JP5487733B2 - スイッチング素子一体型回転電機 - Google Patents

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Description

本発明は、スイッチング素子一体型回転電機に関する。
従来、アウタステータの外周にスイッチング素子を配置したスイッチング素子一体型回転電機が知られている(例えば特許文献1)。
特許第3559909号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されるスイッチング素子一体型回転電機では、スイッチング素子とコイルとを接続する配線が屈曲した経路で配索されているため、配線の抵抗による損失が大きくなってしまう虞があった。特に、スイッチング素子を複数備える構成では、配線を特定の経路に沿って配索すると、スイッチング素子のレイアウトによっては配線の長さがさらに長くなってしまう虞があった。
そこで、本発明は、複数のスイッチング素子のそれぞれとコイルとを電気的に接続する導電経路の抵抗による損失がより少ないスイッチング素子一体型回転電機を得ることを目的とする。
本発明は、回転軸の周りに略環状に配置されるステータと、前記ステータと対向する複数の永久磁石を有するロータと、を備えるスイッチング素子一体型回転電機であって、前記ステータは、前記回転軸の周方向に延在するヨークと、前記ヨークから前記回転軸の径方向内側に向けて突出する複数のティースと、前記複数のティースにそれぞれ巻回されるコイルとを有し、前記コイルは、並列に巻回される複数の配線より構成され、前記コイルの配線の端部は、前記コイルの側面上に突出させかつ前記回転軸の径方向にずらして配置し、前記コイルの配線の端部に接続する複数のスイッチング素子を備えることを特徴とする。
本発明によれば、コイルの側面上に複数のスイッチング素子をより効率よく配置することができるとともに、各スイッチング素子とコイルとを電気的に接続する導電経路をより短くすることができるため、当該導電経路における電気抵抗による損失をより少なくすることができる。
図1は、本発明の実施形態にかかるスイッチング素子一体型回転電機を含む回路の等価回路図である。 図2は、本発明の実施形態にかかるスイッチング素子一体型回転電機の一つの相に含まれる複数の並列なスイッチング素子および配線を示す回路図である。 図3は、本発明の第1実施形態にかかるスイッチング素子一体型回転電機の内部構成の一部を示す斜視図である。 図4は、本発明の第1実施形態にかかるスイッチング素子一体型回転電機に含まれるステータの一部を示す斜視図である。 図5は、本発明の第1実施形態にかかるスイッチング素子一体型回転電機に含まれるステータコアの一部およびコイルの分解斜視図である。 図6は、本発明の第2実施形態にかかるスイッチング素子一体型回転電機の内部構成の一部を示す斜視図である。 図7は、本発明の第3実施形態にかかるスイッチング素子一体型回転電機に含まれるステータの一部を示す斜視図である。 図8は、本発明の第4実施形態にかかるスイッチング素子一体型回転電機に含まれるステータコアの一部およびコイルの分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態には同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素に共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)図1に示すように、本実施形態にかかるスイッチング素子一体型回転電機1(以下、単に回転電機1と称する)は、U相のコイル6u、V相のコイル6v、およびW相のコイル6wを有する三相交流モータ2と、複数のスイッチング素子9up,9vp,9wp,9um,9vm,9wmによって構成されるインバータ3と、を一体に含んでいる。インバータ3は、配線10p,10mを介してバッテリ4およびコンデンサ5に接続されており、図示しない制御装置によって複数のスイッチング素子9up,9vp,9wp,9um,9vm,9wmのオンオフを制御され、各相の配線8u,8v,8wおよびコイル6u,6v,6wに対して、相互に位相差を有する所定波形の交流電力を出力する。各相のコイル6u,6v,6wは、中性点7で接続されている。
また、図2に示すように、本実施形態にかかる回転電機1では、各相に、スイッチング素子9up,9vp,9wp,9um,9vm,9wmを構成する複数のスイッチング素子90(正極側素子90pおよび負極側素子90m)、ならびに配線80が、並列に複数含まれており、各相のコイル6u,6v,6wには、複数本(本実施形態では2本)の配線(巻線)80が並列に巻かれている。
モータ2は、図3に示すように、回転軸Axの周りに略環状に配置されるアウタステータ(ステータ)2Sと、当該アウタステータ2Sの径方向内側に配置されて回転軸Ax周りに回転するインナロータ(ロータ)2Rと、を備えている。なお、図3では、説明の便宜上、アウタステータ2Sの一部を切り欠いてあるが、アウタステータ2Sは全周に亘って連続するものとして構成してもよいし、図3のように実際に一部を切り欠いた構成としてもよい。
インナロータ2Rは、図示しない永久磁石が埋め込まれた所謂IPM型のロータとして形成されている。なお、SPM型のロータとしてもよい。また、各図では、ケース、シャフト、軸受等は省略してある。
一方、アウタステータ2Sは、図3および図4に示すように、回転軸Axの周方向に沿って延在するヨーク20oと、ヨーク20oから回転軸Axの径方向内側に向けて突出する複数のティース20tと、当該ティース20tに巻回された配線80からなるコイル6と、を有しており、周方向に沿って一定のピッチで並ぶ複数の電磁石が形成されている。
また、本実施形態では、ヨーク20oとティース20tとからなるステータコアは、ティース20t毎(コイル6毎)に分割された分割体20を組み合わせて構成されている。ステータコアは、例えば積層鋼板によって構成することができる。また、コイル6は、ティース20tに配線80を巻回した所謂集中巻きの形態となっている。本実施形態では、コイル6は、ティース20tに配線80を巻回することで形成されているため、コイル6の軸方向Cとティース20tの突出方向とが同じになっている。
ここで、本実施形態では、コイル6を形成する巻線(配線80)の複数の端部80a,80bは、図3および図4に示すように、いずれも、コイル6から同一方向(本実施形態では回転軸Axに沿う方向)の一方側(図3および図4の上側)に引き出されている。
そして、一つのコイル6に対応する複数のスイッチング素子90を、コイル6の側面6a上で当該コイル6の軸方向Cにずらして配置してある。よって、コイル6の側面6a上に複数のスイッチング素子90をより効率よく配置して、これら複数のスイッチング素子90のそれぞれについて、コイル6との距離をより短く設定することができる。
さらに、本実施形態では、一つのコイル6に対応する複数のスイッチング素子90を、回転軸Axの周方向(ヨーク20oの延在方向)にもずらして配置してある。これにより、複数のスイッチング素子90による発熱位置が分散されて局所的な過熱を抑制しやすくなるという利点がある。
また、本実施形態では、スイッチング素子90が配置される側のコイル6の側面6aを、複数のコイル6について、回転軸Axと垂直な仮想平坦面P上に重なる平面状に形成し、複数(好適には全て)のスイッチング素子90について、スイッチング素子90と当該側面6aとの距離を同じにしてある。
さらに、複数のスイッチング素子90間には中性点7に相当する円環状のバスリング70を配置し、バスリング70のコイル6の側面6aからの距離を、スイッチング素子90のコイル6の側面6aからの距離とほぼ同じにしてある。
したがって、複数のスイッチング素子90ならびにバスリング70を図示しない共通の支持部材(例えば円環状の基板)上に取り付けることができるようになる。この場合、別個に取り付ける場合に比べて組立の手間が減る上、スイッチング素子90およびバスリング70と、配線80の端部80a,80bとの結線作業を、より容易に行うことができるようになる。
なお、図3および図4では、スイッチング素子90およびバスリング70をコイル6の側面6a上から離間させた状態で示しているが、スイッチング素子90およびバスリング70は、コイル6の側面6aにより近い位置に配置することが可能であるし、側面6a上に載置することも可能である。この際、スイッチング素子90の内部導体ならびにバスリング70と配線80の内部導体との間で絶縁が確保されるのは勿論である。また、コイル6の側面6a上に、上述した共通の支持部材を載置することも可能である。
スイッチング素子90は、本実施形態では、正極側素子90pと負極側素子90mとを一体化したものとして構成されている。なお、図3および図4では、バッテリ4およびコンデンサ5とスイッチング素子90とを電気的に接続する配線10p,10mや、スイッチング素子90のオンオフ制御用の配線は、省略してある。
また、スイッチング素子90は、ティース20tおよびそれに巻回されるコイル6毎に、そのコイル6に並列に巻回される配線80の数(本実施形態では2つ)ずつ設けられている。すなわち、スイッチング素子90の数は、本実施形態では、コイル6の数の2倍となっており、各分割体20のコイル6の側面6a上に、スイッチング素子90が2個ずつ載置されている。
このように、本実施形態では、多数の並列なスイッチング素子90によって、図1の等価回路に示すスイッチング素子9up,9vp,9wp,9um,9vm,9wmが構成されている。かかる構成により、各スイッチング素子90を小型化しかつ各配線80を細径化することが可能になるとともに、スイッチング素子90をオンオフするタイミングをわずかに適宜にずらすことで、サージを減殺することも可能となる。さらには、コンデンサ5の容量をより小さくすることも可能となる。
また、図5に示すように、コイル6は、当該コイル6の軸方向Cに沿って並べて配置された相互に並列な複数(本実施形態では二つ)の分割コイル6Dを有し、各分割コイル6Dに対応してスイッチング素子90を設けてある。そして、各分割コイル6Dの配線80の一方の端部80aをスイッチング素子90に電気的に接続し、他方の端部80bをバスリング70に電気的に接続してある。また、本実施形態では、二つの分割コイル6Dのバスリング70に接続される端部80b,80bを、コイル6の軸方向Cの中央部寄りに配置して回転軸Axの周方向に沿うように配置し、これら端部80bを円環状のバスリング70に接続しやすくしてある。
以上、説明したように、本実施形態では、複数のスイッチング素子90を、アウタステータ2Sのコイル6の側面6a上で、当該コイル6の軸方向Cにずらして配置した。これにより、コイル6の側面6a上に複数のスイッチング素子90をより効率よく配置することができるとともに、各スイッチング素子90とコイル6とを電気的に接続する導電経路をより短くすることができるため、当該導電経路における電気抵抗による損失をより少なくすることができる。
また、本実施形態では、コイル6の配線(巻線)80の端部80aをコイル6の側面6a上に突出させ、端部80aとスイッチング素子90とを結線した。よって、各スイッチング素子90とコイル6とを電気的に接続する導電経路としての配線80の端部80aをいずれも直線的により短く配索することができるため、当該導電経路における電気抵抗による損失をより少なくすることができる。
また、本実施形態では、複数の端部80a,80bを、コイル6から同一方向に引き出した。よって、端部80a,80bとスイッチング素子90やバスリング70との結線作業をコイル6の一方側で行うことができる分、作業性を高めることができる。
また、本実施形態では、コイル6が、当該コイル6の軸方向Cに沿って並べて配置された相互に並列な複数(本実施形態では2つ)の分割コイル6Dを有し、各分割コイル6Dの配線80の端部80aとスイッチング素子90とを結線した。よって、配線80の端部80aのコイル6からの引き出し位置とスイッチング素子90とを、軸方向Cにより近づけて配置することができ、配線80の端部80aの長さをより短くすることができる。
また、本実施形態では、複数のコイル6のスイッチング素子90側の側面6aを、一つの仮想平坦面P上に重なる平面状に形成した。よって、複数のスイッチング素子9やバスリング70を当該仮想平坦面Pに沿って配置しやすくなるため、当該仮想平坦面Pに沿う共通の支持部材(基板等)を用いるなどして、組み付けの手間を減らすことが可能となる。また、結線処理を行う位置が揃う分、作業性を高めることも可能となる。
また、本実施形態では、ティース20tおよびコイル6毎に形成される分割体20における、スイッチング素子90および配線80の端部80a,80bのスペック(ティース20tに対する相対位置、長さ等)を、複数(好適には全て)の分割体20について同じにしてある。よって、複数の電磁石間の磁力のばらつきを抑制することができ、インナロータ2Rの回転むらが生じるのを抑制することができる。なお、上記スペックは、電磁石の磁力低下が極力生じないように設定することが可能であるし、回転電機1の性能低下を極力避けるためにインナロータ2Rの構成を最適化することも可能である。
(第2実施形態)図6に示すように、本実施形態では、複数(本実施形態では4つ)のスイッチング素子90を、相互に隣接する二つのコイル6の境界部分に、回転軸Axの径方向に沿って並べて配置した。具体的には、境界部分の一方側のコイル6に繋がるスイッチング素子90と他方側のコイル6に繋がるスイッチング素子90とを交互に並べて配置するのが好適である。なお、図6では、バッテリ4およびコンデンサ5とスイッチング素子90とを電気的に接続する配線10p,10mや、スイッチング素子90のオンオフ制御用の配線、バスリング70は、省略してある。
本実施形態でも、上記第1実施形態と同様、コイル6の側面6a上に複数のスイッチング素子90をより効率よく配置することができるとともに、各スイッチング素子90とコイル6とを電気的に接続する導電経路をより短くすることができるため、当該導電経路における電気抵抗による損失をより少なくすることができる。
また、本実施形態では、相互に隣接する二つのコイル6に対応する複数のスイッチング素子90が集約して配置されるため、結線作業をより効率よく行えるようになるという利点がある。なお、複数のスイッチング素子90のレイアウトは図3、図6等には限定されず、種々に変形可能である。
(第3実施形態)図7に示すように、本実施形態では、コイル6の側面6a上に、基板91を設けた。かかる構成では、スイッチング素子90(図7には図示せず)を実装した基板91の導体部分(導体パターン等、図示せず)に配線80の端部80aを結線してもよいし、基板91に取り付けたスイッチング素子90に配線80の端部80aを結線してもよい。また、図7のように基板91をコイル6毎に分割するのではなく、複数のコイル6について共用してもよい。
本実施形態でも、上記第1および第2実施形態と同様、コイル6の側面6a上に複数のスイッチング素子90をより効率よく配置することができるとともに、各スイッチング素子90とコイル6とを電気的に接続する導電経路をより短くすることができるため、当該導電経路における電気抵抗による損失をより少なくすることができる。なお、基板91は、コイル6の側面6aにより近づけて配置することが可能であるし、側面6a上に載置することも可能である。
(第4実施形態)図8に示すように、本実施形態では、コイル6に対応する配線80の複数の端部80a,80bを、コイル6から相反する方向に引き出した。本実施形態では、コイル6に対して回転軸Axの軸方向の一方側(図8では上側)にスイッチング素子90(図8には図示せず)に繋がる配線80の端部80aを引き出し、他方側にバスリング70(図8には図示せず)に繋がる配線80の端部80bを引き出した。
かかる構成によれば、複数のスイッチング素子90やバスリング70を、コイル6の両側に配置することができるようになるため、スイッチング素子90やバスリング70のサイズが、コイル6の側面6aの広さに対して相対的に大きい場合にあっても、これらスイッチング素子90およびバスリング70を分散させてレイアウトしやすくなるという利点がある。
なお、スイッチング素子90に繋がる配線80の端部80aを、コイル6の両側(すなわち図8の上側と下側と)に分けて引き出してもよい。この場合は、複数のスイッチング素子90による発熱位置が分散されて局所的な過熱を抑制しやすくなるという利点がある。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず種々の変形が可能である。例えば、本発明は、アキシャルギャップ型の回転電機を含む構成としても実施することが可能である。また、スイッチング素子の並列数は2以外であってもよいし、スイッチング素子を複数のコイルで共用してもよい。また、コイル側面上でのスイッチング素子の姿勢や位置も、上記実施形態には限定されない。また、回転電機の細部の構成も、上記実施形態には限定されず、種々に変更して実施することができる。また、コイルは、導体が環状に周回したものであればよく、ティースに配線を直接巻回したものには限定されない。
1 スイッチング素子一体型回転電機
2R インナロータ(ロータ)
2S アウタステータ(ステータ)
6 コイル
6D 分割コイル
6a 側面
80 配線(巻線)
80a,80b 端部
90 スイッチング素子
Ax 回転軸
C 軸方向
P 仮想平坦面

Claims (5)

  1. 回転軸の周りに略環状に配置されるステータと、
    前記ステータと対向する複数の永久磁石を有するロータと、を備えるスイッチング素子一体型回転電機であって、
    前記ステータは、前記回転軸の周方向に延在するヨークと、前記ヨークから前記回転軸の径方向内側に向けて突出する複数のティースと、前記複数のティースにそれぞれ巻回されるコイルとを有し、
    前記コイルは、並列に巻回される複数の配線より構成され、
    前記コイルの配線の端部は、前記コイルの側面上に突出させかつ前記回転軸の径方向にずらして配置し、
    前記コイルの配線の端部に接続する複数のスイッチング素子を備えることを特徴とするスイッチング素子一体型回転電機。
  2. 前記コイルの巻線の端部を前記コイルの側面上に突出させ、当該端部と前記スイッチング素子とを結線したことを特徴とする請求項1に記載のスイッチング素子一体型回転電機。
  3. 複数の前記端部が、前記コイルから前記回転軸の軸方向に対し同一方向に引き出されていることを特徴とする請求項2に記載のスイッチング素子一体型回転電機。
  4. 複数の前記端部が、前記コイルから前記回転軸の軸方向に対し相反する方向に引き出されていることを特徴とする請求項2に記載のスイッチング素子一体型回転電機。
  5. 複数の前記コイルの前記スイッチング素子側の側面を一つの仮想平坦面上に重なる平面状に形成したことを特徴とする請求項1〜のうちいずれか一つに記載のスイッチング素子一体型回転電機。
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