JP5547003B2 - 投光器 - Google Patents
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Description
一方、照明分野では、ワイドな配光を実現した各種の照明器具が知られている(例えば、特許文献1〜特許文献3参照)。
この構成により、遠距離用反射鏡及び近距離用反射鏡で配光制御された光によって、横長な被照射面の全域を照明することができる。特に、本発明によれば、台座部のLEDごとに配光を制御できるため、被照射面の照度ムラを効果的に解消し均一に照射できる。また、ランプを光源とした従来の投光器においては、被照射面の四隅のうち投光器が配置された側の両側の隅部で照度低下が顕著に見られるが、本発明によれば、遠距離用反射鏡の配光制御により、かかる隅部に効果的に配光できるため、隅部での照度低下を防止できる。
図1は、本実施形態に係る投光器1の外観構成を使用態様と共に示す側面図である。
投光器1は、棒状に延びた所定長さのアーム2と、このアーム2の先端に設けられた投光器本体3とを有している。アーム2は、照明対象のサイン広告4が設置された建物に設置されて、投光器本体3を該サイン広告4の上縁4U側から前方に所定距離だけ突出配置するものであり、この突出位置から投光器本体3がサイン広告4の広告面(以下、「被照射面」と言う)5の全域を照明する。なお、被照射面5としては、サイン広告4の広告面の他、商用施設等の建物に設けられるキャノピー看板やパラペット看板、ファサード看板、或いは、横方向に長い形状の各種広告が挙げられる。また、投光器本体3をサイン広告4の下縁4D側に配置してサイン広告4の下側から被照射面5を照明しても良い。
投光器本体3は、正面視箱形の筐体10と、この筐体10をアーム2に取り付けるためのアーム取付具11とを有している。アーム取付具11は、筐体10の両側を挟持するコ字状部材であって筐体10に回動自在に取り付けられている。アーム取付具11に対して筐体10を回動させることで被照射面5に対する筐体10の設置角度が調整される。本実施形態では、図1に示すように、筐体10が被照射面5に正対して(首振り角度γ(図11)がゼロ度)で設置されている。
筐体10は、熱伝導性に優れるアルミダイカストで成形されており、内部には組付ベース60が着脱自在に設けられている。
組付ベース60は、電源ユニット18(図4(B)参照)やLEDパッケージ17(図4(A)参照)を組み付けるためのベース体であり、筐体10と同様に高熱伝導性を有するアルミダイカストで成形されている。この組付ベース60の裏面61は、筐体10の底面に密着する形状に形成されている。これにより、組付ベース60に組み付けられたLEDパッケージ17の熱が組付ベース60から筐体10にロスを少なくして伝熱される。
このように、組付ベース60に電源ユニット18やLEDパッケージ17を組み付けて筐体10に納める構成とすることで、既存の投光器1の組付ベース60を、所望の光出力や配光に合うようにLEDパッケージ17が組み付けられた組付ベース60に交換するだけで、投光器1の性能を簡単に変えることができる。
図4は、投光器本体3から反射ユニット16を取り外した状態を示す図であり、図4(A)は投光器本体3の正面図、図4(B)は投光器本体3の断面視図である。また図5は、反射ユニット16の構成を示す図であり、図5(A)は反射ユニット16の正面図、図5(B)は反射ユニット16の側面図である。図6は図5(A)のA−A’断面を示し、図7は図5(A)のB−B’断面を示す。
光源ユニット14は、図4(A)及び図4(B)に示すように、複数のLEDパッケージ17を光源に備え、これらLEDパッケージ17を配置する主台座部19及び副台座部20とを備えている。これら主台座部19、及び副台座部20は、図3に示すように、組付ベース60に一体形成されている。
LEDパッケージ17は、矩形の面状に白色光を放射する発光素子モジュールである。具体的には、LEDパッケージ17は、金属板22Aの表面に絶縁層22Bを設けたLED基板22と、このLED基板22の絶縁層22Bの上に形成され、24×3個のLED23を格子状に配置してなる正面視略矩形の発光部24とを備え、この発光部24からLED基板22の法線方向に面状光を放射する。なお、同図において、符号25はLED基板22に形成されたアノード電極、符号26はカソード電極を示す。この投光器1では、LEDパッケージ17に約1400[lm]の出力を有するものが用いられており、5個のLEDパッケージ17で光源ユニット14の光源が構成されている。
発光部24は、格子状に配列された上記LED23を、封止体27で封止して構成されている。LED23は青色光を発光する青色LEDである。また封止体27は、青色光の光を受けて黄色の蛍光を発する蛍光体が散布された樹脂材であり、均一な厚みで各LED23を覆っている。かかる構成の下、LED23が発光すると、このLED23の青色光により封止体27が黄色の蛍光を発し、これら青色光と黄色光の混色によって白色光が発光部24からLED基板22の法線方向を照射方向Hとして面状に放射される。
具体的には、主台座部19は、被照射面5側に略三角形状に迫り出した左右対称の山型に構成され、その稜線を筐体10の中心線Mに合わせ、両側面たる傾斜面30を筐体10の左右に向けて設けられている。そして、これら傾斜面30には、高熱伝導性及び絶縁性を有するセラミック板31がそれぞれ貼着され、このセラミック板31上に主台座部19の基端側に上記遠距離照射用LEDパッケージ17A、先端側に上記近距離照射用LEDパッケージ17Bがそれぞれ配置されている。
遠距離照射用LEDパッケージ17A、及び近距離照射用LEDパッケージ17Bのそれぞれの放射光は、反射ユニット16で配光制御されるが、かかる構成については後述する。
具体的には、副台座部20は、正面視矩形の横方向に平らなLED配置面32を有し、このLED配置面32が主台座部19の上側で当該主台座部19の稜線と交わる位置に配置されるように筐体10に設けられている。そして、これらLED配置面32には、高熱伝導性及び絶縁性を有する上記セラミック板31が貼着され、このセラミック板31上に上記の正面照射用LEDパッケージ17Cが配置されている。この副台座部20も主台座部19と同様に、中空ではなく筐体10と一体にアルミダイカストにより中実に成形されており、正面照射用LEDパッケージ17Cの発熱がセラミック板31を通じて副台座部20から筐体10に効率的に伝熱されるようになっている。
この正面照射用LEDパッケージ17Cは、図7に示すように、副台座部20のLED配置面32に配置されることで照射方向Hが被照射面5の法線方向Jに対して平行に配置され、被照射面5の正面に向けて光を照射する。また、この投光器1が被照射面5の左右の中央部Oに正対配置されることで、正面照射用LEDパッケージ17Cが被照射面5の中央部Oを主として照射することとなる。
具体的には、反射ユニット16には、遠距離照射用LEDパッケージ17A、近距離照射用LEDパッケージ17B、及び正面照射用LEDパッケージ17Cに対応して、図2に示すように、遠距離用反射鏡40A、近距離用反射鏡40B、及び正面用反射鏡40Cが形成されている。これら遠距離用反射鏡40A、近距離用反射鏡40B、及び正面用反射鏡40Cのそれぞれは、図5〜図7に示すように、LEDパッケージ17の対向位置に発光部24の形状及びサイズに合せて形成された矩形開口41の四方に反射面42を配置して構成されている。
このように、遠距離照射用LEDパッケージ17A、近距離照射用LEDパッケージ17B、及び正面照射用LEDパッケージ17Cに対応して、遠距離用反射鏡40A、近距離用反射鏡40B、及び正面用反射鏡40Cを設けることで、これら遠距離照射用LEDパッケージ17A、近距離照射用LEDパッケージ17B、及び正面照射用LEDパッケージ17Cごとに独立して配光を制御できるため、被照射面5の照度ムラを効果的に解消し均一な照明が実現できる。
特に、ランプを光源とした従来の投光器においては、被照射面5の四隅のうち投光器1が配置された側の両側の隅部で照度低下が顕著に見られるが、この投光器1によれば、遠距離用反射鏡40Aの配光制御により、かかる隅部に効果的に配光できるため、隅部での照度低下を防止できる。
LEDパッケージ17の構成においては、光照射範囲の縁部で光が黄色に偏ることがある。さらに詳述すると、LEDパッケージ17は、上述の通り、LED23の青色光と封止体27の蛍光による黄色光の混色によって白色光を得ているため、LED23の発光色と封止体27の蛍光色のバランスが崩れ蛍光色成分が強くなると、混色によって得られる光が黄色に偏る。すなわち、図9に示すように、LED23から上記照射方向H(LED基板22の法線方向)に向かう光成分K1と、照射方向Hに対して斜め方向に向かう光成分K2との間で、封止体27を通過する際の経路長L1、L2を比較すると、斜め方向の光成分K2の経路長L2の方が長くなることから、光成分K2の方向では、光成分K1の方向に比べて封止体27の蛍光が強くなる。
LED23の照射方向Hに対する角度をαとし、LED23の発光色と封止体27の蛍光色のバランスが崩れて黄色に偏る閾値角度をαthとした場合、経路長Lは角度αが大きくなるほど長くなることから、180度≧閾値角度αthの範囲(以下、「蛍光色過剰範囲β」と言う)から放射された光は黄色に偏ることとなる。
そこで、この投光器1にあっては、正面照射用LEDパッケージ17Cの白色光を正面用反射鏡40Cによって、黄色過多エリアDcに配光することで、この黄色過多エリアDcの黄色を打ち消し色ムラを目立たなくしている。
これに対して、主台座部19を三角形状に構成し、この主台座部19の稜線に交わる位置に正面照射用LEDパッケージ17Cを配置する構成としたため、遠距離用反射鏡40Aの制御角が制限されることがなく、遠距離エリアDaを隅部を含めて均一に照明することができる。
ランプを光源に備える従来の投光器にあっては、グローブの各所に偏曲点を設けた形状とすることで、ランプとの間に距離を取って当該ランプが発する熱から保護することが一般的である。しかしながら、グローブの偏曲点は光の集光作用を生じることから、各編曲点を経た光によって被照射面5に照度ムラが生じる、という問題がある。
これに対して、光源をLEDパッケージ17で構成した場合、グローブ15に与える熱的影響はランプよりも抑えられることから、当該グローブ15をLEDパッケージ17に近づけることができる。このため、光源ユニット14の光を透過する面内に偏曲点を設ける必要がない。
なお、透光面50を構成する円錐の頂点たる点Xは、図4(B)に示すように、透光面50が光源ユニット14の各LEDパッケージ17の照射方向Hに略垂直な面となる位置に設定されている。これにより、LEDパッケージ17の光が透光面50を透過する際の反射を抑え、器具効率が高められる。
すなわち、従来では、4台の投光器90を用いて照明していた高さ1m、横幅4mの横に長いサイン広告4の全域を、1台の投光器1でも十分な明るさで照明できるワイド(横長)配光が実現されていることが分かる。
また、複数のLEDパッケージ17で光源を構成した場合でも、各LEDパッケージ17の照射範囲の違いによる照度ムラが十分に抑えられていることが分かる。
なお、図11(A)に示す配光では、投光器1が配置された上縁側の左右両端部に照度の落ち込みがみられるが、これは、投光器本体3の首振り角度γがゼロ度だからであって、首振り角度γをゼロ度より大きくすることで、この左右両端部での照度が高められる。
これにより、被照射面5の色ムラを効果的に抑えることができる。
これにより、光が重なる部位での照度を抑えてハレーションを防止し、被照射面5の照度ムラを防止できる。
これにより、透光面50を透過時に光が集光されることないため、被照射面5での照度ムラが低減し、均一な照明が可能になる。
例えば、主台座部19の形状は、被照射面5に向かって迫り出し、両側に傾斜面を有する形状であれば、上述の断面三角形状に限らない。
例えば、図12に示すように、遠距離照射用LEDパッケージ17Aを配置するための傾斜面130Aと、近距離照射用LEDパッケージ17Bを配置するための傾斜面130Bとを両側に段違いに備える形状の主台座部119を構成しても良い。
また例えば、図13に示すように、遠距離照射用LEDパッケージ17Aを配置するための傾斜面230Aに対して、近距離照射用LEDパッケージ17Bを配置するための傾斜面230Bの傾斜角を異ならせた形状の主台座部219を構成しても良い。特に、この主台座部219の構成において、近距離照射用LEDパッケージ17Bを配置するための傾斜面230Bの傾斜角θcを小さくすることで、近距離照射用LEDパッケージ17Bの蛍光色過剰範囲βの光が照射する個所が被照射面5の中央部Oよりも左右端側に移動し被照射面5までの距離が延びることから、被照射面5での色ムラを抑え目立たなくできる。
3 投光器本体
5 被照射面
10 筐体
12 基部
13 光源部
14 光源ユニット(光源)
15 グローブ
16 反射ユニット
17 LEDパッケージ(LED)
17A 遠距離照射用LEDパッケージ
17B 近距離照射用LEDパッケージ
17C 正面照射用LEDパッケージ
19、119、219 主台座部(台座部)
20 副台座部
30、130A、130B、230A、230B 傾斜面
32 LED配置面
40A 遠距離用反射鏡
40B 近距離用反射鏡
40C 正面用反射鏡
41 矩形開口
42 反射面
50 透光面
Da 遠距離エリア
Db 近距離エリア
Dc 黄色過多エリア
Claims (4)
- 筐体内に光源を有し、平面状の被照射面の上下いずれかの一側縁側に配置されて、前記光源により前記被照射面を照射する投光器において、
前記光源が複数個のLEDを備え、
前記筐体内に、
前記被照射面側に迫り出した傾斜面を両側に有し前記傾斜面のそれぞれの先端側及び基端側にLEDを配置する台座部と、
前記台座部の稜線と交わる位置に横方向に平らなLED配置面を有する副台座部と、
前記台座部の先端側のLEDおよび基端側のLEDのいずれか一方に対向して配置され、当該LEDの光を横方向の遠距離に配光する遠距離用反射鏡と、
他方のLEDに対向して配置され、当該LEDの光を横方向の近距離に配光する近距離用反射鏡と、
前記副台座部のLEDに対向して配置され、当該副台座部のLEDの光を前記被照射面の正面に配光する正面用反射鏡と、
を備えたことを特徴とする投光器。 - 前記台座部の傾斜面に配置されたLEDが白色LEDであり、一対の白色LEDから発光する黄色を打ち消すLEDが、前記台座部の稜線と交わる前記LED配置面に配置され、前記正面用反射鏡が、稜線方向に配光制御することを特徴とする請求項1に記載の投光器。
- 遠距離用反射鏡を経た光と、近距離用反射鏡を経た光が重なる部位の光量を抑えるように前記遠距離用反射鏡及び前記近距離用反射鏡の反射面の粗度を変化させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の投光器。
- 前記筐体が各LEDを覆うグローブを備え、前記グローブのうち、少なくともLEDに対向する部位が、偏曲点なく連続する湾曲面を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の投光器。
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