JP5949253B2 - 溶融亜鉛めっき鋼板とその製造方法 - Google Patents
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Description
したがって、溶融亜鉛めっき鋼板においては、優れた延性および伸びフランジ性を確保することは極めて困難となる。さらに、残存したオーステナイトは極めて不安定であり、遅れ破壊を助長し、硬質なマルテンサイトの生成は降伏比を著しく低下させる。
(1)鋼板の表面に溶融亜鉛めっき層を備える溶融亜鉛めっき鋼板において、
前記鋼板は、質量%で、C:0.05%以上0.25%以下、Si:0.8%以上3.0%以下、Mn:1.5%以上5.0%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.001%以上2.5%以下、Bi:0.0001%以上0.010%以下、N:0.01%以下、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有するとともに、面積率で、70%以下のフェライトおよび5%以上25%以下の残留オーステナイトを含有する鋼組織を有し、
前記溶融亜鉛めっき鋼板は、引張強度(TS)が780MPa以上であり、降伏比(YR)が0.45以上0.85以下であり、均一伸び(UEL)が8.9%以上である機械特性を有する
ことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板。
法:
(A)鋼材に1100℃以上1300℃以下で熱間圧延を開始し、800℃以上1000℃以下の温度域で熱間圧延を完了し、400℃以上750℃以下の温度域で巻取を行って熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(B)前記熱延鋼板に、酸洗および冷間圧延を施して冷延鋼板とする酸洗・冷間圧延工程;および
(C)前記冷延鋼板に、720℃以上950℃以下の温度域で再結晶焼鈍を施し、その後350℃以上720℃以下の温度域における平均冷却速度を5℃/秒以上200℃/秒以下として100℃以上350℃以下の温度域まで冷却し、100℃以上550℃以下の温度域に10秒間以上500秒間以下保持し、引き続き、溶融亜鉛めっきを施す連続溶融亜鉛めっき工程。
1.化学組成
はじめに、本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板のめっき基材である鋼板の化学組成を上記のように規定した理由を説明する。なお、以下の説明において、各元素の含有量を表す「%」は特に断りがない限り質量%を意味する。
Cは、鋼板の強度を高める作用を有する元素である。C含有量が0.05%未満では、780MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、C含有量は0.05%以上とする。C含有量を0.06%以上にすると、980MPa以上の引張強度を確保することが容易になる。したがって、C含有量は0.06%以上とすることが好ましい。一方、C含有量が0.25%超では、溶接性の劣化が顕著となるだけでなく、遅れ破壊の危険性が高まる。したがって、C含有量は0.25%以下とする。マルテンサイト変態を冷却中に開始させる観点からはC含有量を0.23%以下とすることが好ましい。
Siは、鋼板の強度を高めるとともに、降伏比を下げる作用を有する元素である。また、めっき密着性を高める作用を有する元素でもある。Si含有量が0.5%未満では、0.85以下の降伏比を確保することが困難となる。したがって、Si含有量は0.5%以上とする。Si含有量を0.8%以上にすると、延性が一層向上する。したがって、Si含有量は0.8%以上とすることが好ましい。一方、Si含有量が3.0%超では、めっき濡れ性の低下が著しくなり、不めっきが多発する。したがって、Si含有量は3.0%以下とする。好ましくは2.5%以下である。
Mnは、鋼板の強度を高める作用を有する元素である。Mn含有量が1.5%未満では、フェライトの生成が過剰となり、780MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、Mn含有量は1.5%以上とする。Mn含有量を2.0%以上にすると、980MPa以上の引張強度を確保することが容易になる。したがって、Mn含有量は2.0%以上とすることが好ましい。一方、Mn含有量が5.0%超では、バンド組織が発達してしまい曲げ性の劣化が著しくなる。したがって、Mn含有量は5.0%以下とする。冷間圧延時の荷重を低減して生産性を向上させる観点からは3.7%以下とすることが好ましい。
Pは、一般には鋼に不可避的に含有される不純物であるが、固溶強化により鋼板の強度を高める作用を有するので積極的に含有させてもよい。しかし、P含有量が0.05%超では溶接性の劣化が著しくなる。したがって、P含有量は0.05%以下とする。好ましくは、0.015%以下である。上記作用をより確実に得るには、P含有量を0.003%以上とすることが好ましい。
Sは、鋼に不可避的に含有される不純物であり、溶接性の観点からは低いほど好ましい。S含有量が0.01%超では溶接性の低下が著しくなる。したがって、S含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.003%以下、さらに好ましくは0.0015%以下である。
Alは、鋼を脱酸して鋼材を健全化する作用を有する元素であり、また、延性を向上させる作用を有する元素でもある。sol.Al含有量が0.001%未満では上記作用による効果を得ることが困難となる。したがって、sol.Al含有量は0.001%以上とする。好ましくは0.015%以上である。さらに好ましくは、0.020%以上である。一方、sol.Al含有量が2.5%超では、溶接性の低下が著しくなるとともに、酸化物系介在物が増加して表面性状の劣化が著しくなる。したがって、sol.Al含有量は2.5%以下とする。好ましくは2.0%以下である。通常、sol.Al量は、上限が1.5%であるが、本発明の場合、溶接時の凝固割れが発生しにくい化学組成であるため、2.5%まで許容される。
Biは、本発明において重要な元素であり、その添加によって、均一伸びを高めるとともに降伏比を0.85以下に抑制する作用を有する元素であり、さらに、曲げ性も高める作用を有する元素である。したがって、所望の降伏比を確保するために、0.0001%以上のBi含有量が必要である。一方、Bi含有量が0.010%超では、熱間加工性が劣化して、熱間圧延が困難になるだけでなく、降伏比が0.85以上になり、成形時にしわなどが発生しやすくなる。したがって、Bi含有量は0.010%以下とする。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Bi含有量を0.0005%以上とすることが好ましい。
Nは、鋼に不可避的に含有される不純物であり、伸びフランジ性の観点からは低いほど好ましい。N含有量が0.01%超では伸びフランジ性の低下が著しくなる。したがって、N含有量は0.01%以下とする。好ましくは0.006%以下である。
これらの元素は、いずれも鋼板の強度を高める作用を有する元素である。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかし、Ti、NbおよびVについては、それぞれ0.2%を超えて含有させると熱間圧延および冷間圧延が困難になる。また、Cr、Mo、CuおよびNiは1.0%を超えて含有させても、上記作用による効果は飽和して経済的に不利となり、また、熱間圧延や冷間圧延が困難となる。また、Bは0.01%を超えて含有させると、Bを含む酸化物が鋼板表面に生成して表面性状が劣化する。したがって、各元素の含有量はそれぞれ上記のとおりとする。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、Ti:0.003%以上、Nb:0.003%以上、V:0.003%以上、Cr:0.005%以上、Mo:0.005%以上、Cu:0.005%以上、Ni:0.005%以上およびB:0.0003%以上の少なくとも一つを満足させることが好ましい。
これらの元素は、いずれも介在物制御、特に介在物の微細分散化に寄与し、曲げ性を高める作用を有する元素である。したがって、これらの元素の1種または2種以上を含有させてもよい。しかし、いずれも0.01%を超えて含有させると表面性状の劣化が顕在化する場合がある。したがって、各元素の含有量はそれぞれ上記のとおりとする。なお、上記作用による効果をより確実に得るには、これらの元素の少なくとも一つの含有量を0.0003%以上とすることが好ましい。
次に、本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板のめっき基材である鋼板の鋼組織について説明する。
フェライトの面積率が70%超では、780MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、フェライトの面積率は70%以下とする。フェライトの面積率の下限は特に規定する必要はなく、0%であっても構わない。ここに、フェライトは本発明の場合、再結晶によって生成するので、16%以上の伸び、絞り成形時の特性を考慮した場合、好ましくは、25〜70面積%が好ましいが、引張強度1180MPa以上のより高強度化の観点からは、フェライト相が存在しないことが好ましい場合もある。
後述するように、再結晶焼鈍を施した鋼板を350℃以下に冷却し、マルテンサイト変態を活用することによって、残留オーステナイトを制御する。斯かる場合、オーステナイトは遅れ破壊を助長することなく、さらに、降伏比を低下させることなく、延性と伸びフランジ性を向上させる作用を有する。残留オーステナイトの面積率が5%未満では、降伏比が所望の範囲に制御できなくなる。したがって、残留オーステナイトの面積率は5%以上とする。一方、残留オーステナイトの面積率が25%超では、オーステナイトへのC、Mnの分配が不十分となり、オーステナイトの安定性が低下する。したがって、残留オーステナイトの面積率は25%以下とする。
本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の溶融亜鉛めっき層の化学組成は特に規定する必要はないが、溶融亜鉛めっき層が合金化溶融亜鉛めっき層である場合には、以下の条件を満足することが好ましい。
合金化溶融亜鉛めっき層中のFe含有量を8質量%以上とすることにより、合金化処理後のめっき層の表層部における軟質部位の形成が抑制され、摺動性が高まる。このように摺動性が改善されると、めっき層が基材である鋼板との界面から剥離することによるフレーク状の剥離が抑制される。したがって、Fe含有量は8質量%以上とすることが好ましい。さらに好ましくは9.5質量%以上である。一方、Fe含有量を15質量%以下にすると、鋼板に曲げ加工が施された際に曲げ部の内側で合金化溶融亜鉛めっき層が圧縮変形を受けることによって生じるパウダリング剥離が抑制される。したがって、Fe含有量は15質量%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは14質量%以下である。
溶融亜鉛めっき層中のAl含有量を0.15質量%以上とすることにより、溶融亜鉛めっき浴中における合金層の発達をより適正に抑制することができ、めっき付着量の制御が容易となる。したがって、Al含有量は0.15質量%以上とすることが好ましい。さらに好ましくは0.20質量%以上、特に好ましくは0.25質量%以上である。一方、Al含有量を0.50質量%以下とすることにより、適度な合金化速度を確保することができ、通常のライン速度でも600℃以下の合金化処理温度で上記Fe含有量を確保することができ、引張強度の低下を回避できる。したがって、Al含有量は0.50質量%以下とすることが好ましい。さらに好ましくは0.45質量%以下、特に好ましくは0.40質量%以下である。
溶融亜鉛めっき層中へは、合金化処理過程において、母材からSi、Mn、P、S、Ti、Nb、V、Cr、Mo、Cu、Ni、B、Ca、Mg、Zr、REM、Bi等がとりこまれるが、通常の条件で溶融めっきおよび合金化処理した際にめっき層中にとりこまれる範囲内であれば、めっき品質に悪影響を及ぼさないので、問題ない。ここでいう通常のめっき条件とは、後述するように、めっき浴温度が400℃以上490℃以下で、鋼板の侵入温度が400℃以上500℃以下、合金化温度が430℃以上600℃以下である。
次に、上記の特徴を有する本発明に係る溶融亜鉛めっき鋼板の好ましい製造方法について説明する。
上記化学組成を有する溶鋼を転炉、電気炉等の常法の溶製方法で溶製し、連続鋳造法でスラブ等の鋼材とするのが好ましい。なお、連続鋳造法に代えて、造塊法、薄スラブ鋳造法などを採用してもよい。この鋼材に熱間圧延を施し熱延鋼板とする。熱間圧延は、鋳造された鋼材を室温まで冷却せず温片のまま加熱炉に装入して加熱した後に圧延する直送圧延、または、温片のままわずかの保熱を行った後に直ちに圧延する直接圧延、または、鋼材を一旦冷却した後に再加熱して圧延する再加熱圧延の何れでもよい。このとき、熱間圧延工程が粗圧延工程と仕上圧延工程とからなる場合には、粗圧延後仕上圧延前の粗バーに対して誘導加熱等により全長の温度均一化を図ると、特性変動を抑制することができるので好ましい。
熱間圧延に供する鋼材の温度は、1100℃以上1300℃以下とする。このときの鋼材の温度は、例えば、直送圧延および再加熱圧延の場合には、加熱炉を出るときの温度であり、例えば、直接圧延の場合には保熱の後の温度であり、いずれの場合にも、直接的には、熱間圧延の入側での鋼材の温度、つまり鋼材の圧延開始時の温度である。熱間圧延に供する鋼材の温度が1100℃未満では、熱間圧延時の変形抵抗が高くなり、操業が困難になる。したがって、熱間圧延に供する鋼材の温度は1100℃以上とする。一方、熱間圧延に供する鋼材の温度が1300℃超では、スケールロス増加による歩留まりの低下が著しくなる。したがって、熱延鋼板に供する鋼材の温度は1300℃以下とする。熱間圧延に供する際に1100℃以上1300℃の温度域に保持する時間は特に規定しないが、曲げ性を向上させるためには、30分間以上とすることがさらに好ましい。また、過度のスケールロスを抑制するために10時間以下とすることが好ましく、5時間以下とすることがさらに好ましい。なお、直送圧延または直接圧延を行う場合であって、加熱処理または保熱を施さずにそのまま熱間圧延に供してもよい。
圧延完了温度は800℃以上1000℃以下とする。圧延完了温度が800℃未満では、圧延時の変形抵抗が大きく、操業が困難となる。したがって、圧延完了温度は800℃以上とする。一方、圧延完了温度が1000℃超では、粒界酸化が顕著となり、溶融亜鉛めっき鋼板の表面性状の劣化が著しくなる。したがって、圧延完了温度は1000℃以下とする。
巻取温度は400℃以上750℃以下とする。巻取温度が400℃未満では、硬質なベイナイトやマルテンサイトが生成し、その後の冷間圧延が困難となる。したがって、巻取温度は400℃以上とする。好ましくは500℃以上である。一方、巻取温度が750℃超では、粒界酸化が顕著となり、溶融亜鉛めっき鋼板の表面性状の劣化が著しくなる。したがって、巻取温度は750℃以下とする。好ましくは650℃以下である。
熱延鋼板は常法により酸洗を施された後に冷間圧延が行われ、冷延鋼板とされる。
上記酸洗・冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に、後述の再結晶焼鈍を行い、引き続き、溶融亜鉛めっきを施す。合金化処理を施す場合には、430℃以上600℃以下の温度域に溶融亜鉛めっき鋼板を加熱することで行う。このような再結晶焼鈍、溶融亜鉛めっき、そして、合金化処理の各工程は、連続して行うのが好ましい。
再結晶焼鈍処理は、上記冷間圧延工程により得られた冷延鋼板に、溶融亜鉛めっき工程に先だって、720℃以上950℃以下の温度域で再結晶焼鈍を施し、その後350℃以上720℃以下の温度域における平均冷却速度を5℃/秒以上200℃/秒以下として100℃以上350℃以下の温度域まで冷却し、100℃以上550℃以下の温度域に、好ましくは、10秒間以上500秒間以下保持することで行う。なお、冷却後の100〜550℃での鋼板の保持は、連続処理のときには、場合によっては、一部、引続いて行う溶融亜鉛めっき処理に重なってもよい。
上記再結晶焼鈍の後、350℃以上720℃以下の温度域における平均冷却速度を5℃/秒以上200℃/秒以下として100℃以上350℃以下の温度域まで冷却する。350℃以上720℃以下の温度域における冷却は、フェライト変態を制御して、目的とする鋼組織を確保するために重要である。
上記冷却の後、100℃以上550℃以下の温度域に10秒間以上500秒間以下保持する。100℃以上550℃以下の温度域における保持時間が10秒間未満では、オーステナイトへのC分配が十分に進行せず、その結果、塊状のオーステナイトが残存してしまい、遅れ破壊の危険性が高まる。したがって、上記保持時間は10秒間以上とする。一方、上記保持時間が500秒間超では、焼戻しが過度に進行してしまい、その結果、780MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、上記保持時間は500秒間以下とする。なお、生産性の観点からは、上記滞在時間を300秒間以下とすることが好ましい。また、上記保持温度が100℃未満では、残存するオーステナイトが不安定になる。したがって、保持温度は100℃以上とする。一方、保持温度が550℃を超えると、780MPa以上の引張強度を確保することが困難となる。したがって、保持温度は550℃以下とする。
合金化処理を施す場合には、めっき浴浸漬後に430℃以上600℃以下の温度域で行う。合金化処理温度が430℃未満では、合金化未処理部のムラが発生し、鋼板の表面性状が劣化する。一方、合金化処理温度が600℃を超えると、めっきと鋼板の密着性が著しく劣化する。なお、合金化処理温度を500℃以上550℃以下とし、かつ合金化処理時間を10秒間以上60秒間以下とすれば、合金化度(めっき層のFe含有量)を8質量%以上13質量%以下として、めっきの密着性を向上させることが容易になるので好ましい。
1.評価用鋼板の製造
表1に示す化学成分を有する鋼を転炉で溶製し、連続鋳造により245mm厚のスラブとした。得られたスラブに表2に示す条件にて熱間圧延を行い、2.6mm厚の熱延鋼板を製板した。得られた熱延鋼板を酸洗し、酸洗後、冷間圧延を行い、1.2mm厚の冷延鋼板を製板した。
各種製造条件で得られた焼鈍冷延鋼板に対して、鋼組織を解析し、引張試験と穴広げ試験を実施し、それぞれの機械特性を評価した。各評価の方法は次のとおりである。
各焼鈍冷延鋼板の圧延方向および圧延方向に対して直角方向から試験片を採取し、圧延方向断面、圧延方向に対して直角方向断面の組織を電子顕微鏡で観察し、8mm2の領域を写真撮影し、画像解析によりフェライトの面積率を調査した。
各焼鈍冷延鋼板から25mm×25mm×板厚1.2mmの試験片を切り出し、この試験片に化学研磨を施して0.3mm減厚し、化学研磨後の試験片表面に対しX線回折を三回実施し、得られたプロファイルを解析し、残留オーステナイトの面積率を平均した値を算出した。
圧延方向に対する直角方向が引張方向となるJIS5号引張試験片を採取し、降伏強度(YS)、引張強度(TS)、均一伸び(UEl)、伸び(El)を測定した。穴拡げ率(HER)はJFST1001に規定の方法で測定した。
上記の評価の結果を表4に示す。
Claims (6)
- 鋼板の表面に溶融亜鉛めっき層を備える溶融亜鉛めっき鋼板において、
前記鋼板は、質量%で、C:0.05%以上0.25%以下、Si:0.8%以上3.0%以下、Mn:1.5%以上5.0%以下、P:0.05%以下、S:0.01%以下、sol.Al:0.001%以上2.5%以下、Bi:0.0001%以上0.010%以下、N:0.01%以下、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有するとともに、面積率で、70%以下のフェライトおよび5%以上25%以下の残留オーステナイトを含有する鋼組織を有し、
前記溶融亜鉛めっき鋼板は、引張強度(TS)が780MPa以上であり、降伏比(YR)が0.45以上0.85以下であり、均一伸び(UEL)が8.9%以上である機械特性を有する
ことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板。 - 前記化学組成が、質量%で、Ti:0.2%以下、Nb:0.2%以下、V:0.2%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Cu:1.0%以下、Ni:1.0%以下およびB:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
- 前記化学組成が、質量%で、Ca:0.01%以下、Mg:0.01%以下、REM:0.01%以下およびZr:0.01%以下からなる群から選ばれた1種または2種以上をさらに含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
- 穴広げ率(HER)が25%以上である機械特性を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板。
- 下記工程(A)〜(C)を備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法:
(A)鋼材に1100℃以上1300℃以下で熱間圧延を開始し、800℃以上1000℃以下の温度域で熱間圧延を完了し、400℃以上750℃以下の温度域で巻取を行って熱延鋼板とする熱間圧延工程;
(B)前記熱延鋼板に、酸洗および冷間圧延を施して冷延鋼板とする酸洗・冷間圧延工程;および
(C)前記冷延鋼板に、720℃以上950℃以下の温度域で再結晶焼鈍を施し、その後350℃以上720℃以下の温度域における平均冷却速度を5℃/秒以上200℃/秒以下として100℃以上350℃以下の温度域まで冷却し、100℃以上550℃以下の温度域に10秒間以上500秒間以下保持し、引き続き、溶融亜鉛めっきを施す連続溶融亜鉛めっき工程。 - 請求項5に記載の製造方法により得られた溶融亜鉛めっき鋼板に430℃以上600℃以下の温度域で合金化処理を施すことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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