JP5766855B1 - パンツ型の着用物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の技術の改良であって、前ウエスト域を引き下げたときでも、後ウエスト域が位置ずれを生じるおそれのないパンツ型の着用物品の提供。【解決手段】縦中心線Pと平行に延び、かつ、サイドシーム22のウエスト開口23の縁部に位置する頂点20を通過する仮想線をさらに有し、サイドシーム22は、頂点20から後方へ下り勾配に延びる第1部分22Aと、第1部分22Aから屈曲して前方へ下り勾配に延びて仮想線80と交差する第2部分22Bとを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、パンツ型の着用物品に関する。
従来、前ウエスト域の両側縁部と後ウエスト域の両側縁部とを互いに連結するサイドシームを有するパンツ型の着用物品は公知である。例えば、特許文献1には、サイドシームが上下方向に直線状に延びるパンツ型の着用物品が開示されている。
特開2009−131539号公報(P2009−131539A)
特許文献1に開示された着用物品においては、サイドシームが上下方向に一直線状に且つ所定の間隔を空けて列になって配置された複数の溶着部から形成されており、溶着部が比較的に狭い幅寸法を有することから、サイドシームを上下方向の一端から他端へ引き剥がすときに、引き剥がす力を溶着部に集中させて容易に引き剥がすことができる。
しかし、サイドシームが上下方向へ直線状に延びた形状を有するものであるから、例えば、着用状態において、着用物品に別体の吸収パッドを配置するために、着用補助者が前ウエスト域を把持して斜め下方に引き下げて、ウエスト開口を拡げる場合において、サイドシーム全体にそれを斜め前方へ引き下げようとする力が作用するので、後ウエスト域が全体的に下方へずり下げられる。したがって、そのまま着用した場合には、着用感を損ねるだけではなく、排泄物の漏れの原因となるおそれがある。また、後ウエスト域の位置を修正する場合には、吸収パッドを配置した後に、後ウエスト域を適正な位置に引き上げながら、吸収パッドが位置ずれしないように調整する必要があるので、手間がかかる。
本発明の目的は、従来の技術の改良であって、着用状態において、前ウエスト域を引き下げたときでも、後ウエスト域が位置ずれを生じるおそれのないパンツ型の着用物品の提供にある。
上記課題を達成するための本発明は、縦方向及びそれに直交する横方向と、着用状態における上下方向及びそれに直交する前後方向とを有し、前記横方向の寸法を2等分する縦中心線と、肌対向面及びその反対側の非肌対向面と、前ウエスト域と、後ウエスト域と、前記前後ウエスト域の間に位置するクロッチ域を有するシャーシと、前記シャーシに取り付けられた吸液構造体と、前記前後ウエスト域の両側縁部を連結するサイドシームと、ウエスト開口及び一対のレッグ開口とを含むパンツ型の着用物品に改良にある。
発明に係る着用物品は、前記縦中心線と平行に延び、かつ、前記サイドシームの前記ウエスト開口の縁部に位置する頂点を通過する仮想線をさらに有し、前記サイドシームは、前記頂点から後方へ下り勾配に延びる第1部分と、前記第1部分から屈曲して前方へ下り勾配に延びて前記仮想線と交差する第2部分とを有し、前記前ウエスト域は、前記横方向へ延びる複数条の前ウエスト弾性体が配置された前ウエスト弾性域を有し、前記後ウエスト域は、前記横方向へ延びる複数条の後ウエスト弾性体が配置された後ウエスト弾性域を有し、前記サイドシームの屈曲した部分において、前記前後方向において対向する前記後ウエスト弾性域の伸長応力が前記前ウエスト弾性域の伸長応力よりも高く、サイドシームの前記第2部分の下方部において、互いに隣り合う前記前ウエスト弾性体の前記縦方向における離間寸法が、互いに隣り合う前記後ウエスト弾性体の前記縦方向における離間寸法よりも小さいことを特徴とする。
本発明に係るパンツ型の着用物品においては、サイドシームがその頂点から後方へ下り勾配に延びる第1部分と、第1部分から屈曲して前方へ下り勾配に延びる第2部分とを有することによって、前ウエスト域を斜め下方へ引っ張ってウエスト開口を拡げたときに、第1部分が斜め前方へ引っ張られて下方へずり下がるのに対し、第2部分には引っ張る力が作用されない又はされ難く、後ウエスト域全体が下方へ大きくずり下がることはない。
図面は、本開示に係る本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
本開示に係るパンツ型の着用物品の一例として示す、使い捨ておむつを背面側から視た斜視図。 各弾性体の最大伸長時(弾性体の収縮作用によるギャザーがなくなる程度)まで縦方向及び横方向に伸展したおむつの一部破断展開平面図。 おむつの一部破断分解斜視図。 図1のIV−IV線に沿う模式的断面図。 前ウエスト域の平面図。 後ウエスト域の平面図。 (a)従来のおむつを着用する際の状態を示す、背面側から視た斜視図。(b)VIIb−VIIb線に沿う模式的断面図。 (a)図1に示すおむつを着用する際の状態を示す、背面側から視た斜視図。(b)VIIIb−VIIIb線に沿う模式的断面図。 (a)従来のおむつの着用状態における側面図。(b)従来のおむつの着用状態において、前ウエスト域を斜め下方へずり下げた様子を示す図。 おむつの着用状態における側面図。 おむつの着用状態において、前ウエスト域を斜め下方へずり下げた様子を示す図。
下記の実施の形態は、本発明の一例である図1〜11に示すパンツ型の着用物品に関し、発明の不可欠な構成ばかりではなく、選択的及び好ましい構成を含む。図2において、後述する各弾性体は、その収縮力に抗して、横方向X及び縦方向Yへの収縮力により各弾性体が取り付けられた部材に生じたギャザーが、自然な視覚によって実質的に無くなっているように見える程度にまで伸長された状態にある。
図1〜図3を参照すると、本発明に係るパンツ型の着用物品の一例である使い捨てのパンツ型おむつ10は、互いに直交する縦方向Y及び横方向Xと、肌対向面及びその反対側の非肌対向面と、横方向Xの長さ寸法を二等分する縦軸Pと、縦方向Yの長さ寸法を二等分する横軸Qとを有し、縦軸Pに関してほぼ対称であり、前ウエスト域11と、後ウエスト域12と、前ウエスト域11および後ウエスト域12の間に位置するクロッチ域13とを含む。
おむつ10は、ベース形態をなすシャーシ14を含み、シャーシ14は、互いに縦方向Yにおいて対向する前端縁(前ウエスト開口縁)14aと後端縁(後ウエスト開口縁)14bと、クロッチ域13を画定する中央部が凹曲状の両側縁部14c,14dとを有する。両側縁部14c,14dによって外形輪郭の形成されるクロッチ域13の最も幅狭の部分は、横軸Qよりも前ウエスト域11側へ位置している。前ウエスト域11の両側縁部11a,11bと後ウエスト域12の両側縁部12a,12bとは、おむつ10の前後方向Zにおいて互いに対向する側縁部が互いに縦方向Yへ断続的に延びるサイドシーム22によって連結されることによって、ウエスト開口23及び一対のレッグ開口24が画定される。サイドシーム22では、例えば、熱又は超音波によるエンボス・デボス加工等の公知の手段によって互いに重なり合うシートどうしが融着される。サイドシーム22は、おむつ10の製造過程において、前後ウエスト域11,12の両側縁部11a,11b,12a,12b及び縦中心線Pと並行して直線状に形成される。しかし、おむつ10においては、前後方向において互いに対向する、前後ウエスト域11,12の上下方向の中央部よりも上方に位置するウエスト弾性体が配置された弾性域どうしの収縮量の差異によって、サイドシーム22が、後ウエスト域12側へ屈曲した形状となる。
シャーシ14は、肌対向面に位置し、前後ウエスト域11,12及びクロッチ域13を一連に画定する繊維不織布製のベースシート25と、非肌対向面側に位置し、縦方向Yにおいて互いに離間対向する、繊維不織布製の前ウエストシート26及び後ウエストシート27と、ベースシート25の肌対向面側に位置し、クロッチ域13から前後ウエスト域11,12へ延びる吸液構造体15とを含む。
<ベースシート>
ベースシート25は、縦方向Yにおいて離間対向する第1及び第2端縁25a,25bと、横方向Xにおいて離間対向する両側縁25c,25dとを有する。両側縁25c,25dは、前後ウエスト域11,12における直状部位と、クロッチ域13において、縦軸Pに向かって後ウエスト域12側から前ウエスト域11側により深く凸曲する曲状部位とから形成される。
<前ウエストシート>
前ウエストシート26は、前ウエスト域11とクロッチ域13の一部とを形成する略台形状であって、横方向Xへ延びる中間内端縁26a及び外端縁26bと、縦方向Yへ延びる両外側縁26c,26dと、両外側縁26c,26dと中間内端縁26aとを結ぶ両側内端縁26e,26fとから画定される。両側内端縁26e,26fは、外側縁26c,26dから横方向Xへ直状に延びる直状部位と、該直状部位から中間内端縁26aに延びる曲状部位とを有する。前ウエストシート26は、ウエスト開口縁に沿って内側へ折り曲げられた折曲部分33を有する。折曲部分33は、ベースシート25の内面に後述する吸液構造体15が配置された状態で、ベースシート25の第1端縁25aに沿って内側へ折り曲げられ、ベースシート25及び吸液構造体15の肌対向面に固定される。
<後ウエストシート>
後ウエストシート27は、後ウエスト域12とクロッチ域13の一部とを形成する略台形状であって、横方向Xへ延びる中間内端縁27a及び外端縁27bと、外端縁27bから縦方向Yへ延びる両外側縁27c,27dと、両外側縁27c,27dと中間内端縁27aとを曲状に結ぶ両側内端縁27e,27fとから画定される。後ウエストシート27は、ウエスト開口縁に沿って内側へ折り曲げられた折曲部分38を有する。折曲部分38は、ベースシート25の内面に吸液構造体15が配置された状態で、ベースシート25の第2端縁25bに沿って内側へ折り曲げられ、ベースシート25及び吸液構造体15の肌対向面に固定される。
図2〜図4を参照すると、前ウエストシート26とベースシート25との間には、前ウエスト域11において横方向Xへ延びる前ウエスト弾性体61〜64が伸長状態で収縮可能に取り付けられる。後ウエストシート27とベースシート25との間には、後ウエスト域12において横方向Xへ延びる後ウエスト弾性体71〜74と、後ウエスト域12からクロッチ域13へ向かって湾曲状して延びる臀部弾性体76とが伸長状態で収縮可能に取り付けられる。前後ウエスト域11,12は、各弾性体が配置されることによって、後記の弾性的に伸縮可能な前後ウエスト弾性域を有する。
ベースシート25及び前後ウエストシート26,27としては、単位面積当たりの質量が約10〜40g/mであり、繊維密度が約0.03〜0.10g/cmである、例えば、スパンボンド繊維不織布、SMS(スパンボンド・メルトブローン・スパンボンド)繊維不織布、エアスルー繊維不織布、プラスチックシート、またはそれらのラミネートシートなどを用いることができる。本実施形態においては、ベースシート25として、質量約10〜18g/m、好ましくは質量約13g/mのSMS繊維不織布、前後ウエストシート26,27として質量約15〜25g/m、好ましくは質量約20g/mのスパンボンド繊維不織布を用いることができる。
図1に示す後ウエスト域12の外面の一部拡大図を参照すると、本実施形態においては、前後ウエストシート26,27の外面に、オプションとして格子状のエンボス・デボス加工が施されており、格子縞状のエンボス模様28が配置される。エンボス模様28は、複数の圧縮凹部が配置されて構成された、縦軸P及び横軸Qに対して傾斜して延びる、第1凹状ライン29Aと第2凹状ライン29Bとが交差して形成される。圧縮凹部においては、前後ウエストシート26,27を形成する繊維不織布の熱可塑性樹脂が熱融着されており、第1凹状ライン29Aと第2凹状ライン29Bとの間には、嵩高かつ柔軟な非圧縮部30が画定される。また、前後ウエストシート26,27は、少なくとも外面側の繊維層が捲縮繊維を有するものであることが好ましい。かかる場合には、エンボス模様28と相俟ってそれらシートの柔軟性が向上し、より下着のような外観を有することができる。本実施形態においては、クロッチ域13の中央部13cがベースシート25のみから形成されているが、複数のシートから形成されていてもよい。
おむつ10は、主として、高齢者等に使用される大人用のおむつであって、おむつ10の各寸法(シャーシ14の対応する寸法と同じ)について言えば、おむつ10の縦方向Yにおける寸法L1は約600〜1000mm、横方向Xにおける寸法W1は約400〜800mm、前ウエスト域11の前側縁部11a,11bの縦方向Yにおける寸法L2(後ウエスト域12の後側縁部12a,12bの縦方向Yにおける寸法と同じ)は、約200〜250mmである。
<吸液構造体>
図2及び図3を参照すると、吸液構造体15は、縦方向Yに離間対向して横方向Xに延びる前端縁15a及び後端縁15bと、横方向Xにおいて離間対向して縦方向Yに延びる両側縁15cとを有する。吸液構造体15は、肌対向面側に位置し、透液性を有する繊維不織布製の身体側ライナ50と、曲状の両側縁を有する吸液性の吸液性コア51と、一対のバリアカフシート52と、防漏シート53とを含む。
吸液性コア51は、前ウエスト域11において横方向Xへ延びる前端縁51aと、後ウエスト域12において、横方向Xへ延びる後端縁51bとを有し、例えば、フラッフパルプと、吸収性ポリマー粒子等との混合物から形成されており、その全体がティッシュペーパ等の液吸収拡散性のコアラップシートによって包被される。身体側ライナ50とバリアカフシート52及び防漏シート53とは、吸液性コア51の前端縁51a及び後端縁51bから、それぞれ縦方向Yの外側へ延出している。吸液構造体15は、吸液性コア51の前端縁51aから縦方向Yの外側に延出するそれらのシート部材から形成された前端部16Aと、吸液性コア51の後端縁51bから縦方向Yの外側に延出するそれらのシート部材から形成された後端部16Bとを有する。
吸液構造体15とベースシート25とは、それらの対向面の少なくとも一方に塗布されたホットメルト接着剤等の公知の接合手段から形成された接合域を介して互いに接合される。接合域は、縦方向Yにおいて互いに所与寸法離間して配置された複数の接合部から構成されており、吸液構造体15の前端部16Aの一部をベースシート25に固定するための前方接合部59Aと、吸液構造体15の後端部16Bの一部をベースシート25に固定するための後方接合部59Bと、吸液構造体15の中央部をベースシート25に固定するための中央接合部59Cとを有する。
図2を参照すると、一対のバリアカフシート52は、2つに折り畳まれて内面を互いに固定したものであって、身体側ライナ50の肌対向面に固定された、縦方向Yにおいて離間対向する前固定部及び後固定部と、縦方向Yへ延びる固定側縁部52bと、固定側縁部52bから横方向Xの内側に位置する自由側縁部52aとを有する。バリアカフシート52の自由側縁部52a内には、ストリング状またはストランド状の弾性材料からなり、縦方向Yへ延びるカフ弾性体57が伸長状態で収縮可能に取り付けられる。カフ弾性体57が収縮することによって、自由側縁部52aが身体側ライナ50から着用者の身体側へ離間し、体液の横漏れを防止するための一対の防漏カフが形成される。防漏シート53は、不透液性の繊維不織布、不透液性で透湿性のプラスチックフィルム又はそれらのラミネートシートから形成されており、少なくとも吸液性コア51の下面のほぼ全体を覆うように配置されており、吸液構造体15の非肌対向面(底面)側から体液が漏れ出るのを防止する。
<前ウエスト弾性域>
前ウエスト域11は、前側縁部11a,11b間に位置する前ウエスト弾性体61〜64が配置された前ウエスト弾性域60A,60Bを有する。説明の便宜上、前ウエスト弾性域60A,60Bは、前ウエスト開口縁14aから吸液構造体15の前端縁15aよりもクロッチ域13側に延び、横方向Xへ延びる複数条のストリング状又はストランド状の上方前ウエスト弾性体61,62が配設された上方弾性域60Aと、上方弾性域60Aよりもクロッチ域側に位置し、横方向Xへ延びる複数条のストリング状又はストランド状の下方前ウエスト弾性体63,64が配設された下方弾性域60Bとを有する。前ウエスト域の前側縁部11a,11bの縦方向Yの寸法が約200〜250mmの場合において、上方弾性域60Aの縦方向Yの寸法は100〜120mm、下方弾性域Bの縦方向Yの寸法は約100〜130mmである。
上方前ウエスト弾性体61,62は、前ウエスト開口縁14a側に位置する第1前ウエスト弾性体61と、第1前ウエスト弾性体61のクロッチ域13側に位置する第2ウエスト弾性体62とを有し、下方前ウエスト弾性体63、64は、前ウエスト開口縁14a側に位置する第3前ウエスト弾性体63と、第3前ウエスト弾性体63のクロッチ域13側に位置する第4前ウエスト弾性体64とを有する。
各前ウエスト弾性体61〜64の本数、繊度及びピッチは、おむつ10の大きさによって適宜調整されるところ、本実施形態においては、第1前ウエスト弾性体61が繊度約300〜800dtex、ピッチ約4〜8mm、約2.2〜2.4倍に伸長された状態で配置された弾性材料から形成されており、第2前ウエスト弾性体62が繊度300〜800dtex,ピッチ6〜12mm,約2.2〜2.4倍に伸長された状態で配置された弾性材料から形成されており、第3前ウエスト弾性体63が繊度600〜950dtex,ピッチ6〜12mm,約2.3〜2.7倍に伸長された状態で配置された弾性材料から形成されており、第4前ウエスト弾性体64が繊度600〜1200dtex,ピッチ6〜12mm,約2.3〜2.7倍に伸長された状態で配置された弾性材料から形成されている。本明細書において、隣り合う前後ウエスト弾性体間のピッチ(離間寸法)とは、縦方向Yにおける弾性体間に形成される弾性体の非存在領域における縦方向の寸法をいう。また、「ピッチが実質的に同一である」とは、0〜3.0mm程度の製造上の誤差等による相違を含むものである。
<後ウエスト弾性域>
後ウエスト域12は、後ウエスト開口縁14bと吸液性コア51の後端縁51bとの間に位置する後ウエスト弾性体71〜74が配置された後ウエスト弾性域70A,70Bを有する。説明の便宜上、後ウエスト弾性域70A,70Bは、後ウエスト開口縁14bから吸液構造体15の後端縁15bよりもクロッチ域13側に延び、横方向Xへ延びる複数条のストリング状又はストランド状の上方後ウエスト弾性体71,72が配設された上方弾性域70Aと、上方弾性域70Aよりもクロッチ域13側に位置し、横方向Xへ延びる複数条のストリング状又はストランド状の下方後ウエスト弾性体73,74が配設された下方弾性域70Bとを有する。後ウエスト弾性域70A,70Bの上方弾性域70Aは、後ウエスト開口縁14bから吸液構造体15の後端縁15bよりもクロッチ域13側へ延びており、下方弾性域70Bは、上方弾性域70Aと吸液性コア51の後端縁51bとの間に位置している。後ウエスト域12の両側縁部12a,12bの縦方向Yの寸法が約200〜250mmの場合において、上方弾性域70Aの縦方向Yの寸法は70〜100mm、下方弾性域70Bの縦方向Yの寸法は約130〜150mmである。
上方後ウエスト弾性体71,72は、後ウエスト開口縁14b側に位置する第1後ウエスト弾性体71と、第1後ウエスト弾性体71のクロッチ域13側に位置する第2後ウエスト弾性体72とを有し、下方後ウエスト弾性体73,74は、後ウエスト開口14b側に位置する第3後ウエスト弾性体73と、第3後ウエスト弾性体73のクロッチ域13側に位置する第4後ウエスト弾性体74とを有する。
後ウエスト弾性体71〜74の本数、繊度及びピッチは、おむつ10の大きさによって適宜調整されるところ、本実施形態においては、第1後ウエスト弾性体71が繊度約300〜800dtex、ピッチ約4〜8mm、約2.2〜2.4倍に伸長された状態で配置された弾性材料から形成されており、第2後ウエスト弾性体72が繊度600〜950dtex,ピッチ4〜8mm,約1.8〜2.2倍に伸長された状態で配置された弾性材料から形成されており、第3後ウエスト弾性体73が繊度600〜950dtex,ピッチ4〜8mm,約2.3〜2.7倍に伸長された状態で配置された弾性材料から形成されており、第4後ウエスト弾性体74が繊度600〜1200dtex,ピッチ12〜18mm,約2.3〜2.7倍に伸長された状態で配置された弾性材料から形成されている。
<伸長応力の測定方法>
各ウエスト弾性体が配置された弾性域の伸長応力は、島津製作所製の引張試験機を用いて測定した。測定は、横方向Xの寸法W1が600mmのおむつ10の前後ウエスト域11,12から、それぞれ各弾性域を切り取って試料とした。まず、引っ張り試験の上チャックに試料の一端を固定し、下方チャックに試料の他端を固定した状態で、それらを180mm(チャックの掴み部の寸法は約15mm)離間させる。次に、下チャックを速度100mm/minで動かし、チャック間が460mmになるまで離間させて、動きを反転し、チャック間が180mmになるまで接近させた後、再び動きを反転してチャック間が460mmになるまで離間させた時点の伸長応力(N)を測定した。
上記測定の結果、前ウエスト弾性体の上方弾性域60A,60Bの伸長応力が約1.1N,下方弾性域60Bの伸長応力が約2.0Nであって、また、後ウエスト弾性域70A,70Bの上方弾性域70Aの伸長応力が約1.3N,下方弾性域70Bの伸長応力が約2.9Nであった。したがって、それらの弾性域の伸長応力の相関関係は、上方弾性域60A<下方弾性域60B、上方弾性域70A<下方弾性域70Bであった。また、第2前ウエスト弾性体62の配置された弾性域の伸長応力が約0.98Nであって、前ウエスト弾性域60A,60Bのうちで最も低い伸長応力を有する弾性域であって、第4後ウエスト弾性体74の配置された弾性域の伸長応力が約1.98Nであって後ウエスト弾性域70A,70Bのうちで最も高い伸長応力を有する弾性域であった。また、第1後ウエスト弾性体71の配置された弾性域の伸長応力と第2後ウエスト弾性体72の配置された弾性域の伸長応力とは、約1.3Nであって、ほぼ同じであった。また、上記の結果から、第2後ウエスト弾性体72の配置された弾性域の伸長応力は、第2前ウエスト弾性体62の配置された弾性域の伸長応力よりも高くなっている。
図2及び図6を参照すると、シャーシ14は、後ウエスト域12からクロッチ域13まで延びる臀部弾性域を有する。臀部弾性域は、横軸Qへ向かって湾曲状に延びる複数条の臀部弾性体76が伸長状態で収縮可能に取り付けられている。臀部弾性体76は、繊度が約600〜950dtexであって、伸長倍率が約1.0〜2.5倍に伸長された複数条のストリング状またはストランド状の弾性材料から形成することができる。後ウエスト域12において、第4後ウエスト弾性体74と臀部弾性体76と吸液構造体15の側縁15cとの間には、シート部材のみから形成された臀部カバー部が画定される。臀部カバー部は、シート部材のみから形成されていることから柔軟性を有し、着用者の臀部を広範囲に被覆する程度の大きさを有する。
既述のとおり、前後ウエスト域11,12において、上方弾性域60A,70Aの伸長応力が、それぞれ、下方弾性域60B,70Bのそれよりも低くなっている。このように、ウエスト開口23側に位置する上方弾性域60A、70Aの伸長応力が比較的に小さいことによって、握力の弱い高齢者であっても、着用時においてウエスト開口23を拡げ易く、該部分の伸長応力が高い場合に比して着用操作が容易になる。一方、下方弾性域60B,70Bは、比較的に高い伸長応力を有することから、該部分において着用者の身体に安定的にフィットされ、身体に対する所要の保持力(ホールド)力を発揮しうる。このように、おむつ10の上下方向において、低伸長応力の領域と高伸長応力の領域とを形成し、かつ、前後方向Zにおいて対向させることによって、着用時における操作性と身体に対するフィット性とを両立させることができる。
図7(a),(b)を参照すると、従来のおむつ110においては、後ウエスト域112において、後ウエスト弾性体として同一のストリング状又はストランド状の弾性材料を使用しており、上方後ウエスト弾性体171,172のうちの第1後ウエスト弾性体171と第2後ウエスト弾性体172のピッチ寸法が相違しており、第2後ウエスト弾性体172のピッチが第1ウエスト弾性体171のそれよりも大きくなっている。かかる構成を有する比較例のおむつ110では、着用時において、おむつ110を臀部78に引き上げる際に、吸液構造体15の存在領域とそれよりも縦方向Yの外側に位置する領域とにおける剛性差及び第1後ウエスト弾性体171と第2後ウエスト弾性体172とによるピッチ差並びにそれによる伸長応力の違いによって、吸液構造体115の後端縁115b近傍、すなわち、上方弾性域170Aが折れ曲がって大腿部と臀部78との段差79に引っ掛かって、引き上げ操作をスムーズに行うことができない。特に、おむつ110においては、吸液構造体115の後端縁115bがウエスト開口の比較的に近くにあることから、該部分が引っ掛かることによって、おむつ110の大部分が引き上げられず、無理に引き上げようとすると、おむつ110の一部が破断したり、クロッチ域113の一部が鼠径部に食い込んだりするおそれがある。
図8(a),(b)を参照すると、本実施形態に係るおむつ10においては、第1後ウエスト弾性体71と第2後ウエスト弾性体72とのピッチの大きさが同一であることによって、上方弾性域70Aが全体的に面状に身体にフィットされ、かつ、第1及び第2後ウエスト弾性体71,72の配置された弾性域における伸長応力も同じであることから、吸液構造体15の後端縁15b近傍が折れ曲がって段差79に引っ掛かることはなく、スムーズに引き上げ操作を行うことができる。また、本実施形態においては、下方後ウエスト弾性体73,74のうちの第3後ウエスト弾性体73のピッチも第1及び第2後ウエスト弾性体71,72のピッチと実質的に同一であることから、吸液構造体15の後端縁15bの縦方向Yの内側及び外側における所与寸法において、各弾性体のピッチが実質的に同一となり、より該部分における着用時の折れ曲がりを抑制しうる。
また、下方後ウエスト弾性体73,74のうちの第4後ウエスト弾性体74の離間寸法が第1〜第3後ウエスト弾性体71〜73の寸法よりも大きくなっている。第4後ウエスト弾性体74は、吸液構造体15の後端部16Bと平面視において重なる一方、剛性が変化する部分と重なるものではないので、比較的に離間寸法が大きくても、おむつ10を引き上げるときに折れ曲がって段差に引っ掛かってしまうことはない。
図4を参照すると、吸液構造体15の後端部16Bは、第3後ウエスト弾性体73の配置された弾性域において後方接合部59Bを介してシャーシ14の内面に取り付けられており、吸液性コア51の後端縁51bと後方接合部59Bとの間に位置する部分は、シャーシ14の内面に固定されていない。このように、後端部16B全体がシャーシ14に取り付けられていないことによって、シャーシ14が吸液構造体15が取り付けられることによる剛性の変化に影響され難く、着用時にウエスト開口23を拡げ易くなる。
図6を参照すると、吸液性コア51の後端縁51bと第4後ウエスト弾性体74のうちの最もクロッチ域13側に位置する弾性体との縦方向Yにおける離間寸法Rは、隣り合う第4後ウエスト弾性体74間の縦方向Yの離間寸法とほぼ等しい又はそれよりも僅かに大きくなっている。半剛性の吸液性コア51の後端縁51b近傍も剛性が変化し易い部分であって、第4後ウエスト弾性体74の縦方向Yの離間寸法と離間寸法Rとの差異が比較的に大きい場合には、おむつ10の着用時に引き上げ操作するときに、該離間部分において折曲されて段差に引っ掛かるおそれがある。本実施形態においては、第4後ウエスト弾性体74の縦方向Yの離間寸法と離間寸法Rとがほぼ等しい又はそれよりも僅かに大きいことによって、おむつ10を引き上げるときに吸液性コア51の後端縁51b近傍が折曲されることなく、スムーズに着用操作を行うことができる。
前後ウエスト域11,12の外面をなす前後ウエストシート26,27の外面には、複数の第1及び第2凹状ライン29A,29Bから画定された格子縞状のエンボス模様28が配置されていることから、ウエスト弾性体の収縮作用によって生じるギャザーと相俟って、大小様々なギャザーが形成される。したがって、前後ウエスト域11,12の外面が平滑面である場合に比して、前後ウエスト域11,12を把持し易く、特に、着用時におむつ10の後ウエスト域12を把持して引き上げるときに、着用者/着用補助者の手に馴染んで引き上げが容易になる。また、前後ウエストシート26,27の外面側の繊維層が捲縮繊維を含む場合には、非圧縮部30における嵩高性が向上し、着用者等に対してより手に馴染むような感触を与えることができる。
後ウエスト域12の第1〜第4後ウエスト弾性体71〜74の縦方向Yの離間寸法は、互いに相違するが、いずれの弾性体においても、離間寸法は約11mm以下である。このように、比較的に小さい離間寸法で複数条の弾性体を配置していることから、それと平面視において重なる吸液構造体15の後端部16B全体を身体にフィットさせることができ、また、着用操作時にウエスト弾性体間の離間部分における折曲を抑制しうる。
図9(a),(b)を参照すると、従来のおむつ200は、着用状態において上下方向Hへ延び、その横方向の寸法を2等分する縦中心線と平行し、かつ、サイドシーム222の頂点220を通過する仮想線280を有する。従来のおむつ200は、着用状態において、前後ウエスト域211,212の両側縁部を連結するサイドシーム222が、仮想線280に沿って上下方向Hへ直線状に延びている。かかる着用状態において、例えば、おむつ200の内部に別体の吸収パッドを配置するために、着用補助者が前ウエスト域211を把持して斜め下方へ引っ張ってウエスト開口223を拡げた場合に、斜め下方へ引っ張ろうとする力Fが仮想線280に沿って延びるサイドシーム222の全体に作用する。そのため、後ウエスト域212全体が斜め前方へ引っ張られて傾いて下方へずれ下がるので、後ウエスト開口縁部が所定の適正位置を示す仮想ライン283から下方へ位置ずれする。したがって、そのまま着用した場合には、着用感を損ねるばかりではなく、排泄物の漏れを生じるおそれがある。また、前ウエスト域211側から吸収パッドをおむつ200内部に挿入して配置した後に、後ウエスト域212の位置を修正する場合には、吸収パッドの位置を調整しながら、後ウエスト域212を所定の仮想ライン283まで引き上げる必要があり、手間がかかる。
図10を参照すると、本実施形態に係るおむつ10は、上下方向Hへ延び、その横方向の寸法を2等分する縦中心線Pと平行し、かつ、サイドシーム22の頂点20を通過する仮想線80を有する。前後ウエスト域11,12の側縁部11b,12bを連結するサイドシーム22は、製造時において仮想線80と並行するように直線状に延びているが、おむつ10の着用状態においては、仮想線80に関して後ウエスト域12側へ屈曲した形状を有する。具体的には、サイドシーム22は、頂点20から後方へ下り勾配に延びる第1部分22Aと、第1部分22Aから屈曲して前方へ下り勾配に延びて仮想線80と交点84において交差する第2部分22Bとを有する。
図11を参照すると、おむつ10の内部に別体の吸収パッドを配置するために、着用補助者が前ウエスト域11を把持して斜め下方へ引っ張ってウエスト開口23を拡げたときに、前ウエスト域11を斜め下方へ引っ張る力Fがサイドシーム22に作用する。このとき、サイドシーム22は、仮想線80に関して屈曲した形状を有していることから、引っ張る力Fが屈曲部分81を起点としてそれよりも上方に位置する第1部分22Aに作用し、後ウエスト域12のウエスト開口23側の部分が斜め前方へ引っ張られる。一方、屈曲部分81よりも下方に位置する第2部分22Bは、引っ張ろうとする力Fが作用されない又は作用され難く、斜め前方へ引っ張られて、大きくずり下がることはない。したがって、後ウエスト域12全体が斜め前方へ引っ張られることはないので、少なくとも後ウエスト域12の中央部は適正位置を示す仮想ライン83に位置する。また、サイドシーム22の第1部分22Aに作用した引っ張り力Fは、仮想線80と第1部分22Aとの間に画定される緩衝領域85において力が分散されるので、後ウエスト域12が引き下がるのを抑制しうるとも考えられる。
本実施形態に係るおむつ10では、おむつ10の前後方向Zにおいて、後ウエスト弾性域の第2後ウエスト弾性体72が配置された弾性域と、第2前ウエスト弾性体62が配置された弾性域とが対向して位置しており、前者の伸長応力が後者のそれよりも高くなっているので、該部分においてサイドシーム22が後ウエスト域12側へ引っ張られて、仮想線80に関して屈曲した形態をなす。サイドシーム22がかかる形態をなすために、第3後ウエスト弾性体73の配置された弾性域の伸長応力と第2前ウエスト弾性体62の配置された弾性域の伸長応力との差が約0.2N以上であることが好ましい。
また、サイドシーム22の第2部分22Bの下方部に位置する前ウエスト弾性域においては、第3前ウエスト弾性体63が配置されており、それと対向する後ウエスト弾性域には、第3後ウエスト弾性体73が配置されている。本実施形態においては、互いに隣り合う第3前ウエスト弾性体63の縦方向Yにおける離間寸法が、互いに隣り合う第4後ウエスト弾性体74の縦方向Yにおける離間寸法よりも小さくなっている。したがって、下方部において前ウエスト弾性域の伸長応力が後ウエスト弾性域よりも高くなって、後ウエスト域12が前方へ引っ張られるので、第2部分22Bは、屈曲部分81から次第に仮想線80から離間するように下り勾配に延びている。
サイドシーム22は、屈曲部分81が仮想線80よりも後方に位置する限りにおいて、頂点20から仮想線80に沿って直線状に延びた後に、後方へ下り勾配に延びていてもよいし、第1及び第2部分22A,22Bと仮想線80との交差角度や勾配度合いは、適宜変更することができる。また、前ウエスト域11を斜め下方へ引き下げたときに、屈曲部分81よりも上方に位置する領域が引き下げられるので、屈曲部分81が比較的に下方に位置する場合には、引っ張り力Fによって下方へずり下がる後ウエスト域12の部分が大きくなる。したがって、サイドシーム22の屈曲部分81は、後ウエスト域12の縦方向Yの寸法の中央部11c(説明の便宜上、中央部の位置する部分を仮想線80上に位置する点で示す)よりも上方に位置することが好ましい。このように、屈曲部分81が、該中央部11cよりも上方に位置することによって、後ウエスト域12全体の下方へのずり下がりを避けることができる。また、後ウエストシート27の折曲部分38の端縁(外端縁27b)がサイドシーム22の屈曲部分81に位置している。後ウエスト域12において積層されたシート部材の枚数の相違によって剛性が変化するので、端縁(外端縁27b)近傍において剛性の変化によってサイドシーム22が屈曲し易くなるといえる。また、前後ウエスト域11,12に格子縞状のエンボス模様28が配置されていることによって、シート部材の柔軟性が増してウエスト弾性体の伸長力によってシート部材が変形し易くなるので、よりサイドシーム22が屈曲し易くなる。
以上のように、本実施形態にかかるおむつ10では、サイドシーム22が、製造時において縦中心線P及び仮想線80と並行して直線状に延びているが、前後ウエスト弾性域60A,60B,70A,70Bの各弾性域の伸長応力をウエスト弾性体の繊度、ピッチ、伸長倍率の諸条件によって相違させることによって、製品において仮想線80に対して屈曲した形状を有しており、それによって、おむつ10の着用状態及び吸収パッドの挿入操作時における後ウエスト域12の位置ずれを防止するとともに、スムーズな着用操作を行うことができる。
本発明に係るおむつ10を構成する各構成部材には、明細書に記載されている材料のほかに、この種の物品において通常用いられている各種公知の材料を制限なく用いることができる。また、明細書及び特許請求の範囲において、「第1」「第2」「第3」及び「第4」の用語は、同様の要素、位置等を単に区別するために用いられる。
以上に記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記の事項に整理することができる。
縦方向及びそれに直交する横方向と、着用状態における上下方向及びそれに直交する前後方向とを有し、前記横方向の寸法を2等分する縦中心線と、肌対向面及びその反対側の非肌対向面と、前ウエスト域と、後ウエスト域と、前記前後ウエスト域の両側縁部を連結するサイドシームと、ウエスト開口及び一対のレッグ開口とを含むパンツ型の着用物品において、前記縦中心線と平行に延び、かつ、前記サイドシームの前記ウエスト開口の縁部に位置する頂点を通過する仮想線をさらに有し、前記サイドシームは、前記頂点から後方へ下り勾配に延びる第1部分と、前記第1部分から屈曲して前方へ下り勾配に延びて前記仮想線と交差する第2部分とを有する。
上記段落0053に開示した本発明は、少なくとも下記の実施の態様を含むことができる。
(1)前記サイドシームの屈曲した部分は、前記後ウエスト域の前記縦方向の寸法における中央部よりも上方に位置する。
(2)前記前ウエスト域は、前記横方向へ延びる複数条の前ウエスト弾性体が配置された前ウエスト弾性域を有し、前記後ウエスト域は、前記横方向へ延びる複数条の後ウエスト弾性体が配置された後ウエスト弾性域を有し、前記サイドシームの屈曲した部分において、前記前後方向において対向する前記後ウエスト弾性域の伸長応力が前記前ウエスト弾性域の伸長応力よりも高い。
(3)前記サイドシームの前記第2部分の下方部において、互いに隣り合う前記前ウエスト弾性体の前記縦方向における離間寸法が、互いに隣り合う前記後ウエスト弾性体の前記縦方向における離間寸法よりも小さい。
(4)前記上下方後ウエスト弾性体は、前記肌対向面側に位置する内面シートと、前記非肌対向面側に位置する外面シートとの間に介在されており、前記外面シートは、前記内面シートの後端縁に沿って前記縦方向の内側へ折り曲げられる折曲部分を有し、前記折曲部分の端縁が前記サイドシームの屈曲した部分に位置する。
(5)前記前後ウエスト域の外面には、複数の圧縮凹部が配列され、かつ、互いに交差する第1凹状ラインと第2凹状ラインとから構成された格子縞状のエンボス模様が配置される。
(6)互いに隣り合う前記後ウエスト弾性体の前記縦方向の離間寸法が11mm以下である。
10 おむつ(パンツ型の着用物品)
11 前ウエスト域
11a,11b 前ウエスト域の側縁部
11c 前ウエスト域の縦方向の寸法の中央部
12 後ウエスト域
12a,12b 後ウエスト域の側縁部
13 クロッチ域
14 シャーシ
15 吸液構造体
16A 吸液構造体の後端部
20 サイドシームの頂点
22 サイドシーム
22A サイドシームの第1部分
22B サイドシームの第2部分
23 ウエスト開口
24 レッグ開口
25 ベースシート(内面シート)
27 後ウエストシート(外面シート)
28 エンボス模様
29A 第1凹状ライン
29B 第2凹状ライン
38 折曲部分
62 第2前ウエスト弾性体
64 第4前ウエスト弾性体
70A 後ウエスト弾性域の上方弾性域
70B 後ウエスト弾性域の下方弾性域
71 第1後ウエスト弾性体
72 第2後ウエスト弾性体
73 第3後ウエスト弾性体
74 第4後ウエスト弾性体
80 仮想線
81 屈曲部分
84 サイドシームと仮想線との交点
H 上下方向
P 縦中心線
X 横方向
Y 縦方向
Z 前後方向

Claims (5)

  1. 縦方向及びそれに直交する横方向と、着用状態における上下方向及びそれに直交する前後方向とを有し、前記横方向の寸法を2等分する縦中心線と、
    肌対向面及びその反対側の非肌対向面と、前ウエスト域と、後ウエスト域と、前記前後ウエスト域の間に位置するクロッチ域を有するシャーシと、前記シャーシに取り付けられた吸液構造体と、前記前後ウエスト域の両側縁部を連結するサイドシームと、ウエスト開口及び一対のレッグ開口とを含むパンツ型の着用物品において、
    前記縦中心線と平行に延び、かつ、前記サイドシームの前記ウエスト開口の縁部に位置する頂点を通過する仮想線をさらに有し、
    前記サイドシームは、前記頂点から後方へ下り勾配に延びる第1部分と、前記第1部分から屈曲して前方へ下り勾配に延びて前記仮想線と交差する第2部分とを有し、
    前記前ウエスト域は、前記横方向へ延びる複数条の前ウエスト弾性体が配置された前ウエスト弾性域を有し、前記後ウエスト域は、前記横方向へ延びる複数条の後ウエスト弾性体が配置された後ウエスト弾性域を有し、前記サイドシームの屈曲した部分において、前記前後方向において対向する前記後ウエスト弾性域の伸長応力が前記前ウエスト弾性域の伸長応力よりも高く、
    サイドシームの前記第2部分の下方部において、互いに隣り合う前記前ウエスト弾性体の前記縦方向における離間寸法が、互いに隣り合う前記後ウエスト弾性体の前記縦方向における離間寸法よりも小さいことを特徴とする前記着用物品。
  2. 前記サイドシームの屈曲した部分は、前記後ウエスト域の前記縦方向の寸法における中央部よりも上方に位置する請求項1に記載の着用物品。
  3. 前記ウエスト弾性体は、前記肌対向面側に位置する内面シートと、前記非肌対向面側に位置する外面シートとの間に介在されており、前記外面シートは、前記内面シートの後端縁に沿って前記縦方向の内側へ折り曲げられる折曲部分を有し、前記折曲部分の端縁が前記サイドシームの屈曲した部分に位置する請求項1又は2に記載の着用物品。
  4. 前記前後ウエスト域の外面には、複数の圧縮凹部が配列され、かつ、互いに交差する第1凹状ラインと第2凹状ラインとから構成された格子縞状のエンボス模様が配置される請求項1〜3のいずれかに記載の着用物品。
  5. 互いに隣り合う前記後ウエスト弾性体の前記縦方向の離間寸法が11mm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の着用物品。
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