均粒子径は、以下に示す方法により測定した値である。
本発明における平均一次粒子径とは、透過型電子顕微鏡で視野内の粒子を撮影し、二次元画像上の、凝集体を構成するハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の一次粒子の100個につき、その長い方の径(長径)と短い方の径(短径)の平均値を各々求め、それを平均した値である。
本発明の組成物には、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料が、1種のみ用いられてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。例えば、前記一般式(F)において、臭素原子及び塩素原子から選択されるハロゲン原子の置換数が互いに異なる複数種の、特定のハロゲン原子組成のポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料を特定割合にて含有するものであってもよい。
好ましい態様としては、臭素原子を16個含有するポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料と、臭素原子を15個と塩素原子を1個含有するポリハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料との組み合わせなどが挙げられる。また、両者の割合としては、80:20〜100:0の範囲であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物に含まれる(A)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の平均組成は、マススペクトロスコピーに基づく質量分析と、フラスコ燃焼イオンクロマトグラフによるハロゲン含有量分析から求められ、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料組成物中の個々の特定ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の含有モル%も、同様に質量分析の結果を解析することにより、容易に求められる。
本発明に好適に用いうるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料は、特開2007−320986公報、特開2008−19383号公報に記載の方法により製造することができる。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料としては、C.I.ピグメントグリーン58が挙げられる。
本発明の組成物におけるハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の量は、全顔料成分の20〜100質量%であることが好ましく、30〜90質量%であることがより好ましく、40〜80質量%であることがさらに好ましい。
−その他の顔料−
本発明の組成物は、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料以外の他の顔料を含んでいても良い。具体的には、特開2012−219106号公報の段落番号0046〜0052に記載のものを採用でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。本発明では、黄色顔料が好ましい。他の顔料は、1種のみ用いても良いし、2種以上用いても良い。
有機顔料としては、例えばアゾ顔料、アゾメチン顔料、イソインドリン顔料、キノフタロン顔料などが挙げられる。中でも、分散安定性という理由により、アゾ顔料、イソインドリン顔料が好ましく、具体的には、例えば、C.I.ピグメントイエロー11,24,31,53,83,93,99,108,109,110,138,139,147,150,151,154,155,167,180,185,199などが挙げられる。
これらの中でも、C.I.ピグメントイエロー150(アゾ顔料)、C.I.ピグメントイエロー139,185(イソインドリン顔料)が好ましい。
本発明で用いるその他の顔料としては、その他の顔料を構成する分子中に環構造を1つまたは2つ有することが好ましい。ここで、縮合環は縮合環全体で1つの環構造とする。
環構造が3つ以上の顔料よりも、環構造が1つまたは2つの顔料の方がより分子間相互作用が小さい方向であるため、分散(微粒子化)時に顔料が解れ易いと考えられる。また、顔料が解れることでその粒子数が増加すると、ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料への吸着が起こり易くなり、凝集力の強いフタロシアニン同士の再凝集を抑制するため、輝度ムラに寄与する粗大粒子や粘度安定性(増粘抑制)に効果があるものと推定される。顔料を構成する分子中に環構造を1つまたは2つ有する顔料は黄色顔料であることが好ましく、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー185がより好ましい。
本発明の組成物は、(A)顔料以外の公知の染料を含んでいてもよい。例えば特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許4808501号明細書、米国特許5667920号明細書、米国特許505950号明細書、米国特許5667920号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報等に開示されている色素を使用できる。化学構造としては、ピラゾールアゾ系、ピロメテン系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系等の染料を使用できる。
また、染料としては色素多量体を用いてもよい。色素多量体としては、特開2011−213925号公報、特開2013−041097号公報に記載されている化合物が挙げられる。
本発明の組成物における顔料の含有量は、フタロシアニン顔料と他の顔料の合計で、着色感光性樹脂組成物に含有される溶剤を除いた全成分に対して、40質量%以上が好ましく、より好ましくは45〜70質量%であり、さらに好ましくは50〜65質量%である。本発明の組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で染料も含んでいても良く、染料を含む場合、着色剤(染料および顔料)の合計が上記範囲となることが好ましい。
顔料は、本発明の組成物中に1種のみ含まれていても良いし、2種以上含まれていても良い。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<(B)色素誘導体>>
本発明の組成物は、(B)色素誘導体として、(B−1)一般式(I)で表される色素誘導体および/または(B−2)一般式(II)で表される色素誘導体を含む。以下、(B−1)一般式(I)で表される色素誘導体、および(B−2)一般式(II)で表される色素誘導体について説明する。
−(B−1)一般式(I)で表される色素誘導体−
(一般式(I)中、Dyeはn価の有機色素残基を表し、Xは単結合、−CONH−Y2−、−SO2NH−Y2−または−CH2NHCOCH2NH−Y2−(Y2は置換基を有していても良いアルキレン基またはアリーレン基を表す。)を表し、Y1は−NH−または−O−を表し、Zは、nが1を表す場合は水酸基、アルコキシ基、下記一般式(III)で表される基、または−NH−X−Dye(Xは一般式(I)中のXと同義である)を表し、nが2〜4の整数を表す場合はそれぞれ水酸基、アルコキシ基、または下記一般式(III)で表される基を表し、R1およびR2はそれぞれ、置換基を有していても良いアルキル基を表し、R1とR2が互いに結合して窒素原子を含むヘテロ環を形成してもよい。mは1〜6の整数を表し、nは1〜4の整数を表す。nが2以上の場合、複数のX、Y1、R1、およびR2は、それぞれ、同一であってもよく、異なっていてもよい。)
(一般式(III)中、Y3は−NH−または−O−を表す。R1およびR2はそれぞれ、置換基を有していても良いアルキル基を表し、R1とR2が互いに結合して窒素原子を含むヘテロ環を形成してもよい。mは1〜6の整数を表す)
Dyeはn価の有機色素残基を表す。有機色素残基としては、前記の如く顔料における発色原子団、その類似構造、或いは部分構造が挙げられ、具体的には、アゾ基を有する骨格、ウレア構造を有する骨格、アミド構造を有する骨格、環状アミド構造を有する骨格、ヘテロ原子含有5員環を有する芳香族環、及び、ヘテロ原子含有6員環を有する芳香族環から選択される1種以上の部分構造を含む構造が挙げられ、Dyeはこれらの有機色素残基を含む置換基である。
Dyeとしては、好ましくは顔料母核構造、又は顔料母核構造と芳香環、或いは含窒素芳香環、或いは含酸素芳香環、或いは含硫黄芳香環を有し、アミノ基は顔料母核構造、芳香環、含窒素芳香環、含酸素芳香環、含硫黄芳香環のいずれかに直接或いは連結基により結合されている。具体的には、キノリン系残基、ベンズイミダゾロン系残基、イソインドリン系残基、ジケトピロロピロール系残基、アゾ系残基、フタロシアニン系残基、アントラキノン系残基、キナクリドン系残基、ジオキサジン系残基、ペリノン系残基、ペリレン系残基、チオインジゴ系残基、イソインドリン系残基、イソインドリノン系残基、キノフタロン系残基、スレン系残基、金属錯体系残基等が挙げられる。
Dyeが表す有機色素残基としては、具体的には、銅フタロシアニン残基、以下の有機色素残基などが挙げられる。式中、*は一般式(I)中のXとの結合部位を表す。
これらの中でも、ベンズイミダゾロン骨格を有するモノアゾ色素が好ましい。
Xは、単結合、−CONH−Y2−、−SO2NH−Y2−または−CH2NHCOCH2NH−Y2−を表し、単結合が好ましい。
2は置換基を有していても良いアルキレン基またはアリーレン基を表す。前記アルキレン基としては、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基がさらに好ましい。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などが挙げられる。アルキレン基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、前記置換基の項で述べた基が挙げられる。
前記アリーレン基としては、炭素数6〜20のアリーレン基が好ましく、炭素数6〜10のアリーレン基がより好ましい。具体的には、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基などが挙げられる。
アルキレン基およびアリーレン基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、前記置換基の項で述べた基が挙げられる。
1は−NH−または−O−を表し、−NH−が好ましい。
1およびR2はそれぞれ、置換基を有していても良いアルキル基を表し、R1とR2が互いに結合して窒素原子を含むヘテロ環を形成してもよい。
前記アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、プチル基、イソプチル基、tert−プチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、前記置換基の項で述べた基が挙げられる。
1およびR2は同一の置換基を有していてもよいアルキル基を表すことが好ましい。
mは1〜6の整数を表し、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましい。
nは1〜4の整数を表し、1〜3が好ましく、1または2がより好ましい。
Zは、nが1を表す場合は水酸基、アルコキシ基、下記一般式(III)で表される基、または−NH−X−Dye(Xは一般式(I)中のXと同義である)を表し、nが2〜4の整数を表す場合はそれぞれ水酸基、アルコキシ基、または下記一般式(III)で表される基を表す。
nが1を表す場合、Zは、下記一般式(III)で表される基、または−NH−X−Qが好ましく、下記一般式(III)で表される基であることがより好ましい。
nが2〜4の整数を表す場合、Zは、下記一般式(III)で表される基であることが好ましい。
一般式(III)
(一般式(III)中、Y3は−NH−または−O−を表す。R1およびR2はそれぞれ、置換基を有していても良いアルキル基を表し、R1とR2が互いに結合して窒素原子を含むヘテロ環を形成してもよい。mは1〜6の整数を表す)
3は−NH−または−O−を表し、−NH−が好ましい。Y3は一般式(I)におけるY1と同一の基を表すことが好ましい。
一般式(III)におけるR1およびR2はそれぞれ、置換基を有していても良いアルキル基を表し、一般式(I)におけるR1およびR2と同義であり、好ましい範囲も同様である。一般式(III)におけるR1およびR2は、同一の置換基を有していてもよいアルキル基を表すことが好ましい。また、一般式(III)におけるR1およびR2は、一般式(I)におけるR1およびR2と同一の置換基を有していてもよいアルキル基を表すことが好ましい。
mは1〜6の整数を表し、1〜4が好ましく、1〜3がより好ましい。mは一般式(I)におけるmと同一の整数を表すことが好ましい。
以下、本発明に用いられる塩基性色素誘導体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
−(B−2)一般式(II)で表される色素誘導体−
一般式(II)
(一般式(II)中、Dyeは置換基を有していてもよいキノフタロン残基を表し、X1は、−NR’SO2−、−SO2NR’−、−CONR’−、−CH2NR’COCH2NR’−、または−NR’CO−を表し、X2は、置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリーレン基、または置換基を有していてもよい炭素数が4〜20の複素芳香環基を表し、これらの基は、−NR’−、−O−、−SO2−または−CO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。X3は、−NR’−または−O−を表す。R’は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表す。AおよびBは、それぞれ、下記一般式(1)で表される基、下記一般式(2)で表される基、−O−(CH2n−R8、−OR9、−NR1011、−Cl、−Fおよび−X3−X2−X1−Dyeから選ばれる基を表し、R8は置換されていてもよい含窒素複素環残基を表し、R9、R10、R11は、それぞれ、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20アルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表し、nは0〜20の整数を表す。AおよびBのいずれか一方は、下記一般式(1)で表される基、下記一般式(2)で表される基、−O−(CH2)n−R8、−OR9または−NR1011であり、tは1〜3の整数を表す。tが2以上の場合、複数のX1、X2、X3、A、およびBは同一であってもよく、異なっていてもよい。)
(一般式(1)中、Y1は−NR’−または−O−を表し、Y2は置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニレン基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリーレン基を表し、これらの基は、−NR’−、−O−、−SO2−、−CO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。R’は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表す。R1およびR2はそれぞれ、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基を表す。R1とR2が一体となって、更なる窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含み置換されていてもよい複素環構造を形成してもよい。
一般式(2)中、Z1はトリアジン環と窒素原子を結ぶ単結合、−NR’−、−NR’−G−CO−、NR’−G−CONR’’−、−NR’−G−SO2−、−NR’−G−SO2NR’’−、−O−G−CO−、−O−G−CONR’−、−O−G−SO2−または−O−G−SO2NR’−を表し、Gは置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニレン基または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリーレン基を表し、R’およびR’’は、それぞれ水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表す。R3、R4、R5、およびR6はそれぞれ、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表し、R7は置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基を表す。)
一般式(II)中、Dyeは、置換基を有していてもよいキノフタロン残基を表す。キノフタロン残基としては、具体的には以下の一般式(II−1)で表される。
一般式(II−1)
(一般式(II−1)中、DおよびEはそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、DおよびEが結合したベンゼン環とともに形成し、置換基を有してもよい芳香環基または複素環基、ヒドロキシル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、カルボキシル基あるいはその塩あるいは炭素数1〜20のエステルあるいは炭素数1〜20のアミド、スルホン基あるいはその塩、スルファモイル基、−NR’R’’−、ニトロ基から選ばれるいずれかの基を表す。式中、R’およびR’’は、それぞれ、水素原子、置換基を有していてもよく炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基または置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基を表す。pは0〜4の整数を表し、qは4−pで算出される整数を表す。*は、一般式(II)におけるX1との結合部位を表す。)
DおよびEはそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、DおよびEが結合したベンゼン環とともに形成し、置換基を有してもよい芳香環基または複素環基、ヒドロキシル基、炭素数1〜3のアルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基)、カルボキシル基あるいはその塩あるいは炭素数1〜20のエステルあるいは炭素数1〜20のアミド、スルホン基あるいはその塩、スルファモイル基、−NR’R’’−、ニトロ基から選ばれるいずれかの基を表す。R’およびR’’は、それぞれ、水素原子、置換基を有していてもよく炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基または置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基を表す。
炭素数1〜20のアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、プチル基、イソプチル基、tert−プチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。
芳香環基または複素環基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、チオフェン環基、ピリジン環基、ピロール環基などが挙げられる。
DおよびEが表わす芳香環基または複素環基、R’およびR’’が表わす炭素数1〜20のアルキル基、炭素数2〜20のアルケニル基、および炭素数6〜20のアリール基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、前記置換基の項で述べた基が挙げられる。
これらの中でも、DおよびEは、水素原子、ハロゲン原子であることが好ましい。
pは、0〜4の整数を表し、1〜4の整数がより好ましく、4がさらに好ましい。qは、4−pで算出される整数を表し、具体的には、0〜3の整数が好ましく、2〜3がより好ましく、4がさらに好ましい。
一般式(II)におけるX1との結合部位としては、特に制限はないが、キノフタロン残基中のキノリン骨格の5位または8位が結合部位であることが好ましく8位が結合部位であることがより好ましい。
一般式(II)中、X1は、−NR’SO2−、−SO2NR’−、−CONR’−、−CH2NR’COCH2NR’−、または−NR’CO−を表し、−NR’SO2−が好ましい。なお、tが2以上の場合、複数のX1は同一であってもよく、異なっていてもよい。
上記X1中のR’は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表し、水素原子が好ましい。
前記炭素数が1〜20のアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、プチル基、イソプチル基、tert−プチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。
前記炭素数2〜20のアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜6のアルケニル基がより好ましい。具体的には、エチニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などが挙げられる。
前記炭素数6〜20のアリール基としては、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などが挙げられる。
これらは、置換基を有していてもよく、置換基としては、前記置換基の項で述べた基が挙げられる。
一般式(II)中、X2は、置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリーレン基、または置換基を有していてもよい炭素数が4〜20の複素芳香環基を表し、これらの基は、−NR’−、−O−、−SO2−または−CO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい(R’は上記X1中のR’と同義であり、好ましい範囲も同様である。)。なお、tが2以上の場合、複数のX2は同一であってもよく、異なっていてもよい。
炭素数6〜20のアリーレン基は、炭素数6〜10のアリーレン基が好ましく、具体的には、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基などが挙げられる。
炭素数4〜20の複素芳香環基は、炭素数4〜10の複素芳香環基が好ましく、具体的には、チオフェン環基、ピリジン環基、ピロール環基などが挙げられる。
これらは、置換基を有していてもよく、置換基としては、前記置換基の項で述べた基が挙げられる。
3は、−NR’−または−O−を表し、−NR’−が好ましい。なお、tが2以上の場合、複数のX3は同一であってもよく、異なっていてもよい。R’は上記R’と同義であり、好ましい範囲も同様である。
AおよびBは、それぞれ、下記一般式(1)、もしくは下記一般式(2)で表される基、−O−(CH2n−R8、−OR9、−NR1011、−Cl、−Fまたは−X3−X2−X1−Dyeから選ばれる基を表し、AおよびBのいずれか一方は、下記一般式(1)もしくは(2)で表される基、−O−(CH2)n−R8、−OR9、または−NR1011である。中でも、AおよびBは、ともに下記一般式(1)、または下記一般式(2)で表される基が好ましく、AおよびBは下記一般式(1)、または下記一般式(2)で表される基であり、かつAおよびBが同一の基であることがより好ましい。
8は置換されていてもよい含窒素複素環残基を表し、具体的には、ピロール環残基、ピリジン環残基などが挙げられる。
9、R10、R11は、それぞれ、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20アルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表す。R9、R10、R11は、上記R’と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(1)
(一般式(1)中、Y1は−NR’−または−O−を表し、Y2は置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニレン基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリーレン基を表し、これらの基は、−NR’−、−O−、−SO2−、−CO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。R’は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表す。R1、R2は各々独立に、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基を表す(R1とR2が一体となって、更なる窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含み置換されていてもよい複素環構造を形成してもよい。)
1は−NR’−または−O−を表し、−NR’−が好ましい。R’は上記R’と同義であり、好ましい範囲も同様である。
2は置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニレン基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリーレン基を表し、これらの基は、−NR’−、−O−、−SO2−、−CO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい(R’は上記R’と同義であり、好ましい範囲も同様である。)。
前記炭素数が1〜20のアルキレン基としては、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基がさらに好ましい。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などが挙げられる。アルキレン基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、前記置換基の項で述べた基が挙げられる。
前記炭素数が2〜20のアルケニレン基としては、炭素数1〜10のアルケニレン基が好ましく、炭素数1〜6のアルケニレン基がより好ましく、炭素数1〜3のアルケニレン基がさらに好ましい。具体的には、エチニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基、ペンチニレン基、ヘキシニレン基などが挙げられる。アルケニレン基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、前記置換基の項で述べた基が挙げられる。
前記炭素数が6〜20のアリーレン基としては、炭素数6〜20のアリーレン基が好ましく、炭素数6〜10のアリーレン基がより好ましい。具体的には、フェニレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基などが挙げられる。アリーレン基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、前記置換基の項で述べた基が挙げられる。
1、R2は各々独立に、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基を表す(R1とR2が一体となって、更なる窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含み置換されていてもよい複素環構造を形成してもよい。
前記炭素数が1〜20のアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、プチル基、イソプチル基、tert−プチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。
前記炭素数2〜20のアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜6のアルケニル基がより好ましい。具体的には、エチニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などが挙げられる。
これらの基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、前記置換基の項で述べた基が挙げられる。R1、R2は、同一の基を表すことが好ましい。
一般式(2)
(一般式(2)中、Z1はトリアジン環と窒素原子を結ぶ単結合、−NR’−、−NR’−G−CO−、NR’−G−CONR’’−、−NR’−G−SO2−、−NR’−G−SO2NR’’−、−O−G−CO−、−O−G−CONR’−、−O−G−SO2−または−O−G−SO2NR’−を表し、Gは置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニレン基または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリーレン基を表し、R’およびR’’は、それぞれ水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表す。R3、R4、R5、およびR6はそれぞれ、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表し、R7は置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基を表す。)
1はトリアジン環と窒素原子を結ぶ単結合、−NR’−、−NR’−G−CO−、NR’−G−CONR’’−、−NR’−G−SO2−、−NR’−G−SO2NR’’−、−O−G−CO−、−O−G−CONR’−、−O−G−SO2−または−O−G−SO2NR’−を表し、単結合が好ましい。
R’およびR’’は、それぞれ水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表す。R’およびR’’は、一般式(1)中のR’と同義であり、好ましい範囲も同様である。
Gは置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニレン基または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリーレン基を表す。Gは、一般式(1)におけるY2と同義であり、好ましい範囲も同様である。
3、R4、R5、およびR6はそれぞれ、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表す。R3、R4、R5、およびR6は、一般式(1)中のR’と同義であり、好ましい範囲も同様である。
7は置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基を表す。R7は、一般式(1)中のR1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(II)におけるtは、1〜3の整数を表し、1または2が好ましく、1がより好ましい。
以下、本発明に用いられる一般式(II)で表される色素誘導体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明における(B)色素誘導体の含有量としては、フタロシアニン顔料と他の顔料の合計100質量部に対して、0.5質量部以上50質量部以下であることが好ましく、1質量部以上25質量部以下であることがより好ましい。
色素誘導体は、本発明の組成物中に1種のみ含まれていても良いし、2種以上含まれていても良い。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
<<(C)分散剤>>
本発明の組成物は、(C)分散剤を含有し、前記分散剤の含有量は顔料100質量部に対し20〜40質量部である。本発明では、分散剤の含有量が少なくても良好な分散物が得られるので、良好なリソグラフィー(解像性)、パターン直線性、パターンの同色画素間の安定性および輝度ムラに優れるようになる。本発明における(C)分散剤の含有量は、フタロシアニン顔料と他の顔料の合計100質量部に対し22〜38質量部が好ましく、25〜35質量部がより好ましい。
分散剤は、本発明の組成物中に1種のみ含まれていても良いし、2種以上含まれていても良い。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
本発明に用いうる分散剤としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、および、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン等の界面活性剤、および、顔料誘導体等を挙げることができる。
高分子分散剤は、その構造からさらに直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子としては、例えば、特開平3−112992号公報、特表2003−533455号公報等に記載の末端にりん酸基を有する高分子、特開2002−273191号公報等に記載の末端にスルホン酸基を有する高分子、特開平9−77994号公報等に記載の有機色素の部分骨格や複素環を有する高分子などが挙げられる。また、特開2007−277514号公報に記載の高分子末端に2個以上の顔料表面へのアンカー部位(酸基、塩基性基、有機色素の部分骨格やヘテロ環等)を導入した高分子も分散安定性に優れ好ましい。
顔料表面へのアンカー部位を有するグラフト型高分子としては、例えば、ポリエステル系分散剤等が挙げられ、具体的には、特開昭54−37082号公報、特表平8−507960号公報、特開2009−258668号公報等に記載のポリ(低級アルキレンイミン)とポリエステルの反応生成物、特開平9−169821号公報等に記載のポリアリルアミンとポリエステルの反応生成物、特開平10−339949号公報、特開2004−37986号公報、国際公開パンフレットWO2010/110491等に記載のマクロモノマーと、窒素原子モノマーとの共重合体、特開2003−238837号公報、特開2008−9426号公報、特開2008−81732号公報等に記載の有機色素の部分骨格や複素環を有するグラフト型高分子、特開2010−106268号公報等に記載のマクロモノマーと酸基含有モノマーの共重合体等が挙げられる。特に、特開2009−203462号公報に記載の塩基性基と酸性基を有する両性分散樹脂は、顔料分散物の分散性、分散安定性、および顔料分散物を用いた着色感光性樹脂組成物が示す現像性の観点から特に好ましい。
顔料表面へのアンカー部位を有するグラフト型高分子をラジカル重合で製造する際に用いるマクロモノマーとしては、公知のマクロモノマーを用いることができ、東亜合成(株)製のマクロモノマーAA−6(末端基がメタクリロイル基であるポリメタクリル酸メチル)、AS−6(末端基がメタクリロイル基であるポリスチレン)、AN−6S(末端基がメタクリロイル基であるスチレンとアクリロニトリルの共重合体)、AB−6(末端基がメタクリロイル基であるポリアクリル酸ブチル)、ダイセル化学工業(株)製のプラクセルFM5(メタクリル酸2−ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン5モル当量付加品)、FA10L(アクリル酸2−ヒドロキシエチルのε−カプロラクトン10モル当量付加品)、および特開平2−272009号公報に記載のポリエステル系マクロモノマー等が挙げられる。これらの中でも、特に柔軟性且つ親溶剤性に優れるポリエステル系マクロモノマーが、顔料分散物の分散性、分散安定性、および顔料分散物を用いた着色感光性樹脂組成物が示す現像性の観点から特に好ましく、さらに、特開平2−272009号公報に記載のポリエステル系マクロモノマーで表されるポリエステル系マクロモノマーが最も好ましい。
顔料表面へのアンカー部位を有するブロック型高分子としては、特開2003−49110号公報、特開2009−52010号公報等に記載のブロック型高分子が好ましい。
本発明に用いうる分散剤は、市販品としても入手可能であり、そのような具体例としては、楠木化成株式会社製「DA−7301」、BYKChemie社製「Disperbyk−101(ポリアミドアミン燐酸塩)、107(カルボン酸エステル)、110(酸基を含む共重合物)、130(ポリアミド)、161、162、163、164、165、166、170(高分子共重合物)」、「BYK−P104、P105(高分子量不飽和ポリカルボン酸)、EFKA社製「EFKA4047、4050〜4010〜4165(ポリウレタン系)、EFKA4330〜4340(ブロック共重合体)、4400〜4402(変性ポリアクリレート)、5010(ポリエステルアミド)、5765(高分子量ポリカルボン酸塩)、6220(脂肪酸ポリエステル)、6745(フタロシアニン誘導体)、6750(アゾ顔料誘導体)」、味の素ファンテクノ社製「アジスパーPB821、PB822、PB880、PB881」、共栄社化学社製「フローレンTG−710(ウレタンオリゴマー)」、「ポリフローNo.50E、No.300(アクリル系共重合体)」、楠本化成社製「ディスパロンKS−860、873SN、874、#2150(脂肪族多価カルボン酸)、#7004(ポリエーテルエステル)、DA−703−50、DA−705、DA−725」、花王社製「デモールRN、N(ナフタレンスルホン酸ホルマリン重縮合物)、MS、C、SN−B(芳香族スルホン酸ホルマリン重縮合物)」、「ホモゲノールL−18(高分子ポリカルボン酸)」、「エマルゲン920、930、935、985(ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル)」、「アセタミン86(ステアリルアミンアセテート)」、日本ルーブリゾール(株)製「ソルスパース5000(フタロシアニン誘導体)、22000(アゾ顔料誘導体)、13240(ポリエステルアミン)、3000、17000、27000(末端部に機能部を有する高分子)、24000、28000、32000、38500(グラフト型高分子)」、日光ケミカル者製「ニッコールT106(ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート)、MYS−IEX(ポリオキシエチレンモノステアレート)」、川研ファインケミカル(株)製 ヒノアクトT−8000E等、信越化学工業(株)製、オルガノシロキサンポリマーKP341、裕商(株)製「W001:カチオン系界面活性剤」、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤、「W004、W005、W017」等のアニオン系界面活性剤、森下産業(株)製「EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450」、サンノプコ(株)製「ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100」等の高分子分散剤、(株)ADEKA製「アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123」、および三洋化成(株)製「イオネット(商品名)S−20」等が挙げられる。
これらの分散剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、特に、顔料誘導体と高分子分散剤とを組み合わせて使用することが好ましい。また、顔料分散剤は、前記顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子と伴に、アルカリ可溶性樹脂と併用して用いても良い。アルカリ可溶性樹脂としては、(メタ)アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、が挙げられるが、特に(メタ)アクリル酸共重合体が好ましい。また、特開平10−300922号公報に記載のN位置換マレイミドモノマー共重合体、特開2004−300204号公報に記載のエーテルダイマー共重合体、特開平7−319161号公報に記載の重合性基を含有するアルカリ可溶性樹脂も好ましい。
また、以下の構造を有する分散剤を用いることも好ましい。
(上記において、aは、2.0、bは4.0、酸価10mgKOH/g、Mw20000である。また、a及びbは、それぞれ、括弧内で表される部分構造の数を表し、a+b=6を満たす。)
本発明では、(C)分散剤として、特に、片末端に水酸基を有するビニル系重合体の水酸基とトリカルボン酸無水物またはテトラカルボン酸二無水物とを反応してなる分散剤を用いることが好ましい。以下、片末端に水酸基を有するビニル系重合体の水酸基とトリカルボン酸無水物またはテトラカルボン酸二無水物とを反応してなる分散剤について説明する。このような化合物を用いることにより、(B)顔料誘導体が有する複素環との間での吸着力が向上し、本発明の効果がより効果的に発揮される。
−片末端に水酸基を有するビニル系重合体−
片末端に水酸基を有するビニル系重合体としては、下記一般式(1)で示される重合体が好ましい。一般式(1)で表される重合体はエチレン性不飽和単量体を重合せしめたビニル系重合体である。
一般式(1)
(一般式(1)中、Y2は、ビニル重合体の重合停止基を表し、Z2は、−OH、又はR28(OH)2を表し、R28は、炭素数1〜18の3価の炭化水素基を表し、R21及びR22は、それぞれ水素原子又はメチル基を表し、R23及びR24は、いずれか一方が水素原子を表し、他の一方が芳香族基、又は−C(=O)−X6−R25(但し、X6は、−O−若しくは−N(R26)−を表し、R25及びR26は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜18の直鎖状若しくは分岐状の、置換基として芳香族基を有していてもよいアルキル基を表す)、X4は、単結合、−O−R27−又はS−R27−を表し、R27は、炭素数1〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を表し、nは、2〜50の整数を表す。)
2は、ビニル重合体の重合停止基を表し、通常のエチレン性不飽和単量体の重合を通常の方法で実施した場合に導入される任意の公知重合停止基である。例えば、重合開始剤由来の基、連鎖移動剤由来の基、溶剤由来の基、又はエチレン性不飽和単量体由来の基であることができる。Y2がこれらのいずれの化学構造を有していても、本発明の分散剤は、重合停止基Y2の影響を受けずに、その効果を発揮することができる。重合停止基としては、カルボン酸残基、アルコール残基などが挙げられ、カルボン酸残基であることが好ましい。
2は、−OH、又はR28(OH)2を表し、−OHが好ましい。
28は、炭素数1〜18の3価の炭化水素基を表す。R28は、炭素数1〜18の3価の炭化水素基が好ましく、炭素数1〜10の3価の炭化水素基がより好ましく、炭素数1〜6の3価の炭化水素基がさらに好ましい。3価の炭化水素基としては、メタン、エタン、プロパン、2−メチルプロパン、ブタン、シクロヘプタン、及びシクロへキサン等の炭素数1〜18の飽和炭化水素分子から3個の水素原子を除いて形成されるアルカントリイル基、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ビフェニル、アセナフチレン、フェナレン、ピレン、及びピリジン等の炭素数6〜18の芳香族炭化水素分子から3個の水素原子を除いて形成される基等が挙げられ、ベンゼンから3個の水素原子を除いて形成される基が好ましい。
21及びR22は、それぞれ水素原子又はメチル基を表し、水素原子が好ましい。
23及びR24は、いずれか一方が水素原子を表し、他の一方が芳香族基、又は−C(=O)−X6−R25(但し、X6は、−O−若しくは−N(R26)−を表す。芳香族基は、炭素数6〜20の芳香族基が好ましく、炭素数6〜14の芳香族基がより好ましく、炭素数6〜10の芳香族基がさらに好ましい。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
6は、−O−または−N(R26)−を表し、R25及びR26は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜18の直鎖状若しくは分岐状、置換基として芳香族基を有していてもよいアルキル基を表す。炭素数1〜18の直鎖状若しくは分岐状アルキル基としては、炭素数1から10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、プチル基、イソプチル基、tert−プチル基、ネオペンチル基、n−へキシル基、n−オクチル基等が挙げられる。前記アルキル基が有する置換基としての芳香族基は、炭素数6〜20の芳香族基が好ましく、炭素数6〜14の芳香族基がより好ましく、炭素数6〜10の芳香族基がさらに好ましい。具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。
4は、単結合、−O−R27−又はS−R27−を表し、S−R27−が好ましい。
27は、炭素数1〜18の直鎖状若しくは分岐状のアルキレン基を表す。炭素数1〜18のアルキレン基としては、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基がより好ましい。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などが挙げられる。
nは、2〜50の整数を表し、2〜40の整数が好ましく、2〜30の整数がより好ましい。
前記一般式(1)で示される重合体の繰り返し単位の部分、すなわち、{−〔C(R21)(R23)−C(R22)(R24)〕n−}は、相互に同一のものからなる(ホモポリマー)であっても、異なるものからなる(コポリマー)でもよい。前記一般式(1)で示される重合体の好ましい形態は、R21及びR22が、いずれか一方が水素原子、他の一方が水素原子又はメチル基であり、R23及びR24は、いずれか一方が水素原子、他の一方が−C(=O)−O−R29(R29は炭素原子数1〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基で置換基として芳香族基を有していることができるもの)であり、−X4−Z2が、−S−CH2CH2−OH、もしくは−S−CH2CH(OH)CH2−OH、の場合である。
前記一般式(1)で示される重合体の製造方法は、特許第5117913号(特開2009−251481号公報)段落0044〜0060に記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
−トリカルボン酸無水物またはテトラカルボン酸二無水物−
トリカルボン酸無水物としては、まず、脂肪族トリカルボン酸無水物、又は芳香族トリカルボン酸無水物が挙げられる。
脂肪族トリカルボン酸無水物としては、例えば、3−カルボキシメチルグルタル酸無水物、1,2,4−ブタントリカルボン酸−1,2−無水物、cis−プロペン−1,2,3−トリカルボン酸−1,2−無水物、1,3,4−シクロペンタントリカルボン酸無水物などが挙げられる。
芳香族トリカルボン酸としては、例えば、ベンゼントリカルボン酸無水物(1,2,3−ベンゼントリカルボン酸無水物、トリメリット酸無水物(1,2,4−ベンゼントリカルボン酸無水物)など)、ナフタレントリカルボン酸無水物(1,2,4−ナフタレントリカルボン酸無水物、1,4,5−ナフタレントリカルボン酸無水物、2,3,6−ナフタレントリカルボン酸無水物、1,2,8−ナフタレントリカルボン酸無水物など)、3,4,4'−ベンゾフェノントリカルボン酸無水物、3,4,4'−ビフェニルエーテルトリカルボン酸無水物、3,4,4'−ビフェニルトリカルボン酸無水物、2,3,2'−ビフェニルトリカルボン酸無水物、3,4,4'−ビフェニルメタントリカルボン酸無水物、3,4,4'−ビフェニルスルホントリカルボン酸無水物などが挙げられる。
トリカルボン酸無水物を使用する場合、上記のうち芳香族トリカルボン酸無水物が好ましい。
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、脂肪族テトラカルボン酸二無水物、芳香族テトラカルボン酸二無水物、又は多環式テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、2,3,5,6−テトラカルボキシシクロヘキサン二無水物、2,3,5,6−テトラカルボキシノルボルナン二無水物、3,5,6−トリカルボキシノルボルナン−2−酢酸二無水物、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸二無水物、ビシクロ[2,2,2]−オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物などを挙げることができる。
芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、プロピレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、ブチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−テトラフェニルシランテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−フランテトラカルボン酸二無水物、4,4'−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物、4,4'−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、4,4'−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物、3,3',4,4'−パーフルオロイソプロピリデンジフタル酸二無水物、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(フタル酸)フェニルホスフィンオキサイド二無水物、p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、M−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4'−ジフェニルエーテル二無水物、ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4'−ジフェニルメタン二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二無水物、9,9−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]フルオレン二無水物などを挙げることができる。
多環式テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−6−メチル−1−ナフタレンコハク酸二無水物などを挙げることができる。
テトラカルボン酸二無水物を使用する場合、上記のうち芳香族テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
本発明で使用されるトリカルボン酸無水物またはテトラカルボン酸二無水物は、前記に例示した化合物に限らず、どのような構造をしていてもかまわない。これらは単独で用いても、併用してもかまわない。本発明に好ましく使用されるものは、顔料分散体又は各種インクの低粘度化の観点から芳香族トリカルボン酸無水物若しくは芳香族テトラカルボン酸二無水物である。更には、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、9,9−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)フルオレン二酸無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールジ無水トリメリット酸エステル、トリメリット酸無水物が好ましい。
次に、片末端に水酸基を有するビニル系重合体の水酸基と芳香族トリカルボン酸無水物の酸無水物基とを反応させる工程について説明する。
片末端に水酸基を有するビニル系重合体の水酸基のモル数を<H>、芳香族トリカルボン酸無水物のカルボン酸無水物基のモル数を<N>としたとき、反応比率は0.3≦<H>/<N>≦3が好ましく、更に好ましくは0.5≦<H>/<N>≦2の場合である。
片末端に水酸基を有するビニル系重合体と芳香族トリカルボン酸無水物との反応には触媒を用いてもかまわない。
触媒としては、例えば、3級アミン系化合物が使用でき、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、及び1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等が挙げられる。
片末端に水酸基を有するビニル系重合体の水酸基と芳香族トリカルボン酸無水物の酸無水物基との反応は、無溶剤で行ってもよいし、適当な脱水有機溶媒を使用してもよい。反応に使用した溶媒は、反応終了後、蒸留等の操作により取り除くか、あるいはそのまま分散剤の製品の一部として使用することもできる。使用する溶剤は、特に限定はないが、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、及びジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が用いられる。これらの溶媒は、2種類以上混合して用いてもよい。
片末端に水酸基を有するビニル系重合体の水酸基と芳香族トリカルボン酸無水物の酸無水物基との反応温度は、好ましくは50℃〜180℃、より好ましくは60℃〜160℃の範囲で行う。反応温度が50℃未満では反応速度が遅く、180℃を超えると反応して開環した酸無水物が、再度環状無水物を生成し、反応が終了しにくくなる場合がある。
<(D)光重合開始剤>
本発明の組成物は、さらなる感度向上の観点から光重合開始剤を含有する。
前記光重合開始剤としては、後述する重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができる。例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましい。また、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、約300nm〜800nm(330nm〜500nmがより好ましい。)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する化合物を、少なくとも1種含有していることが好ましい。
前記光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの、など)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、アミノアセトフェノン化合物、ヒドロキシアセトフェノンなどが挙げられる。
また、露光感度の観点から、トリハロメチルトリアジン化合物、ベンジルジメチルケタール化合物、α−ヒドロキシケトン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、フォスフィンオキサイド化合物、メタロセン化合物、オキシム化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、オニウム化合物、ベンゾチアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物およびその誘導体、シクロペンタジエン−ベンゼン−鉄錯体およびその塩、ハロメチルオキサジアゾール化合物、3−アリール置換クマリン化合物からなる群より選択される化合物が好ましい。
さらに好ましくは、トリハロメチルトリアジン化合物、α−アミノケトン化合物、アシルホスフィン化合物、フォスフィンオキサイド化合物、オキシム化合物、トリアリルイミダゾールダイマー、トリアリールイミダゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、オニウム化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物であり、トリハロメチルトリアジン化合物、α−アミノケトン化合物、オキシム化合物、トリアリルイミダゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、トリアリールイミダゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種の化合物が特に好ましい。また、トリアリールイミダゾール化合物は、ベンゾイミダゾールとの混合物であってもよい。
具体的には、トリハロメチルトリアジン化合物としては、以下の化合物が例示される。なお、Phはフェニル基である。
トリアリールイミダゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物としては、以下の化合物が例示される。
トリハロメチルトリアジン化合物としては、市販品も使用でき、例えば、TAZ−107(みどり化学社製)を用いることもできる。
特に、本発明の組成物を固体撮像素子が備えるカラーフィルタの作製に使用する場合には、微細なパターンをシャープな形状で形成する必要があるために、硬化性とともに未露光部に残渣がなく現像されることが重要である。このような観点からは、重合開始剤としてはオキシム化合物を使用することが特に好ましい。特に、固体撮像素子において微細なパターンを形成する場合、硬化用露光にステッパー露光を用いるが、この露光機はハロゲンにより損傷される場合があり、重合開始剤の添加量も低く抑える必要があるため、これらの点を考慮すれば、固体撮像素子の如き微細パターンを形成するには(D)光重合開始剤としては、オキシム化合物を用いるのが最も好ましい。
前記トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、英国特許第1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許第3337024号明細書記載の化合物、F.C.SchaeferなどによるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物、特開平5−34920号公報記載化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物、などが挙げられる。
前記米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物としては、例えば、オキサジアゾール骨格を有する化合物(例えば、2−トリクロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−n−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリプロモメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾールなど)などが挙げられる。
また、上記以外の光重合開始剤として、アクリジン誘導体(例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタンなど)、N−フェニルグリシンなど、ポリハロゲン化合物(例えば、四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトンなど)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフラノイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ベンゾトリアゾール−2−イルクマリン、また、特開平5−19475号公報、特開平7−271028号公報、特開2002−363206号公報、特開2002−363207号公報、特開2002−363208号公報、特開2002−363209号公報などに記載のクマリン化合物など)、アシルホスフィンオキサイド類(例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキサイド、LucirinTPOなど)、メタロセン類(例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフロロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフロロホスフェート(1−)など)、特開昭53−133428号公報、特公昭57−1819号公報、同57−6096号公報、および米国特許第3615455号明細書に記載された化合物などが挙げられる。
前記ケトン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾフェノン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸またはそのテトラメチルエステル、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビスジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロロ−チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノールオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドンなどが挙げられる。
光重合開始剤としては、ヒドロキシアセトフェノン化合物、アミノアセトフェノン化合物、および、アシルホスフィン化合物も好適に用いることができる。より具体的には、例えば、特開平10−291969号公報に記載のアミノアセトフェノン系開始剤、特許第4225898号公報に記載のアシルホスフィンオキシド系開始剤も用いることができる。
ヒドロキシアセトフェノン系開始剤としては、IRGACURE−184、DAROCUR−1173、IRGACURE−500、IRGACURE−2959,IRGACURE−127(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。アミノアセトフェノン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−907、IRGACURE−369、および、IRGACURE−379、IRGACURE−OXE379(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。アミノアセトフェノン系開始剤として、365nmまたは405nm等の長波光源に吸収波長がマッチングされた特開2009−191179公報に記載の化合物も用いることができる。また、アシルホスフィン系開始剤としては市販品であるIRGACURE−819やDAROCUR−TPO(商品名:いずれもBASF社製)を用いることができる。
光重合開始剤として、より好ましくはオキシム化合物が挙げられる。オキシム化合物の具体例としては、特開2001−233842号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報記載の化合物、特開2006−342166号公報記載の化合物を用いることができる。
本発明における光重合開始剤として好適に用いられるオキシム誘導体等のオキシム化合物としては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、および2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。
オキシム化合物としては、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年)pp.202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166号公報の各公報に記載の化合物等が挙げられる。
市販品ではIRGACURE−OXE01(BASF社製)、IRGACURE−OXE02(BASF社製)、TR−PBG−304(常州強力電子新材料有限公司社製)も好適に用いられる。
また上記記載以外のオキシム化合物として、カルバゾールN位にオキシムが連結した特表2009−519904号公報に記載の化合物、ベンゾフェノン部位にヘテロ置換基が導入された米国特許第7626957号公報に記載の化合物、色素部位にニトロ基が導入された特開2010−15025号公報および米国特許公開2009−292039号記載の化合物、国際公開特許2009−131189号公報に記載のケトオキシム化合物、トリアジン骨格とオキシム骨格を同一分子内に含有する米国特許7556910号公報に記載の化合物、405nmに吸収極大を有しg線光源に対して良好な感度を有する特開2009−221114号公報記載の化合物、などを用いてもよい。
好ましくはさらに、特開2007−231000号公報、および、特開2007−322744号公報に記載される環状オキシム化合物に対しても好適に用いることができる。環状オキシム化合物の中でも、特に特開2010−32985号公報、特開2010−185072号公報に記載されるカルバゾール色素に縮環した環状オキシム化合物は、高い光吸収性を有し高感度化の観点から好ましい。
また、オキシム化合物の特定部位に不飽和結合を有する特開2009−242469号公報に記載の化合物も、重合不活性ラジカルから活性ラジカルを再生することで高感度化を達成でき好適に使用することができる。
最も好ましくは、特開2007−269779号公報に示される特定置換基を有するオキシム化合物や、特開2009−191061号公報に示されるチオアリール基を有するオキシム化合物が挙げられる。
具体的には、光重合開始剤であるオキシム化合物としては、下記一般式(OX−1)で表される化合物が好ましい。なお、オキシムのN−O結合が(E)体のオキシム化合物であっても、(Z)体のオキシム化合物であっても、(E)体と(Z)体との混合物であってもよい。
一般式(OX−1)中、RおよびBは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。
一般式(OX−1)中、Rで表される一価の置換基としては、一価の非金属原子団であることが好ましい。
前記一価の非金属原子団としては、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基等が挙げられる。また、これらの基は、1以上の置換基を有していてもよい。また、前述した置換基は、さらに他の置換基で置換されていてもよい。
置換基としてはハロゲン原子、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基またはアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、アルキル基、アリール基等が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基、4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、および、3−ニトロフェナシル基が例示できる。
アリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、o−クメニル基、m−クメニル基およびp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、並びに、オバレニル基が例示できる。
アシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、具体的には、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、および、4−メトキシベンゾイル基が例示できる。
アルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、および、トリフルオロメチルオキシカルボニル基が例示できる。
アリールオキシカルボニル基として具体的には、フェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、および、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基が例示できる。
複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子若しくはリン原子を含む、芳香族または脂肪族の複素環が好ましい。
具体的には、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、および、チオキサントリル基が例示できる。
アルキルチオカルボニル基として具体的には、メチルチオカルボニル基、プロピルチオカルボニル基、ブチルチオカルボニル基、ヘキシルチオカルボニル基、オクチルチオカルボニル基、デシルチオカルボニル基、オクタデシルチオカルボニル基、および、トリフルオロメチルチオカルボニル基が例示できる。
アリールチオカルボニル基として具体的には、1−ナフチルチオカルボニル基、2−ナフチルチオカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルチオカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルチオカルボニル基、2−クロロフェニルチオカルボニル基、2−メチルフェニルチオカルボニル基、2−メトキシフェニルチオカルボニル基、2−ブトキシフェニルチオカルボニル基、3−クロロフェニルチオカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルチオカルボニル基、3−シアノフェニルチオカルボニル基、3−ニトロフェニルチオカルボニル基、4−フルオロフェニルチオカルボニル基、4−シアノフェニルチオカルボニル基、および、4−メトキシフェニルチオカルボニル基が挙げられる。
一般式(OX−1)中、Bで表される一価の置換基としては、アリール基、複素環基、アリールカルボニル基、または、複素環カルボニル基を表す。また、これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。また、前述した置換基は、さらに他の置換基で置換されていてもよい。
なかでも、特に好ましくは以下に示す構造である。
下記の構造中、Y、X、および、nは、それぞれ、後述する一般式(OX−2)におけるY、X、および、nと同義であり、好ましい例も同様である。
前記式(OX−1)中、Aで表される二価の有機基としては、炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、アルキニレン基が挙げられる。また、これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。また、前述した置換基は、さらに他の置換基で置換されていてもよい。
中でも、式(OX−1)におけるAとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、無置換のアルキレン基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基)で置換されたアルキレン基、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)で置換されたアルキレン基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、スチリル基)で置換されたアルキレン基が好ましい。
前記式(OX−1)中、Arで表されるアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、また、置換基を有していてもよい。置換基としては、先に置換基を有していてもよいアリール基の具体例として挙げた置換アリール基に導入された置換基と同様のものが例示できる。
なかでも、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、置換または無置換のフェニル基が好ましい。
式(OX−1)においては、前記式(OX−1)中のArとそれに隣接するSとで形成される「SAr」の構造が、以下に示す構造であることが感度の点で好ましい。なお、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
オキシム化合物は、下記一般式(OX−2)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(OX−2)中、RおよびXは各々独立に一価の置換基を表し、AおよびYは各々独立に二価の有機基を表し、Arはアリール基を表し、nは0〜5の整数である。一般式(OX−2)におけるR、A、およびArは、一般式(OX−1)におけるR、A、およびArと同義であり、好ましい例も同様である。
一般式(OX−2)中、Xで表される一価の置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、複素環基、ハロゲン原子が挙げられる。また、これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。また、前述した置換基は、さらに他の置換基で置換されていてもよい。
これらの中でも、一般式(OX−2)におけるXとしては、溶剤溶解性と長波長領域の吸収効率向上の点から、アルキル基が好ましい。
また、式(2)におけるnは、0〜5の整数を表し、0〜2の整数が好ましい。
一般式(OX−2)中、Yで表される二価の有機基としては、以下に示す構造が挙げられる。なお、以下に示される基において、「*」は、前記式(OX−2)において、Yと隣接する炭素原子との結合位置を示す。
中でも、高感度化の観点から、下記に示す構造が好ましい。
さらにオキシム化合物は、下記一般式(OX−3)または(OX−4)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(OX−3)または(OX−4)中、RおよびXは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表し、nは0〜5の整数である。)
一般式(OX−3)または(OX−4)におけるR、X、A、Ar、および、nは、前記一般式(OX−2)におけるR、X、A、Ar、および、nとそれぞれ同義であり、好ましい例も同様である。
以下好適に用いられるオキシム化合物の具体例(C−4)〜(C−13)を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
オキシム化合物は、350nm〜500nmの波長領域に極大吸収波長を有するものであり、360nm〜480nmの波長領域に吸収波長を有するものであることが好ましく、365nmおよび455nmの吸光度が高いものが特に好ましい。
オキシム化合物は、365nmまたは405nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、1,000〜300,000であることが好ましく、2,000〜300,000であることがより好ましく、5,000〜200,000であることが特に好ましい。
化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いることができるが、具体的には、例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Carry−5 spctrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
本発明に用いられる光重合開始剤は、必要に応じて、2種以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明の組成物における(D)光重合開始剤の含有量は、組成物の全固形分に対し0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以上5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以上3質量%以下である。この範囲で、より良好な感度とパターン形成性が得られる。
<<(E)重合性化合物>>
本発明の組成物は、重合性化合物を含有する。本発明では、ラジカル、酸、熱により架橋可能な公知の重合性化合物を用いることができ、例えば、エチレン性不飽和結合、環状エーテル(エポキシ、オキセタン)、メチロール等を含む重合性化合物が挙げられる。重合性化合物は、感度の観点から、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から好適に選ばれる。中でも、4官能以上の多官能重合性化合物が好ましく、5官能以上の多官能重合性化合物がさらに好ましい。
このような化合物群は当該産業分野において広く知られているものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体およびオリゴマーまたはそれらの混合物並びにそれらのオリゴマーなどの化学的形態のいずれであってもよい。本発明における重合性化合物は一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
より具体的には、モノマーおよびそのプレポリマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)やそのエステル類、アミド類、並びにこれらの多量体が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、および不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類、並びにこれらの多量体である。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物や、単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等のビニルベンゼン誘導体、ビニルエーテル、アリルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
これらの具体的な化合物としては、特開2009−288705号公報の段落番号〔0095〕〜〔0108〕に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
また、前記重合性化合物としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物も好ましい。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報、特開昭51−37193号公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類、特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートおよびこれらの混合物を挙げることができる。
多官能カルボン酸にグリシジル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ得られる多官能(メタ)アクリレートなども挙げることができる。
また、その他の好ましい重合性化合物として、特開2010−160418号公報、特開2010−129825号公報、特許第4364216号明細書等に記載される、フルオレン環を有し、エチレン性不飽和基を2官能以上有する化合物、カルド樹脂も使用することが可能である。
また、常圧下で100℃以上の沸点を有し、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を持つ化合物としては、特開2008−292970号公報の段落番号[0254]〜[0257]に記載の化合物も好適である。
上記のほか、下記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーも好適に用いることができる。なお、式中、Tがオキシアルキレン基の場合には、炭素原子側の末端がRに結合する。
前記一般式において、nは0〜14であり、mは1〜8である。一分子内に複数存在するR、T、は、各々同一であっても、異なっていてもよい。
前記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される重合性化合物の各々において、複数存在するRの少なくとも1つは、−OC(=O)CH=CH2、または、−OC(=O)C(CH3)=CH2で表される基を表す。
前記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される重合性化合物の具体例としては、特開2007−269779号公報の段落番号0248〜段落番号0251に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)および(2)としてその具体例と共に記載の前記多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、重合性化合物として用いることができる。
中でも、重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としてはKAYARAD D-330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としてはKAYARAD D-320;日本化薬株式会社製)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD D-310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としてはKAYARAD DPHA;日本化薬株式会社製、A−DPH−12E;新中村化学社製)、およびこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。以下に好ましい重合性化合物の態様を示す。
重合性化合物としては、多官能モノマーであって、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基を有していてもよい。エチレン性化合物が、上記のように混合物である場合のように未反応のカルボキシル基を有するものであれば、これをそのまま利用することができるが、必要において、上述のエチレン性化合物のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を導入してもよい。この場合、使用される非芳香族カルボン酸無水物の具体例としては、無水テトラヒドロフタル酸、アルキル化無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、アルキル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が挙げられる。
本発明において、酸基を有するモノマーとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましく、 特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトールおよび/またはジペンタエリスリトールであるものである。市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、M−510、M−520などが挙げられる。
これらのモノマーは1種を単独で用いてもよいが、製造上、単一の化合物を用いることは難しいことから、2種以上を混合して用いてもよい。また、必要に応じてモノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用してもよい。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1mgKOH/g〜40mgKOH/gであり、特に好ましくは5mgKOH/g〜30mgKOH/gである。多官能モノマーの酸価が低すぎると現像溶解特性が落ち、高すぎると製造や取扱いが困難になり光重合性能が落ち、画素の表面平滑性等の硬化性が劣るものとなる。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが好ましい。
また、重合性モノマーとして、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体を含有することも好ましい態様である。
カプロラクトン構造を有する多官能性単量体としては、その分子内にカプロラクトン構造を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、トリメチロールエタン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グリセリン、ジグリセロール、トリメチロールメラミン等の多価アルコールと、(メタ)アクリル酸およびε−カプロラクトンをエステル化することにより得られる、ε−カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートを挙げることができる。なかでも下記一般式(Z−1)で表されるカプロラクトン構造を有する多官能性単量体が好ましい。
一般式(Z−1)中、6個のRは全てが下記一般式(Z−2)で表される基であるか、または6個のRのうち1〜5個が下記一般式(Z−2)で表される基であり、残余が下記一般式(Z−3)で表される基である。
一般式(Z−2)中、R1は水素原子またはメチル基を示し、mは1または2の数を示し、「*」は結合手であることを示す。
一般式(Z−3)中、R1は水素原子またはメチル基を示し、「*」は結合手であることを示す。)
このようなカプロラクトン構造を有する多官能性単量体は、例えば、日本化薬(株)からKAYARAD DPCAシリーズとして市販されており、DPCA−20(上記式(1)〜(3)においてm=1、式(2)で表される基の数=2、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−30(同式、m=1、式(2)で表される基の数=3、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−60(同式、m=1、式(2)で表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)、DPCA−120(同式においてm=2、式(2)で表される基の数=6、R1が全て水素原子である化合物)等を挙げることができる。
本発明において、カプロラクトン構造を有する多官能性単量体は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
また、本発明における特定モノマーとしては、下記一般式(Z−4)または(Z−5)で表される化合物の群から選択される少なくとも1種であることも好ましい。
前記一般式(Z−4)および(Z−5)中、Eは、各々独立に、−((CH2)yCH2O)−、または−((CH2)yCH(CH3)O)−を表し、yは、各々独立に0〜10の整数を表し、Xは、各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、水素原子、またはカルボキシル基を表す。
前記一般式(Z−4)中、アクリロイル基およびメタクリロイル基の合計は3個または4個であり、mは各々独立に0〜10の整数を表し、各mの合計は0〜40の整数である。但し、各mの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
前記一般式(ii)中、アクリロイル基およびメタクリロイル基の合計は5個または6個であり、nは各々独立に0〜10の整数を表し、各nの合計は0〜60の整数である。但し、各nの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
前記一般式(Z−4)中、mは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
また、各mの合計は、2〜40の整数が好ましく、2〜16の整数がより好ましく、4〜8の整数が特に好ましい。
前記一般式(Z−5)中、nは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
また、各nの合計は、3〜60の整数が好ましく、3〜24の整数がより好ましく、6〜12の整数が特に好ましい。
また、一般式(Z−4)または一般式(Z−5)中の−((CH2)yCH2O)−または−((CH2)yCH(CH3)O)−は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。
前記一般式(Z−4)または一般式(Z−5)で表される化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。特に、一般式(ii)において、6個のX全てがアクリロイル基である形態が好ましい。
また、一般式(Z−4)または一般式(Z−5)で表される化合物の重合性化合物中における全含有量としては、20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。
前記一般式(Z−4)または一般式(Z−5)で表される化合物は、従来公知の工程である、ペンタエリスリト−ルまたはジペンタエリスリト−ルにエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドを開環付加反応により開環骨格を結合する工程と、開環骨格の末端水酸基に、例えば(メタ)アクリロイルクロライドを反応させて(メタ)アクリロイル基を導入する工程と、から合成することができる。各工程は良く知られた工程であり、当業者は容易に一般式(i)または(ii)で表される化合物を合成することができる。
前記一般式(Z−4)または一般式(Z−5)で表される化合物の中でも、ペンタエリスリトール誘導体および/またはジペンタエリスリトール誘導体がより好ましい。
具体的には、下記式(a)〜(f)で表される化合物(以下、「例示化合物(a)〜(f)」ともいう。)が挙げられ、中でも、例示化合物(a)、(b)、(e)、(f)が好ましい。
一般式(Z−4)、(Z−5)で表される重合性化合物の市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ鎖を4個有する4官能アクリレートであるSR−494、日本化薬株式会社製のペンチレンオキシ鎖を6個有する6官能アクリレートであるDPCA−60、イソブチレンオキシ鎖を3個有する3官能アクリレートであるTPA−330などが挙げられる。
また、重合性化合物としては、特公昭48−41708号公報、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。さらに、重合性化合物として、特開昭63−277653号公報、特開昭63−260909号公報、特開平1−105238号公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによって、非常に感光スピードに優れた硬化性組成物を得ることができる。
重合性化合物の市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200」(新中村化学社製、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)、トリメチロールプロパントリアクリレート(市販品としてはA−TMPT;新中村化学社製)、などが挙げられる。
環状エーテル(エポキシ、オキセタン)としては、例えば、エポキシ基を有するものとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、JER−827、JER−828、JER−834、JER−1001、JER−1002、JER−1003、JER−1055、JER−1007、JER−1009、JER−1010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON860、EPICLON1050、EPICLON1051、EPICLON1055(以上、DIC(株)製)等であり、ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、JER−806、JER−807、JER−4004、JER−4005、JER−4007、JER−4010(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON830、EPICLON835(以上、DIC(株)製)、LCE−21、RE−602S(以上、日本化薬(株)製)等であり、フェノールノボラック型エポキシ樹脂として、JER−152、JER−154、JER−157S70、JER−157S65、(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、EPICLON N−740、EPICLON N−740、EPICLON N−770、EPICLON N−775(以上、DIC(株)製)等であり、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、EPICLON N−660、EPICLON N−665、EPICLON N−670、EPICLON N−673、EPICLON N−680、EPICLON N−690、EPICLON N−695(以上、DIC(株)製)、EOCN−1020(以上、日本化薬(株)製)、脂肪族エポキシ樹脂として、ADEKA RESIN EP−4080S、同EP−4085S、同EP−4088S(以上、(株)ADEKA製)セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、EHPE−3150(2,2-ビス(ヒドロキシメチル)-1-ブタノールの1,2-エポキシ-4-(2-オキシラニル)シクロヘキサン付加物)、EPOLEAD PB 3600、同PB 4700(以上、ダイセル化学工業(株)製)、デナコール EX−211L、EX−212L、EX−214L、EX−216L、EX−321L、EX−850L(以上、ナガセケムテックス(株)製)、ADEKA RESIN EP−4000S、同EP−4003S、同EP−4010S、同EP−4011S(以上、(株)ADEKA製)、NC−2000、NC−3000、NC−7300、XD−1000、EPPN−501、EPPN−502(以上、(株)ADEKA製)、JER−1031S(ジャパンエポキシレジン(株)製)等が挙げられる。このような重合性化合物は、ドライエッチング法でパターンを形成する場合に好適である。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、着色感光性樹脂組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、感度の観点では、1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合は2官能以上が好ましい。また、着色感光性樹脂組成物により形成された硬化膜の強度を高める観点では、3官能以上のものがよく、さらに、異なる官能基数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。さらに、3官能以上のものでエチレンオキサイド鎖長の異なる重合性化合物を併用することが、着色感光性樹脂組成物の現像性を調節することができ、優れたパターン形成能が得られるという点で好ましい。
また、着色感光性樹脂組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、被分散体、アルカリ可溶性樹脂等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体などの硬質表面との密着性を向上させる観点で特定の構造を選択することもあり得る。
本発明の組成物中における重合性化合物の含有量は、着色感光性樹脂組成物中の全固形分に対して3〜25質量%が好ましく、5〜20質量%がさらに好ましく、7〜15質量%が特に好ましい。
<<他の成分>>
本発明の組成物は、上述の各成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、さらに、(G)側鎖に重合性二重結合を有する樹脂、有機溶剤、架橋剤などの他の成分を含んでいてもよい。
−(G)側鎖に重合性二重結合を有する樹脂−
本発明では、さらに、必要に応じて(G)側鎖に重合性二重結合を有する樹脂を含有させてもよい。(G)側鎖に重合性二重結合を有する樹脂をさらに含有させることで、本発明の組成物をより効果的に硬化させることが可能となる。
(G)側鎖に重合性二重結合を有する樹脂としては、側鎖に重合性二重結合を有していれば特に制限はないが、2〜6の水酸基を有する重合性モノマー(p)と、他の重合性モノマー(q)との共重合体(a)に、水酸基と反応可能な官能基とエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(b)を反応させてなる樹脂であることが好ましい。
(G)側鎖に重合性二重結合を有する樹脂を構成する2〜6の水酸基を有する重合性モノマー(p)は、2個以上6個以下の水酸基及びエチレン性不飽和二重結合を有する化合物であり、例えば下記一般式(1)で示されるモノマーを用いることができる。
一般式(1)
(式中、R1及びR4はそれぞれ水素原子、炭素数1〜5の置換されてもよいアルキル基を表し、R2は炭素数1〜4のアルキレン基を表し、R3は炭素数1〜4のアルキレン基、または単結合を表し、nは2以上6以下の整数を表す。)
上記一般式(1)で示されるモノマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を有する多価アルコールのモノエステルなどが挙げられるが、好ましいのはグリセロールモノ(メタ)アクリレートである。
他の重合性モノマー(q)は、2〜6の水酸基を有する重合性モノマー(p)と共重合可能な重合性モノマーであり、例えば、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;N−ビニルピロリドン;スチレンおよびその誘導体、α−メチルスチレン等のスチレン類;(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、アルコキシメチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等のアクリルアミド類;(メタ)アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブチレン、塩化ビニル、酢酸ビニル等のその他のビニル化合物、およびポリメチルメタクリレートマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマーなどのマクロモノマー類などが挙げられる。これらのモノマーは、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
また、2〜6の水酸基を有する重合性モノマー(p)と他の重合性モノマー(q)との共重合比は、5〜95重量%:95〜5重量%であることが好ましく、30〜70重量%:70〜30重量%であることがより好ましい。重合性モノマー(p)の共重合比が5重量%未満の場合は、導入できるエチレン性不飽和二重結合の数が少なく、二重結合当量の数値が大きくなり、十分な感度を得ることができない。95重量%を越える場合は、多くのエチレン性不飽和二重結合を導入することが可能となるが、重合性モノマー(q)の比率が低くなるため、分散安定性、溶解性、耐薬品性等の物性を維持することが困難となる。
2〜6の水酸基を有する重合性モノマー(p)と、他の重合性モノマー(q)との共重合体(a)の製造は、公知の方法で製造することができ、例えば特開2005−156930号公報の段落0013の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
(G)側鎖に重合性二重結合を有する樹脂は、前記共重合体(a)に、水酸基と反応可能な官能基とエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(b)を反応させることにより得られる。水酸基と反応可能な官能基とエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(b)としては、イソシアネート基、カルボキシル基等が挙げられるが、特に反応性の点でイソシアネート基が好ましい。
イソシアネート基及びエチレン性不飽和二重結合を有する化合物として具体的には、2−アクリロイルエチルイソシアネート、2−メタクリロイルエチルイソシアネート等が挙げられる。また、カルボキシル基及びエチレン性不飽和二重結合を有する化合物として具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が挙げられる。
共重合体(a)に水酸基を介して導入されるエチレン性不飽和二重結合の量は、得られる樹脂の「二重結合当量」により示される。二重結合当量とは、下記式で定義され、分子中に含まれる二重結合量の尺度となるものであり、同じ分子量の感光性樹脂であれば、二重結合当量の数値が小さいほど二重結合の導入量が多くなる。
[二重結合当量]=[繰り返し構成単位の分子量]/[繰り返し構成単位中の二重結合の数]
本発明における樹脂の二重結合当量は200〜2,000であることが好ましく、300〜900であることがより好ましい。樹脂の二重結合当量が200未満の場合は、エチレン性不飽和二重結合を導入させる重合性モノマー(p)の比率が高くなり、諸特性を維持するのに十分な量の重合性モノマー(q)を共重合させることができない。2,000を越える場合は、エチレン性不飽和二重結合の数が少ないため十分な感度を得ることができない。
また、前記(G)樹脂の重量平均分子量(Mw)は、本発明の組成物の分散性が良好な点から、好ましくは2000〜200000、より好ましくは5000〜50000である。
共重合体(a)と、水酸基と反応可能な官能基とエチレン性不飽和二重結合を有する化合物(b)との反応は、公知の方法で行うことができ、例えば特開2005−156930号公報の段落0016の記載を参酌でき、この内容は本明細書に組み込まれる。
本発明の組成物が(G)側鎖に重合性二重結合を有する樹脂を含有する場合、(G)側鎖に重合性二重結合を有する樹脂の含有量は、樹脂成分に対して、10〜100質量%が好ましく、より好ましくは20〜90質量%であり、さらに好ましくは30〜80質量%である。
(G)側鎖に重合性二重結合を有する樹脂は、本発明の組成物中に1種のみ含まれていても良いし、2種以上含まれていても良い。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
−アルカリ可溶性樹脂−
本発明の組成物は、さらに、バインダーとしてアルカリ可溶性樹脂を含有していてもよい。なお、ここでいうアルカリ可溶性樹脂には、分散剤成分として本発明の組成物に含有される成分は含まれない。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性を促進する基(以下、酸基ともいう)としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基などが挙げられるが、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものが好ましく、(メタ)アクリル酸が特に好ましいものとして挙げられる。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記重合後に酸基を付与しうるモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するモノマー、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有するモノマー等が挙げられる。これら酸基を導入するための単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。アルカリ可溶性樹脂に酸基を導入するには、例えば、酸基を有するモノマーおよび/または重合後に酸基を付与しうるモノマー(以下「酸基を導入するための単量体」と称することもある。)を、単量体成分として重合するようにすればよい。
なお、重合後に酸基を付与しうるモノマーを単量体成分として酸基を導入する場合には、重合後に例えば後述するような酸基を付与するための処理が必要となる。
アルカリ可溶性樹脂の製造には、例えば、公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類およびその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めるようにすることもできる。
アルカリ可溶性樹脂として用いられる線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましく、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、ノボラック型樹脂などのアルカリ可溶性フェノール樹脂等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの挙げられる。特に、(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が、アルカリ可溶性樹脂として好適である。(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートおよびアリール(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等、ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等、特開平10−300922号公報に記載のN位置換マレイミドモノマーとして、N―フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等を挙げることができる。なお、これらの(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、下記一般式(ED)で示される化合物(以下「エーテルダイマー」と称することもある。)を必須とする単量体成分を重合してなるポリマー(a)を含むことも好ましい。
一般式(ED)中、R1およびR2は、それぞれ独立して、水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。
これにより、本発明の着色組成物は、耐熱性とともに透明性にも極めて優れた硬化塗膜を形成しうる。前記エーテルダイマーを示す前記一般式(1)中、R1およびR2で表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、tert−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状または分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、tert−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい1級または2級炭素の置換基が耐熱性の点で好ましい。
前記エーテルダイマーの具体例としては、例えば、ジメチル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−プロピル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソプロピル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−ブチル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソブチル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(tert−ブチル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(tert−アミル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ステアリル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ラウリル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−エチルヘキシル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−メトキシエチル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−エトキシエチル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジフェニル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(tert−ブチルシクロヘキシル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ジシクロペンタジエニル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(トリシクロデカニル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソボルニル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジアダマンチル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−メチル−2−アダマンチル)−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等が挙げられる。これらの中でも特に、ジメチル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2'−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましい。これらエーテルダイマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。前記一般式(ED)で示される化合物由来の構造体は、その他の単量体を共重合させてもよい。
また、本発明における着色組成物の架橋効率を向上させるために、重合性基を有したアルカリ可溶性樹脂を使用してもよい。重合性基を有したアルカリ可溶性樹脂としては、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有したアルカリ可溶性樹脂等が有用である。上述の重合性基を含有するポリマーの例としては、ダイヤナ−ルNRシリーズ(三菱レイヨン株式会社製)、Photomer6173(COOH含有 polyurethane acrylic oligomer. Diamond Shamrock Co.Ltd.,製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業株式会社製)、サイクロマーPシリーズ、プラクセル CF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業株式会社製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー株式会社製)などが挙げられる。これら重合性基を含有するアルカリ可溶性樹脂としては、予めイソシアネート基とOH基を反応させ、未反応のイソシアネート基を1つ残し、かつ(メタ)アクリロイル基を含む化合物とカルボキシル基を含むアクリル樹脂との反応によって得られるウレタン変性した重合性二重結合含有アクリル樹脂、カルボキシル基を含むアクリル樹脂と分子内にエポキシ基および重合性二重結合を共に有する化合物との反応によって得られる不飽和基含有アクリル樹脂、酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂、OH基を含むアクリル樹脂と重合性二重結合を有する2塩基酸無水物を反応させた重合性二重結合含有アクリル樹脂、OH基を含むアクリル樹脂とイソシアネートと重合性基を有する化合物を反応させた樹脂、特開2002−229207号公報および特開2003−335814号公報に記載されるα位またはβ位にハロゲン原子或いはスルホネート基などの脱離基を有するエステル基を側鎖に有する樹脂を、塩基性処理することで得られる樹脂などが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。この他、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合したもの、特開平7−140654号公報に記載の2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられ、特に好ましくはメタクリル酸ベンジル/メタクリル酸の共重合体等が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂としては、特開2012−208494号公報段落0558〜0571(対応する米国特許出願公開第2012/0235099号明細書の[0685]〜[0700])以降の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
さらに、特開2012−32767号公報に記載の段落番号0029〜0063に記載の共重合体(B)および実施例で用いられているアルカリ可溶性樹脂、特開2012−208474号公報の段落番号0088〜0098に記載のバインダー樹脂および実施例で用いられているバインダー樹脂、特開2012−137531号公報の段落番号0022〜0032に記載のバインダー樹脂および実施例で用いられているバインダー樹脂、特開2013−024934号公報の段落番号0132〜0143に記載のバインダー樹脂および実施例で用いられているバインダー樹脂、特開2011−242752号公報の段落番号0092〜0098および実施例で用いられているバインダー樹脂、特開2012−032770号公報の段落番号0030〜0072の記載のバインダー樹脂を用いること好ましい。これらの内容は本願明細書に組み込まれる。より具体的には、下記の樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の酸価としては好ましくは30mgKOH/g〜200mgKOH/g、より好ましくは50mgKOH/g〜150mgKOH/gであることが好ましく、70mgKOH/g〜120mgKOH/gであることが最も好ましい。
また、アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、2,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000がさらに好ましく、7,000〜20,000が最も好ましい。本発明で用いられる化合物の分子量の測定方法は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定でき、GPCの測定によるポリスチレン換算値として定義される。例えば、HLC−8220(東ソー(株)製)を用い、カラムとしてTSKgel Super AWM―H(東ソー(株)製、6.0mmID×15.0cmを、溶離液として10mmol/L リチウムブロミドNMP(N−メチルピロリジノン)溶液を用いることによって求めることができる。
着色組成物中にアルカリ可溶性樹脂を含有する場合、アルカリ可溶性樹脂の着色組成物中における含有量としては、着色組成物の全固形分に対して、1質量%〜15質量%が好ましく、より好ましくは、2質量%〜12質量%であり、特に好ましくは、3質量%〜10質量%である。
本発明の組成物は、アルカリ可溶性樹脂を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
−有機溶剤−
本発明の組成物は、有機溶剤を含有してもよい。
有機溶剤は、各成分の溶解性や着色感光性樹脂組成物の塗布性を満足すれば基本的には特に制限はないが、特に紫外線吸収剤、アルカリ可溶性樹脂や分散剤等の溶解性、塗布性、安全性を考慮して選ばれることが好ましい。また、本発明における組成物を調製する際には、少なくとも2種類の有機溶剤を含むことが好ましい。
有機溶剤としては、エステル類として、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸アルキル(例:オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル(例えば、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル等))、3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル等(例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等))、2−オキシプロピオン酸アルキルエステル類(例:2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル等(例えば、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル))、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチルおよび2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル(例えば、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等)、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等、並びに、エーテル類として、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート等、並びに、ケトン類として、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等、並びに、芳香族炭化水素類として、例えば、トルエン、キシレン等が好適に挙げられる。
これらの有機溶剤は、紫外線吸収剤およびアルカリ可溶性樹脂の溶解性、塗布面状の改良などの観点から、2種以上を混合することも好ましい。この場合、特に好ましくは、上記の3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテル、およびプロピレングリコールメチルエーテルアセテートから選択される2種以上で構成される混合溶液である。
有機溶剤の組成物中における含有量は、塗布性の観点から、組成物の全固形分濃度が5質量%〜80質量%になる量とすることが好ましく、5質量%〜60質量%がさらに好ましく、10質量%〜50質量%が特に好ましい。
−架橋剤−
本発明の組成物に補足的に架橋剤を用い、組成物を硬化させてなる硬化膜の硬度をより高めることもできる。
架橋剤としては、架橋反応により膜硬化を行なえるものであれば、特に限定はなく、例えば、(a)エポキシ樹脂、(b)メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物またはウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基、およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、多官能エポキシ樹脂が好ましい。
架橋剤の具体例などの詳細については、特開2004−295116号公報の段落0134〜0147の記載を参照することができる。
本発明の組成物中に架橋剤を含有する場合、架橋剤の配合量は、特に定めるものではないが、組成物の全固形分の2〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましい。
本発明の組成物は、架橋剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
−重合禁止剤−
本発明の組成物においては、前記組成物の製造中または保存中において、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の重合禁止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
本発明の組成物中に重合禁止剤を含有する場合、重合禁止剤の添加量は、全組成物の質量に対して、約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
本発明の組成物は、重合禁止剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
−界面活性剤−
本発明の組成物には、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
特に、本発明の組成物は、フッ素系界面活性剤を含有することで、塗布液として調製したときの液特性(特に、流動性)がより向上することから、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する組成物を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3質量%〜40質量%が好適であり、より好ましくは5質量%〜30質量%であり、特に好ましくは7質量%〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、組成物中における溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレートおよびプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセリンエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル(BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1)、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株))等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤として具体的には、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745、森下産業(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商(株)社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製「トーレシリコーンDC3PA」、「トーレシリコーンSH7PA」、「トーレシリコーンDC11PA」,「トーレシリコーンSH21PA」,「トーレシリコーンSH28PA」、「トーレシリコーンSH29PA」、「トーレシリコーンSH30PA」、「トーレシリコーンSH8400」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−4460」、「TSF−4452」、信越シリコーン株式会社製「KP341」、「KF6001」、「KF6002」、ビックケミー社製「BYK307」、「BYK323」、「BYK330」等が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
本発明の組成物に界面活性剤を含有する場合、界面活性剤の添加量は、組成物の全質量に対して、0.001質量%〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005質量%〜1.0質量%である。
本発明の組成物は、界面活性剤を、1種類のみを含んでいてもよいし、2種類以上含んでいてもよい。2種類以上含む場合は、その合計量が上記範囲となることが好ましい。
−その他の添加物−
本発明の組成物には、必要に応じて、各種添加物、例えば、充填剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することができる。これらの添加物としては、特開2004−295116号公報の段落0155〜0156に記載のものを挙げることができる。
本発明の組成物においては、特開2004−295116号公報の段落0078に記載の増感剤や光安定剤、同公報の段落0081に記載の熱重合防止剤を含有することができる。
紫外線吸収剤としては、具体的に以下の化合物を用いることが好ましい。
−−有機カルボン酸、有機カルボン酸無水物−−
本発明の組成物は、分子量1000以下の有機カルボン酸、および/または有機カルボン酸無水物を含有していてもよい。
有機カルボン酸化合物としては、具体的には、脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸が挙げられる。脂肪族カルボン酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、グリコール酸、アクリル酸、メタクリル酸等のモノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸、トリカルバリル酸、アコニット酸等のトリカルボン酸等が挙げられる。また、芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸、フタル酸等のフェニル基に直接カルボキシル基が結合したカルボン酸、およびフェニル基から炭素結合を介してカルボキシル基が結合したカルボン酸類が挙げられる。これらの中では、特に分子量600以下、とりわけ分子量50〜500のもの、具体的には、例えば、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、イタコン酸が好ましい。
有機カルボン酸無水物としては、例えば、脂肪族カルボン酸無水物、芳香族カルボン酸無水物が挙げられ、具体的には、例えば、無水酢酸、無水トリクロロ酢酸、無水トリフルオロ酢酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、無水グルタル酸、無水1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、無水n−オクタデシルコハク酸、無水5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸等の脂肪族カルボン酸無水物が挙げられる。芳香族カルボン酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物、無水ナフタル酸等が挙げられる。これらの中では、特に分子量600以下、とりわけ分子量50〜500のもの、具体的には、例えば、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸が好ましい。
本発明の組成物に有機カルボン酸、有機カルボン酸無水物を含有する場合、これらの有機カルボン酸および/または有機カルボン酸無水物の添加量は、通常、全固形分中0.01〜10重量%、好ましくは0.03〜5重量%、より好ましくは0.05〜3重量%の範囲である。
これら分子量1000以下の有機カルボン酸、および/または有機カルボン酸無水物を添加することによって、高いパターン密着性を保ちながら、組成物の未溶解物の残存をより一層低減することが可能である。
<着色感光性樹脂組成物の調製方法>
本発明の組成物は、前述の成分を混合することで調製される。
なお、組成物の調製に際しては、組成物を構成する各成分を一括配合してもよいし、各成分を溶剤に溶解・分散した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に溶剤に溶解・分散して組成物を調製してもよいし、必要に応じては、各成分を適宜2つ以上の溶液・分散液としておいて、使用時(塗布時)にこれらを混合して組成物として調製してもよい。
上記のようにして調製された組成物は、好ましくは、孔径0.01μm〜3.0μm、より好ましくは孔径0.05μm〜0.5μm程度のフィルタなどを用いて濾別した後、使用に供することができる。
本発明の組成物は、耐熱性および色特性に優れた硬化膜を形成することができるため、カラーフィルタの着色パターン(着色層)を形成するために好適に用いられる。また、本発明の組成物は、固体撮像素子(例えば、CCD、CMOS等)や、液晶表示装置(LCD)などの画像表示装置に用いられるカラーフィルタなどの着色パターン形成用として好適に用いることができる。さらに、印刷インキ、インクジェットインキおよび塗料などの作製用途としても好適に用いることができる。なかでも、CCDおよびCMOS等の固体撮像素子用のカラーフィルタを作製用途として好適に用いることができる。
<硬化膜、パターン形成方法、カラーフィルタおよびカラーフィルタの製造方法>
次に、本発明における着色硬化膜、パターン形成方法およびカラーフィルタについて、その製造方法を通じて詳述する。
本発明のパターン形成方法は、本発明の着色感光性成物を支持体上に付与して着色組成物層を形成する着色組成物層形成工程と、前記着色組成物層をパターン様に露光する露光工程と、未露光部を現像除去して着色パターンを形成するパターン形成工程と、を含むことを特徴とする。
本発明のパターン形成方法は、カラーフィルタが有する着色パターン(画素)の形成に好適に適用することができる。
本発明のパターン形成方法によりパターンを形成する支持体としては、基板等の板状物の他、パターン形成に適用しうる支持体であれば特に限定されない。
以下、本発明のパターン形成方法における各工程については、固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法を通じて詳細に説明するが、本発明はこの方法に限定されるものではない。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、本発明のパターン形成方法を適用するものであり、本発明のパターン形成方法を用いて、支持体上に着色パターンを形成する工程と、を含む。
即ち、本発明のカラーフィルタの製造方法は、本発明のパターン形成方法を適用するものであり、本発明の着色感光性成物を支持体上に付与して着色組成物層を形成する着色組成物層形成工程と、前記着色組成物層をパターン様に露光する露光工程と、未露光部を現像除去して着色パターンを形成するパターン形成工程と、を含むことを特徴とする。さらに、必要に応じて、着色組成物層をベークする工程(プリベーク工程)、および、現像された着色パターンをベークする工程(ポストベーク工程)を設けてもよい。以下、これらの工程をあわせて、パターン形成工程ということがある。
本発明のカラーフィルタは、上記製造方法により好適に得ることができる。
以下、固体撮像素子用カラーフィルタを単に「カラーフィルタ」ということがある。
本発明のパターン形成方法における各工程については、本発明のカラーフィルタの製造方法を通じて以下に詳述する。
本発明のカラーフィルタの製造方法は、本発明のパターン形成方法を適用するものであり、本発明のパターン形成方法を用いて、基板上に着色パターンを形成することを含む。
<着色感光性樹脂組成物層を形成する工程>
着色感光性樹脂組成物層を形成する工程では、支持体上に、本発明の組成物を付与して着色感光性樹脂組成物層形成工程を形成する。
本工程に用いうる支持体としては、例えば、基板(例えば、シリコン基板)上にCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等の撮像素子(受光素子)が設けられた固体撮像素子用基板を用いることができる。
本発明における着色パターンは、固体撮像素子用基板の撮像素子形成面側(おもて面)に形成されてもよいし、撮像素子非形成面側(裏面)に形成されてもよい。
固体撮像素子における着色パターンの間や、固体撮像素子用基板の裏面には、遮光膜が設けられていてもよい。
また、支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
支持体上への本発明の組成物の付与方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法を適用することができる。
支持体上に塗布された着色感光性樹脂組成物層の乾燥(プリベーク)は、ホットプレート、オーブン等で50℃〜140℃の温度で10秒〜300秒で行うことができる。
<<フォトリソグラフィ法でパターン形成する場合>>
−露光工程−
露光工程では、着色感光性樹脂組成物層形成工程において形成された着色感光性樹脂組成物層を、例えば、ステッパー等の露光装置を用い、所定のマスクパターンを有するマスクを介してパターン露光する。これにより、硬化膜が得られる。
露光に際して用いることができる放射線(光)としては、特に、g線、i線等の紫外線が好ましく(特に好ましくはi線)用いられる。照射量(露光量)は30mJ/cm2〜1500mJ/cm2が好ましく50mJ/cm2〜1000mJ/cm2がより好ましく、80mJ/cm2〜500mJ/cm2が最も好ましい。
硬化膜の膜厚は1.0μm以下であることが好ましく、0.1μm〜0.9μmであることがより好ましく、0.2μm〜0.8μmであることがさらに好ましい。
膜厚を、1.0μm以下とすることにより、高解像性、高密着性を得られるため、好ましい。
また、本工程においては、0.7μm以下の薄い膜厚を有する硬化膜も好適に形成することができ、得られた硬化膜を、後述するパターン形成工程にて現像処理することで、薄膜でありながらも、現像性、表面荒れ抑制、およびパターン形状に優れた着色パターンを得ることができる。
<<<パターン形成工程>>>
次いでアルカリ現像処理を行うことにより、露光工程における光未照射部分の着色感光性樹脂組成物層がアルカリ水溶液に溶出し、光硬化した部分だけが残る。
現像液としては、下地の撮像素子や回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。現像温度としては通常20℃〜30℃であり、現像時間は、従来20秒〜90秒であった。より残渣を除去するため、近年では120秒〜180秒実施する場合もある。さらには、より残渣除去性を向上するため、現像液を60秒ごとに振り切り、さらに新たに現像液を供給する工程を数回繰り返す場合もある。
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられ、これらのアルカリ剤を濃度が0.001質量%〜10質量%、好ましくは0.01質量%〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が現像液として好ましく使用される。
なお、現像液には無機アルカリを用いてもよく、無機アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウムなどが好ましい。
なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
次いで、乾燥を施した後に加熱処理(ポストベーク)を行うことが好ましい。多色の着色パターンを形成するのであれば、色ごとに前記工程を順次繰り返して硬化皮膜を製造することができる。これによりカラーフィルタが得られる。
ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理であり、通常100℃〜240℃、好ましくは200℃〜240℃の熱硬化処理を行う。
このポストベーク処理は、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
<<ドライエッチング法でパターン形成する場合>>
ドライエッチングは、着色層を、パターニングされたフォトレジスト層をマスクとしてエッチングガスを用いて行うことができる。具体的には、着色層上にポジ型またはネガ型の感放射線性組成物を塗布し、これを乾燥させることによりフォトレジスト層を形成する。フォトレジスト層の形成においては、さらにプリベーク処理を施すことが好ましい。特に、フォトレジストの形成プロセスとしては、露光後の加熱処理(PEB)、現像後の加熱処理(ポストベーク処理)を実施する形態が望ましい。
フォトレジストとしては、例えば、ポジ型の感放射線性組成物が用いられる。このポジ型の感放射線性組成物としては、紫外線(g線、h線、i線)、エキシマー・レーザー等を含む遠紫外線、電子線、イオンビームおよびX線等の放射線に感応するポジ型フォトレジスト用に好適なポジ型レジスト組成物が使用できる。放射線のうち、g線、h線、i線が好ましく、中でもi線が好ましい。
具体的には、ポジ型の感放射線性組成物として、キノンジアジド化合物およびアルカリ可溶性樹脂を含有する組成物が好ましい。キノンジアジド化合物およびアルカリ可溶性樹脂を含有するポジ型の感放射線性組成物は、500nm以下の波長の光照射によりキノンジアジド基が分解してカルボキシル基を生じ、結果としてアルカリ不溶状態からアルカリ可溶性になることを利用するものである。このポジ型フォトレジストは解像力が著しく優れているので、ICやLSI等の集積回路の作製に用いられている。キノンジアジド化合物としては、ナフトキノンジアジド化合物が挙げられる。市販品としては例えばFHi622BC」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)などが挙げられる。
フォトレジスト層の厚みとしては、0.1〜3μmが好ましく、0.2〜2.5μmが好ましく、0.3〜2μmがさらに好ましい。なお、フォトレジスト層の塗布は、既述の着色層における塗布方法を用いて好適に行なえる。
次いで、フォトレジスト層を露光、現像することにより、レジスト貫通孔群が設けられたレジストパターン(パターニングされたフォトレジスト層)を形成する。レジストパターンの形成は、特に制限なく、従来公知のフォトリソグラフィーの技術を適宜最適化して行なうことができる。露光、現像によりフォトレジスト層に、レジスト貫通孔群が設けられることによって、次のエッチングで用いられるエッチングマスクとしてのレジストパターンが、着色層上に設けられる。
フォトレジスト層の露光は、所定のマスクパターンを介して、ポジ型またはネガ型の感放射線性組成物に、g線、h線、i線等、好ましくはi線で露光を施すことにより行なうことができる。露光後は、現像液で現像処理することにより、着色パターンを形成しようとする領域に合わせてフォトレジストが除去される。
前記現像液としては、着色剤を含む着色層には影響を与えず、ポジレジストの露光部およびネガレジストの未硬化部を溶解するものであればいずれも使用可能であり、例えば、種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。アルカリ性の水溶液としては、アルカリ性化合物を濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%となるように溶解して調製されたアルカリ性水溶液が好適である。アルカリ性化合物は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等が挙げられる。尚、アルカリ性水溶液を現像液として用いた場合は、一般に現像後に水で洗浄処理が施される。
次に、レジストパターンをエッチングマスクとして、着色層に貫通孔群が形成されるようにドライエッチングによりパターニングする。これにより、着色パターンが形成される。貫通孔群は、着色層に、市松状に設けられている。よって、着色層に貫通孔群が設けられてなる第1着色パターンは、複数の四角形状の第1着色画素を市松状に有している。
ドライエッチングとしては、パターン断面をより矩形に近く形成する観点や支持体へのダメージをより低減する観点から、以下の形態で行なうのが好ましい。
フッ素系ガスと酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、支持体が露出しない領域(深さ)までエッチングを行なう第1段階のエッチングと、この第1段階のエッチングの後に、窒素ガス(N2)と酸素ガス(O2)との混合ガスを用い、好ましくは支持体が露出する領域(深さ)付近までエッチングを行なう第2段階のエッチングと、支持体が露出した後に行なうオーバーエッチングとを含む形態が好ましい。以下、ドライエッチングの具体的手法、並びに第1段階のエッチング、第2段階のエッチング、およびオーバーエッチングについて説明する。
ドライエッチングは、下記手法により事前にエッチング条件を求めて行なう。
(1)第1段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)と、第2段階のエッチングにおけるエッチングレート(nm/min)とをそれぞれ算出する。(2)第1段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間と、第2段階のエッチングで所望の厚さをエッチングする時間とをそれぞれ算出する。(3)前記(2)で算出したエッチング時間に従って第1段階のエッチングを実施する。(4)前記(2)で算出したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施する。あるいはエンドポイント検出でエッチング時間を決定し、決定したエッチング時間に従って第2段階のエッチングを実施してもよい。(5)前記(3)、(4)の合計時間に対してオーバーエッチング時間を算出し、オーバーエッチングを実施する。
前記第1段階のエッチング工程で用いる混合ガスとしては、被エッチング膜である有機材料を矩形に加工する観点から、フッ素系ガスおよび酸素ガス(O2)を含むことが好ましい。また、第1段階のエッチング工程は、支持体が露出しない領域までエッチングする形態にすることで、支持体のダメージを回避することができる。また、前記第2段階のエッチング工程および前記オーバーエッチング工程は、第1段階のエッチング工程でフッ素系ガスおよび酸素ガスの混合ガスにより支持体が露出しない領域までエッチングを実施した後、支持体のダメージ回避の観点から、窒素ガスおよび酸素ガスの混合ガスを用いてエッチング処理を行なうのが好ましい。
第1段階のエッチング工程でのエッチング量と、第2段階のエッチング工程でのエッチング量との比率は、第1段階のエッチング工程でのエッチング処理による矩形性を損なわないように決定することが重要である。なお、全エッチング量(第1段階のエッチング工程でのエッチング量と第2段階のエッチング工程でのエッチング量との総和)中における後者の比率は、0%より大きく50%以下である範囲が好ましく、10〜20%がより好ましい。エッチング量とは、被エッチング膜の残存する膜厚とエッチング前の膜厚との差から算出される量のことをいう。
また、エッチングは、オーバーエッチング処理を含むことが好ましい。オーバーエッチング処理は、オーバーエッチング比率を設定して行なうことが好ましい。また、オーバーエッチング比率は、初めに行なうエッチング処理時間より算出することが好ましい。オーバーエッチング比率は任意に設定できるが、フォトレジストのエッチング耐性と被エッチングパターンの矩形性維持の点で、エッチング工程におけるエッチング処理時間の30%以下であることが好ましく、5〜25%であることがより好ましく、10〜15%であることが特に好ましい。
次いで、エッチング後に残存するレジストパターン(すなわちエッチングマスク)を除去する。レジストパターンの除去は、レジストパターン上に剥離液または溶剤を付与して、レジストパターンを除去可能な状態にする工程と、レジストパターンを洗浄水を用いて除去する工程とを含むことが好ましい。
レジストパターン上に剥離液または溶剤を付与し、レジストパターンを除去可能な状態にする工程としては、例えば、剥離液または溶剤を少なくともレジストパターン上に付与し、所定の時間停滞させてパドル現像する工程を挙げることができる。剥離液または溶剤を停滞させる時間としては、特に制限はないが、数十秒から数分であることが好ましい。
また、レジストパターンを洗浄水を用いて除去する工程としては、例えば、スプレー式またはシャワー式の噴射ノズルからレジストパターンに洗浄水を噴射して、レジストパターンを除去する工程を挙げることができる。洗浄水としては、純水を好ましく用いることができる。また、噴射ノズルとしては、その噴射範囲内に支持体全体が包含される噴射ノズルや、可動式の噴射ノズルであってその可動範囲が支持体全体を包含する噴射ノズルを挙げることができる。噴射ノズルが可動式の場合、レジストパターンを除去する工程中に支持体中心部から支持体端部までを2回以上移動して洗浄水を噴射することで、より効果的にレジストパターンを除去することができる。
剥離液は、一般には有機溶剤を含有するが、無機溶媒をさらに含有してもよい。有機溶剤としては、例えば、1)炭化水素系化合物、2)ハロゲン化炭化水素系化合物、3)アルコール系化合物、4)エーテルまたはアセタール系化合物、5)ケトンまたはアルデヒド系化合物、6)エステル系化合物、7)多価アルコール系化合物、8)カルボン酸またはその酸無水物系化合物、9)フェノール系化合物、10)含窒素化合物、11)含硫黄化合物、12)含フッ素化合物が挙げられる。剥離液としては、含窒素化合物を含有することが好ましく、非環状含窒素化合物と環状含窒素化合物とを含むことがより好ましい。
非環状含窒素化合物としては、水酸基を有する非環状含窒素化合物であることが好ましい。具体的には、例えば、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられ、好ましくはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンであり、より好ましくはモノエタノールアミン(H2NCH2CH2OH)である。また、環状含窒素化合物としては、イソキノリン、イミダゾール、N−エチルモルホリン、ε−カプロラクタム、キノリン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラジン、ピリジン、ピロリジン、N−メチル−2−ピロリドン、N−フェニルモルホリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジンなどが挙げられ、好ましくは、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチルモルホリンであり、より好ましくはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)である。
剥離液は、非環状含窒素化合物と環状含窒素化合物とを含むことが好ましいが、中でも、非環状含窒素化合物として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミンから選ばれる少なくとも1種と、環状含窒素化合物として、N−メチル−2−ピロリドンおよびN−エチルモルホリンから選ばれる少なくとも1種とを含むことがより好ましく、モノエタノールアミンとN−メチル−2−ピロリドンとを含むことがさらに好ましい。
剥離液で除去するときには、第1着色パターンの上に形成されたレジストパターンが除去されていればよく、第1着色パターンの側壁にエッチング生成物であるデポ物が付着している場合でも、前記デポ物が完全に除去されていなくてもよい。デポ物とは、エッチング生成物が着色層の側壁に付着し堆積したものをいう。
剥離液としては、非環状含窒素化合物の含有量が、剥離液100質量部に対して9質量部以上11質量部以下であって、環状含窒素化合物の含有量が、剥離液100質量部に対して65質量部以上70質量部以下であるものが望ましい。また、剥離液は、非環状含窒素化合物と環状含窒素化合物との混合物を純水で希釈したものが好ましい。
なお、本発明の製造方法は、必要に応じ、上記以外の工程として、固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法として公知の工程を有していてもよい。例えば、上述した、着色感光性樹脂組成物層形成工程、露光工程およびパターン形成工程を行った後に、必要により、形成された着色パターンを加熱および/または露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
また、本発明に係る組成物を用いる場合、例えば、塗布装置吐出部のノズルや配管部の目詰まりや塗布機内への着色組成物や顔料の付着・沈降・乾燥による汚染等が生じる場合がある。そこで、本発明の組成物によってもたらされた汚染を効率よく洗浄するためには、前掲の本組成物に関する溶剤を洗浄液として用いることが好ましい。また、特開平7−128867号公報、特開平7−146562号公報、特開平8−278637号公報、特開2000−273370号公報、特開2006−85140号公報、特開2006−291191号公報、特開2007−2101号公報、特開2007−2102号公報、特開2007−281523号公報などに記載の洗浄液も本発明に係る組成物の洗浄除去として好適に用いることができる。
上記のうち、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートおよびアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましい。
これら溶媒は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合することが好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20である。プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の混合溶剤で、その比率が60/40であることが特に好ましい。なお、汚染物に対する洗浄液の浸透性を向上させるために、洗浄液には前掲の本組成物に関する界面活性剤を添加してもよい。
本発明のカラーフィルタは、本発明の組成物を用いているため、露光マージンに優れた露光ができる共に、形成された着色パターン(着色画素)は、パターン形状に優れ、パターン表面の荒れや現像部における残渣が抑制されていることから、色特性に優れたものとなる。
本発明のカラーフィルタは、CCD、CMOS等の固体撮像素子に好適に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCDやCMOS等に好適である。本発明の固体撮像素子用カラーフィルタは、例えば、CCDまたはCMOSを構成する各画素の受光部と、集光するためのマイクロレンズと、の間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
なお、本発明のカラーフィルタにおける着色パターン(着色画素)の膜厚としては、2.0μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましく、0.7μm以下がさらに好ましい。
また、着色パターン(着色画素)のサイズ(パターン幅)としては、2.5μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.7μm以下が特に好ましい。
[固体撮像素子]
本発明の固体撮像素子は、既述の本発明のカラーフィルタを備える。本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明におけるカラーフィルタが備えられた構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
支持体上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー、等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオードおよびポリシリコン等からなる転送電極を有し、前記フォトダイオードおよび前記転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面およびフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、前記デバイス保護膜上に、本発明の固体撮像素子用カラーフィルタを有する構成である。
さらに、前記デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
[画像表示装置]
本発明のカラーフィルタは、前記固体撮像素子のみならず、液晶表示装置や有機EL表示装置などの、画像表示装置に用いることができ、特に液晶表示装置の用途に好適である。本発明のカラーフィルタを備えた液晶表示装置は、表示画像の色合いが良好で表示特性に優れた高画質画像を表示することができる。
表示装置の定義や各表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
本発明のカラーフィルタは、カラーTFT方式の液晶表示装置に用いてもよい。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。さらに、本発明はIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、OCS、FFS、およびR−OCB等にも適用できる。
また、本発明におけるカラーフィルタは、明るく高精細なCOA(Color-filter On Array)方式にも供することが可能である。COA方式の液晶表示装置にあっては、カラーフィルタ層に対する要求特性は、前述のような通常の要求特性に加えて、層間絶縁膜に対する要求特性、すなわち低誘電率および剥離液耐性が必要とされることがある。本発明のカラーフィルタにおいては、色相に優れた染料多量体を用いることから、色純度、光透過性などが良好で着色パターン(画素)の色合いに優れるので、解像度が高く長期耐久性に優れたCOA方式の液晶表示装置を提供することができる。なお、低誘電率の要求特性を満足するためには、カラーフィルタ層の上に樹脂被膜を設けてもよい。
これらの画像表示方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページなどに記載されている。
本発明におけるカラーフィルタを備えた液晶表示装置は、本発明におけるカラーフィルタ以外に、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなど様々な部材から構成される。本発明のカラーフィルタは、これらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。これらの部材については、例えば、「'94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉(株)富士キメラ総研、2003年発行)」に記載されている。
バックライトに関しては、SID meeting Digest 1380(2005)(A.Konno et.al)や、月刊ディスプレイ 2005年12月号の18〜24ページ(島 康裕)、同25〜30ページ(八木隆明)などに記載されている。
本発明におけるカラーフィルタを液晶表示装置に用いると、従来公知の冷陰極管の三波長管と組み合わせたときに高いコントラストを実現できるが、さらに、赤、緑、青のLED光源(RGB−LED)をバックライトとすることによって輝度が高く、また、色純度の高い色再現性の良好な液晶表示装置を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」および「部」は質量基準である。
<分散剤(C−1)の合成>
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メチルメタクリレート80部、エチルアクリレート120部、及びメトキシプロピルアセテート40部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3‐メルカプト‐1,2‐プロパンジオール4.4部を添加した後、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.2部を20回に分けて30分ごとに加え、80℃のまま12時間反応し、固形分測定により95%が反応したことを確認した。次に、トリメリット酸無水物12部、メトキシプロピルアセテート190部、及び、触媒として、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、120℃で2時間、80℃で5時間反応させ、90%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを滴定で確認した。樹脂溶液2gをサンプリングし、180℃20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、不揮発分が25重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加し、固形分当たりの酸価44mgKOH/g、数平均分子量5200である芳香族カルボキシル基を有する分散剤(C−1)を得た。
<分散剤(C−2)の合成>
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メチルメタクリレート160部、エチルアクリレート40部、及びメトキシプロピルアセテート40部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3‐メルカプト‐1,2‐プロパンジオール2.2部を添加した後、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.2部を20回に分けて30分ごとに加え、80℃のまま12時間反応し、固形分測定により95%が反応したことを確認した。次に、トリメリット酸無水物12部、メトキシプロピルアセテート190部、及び、触媒として、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、120℃で2時間、80℃で5時間反応させ、90%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを滴定で確認した。樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、不揮発分が25重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加し、固形分当たりの酸価23mgKOH/g、数平均分子量11000である芳香族カルボキシル基を有する分散剤(C−2)溶液を得た。
<分散剤(C−3)の合成>
特開2007−277514号公報の段落番号0334の記載を参照して合成した。
分散剤(C−3):
上記において、aは、2.0、bは4.0、酸価10mgKOH/g、Mw20000である。
また、a及びbは、それぞれ、括弧内で表される部分構造の数を表し、a+b=6を満たす。
<樹脂バインダー1の合成>
セパラブル四口フラスコに、温度計、冷却管、窒素ガス導入管、攪拌装置を取り付けた反応容器に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを入れ、反応容器に窒素ガスを導入しながら100℃に加熱して、同温度で滴下管よりベンジルメタクリレート123.3g、メタクリル酸25.8g、アゾビスイソブチロニトリル 10.0gの混合物を1時間かけて滴下して重合反応を行った。
室温まで冷却した後、樹脂溶液を約3gサンプリングして180℃20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が40質量%となるようにプロピレングリコールアセテートを添加して、樹脂バインダー1の溶液を得た。
<顔料分散組成物の製造>
下記の組成の混合物を均一に攪拌混合した後、ビーズミルにより3時間混合・分散して顔料分散組成物1を調製した。
ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントグリーン58) 9.59質量部
黄色顔料(C.I.ピグメントイエロー185) 4.11質量部
下記色素誘導体(I−1) 1.37質量部
分散剤(C−1) 4.93質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA) 80.0質量部
色素誘導体(I−1):
<感光性樹脂組成物の調製>
下記の組成の混合物を均一に攪拌混合して、感光性樹脂組成物を調製した。
顔料分散組成物1 65.7質量部
樹脂バインダー1 1.24質量部(40質量%樹脂溶液として)
光重合開始剤(1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASF社製、IRGACURE OXE01))
1.26質量部
エチレン性不飽和化合物(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートのエチレンオキシド変性品(新中村化学工業株式会社製、NKエステル A−DPH−12E)) 2.34質量部
フッ素系界面活性剤(大日本インキ株式会社製、メガファックF−781F)
0.02質量部
p−メトキシフェノール 0.0003質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
29.44質量部
組成内容を下記表の組成に変えた以外は、上述の感光性樹脂組成物1と同様の方法で、感光性樹脂組成物2〜15を調製した。なお、感光性樹脂組成物2〜12で用いた誘導体A、誘導体(I−2)、誘導体(II−1)、および誘導体(II−2)は以下の構造式で表される。
誘導体A(富士フイルムファインケミカルズ(株)製):
誘導体(I−2):
誘導体(II−1):
誘導体(II−2):
<評価>
<<残渣>>
上記で得られた実施例及び比較例の着色感光性組成物を下塗り層付シリコンウェハ上に塗布後の膜厚が0.8μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行った。
次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して、365nmの波長で1.4μm四方のベイヤーパターンマスクを通してパターンサイズが1.4μm四方になるように露光量を調整して露光した。
その後、露光された塗布膜が形成されているガラスウェハをTMAH 0.3%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにてリンスを行い、さらに純水にて水洗し、200℃のホットプレートを用いて300秒間加熱処理(ポストベーク)を行い、1.4μm四方のベイヤーパターンが形成された単色カラーフィルタを得た。
得られた1.4μm四方のベイヤーパターンに対して、測長SEM(S−4800、日立社製)を用いて、パターン周辺の残渣を観察した。
〜判定基準〜
5:残渣は観察されない。
4:残渣がわずかに観察される。
3:残渣が観察されるが、実用上問題ないレベルである。
2:残渣が観察され、実用できないレベルである。
1:パターン周辺の下地上一面に残渣が観察される。
<<パターン直線性>>
上記で得られたパターン基盤を測長SEM(S−4800、日立社製)を用いて、上部から観察した。
〜判定基準〜
5:図1(a)のようにパターンの一辺が直線である。
4:図1(b)のようにパターンの角がやや丸まっている。
3:図1(c)のようにパターンの一辺がやや丸まっている。
2:図1(d)のようにパターンが丸まっている。
1:図1(e)のようにパターンが丸い。
<<安定性>>
上記で得られた実施例及び比較例の着色感光性組成物を室温で3ヶ月経時させた後の粘度変化を評価した。
5:経時前後の粘度変化が3.0%以下である。
4:経時前後の粘度変化が3.0%を超え5.0%以下である。
3:経時前後の粘度変化が5.0%を超え10.0%以下である。
2:経時前後の粘度変化が10.0%を超え30.0%以下である。
1:経時前後の粘度変化が30.0%を超える。
<<輝度ムラ>>
上記で得られた実施例及び比較例の着色感光性組成物を、ガラス基板上に乾燥後の膜厚が0.8μmになるようにスピンコーターを用いて塗布し、100℃で120秒間プリベークして着色塗膜を得た。
得られた各着色塗膜を光学顕微鏡の観測レンズと光源との間に設置して光を観測レンズに向けて照射し、その透過光状態を倍率が1000倍のデジタルカメラが設置された光学顕微鏡によって観察した。光学顕微鏡に設置されたデジタルカメラには128万画素のCCDが搭載されており、透過光状態にある被膜表面を撮影した。撮影画像は8ビットのビットマップ形式でデジタル変換したデータ(デジタル画像)として保存した。
なお、着色塗膜の被膜表面の撮影は任意に選択した20の領域に対して行った。また、デジタル変換したデータは、撮影画像をRGBの3原色それぞれの輝度を0〜255までの256階調の濃度分布として数値化して保存した。
次いで、保存されたデジタル画像について、1つの格子サイズが実基板上の0.5μm四方に相当するように、格子状に区分し、一つの区画内での輝度を平均化した。本実施例においては、128万画素のデジタルカメラで光学1000倍の画像を撮影したため、実基板上の0.5μmは撮影画像上の0.5mmとなり、ディスプレイ上における画像サイズが452mm×352mmであったことから、一つの領域における総区画数は636416個であった。
各領域の全区画について、任意の1区画とそれに隣接する全ての隣接区画の平均輝度とを計測した。隣接区画の平均輝度との差が5%以上の区画を有意差区画と認定し、全領域の有意差区画の平均総数を算出した。この数値が小さいほど、隣接する区画との濃度差が小さく、輝度ムラが少なく、カラーフィルタとしての特性に優れる事を表す。
〜判定基準〜
5:有意差区画数が2000以下である。
4:有意差区画数が2001〜3000である。
3:有意差区画数が3001〜5000である。
2:有意差区画数が5001〜10000である。
1:有意差区画数が10001以上である。
上記表において、各記号は以下の化合物を意味する。
PG58:ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントグリーン58)
PY139:イソインドリン系黄色顔料(C.I.ピグメントイエロー139)
PY150:ニッケルアゾ系黄色顔料(C.I.ピグメントイエロー150)
PY185:イソインドリン系黄色顔料(C.I.ピグメントイエロー185)
PG36:ハロゲン化銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントグリーン36)
無置換Znフタロシアニン顔料:ハロゲン化されていない亜鉛フタロシアニン顔料
上記表に示す結果より、フタロシアニン顔料として、非ハロゲン化亜鉛フタロシアニンやハロゲン化銅フタロシアニンを用いた場合(比較例1〜5)、パターン直線性、安定性、および輝度ムラが大きく劣っていることがわかった。また、本発明で用いる色素誘導体や分散剤を用いない場合(比較例4〜5)、リソグラフィー、パターン直線性、安定性、および輝度ムラが大きく劣っていることがわかった。
これらに対し、例えば実施例に示す本発明の感光性樹脂組成物は、本発明の組成物に必須の成分である(A)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料と(B)特定構造の色素誘導体を含むため、リソグラフィー、パターン直線性、安定性、および輝度ムラが大幅に改善されていることがわかる。

Claims (14)

  1. (A)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(B−2)下記一般式(II)で表される色素誘導体、(C)分散剤、(D)光重合開始剤(E)重合性化合物ならびに黄色顔料を含有し、
    前記黄色顔料がC.I.ピグメントイエロー150および/またはC.I.ピグメントイエロー185であり、
    (C)分散剤の含有量が顔料100質量部に対し、20〜40質量部である着色感光性樹脂組成物。
    (一般式(II)中、Dyeは置換基を有していてもよいキノフタロン残基を表し、X1は、−NR’SO2−、−SO2NR’−、−CONR’−、−CH2NR’COCH2NR’−、または−NR’CO−を表し、X2は、置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリーレン基、または置換基を有していてもよい炭素数が4〜20の複素芳香環基を表し、これらの基は、−NR’−、−O−、−SO2−または−CO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。X3は、−NR’−または−O−を表す。R’は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表す。AおよびBは、それぞれ、下記一般式(1)で表される基、下記一般式(2)で表される基、−O−(CH2n−R8、−OR9、−NR1011、−Cl、−Fおよび−X3−X2−X1−Dyeから選ばれる基を表し、R8は置換されていてもよい含窒素複素環残基を表し、R9、R10、R11は、それぞれ、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20アルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表し、nは0〜20の整数を表す。AおよびBのいずれか一方は、下記一般式(1)で表される基、下記一般式(2)で表される基、−O−(CH2)n−R8、−OR9または−NR1011であり、tは1〜3の整数を表す。tが2以上の場合、複数のX1、X2、X3、A、およびBは同一であってもよく、異なっていてもよい。)
    (一般式(1)中、Y1は−NR’−または−O−を表し、Y2は置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニレン基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリーレン基を表し、これらの基は、−NR’−、−O−、−SO2−、−CO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。R’は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表す。R1およびR2はそれぞれ、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基を表す。R1とR2が一体となって、更なる窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含み置換されていてもよい複素環構造を形成してもよい。
    一般式(2)中、Z1はトリアジン環と窒素原子を結ぶ単結合、−NR’−、−NR’−G−CO−、NR’−G−CONR’’−、−NR’−G−SO2−、−NR’−G−SO2NR’’−、−O−G−CO−、−O−G−CONR’−、−O−G−SO2−または−O−G−SO2NR’−を表し、Gは置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニレン基または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリーレン基を表し、R’およびR’’は、それぞれ水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表す。R3、R4、R5、およびR6はそれぞれ、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表し、R7は置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基を表す。)
  2. (A)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料(B−2)下記一般式(II)で表される色素誘導体、(C)分散剤、(D)光重合開始剤ならびに(E)重合性化合物を含有する着色感光性樹脂組成物であって、
    (C)分散剤の含有量が顔料100質量部に対し、20〜40質量部であり、
    前記着色感光性樹脂組成物中の全固形分に対する、着色剤の合計量が40質量%以上である着色感光性樹脂組成物。
    (一般式(II)中、Dyeは置換基を有していてもよいキノフタロン残基を表し、X1は、−NR’SO2−、−SO2NR’−、−CONR’−、−CH2NR’COCH2NR’−、または−NR’CO−を表し、X2は、置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリーレン基、または置換基を有していてもよい炭素数が4〜20の複素芳香環基を表し、これらの基は、−NR’−、−O−、−SO2−または−CO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。X3は、−NR’−または−O−を表す。R’は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表す。AおよびBは、それぞれ、下記一般式(1)で表される基、下記一般式(2)で表される基、−O−(CH2n−R8、−OR9、−NR1011、−Cl、−Fおよび−X3−X2−X1−Dyeから選ばれる基を表し、R8は置換されていてもよい含窒素複素環残基を表し、R9、R10、R11は、それぞれ、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20アルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表し、nは0〜20の整数を表す。AおよびBのいずれか一方は、下記一般式(1)で表される基、下記一般式(2)で表される基、−O−(CH2)n−R8、−OR9または−NR1011であり、tは1〜3の整数を表す。tが2以上の場合、複数のX1、X2、X3、A、およびBは同一であってもよく、異なっていてもよい。)
    (一般式(1)中、Y1は−NR’−または−O−を表し、Y2は置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニレン基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリーレン基を表し、これらの基は、−NR’−、−O−、−SO2−、−CO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。R’は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表す。R1およびR2はそれぞれ、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基を表す。R1とR2が一体となって、更なる窒素原子、酸素原子または硫黄原子を含み置換されていてもよい複素環構造を形成してもよい。
    一般式(2)中、Z1はトリアジン環と窒素原子を結ぶ単結合、−NR’−、−NR’−G−CO−、NR’−G−CONR’’−、−NR’−G−SO2−、−NR’−G−SO2NR’’−、−O−G−CO−、−O−G−CONR’−、−O−G−SO2−または−O−G−SO2NR’−を表し、Gは置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキレン基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニレン基または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリーレン基を表し、R’およびR’’は、それぞれ水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表す。R3、R4、R5、およびR6はそれぞれ、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基、または置換基を有していてもよい炭素数が6〜20のアリール基を表し、R7は置換基を有していてもよい炭素数が1〜20のアルキル基、または置換基を有していてもよい炭素数が2〜20のアルケニル基を表す。)
  3. さらに、黄色顔料を含む、請求項に記載の着色感光性樹脂組成物。
  4. 前記黄色顔料が、C.I.ピグメントイエロー150および/またはC.I.ピグメントイエロー185である、請求項に記載の着色感光性樹脂組成物。
  5. (C)分散剤が、片末端に水酸基を有するビニル系重合体の水酸基とトリカルボン酸無水物またはテトラカルボン酸二無水物とを反応してなる、請求項1〜のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物。
  6. 一般式(II)中、キノフタロン残基が、下記一般式(II−1)で表される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物。
    一般式(II−1)
    (一般式(II−1)中、DおよびEはそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、DおよびEが結合したベンゼン環とともに形成し、置換基を有してもよい芳香環基または複素環基、ヒドロキシル基、炭素数1〜3のアルコキシル基、カルボキシル基あるいはその塩あるいは炭素数1〜20のエステルあるいは炭素数1〜20のアミド、スルホン基あるいはその塩、スルファモイル基、−NR’R’’−、ニトロ基から選ばれるいずれかの基を表す。式中、R’およびR’’は、それぞれ、水素原子、置換基を有していてもよく炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20のアルケニル基または置換基を有していてもよい炭素数6〜20のアリール基を表す。pは0〜4の整数を表し、qは4−pで算出される整数を表す。*は、一般式(II)におけるX1との結合部位を表す。)
  7. 一般式(II)中、AおよびBは、一般式(1)で表される基または一般式(2)で表される基を表し、かつ、同一の基である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物。
  8. (A)ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料が、C.I.ピグメントグリーン58である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物。
  9. カラーフィルタの着色領域形成に用いられる請求項1〜のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜。
  11. 請求項1〜のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物を支持体上に適用して着色感光性樹脂組成物層を形成する工程と、前記着色感光性樹脂組成物層をパターン状に露光する工程と、未露光部を現像除去して着色パターンを形成する工程とを含むカラーフィルタの製造方法。
  12. 請求項1〜のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物を支持体上に適用して着色感光性樹脂組成物層を形成し、硬化して着色層を形成する工程、
    前記着色層上にフォトレジスト層を形成する工程、露光および現像することにより前記フォトレジスト層をパターニングしてレジストパターンを得る工程、および
    前記レジストパターンをエッチングマスクとして前記着色層をドライエッチングする工程を含む、カラーフィルタの製造方法。
  13. 請求項10に記載の硬化膜を有するカラーフィルタ
  14. 請求項13に記載のカラーフィルタを有する固体撮像素子または画像表示装置。
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