JP5398512B2 - アキシャルギャップ型永久磁石モータ、それに用いるロータ、及びそのロータの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)すなわち、回転軸に平行な方向でステータとロータとがギャップを介して対向配置されるアキシャルギャップ型永久磁石モータに用いるロータにおいて、
回転軸方向に着磁され且つ回転軸の周方向に沿って配置されて界磁磁極を構成する複数の永久磁石と、
前記各永久磁石における少なくともステータ対向面を覆うように設けられて前記永久磁石と相まって永久磁石・磁性体の複合部品を形成する複数の磁性体と、
少なくとも前記磁性体のステータ対向面を露出面として残して、前記永久磁石・磁性体の複合部品の周囲を覆うようにモールド成形されている円板形の非磁性モールド成形体と、を備え、
前記非磁性モールド成形体のモールド成形によって、前記永久磁石・磁性体の複合部品と前記非磁性モールド成形体とが一体化され、
前記各永久磁石の前記ステータ対向面の全面が前記磁性体によって覆われ、かつ前記各永久磁石の周囲は前記磁性体によって覆われないことを特徴とする。
(2)そして、上記基本的構成をなす発明には、次のようなロータ部材間結合強度をさらに高める構造も提案する。
(3)さらに、コギングトルク防止構造を提案する。
(4)さらに、本願発明のロータとして、前記永久磁石と前記磁性体と前記非磁性モールド成形体とは、いずれも材料が粉体で圧縮成形により一体化されているロータ構造を提案する。
(5)さらに、前記非磁性モールド成形体を、熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂として、前記永久磁石・磁性体の複合部品を該樹脂にインサートしたインサート成形体により構成したものも提案する。
(6)さらに、上記のロータについて、次のような製造方法を提案する。
前記磁石粉末、前記圧粉磁心材料粉末、前記非磁性粉末を、それぞれ別個に本成形よりも小さな圧力で圧縮成形することで前記永久磁石、前記磁性体、及び前記非磁性モールド成形体を別々に仮成形する工程と、
仮成形された前記永久磁石を前記磁性体に嵌め込む或いは積層し且つこれらの永久磁石及び磁性体を仮成形された非磁性モールド成形体共に、圧縮成形により本成形する工程と、を有することを特徴とする。
(I)上記(1)の基本的構成を有する発明によれば、永久磁石と磁性体が非磁性モールド成形体のモールド成形による圧着力により一体化されるので、モールドによる接着力(接着強度)が向上する。したがって、アキシャルギャップ型永久磁石モータにおいて、ロータの回転時の強度を保ちつつ、磁石の磁界によるマグネットトルクおよび磁性体によるリラクタンストルクを有効に活用することで、しかも磁石間の磁束損失を抑制し効率的な駆動を行うことが可能な構造を提供できる。
(II)上記(2)の構成によれば、磁性体が非磁性モールド成形体に食い込む或いは非磁性モールド成形体が磁性体に食い込むアンカー効果、或いは磁性体と非磁性モールド成形体との接触面積が大きく、ロータ部材間の接着力を高めることができる。
(III)上記(3)の構成によれば、誘起電圧波形のひずみが低減されコギングトルクが低減する。
(IV)上記(4)(5)の構成によれば、ロータ部材間の接着強度をより一層高めることができる。特に、本願発明のような一体化モールド構造は、ロータを永久磁石、圧粉磁心、積層鋼板、固定枠などを個別に作成して、これらの部材を組立てて製造する方式よりも、各々の部材間の密着性(圧着強度)を高めることが可能になる。ちなみに、従来技術において、永久磁石と圧粉磁心を金型成形で一体化する方法も開示されているが、その他の部材間の接着強度を保つための構造は、開示されていない。
(V)上記(6)の製造方法によれば、ロータ要素を一体成形可能であるので、ロータの製造法の簡略化を図ることができる。
(モータ構造)
図1は、第1実施例のアキシャルギャップ型永久磁石モータの一例を示す縦断面図である。本例のアキシャルギャップ型永久磁石モータ10は、回転軸となるロータ軸11と、ロータ軸11に固定された円板形状のロータ20と、ロータ軸方向に平行な方向でギャップGを介して対向配置されるステータ30と、ロータ軸11をラジアル軸受け(図示省略)を介して支持し且つステータ30及びロータ20を覆いステータ30を固定保持するモータケーシング19から構成されている。
(ロータ構造)
図2(a)は、本実施例のロータの第1例に係るロータ構造を示す縦断面図であり、図2(b)はそのロータを下方から見た平面図である。
(ロータ製造について)
次に本実施例に係るロータの製造方法の一例について説明する。
(効果)
本実施例によるアキシャルギャップ型永久磁石モータによれば、次のような動作および効果が得られる。
(ロータの他の実施形態)
図5(a)及び図5(b)は、本実施例におけるロータ構造の他の例を示す図である。図5(a)は、ロータの縦断面図であり、図5(b)はロータを下方から見た図である。
(モータ構造)
図8は、本実施例に係るアキシャルギャップ型永久磁石モータの一例を示す縦断面図である。本アキシャルギャップ型永久磁石モータ10´は、ロータ軸11と、ロータ軸方向に平行な方向に対向配置された一対のステータ30´と、ロータ軸11に固定され且つステータ30´間にギャップGを介して配置される円板形のロータ20´と、ロータ20´およびステータ30´を覆うモータケーシング19とからなる。ステータ30´は、ケーシング19に固定保持され、ロータ軸11は、図示されない軸受を介してケーシング19に回転自在に保持される。
(ロータ構造)
図9(a)は、本実施例のロータの第1例に係るロータ構造を示す縦断面図であり、図9(b)はそのロータを下方から見た平面図である。
(ロータ製造について)
図10(a)及び図10(b)は、実施例2のロータ構造の製造方法の一例を示す図であり、永久磁石13及び磁性体14からなる複合部品の本成形工程の前後の状態について示している。この本成形に先立って、図示していないが、永久磁石13および磁性体14は、それぞれ粉体材料により別々に仮成形される。この仮成形は、先の実施例で既述のように、ダイスと上パンチおよび下パンチを用いて本成形圧力よりも低い圧力で行われる圧縮成形である。
(効果)
本実施例の構造によれば、一対のステータ間にロータを配置したアキシャルギャップ型永久磁石モータであっても、既述した実施例1同様の効果を得ることができる。
(ロータの他の実施形態)
図12(a)及び12(b)は、本実施例におけるロータ構造の他の例を示す図である。図12(a)は、ロータの縦断面図であり、図12(b)はロータを下方から見た図である。
Claims (13)
- 回転軸に平行な方向でステータとロータとがギャップを介して対向配置されるアキシャルギャップ型永久磁石モータに用いるロータにおいて、
回転軸方向に着磁され且つ回転軸の周方向に沿って配置されて界磁磁極を構成する複数の永久磁石と、
前記各永久磁石における少なくともステータ対向面を覆うように設けられて前記永久磁石と相まって永久磁石・磁性体の複合部品を形成する複数の磁性体と、
少なくとも前記磁性体のステータ対向面を露出面として残して、前記永久磁石・磁性体の複合部品の周囲を覆うようにモールド成形されている円板形の非磁性モールド成形体と、を備え、
前記非磁性モールド成形体のモールド成形によって、前記永久磁石・磁性体の複合部品と前記非磁性モールド成形体とが一体化され、
前記各永久磁石の前記ステータ対向面の全面が前記磁性体によって覆われ、かつ前記各永久磁石の周囲は前記磁性体によって覆われないことを特徴とするアキシャルギャップ型永久磁石モータ用のロータ。 - 前記磁性体の側面には、前記非磁性モールド成形体に食い込む凸部及び前記非磁性モールド成形体の一部が食い込む凹部の少なくとも一つが設けられている請求項1記載のアキシャルギャップ型永久磁石モータ用のロータ。
- 前記磁性体は、露出面である前記ステータ対向面側からその反対側に向けて断面が階段状或いは連続的に末広がりになる側面を有している請求項1記載のアキシャルギャップ型永久磁石モータ用のロータ。
- 前記磁性体の前記ステータ対向面が前記ステータ側に向けた凸面をなしている請求項1ないし3のいずれか1項記載のアキシャルギャップ型永久磁石モータ用のロータ。
- 前記磁性体は、圧粉磁心により構成されている請求項1ないし4のいずれか1項記載のアキシャルギャップ型永久磁石モータ用のロータ。
- 前記磁性体及び前記永久磁石は、材料が粉体よりなり、それらの材料が圧縮成形されて前記磁性体と前記永久磁石とが一体に積層され或いは前記磁性体が前記永久磁石を全体的に覆っている請求項1ないし4のいずれか1項記載のアキシャルギャップ型永久磁石モータ用のロータ。
- 前記非磁性モールド成形体は、合成樹脂又はセラミックで構成されている請求項1ないし6のいずれか1項記載のアキシャルギャップ型永久磁石モータ用のロータ。
- 前記永久磁石と前記磁性体と前記非磁性モールド成形体とは、いずれも材料が粉体で圧縮成形により一体化されている請求項1ないし6のいずれか1項記載のアキシャルギャップ型永久磁石モータ用のロータ。
- 前記非磁性モールド成形体は、熱可塑性樹脂或いは熱硬化性樹脂であり、前記永久磁石・磁性体の複合部品を前記樹脂にインサートしたインサート成形体により構成されている請求項1ないし6のいずれか1記載のアキシャルギャップ型永久磁石モータ用のロータ。
- 回転軸に平行な方向でステータとロータとがギャップを介して対向配置されるアキシャルギャップ型永久磁石モータにおいて、前記ロータが請求項1ないし9のいずれか1項記載のロータよりなるアキシャルギャップ型永久磁石モータ。
- 前記ロータは、前記回転軸方向と平行な方向に対向配置された一対のロータで、このロータ間にギャップを介して前記ステータが配置されている請求項10記載のアキシャルギャップ型永久磁石モータ。
- 前記ステータは、前記回転軸方向と平行な方向に対向配置された一対のステータで、このステータ間にギャップを介して前記ロータが配置されている請求項10記載のアキシャルギャップ型永久磁石モータ。
- 請求項1記載のアキシャルギャップ型永久磁石モータに使用するロータの製造方法において、
前記永久磁石の材料が磁石粉末、前記磁性体の材料が圧粉磁心材料となる粉末、前記非磁性モールド成形体の材料が樹脂或いはセラミックの非磁性粉末とし、
前記磁石粉末、前記圧粉磁心材料粉末、前記非磁性粉末を、それぞれ別個に本成形よりも小さな圧力で圧縮成形することで前記永久磁石、前記磁性体、及び前記非磁性モールド成形体を別々に仮成形する工程と、
仮成形された前記永久磁石を前記磁性体に嵌め込む或いは積層し且つこれらの永久磁石及び磁性体を仮成形された非磁性モールド成形体共に、圧縮成形により本成形する工程と、を有することを特徴とするアキシャルギャップ型永久磁石モータ用のロータ製造方法。
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