JP6119798B2 - 露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法 - Google Patents
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Description
本願は、2005年3月23日に出願された特願2005−083756号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本実施形態に係る露光装置について図1を参照しながら説明する。図1は露光装置EXの一実施形態を示す概略構成図である。図1において、露光装置EXは、マスクMを保持して移動可能なマスクステージMSTと、基板Pを保持する基板ホルダPHを有し、基板Pを保持した基板ホルダPHを移動可能な基板ステージPSTと、マスクステージMSTに保持されているマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターン像を基板P上に投影する投影光学系PLと、露光装置EX全体の動作を統括制御する制御装置CONTとを備えている。
基板ステージPSTの側面には移動鏡93が設けられている。また、移動鏡93に対向する位置にはレーザ干渉計94が設けられている。基板ステージPST上の基板Pの2次元方向の位置、及び回転角はレーザ干渉計94によりリアルタイムで計測される。また、露光装置EXは、基板ステージPSTに支持されている基板Pの表面の面位置情報を検出する斜入射方式のフォーカス・レベリング検出系(不図示)を備えている。フォーカス・レベリング検出系は、基板Pの表面の面位置情報(Z軸方向の位置情報、及びθX及びθY方向の傾斜情報)を検出する。なお、フォーカス・レベリング検出系は、静電容量型センサを使った方式のものを採用してもよい。レーザ干渉計94の計測結果は制御装置CONTに出力される。フォーカス・レベリング検出系の検出結果も制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、フォーカス・レベリング検出系の検出結果に基づいて、基板ステージ駆動装置PSTDを駆動し、基板Pのフォーカス位置(Z位置)及び傾斜角(θX、θY)を制御して基板Pの表面を投影光学系PLの像面に合わせ込むとともに、レーザ干渉計94の計測結果に基づいて、基板PのX軸方向、Y軸方向、及びθZ方向における位置制御を行う。
また、シール部材70の内縁部の一部は、投影光学系PLの最終光学素子LS1と基板Pとの間に配置されており、シール部材70の内側面70Tの一部は、最終光学素子LS1の下面と対向している。また、図3に示すように、投影光学系PLの投影領域ARは、Y軸方向を長手方向とするスリット状(矩形状)に設定されている。
気体供給装置30は、露光装置EXが収容されたチャンバ内部の気体とほぼ同じ気体を供給する。本実施形態においては、気体供給装置30は、空気(ドライエア)を供給する。
なお、気体供給装置30から供給される気体としては、窒素ガス(ドライ窒素)等であってもよい。気体供給装置30の動作は制御装置CONTにより制御される。
補償機構5は、生成された気流により液体LQの一部が気化することで生じる気化熱による基板Pの局所的な温度低下を補償する。補償機構5は、供給口12より光路空間K1に供給される液体LQの温度と、基板Pの温度とがほぼ等しくなるように、基板Pの温度低下を補償する。
制御装置CONTは、液体温調装置51を使って、供給口12より光路空間K1に供給される液体LQの温度と、基板ホルダPHに保持されている基板Pの温度とがほぼ等しくなるように、液体LQの温度を調整する。また、制御装置CONTは、液体温調装置51を使って、供給口12より光路空間K1に供給される液体LQの温度と、露光装置EXが収容されたチャンバ内部の温度とがほぼ等しくなるように、液体LQの温度を調整する。
したがって、本実施形態においては、供給口12より光路空間K1に供給される液体LQの温度と、光路空間K1に満たされた液体LQの温度と、基板ホルダPHに保持されている基板Pの温度とはほぼ等しくなっている。そして、制御装置CONTは、気体温調装置50を使って、噴射口32から噴射される気体の温度を、光路空間K1に満たされた液体LQの温度(すなわち基板Pの温度)よりも高くする。噴射口32から噴射される気体の温度を液体LQの温度よりも高くすることにより、ガスシール機構3により生成された気流に起因する基板Pの温度変化、具体的には液体LQの一部が気化することで生じる気化熱による基板Pの局所的な温度低下を補償することができる。
なお断熱構造としては、シール部材70の周囲に配置される各物体に与える熱的影響を抑えることができるのであれば、任意の構成を採用することができる。
次に、第2実施形態について図5を参照しながら説明する。本実施形態の特徴的な部分は、補償機構5が、光路空間K1に対して噴射口32の外側に、気体を吹き出す吹き出し口36を備えている点にある。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
なお図5では省略されているが、上述の実施形態同様、供給口12は供給流路及び供給管13を介して液体供給装置10と接続されており、回収口22は回収流路及び回収管23を介して液体回収装置20と接続されている。
即ち、本実施形態では補償機構5の少なくとも一部がガスシール機構3とは別設されている。
これにより、基板Pや液体LQ等の温度変化(温度上昇)を抑制することができる。
次に、第3実施形態について図6を参照しながら説明する。本実施形態では補償機構5及び断熱構造(断熱材)71の構成が上述の第1実施形態(図4)と異なる。以下の説明では、上述の第1実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態の補償機構5は、基板Pに向かって熱を放射することによって、ガスシール機構3により生成された気流に起因する基板Pの温度変化を補償する放射部53を有している。本実施形態においては、放射部53は、シール部材70のうち基板Pと対向する下面70Aの一部に複数設けられている。より具体的には、放射部53は、シール部材70の下面70Aにおいて、光路空間K1に対してガスシール機構3の噴射口32の外側に設けられている。放射部53は、例えば遠赤外線セラミックヒータ等によって構成されている。基板Pの表面と対向する位置に放射部53を設けることにより、放射部53から放射された熱によって基板Pを暖めることができるため、ガスシール機構3により生成された気流に起因する基板Pの温度変化(温度低下)を抑制することができる。
また、図6に示すように、シール部材70の一部として、放射部53を囲むように断熱材71を設けることにより、放射部53に対向する基板Pの局所的な領域のみを暖め、他の領域や、液体LQ、あるいは最終光学素子LS1の温度上昇を抑えることができる。
第4実施形態について図7を参照しながら説明する。本実施形態では補償機構5の構成が上述の各実施形態と異なる。以下の説明では、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付してその説明を省略する。本実施形態の補償機構5は、基板Pを保持する基板ホルダPHに設けられ、基板Pの温度を調整するホルダ温調装置54を備えている。ホルダ温調装置54は、熱を放射する放射部を含んで構成されており、基板P上の任意の領域を液体LQの温度よりも高くすることができる。ホルダ温調装置を構成する放射部54は、上述の第3実施形態同様、例えば遠赤外線セラミックヒータ等によって構成される。
具体的には、放射部54は、基板ホルダPHの基材99に複数埋設されている。放射部54は、基板Pの裏面に向かって熱を放射することによって、ガスシール機構3により生成された気流に起因する基板Pの温度変化を補償する。基板Pの裏面と対向する位置に放射部54を設けることにより、放射部54から放射された熱によって基板Pを暖めることができるため、ガスシール機構3により生成された気流に起因する基板Pの温度変化(温度低下)を抑制することができる。
そして、制御装置CONTは、基板Pを露光するときに、記憶した調整量に基づいて、噴射口32から噴射される気体の温度を気体温調装置50を使って調整することにより、ガスシール機構3により生成された気流に起因する基板Pの温度変化を補償しつつ、基板Pを露光することができる。同様に、制御装置CONTは、温度センサ80の計測結果に基づいて、液体LQの温度とダミー基板DPの温度とがほぼ等しくなるように、吹き出し口36から吹き出される気体の温度を第2気体温調装置52を使って調整し、そのときの調整量を記憶し、基板Pを露光するときには、記憶した調整量に基づいて、吹き出し口36から吹き出される気体の温度を第2気体温調装置52を使って調整することにより、ガスシール機構3により生成された気流に起因する基板Pの温度変化を補償しつつ、基板Pを露光することができる。同様に、制御装置CONTは、温度センサ80の計測結果に基づいて、液体LQの温度と基板Pの温度とがほぼ等しくなるように、放射部53から放射する熱量を最適化することができる。なお、補償機構5における前述の調整量(補正量)は、基板P上のショット領域に対応付けて記憶してもよいし、あるいは基板PのXY位置に対応付けて記憶してもよい。
また、上述の第1〜第4実施形態では、ガスシール機構3によって液体LQを保持する(液体LQの不要な拡がりを防止する)ものとしたが、必ずしもガスシールを用いなくてもよい。例えば、少なくとも基板Pの露光動作時における、投影光学系PLの最終光学素子LS1(又はシール部材70の下面70A)と基板Pとの間隔を1〜3mm程度に設定して、毛細管現象を利用することより、液体LQを保持しつつ、液体LQの供給、回収を行うようにしてもよい。
さらに、上述の第1〜第3実施形態ではシール部材70に断熱材71を設けるものとしたが、断熱材を設ける代わりに、あるいは断熱材と組み合わせて、例えばシール部材70の温度を調整する機構を設けてもよい。勿論、補償機構5などに起因するシール部材70の温度変化、ひいては液体LQ、投影光学系PLなどの温度変化が所定の許容範囲内であるときは、前述した断熱材などを設けなくてもよい。
なお、上述の第1〜第4実施形態では、ガスシール機構3により生成された気流により液体LQの一部が気化することで生じる気化熱による基板Pの温度変化を補償するものとしたが、ガスシール機構3による気体の噴出を行わなくても液体LQの一部が気化し得るので、液体LQをシールする気体の噴出を行わない、あるいはガスシール機構3を設けない場合にも、前述の補償機構5によって気化熱による基板の温度変化を補償するようにしてもよい。
また、上述の第1〜第4実施形態では、光路空間K1に満たされる液体LQの温度と基板Pの温度とをほぼ等しくするものとしたが、前述の気化熱による基板Pの局所的な温度変化(即ち、露光精度の変動)が所定の許容範囲内となっているならば、液体LQの温度と基板Pの温度とを異ならせてもよい。
さらに、液体LQとしては、屈折率が1.6〜1.8程度のものを使用してもよい。
また、石英及び蛍石よりも屈折率が高い材料(例えば1.6以上)で、少なくとも最終光学素子LS1を形成してもよい。液体LQとして、種々の液体、例えば超臨界流体を用いることも可能である。
この場合、干渉計システムとエンコーダシステムの両方を備えるハイブリッドシステムとし、干渉計システムの計測結果を用いてエンコーダシステムの計測結果の較正(キャリブレーション)を行うことが好ましい。また、干渉計システムとエンコーダシステムとを切り替えて用いる、あるいはその両方を用いて、ステージの位置制御を行うようにしてもよい。
さらに、例えば特表2004−519850号公報(対応する米国特許第6,611,316号)に開示されているように、2つのマスクのパターンを、投影光学系を介して基板上で合成し、1回のスキャン露光によって基板上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも本発明を適用することができる。
2…噴射口、36…吹き出し口、50…気体温調装置(第1温調装置)、52…第2気体
温調装置(第2温調装置)、51…液体温調装置(第3温調装置)、53…放射部、54
…放射部(第4温度調整装置)、70…シール部材、71…断熱材(断熱構造)、CON
T…制御装置、EL…露光光、EX…露光装置、K1…光路空間、LQ…液体、MRY…
記憶装置、P…基板、PH…基板ホルダ(保持部材)、PL…投影光学系
Claims (16)
- 基板を走査方向に移動しながら、液体を介して前記基板に露光光を照射して、前記基板を露光する露光装置において、
像面に最も近い最終光学素子を有する投影光学系と、
複数の液体供給口と液体回収口と複数の気体供給口とを有し、前記最終光学素子を囲むように配置されたシール部材と、
前記複数の液体供給口から供給される液体の温度を調整する第1温調装置と、
前記基板の裏面を支持する基板ホルダを移動可能な基板ステージと、
前記基板ホルダに支持された前記基板の裏面側から前記基板を暖めることができる第2温調装置と、を備え、
前記複数の液体供給口は、前記基板の表面が対向可能に配置され、且つ前記走査方向において前記最終光学素子から射出される露光光の光路空間の両側に配置され、
前記液体回収口は、前記基板の表面が対向可能に配置され、且つ前記光路空間に対して前記液体供給口の外側に、前記光路空間を囲むように配置され、
前記気体供給口は、前記基板の表面が対向可能に配置され、且つ前記光路空間に対して前記液体回収口の外側に、前記光路空間を囲むように配置されている露光装置。 - 前記第1温調装置は、前記液体供給口から前記光路空間に供給される液体の温度と、前記基板の温度とがほぼ等しくなるように、前記液体供給口から供給される液体の温度を調整する、請求項1に記載の露光装置。
- 前記第1温調装置は、前記液体供給口から前記光路空間に供給される液体の温度と、前記露光装置を収容するチャンバの内部の温度と、がほぼ等しくなるように、前記液体供給口から供給される液体の温度を調整する、請求項1または2に記載の露光装置。
- 前記第2温調装置は、前記基板ホルダの前記基板の裏面と対向する位置に設けられ、前記基板に熱を放射する放射部を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記第2温調装置は、前記基板上の任意の領域の温度を前記光路空間に満たされた液体の温度よりも高くすることができる、請求項1から4のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記シール部材の温度を調整する機構をさらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の露光装置。
- 前記複数の気体供給口から供給される気体の温度を調整する第3温調装置をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の露光装置。
- 請求項1から7のいずれか一項に記載の露光装置を用いるデバイス製造方法。
- 基板の裏面を支持する基板ホルダに支持された基板を走査方向に移動しながら、液体を介して前記基板に露光光を照射して、前記基板を露光する露光方法において、
像面に最も近い最終光学素子から露光光を射出することと、
前記基板の表面が対向可能に配置され、且つ前記走査方向において前記最終光学素子から射出される露光光の光路空間の両側に配置された複数の液体供給口から供給される液体の温度を調整することと、
前記基板の表面が対向可能に配置され、且つ前記光路空間に対して前記液体供給口の外側に、前記光路空間を囲むように配置された液体回収口から液体を回収することと、
前記基板の表面が対向可能に配置され、且つ前記光路空間に対して前記液体回収口の外側に、前記光路空間を囲むように配置された複数の気体供給口から気体を供給することと、
前記基板ホルダに支持された前記基板の裏面側から前記基板を暖めることと、
を含む露光方法。 - 前記液体の温度を調整することは、前記液体供給口から前記光路空間に供給される液体の温度と、前記基板の温度とがほぼ等しくなるように、前記液体供給口から供給される液体の温度を調整することを含む、請求項9に記載の露光方法。
- 前記液体の温度を調整することは、前記液体供給口から前記光路空間に供給される液体の温度と、露光装置を収容するチャンバの内部の温度と、がほぼ等しくなるように、前記液体供給口から供給される液体の温度を調整することを含む、請求項9または10に記載の露光方法。
- 前記基板を暖めることは、前記基板の裏面に向かって熱を放射することを含む、請求項9から11のいずれか一項に記載の露光方法。
- 前記基板を暖めることは、前記基板上の任意の領域の温度を前記光路空間に満たされた液体の温度よりも高くすることをさらに含む、請求項9から12のいずれか一項に記載の露光方法。
- 前記複数の液体供給口と前記液体回収口と前記複数の気体供給口とを有し、前記最終光学素子を囲むように配置されたシール部材の温度を調整することをさらに含む、請求項9から13のいずれか一項に記載の露光方法。
- 前記複数の気体供給口から供給される気体の温度を調整することをさらに含む、請求項9から14のいずれか一項に記載の露光方法。
- 請求項9から15のいずれか一項に記載の露光方法を用いるデバイス製造方法。
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