JP5971403B2 - 冷却装置及びこれを備えた電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、筐体に内蔵された発熱電子部品を冷却する冷却装置及びこれを備えた電力変換装置に関する。
AC/DCコンバータなどの電力変換装置は、発熱する電子部品を含む複数の電子部品を冷却する冷却装置を備えており、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
この特許文献1の冷却装置は、板状のヒートシンクの上面に基板や半導体素子などの電子部品が搭載されており、ヒートシンクの下面に、複数のプレート状の冷却フィンが形成されている。また、ヒートシンクにチャンバーが連設され、このチャンバーに配置した送風ファンから冷却フィンの間の複数の通風路に冷却風が流れ込むようになっている。
そして、送風ファンの送風口と、ヒートシンクの複数の通風路に連通する通風口とが、互いに対向するようにするとともに、対向方向における送風ファンの送風口の投影形状とヒートシンクの通風口の投影形状の少なくとも一方が存在する投影面積よりも、チャンバーが大きな投影面積を有するようにしている。これにより、特許文献1の装置は、能力の小さな送風ファンでもシートシンクの通風口に流れる冷却風の風量を確保することで、ヒートシンクに搭載されている発熱した半導体素子の冷却を効率良く行うことができるとしている。
特開2007−329253号公報
しかし、特許文献1の装置は、ヒートシンクの下面のみに冷却フィンが形成されているが、ヒートシンクの冷却能力を増大させるために下面を広くして冷却フィンの数を増やすと、大型の装置となり、製造コストが増大するおそれがある。
そして、冷却能力を増大させるために送風ファンの風量を増大させることが考えられるが、風量が増大した能力の大きな送風ファンを使用すると、消費電力や騒音が増大するおそれがある。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、小型の装置で冷媒供給装置の消費電力及び騒音の低減化を図ることにより、安価な冷却装置及びこれを備える電力変換装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一の実施形態に係る冷却装置は、発熱するトランスを含む複数の電子部品と、これら電子部品を制御する少なくとも1枚の基板と、内部ファンとが内蔵されている直方体形状の筐体を有する冷却装置であって、筐体の第一の側壁の外面に形成され、長手方向に延在して互いに平行な放熱用の複数の側壁フィンと、筐体の底部の底面に形成され、長手方向に延在して互いに平行な形成された放熱用の複数の底部フィンと、複数の側壁フィン及び複数の底部フィンを外側から覆い、複数の側壁フィンの間に側壁冷却流路を形成し、複数の底部フィンの間に底部冷却流路を形成するカバー部材と、第一の側壁と交差する方向を向く筐体の第二の側壁に装着されて第二の側壁との対向方向に流体導入室を画成し、流体導入室に側壁冷却流路及び底部冷却流路が連通するチャンバーと、チャンバーに外付けされて流体導入室に冷媒を供給する冷媒供給装置と、を備え、側壁フィン及び底部フィンを所定の形状にすることで、冷媒供給装置から側壁冷却流路及び底部冷却流路に流れる冷媒流量を調整するとともに、基板は筐体内に立ち上がった状態で配置され、内部ファンで発生した冷風を、トランスを含む複数の電子部品に循環させる風向板として機能するようにした。
また、本発明の一の実施形態に係る冷却装置は、風向板として機能する基板は、筐体内の第一の側壁と第一の側壁に対向している他の側壁との間で立ち上がり、基板の周囲に形成した冷風の循環流路に複数の電子部品が配置されており、トランスは、第一の側壁と基板との間の循環流路に配置され、内部ファンは、トランスと第二の側壁との間の循環流路に配置され、前記トランスに向けて冷風を発生するようにした。
本発明の一態様に係る冷却装置によると、第一の側壁と底部にフィン(側壁フィン、底部フィン)を形成したので、小型の筐体であっても冷却能力を増大させることができる。
また、本発明の一態様に係る冷却装置は、側壁フィンと底部フィンとを、他方と比較してフィン高さ及び隣り合うフィンのピッチの少なくとも一方を異なる値とすることで、側壁冷却流路及び底部冷却流路の冷媒流量を調整するようにした。
本発明の一態様に係る冷却装置によると、側壁フィン及び底部フィンを、フィン高さ及び隣り合うフィンのピッチの少なくとも一方を異なる値とすることで、側壁冷却流路及び底部冷却流路の冷媒流量を調整し、第一の側壁と底部の冷却能力を自由に変化させることができる。
また、本発明の一態様に係る冷却装置は、側壁フィンの長手方向に延在する本数と、底部フィンの長手方向に延在する本数とを異なる値とすることで、側壁冷却流路及び底部冷却流路の冷媒流量を調整するようにした。
本発明の一態様に係る冷却装置によると、側壁フィンの本数及び底部フィンの本数を異なる値とすることで、側壁冷却流路及び底部冷却流路の冷媒流量を調整し、第一の側壁と底部の冷却能力を自由に変化させることができる。
また、本発明の一態様に係る冷却装置は、発熱する電子部品が、筐体内部の第二の側壁の内面に接触して配置されている。
本発明の一態様に係る冷却装置によると、流体導入室を構成して冷媒に直接接触する第二の側壁は冷却体であり、この冷却体の内面に発熱する電子部品が接触しているので、発熱する電子部品を効率よく冷却することができる。
また、本発明の一態様に係る冷却装置は、冷媒が空気であり、冷媒供給装置が一台の送風ファンである。本発明の一態様に係る冷却装置によると、一台の送風ファンで側壁冷却流路及び底部冷却流路に冷却風を供給することができるので、製造コストの低減化を図ることができるとともに、送風ファンの消費電力及び騒音の低減化を図れる。
また、本発明の一態様に係る冷却装置は、冷媒が水であり、冷媒供給装置がポンプである。本発明の一態様に係る冷却装置によると、製造コストの低減化を図ることができる。
一方、本発明の一態様に係る電力変換装置は、発熱するトランスを含む複数の電子部品と、これら電子部品を制御する少なくとも1枚の基板と、内部ファンとが内蔵されている直方体形状の筐体を有する冷却装置を備え、交流電力を直流電力に電力変換する電力変換装置であり、上述した冷却装置を備えている。
本発明の一態様に係る電力変換装置によると、冷媒供給装置の消費電力及び騒音の低減化を図った小型で安価な電力変換装置を提供することができる。
本発明に係る冷却装置及びこれを備える電力変換装置は、第一の側壁と底部にフィンを形成したので、小型の筐体であっても冷却能力を増大させることができ、冷媒供給装置で側壁冷却流路及び底部冷却流路に冷却風を供給することができる。したがって、製造コストの低減化を図ることができるとともに、冷媒供給装置の消費電力及び騒音の低減化を図ることができる。
本発明に係る第1実施形態の冷却装置を備える電力変換装置の一実施形態の外観を示す斜視図である。 図1のA−A線での断面図である。 図2のB−B線での断面図である。 図3の要部拡大図である。 本発明に係る第1実施形態の電力変換装置の蓋体を取り外して内部を示した平面図である。 本発明に係る第1実施形態の制御部品を示す斜視図である。 内部ファンの駆動で発生するケース内の冷風流れのイメージを示す図である。 本発明に係る第2実施形態の冷却装置を備える電力変換装置のシステム構成を示す図である。 本発明に係る第2実施形態の電力変換装置の蓋体を取り外して内部を示した平面図である。 本発明に係る第2実施形態の電力変換装置の断面図である。 図10のC−C線矢視図である。 図10のD−D線矢視図である。
以下、本発明に係る冷却装置を備える電力変換装置の第1実施形態について、図1から図7を参照して説明する。
図1に示すように、この電力変換装置1は、AC/DCコンバータとして使用される装置であり、直方体形状の筐体2を有する。この筐体2には、その長尺方向の一方の側面に、冷媒供給装置としての送風ファン3が外付けされている。また、筐体2の長尺方向の他方の側面には、入力コネクタ4、制御コネクタ5、および出力コネクタ6が並列して設けられている。筐体2内には、後述する電力変換制御ユニットが内蔵されており、制御コネクタ5に制御信号を入力すると、入力コネクタ4に入力された商用電力が、電力変換制御ユニットにより交流から直流に変換されて出力コネクタ6から直流電力として出力されるようになっている。
詳しくは、直方体形状の筐体2は、図2に示すように、ケース7、チャンバー形成壁8、筐体カバー9および蓋体10を備えて構成されている。
ケース7は、有底箱形状であって平面視が長方形をなしており、図5に示すように、長方形状の底部7aと、この底部7aの4辺から立ち上がる一対の短辺側壁7b,7c、及び一対の長辺側壁7d,7eとを備えている。ケース7は、例えば熱伝導率の高いアルミニウムや、アルミニウム合金をダイカスト成形することで形成されている。
チャンバー形成壁8は、ケース7の長尺方向の一方に配置され、ケース7の一方の短辺側壁7bに当接する当接壁8aと、ケース7の一方の短辺側壁7bに対向している対向壁8bとで構成されている。
筐体カバー9は、ケース7及びチャンバー形成壁8の一部を覆うように設けられている。蓋体10は、ケース7及びチャンバー形成壁8の上部開口部を閉塞して筐体2の内部を密閉するように設けられている。
ここで、図3に示すように、ケース7の一方の長辺側壁7eには、その外側の下端から上部までの領域に、長尺方向に延在する複数の側壁フィン12が形成されている。これら複数の側壁フィン12は、長辺側壁7eの上下方向に所定間隔をあけて平行に形成されている。図4に示すように、各側壁フィン12のフィン高さはH1に設定され、側壁フィン12のピッチはP1に設定されている。なお、図5で示したように、ケース7の他方の長辺側壁7dの外側には、側壁フィンは形成されていない。
また、図3に示すように、ケース7の底部7aにも、その下面の左端部から右側までの領域に、長尺方向に延在する複数の底部フィン13が形成されている。これら複数の底部フィン13は、底部7aの短尺方向に所定間隔をあけて平行に形成されている。図4に示すように、各底部フィン13のフィン高さは、側壁フィン12のフィン高さH1よりも大きな値H2(H2>H1)に設定されている。さらに、底部フィン13のピッチは、側壁フィン12のピッチP1よりも大きな値P2(P2>P1)に設定されている。
筐体カバー9は、上記側壁フィン12および底部フィン13を外側から覆うカバー部材となっており、図3及び図5に示すように、ケース7の底部7a及びチャンバー形成壁8の下部開口部を覆う長方形板状の底板9aと、底板9aの縁部から立ち上がってケース7の一対の長辺側壁7d,7e及びチャンバー形成壁8の側部を覆う一対の側板9b,9cとで構成されている。
このように、筐体カバー9で覆われたケース7の底部7a及び一方の長辺側壁7eの外周に、図3に示すように、複数の側壁フィン12の間の空間及び複数の底部フィン13の間の空間が、ケース7の長手方向に延在する複数の流路27,28となっている。そして、上記蓋体10が、ケース7及びチャンバー形成壁8の上部開口部を閉塞するようにケース7及びチャンバー形成壁8に固定されている。これにより、ケース7の一方の短辺側壁7bと、チャンバー形成壁8と、筐体カバー9と、蓋体10とで囲まれた内方側の空間が流体導入室であるチャンバー11として画成されている。
このチャンバー11に、筐体カバー9とケース7の底部7a及び一方の長辺側壁7eの外周の間に形成した複数の流路27,28の長手方向の一端が連通し、これら流路27,28の他端は大気に連通している。チャンバー形成壁8の対向壁8bには送風導入口として開口部8cが形成されている。そして、この開口部8cの位置に、送風ファン3の送風口が対向するように送風ファン3が装着されており、この送風ファン3で発生した冷却空気がチャンバー11に送り込まれるようになっている。
上記ケース7の内部には、電力変換制御ユニット及び内部ファン14が収納されている。電力変換制御ユニットは、図5及び図6に示すように、ベース基板15、入力側ノイズフィルタ部16、第1リアクトル17、第2リアクトル18、電界コンデンサ群19、トランス20、出力側ノイズフィルタ部21、複数の半導体デバイス(例えばMOS−FET)D1〜D12、第1〜第3回路基板23〜25などの制御部品を有して構成されている。
ベース基板15は、ケース7の底部7aの平面形状より小さな長方形状をなし、一方の長辺側に切欠き15aを形成した部材である。ベース基板15には、前述した入力コネクタ4、制御コネクタ5及び出力コネクタ6と接続する所定の配線パターン(不図示)が施されている。このベース基板15は、切欠き部15aをケース7の一方の長辺側壁7e側に向けながら、ケース7の底部7aの上面に形成した支持台26上にボルト締めで固定されている(図2参照)。
そして、ベース基板15に、上記の入力側ノイズフィルタ部16、第1リアクトル17、第2リアクトル18、電界コンデンサ群19、出力側ノイズフィルタ部21、半導体デバイスD1〜D12及び第1〜第3回路基板23〜25が実装され、ベース基板15の切欠き部15aの内側に配置したトランス20がケース7の底部7aに直に接触するように固定されているとともに、ベース基板15上に内部ファン14が配置されている。
具体的な制御部品及び内部ファン14の配置について図5を参照して説明する。
半導体デバイスD1〜D6は、ベース基板15の一方の短辺に沿って並び方向に所定間隔をあけて実装されている。これら半導体デバイスD1〜D6の位置は、チャンバー11を画成しているケース7の一方の短辺側壁7bに直に接触するように実装されている。他の半導体デバイスD7〜D12は、ベース基板15の一方の長辺に沿って並び方向に所定間隔をあけて実装されている。これら半導体デバイスD7〜D12の位置は、側壁フィン12を形成しているケース7の一方の長辺側壁7eに直に接触するように実装されている。
また、第3回路基板25は、ベース基板15の短尺方向の中央位置において長尺方向に延在して立ち上がって実装されている。第2回路基板24は、第3回路基板25に平行に立ち上がりながらケース7の他方の短辺側壁7cに寄った位置で長尺方向に延在するようベース基板15に実装されている。また、入力側ノイズフィルタ部16、第1リアクトル17、第2リアクトル18、電界コンデンサ群19は、第3回路基板25とケース7の他方の長辺側壁7dとの間に位置するようにベース基板15に実装されている。また、出力側ノイズフィルタ部21は、第2回路基板24とケース7の一方の長辺側壁7eの間に位置するようにベース基板15に実装されている。
そして、内部ファン14は、トランス20、第3回路基板25、ケース7の一方の短辺側壁7b及び一方の長辺側壁7eとで囲まれたベース基板15上に配置されている。内部ファン14から送風することにより、トランス20に向かう方向(図5の矢印方向)に冷却空気が送り込まれるようになっている。さらに、第2回路基板23は、内部ファン14とケース7の一方の長辺側壁7eの間に位置しており、内部ファン14で発生した冷却空気をトランス20に案内する風向機能を有してベース基板15に実装されている。
なお、本発明に係る第一の側壁が一方の長辺側壁7eに対応し、本発明に係る第二の側壁が一方の短辺側壁7bに対応し、本発明に係るカバー部材が筐体カバー9に対応し、本発明に係る側壁冷却流路が流路27に対応し、本発明に係る底部冷却流路が流路28に対応し、本発明に係る第二の内面に接触して配置された発熱する電子部品が半導体デバイスD1〜D6に対応し、本発明に係る第一の内面に接触して配置された発熱する電子部品が半導体デバイスD7〜D12に対応し、本発明に係る冷媒供給装置が送風ファンに対応している。
次に、この第1実施形態の電力変換装置1の動作、冷却作用について説明する。
本実施形態の電力変換装置1は、制御コネクタ5に制御信号を入力すると、入力コネクタ4に入力された商用電力が、ケース7内部に収納した電力変換制御ユニットにより交流から直流に変換され、出力コネクタ6から直流電力として出力される。この際、ケース7内のトランス20や電力変換制御ユニット等の制御部品が発熱し、特に、半導体デバイスD1〜D12、トランス20、第1リアクトル、第2リアクトル、電界コンデンサ群19の自己発熱が高くなる。
この電力変換装置1は、送風ファン3が駆動すると、外部から取り込んだ冷風がチャンバー11に送り込まれる。チャンバー11に送り込まれた冷風は、チャンバー11に連通しているケース7の底部7a側に形成した複数の流路28と、一方の長辺側壁7e側に形成した複数の流路27にそれぞれ入り込み、複数の側壁フィン12および複数の底部フィン13に沿って、長手方向の他端側(他方の短辺側壁7c側)に向かって流れて外部に排出されていく。
ここで、チャンバー11に送風ファン3から冷風が送り込まれると、ケース7の一方の短辺側壁7bの外壁に対して冷風が接触する部分の面積が増大するので、一方の短辺側壁7bが冷却体となる。また、チャンバー11の冷風が底部7a側に形成した複数の流路28に流れると、複数の底部フィン13に対して冷風が接触する部分の面積が増大するので、底部7aも冷却体となる。さらに、チャンバー11の冷風が一方の長辺側壁7e側に形成した複数の流路27に流れると、複数の側壁フィン12に対して冷風が接触する部分の面積が増大するので、一方の長辺側壁7eも冷却体となる。
本実施形態は、底部フィン13のフィン高さH2を側壁フィン12のフィン高さH1より大きな値とし、底部フィン13の隣り合うフィンのピッチP2を側壁フィン12の隣り合うフィンのピッチP1より大きな値に設定されているので、送風ファン3から送り込まれる冷風は、側壁フィン12からなる流路27と比較して、底部フィン13からなる複数の流路28の方が圧力損失が減少するので風量が増大する。これにより、一方の長辺側側壁7eに対して底部7aの冷却効率が向上する。
そして、半導体デバイスD1〜D6は、冷却体となるケース7の一方の短辺側壁7bの内面に直に接触しているので、導体デバイスD1〜D6で発生した熱は、一方の短辺側壁7bに効率良く放熱されて確実に冷却される。
また、半導体デバイスD7〜D12は、冷却体となるケース7の一方の長辺側壁7eに直に接触しているので、導体デバイスD7〜D12で発生した熱は、一方の長辺側壁7eに効率良く放熱されて確実に冷却される。
また、トランス20は、冷却体となるケース7の底部7aに直に接触するように固定されているので、トランス20で発生した熱は、底部7aで効率良く放熱されて確実に冷却される。
そして、ベース基板15上に配置した内部ファン14が駆動すると、ベース基板15の短尺方向の中央位置に立ち上がって実装されている第3回路基板25及び第2回路基板24が風向板として機能し、図7の破線の矢印で示すように、トランス20、出力側ノイズフィルタ部21、入力側ノイズフィルタ部16、第1リアクトル、第2リアクトル、電界コンデンサ群19の順で循環する冷風の流れが発生する。ケース7内部を循環する冷風は、冷却体であるケース7の一方の短辺側壁7b及び一方の長辺側壁7e、並びにケース7の底部7aに接触して放熱されるので、第1リアクトル、第2リアクトル及び電界コンデンサ群19の周囲を冷風が循環することで冷却効果が高められる。
次に、第1実施形態の効果について説明する。
本実施形態では、ケース7の一方の長辺側壁7eの外面に、長手方向に延在して互いに平行な複数の側壁フィン12が形成され、底部7aの底面に、長手方向に延在して互いに平行な複数の底部フィン13が形成されており、従来の冷却装置と比較して、底部7aの面積を広くせずに冷風が接触するフィンの数を増大させることができるので、小型の装置(筐体2)としながら冷却能力を増大させることができる。
また、複数の側壁フィン12の間に形成した流路27及び複数の底部フィン13の間に形成した流路28に一台の送風ファン3で冷風を供給しているので、装置構成を少なくして製造コストの低減化を図ることができる。
また、側壁フィン12及び底部フィン13を所定のフィン形状とすることで、流路27及び流路28に供給する冷却風量を調整し、一方の長辺側壁7e及び底部7aの冷却能力を自由に変化させることができる。
また、送風ファン3の能力を増大させずに、流路27、28に供給する冷却風量を調整することができるので、送風ファン3の消費電力及び騒音の低減化も図ることができる。
また、冷却体である一方の長辺側壁7eの内面に半導体デバイスD7〜D12が直に接触しているので、導体デバイスD7〜D12で発生した熱は一方の長辺側壁7eに効率良く放熱され、半導体デバイスD7〜D12を確実に冷却することができる。
さらに、冷却体であるケース7の一方の短辺側壁7bに半導体デバイスD1〜D6が直に接触しているので、導体デバイスD1〜D6で発生した熱は一方の短辺側壁7bに効率良く放熱され、半導体デバイスD1〜D6を確実に冷却することができる。
なお、本実施形態では、底部フィン13のフィン高さH2を側壁フィン12のフィン高さH1より大きな値とし、底部フィン13の隣り合うフィンのピッチP2を側壁フィン12の隣り合うフィンのピッチP1より大きな値に設定し、一方の長辺側壁7eに対して底部7aの冷却効率を高めるようにしたが、本発明の要旨がこれに限定されるものではなく、フィン高さ及びフィンのピッチの一方を一定にし、他方を変化させて一方の長辺側壁7eに対して底部7aの冷却効率を高めるようにしてもよく、所定のフィン形状を設定することで、底部7aに対して一方の長辺側壁7eの冷却効率を高めるようにしてもよい。
さらに、底部フィン13及び側壁フィン12のフィン形状を一定とし、フィンの本数を変化させることで、一方の長辺側壁7e及び底部7aの冷却能力を変化させるようにしてもよい。
ここで、上述した第1実施形態では冷媒として空気を用い、冷媒供給装置として送風ファン3を設けた例で説明したが、本発明はこれに限らず、図8から図12で示す第2実施形態の冷却装置を備える電力変換装置としてもよい。
図8から図12で示す第2実施形態の電力変換装置は、冷媒として水を用い、冷媒供給装置としてポンプを設けたものである。なお、図1から図7で示した第1実施形態と同一構成部分には、同一符号を付してその説明は省略する。
この第2実施形態の電力変換装置1は、図8に示すように、例えば電気自動車やハイブリッド自動車等に搭載されるバッテリーを充電する用途に用いられ、冷却水を循環させるために、熱交換器50、リザーバタンク60及びポンプ70を供えている。
電力変換装置1には、冷却水供給口41と冷却水排出口42とが筐体2の外部に設けられている。
冷却水排出口42は、排出用配管43を介して熱交換器50に接続されている。熱交換器50は、車両に搭載された空冷ラジエータ等を適用することができる。冷却水供給口41は、供給用配管46を介してポンプ70に接続されている。
熱交換器50とポンプ70との間には、冷却水を貯留するリザーバタンク60が設けられ、リザーバタンク60は、配管44,45を介して熱交換器50とポンプ70との間に接続されている。
本実施形態は、リザーバタンク60に貯留された冷却水がポンプ70で加圧されると、冷却水供給口41から電力変換装置1に冷却水が供給される。そして、電力変換装置1の内部で昇温した冷却水は、冷却水排出口42から排出されて熱交換器50に導入される。昇温した冷却水は、熱交換器50で冷却風と熱交換して冷却され、再びリザーバタンク60に貯留されるというサイクルにより、電力変換装置1の内部を冷却するようになっている。
本実施形態の電力変換装置1は、冷媒として水(冷却水)を使用しているのでチャンバー11の画成空間及びチャンバー11に連通する側壁フィン12と底部フィン13を囲む空間(以下、冷却室と称する)は、周囲が確実に液封され、チャンバー11及び冷却室からの冷却水の漏れが防止されている。
すなわち、図9から図12に示すように、本実施形態の筐体カバー9とチャンバー形成壁8に対応する部分が一体形成されている。この筐体カバー9とチャンバー形成壁8は、例えば熱伝導率の高いアルミニウム、アルミニウム合金をダイカスト成形することで一体形成される。但し、パッキン等により確実に液封されていれば、筐体カバー9とチャンバー形成壁8は、別体構造で構成してもよい。
筐体2の上部を覆う蓋体10は着脱可能であるが、筐体カバー9及びチャンバー形成壁8の上端面と蓋体10の裏面との間は、相互の接合面間にパッキンが介装されている。すなわち、図10に示すように、筐体カバー9及びチャンバー形成壁8の上端には、フランジ部8g,9gが形成されている。そして、フランジ部8g,9gの上面及び筐体カバー9及びチャンバー形成壁8の上端面に、上部開口を囲繞するように液体パッキン10pが塗布されており、蓋体10をねじ等の固定部材でフランジ部8g,9gに固定することで、チャンバー11及び冷却室の上部開口が液封され、蓋体10の裏面部分から冷却水が漏れるのを防止している。
また、本実施形態は、図11に示すように、コネクタ4,5,6のレイアウトを長辺側壁7d寄りの位置に移動し、長辺側壁7e寄りの短辺側壁7cに対向する箇所に、略L字形状の第2チャンバー11b(図11に示す間壁9d,9e,9f,底板9a、側板9bと、図10で示す短辺側壁7cに対向する第2対向壁9hと、蓋体10で画成される空間)を設けており、この第2チャンバー11bも密閉構造とされている。
そして、供給用配管46を介してポンプ70に接続している冷却水供給口41は、図9及び図10に示すように、チャンバー11に連通するように対向壁8bに形成されている。また、排出用配管43を介して熱交換器50に接続している冷却水排出口42は、図9及び図10に示すように、第2チャンバー11bに連通するように第2対向壁9hに形成されている。
ここで、本実施形態は、第1実施形態と同様に、ケース7の一方の長辺側壁7eの外側の下端から上部までの領域に、長尺方向に延在する複数の側壁フィン12が形成されているとともに、ケース7の底部7aの下面の左端部から右側までの領域に、長尺方向に延在する複数の底部フィン13が形成されている。
すなわち、図11及び図12に示すように、複数の側壁フィン12は、長辺側壁7eの上下方向に所定間隔をあけて平行に形成されている。そして、本実施形態も、図4で示したように、各側壁フィン12のフィン高さはH1に設定され、側壁フィン12のピッチはP1に設定されている。
また、複数の底部フィン13は、底部7aの短尺方向に所定間隔をあけて平行に形成されている。そして、本実施形態も、図4で示したように、各底部フィン13のフィン高さは、側壁フィン12のフィン高さH1よりも大きな値H2(H2>H1)に設定されている。さらに、底部フィン13のピッチは、側壁フィン12のピッチP1よりも大きな値P2(P2>P1)に設定されている。
なお、本発明に係る冷媒供給装置がポンプ70に対応している。
本実施形態の電力変換装置1は、ポンプ70から冷却水供給口41を通過してチャンバー11に導入された冷却水が、チャンバー11に連通しているケース7の底部7a側に形成した複数の流路28と、一方の長辺側壁7e側に形成した複数の流路27にそれぞれ入り込み、複数の側壁フィン12及び複数の底部フィン13に沿って、長手方向の他端側の第3チャンバーに向かって流れ、冷却水排出口42を通過して熱交換器50に排出されていく。
ここで、チャンバー11に冷却水が導入されると、ケース7の一方の短辺側壁7bの外壁に対して冷却水が接触する部分の面積が増大するので、一方の短辺側壁7bが冷却体となる。また、チャンバー11の冷却水が底部7a側に形成した複数の流路28に流れると、複数の底部フィン13に対して冷却水が接触する部分の面積が増大するので、底部7aも冷却体となる。さらに、チャンバー11の冷却水が一方の長辺側壁7e側に形成した複数の流路27に流れると、複数の側壁フィン12に対して冷却水が接触する部分の面積が増大するので、一方の長辺側壁7eも冷却体となる。
また、本実施形態も、底部フィン13のフィン高さH2を側壁フィン12のフィン高さH1より大きな値とし、底部フィン13の隣り合うフィンのピッチP2を側壁フィン12の隣り合うフィンのピッチP1より大きな値に設定されているので、ポンプ70から導入された冷却水は、側壁フィン12からなる流路27と比較して、底部フィン13からなる複数の流路28の方が、圧力損失が減少するので冷却水量が増大する。これにより、一方の長辺側側壁7eに対して底部7aの冷却効率が向上する。
そして、半導体デバイスD1〜D6は、冷却体となるケース7の一方の短辺側壁7bの内面に直に接触しているので、導体デバイスD1〜D6で発生した熱は、一方の短辺側壁7bに効率良く放熱されて確実に冷却される。
また、半導体デバイスD7〜D12は、冷却体となるケース7の一方の長辺側壁7eに直に接触しているので、導体デバイスD7〜D12で発生した熱は、一方の長辺側壁7eに効率良く放熱されて確実に冷却される。
また、トランス20は、冷却体となるケース7の底部7aに直に接触するように固定されているので、トランス20で発生した熱は、底部7aで効率良く放熱されて確実に冷却される。
次に、この第2実施形態の特有の効果について説明する。
本実施形態では、ケース7の一方の長辺側壁7eの外面に、長手方向に延在して互いに平行な複数の側壁フィン12が形成され、底部7aの底面に、長手方向に延在して互いに平行な複数の底部フィン13が形成されており、従来の冷却装置と比較して、底部7aの面積を広くせずに冷却水が接触するフィンの数を増大させることができるので、小型の装置(筐体2)としながら冷却能力を増大させることができる。
また、側壁フィン12及び底部フィン13を所定のフィン形状とすることで、流路27及び流路28に供給する冷却水の水量を調整し、一方の長辺側壁7e及び底部7aの冷却能力を自由に変化させることができる。
また、ポンプ70の吐出能力を増大させずに、流路27、28に供給する冷却水量を調整することができるので、ポンプ70の消費電力及び騒音の低減化も図ることができる。
以上のように、本発明に係る冷却装置及びこれを備えた電力変換装置は、小型の装置で冷媒供給装置の消費電力及び騒音の低減化を図るのに有用である。
1…電力変換装置、2…筐体、3…送風ファン、4…入力コネクタ、5…制御コネクタ、6…出力コネクタ、7…ケース、7a…底部、7b…短辺側壁、7c…短辺側壁、7d…長辺側壁、7e…長辺側壁、8…チャンバー形成壁、8a…当接壁、8b…対向壁、8c…開口部、8g,9g…フランジ部、9…筐体カバー、9a…底板、9b,9c…側板、9d,9e,9f…間壁、9h…第2対向壁、10…蓋体、10p…液体パッキン、11…チャンバー、11b…第2チャンバー、12…側壁フィン、13…底部フィン、14…内部ファン、15…ベース基板、15a…切欠き部、16…入力側ノイズフィルタ部、17…第1リアクトル、18…第2リアクトル、19…電界コンデンサ群、20…トランス、21…出力側ノイズフィルタ部、23…第1回路基板、24…第2回路基板、25…第3回路基板、26…支持台、27,28…流路、41…冷却水供給口、42…冷却水排出口、43…排出用配管、44,45…配管、50…熱交換器、60…リザーバタンク、70…ポンプ、D1〜D12…半導体デバイス

Claims (8)

  1. 発熱するトランスを含む複数の電子部品と、これら電子部品を制御する少なくとも1枚の基板と、内部ファンとが内蔵されている直方体形状の筐体を有する冷却装置であって、
    前記筐体の第一の側壁の外面に形成され、長手方向に延在して互いに平行な放熱用の複数の側壁フィンと、
    前記筐体の底部の底面に形成され、長手方向に延在して互いに平行な形成された放熱用の複数の底部フィンと、
    前記複数の側壁フィン及び前記複数の底部フィンを外側から覆い、前記複数の側壁フィンの間に側壁冷却流路を形成し、前記複数の底部フィンの間に底部冷却流路を形成するカバー部材と、
    前記第一の側壁と交差する方向を向く前記筐体の第二の側壁に装着されて当該第二の側壁との対向方向に流体導入室を画成し、当該流体導入室に前記側壁冷却流路及び前記底部冷却流路が連通するチャンバーと、
    前記チャンバーに外付けされて前記流体導入室に冷媒を供給する冷媒供給装置と、を備え、
    前記側壁フィン及び前記底部フィンを所定の形状にすることで、前記冷媒供給装置から前記側壁冷却流路及び前記底部冷却流路に流れる冷媒流量を調整するとともに、
    前記基板は前記筐体内に立ち上がった状態で配置され、前記内部ファンで発生した冷風を、前記トランスを含む複数の電子部品に循環させる風向板として機能することを特徴とする冷却装置。
  2. 前記風向板として機能する前記基板は、前記筐体内の前記第一の側壁と当該第一の側壁に対向している他の側壁との間で立ち上がり、
    前記基板の周囲に形成した前記冷風の循環流路に複数の電子部品が配置されており、
    前記トランスは、前記第一の側壁と前記基板との間の前記循環流路に配置され、
    前記内部ファンは、前記トランスと前記第二の側壁との間の前記循環流路に配置され、前記トランスに向けて冷風を発生することを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
  3. 前記側壁フィンと前記底部フィンとを、他方と比較してフィン高さ及び隣り合うフィンのピッチの少なくとも一方を異なる値とすることで、前記側壁冷却流路及び前記底部冷却流路の冷媒流量を調整することを特徴とする請求項1又は2記載の冷却装置。
  4. 前記側壁フィンの長手方向に延在する本数と、前記底部フィンの長手方向に延在する本数とを異なる値とすることで、前記側壁冷却流路及び前記底部冷却流路の冷媒流量を調整することを特徴とする請求項1又は2記載の冷却装置。
  5. 前記発熱する電子部品が、前記筐体内部の前記第二の側壁の内面に接触して配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の冷却装置。
  6. 前記冷媒が空気であり、前記冷媒供給装置が一台の送風ファンであることを特徴とする請求項1又は2記載の冷却装置。
  7. 前記冷媒が水であり、前記冷媒供給装置がポンプであることを特徴とする請求項1又は2記載の冷却装置。
  8. 発熱するトランスを含む複数の電子部品と、これら電子部品を制御する少なくとも1枚の基板と、内部ファンとが内蔵されている直方体形状の筐体を有する冷却装置を備え、交流電力を直流電力に電力変換する電力変換装置において、
    前記冷却装置として、請求項1乃至7の何れか一項に記載の冷却装置を備えていることを特徴とする電力変換装置。
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