JP5532698B2 - 露光装置及び露光方法 - Google Patents

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本発明は、カラー液晶表示装置、カラープラズマディスプレイ、カラー有機ELディスプレイ等を構成するカラーフィルタ基板の製造工程におけるパターン露光などの露光処理に採用される、プロキシミティ方式の露光装置及び露光方法に関する。
例えば、カラーフィルタの製造工程には、露光処理によって硝子等の透明基板上に所望のパターンを形成する工程(ブラックマトリクス工程、RGB工程、フォトスペーサ工程等)がある。すなわち、硝子基板に感光性レジストを塗布し、パターンニングされたフォトマスクを介して紫外線露光することで、硝子基板上のレジストにパターン露光を行う。その後、感光性レジストへの現像等を行い、所望するパターンとする。
上記露光処理に採用される露光装置としては、例えばプロキシミティ方式の露光装置がある。プロキシミティ方式の露光装置は、表面にレジストを塗布した硝子基板に対し所定の隙間(ギャップ)を持たせて配置したフォトマスクを介して紫外線を照射することで、所望する部位のレジストのみ感光させる。すなわち、フォトマスクのパターンを硝子基板に転写する。そして、上記のような露光装置による露光処理では、特許文献1や特許文献2等に記載のように、処理基板に形成した遮光性金属薄膜又は遮光性の黒色レジスト膜などからなるアライメントマークとフォトマスクに形成した遮光性金属薄膜又は遮光性の黒色レジスト膜などからなるアライメントマークとの位置合わせを行った後に、上述の露光を行い、処理基板の所定の位置にパターンを形成している。
以下に、従来のフォトマスクと硝子基板の位置合わせの方法の例を説明する。
まず、フォトマスク及び硝子基板の各アライメントマークをカメラで撮像して取得した画像データから各アライメントマークの中心(基準位置)を演算する。そして、対向するアライメントマークの中心が一致若しく許容範囲の誤差となるまで、上記画像の取得及び演算を繰り返しつつ硝子基板を載置したステージを微小移動させることで、フォトマスクと硝子基板の位置調整を行う。なお、転写するパターンの基板上での位置精度を上げる場合、対向するアライメントマークの組を2以上存在させ、その各組のマークの中心が全て一致するように硝子基板の位置調整を行う場合もある。
この位置合わせを実施することで、フォトマスクに描かれたパターンを硝子基板に対し位置ズレを起こすことなく基板上の所望する位置に転写することができる。
特開平6−110133号公報 特開2007−140117号公報
従来にあっては、カメラで撮像し画像データを得るにあたり、フォトマスクのアライメントマークと硝子基板のアライメントマークとの両方のマークの輪郭が共に出来るだけ鮮明に映るように、上記カメラの焦点調整を行っている。このため、カメラの焦点が合っていない場合、得られた画像データがボケるため、演算が困難になり、硝子基板のマーク中心が、フォトマスクのマーク中心に対して、予め設定した許容誤差内に入りづらくなることから、アライメントマーク制御を必要以上に繰り返してしまう恐れがある。すなわち、アライメントマークの調整回数が多くなる。特に、作業者が目視で位置調整を行う場合にこの傾向が強くなる。
また、製造するカラーフィルタの品種が異なった場合、製品仕様上、露光時の隙間(フォトマスクと硝子基板のクリアランス:露光ギャップとも呼ぶ。)の設定を変える必要が生じる。そのため、品種毎にアライメントマークの調整回数が異なる傾向となる。
以上のように対向するアライメントマークの中心を一致させるための作業の回数が増加すると、露光装置の1回当りの工程処理時間が大きくなり、生産タクトが低下する原因となる。
また、カメラにてアライメントマークを撮影する際、カメラの焦点を合わせる作業は、画像データから得るマークのライン線幅に影響し、例えば、カメラの焦点を合わせる位置が異なると図16のように画面上でのライン線幅が変わって、アライメントマーク中心の演算時に計算誤差が起こる。アライメントマーク中心の演算時に計算誤差が多いと、パターン転写精度に影響を及ぼすことなる。
通常、作業者は生産する品種で定められた露光ギャップとなるよう、基板を搭載したステージとフォトマスクとを対向させた上でカメラの焦点調整を行う。例えば、Aというカラーフィルタの品種の露光ギャップ条件が100μmであれば、図17のようにフォトマスクと硝子基板のクリアランスを100μmとしたステージ位置で、フォトマスクと硝子基板のクリアランスの中間位置にカメラの焦点距離がくるように、作業者は焦点を合わせようとする。
ここで、撮像装置としてのカメラは、例えば撮影用のレンズ系を有するCCDカメラ等で構成されている。撮影用のレンズ系は一枚又は複数枚のレンズで構成されており、焦点距離、被写界深度を有するため、CCDカメラには焦点距離、被写界深度が存在する。なお、焦点距離とは、最も被写体の映像を鮮明に捉えた時のレンズ系と被写体との距離であり、レンズ系から焦点距離分だけ離れた位置が焦点になる。被写界深度とは、焦点を基準に、被写体との距離が上下に変わっても、映像を焦点がぼけずに捉えられる焦点からの範囲である。焦点距離と被写界深度は、使用するレンズ系が有する固有の決まった値であり、レンズ系毎に一定の値となっている。
露光ギャップが小さいケースでは、フォトマスク及び硝子基板の各アライメントマーク部分が共にカメラの被写界深度内に入るため、比較的に作業者は焦点を合わせ易い。しかし、図18のように露光ギャップが広いケースでは、フォトマスク及び硝子基板の各アライメントマーク部分がカメラの被写界深度から外れてしまう恐れがある。この結果、作業者は焦点合わせ時に微小な焦点ズレを起こしてしまう。後者のような露光ギャップを広げるケースでは、各アライメントマークが被写界深度から外れてしまっても、カメラは画像を写しているため、作業者の顕微鏡モニター映像の目視だけでは焦点合わせ調整後の焦点の位置が、最適なものになっているか否かの判断が付かない点が問題となる。また、作業者が異なった場合、目視による調整では個人差により合わせる焦点位置が人により異なってしまう可能性もある。そのため焦点位置が異なることにより、上述のような露光ギャップを広げるケースの方が、露光ギャップ100μmよりもアライメントマーク回数が増加する傾向がある。
本発明は、上記のような点に着目したもので、マスクと基板との位置合わせを安定して処理可能な露光技術を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明のうち請求項1に記載した発明は、アライメントマークを形成したマスクを保持するマスク保持部と、アライメントマークを形成した処理基板を、上記マスクに対し所定の隙間を持って対向した状態に保持するステージと、上記ステージを移動させるステージ移動手段と、上記アライメントマークを撮像する撮像装置と、上記撮像装置の受光軸の延びる方向に、上記アライメントマークを挟むように上記撮像装置と対向して配置され、且つ上記アライメントマーク及び上記撮像装置に向けて光を照射する照明装置と、マスク側のアライメントマークの画像が所定の鮮明度となる位置に撮像装置の焦点を調整した状態で取得した画像を画像処理して、マスク側のアライメントマークで特定される基準位置を演算するマスク側基準位置演算手段と、基板側のアライメントマークの画像が所定の鮮明度となる位置に撮像装置の焦点を調整した状態で取得した画像を画像処理して、基板側のアライメントマークで特定される基準位置を演算する基板側基準位置演算手段と、上記演算したマスク側の基準位置と処理基板側の基準位置とが一致若しくは予め設定した許容誤差内となるように、上記ステージ移動手段を介してステージの位置を調整するステージ位置調整手段と、を備え、
上記所定の鮮明度となる位置への撮像装置の焦点の調整は、撮像装置が撮像する画像における実測して得たアライメントマークの幅が、予め設定した値若しくは範囲内となる位置に撮像装置の焦点を調整することで実施することを特徴とする露光装置を提供するものである。
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、上記ステージ位置調整手段は、マスク側の基準位置を基準として、マスク側の基準位置と処理基板側の基準位置とが一致若しくは予め設定した許容誤差内となるまで、上記基板側基準位置演算手段から処理基板側の基準位置を取得することを特徴とするものである。
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1又は請求項2に記載した構成に対し、上記マスク側及び処理基板側のアライメントマークの一方は、十字形状のマークであり、他方のアライメントマークは井桁形状のマークであり、上記実測して得たアライメントマークの幅は、所定の濃度となった画素の数であることを特徴とするものである。
次に、請求項4に記載した発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した構成に対し、上記マスクと処理基板の間の隙間が、上記マスク側及び処理基板側の両方のアライメントが共に被写界深度に入る焦点位置が存在しない隙間となっていることを特徴とするものである。
次に、請求項5に記載した発明は、マスクに形成したアライメントマーク及び処理基板に形成したアライメントマークを撮像装置で撮像することで取得した画像を画像処理しつつ、マスクに形成したアライメントマークで特定される基準位置と処理基板に形成したアライメントマークで特定される基準位置とが一致するように、マスクに対して処理基板を移動させることで当該マスクと処理基板との位置合わせをして露光を行う露光方法であって、
上記撮像装置は、上記撮像装置の受光軸の延びる方向に、上記アライメントマークを挟むように上記撮像装置と対向して配置された照明装置から上記アライメントマーク及び上記撮像装置に向けて照射された光を上記撮像装置の受光部で受光することで、上記アライメントマークを撮像し、
撮像装置が撮像した画像でのマスク側での実測して得たアライメントマークの幅が、予め設定した幅若しくは範囲内となるように撮像装置の焦点を調整した後に、マスク側のアライメントマークの画像を取得してマスク側の基準位置を演算し、
撮像装置が撮像した画像での基板側での実測して得たアライメントマークの幅が、予め設定した幅若しくは範囲内となるように撮像装置の焦点を調整した後に、基板側のアライメントマークの画像を取得して基板側の基準位置を演算し、
上記演算したマスク側の基準位置を基準として、マスク側の基準位置と処理基板側の基準位置とが一致若しくは予め設定した許容誤差内となるまで、上記処理基板側のアライメントマークの画像を取得して当該処理基板側の基準位置を演算する処理を繰り返すことを特徴とする露光方法を提供するものである。
本発明によれば、基板及びマスクのアライメントマークに対して、個別に焦点を合わせて、各アライメントマークの画像を個別に取得する。これによって、各アライメントマークの画像を取得するための焦点合わせが容易となる。また、各アライメントマークの鮮明度が確保される結果、各アライメントマークの基準位置の演算精度も向上する。
このとき、カメラによる撮影で得た画像データから算出したマークの幅の実測値が所定の値若しくは範囲内となるようにカメラの焦点を調整するだけであるので、作業者の熟練度や個人差に左右されず、安定して目的とする焦点に設定可能となる。
なお、出来るだけ一定の値に一致させる方が、焦点位置が一定に安定して基準位置演算の精度上好ましい。
また、請求項2に係る発明によれば、非移動側であるマスク側の基準位置を基準として、マスク側の基準位置だけを繰り返し取得しつつ位置の微調整を行う。すなわち、マスク側のアライメントの画像を取得した後は、移動させる基板側の画像を繰り返し取得すればよいので、基板側用の焦点にカメラの焦点を固定して画像入力をすればよい。
この結果、マスクと基板との位置合わせを安定して処理可能な露光技術を提供し、且つ、位置合わせに要する時間を短縮することが出来る。
また、請求項3に係る発明によれば、平行な直線や交叉する直線からなるマークを使用することで、アライメントマークで特定する基準位置を簡易且つ確実に演算することが出来る。
また、請求項4に係る発明によれば、基板側及びマスク側のアライメントマークを撮像装置で一度に写るように、目的とする露光キャップよりも、位置合わせ時に一時期に小さくするような処理が不要となり、より大きな効果を奏する。
本発明に基づく実施形態に係る露光装置を説明する概念図である。 硝子基板に設けるアライメントマークの例を示す平面図である。 本発明に基づく実施形態に係るアライメントマークを示す平面図である。 本発明に基づく実施形態に係る硝子基板とフォトマスクとの関係を示す斜視図である。 本発明に基づく実施形態に係る硝子基板とフォトマスクとの関係を示す側面図である。 本発明に基づく実施形態に係るアライメントマーク用の装置を説明するための図である。 アライメント制御部の構成を説明する図である。 基準位置演算手段の構成を説明する図である。 マスク用ピント設定部の処理を説明する図である。 濃度分布曲線を示す図である。 井桁マークの中心算出を説明する図である。 画像取得始めの状態を説明する図である。 焦点調整を説明する図である。 焦点の位置による濃度分布曲線の状態を説明する図である。 焦点調整を説明する図である。 ピントによるライン線幅の変化を示す図である。 露光ギャップの一例を示す図である。 露光ギャップが広いケースの一例を示す図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態では、カラーフィルタを製造するために使用する露光装置を例に挙げて説明する。但し、本発明の露光装置は、他の製造に適用することも可能である。
(構成)
先ず、装置構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るプロキシミティ方式の露光装置1の概略図である。
露光装置1は、処理基板である硝子基板2を保持するステージ3、フォトマスク4を保持するマスク保持部、露光のために紫外線を照射する照射用の装置、及び基板とマスクの位置合わせに使用されるアライメントマーク用の装置を備える。
ここで、露光装置1に搬送されパターン露光が行われる上記硝子基板2には、2箇所以上、アライメントマークが予め形成されている。本実施形態では、図2に示すように、硝子基板2の形状が長方形形状の場合とし、各短辺側端部における中央位置Mにそれぞれアライメントマークを設けた場合とする。また、露光装置1に装着する上記フォトマスク4にも、上記硝子基板2のアライメントマークに対応してアライメントマークを設けてある。本実施形態では、図3に示すように、基板側のアライメントマークM1を、互いに直交する2本の直線からなる十字形状のマークとし、マスク側のアライメントマークM2を、内部に長方形形状を形成するように4本の直線を組み合わせた井桁形状のマークとする。なお、基板側のアライメントマークM1を井桁形状のマークとし、マスク側のアライメントマークM2を十字形状のマークとしても良い。そして、十字形状のマークでは、十字の中央(直線の交叉位置)が基準位置となる。また、井桁形状のマークでは、井桁内に形成される四角形形状の中心点が基準位置となる。なお、アライメントマークは、十字形状や井桁形状に限定されるものではない。マークの中心点等からなる基準位置を特定可能なマークであれば、アライメントマークとして適用可能である。
上記ステージ3は、図4及び図5に示すように、上面に感光性レジストが塗布された硝子基板2を保持する。上記ステージ3には、図6(b)に示すように、硝子基板2に形成したアライメントマークと対向する位置に切欠き3aが形成されている。そのステージ3は、ステージ3と連結したX−Yテーブル等のステージ駆動装置5を駆動することで移動可能となっている。すなわち、ステージ駆動装置5は、ステージ3を、水平二次元方向、すなわちX方向及びY方向に移動出来ると共に、当該ステージ3の中心点を通過する上下軸廻りに回動変位出来る。さらに、ステージ駆動装置5は、ステージ3を、上下方向(Z方向)に昇降する昇降装置も備える。
また、上記マスク保持部18は、上記図4及び図5に示すように、ステージ3に載置した硝子基板2の上方位置にフォトマスク4を保持するものである。マスク保持部18は、ステージ3の左右両側に位置する左右の支柱部6と、マスク押えバー7とを備える。各支柱部6は、2本の支柱本体6aと、その2本の支柱本体6a上部を連結するように架設された横架部6bとから構成される。そして、左右の支柱部6の横架部6bにフォトマスク4の幅方向両端部下面を支持する。上記左右の横架部6bにフォトマスク4を載置した状態で、上側からマスク押えバー7で押えることで、フォトマスク4を目的の位置に固定する。
また、図1に示すように、露光のために紫外線を照射する照射用の装置として、露光ランプ12、及びその露光ランプ12からの紫外線をフォトマスク4及び硝子基板2まで誘導する装置を備える。図1の例では、露光ランプ12からの紫外線が、反射ミラー8、インテグレーターレンズ9、及びコリメーションミラー10を介して、上方からフォトマスク4に向けて照射可能に構成されている。符号11は楕円ミラーを示す。
次に、基板とマスクの位置合わせに使用されるアライメントマーク用の装置を、図6を参照して説明する。
アライメントマーク用の装置として、照明ランプ15、撮像装置16、アライメントマーク制御部20、及び上記ステージ駆動装置5を備える。
照明ランプ15は、上記ステージ3よりも下方位置に配置されており、例えば本実施形態では、上記支柱部6に支持されている。その照明ランプ15は、それぞれ上方に位置する硝子基板2及びフォトマスク4のアライメントマークに向けて光を照射可能に設定されている。すなわち、各照明ランプ15から、上方に向けて光を照射可能となっている。
また、ステージ3の上方に撮像装置16が配置されている。撮像装置16としては、例えば、撮影用のレンズ系(図示せず)を有するCCDカメラなどで構成される顕微鏡カメラを採用する。そして、撮影するマークを撮像する撮像装置16の受光部16aを、上記フォトマスク4及びステージ3に載置した硝子基板2のアライメントマークと上下で対向する位置に配置させる。すなわち、その撮像装置16の受光軸は、上記照明装置に向けて上下に延びる。
撮像装置16は、受光部16aで捉えたアライメントマークの形状を画像データとし、取得した画像データをアライメントマーク制御部20に出力する。
また、撮像装置16を移動し、レンズ系の有する焦点の位置を変えるための焦点調整手段17を備える。焦点調整手段17は、例えば、上記受光軸と平行に延びる案内部17aと、撮像装置16を支持すると共に上記案内部17aに上下に案内可能なスライダ部17bと、上記スライダ部17bを駆動する駆動部とを備えることで構成する。例えば、焦点調整手段17をボールネジ装置やリニアガイド装置で構成すればよい。上記焦点調整手段17の駆動部(モータ等)は、アライメントマーク制御部20からの指令に応じて、スライダ部17bの高さ位置を変更するように駆動制御する。前述したように、レンズ系の焦点距離は一定であるため、スライダ部17bの高さ位置を変更することで焦点の位置を変えることが出来る。
アライメントマーク制御部20は、図7に示すように、基準位置演算手段20Aと、ステージ位置調整手段20Bと備える。基準位置演算手段20Aは、上記撮像装置16が撮像したアライメントマークを含む画像を画像処理して、フォトマスク4及び硝子基板2の各アライメントマークM2、M1の基準位置(例えば、各マークの中心位置)をそれぞれ演算する。また、ステージ位置調整手段20Bは、上記基準位置演算手段20Aが演算したマスク側の基準位置と硝子基板2側の基準位置とが一致若しくは予め設定した許容誤差内となるように、上記ステージ駆動装置5を介してステージ3の位置を調整する。このとき、ステージ位置調整手段20Bは、マスク側の基準位置を基準として、マスク側の基準位置と硝子基板2側の基準位置とが一致若しくは予め設定した許容誤差内となるまで、上記基準位置演算手段20Aは、基板側のアライメントマークM1の画像を取得して求めた基板側の基準位置の取得を繰り返す。
上記基準位置演算手段20Aは、図8に示すように、画像取得部20Aa、マスク用ピント設定部20Ab、マスク用マーク基準位置演算部20Ac、基板用ピント設定部20Ad、及び基板用マーク基準位置演算部20Aeを備える。
画像取得部20Aaは、撮像装置16が撮像した画像データを取得する。
次いで、マスク用ピント設定部20Abは、取得した画像データを元に、図9に示すような処理を行う。すなわち、マスク用ピント設定部20Abは、先ずステップS10にて
受光部16aを構成する複数の画素から得られた画像データを元に、マスク側のアライメントマークM2を構成するいずれかのラインを選定し、そのラインを構成する画像データの分布を演算により求める。本実施形態では、濃度分布曲線としている。
次いで、線幅を求めるための画素を決めるための基準値として、予め基準閾値(例えば、本実施形態では所定の濃度値)を設定しておき、ステップS20にてその基準閾値となった分布領域の幅をもって線幅とし、分布領域の幅が所定の値若しくは所定の数値範囲内にあれば、マスク側のアライメントマークM2が所定の鮮明度で撮影できたものと判定する。上述した分布領域の幅(線幅)が所定の値若しくは所定の数値範囲内にあれば、ピント調整が完了したとしてマスク用マーク基準位置演算部20Acを起動する。
基準閾値とデータ分布で得る幅が所定の値若しくは所定の数値範囲内となっていない場合、ステップS30にて、当該幅が大きくなる方向(焦点がフォトマスク4に接近する方向)に撮像装置16を移動する指令を焦点調整手段17に出力した後、ステップS10に戻り、上記分布の演算及び基準閾値による幅の算出及び判定を繰り返す。撮像装置16の移動量は、例えば、実測値である画素数と、上記基準閾値との差分に所定のゲインを乗算した値とする。
また、基準閾値は、各ラインの線幅に応じて個別に設定しておいても構わない。なお、基準閾値及び判定の元となる上記画素の数(線幅)は、実験や理論値などから予め求めて設定しておけば良い。
また、マスク用マーク基準位置演算部20Acは、マスク用ピント設定部20Abでピントの調整を実施した後に取得した画像データを入力する。そして、取得した画像データから井桁形状のマークの中心座標を演算する。演算したマークの中心座標は、ステージ位置調整手段20Bに出力する。
そのマークの中心座標の演算の方法の一例を説明する。
取り込んだ画像について、予め設定した位置を原点とした座標系において、受光部16aを構成する複数の画素で得られた各画像データの濃淡を55階調(白→255、黒→0)に変換して表現した濃度分布のデータとして格納する。その画像の画素値(0〜255階調)を、所定のY座標位置のライン上をX方向(左から右)に向けた濃度変化でみた場合、図10に示すように、マークのライン部分は黒色であることから、3本の波形が立ち並ぶ濃度分布曲線で表現される。
その濃度分布曲線を任意の濃度のスライスレベル(例えば、基準閾値)で切ると、図11に示すように、1つの山形の波形におけるスライスレベル断面の両端は、1本の黒いライン線の両端(エッジ)を表していることになる。そして、各黒いライン線の両端のX座標値の中央値から、各黒いライン線の線幅中心点のX座標を求めることが出来る。
ここで、上記3本の黒いラインは、井桁マークの縦線と、十字マークの縦線である。従って、井桁を構成する左側の縦線中心のX座標をX1、右側の縦線中心のX座標をX3と定める。そして、その左側の縦線中心のX座標X1、及び右側の縦線中心のX座標X3から、井桁マークの中心のX座標X0(=X1+(X3−X1))/2)を演算する。
同様に、所定のX座標位置のライン上をY方向(上から下)に濃度変化をみた場合も、3本の波形が立ち並ぶ濃度分布曲線で表現される。この場合の黒いライン線は、井桁マークの横線と、十字マークの横線である。そして、Y方向についても、同様の方法で濃度周辺分布を所定の濃度のスライスレベルで切り、井桁を構成する上側の横線中点のY座標であるY1、下側の横線中点のY座標であるY3を定める。そして、上側の横線中点のY座標Y1、下側の横線中点のY座標Y3から、井桁マークの中心のY座標Y0(=Y1+(Y3−Y1)/2)を演算する。
以上の処理によって井桁マークの中心点(X0、Y0)を演算することが出来る。なお、十字形のマークについても、同様な演算によって、マークの中心点を演算出来る。このマークの中心点がマークの基準点となる。なお、基準点は、マークの中心点である必要はなく、予め設定した規則によって基準点が特定可能であれば良い。また、以上の処理から分かるように、井桁マークに比べ十字マークの方が、中心を演算する処理が少なくて済むので、基板側を十字マークとする方が好ましい。
なお、基板若しくはマスクには、レジストが異物として付着している場合がある。異物も画像データとして処理されるため、基準閾値(スライスレベル)を低くすると異物もマークと認識し、マーク中心を認識するための演算に支障が出る。すなわち、異物は画像データ上ではノイズとなる。そのため、上記濃度のスライスレベルは、付着したレジストの透過率を考慮して、例えば50%程度のスライスレベル(例えば、黒と白の中間の濃度程度)に設定する。ここで、付着したレジスト等の異物は、マークに比べて光の透過率が高い。なお、スライスレベル(基準閾値)は50%に限定するものではなく、この付着したレジスト等の異物によるノイズを除去可能な一定以上のスライスレベルに設定して構わない。
次いで、基板用ピント設定部20Adは、取得した画像データ中における、基板側のアライメントマークM1を構成するラインのいずれかのラインを選定し、前述したのと同様に、ラインを構成する画像データの分布を演算する。また、前述したマスクアライメントマークの時と同様に、線幅算出の基準値として予め基準閾値を設定しておき、マスクアライメントへの焦点合わせと同様の処理を行い、基板側アライメントへの焦点合わせを行う。焦点が合ったと判定したら、ピント調整が完了したとして基板用マーク基準位置演算部20Aeを起動する。
なお、基板側アラメントマークへの焦点合わせ時においても、基準閾値の値及び、分布と閾値とで得られるマークの幅は、実験や理論値から予め求めて設定しても構わない。
また、基板用マーク基準位置演算部20Aeは、基板用ピント設定部20Adでピントの調整を実施した後に取得した画像データを入力する。そして、取得した画像データから十字形状のマークの中心座標(X2,Y2)を演算する。演算方法は、上記基板用マーク基準位置演算と同様にすればよい。そして、演算したマークの中心座標は、ステージ位置調整手段20Bに出力する。
ステージ位置調整手段20Bは、演算されたマスク側の井桁マークの中心(X0、Y0)に対して、基板側の十字マークの中心(X2、Y2)が一致、又は、許容範囲として予め定めた誤差量となるまで、ステージ駆動装置5を介して硝子基板2を載せたステージ3を微小移動させて、2つの中心座標を合わせ込むアライメントマーク制御を実施する。
具体的には、ステージ位置調整手段20Bは、先ず、演算されたマスク側の井桁マークの中心座標(X0、Y0)を取得する。本実施形態では、左右の2箇所にマスク側の井桁マークが有るため、左右両方の井桁マークの各中心(X0、Y0)を取得する。
次に、演算された基板側の十字マークの中心座標(X2,Y2)を取得する。同様に、左右両方の十字マークの各中心(X2、Y2)を取得する。
次に、対応する組毎に、マスク側のマークの中心座標(X0、Y0)と基板側のマークの中心座標(X2,Y2)との偏差ΔLを演算する。そして、演算した各偏差ΔLが、予め設定した誤差量δL以下とするステージ3の移動方向及び移動量を演算し、演算した移動量に応じた指令値をステージ駆動装置5に出力する。
次に、基板用ピント設定部20Ad、及び基板用マーク基準位置演算部20Aeを作動させて、ステージ3を調整後の基板側の十字マークの中心座標(X2,Y2)を取得する。
このとき、撮像装置16の焦点は、基板用に設定されているので、基板用ピント設定部20Adの作動は無くてもよい。
次に、対応する組毎に、マスク側のマークの中心座標(X0、Y0)と基板側のマークの中心座標(X2,Y2)との偏差ΔLを演算する。
そして、演算した全ての偏差ΔLが、予め設定した誤差量δL以下となったか否かを判定する。演算した全ての偏差ΔLが、予め設定した誤差量δL以下となったと判定すると、マークアライメントが完了したとして処理を終了する。
演算した全ての偏差ΔLが、予め設定した誤差量δL以下となっていないと判定した場合には、演算した全ての偏差ΔLが、予め設定した誤差量δL以下とする為の、ステージ3の移動方向及び移動量を演算し、演算した移動量に応じた指令値をステージ駆動装置5に出力する。
そして、演算した全ての偏差ΔLが、予め設定した誤差量δL以下となるまで、上記処理を繰り返す。
ここで、上記ステージ駆動装置5は、ステージ3移動手段を構成する。マスク用マーク基準位置演算部20Acは、マスク側基準位置演算手段を構成する。基板用マーク基準位置演算部20Aeは、基板側基準位置演算手段を構成する。
(露光装置1の操作について)
次に、露光装置1の操作について説明する。
先ず、露光装置1にフォトマスク4をセットする。
次に、露光装置1のステージ3に硝子基板2を搬入して設置する。
次に、撮像装置16で撮像する画像に硝子基板2のアライメントマークが写る位置まで、ステージ3を上昇させる。
次に、ステージ3を水平方向に移動させて、撮像装置16で撮像した画像内にマスク側のアライメントマークM2及び基板側のアライメントマークM1を表示させる。
次に、上述したマークアライメント制御を実施して位置合わせを行う。なお、上記露光装置1では、自動的にマークアライメントの制御を実施する場合である。
但し、モニターにて作業者が確認しながら、上記マークアライメント作業を実施しても良い。この場合であっても、マークから得られた画像データを基に濃度分布を得る演算は自動演算させる。この自動演算させた分布を基準にカメラ位置を調整するため、熟練者で無くても、安定して且つ簡易に実施することが出来る。
以上のようにして、上記マークアライメント制御にて位置合わせが完了したら、そのステージ3の位置を装置にティーチングデータとして記憶させる。
これによって、露光の準備作業は終了する。なお、品種毎にステージ3の位置を装置にティーチングデータとして記憶させておいても良いし、品種が変更になる度に上記露光の準備作業を実施しても良い。
そして、生産中にあっては、毎回、上記記憶したティーチングデータに基づき自動的にステージ駆動装置5を駆動させて、目的の位置にステージ3を移動させてから、上述のマークアライメント制御を行い。その後露光を行う。
次に、上記マークアライメント制御における撮像装置16の焦点位置の調整部分について、更に説明する。
先ず、フォトマスク4に対する撮像装置16の高さ位置、つまり焦点の高さを決定する。これにより、画像データを画像処理することで、フォトマスク4側のアライメントマークの中心を得ることが出来る。
このとき、撮像装置16が撮像した画像にフォトマスク4側のアライメントマークが写り始めた初期の段階では、マスク側の井桁マークは、撮像装置16の焦点から外れている。このため、井桁マークの輪郭はぼやけている。この状態から撮像装置16の高さを決定するに際し、予め、定めたアライメントマーク線幅抽出用の基準閾値を利用する。
ここで、撮像装置16の画像データとしては、フォトマスク4側の井桁マークがぼけている状態では、図12のような画像となっている。
フォトマスク4側は井桁マークの輪郭がぼやけるため、図12の濃度分布曲線のように、マスクマーク波形のピーク値は低くなる。ピーク値が低いほど、濃淡の階調としては黒色から白色に近づく。逆に、上記図11のように予め定めたアライメントマーク線幅の画素値を基準として定めたスライスレベルよりも波形のピーク値が高ければ、井桁マークの線幅の中心を演算することができる。ここで、図14に、焦点(ピント)が合ってない場合と合っている場合の濃度分布曲線を例示する。
ここで、実際に読み取った画像データ上におけるスライスレベルでの、図11のようにX方向波形のA幅、C幅の画素数が18画素であったとする。例えば、アライメントマークがぼけた状態でのA幅、C幅のマーク線幅の基準閾値を23画素として露光装置1に入力しておくとする。同様に、Y方向波形のA幅、C幅の画素数もマーク線幅の基準閾値についても装置側に入力しておく。
撮像装置16の高さを決定するために、撮像装置16の高さ方向を上下に移動すると、撮像装置16のマーク読み取り状態が変化するため、マーク波形のA幅、C幅の画素数が18から変化していく。この時に、マーク波形のA幅、C幅が18から23若しくは23以上となるように撮像装置16の高さを調整する。この方法で、X、Y方向波形共に、マーク波形のA幅、C幅の画像読み値が基準値と一致するように合わせる。
なお、原則として生産品種が変わってもフォトマスク4のアライメントマーク形状(マーク線幅含む)は変わらない。このことから、露光装置1にセットするフォトマスク4が変わっても、常に撮像装置16の高さをフォトマスク4に対して一定にでき、且つ、撮像装置16の画像データにおけるマーク線幅を一定にできることから、フォトマスク4のアライメントマークの中心座標の再現性も一定に保つことができる。すなわち、一度マスク側の焦点位置を求めておけば、同じ焦点位置を採用することが出来る。
同様に、一枚のマスクをセット後に続けて同一品種のカラーフィルタを生産する場合であっても、マスクを初めにセット後に、そのマスクのアライメントマークの位置を求めておけば、フォトマスクのアライメントマークの焦点位置、基準位置をいちいち測定する必要が無くなる。
以上のようにして、撮像装置16を上下に移動させて、撮像装置16の焦点が合うまで、撮像装置16の高さを調整する。そして、マスク側のマークの中心を演算させる。
次に、同様にして、硝子基板2のアライメントマーク線幅についても基準閾値を入力しておき、画像データのマーク線幅読み値(画素数)が一致するまで撮像装置16の高さを調整した後に、基板側のマークの中心を演算させる。
図13の例では、撮像装置16の被写界深度は硝子基板2を捉えており、硝子基板2側のアライメントマーク輪郭は鮮明である。このため、硝子基板2のアライメントマークの中心座標も正確に演算可能である。
以上のような手法を採用すると、硝子基板2のアライメントマークは、常に撮像装置16がマークを被写界深度に捉えるため、100μmから300μmの全ての範囲で一定のマーク線幅として読み取ることができる。しかも、マーク中心座標も演算精度を保てる。
また、フォトマスク4のアライメントマークの中心座標についても生産品種(セットするマスク、露光ギャップ量)に関わらずに、常に安定して演算できる。
この結果、図13の状態から図15のように、露光ギャップ量の設定が変化しても、撮像装置16の広い範囲で硝子基板2の焦点を捕らえることができ、100μmから300μmの全ての範囲であれば設定する露光ギャップ量に依存せず、且つ、安定した撮像装置16の焦点調整が可能となる。
ここで、撮像装置16からマークに対して垂直に下ろした軸に対して、撮像装置16の据付けに依存した実際の光軸角度が大きくなることから、マークが遠いほど検出精度が低下する。これに対し、顕微鏡から距離が遠い硝子基板2側のアライメントマークに焦点を合わせることで、マーク焦点ズレを最小限に抑え、硝子基板2の中心座標の演算を正確に行うことができる。
(本実施形態の作用・効果)
(1)マスク側及び基板側の各アライメントマークについて、個別に所定の鮮明度となる位置に撮像装置16の焦点を調整した状態で画像を取得してマスク側の基準位置を演算する。更に、マスク側の基準位置を基準として、マスク側の基準位置と処理基板側の基準位置とが一致若しくは予め設定した許容誤差内となるまで、処理基板側の基準位置を取得することを繰り返す。
このように、基板及びマスクのアライメントマークに対して、個別に焦点を合わせて、各アライメントマークの画像を個別に取得する。これによって、各アライメントマークの画像を取得するための焦点合わせが容易となる。また、各アライメントマークの鮮明度が確保される結果、各アライメントマークの基準位置の演算精度も向上する。
更に、非移動側であるマスク側の基準位置を基準として初めに得ておき、その後は搬入・搬出が繰り返される基板側の基準位置だけを繰り返し取得しつつ位置の微調整を行う。すなわち、マスク側のアライメントの画像を取得した後は、移動させる基板側の画像を繰り返し取得すればよいので、基板側用の焦点にカメラの焦点を固定して画像入力をして位置合わせ作業を実施すればよい。
この結果、マスクと基板との位置合わせを安定して処理可能な露光技術を提供することが出来、また、基板とマスクとの位置合わせに要する時間を短縮することが出来る。
(2)アライメントマークに応じて基準閾値を予め設定しておく。そして、上記基準位置演算手段20Aは、撮像装置16が撮像したアライメントマークの実測値の幅が所定の値若しくは所定の範囲内となる位置に撮像装置16の焦点を調整することで、所定の鮮明度となる位置に撮像装置16の焦点を設定する。
実測値の幅が予め設定した値若しくは範囲内となるようにカメラの焦点を調整するだけであるので、作業者の熟練度に左右されず、安定して目的とする焦点に設定可能となる。
すなわち、アライメントマークの顕微鏡焦点調整作業時、作業者の目視調整だけでは微小な焦点ズレを起こしても気づかない。これに対し、本実施形態では客観的な指標を提供、つまり、最適な焦点調整がなされたか判定するための機能を提案するので、生産中のアライメントマーク合わせのリトライ回数が安定化する。
また、品種により露光ギャップが変化しても、安定したアライメントマークの位置合わせができることからも、アライメントマーク制御時のリトライ回数を一定に保ち、露光装置1の処理タクト遅延を防ぐことで、生産を安定化させることができる。
(3)上記マスク側及び処理基板側のアライメントマークM1の一方は、十字形状のマークであり、他方のアライメントマークは井桁形状のマークである。
これによって、マークを平行若しくは交叉する直線で構成することになって、簡易且つ確実にアライメントマークの中心などの基準位置の演算が可能となる。
(4)上記マスクと処理基板の間の隙間が、上記マスク側及び処理基板側の両方のアライメントが共に被写界深度に入る焦点位置が存在しない隙間となっている。
基板側及びマスク側のアライメントマークM2を撮像装置16で一度に写るように、設定しようとすると、目的とする露光ギャップよりも、位置合わせ時に一時期に小さくするような処理が必要となる。これに対し、本願実施形態の方式では、このような位置合わせのために、露光ギャップを一時的に変更する必要が無くなる。
そして、露光時のフォトマスク4と硝子基板2のギャップ量が広くなり、既存の方法ではアライメントマークができない300〜400μmの範囲においても、アライメントリトライ回数を一定の回数に保てるものである。
なお、本発明の露光装置は、マスクのアライメントマークと処理基板のアライメントマークとが被写界深度に入っている場合でも有効であり、アライメントのリトライ回数を一定に保てるものである。
ここで、実験してみたところ、本件の手法では100〜400μmからの範囲でアライメントリトライ回数を一定回数にできた。
1 露光装置
2 硝子基板(処理基板)
3 ステージ
4 フォトマスク
5 ステージ駆動装置
18 マスク保持部
16 撮像装置
16a 受光部
17 焦点調整手段
20 アライメントマーク制御部
20A 基準位置演算手段
20Aa 画像取得部
20Ab マスク用ピント設定部
20Ac マスク用マーク基準位置演算部
20Ad 基板用ピント設定部
20Ae 基板用マーク基準位置演算部
20B ステージ位置調整手段
M1 アライメントマーク
M2 アライメントマーク

Claims (5)

  1. アライメントマークを形成したマスクを保持するマスク保持部と、
    アライメントマークを形成した処理基板を、上記マスクに対し所定の隙間を持って対向した状態に保持するステージと、
    上記ステージを移動させるステージ移動手段と、
    上記アライメントマークを撮像する撮像装置と、
    上記撮像装置の受光軸の延びる方向に、上記アライメントマークを挟むように上記撮像装置と対向して配置され、且つ上記アライメントマーク及び上記撮像装置に向けて光を照射する照明装置と、
    マスク側のアライメントマークの画像が所定の鮮明度となる位置に撮像装置の焦点を調整した状態で取得した画像を画像処理して、マスク側のアライメントマークで特定される基準位置を演算するマスク側基準位置演算手段と、
    基板側のアライメントマークの画像が所定の鮮明度となる位置に撮像装置の焦点を調整した状態で取得した画像を画像処理して、基板側のアライメントマークで特定される基準位置を演算する基板側基準位置演算手段と、
    上記演算したマスク側の基準位置と処理基板側の基準位置とが一致若しくは予め設定した許容誤差内となるように、上記ステージ移動手段を介してステージの位置を調整するステージ位置調整手段と、を備え、
    上記所定の鮮明度となる位置への撮像装置の焦点の調整は、撮像装置が撮像する画像における実測して得たアライメントマークの幅が、予め設定した値若しくは範囲内となる位置に撮像装置の焦点を調整することで実施することを特徴とする露光装置。
  2. 上記ステージ位置調整手段は、マスク側の基準位置を基準として、マスク側の基準位置と処理基板側の基準位置とが一致若しくは予め設定した許容誤差内となるまで、上記基板側基準位置演算手段から処理基板側の基準位置を取得することを特徴とする請求項1に記載した露光装置。
  3. 上記マスク側及び処理基板側のアライメントマークの一方は、十字形状のマークであり、他方のアライメントマークは井桁形状のマークであり、上記実測して得たアライメントマークの幅は、所定の濃度値となった画素の数であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した露光装置。
  4. 上記マスクと処理基板の間の隙間が、上記マスク側及び処理基板側の両方のアライメントが共に被写界深度に入る焦点位置が存在しない隙間であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載した露光装置。
  5. マスクに形成したアライメントマーク及び処理基板に形成したアライメントマークを撮像装置で撮像することで取得した画像を画像処理しつつ、マスクに形成したアライメントマークで特定される基準位置と処理基板に形成したアライメントマークで特定される基準位置とが一致するように、マスクに対して処理基板を移動させることで当該マスクと処理基板との位置合わせをして露光を行う露光方法であって、
    上記撮像装置は、上記撮像装置の受光軸の延びる方向に、上記アライメントマークを挟むように上記撮像装置と対向して配置された照明装置から上記アライメントマーク及び上記撮像装置に向けて照射された光を上記撮像装置の受光部で受光することで、上記アライメントマークを撮像し、
    撮像装置が撮像した画像でのマスク側での実測して得たアライメントマークの幅が、予め設定した幅若しくは範囲内となるように撮像装置の焦点を調整した後に、マスク側のアライメントマークの画像を取得してマスク側の基準位置を演算し、
    撮像装置が撮像した画像での基板側での実測して得たアライメントマークの幅が、予め設定した幅若しくは範囲内となるように撮像装置の焦点を調整した後に、基板側のアライメントマークの画像を取得して基板側の基準位置を演算し、
    上記演算したマスク側の基準位置を基準として、マスク側の基準位置と処理基板側の基準位置とが一致若しくは予め設定した許容誤差内となるまで、上記処理基板側のアライメントマークの画像を取得して当該処理基板側の基準位置を演算する処理を繰り返すことを特徴とする露光方法。
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