JP5477071B2 - 湿潤時に潤滑性を有する医療用具 - Google Patents
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Description
まず、溶媒にウレタン系高分子を溶解させてウレタン系高分子溶液(ウレタン系高分子層形成用のコーティング溶液)を調製する。このとき、ウレタン系高分子の濃度は、1〜5w/v%程度とされることが望ましい。1w/v%未満の場合には、被膜の厚さが十分な厚さとならず、5w/v%を超えると、溶液の粘度が高くなりすぎて、均一な厚さの被膜を形成することが困難となるおそれがある。そして、かかるウレタン系高分子溶液に、造影剤13が含む樹脂層14が形成された医療用具(ここでは、ガイドワイヤ10)を浸漬することにより、樹脂層14の周りにウレタン系高分子層16が一体的に積層、形成される。浸漬操作は、通常、室温で1〜60秒間行われ、その後、室温で0.5〜2時間放置して被膜を乾燥させることが好ましい。
溶媒に無水マレイン酸系高分子を溶解させて無水マレイン酸系高分子溶液を調製する。このとき、無水マレイン酸系高分子の濃度が1〜5w/v%程度とされることが望ましい。1w/v%未満の場合には、被膜の厚さが十分な厚さとならず、5w/v%を超えると、溶液の粘度が高くなりすぎて、均一な厚さの被膜を形成することが困難となるおそれがある。
上記無水マレイン酸系高分子層18を設けた後、加熱処理を行って、架橋反応を促進させて各層間の結合力を高める。かかる加熱処理は、通常、30〜60℃、30〜60RHで、2〜4時間、行われる。
その後、医療用具を、室温で水に2〜4時間浸漬させて親水化処理を施し、30〜60℃で1〜3時間加熱することにより、乾燥させる。
(1)まず、医療用具として、Ni−Ti芯線の表面に、硫酸バリウムを造影剤として含有するポリウレタン層が予め形成されたガイドワイヤ(ジーマ製0.035inch,stiff)を準備し、その表面をエタノールで拭いた。
(2)THF溶媒に、ウレタン系高分子(ダウケミカル社製ペレセン2363−80AE)を溶解させて、3w/v%のウレタン系高分子溶液を調製した。
(3)このウレタン系高分子溶液に、1w/v%となるようにMDIを添加し、1分間撹拌して、ウレタン系高分子層用のコーティング溶液を調製した。
(4)調製後、直ちに、このコーティング溶液にガイドワイヤを1秒間浸漬し、室温で1時間乾燥させ、ウレタン系高分子層を形成した。
(5)次いで、THF溶媒に、MVE(ISP社製、ガントレッツAN−169をハーフモノエチルエステル化したもの。上記化学式(I)中、n=12681)を溶解させて、2.5w/v%のMVE溶液を調製した。
(6)このMVE溶液に、2.5w/v%となるようにMDIを添加し、1分間撹拌して、無水マレイン酸系高分子層用のコーティング溶液を調製した。
(7)調製後、直ちに、このコーティング溶液にウレタン系高分子層が形成されたガイドワイヤを1秒間浸漬し、室温で1分間乾燥させ、親水性被膜である無水マレイン酸系高分子層を積層した。
(8)その後、40℃、50%RHで4時間、加温加湿した。
(9)更に、室温の水に3時間浸漬した後、54℃で3時間加熱した。
(10)このようにして得られたガイドワイヤについて、後述する表面潤滑性試験を行い、得られた結果を、下記表1及び図3に示す。
ウレタン系高分子層用のコーティング溶液にMDIを添加せず、上記実施例1の(3)の工程を行わなかった以外は、実施例1と同様にした。
上記実施例1の(1)の工程において、ガイドワイヤとして、Ni−Ti芯線の表面に、タングステンを造影剤として含有するポリウレタン層が予め形成されたガイドワイヤ(ジーマ製0.035inch,stiff)を用い、上記実施例1の(2)の工程において、ウレタン系高分子として日本ミラクトラン社製のミラクトランE380を用い、上記実施例1の(6)及び(7)の工程において、MVE及びMDIの濃度をそれぞれ2w/v%とした以外は、実施例1と同様にした。
(1)医療用具として、Ni−Ti芯線の表面に、硫酸バリウムを造影剤として含有するポリウレタン層が予め形成されたガイドワイヤ(ジーマ製0.035inch,stiff)を準備し、その表面をエタノールで拭いた。
(2)THF溶媒に、MVE(ISP社製ガントレッツAN−169をハーフモノエチルエステル化したもの)を溶解させて、2.5w/v%のMVE溶液を調製した。
(3)このMVE溶液に、2.5w/v%となるようにMDIを添加し、1分間撹拌して、無水マレイン酸系高分子層用のコーティング溶液を調製した。
(4)調製後、直ちに、このコーティング溶液にウレタン系高分子層が形成されたガイドワイヤを1秒間浸漬し、室温で1分間乾燥させ、親水性被膜である無水マレイン酸系高分子層を積層した。
(5)その後、40℃、50%RHで4時間、加温加湿した。
(6)更に、室温の水に3時間浸漬した後、54℃で3時間加熱した。
(7)このようにして得られたガイドワイヤについて、後述する表面潤滑性試験を行い、得られた結果を、下記表1及び図3に示す。
上記比較例1の(3)の工程において、MDIの濃度を5w/v%とした以外は、比較例1と同様にした。
上記比較例1の(1)の工程において、ガイドワイヤとして、Ni−Ti芯線の表面に、タングステンを造影剤として含有するポリウレタン層が予め形成されたガイドワイヤ(ジーマ製0.035inch,stiff)を用い、上記比較例1の(3)の工程において、MDIの濃度を5w/v%とした以外は、比較例1と同様にした。
表面潤滑性試験は、図2に示される試験装置を用いて行った。図2中、Aは容器、Bは治具、Cは錘であり、引張試験機としてインストロン5565型を用いた。約15cmの長さにカットしたガイドワイヤを、生理食塩水で満たした容器Aの所定位置に配置し、その上部を引張試験機に固定した。次いで、治具B(表面はポリウレタン)に100gの錘Cを乗せ、ガイドワイヤに荷重をかけた。その後、引張試験機を用いて速度8mm/s、20mm幅で繰り返し上下させ、初期、摺動回数20回、40回、60回、80回及び100回後の摩擦抵抗をそれぞれ5回ずつ測定し、平均値と標準偏差を下記表1に示した。なお、摩擦抵抗値(gf)は、上昇時の応力と下降時の応力の和の2分の1とした。
12 芯線
13 造影剤
14 樹脂層
16 ウレタン系高分子層
18 無水マレイン酸系高分子層
Claims (5)
- 造影剤を含有する樹脂層が形成された医療用具の外周面上に、ウレタン系高分子とポリイソシアネートとを含有する溶液を用いて形成されているウレタン系高分子層が設けられ、
さらに該ウレタン系高分子層の外周面上に、無水マレイン酸系高分子とポリイソシアネートを含有する溶液をコーティングすることにより無水マレイン酸系高分子層が積層されていることを特徴とする湿潤時に潤滑性を有する医療用具。 - 前記無水マレイン酸系高分子が、メチルビニルエーテル無水マレイン酸共重合体ハーフエステル化物である請求項1記載の湿潤時に潤滑性を有する医療用具。
- 前記ポリイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネートである請求項1又は2の何れかに記載の湿潤時に潤滑性を有する医療用具。
- 前記造影剤を含有する樹脂層が、硫酸バリウムを含有するポリウレタン層である請求項1〜3記載の湿潤時に潤滑性を有する医療用具。
- ガイドワイヤまたはカテーテルである請求項1〜4の何れかに記載の湿潤時に潤滑性を有する医療用具。
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