JP5684613B2 - 液体漂白剤 - Google Patents
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Description
消臭機能を備えた漂白剤としては、水に溶解して過酸化水素を発生する過酸化物と、配位座が5以下のキレート剤と、銅化合物と、プロテアーゼとを含有する粉末漂白性組成物が提案されている(特許文献1参照)。
また、液体漂白剤には、経時に対する液安定性(均一透明性など)が確保されていることが必要である。
すなわち、本発明の液体漂白剤は、過酸化水素(A)と、水溶性亜鉛塩(B)と、下記一般式(I)、(II)及び(III)のいずれかで表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種(C)とを含有することを特徴とする。
また、本発明の液体漂白剤においては、前記(C)成分が、前記一般式(I)及び(II)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本発明においては、これらの成分をそれぞれ(A)成分、(B)成分、(C)成分ともいう。
本発明の液体漂白剤においては、過酸化水素(A)を含有することにより、被洗物の汚れを落とす効果、特に漂白効果が発揮される。
(A)成分としては、液体漂白剤を調製する際の取扱性及び入手の容易性などの点から、過酸化水素の水溶液を用いることが好ましい。たとえば三菱ガス化学(株)製の35%過酸化水素等が市場から入手できる。
液体漂白剤中、(A)成分の配合量は、液体漂白剤の総量に対して0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%であり、さらに好ましくは1〜6質量%である。
(A)成分の配合量が下限値未満であると、漂白機能、除菌機能、消臭機能が充分に得られない場合がある。一方、上限値を超えると、安全性の面から、たとえば家庭用として使用し難くなる。(A)成分の配合量を0.1〜10質量%にすることにより、漂白機能、除菌機能、消臭機能及び液安定性に優れ、家庭用として取扱いの容易な液体漂白剤が得られやすくなる。
水溶性亜鉛塩(B)は、水に溶解するものであり、その際に亜鉛イオンを放出するものであれば特に種類は限定されない。
(B)成分としては、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、硫化亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、シアン化亜鉛、塩化アンモニウム亜鉛、酒石酸亜鉛、過塩素酸亜鉛などが挙げられる。なかでも、取扱い性、コスト、原料供給性等の点から、硫酸亜鉛が好ましい。
(B)成分を配合する際、水への溶解性が高いことから、(B)成分の含水塩を用いることが好ましい。
(B)成分は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
液体漂白剤中、(B)成分の配合量は、液体漂白剤の総量に対して2質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.01〜1質量%である。
(B)成分の配合量が上限値以下であると、(B)成分の溶解性がより高まり、特に低温条件での液安定性が向上する。一方、下限値以上であると、被洗物の変退色防止の効果が得られやすくなる。加えて、消臭機能がより高まる。
(C)成分は、下記の一般式(I)、(II)及び(III)のいずれかで表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種である。
Aにおけるアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数が1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。
Mにおけるアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。Mにおけるアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム等が挙げられる。Mにおけるカチオン性アンモニウム基としては、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3、NH4、トリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム等が挙げられる。Mにおけるアルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。複数のMは、互いに同一でも異なっていてもよい。
m及びnは、それぞれ0〜2の整数を表し、mは0又は1であることが好ましく、nは0又は1であることが好ましい。
Qにおけるアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数が1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。Qとしては、なかでも水素原子が好ましい。
n1は、0又は1の整数を表し、1であることが好ましい。
pが1の場合、「−COOX」基のピリジン環への結合位置は、窒素原子に対してα位であることが好ましい。pが2の場合も、少なくとも1つの「−COOX」基は、α位に結合していることが好ましい。残りの「−COOX」基はα〜γ位のいずれに結合していてもよいが、もう一方のα位に結合していることがより好ましい。pが2の場合、複数のXは、互いに同一でも異なっていてもよい。
Bは、ニトロ基(−NO2)、アミノ基(−NH2)、水酸基(−OH)又はアルキル基を表す。Bにおけるアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、炭素数が1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。
なかでも、(C)成分としては、消臭機能がより高まることから、前記一般式(I)及び(II)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
液体漂白剤中、(C)成分の配合量は、液体漂白剤の総量に対して0.05質量%以上であることが好ましく、より好ましくは0.05〜10質量%であり、さらに好ましくは0.1〜10質量%である。
(C)成分の配合量が下限値以上であると、漂白機能と除菌機能がより高まる。一方、上限値以下であると、経時に対する液安定性(均一透明性など)が向上する。
本発明の液体漂白剤においては、(B)成分と(C)成分とを併用することにより、より優れた消臭効果を得ることができる。
(B)成分と(C)成分との配合比率は、(B)/(C)で表されるモル比率で0.01〜1であることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.9であり、さらに好ましくは0.4〜0.8であり、特に好ましくは0.5〜0.8である。
(B)/(C)で表されるモル比率が下限値以上であると、消臭機能がより高まり、一方、上限値以下であると、漂白機能も高まる。
本発明の液体漂白剤において、水の配合量は、液体漂白剤の総量に対して10〜70質量%であることが好ましく、25〜70質量%であることがより好ましい。
水の配合量が好ましい下限値以上であると、液体漂白剤の製造性が良好となり、一方、好ましい上限値以下であれば、液体漂白剤に配合される成分の分解が起きにくい。
本発明の液体漂白剤には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、上述した成分以外のその他の成分を配合してもよい。
その他の成分としては、漂白活性化剤、界面活性剤、キレート剤(ただし、(C)成分を除く)、ラジカルトラップ剤成分、ホウ酸化合物、ポリオール化合物、ソイルリリースポリマー、pH調整剤、ハイドロトロープ剤、減粘剤、可溶化剤、無機塩類、香料などが挙げられる。
この効果が得られる理由は、定かではないが、(A)成分と(B)成分がまず菌の外膜に作用し、その後、損傷を受けた膜に漂白活性化剤が作用することによって、漂白活性化剤の菌に対する作用が当該漂白活性化剤単独使用時に比べて相乗的に高まるため、と推測される。
漂白活性化剤としては、テトラアセチルエチレンジアミン、ペンタアセチルグルコース、オクタノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタノイルオキシ安息香酸、ノナノイルオキシ安息香酸、デカノイルオキシ安息香酸、ウンデカノイルオキシ安息香酸、ドデカノイルオキシ安息香酸、オクタノイルオキシベンゼン、ノナノイルオキシベンゼン、デカノイルオキシベンゼン、ウンデカノイルオキシベンゼン、ドデカノイルオキシベンゼン等の有機過酸前駆体等が挙げられる。
なかでも、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、デカノイルオキシ安息香酸が好ましい。
漂白活性化剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
液体漂白剤中、漂白活性化剤の配合量は、液体漂白剤の総量に対して0.1〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜2質量%である。
漂白活性化剤の配合量が下限値以上であると、漂白機能、消臭機能がより高まり、また、除菌機能が相乗的に向上する。一方、上限値以下であれば、液安定性も向上する。また、経済的にも抑えられる。
界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤としては、炭素数8〜24、好ましくは炭素数10〜20のアルキル基又はアルケニル基を少なくとも1個有する界面活性剤;炭素数8〜24、好ましくは炭素数10〜20のアルキル基で置換されたアリール基を少なくとも1個有する界面活性剤が好ましい。該アルキル基としては、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等が挙げられる。該アルケニル基としては、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基等が挙げられる。
ここで「アルキル(ポリ)グリコシド」とは、「アルキルポリグリコシド」と「アルキルグリコシド」の一方又は両方を示す。
これらの中でも、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましく、下記一般式(1)で表される化合物が特に好ましい。
前記式(1)で表される化合物は、R1が異なる化合物の混合物であってもよく、たとえば、炭素数の異なる2種類以上のアルコールにエチレンオキシドが付加したものでもよい。
ここで「nav」は、オキシエチレン基の平均繰返し数を示し、アルコール1モルに対して付加したエチレンオキシドの平均モル数を意味する。
このようなエチレンオキシドの付加モル数の分布が狭い非イオン界面活性剤の製造方法は、特に限定されるものでなく、高級アルコールとエチレンオキシドとを用いて常法により合成した反応生成物から、蒸留等によって必要とする分子量範囲のものを分取することにより得られる。また、特定のアルコキシル化触媒を使用して脂肪族アルコール等にエチレンオキシドを付加反応させることによっても容易に得ることができる。この場合、アルコキシル化触媒としては、特公平6−15038号公報に記載されているアルコキシル化触媒を使用することができる。具体的には、Al3+、Ga3+、In3+、Tl3+、Co3+、Sc3+、La3+、Mn2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等を使用することができる。
なお、上記一般式(1)で表される非イオン界面活性剤のエチレンオキシド付加分布は、カラムにZORBAXC8(デュポン製)、移動相にアセトニトリルと水との混合溶媒をそれぞれ使用する高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって容易に測定することができる。
logP値が2.0〜5.0である非イオン界面活性剤としては、上記式(1)において、R1=C12H25,nav=5(logP=3.29);R1=C14H29,nav=5(logP=4.08);R1=C12H25,nav=10(logP=4.12);R1=C12H25,nav=15(logP=4.94)である化合物等が挙げられる。
なお、ここでいう「疎水性パラメータ」とは、対象とする化合物の性質を示すパラメータとして一般的に用いられているものである(たとえば、科学の領域増刊号122号(1979年)、第73頁を参照)。logP値におけるP(分配係数)は、水とオクタノールとの間における平衡状態での物質の活動度の比:P=Co/Cwとして表される(ここでCoはオクタノール中の濃度、Cwは水中の濃度である)。
分配係数の測定方法としては、Flask Shaking法、薄層クロマトグラフ法、HPLCによる測定法が知られている。また、Ghose,Pritchett,Crippenらのパラメータを用い、計算によって算出することもできる(J.Comp.Chem.,9,80(1998)参照)。
アニオン界面活性剤としてより具体的には、炭素数8〜16のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数10〜20のアルキル基を有するアルキル硫酸塩;炭素数10〜20のアルキル基を有し、エチレンオキシドの平均付加モル数1〜10のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;炭素数10〜20のアルキル基を有するα−オレフィンスルホン酸塩、炭素数10〜20のアルキル基を有するアルカンスルホン酸塩が好ましく挙げられる。
上記のなかでも、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルカンスルホン酸塩がより好ましく、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が特に好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としては、アルキル基の炭素数10〜20のものが好ましく、当該炭素数10〜14のものがより好ましく、また、エチレンオキシドの平均付加モル数1〜10のものが好ましく、当該平均付加モル数1〜4のものがより好ましい。さらに、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩を構成する全エチレンオキシド付加体中に質量を基準として最も多く存在するエチレンオキシド付加体のエチレンオキシドの付加モル数を「n1max」とした際、全エチレンオキシド付加体に対する、エチレンオキシドの付加モル数が(n1max−1)とn1maxと(n1max+1)のエチレンオキシド付加体の合計、の割合が、55質量%以上であるものが好ましく、55〜75質量%の範囲であるものがより好ましい。
アルカンスルホン酸塩としては、アルキル基の炭素数10〜20のものが好ましく、当該炭素数10〜14のものがより好ましく、また、2級アルカンスルホン酸塩であることが好ましい。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。なかでも、アルカリ金属塩が好ましい。
なお、前述の漂白活性化剤を配合した場合、カチオン界面活性剤を配合することにより漂白活性化剤の保存安定が向上する。
上記のなかでも、界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤が好ましく、前記一般式(1)で表される化合物、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩及びα−オレフィンスルホン酸塩からなる群より選択される少なくとも一種がより好ましい。これらを用いることにより、液体漂白剤に配合される成分を安定に可溶化し、液の分離や白濁をより有効に防止することができる。加えて、液体漂白剤に配合される成分の被洗物への浸透性が高まり、より高い漂白機能が発揮されやすくなる。
これらのなかでも、液体漂白剤を良好な粘度に調整しやすいことから、非イオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤(特に好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩等のスルホン酸系アニオン)の両方を組み合わせて用いることが特に好ましい。
界面活性剤としてアニオン界面活性剤を用いる場合、アニオン界面活性剤の配合量は、液体漂白剤の総量に対して1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは1〜5質量%であり、さらに好ましくは2〜5質量%である。アニオン界面活性剤の配合量が前記範囲内であれば、高い消臭効果が得られやすく、液安定性も向上する。
界面活性剤としてアニオン界面活性剤と非イオン界面活性剤とを併用する場合、アニオン界面活性剤と非イオン界面活性剤との配合比率は、アニオン界面活性剤/非イオン界面活性剤で表される質量比で0.01〜0.7であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5であり、さらに好ましくは0.08〜0.4である。アニオン界面活性剤/非イオン界面活性剤で表される質量比がこの範囲であると、非イオン界面活性剤の溶解性がより良好となる。
液体漂白剤中に微量の鉄イオン又は銅イオンが存在すると、過酸化水素(A)の安定性に影響するおそれがある。これらの金属イオンを封鎖するため、キレート剤を配合することが好ましい。キレート効率の指標として、一般的に、キレート安定度定数(K)の対数値(logK)が用いられ、この対数値が大きいほどキレート効率に優れると云える。
キレート剤(ただし、(C)成分を除く)としては、Fe3+とCu2+に対するキレート安定化定数の対数値(logK)がそれぞれ10以上であって、Ca2+に対するキレート安定化定数の対数値(logK)がそれぞれ5.5以上であるものが好ましく、そのなかでも、Fe3+とCu2+に対するキレート安定化定数の対数値(logK)がそれぞれ12以上であるものがより好ましい。
このようなキレート剤としては、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸塩、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸等の有機ホスホン酸誘導体が挙げられる。
これらのなかでも、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸が好ましく、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸が特に好ましい。
1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸としては、たとえばローディアジャパン社製の「フェリオックス115」、オルブライトウィルソン社製の「BRIQUEST ADPA」、キレスト社製の「キレストPH−210」、モンサント社製の「DEQUEST 2010」等の市販品を用いることができる。
液体漂白剤中、キレート剤の配合量は、液体漂白剤の総量に対して0.05〜3質量%であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましく、0.3〜3質量%であることが特に好ましい。キレート剤の配合量が上記範囲内であれば、液安定性(均一透明性など)がより良好になると共に、過酸化水素(A)及び漂白活性化剤の安定性がより向上する。また、液体漂白剤が充填された容器の経時でのへこみ発生が抑制される。
ラジカルトラップ剤は、フェノール系ラジカルトラップ剤が好適なものとして挙げられる。特に、液体漂白剤のpHが5以上の場合、フェノール系ラジカルトラップ剤を上述のキレート剤と共に配合することが好ましい。これにより、過酸化水素(A)の分解が充分に抑制されて、(A)成分の安定性がより良好となる。また、誤使用などで液体漂白剤を衣類に塗布した後に長時間放置された場合、過酸化水素(A)と反応性の高い成分又は金属分による過酸化水素(A)の異常分解が起こり、衣類が損傷するおそれがある。このような場合、フェノール系ラジカルトラップ剤が配合されていると、衣類の損傷を抑制することができる。
フェノール系ラジカルトラップ剤としては、フェノール、フェノール誘導体が挙げられる。
フェノール誘導体は、フェノール性のOH基を有する化合物、フェノール性のOH基が反応したエステル誘導体、フェノール性のOH基が反応したエーテル誘導体等が好適なものとして挙げられる。なお、置換位置は、オルト位、メタ位又はパラ位のいずれでもよい。なかでも、フェノール性のOH基を有する化合物がより好ましい。そのなかでも、さらに好ましい化合物は、「G.E.Penketh,J.Appl.Chem」,7,512〜521頁(1957)に記載された酸化還元電位(O.P.)0が1.25V以下の化合物であり、特に好ましくは酸化還元電位(O.P.)0が0.75V以下の化合物である。具体的には、ジメトキシフェノール、カテコール、ハイドロキノン、4−メトキシフェノール、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられ、4−メトキシフェノールが特に好ましい。
ラジカルトラップ剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
液体漂白剤中、ラジカルトラップ剤の配合量は、過酸化水素(A)の分解抑制効果や経済性などの観点から、液体漂白剤の総量に対して0.01〜6質量%であることが好ましく、0.05〜1質量%であることがより好ましい。
ホウ酸化合物としては、オルトホウ酸(H3BO3)、ホウ酸イオン(BO3 3−)若しくは(BO4 5−)のつくる塩、又はこれらが縮合した陰イオンの塩(縮合ホウ酸塩)等が挙げられる。
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩;アンモニウム塩などが挙げられ、なかでもアルカリ金属塩が好ましい。
ホウ酸化合物のなかで特に好適なものとしては、オルトホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、四ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸カリウム、四ホウ酸アンモニウム等が挙げられ、オルトホウ酸、四ホウ酸ナトリウムがより好ましい。
四ホウ酸ナトリウムとしては、四ホウ酸ナトリウム・5水塩、四ホウ酸ナトリウム・10水塩(ホウ砂)等の含水塩が特に好ましい。
ホウ酸化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
液体漂白剤中、ホウ酸化合物の配合量は、液体漂白剤の総量に対して0.2〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
ホウ酸化合物の配合量が下限値以上であると、特に水性のしみ汚れに対する除去効率が向上する。一方、ホウ酸化合物の配合量が上限値以下であると、液体漂白剤の低温条件での液安定性が向上する。
なお、ホウ酸化合物として四ホウ酸ナトリウムの含水塩を用いた場合の配合量は、四ホウ酸ナトリウム(Na2B4O7)換算で算出した濃度(すなわち、Na2B4O7量)とする。
ポリオール化合物は、隣り合う炭素原子の両方にそれぞれ1つずつヒドロキシ基を有する部位が1つ以上存在する化合物をいう。
かかるポリオール化合物の具体例としては、下記(1)〜(4)の群に例示する化合物が好適に挙げられる。
(1)グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、アルキル(炭素数1〜10)ポリグリセリルエーテル(たとえば、アルキル(炭素数1〜10)ジグリセリルエーテル、アルキル(炭素数1〜10)トリグリセリルエーテル)。
(2)ソルビトール、マンニトール、マルチトース、イノシトール及びフィチン酸から選択される糖アルコール類。
(3)グルコース、アピオース、アラビノース、ガラクトース、リキソース、マンノース、ガロース、アルドース、イドース、タロース、キシロース及びフルクトースから選択される還元糖類、並びにこれらの誘導体(アルキル(ポリ)グリコシド等)。
(4)デンプン、デキストラン、キサンタンガム、グアガム、カードラン、プルラン、アミロース及びセルロースから選択される多糖類。
ポリオール化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。ポリオール化合物としては、前記(1)〜(4)からなる群より選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。
液体漂白剤中、ポリオール化合物の配合量は、液体漂白剤の総量に対して0.3〜35質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましく、2〜20質量%であることがさらに好ましい。ポリオール化合物の配合量が前記範囲内であれば、液体漂白剤の漂白機能がより高まる。
ポリオール化合物とホウ酸化合物との配合比率は、ポリオール化合物/ホウ酸化合物で表されるモル比率で1〜12であることが好ましく、より好ましくは1.5〜10であり、さらに好ましくは1.5〜6であり、特に好ましくは2〜4である。
ポリオール化合物/ホウ酸化合物で表されるモル比率が前記範囲内であれば、優れたpHジャンプ効果が得られやすくなる。加えて、過酸化水素(A)又は漂白活性化剤の安定性がより向上し、漂白機能がより高まる。
ソイルリリース(汚れ放出)ポリマーとしては、アルキレンテレフタレート単位とポリオキシアルキレン単位とをランダム状又はブロック状に重合した高分子化合物が挙げられる。なかでも、ブロック状に重合した高分子化合物が好ましい。
アルキレンテレフタレート単位を提供するアルキレンテレフタレートとしては、エチレンテレフタレート、プロピレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート又はこれらの混合物が挙げられ、なかでもエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリオキシアルキレン単位を提供するポリオキシアルキレンとしては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン等が挙げられ、なかでもポリオキシエチレンが好ましい。
ソイルリリース(汚れ放出)ポリマーの重量平均分子量は、水への溶解分散性が向上することから、下限値としては500以上が好ましく、より好ましくは800以上であり、特に好ましくは1500以上であり、一方、上限値としては8000以下が好ましく、より好ましくは7000以下であり、特に好ましくは6000以下である。この重量平均分子量の範囲内であれば、漂白機能が充分に発揮され、液体漂白剤の液安定性がより良好となる。
ここでいう重量平均分子量は、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いてGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)で測定した値であって、ポリエチレングリコールを較正曲線に用いて換算した値を示す。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;p−トルエンスルホン酸、クエン酸、ホスホン酸誘導体等の有機酸;ホウ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アンモニア等を使用できる。
pH調整剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
pH調整剤は、液体漂白剤の25℃でのpHを、好ましくはpH2〜7に調整する量が適宜添加される。
ハイドロトロープ剤としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、重量平均分子量が約200のポリエチレングリコール、重量平均分子量が約400のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリグリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキルエーテル類などの水混和性の有機溶剤が挙げられる。
ハイドロトロープ剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
液体漂白剤中、ハイドロトロープ剤の配合量は、液体漂白剤の総量に対して0.1〜15質量%であることが好ましい。
減粘剤、可溶化剤としては、p−トルエンスルホン酸、安息香酸塩、尿素などが挙げられる。減粘剤、可溶化剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。液体漂白剤中、減粘剤、可溶化剤の配合量は、液体漂白剤の総量に対して0.01〜10質量%であることが好ましい。
無機塩類としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等を配合してもよい。
香料として使用される香料原料のリストは、様々な文献、たとえば「Perfume and Flavor Chemicals 」,Vol.I and II,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「合成香料 化学と商品知識」、印藤元一著、化学工業日報社(1996)および「Perfume and Flavor Materials of Natural Origin 」,Steffen Arctander,Allured Pub.Co.(1994)および「香りの百科」、日本香料協会編、朝倉書店(1989)および「Perfumery MaterialPerformance V.3.3」,Boelens Aroma Chemical Information Service(1996)および「Flower oils and Floral CompoundsIn Perfumery」,Danute Lajaujis Anonis,Allured Pub.Co.(1993)等が挙げられ、それぞれを引用することにより本明細書の開示の一部とされる。
香料としては、前記リスト中の香料成分、又は香料組成物(前記リスト中の香料成分、香料用溶剤、香料安定化剤等からなる混合物)を配合することができる。
これらの香料用溶剤は、香料組成物中に好ましくは0.1〜99質量%配合され、より好ましくは0.1〜10質量%配合される。
香料安定化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ビタミンE又はその誘導体、カテキン化合物、フラボノイド化合物、ポリフェノール化合物等が挙げられ、なかでもジブチルヒドロキシトルエンが好ましい。
これらの香料安定化剤は、香料組成物中に好ましくは0.0001〜10質量%配合され、より好ましくは0.001〜5質量%配合される。
pHが上記範囲内であれば、液体漂白剤の液安定性が良好に維持される。pHが7を超えると、液体漂白剤に配合される成分の分解が起こり、本発明の効果が充分に得られにくくなる場合がある。一方、液体漂白剤は被洗物に直接塗布して用いられる観点から、pHが2未満であると、皮膚刺激性の点から家庭用として好ましくない。
液体漂白剤のpHは、上述したpH調整剤の添加により調整できる。なお、液体漂白剤(25℃に調温)のpHは、pHメータ(東亜ディーケーケー社製、「HM−30G」)等により測定される値を示す。
液体漂白剤の粘度は、上述した無機塩類により調整できる。なお、液体漂白剤(25℃に調温)の粘度は、B型粘度計(TOKIMEC社製)により測定される値を示す。
一般に、液体漂白剤に配合される過酸化水素の濃度では、消臭効果が不充分であり、漂白活性化剤を併用しても消臭効果の向上は図れない。
本発明の液体漂白剤は、過酸化水素(A)と、水溶性亜鉛塩(B)と、一般式(I)、(II)又は(III)で表される化合物(C)とを含有する。(A)成分の酸化作用と、(B)成分から放出される亜鉛イオンと(C)成分とで形成される金属錯体の作用とにより、漂白機能と除菌機能に優れる。さらに、これらの作用により、臭いの原因物質が被洗物から充分に除去されることで、消臭効果も発揮される。加えて、前記金属錯体は、洗濯処理後に被洗物に吸着して残存する。そして、被洗物に残存した該金属錯体が洗濯乾燥後に発生する臭いの原因物質にも作用することで、洗濯乾燥後、又は着用している際にも消臭効果が発揮される。
(B)成分と(C)成分はそれぞれ単独でも消臭効果を発揮し得るが、その効果は非常に弱い。本発明の液体漂白剤では、亜鉛イオンと(C)成分とで形成される従来よりも漂白活性化能の高い金属錯体が、臭いの原因物質に対して作用し、また、被洗物に残存した該金属錯体が洗濯乾燥後に発生してくる臭いの原因物質にも作用する。これにより、本発明の液体漂白剤は、(B)成分と(C)成分の単独では得られない優れた消臭機能を兼ね備える、と考えられる。
本発明の液体漂白剤においては、一般式(I)、(II)又は(III)で表される化合物(C)が配合されていることにより、(A)成分の分解が効果的に抑制される。そのため、本発明の液体漂白剤によれば、容器に膨らみや亀裂などが生じるおそれがない。
各例の液体漂白剤の組成を表1〜3に示した。
以下に、表中に示した成分について説明する。
A−1:過酸化水素(三菱ガス化学社製)。
B−1:硫酸亜鉛(ZnSO4)。原料として硫酸亜鉛7水和物(関東化学株式会社製、特級)を用いた。
B−2:硫酸亜鉛(ZnSO4)。原料として硫酸亜鉛1水和物(和光純薬株式会社製)を用いた。
B’−1:硫酸銅(CuSO4)。原料として硫酸銅5水和物(関東化学株式会社製、特級)を用いた。
B’−2:硫酸鉄(FeSO4)。原料として硫酸鉄(II)7水和物(関東化学株式会社製、特級)を用いた。
C−1:メチルグリシンジ酢酸3ナトリウム(BASF社製)。
C−2:2,2’−イミノジコハク酸四ナトリウム塩(ランクセス製)。
C−3:2,3−ピリジンジカルボン酸無水物(ジピコリン酸)(ACR製)。
C’−1:ラウリルジエチレントリアミン;実験室合成品。
ジエチレントリアミン(東京化成工業社製)10.3g(100mmol)と、1−ヨードドデカン(和光純薬工業社製)3.0g(10mmol)とを、40℃で5時間撹拌した。その後、水酸化ナトリウム水溶液(5.0mol/L)2.4mLを加え、さらにしばらく撹拌した。これを放冷した後、分液ロートを用いてジエチルエーテル/水で抽出操作5回を行い、有機層を減圧留去した。得られた有機層を、カラム(ナカライテスク社製、シリカゲル60、球状、中性)と、溶離液としてクロロホルム(関東化学社製、特級)/メタノール(関東化学社製、特級)=1/1(体積比)とを用いたカラムクロマトグラフィーにて精製した後、減圧乾燥して固体を回収することにより、ラウリルジエチレントリアミン(アルキル基の炭素数12)を得た。
C’−4:ジエチレントリアミン(東京化成工業社製)。
C’−5:HEDP、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸(商品名フェリオックス、ライオン社製)。
漂白活性化剤:ドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム;実験室合成品。
(合成方法)
特開平6−316700号公報に記載された漂白活性化剤(I−3)の合成方法に従って、実験室にて合成した。
すなわち、予め脱水処理を行ったp−フェノールスルホン酸ナトリウム100g(0.46mol)を、ジメチルホルムアミド(DMF)300g中に分散させ、メカニカルスターラーで撹拌しながら、ラウリン酸クロライドを50℃で30分かけて滴下し、滴下終了後、3時間反応させた。その後、DMFを減圧下(0.5〜1mmHg)、100 ℃で留去し、アセトン洗浄後、水/アセトン(=1/1mol)溶媒中にて再結晶を行うことによりドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムを得た。収率は85質量%であった。
非イオン界面活性剤:ポリオキシエチレンアルキルエーテル[ライオン(株)製、商品名レオックスCL−70、純分90%質量%];上記一般式(1)におけるR1=炭素数12〜16のアルキル基、navは=7の化合物。
ソイルリリースポリマー:クラリアント社製、商品名SRN−170(70質量%品)。
四ホウ酸ナトリウム:Borax社製、商品名Neobor。
(合成方法)
特開2005−170854号公報に記載された比較例4の合成方法に従って、実験室にて合成した。
すなわち、撹拌機、冷却管、ガス導入管及び温度計が設置された4つ口ナスフラスコに、トリエタノールアミン164gと、トリエタノールアミンに対して1.7モル等量のラウリン酸メチルとを仕込んだ。次に、25質量%水酸化ナトリウム0.9gと、酸化マグネシウム0.08gとを仕込み、0.2〜0.3L/minで窒素ガスを吹き込み、窒素雰囲気下で反応系を昇温し、副生メタノールを留去しながら、170〜190℃で7時間反応させた。その後、この合成物120gの0.97モル比に相当する硫酸ジメチル41gを、撹拌しながら2時間かけて滴下し、下記一般式(d−3−1)で表されるメチルトリエタノールアンモニウムラウリン酸エステルメトサルフェートを得た。
香料:特開2003−268398号公報の表7〜14に記載の香料組成物D。
pH調整剤:2M−水酸化ナトリウム(鶴見曹達(株)製)、6M−硫酸(東邦亜鉛(株)製)。
精製水
表1〜3に示す組成の配合成分、配合量(質量%)に従い、下記の製造方法により各例の液体漂白剤をそれぞれ調製した。
表に示す配合量は、配合成分の配合量(純分換算量)を示し、(B)成分及び(B’)成分については無水物としての配合量を示す。
表に示す(B)成分及び(B’)成分の分子量は、無水物の分子量を示す。
表中、空欄は、その配合成分が配合されていないことを意味する。
「(B)/(C)で表されるモル比率」は、液体漂白剤に含まれる(C)成分のモル数に対する、(B)成分のモル数の比を意味する。ここでいう(B)成分のモル数は、無水物としてのモル数を示す。
なお、pH調整剤の配合量を示す「適量」とは、液体漂白剤のpH(25℃)を表に示すpHに調整するために配合した量を示す。
精製水の配合量を示す「バランス」は、液体漂白剤に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように加えられる残部を意味する。
pH調整剤と精製水を除く共通成分(X)を予め混合し、得られた混合物に、精製水を加えて撹拌した。次いで、(A)成分を加えて撹拌した後、(B)成分を加えて撹拌し、次に(C)成分を加えて撹拌した。その後、pH調整剤を加え、pHを2.50に調整して液体漂白剤を得た。
表1、2に示す組成の配合成分、配合量(質量%)に従い、実施例1と同様にして液体漂白剤をそれぞれ得た。但し、実施例3、11〜14、16は参考例である。
pH調整剤と精製水を除く共通成分(W)を予め混合し、得られた混合物に、精製水を加えて撹拌した。次いで、漂白活性化剤を加えて撹拌し、さらに(A)成分を加えて撹拌した後、(B)成分を加えて撹拌し、次に(C)成分を加えて撹拌した。その後、pH調整剤を加え、pHを2.50に調整して液体漂白剤を得た。
表2に示す組成の配合成分、配合量(質量%)に従い、実施例15と同様にして液体漂白剤をそれぞれ得た。
pH調整剤と精製水を除く共通成分(Z)を予め混合し、得られた混合物に、精製水を加えて撹拌した。次いで、漂白活性化剤を加えて撹拌し、さらに(A)成分を加えて撹拌した後、(B)成分を加えて撹拌し、次に(C)成分を加えて撹拌した。その後、pH調整剤を加え、pHを2.50に調整して液体漂白剤を得た。
pH調整剤と精製水を除く共通成分(V)を予め混合し、得られた混合物に、精製水を加えて撹拌した。次いで、漂白活性化剤を加えて撹拌し、さらに(A)成分を加えて撹拌した後、(B)成分を加えて撹拌し、次に(C)成分を加えて撹拌した。その後、pH調整剤を加え、pHを2.50に調整して液体漂白剤を得た。
pH調整剤と精製水を除く共通成分(Y)を予め混合し、得られた混合物に、精製水を加えて撹拌し、次いで(A)成分を加えて撹拌した後、(B)成分を加えて撹拌した。その後、pH調整剤を加え、pHを2.50に調整して液体漂白剤を得た。
pH調整剤と精製水を除く共通成分(Y)を予め混合し、得られた混合物に、精製水を加えて撹拌し、次いで(A)成分を加えて撹拌した後、(C)成分を加えて撹拌した。その後、pH調整剤を加え、pHを2.50に調整して液体漂白剤を得た。
pH調整剤と精製水を除く共通成分(Y)を予め混合し、得られた混合物に、精製水を加えて撹拌した。次いで、(A)成分を加えて撹拌した後、(B’)成分を加えて撹拌し、次に(C)成分を加えて撹拌した。その後、pH調整剤を加え、pHを2.50に調整して液体漂白剤を得た。
pH調整剤と精製水を除く共通成分(Y)を予め混合し、得られた混合物に、精製水を加えて撹拌した。次いで、(A)成分を加えて撹拌した後、(B)成分を加えて撹拌し、次に(C’)成分を加えて撹拌した。その後、pH調整剤を加え、pHを2.50に調整して液体漂白剤を得た。
pH調整剤と精製水を除く共通成分(U)を予め混合し、得られた混合物に、精製水を加えて撹拌した。次いで、漂白活性化剤を加えて撹拌した。その後、pH調整剤を加え、pHを2.50に調整して液体漂白剤を得た。
pH調整剤と精製水を除く共通成分(X)を予め混合し、得られた混合物に、精製水を加えて撹拌した。次いで、(A)成分を加えて撹拌した後、(B)成分を加えて撹拌し、次に(C’)成分を加えて撹拌した。その後、pH調整剤を加え、pHを2.50に調整して液体漂白剤を得た。
pH調整剤と精製水を除く共通成分(X)を予め混合し、得られた混合物に、精製水を加えて撹拌した。次いで、(A)成分を加えて撹拌した後、(B’)成分を加えて撹拌し、次に(C)成分を加えて撹拌した。その後、pH調整剤を加え、pHを2.50に調整して液体漂白剤を得た。
pH調整剤と精製水を除く共通成分(W)を予め混合し、得られた混合物に、精製水を加えて撹拌した。次いで、漂白活性化剤を加えて撹拌した。その後、pH調整剤を加え、pHを2.50に調整して液体漂白剤を得た。
各例の液体漂白剤について、以下に示す評価方法により「漂白力」、「除菌力」、「消臭効果」、「被洗物の変退色防止の効果」及び「液安定性」の評価をそれぞれ行った。その結果を表1〜3に併記した。
1)紅茶汚染布の作製
沸騰した水道水200mLに紅茶ティーバッグ(トワイニング社製、オレンジペコ)一袋を3分間入れた後で取り出した。この液0.1mLを木綿布(綿ブロード#100、5cm×5cm)に滴下し、風乾することにより紅茶汚染布を作製した。
2)漂白処理
紅茶汚染布5枚のそれぞれに対して液体漂白剤を0.2mLずつ滴下し、5分間放置した。
3)洗浄処理
その後、Terg−O−Tometer(製品名、U.S.Testing社製)を用いて洗浄した。
洗浄処理は、120rpm、25℃、4°DH水道水、浴比25(水900gに対して、紅茶汚染布5枚を含めた布量が合計で36gとなるように白布の綿肌シャツを添加)とし、市販洗剤(ライオン(株)製のトップ、該洗剤濃度600ppm(質量基準))を用いて10分間洗浄し、次いで1分間脱水した後、2分間流水すすぎを行い、その後、1分間脱水することにより行った。
4)漂白力の評価
洗浄処理後の紅茶汚染布をアイロンで乾燥した後、反射率計(日本電色社製のΣ90)を用いて、下式により漂白洗浄率(%)を求めた。表に示す値は、紅茶汚染布5枚の平均値である。
なお、下式において、木綿布とは、前記1)で汚染処理を施していない木綿布を示す。
漂白洗浄率(%)=(紅茶汚染布の反射率−漂白及び洗浄処理後の紅茶汚染布の反射率)/(紅茶汚染布の反射率−木綿布の反射率)×100
供試菌株(大腸菌:Escherichia coli ATCC8739株)をNutrient Broth(ニュートリエント培地)に植菌し、37℃で約15時間振とう培養した(前培養)。
この前培養液0.5mLを、新しいSCDブイヨン培地10mLに添加して、37℃で約8時間振とう培養した。
この培養液を遠心分離して上清を捨て、菌沈渣を得た。
菌沈渣に滅菌生理食塩水を添加してよく懸濁させ、濁度(660nmにおける吸光度:OD660nm)が1.0となるように滅菌生理食塩水で調製した(OD660nm=1.0のとき、約108CFU/mLとなる)。これを供試菌液とした。
かかる供試菌液を用い、以下の手順(i)〜(v)により除菌力を評価した。
(ii)反応液1mLを採取し、滅菌生理食塩水9mLに加えて10倍希釈液を調製した。続けて、該10倍希釈液1mLを採取し、滅菌生理食塩水9mLに加えた。そして、かかる10倍に希釈する操作を3回繰り返した103倍希釈液、4回繰り返した104倍希釈液、5回繰り返した105倍希釈液をそれぞれ調製した。
(iii)(ii)の操作の後、直ちに、これらの希釈液をSCD寒天平板にそれぞれ塗沫し、37℃で約18時間培養した。
なお、別途、生理食塩水9.9mLに供試菌液0.1mLを加えてよく撹拌し、直ちに、前記の手順(ii)、(iii)と同様の操作を行い、初発菌数を計るための試料を調製した。
(iv)培養後のSCD寒天平板に生育したコロニー数をカウントし、コロニー数を塗沫量(mL)で除して、初発菌数から除菌反応後に残存した菌数(CFU/mL)を算出した。
(v)下記の評価基準に従い、液体漂白剤の大腸菌に対する除菌力を4段階で評価した。3点以上を合格とした。
評価基準
4点:初発菌数に対して、2Log以上であった。
3点:初発菌数に対して、1Log以上、2Log未満であった。
2点:初発菌数に対して、0.5Log以上、1Log未満であった。
1点:初発菌数に対して、0.5Log未満であった。
家庭で半年間使用した手拭きタオル10枚をそれぞれ通常生活で約2日間使用したものに対して、各例の液体漂白剤と市販合成洗剤トップ(ライオン(株)製)とを用い、洗濯機(JW−Z23A型、ハイアール社製)の通常コースで洗濯処理(水温約20℃、硬度約3゜DHの水道水を注水、浴比20倍)を行った。その際、各例の液体漂白剤の洗濯機への投入量を30mL/水道水30L、市販合成洗剤トップの洗濯機への投入量を25g/水道水30Lとして洗濯処理を行った。
なお、浴比合わせの衣料には、新品の綿100%の肌シャツ(BVD製)を、全自動洗濯機(松下電器産業(株)製、NA−F70SD1)のおまかせコースで洗濯処理(水温約20℃、硬度約3゜DHの水道水を注水)5回行ったものを用いた。その際、洗剤として市販合成洗剤トップ(ライオン(株)製)を用い、1回の洗濯当たりの洗剤使用量を25g/水道水30Lとして洗濯処理を行った。
評価基準(a)
5点:強烈なニオイ
4点:強いニオイ
3点:楽に感知できる程度のニオイの強さ
2点:何の臭いか分かる程度のニオイの強さ
1点:やっと感知できる程度のニオイの強さ
0点:無臭
評価基準(b)
5点:0.25点未満
4点:0.25点以上、0.5点未満
3点:0.5点以上、1.5点未満
2点:1.5点以上、2.5点未満
1点:2.5点以上、3.5点未満
0点:3.5点以上
プラスチック製シャーレ(直径9cm、高さ1.5cm)の上に、Reactive Red21で染色した綿布(#100)6cm×6cmを配置し、その上から各例の液体漂白剤1.0mLを、ピペットマンを用いて均一にそれぞれ滴下し、その上に、さらに上記と同じ染色した綿布をかぶせた。その後、その上から40℃の水道水2mLを静かにかけ、室温(25℃)で2時間放置した後、穏やかにすすいだ。次いで、洗濯機(JW−Z23A型、ハイアール社製)の通常コース(すすぎ2回水道水)を行い、アイロンで乾燥した。
そして、綿布の変退色について目視観察し、下記の評価基準に従って評価した。2点以上を合格とした。
評価基準
3点:綿布の変退色が認められなかった。
2点:綿布の変退色がごくわずかに認められた。
1点:綿布の変退色が少し認められた。
0点:綿布の変退色がはっきりと認められた。
容量100mLのガラス瓶に各例の液体漂白剤70mLを充填し、5℃で1週間保存した後の外観を目視観察し、下記の評価基準に従い、液安定性について評価した。
評価基準
○:1週間保存した後で均一透明な外観を示していた。
×:1週間保存した後で白濁していた、又は沈殿析出が認められた。
また、本発明の液体漂白剤によれば、(B)/(C)で表されるモル比率が0.01〜1であると、漂白機能がより高まることが分かる。
Claims (2)
- 過酸化水素(A)と、水溶性亜鉛塩(B)と、下記一般式(I)、(II)及び(III)のいずれかで表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種(C)とを含有し、
前記(B)成分と前記(C)成分との配合比率が、(B)/(C)で表されるモル比率で0.2〜1であることを特徴とする液体漂白剤。
- 前記(C)成分が、前記一般式(I)及び(II)のいずれかで表される化合物からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1記載の液体漂白剤。
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