JP5895154B2 - リニアアクチュエータの駆動方法 - Google Patents
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Description
〔1〕本発明に従うリニアアクチュエータの駆動方法の一形態は、電磁石として構成される第1磁石と、永久磁石または電磁石として構成される第2磁石と、前記第1磁石および前記第2磁石の一方を含み、前記第1磁石および前記第2磁石の他方に対して直線運動する可動子とを備えるリニアアクチュエータを駆動するための駆動方法であって、前記可動子を往復動させるための駆動電流を前記可動子の変位、速度、および、加速度の少なくとも1つに関する検出結果である検出値に応じて制御し、前記検出値の時間的変化に基づいて負荷の経時的な変動を検出し、前記検出値の増減の回数に基づいて負荷の瞬時的な変動の発生し易さの度合を判定し、その結果に応じて前記可動子の制御方法を変更する。
〔2〕前記リニアアクチュエータの駆動方法の一例によれば、前記判定の結果に応じて前記駆動電流を制御するためのフィードバックループのループ利得を変更する。
〔3〕前記リニアアクチュエータの駆動方法の一例によれば、前記判定の結果に応じて前記可動子の振幅の目標値を変更する。
〔4〕前記リニアアクチュエータの駆動方法の一例によれば、前記第1磁石または前記第2磁石を構成する前記電磁石の巻線に前記駆動電流が流れていない期間である非導通期間において前記可動子の往復動により前記巻線に発生する誘起電圧に基づいて前記検出値を検出する。
図1に示すように、リニア振動アクチュエータ10は、固定子11と可動子12とを有している。固定子11は、例えば磁性材料の焼結体や磁性材料の鉄板を積層したものに巻線11aが巻回された電磁石により構成されている。この固定子11は、フレーム13に固定されている。
可動子12は、ばね14によって往復動可能にフレーム13に支持されている。この可動子12が有する永久磁石12aは、所定のギャップを介して上記固定子11と対向して配置されるとともに、可動子12の往復動方向(図中、左右方向)に着磁されている。
上記巻線11aに接続された駆動回路30は、電源20からの電源電圧Vccに基づいて動作し、巻線11aに駆動電流Idを供給する。一方、巻線11aに接続された振幅制御部40は、巻線11aに生じる誘起電圧から可動子12の振幅を検出する。また、振幅制御部40は、検出した振幅の時間的変化に応じて負荷の経時的な変動を検出して異常を検出するとともに、振幅の時間的変化に応じて負荷の瞬時的な変動状態を判定する。この振幅制御部40は、検出した振幅情報を制御出力部50にフィードバックする。
まず、駆動回路30の内部構成例を説明する。
図2に示すように、駆動回路30は、MOSFET等のスイッチング素子Q1〜Q4からなるフルブリッジ回路であり、スイッチング素子Q1,Q3間の接続点とスイッチング素子Q2,Q4間の接続点との間に、上記巻線11aが接続されている。この駆動回路30は、スイッチング素子Q1,Q4のペアとスイッチング素子Q2,Q3のペアとが制御出力部50からのPWM信号に基づいて交互にオンされることで、巻線11aに流す駆動電流Idの方向を切り替えて上記可動子12を往復動させるものである。
増幅回路41は、巻線11aの両端電圧、つまり巻線11aに生じる誘起電圧Eを増幅し、その増幅後の増幅電圧Vnを比較回路42,43に出力する。比較回路42は、零電圧である基準電圧V0と増幅電圧Vnとを比較し、その比較結果に応じた信号レベルの出力信号S1をマイクロコントローラ(マイコン)44内の振幅換算回路45に出力する。また、比較回路43は、基準電圧V0よりも所定電圧低い基準電圧V1と上記増幅電圧Vnとを比較し、その比較結果に応じた信号レベルの出力信号S2を振幅換算回路45に出力する。なお、基準電圧V1は、基準電圧V0よりも所定電圧高い電圧に設定してもよい。
制御回路47は、メモリ46に格納された可動子12の振幅の時間的変化に応じて負荷の経時的な変動を検出し、その検出結果に応じて異常を検出する。また、制御回路47は、可動子12の振幅の時間的変化に応じて負荷の瞬時的な変動の発生し易さの度合を判定し、その判定結果に応じて可動子12の制御方法を変更する。
今、駆動回路30から供給される駆動電流Idによってリニア振動アクチュエータ10の可動子12が往復動されている。このとき、可動子12の振幅の折り返し点ごとにその振幅が検出され、その振幅がメモリ46に格納される。制御回路47は、このメモリ46に格納された振幅を、図6や図7に示すように、時間軸上に並べることにより、振幅の経時的な増減(変化)を検出する。ここで、リニア振動アクチュエータ10を駆動している電源20の電源電圧Vccが一定に維持されている状態での振幅の増減は、その大部分が負荷の増減に起因している。例えば可動子12を駆動させて、その先の負荷を振動させる場合において、振動させている負荷部分に徐々に汚れやごみ等が付着すると、これが抵抗となり可動子12の振幅が低下する。このため、可動子12の増減を検出することにより、負荷の増減を擬似的に検出することができる。
(1)振幅の時間的変化に基づいて負荷の経時的な変動を検出するようにした。これにより、負荷の経時的な変動の傾向を検出することができ、瞬時値で異常を検出する場合よりも早い段階で駆動の変化を検出することができる。このため、瞬時値で異常を検出する場合よりも早い段階で異常を検出することができ、その異常に対して早い段階で駆動を停止させるなどの対策を行うことができる。
・上記実施形態では、時間差Tsに基づいて可動子12の振幅を検出するようにした。これに限らず、例えば図8や図9に示すように、所定時間における誘起電圧Eの電圧差に基づいて可動子12の振幅を検出するようにしてもよい。具体的には、図8に示すように、振幅の折り返しタイミング(時間T0)から所定時間T2経過後の誘起電圧Eの電圧値V2を測定し、零電圧と電圧値V2との電圧差Vsを測定し、その電圧差Vsを振幅に換算するようにしてもよい。詳述すると、リニア振動アクチュエータ10は一定周波数で振動し、その可動子12の位置及び速度は正弦曲線に則って変化する。したがって、上述した電圧差Vsを測定することにより、リニア振動アクチュエータ10の駆動状態(正弦曲線)を唯一に特定することができ、可動子12の速度(振幅)を唯一に特定することができる。すなわち、図8に示すように、電圧差Vsが小さい場合(実線参照)には可動子12の振幅が小さいことを示し、電圧差Vsが大きい場合(破線参照)には可動子12の振幅が大きいことを示している。
・上記実施形態における可動子12は、永久磁石12aの代わりに電磁石を備えるようにしてもよい。この場合には、電磁石からなる固定子11の代わりに永久磁石からなる固定子を用いるようにすればよい。
・上記実施形態では、リニアアクチュエータとしてリニア振動アクチュエータ10に具体化したが、これに限定されない。例えばリニアアクチュエータとしてリニア電磁アクチュエータに具体化してもよい。
さらに、ここでは、駆動電流Idの周波数をリニア振動アクチュエータ10の機械的な共振周波数に同期させたまま、振幅の目標値のみを変更して可動子12の制御方法を変更するようにしている。これにより、効率良く可動子12を駆動させつつ、剃り性能を向上させることができる。
〔付記1〕
電磁石または永久磁石を含む固定子または可動固定子、および、永久磁石または電磁石を含む可動子を備えるリニアアクチュエータの駆動方法において、
前記可動子の変位、速度、および、加速度の少なくとも1つを検出し、その検出値に応じて前記可動子を往復動させるための駆動電流を制御し、前記検出値の時間的変化に応じて負荷の経時的な変動を検出する
リニアアクチュエータの駆動方法。
〔付記2〕
前記検出値の増減の回数を検出することにより、前記負荷の瞬時的な変動の発生し易さの度合を判定し、その判定結果に応じて前記可動子の制御方法を変更する
付記1に記載のリニアアクチュエータの駆動方法。
〔付記3〕
前記判定結果に応じて、前記駆動電流を制御するためのフィードバックループのループ利得を変更する
付記2に記載のリニアアクチュエータの駆動方法。
〔付記4〕
前記判定結果に応じて前記可動子の振幅の目標値を変更する
付記2に記載のリニアアクチュエータの駆動方法。
〔付記5〕
前記電磁石の巻線に前記駆動電流が流れていない非導通期間内において、前記可動子の往復動に伴って前記巻線に発生する誘起電圧を検出することで前記検出値を検出する
付記1〜4のいずれか一項に記載のリニアアクチュエータの駆動方法。
〔付記6〕
電磁石または永久磁石を含む固定子または可動固定子と、永久磁石または電磁石を含む可動子とを備えるリニアアクチュエータを駆動するための駆動方法であって、
前記可動子を往復動させるための駆動電流を前記可動子の変位、速度、および、加速度の少なくとも1つに関する検出結果である検出値に応じて制御し、前記検出値の時間的変化に基づいて負荷の経時的な変動の傾向を検出する
リニアアクチュエータの駆動方法。
〔付記7〕
前記リニアアクチュエータの電源電圧が一定に維持された状態において前記検出値を検出する
請求項1〜5のいずれか一項、または、付記1〜6のいずれか一項に記載のリニアアクチュエータの駆動方法。
11 :固定子
11a:巻線
12 :可動子
12a:永久磁石
13 :フレーム
14 :ばね
20 :電源
21 :定電圧電源
30 :駆動回路
40 :振幅制御部
41 :増幅回路
42 :比較回路
43 :比較回路
44 :マイクロコントローラ
45 :振幅換算回路
46 :メモリ
47 :制御回路
50 :制御出力部
Q1 :スイッチング素子
Q2 :スイッチング素子
Q3 :スイッチング素子
Q4 :スイッチング素子
Id :駆動電流
Vcc:電源電圧
V0 :基準電圧
V1 :基準電圧
V2 :電圧値
V3 :電圧値
V4 :電圧値
Vn :増幅電圧
Vs :電圧差
E :誘起電圧
S1 :出力信号
S2 :出力信号
T0 :時間
T1 :時間
T2 :所定時間
T3 :所定時間
T4 :所定時間
Ta :所定時間
Tb :所定時間
Tc :所定時間
Td :所定時間
Ts :時間差
Te1:期間
Te2:期間
Tnc:非通電期間
Claims (4)
- 電磁石として構成される第1磁石と、永久磁石または電磁石として構成される第2磁石と、前記第1磁石および前記第2磁石の一方を含み、前記第1磁石および前記第2磁石の他方に対して直線運動する可動子とを備えるリニアアクチュエータを駆動するための駆動方法であって、
前記可動子を往復動させるための駆動電流を前記可動子の変位、速度、および、加速度の少なくとも1つに関する検出結果である検出値に応じて制御し、前記検出値の時間的変化に基づいて負荷の経時的な変動を検出し、前記検出値の増減の回数に基づいて負荷の瞬時的な変動の発生し易さの度合を判定し、その結果に応じて前記可動子の制御方法を変更する
リニアアクチュエータの駆動方法。 - 前記判定の結果に応じて前記駆動電流を制御するためのフィードバックループのループ利得を変更する
請求項1に記載のリニアアクチュエータの駆動方法。 - 前記判定の結果に応じて前記可動子の振幅の目標値を変更する
請求項1または2に記載のリニアアクチュエータの駆動方法。 - 前記第1磁石または前記第2磁石を構成する前記電磁石の巻線に前記駆動電流が流れていない期間である非導通期間において前記可動子の往復動により前記巻線に発生する誘起電圧に基づいて前記検出値を検出する
請求項1〜3のいずれか一項に記載のリニアアクチュエータの駆動方法。
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