JP6026282B2 - 無機繊維を形成するための繊維形成遠心機、装置及び方法 - Google Patents

無機繊維を形成するための繊維形成遠心機、装置及び方法 Download PDF

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Description

本発明は高温ガス流れを介した繊細化に関連する内部遠心処理方法によって無機繊維または他の熱可塑性材料を形成することを可能にする、繊維形成紡績機とも呼ばれる繊維形成遠心機に関する。それは、例えば、断熱材、および/または、遮音材の組成に混ぜられるために設計されたガラス・ウールの工業製品に特に適用する。
溶融ガラスの細流は、高速で回転する繊維形成遠心機に投入されて、その周囲の無数の穴に通され、遠心力の作用の下でその穴を通り貫けたガラスがフィラメントの形に噴霧される。そして、これらのフィラメントは、遠心機の壁を掃く高温および高速で環状の繊細化流れの操作に晒される。この流れは、それらを細くして繊維に変える。形成された繊維は、このガスの繊細化流れによって、通常、ガス透過形細長片で構成された受止め装置に引出される。この方法は「内部遠心処理」と言われる。
この方法は、特に繊維形成紡績機のいくつか、例えば、特定のタイプのバーナーに起因して環状の繊細化流れを作り出すための手段の他のいくつか、に関連する多くの向上の課題であった。後者の点に関して、欧州特許第0189354号明細書、欧州特許第0519797号明細書、国際公開第97/15532号パンフレットを参照。
繊維形成紡績機に関して、仏国特許出願公開第1382917号明細書は、それの原理がまだ豊富に使用されている繊維形成部材を説明する:溶融材料は、多数の穴を有し籠に固定された回転体の壁に、そこを通して物質が噴霧される穴をその垂直壁面に有した籠に入れられる。この壁は、繊維形成紡績機の「細長片」と言われる。高品質の繊維成形を得るために、穴は環状の列で配され、穴の直径はそれらが属する列によって異なり、この直径は、細長片の頂部から底部まで、徐々に小さくなっている。
仏国特許出願公開第2443436号明細書に特に記載されているように、向上は、この基本原理にされた。その手段は、紡績機の細長片の頂部から底部まで溶融物質の層流を得ることを可能にさせる。
欧州特許出願公開第1370496号公報に記載された他の改善は、繊維の品質と効率の向上を改良した。それは、5%以上の値から異なっている単位面積当たりの穴の数を有した少なくとも2つの環状帯域が上下に配置された複数の環状帯域において細長片の穴の分配を含む。
これらの例のすべてにおいて、紡績機の周囲の細長片は、繊維を形成する紡績機に遠心処理される溶融ガラス、及び、環状の繊細化流れを作り出すバーナーで吹かれた熱気の両方によって、加熱される。
しかしながら、バーナーによる加熱は、かなりのエネルギー消費の源である。
したがって、この遠心機を備えた繊維形成装置のエネルギー消費を改善することを可能にする繊維形成遠心機が必要である。
そこで、本発明は、回転軸を中心に回転するのに適した繊維形成遠心機を提案し、この遠心機は以下を含む。
即ち、複数の孔が開けられて対称の軸として回転軸を有した環状壁と、
心機が遠心処理状態である場合に、遠心機の外表面、環状壁および/または環状壁の上方及び近傍に位置する、1つの連続した起伏又は不連続な(複数の)起伏の少なくとも1つの列であって、遠心機が遠心処理状態である場合に水平又は水平に対して0°以上90°未満に傾けられている列とを含む
他の特定の特徴によれば、遠心機は、連続した起伏および/または不連続な起伏による少なくとも2つのたがいに平行な列を含む。
他の特定の特徴によれば、2つの隣接している列の不連続な起伏は、千鳥状に配置される。
他の特定の特徴によれば、2つの隣接している列の不連続な起伏は、放射状に(半径の異なる円周上に)並べられる。
他の特定の特徴によれば、列の隣接している2つの不連続な起伏の間の距離は、一定である。
他の特定の特徴によれば、不連続な起伏は、スタッド、および/または、リブ、および/または、半球形窪み、および/または、半円形断面の溝である。
他の特定の特徴によれば、1つの及びそれと同じ列のスタッドは、丸、正方形、三角形、または、菱形の断面、または他の錐形の形状を有し、1つの及びそれと同じ列のリブは、丸、正方形、三角形、または不等辺四辺形の断面を有している。
他の特定の特徴によれば、スタッドまたはリブの高さの範囲は、1〜5mmで、途中で、スタッドへ上る途中の断面は1〜3mmである。
他の特定の特徴によれば、半球形の窪みの直径は、1〜4mmの範囲で、溝の半円形断面の直径は、1〜4mmの範囲である。
他の特定の特徴によれば、連続した起伏は、半円形断面の溝、または、丸形か正方形か三角形または不等辺四辺形の断面のリブであって、溝の半円形断面の直径が1〜4mmの範囲で、リブの高さが1〜5mmの範囲である。
また、本発明は、無機繊維を形成するために以下のものを備える装置を提案する:
− 上述のような繊維形成遠心機と、
− 高温ガス性の繊細化ジェットを作り出す環状バーナーと、を含み、
環状バーナーの放出口は、繊維形成状態における遠心機の起伏の上方に位置され、ガスの繊細化ジェットは、遠心機の環状壁に対して接する。
また、本発明は、繊維に形成されるための原料が遠心機に注がれる上述の無機繊維形成装置を使用する高温ガスの繊細化に関連している内部遠心処理で無機繊維を形成する方法を提案する。
また、本発明は、成型方法の上と、そして、断熱材および/または遮音材製品を製造するために上述の無機繊維形成装置及び上述の無機繊維形成方法によって得られた無機繊維の使用を提案する。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の図面を参照して説明される:
・図1は、本発明に係る無機繊維形成装置の断面図である。
・図2は、本発明に係る繊維形成装置の断面図である。
・図3は、円筒形起伏の3つの列を平らにした平面図を示し、2つの隣接している列の起伏は放射状に配列されている。
・図4は、円筒形起伏の3つの列を平らにした平面図を示し、2つの隣接している列の起伏は千鳥状に配列されている。
・図5は、遠心機が遠心処理位置にある場合のスタッドの形状における起伏の垂直断面図を示す。
・図6は、半球形窪みの形における起伏の断面図を示す。
・図7は、半球形窪みの形における起伏の平面図を示す。
・図8a及び図8bは、2つの隣り合う列のスタッドが千鳥状に配列され、円筒のスタッドの3つの列を含む遠心機の細部の断面図及び平面図をそれぞれ示す。
・図9a及び図9bは、2つの隣り合う列の半円形窪みが千鳥状に配列され、半円形窪みの8つの列を含む遠心機の細部の断面図及び平面図をそれぞれ示す。
・図10a及び図10aは、2つの隣り合う列のスタッドが千鳥状に配列されかつ異なる高さであり、正方形断面のスタッドの2つの列を含む遠心機の細部の断面図及び平面図をそれぞれ示す。
・図11は、2つの隣り合う列のスタッドが放射状に配列され、正方形断面のスタッドの3つの列を含む遠心機の細部の平面図を示す。
・図12a及び図12bは、2つの隣り合う列のスタッドが千鳥状に配列され、菱形断面のスタッドの2つの列及び三角形断面のスタッドの列を含む遠心機の細部の断面図及び平面図をそれぞれ示す。
様々な図中において同じ参照番号は、同じであるか同様の構成を示す。
「頂部」、「底部」、「上側」、および「下側」は、遠心機が遠心処理位置である場合、すなわち、図1及び図2のように、遠心機の回転軸が鉛直軸上にある場合に、鉛直軸に対して定義される。
本発明は、回転軸を中心に回転できる繊維形成遠心機に関する。遠心機は、複数の穴で貫かれた環状壁を含む。この環状壁は、遠心機の回転軸に対して対称である。
また、遠心機は、遠心機が遠心処理位置である場合に、遠心機の外表面、環状壁、および/または、環状壁の上方かつ近傍に、位置されている連続した起伏または不連続な起伏の列を含む。遠心機が遠心処理位置である場合に、水平であるか、水平に対して0°以上及び90°未満の角度に傾斜されている。
したがって、連続した起伏または不連続な起伏の列は、バーナーの放出口の近くで、バーナーから出て来るガスジェット中にある。起伏は、この起伏の近傍のガスを混合するのを可能にし、バーナーの放出口と遠心機の表面(特に遠心機の環状壁)との間の熱交換の向上を助ける、乱流を引き起こす。したがって、起伏無しの遠心機と同じバーナー加熱力のために、遠心機の環状壁の温度は上昇する。同様に、バーナーの加熱力を減少させることによって、起伏無しの遠心機と比べて遠心機の環状壁は、同じ温度を得ることができる。
そのような遠心機を含む繊維形成装置のエネルギー消費は、その結果向上する。
本発明に係る遠心機は、無機繊維形成装置に組み込まれるように設計されている。
図1は、本発明に係る無機繊維成形装置の断面図を示す。
無機繊維成形装置は、複数の穴11で貫かれた環状壁10を含む遠心機1を含む。また、遠心機は、ウエブ13を含む。ウエブ13は、環状壁とチューリップの間の遠心機1の上部を形成する。また、無機繊維成形装置は、モーター(図示せず)によって回転されるように設計された軸線9を有したシャフト2を含む。遠心機1は、ウエブに並んだチューリップを介してシャフト2に取り付けられる。無機繊維成形装置が繊維成形位置にある場合、軸線9は、鉛直である。
シャフト2は、中空である。その最上端で、シャフト2は、溶融ガラスを供給する手段に接続される。その底部端で、シャフト2は、籠3に接続される。籠3は、図1で見られるような遠心機1の中に位置している。シャフト2に取り付けられた籠3は、遠心機1とシャフト2とともに回転するように設計されている。籠3は、複数の穴31で貫かれた環状壁30を含む。
無機繊維形成装置が運転中である場合、遠心機1、シャフト2、および籠3は、シャフト2の軸線を中心に回転する。溶融ガラスは、溶融ガラスを供給する手段から籠3へ向けてシャフト2に流れ込み、そこで、溶融ガラスは、広がる。回転の作用の下で、溶融ガラスは、籠3の環状壁30に吹き付けられ、籠3の約1.5mmから3mmの範囲の直径の複数の穴31を通して、直径2mm台の多量のフィラメント5の形で、周壁10にスプレーされ、通常、遠心機1の「細長片」と呼ばれる。そして、溶融ガラスの永久的な保持は、遠心機1の環状壁10に貫通された複数の穴11を供給するために遠心機で形成される。溶融ガラスは、フローコーン6を引き延ばして予備繊維を7を形成するために、遠心機1の約0.5mmから1mmの間の範囲の直径の複数の穴11を通る。
また、無機繊維成形装置は、高温ガスの繊細化ジェットを作り出す少なくとも1個の環状バーナー4を含む。ガスの繊細化ジェットは、(ガスの繊細化ジェットが遠心機1の環状壁10に沿うように、その放出口40を通して環状バーナー4から出て来る、通常1350℃から1600℃の高温のガスの流れである。繊維形成位置において、環状バーナー4の放出口40は、遠心機1の環状壁10の上方に位置している。
環状バーナーは、例えば、出願人の欧州特許出願公開第0189354号明細書、欧州特許出願公報第0519797号明細書、または、欧州特許出願公開第1474636号明細書の文献の開示による。ガスの繊細化ジェットの作用のもとで、予備繊維7は、細くされ、遠心機の下に集められる不連続繊維8を、端末部が作り出す。
また、繊維成形装置は、遠心機の最下部領域を加熱して遠心機の高さを超える温度勾配が生じないように制限又は規制するために、遠心機の下に誘導リングおよび/または内部バーナー(図示せず)をオプションで備える。
図2は、本発明に係る遠心機1の断面図を示す。
上述のように、遠心機1は、回転軸9を中心に回転することに適合し、複数の穴11で貫かれた環状壁10を含む。環状壁10は、その対称軸として遠心機の回転軸9を有する。複数の穴11は、予備繊維7として繊細化されるフローコーン6を形成し、そして、上述したようにガスの繊細化ジェットの作用の下で繊維8になることを可能にする。
多くのパラメータは、繊維の寸法及び引張強度に影響力を有しており、繊維の品質を決定する。様々な繊維品質は、用途に応じて使用するべき値を有することができる。例えば、良い圧縮抵抗もしくは良い音響を必要とする用途のために、短くてもろい繊維が好まれるだろう。他方では、良い耐熱性を必要とする用途のために、長くて絹のような繊維が好まれるだろう。繊維の品質で影響するパラメータは、他のものの中において、繊維の構成、遠心機1の環状壁10の温度、及び、環状バーナー4の放出口40から生じるガスの繊細化ジェットの温度、である。環状バーナー4の放出口40から生じるガスの繊細化ジェットは、環状壁10を加熱すること及び繊維を細くすることの両方に使用される。また、環状壁10は、環状壁10の内壁に対して蓄積する溶融ガラスによって加熱される。したがって、遠心機1の環状壁10の温度は、遠心機に蓄積する溶融ガラスの温度とガスの繊細化ジェットの温度の両方の温度に依存する。
遠心機1の環状壁10の温度は、溶融ガラスが環状壁10の穴11で結晶化されるのを防ぐことができるくらい高くなければならない。さもなければ、穴11は、塞がり、遠心機1はすぐに使用不能になるだろう。
ガラスの結晶化の温度は、その化学的組成に依存する。特に、アルミナ含有率の高い繊維の結晶化温度は、高い。結晶化温度が高ければ高いほど、遠心機の環状壁の温度は、より高くなければならない。ガスの繊細化ジェットの超高温は、多くのエネルギーを必要として、遠心機の外側表面を弱める。そのうえ、ガスの繊細化ジェットの高温は、短くてもろい繊維だけを製造することを可能にする。長い絹状の繊維を製造するために、ガスの繊細化ジェットの温度が高過ぎないことが重要である。したがって、結晶化を防ぐために遠心機1の環状壁10に十分な温度を確保する間、ガスの繊細化ジェットの温度が高くなり過ぎるのを防ぐために、ガスの繊細化ジェットから遠心機1の環状壁10の表面へ熱を伝えることができることが、重要である。
省エネである間に長く絹状の繊維を製造することが可能になるので、アルミナ含有率の小さい繊維にとって、本発明に係る遠心機は、価値がある。
ガスの繊細化ジェットから遠心機1の環状壁10の表面への熱伝達を改良するために、遠心機1は、その外側表面に連続した起伏またはいくつかの不連続な起伏12を備える。この起伏又はこれらの起伏あるいは凹凸は、起伏近傍の遠心機1の周囲の雰囲気と起伏近傍の遠心機の表面との間の熱交換を改善することを可能にする。熱交換を改善することは、環状壁10の温度を低下させることなく繊細化ガスジェットの温度を低下させることを可能にする。その結果、1つの同じ環状壁の温度に対して、本発明に係る遠心機で、遠心機の(複数の)起伏または(複数の)凹凸における熱交換を最大40%増大させることができる。
遠心機1は、環状壁10とウエブ13の間の丸み14を備える。
(複数の)起伏12は、バーナーが遠心機1に作用する領域、すなわち、ガスの繊細化ジェットによって加熱される遠心機の領域に、配置される。遠心機1が遠心処理状態にある場合、連続した起伏および/または不連続な起伏は、すなわち、環状壁10上に少なくとも1つの列、および/または環状壁10の上方に、配置される。したがって、好ましくは、連続した起伏および/または不連続な起伏12の少なくとも1つの列が環状壁10とウエブ13の間の丸み14、および/または環状壁10に配置される。連続した起伏および/または不連続な起伏の他の列は、図1及び図2に示すように、丸み14に配置された列の近傍のウエブ13、および/または、環状壁10に配置されるかもしれない。したがって、全ての起伏は、遠心機1の環状壁10状または近傍にある。それぞれの列は、環状である、すなわち、遠心機が遠心処理状態である場合に水平であるか、または遠心機が遠心処理状態である場合に水平に対して0°以上90°未満の角度に傾いている。
したがって、(複数の)起伏12は、(特に図1にみられるように)遠心機1の環状壁10のわずかに上に位置している環状バーナー4の放出口40の近くにあり、このバーナーは環状壁10に沿ってガスの流れを噴き出している。(複数の)起伏は、したがって、環状バーナー4を離れたガスと遠心機の環状壁10との間の熱交換を改善するため完璧に位置決めされている。
好ましくは、遠心機1は、互いに平行である連続した起伏および/または不連続な起伏のいくつかの列を含む。これは、単列を有する遠心機に対して熱交換を改善することを可能にする。環状バーナー4の放出口40での繊細化ジェットの全く同じ温度において、1つだけでなくいくつかの起伏の列を遠心機が備えるならば、環状壁の温度は、その結果、より高い(したがって、環状壁はより良く加熱される)。遠心機が少なくとも2つの列を含む場合、同時に、連続した起伏の1つ以上の列と不連続な起伏の1つ以上の列があってもよい。遠心機がいくつかの列を含む場合、少なくとも1つの列は、水平であるか、水平に対して0°以上90°未満の角度に傾いており、他の列は、繊維形成状態において鉛直である。
好ましくは、不連続な起伏の場合、1つの同じ列の2つの隣り合う起伏12の間の距離は、一定である。不連続な起伏12が均等に配付されるので、環状バーナー4から出て来る高温のガス流と遠心機の環状壁10の外側表面との間の熱交換は、可能な限り環状壁10の全周囲にわたって一定である。
同様に、遠心機が連続した起伏および/または不連続な起伏のいくつかの列を備える場合、2つの隣り合う列の間の距離は、一定であり、また、熱交換を一様にすることを可能にする。
上述のように、環状バーナー4から出てくるガスと遠心機1の外側表面の近くに位置する空気の間に温度勾配がある。起伏は、環状バーナー4から出てくるガスと遠心機1の外側表面の近くに位置する空気との攪拌をさせる乱流をガスの繊細化ジェットに引き起こす。この攪拌は、環状バーナー4のガスと起伏の近くの、すなわち、遠心機1の環状壁10上または近傍の、遠心機の外側表面との間の熱交換をより簡単にする。この攪拌は、遠心機1の外側表面上の決められた高さを越えて生じる。この高さは、他のものの中で、起伏の外形及び寸法、お互いに関連する起伏の配置、および、空らの間の距離に依存する。
起伏または複数の起伏あるいは凹凸または複数の凹凸は、遠心機の外側表面に対して突出しているか沈下している。沈み込んだ起伏または複数の起伏あるいは凹凸または複数の凹凸は、遠心機の良好な機械的強度を維持するために貫通させない。
したがって、不連続な(複数の)起伏又は(複数の)凹凸は、例えば、スタッド、半球形窪み、リブ、あるいは、溝である。不連続な起伏の列は、これらの4つのカテゴリの1つ以上の起伏を含むだろう:スタッド、および/または、半球形窪み、および/または、リブ、および/または、溝。
不連続な起伏は、求められた結果による様々な外形を有するだろう:丸み14をよりよく加熱するために、または、それほどガスの繊細化ジェットを混乱させないために。したがって、望ましくは、不連続な溝は、断面図において半円の形状を有している。半円の直径は、望ましくは1mmと4mmの間である。不連続なリブは、断面図において、あらゆるタイプの形、例えば、正方形、三角形、丸または不等辺四辺形、を有している。リブの高さは、望ましくは1mmと5mmの間である。
例えば、連続した起伏は、遠心機の全周に渡って半円形の断面を有した単一の溝、または代わりに、遠心機の全周に渡って正方形、三角形、丸または不等辺四辺形の断面を有した単一のリブである。半円の直径は、望ましくは1mmと4mmの間である。リブの高さは、望ましくは1mmと5mmの間である。
図3は、円筒の不連続な起伏の3つの列を平らにした平面図を示す。この図では、2つの隣り合う列の不連続な起伏12は、放射状(半径方向)に並べられる。放射状に並べられた3つの不連続な起伏12の乱流領域が部分的に重なることを見ることができ、熱交換を放射状に増大させることを可能にする。
不連続な起伏がスタッドである場合、例えば図1,2,5,8a、8b、10a、10b、11、および12のように、スタッドは、繊細化に障害物を形成し、バーナーから出てくるガスを減速させる。スタッドの下流側に、スタッドに沿って位置する複数の混乱させた領域、および、スタッドの間に位置する複数の混乱されていない領域がある。混乱された領域におけるガスの速度は、混乱されていない領域よりも遅い。速度が速ければ速いほど、より細くされるので、繊維が細くなり、逆に、スピードが遅ければ遅いほど、それほど細くされないので、繊維が太くなる。したがって、スタッドの列が放射状に配列されている場合、繊維は、繊維成形後に不均等なサイズになる。
図4は、円筒形の不連続な起伏の3つの列を平らにした平面図を表す。この図では、2つの隣り合う列の不連続な起伏は、千鳥状に配置されている。この実施例は、図3のものより好まれる。この実施例では、乱流は重ならない。他方では、熱交換は、起伏によって占められた表面全体にわたって一定である。
この構成において、不連続な起伏がスタッドである場合、ガスは、一定の方法でいたるところで減速させられる。その結果、繊維は、繊維を成形した後に一様に細くされて、一定のサイズを有する。
図3及び図4の構成において、不連続な起伏が、例えば図6、7、9a、および9bのような半球形窪みである場合、繊細化ガスは、障害物によって減速されない。したがって、繊細化ガスの全く同じ温度にとって、スタッドを備える遠心機よりも半球形窪みを備える遠心機で繊維形成された後のほうが、繊維は、より細くなる。
他方で、半球形窪みの場合において、熱交換は、交換の表面積が小さいので、スタッドのようにそんなに良くない。したがって、環状壁の同じ温度を有するために、起伏がスタッドであるばあいに必要とされるよりも、バーナーの温度がわずかに高くなることを確実にすることが、必要である。
全く同じ列の2つの隣り合う不連続な起伏の間の距離は、望ましくは1mmから5mmの間、例えば2〜5mmの間の範囲であり、特に図4の実施例のために、乱流に捕らえられることなく起伏の近くをガスが通過することを防ぐことを可能にする。
同様に、遠心機がいくつかの列を備える場合、2つの隣り合う列の間の距離は、1mmから5mmの間の範囲であることが望ましく、例えば2〜5mmの間であると、特に図3の実施例のために、乱流領域が重なることを容認する。
熱交換は、いくつかの絶対値に依存する:特に、
− 熱交換の表面積、すなわち、起伏の外形および高さまたは深さ;
− 温度勾配、すなわち、遠心機の外側表面の上の起伏の高さおよび/または乱流領域の高さ;
− 熱交換の係数、それは、乱流領域の外形寸法、および、乱流領域における流体の力に依存する。
図5は、スタッドの形における不連続な起伏の長手断面図を示している。
この実施例では、不連続な起伏は、突出している。それらは、製造過程において遠心機の外側表面に機械加工されるか、例えば溶接によって遠心機の外側表面に合わせて取り付けられる。後者の解決方法は、本発明に係る遠心機を得るために、起伏のない遠心機を適用することを可能にする。
スタッドが高ければ高いほど、大きい高さを越えてガスを混ぜることをさらに可能にし、したがって、温度勾配を増大させる。しかしながら、特にスタッドが千鳥状のパターンに配置される場合、繊維が正しく形成されるように、ガスの繊細化ジェットを遅くし過ぎないようにスタッドのサイズを制限しなければならない。望ましくは、それぞれのスタッドの高さは、1〜5mmの範囲、例えば、2〜5mmの間である。
1つの同じ列のスタッドは、好ましくはすべて同じ外形を有する。これらは、丸い断面(例えば、図8a及び図8b)、正方形の断面(図10a、図10b、および図11のような)、三角形および/または菱形の断面(図12a及び図12bのような)であるか、あるいはピラミッド形状を有する。望ましくは、スタッドの中腹の断面は、1〜3mmの範囲、例えば、2〜3mmである。外形は、熱交換の表面積に大きな影響を与える。
望ましくは、スタッドがガスの繊細化ジェットを減速させる度合いを制限するために、遠心機1の環状壁10に最も近い列のスタッドは、他の列のスタッドより高くない(図1、2、8a、10a、および12に示されているように)。
また、図5は、スタッドによって作り出される乱流120の領域を示している。それは、スタッドの下流に位置している。
図6は、半球形窪みに形成された不連続な起伏の断面図を表す。
この実施例では、不連続な起伏は、中空である。それらは遠心機の外側表面に機械加工することで刳り貫かれる。
望ましくは、それぞれの窪みの直径は、1mmから4mm、例えば、2〜4mmの間である。
また、図6は、半球形窪みによって作り出される乱流120の領域を示している。ガスが半球形窪みに入ること、および、乱流領域が半球形窪みを超えてある高さを覆って半球形窪みの下流側まで延びていることを見ることができる。
図7は、半球形窪みに形成された不連続な起伏の詳細な平面図を示している。
図7は、半球形窪み内及びその下流におけるガス運動を示している。
起伏の外形と寸法は、繊維形成装置の運転条件に従って、適合させられる。それらは、例えば、遠心機の壁の厚さに依存する。したがって、スタッドは、異なった外形を有するだろう。スタッドの外形は、機械加工の難易度とエネルギー消費に関して求められた結果の間の歩み寄りである。
本発明の様々な実施例による遠心機は、試験された。以下の実施形態は、以下のとおりの好業績を与えた。
千鳥状パターンに配置され異なった高さを有している正方形の断面のスタッドの2つの列を備える本発明の実施形態(図10a及び図10b)は、遠心機の起伏で熱交換を約40%まで改善することを助ける。
千鳥状パターン(図9a及び図9b)に配置された半球形窪みの8つの列を備える本発明の実施形態は、窪みの半径によって、遠心機の起伏における熱交換を20−25%まで改善することを可能にする。
スタッドは、バーナーから出てくるガスジェットと遠心機の外側表面との間で、半球形窪みよりさらに大きい熱交換を特に容認する。しかし、半球形窪みは、より一層繊維を細くすることを可能にする。
環状壁の近くに三角形の1つの列と千鳥状パターンに配置された菱形の2つの列を備える本発明の実施形態は、遠心機の起伏における熱交換を約30%まで改善することを可能にする。
また、本発明は、上述のように、無機繊維を形成するための装置にも関係する。装置は、本発明に係る遠心機1と、環状バーナーの放出口40が繊維形成状態の遠心機1の(複数の)起伏12の上に位置しておりガスの繊細化ジェットが遠心機1の環状壁10に沿うように高温のガスの繊細化ジェットを作り出す環状バーナー4と、を備える。
ガスの繊細化ジェットは、遠心機を加熱すること、および、繊維を細くすることについて、同時に、適合する。(複数の)起伏は、バーナーのガスと遠心機との間のエネルギー伝達を改善することを可能にする。
その結果、無機繊維を成形するための装置は、改善されたエネルギー消費を有する。
そのうえ、エネルギー伝達が改善されているので、周辺空気は、それほど熱くなく、遠心機の耐用年数を増大させることを可能にする。
さらに、バーナーの出力が弱められるので、バーナーのガスによって引き込まれたより少ない周辺空気があって、それらのその後の利用のために、繊維受け止めマットに向かって繊維を引き込むために少ないエネルギーが必要である。
また、本発明は、高温ガスの繊細化に関連している内部遠心処理によって無機繊維を形成するための方法に関する。この方法は、繊維に形成されるべき材料が遠心機1に注がれる発明に係る装置を使用する。したがって、本発明による遠心機の使用は、方法のエネルギー消費を改善することを可能にする。
また、本発明は、断熱製品および/または遮音製品を製造するために、本発明に係る無機繊維形成装置および本発明に係る無機繊維形成方法によって得られた無機繊維の使用に関連する。したがって、環状バーナーのガスの繊細化ジェットの温度をより少ないエネルギー消費に減少できるので、環状バーナーのガスの繊細化ジェット本発明に係る遠心機の使用は、より良質の無機繊維を製造することを可能にする。
本発明の他の特徴及び利点は、以下の図面を参照して説明される:
図1は、本発明に係る無機繊維形成装置の断面図である。 図2は、本発明に係る繊維形成装置の断面図である。 図3は、円筒形起伏の3つの列を平らにした平面図を示し、2つの隣接している列の起伏は放射状に配列されている。 図4は、円筒形起伏の3つの列を平らにした平面図を示し、2つの隣接している列の起伏は千鳥状に配列されている。 図5は、遠心機が遠心処理位置にある場合のスタッドの形状における起伏の垂直断面図を示す。 図6は、半球形窪みの形における起伏の断面図を示す。 図7は、半球形窪みの形における起伏の平面図を示す。 図8a及び図8bは、2つの隣り合う列のスタッドが千鳥状に配列され、円筒のスタッドの3つの列を含む遠心機の細部の断面図及び平面図をそれぞれ示す。 図9a及び図9bは、2つの隣り合う列の半円形窪みが千鳥状に配列され、半円形窪みの8つの列を含む遠心機の細部の断面図及び平面図をそれぞれ示す。 図10a及び図10aは、2つの隣り合う列のスタッドが千鳥状に配列されかつ異なる高さであり、正方形断面のスタッドの2つの列を含む遠心機の細部の断面図及び平面図をそれぞれ示す。 図11は、2つの隣り合う列のスタッドが放射状に配列され、正方形断面のスタッドの3つの列を含む遠心機の細部の平面図を示す。 図12a及び図12bは、2つの隣り合う列のスタッドが千鳥状に配列され、菱形断面のスタッドの2つの列及び三角形断面のスタッドの列を含む遠心機の細部の断面図及び平面図をそれぞれ示す。

Claims (12)

  1. 回転軸(9)を中心として回転可能な繊維形成遠心機(1)であって、
    複数の穴(11)が開けられ対称軸として前記回転軸(9)を有し、高温ガスの繊細化ジェットが吹き付けられることにより加熱される環状壁(10)と、
    前記遠心機(1)の外側表面、および/または、前記遠心機(1)が遠心処理状態である場合に前記環状壁(10)の上方の近傍、に位置する連続した起伏または不連続な起伏(12)の少なくとも1つの列であって、
    前記連続した起伏は、前記遠心機(1)の外側表面の中へと沈み込んでおり、また、前記不連続な起伏(12)は、前記遠心機(1)の外側表面の中へと沈み込んでいるか外側表面から突出しており、前記遠心機(1)が遠心処理状態である場合に、少なくとも1つの列は、水平であるか、または、水平に対して0°以上90°未満の角度に傾いており、
    前記起伏(12)は、前記高温ガスの繊細化ジェット中にある、遠心機(1)。
  2. 請求項1に係る遠心機(1)は、前記連続した起伏および/または前記不連続な起伏(12)の少なくとも2つの前記列を備え、前記列は互いに平行である。
  3. 請求項2に係る遠心機(1)において、
    2つの隣り合う前記列の前記不連続な起伏(12)は、千鳥状の列に配置される。
  4. 請求項2に記載の遠心機(1)において、
    2つの隣り合う前記列の前記不連続な起伏(12)は、放射状に並べられる。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に係る遠心機(1)において、
    列の2つの隣り合う前記不連続な起伏(12)の距離は、一定である。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に係る遠心機(1)において、
    前記不連続な起伏(12)は、スタッド、および/または、リブ、および/または、半球形窪み、および/または、半円形断面の溝である。
  7. 請求項6に係る遠心機(1)において、
    1つの同じ列の前記スタッドは、丸、正方形、三角形、または、菱形の断面、あるいは、角錐形の形状を有し、
    1つの同じ列の前記リブは、丸、正方形、三角形、または不等辺四辺形の断面を有する。
  8. 請求項6または7に係る遠心機(1)において、
    前記スタッドまたは前記リブの高さは、1から5mmの間であり、
    前記スタッドの中腹の断面は、1から3mmの間である。
  9. 請求項6から8のいずれか1項に係る遠心機(1)において、
    前記半球形窪みの直径は、1から4mmの間であり、
    前記溝の半円形断面の直径は、1から4mmの間である。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に係る遠心機において、
    前記連続した起伏は、半円形断面の溝、または、丸の、正方形の、三角形の、または、不等辺四辺形の断面のリブであり、
    前記溝の半円形断面の直径は、1から4mmの間であり、前記リブの高さは、1から5mmの間である。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に係る遠心機(1)と、
    前記高温ガスの繊細化ジェットを作り出す環状バーナー(4)と、
    繊維形成状態における遠心機(1)の前記起伏(12)の上方に位置している前記環状バーナーの放出口(40)とを具備し、前記吹き付けられた高温のガスの繊細化ジェットは、前記環状壁(10)に沿って流れる、無機繊維を形成するための装置。
  12. 請求項11に係る装置を使用し、高温ガスの繊細化を伴う内部遠心処理によって無機繊維を形成するための方法であって、
    繊維に形成されるべき材料は、遠心機(1)に注がれる。
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