JP5317688B2 - 捲回型蓄電源およびその製造方法 - Google Patents
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Description
そして、リチウムイオンを吸蔵、脱離し得る炭素材料等に予めリチウムイオンをドーピングさせた負極は、上述のように、電気二重層キャパシタに用いられる活性炭よりも電位が卑となるため、正極活性炭と組み合わせたセルの耐電圧が向上し、また、負極の容量が活性炭に比較して極めて大きいため、当該負極を備えた捲回型蓄電源によれば、高いエネルギー密度が得られる。
また、特許文献3に記載の捲回型蓄電源においては、電極捲回ユニットを組み立てた後、その内周面および外周面にリチウムイオン供給源が配置されるため、製造工程が煩雑であり、これによっても、高い生産性が得られない、という問題がある。
この電極捲回ユニットの最外周部分の内周面および最内周部分の内周面に設けられたリチウムイオン供給源、および、
リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液よりなる電解液を備えてなり、
前記負極および/または前記正極と前記リチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、リチウムイオンが当該負極および/または当該正極にドーピングされる捲回型蓄電源であって、
前記電極捲回ユニットにおける電極積重体が、前記セパレータの一端側部分に、負極が配置される面とは反対の面に、電極捲回ユニットの最内周部分における内周面に設けられるリチウムイオン供給源が配置されたものであり、
前記リチウムイオン供給源が設けられた前記電極捲回ユニットの最外周部分の内周面および最内周部分の内周面における当該リチウムイオン供給源に覆われていない領域の割合が、それぞれ10〜70%であることを特徴とする。
また、リチウムイオン供給源は、金属製集電体に圧着または積重されていることが好ましく、このリチウムイオン供給源が圧着または積重された金属製集電体は多孔箔よりなることが更に好ましい。
また、電極捲回ユニットは、正極の最外周部分がセパレータを介して負極の最外周部分に覆われ、更に、当該負極の最外周部分がセパレータの最外周部分に覆われており、当該セパレータの最外周部分における内周面にリチウムイオン供給源が設けられていることが好ましい。
また、予めセパレータにリチウムイオン供給源を配置した状態で電極積重体が捲回されることによって、電極捲回ユニットの作製とリチウムイオン供給源の配置とを同一の工程で行うことができるため、一層高い生産性が得られる。
図1は、本発明に係る捲回型LICの一例における構成を示す説明用断面図である。
この捲回型LICにおいては、外装容器20内に電極捲回ユニット10が設けられている。この電極捲回ユニット10は、図2に示すように、第1のセパレータ13の一面に、負極12、第2のセパレータ14および正極11がこの順で積重されてなる電極積重体10Aが、その一端から芯棒19に円筒状に捲回されて構成されている。ここで、正極11および負極12は、後述するそれぞれの電極層が第2のセパレータ14を介して互いに対向するよう配置されている。図示の例では、電極積重体10Aは第1のセパレータ13が内側となるよう捲回されており、これにより、電極捲回ユニット10全体の最内周部分が第1のセパレータ13の最内周部分13aとされている。また、負極12は、正極11よりも長尺であって、正極11の最外周部分が負極12の最外周部分に捲回されて覆われており、更に、第1のセパレータ13および第2のセパレータ14は、負極12よりも長尺であって、負極12の最外周部分が、第1のセパレータ13の最外周部分および第2のセパレータ14の最外周部分14aにこの順で捲回されて覆われており、これにより、電極捲回ユニット10全体の最外周部分が第2のセパレータ14の最外周部分14aとされている。
本発明において、「正極」とは、放電の際に電流が流出し、充電の際に電流が流入する側の極を意味し、「負極」とは、放電の際に電流が流入し、充電の際に電流が流出する側の極を意味する。
また、この例の捲回型LICにおいては、図3に示すように、電極捲回ユニット10が、テープ25よって捲かられることにより固定されており、これにより、電極捲回ユニット10を外装容器20内に収容する作業が容易となり、捲回型LICの組立て作業性が向上する。また、電極捲回ユニット10の両端には、それぞれ正極11および負極12に電気的に接続された正極端子17および負極端子18が引き出されている。
そして、外装容器20内には、リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液よりなる電解液が充填されている。
この非占有領域Rの割合が10%未満である場合には、電解液の浸透に長い時間を要するため、結局、リチウムイオンが負極12の電極層12a全体に均一にドーピングされるまでに長い時間が必要となるので好ましくない。一方、この非占有領域Rの割合が70%を超える場合には、正極11および/または負極12に対向するリチウムイオン供給源15,16の面積が小さいため、プレドープが完了するまでに長い時間を要するので好ましくない。
また、非占有領域Rは電極捲回ユニット10の最外周部分および/または最内周部分の内周面全域にわたって均一に分布していることが好ましい。例えば、面積の小さい1つのリチウムイオン供給源を用いるのではなく、複数の小さい面積のリチウムイオン供給源を互いに離間して配置することにより、所定の面積の非占有領域Rを確保することが、電解液の流通経路を広く確保できることから好適である。また、パンチング等により多孔化したリチウムイオン供給源を用いる場合には、1つのリチウムイオン供給源によって所定の面積の非占有領域を確保できることから、更に好適である。
図4は、電極捲回ユニットにおける電極を展開した状態で示す説明用平面図であり、図5は、図4に示す電極のA−A断面を拡大して示す説明図である。
この例の負極12(正極11)は、帯状の負極集電体12a(正極集電体11a)の一面(図5において上面)に、下地層12c(11c)を介して負極活物質または正極活物質を含有してなる電極層12b(11b)が形成されてなり、負極集電体12a(正極集電体11a)の他面には、負極端子18(正極端子17)が例えばステッチングまたはコールドウェルディングによって固定されて接続されている。
電極として、負極集電体12aまたは正極集電体11aの両面に電極層12bまたは電極層11bが形成されてなるものを用いる場合には、電極層12bまたは電極層11bを部分的に負極集電体12aまたは正極集電体11aから剥離して、当該負極集電体12aまたは当該正極集電体11aに負極端子18または正極端子17を接続することができる。
ここで、負極端子18および正極端子17は、電極捲回ユニット10の両端から別々に引き出されていても、一方の端部から引き出されていてもよい。また、負極端子18および正極端子17は、それぞれ1つ設けられていればよいが、それぞれ複数設けられることが、内部抵抗が低下するため好ましい。
電極集電体の孔Pの形状は、円形、矩形、その他適宜の形状に設定することができる。また、電極集電体の厚みは、強度および軽量化の観点から、20〜50μmであることが好ましい。
電極集電体の気孔率は、通常、10〜79%、好ましくは20〜60%である。ここで、気孔率は、[1−(電極集電体の質量/電極集電体の真比重)/(電極集電体の見かけ体積)]×100によって算出されるものである。
電極集電体の材質としては、一般に有機電解質電池などの用途で使用されている種々のものを用いることができる。負極集電体12aの材質の具体例としては、ステンレス、銅、ニッケル等が挙げられ、正極集電体11aの材質のとしては、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。
このような多孔材を電極集電体として用いることにより、リチウムイオン供給源15,16が電極捲回ユニット10における内周面および外周面の両方に配置されていても、リチウムイオンがリチウムイオン供給源15,16から電極集電体の孔Pを通って自由に各電極間を移動するので、負極12および/または正極11にリチウムイオンをドーピングすることができる。
また、電極の厚み(電極集電体および電極層の合計の厚み)を小さくすることにより、一層高いエネルギー密度および出力密度を得ることができる。
また、電極集電体における孔Pの形態および数等は、後述する電解液中のリチウムイオンが集電体に遮断されることなく電極の表裏間を移動できるように、また、導電性材料によって閉塞し易いように適宜設定することができる。
電極層12bを構成する負極活物質としては、例えば黒鉛、難黒鉛化炭素、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であって水素原子/炭素原子の原子数比(以下「H/C」と記す。)が0.50〜0.05であるポリアセン系骨格構造を有するポリアセン系有機半導体(以下、「PAS」という。))等を好適に用いることができ、これらの中では、PASは高容量が得られる点でより好ましい。例えばH/Cが0.2程度のPASに400mAh/gのリチウムイオンを担持(充電)させた後に放電させると、650F/g以上の静電容量が得られ、また、500mAh/g以上のリチウムイオンを担持(充電)させると、750F/g以上の静電容量が得られる。このことから、PASが非常に大きな静電容量を有することが理解される。
但し、不溶不融性基体の製造方法はこれに限定されることなく、例えば、特公平3−24024号公報等に記載の方法で、H/Cが上記の範囲にあり、かつ600m2 /g以上のBET法による比表面積を有する不溶不融性基体を得ることもできる。
ここで、スラリーの調製に用いられるバインダーとしては、例えばSBR等のゴム系バインダーや、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン等の合フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの中では、バインダーとしてフッ素系樹脂が好ましく、特にフッ素原子/炭素原子の原子比(以下、「F/C」という。)が0.75以上で1.5未満であるフッ素系樹脂を用いることが好ましく、F/Cが0.75以上で1.3未満のフッ素系樹脂が更に好ましい。
バインダーの使用量は、負極活物質の種類や電極形状等により異なるが、負極活物質に対して1〜20質量%、好ましくは2〜10質量%である。
また、必要に応じて使用される導電性材料としては、例えばアセチレンブラック、グラファイト、金属粉末等が挙げられる。この導電性材料の使用量は、負極活物質の電気伝導度、電極形状等により異なるが、負極活物質に対して2〜40質量%の割合で用いることが好ましい。
図示の例では、電極層12bが負極集電体12aの一面のみに形成されているが、電極層12bが負極集電体12aの両面に形成される場合には、例えば負極集電体12aの両面のいずれかにスラリーを間欠塗工して負極集電体12aに未塗工領域を形成することにより、当該未塗工領域に負極端子18を接続することができる。
電極層11bを構成する正極活物質としては、例えば活性炭、導電性高分子、芳香族系縮合ポリマーの熱処理物であってH/Cが0.05〜0.50であるポリアセン系骨格構造を有するPAS等を用いることができる。
正極11における電極層11bは、負極12における電極層2bと同様の方法によって形成することができる。
従来の電気二重層キャパシタにおいては、通常、正極および負極における活物質としてそれぞれ同種のもの(主に活性炭)が略同量用いられている。この活物質はキャパシタの組立時においては、約3Vの電位を有しており、キャパシタに充電することにより、正極の表面においてアニオンが電気二重層を形成することによって、正極の電位が上昇し、一方、負極の表面においてカチオンが電気二重層を形成することによって、負極の電位が降下する。逆に、放電時においては、正極からアニオンが、負極からはカチオンがそれぞれ電解液中に放出されることにより、電位がそれぞれ下降または上昇し、最終的に電位が約3Vとなる。このように、通常の炭素材料は約3Vの電位を有しているため、正極および負極の両方に炭素材料が用いられた有機電解質キャパシタは、正極と負極とを短絡させた後における正極および負極の電位はいずれも約3Vとなる。
(A)リチウムイオンによってドーピングされた後、正極端子と負極端子とを導線で直接結合させた状態で12時間以上放置した後に短絡を解除し、0.5〜1.5時間内に測定した正極の電位。
(B)充放電試験機により12時間以上かけて0Vまで定電流放電させた後に、正極端子と負極端子とを導線で結合させた状態で12時間以上放置した後に短絡を解除し、0.5〜1.5時間内に測定した正極の電位。
上述のように活性炭や炭素材は通常3V(Li/Li+ )前後の電位を有しており、活物質として正極および負極の両方に活性炭を用いてキャパシタを構成した場合には、いずれの電位も約3Vとなるため、正極と負極とを短絡しても正極の電位は変化せず約3Vのままである。また、正極活物質として活性炭を用い、負極活物質としてリチウムイオン二次電池に使用されている黒鉛や難黒鉛化炭素等の炭素材料を用いた、いわゆるハイブリットキャパシタの場合も同様であり、いずれの電位も約3Vとなるため、正極と負極とを短絡しても正極の電位は変化せず約3Vのままである。従って、正極および負極の質量バランスにもよるが、充電すると負極の電位が0V近傍まで推移するので、充電電圧を高くすることが可能となるため、高電圧、高エネルギー密度を有するキャパシタが得られる。一般的に、充電電圧の上限は正極の電位の上昇による電解液の分解が起こらない電圧に定められるので、正極の電位を上限にした場合には、負極の電位が低下する値だけ、充電電圧を高めることが可能となる。
従って、キャパシタとして、高電圧および高エネルギー密度を得るだけでなく、高容量および高エネルギー密度を得るためには、正極の利用容量を向上させることが必要となる。
さらに、正極活物質の単位重量当たりの静電容量よりも大きい単位重量当たりの静電容量を有する負極活物質を用いる場合には、負極12の電位変化量を変えずに負極活物質の質量を減らすことが可能となるため、正極活物質の充填量が多くなり、捲回型LICの静電容量および容量を大きくすることができる。
正極活物質の質量は、負極活物質の質量よりも大きいことが好ましいが、負極活物質の質量の1.1〜10倍であることが更に好ましい。正極活物質の質量が負極活物質の質量の1.1倍未満である場合には、容量差が小さくなるため好ましくない。一方、正極活物質の質量が負極活物質の質量の10倍を超える場合には、逆に容量が小さくなる場合もあり、また、正極11と負極12との厚み差が大きくなり過ぎるので、捲回型LICの構成上好ましくない。
第1のセパレータ13および第2のセパレータ14の材質としては、セルロース(紙)、ポリエチレン、ポリプロピレン、その他公知のものを用いることができる。これらの中では、セルロース(紙)が耐久性および経済性の点で好ましい。
第1のセパレータ13および第2のセパレータ14の厚みは特に限定されないが、通常、20〜50μm程度が好ましい。
このリチウム極集電体15a,16aとしては、リチウムイオン供給源15,16を構成するリチウム金属が圧着しやすく、必要に応じてリチウムイオンが通過するよう、電極集電体と同様な多孔構造のものを用いることが好ましい。また、リチウム極集電体15a,16aの材質は、ステンレス等のリチウムイオン供給源15,16と反応しないものを用いることが好ましい。
また、リチウム極集電体15a,16aとして、ステンレスメッシュ等の導電性多孔体を用いる場合には、リチウムイオン供給源15,16を構成するリチウム金属の少なくとも一部、特に80質量%以上が、リチウム極集電体15a,16aの孔に埋め込まれていることが好ましく、これにより、リチウムイオンが負極12に担持された後も、リチウム金属の消失によって電極間に生じる隙間が少なくなり、得られる捲回型LICの信頼性をより確実に維持することができる。
また、リチウム極集電体15a,16aの厚みは、10〜200μm程度であることが好ましい。
また、リチウム極集電体15a,16aに圧着されるリチウム金属の厚みは、負極12に予め担持するリチウムイオンの量を考慮して適宜定められるが、通常、50〜300μm程度が好ましい。
また、テープ25の厚みは、厚さ50〜100μm程度、幅が5〜10mm程度のものが、電極捲回ユニット10を安定して固定することができ、かつ、作業性も向上するので好ましい。
また、テープ25の数やテープ25によって固定される位置は、主として電極捲回ユニット10の寸法に応じて適宜定められるが、通常、テープ25の数が2〜3であれば、電極捲回ユニット10を安定的に固定することができる。
また、芯棒19の径は、電極捲回ユニット10の内周の径に応じて適宜設定することができる。
電解質を構成するリチウム塩としては、リチウムイオンを移送可能で、高電圧下においても電気分解を起こさず、リチウムイオンが安定に存在し得るものであればよく、その具体例としては、LiClO4 、LiAsF6 、LiBF4 、LiPF6 、Li(C2 F5 SO2 )2 Nなどが挙げられる。
非プロトン性有機溶媒の具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γーブチロラクトン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、塩化メチレン、スルホランなどが挙げられる。これらの非プロトン性有機溶媒は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
電解液は、上記の電解質および溶媒を充分に脱水された状態で混合することによって調製されるが、電解液中の電解質の濃度は、電解液による内部抵抗を小さくするために、少なくとも0.1モル/L以上であることが好ましく、0.5〜1.5モル/Lであることが更に好ましい。
先ず、正極集電体11aの一面に、例えばカーボン系導電性材料よりなる下地層11cを形成することにより、正極集電体11aの孔Pを塞いだ後、当該下地層11cの表面に、正極活物質およびバインダーを含有してなるスラリーを塗工して電極層11aを形成することにより、正極11を作製すると共に、負極集電体12aの一面に、例えばカーボン系導電性材料よりなる下地層12cを形成することにより、負極集電体12aの孔Pを塞いだ後、当該下地層12cの表面に、負極活物質およびバインダーを含有してなるスラリーを塗工して電極層12aを形成することにより、負極12を作製する。そして、正極11における正極集電体11aおよび負極12における負極集電体12aに、正極端子17および負極端子18を、例えばステッチングによって固定して接続する。
次いで、第1のセパレータ13の一面に、負極12、第2のセパレータ14および正極11をこの順で積重することにより、この電極積重体10Aを作製する。ここで、正極11および負極12は、それぞれの電極層11b,12bが第2のセパレータ14を介して互いに対向するよう配置されている。そして、芯棒19に対し、作製した電極積重体10Aを、その第1のセパレータ13が内側となるよう当該電極積重体10Aの一端から捲回することにより、電極捲回ユニット10を作製し、この電極捲回ユニット10にテープ25を捲くことによって固定する。
以上において、第1のセパレータ13には、図7に示すように、電極捲回ユニット10の最内周部分となる一端側部分における負極12が配置される一面とは反対の他面に、電極捲回ユニット10の最内周部分の内周面に配置されるリチウムイオン供給源15が圧着されて固定されており、更に、このリチウムイオン供給源15上には、図8に示すように、リチウム極集電体15aが圧着されて固定されている。一方、第2のセパレータ14には、図9に示すように、電極捲回ユニット10の最外周部分となる他端側部分の表面に、電極捲回ユニット10の外周面に配置されるリチウムイオン供給源16が圧着されて固定されており、更に、このリチウムイオン供給源16上に、図10に示すように、リチウム極集電体16aが圧着されて固定されている。このようにして、電極捲回ユニット10の内周面および外周面の各々に、リチウムイオン供給源15,16が配置される。
而して、本発明によれば、リチウムイオン供給源15,16が設けられた電極捲回ユニット10の最外周部分および/または最内周部分の内周面には、リチウムイオン供給源15,16に覆われていない非占有領域Rが存在し、この非占有領域Rの割合が電極捲回ユニット10の最外周部分および/または最内周部分の内周面全面に対して、それぞれ10〜70%であるため、電極捲回ユニット10の内部に短時間で電解液が浸透し、短期間でリチウムイオンが負極12全体に均一にドーピングされるため、高い生産性が得られる。 また、予め第1のセパレータ13および第2のセパレータ14にリチウムイオン供給源15,16を配置した状態で電極積重体10Aが捲回されることによって、電極捲回ユニット10の作製とリチウムイオン供給源15,16の配置とを同一の工程で行うことができるため、一層高い生産性が得られる。
この例の捲回型LICにおける電極捲回ユニット10は、第1のセパレータ13の一面に、負極12、第2のセパレータ14および正極11がこの順で積重された電極積重体が、第1のセパレータ13が内側となるよう、当該電極積重体の一端から扁平円筒状に捲回されて構成されており、これにより、電極捲回ユニット10全体の最内周部分が第1のセパレータ13の最内周部分13aとされている。また、正極11の最外周部分が負極12の最外周部分に捲回されて覆われており、更に、負極12の最外周部分が第1のセパレータ13の最外周部分および第2のセパレータ14の最外周部分14aにこの順で捲回されて覆われており、これにより、電極捲回ユニット10全体の最外周部分が第2のセパレータ14の最外周部分14aとされている。
電極捲回ユニット10の最内周部分(第1のセパレータ13の最内周部分13a)の内周面、すなわち第1のセパレータ13の一端側部分における負極12が配置される一面とは反対の他面には、それぞれ第1のセパレータ13の幅方向(図11において紙面と垂直な方向)に伸びる、リチウム極集電体15aの両面の各々に圧着された複数の矩形の膜状のリチウム金属よりなるリチウムイオン供給源15が、互いに離間した状態で配置され、当該リチウムイオン供給源15は第1のセパレータ13によって正極11および負極12の各々とは直接接触しない状態とされている。また、電極捲回ユニット10の最外周部分(第2のセパレータ14の最外周部分14a)の内周面すなわち第2のセパレータ14の他端側部分の表面には、それぞれ第2のセパレータ14の幅方向(図11において紙面と垂直な方向)に伸びる、リチウム極集電体16aの一面に圧着された複数の矩形の膜状のリチウム金属よりなるリチウムイオン供給源16が配置され、当該リチウムイオン供給源16は第2のセパレータ14によって正極11および負極12の各々とは直接接触しない状態とされている。図示の例では、2つのリチウムイオン供給源16が、電極捲回ユニット10の外周における一面およびこれに対向する他面に配置されている。
そして、リチウムイオン供給源15,16が設けられた電極捲回ユニット10の最外周部分の内周面および/または最内周部分の内周面における非占有領域Rの割合が、それぞれ10〜70%とされ、好ましくは15〜50%、より好ましくは20〜30%とされる。
また、図11に示す電極捲回ユニット10は、図1に示す捲回型LICの電極捲回ユニット10と同様にして製造することができる。
而して、このような捲回型LICによれば、リチウムイオン供給源15,16が設けられた電極捲回ユニット10の最外周部分および/または最内周部分の内周面における非占有領域Rの割合が、それぞれ10〜70%であるため、電極捲回ユニット10の内部に短時間で電解液が浸透し、短期間でリチウムイオンが負極12全体に均一にドーピングされるため、高い生産性が得られる。
また、予め第1のセパレータ13および第2のセパレータ14にリチウムイオン供給源15,16を配置した状態で電極積重体10Aが捲回されることによって、電極捲回ユニット10の作製とリチウムイオン供給源15,16の配置とを同一の工程で行うことができるため、一層高い生産性が得られる。
例えば、本発明は、捲回型LICに限定されず、リチウムイオン二次電池にも好適に適用することができ、また、その他の捲回型蓄電源に適用することもできる。
(1)負極の製造:
厚みが0.5mmのフェノール樹脂成形板をシリコニット電気炉中に入れ、窒素雰囲気下で50℃/時間の速度で500℃まで昇温し、更に10℃/時間の速度で660℃まで昇温して熱処理することにより、PAS板を製造した。得られたPAS板をディスクミルで粉砕することにより、PAS粉体を調製した。このPAS粉体のH/C比は0.21であった。
次いで、調製したPAS粉体100質量部と、ポリフッ化ビニリデン粉末10質量部とを、N−メチルピロリドン80質量部に添加して溶解・分散することにより、負極用スラリーを調製した。この負極用スラリーを、厚みが32μmで気孔率が50%の銅製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)よりなる負極集電体の両面に、ダイコーターによって、塗工部の長さが49.3cm、未塗工部の長さが10cmとなるよう間欠塗工して乾燥し、得られた塗膜に対してプレス加工を施すことにより、電極層を形成し、以て、負極を製造した。
得られた負極の厚み(負極集電体とその両面に形成された電極層との合計の厚み)は、77μmであった。
また、この負極を作用極、リチウム金属を対極、参照極とし、プロピレンカーボネートに1モル/Lの濃度でLiPF6 が溶解されてなる電解液を用いてキャパシタを構成し、負極活物質の質量に対して400mAh/g分のリチウムイオンを充電し、負極の単位重量当たりの静電容量を求めたところ、661F/gであった。
比表面積が1950m2 /gの活性炭粉末100質量部と、アセチレンブラック10質量部と、アクリル系バインダー7質量部と、カルボキシメチルセルロース4質量部とを、水に添加して分散することにより、正極用スラリーを調製した。
一方、厚さが35μmで気孔率が50%のアルミニウム製エキスパンドメタル(日本金属工業株式会社製)よりなる正極集電体の両面に、非水系のカーボン系導電塗料(日本アチソン株式会社製:EB−815)を、ダイコーターによって、塗工部の長さが46.3cm、未塗工部の長さが10cmとなるよう間欠塗工して乾燥することにより、下地層を形成した。正極集電体とその両面に形成された下地層との合計の厚みは、52μmであり、正極集電体の孔は、下地層によって閉塞されていた。
次いで、調製した正極用スラリーを、下地層が形成された正極集電体の両面に、ダイコーターによって、塗工部の長さが46.3cm、未塗工部の長さが10cmとなるよう間欠塗工して乾燥し、得られた塗膜に対してプレス加工を施すことにより、電極層を形成し、以て、正極を製造した。
得られた正極の厚み(正極集電体とその両面に形成された下地層および電極層との合計の厚み)は、212μmであった。
また、この正極を作用極、リチウム金属を対極、参照極とし、プロピレンカーボネートに1モル/Lの濃度でLiPF6 が溶解されてなる電解液を用いてキャパシタを構成し、3.5V〜2.5V間の放電時間より正極の単位重量当たりの静電容量を求めたところ、119F/gであった。
製造した負極を、その端部から10mmの位置で負極集電体の未塗工部を含むように5.6cm(幅)×49.3cm(長さ)の寸法にカットした後、ニッケル製の負極端子を負極集電体の未塗工部上に配置して超音波溶接により接続した。
また、製造した正極を、その端部から10mmの位置で正極集電体の未塗工部を含むように5.4cm(幅)×46.3cm(長さ)の寸法にカットし、アルミニウム製の正極端子を正極集電体の未塗工部上に配置して超音波溶接により接続した。
また、それぞれ厚みが35μmのセルロース/レーヨン混合不織布よりなる第1のセパレータおよび第2のセパレータを用意し、得られる電極捲回ユニットの最内周部分となる第1のセパレータの一端側部分の表面に、縦横の寸法が5.4cm×0.9cmで、厚みが170μmのリチウム金属箔よりなるリチウムイオン供給源を配置し、これを圧着することによって固定し、このリチウムイオン供給源上に、縦横の寸法が7.4cm×0.9cm、厚みが32μmで気孔率が50%の銅製エキスパンドメタルよりなるリチウム極集電体を配置し、これを圧着することによって固定した。一方、得られる電極捲回ユニットの最外周部分となる第2のセパレータの他端側部分の表面に、それぞれ縦横の寸法が5.4cm×2.0cmで、厚みが170μmのリチウム金属箔よりなる2つのリチウムイオン供給源を、0.5cmの間隔で離間して配置し、これを圧着することによって固定し、これらのリチウムイオン供給源上に、縦横の寸法が5.4cm×2.0cm、厚みが32μmで気孔率が50%の銅製エキスパンドメタルよりなるリチウム極集電体を配置し、これを圧着することによって固定した。
そして、第1のセパレータにおけるリチウムイオン供給源が圧着された面とは反対の面上に、負極、第2のセパレータおよび正極をこの順で積重することにより、電極積重体を構成した。ここで、正極および負極は、それぞれの電極層が第2のセパレータを介して互いに対向するよう配置した。この電極積重体を、直径3.5mmのステンレス製の芯棒に対し、第1のセパレータが内側となるよう当該電極積重体の一端から捲回することにより、内径3.5mm、外径15.5mmの円筒状の電極捲回ユニットを作製し、この電極捲回ユニットにテープを捲くことによって固定した。
電極捲回ユニットの最外周部分および最内周部分の内周面におけるリチウムイオン供給源に覆われていない領域(非占有領域)の割合は、それぞれ20%であった。
また、各リチウムイオン供給源を予め第1のセパレータおよび第2のセパレータに圧着したため、電極捲回ユニットの作製を容易に行うことができた。
外径が18mmで高さが65mmの鉄−ニッケルメッキ製の有底筒状の外装容器材を用意し、この外装容器材の内部に、作製した電極捲回ユニットを収納すると共に、当該電極捲回ユニットの負極端子を、外装容器材の内底部に抵抗溶接した後、外装容器材の上部に溝入れ加工を施した。次いで、外装容器材の上部にポリプロピレン製ガスケットを取り付けた後、電極捲回ユニットの正極端子を蓋材に抵抗溶接した。そして、外装容器材の内部に、プロピレンカーボネートに1モル/Lの濃度でLiPF6 が溶解されてなる電解液9gを注入し、真空含浸させたところ、完了までの時間が2分間であった。その後、外装容器材に蓋材を被せた状態で当該外装容器材をかしめて密閉することにより、外装容器を構成した。このようにして、円筒状の捲回型LICを合計で3つ作製した。
作製した3つの捲回型LICを、作製してから7日間放置した後に、1つの捲回型LICを分解したところ、リチウムイオン供給源であるリチウム金属箔が消失していることが確認された。このことから、作製してから7日間経過後には、所期の量のリチウムイオンが負極にドーピングされたと判断される。
2つの捲回型LICの各々に対し、750mAの定電流によってキャパシタの電圧が3.8Vになるまで充電し、その後、3.8Vの定電圧を印加する定電流−定電圧充電を0.5時間行った。次いで、750mAの定電流によってキャパシタの電圧が2.2Vになるまで放電した。この操作を1サイクルとして繰り返して行い、10サイクル目の放電におけるキャパシタの容量、エネルギー密度、内部抵抗を測定し、2つの捲回型LICについての平均値を算出した。結果を下記表1に示す。
電極捲回ユニットの内周面に配置されるリチウムイオン供給源として、縦横の寸法が5.4cm×1.0cmで厚みが135μmのリチウム金属箔を1枚用い、電極捲回ユニットの外周面に配置されるリチウムイオン供給源として、縦横の寸法が5.4cm×5.0cmで厚みが135μmのリチウム金属箔を1枚用いたこと以外は、実施例1と同様にして電極捲回ユニットを作製し、捲回型LICを3個作製した。
以上において、電極捲回ユニットの最外周部分および最内周部分の内周面におけるリチウムイオン供給源に覆われていない領域(非占有領域)の割合は、それぞれ0%であった。
また、捲回型LICの作製において、電解液を注入して真空含浸させたところ、完了までの時間が4分間であった。
作製した捲回型LICについて、実施例1と同様して初期評価を行ったところ、リチウム金属箔が残存していることが確認された。
また、作製した捲回型LICについて、実施例1と同様して特性評価を行った。結果を下記表2に示す。
実施例1と同様にして負極および正極を製造した。
製造した負極を、その端部から10mmの位置で負極集電体の未塗工部を含むように5.6cm(幅)×49.3cm(長さ)の寸法にカットした後、ニッケル製の負極端子を負極集電体の未塗工部上に配置して超音波溶接により接続した。
また、製造した正極を、その端部から10mmの位置で正極集電体の未塗工部を含むように5.4cm(幅)×46.3cm(長さ)の寸法にカットし、アルミニウム製の正極端子を正極集電体の未塗工部上に配置して超音波溶接により接続した。
そして、それぞれ厚みが35μmのセルロース/レーヨン混合不織布よりなる第1のセパレータおよび第2のセパレータを用意し、第1のセパレータ、負極、第2のセパレータおよび正極をこの順で積重することにより、電極積重体を構成した。ここで、正極および負極は、それぞれの電極層が第2のセパレータを介して互いに対向するよう配置した。この電極積重体を、直径3.5mmのアルミニウム製の芯棒に対し、第1のセパレータが内側となるよう当該電極積重体の一端から捲回することにより、内径3.5mm、外径15.5mmの電極捲回ユニットを作製し、この電極捲回ユニットにテープを捲くことによって固定した。
次いで、縦横の寸法が5.4cm×5.0cmで、厚みが134μmのリチウム金属箔よりなるリチウムイオン供給源に、縦横の寸法が5.4cm×5.0cm、厚みが32μmの銅製エキスパンドメタルよりなるリチウム極集電体を圧着し、当該リチウム極集電体が圧着されたリチウムイオン供給源を、電極捲回ユニットの外周面に対接するよう配置した。また、縦横の寸法が5.4cm×1.0cmで、厚みが134μmのリチウム金属箔よりなるリチウムイオン供給源に、縦横の寸法が5.4cm×1.0cm、厚みが32μmの銅製エキスパンドメタルよりなるリチウム極集電体を圧着し、当該リチウム極集電体が圧着されたリチウムイオン供給源を、電極捲回ユニットの内周面に対接するよう配置した。
電極捲回ユニットの内周面および外周面におけるにおけるリチウムイオン供給源に覆われていない領域(非占有領域)の割合は、それぞれ0%であった。
以上において、リチウムイオン供給源の配置には、長時間を要した。
作製した捲回型LICについて、実施例1と同様して初期評価を行ったところ、リチウム金属箔が残存していることが確認された。分解した捲回型LICを組み立て、2日間放置(合計9日間放置)した後、捲回型LICを再度分解したところ、リチウムイオン供給源であるリチウム金属箔が消失していることが確認された。このことから、作製してから9日間経過後には、所期の量のリチウムイオンが負極にドーピングされたと判断される。 また、作製した捲回型LICについて、実施例1と同様して特性評価を行った。結果を下記表3に示す。
10A 電極積重体
11 正極
11a 正極集電体
11b 電極層
11c 下地層
12 負極
12a 負極集電体
12b 電極層
12c 下地層
13 第1のセパレータ
13a 最内周部分
14 第2のセパレータ
14a 最外周部分
15,16 リチウムイオン供給源
15a,16a リチウム極集電体
17 正極端子
18 負極端子
19 芯棒
20 外装容器
25 テープ
P 孔
R 非占有領域
Claims (10)
- 表裏面を貫通する孔を有する集電体の少なくとも一面に、リチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に担持可能な正極活物質を含有する電極層が形成されてなる帯状の正極と、表裏面を貫通する孔を有する集電体の少なくとも一面に、リチウムイオンを可逆的に担持可能な負極活物質を含有する電極層が形成されてなる帯状の負極とを有し、当該正極および当該負極がセパレータを介して積重されてなる電極積重体が、その一端から捲回されて構成され、その最外周部分および最内周部分が前記セパレータである筒状の電極捲回ユニット、
この電極捲回ユニットの最外周部分の内周面および最内周部分の内周面に設けられたリチウムイオン供給源、および、
リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液よりなる電解液を備えてなり、
前記負極および/または前記正極と前記リチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、リチウムイオンが当該負極および/または当該正極にドーピングされる捲回型蓄電源であって、
前記電極捲回ユニットにおける電極積重体が、前記セパレータの一端側部分に、負極が配置される面とは反対の面に、電極捲回ユニットの最内周部分における内周面に設けられるリチウムイオン供給源が配置されたものであり、
前記リチウムイオン供給源が設けられた前記電極捲回ユニットの最外周部分の内周面および最内周部分の内周面における当該リチウムイオン供給源に覆われていない領域の割合が、それぞれ10〜70%であることを特徴とする捲回型蓄電源。 - リチウムイオン供給源は、セパレータによって正極および負極と接触しないよう設けられていることを特徴とする請求項1に記載の捲回型蓄電源。
- リチウムイオン供給源は、金属製集電体に圧着または積重されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の捲回型蓄電源。
- リチウムイオン供給源が圧着または積重された金属製集電体は多孔箔よりなることを特徴とする請求項3に記載の捲回型蓄電源。
- 電極積重体は、第1のセパレータ、負極、第2のセパレータおよび正極の順で積重されてなり、当該第1のセパレータの一端側部分には、負極が配置される面とは反対の面に、電極捲回ユニットの最内周部分における内周面に設けられるリチウムイオン供給源が配置され、電極積重体がその一端から捲回されることによって電極捲回ユニットが構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
- 電極捲回ユニットは、正極の最外周部分がセパレータを介して負極の最外周部分に覆われ、更に、当該負極の最外周部分がセパレータの最外周部分に覆われており、当該セパレータの最外周部分における内周面にリチウムイオン供給源が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
- リチウムイオンキャパシタであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
- リチウムイオン二次電池であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の捲回型蓄電源。
- 表裏面を貫通する孔を有する集電体の少なくとも一面に、リチウムイオンおよび/またはアニオンを可逆的に担持可能な正極活物質を含有する電極層が形成されてなる帯状の正極と、表裏面を貫通する孔を有する集電体の少なくとも一面に、リチウムイオンを可逆的に担持可能な負極活物質を含有する電極層が形成されてなる帯状の負極とを有し、当該正極および当該負極がセパレータを介して積重されてなる電極積重体が、その一端から捲回されて構成され、その最外周部分および最内周部分が前記セパレータである筒状の電極捲回ユニット、
この電極捲回ユニットの最外周部分の内周面および最内周部分の内周面に設けられたリチウムイオン供給源、および、
リチウム塩の非プロトン性有機溶媒電解質溶液よりなる電解液を備えてなり、
前記負極および/または前記正極と前記リチウムイオン供給源との電気化学的接触によって、リチウムイオンが当該負極および/または当該正極にドーピングされる捲回型蓄電源の製造方法であって、
前記セパレータの一端側部分に、負極が配置される面とは反対の面に、電極捲回ユニットの最内周部分における内周面に設けられるリチウムイオン供給源を配置した電極積重体をその一端から捲回させる工程を有し、
前記リチウムイオン供給源が設けられた前記電極捲回ユニットの最外周部分の内周面および最内周部分の内周面における当該リチウムイオン供給源に覆われていない領域の割合が、それぞれ10〜70%であることを特徴とする捲回型蓄電源の製造方法。 - 電極積重体は、第1のセパレータ、負極、第2のセパレータおよび正極の順で積重されてなり、当該第1のセパレータの一端側部分には、負極が配置される面とは反対の面に、電極捲回ユニットの最内周部分における内周面に設けられるリチウムイオン供給源が配置され、電極積重体がその一端から捲回されることによって電極捲回ユニットが構成されていることを特徴とする請求項9に記載の捲回型蓄電源の製造方法。
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