JP5598872B2 - 光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバ母材の製造方法に関し、詳細には、ガラス微粒子堆積工程に関するものである。
光ファイバ用のガラス微粒子堆積体を製造する方法として、OVD法(Outside Vapor Deposition method)等がある。OVD法は、珪素を含むガラス原料を可燃性ガス、助燃性ガス等の燃焼ガスとともにバーナに導入し、火炎中でガラス原料を加水分解反応または酸化反応させることにより、ガラス微粒子および微粒子の集合体(以下、ガラス微粒子と呼ぶ)を生成し、これを回転および往復移動するターゲット棒の外周に堆積させてガラス微粒子堆積体を形成する方法である。
このOVD法では、バーナの周囲からターゲット材の方向にクリーンエアを供給することで、バーナの火炎を整流し、上述のガラス微粒子が効率よくターゲット材に堆積させる。また、反応容器には排気口等が設けられており、供給されたクリーンエアはガラス微粒子の合成に寄与しなかったガラス微粒子とともに排気される。
ここで、従来のOVD法によるガラス微粒子堆積体の製造装置について説明する。特許文献1には、反応容器内にターゲット材を縦に配置し、ターゲット材を回転させつつ上下方向に往復させる縦型の製造装置が記載されている。この縦型の製造装置では、反応容器の側面に、水平方向に火炎を噴出するバーナが設けられている。また、バーナの周囲からターゲット材に向けて水平方向にクリーンエアを供給し、その供給流速を制御することでバーナの火炎を安定させることが記載されている。また、反応容器の側壁に設けられたクリーンエア供給室の内径を最終的に形成される多孔質ガラス母材の仕上がり外径の1.5倍以上とすることにより、ターゲット材の全体に均一にガラス微粒子が堆積させることができると記載されている。
しかしながら、特許文献1の製造装置はクリーンエア供給口が反応容器の上下方向中央付近に設けられているため、反応容器の上端部および下端部においてクリーンエアの風速が小さくなると推測される。
一方、特許文献2には、ターゲット材が上下方向(縦方向)に配置された縦型の製造装置において、脈理の発生を防止するために、反応容器におけるバーナと対向する面に上下方向に複数の排気管を並べ、下方に位置する排気管程、排気風量が多くなるように設定するとよい旨の記載がある。
また、特許文献3には、VAD(Vapor phase axial deposition method)法において、ターゲット材に付着しなかったガラス微粒子を排気しきれず、そのガラス微粒子が反応容器の内壁等に付着し、これが剥離してガラス微粒子堆積体に入り込み、透明ガラス化し、光ファイバ母材に気泡が発生する問題を指摘している。特許文献3では、この問題をなくすために、ターゲット材の下方の排気風量ほど小さくする方がよいことが記載されている。このように、ガラス微粒子の堆積工程では、排気風量を適切に調整することが課題となっている。
ところで、上述の特許文献1、2のようなOVD法における製造装置において、排気口から排気されるガスの処理コスト低減のためにクリーンエアの供給風量を少なくすることが望まれている。縦型の製造装置を用い、クリーンエアの供給風量を少なくした場合、ターゲット材上端の把持部にガラス微粒子が付着し、塊となって落下してガラス微粒子堆積体の外観異常が発生するという問題が生じることがあった。これは、クリーンエアの風速を落とした場合にターゲット材に堆積しなかったガラス微粒子が浮遊し、排気されず火炎とともに反応容器の上部に上昇し、滞留するためであると推測される。なお、特許文献3のようなVAD法では、製造が進むにつれてターゲット材とガラス微粒子堆積体とが一緒に上昇していくため、ターゲット材の把持部にガラス微粒子が付着するという問題は発生しない。
特開2006−248884号公報 特開2008−081359号公報 特開平03−040932号公報
しかしながら、上述したような外観異常の問題を解決するためにクリーンエアの供給風量を多くすると、排気されるガスの量が多くなり、塩素を含む排気ガスの処理のコストが増大してしまう。また、単純に排気風量を減らすと、反応容器内部で塩素を含むガスが滞留し、反応容器内を腐食させてしまうという問題もある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、ターゲット材上端の把持部へのガラス微粒子の付着を防ぎ、外観異常の発生を抑制することが可能な光ファイバ母材の製造方法および製造装置を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、本発明は、クリーンエア供給口と排気口とが設けられた反応容器内にターゲット材を鉛直に配置し、前記クリーンエア供給口から所定風量のクリーンエアを供給し、前記排気口から排気を排出させつつ、原料ガスおよび可燃ガスをバーナから噴出させてガラス微粒子を生成し、前記ターゲット材を回転させながら、前記ターゲット材と前記バーナを相対移動させ、前記ガラス微粒子を前記ターゲット材の外周に堆積させる光ファイバ母材の製造方法において、前記バーナから噴出させる原料ガスの風速aと、前記ターゲット材上端における前記排気の風速bとの比a/bを40未満としたことを特徴とする光ファイバ母材の製造方法である。
本発明によれば、バーナから噴出させる原料ガスの風速aと、ターゲット材の上端部における排気の風速bとの比a/bが40未満となるように調整することにより、ターゲット材に堆積しなかったガラス微粒子がターゲット材の上端(把持部等)に付着し、この塊が落下してガラス微粒子堆積体の外観異常が発生するという不良を防ぐことができる。
本発明において、前記排気口に、前記排気の風速または風速分布を調整するための調整部材を設け、前記調整部材の有無、形状変更、または位置変更により前記排気の風速bを調整することが望ましい。
排気口に調整部材を設けることによって排気の風速または風速分布を容易に調整できる。
また、前記調整部材により、前記排気口の下部開口幅を全閉または一部開口に調整することが望ましい。
これにより、反応容器内にターゲット材を鉛直に配置するガラス微粒子堆積装置において、反応容器の下部を覆うことにより風速分布を変更し、反応容器上部に滞留するガラス微粒子を排出しやすくできる。
また、本発明において、前記クリーンエアの流入風量を調整することにより前記排気の風速bを調整するようにしてもよい。
クリーンエアの流入風量を小さくした場合は排気処理に要するコストを低減できる。また、クリーンエアの流入風量を大きくし、原料ガスの風速も増加させる場合は、ガラス微粒子堆積体の製造速度を速くすることも可能である。
本発明によれば、ターゲット材上端の把持部へのガラス微粒子の付着を防ぎ、外観異常の発生を抑制することが可能な光ファイバ母材の製造方法および製造装置を提供できる。
ガラス微粒子堆積装置1の構成を示す(a)側断面図、(b)上面図。 排気ノズル4に取り付ける調整部材9の態様を示す図。 ガラス微粒子堆積装置1における排気の流れを示す図。 ガラス微粒子堆積装置1の風速測定用治具を示す図。
以下、本発明の実施の形態にかかる光ファイバ用のガラス微粒子堆積装置1について説明する。図1は、ガラス微粒子堆積装置1の概略構成図であり、図1(a)は側断面図、図1(b)は上面図である。ガラス微粒子堆積装置1は、主に、反応容器2、バーナ5、ターゲット把持部7等を備える。
反応容器2はターゲット材6を鉛直に配置できる形状とし、内部の上壁および底部に一対のターゲット把持部7が設けられる。ターゲット把持部7には、ターゲット材6が把持される。ターゲット材6は、例えば、コアとクラッドの一部を有するガラスロッドとガラスロッドの上下に融着された支持棒8からなる。ターゲット材6の外周にクラッドとなるガラス微粒子をさらに堆積させることで、多孔質ガラス母材11が形成される。さらに、これを高温の加熱炉で焼結させることにより、光ファイバ母材が形成される。
反応容器2内部には、バーナ5が配置される。バーナ5の個数は1つであっても複数であってもよい。
ターゲット材6の上端部および下端部は、ターゲット把持部7に固定される。ターゲット材6は軸Aを回転軸として回転可能である。ターゲット材6とバーナ5とは、ターゲット材6の軸方向に対して相対的に往復移動可能である(図中矢印B方向)。これにより、ターゲット材6の長手方向に対してバーナ5の炎を均一に当てることができる。
バーナ5は、中心部に原料ガスを噴出する原料ガス流路が設けられ、原料ガス流路の周囲に原料シールガス流路が設けられ、原料シールガス流路の外周に助燃性ガスを噴出する助燃ガス流路が設けられ、更にその外周に可燃性ガスを噴出する可燃性ガス流路が形成され、最外周にバーナシールガス流路が設けられる。バーナ5から噴出される助燃性ガスおよび可燃性ガスからなる火炎中に、原料ガスを供給することにより、ガラス微粒子が合成され、ガラス微粒子をターゲット材6の外周面に堆積させることができる。ガラス微粒子はバーナ5の熱によって焼き固められる。これにより、高密度な多孔質ガラス母材が形成される。
なお、バーナ5に供給するガスとしては、例えば、原料ガス流路にSiClおよびO、原料シールガス流路にN、助燃ガス流路にO、可燃性ガス流路にH、バーナシールガス流路にNを流せばよい。
また、ガラス微粒子堆積体である多孔質ガラス母材の成長(増径)に伴い、バーナ5をターゲット材6から遠ざけるように移動させてもよい。このようにすることで、バーナ5の炎と多孔質ガラス母材11の表面との距離を常に一定にしながらガラス微粒子を堆積させることができる。
反応容器2は、バーナ5が配置される側の側壁を全開口とし、クリーンエア供給口3とする。また、クリーンエア供給口3に対向する側面には、排気ノズル4が設けられる。排気ノズル4は、反応容器2の幅方向(図1(a)の奥行き方向)の中央部に形成され、ターゲット材6の上端から下端まで全開口とする。バーナ5の火炎噴出方向、ターゲット材6の軸、および排気ノズル4の左右位置中心線は、反応容器2の中心線C上に配置される。
なお、本発明において、バーナ5の態様、使用ガス、反応容器2内部の各構成の配置については、上述した例に限られない。
図2は、排気ノズル4の開口調整の態様を示す図であり、図2(a)は調整部材9を取り外し、排気ノズル4を全開口とした状態、図2(b)はスリット42が設けられた調整部材9aを排気ノズル4の下側に設置した状態、図2(c)はスリットのない調整部材9bを排気ノズル4の下側に設置した状態を示す。
なお、以下の説明では、形状の異なる調整部材は、それぞれ9a、9bの符号を付して説明するが、特に調整部材9a、9bを区別する必要がない場合は、9の符号を付すものとする。
排気ノズル4には、その開口幅を調整する調整部材9が配置される。調整部材9は、排気ノズル4の開口部の下側を覆う、例えば板状のものとする。また、調整部材9は、排気ノズル4から着脱可能とする。排気ノズル4の開口部に所望の大きさ、または形状の調整部材9を所望の位置に取り付けることにより、反応容器2内の排気の風速や風速分布を調整することができる。
図3は、図2(b)、図2(c)のように、排気ノズル4に調整部材9を取り付けた場合の反応容器2内の排気(クリーンエアおよび火炎を含む)の流れを示す図である。図3の矢印D、E、Fはそれぞれ反応容器2上部、中央部、下部の排気の流れる方向を示している。
図3に示すように、クリーンエア供給口3からはクリーンエアが所定の風量で反応容器2内に均一に供給される。クリーンエアは、フィルタを通し、粉塵等が除去された大気である。また、バーナ5からは、ガラス微粒子が火炎とともに噴出される。バーナ5の火炎はクリーンエアによって整流され、噴出されたガラス微粒子が、ターゲット材6に堆積する。ターゲット材6は回転するとともに、バーナ5に対して相対的に往復移動する。更にクリーンエアがターゲット材6の上部から下部まで均一に流入するため、ガラス微粒子をターゲット材6に均一に堆積させることができる。堆積に寄与しなかったガラス微粒子は、反応容器2内に浮遊するが、クリーンエアとともに排気として排気ノズル4から排出される。
図2(b)に示すようにスリット42を有する調整部材9aにより排気ノズル4の下側を一部覆うと、図2(a)のように調整部材9を取り付けない場合と比較し、反応容器2の上部の排気風量が多く、反応容器2の下部の排気風量は小さくなる。また、図2(c)のようにスリットのない調整部材9bにより排気ノズル4の下側を全部覆うと、図2(a)の場合と比較し、反応容器2の上部の排気風量が多く、反応容器2の下部の排気風量は更に小さくなる。
なお、調整部材9a、9bの長手方向の長さやスリット42の幅は、設定される排気風速に応じて調整される。そして、本発明では、排気風速はバーナ5から噴出させる原料ガスの風速との比により決定される。具体的には、バーナ5から噴出させる原料ガスの風速を「a」とし、ターゲット材6上端における排気の風速を「b」とした場合、原料ガスの風速aと排気風速bとの比「a/b」が40未満となるように調整される。なお、ターゲット材6上端における排気風速とはバーナ5のトラバース上端位置、つまり図1に示す測定点10の位置における風速とする。
図4は、反応容器2内に設置する測定用治具の一例である。なお、図4は、反応容器2を図3のクリーンエア吸気側から見た正面図である。図4に示すように、図1に示す反応容器2内の測定点10に対応する位置に風速計15が設置される。つまり、風速計15の位置(測定点10)は、図1に示すように、バーナ5のトラバース上端位置とする。風速計15は、ターゲット材6やバーナ5の往復移動に影響しないように設置された架台13によって支持されるようにすればよい。
このような測定用治具を用い、多孔質ガラス母材を製造するのと同条件にて、クリーンエア供給口からクリーンエアを供給し、また排気ガスを排気ダクトから排気する。多孔質ガラス母材を製造中に風速を測定することは困難なため、このように風速計15での測定された風速を製造中の風速とする。
原料ガスの風速aは原料投入量とバーナ5の開口面積等により調整される。排気風速bは、調整部材9の有無、調整部材9の形状または位置を変更することにより調整される。或いは、排気風速bは、クリーンエアの流入風量を調整することにより調整するようにしても良い。
なお、上述の噴出させる原料ガスの風速「a」と、ターゲット材6上端における排気の風速「b」は、以下の点に鑑みて設定されることが望ましい。
(a)クリーンエアの流入風量は、極力小さくすることが望ましい。これは、クリーンエアの流入風量が大きいと、排気風量も増大し、排気ガスの処理に要するコストが大きくなるためである。
(b)原料風速は、大きい方が望ましい。これは、バーナ5から噴出するガラス微粒子の量を増やした方がガラス微粒子の堆積速度が速くなるためである。
以上のように、本発明によれば、バーナ5から噴出させる原料ガスの風速aと、ターゲット材6の上端部における排気の風速bとの比a/bが40未満となるように調整することにより、堆積に寄与しなかったガラス微粒子がターゲット材6の上端(把持部分等)に付着し、この塊が落下して外観異常が発生するという不良を防ぐことができる。原料風速aや排気風速b(流入風量)を決定する際は、これらの比a/bが40未満となるように決定すればよいため、コスト低減や製品の製造速度といった様々な多様な観点から最適な値を選択することが可能となる。また、排気ノズル4に調整部材9を設置することで、調整部材9の形状や配置を変更することで排気風速bを調整することができる。
以下、反応容器2内に鉛直にターゲット材6を配置した縦型のガラス微粒子堆積装置1を、排気ノズル4の開口量、原料風速、またはクリーンエアの流入風量を調整して使用し、製造されたガラス微粒子堆積体の外観異常の発生数を調査した。なお、以下の評価では、いずれも図1と同様のガラス微粒子堆積装置1を用い、バーナ5とターゲット材6とは相対的に往復移動し、クリーンエアはバーナ5側の側壁から均一に供給されるものとする。製造条件は以下の通りである。結果を表1に示す。
・ターゲット:コア部と一部のクラッド部とを有する直径50mm、全長3000mm程度の円柱。構成原料としては、クラッド部は主にSiOであり、コア部は、SiOにGeをドープ。
・燃焼ガス:O、H
・ガラス原料:SiCl
・クリーンエア:フィルタを通し、粉塵等を除去した大気。
・原料風速の調整方法:バーナに送り出す原料の量で調整。
・風速測定点での風速調整方法:(a)調整部材なし(図2(a))、(b)スリット入り調整部材9a(図2(b))、(c)スリットなし調整部材9b(図2(c))。
・反応容器の容積:3m
Figure 0005598872
なお、それぞれの条件において、5本の評価を行い、外観の不良発生数を計数した。判定は、不良が発生しなかったものを「○」、不良が1本のみであったものを「△」、不良が2本以上発生したものを「×」とした。
ガラス微粒子堆積装置No.1は、調整部材を図2(a)の態様(調整部材なし)で用い、原料風速aを30[m/s]、クリーンエアの流入風量を50[m/分]とした。このとき、測定点10における風速bは0.8[m/s]となり、原料風速aと排気風速bとの比a/bは「38」であった。
ガラス微粒子堆積装置No.2は、調整部材を図2(b)の態様(スリット42を有する調整部材9aを排気ノズル4下部に配置)で用い、原料風速aを30[m/s]、クリーンエアの流入風量を50[m/分]とした。このとき、測定点10における風速bは1[m/s]となり、原料風速aと排気風速bとの比a/bは「30」であった。
ガラス微粒子堆積装置No.3は、調整部材を図2(c)の態様(スリット42のない調整部材9bを排気ノズル4下部に配置)で用い、原料風速aを30[m/s]、クリーンエアの流入風量を50[m/分]とした。このとき、測定点10における風速bは1.2[m/s]となり、原料風速aと排気風速bとの比a/bは「25」であった。
ガラス微粒子堆積装置No.1〜No.3を比較すると、表1に示すように、5回の使用のうちいずれも不良発生数は0である。判定結果はいずれも「○」であった。
ガラス微粒子堆積装置No.4は、調整部材を図2(a)の態様(調整部材なし)で用い、原料風速aを40[m/s]、クリーンエアの流入風量を50[m/分]とした。このとき、測定点10における風速bは0.8[m/s]となり、原料風速aと排気風速bとの比a/bは「50」であった。
ガラス微粒子堆積装置No.5は、調整部材を図2(b)の態様(スリット42を有する調整部材9aを排気ノズル4下部に配置)で用い、原料風速aを40[m/s]、クリーンエアの流入風量を50[m/分]とした。このとき、測定点10における風速bは1[m/s]となり、原料風速aと排気風速bとの比a/bは「40」であった。
ガラス微粒子堆積装置No.6は、調整部材を図2(c)の態様(スリット42のない調整部材9bを排気ノズル4下部に配置)で用い、原料風速aを40[m/s]、クリーンエアの流入風量を50[m/分]とした。このとき、測定点10における風速bは1.2[m/s]となり、原料風速aと排気風速bとの比a/bは「33」であった。
ガラス微粒子堆積装置No.4〜No.6の使用結果を比較すると、表1に示すように5回の使用のうち不良発生数が、ガラス微粒子堆積装置No.4では3回、ガラス微粒子堆積装置No.5では1回、ガラス微粒子堆積装置No.6では1回である。つまり、原料風速40[m/s]、風量50[m/分]の条件下では、図2(c)のスリットのない調整部材9bを用いた場合(a/b=33)に、最も不良発生数が少なく、好適である。
ガラス微粒子堆積装置No.7は、調整部材を図2(a)の態様(調整部材なし)で用い、原料風速aを60[m/s]、クリーンエアの流入風量を50[m/分]とした。このとき、測定点10における風速bは0.8[m/s]となり、原料風速aと排気風速bとの比a/bは「75」であった。
ガラス微粒子堆積装置No.8は、調整部材を図2(b)の態様(スリット42を有する調整部材9aを排気ノズル4下部に配置)で用い、原料風速aを60[m/s]、クリーンエアの流入風量を50[m/分]とした。このとき、測定点10における風速bは1[m/s]となり、原料風速aと排気風速bとの比a/bは「60」であった。
ガラス微粒子堆積装置No.9は、調整部材を図2(c)の態様(スリット42のない調整部材9bを排気ノズル4下部に配置)で用い、原料風速aを60[m/s]、クリーンエアの流入風量を50[m/分]とした。このとき、測定点10における風速bは1.2[m/s]となり、原料風速aと排気風速bとの比a/bは「50」であった。
ガラス微粒子堆積装置No.7〜No.9の使用結果を比較すると、表1に示すように、5回の使用のうち不良発生数が、ガラス微粒子堆積装置No.7およびNo.8では5回、ガラス微粒子堆積装置No.9では2回であり、判定は全て「×」であった。つまり、原料風速60[m/s]、風量50[m/分]の条件下では、原料風速aと排気風速bとの比a/bはいずれも「50」以上となり、外観異常の不良が発生した。
ガラス微粒子堆積装置No.10〜No.12では、いずれも測定点10における風速bを1.3[m/s]、排気風量を80[m/分]、調整部材を図2(a)の態様(調整部材なし)で用い、それぞれ原料風速を変更して使用した。
このような条件下において、ガラス微粒子堆積装置No.10では、原料風速aを30[m/s]とした。このとき、原料風速aと排気風速bとの比a/bは「23」であった。5本の評価の結果、不良発生数は0であった。
また、同様の条件下で、ガラス微粒子堆積装置No.11では、原料風速aを40[m/s]とした。このとき、原料風速aと排気風速bとの比a/bは「31」であった。5本の評価の結果、不良発生数は0であった。また、ガラス微粒子堆積装置No.12では、原料風速aを60[m/s]とした。このとき、原料風速aと排気風速bとの比a/bは「46」であった。5本の評価の結果、不良発生数は2であった。
つまり、ガラス微粒子堆積装置No.10〜No.12の使用結果から、流入風量80[m/分]の場合は、原料風速aと排気風速bとの比a/bが「46」では良好な結果を得られないが、40未満の場合に良好な結果を得ることが分かった。
更に、ガラス微粒子堆積装置No.1とNo.10を比較すると、流入風量が50[m/分]から80[m/分]に変更されても、原料風速aと排気風速bとの比a/bがいずれも「40」未満の範囲であるため、良好な結果を得る。排気処理コストの観点からは、流入風量の少ないガラス微粒子堆積装置No.1を用いる方が好適である。
また、ガラス微粒子堆積装置No.4とNo.11を比較すると、流入風量が50[m/分]から80[m/分]に変更されている。ガラス微粒子堆積装置No.4では、原料風速aと排気風速bの比a/bが「50」と大きく、この場合は、5本の評価のうち、不良発生数が3回生じた。一方、ガラス微粒子堆積装置No.11では、原料風速aと排気風速bとの比a/bが「31」であり、不良発生数は0回となり、良好な結果を得られた。
また、ガラス微粒子堆積装置No.7とNo.12を比較すると、流入風量が50[m/分]から80[m/分]に変更されている。ガラス微粒子堆積装置No.7では、原料風速aと排気風速bの比a/bが「75」と大きく、この場合は、5本の評価のうち、不良が5本生じた。また、ガラス微粒子堆積装置No.12でも、原料風速aと排気風速bの比a/bが「46」と大きく、5本の評価のうち、不良が2本生じ、良好な結果を得ることができなかった。
不良発生数、排気処理コスト、およびガラス微粒子堆積体の生成速度を鑑みて上述の結果を考察すると、ガラス微粒子堆積装置No.6において、最も良好な結果を得ることが分かる。
なお、流入風量が50[m/分]、すなわち、1分あたりの流入風量/反応容器の容積を17以下としても外観異常の発生を抑制することができている。
以上のように、バーナから噴出させる原料ガスの風速aと、ターゲット材上端における排気風速bとの比a/bを40未満とすることで、外観異常の発生を防ぐことができる。また、排気処理コストを抑えることも可能となる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………ガラス微粒子堆積装置
2………反応容器
3………クリーンエア供給口
4………排気ノズル
5………バーナ
6………ターゲット材
7………ターゲット把持部
8………支持棒
9、9a、9b………調整部材
10………測定点
11………多孔質ガラス母材
13………架台
15………風速計
42………スリット

Claims (6)

  1. クリーンエア供給口と排気口とが設けられた反応容器内にターゲット材を鉛直に配置し、
    前記クリーンエア供給口から所定風量のクリーンエアを供給し、前記排気口から排気を排出させつつ、原料ガスおよび可燃ガスをバーナから噴出させてガラス微粒子を生成し、
    前記ターゲット材を回転させながら、前記ターゲット材と前記バーナを相対移動させ、前記ガラス微粒子を前記ターゲット材の外周に堆積させる光ファイバ母材の製造方法において、
    前記バーナから噴出させる原料ガスの風速aと、前記ターゲット材上端における前記排気の風速bとの比a/bを40未満としたことを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
  2. 前記排気口に、前記排気の風速または風速分布を調整するための調整部材の有無により前記排気の風速bを調整することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  3. 前記排気口に、前記排気の風速または風速分布を調整するための調整部材を設け、
    前記調整部材の形状変更により前記排気の風速bを調整することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  4. 前記排気口に、前記排気の風速または風速分布を調整するための調整部材を設け、
    前記調整部材の位置変更により前記排気の風速bを調整することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  5. 前記調整部材により、前記排気口の下部開口幅を全閉または一部開口に調整することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の光ファイバ母材の製造方法。
  6. 前記クリーンエアの流入風量を調整することにより前記排気の風速bを調整することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の光ファイバ母材の製造方法。
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