JP5413945B2 - 積層型ラミネート非水電解質二次電池 - Google Patents

積層型ラミネート非水電解質二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解質二次電池に関し、特に積層型ラミネート非水電解質二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池は、小型機器用の電源として広く採用され、今日のモバイル機器の発展に大きく寄与している。また、近年では小型の携帯用電子機器用途以外にも、環境問題に対する配慮と省エネルギー化に対する意識の高まりから、電気自動車や電力貯蔵分野といった大容量で高い寿命特性と信頼性が要求される用途への需要が高まっている。
電池の寿命特性としては、特に繰り返し充放電に対する放電容量の劣化が少ないことが求められる。このようなサイクル特性は、従来の小型電子機器用途においては、例えば500サイクル後に初期容量の60〜70%程度の容量を保持していれば良いと考えられていた。しかしながら、上記した電気自動車や電力貯蔵といった用途のリチウムイオン二次電池では、数千サイクル以上での高い寿命特性が必要と考えられている。
一方、リチウムイオン二次電池では、充放電を繰り返すことによって電極内部で非水電解液が分解されることによって電解液不足が生じ、その結果として電池抵抗の増大や容量劣化などの特性劣化を生じることが指摘されている。この現象は液枯れと呼ばれており、充放電にともなう電極活物質層の体積膨張や、負極あるいは正極において電解液が還元分解や酸化分解を受ける結果、電解液が不足してセパレータ及び電極活物質層内部に電解液が十分に満たされない領域が生じる。そのような領域ではリチウムイオンの拡散が阻害されるため、抵抗が増大し、活物質へのリチウムイオンの挿入・脱離がスムーズに行えず容量劣化を引き起こすものと考えられる。特に、長寿命が要求されるリチウムイオン二次電池に対しては、このような液枯れによる特性劣化を抑えることが重要である。
液枯れの影響を抑制する方法としては、例えば電解液不足による特性劣化が生じないように予め十分な量の電解液をセル内に収容しておく方法が考えられる。
電池内の電解液は正極、負極、セパレータから成る発電要素体の空隙部分及び外装体と発電要素の間のデッドスペースに存在している。
円筒型または角型の電池においてはデッドスペースに電解液が多くあっても、外装体として硬く変形しにくい金属缶を用いているために電池として変形しづらいものになる。
一方で近年、正極と負極がセパレータを介して複数枚積層させ、それぞれの負極集電体同士および正極集電体同士を接続した積層型構造の場合、一般に外装体としては金属缶よりも質量が軽いアルミニウム等の金属箔層と樹脂層とが接合したラミネートフィルムが用いられている。ラミネートフィルムは金属缶に比べ強度が低いために多量の電解液を注液した場合にはデッドスペースにある電解液により電池として変形しやすいものになる。
以上よりラミネートフィルムを用いた電池においては液枯れを防止するために多量の電解液を注液しても変形し難くなる適切な手段を講じる必要があり、正極、負極、セパレータから成る発電要素体以外に電解液を保持するものを含む構造にするなどが考えられる。
特許文献1においては電解液を膨潤し吸収するテープを発電要素の最外周に固定することで漏液耐性を向上させ、サイクル特性を向上させることが記載されている。
特開2003−151634号公報
電解液を吸収する方法として上述のような手段を用いた場合、テープを発電要素に固定させるプロセスはテープの貼りずれ等の製造性に難があり、最外周部のテープと発電要素内部への電解液の拡散経路としてのパス構造の信頼性が低く、サイクル試験で電解液が消費された発電要素内部に、保液しているテープ部分から電解液を供給するのが効率的でない恐れがある。
この問題を解決するには、電解液の保液部分とセパレータとの接続を確実に行い、電解液の拡散経路としてのパス構造の信頼性を高めつつ、積層型ラミネート非水電解質二次電池を変形し難くする必要がある。
すなわち、本発明の技術的課題は、サイクル特性が向上し、変形し難い積層型ラミネート非水電解質二次電池を提供することにある。
本発明の積層型ラミネート非水電解質二次電池は、正極および負極がセパレータを介して交互に複数層積層され、最外層に多孔性シートを有する積層体をラミネートフィルムで外装した積層型ラミネート非水電解質二次電池において、前記セパレータは前記積層体の外周部から外部に突出した凸部を有し、前記凸部が前記多孔性シートと接触するとともに、前記セパレータの凸部同士が、前記積層体の側面で重なり合わないことを特徴とする。
本発明の積層型ラミネート非水電解質二次電池は、前記多孔性シートが電解液を保液することを特徴とする。
本発明の積層型ラミネート非水電解質二次電池は、前記多孔性シートと前記セパレータの凸部が前記多孔性シート上で接触していることを特徴とする。
本発明によれば、セパレータの凸部と多孔性シートとでパス構造を持たせることによりサイクル特性が向上し、変形し難い積層型ラミネート非水電解質二次電池が得られる。
本発明の実施の形態による積層型ラミネート非水電解質二次電池について以下に説明する。
(本発明における電池構成)
図3は、本発明の実施の形態の一例を示すセパレータの図である。セパレータの凸部1は、セパレータのうち負極とほぼ同じ大きさの四角形であるセパレータの電極絶縁部2以外の部分である。
図1は、本発明の実施例1の積層型ラミネート非水電解質二次電池の平面透視図である。正極集電体6およびリチウムイオンを吸蔵、放出し得る正極活物質を含有する正極活物質層と、負極集電体4およびリチウムイオンを吸蔵、放出し得る負極活物質を含有する負極活物質層が、セパレータの凸部1とセパレータの電極絶縁部を有するセパレータを介して対向して積層されて成る発電要素体と、その外部に多孔性シート5が積層されている。
アルミタブ7を正極集電体6に、ニッケルタブ9を負極集電体4に溶接し、タブと集電体および集電体同士が電気的に接続されるように一体化している。それぞれの折り返されたセパレータの凸部1は、テープ8で多孔性シート5と固定されている。発電要素体と電解液を2つに折ったアルミラミネートフィルムに収納し、外周3辺を熱溶着して熱溶着部10が形成され、積層型ラミネート電池が作製される。
多孔性シートと折り返されたセパレータの凸部がテープによって固定されることによりパス構造を有することができる。セパレータの凸部は、折り返すことによって多孔性シートに固定されるだけの長さがあればよい。各層のセパレータの凸部は、互いに重ならないようにずれているのが、電池が厚くなるのを防ぐ上で好ましい。
図2は、図1のA−A断面のうち、アルミラミネートフィルム以外を示す図である。各層のセパレータの凸部1が最外部にある多孔性シート5とテープ8により固定されており、各層のセパレータの電極絶縁部2がそれぞれ多孔性シート5とのパス構造を有している。
発電要素の上下にそれぞれ多孔性シートを配置する場合には、セパレータの凸部は近い側の多孔性シートとパス構造を持つのが特性上好ましい。
パス構造の作製手段としては、テープによる固定、一部熱圧着、一部圧着、一部超音波融着等が挙げられる。
発電要素を含む積層体は、リチウム塩を溶解した非水電解液とともにアルミラミネートフィルムに収容されて、積層型ラミネート電池が構成されている。
正極および負極がセパレータを介して積層されてなる発電要素体において、セパレータはセパレータの凸部を有しており、発電要素外にある多孔性シートとセパレータの凸部がパス構造を有することにより、多孔性シートに保液されている電解液が、二次電池の使用に伴い消費された発電要素内部に拡散していくことで、発電要素内部に電解液を供給するという特徴を有する。
(集電体)
正極集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金などを用いることができ、負極集電体としては銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンまたはこれらの合金を用いることができる。
(セパレータ)
セパレータとしては、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン、フッ素樹脂などの多孔性フィルムが用いられる。
(多孔性シート)
多孔性シートに用いられる材質は特に限定しないが、ポリオレフィン、ポリアミド樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、スルホン酸基含有樹脂、フッ素含有樹脂、セルロースなどを用いることができる。
(正極)
正極活物質としては、通常リチウム含有複合酸化物が用いられ、具体的にはLiMO2(MはMn、Fe、Co、Niより選ばれる1種のみ、または2種以上の混合物であり、一部をMg、Al、Tiなどその他カチオンで置換してもよい)、LiMn24など汎用の材料を用いることができる。また、LiFePO4で表されるオリビン型材料を用いることもできる。これらから選択された正極活物質と、カーボンブラックなどの導電助剤とを、ポリフッ化ビニリデン(以下PVdFと表記)などの結着剤とともにN−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと表記)などの溶剤中に分散混練し、このスラリーを用いてアルミニウム箔などの正極集電体に塗布装置によって塗布された後、溶媒を乾燥させるなどの方法により正極活物質層を得ることができる。例えば、この塗布を正極集電体の両面に対して行うことによって、両面に正極活物質層が形成された正極を得ることができる。得られた正極は、プレスすることにより圧縮して適当な密度に調整する。
(負極)
負極活物質としては、黒鉛、非晶質炭素などの炭素材料、あるいはLi金属、Si、Sn、Al、などのLiと合金を形成する材料、Si酸化物、SiとSi以外の多金属元素を含むSi複合酸化物、Sn酸化物、SnとSn以外の多金属元素を含むSn複合酸化物、Li4Ti512などを単独または混合して用いることができる。これらから選択された負極活物質と、必要に応じて導電助剤とを、PVdFなどの結着剤とともにNMPなどの溶剤中に分散混練したスラリー、および銅箔などの負極集電体を用いて、正極と同様な方法にて負極集電体両面に負極活物質層を形成した負極を得ることができる。
導電助剤としては、カーボンブラック、アセチレンブラックなどの炭素質粉末を用いることができる。
結着剤としては、PVdFやポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂などを用いることができる。
(電解液)
電解液は、電解質が溶解された非水溶媒を用いることができる。電解質は、リチウムイオン二次電池の場合にはリチウム塩を用い、これを非水溶媒中に溶解させる。リチウム塩としては、リチウムイミド塩、LiPF6、LiAsF6、LiAlCl4、LiClO4、LiBF4、LiSbF6などが挙げられる。この中でも特にLiPF6、LiBF4が好ましい。リチウムイミド塩としてはLiN(CkFn2k+1SO2)(Cm2m+1SO2)(k、mはそれぞれ独立して1または2である)が挙げられる。これらは単独で、または複数種を組み合わせて用いることができる。
また非水溶媒としては、環状カーボネート類、鎖状カーボネート類、脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ラクトン類、環状エーテル類、鎖状エーテル類およびそれらのフッ化誘導体の有機溶媒から選ばれた少なくとも1種類の有機溶媒を用いる。より具体的には、環状カーボネート類:プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、およびこれらの誘導体、鎖状カーボネート類:ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)、およびこれらの誘導体、脂肪族カルボン酸エステル類:ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル、およびこれらの誘導体、γ−ラクトン類:γ−ブチロラクトン、およびこれらの誘導体、環状エーテル類:テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、鎖状エーテル類:1、2−エトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)、ジエチルエーテル、およびこれらの誘導体、その他:ジメチルスルホキシド、1、3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1、3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1、3−プロパンスルトン、アニソール、N−メチルピロリドン、フッ素化カルボン酸エステル、これらを1種または2種以上を混合して使用することができる。
さらに電解液添加剤として、一般的な、例えば、ビニレンカーボネート(VC)などを用いることも可能である。
以下に、本発明の実施例を詳述する。本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(負極の作製)
負極活物質として平均粒径30μmの人造黒鉛粉末と、結着剤としてPVdFとを重量比95:5でNMP中に均一に分散混練させてスラリーを作製した。このスラリーを負極集電体となる厚み10μmの銅箔上に塗布後、125℃にて10分間NMPを蒸発させることにより負極活物質層を形成した。同様にもう一方の面に負極活物質層を形成して、プレスすることにより両面に活物質層を備えた負極を作製した。負極集電体を除いた厚みは135μm、活物質層の空孔率は30%となるように電極密度を調整した。
(正極の作製)
正極活物質として平均粒径10μmのLiMn24粉末と、結着剤としてPVdFと、導電助剤としてカーボンブラックとを重量比92:4:4でNMP中に均一に分散混練させてスラリーを作製した。そのスラリーを正極集電体となる厚み20μmのアルミ箔上に塗布後、125℃にて10分間NMPを蒸発させることにより正極活物質層を形成した。同様に、もう一方の面にも正極活物質層を形成し、プレスすることにより両面に活物質層を備えた正極を作製した。正極集電体を除いた厚みは245μm、活物質層の空孔率は30%となるように電極密度を調整した。
電解液は、溶媒としてエチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=30:70(体積%)に、電解質として1mol/LのLiPF6を溶解したものを用いた。セパレータはポリエチレンおよびポリプロピレンからなる厚み25μm、空孔率40%のものを用いた。
(電極の切り出し)
上記のように作製した負極を30mm×14mmの負極活物質層とその短辺部に5mm×5mmの負極活物質層未塗布部が延出した形状に切り出した。同様に、上記のように作製した正極を28mm×13mmの正極活物質層と5mm×5mmの正極活物質層未塗布部が延出した形状に切り出した。
(セパレータの切り出し)
セパレータは32mm×16mm及びセパレータの凸部としてセパレータの長辺部分に4mm×3mmの形状に切り出した。セパレータは全部で10枚使用し、そのうち5枚は積層したときに各層のセパレータの凸部が重ならないようにセパレータの一方の長辺部分の端から2mm、8mm、14mm、20mm、26mmのところで切り出した。残りの5枚は、セパレータのもう一方の長辺部分の端から2mm、8mm、14mm、20mm、26mmのところで切り出した。
(多孔性シートの切り出し)
多孔性シートはポリエチレンからなる厚み270μm、空孔率55%のものを32mm×16mmの形状に切り出した。
(ラミネート型電池の作製)
図4は、本発明のセパレータの凸部同士が、積層体の側面で重なり合わない発電要素の平面図である。負極、正極、セパレータ、多孔性シート5をそれぞれ6枚、5枚、10枚、2枚用意し、積層体の上下最外層には多孔性シート5を1枚ずつ配置し、多孔性シート5を除く最外周が負極となるように、負極と正極を、セパレータを介して順次積層した(多孔性シート5/セパレータ/負極/セパレータ/正極/セパレータ/・・・/セパレータ/正極/セパレータ/負極/セパレータ/多孔性シート5、という順番)。その際、セパレータの凸部1は、左右に各5枚を配置し重ならないように積層した。また、正極集電体6同士と負極集電体4同士が重なるようにして、両極の活物質層未塗布部は積層体の左右に位置するように配置した。これらの作業は、負極集電体4の形状、正極集電体6の形状およびセパレータの形状に掘られた冶具を用いて、各積層物の位置を決めながら積層を行った。セパレータの凸部1は、上下に5枚ずつ折り返し、多孔性シート5とセパレータの凸部1を厚さ15μmのPPSテープ(ポリフェニレンサルファイドテープ)にて固定した。
幅5mm、長さ20mm、厚み0.1mmのアルミ製のシーラントつきのタブを正極集電体に、同サイズのニッケル製のシーラントつきのタブを負極集電体に、タブと集電体および集電体同士が電気的に接続されるように超音波溶接を行って一体化した。次に、電池外装体として厚み125μmの70mm×70mmのポリプロピレンとアルミ箔からなるアルミラミネートフィルムを2つに折り、積層体を収納し、電解液を注入する1辺を除く辺は熱溶着により接着した。セパレータの凸部を除く各積層物の体積に、その空孔率を乗じることにより求めた積層体の総空孔体積と同量の電解液を注液して減圧下にて含浸させた後、開口部を熱溶着することで、積層型ラミネート電池を作製した。
(積層型ラミネート電池のコンディショニング)
この電池のコンディショニングは、20℃一定の恒温槽中で1サイクル目に0.2C、4.2V定電流定電圧で10時間充電した後、0.2C定電流で3.0Vの定電位まで放電とした。
(電池厚みの測定方法)
コンディショニング後の電池厚最大部をノギスにより測定した。
(サイクル試験の測定方法)
電池厚最大部を測定後に60℃一定の恒温槽中で1C、4.2V定電流定電圧で2.5時間充電した後、1C定電流で3.0Vの定電位まで放電することを1サイクルとして、これを500サイクル行った。1サイクルの放電容量を基準として500サイクル後の放電容量をサイクル後容量維持率とし、サイクル後容量維持率を測定した。
(実施例2)
図5は、本発明のセパレータの凸部同士が、積層体の側面で重なり合う発電要素の平面図である。積層方法は、図4による積層と同じ方法で行った。その際セパレータの凸部1は、左右に各5枚を配置し、それぞれ重なるように積層した。図6は、本発明の実施例2の積層型ラミネート非水電解質二次電池の平面透視図である。セパレータの凸部が他のセパレータの凸部と重なっている以外は実施例1と同様にして積層型ラミネート電池を作製した。
コンディショニング後の電池厚最大部を測定するとともに、サイクル後容量維持率を測定した。
(比較例1)
図7は、比較例1の積層型ラミネート非水電解質二次電池の平面透視図である。発電要素の積層方法は、図4による積層と同じ方法で行った。図8は、図7のB−B断面のうち、アルミラミネートフィルム以外を示す図である。多孔性シート5とセパレータがパス構造を持たず、セパレータの凸部がない以外は実施例1と同様にして積層型ラミネート電池を作製した。
コンディショニング後の電池厚最大部を測定するとともに、サイクル後容量維持率を測定した。
(比較例2)
図9は、比較例2の積層型ラミネート非水電解質二次電池の平面透視図である。図10は、図9のC−Cの断面のうち、アルミラミネートフィルム以外を示す図である。セパレータの凸部がなく、1枚のセパレータの電極絶縁部2として32mm×160mmの形状で打ち抜き、そのセパレータの電極絶縁部2をつづら状に折り、セパレータの電極絶縁部2の上下部分が多孔性シート5とそれぞれ接する以外は実施例1と同様にして積層型ラミネート電池を作製した。
コンディショニング後の電池厚最大部を測定するとともに、サイクル後容量維持率を測定した。
Figure 0005413945
表1に、実施例1〜2、比較例1〜2の電池厚み、およびサイクル後容量維持率を示す。
実施例1〜2と比較例1のサイクル後容量維持率の結果より、多孔性シートとセパレータの凸部がパス構造を有することでサイクル後容量維持率が向上することが確認できた。また、実施例1〜2と比較例2のサイクル後容量維持率の結果より、多孔性シートが各層のセパレータの凸部とパス構造を有する方が、多孔性シートがセパレータの電極絶縁部の上下部分とパス構造を有するよりもサイクル後容量維持率が良好であることが確認できた。さらに実施例1と実施例2を比較すると、実施例2ではセパレータの凸部が重なることで電池厚みは厚くなるが、サイクル後容量維持率は大差なく良好であることが確認できた。
本発明の積層型ラミネート電池は、多孔性シートに電解液が保液され、それが二次電池の使用に伴い消費された発電要素内部に拡散していくことで、発電要素内部に電解液を供給する構造であることから、サイクル後容量維持率が向上することが確認できた。また電解液を保液するのが多孔性シートであることから、電解液が消費され、発電要素内部に拡散しても変形し難い電池であることが確認できた。
実施例の結果を総合して考慮すれば、セパレータの凸部と多孔性シートとでパス構造を持たせることによりサイクル特性が向上し、変形し難い積層型ラミネート非水電解質二次電池が得られることがわかった。
以上、実施例を用いて、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
本発明の実施例1の積層型ラミネート非水電解質二次電池の平面透視図。 図1のA−A断面のうち、アルミラミネートフィルム以外を示す図。 本発明の実施の形態の一例を示すセパレータの図。 本発明のセパレータの凸部同士が、積層体の側面で重なり合わない発電要素の平面図。 本発明のセパレータの凸部同士が、積層体の側面で重なり合う発電要素の平面図。 本発明の実施例2の積層型ラミネート非水電解質二次電池の平面透視図。 比較例1の積層型ラミネート非水電解質二次電池の平面透視図。 図7のB−B断面のうち、アルミラミネートフィルム以外を示す図。 比較例2の積層型ラミネート非水電解質二次電池の平面透視図。 図9のC−Cの断面のうち、アルミラミネートフィルム以外を示す図。
符号の説明
1 セパレータの凸部
2 セパレータの電極絶縁部
3 負極
4 負極集電体
5 多孔性シート
6 正極集電体
7 アルミタブ
8 テープ
9 ニッケルタブ
10 熱溶着部
11 正極

Claims (3)

  1. 正極および負極がセパレータを介して交互に複数層積層され、最外層に多孔性シートを有する積層体をラミネートフィルムで外装した積層型ラミネート非水電解質二次電池において、前記セパレータは前記積層体の外周部から外部に突出した凸部を有し、前記凸部が前記多孔性シートと接触するとともに、前記セパレータの凸部同士が、前記積層体の側面で重なり合わないことを特徴とする積層型ラミネート非水電解質二次電池。
  2. 前記多孔性シートが電解液を保液することを特徴とする請求項1に記載の積層型ラミネート非水電解質二次電池。
  3. 前記多孔性シートと前記セパレータの凸部が前記多孔性シート上で接触していることを特徴とする請求項1または2に記載の積層型ラミネート非水電解質二次電池。
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